JP2005006869A - 眼科装置及び模擬眼 - Google Patents
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Abstract
【目的】模型眼やCLベースカーブ測定の時は測定モードを自動で模型眼やCLに最適な測定モードに変更することによって、操作性の改善や誤測定の防止を図ることができる眼科装置を提供すること。
【構成】人眼の光学的特性を測定する測定モードと、人眼以外の光学的特性を測定するための測定モードを有する検眼手段と、人眼以外の光学的特性の測定に用いられる測定補助部材と、を有する眼科装置において、前記測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づいて前記測定モードの切り換えを制御する制御手段を設ける。
【選択図】 図1
【構成】人眼の光学的特性を測定する測定モードと、人眼以外の光学的特性を測定するための測定モードを有する検眼手段と、人眼以外の光学的特性の測定に用いられる測定補助部材と、を有する眼科装置において、前記測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づいて前記測定モードの切り換えを制御する制御手段を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の光学的特性の測定を行う眼科装置とこれに用いられる模擬眼に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検眼の眼屈折力を測定するオートレフラクトメーターや角膜の曲率半径を測定するケラトメーターには、装置の精度をユーザーがチェックできるように所定の屈折力やレンズ表面の曲率半径を有する模擬眼を装置に同梱しているものがある。
【0003】
又、ケラトメーターにおいては、ハードコンタクトレンズを同梱されているコンタクトレンズホルダーに取り付けることによって、被検眼の角膜曲率半径の他にコンタクトレンズのベースカーブの測定ができるようにしているものもある。
【0004】
このような模擬眼やコンタクトレンズホルダーを装置の顎受け台に置いたり、額当てが取り付けられている梁部に引っ掛ける等して取り付け、模擬眼やコンタクトレンズの表面に位置合わせして測定を行っている。
【0005】
現在では、上記のようなオートレフラクトメーターやケラトメーターの機能を複合したオートレフケラトメーターも一般的に用いられており、このようなオートレフケラトメーターでは被検眼の眼屈折力測定、角膜曲率半径測定、被検眼の角膜周辺部の曲率半径測定、それに前述のコンタクトレンズのベースカーブ測定等の複数の測定モードがあり、それらの測定モードを、通常、モード切替スイッチを使って操作者が切り替えて使用している。尚、斯かる技術は特許文献1〜3に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−041949号公報
【特許文献2】
特開2001−340298号公報
【特許文献3】
特開2002−345755号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、 上記のような従来例では、コンタクトレンズのベースカーブを測定する際には、コンタクトレンズを保持しているコンタクトレンズホルダーを顎受けや額当てに取り付けて、操作者が測定モードをコンタクトレンズのベースカーブの測定を行う測定モードにモード切替スイッチを使って選択することによって、測定を行わなければならないため、
複数ある測定モードからその都度、測定モードを切り替えて選択するのが煩わしい。
【0007】
測定モードの切り替えを忘れたまま、例えば人眼の角膜曲率半径の測定モードのまま測定を行ってしまった時等の場合には、誤った測定が行われてしまう可能性がある。
【0008】
逆にコンタクトレンズのベースカーブ測定のモードのまま、被検眼の角膜曲率半径の測定を行ってしまった場合も、誤った測定が行われてしまう。
等の問題点があった。
【0009】
又、最近では測定を行う光学ユニットが自動でアライメントし、所望の光学特性を測定する装置も現れており、被検眼の右目を自動でアライメント・測定を行った後に、自動でもう一方の目である左目側に自動で光学ユニットが移動して、左目を自動でアライメント・測定して、測定結果のプリントアウトまで連続で行う装置も現れてきている。
【0010】
このような両眼連続測定を行う眼科装置で、前述の模擬眼の測定を行う場合、通常、両眼連続測定のモードに設定されていることが多いので、
右目の位置で模擬眼を測定した後、左目方向に自動で移動してしまい、測定する対象が見つからないのでエラーで止まってしまい、模擬眼の測定結果を直ぐに確認することができない。
【0011】
上記のようなエラーが起こらないようにするには、自動でない測定モードや片眼のみ測定のモードの設定し直さなければならないために操作が煩わしい。
という問題があった。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、模型眼やCLベースカーブ測定の時は測定モードを自動で模型眼やCLに最適な測定モードに変更することによって、操作性の改善や誤測定の防止を図ることができる眼科装置及び模擬眼を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本出願に係る発明の眼科装置では、
1.模擬眼やコンタクトレンズホルダー等の人眼以外の光学的特性の測定に用いられる測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から被検眼の光学的特性を測定する測定モードと、前記人眼以外の光学的特性を測定する測定モードとの切換を制御する制御手段を設けた。
【0014】
2.前記測定補助部材は、コンタクトレンズのベースカーブを測定するために装置に取り付けられ、コンタクトレンズを保持するホルダーであり、前記制御手段は該ホルダーの装置への取り付けを検知した時には前記測定モードをコンタクトレンズのベースカーブ測定のためのモードに切り替えるようにした。
【0015】
3.記測定補助部材は、装置の精度チェックのために使用される模擬眼であり、前記制御手段は該模擬眼の装置への取り付けを検知した時には前記測定モードを模擬眼を測定し装置の精度チェックを行うためのモードに切り替えるようにした。
【0016】
この模擬眼の測定モードは上述した人眼の測定の際に使用する両眼連続の測定モードから模擬眼を測定し結果表示を行う模擬眼の測定に適した測定モードである。
【0017】
4.前記制御手段は前記検知手段の検知結果から、前記測定補助部材が装置から取り外された時には前記測定補助部材が取り付けられる直前の測定モードに切り換えを行うようにした。
【0018】
5.前記測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から、前記測定補助部材が装置へ取り付けられていない時は、前記モード切替スイッチにより切り換え可能な測定モードを人眼の光学的特性の測定モードに設定し、前記測定補助部材が装置へ取り付けられている時は、前記モード切替スイッチにより切換可能な測定モードを測定補助部材の使用により測定する光学的特性の測定モードに設定するように制御するようにした。
【0019】
6.装置の精度を検査するために用いられ、装置に取り付け可能な模擬眼において、該模擬眼はコンタクトレンズを固定するコンタクトレンズホルダーを取り付け可能とし、前記模擬眼の装置への取り付けを検知する第1の検知手段と、前記コンタクトレンズホルダーの前記模擬眼への取り付けを検知する第2の検知手段を有し、前記第1と第2の検出結果から装置の測定モードを、前記模擬眼の測定モード又は前記コンタクトレンズの測定モードに切り替えるようにした。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は実施の形態1に係る検眼装置の外観図である。
【0022】
図1に示す検眼装置は、被検眼の眼屈折力と角膜形状を同時に測定する複合機であり、所謂オートレフケラトメーターである。
【0023】
オペレータが操作する面には、測定値や被検眼像等の表示や各標装置の設定を選択する液晶モニタやCRTモニタ等の表示装置1と、その表示画面を操作したり、上部の測定部2を被検眼に対して位置合わせするためのトラックボール3、ローラ4、プリンタ印字スイッチや測定開始スイッチや測定モード選択スイッチ等が配置されたスイッチパネル5が配置されている。又、装置の側面には、測定結果等を印字出力するためのプリンタ6が配置されている。
【0024】
被検者は、オペレータが操作する側と反対側にある顔受け部86で顔を固定して、測定部2の対物部の前に被検眼を置くことで測定が可能となる。
【0025】
図2は本装置の測定部2を被検眼Eにアライメントするための駆動部を示している。
【0026】
測定部2は、上下方向に移動させるための上下駆動部7と接合されており、測定部2を約30mm上下方向に移動できるようになっている。測定部2は上下支柱8に支えられており、直動型のボールベアリングと昇降用の送りねじが内蔵された上下駆動支柱9に接合され、その上下駆動支柱9は上下駆動基台10に固定されている。測定部2の上下支柱8の中心軸回りの回転規制のため、回り止め支柱11が測定部2から下方に突起されており、上下駆動基台10に固定されて直動軸受け12に嵌合されている。
【0027】
上下駆動支柱9と直動軸受け12の間には、上下方向駆動用のモータ13が配置されており、上下駆動基台10の裏面にベルトを介して上下駆動支柱9の送りねじを回転できるようになっており、モータ13の正逆回転によって測定部2を昇降させることができる。図示は省略しているが、上下方向30mmのストロークの両端は、リミットスイッチの検知で移動限界位置が検知できるようになっている。
【0028】
又、モータ13の軸上には、パルスカウントができるエンコーダが同軸状に配置され、上下駆動基台10の裏面にはそれを検知するフォトカプラが設けられている。
【0029】
上下駆動基台10において、前後駆動部14によって駆動される上下駆動基台10の裏面には雌ねじナット15が固定され、その雌ねじ部には前後駆動基台16に支持されている送りねじ17と螺合されている。そして送りねじ17は、前後モータ18とカップリングを介して結合されている。
【0030】
又、上下駆動基台10の左右両側面には、直動ガイドレール19a,19bが配置され、可動側が上下駆動基台10に固定側が前後駆動基台16に接合されている。
【0031】
従って、前後モータ18の正逆駆動によって、上下駆動部7を合む測定部2を前後方向に移動させることができる。前後方向40mmのストロークの両端は、図示を省略しているが、上下駆動部と同様にリミットスイッチの検知により移動限界位置を検知できるようになっている。又、前後モータ18の軸上には、パルスカウントができるエンコーダが同軸状に配置され、前後駆動基台16の上面には、それを検知するフォトカプラが配置されている。
【0032】
前後駆動基台16を左右方向に駆動させる左右駆動部20は、前後駆動部14と同様に前後駆動基台14の裏面には図示していないが雌ねじナットが固定され、その雌ねじ部には左右駆動基台21に支持されている送りねじ22と螺合されている。送りねじは、左右モータ23とベルト24を介して結合されている。又、前後駆動基台14の前後両側面には、直動ガイドレール25a,25bが配置され、可動側が前後駆動基台14に固定側が左右駆動基台21に接合されている。
【0033】
