JP2005007647A - インモールドラベル容器 - Google Patents

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【課題】インモールドラベリング方式の射出成形で作製されるカップ状容器であって、容器としての各種性能に優れると共に、特に意匠性、高級感に優れたインモールドラベル容器を提供する。
【解決手段】インモールドラベル容器100 を、例えば、上部外周にフランジ部2を有し、下部に脚部3を有する周壁1と、脚部3の上に設けられた底部4とで形成すると共に、少なくとも周壁1の外周面には、少なくとも基材フィルムと印刷層と光回折構造層と熱接着性樹脂層とを含む積層シートで作製したラベル6をインモールド射出成形により一体化成形して構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インモールドラベル容器に関し、更に詳しくは、インモールドラベリング方式の射出成形で作製されるカップ状容器であって、容器としての性能に優れると共に、特に意匠性に優れたインモールドラベル容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種飲料やデザート食品などを密封包装するカップ状容器としては、容器の保形性がよく強度に優れることからプラスチックの射出成形によるカップ状容器が多く用いられるようになっている。
只、このようなカップ状容器にも、内容物に関する表示事項や絵柄などの印刷を施す必要があり、通常は容器周壁の外周面に、(1)カップ容器の寸法や形状に対応して専用の印刷機を作製して直接印刷する方法、或いは、(2)印刷したラベルをラベリング装置を用いて貼着する方法などが採られていた。
しかし、(1)の直接印刷する方法では、印刷デザインがイラスト調など比較的簡単で色数も少ない場合は問題はないが、写真調などの多色のカラー印刷の場合は、印刷の見当精度が不足し、美しい印刷物を得られない問題があった。
また、(2)の印刷したラベルを貼着する方法では、印刷上の問題はないが、特に容器がテーパー付きのカップ状容器の場合など、貼り位置のズレを生じ易く、また、貼着されたラベルと容器の一体感が乏しく、高級感に欠ける問題があった。
【0003】
このような問題を解決する方法として、印刷したラベルを射出成形の金型内に挿入して樹脂を射出し、容器周壁の外周面に印刷ラベルを一体化させて成形を行うインモールドラベル成形法が行われるようになっている。
このような成形法で作製されるインモールドラベル容器では、ラベルに印刷などの装飾加工を行えるため、多色のカラー印刷なども精度よく印刷することができ、且つ、そのラベルをカップ状容器などの周壁の外周面に一体化して成形できるので、意匠性に優れると共に、ラベルを接着剤などで貼着した容器と比較して、より高級感に優れた容器を製造することができる。
更に、このようなインモールドラベル容器では、充填される内容物によっては、その保存性を向上させるため、ガスバリヤー性、紫外線遮断性を付与することが必要であり、例えば、ラベルの積層シートの中間層などにガスバリヤー層や紫外線遮断層を付加し、そのラベルを容器周壁の外周面、または容器周壁の外周面と容器底面の内面もしくは外面に一体化成形して、意匠性と共にガスバリヤー性、紫外線遮断性を向上させたインモールドラベル容器がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−105067号公報(第2〜5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のようなインモールドラベル容器でも、その意匠性に関しては、種々の印刷技術を駆使してラベルの印刷を行って意匠性を付与しており、実用に際しては、更に格段の意匠性の向上を望まれることが多くなっている。このような意匠性の向上に対する要望に応えるためには、印刷技術だけでは限界があり、十分には対応しきれない問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、インモールドラベリング方式の射出成形で作製されるカップ状容器に関して、特にその意匠性、高級感を格段に向上させることができると同時に、容器の強度やガスバリヤー性、耐熱性などの性能についても、優れた性能を備えたインモールドラベル容器を生産性よく提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、インモールドラベリング方式の射出成形で作製されるカップ状容器であって、該カップ状容器の少なくとも周壁の外周面に、少なくとも基材フィルムと印刷層と光回折構造層と熱接着性樹脂層とを含む積層シートで形成されたラベルがインモールド成形されていることを特徴とするインモールドラベル容器からなる。
【0007】
本発明において、光回折構造は、ホログラムや回折格子などの光を回折するための構造を有するものを指すものであり、光回折構造層をラベルの積層シートに絵柄などの印刷層と併用して設けることにより、インモールドラベル容器に立体画像や光輝性画像・模様などを付加し、意匠性、高級感を一層向上させるものである。
このような目的に使用できる光回折構造の代表的な例としては、平面型または体積型のホログラム或いは回折格子などが挙げられる。ホログラムでは、平面型のホログラムでホログラム像が微小な凹凸として記録されているレリーフ型ホログラムが、ラベルや熱転写シートなどに加工し易く好適に使用できる。
【0008】
