JP2005007667A - シラスコンクリート装飾材及びその製造方法 - Google Patents

シラスコンクリート装飾材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造時に排水を発生することなく、少ない作業工程数で、線図、絵などの意図した複雑な模様や色彩を実現した装飾板を提供する。
【解決手段】装飾層をなすゼロスランプ材料の上に組成の異なるシラス硬化層をなすゼロスランプ材料を1〜6層重ねて、これを1MPa(10kgf/cm)ないし235MPa(2400kgf/cm)の圧力で一体成形加工することにより装飾板を製造する。表面の一部又は全部を表面研削又は洗い出し仕上げして美観や滑り止め効果を付与することができる。製造時にアルカリ性の排水を生じないので廃水処理の問題も無く、装飾層に線図、絵などの意図した複雑な模様や色彩を持つ新規な装飾板を実現するものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロック、瓦、コンクリート擁壁、石塀、石垣、建築物の外壁材、敷石等に使用されるシラスコンクリート装飾材及びその製造方法に関する。更に詳しくは、南九州に広く分布するシラスとセメントを主材料として用いたシラス硬化層とこれに装飾層を積層したシラスコンクリート装飾材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭63−261040号(以下、特許文献1という。)では、内層材として軽量な珪酸カルシウムを用い、その表面に表面材として、薄い人造又は天然の石材を接着剤で貼着することにより、軽量性と耐割れ性を改善した人造石材が記載されている。特開平6−278112号(以下、特許文献2という。)では、基材と表面材とからなる人工石材の製造方法において、型内に基材を配置し、該基材上に、種石とバインダーを含む表面材の原料を、未硬化状態で供給し、その後表面材を硬化させると同時に基材と表面材を一体化する人造石材の製造方法が記載されている。
【0003】
特開平6−279088号(以下、特許文献3という。)では、表面材と軽量基材より成る複層構造の人造石材を製造する方法において、表面材構成成分モルタルと、軽量基材成分モルタルとを積層し、一体成形する人工石材の製造方法が記載されている。
【0004】
特開平7−291706号(以下、特許文献4という。)では、充填材を含有する表面材と軽量内層材より成り、一体成形にて複層構造の人造石材を製造する方法において、表面材の基本組成が種石、水硬性セメント、水の3種から成り、軽量内層材の構成成分が水硬性セメント、粗粒骨材、細粒骨材、或いは最細粒骨材、及び水から成ることを特徴とする人造石材の製造法が記載されている。特開平7−292924号(以下、特許文献5という。)では、基材がポーラスな平面に天然大理石、人造大理石、御影石等の石材を接着した石材が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−261040号(1〜2ページ)¥
【特許文献2】
特開平6−278112号(第0004〜0015段落)
【特許文献3】
特開平6−279088号(第0003〜0014段落)
【特許文献4】
特開平7−291706号(第0004〜0012段落)
【特許文献5】
特開平7−292924号(2〜3ページ)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1、特許文献2及び特許文献5の貼り合わせ接合した人造石材は、接着強度の信頼性が十分でなく、また、石材の薄板又は基材を予め調達する必要から作業工程数が多いという問題がある。特許文献3は、成形加工前の材料には多量の水分が含まれており、プレス加工機による加圧成形では、石材に吸収されない余分な水が圧縮工程中に押し出される。この余分な水は排出しなければならず、従って廃水処理の問題は避けられないことが問題点である。特許文献4では、表面材に種石、水硬性セメント、水をミキサーを用いて混練したモルタルを用いるため、線図、絵などの意図した複雑な模様や色彩を実現できないことが問題点である。
【0007】
本発明の目的は、シラスとセメントを主材料として用いたシラス硬化層とこれに積層した装飾層との接着強度の信頼性が高いシラスコンクリート装飾材及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、作業工程数が少ないシラスコンクリート装飾材及びその製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、圧縮工程中に押し出され硬化材の硬化に余分な水の廃水処理が必要でないシラスコンクリート装飾材及びその製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、線図、絵などの意図した複雑な模様や色彩を実現できるシラスコンクリート装飾材及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のシラスコンクリート装飾材は、シラス硬化層と装飾層とからなるシラスコンクリート装飾材であって、
(a)シラスとセメント
(b)シラスとセメントと水
(c)シラスとシラスバルーンとセメントと水
(d)シラスと植物炭化物とセメントと水
(e)焼成発泡軽石とセメントと水
(f)焼成発泡軽石と植物炭化物とセメントと水
のグループから選択される1種以上の前記シラス硬化層と、
(p)シラスとセメント
(q)シラスと装飾粒とセメント
(r)装飾粒とセメント
(s)セメント
のグループから選択される1種以上で前記シラス硬化層の外表面を形成して積層された前記装飾層とからなる。
【0009】
ただし、前記シラスは日本の南九州に広く分布する軽石流及び降下軽石の非溶結火砕流堆積物であり、前記セメントは水硬性硬化材であり、前記シラスバルーンは前記シラスを加熱炉内で熱処理して発泡軽量化したものであり、前記植物炭化物は植物を人工的、又は自然に炭化したものであり、前記焼成発泡軽石は加熱炉で前記シラスに含まれる軽石を焼成発泡したものであり、かつ900〜1100℃で焼成発泡して得られた見かけ比重0.18〜0.31のものであり、
前記装飾粒は、火成岩、変成岩、堆積岩、貝殻、硬質の炭、ガラス、陶器、瓦、レンガから選択される1種以上であり、
前記シラス硬化層と前記装飾層とを積層して加圧して一体に成形されたものであることを特徴とする。
【0010】
本発明のシラスコンクリート装飾材の製造方法は、装飾を施すために外表面を形成する前記装飾層を積層する装飾層形成工程と、前記装飾層に積層され、自然採取された状態の水分を含むシラスとセメントを主材料として用いたシラス硬化層を積層するシラス硬化層積層工程と、前記装飾層と前記シラス硬化層とを同時に1MPaないし235MPaの圧力で一体成形加工するための加圧工程とからなるシラスコンクリート装飾材の製造方法であり、
ただし、前記シラスは日本の南九州に広く分布する軽石流及び降下軽石の非溶結火砕流堆積物、及び前記シラス類似の非溶結性火砕流堆積物も含み、前記セメントは水硬性硬化材であることを特徴とする。
【0011】
前記シラス硬化層は、組成及び/又は組成比が異なる2層以上から構成すると良い。前記装飾層は、模様及び/又は色彩を呈するために顔料を含むものであっても良い。前記装飾層の前記装飾粒は、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合のために、平均1ないし50mmの粒径であると良い。
【0012】
この装飾粒は、廃材、又は端材を破砕したものを用いても良い。前記装飾層の表面は研削仕上げされたものであっても良い。前記装飾層の表面を流体で洗い出して行うと良い。
前記加圧工程後に前記シラスコンクリート装飾材を養生後、前記装飾粒を研削加工する研削工程を含むと良い。また、前記加圧工程後に前記装飾層の表面を流体で洗い出しする洗出工程を含むと良い。
以下、本発明を構成する各要件の技術的意味について詳細に説明する。
【0013】
シラス
本発明でいうシラスは、地学事典に定義されているものと同義である。すなわち、日本の南九州に広く分布する軽石流及び降下軽石の非溶結火砕流堆積物のことである。シラスのうち軽石流の堆積物が、シラスの中で最も賦存量が多く、鹿児島県本土の面積の約50%を占め、鹿児島湾周辺で厚さ数10m〜200mの台地を形成しており、火山灰、軽石などが渾然一体となっている。
【0014】
この軽石流堆積物は、鹿児島湾奥部を噴出源としている。大部分は砂分及び微砂分からなる。鉱物組成は、火山ガラス、斜長石を主成分とし、輝石、石英、磁鉄鉱などを副成分としている。シラスの真比重は、2.3〜2.5の範囲にあり平均は2.39である。化学組成は、ケイ酸分約70wt%、アルミナ分約14wt%、アルカリ酸化物約8wt%の順に含まれている。
【0015】
本発明でいう降下軽石もシラスに属する。これは鹿児島県の鹿屋市、垂水市を中心に分布しており、灰白色で主に軽石礫の集合体からなり、噴出源、噴出年代は上記の軽石流堆積物と同じ時期である。この降下軽石は、上記軽石流堆積物の下層に位置し、比較的固い軽石からなる。化学組成や鉱物組成は、軽石流のシラスとほぼ同等である。
【0016】
シラスバルーン
本発明で使用するシラスバルーンは、シラスを加熱炉内で熱処理して発泡軽量化した製品である。シラスを加熱炉で加熱して作られるものであり、微粒中空ガラス球状体をいう(例えば、特公昭48−17645号公報、特開平2−296750号公報、特許第2562788号等参照)。このシラスバルーンを配合することにより、シラスのみを用いたものよりシラスコンクリート装飾材の軽量化を図ることができる。この原料のシラスとしては、鹿児島郡吉田町や宮崎県えびの市周辺に賦存するシラスがある。これらの化学組成は、軽石流堆積物のシラスとほぼ同等である。
【0017】
焼成発泡軽石
本発明の焼成発泡軽石は、鹿児島県、宮崎県に多く分布するシラスに含まれる軽石(シラスとは入戸火砕流堆積物のことを指す)、大隅降下軽石(鹿児島県の大隅半島に産出する降下軽石)、ボラ(霧島山起源の降下軽石。宮崎県では日向土、日向ボラともいう。)を内燃式媒体流動床炉等で焼成発泡したものであり、900〜1100℃で焼成発泡して得られた見かけ比重0.18〜0.31の焼成発泡軽石をいう(特願平2002−257065参照)。なお、内燃式媒体流動床炉は、炉内に生ガスを導入して流動層で自燃させて熱源を得るものである(特許第3028474号等参照)。
【0018】
セメント
本発明のセメントは、水と反応して硬化する鉱物質である水硬性のセメントである。具体的には常法により製造された普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント類、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントなどの混合セメント類、白色ポルトランドセメント、アルミナセメントなどの特殊セメント類のことである。
【0019】
顔料
本発明で使用する顔料は、装飾層を構成する材料に混合して使用するものであり、装飾層の表面、又は全部に混合して模様及び/又は色彩を施すためのものである。この顔料の素材は人工顔料又は自然顔料である有機顔料、無機顔料の何れであっても良い。好ましくは、環境に負荷をかけない水溶性の顔料が良い。例えば、酸化クローム系の顔料、酸化鉄系等の公知材料を用いて赤色、黒色、黄色、茶色、緑色、水色、青色等を使用する。本発明のシラスコンクリート装飾材の用途によっては、顔料に換えて染料であっても良い。
【0020】
装飾粒
本発明の装飾粒は、装飾層の全体に混合、又は表面層の最外表面層に配置されるものであり、美観を呈するように配置したものである。装飾粒の素材は、吸水率の低い骨材であって、溶岩、火山礫、花崗岩などの火成岩、粘板岩などの変成岩、砂岩や石灰岩などの堆積岩、備長炭などの白炭に分類される硬質の炭、硬質の産業廃棄物(ガラス、陶器、陶器瓦、いぶし瓦、ホタテ貝、鮑などの食用貝の貝殻類、セラミックス、プラスチック)、まべ貝、夜光貝、白蝶貝などの真珠光沢面を有する貝殻、人工骨材、蓄光材(蓄光セラミックス粉末をプラスチックなどで固めたもの)、シラス加圧成形体のことである。
【0021】
シラス加圧成形体とは、シラスとセメントを主原料(必要に応じて顔料を添加)とし、これらの原料を混合し、加圧成形加工し、養生して硬化させたものである。これらを破砕した粒状や破片状のもの、スライスした板状のものも含む。装飾粒の大きさは、平均粒径が1〜50mmが良い。好ましくは、平均粒径5〜15mmが良い。貝殻の場合などは、元の形状を活かすために粉砕せずに用いる場合があり、20mm以上であっても良い。
【0022】
装飾層の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合
本発明の装飾層の模様及び/又は色彩とは、装飾層に形成されるものであって、装飾層の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通して美感を起こすものをいう。本発明の装飾層の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を施す方法には、公知の如何なる方法であっても良いが、主として後述するt、u、v及びwの四通りが好ましい。
【0023】
表面研削仕上げ方法
本発明の装飾層の表面研削仕上げとは、美観の向上、又は触感等の機能の面から装飾層の表面を平滑、又は凹凸加工するものをいう。この表面研削仕上げのための加工方法は、装飾層の表面を高速回転する円盤状のダイヤモンド砥石等を用いる機械研削方法、又は手動により砥石で表面を削り取って行う方法、金属粒を高速で衝突させ削るショット仕上げ方法、金槌で表面を削り取るビシャン仕上げ方法などを含む。
【0024】
洗い出し仕上げ方法
同様に、本発明の装飾層の洗い出し仕上げは、美観の向上、又は機能の面から装飾層の表面を突出させ凹凸加工するものをいう。この洗い出し仕上げ方法は、装飾層の表面をブラシで洗浄する方法、又は高圧洗浄機を用いて水を噴霧する方法がある。これらの方法により、セメントを洗い出して装飾粒を部分的に突出させ、表面を凹凸状に仕上げることができる。
【0025】
石英、非晶質シリカ
本発明の石英は、天然石英(珪石等)を主成分とする結晶質の微粒子からなり、平均粒径0.1〜1.0μmの水に不溶であり、水に沈降する微粉末のものである。この人工石英、又は天然石英は、成形体の強度を向上させる効果がある。セメントの水和反応により生じるアルカリと反応し易く、外部に溶出するアルカリを抑制する効果がある。
【0026】
本発明の非晶質シリカは、シリカを主成分とする平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質の微粒子からなる。シリカフューム、マイクロシリカ、シリカフラワー、ホワイトカーボン等と呼ばれる非晶質のシリカの微粒子のことである。フェロシリコン(珪素鉄)や金属シリコンを製造するとき、電気炉のなかで炭酸ガスとともに発生する煙霧(ダスト)を回収した微粉末のものも含まれる。
【0027】
流動化剤
本発明の流動化剤は、セメントの分散性を良くし、水の添加量を少なくする効果があるものである。流動化剤には、アルキルアリルスルホン酸塩高縮合物、ナフタリンスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系のものであり、高性能減水剤も含まれる。高性能減水剤は、セメントに対して分散性を良くし、水の添加量を少なくする効果があるものであれば如何なるものであっても良い。好ましくは高性能減水剤には、ポリカルボン酸系及びポリカルボン酸エーテル化合物系の高性能AE減水剤、アルキルアリルスルホン酸塩高縮合物、ナフタリンスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系のものが良い。
【0028】
