JP2005001863A - 給紙装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】給紙トレイからの転写紙の搬送速度の低下によるジャム検知を防止し、搬送動作を継続できる給紙装置を提供する。
【解決手段】給紙トレイ3に積載された転写紙P1〜Pnの最上紙から1枚ずつフィードローラ5によりグリップローラ7に向けて送り出す給紙装置1において、前記フィードローラ5とグリップローラ7間に転写紙P1の有無を検知する給紙センサ8を設け、転写紙P1の給紙開始から前記給紙センサ8による転写紙検知までの正常動作による時間を転写紙到達時間T1に設定する一方、この時間T1に対して2種類の検知レベル時間T2,T3を設定し、前記給紙センサ8がT1+T2又はT1+T2+T3の間に転写紙P1を検知したとき、異常検出状態としながら前記フィードローラ5による給紙動作を続けさせ、T1+T2+T3以上で検知したとき、ジャムと判断して給紙動作を停止する制御手段を設けた。
【選択図】 図2
【解決手段】給紙トレイ3に積載された転写紙P1〜Pnの最上紙から1枚ずつフィードローラ5によりグリップローラ7に向けて送り出す給紙装置1において、前記フィードローラ5とグリップローラ7間に転写紙P1の有無を検知する給紙センサ8を設け、転写紙P1の給紙開始から前記給紙センサ8による転写紙検知までの正常動作による時間を転写紙到達時間T1に設定する一方、この時間T1に対して2種類の検知レベル時間T2,T3を設定し、前記給紙センサ8がT1+T2又はT1+T2+T3の間に転写紙P1を検知したとき、異常検出状態としながら前記フィードローラ5による給紙動作を続けさせ、T1+T2+T3以上で検知したとき、ジャムと判断して給紙動作を停止する制御手段を設けた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画送形成装置に用いられる給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画送形成装置においては、用紙、転写紙、第2原図、OHPシートなどの転写材(以降、転写紙と呼称する)に、形成した画像を定着しており、この転写紙は予め複数枚数、用意されており、転写紙を1枚ずつ画像を形成する画像形成本体部に供給する構成とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、給紙トレイに積載された転写紙の最上紙から1枚ずつ、画像形成本体部へ向けて搬送し給紙する構成の給紙装置においては、搬送用の給紙ローラが磨耗したなどによって、給紙時に給紙ローラが転写紙に対してスリップすることがある。このスリップ率が増加して、給紙トレイからの転写紙の搬送速度が遅くなると、予め設定された正常動作による到達時間以上に転写紙の到達が遅れるので、給紙センサでジャムとして検知され、給紙ジャムと判別されることがある。この状態になると、給紙ローラやコロ交換等の処置をしないと、給紙ジャムが多発することになる。このため、画像形成装置としての使用性が低下するおそれがある。
【0004】
したがって、このようなスリップで転写紙の搬送速度が遅くなることを見込んで、次の転写紙の給紙をスタートする時間をその分遅らせた構成とすれば、搬送速度の低下による給紙ジャムとしての検知は避けられる。しかしながら、このように給紙スタート時間が遅くなると、給紙間隔が大きくなり、画像形成装置としての毎分当たりの画像形成枚数(以降、PPMと呼称する)が減少するなどのように、画像形成装置の生産性が低下してしまう。
【0005】
そこでこの発明は、前記のような従来のものが有する問題点を解決し、給紙トレイからの転写紙の搬送速度の低下によるジャム検知を防止し、搬送動作を継続できる給紙装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、給紙トレイに積載された転写紙の最上紙から1枚ずつフィードローラによりグリップローラに向けて送り出す給紙装置において、前記フィードローラとグリップローラ間に転写紙の有無を検知する給紙センサを設け、転写紙の給紙開始から前記給紙センサによる転写紙検知までの正常動作による時間を転写紙到達時間T1に設定する一方、この時間T1に対して2種類の検知レベル時間T2,T3を設定し、前記給紙センサがT1+T2又はT1+T2+T3の間に転写紙を検知したとき、異常検出状態としながら前記フィードローラによる給紙動作を続けさせ、T1+T2+T3以上で検知したとき、ジャムと判断して給紙動作を停止する制御手段を設けたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、異常検出状態となったとき、この異常を伝えるメッセージを表示する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、異常検出状態となったとき、この異常検出状態を内部に記憶し、サービスマンの訪問時に読み取る。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、異常検出状態となったとき、電話回線等を使用した遠隔地診断に情報を送出する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし4のいずれかの給紙装置を具えた。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図面により説明する。図1は、この実施形態の給紙装置の全体構成を示す概略図であり、図2は、タイミングチャートを示す概略図であり、図3は、異常検出状態であると判別したタイミングチャートを示す概略図である。
【0012】
給紙装置1は、図1に示すように、戻し分離方式(FFR方式)と呼ばれるFRR機構を用いており、図示しない画像形成装置内に設けられ、所定枚数の転写紙P1〜Pnを積み重ねて収容した給紙トレイ3と、ピックアップローラ4と、フィードローラ5と、リバースローラ6とを有しており、給紙トレイ3に積載された転写紙P1〜Pnの最上紙から1枚ずつ、フィードローラ5により一対のグリップローラ7に向けて送り出し、グリップローラ7を経て、画像形成装置側へ給紙するようにしている。また、フィードローラ5とグリップローラ7間には転写紙P1の有無を検知する給紙センサ8が設けられ、この給紙センサ8の検知信号に基づき、図示しない制御手段によって、転写紙P1の給紙動作が所定に制御されている。
【0013】
すなわち、給紙トレイ3に積載された転写紙P1〜Pnのうちの上側の転写紙P1〜Pnが、順方向に回転し、最上紙である転写紙P1に接するまたは離れる方向に任意に上下動するピックアップローラ4により引き出される。そして、順方向に回転するフィードローラ5と、逆方向に回転駆動されるが内蔵された図示しないトルクリミッタにより順方向に連れ回りするリバースローラ6とにより、1枚の転写紙P1のみが他の引き出された転写紙P2〜Pnから分離されて、グリップローラ7側に搬送される。
【0014】
ピックアップローラ4は、図示しないスプリングなどの弾性部材により、給紙トレイ3の最上紙である転写紙P1から離れる方向に付勢されている。ピックアップローラ4は、図示しないピックアップ・ソレノイド(以降、ピックアップSOLと呼称する)を有し、このピックアップSOLへの通電をON/OFF制御して、ピックアップSOLの電磁的作動体により、ピックアップローラ4を転写紙P1に接する方向に駆動力を作用させ、ピックアップローラ4を任意に転写紙P1に接するようにしている。
【0015】
