JP3858079B2 - 軽量シラス基盤及び緑化軽量シラス基盤とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水率、見掛気孔率、保水率、見掛気孔率が大きく、人が乗っても壊れない程度の強度を有する屋上緑化に適した軽量シラス基盤、表面の一部または全部が研削された軽量シラス基盤、及び軽量シラス基盤と芝草類または苔類とを組合わせた緑化軽量シラス基盤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋上緑化に適したコンクリート基盤としては、植物の根の成長に必要な空間、水や肥料の保持、セメントからのアルカリ量の低減が必要である。すなわち、吸水率、保水率、見掛気孔率が大きく、アルカリ発生源であるセメント量を極力少なくしたものが求められる。しかも、軽量化が求められる。
【0003】
特許第3137614号には、本件発明の発明者らの提案した軽量高強度コンクリートの製造方法が開示されている。この微粒中空ガラス球状体を用いる軽量高強度コンクリートの製造方法は、セメント量が微粒中空ガラス球状体の2/3〜2倍(重量比)の量が必要であり、セメントの量が多すぎることが課題である。
【0004】
特開平8−239281号では、透水性コンクリートの製造方法として、セメント量が火山砕屑物量(平均粒径5mm以下)の1/6で、3〜10kgf/cm2の圧力で加圧硬化されたものが提案されている。
【0005】
特開2000−109356号では、コンクリートの製造方法において、セメント量が岩石量の1/7〜1/1である生コンクリートを無加圧で成形する方法が提案されている。
【0006】
特開平5−272142号(特公平7−74506号)では、植裁用コンクリートの製造方法として、2層のポーラスコンクリート層の粗い層の隙間に種子を配設し1〜5kgf/cm2の圧力で一体成形する方法が提案されている。実施例によると、セメント量は砕石の1/6〜1/2、膨張頁岩の1/3以上である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のようなセメント量が骨材の1/7以上の多孔質コンクリートではなく、1/7以下すなわち1/7〜1/46のセメント量の極めて少ない、主成分がシラスからなる屋上緑化に適した単層構造を有する軽量シラス基盤であり、かさ比重が0.6から1.6であり、吸水率が20〜80%であり、保水率が2〜20%で、見掛気孔率が24〜53%であり、圧縮強度が0.5〜22.6MPa(5から230kgf/cm2)である軽量シラス基盤およびその製造方法を提供するものである。更に、表面の一部または全部を表面研削した軽量シラス基盤、軽量シラス基盤と芝草類または苔類とを組合わさせた緑化軽量シラス基盤およびその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、屋上緑化に適した軽量シラス基盤、表面の一部または全部が表面研削された軽量シラス基盤、芝草類または苔類が組合わさった緑化軽量シラス基盤およびその製造方法に関するものであり、軽量シラス基盤の製造時において、従来技術では排出されるアルカリ性の廃水を生じないという特徴ある発明である。以下にその構成を述べる。
【0009】
本発明1の軽量シラス基盤は、湿潤状態のシラス88〜98wt%、セメント2〜12wt%とを主成分とするものであって、前記シラス及び前記セメントを混合して水を添加せずに、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である。
【0010】
本発明2の軽量シラス基盤は、湿潤状態のシラス84〜97.9wt%、セメント2〜11wt%、水0.1〜5wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記セメント、及び前記水を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である。
【0011】
本発明3の軽量シラス基盤は、湿潤状態のシラス83〜97wt%、セメント2〜11wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜1.1wt%とを主成分とするものであって、前記シラス、前記セメント、並びに前記非晶質シリカ及び/又は石英を混合して水を添加せずに、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である。
【0012】
本発明4の軽量シラス基盤は、湿潤状態のシラス83〜97wt%、セメント2〜11wt%、水1〜5wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜1.1wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、前記シラス、前記セメント、前記水、前記非晶質シリカ及び/又は石英、並びに前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である。
【0013】
本発明5の軽量シラス基盤は、湿潤状態のシラス64〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜11.5wt%、水3〜6wt%とを主成分とするものであって、前記シラス、前記シラスバルーン、前記セメント、及び前記水を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である。
本発明6の軽量シラス基盤は、湿潤状態のシラス64〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜11.5wt%、水3〜6wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、前記シラス、前記シラスバルーン、前記セメント、前記水、及び前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である。
【0014】
本発明7の軽量シラス基盤は、湿潤状態のシラス64〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜11.5wt%、水3〜6wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜1.1wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、前記シラス、前記シラスバルーン、前記セメント、前記水、前記非晶質シリカ及び/又は前記石英、並びに前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm2)の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である。
本発明8の軽量シラス基盤は、直径が10mm以上の軽石を除去した湿潤状態のシラス76〜84wt%、セメント10〜12wt%、水3〜8wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカを0.1〜2.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、前記シラス、前記セメント、前記水、前記非晶質シリカ、及び前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm2)の圧力で成形加工され、かさ比重が1.0から1.6であり、圧縮強度が8.8〜22.6MPa(90〜230kgf/cm2)である。
【0015】
本発明9の軽量シラス基盤は、直径が10mm以上の軽石を除去した湿潤状態のシラス58〜76wt%、植物炭化物5〜13wt%、セメント8〜12wt%、水5〜19wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカを0.1〜2.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、前記シラス、前記植物炭化物、前記セメント、前記水、前記非晶質シリカ、及び前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.3である。
【0016】
上記に記載の軽量シラス基盤の吸水率は、20〜80%である。上記に記載の軽量シラス基盤の曲げ強度が0.2〜2.4MPa(2から25kgf/cm2)である。上記に記載の軽量シラス基盤の保水率が1〜20%、好ましくは2〜20%である。上記に記載の軽量シラス基盤の見掛気孔率が24〜53%である。上記に記載の軽量シラス基盤の表面の一部または全部を表面研削したものである。
【0017】
本発明の緑化軽量シラス基盤は、上記に記載の軽量シラス基盤と植物とを直接あるいは土壌を介してなるものである。この緑化軽量シラス基盤の植物は、芝草類である。上記の緑化軽量シラス基盤の植物は、苔類である。上記に記載の植物は、耐乾性に富む植物(多肉植物類)である。
【0018】
本発明1の軽量シラス基盤の製造方法は、湿潤状態のシラス88〜98wt%とセメント2〜12wt%を混合し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0019】
本発明2の軽量シラス基盤の製造方法は、湿潤状態のシラス84〜97.9wt%とセメント2〜11wt%を混合し、攪拌し、水0.1〜5wt%を滴下し、攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0020】
本発明3の軽量シラス基盤の製造方法は、湿潤状態のシラス83〜97wt%とセメント2〜11wt%と平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカおよび/または石英0.1〜1.1wt%を混合し、攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを1.5〜10.8MPa(15から110kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0021】
