JP2005001934A - サファイア単結晶引上成長装置 - Google Patents

サファイア単結晶引上成長装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波誘導加熱によりるつぼ内のサファイア粉末を溶解させてサファイア単結晶を引上げ成長させる装置において、るつぼの低価格化を図る。
【解決手段】円筒状のチャンバ内に設けられた円筒状の加熱室60と、加熱室60の外周に配置された加熱コイルと、加熱室60の内部に設けられたるつぼ69と、るつぼ69の上方に設けられたアフタヒータ76と、加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、記加熱コイルによりるつぼを高温に加熱してサファイア粉末57を溶解せしめ、この溶液にシードを接触させ引上げてサファイア単結晶を成長させる装置において、るつぼ69をモリブデン,タングステン又は両者の混合物により形成すると共に、加熱室60をカーボンフェルト成形部材により形成し、かつ加熱室の筒状部61,62の外周面に縦方向に複数の溝65を設けた。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波誘導加熱によりるつぼ内のサファイア粉末を溶解させて、この溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中でシードを回転させながら引上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来のサファイア単結晶引上成長装置の模式的な縦断面図である。図8のサファイア単結晶引上成長装置10は、サファイア単結晶引上成長炉(高周波加熱式結晶炉)11と、真空ポンプ51,高周波誘導加熱用発振機52、発振機の制御及び、単結晶引上成長炉のコンピュータ制御,温度制御,駆動系制御,成長結晶直径制御等を行う制御装置53で構成されている。
サファイア単結晶引上成長炉11は円筒状のステンレススチール製(SUS)チャンバ12で覆われており、そのチャンバ12は水冷ジャケット二重構造となっており、底面のベースチャンバ13及び上面のトップチャンバ14に分割可能なように作られている。サファイア単結晶引上成長炉11は上部と下部に設けられたOリング15,16等でシールされた真空炉となっており、真空ポンプ51に接続されている。
【0003】
加熱源としての高周波誘導加熱用発振機51は、水冷ケーブル54を介して同軸ケーブル55にてサファイア単結晶引上成長炉11内に挿入接続され、その先端に加熱コイル56が取り付けてある。
チャンバ12内には加熱室(Hot Zone)17が設けられている。加熱室17は円筒状の外側断熱部材18と、外側断熱部材18の下部と上部に設けられた円盤状の基盤部19a(下部),19b(上部)と蓋部断熱部材20とから形成されており、これらの各部材は通常はアルミナ(Al)の耐火物で構成されている。加熱室17内部の下部中央には、イリジウム製(Ir)のるつぼ21が設けられ、るつぼ21の底部及び外周部にはジルコニアバブル22等が充填されている。
【0004】
るつぼ21の上にはリング状のイリジウム製(Ir)のるつぼ蓋23を配置し、その上にジルコニア(ZrO)による耐火物のリング状部材24が積み重ねられる。さらにその上に耐火物から成る円筒状の内側断熱部材25が設けられ、その上面には耐火物から成る円盤状の蓋部断熱部材26が設けられている。これらの各耐火物は通常ジルコニア(ZrO)が使用され、適度に分割可能に構成してある。また、前述のリング状部材24に上面には円筒状のイリジウム製のアフターヒータ27が設けられている。
加熱室17を構成する加熱構成部品は、チャンバ12の下部上面に設けられたステンレススチール製の台座28の上に、更に設けられたアルミナ(Al)等の耐火物で形成された円筒状の支持台29により支持されている。
【0005】
円筒状の外側断熱部材18及び内側断熱部材25の各蓋部断熱部材20,26には、それぞれサファイア単結晶引上成長物をるつぼ21から引上げる引上げ軸30が貫通する貫通孔31,32と、るつぼ21内の温度をチャンバ12の上部に設けられたバイロセンサ33により炉内温度を監視する覗き窓34,35が設けてある。引上げ軸30の内側には、結晶重量を計測するロードセル39に連結されたシード軸(フォースバー)36が設けられ、その先端部にはシード(種結晶)38を固定するシードチャック37が設けられている。
なお、引上げ軸30は、ロードセル39に連結されているが、シード軸36をカバーする機能を有するものであり、シード軸36がサファイア単結晶引上成長炉11内にスムーズに上下移動させるものである。
また、加熱室17の下端部にはチャンバ12及び台座28を貫通して熱電対40が設けられている。
【0006】
