JP2005005415A - 部品実装装置及び部品実装方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベルト部(3)に無端状につながれて部品取り出し位置と部品実装位置との間を間欠循環駆動される複数の実装ヘッド部(10)に負圧発生部(50)と正負圧切替え部(70)とを設け、実装ヘッド部(10)にある複数の実装ノズル(31)で部品の吸着と同時取り出しを可能にする。負圧発生部(50)は波状に蛇行するカム溝(24)を利用し、実装ヘッド部(10)のピストンチャンバ(51)内でピストン(53)を往復動させて負圧を発生させ、負圧チャンバ(52)内に蓄積する。負圧はベルト部(3)の全実装ヘッド部(10)で共有される。正負圧切替え部(70)は実装ノズル(31)の上下動を回転運動に変換して正負圧のバルブを切替えるロータリカムから構成される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品などの部品を回路基板の実装位置に実装する部品実装装置、及び部品実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
部品実装装置は、部品供給装置によって部品供給部に供給された部品を取り出し、当該部品を位置決め保持された回路基板と対向する位置まで搬送して当該回路基板の所定実装位置に実装する装置である。一般に部品実装装置は、部品の取り出しと実装とを行う実装ノズルを備えた実装ヘッド部と、前記実装ヘッド部を部品取り出し位置と実装位置の間で搬送する搬送部と、回路基板を規制して保持する基板保持部と、前記実装ノズルに保持された部品の保持状態を認識する部品認識部とを備えている。所定実装位置への部品実装を行うため、部品認識部による認識結果に基き、部品と回路基板とのいずれかの側において位置及び角度(θ回転)の補正が加えられる。
【0003】
このような部品実装装置として従来から各種方式のものが知られており、その内の主要なものとして以下の3つがある。1つはXYロボット方式で、XYロボットを利用して実装ヘッド部をX、Y両方向(水平方向)に搬送し、実装ヘッド部を部品取り出し位置と実装位置との間で往復移動させる。部品認識部の認識情報に基く位置・角度の補正は、全てこの実装ヘッド部側(すなわち、部品側)で行う(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上述したXYロボット方式の部品実装装置によれば、実装ヘッド部がX、Y両方向の任意の位置に移動可能であることから、部品供給部を固定式にすることができ、このため実装する部品種類に応じた様々な供給形態に対しても柔軟に対応することができる。また、重量物である部品供給部が固定されるため、設備の騒音、振動を小さくすることができる利点もある。反面、部品実装の度に、実装ヘッド部を部品取り出し位置から部品実装位置へ、その後は元の部品取り出し位置へと往復搬送する必要があり、1タクト内に占めるXYロボットの移動時間比率が高く、実装スピードの高速化が難しいという欠点を有する。
【0005】
2つ目はロータリーヘッド方式の部品実装装置で、複数の実装ノズルを円周状に均等間隔で配したインデックスと呼ばれる実装ヘッド部が間欠回転運動を行い、その間に前記複数の実装ノズルが同時並行で部品の取り出しから実装までを行う。この方式によれば、前記インデックスの回転軌跡が固定されるため、前記認識情報に基く部品の位置、角度補正の内の回転補正(θ回転)のみを実装ヘッド部側で行い、位置の補正は回路基板を保持するXYテーブルを利用して行う(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
このロータリヘッド方式によれば、部品の取り出しと実装とを同時並行で行えることから、実装スピードの高速化が得やすいという利点がある。反面、上述したインデックスの回転軌跡が固定されるため、実装される部品の取り出しに対応して部品供給部を移動させる必要が生ずる。このために供給できる部品の種類が制限されることがあり、また、部品種類が多種に亘る場合には大型の部品供給部を頻繁に移動しなければならず、振動、騒音の原因となり、また、実装ヘッド部を搬送する場合に比べて多大の搬送エネルギを必要とする。重量物となる部品供給部の高速での移動、停止には限界があり、これが本来の長所である実装スピード高速化への足かせともなり得る。
【0007】
3つ目はシーケンス方式の部品実装装置で、部品供給部から電子部品を1つずつベルト部に配されたチャックに挟持させ、ベルト部が移動して部品挿入位置に到達した際に部品を挿入ヘッドに移載し、この挿入ヘッドが回路基板の所定挿入穴に前記部品を挿入する。この形式では、ベルト部に配された複数のチャック、及び部品の移載を受ける挿入ヘッドの移動軌跡が固定され、認識結果に基く部品の位置・角度補正の内、角度の補正(θ回転)のみを挿入ヘッド側で行い、位置の補正はXYテーブルを用いて回路基板側で行う(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
シーケンス方式の部品実装装置によれば、ベルト部の移動ルートを調整して部品取り出し位置において複数のチャックを複数の部品供給装置と同時に対向させることができ、部品供給部からの部品の取り出しが効率的となり、また部品供給部を固定させることができる。しかしながら、前記挿入ポイントにおいて部品を一旦挿入ヘッドに移載する必要があり、移載チャックの往復移動によって実装タクトを悪化させる要因になっている。また、前記ベルト部は、部品供給部から供給される部品を単純にチャックに挟持させ、挿入ポイントで挿入ヘッドへこの部品を移載するだけの機能しか持っていない。すなわち、従来技術によるシーケンス方式では、負圧を利用した実装ノズルによる部品の取り出し、実装を行うことができない。これはベルト部への負圧の供給が技術的に困難であることに起因している。さらに、チャックによる機械的な部品の挟持では、部品の大きさや位置精度に限界があり、したがって微細部品には対応できないという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平2−10894号
【特許文献2】
特開昭63−178590号
【特許文献3】
特開2002−141697号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
昨今の部品実装の分野では、電子機器の多機能化、軽量小型化に呼応して回路基板への部品実装密度が高まっている。このため、一方では0603チップ部品(0.6mm×0.3mmサイズ)に代表される部品の小型化が図られ、他方では短時間での大量の部品の実装を実現する実装スピードの高速化が求められている。さらには振動や騒音等に起因する作業環境への悪化対応、これに基く品質低下の防止ニーズも強い。
【0011】
本発明は、従来技術で知られた各種部品実装装置が備えるそれぞれの長所を最大限に生かし、かつこれらに内在する問題点を排除することによって、高速でしかも微細部品をも含めた幅広い部品種類に対応でき、かつ騒音、振動による作業環境の悪化を回避することができる新たな部品実装装置並びに部品実装方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ベルト部で循環移動される実装ヘッド部に負圧の発生及び正圧・負圧の切替えを可能とする機構を設け、実装ノズルを利用した複数部品の同時取り出しを実現して部品供給部の移動必要性を回避し、さらに部品取り出し及び部品実装を同時並行的に実施して部品実装の高速化を可能とすることによって上述の目的を果たすもので、具体的には以下の内容を含む。
【0013】
すなわち、本発明にかかる1つの態様は、複数の部品供給装置を搭載して部品実装装置へ部品を供給する部品供給部と、回路基板を搬送して位置決め保持する基板保持部と、前記部品供給部から部品を取り出し前記回路基板の実装位置に実装する複数の実装ノズルと、部品取り出し位置と部品実装位置との間で前記複数の実装ノズルを循環移動させる搬送部とから構成され、部品の取り出しと部品の実装とを同時並行して行う部品実装装置であって、前記部品取り出し位置で複数部品の同時取り出しが可能となるよう構成されている部品実装装置に関する。
【0014】
前記部品供給部は移動させることなく、前記部品実装装置の本体側に固定することができる。前記搬送部は、それぞれに前記実装ノズルを備えた複数の実装ヘッド部を無端状につないで間欠循環移動させるベルト部から構成することができる。前記部品供給部と前記搬送部とは、2組を配備することが生産性を高める観点から好ましい。この際、双方の前記部品実装位置を互いに近接させてほぼ点対称に配置することがより好ましい。
【0015】
本発明にかかる他の態様は、部品実装装置へ部品を供給する部品供給部と、回路基板を搬送して位置決め保持する基板保持部と、前記部品供給部から部品を取り出して前記回路基板の実装位置に実装する実装ノズルをそれぞれ備えた複数の実装ヘッド部と、前記複数の実装ヘッド部を無端状につないで部品取り出し位置と部品実装位置との間を間欠循環移動させるベルト部とから構成される部品実装装置であって、前記実装ヘッド部が、前記実装ノズルによる部品吸着に使用可能な負圧を発生する負圧発生部を備えている部品実装装置に関する。
【0016】