本発明4の軽量シラス基盤の製造方法は、湿潤状態のシラス83〜97wt%とセメント2〜11wt%と平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカおよび/または石英0.1〜1.1wt%を混合し、攪拌し、流動化剤0.1〜0.3wt%と水1〜5wt%を混合した水溶液を滴下しながら攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを15から110kgf/cm2の圧力で成形加工することである。
【0022】
本発明5の軽量シラス基盤の製造方法は、湿潤状態のシラス64〜82wt%とシラスバルーン3〜20wt%とセメント7〜11.5wt%を混合し、攪拌し、水3〜6wt%を滴下しながら攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを1.5〜10.8MPa(15から110kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0023】
本発明6の軽量シラス基盤の製造方法は、湿潤状態のシラス64〜82wt%とシラスバルーン3〜20wt%とセメント7〜11.5wt%を混合し、攪拌し、流動化剤0.1〜0.3wt%と水3〜6wt%とを混合した水溶液を滴下しながら攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを1.5〜10.8MPa(15から110kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0024】
本発明7の軽量シラス基盤の製造方法は、湿潤状態のシラス64〜82wt%とシラスバルーン3〜20wt%とセメント7〜11.5wt%と平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ及び/又は0.1〜1.1wt%を混合し、攪拌し、流動化剤0.1〜0.3wt%と水3〜6wt%とを混合した水溶液を滴下しながら攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを1.5〜10.8MPa(15から110kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0025】
本発明1〜7の軽量シラス基盤の製造方法において、前記圧力は、ゼロスランプ材料を作製し、その材料を製造する場所に敷き均し、その表面を、転圧機を用いて締め固める転圧施工する方法である。本発明における転圧機とは、ローラー、振動型ローラー、プレートコンバクター等を含む。
【0026】
本発明20の緑化軽量シラス基盤の製造方法は、上記の軽量シラス基盤の製造方法において、ゼロスランプ材料を作製後に、これと植物を組み合わせて、1.5〜4.9MPa(15〜50kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0027】
上記緑化軽量シラス基盤の製造方法は、上記の緑化軽量シラス基盤の製造方法における植物として、芝草類、苔類、胞子および種子の少なくとも1つを組み合わせたことである。
【0028】
本発明8の軽量シラス基盤は、直径が10mm以上の軽石を除去した湿潤状態のシラス76〜84wt%、セメント10〜12wt%、水3〜8wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカを0.1〜2.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%からなるものであって、かさ比重が1.0から1.6であり、圧縮強度が8.8〜22.6MPa(90〜230kgf/cm2)である。
【0029】
本発明9の軽量シラス基盤は、直径が10mm以上の軽石を除去した湿潤状態のシラス58〜76wt%、植物炭化物5〜13wt%、セメント8〜12wt%、水5〜19wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカを0.1〜2.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%からなるものであって、かさ比重が0.6から1.3である。
【0030】
本発明8の軽量シラス基盤の製造方法は、直径が10mm以上の軽石を除去した湿潤状態のシラス76〜84wt%とセメント10〜12wt%と平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ0.1〜2.0wt%を混合し、攪拌し、流動化剤0.1〜0.3wt%と水3〜8wt%とを混合した水溶液を滴下しながら攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを1.5〜10.8MPa(15から110kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0031】
本発明9の軽量シラス基盤の製造方法は、直径が10mm以上の軽石を除去した湿潤状態のシラス58〜76wt%と植物炭化物5〜13wt%とセメント8〜12wt%と平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ0.1〜2.0wt%を混合し、攪拌し、流動化剤0.1〜0.3wt%と水5〜19wt%とを混合した水溶液を滴下しながら攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、次いで、これを1.5〜10.8MPa(15から110kgf/cm2)の圧力で成形加工することである。
【0032】
本発明の軽量シラス基盤は、かさ比重、吸水率、見掛気孔率は、JIS−R−2205に規定される測定法を用いた値である。曲げ強度、圧縮強度は、JIS−R−5201に規定される測定法を用いた値である。保水率は、4cm×4cm×15cmの寸法の試験体を110℃で24時間乾燥した後に測った重量(W1)と、その試験体を24時間水中で吸水させた後に乾燥器中において50℃で24時間乾燥した後の重量(W2)により、(W2−W1)÷(W1)*100の式で求めた値である。
【0033】
[シラス]
本発明のシラスとは、地学事典に書かれているものと同義である。すなわち、日本の南九州に広く分布する軽石流および降下軽石の非溶結火砕流堆積物のことである。シラスのうち軽石流の堆積物が、シラスの中で最も賦存量(684億m3)が多く、鹿児島県本土の面積の約50%を占め、鹿児島湾周辺で厚さ数10m〜200mの台地を形成しており、火山灰、軽石などが渾然一体となっている。この軽石流堆積物は、約2万2千年前の鹿児島湾奥部を噴出源としている。一般に灰白色で半固結状を呈し、多孔質であり、2mm以上の軽石を含み、幅広い粒径から構成されており、大部分は砂分および微砂分からなる。鉱物組成は、火山ガラス、斜長石を主成分とし、輝石、石英、磁鉄鉱などを副成分としている。シラスの真比重は、2.3〜2.5の範囲にあり平均は2.39である。化学組成は、ケイ酸分約70wt%、アルミナ分約14wt%、アルカリ酸化物約8wt%の順に含まれている。
【0034】
本発明でいう降下軽石もシラスに属する。これは鹿児島県の鹿屋市、垂水市を中心に分布しており、灰白色で主に軽石礫の集合体からなり、噴出源、噴出年代は上記の軽石流堆積物と同じ時期である。この降下軽石は、上記軽石流堆積物の下層に位置し、比較的固い軽石からなる。化学組成や鉱物組成は、軽石流のシラスとほぼ同等である。
【0035】
[シラスバルーン]
本発明のシラスバルーンとは、シラスを熱処理して発泡軽量化した製品で、国内6社で年間1万2千トン以上生産されているものである。この原料のシラスは、鹿児島郡吉田町や宮崎県えびの市周辺賦存するシラスである。これらの化学組成は、軽石流堆積物のシラスとほぼ同等である。
【0036】
[流動化剤]
本発明の流動化剤とは、セメントの分散性を良くし、水の添加量を少なくする効果があるものである。流動化剤には、アルキルアリルスルホン酸塩高縮合物、ナフタリンスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系のものである。ポリカルボン酸系の高性能AE減水剤も同様な効果があり、これらも含む。
【0037】
[石英]
本発明の石英とは、天然石英を主成分とする結晶質の微粒子からなり、平均粒径0.1〜1μmの水に不溶であり、水に沈降する微粉末のものである。本発明の非晶質シリカは、シリカを主成分とする平均粒径0.1〜1μmの非晶質の微粒子からなる。フェロシリコン(珪素鉄)や金属シリコンを製造するとき、電気炉のなかで炭酸ガスとともに発生する煙霧(ダスト)を回収した微粉末のものも含まれる。
【0038】
[植物炭化物]
本発明の植物炭化物とは、木炭、竹炭、活性炭などの植物を人工的に炭化させたもの、泥炭などの植物が自然に炭化したもののことである。
【0039】
原材料の混合、攪拌、混練を行う装置としては、市販のモルタルミキサーでもよいが、一般にオムニミキサーと呼ばれる装置が適している。これは、プロペラなどを用いず、短時間で比重の異なる原料同志を容易に混合、分散できる装置であり、特に、原材料の混合時および攪拌時にシラスに含まれる軽石の破砕を最小限に抑えることができるので、より軽量のシラス基盤を製造する場合に適している。
【0040】
[ゼロスランプ]
本発明のゼロスランプとは、まだ固まらないコンクリートのスランプ試験において、自重による変形量が0cmである状態である。
【0041】
[成形加工]