従って、左右モータ23の正逆回転駆動によって、上下駆動部7及び前後駆動部14を含む測定部2を左右方向に移動させることができる。尚、図示していないが、前後駆動部14と同様に左右方向90mmのストロークの両端は、リミットスイッチの検知で移動限界位置が検知できるようになっている。又、左右モータ23の軸上には、パルスカウントができるエンコーダが同軸状に配置され、左右駆動基台21の上面には、それを検知するフォトカプラが配置されている。
【0034】
このようにして、測定部2は上下駆動部7、前後駆動部14、左右駆動部20によって、被検眼Eに対して三次元方向に移動でき、子供から大人までの被検者を顔受け部に顔を載せただけで、電動駆動により位置合わせすることができる。
【0035】
図3は測定部2内部の光学系の配置図である。
【0036】
被検眼Eの視軸に位置合わせする測定部2の中心軸O上には、被検眼E側からケラトリング光源30、可視光を全反射し波長880nmの光束を一部反射するダイクロイックミラー31、対物レンズ32、孔あきミラー33、絞り34、投影レンズ35、投影絞り36、880nmの光を出射する測定光源37が順次に配列されている。孔あきミラー33の反射方向には、6分割絞り38、6分割プリズム39、受光レンズ40、二次元撮像素子41が順次に配置されている。6分割絞り38と6分割プリズム39は、図4に示す形状になっており、実際にはこれらは密着されている。
【0037】
上述した光学系は眼屈折測定用であり、測定光源37から発せられた光束は、投影絞り36で光束が絞られ、投影レンズ35により対物レンズ32の手前で1次結像するようにされ、対物レンズ32、ダイクロイックミラー31を透過して被検眼Eの瞳中心に投光される。その光束は眼底で結像され、その反射光は瞳周辺を通って再び対物レンズ32に入射される。入射された光束は、対物レンズ32を透過後、孔あきミラー33の周辺部で反射される。反射された光束は被検眼瞳孔と略共役な6分割絞り38で瞳分離され、6分割プリズム39で二次元撮像素子41の受光面に6点のスポット像として投影される。
【0038】
被検眼Eが正視眼であれば、この6点のスポット像の重心を結ぶ近似曲線は所定の円になり、近視眼や遠視眼では近似曲線の円の曲率が大きくなったり小さくなったりする。乱視がある場合は近似曲線は楕円になり、水平軸と楕円の長軸でなす角度が乱視軸角度となる。この楕円の近似曲線の係数より屈折値を求める。
【0039】
一方、ダイクロイックミラー31の反射方向には、固視標投影光学系と、前眼部観察とケラト測定とアライメント検出が共用されるアライメント受光光学系が配置されているアライメント受光光学系として、ダイクロイックミラー31側から、レンズ42、ダイクロイックミラー43、アライメントプリズム絞り44、結像レンズ45、ケラト絞り46、二次元撮像素子47が配置されている。アライメントプリズム絞り44とケラト絞り46は、光路上に挿脱自在になっており、屈折測定時にはアライメントプリズム絞り44のみが光路内に挿入され、ケラト測定時にはケラト絞り46のみが挿入される。
【0040】
アライメントプリズム絞り44は、図5に示す形状になっており、円盤状の絞り板に3つの開口部44a,44b,44cが設けられていて、両側の開口部44a,44b,44cのダイクロイックミラー43側に波長880nm付近のみの光束を透過するアライメントプリズム48a,48bが接着されている。又、被検眼Eの前眼部の斜め前方には、前眼部照明光源50a,50bが配置されている。
【0041】
ダイクロイックミラー43の透過側には固視投影光学系が配置されており、全反射ミラー51、固視誘導レンズ52、固視チャート53、固視投影光源54が順次配列されている。固視誘導時に、点灯された固視投影光源54の投影光束は、固視チャート53を裏側より照明され、固視誘導レンズ52、レンズ42を介して被検眼Eの眼底に投影される。 尚、固視誘導レンズ52は被検眼Eの視度誘導を行い雲霧状態を実現するために、固視誘導モータ55により光軸方向に移動できるようになっている。
【0042】
アライメント検出のための光源は、眼屈折測定用の測定光源37と兼用され、測定部2から投影された光束は、被検眼Eの角膜Cで反射される。その反射光束は、再び測定部2に戻ってダイクロイックミラー31で反射され、レンズ42で平行光束になり、ダイクロイックミラー43で反射され二次元撮像素子47等の受光光学系に導かれる。
【0043】
この際、アライメントプリズム48aを透過した光束は下方向に屈折され、アライメントプリズム48bを透過した光束は上方向に屈折される。中心の開口部44cは、前眼部照明50a,50bの波長780nm以上の光束が通るようになっているので、前眼部照明光源50a,50bにより照明された前眼部像の反射光束は、アライメントプリズム絞り44の開口部44cを通り、結像レンズ45で二次元撮像素子47に結像される。被検眼Eを測定部2の光軸Oにほぼ位置合わせする場合には、二次元撮像素子47に受光された映像を表示装置1で見ながら概略の位置合わせすることができる。
【0044】
角膜反射像でアライメントするオートアライメントでは、アライメントプリズム絞り44が光路に挿入され、絞り44を透過した光束は結像レンズ45で二次元撮像素子47に結像される。
【0045】
図6はアライメントプリズム絞り44を介して観察される被検眼像E’である。図6(a)は被検眼Eが適正に位置合わせされた場合を示し、被検眼像E’はアライメントプリズム絞り44の中心の開口部44cを透過した光束によって結像され、アライメント兼用の測定光源37の角膜反射像も画面中心に輝点として結像する。アライメントプリズム絞り44の左右両側の開口部44a,44bを透過した光束は、アライメントプリズム48a,48bにより画面上中心から上下方向に屈折され、3つの縦1列の輝点として観察される。
【0046】
図6(b)は被検眼Eに対し測定部2が操作者側から見て右上方向にずれた状態での観察像を示している。又、図6(c)は左右上下方向の位置は合っているが、前後方向である作動距離方向がずれている場合を示す。方向は縦1列の3つの輝点の内、上下2つの輝点の左右方向の位置が反対になるので、どの方向にずれているかが検出できる。
【0047】
3つの輝点の位置関係から作動距離を求める方法については、特開平9−84760号公報に記述されている。
【0048】
ケラト測定時には、ケラト光源リング30の角膜反射光束が結像レンズ45を介してケラト絞り46で光束が制限され、二次元撮像素子47に結像される。
【0049】
ケラト絞り46はレンズ系の焦点位置に置かれて所謂テレセントリック光学系を形成していて、被検眼Eの光軸方向の位置ずれが測定誤差にならないように配置されている。
【0050】
図7はブロック回路構成図である。
【0051】
測定スイッチ、プリント開始スイッチ等が配置されたスイッチパネル5、測定部2を被検眼Eに対して上下左右に移動させるためのトラックボール3、測定部2を被検眼Eに対して前後に移動させるためのロータリーエンコーダに接続されたローラ4及び測定結果を印字するためのプリンタ6がCPU60のポートに接続されている。
【0052】
二次元撮像素子41で撮影された眼底像の映像信号は、A/D変換器61によりデジタルデータに変換され、画像メモリ62に格納される。CPU60は、画像メモリ62に格納された画像に基づいて眼屈折力の演算を行う。又、二次元撮像素子47で撮影された前眼部像の映像信号は、A/D変換器63によりデジタルデータに変換され画像メモリ64に格納される。CPU60は、画像メモリ64に格納された画像に基づいてアライメント輝点を検出してアライメント状態の検出判断を行ったり、被検眼角膜の曲率半径の演算を行う。
【0053】
又、二次元撮像素子47で撮影された前眼部像の映像信号は、キャラクタ発生装置65からの信号と合成され、表示装置1上に前眼部像や測定値等が表示される。
【0054】
上下モータ13、前後モータ18、左右モータ23、固視誘導レンズ用モータ55は、それぞれのモータドライバ67,68,69,70に接続され、CPU60からの指令により駆動される。
【0055】
固視標光源54、ケラトリング光源30、前眼部照明光源50a,50b、測定光源37は図示しないドライバを介してD/A変換器71に接続されており、CPU60からの指令により光量を変化させることができる。
【0056】
又、顎受け台上下モータ72がモータドライバ73を介してCPU60に接続されていて、スイッチパネル5の顎受け台上下スイッチの入力によるCPU60からの指令により駆動される。
【0057】
図8はスイッチパネル5の配置図である。
【0058】
スイッチパネル5には、前述のトラックボール3、ローラー4の他に、被検眼のオートアライメントや測定を開始するために用いられる測定開始スイッチ80、通常は被検眼の眼屈折力のみの測定(R)や角膜形状のみの測定(K)及び眼屈折力と角膜形状の測定を連続的に同時に行う連続測定(RK)のモードから所望の測定モードを選択するための測定モード選択スイッチ81、眼屈折力測定における角膜頂間距離、乱視度数の符号や表示単位等、装置の種々の設定を行うための設定スイッチ82、測定結果のプリンター6への印字を行うための印字スイッチ83が図のように配置されている。
【0059】
又、顎受け台を顎受け台上下モーター72により上昇させるためのスイッチ84a、下降させるためのスイッチ84bも図のように配置されている。
【0060】
図9は設定スイッチ82を押した後、装置の設定を行うために表示装置1の画面に表示される内容の一部を示した図である。
【0061】
角膜頂間距離VDは0,12.0,13.5から選択できるようになっている。乱視度数の符号CYLは−,+,+/−から選択できるようになっている。表示単位Incは0.12,0.25から選択できるようになっている。
【0062】
オートアライメントで測定を行う際に1回の測定で測定される回数Auto Measureは1,3,5から選択できるようになっている。オートアライメントで測定を行う際に被検者の左右両眼を連続して測定するR&L Measureは、連続で測定するか(ON)、片眼の測定で停止するか(OFF)を選択できるようになっている。
【0063】
測定終了後、プリンター6から自動で測定結果を印字するかの設定Auto PrintはON,OFFから選択できるようになっている。
【0064】
図8で各項目の下線が引かれている項目が現在の設定を示している。
【0065】
この設定は、図最下部のグラフィックで示されているように顎受け台上下スイッチ84a,84b、トラックボール3、ローラ4及び各スイッチ80〜83の操作で指示して変更を行える。
【0066】
このように構成された本実施の形態のオートレフケラトメーターにおいて、被検者の顔を顔受け台86に固定し、被検眼Eに対して測定部2を光軸Oを合わせるため、操作者はトラックボール3とローラ4を操作する。トラックボール3の操作は測定部2を被検眼Eに対し左右及び上下方向に移動させ、ローラ4は測定部2を前後方向に移動させて位置合わせができる。
【0067】
この操作において、装置側ではトラックボール3及びローラ4に接続されているそれぞれのパルスカウンタやロータリエンコーダからの出力信号をCPU60で受けて、操作量及び速度が検知できるようになっている。更に、その操作量及び速度から各モータドライバ67,68,69を介して、上下モータ13、前後モータ18、左右モータ23を駆動させる。
【0068】
操作者は上述した操作により測定部2を移動し、被検眼Eの観察画像を表示装置1で確認できるようにして、被検眼Eの虹彩が明確に見え、瞳孔がほぼ中心に合わさられると、スイッチパネル5に配置された測定開始スイッチ80を押す。
【0069】
測定開始スイッチ80を押すと、装置は先ず被検眼Eに対して測定部2を自動的に位置合わせするオートアライメントを開始する。
【0070】
オートアライメントにより、被検眼Eと測定部2の光軸Oの位置合わせが完了すると、測定モード選択スイッチ81により選択された下記の各測定を行う。
【0071】