かさ比重、吸水率、見掛気孔率
本発明のかさ比重、吸水率、見掛気孔率は、JIS−R−2205に規定される測定法を用いた値である。曲げ強度、圧縮強度は、JIS−R−5201に規定される測定法を用いた値である。
【0029】
植物炭化物
本発明で使用する植物炭化物とは、木、竹、椰子殻などの植物を人工的に炭化させたもの、泥炭などのように植物が自然に炭化したもののことである。この植物炭化物は、本発明のシラスコンクリート装飾材を、壁材、床材、河川の浄化フィルター等に使用したとき、水、空気の浄化機能、臭いの吸着、色の吸着のために混合する。
【0030】
原材料の混合・攪拌装置
本発明の装飾層をなす原材料を混合、攪拌する装置には、ドラムミキサー、可傾式ミキサー、V型混合機、プロペラミキサー及びオムニミキサー(商標名)、攪拌らい潰機等の公知のミキサーを用いる。装飾粒の破壊を抑えたい場合には、V型混合器やオムニミキサーを用いる。シラス硬化層をなす原材料を混合、攪拌する装置としては、ドラム型のミキサーでもよいが、一般にオムニミキサーと呼ばれる装置が適している。なお、オムニミキサーは、攪拌羽根がなく、揺動盤上に可撓自在のゴムボールを取付けた装置で、混練物を加速しランダム方向に揺動させながら混錬を行うものである。
【0031】
これは短時間で比重の異なる原料同士を容易に混合、分散できる装置である。また、この装置は、原材料の混合時及び攪拌時に軽石、焼成発泡軽石及び植物炭化物の破砕を最小限に抑えることができる。緻密で高強度の装飾材を得る場合には、すり潰しながら混合する装置、例えば攪拌らい潰機(乳鉢と乳棒による混合方式)が適している。この方法は、混合時にシラスの粒子に含まれる水分を浸出させる働きもあるので、水の添加量を最小限に抑えることができる。装飾粒を用いない装飾層の原材料の混合にも適している。
【0032】
一体成形加工
本発明でいう一体成形加工とは、装飾層と1〜6層のシラス硬化層をなすゼロスランプ材料を加圧により一体化させる方法のことである。加圧する装置としては、1MPa(10kgf/cm)ないし235MPa(2400kgf/cm)の範囲内で任意に加圧ができる加圧成形装置を用いる。金型を用いた成形加工機を用いることによって、平板状、階段状、凹凸状、擬岩状など表裏面及び/又は側面を工夫した複雑形状のシラスコンクリート装飾材を実現できる。また、転圧機を用いることによって、施工現場で転圧施工もできる。
【0033】
建築材、土木材
本発明の建築材とは、床材、壁材、天井材、耐火材、断熱材のことである。土木材とは、公園用、街路用、歩道用、広場用の土間材、戸建住宅のカーポート用、アプローチ用、園路用、飛石用の平板のことである。カラーブロック、擬石平板、縁石、化粧ブロック、道路用境界ブロック、滑り止めブロック、プールサイド用透水性ブロック、舗装用平板も含まれる。
【0034】
緑化材、シラスコンクリート装飾材
緑化材とは、ビル屋上緑化駐車場用や壁面緑化用の透水性及び/又は保水性を有するブロックのことである。フィルター材とは、河川、海水など水の浄化を助ける機能を有する平板又はブロックのことである。本発明のシラスコンクリート装飾材は、1〜6層のシラス硬化層と装飾層とからなるものである。シラスコンクリート装飾材は、装飾層に顔料を添加したもので模様及び/又は色彩を施した1〜6層のシラス硬化層と装飾層とからなるものである。
【0035】
シラスコンクリート装飾材は、表面の一部又は全部を表面研削仕上げ又は洗い出し仕上げした上記の何れかに記載の1〜6層のシラス硬化層と装飾層とからなるものである。本発明のシラスコンクリート装飾材の製造方法は、装飾層をなすゼロスランプ材料の上に組成の異なるシラス硬化層をなすゼロスランプ材料を1〜6層重ねて、これを1MPa(10kgf/cm)ないし235MPa(2400kgf/cm)の圧力で一体成形加工することである。
【0036】
シラスコンクリート装飾材の製造方法は、装飾層に顔料を添加し、それを用いて模様及び/又は色彩を施したゼロスランプ材料層の上に、組成の異なるシラス硬化層をなすゼロスランプ材料を1〜6層重ねて、これを1MPa(10kgf/cm)ないし235MPa(2400kgf/cm)の圧力で一体成形加工することである。これらのシラスコンクリート装飾材が、建築材、土木材、緑化材又はフィルター材としての用途に利用できる。
以下、本発明を構成する主要な構成である前述した装飾層及びシラス硬化層の詳細について説明する。
【0037】
[装飾層]
本発明のシラスコンクリート装飾材の装飾層は、シラス硬化層の外表面に装飾を施すためにこの外表面に積層されたものであり、シラスコンクリート装飾材の外観の美観を良くするために形成されたものである。
この装飾層は、次のp、q、r及びsの4種類である。即ち、
(p):シラスとセメント
(q):シラスと装飾粒とセメント
(r):装飾粒とセメント
(s):セメント
のいずれか1つの基本組成からなる。
(p)シラスとセメント
次に、この(p)における4通りのシラスとセメントの好適な配合比を次に示す。
▲1▼ シラス71〜85wt%、セメント15〜29wt%からなるもの。
▲2▼ シラス72〜88wt%、セメント11〜27wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカ0.1〜3.0wt%からなるもの。
▲3▼ シラス72〜88wt%、セメント11〜27wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの石英0.1〜3.0wt%からなるもの。
▲4▼ シラス72〜88wt%、セメント11〜27wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの石英及び/又は非晶質シリカ0.1〜3.0wt%からなるもの。
この場合の装飾層の層厚は、1〜20mm、好ましくは5〜10mmである。
【0038】
(q)シラスと装飾粒とセメント
次に、前述した(q)における4通りのシラスと装飾粒とセメントの好適な配合比を次に示す。
▲1▼ シラス3〜34wt%、装飾粒2〜55wt%、セメント11〜95wt%からなるもの。
▲2▼ シラス2.9〜31.0wt%、装飾粒2〜55wt%、セメント11〜95wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカ0.1〜3.0wt%からなるもの。
▲3▼ シラス2.9〜31.0wt%、装飾粒2〜55wt%、セメント11〜95wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの石英0.1〜3.0wt%からなるもの。
▲4▼ シラス2.9〜31.0wt%、装飾粒2〜55wt%、セメント11〜95wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの石英及び/又は非晶質シリカ0.1〜3.0wt%からなるもの。
この場合の装飾層の層厚は、1〜20mm、好ましくは5〜10mmである。
【0039】
(r)装飾粒とセメント
次に、前述した(r)における装飾粒とセメントの好適な配合比を次に示す。
▲1▼ 装飾粒5〜85wt%、セメント15〜95wt%からなるもの。
この場合の装飾層の層厚は、1〜5mmである。
(s)セメント
次に、前述した(s)におけるセメントは、水と反応して硬化する鉱物質である水硬性のセメントである。具体的には常法により製造された普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント類、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントなどの混合セメント類、白色ポルトランドセメント、アルミナセメントなどの特殊セメント類のことである。この場合の装飾層の層厚は、0.1〜5.0mmである。
装飾層に色彩を施す場合は、前述したp、q、r、sの4種類のそれぞれの基本組成物に顔料を添加する。顔料の添加量は、セメント100重量部に対して最大25重量部あればよい。
【0040】
本発明の装飾層において模様及び/又は色彩を施すとは、つぎの4方法のことである。これにより、装飾層に模様、線図、字又は絵を実現できる。
(t):一体成形加工する前に、装飾層をなす組成物を均一混合したゼロスランプ材料(スランプ試験で低下のないもの。)を用いて施す方法。
(u):1種類以上の装飾粒を線図、字又は絵になるように配置し、その上に装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならして、線図、模様又は色彩を施す方法。
(v):不織布や紙などの通気性のあるフィルムに1種類以上の装飾粒を線図、字又は絵になるように貼り付けた面の上に装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならして、線図、模様又は色彩を施す方法。
(W):装飾粒を含まないゼロスランプ材料を薄く敷きならした後に、1種類以上の装飾粒を線図、字又は絵になるように配置し、その上に装飾粒を含まないゼロスランプ材料を敷きならして、線図、模様又は色彩を施す方法。
【0041】
[シラス硬化層]
本発明のシラスコンクリート装飾材のシラス硬化層は、自然採取された状態の水分を含むシラスとセメントのみを主材料として用いたものであって、1ないし6層からなる。このシラス硬化層は、シラスコンクリート装飾材の本体部分をなすものであり、機械的な強度を保持する機能、水の濾過等の機能を備えたものである。本発明のシラス硬化層は、以下に示すa、b、c、d、e及びfの6種類からなる。
(a):シラスとセメント
(b):シラスとセメントと水
(c):シラスとシラスバルーンとセメントと水
(d):シラスと植物炭化物とセメントと水
(e):焼成発泡軽石とセメントと水
(f):焼成発泡軽石と植物炭化物とセメントと水
の中から選択される1種以上の層を単層、又は複数層で構成する。
【0042】
(a)シラスとセメント
次に、前述した(a)における6通りのシラスとセメントの好適な配合比を次に示す。
▲1▼ シラス71〜88wt%、セメント12〜29wt%からなるもの。
▲2▼ シラス73〜94wt%、セメント6〜25wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカ0.1〜3.0wt%からなるもの。
▲3▼ シラス73〜94wt%、セメント6〜25wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの石英0.1〜3.0wt%からなるもの。
▲4▼ シラス73.0〜93.9wt%、セメント6〜25wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの石英及び/又は非晶質シリカ0.1〜3.0wt%からなるもの。
▲5▼ シラス88〜98wt%、セメント2〜12wt%とを主成分とするもの。
▲6▼ シラス88〜97wt%、セメント2〜11wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜1.1wt%とを主成分とするもの。
【0043】
(b)シラスとセメントと水
次に、前述した(b)における3通りのシラスとセメントと水の好適な配合比を次に示す。前述した配合例では、シラスに含まれる自然水のみでセメントは硬化していた。以下に示す配合例は、セメントの硬化のために足りない若干の水を加えている。
▲1▼ シラス70.0〜97.9wt%、セメント2〜25wt%、水0.1〜5.0wt%とを主成分とするもの。
▲2▼ シラス70〜97wt%、セメント2〜25wt%、水1〜5wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜3.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするもの。
▲3▼ 10mm以上の軽石を除去したシラス76〜84wt%、セメント10〜12wt%、水3〜8wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカを0.1〜2.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするもの。
【0044】
(c)シラスとシラスバルーンとセメントと水
次に、前述した(c)における3通りのシラスとシラスバルーンとセメントと水の好適な配合比を次に示す。以下に示す配合例は、セメントの硬化のために足りない若干の水を加えている。
▲1▼ シラス54〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜20wt%、水3〜6wt%とを主成分とするもの。
▲2▼ シラス54〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜20wt%、水3〜6wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするもの。
▲3▼ シラス64〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜20wt%、水3〜6wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜3.0wt%、流動化剤0.1〜3.0wt%とを主成分とするもの。
【0045】
(d)シラスと植物炭化物とセメントと水
次に、前述した(d)におけるシラスと植物炭化物とセメントと水の好適な配合比を次に示す。以下に示す配合例は、セメントの硬化のために足りない若干の水を加えている。
▲1▼ 10mm以上の軽石を除去したシラス55〜76wt%、植物炭化物5〜13wt%、セメント8〜17wt%、水3〜13wt%、平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカを0.1〜3.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするもの。
【0046】
(e)焼成発泡軽石とセメントと水
次に、前述した(e)における3通りの焼成発泡軽石とセメントと水の好適な配合比を次に示す。
▲1▼ 平均粒径0.5〜15.0mmでゆるみ見掛比重0.24〜0.47の焼成発泡軽石とセメントと水からなり、セメント15〜46wt%に対して焼成発泡軽石49〜83wt%(5〜12容積倍)と、水2〜5wt%以下で配合したもの。
▲2▼ 平均粒径0.5〜15.0mmでゆるみ見掛比重0.24〜0.47の焼成発泡軽石とセメントと高性能減水剤と水からなり、セメント15〜46wt%に対して焼成発泡軽石49〜83wt%(5〜12容積倍)と、高性能減水剤0.1〜1.0wt%と水1〜5%以下で配合したもの。
▲3▼ 平均粒径0.5〜15.0mmでゆるみ見掛比重0.24〜0.47の焼成発泡軽石とセメントと高性能減水剤と平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカと水からなり、セメント15〜45wt%に対して焼成発泡軽石48〜80wt%(5〜12容積倍)と、非晶質シリカ1.4〜3.0wt%、高性能減水剤0.1〜1.0wt%と水1〜5wt%以下で配合したもの。
【0047】
(f)焼成発泡軽石と植物炭化物とセメントと水
次に、前述した(f)における3通りの焼成発泡軽石と植物炭化物とセメントと水の好適な配合比を次に示す。焼成発泡軽石、植物炭化物、及び水は、前述した通りの機能、目的のために使用する。
▲1▼ 平均粒径0.5〜15.0mmでゆるみ見掛比重0.24〜0.47の焼成発泡軽石とセメントと水と植物炭化物からなり、セメント13〜42wt%に対して焼成発泡軽石45〜70wt%(5〜12容積倍)と、水1〜4wt%以下、平均粒径0.2〜15.0mmの植物炭化物8〜16wt%で配合したもの。