前記負圧発生部は、前記実装ヘッド部に設けられた気密チャンバ内で往復動するピストンと、前記ピストンの往復動で発生する負圧を前記実装ヘッド部内に閉じ込めるチェックバルブと、前記ピストンを往復動させる駆動機構とから構成することができる。また、前記駆動機構は、前記ピストンに固定されたカムフォロアと、前記カムフォロアに係合し前記実装ヘッド部の間欠循環移動を利用して前記カムフォロアを往復動させる、前記間欠循環移動の間の少なくとも一部の区域に形成されたカム溝とから構成することができる。
【0017】
前記負圧発生部は、前記実装ヘッド部内に負圧を閉じ込めてより低い圧力の負圧の導入を許容するチェックバルブと、前記実装ヘッド部の間欠循環移動の間の一部の区間で前記チェックバルブに係合して負圧を供給する負圧供給機構と、前記負圧供給機構を前記間欠循環移動と同期して搬送する搬送装置とから構成することができる。前記ベルト部でつながれた複数の実装ヘッド部の各負圧発生部の間を連結チューブで連通させることにより、各実装ヘッド部の負圧発生部で発生した前記負圧を前記ベルト部につながれた全ての実装ヘッド部で共有することができる。
【0018】
本発明にかかる更に他の態様は、前記実装ヘッド部が、前記実装ノズルによる部品実装時の部品の解放に利用可能な正圧を発生する正圧発生部を更に備えていることを特徴とする部品実装装置に関する。
【0019】
前記正圧発生部は、前記実装ヘッド部に設けられた気密チャンバ内で往復動するピストンと、前記ピストンの往復動で発生する正圧を閉じ込めるアキュムレータと、前記ピストンを往復動させる駆動機構とから構成することができる。さらに前記ピストンは、前記負圧発生部で使用されるピストンを共用することが好ましい。
【0020】
本発明にかかる更に他の態様は、実装ヘッド部が、前記負圧発生部に加え、前記負圧発生部で発生する負圧と外部から導入される正圧とを切替えて前記実装ノズルへ供給可能な正負圧切替え部を更に備えている部品実装装置に関する。前記正負圧切替え部は、前記実装ノズルを保持するシャフトの上下動を回転運動に変換して正圧・負圧の供給経路を切替えるロータリカムから構成することができる。
【0021】
本発明にかかる更に他の態様は、複数の実装ノズルを部品取り出し位置と部品実装位置との間で間欠循環移動させ、前記複数の実装ノズルにより部品の取り出しと部品の実装とを同時並行して行う部品実装方法であって、前記部品取り出し位置で複数部品の同時取り出しを可能とする部品実装方法に関する。
【0022】
本発明にかかる更に他の態様は、複数の実装ヘッド部を連続してつないだ無端状のベルト部を部品取り出し位置と部品実装位置との間で間欠循環移動させ、部品供給部からの部品の取り出しと回路基板への部品の実装とを同時並行して行う部品実装方法であって、前記部品の取り出しと部品の実装とを、前記実装ヘッド部が備える実装ノズルに正圧、負圧を供給することにより行う部品実装方法に関する。
【0023】
前記実装ノズルへ供給される負圧は、前記実装ヘッド部の内部で発生させることができ、あるいは、前記実装ヘッド部の循環移動の間のいずれかの区域で外部の負圧発生源から供給することができる。前記負圧は、前記ベルト部につながれた全ての実装ヘッド部で共有されていることが好ましい。
【0024】
また、前記実装ノズルへ供給される正圧は、前記実装ヘッド部の内部で発生させることができ、あるいは、前記実装ヘッド部の循環移動の間の部品実装位置、その他必要な位置で外部の圧縮エア発生源から供給することができる。
【0025】
本発明にかかる更に他の態様は、前記ベルト部の循環移動によって部品取り出しと部品実装とを同時並行して行うことに加え、前記部品取り出し位置において複数の部品を同時に取り出すことを特徴とする部品実装方法に関する。
【0026】
前記ベルト部と前記部品供給部のセットは2組を配備するものとし、当該2組を利用して連続して交互に部品実装を行うこと、あるいは、前記2組の内のいずれか一方で部品実装を行う間、いずれか他方で次の生産機種への段取り替えを行うことが好ましい。この際、双方の部品実装位置を互いに近接させてほぼ点対称となるよう配置することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる第1の実施の形態の部品実装装置につき、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかる部品実装装置の概要、及び主要構成要素を示している。図において、部品実装装置1は、部品実装装置1へ部品を供給する部品供給部2と、部品の取り出しと実装を行う実装ヘッド部10と、実装ヘッド部10を多数つないで循環移動させる搬送部(以下、「ベルト部」という。)3と、回路基板を搬送して位置決め保持する基板保持部4と、部品実装装置1全体の動作を制御する制御部5とから主に構成されている。図示の例では、部品供給部2とベルト部3のセット2組が、図面の中央に見られる双方の部品実装位置を互いに近接させてほぼ点対称に配置されている。
【0028】
部品供給部2には、部品供給装置であるパーツカセット7が、図のX方向に沿って複数配列されており、各パーツカセット7は、取り付けられたリール8から部品供給テープを引き出して必要な部品を部品実装装置1へ順次供給する。なお、パーツカセット7は例示であって、部品供給装置にはこの他に部品を平板状に保持するパレットなどがあり、これら他の部品供給手段も本実施の形態に適用することが可能である。
【0029】
ベルト部3は、複数の実装ヘッド部10を無端状に結合して保持し、モータ11などの駆動源を利用する駆動輪12によって間欠循環駆動される。このベルト部3の循環移動は、ベルト部3の上下方向に配置された図1には表示しないレール97、98(図3(b)に表示)によって規制ガイドされている。ベルト部3は、複数のパーツカセット7の配列方向と平行に図のX方向に沿って移動する部品取り出し領域Aと、その後屈曲して実装位置まで移動する部品搬送領域Bと、回路基板に対向して部品実装を行う部品実装領域Cと、部品実装の後に部品取り出し領域Aまで戻る帰還領域Dとの4つの領域を巡って循環する。
【0030】
各領域の内、部品取り出し領域Aでは、配列された複数のパーツカセット7を順次通過する間に、ベルト部3に保持された各実装ヘッド部10が所定の部品を取り出すことができる。部品取り出し領域A内においては、複数の実装ヘッド部10が複数のパーツカセット7と同時に対向する関係にあることから、この間で複数部品を同時に取り出すことができる。部品の取り出しは、実装ヘッド部10が備える実装ノズルに負圧を供給して吸着することによって行い、この詳細については後述する。
【0031】
図2は、図1に示す主要構成要素の一部を更に拡大して示している。図2において、部品取り出し領域Aでは、ベルト部3に保持された実装ヘッド部10に対し、実装装置の本体側からアクチュエータ16が下降可能に配置されている。図2では、1つの実装ヘッド部10aが備える実装ノズル31の数に対応して4本のアクチュエータ16のみを代表して示しているが、実際には部品取り出し領域A内に位置する複数の実装ヘッド部10が備える全ての実装ノズル31の数だけ配置されている。相隣接する実装ノズル31間のピッチと、相隣接するパーツカセット7間のピッチとは互いに等しいか、もしくは一方が他方の整数倍に構成されている。
【0032】
ベルト部3の間欠循環移動により、所定の部品を供給するパーツカセット7に対向する位置に特定の実装ノズル31が位置決めされると、その真上にあるアクチュエータ16が下降して実装ノズル31を押し下げ、この際に実装ノズル31に作用する負圧によって部品を吸着して取り出す。
【0033】
次に、部品搬送領域B内では、実装ヘッド部10と対向する位置に認識部(以下、「認識カメラ」という。)18が配置され、実装ノズル31に保持された部品を撮像してその情報を制御部5(図1参照)に送信する。制御部5では、送られた情報を基に保持された部品と実装ノズル31との間の予め定められた保持姿勢に対する位置、角度のずれ量を算出する。部品搬送領域B内では、実装ノズル31が引き続いて部品を保持するため、実装ノズル31の負圧は保たれたままである。
【0034】
次に、部品実装領域Cには、部品実装装置1に搬入された回路基板19が基板保持部4により規制保持されて実装ヘッド部10に対向している。基板保持部4は、XYテーブル21によって回路基板19をX、Y双方向に搬送可能に構成されている。制御部5は、先の部品保持状態の位置ずれ量の演算結果に基いて、必要な位置の補正量をXYテーブル21に指令し、XYテーブル21はこれに基いて回路基板19を所定の実装位置に位置決めする。
【0035】
実装装置本体側の部品実装位置には、図に部分のみを示す実装操作シャフト22とエアブロー23とが配置されている。実装操作シャフト22は、部品実装位置にある実装ヘッド部10に向けて下降してこれと係合し、まず制御部5からの指令に基く角度のずれ量を補正するためのθ回転を実装ノズル31に与える。次に、実装ノズル31を押し下げて保持された部品が回路基板19に達する位置までこれを下降させる。部品が回路基板19に当接した瞬間に負圧が解除され、同時にエアブロー23から圧縮空気の吹き出しによる正圧が実装ヘッド部10に加えられ、実装ノズル31から部品を解放して実装を完了する。
【0036】
次に、帰還領域Dでは、もはや実装ヘッド部10に部品は保持されておらず、したがって実装ヘッド部10には特別な場合を除いて正圧・負圧ともに供給はされない。本実施の形態では、ベルト部3がこの帰還領域D内を移動する間に実装ヘッド部10の負圧を発生させるものとしており、このため、ベルト部3に係合するカム溝24を設けている(図では奥側に描かれたベルト部3に係合するもののみ表示している。)。このカム溝24は、図の破線で示すように上下方向に波状に蛇行する溝から構成され、この中を実装ヘッド部10側に設けたカムフォロアが移動して実装ヘッド部10内に負圧を発生させる。この構成は後に詳述する。