次に、前述のサファイア単結晶引上成長装置10の動作を説明する。イリジウム製(Ir)るつぼ21に材料純度99.95〜99.998程度のα−アルミナ(サファイア)57(Al)を充填し、結晶重量を計測するロードセル39に直結されているシード軸36の先端にあるシードチャック37にシード(種結晶)38を固定する。これまでの準備作業中は作業が容易に行えるように通常はチャンバ12は分割され、加熱室17から取り外された状態になっている。この準備作業が終了した時点で、チャンパ12は元に戻され密封状態にする。チャンバ12内は接続された真空ポンプ51によって2〜5Paまで減圧する。但し、この真空引きは使用する雰囲気ガスに置換するためのもので、省略されることもある。
【0007】
チャンバ12が密封された後、または、真空引き後、チャンバ12内にガス導入口41より窒素(N)又はアルゴン(Ar)ガスを流して、チャンバ12内を不活性雰囲気にする。チャンバ12内が過加圧にならないように、ガス廃棄管42から、図示していない洗浄瓶等を通してガスは捨てられる。
チャンバ12内が十分な不活性雰囲気になったところで、高周波誘導加熱用発振機52を動作させて、加熱コイル56に流れる高周波電流によって、導電性のあるイリジウム製(Ir)るつぼ21の表面に誘導電流が生じてイリジウム製るつぼ21が加熱される。
【0008】
サファイア57の融点は2040℃であるので、少なくとも融点以上の温度で加熱し、完全に溶かす。制御装置53はバイロセンサ33および熱電対40によって検出された温度に対応し、加熱室17及びサファイアの融液57の温度を適当な水準に維持するために必要な高周波誘導加熱用発振機52の出力を変化させる。融液温度をシード38(種結晶)付けに適切な温度にして安定化させ、シード軸36を例えば15〜25rpmの速度で回転しながら降下させ、サファイアの融液57にシード38を付ける。このシード軸36の上下は、模式的に示す駆動機構43に連結されており、図示してないモータの回転を減速機を介して駆動している。また、シード軸36の回転は模型的に示す回転機構部44でモータによる回転を減速機を介して伝達している。
【0009】
なお、サファイアの融液57の温度勾配を変化させるのに重要な加熱コイル56の駆動機構45が同軸ケーブル55に直結しており、駆動機構45の図示してないモータの回転を減速機を介して上下動作に変換して加熱コイル56を駆動している。制御装置53は引上げ軸30及び加熱コイル56の各駆動機構43,45に取り付けられた図示していない回転エンコオーダで検出した信号で駆動速度,回転,駆動距離をコンピュータで演算し制御している。
【0010】
サファイアの融液57に付けたシード38を適温で十分融液に馴染ませてから、引上げを開始する。制御装置53はロードセル39で検出した結晶重量を、予め入力した諸パラメータに基づきコンピュータ演算してサファイア単結晶58の直径が自動的に制御され、予め設定された結晶長さに至るまで結晶成長が継続される。設定された結晶長さまで成長すると融液57から結晶を切り離す工程に移行し、その後制御装置53のコンピュータに予め登録されたシーケンスパターンによって降温される。
この技術分野の公知技術として、サファイア(Al)の単結晶に近い固体レーザ材料のYAG結晶の育成炉がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0011】
【非特許文献1】
編集日本結晶成長学会「結晶成長ハンドブック」発行共立出版株式会社、1995年9月1日、p.514−517
【0012】
次に加熱コイル56による高周波誘導加熱について、図9に示したブロックダイアグラムに基づいて説明する。
図9において33はバイロセンサー、52は高周波誘導加熱用発振機(トランジスタインバータ)、53は制御装置、56は加熱コイルであり、図8で示した符号と同一の符号で示してある。なお、図9に示す制御装置53は、高周波誘導加熱用発振機52の高周波電流及び加熱室温度制御に関する部分を抜粋してブロックダイアグラムで示したものである。
【0013】
高周波誘導加熱用発振機52は、商用電源111(3φ,200V)から入力し、メインブレーカ112で受けて、コンタクタ113を通してコンバータ回路114に接続される。このコンパータ回路114は図示してないサイリスタ、平滑コンデンサ及びチョークコイルより構成され、三相全波整流を行い電流電圧の平滑化を行う。サイリスタコントロール回路115は、コンパータ回路114のサイリスタ電流回路を位相制御する回路である。制御装置53に配置された温度調節器135の出力0〜10Vで0〜100%の出力制御が可能となっている。また、フィードバック回路116及びサイリスタコントロール回路115により直流電圧又は直流電流が安定に維持される。
【0014】
コンバータ回路114から出力された直流電力は、インバータ回路(パワートランジスタ)118のスイッチング動作により高周波電力に変換される。この高周波電力への変換に際しては、オ─トトランス120を含む整合回路119及び加熱コイル56の同調周波数に自動追従した所定のパルス幅となるように、インバータ制御回路117によりインバータ回路118のスイッチング動作が制御される。なお、整合回路119は、オ─トトランス120と加熱コイル56のインダクタンス、及び整合用コンデンサ121a〜121dのキャパシタンスによる直列共振回路で構成されているものである。この整合回路119では、インバータ回路118で発生した高周波電源を直列共振させ、回路の固有周波数による振動電流を発生させ、この振動電流が加熱コイル56に供給され、るつぼ21内の被加熱物であるサファイア粉末57を加熱して溶解させる。
