JP2012153570A - サファイア単結晶引上成長装置 - Google Patents

サファイア単結晶引上成長装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波誘導加熱によりるつぼ内のサファイア粉末を溶解させてサファイア単結晶を引き上げ成長させる装置において、るつぼの低価格化を図る。
【解決手段】サファイア単結晶引上成長装置において、るつぼをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成し、加熱室をカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品により形成し、加熱室を形成するカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の内周面および外周面に筒形状の軸方向に沿って延長する複数の溝を形成し、複数の溝は、加熱室を形成するカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の周面に対して、外周面の溝と内周面の溝とが互いに交互にずれて位置するように配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サファイア単結晶引上成長装置に関し、さらに詳細には、高周波誘導加熱によりるつぼ内のサファイア粉末を溶解させ、このサファイア粉末を溶解させて得られる溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中でシードを回転させながら引き上げることによってサファイア単結晶を成長させるようにしたサファイア単結晶引上成長装置に関する。
従来のサファイア単結晶引上成長装置として、例えば、図9に示すようなサファイア単結晶引上成長装置が知られている。
即ち、図9には、従来のサファイア単結晶引上成長装置の模式的な縦断面図が示されており、この図9に示すサファイア単結晶引上成長装置10は、サファイア単結晶引上成長炉(高周波加熱式結晶炉)11と、真空ポンプ51と、高周波誘導加熱用発振器52と、高周波誘導加熱用発振器52の制御およびサファイア単結晶引上成長炉11のコンピュータ制御、温度制御、駆動系制御ならびに成長結晶直径制御等を行う制御装置53とを有して構成されている。

ここで、サファイア単結晶引上成長炉11は、円筒状のステンレススチール(SUS)製のチャンバ12で覆われている。
そのチャンバ12は水冷ジャケット二重構造として構成されており、チャンバ12の底面にはベースチャンバ13が配設され、また、チャンバ12の上面にはトップチャンバ14が配設されている。
なお、チャンバ12とベースチャンバ13とトップチャンバ14とは、それぞれに分割可能に構成されている。
また、サファイア単結晶引上成長炉11は、上部と下部とにそれぞれ設けられたOリング15、16等でシールされた真空炉となっており、真空ポンプ51に接続されている。
そして、加熱源としての高周波誘導加熱用発振器52は、水冷ケーブル54を介して同軸ケーブル55によりサファイア単結晶引上成長炉11内に挿入接続され、その先端に加熱コイル56が取り付けられている。
チャンバ12内には、加熱室(Hot Zone)17が設けられている。この加熱室17は、円筒状の外側断熱部材18と、外側断熱部材18の下部に設けられた下方に位置する円盤状の基盤部19aおよび上方に位置する基盤部19bと、外側断熱部材18の上部に設けられた円盤状の蓋部断熱部材20とを有して構成されている。
これら加熱室17を構成する各部材、即ち、外側断熱部材18、基盤部19a、19bならびに蓋部断熱部材20は、通常はアルミナ(Al)耐火物またはジルコニア(ZrO)耐火物で構成されている。
また、加熱室17内部の下部中央には、イリジウム(Ir)製のるつぼ21が設けられている。るつぼ21の底部および外周部には、ジルコニアバブル22等が充填されている。
さらに、るつぼ21の上方には、リング状のイリジウム(Ir)製のるつぼ蓋23を配置しており、るつぼ蓋23の上にジルコニア(ZrO)による耐火物のリング状部材24が積み重ねられている。
さらに、リング状部材24の上に耐火物からなる円筒状の内側断熱部材25が設けられており、内側断熱部材25の上面には耐火物からなる円盤状の蓋部断熱部材26が設けられている。
なお、これらの各耐火物の材料としては、通常はジルコニア(ZrO)が使用され、これらの各耐火物は、適度に分割可能に構成されている。
また、上記したリング状部材24に上面には、円筒状のイリジウム(Ir)製のアフターヒータ27が設けられている。
そして、チャンバ12の下部上面には、ステンレススチール製の台座28が設けられており、加熱室17を構成する加熱構成部品は、台座28の上に設けられたアルミナ(Al)等の耐火物で形成された円筒状の支持台29により支持されている。
円筒状の外側断熱部材18の蓋部断熱部材20と円筒状の内側断熱部材25の蓋部断熱部材26とには、サファイア単結晶引上成長物をるつぼ21から引き上げるパイプ状の引き上げ軸30を貫通させる貫通孔31、32と、るつぼ21内の温度をチャンバ12の上部に設けられたバイロセンサ33により監視するための覗き窓34、35とがそれぞれ設けられている。
一方、パイプ状の引き上げ軸30の内径側には、結晶重量を計測するロードセル39に連結されたシード軸(フォースバー)36が設けられ、その先端部にはシード(種結晶)38を固定するシードチャック37が設けられている。
なお、引き上げ軸30は、ロードセル39に連結されているが、シード軸36をカバーする機能を有するものであって、シード軸36がサファイア単結晶引上成長炉11内をスムーズに上下移動することができるようになされている。
また、加熱室17の下端部には、チャンバ12および台座28を貫通するようにして熱電対40が設けられている。
なお、チャンバ12は、後述する準備作業を容易に行うことができるようにするために、例えば、上下方向に2〜3分割可能に構成されていて、準備作業の際はチャンバ12を分割して加熱室17から取り外し可能になされていたり、あるいは、開閉自在なドアが設けられていて、作業者がそのドアを開けて準備作業を行うことができるようになされている。