ホログラムを機能的、意匠的に分けた場合には、光反射性金属薄膜層を設けた全反射層付きレリーフホログラムと、光反射性金属薄膜層に相当する層が透明性を有する部分反射層付きレリーフホログラムとがあり、いずれも使用することができる。特に後者の場合は、ホログラム自体が透明であり、これに付属する熱接着性樹脂層や基材フィルム層などにも透明な材料を用いることにより、印刷層は別にして、ラベル全体を透明にすることができる。従って、ホログラム層の下に印刷層を設けた場合、ホログラム層を通して印刷層の絵柄、文字などを見ることができるので、ホログラムと印刷層の両方を見ることができ、デザインの自由度が増し、意匠性を一層向上させることができる。
また、この場合、インモールドラベル容器の射出成形の樹脂にも透明な樹脂を用いることにより、容器に充填された内容物を印刷層のない部分で外側から見せることもできる。
【0009】
前記のほか、意匠性に優れるレインボーホログラムやリップマンホログラムなども用いることができる。
また、回折格子では、光学的に作製される回折格子や、EB描画手法などによる直描型回折格子を用いることができる。特に、直描型回折格子は、任意のパターンを容易に形成できる上、同一のものを再生光から推測して作製することが不可能に近いため、意匠性の向上に加えて偽造防止の目的にも適している。
以上のような光回折構造は、いずれも公知の技術により製造することができ、ラベル全体に用いてもよく、また、熱転写シートを作製して、ラベルの一部にスポット状などに熱転写して用いることもできる。
【0010】
光回折構造は、いずれも多層構成で形成され、例えば、透明フィルム層/光回折パターン形成層/反射性薄膜層(光反射性金属薄膜層、または光回折パターン形成層よりも屈折率が0.3以上大きいかまたは小さい光透過性材料層)/保護層または接着剤層の順に積層された構成が一般的である。
このような光回折構造は、例えば、透明フィルムを基材フィルムとして、その上に光回折パターン形成層を設け、そのレリーフ面に反射性薄膜層を設け、更にその上に保護層または接着剤層を設ける方法で作製することができる。
【0011】
前記反射性薄膜層として、金属蒸着などにより光反射性金属薄膜層(厚み200Å以上)を設けた場合は、この層が入射した光の全部を反射できるので不透明で光輝性を有する光回折構造を形成することができる。また、前記反射性薄膜層として、光回折パターン形成層よりも屈折率が0.3以上大きいかまたは小さい光透過性材料層を設けた場合は、入射した光の一部を反射し、一部を透過するので、透明性を有する光回折構造を形成することができる。
【0012】
光回折構造をインモールドラベル容器のラベルに適用する場合、ラベルとしては、更に印刷層とその支持体となる基材フィルム、および最内層には射出成形の樹脂と熱接着させる熱接着性樹脂層が必要であり、印刷の基材フィルムと前記光回折構造の基材フィルム(透明フィルム)とは、別々の透明フィルムを用いてそれぞれを形成した後、貼り合わせて積層してもよいが、共通の透明フィルムを用いて印刷層と光回折構造とを形成することも可能である。
【0013】
また、本発明のインモールドラベル容器に用いる射出成形の樹脂は、射出成形が可能な樹脂であれば特に限定はされないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを好適に使用することができ、これらの中から容器に充填される内容物や、充填、密封後の加熱処理の有無など使用条件に応じて適するものを適宜選択して使用することができる。
例えば、レトルト処理やホットウォーマー加熱などの耐熱性を必要とする場合は、ポリプロピレン系樹脂が適しており、内容物が牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリームの場合は、ポリエチレン、エチレン・1−アルケン共重合樹脂を使用し、デザート食品の場合は、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂のほかポリスチレン系樹脂も使用可能で、フレーバーなどの非吸着性を必要とする場合はポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。
このようなカップ状のインモールドラベル容器は、胴部の横断面が円形の丸形カップ状容器のほか、胴部の横断面が四角形状、その他多角形状の角形カップ状容器に成形することもできる。
【0014】
本発明のインモールドラベル容器は、前記のような構成を採ることにより、以下のような作用効果を得ることができる。
即ち、容器本体がプラスチックの射出成形によりカップ状に形成されるので、保形性がよく、強度などの性能に優れている。
そして、カップ状容器の少なくとも周壁の外周面には、少なくとも基材フィルムと印刷層と光回折構造層と熱接着性樹脂層とを含む積層シートで形成されたラベルがインモールド成形されているので、ラベルと容器が一体感に優れ、且つ、ラベルは、その熱接着性樹脂層により強固に容器周壁の外周面に熱接着され、剥がれる心配がなく外観にも優れている。
また、ラベルには、文字、絵柄などの印刷層に加えて、光回折構造層が設けられているので、ホログラムや回折格子による立体画像や光輝性画像・模様などをデザインに組み入れることができ、意匠性、高級感に格段に優れたインモールドラベル容器を生産性よく提供することができる。
【0015】
請求項2に記載した発明は、前記カップ状容器の射出成形の樹脂が、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器からなる。
【0016】