本発明の成形加工として、1.5MPa(15kgf/cm2)から10.8MPa(110kgf/cm2)の加圧ができる方法を用いる。金型として、平板状、タイル状、擬岩状など複雑形状の型枠をセットできる成形加工機や連続押出成形機も用いることができる。また、転圧施工も用いることができる。
【0042】
[芝草類の植物]
本発明の芝草類の植物は、大きく西洋芝、ハイブリッド芝、日本芝、牧草があげられる。西洋芝として、ベントグラス類(コロニアル種、グリーピング種(シーサイドベントグラス、ココースベントグラス、ペンクロスベントグラスのシーサイド系、オールドチャードC−52のサウスジャーマン系)、ベルベット種、レッドトップ種)、ブルーグラス類、メドーグラス類、ライグラス類、フェスキュー類があげられる。ハイブリッド芝として、モンバミューダグラス、アフリカンバミューダグラス、ティフトンバミューダグラスがあげられる。日本芝として、野芝、高麗芝、姫高麗芝があげられる。牧草として、ケンタッキーブルーグラスがあげられる。日本に自生する西洋芝として、アニアルブルーグラス(スズメノカタビラ)、トールフェスキューがあげられる。
【0043】
[苔類の植物]
本発明の苔類の植物は、チャミズゴケ、ヒョウタンゴケ、オオミズゴケ、エゾスナゴケ、ホソウリゴケ、トカチスナゴケ、サメジマタスキ、オオタマチナイトゴケ、ニワツノゴケ、フデゴケ、コスギゴケ、トヤマシノブゴケ、オオツボミゴケ、ヤクシマゴケ、ミスジャバネゴケ、ギンゴケ、ハマキゴケ、ミズゴケがあげられる。
【0044】
[耐乾性に富む植物]
本発明の耐乾性に富む植物は、アイスプランツ、アイビーゼラニウム、アルメリア・ラティフォリア、ウェデリア、オオテンニンギク、オオベンケイソウ、オシロイバナ、ガザニア、カランコエ、キリンソウ、ジャーマンアイリス、シュッコンアマ、シラー、セイヨウノコギリソウ、セラスチウム、ゼラニウム、テンニンギク、ニオイイリス、ノカンゾウ、ハツユキソウ、ハナアザミ、ナハスベリヒユ、ハナタバコ、ハマナデシコ、ハマヒルガオ、ハマユウ、ヒガンバナ、ヒメカンゾウ、フクロナデシコ、ベニバナアマ、ヘメロカリス、マツバギク、マツバボタン、ミセバヤ、メキシコマンネングサ、ユリオプスデージー、リアトリス、リビングストンデージー、タマリュウ(リュウノヒゲ)の他、メキシコマンネングサ、サボテンなどの多肉植物類があげられる。
【0045】
[土壌]
本発明の土壌とは、自然の土壌と人工の土壌であって、ヤシ殻などの植物原料からのものも含む。
【0046】
[本発明の製造方法]
本発明は、主成分がシラスで構成され、セメント量をシラス量の1/7以下の極めて少ない量で成形した屋上緑化に適する軽量シラス基盤、軽量シラス基盤と芝草類または苔類とを組合わさせた緑化軽量シラス基盤およびその製造方法を提供することである。この軽量シラス基盤の特性として、かさ比重が0.6から1.6で、吸水率が20〜80%であり、保水率が2〜20%で、見掛気孔率が24〜53%であり、圧縮強度が0.5MPaから22.6MPa(5から230kgf/cm2)である性能を発現させることを提供するものである。また、軽量シラス基盤の芝草類または苔類の根付きを良くすることを提示するものである。
【0047】
シラス、シラスバルーン、セメント、流動化剤の選定と配合比及び配合方法、成形加工法、軽量シラス基盤の強度試験、芝草類との一体成形加工、芝草類や苔類の植生試験、歩行テストを行い、検討と実験を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0048】
シラスとしては、軽石流堆積物、降下軽石の2種類を用いる。シラスバルーンとしては、鹿児島県、宮崎県に産するシラスを焼成発泡したものを用いる。
【0049】
軽量シラス基盤としては、より天然素材に近づけるために、セメント量を極力減らし、シラス量を増やすことを検討した。
【0050】
セメント量を少なくには、原材料を無駄なく均一に混合、攪拌することが必要である。オムニミキサーを用いることによって、比重の異なるセメントとシラス等の原料を比較的均一に混ぜることが可能である。また、成形においては、平板状または複雑形状の成形加工が可能な成形加工機を用いることができる。
【0051】
一般的に、水量が多くなると強度が低下する。そこで、セメント量を減らすことと同時に水を減らすことを検討した。
【0052】
プレス圧が低い場合は、シラスとセメントだけでは成形性が悪いので、ある程度の水分の添加は必要である。特に、比表面積の大きく吸水率の大きいシラスバルーンや非晶質シリカ、微小な石英を添加する場合には、更に多くの水を必要とする。しかし、成形圧力を大きくするほど、水分量を減らせることが判り、セメントとシラスのみの配合の場合やシラスに含まれる水分が多い場合には、添加する水をゼロにしても、成形性がある程度確保され、脱型も可能であることを見出した。
【0053】
シラスバルーンや平均粒径0.1〜1μmの石英や非晶質シリカを添加する場合には、水分を減らす為に流動化剤を併用することにより添加する水分を最小限に抑えることができる。流動化剤の有効な使用法として、水で希釈した水溶液として用いる方が効果的であるので、ここでは流動化剤を水に溶かした水溶液を用いる。
【0054】
シラスバルーンは、吸水性が高く、水と接触させると内部に水分を取り組みやすいので、水量を少なくするために、原材料の投入を次のように行う。シラス、シラスバルーン、セメント、平均粒径0.1〜1μmの石英、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカをオムニミキサーで、500rpmで1分〜3分間、乾式で混合と攪拌を行い、充分にシラスまたはシラスバルーンの粒子表面にセメント、平均粒径0.1〜1μmの石英、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカをできるだけ均等に付着させる。その後に、流動化剤を水に溶かした水溶液を投入する。
【0055】
セメント量は、シラスやシラスバルーンの表面が薄くまぶされる程度にとどめ、流動化剤の水溶液をシラス粒子表面がわずかに湿る程度(ゼロスランプ状態)に抑え、500rpmで30秒間以下の短時間で混練を行い、乾燥する前に直ちに成形加工することにより、セメント量を限界まで減らすことができる。
【0056】
流動化剤の水溶液を添加した後の混練時間が長くなると、例えば1分間以上になると、バルーンが内部から水分を吸水し続け、シラス表面の湿ったセメントも乾燥しやすいので、成形加工までを素早く行うことが重要である。
【0057】
こうした検討の結果、セメント量をシラス量の1/7以下から1/46まで減らすことができ、しかも必要な強度を発現することが可能となった。
【0058】
プレス圧は、2.0MPa(20kgf/cm2)でも成形加工は可能であったが、2.0MPa(20kgf/cm2)以上の加圧後でも軽石のほとんどは破壊されることなく軽量化が図れることを確認した。しかし、10.8MPa(110kgf/cm2)以上にすると、シラス自体またはシラスバルーン自体が押しつぶされて、かさ比重が1.6以上になり、軽量のシラス加圧成形物が得られない。
【0059】
平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカと平均粒径0.1〜1μmの石英については、セメントの水和反応により生じるアルカリと反応し易く、外部に溶出するアルカリを抑制する効果があるので、必要に応じて添加する。
【0060】
かさ比重については、シラスとして軽石の多く含まれる降下軽石を用いると、かさ比重が0.6〜1.0の軽量シラス基盤が製造できる。軽石の少ない軽石流のシラスを用いると、かさ比重1.0〜1.6のシラス基盤が製造できる。
【0061】
シラスバルーンは、軽量シラス基盤の吸水率を向上させる効果がある。しかし、20%以上混合すると、曲げ強度が低下するので、シラスバルーンの添加量は、20%以下が望ましい。
【0062】
降下軽石を使う場合のポイントとして、水洗した乾燥状態の降下軽石よりも自然状態に近い湿潤状態のものが適している。自然状態の降下軽石には、150μm以下の微粒分のシラスが10wt%前後付着している。軽石表面に付着している微粒分のシラスが、セメントと良質なモルタルとして働くことにより、軽石同志の結合が強固になる。
【0063】
シラスには、直径10mm以上の軽石が含まれているのが普通である。シラスの粒度は、軽量シラス基盤の強度に影響する。すなわち、シラスに含まれる10mm以上の軽石を除去したシラスは、無選別のシラスよりも強度が向上し、圧縮強度8.8〜22.6MPa(90〜230kgf/cm2)の軽量シラス基盤が製造できる。
【0064】
緑化用の軽量シラス基盤に組み合わせる植物の成長を促すためには、軽量シラス基盤に竹炭、木炭などの植物炭化物を複合させることが有効である。植物炭化物を上記の製造方法を用いて原材料と同時に混合した後、1.5〜10.8MPa(15から110kgf/cm2)の圧力で成形加工する。このとき、シラス原料として、直径10mm以上の軽石を除去したシラスを用いると、圧縮強度8.8MPa(90kgf/cm2以)以上のものも製造できる。
【0065】
保水率に関しては、比較のために、市販の屋上緑化用スポンジと天然軽石を切り出して成形したもおよび普通コンクリートについて同様な実験を行った。
【0066】
天然軽石を切り出したブロックの保水率は3.1%であり、普通コンクリートや市販の屋上緑化用のスポンジよりも高い保水率を示した。市販のスポンジは、吸水率が346%であったが、50℃乾燥でわずか6時間後に吸水率が0%になり、保水率としては0%となる。普通コンクリートの保水率は1.8%であった。
【0067】
シラスのみを用いた軽量シラス基盤、シラスとシラスバルーンを用いた軽量シラス基盤は、10%以上の保水率であり、天然軽石の切り出しブロックやスポンジに比べて保水率が高いことを見出した。
【0068】
以上のことから、本発明による軽量シラス基盤は、保水率が大きく、セメント量が極端に少ないため、アルカリ溶出量が著しく小さく、環境にやさしい素材となっている。
【0069】
[芝草類の育成実験]