a)角膜形状測定(K):
CPU60は以下の手順を踏んで角膜形状の測定を行う。
【0072】
ケラト絞り46を光路内に挿入し、前眼部照明光源50a,50bを消灯する。
【0073】
次に、ケラト光源リング30を発光させてリング状の光束を被検眼Eの角膜に投影する。
【0074】
被検眼角膜で反射された角膜反射像は、角膜の形状によって楕円形状のリング像となり、二次元撮像素子47に結像する。
【0075】
撮像されたリング像をA/D変換器63によりデジタル化して画像メモリ64に格納する。
【0076】
画像メモリ64に格納された角膜反射像から楕円の長径、短径及び長径軸の傾きを算出して、被検眼Eの角膜形状を算出する。
【0077】
尚、求められた楕円の長径、短径に相当する角膜の曲率半径及び撮像素子の受光面上での楕円軸の角度と角膜の乱視軸との関係は予め装置の製造過程において較正されているものである。
【0078】
b)眼屈折力測定(R):
CPU60は以下の手順で、被検眼Eの眼屈折力を算出する。
【0079】
測定光源37を点灯し、被検眼の眼底からの反帰光を二次元撮像素子41で受光する。
【0080】
撮像された眼底像は被検眼の屈折力により6点に分離されて投影される。
【0081】
撮像された6点の画像をA/D変換器61によりデジタル化して、画像メモリ62に格納する。
【0082】
画像メモリ62に格納された6点各々の重心座標を算出、その6点を通る楕円の方程式を求める(6点から楕円の方程式を求める方法は周知である)。
【0083】
求められた楕円の長径、短径及び長径軸の傾きを算出して、被検眼Eの眼屈折力を算出する。
【0084】
尚、求められた楕円の長径、短径に相当する眼屈折力値及び撮像素子の受光面上での楕円軸の角度と乱視軸との関係は予め装置の製造過程において較正されているものである。
【0085】
以上のようにして、先ず求められた眼屈折力値からその屈折力値に相当する位置まで固視誘導レンズ用モータ55を駆動して、固視誘導レンズ52を移動させて被検眼の屈折度に相当する屈折度で固視チャート53を被検眼に呈示する。
【0086】
その後、固視誘導レンズ52を所定量、遠方に移動させ、固視チャート53を雲霧させる。
【0087】
再び測定光源37を点灯し、屈折力を測定する。
【0088】
上記のような、屈折力の測定→固視目標の雲霧動作→屈折力の測定を繰り返し、屈折力が安定する最終の測定値を得る。
【0089】
C)RK連続測定:
被検眼の一眼について、上述した眼屈折力測定(R)を行ってから連続して角膜形状測定(K)を行うモードである。
【0090】
本実施の形態では、前記装置の設定に従ってR測定3回、K測定3回の測定をそれぞれの眼について行うように設定されている。
【0091】
又、本実施の形態では、前記装置の設定で、両眼連続測定が選択されている(図9)ので、最初に被検眼の右目をオートアライメントした後、モード選択スイッチ81で選択されたR,K,RKの中の1つの測定モードで右目の測定を所定回数行う。
【0092】
右眼の測定が終了すると、例えば一般的な眼幅65mmだけ左眼側に測定部2を移動して左目のオートアライメントを行い、右眼と同様に左眼の測定を自動で行うようになっている。
【0093】
左右両眼の測定結果は、装置の設定がAuto Print:ONになっているので自動的にプリンター6から印字されるようになっている。
【0094】
本実施の形態に係るオートレフケラトメーターは、上述したように被検眼の眼屈折力や角膜形状の測定以外に模擬眼の屈折力やレンズ表面の形状測定及びハードコンタクトレンズのベースカーブの測定も可能になっている。
【0095】
後述するように模擬眼の測定もコンタクトレンズのベースカーブの測定も模擬眼85を使用して測定が行われ、その模擬眼85の取り付けの有無をCPU60が検出することによって測定モード選択スイッチ81で選択できる測定モードを、被検眼の測定を行う場合は、R又はK又はRKの中からしか選択できないように、又、模擬眼の測定及びコンタクトレンズのベースカーブの測定を行う場合は、模擬眼測定モード又はベースカーブ測定モード(CLBC)の何れかの測定モードしか選択できないように選択できる測定モードの変更を行う。
【0096】
図10は模擬眼85の測定を行う場合の説明図である。
【0097】
模擬眼85は、図11に示すように、本装置の精度をチェックするために人眼に相当する屈折力とレンズ表面の曲率半径を持つように設計されたロッドレンズ85a、ロッドレンズ85aを収納する保持鏡筒85b、ロッドレンズ85aの底面を保持するクッション部材85c、保持鏡筒85bが図示のように取り付けられている取付金具85d、取付金具85dの底面に設置され後述の顎受け台の検出孔に嵌入する検出ピン85eから構成されている。
【0098】
この模擬眼85を顎受け台に置いて、模擬眼85のロッドレンズ85aのレンズ表面に測定部2の光軸Oを位置合わせすることにより、模擬眼の屈折力や表面の曲率半径を測定し、装置の精度をチェックすることができるようになっている。
【0099】
模擬眼85を顎受け台に置かれて検出ピン85eの嵌入が検出されると、事前に装置がR又はK又はRKのどの測定モードになっているかに拘わらず、CPU60は測定モードを下記の模擬眼の屈折力と表面曲率を測定する模擬眼測定モードにモード設定を変更する。
【0100】
本実施の形態では、模擬眼測定モードは、
▲1▼屈折力と曲率半径を連続で測定するRK連続測定モードに測定モードを変更する。
【0101】
▲2▼模擬眼では、調節による屈折力変動や睫毛・瞼による測定光の遮り等が起こらないので測定回数を1 回に変更する。
【0102】
▲3▼左右眼連続測定を片眼のみの測定に変更して、測定後の自動印字も行わない。
【0103】
▲4▼測定値の表示画面で測定された屈折力・曲率表示の他に、模擬眼のあるべき測定値として設計値も並べて表示する(更に望ましくは、測定値が許容変動を超えているかどうかをOK、NG等の判定と共に表示する)。
なる測定モードである。
【0104】
図12は模擬眼85を顎受け台に置いた時に、模擬眼の設置を検出するための機構を説明するための顔受け部86と模擬眼85の検出ピン85eの構造を示す断面図である。
【0105】
顎受け台90に設けられた検出孔90aの内部下方には、模擬眼85の検出ピン85eの嵌入を検出するためのマイクロスイッチ91が設置されていて、図のように検出ピン85eが嵌入するとマイクロスイッチ91のアクチュエーターレバー91aを下方に押して、スイッチ91bがONの状態になる。
【0106】
マイクロスイッチ91の検出結果出力は、図示しない配線によりCPU60に入力されていて、上述の測定モード変更を行う。
【0107】
顎受け台90は、取り付け板92を介して上下動支柱93に取り付けられている。
【0108】
上下動支柱93はその内部に上下駆動用のネジ部93aが設けられており、そのネジ部93aと螺合するネジ棒94、その下端部94aと顎受け台上下モータ72の出力軸72aがカップリング95によって連結されている。
【0109】
顎受け台上下モーター72は、顔受け部86の筐体部86aに不動に取り付けられている。96は取付のための蓋である。
【0110】
上下動支柱93には軸線に平行なキー溝93bが設けられいて、顔受け部86に形成されたピン86bが嵌入しているために、顎受け台上下モータ72による回転が防止されていて、上下に移動できる構造になっている。
【0111】
87は上下動支柱の下端部に取り付けられた上下検出板であり、顔受け部86の筐体内部に設置された不図示のマイクロスイッチ等の検出素子のON,OFFを行う。
【0112】
該検出素子は、上下動支柱93の上限・下限位置の検出を行うものであり、その検出結果の出力はCPU60に接続され、顎受け台上下モータ72の駆動制御を行っている。
【0113】
被検者の額を当てる額当て97は、顔受け部86の上方のアーム部86cに接合されている。
【0114】
更に、図13は前記の模擬眼85の保持鏡筒85bの外径に嵌合して取り付けて使用されるコンタクトレンズホルダー98の構造を表す図である。
【0115】
コンタクトレンズのベースカーブを測定する時は、
▲1▼上記の模擬眼85を顎受け台90に載せる。
【0116】
▲2▼コンタクトレンズホルダー98のコンタクトレンズ保持部98aに水をつけてその表面張力でコンタクトレンズCLを図示のように取り付ける。
【0117】
▲3▼コンタクトレンズCLを取り付けたコンタクトレンズホルダー98を模擬眼85の保持鏡筒85bの外径をガイドにして嵌合して取り付ける。
【0118】
▲4▼測定モードを前述の模擬眼測定モードからCLBC測定モードに測定モード選択スイッチ81を押して変更する。
ことによりコンタクトレンズを保持して、コンタクトレンズのベースカーブ面に測定部2の光軸Oを位置合わせして下記のベースカーブの測定を行う。
【0119】
d)コンタクトレンズのベースカーブ測定(CLBC):
ケラト絞り46を光路内に挿入し、前眼部照明光源50a,50bを消灯する。
【0120】
次に、ケラト光源リング30を発光させてリング状の光束をコンタクトレンズのベースカーブ面に投影する。
【0121】
コンタクトレンズのベースカーブ面で反射された反射像はベースカーブの曲率によって大きさの変化する円形像となり、二次元撮像素子47に結像する。
【0122】
撮像された円形像をA/D変換器63によりデジタル化して画像メモリ64に格納する。
【0123】
画像メモリ64に格納された円形像から直径を算出して、被検コンタクトレンズのベースカーブの曲率半径を算出する。
【0124】
尚、求められた円の直径に相当するコンタクトレンズのベースカーブの曲率半径の関係は予め装置の製造過程において較正されているものである。
【0125】
本実施の形態に係るオートレフケラトメーターでは、ケラト光源リング30は有限距離に設置された拡散光源であり、被検眼角膜とコンタクトレンズのベースカーブ面とでは、凸面と凹面との違いで二次元撮像素子47に撮像される楕円形状と曲率半径との関係が若干異なるので、製造工程で別々に較正され、K測定モードとCLBC測定モードによって算出方法を変更している。
【0126】
以上述べたように、本実施の形態に係るオートレフケラトメーターでは、測定モード選択スイッチ81を押すことによって変更・選択できる測定モードが、模擬眼85が顎受け台90に置かれていない時はR又はK又はRK、模擬眼85が顎受け台90に置かれている時は、模擬眼測定又はCLBC測定のように変化する。
【0127】
又、上述の模擬眼の測定或はCLBC測定の終了後、模擬眼85を顎受け台90から取り去ると、模擬眼85を置く前の測定モードに戻るようになっている。
【0128】
図14は上で説明した実施の形態1での動作を示すフローチャートである。
【0129】
電源投入後、S1で、本装置のモーターや光源、撮像素子等のデバイスの初期化を行う。このとき、測定モードのフラグE,Mをそれぞれ初期状態である1に設定しておく。
【0130】
Eは人眼の測定モードの種類を表すフラグで、E=1の時はRK連続測定モード、E=2の時はRのみの測定モード、E=3の時はKのみの測定モードである。
【0131】
Mは模擬眼やコンタクトレンズのベースカーブの測定モードの種類を表すフラグで、M=1の時は模擬眼の測定モード、M=2の時はコンタクトレンズ・ベースカーブの測定モードである。
【0132】
次に、S2でマイクロスイッチ91のON・OFF状態を検出することにより、模擬眼85が顎受け台に取り付けられているかどうかを判定する。
【0133】
模擬眼85の取り付けが検出できなければ、S3で測定モード選択スイッチ81が押されたかどうかを検出し、押された場合は測定モードフラグEを1増加させる(S4)。もし、Eが4になっていれば(S5)E=1に値を変更して(S6)から、現在の測定モードの種類を表示装置1の画面上に文字で表示して、操作者が分かるようにする(S7)。
