JP2005001279A - セラミックグリーンシートおよびセラミック積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートおよび段差の抑制されたセラミック積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック粉末、アニオン性エマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーをキャリア上に塗布してシート状に成形する工程と、シート状に成形したセラミックスラリーをカチオン性凝固浴中に浸漬してゲル化したセラミックグリーンシートを作製する工程と、凝固浴から取り出し乾燥させることにより乾燥後のセラミックグリーンシートを作製する工程と、このセラミックグリーンシート上に電極パターンを形成する工程と、セラミックグリーンシートおよび電極パターン上にさらにセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを作製する工程、を繰返すことによりセラミック積層体を作製する。
【選択図】図3
【解決手段】セラミック粉末、アニオン性エマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーをキャリア上に塗布してシート状に成形する工程と、シート状に成形したセラミックスラリーをカチオン性凝固浴中に浸漬してゲル化したセラミックグリーンシートを作製する工程と、凝固浴から取り出し乾燥させることにより乾燥後のセラミックグリーンシートを作製する工程と、このセラミックグリーンシート上に電極パターンを形成する工程と、セラミックグリーンシートおよび電極パターン上にさらにセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを作製する工程、を繰返すことによりセラミック積層体を作製する。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサなどの作製に用いられるセラミックグリーンシートおよびセラミック積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動体通信機器をはじめとする電子機器は、小型化かつ軽量化が進み、積層型セラミック電子部品に対しても、小型化および軽量化が強く要求されるようになっている。例えば、積層セラミックコンデンサの場合には、小型化かつ大容量化の要求が高まってきている。そのためには、平坦なセラミック層を用いて、セラミック層の薄層化を図ることが必要となる。
【0003】
従来、例えば、積層セラミックコンデンサのような積層型セラミック電子部品となるセラミック積層体を作製する場合、セラミックスラリーを塗布する工程と、配線パターンを形成する工程とを繰返すことにより作製されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図10(1a)に示すように、キャリア16上にセラミックスラリーを塗布して乾燥させ、未焼成の第1のセラミック層17を作製する。次に、図10(1b)に示すように、未焼成の第1のセラミック層17上に電極ペーストを印刷して配線パターン18を形成する。さらに図10(1c)に示すように未焼成の第1のセラミック層17および配線パターン18上にセラミックスラリーを塗布して乾燥させ、未焼成の第2のセラミック層19とする。次に、図10(1d)に示すように、未焼成の第2のセラミック層19上に電極ペーストを印刷して配線パターン20を形成する。この工程を繰り返し、所定の厚みまでセラミック層および配線パターンを積層してセラミック積層体を作製する。
【0005】
【特許文献1】特開平6−124848(第3頁、第6図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法によると、セラミックスラリーを乾燥させる際に厚み方向に収縮が起こり、セラミック積層体に段差が生じるという問題があった。
【0007】
また、上記の方法によると、セラミック積層体はキャリア上に形成されるため、キャリアを剥離する工程が必要となり、最終的にキャリアは廃棄物となるという問題もあった。さらに、バインダが偏析するという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートおよび段差の抑制されたセラミック積層体の製造方法を提供する。
【0009】
さらに、キャリアを用いることなく、均質なセラミックグリーンシートを作製することができるセラミックグリーンシートの製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるセラミックグリーンシートの製造方法は、セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダおよび、水を主成分とするセラミックスラリーを作製する工程と、前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程と、前記シート状に成形したセラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中に浸漬してセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記セラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項2にかかるセラミックグリーンシートの製造方法は、請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程が、キャリア上に前記セラミックスラリーを塗布してシート状に成形する工程であることを特徴としている。
【0012】
請求項3にかかるセラミックグリーンシートの製造方法は、請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程が、前記セラミックスラリーを前記凝固浴中にシート状に押し出してセラミックグリーンシートを作製する工程であることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載のセラミックグリーンシートの製造方法は、請求項1ないし請求項3に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、前記帯電したエマルションがアニオン性エマルションであり、前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴がカチオン性凝固浴であることを特徴としている。