以上の構成において、上記したサファイア単結晶引上成長装置10の動作について説明する。
まず、サファイア単結晶を引き上げ成長する際の準備作業として、イリジウム(Ir)製のるつぼ21内に、材料純度99.95〜99.998%程度のα−アルミナ(サファイア)(Al)57を充填し、結晶重量を計測するロードセル39に直結されているシード軸36の先端に設けられたシードチャック37にシード(種結晶)38を固定する。
なお、上記した準備作業の際には、その作業を容易に行うことができるようにするために、チャンバ12が2〜3分割可能に構成されている場合にはチャンバ12を分割して加熱室17から取り外したり、あるいは、チャンバ12に開閉自在なドアが設けられている場合には作業者がそのドアを開けて準備作業を行うようにする。
ここで、チャンバ12が分割されて加熱室17から取り外された状態となっている場合には、上記した準備作業を終了すると、チャンバ12を組み立てて図9に示す元の状態にチャンバ12を戻し、加熱室17を密封状態にする。
また、チャンバ12に開閉自在なドアが設けられていて、作業者がそのドアを開けて準備作業を行った場合には、上記した準備作業を終了すると、作業者がドアを閉めて図9に示す元の状態にチャンバ12を戻し、加熱室17を密封状態にする。
その後に、チャンバ12に接続された真空ポンプ51を作動して、チャンバ12内を2〜5Paまで減圧する。
ただし、この真空ポンプ51によるチャンバ12内の真空引きは、チャンバ12内をサファイア単結晶の引き上げの際に使用する雰囲気ガスに置換するためのものであって、省略されることもある。

そして、チャンバ12が密封された後、または、真空ポンプ51による真空引きの後、ガス導入口41よりチャンバ12内に窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガスを流し入れ、チャンバ12内を不活性雰囲気にする。
なお、チャンバ12内が過加圧にならないようにするために、ガス廃棄管42から図示していない洗浄瓶等を通してガスは捨てられる。
チャンバ12内が十分な不活性雰囲気になったところで、高周波誘導加熱用発振器52を動作させると、加熱コイル56に流れる高周波電流によって導電性のあるイリジウム(Ir)製るつぼ21の表面に誘導電流が生じて、これによりイリジウム(Ir)製るつぼ21が加熱される。

ここで、サファイア57の融点は2040℃であるので、少なくとも融点以上の温度でるつぼ21を加熱し、サファイア57を完全に溶かす。
この際に、制御装置53は、加熱室17およびサファイア57の融液の温度を適当な水準に維持するために、バイロセンサ33および熱電対40によって検出された温度に応じて、高周波誘導加熱用発振器52の出力を変化させる。
そして、サファイア57の融液温度をシード38(種結晶)付けに適切な温度にして安定化させ、シード軸36を、例えば、15〜25rpmの速度で回転しながら降下させ、サファイア57の融液にシード38を浸ける。
なお、シード軸36は、模式的に示す駆動機構43に連結されており、図示しないモータの回転を減速機を介して駆動機構43に伝達して駆動機構43を動作させることにより、シード軸36を上下方向に移動する。
また、シード軸36は、模式的に示す回転機構部44にも連結されており、図示しないモータの回転を減速機を介して回転機構部44に伝達して回転機構部44を動作させることにより、シード軸36を軸方向周りに回転する。
さらに、サファイア57の融液の温度勾配を変化させるのに重要な加熱コイル56の駆動機構45が、同軸ケーブル55に直結しており、駆動機構45の図示しないモータの回転を減速機を介して上下動作に変換して、加熱コイル56を上下方向に移動している。
そして、制御装置53は、シード軸36の駆動機構43および回転機構部44ならびに加熱コイル56の駆動機構45に取り付けられた図示しない回転エンコーダで検出した信号に基づき、駆動機構43、回転機構部44ならびに駆動機構45の駆動速度や駆動距離あるいは回転速度などをコンピュータで演算して制御している。

サファイア57の融液に付けたシード38を適温で十分融液に馴染ませてから、制御装置53により駆動機構43、回転機構部44ならびに駆動機構45を制御して、サファイア単結晶58の引き上げを開始する。
この際に、ロードセル39で検出した結晶重量から、予め入力した諸パラメータに基づきサファイア単結晶58の直径がコンピュータ演算により自動的に求められ、制御装置53の制御により、予め設定された直径かつ予め設定された結晶長さに至るまで結晶成長を継続する。
そして、サファイア単結晶58が予め設定された直径かつ結晶長さまで成長すると、サファイア57の融液からサファイア単結晶58を切り離す工程に移行し、その後に制御装置53のコンピュータに予め登録されたシーケンスパターンによってるつぼ21は降温される。

なお、この技術分野の公知技術としては、サファイア(Al)の単結晶に近い固体レーザ材料であるYAG結晶の育成炉が知られている(例えば、非特許文献1を参照する。)。

次に、加熱コイル56によるるつぼ21高周波誘導加熱について、図10に示すブロックダイアグラムに基づいて説明する。
なお、図10において、符号33はバイロセンサであり、また、符号52は高周波誘導加熱用発振器(トランジスタインバータ)であり、また、符号53は制御装置であり、また、符号56は加熱コイルであって、図9で示した符号と同一の符号で示してある。
なお、図10に示す制御装置53は、高周波誘導加熱用発振器52の高周波電流および加熱室温度制御に関する部分を抜粋してブロックダイアグラムで示したものである。
ここで、高周波誘導加熱用発振器52は、商用電源111(3φ,200V)から電力を入力され、その電力をメインブレーカ112で受けて、コンダクタ113を通してコンバータ回路114へ出力される。
このコンバータ回路114は、図示しないサイリスタ、平滑コンデンサおよびチョークコイルより構成され、三相全波整流を行って電流電圧の平滑化を行う。
サイリスタコントロール回路115は、コンバータ回路114のサイリスタ電流回路を位相制御する回路である。制御装置53に配置された温度調節器135の出力0〜10Vで、0〜100%の出力制御が可能となっている。
フィードバック回路116およびサイリスタコントロール回路115により、直流電圧または直流電流が安定に維持される。
そして、コンバータ回路114から出力された直流電力は、インバータ回路(パワートランジスタ)118のスイッチング動作により高周波電力に変換される。この高周波電力への変換に際しては、オ─トトランス120を含む整合回路119および加熱コイル56の同調周波数に自動追従した所定のパルス幅となるように、インバータ制御回路117によりインバータ回路118のスイッチング動作が制御される。
なお、整合回路119は、オ─トトランス120と加熱コイル56のインダクタンスおよび整合用コンデンサ121a〜121dのキャパシタンスによる直列共振回路で構成されているものである。この整合回路119では、インバータ回路118で発生した高周波電源を直列共振させ、回路の固有周波数による振動電流を発生させ、この振動電流が加熱コイル56に供給され、るつぼ21内の被加熱物であるサファイア57の粉末を加熱して溶解させる。