【0037】
帰還領域Dにはさらに、各実装ノズル31による次の部品の取り出しに備え、実装ヘッド部10の先端にある実装ノズル31を部品に対応して適切なものに切替えるノズル切替えシャフト25が設けられている。
【0038】
図2においては、上述した構成要素の一部が便宜上2組のベルト部3のいずれか一方にのみ表示されているものがあるが、各構成要素はいずれも双方のベルト部3に点対称で配置されている。なお、無端状のベルト部3を形成するため、複数の実装ヘッド部10を屈曲可能につなぎ合わせる樹脂製の連結部材、及び形成された無端状のベルト部3を位置決め規制しつつ駆動するための駆動機構などが設けられているが、これらは既に従来技術で知られたものであり、詳細説明は省略する(例えば、特許文献3参照。)。
【0039】
以上は、本実施の形態にかかる部品実装装置1の概要である。本発明では、従来技術によるシーケンス方式の部品実装装置に見られるベルト部を利用した搬送手段に対し、新たに負圧発生部と正負圧切替え部を提供し、これによってベルト形式の実装ヘッド部であっても負圧を利用した吸着による部品の取り出し、搬送、さらには実装を可能にすることを意図している。これまでの概要説明を踏まえ、以下にこの特徴部分の構成をより詳細に説明する。
【0040】
図3は、本実施の形態で使用される実装ヘッド部10の正面(a)及び側面(b)を示している。本実施の形態の実装ヘッド部10は、図示のように4つの実装ノズル31を備えており、この実装ヘッド部10が図示しないベルト部材で複数配列されて無端状のベルト部3を構成する。
【0041】
実装ヘッド部10は、大きく区分して(1)実装ノズル31から構成される部品の取り出しと実装とを行うノズル部30、(2)実装ヘッド部10に負圧を発生させてノズル部30での部品の吸着を可能にする負圧発生部50、(3)負圧と正圧とを切替えてノズル部30での部品の取り出しと実装とを可能にする正負圧切替え部70、(4)ベルト部3による実装ヘッド部10の循環移動に際して実装ヘッド部10を規制ガイドするガイド部90、から構成される。以下、この主要構成要素の詳細を個別に説明する。
【0042】
1.ノズル部
図3(a)、(b)を参照して、ノズル部30は、複数の個別ノズルを有する実装ノズル31と、実装ノズル31を回転中心で支持する支点ピン32と、支点ピン32を回転自在に保持するノズル保持部37とから構成されている。実装ノズル31は、実装される部品の種類に対応して形状、大きさを異にする複数の個別ノズルを放射状に配置している。これらの個別ノズルは、支点ピン32を中心に実装ノズル31を回転させることによって最適なものを選択することができる。支点ピン32の先端には、この選択を可能にするための凸状部33が設けられ、この凸状部33には実装装置本体側から延びるノズル切替シャフト25(図2参照)が嵌って支点ピン32を回転させる。
【0043】
図4は、実装ノズル31の詳細を示している。放射状に均等間隔で延びる6つの個別ノズル31a〜31fの各々は、負圧もしくは正圧の導通が可能となるよう中空状に形成され、各中空部には図面に垂直に設けられる個別の開口部34a〜34fがそれぞれ連通している。なお、図示の例では、実装ノズル31が6つの個別ノズル31a〜31fを備えているが、この個別ノズルの数は任意である。また、各個別ノズルの形状は単なる例示である。
【0044】
図5は、実装ノズル31を回転可能に保持するノズル保持部37を下端に備え、上端に係合部38を設けたセンターシャフト35を示している。このセンターシャフト35は、実装ヘッド部10に組み付けられた状態で両先端にあるノズル保持部37と係合部38とがそれぞれ実装ヘッド部10の外部へ突出している(図3(a)、(b)参照)。ノズル保持部37には、実装ノズル31を保持する支点ピン32を回転自在に取り付けるための支持穴39が設けられている。
【0045】
センターシャフト35にはさらに、外部からの負圧・正圧を導入するための開口部41がシャフト軸に対して垂直に開けられ、さらにシャフト中心部にはシャフト軸に沿ってこの開口部41からつながるエア経路42が設けられ、この経路は更に下がってノズル保持部37内部の開口部43に開口している。開口部41から導入された負圧又は正圧は、この開口部43に対向してつながる前記の選択された個別ノズル31a〜31fのいずれかの開口部34a〜34fに供給される。選択されていないその他の個別ノズル31a〜31fの開口部34a〜34fは、ノズル保持部37の対向面46で閉鎖され、負圧・正圧が供給されることはない。
【0046】
2.負圧発生部
次に、実装ヘッド部10の内部に設けられる負圧発生部50について説明する。図6、図7は、それぞれ図3(a)に示す実装ヘッド部10のA−A断面とB−B断面を示している。図6に示すA−A断面において、実装ヘッド部10には一対の気密チャンバ51、52が設けられている。この内、一方の気密チャンバ51には、ピストン53が上下動自在に嵌装され(以下、これを「ピストンチャンバ51」という。)、他方のチャンバ52は、発生した負圧を内部に蓄える空洞として機能する(以下、これを「負圧チャンバ52」という。)。ピストンチャンバ51と負圧チャンバ52とは、2つの貫通エア経路54、55によって相互につながれている。
【0047】
ピストン53には、実装ヘッド部10の外部に気密状態で突出するカムフォロア57が取り付けられている。このカムフォロア57は、実装装置本体側に設けられたカム溝24(図2参照)に嵌るよう構成されている。ピストンチャンバ51内には、ピストン53によって区画される上方チャンバ58と下方チャンバ59とが形成される。図示の状態では上方チャンバ58が圧縮され、下方チャンバ59には空洞が空いている。この上方、下方の両チャンバ58、59には、それぞれ圧縮される空気を排出するための排出エア経路61、62が設けられる。他方、負圧チャンバ52には、下方に負圧供給経路63が設けられている。
【0048】
図7に示す実装ヘッド部10のB−B断面において、実装ヘッド部10には、ピストンチャンバ51内で圧縮される空気が排出される場合のみ開口する2つのチェックバルブ64、65が取り付けられている。この内、図7の右側に示すチェックバルブ64は、エア経路67を介して図6に示す上方チャンバ58の排出エア経路61につながっており、この経路を通して導入される上方チャンバ58で圧縮された空気を外部へ排出することができる。他方、図7の左側に示すチェックバルブ65は、図6に示す下方チャンバ59の排出エア経路62につながっており、この経路を通して導入される下方チャンバ59で圧縮された空気を外部へ排出することができる。
【0049】
なお、本実施の形態にかかる実装ヘッド部10では、一対のチェックバルブ64、65に対して2組のピストンチャンバ51と負圧チャンバ52とが対応しており(図3(a)参照)、したがってチェックバルブ64は2つの上方チャンバ58に、チェックバルブ65は2つの下方チャンバ59にそれぞれつながっている。
【0050】
以上のように構成された負圧発生部50の動作を説明する。実装ヘッド部10がベルト部3によって循環移動され、帰還領域Dを通過する際に、帰還領域Dに配置されたカム溝24(図2参照)内にカムフォロア57が嵌り、カム溝24に設けられた上下方向に波状に蛇行する溝によってピストン53が上下に往復駆動される。今、図6に示すように上方にあるピストン53がカム溝24の作用で下方に押し下げられると、このピストン53の移動によってまず下方の貫通エア経路55が閉じられる。更にピストン53が押し下げられると、下方チャンバ59内の空気が圧縮され、圧縮された空気は排出エア経路62を通ってチェックバルブ65に至り、ここから大気へ放出される。
【0051】
ピストン53の下方移動の間、ピストン53上方の上方チャンバ58内では内部の圧力が低下する。この圧力の低下は、排出エア経路61を通ってエア経路67(図7参照)に伝わるが、チェックバルブ64が大気側からの空気の流入を阻止しているため、上方チャンバ58内は負圧状態が維持される。その後、ピストン53が一番下まで下降すると、貫通エア経路54が開いて上方チャンバ58と負圧チャンバ52とが導通し、貫通エア経路54を通って負圧チャンバ52内の空気が上方チャンバ58に流れ、負圧チャンバ52内の圧力が低下する。この負圧は、負圧供給経路63(図6参照)を介して後述するように実装ノズル31に伝えられる。
【0052】
以上の状態から次にピストン53から上方に引き上げられると、ピストン53によってまず貫通エア経路54が閉じられ、上方チャンバ58と負圧チャンバ52との導通が遮断される。さらにピストン53が引き上げられると上方チャンバ58内の空気が圧縮され、圧縮された空気は排出エア経路61、エア経路67を通ってチェックバルブ64から大気に放出される。これと同時に、チェックバルブ65によって外気の流入が阻止された下方チャンバ59内の空気の圧力が下がり、ピストン53が一番上まで引き上げられたときに下方の貫通エア経路55が開く。これによって負圧チャンバ52内の空気が貫通エア経路55を通って下方チャンバ59に流れ込み、負圧チャンバ52内の圧力が低下する。
【0053】