リバースローラ6は、常に、転写紙Pを給紙トレイ3に戻す方向につまり逆方向に回転しており、ピックアップローラ4により送り出された転写紙Pが重送された場合に、これらの重送された転写紙P1〜Pnから転写紙P1のみの一枚を分離して送るようにしている。すなわち、リバースローラ6はトルクリミッタを介して図示しない逆方向に回転した回転駆動軸に接続され、このトルクリミッタは、重なって接した転写紙P同士間に働く摩擦力よりも大きな順方向のトルクがリバースローラ6に加わった場合に、回転駆動軸からリバースローラ6への回転駆動力の伝達を解除し、リバースローラ6が回転駆動軸に対して自在に回転するように構成されている。したがって、リバースローラ6に伝わるトルクが大きいとき、つまり転写紙P1が一枚のみ送られた場合に、トルクリミッタの作用により、リバースローラ6がフィードローラ5に従動して回転し、フィードローラ5とともに転写紙P1を送り出す。他方、トルクが小さいとき、つまりフィードローラ5とリバースローラ6との間に2枚以上の転写紙P1〜Pnが送られた場合に、リバースローラ6が逆回転し、リバースローラ6に接する下側の2枚目以降の転写紙P2〜Pnを給送トレイ3の方向に戻す。このため、重送された転写紙P2〜Pnが分離され、1枚の転写紙P1のみが送り出される。この結果、給紙トレイ3の転写紙P1〜Pnのうちで最も上側に位置した転写紙P1のみが、1枚ずつ、給紙される。
【0016】
フィードローラ5を回転駆動する動作は、図示しない給紙クラッチによりON/OFF制御される。すなわち、この給紙クラッチを介して、フィードローラ5の図示しない回転軸は、図示しない駆動源に接離可能に接続している。すなわち、この給紙クラッチは、図示しないソレノイドを有した電磁クラッチとされ、このソレノイドへの通電をON/OFF制御して、給紙クラッチを任意に接続および接続を解除するようにしている。つまり、ソレノイドの電磁的な作動体による駆動力のON/OFFにより、クラッチを接離動作させるようにしている。
【0017】
この実施形態の給紙装置1は、ジャム検知の誤判定を回避して、転写紙を搬送するように構成されている。すなわち、給紙装置1からジャム検知の構成を無くしてしまうと、スリップ以外の要因によるジャムが発生した場合には、ダメージを大きくするおそれがある。例えば、転写紙折れ等によるジャムが生じたことを検知できない場合には、この場合にも搬送動作を停止できないので、搬送用の各種ローラ4〜7の磨耗が多くなるとともに、これらのローラ4〜7の駆動源への負荷が増大し、搬送機構を主体とする各部にダメージが蓄積してしまう。
【0018】
給紙センサ8は、フィードローラ5とグリップローラ7との間に、つまりフィードローラ5による転写紙P1の搬送方向の下流近傍で、転写紙P1が通過する経路から所定に上方に離れた位置に設置されている。この給紙センサ8は、経路上の給紙センサ8に対向した位置の転写紙Pの有無を非接触式に検知するセンサとされ、このような給紙センサ8としては、例えば光センサが用いられている。すなわち、少なくとも、この光センサが有した受光部が、転写紙Pの搬送経路の方向に向けられ、この受光部が向けられた搬送経路には、光センサ側から自然光や発光などの光が入射されている。このため、光センサに対向した位置に転写紙Pの一部分でもが占めた場合には、この転写紙Pの部分に光が反射されて、反射光が受光部に入力され、検知信号が光センサから出力されたON信号状態となる。他方、転写紙Pが対向した位置から外れた場合には、光が反射されず、反射光が受光部に入力されないので、給紙センサ8としての光センサは検知信号を出力しないOFF信号状態となる。したがって、給紙センサ8の検知信号がOFF状態からON状態となったとき、転写紙Pの搬送方向の先端を給紙センサ8が検知した時点として判別でき、ON状態からOFF状態となったとき、転写紙Pの搬送方向の後端を給紙センサ8が検知した時点として判別できる。
【0019】
この給紙センサ8からの検知信号は制御手段に入力されており、この検知信号に基づいて、制御手段によって、ピックアップSOLや給紙クラッチの動作が制御されている。すなわち、この制御手段は、画像形成装置本体からの給紙信号を受けると、ピックアップSOLおよび給紙クラッチをONにすることにより、ピックアップSOLおよび給紙クラッチの動作を開始させている。また、制御手段は、タイマなどを内蔵して計時機能を有しており、給紙センサ8からON状態からOFF状態となった検知信号を受けると(給紙センサ8が搬送方向の転写紙P1の後端を検知すると)、所定時間Tを計時して、この時間Tの間、給紙クラッチをOFFにするようしている。したがって、フィードローラ5は、給紙センサ8は転写紙P1が通過したことを検知すると、このフィードローラ5の回転を一旦停止させてから再び正回転して、次の転写紙Pを搬送する。そして、制御手段が、予め所定に設定された時間T1、T2、T3に基づき、給紙センサ8からの検知信号を判別し、転写紙P1の給紙動作を制御するようにしている。すなわち、転写紙P1の搬送動作に所定時間の遅れを許容して、所定に許容内の搬送速度の低下によるジャム検知を防止している。
【0020】
これらの時間T1,T2,T3は、それぞれ対象機である画像形成装置の転写紙Pの搬送間隔や、画像形成の線速に応じて適宜、設定されるものとする。すなわち、画像形成装置の機種ごとに応じて設定される正常な転写紙到達時間T1に対して、時間T2は、転写紙Pの搬送に関連したローラの磨耗によるスリップ率の増加などにより、転写紙Pの搬送速度が低下し、給紙センサ8のセンサ範囲への到達時点が遅れて到達時間が長くなるが、画像形成装置の製品スペックとしてのPPMなどの生産性に支障を来たさない程度の時間とされている。また、時間T3は、給紙用のローラや、電磁クラッチ、ワンウエイクラッチ、トルクリミッタなどの機構的な異常により、前記の生産性に支障をきたす程度の時間とされている。例えば、この構成が画像形成装置として100PPM程度の高速機に適用された場合には、時間T2が50msec、時間T3が100msecに設定される。
【0021】
次に、給紙装置1の動作を説明する。すなわち、図2に示すように、画像形成装置側から給紙信号に基づいて、つまり画像形成装置の画像形成動作の開始に関連して生成された給紙信号が給紙装置1に入力されると、制御手段により、ピックアップSOL、給紙クラッチが同時にON動作し、この結果、用紙トレイ3の最上紙である転写紙P1のみが分離して搬送方向に移動され、グリップローラ7に向けて送り出される。次に、給紙センサ8からの検知信号がOFF状態からON状態となり、この転写紙P1の先端が、給紙センサ8のセンサ範囲に到達したことが給紙センサ8により検知され、制御手段により判別されると、制御手段がピックアップSOLをOFF動作し、次にフィードローラ5により転写紙P1が搬送され、さらにグリップローラ7を経て、画像形成部へ搬送される。そして、転写紙P1の搬送の進展に伴い、給紙センサ8からの検知信号がON状態からOFF状態となり、転写紙P1の搬送方向における後端が給紙センサ8のセンサ範囲を通過したことが、給紙センサ8により検知され、制御手段により判別されると、予め設定された一定時間Tを経過した後に、次の給紙動作を開始する。
【0022】
ここで、フィードローラ5やリバースローラ6の磨耗等で、これらのローラ5,6が転写紙P1に対してスリップし、転写紙P1の搬送速度が遅くなると、給紙クラッチONするまでの時間T0や、給紙センサONから給紙センサOFFまでの時間t0が長くなる。すなわち、給紙動作の開始時点から給紙センサ8が転写紙P1の先端を検知する時点までに経過した時間T0や、給紙センサ8のセンサ範囲を転写紙P1が通過するのに要した時間である時間t0、つまり給紙センサ8が転写紙P1の先端を検知した時点から転写紙P1の後端を検知した時点までに経過した時間t0が、長くなる。