なお、図10のブロックダイアグラムにおいて、符号122は高周波電流センサであり、また、符号123は発振周波数検知センサであり、また、符号124は高周波電流センサであり、また、符号125はACC整流ユニットであり、また、符号126はシーケンス回路であり、また、制御装置53における符号131は表示器であり、また、制御装置53における符号132はCPU制御器であり、また、制御装置53における符号133は整流ユニットであり、また、制御装置53における符号134は高周波電流制御と温度センサ制御との切替スイッチであり、また、制御装置53における符号135は温度調節計である。

ところで、上記した従来の技術において使用されているイリジウム(Ir)製のるつぼ21の価格は、原材料となるイリジウム(Ir)の市場相場の変動によって大きく変わるものではあるが、例えば、直径150mm、高さ150mm、厚さ2mmの大きさのもので、8百万円〜1千数百万円にもなる高価なものであった。
そのため、サファイア単結晶引上成長装置は極めて高額な設備となり、この装置で製造されるサファイア単結晶の価格も高価になるとともに、サファイア単結晶を使用する部品や製品も高価になるという問題点があった。

一方、こうした問題点に鑑みて、サファイア単結晶引上成長装置のるつぼとして、イリジウム(Ir)と同じ高融点金属でありながら、イリジウム(Ir)の価格の1/20程度と極めて廉価であって、サファイアの結晶引上成長に使用可能なモリブデン(Mo)またはタングステン(W)製のるつぼを使用することが考えられていた。
しかしながら、るつぼにモリブデン(Mo)またはタングステン(W)を使用した場合には、加熱室17の内面部を形成するジルコニア(ZrO )は高温(1800℃以上)になると酸化・還元反応をおこすため、

2ZrO←→2ZrO+O

のように還元で放出した酸素(O)がるつぼ材のモリブデン(Mo)を酸化させ、黒青色の煙を発生させる。
この煙が、サファイア原料表面またはサファイア融液に混入し着色および純度低下を引き起こす。
そのため、ジルコニア(ZrO )耐火物は、加熱室の構成部材として使用できないものである。
また、アルミナ(Al)耐火物はこのような反応は起こさないが、耐熱強度からして、あまり高温にならない1500℃以下での使用が可能であり、融点が2040℃程度であるサファイア(Al)の単結晶引上成長炉における温度の高い内側断熱材25としては使用できないものである。
また、るつぼにタングステン(W)を用いた場合にも、上記したモリブデン(Mo)を使用した場合と同様な問題点があった。
編集日本結晶成長学会「結晶成長ハンドブック」発行共立出版株式会社、1995年9月1日、p.514−517
図1は、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の一実施例を示す説明図であって、加熱室全体の縦断面図である。 図2(a)(b)(c)(d)は、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の一実施例を示す説明図であって、図2(a)は加熱室の一部を構成する上部断熱部材を示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線による縦断面図であり、また、図2(c)は加熱室の一部を構成する下部断熱部材を示す斜視図であり、図2(d)は図2(c)のB−B線による縦断面図である。 図3は、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置に使用される高周波誘導用加熱発振器の一実施例を示すブロックダイヤグラムである。 図4は、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の加熱室の一実施例における高周波誘導用加熱発振器による周波数特性を検証するための特性図である。 図5は、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の他の実施例を示す説明図であって、加熱室全体の縦断面図である。 図6は、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の他の実施例を示す説明図であって、加熱室全体の縦断面図である。 図7は、カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材とアルミナ耐火物との組み合わせ構造の一例を示す説明図であって、当該組み合わせ構造の斜視図である。 図8(a)(b)は、カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材とアルミナ耐火物との組み合わせ構造の一例を示す説明図であって、図8(a)は図7のC矢視図であり、また、図8(b)は図8のD−D線による縦断面図である。 図9は、従来の技術によるサファイア単結晶引上成長装置の一例を示す模式図である。 図10は、従来の技術によるサファイア単結晶引上成長装置に使用される高周波誘導用加熱発振器の一実施例を示すブロックダイヤグラムである。 図11は、るつぼの加熱条件を示す図表である。
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、るつぼにイリジウムと比較して低価格のモリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)を用いることができるようにしたサファイア単結晶引上成長装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、筒形状のチャンバ内に設けられた筒形状の加熱室と、上記加熱室の外周に配置された加熱コイルと、上記加熱室の内部に設けられたるつぼと、上記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを有し、上記高周波電源から上記加熱コイルに高周波電流を供給して上記るつぼを高温に加熱し、上記るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、上記サファイア粉末を溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で上記シードを回転させながら引き上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、上記るつぼをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成し、上記加熱室をカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品により形成し、上記加熱室を形成するカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の内周面および外周面に筒形状の軸方向に沿って延長する複数の溝を形成し、上記複数の溝は、上記加熱室を形成するカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の周面に対して、上記外周面の溝と上記内周面の溝とが互いに交互にずれて位置するように配置したものである。
また、本発明は、上記加熱室における上記るつぼと対向する面に、モリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物よりなる上部反射板を配設したものである。
また、本発明は、筒形状のチャンバ内に設けられた筒形状の加熱室と、上記加熱室の外周に配置された加熱コイルと、上記加熱室の内部に設けられたるつぼと、上記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを有し、上記高周波電源から上記加熱コイルに高周波電流を供給して上記るつぼを高温に加熱し、上記るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、上記サファイア粉末を溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で上記シードを回転させながら引き上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、上記るつぼをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成し、上記加熱室をカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品により形成し、上記加熱室における上記るつぼと対向する面に、モリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物よりなる上部反射板を配設し、
上記加熱室の筒形状部および上部シールド部を相互間で空隙部を有する二重構造または三重構造に構成したものである。
また、本発明は、上記カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の外周面にアルミナ耐火物を配置したものである。
また、本発明は、筒形状のチャンバ内に設けられた筒形状の加熱室と、上記加熱室の外周に配置された加熱コイルと、上記加熱室の内部に設けられたるつぼと、上記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを有し、上記高周波電源から上記加熱コイルに高周波電流を供給して上記るつぼを高温に加熱し、上記るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、上記サファイア粉末を溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で上記シードを回転させながら引き上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、上記るつぼをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成し、上記加熱室をカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品と上記カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の外周面に配置されたアルミナ耐火物とにより形成したものである。
また、本発明は、上記加熱室における上記るつぼと対向する面に、モリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物よりなる上部反射板を配設したものである。
また、本発明は、上記加熱室の内部において、上記るつぼの上方に設けられたアフタヒータを備え、上記アフタヒータをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成したものである。
また、本発明は、上記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源のトランスを、負荷との整合が取れるタップを有するマッチングトランスとしたものである。
また、本発明は、上記高周波電源の高周波誘導加熱用発振器の発振周波数を2〜10kHzとしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、るつぼにイリジウムと比較して低価格のモリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)を用いることができるようになるという優れた効果を奏する。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の実施の形態の一例について詳細に説明するものとする。