上記ポリプロピレン系樹脂は、剛性、耐熱性があり、食品に対する安全性にも優れ、且つ低温時の耐衝撃性も共重合などにより改質できることから各種の内容物や使用条件に対して汎用することができる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独のポリマーのほか、例えばプロピレンとエチレンもしくはエチレンとブテン−1とのランダム共重合体や、エチレンをブロック状に共重合させたプロピレン−エチレンのブロック共重合体、更には、ポリプロピレンに他のポリマーやエラストマーなどをブレンドしたポリプロピレン系ブレンド樹脂などを使用することができる。
このようなポリプロピレン系樹脂には、必要な場合、ソルビトール系などの透明核剤を添加して透明性を向上させることもできる。
ポリエチレン系樹脂としては、剛性、耐熱性の点から、主に高密度ポリエチレンを使用するが、用途、使用条件によっては中密度乃至低密度ポリエチレンも使用することができる。特に内容物が牛乳、特別牛乳、殺菌山羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリームの場合は、乳等省令(厚生労働省令第百六十四号)の規制から、ポリエチレン、エチレン・1−アルケン共重合樹脂の使用が必須となる。
高密度ポリエチレンでは、エチレン単独のポリマーのほか、エチレンとプロピレン、ブテン−1との共重合体も使用することができる。また、中密度乃至低密度ポリエチレンでは、エチレン単独のポリマーのほか、エチレンとブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などの高級α−オレフィンとの共重合体も使用することができる。
【0017】
前記のような構成を採ることにより、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、使用条件として、一般的なものおよびレトルト処理やホットウォーマー加熱などが行われ耐熱性が必要な場合には、ポリプロピレン系樹脂を使用し、特に内容物が前記牛乳、脱脂乳、加工乳などの場合には、ポリエチレン、エチレン・1−アルケン共重合樹脂を使用することにより、食品衛生面のほか、剛性、耐熱性、耐内容物性などの性能面でも一層安全に使用することのできるインモールドラベル容器を確実に提供することができる。
【0018】
請求項3に記載した発明は、前記ラベルの積層シートが、更にガスバリヤー層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインモールドラベル容器からなる。
【0019】
上記ガスバリヤー層としては、その材質により透明性を有するものと、不透明なものとがあり、所望により適宜選択して使用することができる。
透明性を有するガスバリヤー層としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのガスバリヤー性樹脂を製膜したフィルムや、ポリ塩化ビニリデンの塗布液を透明な基材フィルムに塗布して塗膜層を形成したポリ塩化ビニリデンコートフィルム、そして、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ITOなどの無機酸化物を透明な基材フィルムに蒸着した無機酸化物の蒸着フィルムなどを使用することができる。
不透明なガスバリヤー層としては、アルミニウムなどの金属箔や、アルミニウムなどの金属を基材フィルムに蒸着した金属蒸着フィルムを使用することができる。
このようなガスバリヤー層は、通常、ラベルの積層シートの中間層に積層するが、特に前記不透明なガスバリヤー層を用いる場合は、ガスバリヤー性に加えて遮光性も付与できるので、内容物の保存性に対しては一層好ましいが、ラベルのデザインを隠すことがないように、光回折構造層や印刷層の下側で最内層の熱接着性樹脂層との間に積層する必要がある。
【0020】
前記のような構成を採ることにより、請求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、カップ状容器の外面のうち、最も面積の大きい周壁の外周面にインモールド成形されるラベルにガスバリヤー性が付与されるので、生産上からも効率よく容器のガスバリヤー性を向上させることができ、容器に充填される内容物の保存性を高めることができる。
只、容器のガスバリヤー性を更に向上させるためには、容器周壁の外周面だけではなく、容器の底面にもガスバリヤー層を設けた底面用ラベルを別に用意してインモールド成形することができ、それにより一層ガスバリヤー性を向上させることができる。
【0021】
請求項4に記載した発明は、前記積層シートのガスバリヤー層が無機酸化物の蒸着層で形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインモールドラベル容器である。
【0022】
上記無機酸化物の蒸着層は、更に具体的には、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ITOなどの無機酸化物を蒸着やスパッタリング、イオンプレーティングなどの手段で、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの耐熱性を有する透明フィルム上に、厚みが200〜1000Å程度になるように堆積させて形成することができる。
【0023】
このような無機酸化物の蒸着層は単独の層で形成してもよいが、複数の層で形成することにより一層優れたガスバリヤー性を得ることができる。