【0015】
なお、図9のブロックダイアグラムにおいて、122は高周波電流センサ、123は発振周波数検知センサ、124は高周波電流センサ、125はACC整流ユニット、126はシーケンス回路、制御装置53の131は表示器、132はCPU制御器、133は整流ユニット、134は高周波電流制御と温度センサ制御との切替スイッチ、135は温度調節計である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例で使用されているイリジウム製(Ir)のるつぼ21の価格は、原材料となるイリジウム(Ir)の市場相場の変動によって大きく変わるが、直径150mm,高さ150mm,厚さ2mmの大きさのもので、8百万円〜1千数百万円にもなる高価なものであり、そのため、サファイア単結晶引上成長装置は極めて高額な設備となり、この装置で製造されるサファイア単結晶の価格も高価になると共に、サファイア単結晶を使用する部品や製品も高価になるという問題があった。
また、イリジウム(Ir)の溶融温度は約2450℃であるため、サファイア単結晶の直径は3インチ程度までが限度であり、それ以上の、例えば4インチサファイア単結晶を製造することは困難であった。
【0017】
また、サファイア単結晶引上成長装置10のるつぼを、イリジウム(Ir)と同じ高融点金属でありながら、イリジウム(Ir)の価格の1/20程度と極めて廉価であって、サファイアの結晶引上成長に使用可能なモリブデン(Mo)又はタングステン(W)製のるつぼを使用することも考えられる。しかしながら、るつぼにモリブデン(Mo)又はタングステン(W)を使用した場合、加熱室17の内面部を形成するジルコニア(ZrO)は高温(1800°以上)になると、酸化・還元反応をおこすため、
【0018】
【数1】
Figure 2005001934
のように還元で放出した酸素(O2 )がるつぼ材のモリブデン(Mo)を酸化させ、黒青色の煙を発生させる。この煙が、サファイア原料表面、又はサファイア融液に混入し着色および純度低下を引き起こす。そのため、ジルコニア(ZrO)耐火物は加熱室の構成部材として使用できない。また、アルミナ(Al)耐火物はこのような反応は起こさないが、耐熱強度からして、あまり高温にならない1,500℃以下での使用が可能であり、融点が2040℃程度であるサファイア(Al)の単結晶引上成長炉における温度の高い内側断熱材25としては使用できない。また、るつぼにタングステン(W)を用いた場合も前述のモリブデン(Mo)を使用した場合と同様な問題がある。
本発明は、るつぼにイリジウムの比較して低価格のモリブデン(Mo),タングステン(W)又はモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)を用いることのできる、サファイア単結晶引上成長装置を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明のサファイア単結晶引上成長装置は、円筒状のチャンバ内に設けられた円筒状の加熱室と、該加熱室の外周に配置された加熱コイルと、前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、該るつぼの上方に設けられたアフタヒータと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、該るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、この溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で該シードを回転させながら引上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
前記るつぼをモリブデン,タングステン又はモリブデンとタングステンとの混合物により形成すると共に、前記加熱室をカーボンフェルト成形部材により形成し、かつ該加熱室の筒状部を形成するカーボンフェルト成形部材の外周面に縦方向に複数の溝を設けたことを特徴とするものである。
【0020】
本願の第2の発明のサファイア単結晶引上成長装置は、円筒状のチャンバ内に設けられた円筒状の加熱室と、該加熱室の外周に配置された加熱コイルと、前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、該るつぼの上方に設けられたアフタヒータと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、該るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、この溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で該シードを回転させながら引上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