ここで、サファイア単結晶引上成長におけるサファイアの融点は2040℃程度であるので、使用できる保温・断熱材はグラファイト系またはカーボンフェルトにアルミナ耐火物を組み合わせたものなど、加熱室を構成できる材料は限られてくる。
しかしながら、カーボンフェルトやカーボンフェルト成形品は、高温になるにつれてインピーダンスが変化して高周波誘導を起こすようになり、被加熱源となってしまうことがままおこる。
一方、カーボンフェルトの本来の目的は、金属製のるつぼに直流高周波誘導を起こさせ、金属製のるつぼの加熱・発熱による熱量を保温・断熱する役割を持たせることにある。
本発明によるサファイア単結晶引上成長装置は、るつぼに価格の低いモリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)を用い、加熱室を構成する材料としてカーボンフェルトやカーボンフェルト成形品を使用することができるようにしたものである。

従って、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置によれば、イリジウム(Ir)に比較して極めて廉価なモリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)を用いてるつぼを形成することができ、さらには、るつぼ蓋やアフタヒータの材料としてもモリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)を用いることができるので、サファイア単結晶引上成長装置の性能を従来のものと同等に維持しながら、価格を大幅に低減させることができるようなるという優れた効果を奏する。
このため、サファイア単結晶体の販売価格も下げることができるようになり、ひいてはサファイア単結晶体を使用する部品や製品の価格も下げられ、その需要拡大に寄与するものである。
また、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置においては、後述するように高周波誘導用加熱発振器の出力トランスの一次巻線に複数のタップを設け、このタップを切り替えて高周波誘導用加熱発振器の出力を調整することにより、サファイア単結晶引上成長装置の性能を適切に発揮させることができるなどの効果を有するものである。
また、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置によれば、るつぼの材料としてモリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)を用いることにより、従来のイリジウムのるつぼよりも高温にすることができるため、大きいサイズのサファイア単結晶を容易に製造することができるようになる。
(実施例1)
図1および図2(a)(b)(c)(d)は、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の一実施例を示す説明図である。
より詳細には、図1は加熱室全体の縦断面図であり、また、図2(a)は加熱室の一部を構成する上部断熱部材を示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線による縦断面図であり、また、図2(c)は加熱室の一部を構成する下部断熱部材を示す斜視図であり、図2(d)は図2(c)のB−B線による縦断面図である。
なお、以下の本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の説明においては、本発明の要部である加熱室の構成を中心に説明するものであり、図9に示す従来のサファイア単結晶引上成長装置10に関する説明を援用することにより詳細な説明は省略するが、図9に示す従来のサファイア単結晶引上成長装置10と同様に、引き上げ軸30、バイロセンサー33、熱電対40、高周波誘導加熱用発振器52あるいは加熱コイル56などのサファイア単結晶引上成長装置の基本的な構成を備えているものである。

上記した図1ならびに図2(a)(b)において、符号60は加熱室であり、また、符号61は円筒状の下部断熱部材であり、また、符号62は円筒状の上部断熱部材であり、また、符号63は円盤状の底部断熱部材であり、また、符号64は円盤状の蓋部断熱部材である。
これら下部断熱部材61、上部断熱部材62、底部断熱部材63ならびに蓋部断熱部材64の各断熱部材は、保温・断熱材としてカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品で形成されている。

そして、上部断熱部材62の外周面には、図2(a)(b)に示すように、縦方向(円筒形状の軸方向)に沿って4本の溝65a〜65dが形成されている。
また、上部断熱部材62の内周面にも、図2(a)(b)に示すように、縦方向(円筒形状の軸方向)に沿って4本の溝65e〜65hが形成されている。
ここで、4本の溝65a〜65dと4本の溝65e〜65hとは、上部断熱部材62の周面に対して、外周面の溝65a〜65dと内周面の溝65e〜65hとが互いに交互にずれて位置するように配置されている。
具体的には、上部断熱部材62の周面に関して、外周面の溝65aと溝65bとの間に内周面の溝65eが位置し、また、外周面の溝65bと溝65cとの間に内周面の溝65fが位置し、また、外周面の溝65cと溝65dとの間に内周面の溝65gが位置し、また、外周面の溝65dと溝65aとの間に内周面の溝65hが位置するようにして、溝65a〜65hがそれぞれ配置されている。