【0014】
請求項5にかかるセラミック積層体の製造方法は、第1のセラミックグリーンシートを準備する工程と、前記第1のセラミックグリーンシート上に電極パターンを形成する工程と、セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーを準備する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートおよび前記電極パターン上に前記セラミックスラリーを塗布してシート状に成形する工程と、前記シート状に成形したセラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中に浸漬して第2のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第2のセラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、を備えることを特徴としている。
【0015】
請求項6にかかるセラミック積層体の製造方法は、セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーを作製する工程と、前記セラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中にシート状に押し出してセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記セラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、前記セラミックグリーンシート上に電極パターンを形成する工程と、前記セラミックグリーンシートを積層、圧着してセラミック積層体を作製する工程と、を備えることを特徴としている。
【0016】
請求項7にかかるセラミック積層体の製造方法は、請求項5または請求項6に記載のセラミック積層体の製造方法において、前記帯電したエマルションがアニオン性エマルションであり、前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴がカチオン性凝固浴であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本実施形態におけるセラミックグリーンシートの製造方法を説明する。
まず、セラミック粉末、セラミック粉末、アニオン性エマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーを作製する。
【0018】
セラミック粉末としては、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛などを用いることができる。アニオン性エマルションからなるバインダとしては、アニオン性ポリウレタン樹脂エマルション、アニオン性アクリル樹脂エマルション、アニオン性ポリエステル樹脂エマルションなどを用いることができる。アニオン性エマルションからなるバインダの添加量は、セラミック粉末100重量部に対して、3重量部以上15重量部以下であることが好ましい。3重量部より少ないと、セラミックスラリーがゲル化しない。また、15重量部を超えると脱バインダ時にセラミックグリーンシート中へ残存しやすくなり、焼成後のポア等の欠陥を発生させやすくなる。その他、必要に応じて分散剤、消泡剤、濡れ剤等を添加してもよい。
【0019】
まず、セラミック粉末、分散剤および水を混合する。そこに、アニオン性ポリウレタン樹脂エマルション、消泡剤、塗れ剤とを加え、さらに混合してセラミックスラリーを作製する。
【0020】
次に、図1(a)に示すように、グラビアコータ法、バーコータ法、ドクターブレード法などにより、セラミックスラリーをキャリア1上に塗布してシート状に成形して、シート状に成形したセラミックスラリー2とする。
【0021】
次に、図1(b)に示すように、シート状に成形したセラミックスラリー2をカチオン性凝固浴3に1〜180秒間浸漬し、ゲル化したセラミックグリーンシート2aを作製する。カチオン性凝固浴3としては、酸性水溶液を用いることができるが、塩酸や硫酸などは塩素根あるいは硫酸根などが残存する可能性があるので、硝酸水溶液、酢酸水溶液、クエン酸水溶液などを用いるのが好ましい。硝酸水溶液は濃度が0.01mol/L以上1.0mol/L以下のものが好ましい。濃度が0.01mol/Lより低いとゲル化が起こらず、1.0mol/Lより高いとゲル化したセラミックグリーンシートのひび割れなどの欠陥が増加する。また、シート状に成形したセラミックスラリー2はその厚みによるが、短時間でゲル化するものであり、180秒を超えてカチオン性凝固浴3に浸漬すると、カチオン性凝固浴中へセラミック粉末が溶解する。
【0022】
エマルションは、電気的な反発により液体中に液体が分散し、分散安定性が保たれている。この反発力がなくなるとエマルションは網目構造を形成し、ゲル化する。アニオン性エマルションはマイナスの電荷の反発により分散安定性が保たれているものである。本実施例においては、アニオン性ポリウレタン樹脂エマルションのマイナス電荷(カルボン酸イオン−COO−)を、硝酸水溶液中のプラス電荷(水素イオンH+)が中和することにより、反発力がなくなりゲル化が起こる。なお、同様の原理により、プラスの電荷の反発により分散安定性が保たれているカチオン性エマルションを、マイナス電荷を有する水溶液に浸漬すると、反発力がなくなり、ゲル化が起こる。
【0023】
次に、図1(c)に示すように、ゲル化したセラミックグリーンシート2aを乾燥させて、乾燥後のセラミックグリーンシート2bを作製する。
【0024】
本実施形態によると、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーとカチオンを含む水溶液とが反応して網目構造を形成し、乾燥工程においても網目構造が保持されるため、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
