JP2000185312A - 無機成形体及びその製造方法 - Google Patents

無機成形体及びその製造方法

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JP2000185312A
JP2000185312A JP10364993A JP36499398A JP2000185312A JP 2000185312 A JP2000185312 A JP 2000185312A JP 10364993 A JP10364993 A JP 10364993A JP 36499398 A JP36499398 A JP 36499398A JP 2000185312 A JP2000185312 A JP 2000185312A
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slurry
inorganic molded
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Katsuyoshi Mizutani
勝義 水谷
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Misawa Ceramics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機成形体の表面及び切除面に天然石調の
多彩な模様が現出している無機成形体及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 セメント材と珪酸質材が主要成分として
含まれる素地骨材22をセメント質の着色材層24によ
り被覆してなる着色骨材20を、セメント質の無機成形
体基材11中に散在させ、成形体表面の切除によって素
地骨材の色と着色材層の色を無機成形体基材の色と共に
成形体表面に現出させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色骨材が無機成
形体基材中に散在して天然石調および多彩な模様の外観
を有する無機成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート製の建築資材や景観
資材等に、天然石調の凹凸や風合いを外観に醸し出させ
るために、玉石等よりなる粗骨材や細骨材をセメント系
無機質成形体基材に混入し、骨材を表面に露出させる技
術が提案されている。
【0003】例えば、特開平5―253908号公報、
特公平7―17465号公報および特開平6―4772
5号公報においては、コンクリートやセメントを基材と
した成形体に天然石調の表面模様を形成するために、砕
石や玉石、珪石等の天然石材よりなる骨材を混入して成
形体表面から露出させる方法が提案されている。
【0004】また、多彩な天然石調の模様を現出させる
ために、特開平10−59753号公報には、岩石の粉
砕物や小石、砂等からなる細粒状の天然石材を部分的に
着色するようにした着色骨材の発明が開示されている。
【0005】ところが、これらの従来技術はいずれもナ
イフ等では削れない程度の硬い天然石材を骨材として用
いているため、天然石調の模様を得るには、成形体表面
から骨材が僅かに突出するように、または骨材の平坦な
面が成形体表面に位置するようにして骨材を型枠内に配
置する工夫が必要になり、工程として煩雑なものであっ
た。また、成形体基材が末だ軟らかい時に成形体基材表
面に高圧水を吹き付ける洗い出し法によって、骨材を成
形体表面に露出させることも提案さされている。しか
し、この洗い出し法にあっては、前記着色骨材を使用す
る場合は天然石材と着色層が別材質からなって互いに接
着性が乏しいため、その着色表面が洗い出し時の高圧水
によって剥がれてしまい、せっかくの着色が生かしにく
い難点もあった。
【0006】さらに、従来の天然石調成形体は、成形体
表面側を成形する型枠底部に骨材を配置して成形された