同様に、下部断熱部材61の外周面には、図2(c)(d)に示すように、縦方向(円筒形状の軸方向)に沿って4本の溝65a〜65dが形成されている。
また、下部断熱部材61の内周面にも、図2(c)(d)に示すように、縦方向(円筒形状の軸方向)に沿って4本の溝65e〜65hが形成されている。
ここで、下部断熱部材61においても、上部断熱部材62と同様に、4本の溝65a〜65dと4本の溝65e〜65hとは、下部断熱部材61の周面に対して、外周面の溝65a〜65dと内周面の溝65e〜65hとが互いに交互にずれて位置するように配置されている。
具体的には、下部断熱部材61の周面に関して、外周面の溝65aと溝65bとの間に内周面の溝65eが位置し、また、外周面の溝65bと溝65cとの間に内周面の溝65fが位置し、また、外周面の溝65cと溝65dとの間に内周面の溝65gが位置し、また、外周面の溝65dと溝65aとの間に内周面の溝65hが位置するようにして、溝65a〜65hがそれぞれ配置されている。

次に、符号66は加熱室60を支持する円筒状の支持台であり、上記において説明した図9に示す支持台29と同様にアルミナ(Al)等の耐火物で形成されている。
また、符号67は支持台66上に設けられた円盤状のアルミナ(Al)からなる基盤部であり、また、符号68は基盤部67上に更に設けられた円盤状の同じくアルミナ(Al)からなる基盤部である。
さらに、符号69はモリブデン(Mo)製のるつぼであり、基盤部68の上に設けられたタングステン(W)製の台70の上に載置されている。
ここで、タングステン(W)製の台70は、るつぼ69およびその他の構造物を安定に保持するためのものであり、下部円筒部71と上部円筒部72と下部円盤部73と上部円盤部74とにより構成されている。
より詳細には、タングステン(W)製の台70においては、下部円筒部71と上部円筒部72との間に下部円盤部73が設けられており、上部円筒部72の上面にはるつぼ69等を載置する上部円盤部74が配設されている。
そして、このタングステン(W)製の台70の下部円筒部71は、カーボンフェルト成形品の底部断熱部材63に嵌め込むように設けられている。
また、符号75はモリブデン(Mo)製のリング状のるつぼ蓋であり、この上にモリブデン(Mo)製の円筒状のアフターヒータ76が設けられている。
符号77は、加熱室60の外周部に設けられた円筒状の石英管である。この石英管77は、下部断熱部材61および上部断熱部材62を構成するカーボンフェルト成形品が毛羽立ち、高周波誘導によって偶々放電現象を引き起こすことがあるのを防止する目的で設けられている。

また、蓋部断熱部材64の下面、即ち、るつぼ69と対向する面には、モリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)よりなる円盤状の上部反射板200が配設されている。

上記した蓋部断熱部材64ならびに上部反射板200には、図9に示した従来のサファイア単結晶引上成長装置10と同様に、引き上げ軸30を通す挿通孔とバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓とが設けられている。
具体的には、蓋部断熱部材64には引き上げ軸30を通す挿通孔78が設けられており、また、上部反射板200には引き上げ軸30を通す挿通孔202が設けられていて、挿通孔78、202はそれぞれ連通するような位置関係に配置されている。
同様に、蓋部断熱部材64にはバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓79が設けられており、また、上部反射板200にはバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓204が設けられていて、覗き窓79、204はそれぞれ連通するような位置関係に配置されている。

また、上記した下部断熱部材61および上部断熱部材62の外周面に設けられた溝65a〜65dは、幅を約5mmとし、深さを約10mmとしてほぼ等間隔に4本設けてあるが、溝65a〜65dの幅、深さならびに本数は、高周波電流の印加条件等によって適宜の幅、深さならびに本数に設定することができる。
同様に、上記した下部断熱部材61および上部断熱部材62の内周面に設けられた溝65e〜65hは、幅を約5mmとし、深さを約10mmとしてほぼ等間隔に4本設けてあるが、溝65e〜65hの幅、深さならびに本数は、高周波電流の印加条件等によって適宜の幅、深さならびに本数に設定することができる。

なお、基盤部67、68の中心部と底部断熱部材63の中心部とにそれぞれ設けられた各穴部80、81、82は、図9に示された熱電対40の貫通孔である。
また、円筒状の断熱部材は、下部断熱部材61と上部断熱部材62との二体構造として、るつぼ69へのサファイア(Al)57の充填を容易に行えるようにしているが、るつぼ69の設置内部の構造によっては、更に分割した構造にしたり、あるいは一体構造としてもよい。

また、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の他の特徴としては、るつぼ69を誘導加熱するための加熱コイル56への高周波電流の供給を改善したものである。
即ち、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の高周波誘導加熱用発振器は、図3のブロックダイヤグラムに示すように、出力トランス84の一次側巻線に複数のタップ85a、85b…85nを設け、加熱室60の負荷との関係におけるインピーダンスの整合を取り易くするとともに、安定した温度調整が行えるようにしている。
これは高周波誘導加熱用発振器52の最大電流容量に対して、出力トランス84の一次側巻線に供給される電流値を、例えば、1/12、1/15、1/18というように制御して供給するものである。
この出力トランス84のタップ切り替えと、円筒状の断熱部材61、62の外周面に縦方向に設けられた溝65a〜65dおよび内周面に設けられた溝65e〜65hとが高周波特性に及ぼす状況を図4に示した特性図により説明する。

ここで、図4は高周波誘導加熱用発振器52の高周波電圧(V)を横軸にとり、高周波電流(A)を縦軸にとって、高周波誘導特性を表した特性図(グラフ)である。
この特性図においてデータA、B、C、D、E、Fは、図11に示す図表、即ち、るつぼの加熱条件に示す各条件におけるデータである。
ここで、図11に示す図表において「るつぼ69のみ」とは、加熱室60を構成する円筒状の断熱部材61、62が除去された状態を意味するものである。
また、図11に示す図表において「部材61、62」とは、カーボンフェルト成形品から構成された断熱部材61、62である。
また、図11に示す図表において「部材61、62に溝なし」とは、断熱部材61、62に溝65a〜65hを設けてないものである。
また、図11に示す図表において「部材61、62に溝あり」とは、断熱部材61、62に溝65a〜65hを設けたものである。