【0134】
S3の判定で、測定モード選択スイッチ81が押されていない場合は、測定スイッチが押されているかどうかを判定し(S8)、押されていればその時の測定モードの実行のアルゴリズムに移る(S9)。押されていなければ、S2の模擬眼85の取り付けを検出する判定に戻る。
【0135】
S2で模擬眼85が顎受け台に取り付けられているのを検出すると、S10で測定モード選択スイッチ81が押されたかどうかを検出し、押された場合は測定モードフラグMを1増加させる(S11)。もし、Mが3になっていれば(S12)M=1に値を変更して(S13)から、現在の測定モードの種類を表示装置1の画面上に文字で表示して、操作者が分かるようにする(S14)。
【0136】
S10の判定で、測定モード選択スイッチ81が押されていない場合は、測定スイッチが押されているかどうかを判定し(S15)、押されていればその時選択されている模擬眼85の測定或いはコンタクトレンズ・ ベースカーブ測定の実行のアルゴリズムに移る(S16)。
【0137】
押されていなければ、S2の模擬眼85の取り付けを検出する判定に戻る。
【0138】
図15は実施の形態2を示す模擬眼99と顔受け部86を表す図面である。
【0139】
顔受け部86の上方のアーム部86c内には模擬眼99の検出ピン99aを嵌入する孔86dが設けられていて、その内部下方には前述のマイクロスイッチ91と同様の役割を果たすマイクロスイッチ100が設置されている。
【0140】
マイクロスイッチ100の検出信号も不図示の信号線によりCPU60に接続されている。
【0141】
模擬眼99の検出ピン99aを取り付け用の孔86dに嵌入して、模擬眼99の取り付けをCPU60が検出すると、実施の形態1と同様に、測定モード選択スイッチ81を押すことによって変更・選択できる測定モードが模擬眼測定又はCLBC測定に切り替わるようになっている。
【0142】
このように模擬眼を顎受け台に搭載しない場合でもその検出は可能である。
【0143】
図16は実施の形態3を示す模擬眼101とコンタクトレンズホルダー98の取り付け状態を示す図である。
【0144】
模擬眼101の保持鏡筒102の側面には溝状開口部102aが設けられていて、その開口部102aからアクチュエータ部103dが突出する状態でリーフスイッチ103が設置されている。
【0145】
リーフスイッチ103は、2枚の導電板103a,103bで絶縁体103cを挟み込んだ構造になっていて、一方の導電板103aの先端にはアクチュエーター部103dが設けられている。
【0146】
リーフスイッチ103は、アクチュエータ部103dに力が掛からない時は、内部の接点103eがオープンになりOFF状態となる。
【0147】
図に示したようにアクチュエータ部103dに上向きの力が加わって上方向に動かされた時は接点103eがクローズとなりON状態になる。
【0148】
コンタクトレンズホルダー98を保持鏡筒102の外径をガイドにして図のように嵌合すると、コンタクトレンズホルダー98によりアクチュエータ部103dを上に押し上げてON状態となるので、その状態を信号線104,105及びそれらに接触する顎受け106に設けられた接点107a,107bを介してCPU60に信号として伝えられる。
【0149】
CPU60は、マイクロスイッチ91の信号とリーフスイッチ103からの信号とで模擬眼101だけが顎受け台106に搭載されている場合と、模擬眼101にコンタクトレンズホルダー98が被せられている場合とを識別できるようになっている。
【0150】
本実施の形態では、実施の形態1,2のように、測定モード選択スイッチ81を押して模擬眼測定とCLBC測定を切り替えなくても、模擬眼101の取り付けが検出されてコンタクトレンズホルダー98の取り付けが検出できない時は、模擬眼測定モードに模擬眼101の取り付けとコンタクトレンズホルダー98の取り付けの両方が検出された時は、コンタクトレンズのベースカーブ測定モードに自動的に切り替わるようにCPU60は制御するようになっている。
【0151】
図17は実施の形態3のフローチャートである。
【0152】
電源投入後、装置を初期化し、S2で模擬眼101の取り付けが検出できなければ、KR連続測定やR単独又はK単独測定のモードでの測定を行うアルゴリズムは実施の形態1のアルゴリズム(図14)と同じである。
【0153】
S2でマイクロスイッチ91がONであることを検出して模擬眼101が取り付けられていることを検知すると、S17でリーフスイッチ103がONになっているかどうかを判定する。
【0154】
リーフスイッチ103がOFFであれば、コンタクトレンズホルダー98が取り付けられていないので、表示装置1に模擬眼測定モードであることを表示(S18)し、測定スイッチが押されているかどうかを判定する(S19)。その時、測定スイッチが押されれば模擬眼測定実行のアルゴリズムに移る(S20)。押されていなければ、S2の模擬眼101の取り付けを検出する判定に戻る。
【0155】
リーフスイッチ103がONであれば、コンタクトレンズホルダー98が取り付けられていてコンタクトレンズの測定を行おうとしているので、表示装置1にコンタクトレンズ・ベースカーブの測定モードであることを表示(S21)し、測定スイッチが押されているかどうかを判定する(S22)。そのとき、測定スイッチが押されれば模擬眼測定実行のアルゴリズムに移る(S23)。押されていなければ、S2の模擬眼101の取り付けを検出する判定に戻る。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼科装置では、
1.模擬眼やコンタクトレンズホルダー等の人眼以外の光学的特性の測定に用いられる測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から被検眼の光学的特性を測定する測定モードと、前記人眼以外の光学的特性を測定する測定モードとの切り換えを制御する制御手段を設けることにより人眼以外の測定の時に操作者が測定モードの切り換えを行わなくても済むため、煩わしい操作から開放され、操作性の良い装置を提供することができる。
【0157】
又、誤った測定モードによる誤操作を防止することができるという効果もある。
【0158】
2.前記測定補助部材は、コンタクトレンズのベースカーブを測定するために装置に取り付けられるコンタクトレンズホルダーであり、前記制御手段は該ホルダーの装置への取り付けを検知した時には前記測定モードをコンタクトレンズのベースカーブ測定のためのモードに切り替えるようにしたことにより、誤った測定モードによる誤操作を防止できるという効果がある。
【0159】
3.前記測定補助部材は、装置の精度チェックのために使用される模擬眼であり、前記制御手段は該模擬眼の装置への取り付けを検知した時には前記測定モードを模擬眼を測定し、装置の精度チェックを行うためのモードに切り替えるようにした。
【0160】
これにより、模擬眼の測定に適した状態で測定できるので、操作性の良い装置を提供することができる。
【0161】
4.前記制御手段は前記検知手段の検知結果から、前記測定補助部材が装置から取り外された時には前記測定補助部材が取り付けられる直前の測定モードに切換を行うようにした。
【0162】
これにより、通常使用される被検眼測定のための測定モードに特別な操作無しで戻るので、操作性の良い装置を提供でき、誤った測定モードによる誤操作を防止できるという効果もある。
【0163】
5.前記測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から前記測定補助部材が装置へ取り付けられていない時は、前記モード切替スイッチにより切換可能な測定モードを人眼の光学的特性の測定モードに設定し、前記測定補助部材が装置へ取り付けられている時は、前記モード切替スイッチにより切換可能な測定モードを測定補助部材の使用により測定する光学的特性の測定モードに設定するように制御するようにした。
【0164】
これにより模擬眼の測定やコンタクトレンズのベースカーブ測定の際の特別な条件や知識無しで操作者は操作することができるので、操作性の良い装置を提供でき、誤った測定モードによる誤操作を防止できるという効果もある。
【0165】
6.装置の精度を検査するために用いられ、装置に取り付け可能な模擬眼において、該模擬眼はコンタクトレンズを固定するコンタクトレンズホルダーを取り付け可能とし、前記模擬眼の装置への取り付けを検知する第1の検知手段と、前記コンタクトレンズホルダーの前記模擬眼への取り付けを検知する第2の検知手段を有し、前記第1と第2の検出結果から装置の測定モードを、前記模擬眼の測定モード又は前記コンタクトレンズの測定モードに切り替えることようにしたことによって、模擬眼測定とコンタクトレンズ・ベースカーブ測定といった人眼以外の測定の時に測定モードを一々模擬眼に適したモードに切り替える必要がなく操作性が良い装置を提供することができ、且つ、模擬眼測定だけでなく人眼測定においても、人眼測定との差異による間違った測定を行う危険性を防止することがきるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るオートレフケラトメーターの外観図である。
【図2】測定部の駆動機構の説明図である。
【図3】測定部の光学配置図である。
【図4】6分割絞り、6分割プリズムの斜視図である。
【図5】アライメントプリズム絞りの斜視図である。
【図6】アライメント状態と観察画面の説明図である。
【図7】ブロック回路構成図である。
【図8】操作パネルの配置図である。
【図9】設定モード画面の説明図である。
【図10】模擬眼の取り付け説明図である。
【図11】模擬眼の断面図である。
【図12】模擬眼の検出機構の説明図である。
【図13】コンタクトレンズホルダーの取り付け説明図である。
【図14】本発明の実施の形態1のフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態2の模擬眼の取り付け説明図である。
【図16】本発明の実施の形態3のコンタクトレンズホルダーの取り付け説明図である。
【図17】本発明の実施の形態3のフローチャートである。
【符号の説明】
80 測定開始スイッチ
81 測定モード選択スイッチ
85 模擬眼
85e 検出ピン
86 顔受け部
90 顎受け台
90a 検出孔
91 マイクロスイッチ
98 コンタクトレンズホルダー
103 リーフスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の光学的特性の測定を行う眼科装置とこれに用いられる模擬眼に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検眼の眼屈折力を測定するオートレフラクトメーターや角膜の曲率半径を測定するケラトメーターには、装置の精度をユーザーがチェックできるように所定の屈折力やレンズ表面の曲率半径を有する模擬眼を装置に同梱しているものがある。
【0003】
又、ケラトメーターにおいては、ハードコンタクトレンズを同梱されているコンタクトレンズホルダーに取り付けることによって、被検眼の角膜曲率半径の他にコンタクトレンズのベースカーブの測定ができるようにしているものもある。
【0004】
このような模擬眼やコンタクトレンズホルダーを装置の顎受け台に置いたり、額当てが取り付けられている梁部に引っ掛ける等して取り付け、模擬眼やコンタクトレンズの表面に位置合わせして測定を行っている。
【0005】