屋上緑化に優れた特性を持つ軽量シラス基盤について、実際にビル屋上にて芝草類の育成実験を実施した。30cm×30cm×6cmの軽量シラス基盤と両面を研削した30cm×30cm×5cmの軽量シラス基盤の2種類を用い、市販のハイブリッド芝(ティフトンバミューダグラス)と日本芝(野芝)をその軽量シラス基盤に載せて観察を行った。
【0070】
軽量シラス基盤の設置は、防水シートの上に置いたもの、深さ4cmのバットに置いたものについてテストした。
【0071】
軽量シラス基盤の表面研削は、植物の根付きを良くすることと強度を向上させる目的で行ったものである。表面研削すると、削られた天然軽量骨材の表面が露出することで、より天然素材に近づけることができる。また、機械で表面研削すると、より平滑に研削できるため、面耐力が向上し、応力を拡散することにより、曲げ強度や圧縮強度が向上させることができる。
【0072】
ビル屋上での2ヶ月の育成テストの結果、バットに置いたものとシートに置いたものもどちらも芝が良く生長し、表面研削の有無による差は、外観では認められなかった。しかし、根の張りについては、表面研削した方が若干優れていた。以上の結果から、本発明による軽量シラス基盤の優れた植物育成効果が確認できた。
【0073】
セメント量が極端に少ないことから、セメントから出るアルカリ量が少なく芝草類の育成に影響しないことを利用し、上記の軽量シラス基盤を敷設した後で芝草類や苔類を載せる方法の他に、軽量シラス基盤製造時に芝と一体成形する方法を見出した。
【0074】
市販の芝草類と上記のまだ固まらないゼロスランプの混合物を2層に重ねた後で、芝が大きなダメージを受けない圧力でプレス機械により一体成形する。芝に着いた土壌分を少なくすることで、軽量シラス基盤との密着性を向上させ、脱型も無理なくできる。軽量シラス基盤層の養生は、芝があるため高温の蒸気養生はできないが、水を散水することで、芝の育成と軽量シラス基盤層の養生を兼ねることができる。2ヶ月以上、屋上で自然養生させた結果、芝が良く生育することを見出した。
【0075】
芝草類との一体成形を行うに当たっては、圧力が大きくなるほど芝のダメージが大きくなるので、成形圧力を適当に加減すると良い。圧力を変えた後の芝の育成実験の結果、4.9MPa(50kgf/cm2)まで圧力を加えた場合でも、枯れることなく生育することを見出した。
【0076】
本発明の特徴は、限界まで減らしたセメントをシラスまたはシラスバルーンの表面に薄くまぶす程度にとどめ、ゼロスランプの混合原料を1.5〜10.8MPa(15から110kf/cm2)の圧力で成形加工し、シラス同志またはシラス/シラスバルーン間の接触面での強固な接合を行わせることにある。また、軽量シラス基盤の表面の一部または全部を表面研削することによって、より植物の根付きが向上した軽量シラス基盤ができる。更に、セメントの含有量が著しく少ないため、環境にやさしい素材であり、芝草類との一体成形によって、軽量シラス基盤と芝草類と一体化したものも製造できることにある。
【0077】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0078】
〔実施例1〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を6606gと太平洋セメント製の普通ポルトランドセメント796gと水398gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、8.0MPa(81.2kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生20日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.44、吸水率20.9%、見掛気孔率30.1%、曲げ強度1.7MPa(16.9kgf/cm2)、圧縮強度6.5MPa(66.2kgf/cm2)の物性を示した。
【0079】
〔実施例2〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を7841gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント413gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、7.8MPa(79.6kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生10日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.53、吸水率22.4%、見掛気孔率34.2%、曲げ強度0.3MPa(2.8kgf/cm2)、圧縮強度7.0MPa(71.8kgf/cm2)の物性を示した。
【0080】
〔実施例3〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を7520gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント836gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、7.8MPa(79.6kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生9日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.55、吸水率21.6%、見掛気孔率33.4%、曲げ強度0.5MPa(4.7kgf/cm2)、圧縮強度5.8MPa(59.6kgf/cm2)の物性を示した。
【0081】
〔実施例4〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を4222gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント186gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.2MPa(32.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生14日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.84、吸水率48.6%、見掛気孔率40.8%、曲げ強度0.5MPa(5.1kgf/cm2)、圧縮強度1.5MPa(15.1kgf/cm2)の物性を示した。
【0082】
〔実施例5〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を6690gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント807gと水293gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、8.0MPa(81.2kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.44、吸水率20.1%、見掛気孔率28.8%、曲げ強度1.3MPa(13.1kgf/cm2)、圧縮強度6.7MPa(68.4kgf/cm2)の物性を示した。
【0083】
〔実施例6〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を5917gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント746gと水306gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.6MPa(36.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.30、吸水率21.9%、見掛気孔率28.6%、曲げ強度1.8MPa(18.3kgf/cm2)、圧縮強度6.3MPa(64.6kgf/cm2)の物性を示した。
【0084】
〔実施例7〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を5917gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント746gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ22gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード9gを水306gに溶かした水溶液とをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.6MPa(36.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.30、吸水率21.9%、見掛気孔率28.6%、曲げ強度1.8MPa(18.3kgf/cm2)、圧縮強度6.3MPa(64.6kgf/cm2)の物性を示した。
【0085】
〔実施例8〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を4219gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント524gと水274gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.6MPa(36.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.97、吸水率33.0%、見掛気孔率32.0%、曲げ強度1.5MPa(15.2kgf/cm2)、圧縮強度2.7MPa(27.9kgf/cm2)の物性を示した。
【0086】