▲2▼ 平均粒径0.5〜15.0mmでゆるみ見掛比重0.24〜0.47の焼成発泡軽石とセメントと高性能減水剤と水と植物炭化物からなり、セメント13〜42wt%に対して焼成発泡軽石45〜69wt%(5〜12容積倍)と、高性能減水剤0.1〜1.0wt%と水1〜8wt%以下、平均粒径0.2〜15.0mmの植物炭化物8〜16wt%で配合したもの。
▲3▼ 平均粒径0.5〜15.0mmでゆるみ見掛比重0.24〜0.47の焼成発泡軽石とセメントと高性能減水剤と平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカと水からなり、セメント13〜41wt%に対して焼成発泡軽石44〜68wt%(5〜12容積倍)と、非晶質シリカ1〜3wt%、高性能減水剤0.1〜1.0wt%と水1〜8wt%以下、平均粒径0.2〜15.0mmの植物炭化物8〜15wt%で配合したもの。
本発明のシラス硬化層の層厚は、5〜100mmの範囲が良く、好ましくは10〜50mmが良い。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳記する。図1(a)〜(e)は、代表的なシラスコンクリート装飾材である装飾板の製造方法の概要を示す工程図である。最初に装飾粒2を平面上に配置、又は装飾粒2を貼り付けたフィルム1を型枠に敷く(図1(a))。装飾粒2の素材は、吸水率の低い骨材であって、溶岩、火山礫、花崗岩などの火成岩、粘板岩などの変成岩、砂岩や石灰岩などの堆積岩、備長炭などの白炭に分類される硬質の炭、硬質の産業廃棄物(ガラス、陶器、陶器瓦、いぶし瓦、ホタテ貝、鮑などの食用貝の貝殻類、セラミックス、プラスチック)、まべ貝、夜光貝、白蝶貝などの真珠光沢面を有する貝殻、人工骨材、蓄光材(蓄光セラミックス粉末をプラスチックなどで固めたもの)、シラス加圧成形体である。この大きさは1〜50mmが好ましい。
【0049】
型枠に入れたフィルム1上の上層に、水を入れないシラスとセメント(シラス71〜85wt%、セメント15〜29wt%)を混合したゼロスランプ材料である装飾層3を注入する(図1(b))。更に、この上層にシラスとセメント(シラス71〜88wt%、セメント12〜29wt%)を混合したシラス硬化層4を1〜3層を重ねる(図1(c))。
【0050】
この積層されたシラス硬化層4の上から、1MPa(10kgf/cm)ないし235MPa(2400kgf/cm)の圧力で型枠内で加圧し一体成形加工品となる(図1(d))。この加圧により、自然状態のシラスに含まれている水分が染み出して、セメントの水和反応に必要な水となる。シラスは、25〜30wt%(重量%)の自然含水比をもつものが一般的である。この成形後、型枠から取り出して、室内に放置して養生するだけでも良い。湿度を保って養生するのが理想的ではあるが、本発明の場合は必ずしも必要ではない。更に必要に応じて前述した装飾粒2をダイヤモンド砥石5等で研削加工により表面加工する(図1(e))。
【0051】
シラス硬化層の主成分はシラス又は焼成発泡軽石であり、装飾層の主成分は装飾粒又はシラスである。装飾層の重量比率は全組成物の重量比で50wt%未満であり、装飾板全体としての主成分はシラス又は焼成発泡軽石である。代表的な装飾板の層厚は、6〜120mmであり、好ましくは11〜60mmである。
【0052】
本実施の形態は、シラス又は装飾粒を主成分とする装飾層をなすゼロスランプ材料の上に、シラス又は焼成発泡軽石を主成分とするシラス硬化層をなすゼロスランプ材料を積層して、これを1MPa(10kgf/cm)ないし235MPa(2400kgf/cm)の圧力で一体成形加工するものであり、作業工程数を少なくして装飾層とシラス硬化層とを一体化した少なくとも2層構造の装飾板を製造することが可能となっている。なお、本実施の形態でいうゼロスランプ材料とは、スランプ試験でスランプ低下が実質的にない材料を意味する。
【0053】
また、装飾層をなすゼロスランプ材料の上に組成の異なるシラス硬化層をなすゼロスランプ材料を1〜6層重ねて、これを1MPa(10kgf/cm)ないし235MPa(2400kgf/cm)の圧力で一体成形加工するだけで、積層構造を有する装飾板を最小限の作業工程数で製造することが可能である。
【0054】
本発明は、従来の製造方法と異なり、原材料として水添加量がゼロ又は最小限の水添加量に抑えられたゼロスランプ材料を用いるため、一体成形加工時に余分な水分が排出しないので廃水処理等の問題が生じない。装飾層をなすゼロスランプ材料における水の添加量がゼロであることも従来技術と異なっている。
【0055】
[装飾板]
以下、装飾板の主成分がシラスである場合について以下に説明する。セメントの水和反応に必要な水は、基本的に自然状態のシラスに含まれている水分を利用する。シラスは、25〜30wt%(重量%)の自然含水比をもつものが一般的であり、本実施の形態では、強制乾燥していない自然状態に近いシラスを用いる。これにより、乾燥コストの削減につながり、シラスが適度な湿度を有することから粉塵が舞い難く、作業環境上も非常に好ましい。
【0056】
シラスとセメントをミキサー等の周知の混合攪拌手段で均一に混合したゼロスランプ材料を加圧することによって、シラスに含まれている水分の一部が染み出し、系全体に必要な水分を均一に供給することができる。これにより、シラスとセメントが密着して強固に接合したシラス硬化層又は装飾層を形成することが可能となっている。そして、シラス硬化層又は装飾層がそれぞれ強固に固まり、それらの層間においても強固に接合した一体成形品になることから、従来技術に無い優れた装飾板の製造方法となっている。
【0057】
本発明の装飾層は、p、q、r及びsの4種類すなわち、
(p):シラスとセメント
(q):シラスと装飾粒とセメント
(r):装飾粒とセメント
(s):セメント
の基本組成のいずれか1層からなる。
本発明の装飾板の製造方法における重要な点は、一体成形加工により装飾層とシラス硬化層が結合することと装飾層及びシラス硬化層が硬化することである。装飾層の硬化反応すなわち装飾層をなすセメントの水和反応に必要な水分は、それぞれ次のように供給される。
【0058】
(p)と(q)の場合は、一体成形加工時の加圧により装飾層及びシラス硬化層のシラスに含まれている水分の一部が染み出して水分を供給する。
(r)と(s)の場合は、一体成形加工時にシラス硬化層から染み出た水分により供給される。
このシラス硬化層及び/又は装飾層に用いるシラスとしては、自然含水比の多いものが好ましい。
本発明の装飾層において模様及び/又は色彩を施すとは、つぎの4方法のことである。これにより、装飾層に模様、線図、字又は絵を実現できる。
(t):一体成形加工する前に、装飾層をなす組成物を均一混合したゼロスランプ材料を用いる方法。
(u):1種類以上の装飾粒を線図、字又は絵になるように配置し、その上に装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならす方法。
(v):不織布や紙などの通気性のあるフィルムに1種類以上の装飾粒を線図、字又は絵になるように貼り付けた面の上に装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならす方法。
(W):装飾粒を含まないゼロスランプ材料を薄く敷きならした後に、1種類以上の装飾粒を線図、字又は絵になるように配置し、その上に装飾粒を含まないゼロスランプ材料を敷きならして、線図、模様又は色彩を施す方法。
【0059】
装飾材の長期耐久性を向上させるためには、セメント添加量を必要最小限に抑え、一体成形加工の前にセメントを原材料全体に均一に分散させておく必要がある。そのためのミキサーとしては、比重差の異なる原料の混合が容易であり、軽石や焼成発泡軽石などの骨材の破壊を最小限に抑えることができるオムニミキサー(拡散混錬方式)が適している。
【0060】
緻密で高強度の装飾材を得る場合には、すりつぶしながら混合する装置、例えば攪拌らい潰機(乳鉢と乳棒による混合方式)が適している。この方法は、混合時にシラスの粒子に含まれる水分を浸出させる働きもあるので、水の添加量を最小限に抑えることができる。装飾粒を用いない装飾層の原材料の混合にも適している。
【0061】
平均粒径0.1〜1.0μmの非晶質シリカ又は平均粒径0.1〜1.0μmの石英は、成形体の強度を向上させる効果がある。セメントの水和反応により生じるアルカリと反応し易く、外部に溶出するアルカリを抑制する効果がある。シラス硬化層の成分として、シラスとセメント以外に吸水率の高いシラスバルーン、焼成発泡軽石、植物炭化物又は比表面積の大きい平均粒径0.1〜1.0μmの石英及び/又は非晶質シリカを配合する場合には、シラスに含まれる水分がそれらに吸収されてしまうので、ある程度の水を添加することも必要になる。
【0062】
一般的に、水添加量が多くなると強度や耐久性が低下するので、添加する水量はできるだけ少ないことが望ましい。そこで、流動化剤又は高性能減水剤を併用することにより添加する水分を最小限に抑える。流動化剤又は高性能減水剤の有効な使用法として、水で希釈した水溶液として用いる方が効果的であるので、本発明では流動化剤又は高性能減水剤を水に溶かした水溶液を用いる。
【0063】
一体成形加工は、1MPa(10kgf/cm)ないし235MPa(2400kgf/cm)の範囲の任意の圧力で行う。235MPa(2400kgf/cm)以上で加圧すると、軽石、焼成発泡軽石、シラスバルーン、植物炭化物が破壊される。シラスバルーンは、装飾板の吸水率を向上させる効果がある。シラスバルーンを20wt%以上混合すると、強度が低下する。
【0064】
装飾層をなすゼロスランプ材料の上に組成の異なるシラス硬化層をなすゼロスランプ材料を1〜6層重ねて、これを一体成形加工したものは、室内養生、自然養生、水中養生又は蒸気養生の何れかの養生を行う。養生することによって、装飾板の強度が向上する。
【0065】
装飾板の表面研削仕上げは、装飾層表面の装飾粒を際だたせて美観を演出し付加価値を高める効果がある。また、機械で表面研削すると、より平滑に研削できる。装飾板の洗い出し仕上げは、装飾層表面のセメントを洗い出すことによって装飾粒を部分的に突出させ凹凸状に仕上げることである。この洗い出し仕上げによって、自然石の外観に近づけることができる。床材として用いる場合には、滑り止め効果により滑り事故の防止に役立つ。
【0066】
次に、シラス硬化層の主成分が焼成発泡軽石である場合について以下に説明する。
焼成発泡軽石は、シラスに含まれる軽石類を内燃式媒体流動床炉などで焼成発泡したものであり水分を殆ど含んでいないため、セメントの水和反応に必要な水分を添加しなければならない。シラス硬化層の成分として、焼成発泡軽石とセメント以外に植物炭化物又は比表面積の大きい平均粒径0.1〜1.0μmの石英及び/又は非晶質シリカを配合する場合には、それらが水分を吸収するので、更に水添加量を増やす必要がある。
【0067】
しかし、前述のように、一般的に水添加量が多くなると強度や耐久性が低下するので、添加する水量はできるだけ少ないことが望ましい。そこで、流動化剤又は高性能減水剤を併用することにより添加する水分を最小限に抑えた。流動化剤又は高性能減水剤の有効な使用法として、水で希釈した水溶液として用いる方が効果的であるので、本発明では流動化剤又は高性能減水剤を水に溶かした水溶液を用いている。
【0068】
本発明の装飾板は、装飾層において模様及び/又は色彩を施すなど平面的なデザインが可能である。また、装飾層に1〜6層の組成の異なるシラス硬化層を積層する場合に、各層に於ける気孔率や気孔径を制御するなどの立体的なデザインも可能となっている。この積層構造を有する装飾板は、水の浄化を助けることを確認しており、河川、湖沼などの環境浄化フィルターとしても利用できる。
【0069】
装飾板の強度は、その構成の過半数を占めるシラス硬化層の強度に依存する。表面強度は、装飾層により部分的に向上させることができる。本発明の装飾板は、装飾層と1〜6層のシラス硬化層からなる装飾板であり、装飾層に模様及び/又は色彩が施されたものであり、表面の一部又は全部を表面研削又は洗い出し仕上げしたものである。装飾層及びシラス硬化層にゼロスランプ材料を用いて一体成形加工したものであり、製造時にアルカリ性の排水を生じないので廃水処理の問題も無く、装飾層に線図、絵などの意図した複雑な模様や色彩を持つ新規な装飾板を実現するものである。
【0070】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
2層直径40mm円盤(シラス+白色ポルトランドセメント+茶色顔料)/(シラス+普通ポルトランドセメント)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を6.8gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント2.2gとバイエル(株)製のバイフェロックス(登録商標2238462号)茶色顔料(合成酸化鉄)を0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0071】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を6.8gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント2.2gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径40mmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0072】
これを圧力234MPa(2387kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.5mm、厚さ6.1mm、かさ比重2.2であった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0073】
〔実施例2〕
2層直径40mm円盤(シラス+白色ポルトランドセメント+茶色顔料)/(シラス+普通ポルトランドセメント)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を6.8gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント2.2gとバイエル(株)製のバイフェロックス(登録商標2238462号)茶色顔料(合成酸化鉄)を0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0074】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を6.8gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント2.2gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0075】
これを圧力78MPa(796kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.2mm、厚さ6.2mm、かさ比重2.2であった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0076】
〔実施例3〕