現在では、上記のようなオートレフラクトメーターやケラトメーターの機能を複合したオートレフケラトメーターも一般的に用いられており、このようなオートレフケラトメーターでは被検眼の眼屈折力測定、角膜曲率半径測定、被検眼の角膜周辺部の曲率半径測定、それに前述のコンタクトレンズのベースカーブ測定等の複数の測定モードがあり、それらの測定モードを、通常、モード切替スイッチを使って操作者が切り替えて使用している。尚、斯かる技術は特許文献1〜3に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−041949号公報
【特許文献2】
特開2001−340298号公報
【特許文献3】
特開2002−345755号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、 上記のような従来例では、コンタクトレンズのベースカーブを測定する際には、コンタクトレンズを保持しているコンタクトレンズホルダーを顎受けや額当てに取り付けて、操作者が測定モードをコンタクトレンズのベースカーブの測定を行う測定モードにモード切替スイッチを使って選択することによって、測定を行わなければならないため、
複数ある測定モードからその都度、測定モードを切り替えて選択するのが煩わしい。
【0007】
測定モードの切り替えを忘れたまま、例えば人眼の角膜曲率半径の測定モードのまま測定を行ってしまった時等の場合には、誤った測定が行われてしまう可能性がある。
【0008】
逆にコンタクトレンズのベースカーブ測定のモードのまま、被検眼の角膜曲率半径の測定を行ってしまった場合も、誤った測定が行われてしまう。
等の問題点があった。
【0009】
又、最近では測定を行う光学ユニットが自動でアライメントし、所望の光学特性を測定する装置も現れており、被検眼の右目を自動でアライメント・測定を行った後に、自動でもう一方の目である左目側に自動で光学ユニットが移動して、左目を自動でアライメント・測定して、測定結果のプリントアウトまで連続で行う装置も現れてきている。
【0010】
このような両眼連続測定を行う眼科装置で、前述の模擬眼の測定を行う場合、通常、両眼連続測定のモードに設定されていることが多いので、
右目の位置で模擬眼を測定した後、左目方向に自動で移動してしまい、測定する対象が見つからないのでエラーで止まってしまい、模擬眼の測定結果を直ぐに確認することができない。
【0011】
上記のようなエラーが起こらないようにするには、自動でない測定モードや片眼のみ測定のモードの設定し直さなければならないために操作が煩わしい。
という問題があった。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、模型眼やCLベースカーブ測定の時は測定モードを自動で模型眼やCLに最適な測定モードに変更することによって、操作性の改善や誤測定の防止を図ることができる眼科装置及び模擬眼を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本出願に係る発明の眼科装置では、
1.模擬眼やコンタクトレンズホルダー等の人眼以外の光学的特性の測定に用いられる測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から被検眼の光学的特性を測定する測定モードと、前記人眼以外の光学的特性を測定する測定モードとの切換を制御する制御手段を設けた。
【0014】
2.前記測定補助部材は、コンタクトレンズのベースカーブを測定するために装置に取り付けられ、コンタクトレンズを保持するホルダーであり、前記制御手段は該ホルダーの装置への取り付けを検知した時には前記測定モードをコンタクトレンズのベースカーブ測定のためのモードに切り替えるようにした。
【0015】
3.記測定補助部材は、装置の精度チェックのために使用される模擬眼であり、前記制御手段は該模擬眼の装置への取り付けを検知した時には前記測定モードを模擬眼を測定し装置の精度チェックを行うためのモードに切り替えるようにした。
【0016】
この模擬眼の測定モードは上述した人眼の測定の際に使用する両眼連続の測定モードから模擬眼を測定し結果表示を行う模擬眼の測定に適した測定モードである。
【0017】
4.前記制御手段は前記検知手段の検知結果から、前記測定補助部材が装置から取り外された時には前記測定補助部材が取り付けられる直前の測定モードに切り換えを行うようにした。
【0018】
5.前記測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から、前記測定補助部材が装置へ取り付けられていない時は、前記モード切替スイッチにより切り換え可能な測定モードを人眼の光学的特性の測定モードに設定し、前記測定補助部材が装置へ取り付けられている時は、前記モード切替スイッチにより切換可能な測定モードを測定補助部材の使用により測定する光学的特性の測定モードに設定するように制御するようにした。
【0019】
6.装置の精度を検査するために用いられ、装置に取り付け可能な模擬眼において、該模擬眼はコンタクトレンズを固定するコンタクトレンズホルダーを取り付け可能とし、前記模擬眼の装置への取り付けを検知する第1の検知手段と、前記コンタクトレンズホルダーの前記模擬眼への取り付けを検知する第2の検知手段を有し、前記第1と第2の検出結果から装置の測定モードを、前記模擬眼の測定モード又は前記コンタクトレンズの測定モードに切り替えるようにした。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は実施の形態1に係る検眼装置の外観図である。
【0022】
図1に示す検眼装置は、被検眼の眼屈折力と角膜形状を同時に測定する複合機であり、所謂オートレフケラトメーターである。
【0023】
オペレータが操作する面には、測定値や被検眼像等の表示や各標装置の設定を選択する液晶モニタやCRTモニタ等の表示装置1と、その表示画面を操作したり、上部の測定部2を被検眼に対して位置合わせするためのトラックボール3、ローラ4、プリンタ印字スイッチや測定開始スイッチや測定モード選択スイッチ等が配置されたスイッチパネル5が配置されている。又、装置の側面には、測定結果等を印字出力するためのプリンタ6が配置されている。
【0024】
被検者は、オペレータが操作する側と反対側にある顔受け部86で顔を固定して、測定部2の対物部の前に被検眼を置くことで測定が可能となる。
【0025】
図2は本装置の測定部2を被検眼Eにアライメントするための駆動部を示している。
【0026】
測定部2は、上下方向に移動させるための上下駆動部7と接合されており、測定部2を約30mm上下方向に移動できるようになっている。測定部2は上下支柱8に支えられており、直動型のボールベアリングと昇降用の送りねじが内蔵された上下駆動支柱9に接合され、その上下駆動支柱9は上下駆動基台10に固定されている。測定部2の上下支柱8の中心軸回りの回転規制のため、回り止め支柱11が測定部2から下方に突起されており、上下駆動基台10に固定されて直動軸受け12に嵌合されている。
【0027】
上下駆動支柱9と直動軸受け12の間には、上下方向駆動用のモータ13が配置されており、上下駆動基台10の裏面にベルトを介して上下駆動支柱9の送りねじを回転できるようになっており、モータ13の正逆回転によって測定部2を昇降させることができる。図示は省略しているが、上下方向30mmのストロークの両端は、リミットスイッチの検知で移動限界位置が検知できるようになっている。
【0028】
又、モータ13の軸上には、パルスカウントができるエンコーダが同軸状に配置され、上下駆動基台10の裏面にはそれを検知するフォトカプラが設けられている。
【0029】
上下駆動基台10において、前後駆動部14によって駆動される上下駆動基台10の裏面には雌ねじナット15が固定され、その雌ねじ部には前後駆動基台16に支持されている送りねじ17と螺合されている。そして送りねじ17は、前後モータ18とカップリングを介して結合されている。
【0030】
又、上下駆動基台10の左右両側面には、直動ガイドレール19a,19bが配置され、可動側が上下駆動基台10に固定側が前後駆動基台16に接合されている。
【0031】
従って、前後モータ18の正逆駆動によって、上下駆動部7を合む測定部2を前後方向に移動させることができる。前後方向40mmのストロークの両端は、図示を省略しているが、上下駆動部と同様にリミットスイッチの検知により移動限界位置を検知できるようになっている。又、前後モータ18の軸上には、パルスカウントができるエンコーダが同軸状に配置され、前後駆動基台16の上面には、それを検知するフォトカプラが配置されている。
【0032】
前後駆動基台16を左右方向に駆動させる左右駆動部20は、前後駆動部14と同様に前後駆動基台14の裏面には図示していないが雌ねじナットが固定され、その雌ねじ部には左右駆動基台21に支持されている送りねじ22と螺合されている。送りねじは、左右モータ23とベルト24を介して結合されている。又、前後駆動基台14の前後両側面には、直動ガイドレール25a,25bが配置され、可動側が前後駆動基台14に固定側が左右駆動基台21に接合されている。
【0033】
従って、左右モータ23の正逆回転駆動によって、上下駆動部7及び前後駆動部14を含む測定部2を左右方向に移動させることができる。尚、図示していないが、前後駆動部14と同様に左右方向90mmのストロークの両端は、リミットスイッチの検知で移動限界位置が検知できるようになっている。又、左右モータ23の軸上には、パルスカウントができるエンコーダが同軸状に配置され、左右駆動基台21の上面には、それを検知するフォトカプラが配置されている。
【0034】
このようにして、測定部2は上下駆動部7、前後駆動部14、左右駆動部20によって、被検眼Eに対して三次元方向に移動でき、子供から大人までの被検者を顔受け部に顔を載せただけで、電動駆動により位置合わせすることができる。
【0035】
図3は測定部2内部の光学系の配置図である。
【0036】
被検眼Eの視軸に位置合わせする測定部2の中心軸O上には、被検眼E側からケラトリング光源30、可視光を全反射し波長880nmの光束を一部反射するダイクロイックミラー31、対物レンズ32、孔あきミラー33、絞り34、投影レンズ35、投影絞り36、880nmの光を出射する測定光源37が順次に配列されている。孔あきミラー33の反射方向には、6分割絞り38、6分割プリズム39、受光レンズ40、二次元撮像素子41が順次に配置されている。6分割絞り38と6分割プリズム39は、図4に示す形状になっており、実際にはこれらは密着されている。
【0037】
上述した光学系は眼屈折測定用であり、測定光源37から発せられた光束は、投影絞り36で光束が絞られ、投影レンズ35により対物レンズ32の手前で1次結像するようにされ、対物レンズ32、ダイクロイックミラー31を透過して被検眼Eの瞳中心に投光される。その光束は眼底で結像され、その反射光は瞳周辺を通って再び対物レンズ32に入射される。入射された光束は、対物レンズ32を透過後、孔あきミラー33の周辺部で反射される。反射された光束は被検眼瞳孔と略共役な6分割絞り38で瞳分離され、6分割プリズム39で二次元撮像素子41の受光面に6点のスポット像として投影される。
【0038】
被検眼Eが正視眼であれば、この6点のスポット像の重心を結ぶ近似曲線は所定の円になり、近視眼や遠視眼では近似曲線の円の曲率が大きくなったり小さくなったりする。乱視がある場合は近似曲線は楕円になり、水平軸と楕円の長軸でなす角度が乱視軸角度となる。この楕円の近似曲線の係数より屈折値を求める。
【0039】
一方、ダイクロイックミラー31の反射方向には、固視標投影光学系と、前眼部観察とケラト測定とアライメント検出が共用されるアライメント受光光学系が配置されているアライメント受光光学系として、ダイクロイックミラー31側から、レンズ42、ダイクロイックミラー43、アライメントプリズム絞り44、結像レンズ45、ケラト絞り46、二次元撮像素子47が配置されている。アライメントプリズム絞り44とケラト絞り46は、光路上に挿脱自在になっており、屈折測定時にはアライメントプリズム絞り44のみが光路内に挿入され、ケラト測定時にはケラト絞り46のみが挿入される。