【0023】
そこで、T1+T2内に給紙センサ8がON状態にならないとき、つまり給紙センサ8からの検知信号がOFF状態を維持したときは、異常検出状態として、給紙動作を続ける。すなわち、時間T0の長さが時間T1,時間T2を合計した長さ以上のときには、制御手段が異常検出状態と判別する。さらに、T1+T2+T3内に給紙センサがON状態にならないとき、つまり給紙センサ8からの検知信号がOFF状態を維持したときは、ジャムと判断して、給紙動作を停止する。すなわち、時間T0の長さが時間T1,時間T2,時間T3を合計した長さ以上のときには、制御手段がジャムを検出した状態と判別する。したがって、時間T0が、T1+T2以上でT1+T2+T3を下回るときには、制御手段が異常検出状態と判別して給紙動作を継続し、時間T0が、T1+T2+T3以上のときには、制御手段がジャムと判断して給紙動作を停止する。換言すれば、給紙センサ8の検知信号がOFF状態からオン状態となった検知時点が、図2中に示される時間T2の終了時点を越えて、時間T3の終了時点を含んだ時間の範囲内に収まったとき、制御手段が異常検出状態と判別し、同検知時点が、時間T2の終了時点を越えたときには、制御手段がジャムと判断する。なお、これら以外のときには、当然、給紙センサ8の検知によれば、制御手段は給紙動作が正常であると判別して、通常の給紙動作を続ける。
【0024】
同様に、t1+t2内に給紙センサ8がOFFしないとき、つまり給紙センサ8からの検知信号がON状態を維持したときは、異常検出状態とし、給紙動作は続ける。すなわち、給紙センサ8による転写紙先端を検知した時点から転写紙の後端を検知した時点までの転写紙通過時間t0の長さが、時間t1,時間t2を合計した長さ以上のときには、制御手段が異常検出状態と判別する。さらに、t1+t2+t3内に給紙センサ8がOFFしないときは、つまり給紙センサ8からの検知信号がON状態を維持したときは、制御手段がジャムと判断し、給紙動作を停止する。すなわち、時間t0の長さが時間t1,時間t2,時間t3を合計した長さ以上のときには、ジャムを検出した状態と判別する。したがって、時間t0が、t1+t2以上でt1+t2+t3を下回るときには、制御手段が異常検出状態と判別して給紙動作を継続し、時間t0が、t1+t2+t3以上のときには、制御手段がジャムと判断して給紙動作を停止する。換言すれば、給紙センサ8の検知信号がOFF状態からオン状態となった検知時点が、図2中に示される時間t2の終了時点を越えて、時間t3の終了時点を含んだ時間の範囲内に収まったとき、制御手段が異常検出状態と判別し、同検知時点が、時間t2の終了時点を越えたときには、制御手段がジャムと判断する。なお、これら以外のときには、当然、制御手段は給紙動作が正常であると判別して、通常の給紙動作を続ける。
【0025】
上記の時間T0または時間t0に基づく判別は、いずれかの一方が成立したときに、制御手段が判別した状態に基づいて給紙動作の継続や停止が行なわれる。したがって、時間T0に基づいた制御手段による判別は、転写紙P1の搬送方向の長さに依存するが、用紙トレイ3から転写紙P1を送り出す機構、つまりピックアップローラ4、フィードローラ5、リバースローラ6などを主要な要因とした搬送遅れやジャムを判別しているのに対して、時間t0に基づいた制御手段による判別は、前記の要因に加えて、給紙センサ8よりも搬送方向の下流側に位置するグリップローラ7や、その他の搬送ローラなどを主要な要因とした搬送遅れやジャムを判別することができる。このため、搬送遅れやジャムの要因となる判別対象を、拡大できる。したがって、給紙センサ8の下流側に位置したグリップローラ7や搬送ローラなどの搬送手段が給紙ジャムを生じる故障状態となる前に、保守整備することが可能となる。この結果、給紙装置1の給紙動作に関する故障予防性や、信頼性の向上が図れる。
【0026】
したがって、図3に示すように、給紙センサ8がON状態になるまでの時間T0がT1+T2内で、または給紙センサ8がOFF状態になるまでの時間t0がt1+t2内で、異常検出状態となったときにも、次の転写紙の給紙はある一定時間Tの経過後に給紙動作を開始するので、結果として1枚の転写紙P1を搬送するために必要な時間が長くなる。しかし、これらのときにも、時間Tは常に一定に保持することができる。このため、画像形成装置としての生産性は低下するが、装置の製品スペックとしてのPPMに支障を来たさない程度の搬送に要した給紙時間に留めることができる。すなわち、転写紙P1の搬送速度が低下することを見込んで次の転写紙の給紙スタート時間を遅らせるように、つまりある転写紙P1の給紙スタート時点から次の転写紙の給紙スタート時点までの時間間隔を長く設定することが不要となり、生産性の低下を最小限に留めることができる。
【0027】
また、このように異常検出状態となったとき、画像形成装置が予め具えている表示手段としての操作部等に、異常を伝えるメッセージを表示するように構成している。すなわち、異常検出状態となったとき、制御手段から画像形成装置本体にメッセージの表示を要求する指令信号が送信され、この要求信号に応じて、画像形成装置側では、画像形成装置の操作部等が有した表示画面に、“サービスを呼んでください”等の対処を明確に指示するメッセージを表示している。
【0028】
または、異常検出状態となったとき、この異常検出状態の状況などを、画像形成装置側に予め具えられているサービスモード等でのみ見れるように、使用者には非公開に内部に記憶しておき、サービスマンの訪問時に、サービスマンなどのみが記録を読み取れるようにしている。すなわち、画像形成装置側に予め具えられている装置を使用した履歴情報を記憶する記憶手段に、制御手段から出力させた異常検出状態の状況などを記録として記憶させ、サービスマンなどが画像形成装置の操作部で特定の入力操作を行うことにより、画像形成装置がサービスモードに移行しないと、記録を読み出せないように構成している。
【0029】
または、異常検出状態となったとき、画像形成装置が電話回線等の通信回線を使用した遠隔地診断に、異常検出状態の状況などを含んだ情報を送信するようにしている。すなわち、画像形成装置は、通信回線を介して遠隔地に設置されたホスト装置と接続する通信システムを具えており、ホスト装置と通信することにより、遠隔地診断およびカスタマー・サポート・サービスなどを利用可能な画像形成装置とされている。したがって、異常検出状態となったとき、制御手段から出力させた異常検出状態の状況などを、通信回線を介してホスト装置に送信するようにしている。
【0030】
このように実施形態の給紙装置1によれば、給紙センサ8の検知によるジャム判別を、正常な転写紙到達時間T1により規定される2段階の判別に対して、3段階の検知レベルを設けて判別するように構成したので、正常な搬送の他に、軽微なローラ磨耗等による転写紙P1の搬送遅れと、用紙ジャムによる転写紙P1の搬送遅れと区別して、判別することができる。すなわち、従来の構成では、1つの転写紙到達時間T1を判定基準にして、この給紙センサ8の検知タイミングが、時間T1よりも短い時間範囲内に収まっていれば、正常な搬送であると判別し、時間T1以上のとき、給紙ジャムが生じたと判別し、給紙ジャムのときには給紙動作だけではなく画像形成動作などの画像形成装置の全体の動作を停止していた。
【0031】