2層直径40mm円盤(シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+早強セメント)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を3.3gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1.1gを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0077】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.9gと電気化学工業(株)製の超速硬セメント(デンカスーパーセメント)2.7gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0078】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.2mm、厚さ7.4mm、かさ比重1.9であった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。
【0079】
〔実施例4〕
2層直径40mm円盤(シラス+アルミナセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を4.0gと太平洋マテリアル(株)製のアルミナセメント1.1gを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0080】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を11.3gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.6gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0081】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.1mm、かさ比重2.0であった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。
【0082】
〔実施例5〕
2層直径40mm円盤(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)/(シラス+早強セメント)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を6.3gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント0.9gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0083】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を9.8gと電気化学工業(株)製の超速硬セメント(デンカスーパーセメント)1.0gを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0084】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.2mm、かさ比重1.9であった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。
【0085】
〔実施例6〕
2層直径40mm円盤(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)/(シラス+早強セメント)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を4.6gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント0.9gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0086】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.4gと電気化学工業(株)製の超速硬セメント(デンカスーパーセメント)2.0gを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0087】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.3mm、かさ比重1.9であった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。
【0088】
〔実施例7〕
2層300mm角平板(シラス+白色ポルトランドセメント)/(降下軽石+普通ポルトランドセメント)
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1590gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント500gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0089】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した15mm以下のもの)を5250gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1250gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0090】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力7.6MPa(78kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。
【0091】
得られた装飾材は、厚さ59.2mmでかさ比重1.3、曲げ強度4.6MPa、圧縮強度16.4MPaであった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0092】
〔実施例8〕
2層300mm角平板(シラス+白色ポルトランドセメント+茶色顔料)/(降下軽石+普通ポルトランドセメント)
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1590gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント500gとバイエル(株)製のバイフェロックス茶色顔料(合成酸化鉄)20gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0093】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した15mm以下のもの)を5250gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1250gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0094】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力7.6MPa(78kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。
【0095】
得られた装飾材は、厚さ59.3mmでかさ比重1.3、曲げ強度4.2MPa、圧縮強度12.1MPaであった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0096】
〔実施例9〕
2層300mm角平板(シラス+普通ポルトランドセメント)/(降下軽石+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を2119gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント381gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0097】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した15mm以下のもの)を4649gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント837gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)14gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0098】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、28日間の自然養生をした。
【0099】
得られた装飾材は、厚さ53.8mmでかさ比重1.4、曲げ強度4.8MPa、圧縮強度12.4MPaであった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0100】
〔実施例10〕
2層300mm角平板(降下軽石+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)/(降下軽石+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した15mm以下のもの)を2627gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント368gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)5gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0101】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した5〜11mmのもの)を4198gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント294gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)8gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0102】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力5.5MPa(56kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、32日間の自然養生をした。
【0103】
得られた装飾材は、厚さ59.5mmでかさ比重1.0、曲げ強度1.5MPa、圧縮強度2.8MPaであった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0104】
〔実施例11〕
2層300mm角平板(降下軽石+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)/(降下軽石+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した3〜5mmのもの)を1751gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント245gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)4gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0105】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した5〜11mmのもの)を4198gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント294gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)8gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0106】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力5.5MPa(56kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、29日間の自然養生をした。
【0107】
得られた装飾材は、厚さ59.0mmでかさ比重0.9、曲げ強度1.2MPa、圧縮強度2.4MPaであった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0108】
〔実施例12〕
2層300mm角平板(降下軽石+白色ポルトランドセメント+非晶質シリカ)/(降下軽石+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した3〜5mmのもの)を1691gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント304gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)5gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0109】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した5〜11mmのもの)を4227gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント761gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)13gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0110】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力5.5MPa(56kgf/cm)で一体成形加工した。その後、28日間の自然養生をした。
【0111】
得られた装飾材は、厚さ58.6mmでかさ比重1.0、曲げ強度1.8MPa、圧縮強度4.0MPaであった。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0112】
〔実施例13〕
2層直径40mm円盤(桜島溶岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
桜島の溶岩を板材加工した際に発生する端材をジョークラッシャーを用いて粉砕し、2mm以下にふるい選別した破砕粒2.5gと鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を1.0gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント4.1gを乳鉢と乳棒で2分間、溶岩をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0113】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を8.2gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント2.0gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.2gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0114】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.3mm、かさ比重2.1であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨し、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色とシラスのうす茶色と溶岩の黒色の3色が斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0115】