また、これらの無機酸化物の蒸着層は、その接着性を向上させ、或いは亀裂などの損傷を防止して優れたガスバリヤー性を有効に発揮させるため、その上下の面に接着性向上層、保護層、ガスバリヤー性向上層などの目的で、反応型アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シランカップリング剤を含有させたアクリル系樹脂、金属アルコキシドを含有させた水溶性高分子、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂層を設けて複合層としてガスバリヤー層を形成することができる。
【0024】
前記のような構成を採ることにより、請求項3に記載した発明の作用効果に加えて、無機酸化物の蒸着層は、透明でガスバリヤー性に優れると共に、耐熱性、耐水性にも優れているので、種々の使用条件に対して、安定して優れたガスバリヤー性を得ることができ、内容物の保存性を一層確実に向上させることができる。また、容器に充填された内容物を外側から見せたい場合でも、印刷層と光回折構造層の形成領域などの調整により容易に対応することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のインモールドラベル容器の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明のインモールドラベル容器の一実施例の構成を示す縦断面図であり、図2は、本発明のインモールドラベル容器の周壁外周面にインモールド成形するラベルの形状の一例を説明する展開図である。
図3は、図1に示したインモールドラベル容器の背面図であって、容器の周壁外周面に一体的に成形されたラベルの両側端部間に形成された隙間部を説明する図である。
また、図4は、本発明のインモールドラベル容器のラベルに積層する光回折構造層を設けた積層シートの一例の構成を説明する模式断面図である。
そして、図5、図6、図7は、それぞれ本発明のインモールドラベル容器に用いるラベルの一例の構成を示す模式断面図である。
尚、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの図面に限定されるものではない。
【0026】
図1に示したインモールドラベル容器100は、テーパー付き丸形のカップ状容器であって、下部に脚部3を有する略円筒状の周壁1と、周壁1の脚部3上端内側に設けられた底部4と、周壁1の上部外周に設けられたフランジ部2とを有し、周壁1は、その外周に位置し少なくとも基材フィルム層と印刷層と光回折構造層と熱接着性樹脂層とを含む積層シートによる扇形状のラベル6(図2参照)と、その内側に射出された射出成形樹脂5とで形成されると共に、周壁1の下方の内周面には、内側に凸状となる水平方向のスタック用を兼ねた補強リブ8が射出成形樹脂5で設けられている。
【0027】
また、フランジ部2の下面と周壁1との角部には、補強のため、全周に渡って射出成形樹脂5による円弧状肉付け部7a が設けられ、同様に、底部4の上面と周壁1との角部、および底部4の下面と脚部3との角部には、それぞれ全周に渡って射出成形樹脂5による円弧状肉付け部7b 、7c が設けられて構成されている。
前記円弧状肉付け部7a 、7b 、7c の円弧は、いずれも半径(r)が0.3〜1.5mmの円弧状であることが、補強効果を有し且つ成形後の樹脂の引けによる変形を防止できる点で好ましい。
前記円弧の半径(r)が0.3mm未満の場合は、十分な補強効果を得ることができず、また、前記円弧の半径(r)が1.5mmを超える場合は、成形後の樹脂の引けによる変形が大きくなり、例えば、フランジ部2の上面では平面性が悪くなり、シール蓋などのヒートシール適性が損なわれるため好ましくない。
【0028】
尚、本発明のインモールドラベル容器の射出成形に用いる樹脂は、特に限定はされず、前述したように、例えばポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂のほか、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂など各種の樹脂を使用することができる。
只、成形性の点で、樹脂のMFR(メルトフローレート)(JIS K7210に基づく)は、10〜50(g/10分間)の範囲であることが好ましい。
MFRが10未満の場合は、熱流動性が低いため成形適性に劣り、射出成形の際、所謂ショートを発生しやすくなるため好ましくない。また、MFRが50を超える場合は、熱流動性が高く、射出成形の際、例えばフランジ部などにバリが発生しやすくなるため好ましくない。
【0029】
次に、容器の周壁1の外周面にインモールド成形するラベル6について図2を参照して説明する。
図2に示すようにラベル6は、扇形状をなしており、ラベル6の両側端縁部の下方の角部は切り欠き部9a 、9b のように切り欠かれている。この切り欠き部9a 、9b の形状は、ラベル6の角部が丸みを持つ形状でもよく、斜めの直線状となる形状でもよい。
【0030】
ラベル6の高さ方向の長さは、図1に示したように、容器周壁1の上方ではフランジ部2に僅かに突き出し、下方では脚部3の中間部程度までの長さであることが好ましく、また、ラベル6の容器周方向の長さは、図3に示すように、突き合わされる両側端部同士の間に、幅が0.6〜1.5mm程度の隙間部10が生じる程度の長さであることが好ましい。
【0031】
このようにラベル6を形成することにより、射出成形金型の雌型の所定位置にラベル6を挿入し真空吸引により固定し、型閉じ後、射出成形樹脂を底部の中心部のゲートから注入した時、ラベル下部の突き合わせ部にめくれやしわを発生することがなく、また、ラベルの周壁の突き合わせ部にしわや重なり部を生じることもなくスムーズに射出成形樹脂を注入でき、ラベル6を容器に容易に一体化成形して良好な品質および外観のインモールドラベル容器を歩留りよく製造することができる。
【0032】