図4を参照しながら説明すると、データAは図1に示したモリブデン製のるつぼ69のみを加熱コイル56内に配置したときの高周波特性であり、データDは図1に示した加熱室60全体の高周波特性を示すものであり、明らかにるつぼ69のみの場合より円筒状のカーボンフェルト成形品の断熱部材61、62がある場合の方が負荷は非常に重くなり、高周波電流が流れ難くなっている。
これは、カーボンフェルト成形品が高周波誘導加熱の負荷となっていることを示している。
この現象を改善するために、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置は、上記したようにカーボンフェルト成形品の断熱部材61、62に縦方向の溝を複数本設けたものであり、これにより図4のデータCで示す高周波特性となり、上記したデータDよりも改善させることができた。
なお、上記したデータA、データD、ならびにデータCは、いずれも出力トランス84のタップ85が1/15の場合のデータである。
また、出力トランス84のタップ85を1/15から1/18に変更し、高周波電圧・高周波電流特性データで高周波誘導加熱用発振器52の性能をフル使用できるように整合調整したときのデータを示す。
それにつれてデータAはデータBに、データCはデータEに、データDはデータFに変わるものである。

上記において説明したように、カーボンフェルト成形品により断熱部材61、62を形成した場合であっても、その断熱部材61、62の表面、即ち、断熱部材61、62の外周面と内周面とに、縦方向、即ち、筒状の断熱部材61、62の軸方向に沿って所要の幅、深さ、本数の溝(実施例においては、溝65a〜65hである。)を設けることにより、高周波誘導の影響を調節可能とすることができるものである。
また、高周波誘導加熱用発振器52の出力トランス84のタップ85a、85b…85nを切り替えて、高周波誘導加熱発振器52の出力を調節することにより、サファイア単結晶引上成長装置としてモリブデン(Mo)製のるつぼ69を用いた加熱室60を構成しても、実用上十分に適用することができた。

上記において説明した本発明によるサファイア単結晶引上成長装置においては、るつぼ69、るつぼ蓋75、アフタヒータ76をモリブデン(Mo)により形成しているが、これらのるつぼ69、るつぼ蓋75、アフタヒータ76をタングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)(例えば,Mo−30%W)により形成してもよい。
また、各部それぞれをモリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)から選択して異なる構成部材として形成してもよい。
このように、各部の構成部材を替えても、図4に示したデータA〜Fに対応する各データはほぼ同様の数値を示した。

なお、モリブデン(Mo)の溶解温度は約2620℃であり、また、タングステン(W)の溶解温度は約3400℃であり、また、モリブデンとタングステンとの混合物(Mo−30%W)の溶解温度は約2800℃であり、コストはいずれもイリジウム(Ir)に比較して大幅に低いが、溶解温度に関しては、モリブデン(Mo)はタングステン(W)より低く、タングステンとモリブデンとの混合物(Mo−30%W)は両者の間にある。
これらの材料の使用は、サファイア単結晶引上成長装置の大きさ、即ち、製造されるサファイア単結晶の大きさに基づく加熱温度容量の大きさを考慮して適正なコストになるよう選択すればよい。この考え方は、後述する他の実施例においても同様である。

また、上記において説明した本発明によるサファイア単結晶引上成長装置においては、モリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)よりなる円盤状の上部反射板200を設けているため、加熱室60の保温・断熱をより向上することができる。

(実施例2)
次に、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の他の実施例を図5に基づいて説明する。
なお、図5に示す加熱室90の構成部分のうち、図1に示す実施例で示した構成部分と同一または相当する箇所については、図1に示す実施例で用いた符号と同一符号で示すものとし、その詳細な説明を省略する。

図5において、符号91はカーボンフェルト成形品により形成された円筒状の外側断熱部材であり、その上部にはカーボンフェルト成形品により形成された円盤状の蓋部断熱部材92が嵌合可能に設けられている。
符号93は同じくカーボンフェルト成形品により形成された円筒状の内側断熱部材であり、その上部には同様にカーボンフェルト成形品により形成された円盤状の蓋部断熱部材94が嵌合可能に設けられている。
また、蓋部断熱部材94の下面、即ち、るつぼ69と対向する面には、モリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)よりなる上部反射板200が配設されている。
上記した各蓋部断熱部材92、94ならびに上部反射板200には、図9に示した従来のサファイア単結晶引上成長装置10と同様に、引き上げ軸30を通す挿通孔とバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓とが設けられている。
具体的には、蓋部断熱部材92には引き上げ軸30を通す挿通孔95が設けられており、また、蓋部断熱部材94には引き上げ軸30を通す挿通孔96が設けられており、また、上部反射板200には引き上げ軸30を通す挿通孔202が設けられていて、挿通孔95、96、202はそれぞれ連通するような位置関係に配置されている。
同様に、蓋部断熱部材92にはバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓97が設けられており、また、蓋部断熱部材94にはバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓98が設けられており、上部反射板200にはバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓204が設けられていて、覗き窓97、98、204はそれぞれ連通するような位置関係に配置されている。

また、外側断熱部材91と内側断熱部材93との厚さは、それぞれ10〜20mm程度であり、その両者間には3〜10mm程度の空隙99が設けられている。
この図5に示す実施例においては、円筒状の断熱部材91、93を二重に設けているが、蓋部断熱部材92、94を含み、三重または四重のように多重に構成してもよい。
また、円筒状の断熱部材91、93はそれぞれ1個で形成しているが、図1に示した実施例と同様に、上下に分離できる二体構造などに構成してもよい。
このように、加熱室90を多重構造とすることにより、図1に示した実施例のように外側断熱部材91の外周面ならびに内周面に縦方向の溝を設けることなく、高周波誘導を減少させることができた。

なお、この図5に示す実施例のサファイア単結晶引上成長装置では、モリブデン(Mo)製のるつぼ69として直径150mm×高さ150mmのものを使用し、直径3インチのサファイア単結晶引上成長を行い良好な結果が得られた。