り、特開平9−327808号公報のように、骨材を含
むスラリーを成形型枠内で振動させ、骨材を沈下させて
硬化し、骨材が沈下している側を表面として成形体が形
成される等、骨材による模様が成形体表面に限られてい
るものが殆どである。そのため、成形体を切削加工して
その切断面を表面として利用する場合には、模様が現れ
ないといった不具合もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に鑑
みなされたもので、表面はもとより凹凸等の切除加工面
にも着色骨材による多彩な模様を現出させることがで
き、しかも、洗い出しや切削等の加工時に着色骨材も加
工して基材と面一の表面に模様を形成し得る無機成形体
及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、セメ
ント材と珪酸質材を主成分として含む素地骨材をセメン
ト質の着色材層により被覆してなる着色骨材がセメント
質の無機成形体基材中に散在してなる成形体であって、
前記成形体表面の切除によって着色骨材の断面の色が無
機成形体基材の色と共に成形体表面に現出していること
を特徴とする無機成形体に係る。
【0009】また、請求項2の発明は、セメント材と珪
酸質材を主成分として含む素地骨材がセメント質の着色
材層により被覆されてなる着色骨材を、セメント質の無
機成形体基材用スラリーに投入し撹拌分散させて混合ス
ラリーを調製し、前記混合スラリーを成形型枠に充填し
硬化させて無機成形体基材中に前記着色骨材が散在して
なる成形体を形成した後、前記成形体表面を切除するこ
とによって着色骨材の断面の色を無機成形体基材の色と
共に成形体表面に現出させることを特徴とする無機成形
体の製造方法に係る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従って本発明を
詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る無機成
形体の一部切り欠き斜視図、図2は無機成形体の他の実
施例を示す斜視図、図3は着色骨材を示す断面図、図4
および図5は着色骨材の他の実施例を示す斜視図、図6
ないし図8は本発明の無機成形体の製造方法を示し、図
6は着色骨材の製造工程を示す図、図7は混合スラリー
調製工程を示す図、図8は硬化工程及び脱型工程を示す
図である。
【0011】図1に示す本発明の一実施例に係る無機成
形体10は、セメント質からなる無機成形体基材11
と、素地骨材22が着色材層24によって被覆された着
色骨材20とにより構成される。この無機成形体10の
表面は、洗い出し、切削、研削、あるいは研磨等の切除
加工によって切除された切除表面12で形成され、無機
成形体基材11の色と共に着色骨材20の断面の色が現
出し、多彩な模様を構成している。尚、着色骨材20の
断面の色は、着色骨材20が着色材層24のみの部分で
切断されているときは、着色材層24の色であり、素地
骨材22も切断されているときは、素地骨材22の色と
着色材層24の色となる。この無機成形体10は、成形
時の型枠形状及びその後における切断等の加工により所
望の形状とされる。図1の例は平坦なブロックであり、
図2に示す無機成形体10Aは凹凸に加工したパネルを
示している。これらは、前記切除表面12が製品表面を
構成するようにされる。
【0012】無機成形体基材11は無機成形体10の本
体を構成し、全体の形状を形成している。この無機成形
体基材11は、セメント質からなるもので、セメント
材、生石灰、珪砂、混和剤、水等からなる既知の軽量コ
ンクリート成形材料からなるスラリーが、そのスラリー
中に分散された着色骨材20と共に硬化、養生したもの
で無機成形体10が構成され、その所要表面が切除され
ている。
【0013】着色骨材20は、図3に示す様に素地骨材
22とその表面の着色材層24によって構成され、前記
のように無機成形体10表面の切除により、素地骨材2
