JP2005004093A - レジスト用現像液組成物およびレジストパターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト用現像液組成物およびレジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レジストパターンは、レジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、必要に応じてPEB(露光後加熱)を施し、レジスト用現像液組成物を用いてアルカリ現像して形成されている。
レジスト用現像液組成物としては、例えば特許文献1に記載の様に、トリメチルアンモニウムヒドロキシドの様な有機第4級アンモニウム塩を主剤として含有する水溶液に、特定のスルホン酸アンモニウム基又はスルホン酸置換アンモニウム基を有する陰イオン性界面活性剤を添加したもの等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特許第2589408号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のレジスト用現像液組成物を用いて現像を行うと、レジストパターンの寸法制御性(マスクパターンに対する再現性)が不十分な場合があった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑てなされたもので、レジストパターンの寸法制御性に優れるレジスト用現像液組成物と、これを用いたレジストパターンの形成方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明においては以下の手段を提供する。
第1の発明は、有機第四級アンモニウム塩基を主剤するレジスト用現像液組成物において、下記一般式(I)で示される陰イオン性界面活性剤を含み、
【化2】
(式中のR1及びR2は少なくとも1つが炭素数5〜18のアルキル基又はアルコキシ基で、残りが水素原子、炭素数5〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、R3、R4及びR5は少なくとも1つがスルホン酸アンモニウム基又はスルホン酸置換アンモニウム基で、残りが水素原子、スルホン酸アンモニウム基又はスルホン酸置換アンモニウム基である)
SO4 2−の含有量が10〜10,000ppmであることを特徴とするレジスト用現像液組成物である。
第2の発明は、レジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、本発明のレジスト用現像液組成物を用いてアルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
なお、本明細書において、アルキル基、またはアルコキシ基を構成するアルキル基は、直鎖または分岐のいずれでもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
[レジスト用現像液組成物]
本発明のレジスト用現像液組成物は、有機第四級アンモニウム塩基を主剤するレジスト用現像液組成物(アルカリ現像液)において、前記一般式(I)で示される陰イオン性界面活性剤を含み、さらに下記第1の実施形態〜第3の実施形態のいずれかを適用したものである。
まず、ベースの組成について説明する。
・ 有機第四級アンモニウム塩基
有機第四級アンモニウム塩基は、レジスト用現像液組成物に用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば、低級アルキル基又は低級ヒドロキシアルキル基をもつ第四級アンモニウム塩基である。低級アルキル基又は低級ヒドロキシアルキル基の炭素数は、例えば炭素数1〜5、好ましくは1〜3、より好ましくは1または2である。
特に好ましいものは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びトリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシドすなわちコリン、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドである。この有機第四級アンモニウム塩基は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機第四級アンモニウム塩基の配合量は、特に限定するものではないが、通常レジスト用現像液組成物中0.1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%とされる。
なお、レジスト用現像液組成物の溶剤は通常水である。
【0008】
・その他の成分
また、レジスト用現像液には、必須の成分とともに、所望に応じ従来レジスト用現像液に慣用されている添加成分、例えば湿潤剤、安定剤、溶解助剤のほかに、レジスト膜の露光部と非露光部との溶解選択性を改善するめの陽イオン性界面活性剤などを添加することができる。これらの添加成分はそれぞれ単独で添加してもよいし、2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0009】
・ 陰イオン性界面活性剤
前記一般式(I)におけるR3、R4及びR5は、その中の少なくとも1つがスルホン酸アンモニウム基又はスルホン酸置換アンモニウム基である。
該スルホン酸置換アンモニウム基はモノ置換、ジ置換、トリ置換及びテトラ置換アンモニウム基のいずれであってもよく、置換基としては、例えば−CH3、−C2H5、−CH2OH、−C2H4OHなどが挙げられる。
また、多置換アンモニウム基の場合は、置換基は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