(実施例3)
次に、本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の要部である加熱室の他の実施例を図6に基づいて説明する。
なお、図6に示す加熱室100の構成部分のうち、図1または図5に示す実施例で示した構成部分と同一または相当する箇所については、図1または図5に示す実施例で用いた符号と同一符号で示すものとし、その詳細な説明を省略する。

この図6に示す実施例の加熱室100は、るつぼ69を直径180mm×高さ180mmとして、直径が3インチ以上、例えば、4インチのサファイア単結晶引上成長に対応するものであり、カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品にアルミナ耐火物を組み合わせて、保温・断熱部材の熱容量を増加させるようにした点に特徴がある。
即ち、図6に示す実施例においては、るつぼ69およびるつぼ蓋75の材料をモリブデンとタングステンとの混合物(Mo−30%W)またはタングステン(W)とした。
また、内壁を構成する円筒状の断熱部材101は、厚さ20〜40mmのカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品であり、その外側に円筒状の厚さ10〜30mmのアルミナ(Al)耐火物102を配置する。
カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品は自立性がないので、アルミナ耐火物102の適宜箇所に複数の穴をあけ、その穴2個を一組にして、複数箇所で、例えば、カーボン繊維の紐などでカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材101を抱えるようにしてアルミナ耐火物102に固定する。
このようにして、アルミナ耐火物102にカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材101を固定することにより、カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材101とアルミナ耐火物102との組み合わせ構造を構成し、これによって適度な熱量を保持可能な保温・断熱構造とした。
なお、これら断熱部材101とアルミナ耐火物102とは、上下方向に、例えば、2〜3分割など適宜の個数に分割可能に構成されていて、それらを積み重ねた構造になっている。
また、蓋部断熱部材を構成する円盤状の断熱部材105はカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品であり、その上面側に蓋部断熱部材を構成する円盤状のアルミナ(Al)耐火物106を配置する。
カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品は自立性がないので、アルミナ耐火物106の適宜箇所に複数の穴をあけ、その穴2個を一組にして、複数箇所で、例えば、カーボン繊維の紐などでカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材105を抱えるようにしてアルミナ耐火物106に固定する。
また、断熱部材105の下面、即ち、るつぼ69と対向する面には、モリブデン(Mo)、タングステン(W)またはモリブデンとタングステンとの混合物(Mo,W)よりなる上部反射板200が配設されている。
上記した蓋部断熱部材を構成する断熱部材105、アルミナ耐火物106ならびに上部反射板200には、図9に示した従来のサファイア単結晶引上成長装置10と同様に、引き上げ軸30を通す挿通孔とバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓とが設けられている。
具体的には、断熱部材105には引き上げ軸30を通す挿通孔108が設けられており、また、アルミナ耐火物106には引き上げ軸30を通す挿通孔109が設けられており、また、上部反射板200には引き上げ軸30を通す挿通孔202が設けられていて、挿通孔95、108、109、202はそれぞれ連通するような位置関係に配置されている。
同様に、断熱部材105にはバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓110が設けられており、また、アルミナ耐火物106にはバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓136が設けられており、上部反射板200にはバイロセンサー33により炉内温度を監視する覗き窓204が設けられていて、覗き窓97、110、136、204はそれぞれ連通するような位置関係に配置されている。
なお、図6に示した実施例においては、るつぼ69に対向するカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材101、105の外側にアルミナ耐火物102、106を配置した二重構造としたが、るつぼ69をより高温に加熱する場合には、さらに外周にアルミナ耐火物を数層重ねることが好ましい。

ここで、図7ならびに図8(a)(b)には、カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材101とアルミナ耐火物102との組み合わせ構造の一例を示す説明図が示されている。
この例においては、アルミナ耐火物102の内周側に、カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材101が四層構造で設けられている。
そして、これら四層の断熱部材101は、図7ならびに図8(a)に示すように、各層が縦方向(筒状形状の軸方向)に沿って溝300を形成するように分割されており、各層により構成される筒状形状の径方向に沿った隙間302がクランク形状をなすように、各層の断熱部材101がずれて配置されている。
なお、カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品は自立性がないので、アルミナ耐火物102の適宜箇所に複数の穴304をあけ、その穴2個を一組にして、複数箇所で、例えば、カーボン繊維の紐306などでカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材101を抱えるようにしてアルミナ耐火物102に固定する。
こうした隙間302がクランク形状をなす溝300は、図1に示す実施例における溝65a〜65hと同様な作用効果を奏するものである。
即ち、断熱部材101に溝300を設けることにより、断熱部材101に高周波電流が流れ難くなる。

ここで、一般的にカーボンフェルトへの高周波誘導は、発振周波数は30kHz以下が望ましいことが知られている。
しかしながら、実際に発振周波数を30kHzとすると、現在市場で販売されているカーボンフェルトでは、そのほぼ全てがサファイア単結晶引上成長装置に使用する温度では高周波誘導される。
上記した本発明によるサファイア単結晶引上成長装置の実施例1、実施例2ならびに実施例3の各実施例においては、発振周波数は8kHz以下がより良い結果を得た。
ただし、発振周波数が3kHz以下では低周波になるほど騒音障害問題が発生し、好ましくなくなってくる。
そのため、サファイア単結晶引上成長装置で使用する高周波誘導用加熱発振器の発振周波数は3〜7kHzが好ましい。