【0040】
アライメントプリズム絞り44は、図5に示す形状になっており、円盤状の絞り板に3つの開口部44a,44b,44cが設けられていて、両側の開口部44a,44b,44cのダイクロイックミラー43側に波長880nm付近のみの光束を透過するアライメントプリズム48a,48bが接着されている。又、被検眼Eの前眼部の斜め前方には、前眼部照明光源50a,50bが配置されている。
【0041】
ダイクロイックミラー43の透過側には固視投影光学系が配置されており、全反射ミラー51、固視誘導レンズ52、固視チャート53、固視投影光源54が順次配列されている。固視誘導時に、点灯された固視投影光源54の投影光束は、固視チャート53を裏側より照明され、固視誘導レンズ52、レンズ42を介して被検眼Eの眼底に投影される。 尚、固視誘導レンズ52は被検眼Eの視度誘導を行い雲霧状態を実現するために、固視誘導モータ55により光軸方向に移動できるようになっている。
【0042】
アライメント検出のための光源は、眼屈折測定用の測定光源37と兼用され、測定部2から投影された光束は、被検眼Eの角膜Cで反射される。その反射光束は、再び測定部2に戻ってダイクロイックミラー31で反射され、レンズ42で平行光束になり、ダイクロイックミラー43で反射され二次元撮像素子47等の受光光学系に導かれる。
【0043】
この際、アライメントプリズム48aを透過した光束は下方向に屈折され、アライメントプリズム48bを透過した光束は上方向に屈折される。中心の開口部44cは、前眼部照明50a,50bの波長780nm以上の光束が通るようになっているので、前眼部照明光源50a,50bにより照明された前眼部像の反射光束は、アライメントプリズム絞り44の開口部44cを通り、結像レンズ45で二次元撮像素子47に結像される。被検眼Eを測定部2の光軸Oにほぼ位置合わせする場合には、二次元撮像素子47に受光された映像を表示装置1で見ながら概略の位置合わせすることができる。
【0044】
角膜反射像でアライメントするオートアライメントでは、アライメントプリズム絞り44が光路に挿入され、絞り44を透過した光束は結像レンズ45で二次元撮像素子47に結像される。
【0045】
図6はアライメントプリズム絞り44を介して観察される被検眼像E’である。図6(a)は被検眼Eが適正に位置合わせされた場合を示し、被検眼像E’はアライメントプリズム絞り44の中心の開口部44cを透過した光束によって結像され、アライメント兼用の測定光源37の角膜反射像も画面中心に輝点として結像する。アライメントプリズム絞り44の左右両側の開口部44a,44bを透過した光束は、アライメントプリズム48a,48bにより画面上中心から上下方向に屈折され、3つの縦1列の輝点として観察される。
【0046】
図6(b)は被検眼Eに対し測定部2が操作者側から見て右上方向にずれた状態での観察像を示している。又、図6(c)は左右上下方向の位置は合っているが、前後方向である作動距離方向がずれている場合を示す。方向は縦1列の3つの輝点の内、上下2つの輝点の左右方向の位置が反対になるので、どの方向にずれているかが検出できる。
【0047】
3つの輝点の位置関係から作動距離を求める方法については、特開平9−84760号公報に記述されている。
【0048】
ケラト測定時には、ケラト光源リング30の角膜反射光束が結像レンズ45を介してケラト絞り46で光束が制限され、二次元撮像素子47に結像される。
【0049】
ケラト絞り46はレンズ系の焦点位置に置かれて所謂テレセントリック光学系を形成していて、被検眼Eの光軸方向の位置ずれが測定誤差にならないように配置されている。
【0050】
図7はブロック回路構成図である。
【0051】
測定スイッチ、プリント開始スイッチ等が配置されたスイッチパネル5、測定部2を被検眼Eに対して上下左右に移動させるためのトラックボール3、測定部2を被検眼Eに対して前後に移動させるためのロータリーエンコーダに接続されたローラ4及び測定結果を印字するためのプリンタ6がCPU60のポートに接続されている。
【0052】
二次元撮像素子41で撮影された眼底像の映像信号は、A/D変換器61によりデジタルデータに変換され、画像メモリ62に格納される。CPU60は、画像メモリ62に格納された画像に基づいて眼屈折力の演算を行う。又、二次元撮像素子47で撮影された前眼部像の映像信号は、A/D変換器63によりデジタルデータに変換され画像メモリ64に格納される。CPU60は、画像メモリ64に格納された画像に基づいてアライメント輝点を検出してアライメント状態の検出判断を行ったり、被検眼角膜の曲率半径の演算を行う。
【0053】
又、二次元撮像素子47で撮影された前眼部像の映像信号は、キャラクタ発生装置65からの信号と合成され、表示装置1上に前眼部像や測定値等が表示される。
【0054】
上下モータ13、前後モータ18、左右モータ23、固視誘導レンズ用モータ55は、それぞれのモータドライバ67,68,69,70に接続され、CPU60からの指令により駆動される。
【0055】
固視標光源54、ケラトリング光源30、前眼部照明光源50a,50b、測定光源37は図示しないドライバを介してD/A変換器71に接続されており、CPU60からの指令により光量を変化させることができる。
【0056】
又、顎受け台上下モータ72がモータドライバ73を介してCPU60に接続されていて、スイッチパネル5の顎受け台上下スイッチの入力によるCPU60からの指令により駆動される。
【0057】
図8はスイッチパネル5の配置図である。
【0058】
スイッチパネル5には、前述のトラックボール3、ローラー4の他に、被検眼のオートアライメントや測定を開始するために用いられる測定開始スイッチ80、通常は被検眼の眼屈折力のみの測定(R)や角膜形状のみの測定(K)及び眼屈折力と角膜形状の測定を連続的に同時に行う連続測定(RK)のモードから所望の測定モードを選択するための測定モード選択スイッチ81、眼屈折力測定における角膜頂間距離、乱視度数の符号や表示単位等、装置の種々の設定を行うための設定スイッチ82、測定結果のプリンター6への印字を行うための印字スイッチ83が図のように配置されている。
【0059】
又、顎受け台を顎受け台上下モーター72により上昇させるためのスイッチ84a、下降させるためのスイッチ84bも図のように配置されている。
【0060】
図9は設定スイッチ82を押した後、装置の設定を行うために表示装置1の画面に表示される内容の一部を示した図である。
【0061】
角膜頂間距離VDは0,12.0,13.5から選択できるようになっている。乱視度数の符号CYLは−,+,+/−から選択できるようになっている。表示単位Incは0.12,0.25から選択できるようになっている。
【0062】
オートアライメントで測定を行う際に1回の測定で測定される回数Auto Measureは1,3,5から選択できるようになっている。オートアライメントで測定を行う際に被検者の左右両眼を連続して測定するR&L Measureは、連続で測定するか(ON)、片眼の測定で停止するか(OFF)を選択できるようになっている。
【0063】
測定終了後、プリンター6から自動で測定結果を印字するかの設定Auto PrintはON,OFFから選択できるようになっている。
【0064】
図8で各項目の下線が引かれている項目が現在の設定を示している。
【0065】
この設定は、図最下部のグラフィックで示されているように顎受け台上下スイッチ84a,84b、トラックボール3、ローラ4及び各スイッチ80〜83の操作で指示して変更を行える。
【0066】
このように構成された本実施の形態のオートレフケラトメーターにおいて、被検者の顔を顔受け台86に固定し、被検眼Eに対して測定部2を光軸Oを合わせるため、操作者はトラックボール3とローラ4を操作する。トラックボール3の操作は測定部2を被検眼Eに対し左右及び上下方向に移動させ、ローラ4は測定部2を前後方向に移動させて位置合わせができる。
【0067】
この操作において、装置側ではトラックボール3及びローラ4に接続されているそれぞれのパルスカウンタやロータリエンコーダからの出力信号をCPU60で受けて、操作量及び速度が検知できるようになっている。更に、その操作量及び速度から各モータドライバ67,68,69を介して、上下モータ13、前後モータ18、左右モータ23を駆動させる。
【0068】
操作者は上述した操作により測定部2を移動し、被検眼Eの観察画像を表示装置1で確認できるようにして、被検眼Eの虹彩が明確に見え、瞳孔がほぼ中心に合わさられると、スイッチパネル5に配置された測定開始スイッチ80を押す。
【0069】
測定開始スイッチ80を押すと、装置は先ず被検眼Eに対して測定部2を自動的に位置合わせするオートアライメントを開始する。
【0070】
オートアライメントにより、被検眼Eと測定部2の光軸Oの位置合わせが完了すると、測定モード選択スイッチ81により選択された下記の各測定を行う。
【0071】
a)角膜形状測定(K):
CPU60は以下の手順を踏んで角膜形状の測定を行う。
【0072】
ケラト絞り46を光路内に挿入し、前眼部照明光源50a,50bを消灯する。
【0073】
次に、ケラト光源リング30を発光させてリング状の光束を被検眼Eの角膜に投影する。
【0074】
被検眼角膜で反射された角膜反射像は、角膜の形状によって楕円形状のリング像となり、二次元撮像素子47に結像する。
【0075】
撮像されたリング像をA/D変換器63によりデジタル化して画像メモリ64に格納する。
【0076】
画像メモリ64に格納された角膜反射像から楕円の長径、短径及び長径軸の傾きを算出して、被検眼Eの角膜形状を算出する。
【0077】
尚、求められた楕円の長径、短径に相当する角膜の曲率半径及び撮像素子の受光面上での楕円軸の角度と角膜の乱視軸との関係は予め装置の製造過程において較正されているものである。
【0078】
b)眼屈折力測定(R):
CPU60は以下の手順で、被検眼Eの眼屈折力を算出する。
【0079】
測定光源37を点灯し、被検眼の眼底からの反帰光を二次元撮像素子41で受光する。
【0080】
撮像された眼底像は被検眼の屈折力により6点に分離されて投影される。
【0081】
撮像された6点の画像をA/D変換器61によりデジタル化して、画像メモリ62に格納する。
【0082】
画像メモリ62に格納された6点各々の重心座標を算出、その6点を通る楕円の方程式を求める(6点から楕円の方程式を求める方法は周知である)。
【0083】
求められた楕円の長径、短径及び長径軸の傾きを算出して、被検眼Eの眼屈折力を算出する。
【0084】
尚、求められた楕円の長径、短径に相当する眼屈折力値及び撮像素子の受光面上での楕円軸の角度と乱視軸との関係は予め装置の製造過程において較正されているものである。
【0085】
以上のようにして、先ず求められた眼屈折力値からその屈折力値に相当する位置まで固視誘導レンズ用モータ55を駆動して、固視誘導レンズ52を移動させて被検眼の屈折度に相当する屈折度で固視チャート53を被検眼に呈示する。
【0086】
その後、固視誘導レンズ52を所定量、遠方に移動させ、固視チャート53を雲霧させる。
【0087】
再び測定光源37を点灯し、屈折力を測定する。
【0088】
上記のような、屈折力の測定→固視目標の雲霧動作→屈折力の測定を繰り返し、屈折力が安定する最終の測定値を得る。
【0089】
C)RK連続測定:
被検眼の一眼について、上述した眼屈折力測定(R)を行ってから連続して角膜形状測定(K)を行うモードである。
【0090】