〔実施例14〕
2層直径40mm円盤(桜島溶岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
実施例13に記載の桜島溶岩の破砕粒2.0gと鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を1.0gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント3.0gを乳鉢と乳棒で2分間、溶岩をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0116】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.5gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.5gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0117】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.2mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨し、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色とシラスのうす茶色と溶岩の黒色の3色が斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0118】
〔実施例15〕
2層直径40mm円盤(開聞岳火山礫+シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
開聞岳山麓の火山礫をジョークラッシャーを用いて粉砕し、2mm以下にふるい選別した破砕粒2.0gと鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を1.0gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント3.0gを乳鉢と乳棒で2分間、火山礫をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0119】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.5gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.5gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0120】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.2mm、厚さ7.3mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨し、装飾層を0.2mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色とシラスのうす茶色と開聞岳火山礫の黒色の3色が斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0121】
〔実施例16〕
2層直径40mm円盤(珊瑚石灰岩+シラス+アルミナセメント)/(シラス+高炉セメント+石英)
奄美大島産の珊瑚石灰岩(業界名:琉球石灰岩)をジョークラッシャーを用いて粉砕し、2mm以下にふるい選別した破砕粒2.0gと鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を1.0gと太平洋セメント(株)製のアルミナセメント3.0gを乳鉢と乳棒で2分間、珊瑚石灰岩をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0122】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.5gと新日鐵高炉セメント(株)製の高炉セメント1.5gと薩摩硫黄島産の珪石を振動ボールミルで平均粒径1μmに粉砕した石英の粉体0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0123】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.2mm、厚さ6.9mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨し、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの灰色と珊瑚石灰岩の黄色の2色が斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0124】
〔実施例17〕
2層直径40mm円盤(珊瑚石灰岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+石英)
奄美大島産の珊瑚石灰岩(業界名:琉球石灰岩)をジョークラッシャーを用いて粉砕し、2mm以下にふるい選別した破砕粒2.0gと鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を1.0gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント3.0gを乳鉢と乳棒で2分間、珊瑚石灰岩をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0125】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.5gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.5gと薩摩硫黄島産の珪石を振動ボールミルで平均粒径1μmに粉砕した石英の粉体0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0126】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.0mm、厚さ7.2mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨し、装飾層を0.2mm削った。装飾層の研磨面は、全体的に淡黄色で珊瑚石灰岩の黄色、シラスのうす茶色、シラスに含まれる有色鉱物の斑点状の黒色がバランスよく斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0127】
〔実施例18〕
2層300mm角平板(桜島溶岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+水)
桜島の溶岩を板材加工した際に発生する端材をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒1500gと鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1250gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1000gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0128】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を5500gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1500gをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。次に、水350gを添加し、500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0129】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。得られた装飾材は、厚さ62.4mmでかさ比重1.7、曲げ強度6.9MPa、圧縮強度17.7MPaであった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0130】
〔実施例19〕
2層300mm角平板(珊瑚石灰岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+水)
奄美大島産の珊瑚石灰岩をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒1500gと鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1220gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1000gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0131】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を5500gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1500gをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。次に、水350gを添加し、500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0132】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。得られた装飾材は、厚さ57.1mmでかさ比重1.7、曲げ強度7.3MPa、圧縮強度13.3MPaであった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0133】
〔実施例20〕
2層300mm角平板(珊瑚石灰岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+シラスバルーン+水+流動化剤)
奄美大島産の珊瑚石灰岩をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒1500gと鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1220gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1000gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0134】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を4400gと太平洋マテリアル(株)製の普通ポルトランドセメント1000gと豊和直(株)製シラスバルーン(SKB6000)344gとをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。次に、ボゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤(SP8HE)18gと水200gを混合した水溶液を添加し、更に500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0135】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。得られた装飾材は、厚さ55.7mmでかさ比重1.6、曲げ強度6.3MPa、圧縮強度11.9MPaであった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0136】
〔実施例21〕
2層300mm角平板(珊瑚石灰岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(降下軽石+普通ポルトランドセメント+竹炭+シリカ+水+流動化剤)
奄美大島産の珊瑚石灰岩をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒1500gと鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1220gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1000gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0137】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した15mm以下のもの)を3280gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント640gと鹿児島県産の孟宗竹をステンレス釜で1000℃2時間で炭化させて粉砕した平均粒径50〜60μmの竹炭464gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)63gとをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。次に、ボゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤(SP8HE)9gと水160gを混合した水溶液を添加し、更に500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0138】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。得られた装飾材は、厚さ57.2mmでかさ比重1.5、曲げ強度4.9MPa、圧縮強度11.9MPaであった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0139】
〔実施例22〕
2層300mm角平板(珊瑚石灰岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(焼成発泡軽石+普通ポルトランドセメント+水+流動化剤)
奄美大島産の珊瑚石灰岩をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒1500gと鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1220gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1000gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0140】
熱媒体に直径1.5mmのムライトボール500gを用いて960℃に制御された内径132mmの内筒を持つ内燃式熱媒体流動床炉において、110℃で24時間乾燥した鹿児島県垂水市新城産の降下軽石を排気側から投入し、サイクロン集塵装置でゆるみ見掛比重0.31で平均粒径1620μmの焼成発泡軽石を回収した。
【0141】