以上の動作を繰り返すことにより、ピストン53の上下移動の度に、圧力の低下した上方チャンバ58、下方チャンバ59に負圧チャンバ52内の空気が流れ込み、負圧チャンバ52内の空気の圧力は常に低下した状態、即ち負圧状態に保たれる。ピストン53の上下移動によって上、下方両チャンバ58、59内に圧縮される空気はチェックバルブ64、65を通って大気へ放出されるため、余剰の圧力がピストン53に負荷をかけることはない。以上のように、本実施の形態の負圧発生部50では、2つのチャンバ51、52が、往復動真空ポンプと真空タンク同様の役割を果たすよう構成されている。また、本実施の形態では1つの実装ヘッド部10に2つの負圧発生部50が設けられ、この2つの負圧発生部50から4つの実装ノズル31に負圧が供給されている。
【0054】
図8は、図3(a)に示す実装ヘッド部10の背面図を示している。この図では、中央にある実装ヘッド部10が、2点鎖線で示す2つの隣接する実装ヘッド部10a、10bとつながれてベルト部3を形成した状態を示している。実装ヘッド部10からは両隣の実装ヘッド部10a、10bに対して連結チューブ68が延びている。この連結チューブ68は、各実装ヘッド部10の負圧経路を連結するもので、この連結によって上述した1つの実装ヘッド部10の負圧発生部50で発生した負圧は、ベルト部3で結ばれた他の全ての実装ヘッド部10に供給される。換言すれば、ベルト部3で結ばれた各実装ヘッド部10の負圧発生部50は、順次交代で負圧を発生させ、発生した負圧は相互に供給し合ってベルト部3全体で負圧を共有するものとなる。このため、カム溝24は、例えば図2に示すような帰還領域Dの一部など、ベルト部3が循環移動する間の僅かな範囲のみに配置されるだけでよく、各実装ヘッド部10は循環移動のどの位置にあっても負圧を確保することができる。連結チューブ68は、図8の2点鎖線で示すように、ベルト部3が循環移動時にカープで屈曲してもこれに追従する柔軟性を有している。
【0055】
なお、本実施の形態ではピストン53の往復動をカム溝24を利用して行うものとしているが、ピストン53を往復駆動させる機構はこれには限定されない。例えば、循環移動する実装ヘッド部10と同期して並行移動する上下往復動可能な流体シリンダが実装ヘッド部10に対向し、カムフォロア57に代わってピストン53に固定されるボス部をチャックしてこれを往復動させる機構などが利用可能である。
【0056】
また、全ての実装ヘッド部10の間で負圧が共有されていることから、負圧の要求度合いによっては必ずしも実装ヘッド部10の全てにピストン53を備え、全ての実装ヘッド部10で負圧を発生させる必要はない。1つおき、あるいは2つおきの実装ヘッド部10にのみピストン53を備え、これらで発生する負圧を連結チューブ68を介して全ての実装ヘッド部10で共有して使用するなどにより、ベルト部3全体としてのコスト、重量の低減を図ることができる。さらに、本実施の形態で示す実装ヘッド部10には4つの実装ノズル31に対して2つのピストンチャンバ51を設けるものとしているが、実装ノズル31の数やピストンチャンバ51の容量に応じてこのピストンチャンバ51の数は適切に選択することができる。
【0057】
3.正負圧切替え部
次に、正負圧切替え部70について図面を参照して説明する。図3(a)の実装ヘッド部10の一番右側に示す実装ノズル31に当たる部分では、実装ヘッド部10のボデーの一部を切り欠いて内部にある正負圧切替え部70の主要構成要素を示している。その構成要素には、実装ノズル31を回転可能に保持するセンターシャフト35(図5参照)と、いずれもセンターシャフト35と同軸に配置されるスライダ71、サブカム72、メインカム73とが含まれている。これらの構成要素により、センターシャフト35の上下動をセンターシャフト35の軸を中心とする回転運動に変換可能なロータリカムが構成される。このロータリカムの回転運動により、実装ノズル31へ供給すべき負圧、正圧を調整する負圧回路、正圧回路を適宜切替えることができる。
【0058】
図3(a)において、センターシャフト35は、部品取り出し及び部品実装の際に、ノズル部30を下方に移動させるために押し下げられる。センターシャフト35が押し下げられると、スライダ71も同時に押し下げられ、さらにこのスライダ71によってサブカム72も押し下げられる。メインカム73はその底面が実装ヘッド部10のボデーに接しているため押し下げられることはなく、したがってスライダ71とサブカム72とは、メインカム73に設けられた中空円筒状の空洞部内に押し込まれる。サブカム72とメインカム73の間には図3には表示されないスプリング84(図10に表示)が配置されている。センターシャフト35が押し下げるられる際にこのスプリング84が圧縮され、センターシャフト35が元の高さまで戻る際の付勢力を提供する。スライダ71は、実装ヘッド部10のボデーに対して相対回転をしないように構成され、これに対してサブカム72とメインカム73とは、スライダ71に対して両者同時に回転可能に形成されている。
【0059】
図9(a)と(b)とは、それぞれサブカム72、メインカム73の側面図を示している。図9(a)に示すサブカム72は、中空円筒形状で、外周部に波形の段差が設けられ、その段差がカム部74を形成している。軸方向下方には、半径方向外部に突出する回り止め用の一対の突起部75を備えている。一方、図9(b)に示すメインカム73は、やはり中空円筒形状で、その軸方向上方には、傾斜部77と軸方向に延びる切り欠き部78とからなるカム部79が形成されている。軸方向下方には、中央の空洞部から半径方向外部に向けて放射状に開口する3つのエア経路81が均等間隔で形成されている。図9(b)のZ方向下方から見たメインカム73の底面には、図9(c)に示すように、負圧回路を切り換えるための3つの開口部86が均等間隔で軸方向に開けられ、さらに各開口部86から円周方向両側に向けて円弧状溝87が掘り込まれている。
【0060】
図10は、以上のように構成された正負圧切替え部70の分解図を示している。軸方向に並ぶこれら構成要素の内、両端に位置する係合部38とノズル保持部37とは、いずれもセンターシャフト35の一部であるが、理解容易化のため図ではセンターシャフト35の中央部分を省略して示している。その他の各構成要素は、センターシャフト35の外周にセンターシャフト35と同軸に組み付けられる。軸方向上方(図面右側)に位置するスライダ71は、軸方向に延びる一対の爪82を備え、この爪82は、サブカム72のカム部74と、メインカム73のカム部79とのいずれにも係合可能となる半径方向の幅を有している。スライダ71の外周部には、回り止め83が設けられ、これによってスライダ71は実装ヘッド部10のボデーとは相対回転しないよう構成される。
【0061】
サブカム72はメインカム73の空洞部にスプリング84を介してスライド移動可能に嵌め込まれる。この際、サブカム72の外周に設けられた回り止め用の一対の突起部75は、メインカム73中空部内に設けられた図示しない溝に嵌り、これによってサブカム72とメインカム73との両者間の相対回転が阻止される。但し、両者間の軸方向へのスライド移動は許容されている。メインカム73の下方(図の左方向)への移動が実装ヘッド部10のボデーで阻止されているため、サブカム72はスプリング84の作用で常時上方へ付勢される。このため、サブカム72のカム部74は、スライダ71の爪82の先端と常に接した状態で維持される。なお、メインカム73の底面にある開口部86に対向して、図10には表示しない実装ヘッド部10のボデー側にある開口部88(図12参照)が開口している。
【0062】
図10に示すスライダ71、サブカム72、メインカム73相互間の相対関係を、平面状に展開して図11に示している。図11の左側端末から右側端末までが360°(全周)で、その間にスライダ71の爪82が180°間隔で2つ配置されている。図示のように、爪82の先端には、右側に向けて下降する傾斜が設けられている。サブカム72とメインカム73の両カム部74、79は、それぞれ60°間隔で6つの山・谷を形成している。サブカム72のカム部74には、山の右側に急な傾斜面74a、左側に緩やかな傾斜面74bがそれぞれ形成されている。メインカム73のカム部79は、上述した傾斜部77と切り欠き部78とから形成され、傾斜部77は右側に向けて下降している。
【0063】
スライダ71、サブカム72、メインカム73がセンターシャフト35に組み付けられた状態で、サブカム72はスプリング84の付勢力によって上方に押されている。この付勢力が作用する結果、爪82の先端は常に2つの傾斜面74a、74bの間の谷に接した状態で安定する。図11に示すセンターシャフト35が押し下げられていない状態で、爪82とメインカム73とは僅かな隙間を設けて非接触の状態にある。カム部74の谷と、カム部79の傾斜部77の山との間には図示のように8°のオフセットが設けられている。サブカム72とメインカム73とは相対回転をしないため、このオフセット量は常時不変である。以上のように形成されたロータリカムにつき、以下にその動作を説明する。
【0064】
図12(a)〜(d)は、センターシャフト35の上下動を回転運動に変換し、この回転運動を利用して負圧・正圧の切替えを行う本実施の形態の正負圧切替え部70の動作を示している。各図の右側に示す図は、メインカム73の底面に設けられた開口部86および円弧状溝87と、これに対向して実装ヘッド部10のボデー側に設けられる開口部88(破線の円形で表示)との相対位置関係を示したもので、それぞれ図の左側に示すロータリカムの係合状態と対応している。実装ヘッド部10のボデー側に設けられる開口部88は、負圧チャンバ52に開口する負圧供給経路63(図6参照)につながっている。