これに対して、この給紙装置1では、給紙センサ8がT1+T2又はT1+T2+T3の間に検知すれば、異常検出状態としながら給紙動作を続けることにより、軽微なローラ磨耗等による給紙トレイ3から転写紙P1の所定許容内の搬送遅れでは装置の動作を停止してダウンさせることなく、給紙動作を続けさせることができる。すなわち、画像形成装置としての全体の画像形成動作を継続できる。このため、従来の構成では、転写紙P1の搬送遅れによるジャムとしての検知により装置をダウンさせた場合には、画像形成本体部のウオームアップや、各部の初期化処理などの画像形成動作を再開するための時間が必要となるのに対して、この給紙装置1によれば、所定時間の搬送遅れで転写紙P1を検知した場合には動作を継続して装置をダウンさせずに済むので、画像形成動作として前記の再開時間を消費することが無くなり、画像形成装置の生産性を向上できる。他方、給紙センサ8がT1+T2+T3以上で検知すれば、ジャムと判断し、給紙動作を停止することにより、装置にダメージを与えることなく使用できる。
【0032】
また、異常検出状態となったとき、画像形成装置が予め具えた操作部等に“サービスを呼んでください”等の異常を伝えるメッセージを表示することにより、装置をダウンさせることなく、サービスマンの訪問時に、サービスマンが給紙ローラ交換等の保守作業をおこない、装置を正常な状態に復帰させることができる。すなわち、このメッセージには、明確に対処するための指示が含まれているので、画像形成装置の使用者が、異常検出状態の対処に戸惑うことが回避され、使用性を向上できる。他方、使用者が余分な対処作業を行なうことを防止できる。このため、使用者にサービスマンを呼び出すことを促せるので、呼び出されたサービスマンが保守作業を行なって、すみやかに装置を正常な状態に復帰できる。他方、給紙装置1が給紙ジャムを生じる故障状態となる前に、サービスマンによる専門的なメンテナンスを行なうことが可能になる。このため、給紙装置1の給紙動作に関した故障予防性や、給紙動作に対する信頼性の向上が図れる。
【0033】
さらに、異常検出状態となったとき、サービスモード等でしか読み取れない内部記録として記憶しておき、サービスマンの訪問時にサービスマンがサービスモードに移行する操作を行なって、記録を読み取るようにしているので、装置をダウンさせることなく、サービスマンが給紙ローラ交換等の保守作業をおこない、装置を正常な状態に復帰させることができる。この結果、給紙装置1の給紙動作に関する故障予防性や、給紙装置1による給紙動作の信頼性の向上が図れる。またこのような給紙ローラ交換が必要なことを、サービスマンなどのみが把握するようにしているので、使用者に不安や不満を与えることなく、保守整備することが可能となる。他方、保守側としても軽微なローラ磨耗等による転写紙Pの搬送遅れで、サービスマンが呼び出されることがなく、しかも部品交換の対象が給紙ローラなどに明確に限定できるので、保守の負担が軽減され作業を簡素化できる。
【0034】
また、異常検出状態となったとき、電話回線等を使用した遠隔地診断に情報を流すようにしているので、装置をダウンさせることなく、サービスマンの訪問時に、給紙ローラ交換等の保守作業をおこない、装置を正常な状態に復帰させることができる。このため、給紙装置1の給紙動作に関する故障予防性や、給紙動作の信頼性を向上できる。またこのような給紙ローラ交換が必要なことを、サービスマンなどのみが把握するようにしているので、使用者に不安や不満を与えることなく、保守整備することが可能となる。他方、使用者以外の保守管理側としても、軽微なローラ磨耗等による給紙装置1としての動作の不調で、サービスマンが呼び出されることがなくなり、保守の負担が軽減され、しかも部品交換の対象が給紙ローラなどに明確に限定できるので、保守作業を簡素化できる。また、常に、このような遠隔地診断によって保守側が、少なくとも、給紙装置1が異常検出状態になったことを把握できるので、使用者側から呼び出されて受動的に対処するのではなく、保守側が主体的に判断して能動的に対処することが可能となる。すなわち、例えば、異常検出状態が頻繁に生じるときに、サービスマンを直ちに派遣して対処することが可能となり、保守サービス性を向上できる。
【0035】
さらに、上記の構成の給紙装置1を具えた画像形成装置によれば、上記の各効果を有した画像形成装置とできるので、装置性能を向上できる。すなわち、軽微なローラ磨耗等によって転写紙の搬送速度が低下しても、ジャムと判別することなく、給紙装置1による給紙動作を続けることができるので、画像形成装置の生産性の低下を最小限に留めることができる。他方、給紙装置1が異常検出状態になったことを、上記の各種の手段により保守側にのみ把握、または通知できるので、ジャムを生じるような故障前に給紙装置1をメンテナンスすることが可能となる。このため、給紙装置1による給紙動作に関した故障予防性や、給紙動作の信頼性の向上が図れるので、結果としてPPMなどの画像形成装置の生産性を向上できる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、画像形成装置の内部に予め具えられている給紙トレイ3の構成に適用したが、これに限られることなく、画像形成装置の外部から給紙される構成、例えば露出された給紙トレイに積載された転写紙から給紙する構成、または転写紙を1枚ずつ給紙する構成に適用してよい。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、転写紙の給紙開始から前記給紙センサによる転写紙検知までの正常動作による時間を、転写紙到達時間T1に設定する一方、この時間T1に対して、2種類の検知レベル時間T2,T3を設定し、前記給紙センサが、T1+T2又はT1+T2+T3の間に転写紙を検知したとき、異常検出状態としながら給紙動作を続け、T1+T2+T3以上で検知したとき、ジャムと判断して給紙動作を停止する制御手段を設けたので、この制御手段によって、軽微なローラ磨耗等による転写紙の搬送遅れと、用紙ジャムによる転写紙の搬送遅れとを区別して、判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を示し、給紙装置の要部を示す概略図である。
【図2】この実施形態の制御手段が用いる各種の設定時間の関係を示すタイミングチャートである。
【図3】この実施形態の制御手段による制御動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 給紙装置 3 給紙トレイ
4 ピックアップローラ 5 フィードローラ
6 リバースローラ 7 グリップローラ
8 給紙センサ P1〜Pn 転写紙
T 次の転写紙の搬送を開始するまでの間隔である一定時間
T0 給紙センサにより検知された実際の転写紙の搬送開始から給紙センサまでの転写紙到達時間
T1 転写紙の搬送開始から給紙センサによる検知までの正常な転写紙到達時間T2 時間T1の経過時点からスリップによる異常状態として判別するための判断基準とした時間(第1の検知レベル時間)
T3 時間T1および時間T2を合計した経過時点からジャムとして判別するための判断基準とした時間(第2の検知レベル時間)
t0 給紙センサにより検知された実際の転写紙先端の検知時点から転写紙後端の検知時点までに経過した転写紙通過時間
t1 給紙センサによる転写紙先端の検知時点から転写紙後端の検知時点までの正常な転写紙通過時間
t2 時間t1の経過時点からスリップによる異常状態として判別するための判断基準とした時間
t3 時間t1および時間t2を合計した経過時点からジャム状態として判別するための判断基準とした時間