2も切断されて、その断面の色が無機成形体10表面に
現出している。素地骨材22は、着色骨材20の核とな
る部分であって、セメント材と珪酸質材を主要成分とす
る無機固形物を粉砕して細粒化したものからなる。この
セメント材と珪酸質材を主要成分とする無機固形物とし
ては、軽量コンクリート成形体等のコンクリート製品の
製造工程で発生する余剰スラリーをフィルタープレスで
脱水固化させたものを利用する。また、この素地骨材2
2の粒径は、適宜のサイズとされるが、一般的に5mm
以下、特には1〜5mm程度が好適である。
【0014】着色材層24は、素地骨材22の表面に所
望の色を所要の層厚で付与し、着色骨材20の断面に所
望の色模様を付与するためのもので、セメント材と珪酸
質材とを主成分とし、かつ着色剤として所望の色の顔料
を水と共に含む着色スラリーの付着乾燥物からなる。前
記着色スラリーとしては、セメント材、珪酸質材、水、
混和剤等で構成される、既知の軽量コンクリート原料と
同様の組成のものに、顔料を添加したものである。尚、
前記着色材層24の厚みは適宜とされるが、着色骨材2
0の断面の色模様を明確にし、模様色を充分に現出させ
るには、素地骨材22の粒径に対してあまり薄すぎない
のが好ましい。
【0015】また、素地骨材22の一粒毎に着色材層が
形成されない場合もある。素地骨材22の粒径や着色ス
ラリー硬化後の粉砕程度により、図4に示す着色骨材2
0Aのように、複数の素地骨材22a,22b,22
c,22d,22e…を一つの着色材層24aで被覆す
るものもある。また、前記着色材層は一層に限られな
い。例えば、図5に示す着色骨材20Bのように、素地
骨材22fの表面を色の異なる着色材層24b,24c
で積層し被覆したものであってもよい。
【0016】次に、本発明の製造方法について説明す
る。この製造方法は、混合スラリー調製工程、硬化工
程、脱型工程、養生工程及び切除工程を含む。混合スラ
リー調製工程では、あらかじめ次のようにして製造した
着色骨材を用意する。着色骨材の製造においては、ま
ず、セメント材と珪酸質材を主要成分とする軽量コンク
リート製品の製造工程から生ずる余剰スラリーを用いて
図6の(A)に示す素地骨材22を製造する。
【0017】前記余剰スラリーは、従来、軽量コンクリ
ート製品の製造工程において、少なからず生じているも
のである。例えば、製造工程では、コンクリートスラリ
ーの型枠打設時に、セメントミキサーの容器や配管等の
内壁にコンクリートスラリーが付着し、その付着したコ
ンクリートスラリーが、適宜洗浄処理されて余剰コンク
リートスラリーとして回収されている。また、型枠に打
設されたコンクリートスラリーは、その上面を平坦にす
るために、型枠上端に沿ってスクレーパ等でスクレープ
され、余剰のコンクリートスラリーが除去されている。
このようにして生じる余剰のコンクリートスラリーが使
用できる。
【0018】前記余剰スラリーは、前記洗浄等の際に用
いられた水分や気泡を含有し、また、いわゆる軽量気泡
コンクリートの場合は気泡を多量に含んでいるため、フ
ィルタープレス等によって脱水、脱気され、所要塊に圧
縮固化される。その後、圧縮固化した塊を粉砕すると共
に、200℃以下で乾燥させることにより、細粒化した
素地骨材22を得る。強制乾燥させるのは、セメントの
活性反応を抑えて、後工程での再利用が容易なようにす
るためである。この素地骨材22の粒径は5mm以下、
特には1〜5mm程度とするのが、良好な模様を得るた
めに好ましい。また、前記粉砕は、適宜の粉砕装置でよ
い。
【0019】次いで、前記素地骨材22を、図6の
(B)及び(C)に示すように、着色スラリー30に投
入して撹拌し、さらに急硬剤を混合して型枠F1に充填
し硬化させる。符号M1、M2は容器を示すが、同じ容
器であってもよい。
【0020】着色スラリー30は、セメント材と珪酸質
材を主要成分とし、水、混和剤等を含む既知の軽量コン
クリート原料と同様の原料に、所望の色の顔料を混合し
たものからなる。顔料は有機または無機何れでもよい。