〔実施例9〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を5914gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント860gとシラスバルーンとして(株)豊和直製のSkB−6000を430gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード22gを水275gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.6MPa(36.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.39、吸水率26.2%、見掛気孔率36.5%、曲げ強度1.7MPa(17.4kgf/cm2)、圧縮強度5.6MPa(57.5kgf/cm2)の物性を示した。
【0087】
〔実施例10〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を2443gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント380gとシラスバルーンとして(株)豊和直製のSKB−6000を737gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ38g竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード12gを水190gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.6MPa(36.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.70、吸水率74.7%、見掛気孔率52.2%、曲げ強度2.0MPa(2.0kgf/cm2)、圧縮強度0.6MPa(6.5kgf/cm2)の物性を示した。
【0088】
〔実施例11〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を3546gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント410gとシラスバルーンとして(株)豊和直製のSKB−6000を684gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ3gと平均粒径0.3μmの石英を41gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード10gを水205gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、9.3MPa(95.0kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生10日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.90、吸水率48.8%、見掛気孔率43.9%、曲げ強度0.6MPa(6.5kgf/cm2)、圧縮強度2.4MPa(24.7kgf/cm2)の物性を示した。
【0089】
〔実施例12〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を2325gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント364gとシラスバルーンとして(株)豊和直製のSKB−6000を182gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ11gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード11gを水182gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、1.8MPa(18.3kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.67、吸水率78.9%、見掛気孔率52.9%、曲げ強度0.2MPa(1.8kgf/cm2)、圧縮強度0.6MPa(6.4kgf/cm2)の物性を示した。
【0090】
〔実施例13〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を4648gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント101gと水51gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.4MPa(29.2kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生14日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.88、吸水率52.7%、見掛気孔率46.5%、曲げ強度0.2MPa(2.0kgf/cm2)、圧縮強度1.0MPa(10.4kgf/cm2)の物性を示した。
【0091】
〔実施例14〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を4406gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント294gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ2gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード3gを水95gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.6MPa(36.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.89、吸水率33.6%、見掛気孔率29.9%、曲げ強度0.9MPa(9.5kgf/cm2)、圧縮強度2.6MPa(26.9kgf/cm2)の物性を示した。この平板を4cm×6cm×15cmに切断し、24時間110℃で乾燥後、24時間水中に浸せきし、その後、50℃で24時間乾燥させた後の吸水率すなわち保水率は、12.1%であった。
【0092】
〔実施例15〕
シラスとして、鹿児島県曽於郡大崎町水之谷産の軽石流堆積物(平均粒径300μm)を3329gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント352gとシラスバルーンとして(株)豊和直製のSKB−6000を587gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ3gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード18gを水176gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.6MPa(36.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生10日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.84、吸水率52.6%、見掛気孔率44.3%、曲げ強度0.5MPa(5.6kgf/cm2)、圧縮強度2.7MPa(27.4kgf/cm2)の物性を示した。この平板を4cm×6cm×15cmに切断し、24時間110℃で乾燥後、24時間水中に浸せきし、その後、50℃で24時間乾燥させた後の吸水率すなわち保水率は、10.9%であった。
【0093】
〔実施例16〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を4406gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント294gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ2gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード3gを水95gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.9MPa(29.2kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生22日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.90、吸水率31.1%、見掛気孔率27.8%、曲げ強度1.1MPa(11.4kgf/cm2)、圧縮強度2.6MPa(26.5kgf/cm2)の物性を示した。
【0094】
〔実施例17〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を4498gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント300gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ2gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード3gを水97gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.9MPa(29.2kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生7日後、山名製作所製の強力表面研磨装置YE1111型を用いて、片面づつ0.5mm厚で研削し、30cm×30cm×5cmの軽量シラス基盤を得た。この軽量シラス基盤のかさ比重は0.90、吸水率30.8%、見掛気孔率27.9%、曲げ強度1.2MPa(12.0kgf/cm2)、圧縮強度3.0MPa(30.8kgf/cm2)の物性を示した。