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画送形成装置に用いられる給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画送形成装置においては、用紙、転写紙、第2原図、OHPシートなどの転写材(以降、転写紙と呼称する)に、形成した画像を定着しており、この転写紙は予め複数枚数、用意されており、転写紙を1枚ずつ画像を形成する画像形成本体部に供給する構成とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、給紙トレイに積載された転写紙の最上紙から1枚ずつ、画像形成本体部へ向けて搬送し給紙する構成の給紙装置においては、搬送用の給紙ローラが磨耗したなどによって、給紙時に給紙ローラが転写紙に対してスリップすることがある。このスリップ率が増加して、給紙トレイからの転写紙の搬送速度が遅くなると、予め設定された正常動作による到達時間以上に転写紙の到達が遅れるので、給紙センサでジャムとして検知され、給紙ジャムと判別されることがある。この状態になると、給紙ローラやコロ交換等の処置をしないと、給紙ジャムが多発することになる。このため、画像形成装置としての使用性が低下するおそれがある。
【0004】
したがって、このようなスリップで転写紙の搬送速度が遅くなることを見込んで、次の転写紙の給紙をスタートする時間をその分遅らせた構成とすれば、搬送速度の低下による給紙ジャムとしての検知は避けられる。しかしながら、このように給紙スタート時間が遅くなると、給紙間隔が大きくなり、画像形成装置としての毎分当たりの画像形成枚数(以降、PPMと呼称する)が減少するなどのように、画像形成装置の生産性が低下してしまう。
【0005】
そこでこの発明は、前記のような従来のものが有する問題点を解決し、給紙トレイからの転写紙の搬送速度の低下によるジャム検知を防止し、搬送動作を継続できる給紙装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、給紙トレイに積載された転写紙の最上紙から1枚ずつフィードローラによりグリップローラに向けて送り出す給紙装置において、前記フィードローラとグリップローラ間に転写紙の有無を検知する給紙センサを設け、転写紙の給紙開始から前記給紙センサによる転写紙検知までの正常動作による時間を転写紙到達時間T1に設定する一方、この時間T1に対して2種類の検知レベル時間T2,T3を設定し、前記給紙センサがT1+T2又はT1+T2+T3の間に転写紙を検知したとき、異常検出状態としながら前記フィードローラによる給紙動作を続けさせ、T1+T2+T3以上で検知したとき、ジャムと判断して給紙動作を停止する制御手段を設けたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、異常検出状態となったとき、この異常を伝えるメッセージを表示する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、異常検出状態となったとき、この異常検出状態を内部に記憶し、サービスマンの訪問時に読み取る。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、異常検出状態となったとき、電話回線等を使用した遠隔地診断に情報を送出する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし4のいずれかの給紙装置を具えた。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図面により説明する。図1は、この実施形態の給紙装置の全体構成を示す概略図であり、図2は、タイミングチャートを示す概略図であり、図3は、異常検出状態であると判別したタイミングチャートを示す概略図である。
【0012】
給紙装置1は、図1に示すように、戻し分離方式(FFR方式)と呼ばれるFRR機構を用いており、図示しない画像形成装置内に設けられ、所定枚数の転写紙P1〜Pnを積み重ねて収容した給紙トレイ3と、ピックアップローラ4と、フィードローラ5と、リバースローラ6とを有しており、給紙トレイ3に積載された転写紙P1〜Pnの最上紙から1枚ずつ、フィードローラ5により一対のグリップローラ7に向けて送り出し、グリップローラ7を経て、画像形成装置側へ給紙するようにしている。また、フィードローラ5とグリップローラ7間には転写紙P1の有無を検知する給紙センサ8が設けられ、この給紙センサ8の検知信号に基づき、図示しない制御手段によって、転写紙P1の給紙動作が所定に制御されている。
【0013】
すなわち、給紙トレイ3に積載された転写紙P1〜Pnのうちの上側の転写紙P1〜Pnが、順方向に回転し、最上紙である転写紙P1に接するまたは離れる方向に任意に上下動するピックアップローラ4により引き出される。そして、順方向に回転するフィードローラ5と、逆方向に回転駆動されるが内蔵された図示しないトルクリミッタにより順方向に連れ回りするリバースローラ6とにより、1枚の転写紙P1のみが他の引き出された転写紙P2〜Pnから分離されて、グリップローラ7側に搬送される。
【0014】
ピックアップローラ4は、図示しないスプリングなどの弾性部材により、給紙トレイ3の最上紙である転写紙P1から離れる方向に付勢されている。ピックアップローラ4は、図示しないピックアップ・ソレノイド(以降、ピックアップSOLと呼称する)を有し、このピックアップSOLへの通電をON/OFF制御して、ピックアップSOLの電磁的作動体により、ピックアップローラ4を転写紙P1に接する方向に駆動力を作用させ、ピックアップローラ4を任意に転写紙P1に接するようにしている。
【0015】
リバースローラ6は、常に、転写紙Pを給紙トレイ3に戻す方向につまり逆方向に回転しており、ピックアップローラ4により送り出された転写紙Pが重送された場合に、これらの重送された転写紙P1〜Pnから転写紙P1のみの一枚を分離して送るようにしている。すなわち、リバースローラ6はトルクリミッタを介して図示しない逆方向に回転した回転駆動軸に接続され、このトルクリミッタは、重なって接した転写紙P同士間に働く摩擦力よりも大きな順方向のトルクがリバースローラ6に加わった場合に、回転駆動軸からリバースローラ6への回転駆動力の伝達を解除し、リバースローラ6が回転駆動軸に対して自在に回転するように構成されている。したがって、リバースローラ6に伝わるトルクが大きいとき、つまり転写紙P1が一枚のみ送られた場合に、トルクリミッタの作用により、リバースローラ6がフィードローラ5に従動して回転し、フィードローラ5とともに転写紙P1を送り出す。他方、トルクが小さいとき、つまりフィードローラ5とリバースローラ6との間に2枚以上の転写紙P1〜Pnが送られた場合に、リバースローラ6が逆回転し、リバースローラ6に接する下側の2枚目以降の転写紙P2〜Pnを給送トレイ3の方向に戻す。このため、重送された転写紙P2〜Pnが分離され、1枚の転写紙P1のみが送り出される。この結果、給紙トレイ3の転写紙P1〜Pnのうちで最も上側に位置した転写紙P1のみが、1枚ずつ、給紙される。
【0016】
フィードローラ5を回転駆動する動作は、図示しない給紙クラッチによりON/OFF制御される。すなわち、この給紙クラッチを介して、フィードローラ5の図示しない回転軸は、図示しない駆動源に接離可能に接続している。すなわち、この給紙クラッチは、図示しないソレノイドを有した電磁クラッチとされ、このソレノイドへの通電をON/OFF制御して、給紙クラッチを任意に接続および接続を解除するようにしている。つまり、ソレノイドの電磁的な作動体による駆動力のON/OFFにより、クラッチを接離動作させるようにしている。
【0017】
この実施形態の給紙装置1は、ジャム検知の誤判定を回避して、転写紙を搬送するように構成されている。すなわち、給紙装置1からジャム検知の構成を無くしてしまうと、スリップ以外の要因によるジャムが発生した場合には、ダメージを大きくするおそれがある。例えば、転写紙折れ等によるジャムが生じたことを検知できない場合には、この場合にも搬送動作を停止できないので、搬送用の各種ローラ4〜7の磨耗が多くなるとともに、これらのローラ4〜7の駆動源への負荷が増大し、搬送機構を主体とする各部にダメージが蓄積してしまう。