前記るつぼをモリブデン,タングステン又はモリブデンとタングステンとの混合物により形成すると共に、前記加熱室をカーボンフェルト成形部材により形成し、かつ該加熱室の筒状部及び上部シールド部を相互間で空隙部を有する二重構造又は三重構造に構成したことを特徴とするものである。
【0021】
本願の第3の発明のサファイア単結晶引上成長装置は、円筒状のチャンバ内に設けられた円筒状の加熱室と、該加熱室の外周に配置された加熱コイルと、前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、該るつぼの上方に設けられたアフタヒータと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、該るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、この溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で該シードを回転させながら引上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
前記るつぼをモリブデン,タングステン又はモリブデンとタングステンとの混合物により形成すると共に、前記加熱室の形成部材をカーボンフェルトとアルミナとを交互に重ね合わせて多層構造とし、かつ前記加熱室の内面部がカーボンフェルトとなるように構成したことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
サファイア単結晶引上成長におけるサファイアの融点は2040℃程度であるので、使用できる保温・断熱材はグラファイト系または、カーボンフェルトにアルミナ耐火物を組合せてるなど、加熱室を構成できる材料として限られてくる。しかし、カーボンフェルト及びカーボンフェルト成形品は、高周波誘導をおこし、比加熱源となってしまうことがままおこる。カーボンフェルトの本来の目的は、金属製るつぼに直流高周波誘導をおこさせ、加熱・発熱された熱量を保温・断熱する役割を持たせることである。
本発明は、るつぼに価格の低いモリブデン(Mo)又はタングステン(W)を用い、加熱室形成部材としてカーボンフェルト成形品及びカーボンフェルトが使用できるようにしたものである。
【0023】
(実施例1)
図1は本発明のサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の一実施例を示すものであり、図1(a)は加熱室全体の縦断面図、図1(b)は加熱室の一部を示す斜視図である。図1において、60は加熱室、61は円筒状の下部断熱部材は円筒状の上部断熱部材、63は円盤状の底部断熱部材、64は円盤状の蓋部断熱部材であり、これらの各断熱部材は保温・断熱材としてカーボンフェルト成形品で形成され、下部断熱部材61及び上部断熱部材62の外周面には、図1(b)に示すようにそれぞれ縦方向に4本の溝65a〜65dが設けられている。66は加熱室60を支持する円筒状の支持台であり、前述した図8に示した支持台29と同様にアルミナ(Al)等の耐火物で形成されている。
【0024】
67は支持台66上に設けられた円盤状のアルミナ(Al)から成る基盤部、68は基盤部67上に更に設けられた円盤状の同じくアルミナ(Al)から成る基盤部である。69はモリブデン製のるつぼであり、基盤部68の上に設けられたタングステン製(W)台70に載置されている。タングステン製(W)台70は、るつぼ69及びその他の構造物を安定に保持するためのものであり、下部円筒部71と上部円筒部72との間に下部円盤部73が設けられ、上部円筒部72にるつぼ69等を載置する上部円盤部74が形成されている。このタングステン製(W)台71は、カーボンフェルト成形品の底部断熱部材63に嵌め込むように設けられている。75はモリブデン製(Mo)のリング状のるつぼ蓋であり、この上にモリブデン製(Mo)の円筒状のアフターヒータ76が設けられている。
【0025】
77は加熱室60の外周部に設けられた円筒状の石英管であり、下部断熱部材61及び上部断熱部材62を構成するカーボンフェルト成形品が毛羽立ち高周波誘導によって偶々放電現象を引き起こすことがあるのを防止する目的で設けられたものである。前述の蓋部断熱部材64には、図8に示した従来例と同様に引上げ軸30を通す挿通孔78と、バイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓79が設けられてある。また、前述の下部断熱部材61及び上部断熱部材62の外周面に設けられた溝65は、幅を約5mm,深さを約10mmとしてほぼ等間隔に4本設けてあるが、溝65の幅,深さ及び本数は、高周波電流の印加条件等によって適宜に設定することができる。
【0026】
なお、基盤部67,68と底部断熱部材63の中心部にそれぞれ設けられた各穴部80,81,82は、図8に示された熱電対40の貫通孔である。また、円筒状の断熱部材は、下部断熱部材61と上部断熱部材62との二体構造として、るつぼ69へのサファイア(Al)57の充填を容易に行えるようにしているが、るつぼ69の設置内部の構造によっては、更に分割した構造にしたり、或いは一体構造としてもよい。