太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1395gと平均粒径1620μmの焼成発泡軽石1939gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して、500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。次に、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤(SP8HE)14gと水139gを混合した水溶液を添加し、更に500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0142】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。得られた装飾材は、厚さ56.2mmでかさ比重1.4、曲げ強度4.4MPa、圧縮強度23.2MPaであった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0143】
〔実施例23〕
2層300mm角平板(珊瑚石灰岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(焼成発泡軽石+普通ポルトランドセメント+竹炭+水+流動化剤)
奄美大島産の珊瑚石灰岩をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒1500gと鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1220gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1000gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0144】
太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント675gと実施例22の平均粒径1620μmの焼成発泡軽石1157gと実施例21の平均粒径50〜60μmの竹炭270gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して、500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。次に、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤(SP8HE)14gと水135gを混合した水溶液を添加し、更に500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0145】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。得られた装飾材は、厚さ59.7mmでかさ比重1.3、曲げ強度3.8MPa、圧縮強度20.8MPaであった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の土間材として利用した。
【0146】
〔実施例24〕
2層直径40mm円盤(貝殻+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
奄美大島産のまべ貝(真珠の養殖に用いられる)の貝殻をジョークラッシャーを用いて粉砕し、5mm以下にふるい選別した破砕粒2.0gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント4.0gを乳鉢と乳棒で30秒間、貝をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0147】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.1gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.8gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0148】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.1mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色素地に真珠光の輝きをもつまべ貝殻の螺鈿層の断面が点在した模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0149】
〔実施例25〕
2層直径40mm円盤(貝殻+白色ポルトランドセメント)/(シラス+高炉セメント+非晶質シリカ)
奄美大島産のまべ貝(真珠の養殖に用いられる)の貝殻をジョークラッシャーを用いて粉砕し、3mm以下にふるい選別した破砕粒5.1gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント2.6gを乳鉢と乳棒で30秒間、貝をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0150】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を8.3gと新日鐵高炉セメント(株)製の高炉セメント2.0gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0151】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.1mm、かさ比重2.1であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色素地にまべ貝殻の螺鈿層の真珠光の輝きの粒が装飾層全面に密集した模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0152】
〔実施例26〕
2層直径40mm円盤(貝殻+白色ポルトランドセメント+青色顔料)/(シラス+高炉セメント+非晶質シリカ)
奄美大島産のまべ貝(真珠の養殖に用いられる)の貝殻をジョークラッシャーを用いて粉砕し、5mm以下にふるい選別した破砕粒2.0gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1.4gと(株)富士商会製の青色顔料(パーフェクチン青2号)0.1gを乳鉢と乳棒で2分間、貝をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0153】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を12.0gと新日鐵高炉セメント(株)製の高炉セメント2.4gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0154】
これを圧力23.4MPa(239kgf/cm)で3秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ6.8mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.2mm削った。装飾層の研磨面は、青色素地にまべ貝殻の螺鈿層の真珠光の輝きの粒が点在した模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0155】
〔実施例27〕
2層直径40mm円盤(桜島溶岩+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
実施例13に記載の桜島溶岩の破砕粒1.0gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント3.1gを乳鉢と乳棒で30秒間、溶岩をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0156】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を11.5gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント2.1gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.2gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0157】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で3秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.0mm、厚さ7.1mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色素地に溶岩の黒色の断面が点在した模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0158】
〔実施例28〕
2層直径40mm円盤(桜島溶岩+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.1gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.8gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0159】
前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に、太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1.0gを薄く敷きならした上に、実施例13に記載の桜島溶岩の破砕粒3.0gを十字の模様を描くように置いて、その上にホワイトセメント2.0gを重ねてしきならした。最後に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0160】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ6.9mm、かさ比重2.1であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色素地に溶岩の黒色の粒で十字を描く模様をなし、それらの桜島溶岩の粒も装飾層にしっかり固定されていることを確認した。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0161】
〔実施例29〕
2層300mm角平板(桜島溶岩+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
実施例18に記載の桜島溶岩の破砕粒を3000gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1500gをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を5072gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント913gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)15gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0162】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。脱型後、一昼夜室内養生し、60℃の蒸気養生を8時間を行い、更に2日間自然養生した。その後、表面研削仕上げを行った。
【0163】
表面研削仕上げは、まず(株)山名製作所製の強力平面研削機で、ダイヤモンドドラム(#20)を用いて約3mmの荒削りを行う。次に、(株)山名製作所製自動研磨機で太陽研磨材(株)製の3種類の砥石(MGストーン1M、2M、3M)を用いて1M、2M、3Mの順で下地の研磨を行った。
【0164】
装飾層の研磨面は、溶岩の粒が表面の大部分の面積を占め、白と黒のコントラストが上品な感じで、溶岩の粒のいろいろな断面形状が溶岩とは思えない独特の白、黒の斑模様を呈しており、デザイン性にも優れていると好評であった。その後、25日間の自然養生をした。研磨後の装飾材は、厚さ54.0mmでかさ比重1.8、曲げ強度5.7MPa、圧縮強度19.3MPaであった。
【0165】
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の床材として利用した。壁材用など表面のつやを必要とする用途に装飾材を用いる場合には、上記の研磨の後に、自動研磨機で太陽研磨材(株)製のクリスタル角砥石や蓚酸砥石を用いてつや出し研磨を行った。
【0166】
〔実施例30〕
2層300mm角平板(珊瑚石灰岩+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
奄美大島産の珊瑚石灰岩をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒を3000gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1500gをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0167】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を5072gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント913gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)15gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0168】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。脱型後、一昼夜室内養生し、60℃の蒸気養生を8時間を行い、更に2日間自然養生した。その後、表面研削仕上げを行った。
【0169】
表面研削仕上げは、まず(株)山名製作所製の強力平面研削機で、ダイヤモンドドラム(#20)を用いて約3mmの荒削りを行う。次に、(株)山名製作所製自動研磨機で太陽研磨材(株)製の3種類の砥石(MGストーン1M、2M、3M)を用いて1M、2M、3Mの順で下地の研磨を行った。
【0170】
装飾層の研磨面は、珊瑚石灰岩の粒が表面の大部分の面積を占め、天然大理石を思わせる落ち着いた色合いで、石灰岩の粒のいろいろな断面模様が全体として自然な斑模様を呈しており、デザイン性にも非常に優れていると好評であった。その後、25日間の自然養生をした。研磨後の装飾材は、厚さ54.0mmで研磨後の装飾材は、厚さ53.6mmでかさ比重1.8、曲げ強度5.8MPa、圧縮強度19.7MPaであった。
【0171】
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の床材として利用した。壁材用など表面のつやを必要とする用途に装飾材を用いる場合には、上記の研磨の後に、自動研磨機で太陽研磨材(株)製のクリスタル角砥石や蓚酸砥石を用いてつや出し研磨を行った。
【0172】
〔実施例31〕
2層直径40mm円盤(珊瑚石灰岩+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
奄美大島産の珊瑚石灰岩(業界名:琉球石灰岩)をジョークラッシャーを用いて粉砕し、2mm以下にふるい選別した破砕粒5.1gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント2.6gを乳鉢と乳棒で30秒間、珊瑚石灰岩をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0173】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を8.7gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.6gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0174】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.0mm、かさ比重2.1であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.2mm削った。装飾層の研磨面は、全体的に淡黄色で珊瑚石灰岩の黄色、シラスのうす茶色、シラスに含まれる有色鉱物の斑点状の黒色がバランスよく斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0175】