【0018】
給紙センサ8は、フィードローラ5とグリップローラ7との間に、つまりフィードローラ5による転写紙P1の搬送方向の下流近傍で、転写紙P1が通過する経路から所定に上方に離れた位置に設置されている。この給紙センサ8は、経路上の給紙センサ8に対向した位置の転写紙Pの有無を非接触式に検知するセンサとされ、このような給紙センサ8としては、例えば光センサが用いられている。すなわち、少なくとも、この光センサが有した受光部が、転写紙Pの搬送経路の方向に向けられ、この受光部が向けられた搬送経路には、光センサ側から自然光や発光などの光が入射されている。このため、光センサに対向した位置に転写紙Pの一部分でもが占めた場合には、この転写紙Pの部分に光が反射されて、反射光が受光部に入力され、検知信号が光センサから出力されたON信号状態となる。他方、転写紙Pが対向した位置から外れた場合には、光が反射されず、反射光が受光部に入力されないので、給紙センサ8としての光センサは検知信号を出力しないOFF信号状態となる。したがって、給紙センサ8の検知信号がOFF状態からON状態となったとき、転写紙Pの搬送方向の先端を給紙センサ8が検知した時点として判別でき、ON状態からOFF状態となったとき、転写紙Pの搬送方向の後端を給紙センサ8が検知した時点として判別できる。
【0019】
この給紙センサ8からの検知信号は制御手段に入力されており、この検知信号に基づいて、制御手段によって、ピックアップSOLや給紙クラッチの動作が制御されている。すなわち、この制御手段は、画像形成装置本体からの給紙信号を受けると、ピックアップSOLおよび給紙クラッチをONにすることにより、ピックアップSOLおよび給紙クラッチの動作を開始させている。また、制御手段は、タイマなどを内蔵して計時機能を有しており、給紙センサ8からON状態からOFF状態となった検知信号を受けると(給紙センサ8が搬送方向の転写紙P1の後端を検知すると)、所定時間Tを計時して、この時間Tの間、給紙クラッチをOFFにするようしている。したがって、フィードローラ5は、給紙センサ8は転写紙P1が通過したことを検知すると、このフィードローラ5の回転を一旦停止させてから再び正回転して、次の転写紙Pを搬送する。そして、制御手段が、予め所定に設定された時間T1、T2、T3に基づき、給紙センサ8からの検知信号を判別し、転写紙P1の給紙動作を制御するようにしている。すなわち、転写紙P1の搬送動作に所定時間の遅れを許容して、所定に許容内の搬送速度の低下によるジャム検知を防止している。
【0020】
これらの時間T1,T2,T3は、それぞれ対象機である画像形成装置の転写紙Pの搬送間隔や、画像形成の線速に応じて適宜、設定されるものとする。すなわち、画像形成装置の機種ごとに応じて設定される正常な転写紙到達時間T1に対して、時間T2は、転写紙Pの搬送に関連したローラの磨耗によるスリップ率の増加などにより、転写紙Pの搬送速度が低下し、給紙センサ8のセンサ範囲への到達時点が遅れて到達時間が長くなるが、画像形成装置の製品スペックとしてのPPMなどの生産性に支障を来たさない程度の時間とされている。また、時間T3は、給紙用のローラや、電磁クラッチ、ワンウエイクラッチ、トルクリミッタなどの機構的な異常により、前記の生産性に支障をきたす程度の時間とされている。例えば、この構成が画像形成装置として100PPM程度の高速機に適用された場合には、時間T2が50msec、時間T3が100msecに設定される。
【0021】
次に、給紙装置1の動作を説明する。すなわち、図2に示すように、画像形成装置側から給紙信号に基づいて、つまり画像形成装置の画像形成動作の開始に関連して生成された給紙信号が給紙装置1に入力されると、制御手段により、ピックアップSOL、給紙クラッチが同時にON動作し、この結果、用紙トレイ3の最上紙である転写紙P1のみが分離して搬送方向に移動され、グリップローラ7に向けて送り出される。次に、給紙センサ8からの検知信号がOFF状態からON状態となり、この転写紙P1の先端が、給紙センサ8のセンサ範囲に到達したことが給紙センサ8により検知され、制御手段により判別されると、制御手段がピックアップSOLをOFF動作し、次にフィードローラ5により転写紙P1が搬送され、さらにグリップローラ7を経て、画像形成部へ搬送される。そして、転写紙P1の搬送の進展に伴い、給紙センサ8からの検知信号がON状態からOFF状態となり、転写紙P1の搬送方向における後端が給紙センサ8のセンサ範囲を通過したことが、給紙センサ8により検知され、制御手段により判別されると、予め設定された一定時間Tを経過した後に、次の給紙動作を開始する。
【0022】
ここで、フィードローラ5やリバースローラ6の磨耗等で、これらのローラ5,6が転写紙P1に対してスリップし、転写紙P1の搬送速度が遅くなると、給紙クラッチONするまでの時間T0や、給紙センサONから給紙センサOFFまでの時間t0が長くなる。すなわち、給紙動作の開始時点から給紙センサ8が転写紙P1の先端を検知する時点までに経過した時間T0や、給紙センサ8のセンサ範囲を転写紙P1が通過するのに要した時間である時間t0、つまり給紙センサ8が転写紙P1の先端を検知した時点から転写紙P1の後端を検知した時点までに経過した時間t0が、長くなる。
【0023】
そこで、T1+T2内に給紙センサ8がON状態にならないとき、つまり給紙センサ8からの検知信号がOFF状態を維持したときは、異常検出状態として、給紙動作を続ける。すなわち、時間T0の長さが時間T1,時間T2を合計した長さ以上のときには、制御手段が異常検出状態と判別する。さらに、T1+T2+T3内に給紙センサがON状態にならないとき、つまり給紙センサ8からの検知信号がOFF状態を維持したときは、ジャムと判断して、給紙動作を停止する。すなわち、時間T0の長さが時間T1,時間T2,時間T3を合計した長さ以上のときには、制御手段がジャムを検出した状態と判別する。したがって、時間T0が、T1+T2以上でT1+T2+T3を下回るときには、制御手段が異常検出状態と判別して給紙動作を継続し、時間T0が、T1+T2+T3以上のときには、制御手段がジャムと判断して給紙動作を停止する。換言すれば、給紙センサ8の検知信号がOFF状態からオン状態となった検知時点が、図2中に示される時間T2の終了時点を越えて、時間T3の終了時点を含んだ時間の範囲内に収まったとき、制御手段が異常検出状態と判別し、同検知時点が、時間T2の終了時点を越えたときには、制御手段がジャムと判断する。なお、これら以外のときには、当然、給紙センサ8の検知によれば、制御手段は給紙動作が正常であると判別して、通常の給紙動作を続ける。
【0024】
同様に、t1+t2内に給紙センサ8がOFFしないとき、つまり給紙センサ8からの検知信号がON状態を維持したときは、異常検出状態とし、給紙動作は続ける。すなわち、給紙センサ8による転写紙先端を検知した時点から転写紙の後端を検知した時点までの転写紙通過時間t0の長さが、時間t1,時間t2を合計した長さ以上のときには、制御手段が異常検出状態と判別する。さらに、t1+t2+t3内に給紙センサ8がOFFしないときは、つまり給紙センサ8からの検知信号がON状態を維持したときは、制御手段がジャムと判断し、給紙動作を停止する。すなわち、時間t0の長さが時間t1,時間t2,時間t3を合計した長さ以上のときには、ジャムを検出した状態と判別する。したがって、時間t0が、t1+t2以上でt1+t2+t3を下回るときには、制御手段が異常検出状態と判別して給紙動作を継続し、時間t0が、t1+t2+t3以上のときには、制御手段がジャムと判断して給紙動作を停止する。換言すれば、給紙センサ8の検知信号がOFF状態からオン状態となった検知時点が、図2中に示される時間t2の終了時点を越えて、時間t3の終了時点を含んだ時間の範囲内に収まったとき、制御手段が異常検出状態と判別し、同検知時点が、時間t2の終了時点を越えたときには、制御手段がジャムと判断する。なお、これら以外のときには、当然、制御手段は給紙動作が正常であると判別して、通常の給紙動作を続ける。