【0027】
また、本発明の他の特徴としては、従来例として示した図8の加熱コイルへの高周波電流の供給を改善したものである。即ち、本発明における高周波誘導加熱用発振機は、図2のブロックダイヤグラムに示すように出力トランス84に一次側巻線に複数のタップ85a,85b…85nを設け、加熱室60の負荷との関係におけるインピーダンスの整合を取り易くすると共に、安定した温度調整が行えるようにしたものである。これは高周波誘導加熱用発振機52の最大電流容量に対して出力トランス84の一次側に供給される電流値を、例えば1/12,1/15,1/18というように制御して供給するものである。
この出力トランス84のタップ切り替えと、円筒状の断熱部材61,62の外周面に縦方向に設けられた溝65a〜65dとが高周波特性に及ぼす状況を、図3に示した特性図により説明する。
【0028】
図3は高周波誘導加熱用発振機52の高周波電圧を横軸にとり、高周波電流を縦軸に取って高周波誘導特性を表した特性図(グラフ)である。この特性図においてデータA,B,C,D,E,Fは、表1に示す条件におけるデータである。
【0029】
【表1】
Figure 2005001934
【0030】
前記表1中の「るつぼ69のみ」とは、加熱室60を構成する円筒状の断熱部材61,62が除去された状態のものである。「部材61,62」は、カーボンフェルト成形品から構成された断熱部材61,62である。また、「部材61,62に溝なし」とは、断熱部材61,62に溝を設けてないものである。
データAは図1に示したモリブデン製のるつぼ69のみを、加熱コイル56内に配置したときの高周波特性であり、データDは図1に示した加熱室60全体の高周波特性を示すものであり、明らかにるつぼ69のみの場合より円筒状のカーボンフェルト成形品の断熱部材61,62がある場合の方が負荷は非常に重くなり、高周波電流が流れ難くなっている。これはカーボンフェルト成形品が高周波誘導加熱様の負荷となっていることを示している。
【0031】
本発明はこの現象を改善するため、前述したようにカーボンフェルト成形品の断熱部材61,62に縦方向の溝を複数本設けたものであり、これにより図3にデータCで示す高周波特性となり、前記のデータDよりも改善させることができた。なお、前記データA,D,Cは、いずれも出力トランス84のタップ85が1/15の場合のデータである。
また、出力トランス84のタップ85を1/15から1/18に変更し、高周波電圧・高周波電流特性データで高周波誘導加熱用発振機52の性能をフル使用できるように整合調整した時のデータを示す。それにつれてデータ(A)はデータ(B)に、データ(C)はデータ(E)に、データ(D)はデータ(F)に変わるものである。
【0032】
前述したように、カーボンフェルト成形品により断熱部材61,62を形成した場合であっても、その断熱部材61,62の表面の縦方向に所要の幅,深さ,本数の溝65を設けることにより、高周波誘導の影響を調節可能にしたものである。また、高周波誘導加熱用発振機52の出力トランス84のタップ85を切り替え高周波誘導加熱発振機52の出力を調節することにより、サファイア単結晶引上成長装置にモリブデン製(Mo)のるつぼ69を用いた加熱室60を構成しても、その使用に十分に適用することができた。
【0033】
前述の実施例におけるサファイア単結晶引上成長装置においては、るつぼ69,るつぼ蓋75,アフタヒータ76をモリブデン(Mo)により形成しているが、これらのるつぼ69,るつぼ蓋75,アフタヒータ76をタングステン(W)又はモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)(例えば,Mo−30%W)により形成してもよい。また、各部それぞれをモリブデン(Mo),タングステン(W)又はモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)から選択して異なる構成部材として形成してもよい。この様に各部の構成部材を替えても、図3に示したデータA〜Fに対応する各データはほぼ同様の数値を示している。
【0034】
なお、モリブデン(Mo)の溶解温度は約2623℃、タングステン(W)の溶解温度は約3400℃、モリブデンとタングステンとの混合物(Mo−30%W)の溶解温度は約2800℃であり、コストはいずれもイリジウム(Ir)に比較して大幅に低いが、タングステン(W)はモリブデン(Mo)より低く、タングステンとモリブデンとの混合物(Mo−30%W)は両者の間にある。これらの材料の使用は、サファイア単結晶引上成長装置の大きさ、即ち、製造されるサファイア単結晶の大きさに基づく加熱温度容量の大きさを考慮して適正なコストになるよう選択される。この考え方は、後述する他の実施例においても同様である。
【0035】
(実施例2)