【0065】
図12(a)は、実装ノズル31が部品を保持していない状態、すなわち、実装ヘッド部10が帰還領域Dを循環移動している間に該当する。この状態におけるスライダ71、サブカム72、メインカム73の間の関係は、図11に示す状態と同様である。図12(a)の右側の図において、この状態では、負圧チャンバ52に通じる開口部88は、メインカム73の底面の開口部86のいずれとも導通しておらず、したがって実装ノズル31に負圧は供給されていない。また、後述するエアブロー23からの正圧も供給されていないことから、実装ノズル31には負圧、正圧のいずれも供給されない状態にある。
【0066】
次に、図12(b)は、実装ヘッド部10が部品取り出し領域Aを循環移動する間で、部品を取り出す時の状態に該当する。この状態では、実装装置本体側からアクチュエータ16(図2参照)が下降し、センターシャフト35がスプリング84を圧縮しつつ押し下げられる。この際、同時に押し下げられるスライダ71の爪82が、まず、接触状態にあるサブカム72をそのまま押し下げ、さらにメインカム73の1つのカム部79aにある傾斜部77に接触する。スライダ71が更に押し下げられると、爪82が傾斜部77に沿って下降し、この際スライダ71は回り止め83(図10参照)の作用で回転しないため、メインカム73を図の矢印に示す方向に回転させつつ下降し、切り欠き部78に入り込む(図示の状態)。このときの回転角は図11に示すように52°である。
【0067】
上述のように、サブカム72とメインカム73とは相対回転をしないため、メインカム73の回転によってサブカム72も同時に回転する。サブカム72が回転することにより、爪82の先端は、サブカム72のカム部74の緩やかな傾斜面74bを昇り切り、山の1つを越えた直後の急な傾斜面74aの途中まで移動して停止する。この状態でサブカム72とメインカム73の間に配置されたスプリング84は最大限に圧縮されている。
【0068】
なお、図12(a)〜(d)では、便宜上、爪82の位置を図の右方向に順次移動して描いているが、実際には爪82は回転せず、図の矢印で示すようにサブカム72、メインカム73の方が図の左方向に向けて回転している。
【0069】
図12(b)に示す右側の図において、メインカム73の前記回転運動により、メインカム73の1つの開口部86がその円弧状溝87を介して開口部88と開通する。これによって負圧チャンバ52の負圧が、負圧供給経路63(図6参照)を介して開口部86に伝わり、更に開口部86からメインカム73の中空内部を通ってセンターシャフト35の開口部41、エア経路42、さらにノズル保持部37の開口部43(いずれも図5参照)に伝わり、実装ノズル31の開口部34(図4参照)を通って実装ノズル31に供給される。実装ノズル31は、上述したセンターシャフト35の押し下げ動作によって部品に当接しているため、前記負圧の供給によって実装ノズル31は部品の吸着による取り出しが可能となる。
【0070】
次に、図12(c)は、実装ノズル31が部品を取り出した後、部品実装位置に向けて移動する部品搬送領域Bを循環移動している間に該当する。部品取り出し領域Aにおけるアクチュエータ16の押し下げが解除され、センターシャフト35は元の高さまで上昇する。このセンターシャフト35の上昇はスプリング84の付勢力によるもので、サブカム72、スライダ71も同時に元の高さまで上昇する。この上昇によって爪82がメインカム73の切り欠き部78内を上昇してメインカム73のカム部79bからの拘束から解放される。この結果、スプリング84による下方からの付勢力によって爪82がサブカム72のカム部74の急な傾斜面74aを谷まで滑り降り、谷に至って安定する。この爪82が傾斜面74aを移動する過程で、実装ヘッド部10のボデー側で回転を拘束された爪82に代わってサブカム72が矢印に示す方向に回転する。このときの回転角度は、図11に示すように8°である。サブカム72との間での相対回転しないよう拘束されているメインカム73も、これによって同じく8°だけ回転している。
【0071】
図12(c)の右側の図において、上述したメインカム73の回転により、底面に設けられた開口部86が8°回転するが、開口部86の周囲に設けられた円弧状溝87の作用によって負圧チャンバ52からの開口部88とは導通したままの状態が維持される。このため実装ノズル31の負圧が保たれたままとなり、実装ノズル31は部品を保持し続けることができる。実装ノズル31はこの部品を保持した状態で、ベルト部3の移動とともに部品搬送領域Bを移動する。上述した通りこの搬送過程において、認識カメラ18により実装ノズル31に保持された部品の保持状態が認識される。
【0072】
次に、図12(d)は、実装ヘッド部10が部品実装領域Cに至って部品実装が行われる時に該当する。実装ヘッド部10が部品実装位置に到達すると、実装装置本体側から実装操作シャフト22(図2参照)が下降し、まずセンターシャフト35に係合した後、次にこれを押し下げる。この時の状況を図13に示している。図13は、図3に示す実装ヘッド部10のC−C断面を示している。図13において、実装操作シャフト22の下端には凹部26が設けられており、この凹部26がセンターシャフト35の上端の係合部38を受容してこれと係合する。上述した認識カメラ18による認識結果に基き、部品の角度補正量が制御部5から実装操作シャフト22に伝えられ、必要な角度補正のためのθ回転がセンターシャフト35に与えられる。この結果、センターシャフト35の下方にあるノズル保持部37も回転してノズルに保持された部品に対する必要な角度補正が加えられる。サブカム72、メインカム73など、センターシャフト35以外の正負圧切替え部70の構成要素には、このθ回転が及ばないよう構成されている。
【0073】
図12(d)に戻って、θ回転の後、次に実装操作シャフト22によってセンターシャフト35が押し下げられる。このセンターシャフト35の押し下げにより、図12(b)で説明したものと同様、スライダ71がサブカム72とメインカム73とに接触しながら下降し、これによってサブカム72とメインカム73とを52°回転させる。このとき、実装ノズル31が下降して保持している部品を回路基板19に当接させ、スプリング84は最大限に圧縮される。図12(d)の右側の図において、メインカム73が52°回転することにより、開口部88と開口部86の周囲にある円弧状溝87との開通が絶たれ、これによって実装ノズル31への負圧の供給が遮断される。これと同時に、メインカム73の外周面に設けられたエア経路81(図10参照)と正圧供給経路93(図13参照)とが開通する。
【0074】
再び図13において、部品実装位置にはエアブロー23が配置されており、その先端が正圧供給経路93に対向している。エアブロー23からの空気の吐出による正圧が正圧供給経路93に伝えられ、さらにこの正圧は、メインカム73のエア経路81、センターシャフト35の開口部41、同エア経路42を経由して実装ノズル31まで伝えられる。この一連の動作により、実装ノズル31の負圧状態が破壊されて逆に正圧が作用するものとなり、これによって部品は実装ノズル31の保持状態から解放されて回路基板19の所定実装位置に実装される。
【0075】
部品実装が完了すると実装操作シャフト22による押し下げが解除され、センターシャフト35がスプリング84の付勢力によって上昇し、図12(a)に示す状態に戻る。この間、図12(c)で説明したものと同様、メインカム73とサブカム72とはさらに8°回転する。図12(a)に示すように、この際の8°の回転によってもメインカム73の円弧状溝87が負圧供給経路63の開口部88と導通することはなく、したがって実装ノズル31に負圧が供給されることはない。また8°の回転によってメインカム73のエア経路81と正圧供給経路93との導通が遮断されるため、実装ノズル31には正圧も供給されることはない。実装ヘッド部10には負圧、正圧とも供給されることなく、この状態で次の部品取り出し領域Aまで搬送される。
【0076】
帰還領域Dの搬送移動のいずれかの段階には、ノズル選択位置が配置され、次の部品取り出しに備えて個別ノズル31a〜6fの切替えを行う。具体的には、図13において、ノズル選択位置に配置されるノズル切替えシャフト25が上述した実装ノズル31の支点ピン32に向けて移動し、先端の凹部26で支持ピン32にある凸状部33を受容してこれを回転させる。選択されるべきいずれかの個別実装ノズル31a〜6fをセンターシャフト35と同軸下向きになるよう配置して実装ノズル31の選択が完了する。選択されたいずれかの個別ノズル31a〜6fは、そのいずれかの開口部34a〜34f(図4参照)がノズル保持部37の開口部43(図5参照)と開通することによって、実装ノズル31への負圧・正圧の供給が可能となる。
【0077】
実装ヘッド部10の正負圧切替え部70は、ベルト部3の循環移動の間に以上の動作を繰り返し、部品を実装ノズル31によって順次吸着して取り出し、当該部品を回路基板19の実装位置に実装する。ベルト部3が1回循環移動する1サイクルの間に、サブカム72とメインカム73とを含むロータリカムは120°回転し、この間に爪82は、それぞれのカム部74、79の山を1つずつ越えている。したがって、サブカム72、メインカム73が360°回転してこれらが完全に元の位置まで戻るには、ベルト部3は3サイクル循環移動することになる。ロータリカムは、爪82、及びサブカム72とメインカム73とのオフセットの作用により、常時一定方向のみに回転駆動される。
【0078】