このようなラベル6は、少なくとも基材フィルム層と、文字、絵柄などの印刷層と、ホログラムや回折格子を形成した光回折構造層と、熱接着性樹脂層とを含む積層シートを前記形状に打ち抜いて作製できる。また、図2では、印刷層を設けた印刷部12と、光回折構造層を設けた光回折構造部11とがそれぞれ異なる領域に別々に設けられた形状で示したが、印刷部12と光回折構造部11とは、その一部または全部が重なるように設けてもよく、自由にデザインして設けることができる。
また、ラベル6を作製する積層シートの積層構成に関しても、種々の構成を採ることができ、例えば、図5、図6、図7に示したラベル6a 、6b 、6c のような構成を採ることができる。これらについては後で詳しく説明する。
【0033】
次に、図4を参照して、本発明のインモールドラベル容器のラベルに積層する光回折構造層を設けた積層シートの一例の構成を説明する。
図4に示した光回折構造層を設けた積層シート80は、例えば、基材フィルム61a の上に、光回折パターン形成層62を設け、その上(レリーフ面)に反射性薄膜層63を設け、更にその上に保護層または接着剤層64を設けて構成したものである。
上記構成において、光回折構造層そのものは、中間層の光回折パターン形成層62とその上(レリーフ面)に設けられた反射性薄膜層63とで光回折構造層70が形成されるものであり、その上側の保護層または接着剤層64と、下側の基材フィルム61a は、光回折構造層70の性能保持或いは製造上の都合から付属的に設けられたものであり、この光回折構造層を設けた積層シート80の製造方法や、ラベルの積層シートに光回折構造層70を積層する際の積層方法によっては、他の材料層に変更可能な層である。
【0034】
光回折パターン形成層62は、一般に樹脂の層で形成され、公知の方法によって形成することができる。光回折パターン形成層62に使用可能な樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレートなど)、ポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂、そして、不飽和ポリエステル系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アルリレートなどの熱硬化性樹脂、或いは上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合物などが挙げられる。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートの表示は、ポリエステルアクリレートとポリエステルメタクリレートの両方を示すものであり、それ以後に示した樹脂についても同様である。
上記のほか、電離放射線硬化性樹脂として公知の分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合した組成物も好適に使用することができる。
【0035】
反射性薄膜層63は、光反射性金属薄膜層、または光回折パターン形成層よりも屈折率が0.3以上大きいかまたは小さい光透過性材料層で形成することができる。
反射性薄膜層63として、光反射性金属薄膜層を用いる場合は、その厚みを200Å以上に形成することにより、入射光の略全部を反射させる不透明な光回折構造層とすることができ、厚みを200Åよりも薄く、例えば、50〜150Åに形成した場合は、入射光の一部を反射し、一部を透過させる部分反射型(透明タイプ)の光回折構造層とすることができる。
また、反射性薄膜層63として、光回折パターン形成層よりも屈折率が0.3以上大きいかまたは小さい光透過性材料層を用いる場合も、入射光の一部を反射し、一部を透過させるので部分反射型、即ち、透明タイプの光回折構造層となるが、この場合、透明である限り、厚みは薄膜層に限定はされず、別の実施態様として、薄膜以上の厚みに形成することもできる。
【0036】
次に、図5、図6、図7により、本発明のインモールドラベル容器に用いるラベルの代表的な積層構成を説明する。
図5に示したラベル6a は、外側(図において上側)から、基材フィルム61b 、印刷層65、接着剤層66a 、反射性薄膜層63、光回折パターン形成層62、基材フィルム61a 、接着剤層66b 、熱接着性樹脂層67を順に積層して構成したものである。
この構成では、反射性薄膜層63と光回折パターン形成層62とで形成される光回折構造層70が印刷層65の下側に設けられているので、印刷層65をパターン状に形成するか、一部を透明な印刷層65とすることにより、光回折構造層70には、不透明タイプでも透明タイプでもいずれも使用することができる。
【0037】
上記構成において、最内層の熱接着性樹脂層67は、ラベル6a を容器の外周面にインモールド成形する際、容器の射出成形樹脂と良好に熱接着させるために設けたものであり、容器の射出成形に使用する樹脂に対応して、それと良好に熱接着する熱接着性樹脂を選択して使用することができる。
また、ラベル自体は、できる限りカールのないことがインモールド成形の生産性や歩留りをよくする点で好ましく、そのためには中間層を中心として、その両側に熱収縮性などが近似したフィルム(同様な材質のフィルム)を積層し、両側が対称形に近い層構成となるように形成することがより好ましい。
【0038】