この顔料の量は着色スラリー30全体量の1〜5重量%
程度が適当である。また着色スラリー30と素地骨材2
2の割合は、形成する着色骨材のテクスチャーに応じて
適宜決定されるが、通常は着色スラリー100重量%に
対して5〜40重量%の範囲で選択するのが好ましい。
【0021】急硬剤は、着色スラリー30を型枠F1内
で短時間で硬化させるためのもので、アルミナセメント
が好適である。この急硬剤の量は、着色スラリー30に
対し2〜40重量%とされる。この急硬剤と着色スラリ
ー30及び素地骨材22が混合されて型枠F1に充填さ
れることによって、前記素地骨材22が型枠F1内の着
色スラリー30に分散した状態となり、その状態で着色
スラリー30が型枠F1形状に硬化する。このときの硬
化は、軽量コンクリートの硬化反応を促進させるオート
クレーブ養生前の一次硬化状態に相当する。
【0022】続いて、前記型枠Fl内で硬化した硬化物
31を、型枠F1から脱型し、図6の(D)及び(E)
のように所望の大きさ、例えば20mm以下、特には1
〜10mm程度の粒子32に粉砕して、図3及び図4で
示したような着色材層24(24a,24b)で覆われ
た所望の着色骨材20(20A)を得る。
【0023】前記粉砕は、粉砕機械を必ず必要とするも
のではない。すなわち、前記脱型された硬化物31は、
素地骨材22間が着色スラリーの硬化物(着色材層2
4)によって満たされていて、その着色スラリーの硬化
物によって素地骨材22が被覆された状態にあり、しか
も、前記素地骨材22が余剰スラリーの脱水固化された
ものからなるのに対し、着色スラリーの硬化物は、オー
トクレーブ養生前の一次硬化状態であるため、素地骨材
22に比べて脆い状態にある。そのため、前記硬化物3
1は、例えば人の手でもみほぐすような作業によって
も、主に着色スラリーの硬化部分で細かく分割され、前
記素地骨材22を着色スラリーの硬化物(即ち着色材層
24)で覆った細かい着色骨材20を得ることができ
る。尚、粉砕時に素地骨材22の部分で一部が分割され
ることがあっても、この着色骨材20は無機成形体10
の成形時における成形体10表面の切除等によって分断
され、その断面が無機成形体10の表面に露出するよう
にされるため、何ら支障がない。また、粉砕サイズ及び
素地骨材22のサイズによっては、図4に示したよう
に、複数の素地骨材22a,22b…が同一の着色材層
24aで覆われたものとなることもある。この粉砕後に
おいて必ず強制乾燥を必要とするものではない。着色骨
材20は既に細かくなっており、常温でも速やかに乾燥
するので、特に急ぐ場合を除き、実用上は常温乾燥で充
分である。
【0024】さらに、図5に示したように二層以上の着
色材層24b,24cを設けた着色骨材20Bを得る場
合には、前記着色材層が一層設けられた着色骨材に対し
て、前記粉砕段階の後に別の色の着色材層を積層すれば
よい。
【0025】すなわち、前記の着色スラリー30とは顔
料の異なる着色スラリーを用い、その異色の着色スラリ
ー中に、前記着色骨材20を投入撹拌し、次いで急硬剤
を混合した後、その混合物を型枠に投入し硬化させる。
その後、硬化物を脱型して再び粉砕段階の作業を行えば
よい。また、三色以上の着色材層を設ける場合には、こ
の積層の作業を繰り返せばよい。
【0026】上記のようにして製造した着色骨材を用い
て、次のように混合スラリー調製工程を行う。この工程
では、図7に示す様に、着色骨材20と、セメント材と
珪酸質材を主要成分とした無機成形体基材スラリー40
を容器M3内で撹拌し、混合することによって、着色骨
材20が分散した混合スラリー41を調製する。符号K
は撹拌装置である。
【0027】無機成形体基材スラリー40は、セメント
材と珪酸質材を主要成分とし、水、混和剤、急硬剤等を
含む既知の軽量コンクリート原料を混合したものからな
る。無機成形体基材スラリー40と着色骨材20の割合
は、得ようとする模様等に応じて適宜に設定すればよ