なお、実装ノズル31でパーツカセット7から一旦取り出された部品であっても、例えば当該部品が不良であることが認識カメラ18で見つかるなど、何らかの原因で実装を回避させる場合がある。この場合、認識カメラ18からの情報に基き、制御部5は、部品実装位置での実装操作シャフト22の下降動作を阻止する。これによりセンターシャフト35は押し下げられることなく、したがってメインカム73が回転されないために実装ノズル31には負圧が供給され続ける。
【0079】
この負圧の作用により、不良部品などを保持した実装ノズル31は、当該部品を保持したままで循環移動し、次の帰還領域Dに至る。帰還領域D内のいずれかの場所に、このように実装されなかった部品を廃棄するための部品廃棄位置が設けられている。この部品廃棄位置には、部品実装位置におけるとほぼ同様な実装操作シャフト22aとエアブロー23aとが配置され(図2参照)、図12(d)に示すものと全く同様に作用して実装ノズル31の負圧を解除し、同時に正圧を加え、実装されなかった部品を実装ノズル31から解放して回収する。部品を解放した実装ノズル31には、負圧・正圧とも供給されない図12(d)に示す状態となり、他の実装ノズル31と同様に帰還領域Dを次の部品取り出しに向けて搬送される。
【0080】
4.ガイド部
次に、ガイド部90は、図3(b)の側面図に示すように、実装ヘッド部10の上下方向に配置されて駆動方向に直交する図の左右方向への実装ヘッド部10の動きを規制する一対の水平ガイドローラ91と、図の右方向に水平に配置されて実装ヘッド部10の鉛直方向の動きを規制する鉛直ガイドローラ92とから構成される。1つの実装ヘッド部10にはこれらのガイドローラ91、92のセットが2組、合計6つのガイドローラが設けられている(図3(b)の側面図では1組、3つのみを表示。)。これらのガイドローラ91、92は、実装装置本体側に設けられる2点鎖線で示す上方レール97、下方レール98にそれぞれ嵌め込まれ、実装ヘッド部10の循環移動に際して高い位置決め精度で実装ヘッド部10を規制してガイドしている。
【0081】
特に部品取り出し領域Aと部品実装領域Cにおいて、実装ヘッド部10がガイド部90のレール97、98によってベルト部3の循環移動方向に対して上下、左右方向に位置規正されているため、実装ノズル31の位置決めが正確に行われ、部品取り出し、部品実装を極めて高い精度で実施することができる。
【0082】
次に、本発明にかかかる第2の実施の形態の部品実装装置について図面を参照して説明する。本実施の形態の部品実装装置は、第1の実施の形態におけるピストン53の往復動を利用する負圧発生部50の代わりに外部から負圧を導入して実装ヘッド部10内に負圧を発生させるものとしており、その概要を図14に示している。図において、第1の実施の形態に示すカム溝24(図1参照)の位置には、代替の負圧発生部50aが配置されており、その他の部品実装装置の構成は、図1に示すものと同様である。したがって、以下には第1の実施の形態と差異のある点を中心に説明する。
【0083】
本実施の形態にかかる代替の負圧発生部50aは、例えば実装装置本体側に設けられる負圧発生源から負圧を導くホース101と、実装ヘッド部10に負圧を供給する負圧供給口102と、負圧供給口102を実装ヘッド部10に着脱するアクチュエータ104と、負圧供給口102を実装ヘッド部10と平行して搬送する搬送装置103とから構成されている。他方、実装ヘッド部10の側には、上述したカムフォロア57の代わりに、負圧供給口102を受容可能に形成されたチェックバルブ106が設けられる。このチェックバルブ106は、実装ヘッド部10内に負圧を閉じ込めると共に、より低い圧力の負圧を導入可能に形成される。実装ヘッド部10の内部では、例えば図6に示す上述したピストンチャンバ51が不要となり、ここを空洞のままにして第2の負圧チャンバ(以下、「負圧チャンバ51」という。)として利用するなどの負圧容量増を図ることが好ましい。
【0084】
以上のように構成された代替の負圧発生部50aの動作は以下のようである。負圧供給口102が、間欠循環移動する実装ヘッド部10に同期して搬送装置103により搬送される。負圧供給口102が実装ヘッド部10に対向した後、アクチュエータ104が背後から作用して負圧供給口102を実装ヘッド部10のチェックバルブ106に押し付け、これと結合させる。図示しない負圧供給源につながれたホース101から負圧が供給され、この負圧が負圧供給口102を介して実装ヘッド部10の両負圧チャンバ51、52内に供給される。この負圧供給の間、搬送装置103は、負圧供給口102と実装ヘッド部10との間に相対移動が生じないようベルト部3の循環移動と同期して負圧供給口102を搬送し続ける。
【0085】
所定の実装ヘッド部10への負圧供給の間で前記結合状態を保った後、アクチュエータ104が作用して負圧供給口102をチェックバルブ106から引き離し、両者間の結合を絶つ。この際、実装ヘッド部10側に供給された負圧は、チェックバルブ106の作用によって両負圧チャンバ51、52内に閉じ込められる。一方、負圧供給口102は、搬送装置103のクイックリターン動作により、瞬時に元の位置に戻り、図示の例では1つ間を空けた次の実装ヘッド部10に対向し、以下、同様の動作を繰り返す。
【0086】
ベルト部3に装着された全ての実装ヘッド部10は、上述した連結チューブ68(図8参照)を介して負圧を共有している。この代替の負圧発生部50aでは、負圧の供給が間欠的となるが、複数の実装ヘッド部10に設けられたそれぞれ2つの負圧チャンバ51、52の容量を利用することで負圧供給の途切れによる圧力変動を全体として僅かなものに留めることができる。さらに、負圧供給口102が搬送装置103のクイックリターン動作で次の実装ヘッド部10の位置まで短時間で移動するため、負圧供給が途切れる時間も僅かであり、例えば部品を吸着するため実装ノズル31の負圧にはほとんど影響することはない。万一この負圧変動に問題がある場合であっても、例えば2つの負圧発生部50aをベルト部の循環移動の間の異なる2区画に設け、この2つの負圧発生部50aで交互に負圧を供給することにより問題の解消が可能である。負圧発生部50aを2つ設けて常時負圧が提供される場合、負圧チャンバ51、52は廃止することもできる。
【0087】
この代替の負圧発生部50aによれば、第1の実施の形態に示す負圧発生部50に対し、カム溝24と係合するピストン53の上下動が不要となり、ベルト部3の循環移動に対する抵抗がなくなる結果、ベルト部3の駆動エネルギを低減させることができる。また、全ての実装ヘッド部10に設けられる多数のピストン53(本実施の形態に示す例では、1つの実装ヘッド部10につき2つ。)や圧縮空気を排出させるエア経路61、62、67を廃止することができ、さらにチェックバルブの数を半減できるなどのコスト、重量の削減効果を得ることができる。気密性が要求されるピストンチャンバ51を単なる空洞である負圧チャンバ51として利用することから、チャンバ内部の加工精度を大幅に緩和して加工費を削減できる利点も有する。
【0088】
なお、負圧供給口102と結合する実装ヘッド部10が上述のように1つおきとなる場合、ベルト部3に装着される実装ヘッド部10の数が偶数であればチェックバルブ106は1つおきの実装ヘッド部10にのみ設けることでよい。2つおき、3つおきなどで結合する場合にも同様な関係が成り立つ。この場合にも両負圧チャンバ51、52をそのまま残しておけば、ベルト部3全体としての負圧容量を確保できて好ましい。
【0089】
次に、本発明にかかる第3の実施の形態の部品実装装置について図面を参照して説明する。本実施の形態の部品実装装置は、部品実装時における実装ノズルからの部品の解放に利用可能な正圧を発生させる正圧発生部を実装ヘッド部内部に備えるものとしている。具体的には、第1の実施の形態に示すピストンチャンバ51内で発生する正圧を大気を放出せず、これを実装ヘッド部内のアキュムレータに蓄えるようにするもので、図15、図16はその実装ヘッド部10aの概要を示している。両図に示す以外の部品実装装置の構成は、第1の実施の形態に示す部品実装装置1と同様であり、したがって以下には、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0090】
図6に対応する実装ヘッド部10aの一対のチャンバの断面を表示する図15において、ピストンチャンバ51の上方チャンバ58には、チェックバルブ111が新たに設けられている。このチェックバルブ111は上方チャンバ58内の空気が加圧されたときにはその空気を排出エア経路61に排出し、逆に負圧のときには上方チャンバ58と排出エア経路61との導通を遮断するよう構成されている。
【0091】
同じく図15において、他方のチャンバ52aは、フリーピストン112とスプリング113を備え、排出エア経路61から導入される正圧を蓄えるアキュムレータとしての役割を果たす(以下、これを「正圧チャンバ52a」という。)。実装ヘッド部10aに2つ装備される負圧チャンバ52の内の1つがこの正圧チャンバ52aとして利用され、他の1つはそのまま負圧チャンバ51として残される。正圧チャンバ52aには、正圧供給口114が開口し、この開口部には正圧供給チューブ115がつながれている。
【0092】