次に、本発明のサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の他の実施例を図4に基づいて説明する。なお、図4に示す加熱室90の構成部分のうち、図1の実施例で示した構成部分と同じ箇所は、同一符号で示しその説明を省略する。図4ににおいて、91はカーボンフェルト成形品により形成された円筒状の外側断熱部材であり、その上部にはカーボンフェルト成形品により形成された円盤状の蓋部断熱部材92が嵌合可能に設けられている。93は同じくカーボンフェルト成形品により形成された円筒状の内側断熱部材であり、上部には同様にカーボンフェルト成形品により形成された円盤状の蓋部断熱部材94が嵌合可能に設けられている。
【0036】
この各蓋部断熱部材92,94には、それぞれ図8に示した引上げ軸30を通す挿通孔95,96と、バイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓97,98が設けられている。外側断熱部材91と内側断熱部材93の厚さは、それぞれ10〜20mm程度であり、その両者間には3〜10mm程度の空隙99が設けられている。
この実施例では、円筒状の断熱部材91,93を二重に設けているが、蓋部断熱部材92,94を含み、三重又は四重のように多重に構成してもよい。また、円筒状の断熱部材91,93はそれぞれ1個で形成しているが、図1に示した実施例のように上下に分離できる二体構造に構成してもよい。
【0037】
このように、加熱室90を多重構造とすることにより、図1の実施例のように外側断熱部材91の外周面に縦方向の溝を設けることなく、高周波誘導を減少させることができた。この実施例における高周波特性を図5の特性図(グラフ)に示す。図5のデータBはるつぼ69のみで出力トランス84のタップ1/18であり、図3の特性図のデータBと同じである。データGは、加熱室90全体で出力トランス84のタップ1/18の場合の高周波特性である。
この実施例のサファイア単結晶引上成長装置では、モリブデン製(Mo)るつぼ69を直径150mm×高さ150mmを使用し、直径3インチのサファイア単結晶引上成長を行い良好な結果が得られた。
【0038】
(実施例3)
次に、本発明のサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室のその他の実施例を図6に基づいて説明する。なお、図6に示す加熱室100の構成部分のうち、図1の実施例で示した構成部分と同じ箇所は、同一符号で示しその説明を省略する。
この実施例の加熱室100はるつぼ69を直径180mm×高さ180mmとして、直径が3インチ以上の例えば4インチのサファイア単結晶引上成長に対応するものであり、カーボンフェルトにアルミナ耐火物を組合せ保温・断熱材部分に比較的熱容量を増加させたのが特徴である。従って、この実施例においては、るつぼ69及びるつぼ蓋75の材料をモリブデンとタングステンとの混合物(Mo−30%W)又はタングステン(W)とすることが望ましい。
即ち、内壁を構成する円筒状の断熱部材101は10〜15mmのカーボンフェルトであり、その外側に10〜15mmのアルミナ(Al)耐火物102を配置する。カーボンフェルト101は自立性がないので、アルミナ耐火物に102に適宜箇所に複数の穴を空け、その穴2個を一組にして、複数箇所で例えばカーボン繊維の紐等でカーボンフェルト101を抱えるようにして固定する。
【0039】
このようにしてカーボンフェルトの3層目の断熱部材103、4層目のアルミナ耐火物の断熱部材104として、カーボンフェルトとアルミナの断熱部材を交互に組合せて、多層構造にし適度の熱量を保持した保温・断熱構造としてものである。蓋部の断熱も内側よりカーボンフェルトの断熱部材105と、アルミナ耐火物の断熱部材106及びカーボンフェルトの断熱部材107を重ね合わせ、断熱部材106のアルミナ耐火物に穴を空けて、カーボン繊維の紐等でカーボンフェルトの断熱部材103,105を適宜箇所で断熱部材106に固定されている。なお、108は蓋部の断熱部材105,106,107を貫通する引上げ軸30を通す挿通孔であり、109は同様に蓋部の断熱部材105,106,107を貫通する覗き窓である。
【0040】
なお、図6に示した第3の実施例は、カーボンフェルトとアルミナ耐火物との接合部材として、これを二重にして構成したものであるが、るつぼ69を高温に加熱する場合は、カーボンフェルトとアルミナ耐火物との接合部材を三重にすることが望ましい。
この実施例における高周波特性を図7の特性図(グラフ)に示す。図7のデータBは、るつぼ69のみで出力トランス84のタップ1/18であり、図3の特性図のデータBと同じである。データHは、加熱室100全体で出力トランス84のタップ1/18の場合の高周波特性である。この加熱室を使用したサファイア単結晶引上成長装置においても良好結果が得られた。
【0041】
一般的にカーボンフェルトへの高周波誘導は、発振周波数は30kHz以下が望ましいことは公知になっている。しかし、現実は30kHzでは、市場に出回っているカーボンフェルトではサファイア単結晶引上成長装置に使用する温度ではほぼ全数が高周波誘導される。