〔実施例32〕
2層直径40mm円盤(珊瑚石灰岩+桜島溶岩+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
奄美大島産の珊瑚石灰岩(業界名:琉球石灰岩)をジョークラッシャーを用いて粉砕し、2mm以下にふるい選別した破砕粒0.6gと実施例13に記載の桜島溶岩の破砕粒0.6gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1.6gを乳鉢と乳棒で30秒間、珊瑚石灰岩と溶岩をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0176】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を13.0gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント2.2gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.2gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0177】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.0mm、厚さ7.0mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.2mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色、珊瑚石灰岩の黄色、溶岩の黒色が、従来に無い組み合わせで独特の斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0178】
〔実施例33〕
2層直径40mm円盤(廃陶器瓦+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
宮崎県の陶器瓦メーカーが不良品処分した陶器瓦をジョークラッシャーを用いて粉砕し、2mm以下にふるい選別した破砕粒2.5gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント5.2gを乳鉢と乳棒で30秒間、陶器瓦の粒をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0179】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を8.7gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.6gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0180】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.3mm、かさ比重2.1であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.2mm削った。装飾層の研磨面は、全体的に淡褐色で陶器瓦の茶色が斑模様をなし、瓦のイメージを払拭した全く新しい質感であると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0181】
〔実施例34〕
2層300mm角平板(廃陶器瓦+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
宮崎県の陶器瓦メーカーが不良品処分した陶器瓦をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒を3000gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1500gをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0182】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を5072gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント913gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)15gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0183】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。脱型後、一昼夜室内養生し、60℃の蒸気養生を8時間を行い、更に2日間自然養生した。その後、表面研削仕上げを行った。
【0184】
表面研削仕上げは、まず(株)山名製作所製の強力平面研削機で、ダイヤモンドドラム(#20)を用いて約3mmの荒削りを行う。次に、(株)山名製作所製自動研磨機で太陽研磨材(株)製の3種類の砥石(MGストーン1M、2M、3M)を用いて1M、2M、3Mの順で下地の研磨を行った。
【0185】
装飾層の研磨面は、陶器瓦の粒が表面の大部分の面積を占め、陶器瓦の茶色と淡褐色の背景とのコントラストが上品な感じで、いろいろな断面形状の瓦の破砕粒が陶器瓦とは思えない独特の斑模様を呈しており、デザイン性にも優れていると好評であった。その後、25日間の自然養生をした。研磨後の装飾材は、厚さ53.5mmでかさ比重1.8、曲げ強度5.0MPa、圧縮強度21.3MPaであった。
【0186】
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の床材として利用した。壁材用など表面のつやを必要とする用途に装飾材を用いる場合には、上記の研磨の後に、自動研磨機で太陽研磨材(株)製のクリスタル角砥石や蓚酸砥石を用いてつや出し研磨を行った。
【0187】
〔実施例35〕
2層直径40mm円盤(廃ガラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県の3町(大崎町、有明町、志布志町)で組織された曽於南部厚生事務組合の衛生センターで利用法の無かった各種色ガラスの混合回収品を粉砕して、2mm以下にふるい選別した破砕粒2.5gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント5.2gを乳鉢と乳棒で30秒間、ガラスの粒をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0188】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を8.7gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.6gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0189】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.0mm、かさ比重2.1であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、全体的に淡緑色で、緑色、茶色、青色など多色のガラスの断面がきれいな斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0190】
〔実施例36〕
2層300mm角平板(廃ガラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
実施例35に記載の各種色ガラスの混合回収品をジョークラッシャーで粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒3000gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1500gをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0191】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を5072gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント913gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)15gとをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。
【0192】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。脱型後、一昼夜室内養生し、60℃の蒸気養生を8時間を行い、更に2日間自然養生した。その後、表面研削仕上げを行った。
【0193】
表面研削仕上げは、まず(株)山名製作所製の強力平面研削機で、ダイヤモンドドラム(#20)を用いて約3mmの荒削りを行う。次に、(株)山名製作所製自動研磨機で太陽研磨材(株)製の3種類の砥石(MGストーン1M、2M、3M)を用いて1M、2M、3Mの順で下地の研磨を行った。装飾層の研磨面は、全体的に淡緑色で、緑色、茶色、青色など多色のガラスの断面がきれいな斑模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。その後、25日間の自然養生をした。研磨後の装飾材は、厚さ53.0mmでかさ比重1.7、曲げ強度6.4MPa、圧縮強度18.4MPaであった。
【0194】
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、施設の床材として利用した。壁材用など表面のつやを必要とする用途に装飾材を用いる場合には、上記の研磨の後に、自動研磨機で太陽研磨材(株)製のクリスタル角砥石や蓚酸砥石を用いてつや出し研磨を行った。
【0195】
〔実施例37〕
2層直径40mm円盤(四国鳥形山石灰岩+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
養鶏用の飼料として用いられている四国鳥形山の石灰岩の破砕粒(3mm以下)1.1gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント3.5gを乳鉢と乳棒で30秒間、石灰岩をできるだけ破壊しないように混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0196】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を10.1gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント1.8gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0197】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.2mm、厚さ6.9mm、かさ比重2.0であった。次に、BUEHLER社製の回転研磨機を用いて水を流しながら丸本工業(株)製の#120耐水研磨紙で研磨した後に#800耐水研磨紙で仕上げ研磨を行って、装飾層を0.3mm削った。装飾層の研磨面は、セメントの白色素地に石灰岩の色合いの異なる灰色の粒が点在した模様をなし、デザイン性にも優れていると好評であった。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0198】
〔実施例38〕
2層直径40mm円盤(白色ポルトランドセメント+青色顔料)/(シラス+高炉セメント+非晶質シリカ)
太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1.4gと(株)富士商会製の青色顔料(パーフェクチン青2号)0.1gを乳鉢と乳棒で1分間、混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。 鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を14.0gと新日鐵高炉セメント(株)製の高炉セメント2.5gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0199】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ6.9mm、かさ比重2.0であった。装飾層は、きれいな空色をしており、シラス硬化層のネズミ色の下地を全く覆い隠している。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0200】
〔実施例39〕
2層直径40mm円盤(白色ポルトランドセメント+3色顔料(緑色、黄色、赤色))/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
太平洋セメント(株)製のホワイトセメント0.4gとバイエル(株)製のバイフェロックスGREEN(酸化クロム)0.1gを乳鉢と乳棒で30秒間、混合した。同様にホワイトセメント0.4gとバイフェロックス黄(合成酸化鉄)0.1gを乳鉢と乳棒で30秒間、混合した。同様にホワイトセメント0.4gとバイフェロックス赤(合成酸化鉄)0.1gを乳鉢と乳棒で30秒間、混合した。これら3種を装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0201】
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を13.7gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント2.5gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.2gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に装飾層をなす3種のゼロスランプ材料を砂絵状に模様を描くように配色した上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0202】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ6.7mm、かさ比重2.0であった。装飾層は、緑色、黄色、赤色の3色に色分けされた絵柄模様をしており、シラス硬化層のネズミ色の下地を覆い隠している。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0203】
〔実施例40〕
2層直径40mm円盤(白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を13.8gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント2.6gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.2gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1.4gを敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0204】