【0095】
〔実施例18〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を4189gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント442gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ4gと平均粒径0.3μmの石英を35gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード9gを水221gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.0MPa(20.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生71日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.90、吸水率33.4%、見掛気孔率30.1%、曲げ強度1.1MPa(11.7kgf/cm2)、圧縮強度5.0MPa(50.5kgf/cm2)の物性を示した。
【0096】
〔実施例19〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を4100gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント510gとシラスバルーンとして(株)豊和直製のSKB−6000を179gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ4gと平均粒径0.3μmの石英を43g竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード10gを水255gに溶かした水溶液をオムニミキサーで混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、3.6MPa(36.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生18日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.95、吸水率34.4%、見掛気孔率32.7%、曲げ強度1.2MPa(12.1kgf/cm2)、圧縮強度3.6MPa(36.5kgf/cm2)の物性を示した。
【0097】
〔実施例20〕
実施例16および実施例17の30cm×30cm×5〜6cmの軽量シラス基盤の両面を研削したものと、両面研磨していないものの2種類について、市販のハイブリッド芝(ティフトンバミューダグラス)と日本芝(野芝)をその軽量シラス基盤に載せて、ビル屋上で自然放置による芝草類の育成テストを行った。軽量シラス基盤及び緑化軽量シラス基盤の設置は、防水シートの上に置いたもの、深さ4cmのバットに置いたものについてテストした。自然放置2ヶ月後の外観検査と根張りの目視検査を行った結果、バットに置いたものとシートに置いたもの、芝との一体成形したものもいずれも芝が良く成長し、表面研削の有無による差と芝一体成形の差は、外観では認められなかった。根の張りは、表面研削した方が、根の張りが一番よいことを確認した。
【0098】
〔実施例21〕
実施例17の30cm×30cm×5cmの軽量シラス基盤の両面を研削したものについて、市販のハイブリッド芝(ティフトンバミューダグラス)と日本芝(野芝)を土を洗い流したものをその基盤上に置き、ビル屋上で自然放置による芝草類の育成テストを行った。軽量シラス基盤及び緑化軽量シラス基盤の設置は、防水シートの上に置いたもの、深さ4cmのバットに置いたものについてテストした。自然放置2ヶ月後の外観検査と根張りの目視検査を行った結果、バットに置いたものとシートに置いたもののいずれも芝が良く成長し、表面研削の有無による差は、外観では認められなかった。根の張りは、表面研削した方が、根の張りがよいことを確認した。
【0099】
〔実施例22〕
実施例17の30cm×30cm×5cmの軽量シラス基盤の両面を研削したものについて、エゾスナゴケを基盤上に置き、ビル屋上で自然放置による苔の育成テストを行った。軽量シラス基盤及び緑化軽量シラス基盤の設置は、防水シートの上に置いたもの、深さ4cmのバットに置いたものについてテストした。自然放置2ヶ月後の外観検査と根張りの目視検査を行った結果、バットに置いたものとシートに置いたもののいずれも苔が生育しており、表面研削の有無による差は、外観では認められなかった。
【0100】
〔実施例23〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石(平均粒径11mm)を9000gと太平洋セメント(株)製の普通ポルトランドセメント600gと竹本油脂(株)製のアルキルアリルスルホン酸塩縮合物を主成分とする流動化剤ハイフルード6gと(株)ポゾリス物産製の平均粒径0.2μmの非晶質シリカ5gと水194gをオムニミキサーで混合と攪拌を行った。芝は、(株)坂下芝園から購入したハイブリッド芝(ティフトンバミューダグラス)で、30cm×30cmに切り揃えて用いた。千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に、その芝を土面が上になるように逆向きにセットし、次にまだ固まらない原材料を上から被せて、2.9MPa(29.2kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。脱型後、30cm×30cm×6cmの芝一体型の緑化軽量シラス基盤を得た。その緑化軽量シラス基盤をそのままビル屋上の防水シートの上に設置し、2ヶ月間経過後の検査の結果、芝がよく育成していることを確認した。
【0101】
【0102】
〔実施例25〕
シラスとして、鹿児島県垂水市新城産の降下軽石から3mm以上の軽石を除去した平均粒径1000μmのシラス7050gと太平洋セメント製の白セメント1000gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)160gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを22gと水708gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.7MPa(27.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生16日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.27、吸水率20.4%、見掛気孔率25.9%、曲げ強度6.6MPa(67.6kgf/cm2)、圧縮強度21.8MPa(222.4kgf/cm2の)物性を示した。
【0103】
〔実施例26〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石から3mm以上の軽石を除去した平均粒径1080μmのシラス7050gと太平洋セメント製の白セメント1000gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)160gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを15gと水470gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.7MPa(27.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生16日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.38、吸水率21.0%、見掛気孔率29.0%、曲げ強度5.8MPa(58.9kgf/cm2)、圧縮強度17.3MPa(176.3kgf/cm2)の物性を示した。
【0104】
〔実施例27〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石から3mm以上の軽石を除去した平均粒径1080μmのシラス7050gと太平洋セメント製の白セメント1000gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)160gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを15gと水470gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、鉄板の上にスキージを用いて表面を均し、2トンのローラー車で転圧した。自然養生16日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.37、吸水率20.2%、見掛気孔率27.6%、曲げ強度3.8MPa(38.6kgf/cm2)、圧縮強度15.5MPa(157.6kgf/cm2)の物性を示した。
【0105】
〔実施例28〕
シラスとして、宮崎県えびの市加久藤産の軽石流堆積物を0.5mm以下と3mm以上を除去した平均粒径1750μmのシラス3500gと太平洋セメント製の白セメント550gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)88gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを26gと水849gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、1.5MPa(15.4kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生12日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.78、吸水率58.5%、見掛気孔率47.1%、曲げ強度1.64MPa(16.7kgf/cm2)、圧縮強度5.3MPa(53.8kgf/cm2)の物性を示した。