本発明のサファイア単結晶引上成長装置の各実施例では、発振周波数は8kHz以下がより良い結果を得た。ただし、発振周波数が3kHz以下は低周波になるほど騒音障害問題が発生し、好ましくなくなってくる。そのため、サファイア単結晶引上成長装置で使用する高周波誘導用加熱発振機の発振周波数は3〜7kHzが最適である。
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のサファイア単結晶引上成長装置は、イリジウム(Ir)に比較し極めて廉価なモリブデン(Mo)又はタングステン(W)をるつぼ,るつぼ蓋,アフタヒータに使用することにより、サファイア単結晶引上成長装置の性能を同等に維持しながら価格を大幅に低減させることができたものである。したがって、サファイア単結晶体の販売価格も下げることができ、サファイア単結晶体を使用する部品や製品の価格が下げられ、需要拡大の寄与するものである。また、高周波誘導用加熱発振機の出力トランスの一次巻線に複数のタップを設け、このタップを切り替えて高周波誘導用加熱発振機の出力を調整することにより、サファイア単結晶引上成長装置の性能を適切に発揮させることができるなどの効果を有するものである。また、るつぼにモリブデン,タングステン又はモリブデンとタングステンとの混合物をを用いることにより、従来のイリジウムのるつぼよりも高温にすることができるため、大きいサファイア単結晶を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサファイア単結晶引上成長装置の要部であるるつぼ等を含む加熱室の一実施例の構造を示す模式図である。
【図2】本発明のサファイア単結晶引上成長装置に使用される高周波誘導用加熱発振機の一実施例を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】本発明のサファイア単結晶引上成長装置の加熱室の一実施例における高周波誘導用加熱発振機による周波数特性を検証するための特性図である。
【図4】本発明のサファイア単結晶引上成長装置の要部であるるつぼ等を含む加熱室の他の実施例の構造を示す模式図である。
【図5】本発明のサファイア単結晶引上成長装置の加熱室の他の実施例における高周波誘導用加熱発振機による周波数特性を検証するための特性図である。
【図6】本発明のサファイア単結晶引上成長装置の要部であるるつぼ等を含む加熱室のその他の実施例の構造を示す模式図である。
【図7】本発明のサファイア単結晶引上成長装置の加熱室のその他の実施例における高周波誘導用加熱発振機による周波数特性を検証するための特性図である。
【図8】従来のサファイア単結晶引上成長装置の一例を示す模式図である。
【図9】従来のサファイア単結晶引上成長装置に使用される高周波誘導用加熱発振機の一実施例を示すブロックダイヤグラムである。
【符号の説明】
10 サファイア単結晶引上成長装置
11 サファイア単結晶引上成長炉
12 チャンバ
13 ベースチャンバ
14 トップチャンバ
15,16 Oリング
17,60,100 加熱室
18 円筒状の外側断熱部材
19 基盤部
20 円盤状の外側蓋部断熱部材
21 ジルコニア製のるつぼ
22 ジルコニアバブル
23 ジルコニア製のるつぼ蓋
24 リング状部材
25 円筒状の内側断熱部材
26 円盤状の内側蓋部断熱部材
27,76 アフタヒータ
28 台座
29 支持台
30 引上げ軸
31 貫通孔(外壁部の)
32 貫通孔(内壁部の)
33 バイロセンサ
34 外側蓋部断熱部材の覗き窓
35 内側蓋部断熱部材の覗き窓
36 シード軸
37 シードチャック
38 シード
39 ロードセル
40 熱電対
41 ガス導入口
42 ガス廃棄管
43 引上げ軸の駆動機構
44 回転機構部
45 加熱コイルの駆動機構
51 真空ポンプ
52 高周波誘導加熱用発振機
53 制御装置
54 水冷ケーブル
55 同軸ケーブル
56 加熱コイル
57 サファイア(α−アルミナ)
58 サファイア単結晶
61 下部断熱部材
62 上部断熱部材
63 底部断熱部材
64 蓋部断熱部材
65 溝
66 支持台
67 基盤部
68 基盤部
69 モリブデン製のるつぼ
70 るつぼ台
71 るつぼ台の下部円筒部
72 るつぼ台の上部円筒部
73 るつぼ台の下部円盤部
74 るつぼ台の上部円盤部
75 モリブデン製のるつぼ蓋
77 石英管
78 挿通孔
79,97,98 覗き窓
80,81,82 穴部
84 出力トランス
85 タップ
91 外側断熱部材
92 蓋部断熱部材
93 内側断熱部材
94 蓋部断熱部材
95,96 挿通孔
99 空隙
101 円筒状のカーボンフェルトにより形成された1層目の断熱部材
102 円筒状のアルミナにより形成された2層目の断熱部材
103 円筒状のカーボンフェルトにより形成された3層目の断熱部材
104 円筒状のアルミナにより形成された4層目の断熱部材
105 円盤状のカーボンフェルトにより形成された1層目の蓋体
106 円盤状のアルミナにより形成された2層目の蓋体
107 円盤状のカーボンフェルトにより形成された3層目の蓋体
108 引上げ軸用の挿通孔
109 覗き窓
111 商用電源
112 メインブレーカ
113 コンダクタンス
114 コンバータ回路