(実施形態2)
以下、本実施形態におけるセラミック積層体の製造方法を説明する。
実施例1と同様の方法により、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーを作製する。
【0025】
次に、図2に示すように、セラミックスラリー4をヘッド5に納め、開口部6から空気圧をかけながらヘッド5を矢印A方向に移動させる。スリット7から、カチオン性凝固浴3中へ、セラミックスラリー4をシート状に押し出し、実施形態1と同様の原理により、ゲル化したセラミックグリーンシート8aを作製する。
【0026】
1〜180秒後に、ゲル化したセラミックグリーンシート8aをカチオン性凝固浴3中から取り出し、乾燥させてセラミックグリーンシートを作製する。
【0027】
本実施形態によると、キャリアを用いることなくセラミックグリーンシートを作製することができるので、廃棄物を減少させ、製造コストを削減させることができる。
【0028】
また、シート状に押し出されたセラミックスラリーは、凝固浴中において両主面からゲル化が起こるので、バインダ偏析が起こらず、均質なセラミックグリーンシートを作製することができる。
(実施形態3)
以下、本実施形態におけるセラミック積層体の製造方法を説明する。
実施形態1と同様の方法により、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーを作製する。次に、電極パターンを形成するための電極ペーストを作製する。電極ペーストとしては、金属粉末、分散剤、結合剤などを混合して作製される。金属粉末としては、Ag、Pd、Ni、Cuなどを用いることができる。
【0029】
次に、図3(a)に示すように、スクリーン印刷法などによりセラミックグリーンシート9上に電極パターン10を形成する。セラミックグリーンシート9は、実施形態1と同様の方法により作製されたセラミックスラリーを用いて、実施形態1と同様の方法により作製されてもよいし、異なるセラミックスラリーを用いて異なる方法により作製されてもよい。また、本実施形態においては、セラミックグリーンシート9はキャリア1を備えているが、キャリア1が剥離された状態のセラミックグリーンシート9に電極パターン10を形成してもよい。
【0030】
次に、図3(b)に示すように、グラビアコータ法、バーコータ法、ドクターブレード法などにより、セラミックグリーンシート9および電極パターン10上にセラミックスラリーを塗布してシート状に成形して、シート状に成形したセラミックスラリー11とする。
【0031】
次に、図3(c)に示すように、シート状に成形したセラミックスラリー11をカチオン性凝固浴3に1〜180秒間浸漬する。実施形態1と同様の原理により、ゲル化したセラミックグリーンシート11aを作製する。
【0032】
次に、図3(d)に示すように、ゲル化したセラミックグリーンシート11aを乾燥させてセラミックグリーンシート11bを作製する。乾燥工程において、カチオン性凝固浴3に浸漬したことにより形成された網目構造が保持されるため、セラミックグリーンシート11bの収縮を抑制することができる。したがって、本実施形態のように、セラミックグリーンシート9上に電極パターン10が形成されている場合であっても、乾燥時の収縮により電極パターン10に起因するセラミックグリーンシート11bに生じる段差を抑制することができる。
【0033】
次に、セラミックグリーンシート11bに、電極パターン10を形成し、さらに、セラミックグリーンシート11bおよび電極パターン10上にセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを作製する。この工程を所定の厚みまで繰り返すことにより、図4に示すようにセラミック積層体12を作製する。
【0034】
本実施形態によると、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーとカチオンを含む水溶液とが反応して網目構造を形成することにより、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制されるため、セラミックスラリーと電極ペーストとを交互に塗り重ねてセラミック積層体を作製する方法において、電極段差の抑制されたセラミック積層体を作製することができる。
(実施形態4)
以下、本実施形態におけるセラミック積層体の製造方法を説明する。
実施形態2のセラミックグリーンシートの製造方法により作製されたセラミックグリーンシートを準備する。
【0035】
次に、電極パターンを形成するための電極ペーストを作製する。電極ペーストとしては、金属粉末、分散剤、結合剤などを混合して作製される。金属粉末としては、Ag、Pd、Ni、Cuなどを用いることができる。
【0036】
次に、図5(a)に示すように、スクリーン印刷法などによりセラミックグリーンシート13上に電極パターン14を形成する。次に、電極パターン14の形成されたセラミックグリーンシート13を所定枚数積層し、圧着して、図5(b)に示すセラミック積層体15を作製する。
【0037】
本実施形態においては、セラミックグリーンシートを積層する際にキャリアを剥離する工程を経ることなくセラミック積層体を作製することができるため、セラミック積層体の製造工程を簡略化することができる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)
チタン酸バリウムを主成分とする誘電体原料100g、水溶性スチレン−マレイン酸共重合体(有効成分50%)2.4gおよび水21.4gを2時間混合した。そこに、アニオン性ポリウレタン樹脂エマルション(有効成分35%)22.9g、アセチレングリコール(有効成分80%)1.2gおよびウレア樹脂含有シリコーン(有効成分5%)0.4gを加え、さらに16時間混合してセラミックスラリーを作製した。
【0039】
次に、グラビアコート法により、キャリア上にセラミックスラリーを厚み10.0μmとなるように塗布してシート状に成形した。次に、シート状に成形したセラミックスラリーを0.05N硝酸水溶液に60秒間浸漬してゲル化させ、ゲル化したセラミックグリーンシートを作製した。