い。尚、急硬剤は、後述の硬化工程において成形型枠F
2内の無機成形体基材スラリー40中に着色骨材20が
分散し、散在した状態のまま、短時間で硬化させるため
に混合される。
【0028】また、製造する無機成形体10を軽量気泡
コンクリート等の発泡製品とする場合には、前記無機成
形体基材スラリー40として、気泡剤(発泡剤)を添加
したものを用いればよい。
【0029】次に、硬化工程を行う。この工程では、ま
ず図8の(A)に示すように、前記混合工程で得られた
混合スラリー41を、成形型枠F2に充填する。次いで
図8の(B)に示すように、混合スラリー41の上面を
型枠F2上端に沿ってスクレーパ46等でスクレープし
て、成形型枠F2内の混合スラリー41の表面を平坦に
する。その後、所要時間常温養生または強制的に乾燥硬
化させて混合スラリー41を、その混合スラリー41中
に散在している着色骨材20と一体に脱型可能な状態に
なるまで硬化させる。この硬化は、軽量コンクリートの
一次硬化に相当する。
【0030】続いて、脱型工程を行う。前記硬化工程に
よって成形型枠F2内で硬化した無機成形体を型枠F2
から脱型する。図8(C)は脱型された無機成形体50
を示す。その後、養生工程において、無機成形体50を
蒸気雰囲気下、高温・高圧でオートクレープ養生を行
い、安定硬化させる。
【0031】次に、切除工程を行う。前記養生工程後の
無機成形体50の表面Sには着色骨材20の着色材層2
4が僅かに露出しているが、さらに着色骨材20の露出
を明瞭にするため、表面Sの切除工程を行い、図1に示
した所望製品の無機成形体10を得る。その際、表面切
除前の前記無機成形体50は、無機成形体基材11中に
着色骨材20が散在しているため、例えば、カッター等
によって表面Sを所定厚み及び所定位置で切除し、面一
にすると、新しく現れた無機成形体10の切除表面12
には着色骨材20の断面が現れ、その断面の色と無機成
形体基材11の色とにより斬新な模様が形成される。し
かも着色骨材20の断面は、着色骨材20によって着色
材層24部分であったり、素地骨材22の部分となった
りするため、着色骨材20断面の色は着色材層24の色
であったり、素地骨材22の色と着色材層24の両方の
色であったりする。また、無機成形体表面の切除は、切
断によって表面を平坦にする他、凹凸形状にしたり、さ
らには表面を研磨して着色骨材の断面を現したり、洗い
出しを行う等、適宜方法によってなされる。なお、無機
成形体表面の切除範囲は、無機成形体全面に限られず、
部分的とされることもある。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の無機成形体の製造方法につ
いて具体的な実施例を示す。先ず、着色骨材を製造す
る。軽量コンクリート成形品の製造工程で生じる余剰ス
ラリーをフィルタープレスで脱水固化し、粉砕乾燥装置
を用いて粒径1〜5mmに粉砕し、次いで120℃、
0.5〜1.0時間の乾燥により5kgの素地骨材を得
た。
【0033】次いで、次の配合割合からなる着色スラリ
ーを調製し、その着色スラリー7kgと前記の素地骨材
3kgを混合撹拌装置に投入し、セメントミキサーで撹
拌しながら、急硬剤としてアルミナセメント0.375
kgを投入し、12秒間混合した後、その混合原料を、
サイズ100mm×100mm×100mmの型枠に投
入し、一次硬化させた。
【0034】 着色スラリーの配合 ・セメント材(ポルトランドセメント) 0.47kg ・珪砂 0.47kg ・顔料―赤色系 0.10kg (商品名:バイフェロックス222FM(バイエルジャパン(株)製) ・急硬剤(アルミナセメント) 0.12kg ・水 0.55L ・混和剤 0.026kg
【0035】前記型枠内で約30分経過させて脱型可能
な硬さとなった時点で硬化物を脱型し、手でもみほぐし
て粒径5〜20mm程度に粉砕して、所望の着色骨材を
得た。
【0036】次いで、以下の配合からなる無機成形体基
材スラリーを調整し、その無機成形体基材スラリー5.