図16は、図13に対応する実装ヘッド部10aの正負圧切替え部を示す断面図である。図において、上述した正圧供給口114から延びる正圧供給チューブ115の他端が、実装ヘッド部10aのボデーにつなげられ、この他端から正圧供給経路93aにつながっている。この正圧供給経路93aは、第1の実施の形態で示す正圧供給経路93と全く同様に、ロータリカムを構成するメインカム73の回転運動によって部品実装位置においてメインカム73に設けられたエア経路81と開通可能である。
【0093】
以上のように構成された本実施の形態にかかる実装ヘッド部10aの動作は以下の通りである。図15において、上方にあるピストン53が下方に押し下げられると、下方チャンバ59内の空気が圧縮されて加圧された空気は排出エア経路62を通ってチェックバルブ65から大気へ放出される。この間、上方チャンバ58内ではチェックバルブ111の作用によって外部との導通が絶たれ、チャンバ内の圧力が低下し、この低下した圧力は図15には表示しない他方の負圧チャンバ52内に蓄えられる。この間の動作は、第1の実施の形態と全く同様である。
【0094】
次に、以上の状態からピストン53から上方に引き上げられると、ピストン53によって上方チャンバ58内の空気が圧縮されて圧力が高まり、この圧力によって開放されるチェックバルブ111を通過して加圧された空気が排出エア経路61に導かれ、更に正圧チャンバ52a内に導入される。正圧チャンバ52内部では、この導入された空気圧によってフリーピストン112が押し下げられ、フリーピストン112はスプリング113を圧縮しつつ下方へ移動して導入された空気を閉じ込め、内部に正圧を蓄える。この間、ピストンチャンバ51内の下方チャンバ59ではピストン53の上方移動により負圧が生成され、この負圧は貫通エア経路55(図6参照)を通って図13には表示しない負圧チャンバ52内に蓄えられる。ピストン53の上下動により、以上の動作が繰り返される。
【0095】
次に、正圧チャンバ52aから延びる正圧供給チューブ115は、図16に示すように正圧供給経路93aにつながっているが、通常の状態ではロータリカムの作用でメインカム73のエア経路81は正圧供給経路93aに開通していない。したがって正圧チャンバ52aに蓄えられた正圧は内部に閉じ込められたままの状態で維持される。実装ノズル31が実装位置に至ると、センターシャフト35が押し下げられることによってロータリカムが動作し、メインカム73が回転してエア経路81が正圧供給経路93aと開通する。これにより、正圧チャンバ52a内の加圧された空気が、正圧供給口114、正圧供給チューブ115、正圧供給経路93aを通ってエア経路81内に流入し、以下、第1の実施の形態と同様に実装ノズル31に供給されて吸着していた部品の解放、実装に利用される。
【0096】
なお、図示の例では1つの正圧チャンバ52aに蓄積された正圧が同じ実装ヘッド部10aに装備された4つの実装ノズル31での部品実装に利用されている。したがい、最初の実装ノズル31への正圧供給時にこのチャンバ内の全ての加圧空気が瞬時に放出されることを防ぐ必要がある。このため、フリーピストン112の外周に嵌められた弾性材料のOリングは単に正圧をシールするのみでなく、フリーピストン112の動作スピードを制御するダンパとしての役割も果たすよう構成されている。
【0097】
本実施の形態にかかる正圧発生部を備えた実装ヘッド部10aを使用することにより、部品実装時に実装ノズル31へ供給する正圧を実装ヘッド部10aの内部で発生させることができ、部品実装位置に配置されるエアブロー23(図13参照)を廃止することができる。また、取り出し後の部品を何らかの理由で実装せずに放出して回収する場合にも同様に利用することができ、部品回収位置に配置されるエアブロー23a(図2参照)をも廃止することができる。
【0098】
なお、ピストン53で空気を圧縮するため、圧縮に伴うベルト部3の循環移動の抵抗が増す。このために必要であれば、ベルト部3を駆動するモータ11(図1参照)の容量を増すこと、もしくは第1の実施の形態で示したカム溝24の代わりに流体シリンダを利用してピストン53を上下駆動すること、などの対応を図ることが考えられる。
【0099】
また、図15、図16に示す例では、上方チャンバ58の加圧空気のみを正圧として利用し、下方チャンバ59の加圧空気は大気へ放出するものとしているが、必要であれば同様な供給経路を確保することでこの加圧空気をも正圧チャンバ52a内に導き、全く同様に部品実装に利用することができる。また、両図に示す例では、実装ヘッド部10aにある一対の負圧チャンバ52の一方を正圧チャンバ52aに転用して利用するものとしているが、負圧チャンバ52の負圧容量確保などの利用でこれが困難な場合には、上述したものと同様に機能する正圧チャンバ(アキュムレータ)を実装ヘッド部に新たに設けるものとしてもよい。
【0100】
以上、本発明にかかる各実施の形態の部品実装装置について説明してきたが、各実施の形態では、部品供給部2、ベルト部3のセット2組を、双方の部品実装領域Cを互いに近接させてほぼ点対象に配置している。このような配置とすることで、例えば前記2組を同時に利用して、回路基板19に部品を交互に実装して実装スピードの高速化を図ることができる。あるいはこの代替として、部品供給部2、ベルト部3のセット2組の内のいずれか一方の組のみで実装を行い、その間、いずれか他方の組では次に生産する機種への切替えを行うことで段取り替えに伴う装置の停止時間を短縮し、生産性を高めることもできる。このように2組の部品供給部2とベルト部3とを備えることは、実装タクトを早め、生産の柔軟性を高め、さらに多種類の部品の供給をも可能にすることから好ましいものとなる。但し、1組のみの部品供給部、ベルト部を用いることも勿論可能である。
【0101】
また、2組を用いる場合であっても、双方を必ずしも同様な構成とする必要はなく、例えば、部品実装装置のスペースの制約などに応じて一方のベルト部を長いもの、他方のベルト部を短いものとすることもできる。また2組の配置も、必ずしも両者を点対称にする必要はなく、スペースの制約などに合せて任意の配置とすることができる。この際、本実施の形態によれば、円周回転運動のみに限定されるインデックスとは異なり、ベルト部はフレキシブルであることから任意の搬送経路を選ぶことができる。
【0102】
さらに上述した実施の形態では、1つの実装ヘッド部10が4つの実装ノズル31を備える例を示しているが、この実装ノズル31の数は任意とすることができる。例えば、1つの実装ヘッド部が1つの実装ノズルを備えることもでき、これを円周状に循環移動させると、ロータリヘッド方式と同様な形式となる。したがって本明細書でいう循環移動にはこのロータリヘッド方式の概念も含まれ得る。但し、本実施の形態のベルト部によれば、搬送経路を任意に選べることから複数部品の同時取り出しが可能であり、部品供給部を固定できる点で有利である。
【0103】
上述した実施の形態では、これまでに述べてきた各種有利点を有する本発明にかかる部品実装装置を対象として説明しているが、本発明は、これらの有利点を同様に備える部品実装方法をも包含している。
【0104】
各図において、例えばアクチュエータ16、実装操作シャフト22、エアブロー23、ノズル切替えシャフト25などは一部のみを表示し、回転や軸方向への移動のための駆動部等の表示を省略しているが、これらは従来技術において開示されているものであって当業者には周知である。
【0105】
【発明の効果】
本発明にかかる部品実装装置によれば、移動経路に柔軟性のあるベルト部を利用して負圧発生部、正負圧切替え部を備えた実装ヘッド部を循環移動させることができる。これにより、部品供給部において複数の実装ノズルを複数の部品供給装置(例えば、パーツカセット)と対向させて複数部品を同時に取り出すことが可能となり、従来技術によるロータリヘッド方式の部品実装装置に対して、部品供給部の移動を排除することができる。これにより振動、騒音を廃して作業環境を改善でき、品質の安定化をもたらすことができる。さらには部品供給部が固定できることから多種類・多様な部品要求にも対応が可能となり、生産の柔軟性を高めることができる。
【0106】
加えて、本発明にかかる部品実装装置によれば、複数の実装ヘッド部をベルト部に無端式に配して循環移動させることができ、従来技術によるXYロボット方式の部品実装装置に対して部品の取り出しと実装とを同時並行して行うことができ、実装ヘッド部の往復搬送に必要な無駄な移動時間が回避されるため、実装スピードの高速化を実現することができる。
【0107】
さらに、本発明にかかる部品実装装置によれば、ベルト部に装着される実装ヘッド部に負圧発生部、正負圧切替え部を備えていることから、従来技術によるシーケンス方式の部品実装装置に対して、負圧を利用した部品の吸着による取り出し、正圧を利用した部品の実装を実施することができ、特に昨今では多数を占める微小部品の実装も可能となることから、ベルト部を利用した部品実装の適用対象を大幅に広げることができる。
【0108】
そして、本発明の実施の形態に示した部品実装装置によれば、1つの実装ヘッド部の負圧発生部で生成された負圧をベルト部に装着された複数の実装ヘッド部間で共有することができ、全ての実装ヘッド部において安定した負圧の供給を得ることができる。また、各実施の形態で示す点対称となる2組の部品供給部、ベルト部のセットを配置する形式の部品実装装置によれば、部品実装をより効率的に行うことができ、あるいは段取りをより短時間で行うことができるため、設備の生産性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態の部品実装装置の概要を示す斜視図である。
【図2】図1に示す部品実装装置の要部部分拡大斜視図である。