【0040】
次に、ゲル化したセラミックグリーンシートを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。乾燥後のセラミックグリーンシートの寸法は厚み7.0μmであり、厚み方向の収縮率は30%であった。
(比較例1)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製し、キャリア上に厚み10.0μmとなるように塗布してシート状に成形した。
【0041】
次に、シート状に成形したセラミックスラリーを100℃で1分間乾燥させ、セラミックグリーンシートを作製した。乾燥後のセラミックグリーンシートの寸法は4.5μmであり、厚み方向の収縮率は55%であった。
【0042】
以上のように、本実施例によるとセラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができた。
(実施例2)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製した。
【0043】
次に、幅1mmのスリットを持つダイヘッドから、0.5N硝酸水溶液中へ、1.2cm3/sの吐出速度で、厚み930μmのシート状に押し出して、ゲル化したセラミックグリーンシートを作製した。
【0044】
次に、ゲル化したセラミックグリーンシートを80℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。乾燥後のセラミックグリーンシートの寸法は厚み650μmであった。厚み方向の収縮率は約30%であった。
【0045】
次に、乾燥後のセラミックグリーンシートの両主面の状態を観察した。図6(a)は乾燥後のセラミックグリーンシートの一方主面、図6(b)は乾燥後のセラミックグリーンシートの他方主面を観察したものである。図6(a)および(b)に示すように、このセラミックグリーンシートの両主面においてセラミック粉末とバインダの存在状態はほぼ同じであった。
(比較例2)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製し、キャリア上に厚み1440μmとなるように塗布してセラミックグリーンシートを作製した。
【0046】
次に、セラミックグリーンシートを80℃で8分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。乾燥後のセラミックグリーンシートの寸法は厚み650μmであった。厚み方向の収縮率は約55%であった。
【0047】
次に、乾燥後のセラミックグリーンシートの両主面をSEMにより観察した。図7(a)はキャリアと接していない主面、図7(b)はキャリアと接している主面を観察したものである。図7(a)および(b)に示すように、このセラミックグリーンシートは、キャリアに接している主面側にバインダが偏析していた。
【0048】
以上のように、本実施例によると、キャリアを用いることなくセラミックグリーンシートを作製することができた。
【0049】
また、バインダが偏析せず均質であり、かつ厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができた。
(実施例3)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製した。
【0050】
次に、グラビアコート法により、キャリア上にセラミックスラリーを厚み6.0μmとなるように塗布してシート状に成形した。次に、シート状に成形したセラミックスラリーを0.05N硝酸水溶液に60秒間浸漬してゲル化させ、ゲル化したセラミックグリーンシートを作製した。
【0051】
次に、ゲル化したセラミックグリーンシートを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。
【0052】
次に、このセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷により、Niを主成分とする電極ペーストで厚みが1.2μmの電極パターンを形成した。
【0053】
次に、セラミックグリーンシートおよび電極パターン上に、ドクターブレード法により、電極パターン上の厚みが6.0μmとなるようにセラミックスラリーを塗布してシート状に成形した。
【0054】
次に、シート状に成形したセラミックスラリーを、0.05N硝酸水溶液に60間浸漬してゲル化させ、ゲル化したセラミックグリーンシートを作製した。。
【0055】
次に、セラミックグリーンシートを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。
【0056】
同様に、電極パターンとセラミックグリーンシートとを交互に形成し、各セラミックグリーンシートにおける電極段差を測定した結果を図8に示す。電極段差は図9に示すhを測定したものである。なお、セラミックグリーンシート上に電極を形成した状態を積層数0とし、そのときの電極厚み(1.8μm)を積層数0のときの段差とし、セラミックグリーンシートが1層形成された状態を積層数1とし、そのときの図9のhの厚みを、積層数1のときの段差とする。
(比較例3)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製した。
【0057】
次に、グラビアコート法により、キャリア上にセラミックスラリーを厚み6.0μmとなるように塗布してシート状に成形した。次に、シート状に成形したセラミックスラリーを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。
【0058】
次に、このセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷により、Niを主成分とする電極ペーストで厚みが1.2μmの電極パターンを形成した。
【0059】
次に、セラミックグリーンシートおよび電極パターン上に、ドクターブレード法により、電極パターン上の厚みが6μmとなるようにセラミックスラリーを塗布してシート状に成形した。
【0060】