【0025】
上記の時間T0または時間t0に基づく判別は、いずれかの一方が成立したときに、制御手段が判別した状態に基づいて給紙動作の継続や停止が行なわれる。したがって、時間T0に基づいた制御手段による判別は、転写紙P1の搬送方向の長さに依存するが、用紙トレイ3から転写紙P1を送り出す機構、つまりピックアップローラ4、フィードローラ5、リバースローラ6などを主要な要因とした搬送遅れやジャムを判別しているのに対して、時間t0に基づいた制御手段による判別は、前記の要因に加えて、給紙センサ8よりも搬送方向の下流側に位置するグリップローラ7や、その他の搬送ローラなどを主要な要因とした搬送遅れやジャムを判別することができる。このため、搬送遅れやジャムの要因となる判別対象を、拡大できる。したがって、給紙センサ8の下流側に位置したグリップローラ7や搬送ローラなどの搬送手段が給紙ジャムを生じる故障状態となる前に、保守整備することが可能となる。この結果、給紙装置1の給紙動作に関する故障予防性や、信頼性の向上が図れる。
【0026】
したがって、図3に示すように、給紙センサ8がON状態になるまでの時間T0がT1+T2内で、または給紙センサ8がOFF状態になるまでの時間t0がt1+t2内で、異常検出状態となったときにも、次の転写紙の給紙はある一定時間Tの経過後に給紙動作を開始するので、結果として1枚の転写紙P1を搬送するために必要な時間が長くなる。しかし、これらのときにも、時間Tは常に一定に保持することができる。このため、画像形成装置としての生産性は低下するが、装置の製品スペックとしてのPPMに支障を来たさない程度の搬送に要した給紙時間に留めることができる。すなわち、転写紙P1の搬送速度が低下することを見込んで次の転写紙の給紙スタート時間を遅らせるように、つまりある転写紙P1の給紙スタート時点から次の転写紙の給紙スタート時点までの時間間隔を長く設定することが不要となり、生産性の低下を最小限に留めることができる。
【0027】
また、このように異常検出状態となったとき、画像形成装置が予め具えている表示手段としての操作部等に、異常を伝えるメッセージを表示するように構成している。すなわち、異常検出状態となったとき、制御手段から画像形成装置本体にメッセージの表示を要求する指令信号が送信され、この要求信号に応じて、画像形成装置側では、画像形成装置の操作部等が有した表示画面に、“サービスを呼んでください”等の対処を明確に指示するメッセージを表示している。
【0028】
または、異常検出状態となったとき、この異常検出状態の状況などを、画像形成装置側に予め具えられているサービスモード等でのみ見れるように、使用者には非公開に内部に記憶しておき、サービスマンの訪問時に、サービスマンなどのみが記録を読み取れるようにしている。すなわち、画像形成装置側に予め具えられている装置を使用した履歴情報を記憶する記憶手段に、制御手段から出力させた異常検出状態の状況などを記録として記憶させ、サービスマンなどが画像形成装置の操作部で特定の入力操作を行うことにより、画像形成装置がサービスモードに移行しないと、記録を読み出せないように構成している。
【0029】
または、異常検出状態となったとき、画像形成装置が電話回線等の通信回線を使用した遠隔地診断に、異常検出状態の状況などを含んだ情報を送信するようにしている。すなわち、画像形成装置は、通信回線を介して遠隔地に設置されたホスト装置と接続する通信システムを具えており、ホスト装置と通信することにより、遠隔地診断およびカスタマー・サポート・サービスなどを利用可能な画像形成装置とされている。したがって、異常検出状態となったとき、制御手段から出力させた異常検出状態の状況などを、通信回線を介してホスト装置に送信するようにしている。
【0030】
このように実施形態の給紙装置1によれば、給紙センサ8の検知によるジャム判別を、正常な転写紙到達時間T1により規定される2段階の判別に対して、3段階の検知レベルを設けて判別するように構成したので、正常な搬送の他に、軽微なローラ磨耗等による転写紙P1の搬送遅れと、用紙ジャムによる転写紙P1の搬送遅れと区別して、判別することができる。すなわち、従来の構成では、1つの転写紙到達時間T1を判定基準にして、この給紙センサ8の検知タイミングが、時間T1よりも短い時間範囲内に収まっていれば、正常な搬送であると判別し、時間T1以上のとき、給紙ジャムが生じたと判別し、給紙ジャムのときには給紙動作だけではなく画像形成動作などの画像形成装置の全体の動作を停止していた。
【0031】
これに対して、この給紙装置1では、給紙センサ8がT1+T2又はT1+T2+T3の間に検知すれば、異常検出状態としながら給紙動作を続けることにより、軽微なローラ磨耗等による給紙トレイ3から転写紙P1の所定許容内の搬送遅れでは装置の動作を停止してダウンさせることなく、給紙動作を続けさせることができる。すなわち、画像形成装置としての全体の画像形成動作を継続できる。このため、従来の構成では、転写紙P1の搬送遅れによるジャムとしての検知により装置をダウンさせた場合には、画像形成本体部のウオームアップや、各部の初期化処理などの画像形成動作を再開するための時間が必要となるのに対して、この給紙装置1によれば、所定時間の搬送遅れで転写紙P1を検知した場合には動作を継続して装置をダウンさせずに済むので、画像形成動作として前記の再開時間を消費することが無くなり、画像形成装置の生産性を向上できる。他方、給紙センサ8がT1+T2+T3以上で検知すれば、ジャムと判断し、給紙動作を停止することにより、装置にダメージを与えることなく使用できる。
【0032】
また、異常検出状態となったとき、画像形成装置が予め具えた操作部等に“サービスを呼んでください”等の異常を伝えるメッセージを表示することにより、装置をダウンさせることなく、サービスマンの訪問時に、サービスマンが給紙ローラ交換等の保守作業をおこない、装置を正常な状態に復帰させることができる。すなわち、このメッセージには、明確に対処するための指示が含まれているので、画像形成装置の使用者が、異常検出状態の対処に戸惑うことが回避され、使用性を向上できる。他方、使用者が余分な対処作業を行なうことを防止できる。このため、使用者にサービスマンを呼び出すことを促せるので、呼び出されたサービスマンが保守作業を行なって、すみやかに装置を正常な状態に復帰できる。他方、給紙装置1が給紙ジャムを生じる故障状態となる前に、サービスマンによる専門的なメンテナンスを行なうことが可能になる。このため、給紙装置1の給紙動作に関した故障予防性や、給紙動作に対する信頼性の向上が図れる。
【0033】
さらに、異常検出状態となったとき、サービスモード等でしか読み取れない内部記録として記憶しておき、サービスマンの訪問時にサービスマンがサービスモードに移行する操作を行なって、記録を読み取るようにしているので、装置をダウンさせることなく、サービスマンが給紙ローラ交換等の保守作業をおこない、装置を正常な状態に復帰させることができる。この結果、給紙装置1の給紙動作に関する故障予防性や、給紙装置1による給紙動作の信頼性の向上が図れる。またこのような給紙ローラ交換が必要なことを、サービスマンなどのみが把握するようにしているので、使用者に不安や不満を与えることなく、保守整備することが可能となる。他方、保守側としても軽微なローラ磨耗等による転写紙Pの搬送遅れで、サービスマンが呼び出されることがなく、しかも部品交換の対象が給紙ローラなどに明確に限定できるので、保守の負担が軽減され作業を簡素化できる。