このような主旨に合致した構成として、前記ラベル6a の構成では、例えば、外側層の基材フィルム61b と印刷層65とを、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルムと記載する)の内側の面にグラビア印刷などで文字、絵柄などを印刷して形成し、中間層の光回折構造層70を設けた積層シート、即ち、基材フィルム61a とその上に設けた光回折パターン形成層62と反射性薄膜層63とを、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、OPETフィルムと記載する)の上に例えば紫外線硬化性樹脂を用いて光回折パターン形成層62を設け、その上(レリーフ面)に例えばアルミニウムを真空蒸着して反射性薄膜層63を設けて形成し、最内層の熱接着性樹脂層67にはヒートシール性を有する二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、HSOPPフィルムと記載する)を用い、前記外側層と中間層と最内層とを、それぞれ接着剤層66a または接着剤層66b を介してドライラミネーション法などで貼り合わせて所定の形状に打ち抜くことによりラベル6a を作製することができる。
【0039】
尚、ラベル6a は、インモールド射出成形で容器の外周面に一体化成形されるため、上記接着剤層66a 、66b には、接着強度と耐熱性に優れた二液硬化型ポリウレタン系接着剤などの公知のドライラミネート用接着剤を用いてドライラミネーション法で貼り合わせることが好ましい。
また、前記最内層の熱接着性樹脂層67には、射出成形の樹脂に合わせてそれと熱接着可能な無延伸のポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリスチレンフィルムなどを使用することもできるが、HSOPPフィルムとして、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステルなどにも熱接着性を有する多層構成のOPPフィルムが各種市販されているので、カール防止のため、前記外側層のOPPフィルムに対応して、対称形の層構成とするため、適応するHSOPPフィルムを用いることが一層好ましい。
【0040】
ラベル6a を前記のように構成することにより、そのデザインを、文字、絵柄などの印刷層65と組み合わせて、ホログラムまたは回折格子などの光回折構造層70を設けて形成することができるので、立体画像や光輝性画像などの併用が可能となり、このラベル6a をインモールド成形して作製したカップ状容器の意匠性、高級感を格段に向上させることができる。
【0041】
図6に示したラベル6b は、前記図5に示したラベル6a の構成において、更にガスバリヤー性を付与するため、接着剤層66b と熱接着性樹脂層67との間に、ガスバリヤー層68と接着剤層66c を追加して積層して構成したものであり、その他の構成は総て図5に示したラベル6a と同様に形成して構成したものである。
ガスバリヤー層68としては、先に透明性を有するガスバリヤー層と不透明なガスバリヤー層に分類して挙げたエチレン−ビニルアルコール共重合体、MXD6などのフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ITOなどの無機酸化物の蒸着層を設けた蒸着フィルム、そして、アルミニウムなどの金属箔や、アルミニウムなどの金属の蒸着層を設けた蒸着フィルムの中から、必要とされる機能、性能に応じて適宜選択して使用することができる。
【0042】
このような構成を採ることにより、前記図5に示した構成のラベル6a で説明した作用効果に加えて、ラベル6b には優れたガスバリヤー性が付与されるので、このラベル6b をインモールド成形して作製したカップ状容器にガスバリヤー性を付加することができる。
この場合、カップ状容器の底面にも、ガスバリヤー層を設けた底面用ラベルを別に用意してインモールド成形することにより、カップ状容器のガスバリヤー性を一層向上させることができる。
【0043】
図7に示したラベル6c は、前記図5に示したラベル6a とは印刷層65と光回折構造層70の積層位置を変え、光回折構造層70が印刷層65の上に位置するように積層して構成したものである。
即ち、図7に示したラベル6c は、最外層を保護層64として、その下側に反射性薄膜層63、光回折パターン形成層62、基材フィルム61a 、接着剤層66a 、基材フィルム61b 、印刷層65、接着剤層66b 、熱接着性樹脂層67を順に積層して構成したものである。
【0044】
このような構成のラベル6c は、例えば、外側の積層部分(図において上側の積層部分)を基材フィルム61a の上に、光回折パターン形成層62と反射性薄膜層63とを順に設けて光回折構造層70を形成し、その上に保護層64を設けて作製し、中間の積層部分を基材フィルム61b の下側の面にグラビア印刷などで文字、絵柄などの印刷層65を設けて作製し、最内層の熱接着性樹脂層67を射出成形の樹脂に熱接着可能な樹脂をフィルム状に成形して作製し、前記外側の積層部分と中間の積層部分と最内層のフィルム化した熱接着性樹脂層67とを、それぞれ接着剤層66a または接着剤層66b を介してドライラミネーション法などで貼り合わせて所定の形状に打ち抜くことにより作製することができる。
【0045】
また、前記構成のラベル6c では、光回折パターン形成層62と反射性薄膜層63とで形成される光回折構造層70は、透明タイプの光回折構造層70とすることにより、下側の印刷層65の全部を透視することができる。只、光回折構造層70を熱転写などでスポット状、パターン状に形成する場合には、不透明タイプの光回折構造層70とすることもできる。