これを圧力15.6MPa(159kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ6.7mm、かさ比重2.1であった。装飾層は、きれいな白色をしており、シラス硬化層のネズミ色の下地を全く覆い隠している。装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0205】
〔実施例41〕
2層直径40mm円盤(白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を13.8gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント2.6gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.2gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなすゼロスランプ材料とした。前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1.4gを敷きならした上に、シラス硬化層をなすゼロスランプ材料を重ねてならした。
【0206】
これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ6.8mm、かさ比重2.0であった。装飾層は、きれいな白色をしており、シラス硬化層のネズミ色の下地を全く覆い隠している。
装飾層とシラス硬化層の層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。この装飾板は、装飾タイルとして利用した。
【0207】
〔実施例42〕
3層直径40mm円盤(シラス+白色ポルトランドセメント)/(シラス+普通ポルトランドセメント+非晶質シリカ)/(シラス+高炉セメント+非晶質シリカ)
鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を5.2gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント2.6gを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を4.3gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント0.8gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなす第1ゼロスランプ材料とした。
【0208】
次に、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物を4.3gと新日鐵高炉セメント(株)製の高炉セメント0.6gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)0.1gとを乳鉢と乳棒で2分間、混合した。これをシラス硬化層をなす第2ゼロスランプ材料とした。
【0209】
装飾層をなすゼロスランプ材料を前川製作所(株)製油圧プレス装置を用いて直径4cmの円筒状型枠に敷きならした上に、シラス硬化層をなす第1ゼロスランプ材料を重ねてならし、更に第2ゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力10.9MPa(111kgf/cm)で15秒間加圧し、脱型して1時間後に水中養生を行った。一昼夜水中養生後に測定した成形体は、直径40.1mm、厚さ7.0mm、かさ比重2.0であった。
装飾層とシラス硬化層(2層)のそれぞれの層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。
【0210】
〔実施例43〕
3層300mm角平板(珊瑚石灰岩+シラス+白色ポルトランドセメント)/(降下軽石+普通ポルトランドセメント+竹炭+シリカ+水)/(焼成発泡軽石+普通ポルトランドセメント+竹炭+水+流動化剤)
奄美大島産の珊瑚石灰岩をジョークラッシャーを用いて粉砕した。これを2〜15mmにふるい選別した破砕粒1500gと鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物(ふるい選別した5mm以下のもの)を1220gと太平洋セメント(株)製のホワイトセメント1000gをオムニミキサーで500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これを装飾層をなすゼロスランプ材料とした。
【0211】
鹿児島県肝属郡串良町細山田産の軽石流堆積物の下層に賦存する降下軽石(ふるい選別した15mm以下のもの)を820gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント160gと実施例21に記載の平均粒径50〜60μmの竹炭116gとポゾリス物産製のメイコ610(シリカフューム)16gとをオムニミキサーで500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。次に、水40gを添加し、更に500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなす第1ゼロスランプ材料とした。
【0212】
次に、太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント450gと実施例22に記載の平均粒径1620μmの焼成発泡軽石772gと実施例21に記載の平均粒径50〜60μmの竹炭180gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して、500rpmで1分間、混合と攪拌を行った。次に、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤(SP8HE)9gと水90gを混合した水溶液を添加し、更に500rpmで2分間、混合と攪拌を行った。これをシラス硬化層をなす第2ゼロスランプ材料とした。
【0213】
千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて縦横300mm、深さ88mmの型枠に、装飾層をなすゼロスランプ材料を敷きならした上に、第1ゼロスランプ材料を重ねてならし、更に第2ゼロスランプ材料を重ねてならした。これを圧力19.6MPa(200kgf/cm)で2秒間加圧し、一体成形加工した。その後、26日間の自然養生をした。得られた装飾材は、厚さ57.0mmでかさ比重1.3、曲げ強度4.0MPa、圧縮強度13.5MPaであった。
装飾層とシラス硬化層(2層)のそれぞれ層間の接着の程度を調べるため、装飾板の破壊試験における層間の観察を行った。その結果、層間剥離を起こすことなく層同士が強固に接合していることを確認した。
【0214】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明のシラスコンクリート装飾材及びその製造方法は、装飾層及びシラス硬化層にゼロスランプ材料を用いて一体成形加工したものであり、製造時にアルカリ性の排水を生じないので廃水処理の問題も無く、装飾層に線図、絵などの意図した複雑な模様や色彩を持つ新規な材料を実現するものである。
【0215】
本発明のシラスコンクリート装飾材は、建築材、土木材、緑化材又はフィルター材等の多用途に用いることができる。また、シラスコンクリート装飾材の主成分はシラス又は焼成発泡軽石であり、シラスは極めて安価に入手可能であり、焼成発泡軽石もシラスに含まれる軽石類を焼成発泡させたものであり、安価に装飾板の製造が可能となった。本発明のシラスコンクリート装飾材及びその製造方法は、主成分が天然素材のシラス又はシラスを熱処理したものから成っているので、リサイクルが可能であることも大きな特徴である。
【0216】
本発明のシラスコンクリート装飾材の製造方法は、作業工程数を少なくして装飾層とシラス硬化層が一体化した2層以上の構造の装飾板を製造することが可能であり、積層構造を有するシラスコンクリート装飾材を最小限の作業工程数で製造することが可能である。
【0217】
本発明のシラスコンクリート装飾材の製造方法は、従来の製造方法と異なり、原材料として水添加量がゼロ又は最小限の水添加量に抑えられたゼロスランプ材料を用いるため、一体成形加工時に余分な水分が排出しないので廃水処理等の問題が生じない。
【0218】
本発明のシラスコンクリート装飾材及びその製造方法は、強制乾燥していない自然状態に近いシラスを用いるので、乾燥コストの削減につながり、シラスが適度な湿度を有することから粉塵が舞い難く、作業環境上にも非常に好ましい。
【0219】
本発明の装飾層の洗い出し仕上げは、装飾層表面のセメントを洗い出すことによって装飾粒を部分的に突出させ凹凸状に仕上げることによって、自然石の外観に近づけることが可能になり、床材として用いた場合には滑り止め効果により滑り事故の防止に役立つ。
【0220】
本発明のシラスコンクリート装飾材及びその製造方法は、装飾層において模様及び/又は色彩を施すなど平面的なデザインが可能である。また、装飾層に2層以上の組成の異なるシラス硬化層を積層する場合に、各層に於ける気孔率や細孔径を制御するなどの立体的なデザインも可能となっている。この積層構造を有するシラスコンクリート装飾材は、水の浄化を助けることを確認しており、河川、湖沼などの環境浄化フィルターとしても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(e)は、代表的な装飾板の製造方法の概要を示す工程図である。
【符号の説明】
1…フィルム
2…装飾粒
3…装飾層
4…シラス硬化層

Claims (12)

  1. シラス硬化層と装飾層とからなるシラスコンクリート装飾材であって、
    (a)シラスとセメント
    (b)シラスとセメントと水
    (c)シラスとシラスバルーンとセメントと水
    (d)シラスと植物炭化物とセメントと水
    (e)焼成発泡軽石とセメントと水
    (f)焼成発泡軽石と植物炭化物とセメントと水
    のグループから選択される1種以上の前記シラス硬化層と、
    (p)シラスとセメント
    (q)シラスと装飾粒とセメント
    (r)装飾粒とセメント
    (s)セメント
    のグループから選択される1種以上で前記シラス硬化層の外表面を形成して積層された前記装飾層とからなり、
    ただし、前記シラスは日本の南九州に広く分布する軽石流及び降下軽石の非溶結火砕流堆積物であり、前記セメントは水硬性硬化材であり、前記シラスバルーンは前記シラスを加熱炉内で熱処理して発泡軽量化したものであり、前記植物炭化物は植物を人工的、又は自然に炭化したものであり、前記焼成発泡軽石は加熱炉で前記シラスに含まれる軽石を焼成発泡したものであり、かつ900〜1100℃で焼成発泡して得られた見かけ比重0.18〜0.31のものであり、
    前記装飾粒は、火成岩、変成岩、堆積岩、貝殻、硬質の炭、ガラス、陶器、瓦、レンガ、セラミックス、プラスチック、人工骨材、蓄光材、シラス加圧成形体から選択される1種以上であり、
    前記シラス硬化層と前記装飾層とを積層して加圧して一体に成形されたものである
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材。
  2. 請求項1に記載のシラスコンクリート装飾材において、
    前記シラス硬化層は、組成及び/又は組成比が異なる2層以上からなる
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材。
  3. 請求項1又は2に記載のシラスコンクリート装飾材において、
    前記装飾層は、模様及び/又は色彩を呈するために顔料を含むものである
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材。
  4. 請求項1又は2に記載のシラスコンクリート装飾材において、
    前記装飾層の前記装飾粒は、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合のために、平均1ないし50mmの粒径である
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材。
  5. 請求項4に記載のシラスコンクリート装飾材において、
    前記装飾層の表面は研削仕上げされたものである
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材。
  6. 請求項4に記載のシラスコンクリート装飾材において、
    前記装飾層の表面は流体で洗い出しされたものである
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材。
  7. 装飾を施すために外表面を形成する前記装飾層を積層する装飾層形成工程と、
    前記装飾層に積層され、自然採取された状態の水分を含むシラスとセメントを主材料として用いたシラス硬化層を積層するシラス硬化層積層工程と、
    前記装飾層と前記シラス硬化層とを同時に1MPaないし235MPaの圧力で一体成形加工するための加圧工程とからなるシラスコンクリート装飾材の製造方法であり、
    ただし、前記シラスは日本の南九州に広く分布する軽石流及び降下軽石の非溶結火砕流堆積物、及び前記シラス類似の非溶結性火砕流堆積物も含み、前記セメントは水硬性硬化材である
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材の製造方法。
  8. 請求項7に記載のシラスコンクリート装飾材の製造方法において、
    前記シラス硬化層積層工程は、組成及び/又は組成比が異なる2層以上を順次積層して形成される
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載のシラスコンクリート装飾材の製造方法において、
    前記装飾層は、模様及び/又は色彩を呈するために顔料を含むものである
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材の製造方法。
  10. 請求項7又は8に記載のシラスコンクリート装飾材の製造方法において、
    前記装飾層は、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を呈するために、平均1ないし50mmの粒径であり、かつ溶岩、火山礫、ガラス、レンガ、瓦、大理石、御影石、貝殻、珊瑚、人工骨材、セラミックス、プラスチック、蓄光材、シラス加圧成形体から選択される1種以上からなる装飾粒を含む
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材の製造方法。
  11. 請求項10に記載のシラスコンクリート装飾材の製造方法において、
    前記加圧工程後に前記シラスコンクリート装飾材を養生後、前記装飾粒を研削加工する研削加工を含む
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材の製造方法。
  12. 請求項11に記載のシラスコンクリート装飾材の製造方法において、
    前記加圧工程後に前記装飾層の表面を流体で洗い出しする洗出工程を含む
    ことを特徴とするシラスコンクリート装飾材。
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