【0106】
〔実施例29〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石から3mm以上の軽石を除去した平均粒径1080μmのシラス5348gと太平洋セメント製の白セメント611gと鹿児島県産の孟宗竹をステンレス製釜で1000℃2時間で炭化させて粉砕した平均粒径5220μmの竹炭718gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)98gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを16gと水515gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.7MPa(27.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生16日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.24、吸水率29.2%、見掛気孔率36.2%、曲げ強度2.9MPa(29.6kgf/cm2)、圧縮強度10.2MPa(103.8kgf/cm2)、物性を示した。
【0107】
〔実施例30〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石から3mm以上の軽石を除去した平均粒径1080μmのシラス5087gと太平洋セメント製の白セメント722gと鹿児島県産の孟宗竹をステンレス製釜で1000℃2時間で炭化させて粉砕した平均粒径5060μmの竹炭848gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)115gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを17gと水568gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.7MPa(27.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生16日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.18、吸水率29.8%、見掛気孔率35.1%、曲げ強度3.2Mpa(32.8kgf/cm2)、圧縮強度11.7MPa(119.7kgf/cm2)の物性を示した。
【0108】
〔実施例31〕
シラスとして、鹿児島県肝属郡串良町細山田産の降下軽石から3mm以上の軽石を除去した平均粒径1080μmのシラス5398gと太平洋セメント製の白セメント617gと鹿児島県産の孟宗竹をステンレス製釜で1000℃2時間で炭化させて粉砕した平均粒径2150μmの竹炭725gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)99gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを14gと水453gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.7MPa(27.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生16日後の軽量シラス基盤のかさ比重は1.24、吸水率29.2%、見掛気孔率36.2%、曲げ強度2.9MPa(29.1kgf/cm2)、圧縮強度11.4MPa(116.1kgf/cm2)の物性を示した。
【0109】
〔実施例32〕
シラスとして、鹿児島県垂水市新城産の降下軽石の8mm以上と3mm以下を除去した平均粒径3600μmのシラス3500gと太平洋セメント製の白セメント650gと鹿児島県産の孟宗竹をステンレス製釜で1000℃2時間で炭化させて粉砕した平均粒径2150μmの竹炭700gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)104gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを21gと水679gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.2MPa(22.0kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生12日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.87、吸水率43.0%、見掛気孔率37.3%、曲げ強度2.3MPa(23.9kgf/cm2)、圧縮強度5.9MPa(60.3kgf/cm2)の物性を示した。
【0110】
〔実施例33〕
シラスとして、宮崎県えびの市加久藤産の軽石流堆積物を0.5mm以下と3mm以上を除去した平均粒径1750μmのシラス3100gと太平洋セメント製の白セメント550gと鹿児島県産の孟宗竹をステンレス製釜で1000℃2時間で炭化させて粉砕した平均粒径2150μmの竹炭400gとポゾリスとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)88gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを21gと水679gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.2MPa(22.0kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生12日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.78、吸水率58.4%、見掛気孔率47.2%、曲げ強度1.6MPa(16.8kgf/cm2)、圧縮強度6.0MPa(61.6kgf/cm2)の物性を示した。
【0111】
〔実施例34〕
シラスとして、鹿児島県垂水市新城産の降下軽石を3mm以下と8mm以上を除去した平均粒径3600μmのシラス3500gと太平洋セメント製の白セメント650gと鹿児島県伊佐地区産のカシの木を土釜で700℃以下で9時間加熱して炭化した木炭を粉砕した平均粒径4290μmの木炭700gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)104gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを21gと水679gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.2MPa(22.0kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生12日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.83、吸水率43.4%、見掛気孔率38.8%、曲げ強度2.1MPa(21.0kgf/cm2)、圧縮強度6.8MPa(69.1kgf/cm2)の物性を示した。
【0112】
〔実施例35〕
シラスとして、宮崎県えびの市加久藤産の軽石流堆積物を0.5mm以下と3mm以上を除去した平均粒径1750μmのシラス3100gと太平洋セメント製の白セメント550gと鹿児島県伊佐地区産のカシの木を土釜で700℃以下で9時間加熱して炭化した木炭を粉砕した平均粒径4290μmの木炭400gとポゾリス物産(株)製メイコ610(シリカフューム)88gを千代田技研工業(株)製のオムニミキサーOM10型に投入して混合した後、ポゾリス物産製ポリカルボン酸エーテル系化合物の高性能AE減水剤SP8HEを29gと水922gを混合した水溶液を添加し、更に混合と攪拌を行った。その後、千代田技研工業(株)製のSPM自動プレスマシンを用いて30cm×30cm×8.8cmの型枠に原材料をセットし、2.7MPa(27.5kgf/cm2)の圧力で、成形加工した。自然養生12日後の軽量シラス基盤のかさ比重は0.84、吸水率55.3%、見掛気孔率46.7%、曲げ強度1.9MPa(19.0kgf/cm2)、圧縮強度6.6MPa(67.7kgf/cm2)の物性を示した。
【0113】
【発明の効果】
本発明による軽量シラス基盤、及び緑化軽量シラス基盤の優れた特性について述べる。屋上緑化にとって、軽量化は重要であり、本発明による軽量シラス基盤、及び緑化軽量シラス基盤は、かさ比重が0.6〜1.6であり、見掛気孔率も24〜53%と高く、原料のシラスに含まれる独立気孔も相当量存在するため、屋根に敷き詰めるだけで、相当の断熱、省エネ効果が期待できる。
【0114】
吸水率は20〜80%であり、50℃24時間強制乾燥後の保水率は、天然軽石を切り出したものが3.1%であるのに対して、10%以上を示し、本発明による二次加工により天然軽石の性能を凌駕した軽量シラス基盤が完成した。しかも、市販の屋上緑化用の石油化学製品のスポンジとは比較にならぬほどの高性能を示した。
【0115】
本発明による軽量シラス基盤、及び緑化軽量シラス基盤は、天然素材を主成分とするほぼ完全な無機物質であり、シラスまたはシラスバルーンの耐火、断熱性を遺憾なく発揮し、ビル火災時にも優れた保水率、断熱効果、有毒ガスの発生が無いなど、ビル保安上、極めて優れた屋上緑化基盤といえる。
【0116】
本発明による製造法では、工場内で廃水が出ないので、環境対策上好ましい。また、本発明による軽量シラス基盤は、その殆どが環境にやさしい天然無機素材から成っているので、リサイクルが可能であることも大きな特徴である。