本実施の形態では、前記装置の設定に従ってR測定3回、K測定3回の測定をそれぞれの眼について行うように設定されている。
【0091】
又、本実施の形態では、前記装置の設定で、両眼連続測定が選択されている(図9)ので、最初に被検眼の右目をオートアライメントした後、モード選択スイッチ81で選択されたR,K,RKの中の1つの測定モードで右目の測定を所定回数行う。
【0092】
右眼の測定が終了すると、例えば一般的な眼幅65mmだけ左眼側に測定部2を移動して左目のオートアライメントを行い、右眼と同様に左眼の測定を自動で行うようになっている。
【0093】
左右両眼の測定結果は、装置の設定がAuto Print:ONになっているので自動的にプリンター6から印字されるようになっている。
【0094】
本実施の形態に係るオートレフケラトメーターは、上述したように被検眼の眼屈折力や角膜形状の測定以外に模擬眼の屈折力やレンズ表面の形状測定及びハードコンタクトレンズのベースカーブの測定も可能になっている。
【0095】
後述するように模擬眼の測定もコンタクトレンズのベースカーブの測定も模擬眼85を使用して測定が行われ、その模擬眼85の取り付けの有無をCPU60が検出することによって測定モード選択スイッチ81で選択できる測定モードを、被検眼の測定を行う場合は、R又はK又はRKの中からしか選択できないように、又、模擬眼の測定及びコンタクトレンズのベースカーブの測定を行う場合は、模擬眼測定モード又はベースカーブ測定モード(CLBC)の何れかの測定モードしか選択できないように選択できる測定モードの変更を行う。
【0096】
図10は模擬眼85の測定を行う場合の説明図である。
【0097】
模擬眼85は、図11に示すように、本装置の精度をチェックするために人眼に相当する屈折力とレンズ表面の曲率半径を持つように設計されたロッドレンズ85a、ロッドレンズ85aを収納する保持鏡筒85b、ロッドレンズ85aの底面を保持するクッション部材85c、保持鏡筒85bが図示のように取り付けられている取付金具85d、取付金具85dの底面に設置され後述の顎受け台の検出孔に嵌入する検出ピン85eから構成されている。
【0098】
この模擬眼85を顎受け台に置いて、模擬眼85のロッドレンズ85aのレンズ表面に測定部2の光軸Oを位置合わせすることにより、模擬眼の屈折力や表面の曲率半径を測定し、装置の精度をチェックすることができるようになっている。
【0099】
模擬眼85を顎受け台に置かれて検出ピン85eの嵌入が検出されると、事前に装置がR又はK又はRKのどの測定モードになっているかに拘わらず、CPU60は測定モードを下記の模擬眼の屈折力と表面曲率を測定する模擬眼測定モードにモード設定を変更する。
【0100】
本実施の形態では、模擬眼測定モードは、
▲1▼屈折力と曲率半径を連続で測定するRK連続測定モードに測定モードを変更する。
【0101】
▲2▼模擬眼では、調節による屈折力変動や睫毛・瞼による測定光の遮り等が起こらないので測定回数を1 回に変更する。
【0102】
▲3▼左右眼連続測定を片眼のみの測定に変更して、測定後の自動印字も行わない。
【0103】
▲4▼測定値の表示画面で測定された屈折力・曲率表示の他に、模擬眼のあるべき測定値として設計値も並べて表示する(更に望ましくは、測定値が許容変動を超えているかどうかをOK、NG等の判定と共に表示する)。
なる測定モードである。
【0104】
図12は模擬眼85を顎受け台に置いた時に、模擬眼の設置を検出するための機構を説明するための顔受け部86と模擬眼85の検出ピン85eの構造を示す断面図である。
【0105】
顎受け台90に設けられた検出孔90aの内部下方には、模擬眼85の検出ピン85eの嵌入を検出するためのマイクロスイッチ91が設置されていて、図のように検出ピン85eが嵌入するとマイクロスイッチ91のアクチュエーターレバー91aを下方に押して、スイッチ91bがONの状態になる。
【0106】
マイクロスイッチ91の検出結果出力は、図示しない配線によりCPU60に入力されていて、上述の測定モード変更を行う。
【0107】
顎受け台90は、取り付け板92を介して上下動支柱93に取り付けられている。
【0108】
上下動支柱93はその内部に上下駆動用のネジ部93aが設けられており、そのネジ部93aと螺合するネジ棒94、その下端部94aと顎受け台上下モータ72の出力軸72aがカップリング95によって連結されている。
【0109】
顎受け台上下モーター72は、顔受け部86の筐体部86aに不動に取り付けられている。96は取付のための蓋である。
【0110】
上下動支柱93には軸線に平行なキー溝93bが設けられいて、顔受け部86に形成されたピン86bが嵌入しているために、顎受け台上下モータ72による回転が防止されていて、上下に移動できる構造になっている。
【0111】
87は上下動支柱の下端部に取り付けられた上下検出板であり、顔受け部86の筐体内部に設置された不図示のマイクロスイッチ等の検出素子のON,OFFを行う。
【0112】
該検出素子は、上下動支柱93の上限・下限位置の検出を行うものであり、その検出結果の出力はCPU60に接続され、顎受け台上下モータ72の駆動制御を行っている。
【0113】
被検者の額を当てる額当て97は、顔受け部86の上方のアーム部86cに接合されている。
【0114】
更に、図13は前記の模擬眼85の保持鏡筒85bの外径に嵌合して取り付けて使用されるコンタクトレンズホルダー98の構造を表す図である。
【0115】
コンタクトレンズのベースカーブを測定する時は、
▲1▼上記の模擬眼85を顎受け台90に載せる。
【0116】
▲2▼コンタクトレンズホルダー98のコンタクトレンズ保持部98aに水をつけてその表面張力でコンタクトレンズCLを図示のように取り付ける。
【0117】
▲3▼コンタクトレンズCLを取り付けたコンタクトレンズホルダー98を模擬眼85の保持鏡筒85bの外径をガイドにして嵌合して取り付ける。
【0118】
▲4▼測定モードを前述の模擬眼測定モードからCLBC測定モードに測定モード選択スイッチ81を押して変更する。
ことによりコンタクトレンズを保持して、コンタクトレンズのベースカーブ面に測定部2の光軸Oを位置合わせして下記のベースカーブの測定を行う。
【0119】
d)コンタクトレンズのベースカーブ測定(CLBC):
ケラト絞り46を光路内に挿入し、前眼部照明光源50a,50bを消灯する。
【0120】
次に、ケラト光源リング30を発光させてリング状の光束をコンタクトレンズのベースカーブ面に投影する。
【0121】
コンタクトレンズのベースカーブ面で反射された反射像はベースカーブの曲率によって大きさの変化する円形像となり、二次元撮像素子47に結像する。
【0122】
撮像された円形像をA/D変換器63によりデジタル化して画像メモリ64に格納する。
【0123】
画像メモリ64に格納された円形像から直径を算出して、被検コンタクトレンズのベースカーブの曲率半径を算出する。
【0124】
尚、求められた円の直径に相当するコンタクトレンズのベースカーブの曲率半径の関係は予め装置の製造過程において較正されているものである。
【0125】
本実施の形態に係るオートレフケラトメーターでは、ケラト光源リング30は有限距離に設置された拡散光源であり、被検眼角膜とコンタクトレンズのベースカーブ面とでは、凸面と凹面との違いで二次元撮像素子47に撮像される楕円形状と曲率半径との関係が若干異なるので、製造工程で別々に較正され、K測定モードとCLBC測定モードによって算出方法を変更している。
【0126】
以上述べたように、本実施の形態に係るオートレフケラトメーターでは、測定モード選択スイッチ81を押すことによって変更・選択できる測定モードが、模擬眼85が顎受け台90に置かれていない時はR又はK又はRK、模擬眼85が顎受け台90に置かれている時は、模擬眼測定又はCLBC測定のように変化する。
【0127】
又、上述の模擬眼の測定或はCLBC測定の終了後、模擬眼85を顎受け台90から取り去ると、模擬眼85を置く前の測定モードに戻るようになっている。
【0128】
図14は上で説明した実施の形態1での動作を示すフローチャートである。
【0129】
電源投入後、S1で、本装置のモーターや光源、撮像素子等のデバイスの初期化を行う。このとき、測定モードのフラグE,Mをそれぞれ初期状態である1に設定しておく。
【0130】
Eは人眼の測定モードの種類を表すフラグで、E=1の時はRK連続測定モード、E=2の時はRのみの測定モード、E=3の時はKのみの測定モードである。
【0131】
Mは模擬眼やコンタクトレンズのベースカーブの測定モードの種類を表すフラグで、M=1の時は模擬眼の測定モード、M=2の時はコンタクトレンズ・ベースカーブの測定モードである。
【0132】
次に、S2でマイクロスイッチ91のON・OFF状態を検出することにより、模擬眼85が顎受け台に取り付けられているかどうかを判定する。
【0133】
模擬眼85の取り付けが検出できなければ、S3で測定モード選択スイッチ81が押されたかどうかを検出し、押された場合は測定モードフラグEを1増加させる(S4)。もし、Eが4になっていれば(S5)E=1に値を変更して(S6)から、現在の測定モードの種類を表示装置1の画面上に文字で表示して、操作者が分かるようにする(S7)。
【0134】
S3の判定で、測定モード選択スイッチ81が押されていない場合は、測定スイッチが押されているかどうかを判定し(S8)、押されていればその時の測定モードの実行のアルゴリズムに移る(S9)。押されていなければ、S2の模擬眼85の取り付けを検出する判定に戻る。
【0135】
S2で模擬眼85が顎受け台に取り付けられているのを検出すると、S10で測定モード選択スイッチ81が押されたかどうかを検出し、押された場合は測定モードフラグMを1増加させる(S11)。もし、Mが3になっていれば(S12)M=1に値を変更して(S13)から、現在の測定モードの種類を表示装置1の画面上に文字で表示して、操作者が分かるようにする(S14)。
【0136】
S10の判定で、測定モード選択スイッチ81が押されていない場合は、測定スイッチが押されているかどうかを判定し(S15)、押されていればその時選択されている模擬眼85の測定或いはコンタクトレンズ・ ベースカーブ測定の実行のアルゴリズムに移る(S16)。
【0137】
押されていなければ、S2の模擬眼85の取り付けを検出する判定に戻る。
【0138】
図15は実施の形態2を示す模擬眼99と顔受け部86を表す図面である。
【0139】
顔受け部86の上方のアーム部86c内には模擬眼99の検出ピン99aを嵌入する孔86dが設けられていて、その内部下方には前述のマイクロスイッチ91と同様の役割を果たすマイクロスイッチ100が設置されている。
【0140】
マイクロスイッチ100の検出信号も不図示の信号線によりCPU60に接続されている。
【0141】
模擬眼99の検出ピン99aを取り付け用の孔86dに嵌入して、模擬眼99の取り付けをCPU60が検出すると、実施の形態1と同様に、測定モード選択スイッチ81を押すことによって変更・選択できる測定モードが模擬眼測定又はCLBC測定に切り替わるようになっている。
【0142】
このように模擬眼を顎受け台に搭載しない場合でもその検出は可能である。
【0143】
図16は実施の形態3を示す模擬眼101とコンタクトレンズホルダー98の取り付け状態を示す図である。
【0144】
模擬眼101の保持鏡筒102の側面には溝状開口部102aが設けられていて、その開口部102aからアクチュエータ部103dが突出する状態でリーフスイッチ103が設置されている。
【0145】
リーフスイッチ103は、2枚の導電板103a,103bで絶縁体103cを挟み込んだ構造になっていて、一方の導電板103aの先端にはアクチュエーター部103dが設けられている。
【0146】