前記一般式(I)で表わされる陰イオン性界面活性剤の具体例としてはアルキルジフェニルエーテルスルホン酸アンモニウム、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸テトラメチルアンモニウム、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸トリメチルエタノールアンモニウム、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸トリエチルアンモニウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸アンモニウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ジエタノールアンモニウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸テトラメチルアンモニウムなどが挙げられる。
R1及びR2において、アルキル基は炭素数が5〜18のものであり、また、炭素数5〜18のアルコキシ基と置き換えられてもよい。
本発明で用いられる陰イオン性界面活性剤は、もちろんこれらに限定されるものではなく、また1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの陰イオン性界面活性剤の添加量は、有機第四級アンモニウム塩基を主剤とするレジスト用現像液組成物に対し、500〜100000ppm、好ましくは1000〜50000ppmの範囲で選ばれる。500ppm以上とすることにより、濡れ性の効果を高め、解像性を高めることができる。100000ppm以下とすることにより、活性放射線の照射部と非照射部との溶解選択性が悪くなることを抑制でき、現像後のレジスト形状を良好なものとし、レジストの耐熱性も向上させることができる。
【0010】
(1)第1の実施形態
第1の実施形態は、レジスト用現像液組成物中のSO4 2−の含有量が10〜10,000ppm、好ましくは50〜5,000ppm、最も好ましくは100〜1000ppmとされている。
この範囲とすることにより、レジストパターンの寸法制御性を向上させることができる。下限値以上とすることにより、パターン寸法が広くなることを抑制でき、上限値以下とすることにより、パターン寸法が狭くなることを抑制できる。
SO4 2−の含有量は、イオンクロマトグラフィー等により測定できる。また、SO4 2−の量は、硫酸ナトリウム等の硫酸塩を添加することにより調整することができる。
【0011】
(2)第2の実施形態
第2の実施形態は、前記第1の実施形態において、レジスト用現像液組成物中の低級アルコールの含有量が0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜2.5質量%、最も好ましくは0.1〜1質量%とされている。
低級アルコールは、例えば炭素数1〜5であり、好ましくはエタノールまたはメタノールであり、さらに好ましくはメタノールである。
この範囲とすることにより、レジストパターンの寸法制御性を向上させることができる。下限値以上とすることにより、パターン寸法が狭くなることを抑制でき、上限値以下とすることにより、パターン寸法が広くなることを抑制できる。
低級アルコールの含有量は、ガスクロマトグラフィー等により測定できる。また、低級アルコールの量は、低級アルコールを添加することにより調整することができる。
【0012】
(3)第3の実施形態
第3の実施形態は、前記第1の実施形態または前記第2の実施形態において、ハロゲンイオンの含有量が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、最も好ましくは300ppm以下とされている。すなわち第3の実施形態ではハロゲンイオンは必須ではなく、少なければ少ない程好ましい。
ハロゲンイオンとしては、塩化物イオン(Cl−)、臭化物イオン(Br−)、フッ化物イオン(F−)等が挙げられるが塩化物イオンを制御することが好ましい。
ハロゲンイオンの含有量をこの範囲とすることにより、レジストパターンの寸法制御性が向上する。特にポリイミド樹脂をベース樹脂として使用したポリイミド系のレジスト組成物によって形成したレジストパターンの寸法制御性の向上効果が高い。
ハロゲンイオンの含有量は、イオンクロマトグラフィーにより測定することができる。
ハロゲンイオンの含有量は、例えばイオン交換法で除去することにより、調整することができる。
第3の実施形態においては前記第1の実施形態または前記第2の実施形態が適用されるが、前記第1の実施形態と、前記第2の実施形態の両方を適用するとことが、最も好ましい。
【0013】
[レジストパターンの形成方法]
本発明の現像液組成物が適用されるレジストについては、アルカリ性現像液で現像できるものであればよく、特に制限されず、ポジ型タイプ、ネガ型タイプのいずれにも適用できる。
本発明のレジストパターンの形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナー、コーターなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜1200秒間、好ましくは120〜600秒間施し、例えば所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜600秒間、好ましくは60〜300秒間施す。
なお、温度条件、PEB工程の有無等は、レジスト組成物の特性によって適宜変更可能である。化学増幅型レジスト組成物の場合はPEB工程は、通常、必須である。
ついでこれを、本発明のレジスト用現像液組成物を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
また、レジスト組成物はドライフィルムタイプのものでも好適に用いられる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
【0014】
この様に、本発明のレジスト用現像液組成物およびレジストパターンの形成方法は、レジストパターンの寸法制御性に優れるものである。例えばマスクパターンのターゲットに対して、±10%以内、好ましくは±5%以内の寸法を有するレジストパターンが得られる。
また、特定の陰イオン性界面活性剤を用いており、これは微細パターン部分に対する現像液の浸透性を高め、かつその洗浄性及び溶解性により、スカムや薄膜を基板上からほぼ完全に除去することができるとともに、得られたレジストパターンの耐熱性を低下させることがないなど、優れた効果を奏する。