【0117】
また、本発明による軽量シラス基盤、及び緑化軽量シラス基盤は、保水率が大きい、水を貯めるバットが不要であり、屋上緑化する場合には、防水シートと防根シートを兼ねたシートを屋上に敷き、その上にきれいに並べ、軽量シラス基盤の上にロール状の芝を載せるだけで、通常1日以内で作業を終了することができる。このとき、形あわせの切断は、通常のコンクリートカッターでいとも簡単に切断できるので施工が容易である。これにより、工期短縮によりコストを一段と下げることができる。
【0118】
本発明によれば、従来技術で困難であった、セメントの重量がシラスまたはシラスとシラスバルーンの重量の1/7〜1/46であることを特徴とする環境にやさしい軽量シラス基盤と芝一体型の緑化軽量シラス基盤を、一つの工場ラインで連続的に製造することが可能であり、南九州に大量に賦存するシラスなどの火山ガラス堆積物を用いて、首都圏をはじめ世界中の都市で求められている屋上緑化軽量シラス基盤を低コストで提供することが可能である。
【0119】
本発明による軽量シラス基盤、及び緑化軽量シラス基盤は、ガーデニンググッズとしても抜群の効果を発揮する。コンクリート敷きはもちろん土のむき出しの庭にこれらを敷き詰めることによって、極めて簡単に人が乗っても大丈夫な平坦な緑化が短時間で容易に完成し、西日の照り返しの強いベランダ緑化でも優れた遮熱効果を発揮できる。
【0120】
複雑形状の緑化軽量シラス基盤は、これまでプラスチックでつくられていたデパートやビルなどの張りぼてなどの見せかけの擬岩に替わり、見るからに本物の芝や苔が生えた自然石の重量感や存在感や自然の香りを提供する、癒しグッズとしても効果がある。
【0121】
本発明による芝と一体化した緑化軽量シラス基盤も、防水シートと防根シートを兼ねたシートの上に敷き詰めるだけで作業が完了するため、これもコストを大幅に削減することが可能となっている。曲げ強度や圧縮強度についても、必要充分の強度有しているため、1日で施工が完了したその日に歩行者や車椅子が乗り入れても全く問題がないことも大きな魅力の一つである。
【0122】
本発明による軽量シラス基盤、及び緑化軽量シラス基盤は、その構成材料の殆どがシラスから構成されているので、その表面が従来コンクリートより白く、結合材のセメントが殆ど目立たず、素材のシラスや軽石が強調された自然石の趣を呈している。また、2万2千年の自然風化に耐えたシラスがほとんど全面を覆っていることから、セメント材料の劣化による黒ずみも抑制できるという利点があり、より自然素材に近いものとなっていることは大きな特徴である。
【0123】
これら本発明による緑化軽量シラス基盤は、コンクリートで固められた敷地やむき出しになった庭を簡単に緑化が可能であり、施工したその日から人や車椅子の出入りが可能である。更に、緑化軽量シラス基盤を小型に切り出して、皿に載せてインテリアのアクセントや癒しグッズとしても効果を発揮することができる。
Claims (21)
- 湿潤状態のシラス88〜98wt%、セメント2〜12wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス及び前記セメントを混合して水を添加せずに、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 湿潤状態のシラス84〜97.9wt%、セメント2〜11wt%、水0.1〜5wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記セメント、及び前記水を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 湿潤状態のシラス83〜97wt%、セメント2〜11wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜1.1wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記セメント、並びに前記非晶質シリカ及び/又は石英を混合して水を添加せずに、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 湿潤状態のシラス83〜97wt%、セメント2〜11wt%、水1〜5wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜1.1wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記セメント、前記水、前記非晶質シリカ及び/又は石英、並びに前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 湿潤状態のシラス64〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜11.5wt%、水3〜6wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記シラスバルーン、前記セメント、及び前記水を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 湿潤状態のシラス64〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜11.5wt%、水3〜6wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記シラスバルーン、前記セメント、前記水、及び前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 湿潤状態のシラス64〜82wt%、シラスバルーンを3〜20wt%、セメント7〜11.5wt%、水3〜6wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカ及び/又は石英を0.1〜1.1wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記シラスバルーン、前記セメント、前記水、前記非晶質シリカ及び/又は前記石英、並びに前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.6であり、圧縮強度が0.5〜8.8MPa(5〜90kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 直径が10mm以上の軽石を除去した湿潤状態のシラス76〜84wt%、セメント10〜12wt%、水3〜8wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカを0.1〜2.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記セメント、前記水、前記非晶質シリカ、及び前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が1.0から1.6であり、圧縮強度が8.8〜22.6MPa(90〜230kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 直径が10mm以上の軽石を除去した湿潤状態のシラス58〜76wt%、植物炭化物5〜13wt%、セメント8〜12wt%、水5〜19wt%、平均粒径0.1〜1μmの非晶質シリカを0.1〜2.0wt%、流動化剤0.1〜0.3wt%とを主成分とするものであって、
前記シラス、前記植物炭化物、前記セメント、前記水、前記非晶質シリカ、及び前記流動化剤を混合して、1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )の圧力で成形加工され、かさ比重が0.6から1.3である軽量シラス基盤。 - 請求項1から請求項9の何れか1項に記載の軽量シラス基盤であって、
吸水率が20〜80%である軽量シラス基盤。 - 請求項1から請求項10の何れか1項に記載の軽量シラス基盤であって、
曲げ強度が0.2〜6.9MPa(2〜70kgf/cm2)である軽量シラス基盤。 - 請求項1から請求項11の何れか1項に記載の軽量シラス基盤において、
保水率が2〜20%である軽量シラス基盤。 - 請求項1から請求項12の何れか1項に記載の軽量シラス基盤であって、
見掛気孔率が24〜53%である軽量シラス基盤。 - 請求項1から請求項13の何れか1項に記載の軽量シラス基盤であって、
表面の一部または全部を表面研削した軽量シラス基盤。 - 請求項1から請求項14の何れか1項に記載の軽量シラス基盤において、
前記軽量シラス基盤上に植物を直接あるいは土壌を介して着床させてなる緑化軽量シラス基盤。 - 請求項15に記載の緑化軽量シラス基盤において、
前記植物が、芝草類である緑化軽量シラス基盤。 - 請求項15に記載の緑化軽量シラス基盤において、
前記植物が、苔類である緑化軽量シラス基盤。 - 請求項15に記載の緑化軽量シラス基盤において、
前記植物が、多肉植物である緑化軽量シラス基盤。 - 請求項1から請求項13の何れか1項に記載の軽量シラス基盤の製造方法であって、
前記軽量シラス基盤の成分を混合し、攪拌し、ゼロスランプ材料を作製し、その材料を製造する場所に敷き均し、その表面を、転圧機を用いて、前記圧力が1.5〜10.8MPa(15〜110kgf/cm 2 )で締め固める軽量シラス基盤の製造方法。 - 請求項1から請求項13の何れか1項に記載の軽量シラス基盤の製造方法であって、
ゼロスランプ材料を作製後に、これと植物を組み合わせて、前記圧力が1.5〜4.9MPa(15〜50kgf/cm2)の圧力で成形加工する緑化軽量シラス基盤の製造方法。 - 請求項20に記載の緑化軽量シラス基盤の製造方法であって、
前記植物が、芝草類、苔類、胞子、及び種子から選択される少なくとも1つを組み合わせた緑化軽量シラス基盤の製造方法。
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