リーフスイッチ103は、アクチュエータ部103dに力が掛からない時は、内部の接点103eがオープンになりOFF状態となる。
【0147】
図に示したようにアクチュエータ部103dに上向きの力が加わって上方向に動かされた時は接点103eがクローズとなりON状態になる。
【0148】
コンタクトレンズホルダー98を保持鏡筒102の外径をガイドにして図のように嵌合すると、コンタクトレンズホルダー98によりアクチュエータ部103dを上に押し上げてON状態となるので、その状態を信号線104,105及びそれらに接触する顎受け106に設けられた接点107a,107bを介してCPU60に信号として伝えられる。
【0149】
CPU60は、マイクロスイッチ91の信号とリーフスイッチ103からの信号とで模擬眼101だけが顎受け台106に搭載されている場合と、模擬眼101にコンタクトレンズホルダー98が被せられている場合とを識別できるようになっている。
【0150】
本実施の形態では、実施の形態1,2のように、測定モード選択スイッチ81を押して模擬眼測定とCLBC測定を切り替えなくても、模擬眼101の取り付けが検出されてコンタクトレンズホルダー98の取り付けが検出できない時は、模擬眼測定モードに模擬眼101の取り付けとコンタクトレンズホルダー98の取り付けの両方が検出された時は、コンタクトレンズのベースカーブ測定モードに自動的に切り替わるようにCPU60は制御するようになっている。
【0151】
図17は実施の形態3のフローチャートである。
【0152】
電源投入後、装置を初期化し、S2で模擬眼101の取り付けが検出できなければ、KR連続測定やR単独又はK単独測定のモードでの測定を行うアルゴリズムは実施の形態1のアルゴリズム(図14)と同じである。
【0153】
S2でマイクロスイッチ91がONであることを検出して模擬眼101が取り付けられていることを検知すると、S17でリーフスイッチ103がONになっているかどうかを判定する。
【0154】
リーフスイッチ103がOFFであれば、コンタクトレンズホルダー98が取り付けられていないので、表示装置1に模擬眼測定モードであることを表示(S18)し、測定スイッチが押されているかどうかを判定する(S19)。その時、測定スイッチが押されれば模擬眼測定実行のアルゴリズムに移る(S20)。押されていなければ、S2の模擬眼101の取り付けを検出する判定に戻る。
【0155】
リーフスイッチ103がONであれば、コンタクトレンズホルダー98が取り付けられていてコンタクトレンズの測定を行おうとしているので、表示装置1にコンタクトレンズ・ベースカーブの測定モードであることを表示(S21)し、測定スイッチが押されているかどうかを判定する(S22)。そのとき、測定スイッチが押されれば模擬眼測定実行のアルゴリズムに移る(S23)。押されていなければ、S2の模擬眼101の取り付けを検出する判定に戻る。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼科装置では、
1.模擬眼やコンタクトレンズホルダー等の人眼以外の光学的特性の測定に用いられる測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から被検眼の光学的特性を測定する測定モードと、前記人眼以外の光学的特性を測定する測定モードとの切り換えを制御する制御手段を設けることにより人眼以外の測定の時に操作者が測定モードの切り換えを行わなくても済むため、煩わしい操作から開放され、操作性の良い装置を提供することができる。
【0157】
又、誤った測定モードによる誤操作を防止することができるという効果もある。
【0158】
2.前記測定補助部材は、コンタクトレンズのベースカーブを測定するために装置に取り付けられるコンタクトレンズホルダーであり、前記制御手段は該ホルダーの装置への取り付けを検知した時には前記測定モードをコンタクトレンズのベースカーブ測定のためのモードに切り替えるようにしたことにより、誤った測定モードによる誤操作を防止できるという効果がある。
【0159】
3.前記測定補助部材は、装置の精度チェックのために使用される模擬眼であり、前記制御手段は該模擬眼の装置への取り付けを検知した時には前記測定モードを模擬眼を測定し、装置の精度チェックを行うためのモードに切り替えるようにした。
【0160】
これにより、模擬眼の測定に適した状態で測定できるので、操作性の良い装置を提供することができる。
【0161】
4.前記制御手段は前記検知手段の検知結果から、前記測定補助部材が装置から取り外された時には前記測定補助部材が取り付けられる直前の測定モードに切換を行うようにした。
【0162】
これにより、通常使用される被検眼測定のための測定モードに特別な操作無しで戻るので、操作性の良い装置を提供でき、誤った測定モードによる誤操作を防止できるという効果もある。
【0163】
5.前記測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から前記測定補助部材が装置へ取り付けられていない時は、前記モード切替スイッチにより切換可能な測定モードを人眼の光学的特性の測定モードに設定し、前記測定補助部材が装置へ取り付けられている時は、前記モード切替スイッチにより切換可能な測定モードを測定補助部材の使用により測定する光学的特性の測定モードに設定するように制御するようにした。
【0164】
これにより模擬眼の測定やコンタクトレンズのベースカーブ測定の際の特別な条件や知識無しで操作者は操作することができるので、操作性の良い装置を提供でき、誤った測定モードによる誤操作を防止できるという効果もある。
【0165】
6.装置の精度を検査するために用いられ、装置に取り付け可能な模擬眼において、該模擬眼はコンタクトレンズを固定するコンタクトレンズホルダーを取り付け可能とし、前記模擬眼の装置への取り付けを検知する第1の検知手段と、前記コンタクトレンズホルダーの前記模擬眼への取り付けを検知する第2の検知手段を有し、前記第1と第2の検出結果から装置の測定モードを、前記模擬眼の測定モード又は前記コンタクトレンズの測定モードに切り替えることようにしたことによって、模擬眼測定とコンタクトレンズ・ベースカーブ測定といった人眼以外の測定の時に測定モードを一々模擬眼に適したモードに切り替える必要がなく操作性が良い装置を提供することができ、且つ、模擬眼測定だけでなく人眼測定においても、人眼測定との差異による間違った測定を行う危険性を防止することがきるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るオートレフケラトメーターの外観図である。
【図2】測定部の駆動機構の説明図である。
【図3】測定部の光学配置図である。
【図4】6分割絞り、6分割プリズムの斜視図である。
【図5】アライメントプリズム絞りの斜視図である。
【図6】アライメント状態と観察画面の説明図である。
【図7】ブロック回路構成図である。
【図8】操作パネルの配置図である。
【図9】設定モード画面の説明図である。
【図10】模擬眼の取り付け説明図である。
【図11】模擬眼の断面図である。
【図12】模擬眼の検出機構の説明図である。
【図13】コンタクトレンズホルダーの取り付け説明図である。
【図14】本発明の実施の形態1のフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態2の模擬眼の取り付け説明図である。
【図16】本発明の実施の形態3のコンタクトレンズホルダーの取り付け説明図である。
【図17】本発明の実施の形態3のフローチャートである。
【符号の説明】
80 測定開始スイッチ
81 測定モード選択スイッチ
85 模擬眼
85e 検出ピン
86 顔受け部
90 顎受け台
90a 検出孔
91 マイクロスイッチ
98 コンタクトレンズホルダー
103 リーフスイッチ
Claims (6)
- 人眼の光学的特性を測定する測定モードと、人眼以外の光学的特性を測定するための測定モードを有する検眼手段と、人眼以外の光学的特性の測定に用いられる測定補助部材と、を有する眼科装置において、
前記測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果に基づいて前記測定モードの切り換えを制御する制御手段を有することを特徴とする眼科装置。 - 前記測定補助部材は、コンタクトレンズのベースカーブを測定するために装置に取り付けられ、コンタクトレンズを保持するホルダーであり、前記制御手段は、該ホルダーの装置への取り付けを検知した時には前記測定モードをコンタクトレンズのベースカーブ測定のためのモードに切り替えることを特徴とする請求項1記載の眼科装置。
- 前記測定補助部材は、装置の精度チェックのために使用される模擬眼であり、前記制御手段は、該模擬眼の装置への取り付けを検知した時には前記測定モードを模擬眼を測定して装置の精度チェックを行うためのモードに切り替えることを特徴とする請求項1記載の眼科装置。
- 前記制御手段は、前記検知手段の検知結果から、前記測定補助部材が装置から取り外された時には前記測定補助部材が取り付けられる直前の測定モードに切り換えを行うことを特徴とする請求項1記載の眼科装置。
- 人眼の複数の光学的特性を測定する測定モードと、人眼以外の光学的特性を測定するための測定モードを有する検眼手段と、人眼以外の光学的特性の測定に用いられる測定補助部材と、前記測定モードを切り替えて選択するためのモード切替スイッチと、を有する眼科装置において、
前記測定補助部材の装置への取り付けを検知する検知手段と、該検知手段の検知結果から、前記測定補助部材が装置へ取り付けられていない時は、前記モード切替スイッチにより切り換え可能な測定モードを人眼の光学的特性の測定モードに設定し、前記測定補助部材が装置へ取り付けられている時は、前記モード切替スイッチにより切り換え可能な測定モードを測定補助部材の使用により測定する光学的特性の測定モードに設定する制御手段を有することを特徴とする眼科装置。 - 装置の精度を検査するために用いられ、装置に取り付け可能な模擬眼において、
該模擬眼はコンタクトレンズを固定するコンタクトレンズホルダーを取り付け可能とし、模擬眼の装置への取り付けを検知する第1の検知手段と、前記コンタクトレンズホルダーの前記模擬眼への取り付けを検知する第2の検知手段を有し、前記第1と第2の検出結果から装置の測定モードを、前記模擬眼の測定モード又は前記コンタクトレンズの測定モードに切り替えることを特徴とする眼科装置の模擬眼。
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JP2003174186A JP2005006869A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 眼科装置及び模擬眼 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5406402B1 (ja) * | 2013-04-24 | 2014-02-05 | 日本分光株式会社 | 積分球、および、透過光の測定方法 |
JP2021104313A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-26 | 株式会社トプコン | 眼科装置、その評価方法、プログラム、及び記録媒体 |
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2003
- 2003-06-19 JP JP2003174186A patent/JP2005006869A/ja not_active Withdrawn
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