234kgと前記着色骨材3.24kgをセメントミキ
サーで撹拌しながら、急硬剤としてアルミナセメント
0.22kgを投入し、約30秒間混合した後、その混
合スラリーをサイズ300mm×300mm×40mm
の成形型枠に投入し、型枠の枠上端の高さで型枠内の混
合原料の表面をスクレープし、約1時間常温養生により
一次硬化させた。
【0037】 無機成形体基材スラリーの配合 ・セメント材(ポルトランドセメント) 1.44kg ・珪砂 1.62kg ・急硬剤(アルミナセメント) 0.22kg ・水 1.72L ・混和剤 0.234kg
【0038】次いで、成形型枠から無機成形体基材スラ
リーが着色骨材と一体に硬化した成形体を脱型し、18
0℃、10kg/cmの下で6時間オートクレーブ養
生し、安定硬化させた。オートクレーブ養生後の無機成
形体表面には、着色骨材がわずかに露出していた。この
表面の無機成形体表面を、洗い出しにより溝形状に切除
加工し、図2に示す無機成形体10Aを得た。得られた
無機成形体は、その溝加工切除面において、着色骨材の
断面が無機成形体基材の表面に現出し、その断面の色と
無機成形体基材の色とによって、天然石調の多彩な模様
が形成されていた。
【0039】
【発明の効果】以上図示し説明したように、本発明によ
れば、素地骨材の表面がセメント質の着色材層で覆われ
てなる着色骨材が、無機成形体の内部も含めて全体に散
在しているため、無機成形体表面を切除加工して所要の
形状とした場合、その切除面に着色材層の色を点在させ
て現出させることができ、天然石調で多彩な模様を得る
ことができる。
【0040】さらに、本発明では、無機成形体の表面を
切除加工することによって、着色骨材が切断され、その
切断面が露出するため、素地骨材の色と着色材層の色の
両方を無機成形体基材の色と共に現すことができるの
で、多彩な形態の模様を明瞭に現出させることができ
る。しかも、前記着色材層を二層以上とすることによっ
て、一層多彩な模様を無機成形体表面に現すことがで
き、種々の用途に応じた多種多様な模様を有する無機成
形体を得ることができる。
【0041】また、本発明では、無機成形体基材も着色
骨材もセメント質からなって、その硬度が同程度のた
め、無機成形体の切除時に無機成形体基材と着色骨材を
一緒に切除できる。したがって、得られる無機成形体の
切除面は、無機成形体基材も着色骨材も面一になり、無
機質の基材と着色骨材を一体物として表せ、従来のよう
に着色骨材のみが基材表面から突出する不自然さが無
く、天然石調雰囲気の高い無機成形体が得られる。
【0042】しかも、従来のように玉石等を成形品の表
面に露出するように工夫して成形型枠内に配置して無機
成形体を製造する必要がないため、無機成形体の製造作
業を簡単に行える効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る無機成形体の一部切り
欠き斜視図である。
【図2】無機成形体の他の実施例を示す斜視図である。
【図3】着色骨材を示す断面図である。
【図4】着色骨材の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】着色骨材のさらに他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図6】着色骨材の製造工程を示す図である。
【図7】混合スラリー調製工程を示す図である。
【図8】硬化工程及び脱型工程を示す図である。
【符号の説明】
10,10A 無機成形体 11 無機成形体基材 12 無機成形体の切除表面 20,20A,20B 着色骨材 22 素地骨材 24 着色材層 40 無機成形体基材スラリー 41 混合スラリー F1 型枠 F2 成形型枠

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント材と珪酸質材を主成分として含
    む素地骨材をセメント質の着色材層により被覆してなる
    着色骨材がセメント質の無機成形体基材中に散在してな
    る成形体であって、前記成形体表面の切除によって着色
    骨材の断面の色が無機成形体基材の色と共に成形体表面
    に現出していることを特徴とする無機成形体。
  2. 【請求項2】 セメント材と珪酸質材を主成分として含
    む素地骨材がセメント質の着色材層により被覆されてな
    る着色骨材を、セメント質の無機成形体基材用スラリー
    に投入し撹拌分散させて混合スラリーを調製し、前記混
    合スラリーを成形型枠に充填し硬化させて無機成形体基
    材中に前記着色骨材が散在してなる成形体を形成した
    後、前記成形体表面を切除することによって着色骨材の
    断面の色を無機成形体基材の色と共に成形体表面に現出
    させることを特徴とする無機成形体の製造方法。
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