【図3】本発明にかかる実施の形態の実装ヘッド部を示す正面図及び側面図である。
【図4】図3に示す実装ヘッド部の実装ノズルを示す正面図である。
【図5】図3に示す実装ヘッド部のセンターシャフトを示す側面図である。
【図6】図3に示す実装ヘッド部のA−A断面図である。
【図7】図3に示す実装ヘッド部のB−B断面図である。
【図8】図3に示す実装ヘッド部の背面図である。
【図9】図3に示す実装ヘッド部のサブカム及びメインカムを示す側面図及び底面図である。
【図10】図3に示す実装ヘッド部のロータリカムの構成要素を示す分解斜視図である。
【図11】図10に示すロータリカムの側面展開図である。
【図12】図10に示すロータリカムの動作説明図である。
【図13】図3に示す実装ヘッド部のC−C断面図である。
【図14】本発明の他の実施の形態にかかる部品実装装置の要部を示す部分拡大斜視図である。
【図15】本発明の更に他の実施の形態にかかる部品実装装置の実装ヘッド部の断面図である。
【図16】図15に示す実施ヘッドの別の位置における断面図である。
【符号の説明】
1.部品実装装置、 2.部品供給部、 3.ベルト部、 4.基板保持部、 5.制御部、 7.部品供給装置(パーツカセット)、 10.実装ヘッド部、16.アクチュエータ、 19.回路基板、 22.実装操作シャフト、 23.エアブロー、 24.カム溝、 25.ノズル切替えシャフト、 30.ノズル部、 31.実装ノズル、 35.センターシャフト、 50.負圧発生部、 51.ピストンチャンバ、 52.負圧チャンバ、 53.ピストン、 57.カムフォロア、 58.上方チャンバ、 59.下方チャンバ、 63.負圧供給経路、 64、65.チェックバルブ、 68.連結チューブ、 70.正負圧切替え部、 71.スライダ、 72.サブカム、 73.メインカム、74.カム部、 77.傾斜部、 78.切り欠き部、 79.カム部、 82.爪、 84.スプリング、 86.開口部、 87.円弧状溝、 88.開口部、 90.ガイド部、 93.正圧供給経路、 102.負圧供給口、 103.搬送装置、 111.チェックバルブ、 112.フリーピストン、114.正圧供給口、 115.正圧供給チューブ、
A.部品取り出し領域、 B.部品搬送領域、 C.部品実装領域、 D.帰還領域。
Claims (27)
- 複数の部品供給装置を搭載して部品実装装置へ部品を供給する部品供給部と、回路基板を搬送して位置決め保持する基板保持部と、前記部品供給部から部品を取り出し前記回路基板の実装位置に実装する複数の実装ノズルと、部品取り出し位置と部品実装位置との間で前記複数の実装ノズルを循環移動させる搬送部とから構成され、部品の取り出しと部品の実装とを同時並行して行う部品実装装置において、
前記部品取り出し位置で複数部品の同時取り出しが可能となるよう構成されていることを特徴とする部品実装装置。 - 前記部品供給部が、前記部品実装装置の本体側に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載された部品実装装置。
- 前記部品供給部と前記搬送部とのセットを2組備えていることを特徴とする、請求項1に記載された部品実装装置。
- 前記搬送部が、前記実装ノズルを備えた複数の実装ヘッド部を無端状につないで間欠循環移動させるベルト部から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載された部品実装装置。
- 部品実装装置へ部品を供給する部品供給部と、回路基板を搬送して位置決め保持する基板保持部と、前記部品供給部から部品を取り出して前記回路基板の実装位置に実装する実装ノズルをそれぞれ備えた複数の実装ヘッド部と、前記複数の実装ヘッド部を無端状につないで部品取り出し位置と部品実装位置との間を間欠循環移動させるベルト部とから構成される部品実装装置において、
前記実装ヘッド部が、前記実装ノズルによる部品取り出し時の部品吸着に利用可能な負圧を発生する負圧発生部を備えていることを特徴とする部品実装装置。 - 前記負圧発生部が、前記実装ヘッド部に設けられた気密チャンバ内で往復動をするピストンと、前記ピストンの往復動で発生する負圧を前記実装ヘッド部内に閉じ込めるチェックバルブと、前記ピストンを往復動させる駆動機構とから構成されていることを特徴とする、請求項5に記載された部品実装装置。
- 前記ピストンを往復動させる駆動機構が、前記ピストンに固定されたカムフォロアと、前記カムフォロアに係合し前記実装ヘッド部の間欠循環移動を利用して前記カムフォロアを往復動させる、前記間欠循環移動の間の少なくとも一部の区域に形成されたカム溝とから構成されていることを特徴とする、請求項6に記載された部品実装装置。
- 前記負圧発生部が、前記実装ヘッド部内の負圧を内部に閉じ込め、より低い圧力の負圧の導入を許容するチェックバルブと、前記実装ヘッド部の間欠循環移動の間の一部の区域で前記チェックバルブに係合して負圧を供給する負圧供給機構と、前記負圧供給機構を前記間欠循環移動と同期して搬送する搬送装置とから構成されていることを特徴とする、請求項5に記載された部品実装装置。
- 前記ベルト部でつながれた複数の実装ヘッド部の各負圧発生部の間を連通する連結チューブをさらに備え、各実装ヘッド部の負圧発生部で発生した負圧を前記ベルト部につながれた全ての実装ヘッド部で共有するよう構成されていることを特徴とする、請求項5から請求項8のいずれか一に記載された部品実装装置。
- 前記実装ヘッド部が、前記実装ノズルによる部品実装時の部品の解放に利用可能な正圧を発生する正圧発生部を更に備えていることを特徴とする、請求項5から請求項9のいずれか一に記載された部品実装装置。
- 前記正圧発生部が、前記実装ヘッド部に設けられた気密チャンバ内で往復動するピストンと、前記ピストンの往復動で発生する正圧を閉じ込めるアキュムレータと、前記ピストンを往復動させる駆動機構とから構成されていることを特徴とする、請求項10に記載された部品実装装置。
- 前記正圧を発生させるピストンが、前記負圧発生部で使用されるピストンを共用することを特徴とする、請求項11に記載された部品実装装置。
- 前記実装ヘッド部が、前記負圧発生部で発生する負圧と、前記正圧発生部で発生する正圧もしくは外部から導入される正圧とを切替えて前記実装ノズルへ供給可能な正負圧切替え部を更に備えていることを特徴とする、請求項5に記載された部品実装装置。
- 前記正負圧切替え部が、前記実装ノズルを保持するシャフトの上下動を回転運動に変換して正圧・負圧の供給経路を切替えるロータリカムから構成されていることを特徴とする、請求項13に記載された部品実装装置。
- 前記部品取り出し位置において、複数の前記実装ノズルが、前記部品供給部に配列された複数の部品供給装置と同時に対向するよう構成されていることを特徴とする、請求項5から請求項14のいずれか一に記載された部品実装装置。
- 前記ベルト部と前記部品供給部のセットを2組備えていることを特徴とする、請求項5から請求項15のいずれか一に記載された部品実装装置。
- 前記2組のベルト部と部品供給部とのセットが、双方の前記部品実装位置を互いに近接させてほぼ点対称に配置されていることを特徴とする、請求項16に記載された部品実装装置。
- 複数の実装ノズルを部品取り出し位置と部品実装位置との間で間欠循環移動させ、前記複数の実装ノズルにより部品の取り出しと部品の実装とを同時並行して行う部品実装方法において、
前記部品取り出し位置で複数部品の同時取り出しを可能とすることを特徴とする部品実装方法。 - 複数の実装ヘッド部を連続してつないだ無端状のベルト部を部品取り出し位置と部品実装位置との間で間欠循環移動させ、部品供給部からの部品の取り出しと回路基板への部品の実装とを同時並行して行う部品実装方法において、
前記部品の取り出しと部品の実装とを、前記実装ヘッド部が備える実装ノズルに正圧、負圧を供給することにより行うことを特徴とする部品実装方法。 - 前記実装ノズルへ供給される負圧を、前記実装ヘッド部の内部で発生させることを特徴とする、請求項19に記載された部品実装方法。
- 前記実装ノズルへ供給される負圧を、前記実装ヘッド部の循環移動の間のいずれかの区間で外部の負圧発生源から供給することを特徴とする、請求項19に記載された部品実装方法。
- 前記実装ノズルへ供給される負圧が、前記ベルト部につながれた全ての実装ヘッド部で共有されていることを特徴とする、請求項19から請求項21のいずれか一に記載された部品実装方法。
- 前記実装ノズルへ供給される正圧を、前記実装ヘッド部の内部で発生させることを特徴とする、請求項19に記載された部品実装方法。
- 前記部品取り出し位置で複数の部品を同時に取り出すことを特徴とする、請求項19から請求項23のいずれか一に記載された部品実装方法。
- 前記ベルト部と前記部品供給部のセットを2組備え、当該2組を利用して連続して交互に部品実装を行うことを特徴とする、請求項19から請求項24のいずれか一に記載された部品実装方法。
- 前記ベルト部と前記部品供給部のセットを2組備え、前記2組の内のいずれか一方で部品実装を行う間、いずれか他方で次の生産機種への段取り替えを行うことを特徴とする、請求項19から請求項24のいずれか一に記載された部品実装方法。
- 前記ベルト部と前記部品供給部の2組のセットを、双方の部品実装位置を互いに近接させてほぼ点対称となるよう配置することを特徴とする、請求項25または請求項26に記載された部品実装方法。
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