【0034】
また、異常検出状態となったとき、電話回線等を使用した遠隔地診断に情報を流すようにしているので、装置をダウンさせることなく、サービスマンの訪問時に、給紙ローラ交換等の保守作業をおこない、装置を正常な状態に復帰させることができる。このため、給紙装置1の給紙動作に関する故障予防性や、給紙動作の信頼性を向上できる。またこのような給紙ローラ交換が必要なことを、サービスマンなどのみが把握するようにしているので、使用者に不安や不満を与えることなく、保守整備することが可能となる。他方、使用者以外の保守管理側としても、軽微なローラ磨耗等による給紙装置1としての動作の不調で、サービスマンが呼び出されることがなくなり、保守の負担が軽減され、しかも部品交換の対象が給紙ローラなどに明確に限定できるので、保守作業を簡素化できる。また、常に、このような遠隔地診断によって保守側が、少なくとも、給紙装置1が異常検出状態になったことを把握できるので、使用者側から呼び出されて受動的に対処するのではなく、保守側が主体的に判断して能動的に対処することが可能となる。すなわち、例えば、異常検出状態が頻繁に生じるときに、サービスマンを直ちに派遣して対処することが可能となり、保守サービス性を向上できる。
【0035】
さらに、上記の構成の給紙装置1を具えた画像形成装置によれば、上記の各効果を有した画像形成装置とできるので、装置性能を向上できる。すなわち、軽微なローラ磨耗等によって転写紙の搬送速度が低下しても、ジャムと判別することなく、給紙装置1による給紙動作を続けることができるので、画像形成装置の生産性の低下を最小限に留めることができる。他方、給紙装置1が異常検出状態になったことを、上記の各種の手段により保守側にのみ把握、または通知できるので、ジャムを生じるような故障前に給紙装置1をメンテナンスすることが可能となる。このため、給紙装置1による給紙動作に関した故障予防性や、給紙動作の信頼性の向上が図れるので、結果としてPPMなどの画像形成装置の生産性を向上できる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、画像形成装置の内部に予め具えられている給紙トレイ3の構成に適用したが、これに限られることなく、画像形成装置の外部から給紙される構成、例えば露出された給紙トレイに積載された転写紙から給紙する構成、または転写紙を1枚ずつ給紙する構成に適用してよい。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、転写紙の給紙開始から前記給紙センサによる転写紙検知までの正常動作による時間を、転写紙到達時間T1に設定する一方、この時間T1に対して、2種類の検知レベル時間T2,T3を設定し、前記給紙センサが、T1+T2又はT1+T2+T3の間に転写紙を検知したとき、異常検出状態としながら給紙動作を続け、T1+T2+T3以上で検知したとき、ジャムと判断して給紙動作を停止する制御手段を設けたので、この制御手段によって、軽微なローラ磨耗等による転写紙の搬送遅れと、用紙ジャムによる転写紙の搬送遅れとを区別して、判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を示し、給紙装置の要部を示す概略図である。
【図2】この実施形態の制御手段が用いる各種の設定時間の関係を示すタイミングチャートである。
【図3】この実施形態の制御手段による制御動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 給紙装置 3 給紙トレイ
4 ピックアップローラ 5 フィードローラ
6 リバースローラ 7 グリップローラ
8 給紙センサ P1〜Pn 転写紙
T 次の転写紙の搬送を開始するまでの間隔である一定時間
T0 給紙センサにより検知された実際の転写紙の搬送開始から給紙センサまでの転写紙到達時間
T1 転写紙の搬送開始から給紙センサによる検知までの正常な転写紙到達時間T2 時間T1の経過時点からスリップによる異常状態として判別するための判断基準とした時間(第1の検知レベル時間)
T3 時間T1および時間T2を合計した経過時点からジャムとして判別するための判断基準とした時間(第2の検知レベル時間)
t0 給紙センサにより検知された実際の転写紙先端の検知時点から転写紙後端の検知時点までに経過した転写紙通過時間
t1 給紙センサによる転写紙先端の検知時点から転写紙後端の検知時点までの正常な転写紙通過時間
t2 時間t1の経過時点からスリップによる異常状態として判別するための判断基準とした時間
t3 時間t1および時間t2を合計した経過時点からジャム状態として判別するための判断基準とした時間
Claims (5)
- 給紙トレイに積載された転写紙の最上紙から1枚ずつフィードローラによりグリップローラに向けて送り出す給紙装置において、
前記フィードローラとグリップローラ間に転写紙の有無を検知する給紙センサを設け、転写紙の給紙開始から前記給紙センサによる転写紙検知までの正常動作による時間を転写紙到達時間T1に設定する一方、この時間T1に対して2種類の検知レベル時間T2,T3を設定し、前記給紙センサがT1+T2又はT1+T2+T3の間に転写紙を検知したとき、異常検出状態としながら前記フィードローラによる給紙動作を続けさせ、T1+T2+T3以上で検知したとき、ジャムと判断して給紙動作を停止する制御手段を設けたことを特徴とした給紙装置。 - 異常検出状態となったとき、この異常を伝えるメッセージを表示する請求項1に記載の給紙装置。
- 異常検出状態となったとき、この異常検出状態を内部に記憶し、サービスマンの訪問時に読み取る請求項1に記載の給紙装置。
- 異常検出状態となったとき、電話回線等を使用した遠隔地診断に情報を送出する請求項1ないし3のいずれかに記載の給紙装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の給紙装置を具えた画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2003169472A JP2005001863A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 給紙装置 |
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Publications (1)
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JP2005001863A true JP2005001863A (ja) | 2005-01-06 |
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Family Applications (1)
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-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003169472A patent/JP2005001863A/ja not_active Withdrawn
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