なお、上記した実施例1ならびに実施例2においても、実施例3と同様に、るつぼ69と対向する断熱部材の外周をアルミナ耐火物で取り囲み、カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品よりなる断熱部材とアルミナ耐火物との組み合わせ構造により、断熱・保温効果を図るようにしてもよい。
また、その際に、図7ならびに図8(a)(b)に示す構造としてもよいことは勿論である。
また、チャンバや加熱室の形状は円筒状に限られるものではなく、適宜の筒形状に構成してもよいことは勿論である。
本発明は、サファイア単結晶を育成する際に利用することができる。
10 サファイア単結晶引上成長装置
11 サファイア単結晶引上成長炉
12 チャンバ
13 ベースチャンバ
14 トップチャンバ
15,16 Oリング
17,60,100 加熱室
18 円筒状の外側断熱部材
19 基盤部
20 円盤状の外側蓋部断熱部材
21 ジルコニア製のるつぼ
22 ジルコニアバブル
23 ジルコニア製のるつぼ蓋
24 リング状部材
25 円筒状の内側断熱部材
26 円盤状の内側蓋部断熱部材
27,76 アフタヒータ
28 台座
29 支持台
30 引き上げ軸
31 貫通孔(外壁部の)
32 貫通孔(内壁部の)
33 バイロセンサ
34 外側蓋部断熱部材の覗き窓
35 内側蓋部断熱部材の覗き窓
36 シード軸
37 シードチャック
38 シード
39 ロードセル
40 熱電対
41 ガス導入口
42 ガス廃棄管
43 引き上げ軸の駆動機構
44 回転機構部
45 加熱コイルの駆動機構
51 真空ポンプ
52 高周波誘導加熱用発振器
53 制御装置
54 水冷ケーブル
55 同軸ケーブル
56 加熱コイル
57 サファイア(α−アルミナ)
58 サファイア単結晶
61 下部断熱部材
62 上部断熱部材
63 底部断熱部材
64 蓋部断熱部材
65 溝
66 支持台
67 基盤部
68 基盤部
69 モリブデン製のるつぼ
70 るつぼ台
71 るつぼ台の下部円筒部
72 るつぼ台の上部円筒部
73 るつぼ台の下部円盤部
74 るつぼ台の上部円盤部
75 モリブデン製のるつぼ蓋
77 石英管
78 挿通孔
79,97,98 覗き窓
80,81,82 穴部
84 出力トランス
85 タップ
91 外側断熱部材
92 蓋部断熱部材
93 内側断熱部材
94 蓋部断熱部材
95,96 挿通孔
99 空隙
101 円筒状のカーボンフェルトにより形成された1層目の断熱部材
102 円筒状のアルミナにより形成された2層目の断熱部材
105 円盤状のカーボンフェルトにより形成された1層目の蓋体
106 円盤状のアルミナにより形成された2層目の蓋体
108 引き上げ軸用の挿通孔
109 挿通孔
110 覗き窓
111 商用電源
112 メインブレーカ
113 コンダクタンス
114 コンバータ回路
115 サイリスタコントロール回路
116 フィードバック回路
117 インバータ制御回路
118 インバータ回路
119 整合回路
120 出力トランス
121 整合用コンデンサ
122,124 高周波電流センサ
123 発振周波数検知センサ
125 ACC整流ユニット
126 シーケンス回路
131 表示器
132 CPU制御器
133 整流ユニット
134 切替スイッチ
135 温度調節計
136 覗き窓
200 上部反射板
202 挿通孔
204 覗き窓
300 溝
302 隙間
304 穴
306 紐

Claims (9)

  1. 筒形状のチャンバ内に設けられた筒形状の加熱室と、
    前記加熱室の外周に配置された加熱コイルと、
    前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源と
    を有し、
    前記高周波電源から前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、前記るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、前記サファイア粉末を溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で前記シードを回転させながら引き上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記るつぼをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成し、
    前記加熱室をカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品により形成し、
    前記加熱室を形成するカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の内周面および外周面に筒形状の軸方向に沿って延長する複数の溝を形成し、
    前記複数の溝は、前記加熱室を形成するカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の周面に対して、前記外周面の溝と前記内周面の溝とが互いに交互にずれて位置するように配置した
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  2. 請求項1に記載のサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記加熱室における前記るつぼと対向する面に、モリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物よりなる上部反射板を配設した
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  3. 筒形状のチャンバ内に設けられた筒形状の加熱室と、
    前記加熱室の外周に配置された加熱コイルと、
    前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源と
    を有し、
    前記高周波電源から前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、前記るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、前記サファイア粉末を溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で前記シードを回転させながら引き上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記るつぼをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成し、
    前記加熱室をカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品により形成し、
    前記加熱室における前記るつぼと対向する面に、モリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物よりなる上部反射板を配設し、
    前記加熱室の筒形状部および上部シールド部を相互間で空隙部を有する二重構造または三重構造に構成した
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  4. 請求項1、2または3のいずれか1項に記載のサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の外周面にアルミナ耐火物を配置した
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  5. 筒形状のチャンバ内に設けられた筒形状の加熱室と、
    前記加熱室の外周に配置された加熱コイルと、
    前記加熱室の内部に設けられたるつぼと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源と
    を有し、
    前記高周波電源から前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記るつぼを高温に加熱し、前記るつぼ内のサファイア粉末を溶解せしめて、前記サファイア粉末を溶解した溶液にシードを接触させ、不活性ガスの雰囲気中で前記シードを回転させながら引き上げてサファイア単結晶を成長させるサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記るつぼをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成し、
    前記加熱室をカーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品と前記カーボンフェルトまたはカーボンフェルト成形品の外周面に配置されたアルミナ耐火物とにより形成した
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  6. 請求項5に記載のサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記加熱室における前記るつぼと対向する面に、モリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物よりなる上部反射板を配設した
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6のいずれか1項に記載のサファイア単結晶引上成長装置において、さらに、
    前記加熱室の内部において、前記るつぼの上方に設けられたアフタヒータを備え、
    前記アフタヒータをモリブデン、タングステンまたはモリブデンとタングステンとの混合物により形成した
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載のサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源のトランスを、負荷との整合が取れるタップを有するマッチングトランスとした
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8のいずれか1項に記載のサファイア単結晶引上成長装置において、
    前記高周波電源の高周波誘導加熱用発振器の発振周波数を2〜10kHzとした
    ことを特徴とするサファイア単結晶引上成長装置。
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