本発明においては、この様な前記陰イオン性界面活性剤の優れた効果を維持しつつ、レジストパターンの寸法制御性に優れるという効果を得ることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
(レジスト用現像液組成物の調整)
2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対して、表1〜3に示す陰イオン性界面活性剤を添加したものを用意した。
これに、硫酸イオン、メタノール、塩化物イオンが表1〜3に示す値になるように硫酸ナトリウム、メタノール、塩酸で調整し、表1〜3に示す組成のレジスト用現像液組成物を用意した。
【0016】
(評価:実施例1〜18、23、24、比較例1〜3)
実施例1〜18、23、24、比較例1〜3のレジスト用現像液組成物については以下の様にして評価した。すなわち、スピンナーを用いて、5インチ金スパッタウエハー上に、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジド化合物を構成成分として含むポジ型ホトレジストであるPMERP−LA900PM(東京応化工業社製、商品名)を膜厚20μmになるように塗布して、ホットプレート上で110℃、360秒間プレベークした。
次にPLA−501F露光装置(キヤノン社製)を用い、テストチャートレチクル(マスクパターン)を介して露光し、静止パドル型現像装置を用いて現像処理を行った。
現像プロセスについては、前記のようにして調製したレジスト用現像液組成物を用い、それぞれ23℃において480秒間静止パドル法現像を行い、その後純水によりリンスを30秒間行ったのち乾燥した。
前記テストチャートレチクルのターゲットは幅が5〜40μmの断面矩形のパターンであった。
できあがったレジストパターンのボトム部のパターン寸法を、断面SEM断面SEM(製品名『S4000』;日立製作所社製)によって測定した。その結果を表1〜3にあわせて示した。
【0017】
(評価:実施例19〜22、比較例4)
実施例19〜22、比較例4のレジスト用現像液組成物については以下の様にして評価した。すなわちスピンナーを用いて、5インチ金スパッタウエハー上に、ポジ型ポリイミド系ホトレジストであるスミレジンエクセルCRC−8000(住友ベークライト社製、商品名)を膜厚5μmになるように塗布して、ホットプレート上で110℃、120秒間プレベークした。
次にPLA−501F露光装置(キヤノン社製)を用い、テストチャートレチクル(マスクパターン)を介して露光し、静止パドル型現像装置を用いて現像処理を行った。
現像プロセスについては、前記のようにして調製したレジスト用現像液組成物を用い、それぞれ23℃において120秒間静止パドル法現像を行い、その後純水によりリンスを30秒間行ったのち乾燥した。
前記テストチャートレチクルのターゲットは幅が5〜40μmの断面矩形パターンであった。
できあがったレジストパターンのボトム部のパターン寸法を、断面SEM断面SEM(製品名『S4000』;日立製作所社製)によって測定した。その結果を表2、3にあわせて示した。
【0018】
(評価:実施例25)
実施例25のレジスト用現像液組成物については以下の様にして評価した。すなわちスピンナーを用いて、5インチシリコンウエハー上に、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジド化合物を構成成分として含むポジ型ホトレジストであるTSMR−V3(東京応化工業社製、商品名)を膜厚1μmになるように塗布して、ホットプレート上で90℃、90秒間プレベークした。
次にPLA−501F露光装置(キヤノン社製)を用い、テストチャートレチクル(マスクパターン)を介して露光し、ホットプレート上で110℃で60秒間加熱処理したのち、静止パドル型現像装置を用いて現像処理を行った。
現像プロセスについては、前記のようにして調製したレジスト用現像液組成物を用い、それぞれ23℃において65秒間静止パドル法現像を行い、その後純水によりリンスを30秒間行ったのち乾燥した。
前記テストチャートレチクルのターゲットは幅が5〜40μmの断面矩形パターンであった。
できあがったレジストパターンのボトム部のパターン寸法を、断面SEM断面SEM(製品名『S4000』;日立製作所社製)によって測定した。その結果を表2にあわせて示した。
なお、表中の評価項目である寸法制御性は以下の評価基準により判定される。
◎:形成されたレジストパターンがマスクパターンのターゲットに対して±5%以内の寸法を有する。
○:形成されたレジストパターンがマスクパターンのターゲットに対して±10%以内の寸法を有する。
×:形成されたレジストパターンとマスクパターンのターゲットの寸法差が±10%を上回る。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
表1、2の結果より、本発明に係る実施例ではレジストパターンの寸法制御性が良好であった。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、レジストパターンの寸法制御性に優れるレジスト用現像液組成物と、これを用いたレジストパターンの形成方法を提供できる。
Claims (4)
- 低級アルコールの含有量が0.01〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載のレジスト用現像液組成物。
- ハロゲンイオンの含有量が1000ppm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレジスト用現像液組成物。
- レジスト組成物を基板上に塗布し、プレべークし、選択的に露光した後、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト用現像液組成物を用いてアルカリ現像してレジストパターンを形成することを特徴とするレジストパターン形成方法。
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