115 サイリスタコントロール回路
116 フィードバック回路
117 インバータ制御回路
118 インバータ回路
119 整合回路
120 出力トランス
121 整合用コンデンサ
122,124 高周波電流センサ
123 発振周波数検知センサ
125 ACC整流ユニット
126 シーケンス回路
131 表示器
132 CPU制御器
133 整流ユニット
134 切替スイッチ
135 温度調節計

Claims (6)

  1. 円筒状のチャンバ内に設けられた円筒状の加熱室と、該加熱室の外周に配置された加熱コイルと、前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、該るつぼの上方に設けられたアフタヒータと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、該るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、この溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で該シードを回転させながら引上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記るつぼをモリブデン,タングステン又はモリブデンとタングステンとの混合物により形成すると共に、前記加熱室をカーボンフェルト成形部材により形成し、かつ該加熱室の筒状部を形成するカーボンフェルト成形部材の外周面に縦方向に複数の溝を設けたことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  2. 円筒状のチャンバ内に設けられた円筒状の加熱室と、該加熱室の外周に配置された加熱コイルと、前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、該るつぼの上方に設けられたアフタヒータと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、該るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、この溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で該シードを回転させながら引上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記るつぼをモリブデン,タングステン又はモリブデンとタングステンとの混合物により形成すると共に、前記加熱室をカーボンフェルト成形部材により形成し、かつ該加熱室の筒状部及び上部シールド部を相互間で空隙部を有する二重構造又は三重構造に構成したことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  3. 円筒状のチャンバ内に設けられた円筒状の加熱室と、該加熱室の外周に配置された加熱コイルと、前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、該るつぼの上方に設けられたアフタヒータと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、該るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、この溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で該シードを回転させながら引上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記るつぼをモリブデン,タングステン又はモリブデンとタングステンとの混合物により形成すると共に、前記加熱室の形成部材をカーボンフェルトとアルミナとを交互に重ね合わせて多層構造とし、かつ前記加熱室の内面部がカーボンフェルトとなるように構成したことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  4. 前記アフタヒータの形成部材をモリブデン,タングステン又はモリブデンとタングステンとの混合物としたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のサファイア単結晶引上成長装置。
  5. 前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源のトランスを負荷との整合が取れるようなタップを有するマッチングトランスとしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のサファイア単結晶引上成長装置。
  6. 前記高周波電源の高周波誘導加熱用発振機の発振周波数を3〜7kHzにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のサファイア単結晶引上成長装置。
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