このような構成を採った場合、前記図5に示した構成のラベル6a と比較して、ラベルのデザイン設計の内容に多少の違いは生じるが、ラベル6c に印刷層65と組み合わせて光回折構造層70を設けることができるので、図5に示したラベル6a と同様に、意匠性と高級感に格段に優れたラベル6c を作製することができる。また、この場合も、ガスバリヤー性を必要とする場合は、前記図6に示したラベル6b と同様に、例えば、接着剤層66b と熱接着性樹脂層67との間に、ガスバリヤー層68と接着剤層66c を追加して積層することにより、ガスバリヤー性を付与することができる。
従って、このようなラベル6c をインモールド射出成形することにより、意匠性と高級感に格段に優れ、また、必要な場合、ガスバリヤー性にも優れたカップ状容器を作製することができる。
【0046】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示した構成の丸形カップ状のインモールドラベル容器を下記の材料と寸法で作製し、実施例1のインモールドラベル容器とした。
(a)射出成形樹脂5:プロピレン−エチレンランダム共重合体、但し、MFRは22(g/10分間)である。
(b)ラベル6の積層構成:(外側)OPPフィルム(厚み30μm)・パターン状印刷層/接着剤層/光回折構造層(透明タイプホログラム)・OPETフィルム(厚み12μm)/接着剤層/アルミナ蒸着層(厚み300Å)・OPETフィルム(厚み12μm)/接着剤層/HSOPPフィルム(厚み30μm)
尚、上記各層の間の接着剤層には、いずれも二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法で貼り合わせたものである。
また、ラベル6の形状は、図2の展開図で説明したように、扇形状で両側端縁部の下方の角部に切り欠き部9a 、9b を設け、容器周方向の長さは、図3に示したように、突き合わされる両側端部同士の間に、この場合1.0mm程度の隙間部10が生じる長さとした。
(c)容器の寸法:フランジ部外径71mmφ、フランジ部下開口部外径63mmφ、底部外径49mmφ、全高さ109.7mm
フランジ部の厚み1.0mm、周壁の厚み0.7mm、底部の厚み1.0mm、脚部の厚み0.9mm
そして、フランジ部下面と周壁との角部の円弧状肉付け部7a は、半径(r)=0.3mmの円弧とし、底部上面と周壁との角部および底部下面と脚部との角部の円弧状肉付け部7b 、7c は、いずれも半径(r)=0.5mmの円弧とした。
尚、この容器の満注容量は250mlである。
【0047】
(実施例2)
前記実施例1のインモールドラベル容器の構成において、ラベル6の積層構成のみを、下記の構成、即ち、その印刷層と光回折構造層(透明ホログラム)との上下の位置関係が逆になるように変更すると共に、それぞれの基材フィルムに関しても、OPETフィルムとOPPフィルムとを入れ換え、外側のOPPフィルムについては厚みを30μmから40μmに変更し、また、ガスバリヤー層として設けたアルミナ蒸着層(厚み300Å)とその基材フィルムのOPETフィルム(厚み12μm)とを取り除いた構成に変更したほかは、総て実施例1と同様に形成して実施例2のインモールドラベル容器を作製した。
ラベル6の積層構成:(外側)保護層・光回折構造層(透明タイプホログラム)・OPPフィルム(厚み40μm)/接着剤層/OPETフィルム(厚み12μm)・印刷層/接着剤層/HSOPPフィルム(厚み30μm)
【0048】
(実施例3)
前記実施例1のインモールドラベル容器の構成において、射出成形樹脂5を高密度ポリエチレン〔MFR:15(g/10分間)〕に変更すると共に、ラベル6の積層構成を下記の構成に変えたほかは、総て実施例1と同様に形成して実施例3のインモールドラベル容器を作製した。
ラベル6の積層構成:(外側)OPPフィルム(厚み30μm)・パターン状印刷層/接着剤層/光回折構造層〔反射性薄膜層にアルミニウム蒸着層(厚み300Å)を用いた不透明タイプホログラム〕・OPETフィルム(厚み12μm)/接着剤層/HSOPPフィルム(厚み30μm)
この構成では、反射性薄膜層のアルミニウム蒸着層(厚み300Å)が、光の全反射作用と共に、ガスバリヤー性を有しているので、反射層とガスバリヤー層の役割を兼用させ、前記実施例1におけるアルミナ蒸着層(厚み300Å)・OPETフィルム(厚み12μm)によるガスバリヤー層を省略して構成したものである。
【0049】
(比較例1)
前記実施例1のインモールドラベル容器の構成において、ラベル6の積層構成のみを、その積層構成から、光回折構造層(透明タイプホログラム)とその基材フィルムであるOPETフィルム(厚み12μm)とを取り除いた下記の構成に変更したほかは、総て実施例1と同様に形成して比較例1のインモールドラベル容器を作製した。
ラベル6の積層構成:(外側)OPPフィルム(厚み30μm)・パターン状印刷層/接着剤層/アルミナ蒸着層(厚み300Å)・OPETフィルム(厚み12μm)/接着剤層/HSOPPフィルム(厚み30μm)
【0050】
〔評価〕
以上のように作製した実施例1〜3、および比較例1のインモールドラベル容器について、(1)ラベルのインモールド射出成形時の成形適性、(2)成形したカップ状容器の強度、(3)成形したカップ状容器の意匠性、高級感を比較評価したところ、(1)ラベルのインモールド射出成形時の成形適性は、実施例1〜3、および比較例1の各インモールドラベル容器とも、ラベルが、その外側と内側に、OPPフィルムまたはHSOPPフィルムが積層され、中間層を中心として両側が熱収縮性など熱的特性において対称形に近い構成であるため、カールが殆どなく、また、ラベルの打ち抜き形状に関しても、図2に示した展開図で説明したように、両側端縁部の下方の角部に切り欠き部9a 、9b を設け、また、容器周方向の長さを、成形の際、突き合わされる両側端部同士の間に幅1.0mm程度の隙間部を生じるように形成しているので、ラベルにめくれやしわ、或いは重なり部を生じることがなく、スムーズに成形でき、成形適性は良好であった。
【0051】
また、(2)成形したカップ状容器の強度に関しても、実施例1〜3、および比較例1の各インモールドラベル容器は、図1で説明したように、フランジ部下面と周壁との角部、底部上面と周壁との角部および底部下面と脚部との角部には、円弧状肉付け部7a 、7b 、7c がそれぞれ全周に渡ってもうけられ、また、周壁の下方の内周面には内側に凸状となる水平方向のスタック用を兼ねた補強リブ8が設けられているので、いずれも落下強度に優れていた。
【0052】
そして、(3)成形したカップ状容器の意匠性、高級感に関しては、実施例1〜3の各インモールドラベル容器は、その周壁の外周面に、文字、絵柄などの印刷層による多色の印刷画像に組み合わせて、透明または不透明タイプのホログラムによる立体画像が設けられたラベルが一体化成形されているので、その意匠性、高級感は格段に優れていた。これに対して比較例1のインモールドラベル容器は、ラベルのデザインが文字、絵柄などの印刷層による多色の印刷画像に限定されているため、立体画像や光輝性模様などとの組み合わせができず、意匠性、高級感の点では劣っていた。
【0053】
また、実施例1〜3および比較例1の各インモールドラベル容器について、ガスバリヤー性をMOCON社製の酸素透過度測定装置 OXTRANを用いて、容器1個当たりの酸素透過度(ml/個・day・0.1MPa)を温度23℃、外側の相対湿度45%、内側の相対湿度90%で3日間のパージを行って測定したところ、ガスバリヤー層を設けていない実施例2の容器が1.5ml/個・day・0.1MPaであったのに対して、ガスバリヤー層としてアルミナ蒸着層(厚み300Å)を設けた実施例1および比較例1の容器は0.15ml/個・day・0.1MPaであり、また、反射性薄膜層としてアルミニウム蒸着層(厚み300Å)を設けた実施例3の容器も、そのアルミニウム蒸着層(厚み300Å)が、ガスバリヤー層としての機能も有するため、同様に酸素透過度は0.15ml/個・day・0.1MPaであり、良好なガスバリヤー性を有していた。
尚、容器周壁の外周面のラベルと共に、容器の底面にもガスバリヤー層を設けた底面用ラベルをインモールド成形した場合は、更にガスバリヤー性を向上させることができ、0.05ml/個・day・0.1MPaの酸素透過度が得られている。
【0054】
【発明の効果】
以上、詳しく説明したように、本発明によれば、インモールドラベリング方式の射出成形で作製されるカップ状容器であって、一般的に必要とされる成形適性や、容器の強度、耐熱性のほか、ガスバリヤー性などの性能に優れると共に、特に、その意匠性、高級感が格段に優れたインモールドラベル容器を生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインモールドラベル容器の一実施例の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明のインモールドラベル容器の周壁外周面にインモールド成形するラベルの形状の一例を説明する展開図である。
【図3】図1に示したインモールドラベル容器の背面図であって、容器の周壁外周面に一体的に成形されたラベルの両側端部間に形成された隙間部を説明する図である。
【図4】本発明のインモールドラベル容器のラベルに積層する光回折構造層を設けた積層シートの一例の構成を説明する模式断面図である。
【図5】本発明のインモールドラベル容器に用いるラベルの第1の例の構成を示す模式断面図である。
【図6】本発明のインモールドラベル容器に用いるラベルの第2の例の構成を示す模式断面図である。
【図7】本発明のインモールドラベル容器に用いるラベルの第3の例の構成を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 周壁
2 フランジ部
3 脚部
4 底部
5 射出成形樹脂
6、6a 、6b 、6c ラベル
7a 、7b 、7c 円弧状肉付け部
8 補強リブ
9a 、9b 切り欠き部
10 隙間部
11 光回折構造部
12 印刷部
61a 、61b 基材フィルム
62 光回折パターン形成層
63 反射性薄膜層
64 保護層または接着剤層
65 印刷層
66a 、66b 、66c 接着剤層
67 熱接着性樹脂層
68 ガスバリヤー層
70 光回折構造層
80 光回折構造層を設けた積層シート
100 インモールドラベル容器

Claims (4)

  1. インモールドラベリング方式の射出成形で作製されるカップ状容器であって、該カップ状容器の少なくとも周壁の外周面に、少なくとも基材フィルムと印刷層と光回折構造層と熱接着性樹脂層とを含む積層シートで形成されたラベルがインモールド成形されていることを特徴とするインモールドラベル容器。
  2. 前記カップ状容器の射出成形の樹脂が、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載のインモールドラベル容器。
  3. 前記ラベルの積層シートが、更にガスバリヤー層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインモールドラベル容器。
  4. 前記積層シートのガスバリヤー層が無機酸化物の蒸着層で形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインモールドラベル容器。
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