次に、シート状に成形したセラミックスラリーを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを形成した。
【0061】
同様に、電極パターンとセラミックグリーンシートとを交互に形成し、各セラミックグリーンシートにおける電極差を測定した結果を図8に示す。電極段差は図9に示すhを測定したものである。測定方法は、実施例3と同様である。
【0062】
以上のように、本実施例によると、電極段差の抑制されたセラミック積層体を作製することができた。
(実施例4)
実施例2と同様の方法によりセラミックグリーンシートを作製した。
【0063】
次に、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷により、Niを主成分とする電極ペーストで厚みが1.2μmの電極パターンを形成した。
【0064】
次に、電極パターンの形成されたセラミックグリーンシートを10枚積層し、圧着してセラミック積層体を作製した。
【0065】
本実施例によると、キャリアを剥離する工程を経ることなく、セラミック積層体を作製することができるので、セラミック積層体の製造工程を簡略化することができた。
【0066】
【発明の効果】
請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法によると、電荷を有するエマルションを含むセラミックスラリーと、そのエマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴とが反応して網目構造を形成し、乾燥工程においても網目構造が保持されるため、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0067】
請求項2に記載のセラミックグリーンシートの製造方法によると、キャリア上においてセラミックグリーンシートを作製するセラミックグリーンシートの製造方法において、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0068】
請求項3に記載のセラミックグリーンシートの製造方法によると、キャリアを用いることなくセラミックグリーンシートを作製することができるので、廃棄物を減少させ、製造コストを削減させることができる。
【0069】
また、シート状に押し出されたセラミックスラリーは、凝固浴中において両主面からゲル化が起こるので、バインダ偏析が起こらず、均質なセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0070】
請求項4に記載のセラミックグリーンシートの製造方法によると、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーとカチオンを含む水溶液とが反応して網目構造を形成し、乾燥工程においても網目構造が保持されるため、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0071】
請求項5に記載のセラミック積層体の製造方法によると、電荷を有するエマルションを含むセラミックスラリーと、そのエマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴とが反応して網目構造を形成することにより、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができるため、セラミックスラリーと電極ペーストとを交互に塗り重ねてセラミック積層体を作製する方法において、電極段差の抑制されたセラミック積層体を作製することができる。
【0072】
請求項6に記載のセラミック積層体の製造方法においては、セラミックグリーンシートを積層する際にキャリアを剥離する工程を経ることなくセラミック積層体を作製することができるため、セラミック積層体の製造工程を簡略化することができる。
【0073】
請求項7に記載のセラミック積層体の製造方法においては、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーとカチオンを含む水溶液とが反応して網目構造を形成することにより、段差の抑制させれたセラミック積層体を作製することができる。また、バインダ偏析が起こらず、均質なセラミックグリーンシートを用いて、簡略化された製造工程において、セラミック積層体を作製することができる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のセラミックグリーンシートの製造方法を示す概略工程図である。
【図2】実施形態2のセラミックグリーンシートの製造方法を示す概略工程図である。
【図3】実施形態3のセラミック積層体の製造方法を示す概略工程図である。
【図4】実施形態3のセラミック積層体の製造方法により作製されたセラミック積層体を示す概略断面図である。
【図5】実施形態4のセラミック積層体の製造方法を示す概略工程図である。
【図6】実施例2のセラミックグリーンシートの両主面の状態を示す顕微鏡写真である。
【図7】比較例2のセラミックグリーンシートの両主面の状態を示す顕微鏡写真である。
【図8】実施例3および比較例3のセラミック積層体の電極段差を示すグラフである。
【図9】実施例3および比較例3のセラミック積層体の電極段差を示す概略説明図である。
【図10】従来のセラミック積層体の製造方法を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 キャリア
2、4、11 セラミックスラリー
3 カチオン性凝固浴
8、9、13 セラミックグリーンシート
10、14 電極パターン
12 セラミッ積層体
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサなどの作製に用いられるセラミックグリーンシートおよびセラミック積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動体通信機器をはじめとする電子機器は、小型化かつ軽量化が進み、積層型セラミック電子部品に対しても、小型化および軽量化が強く要求されるようになっている。例えば、積層セラミックコンデンサの場合には、小型化かつ大容量化の要求が高まってきている。そのためには、平坦なセラミック層を用いて、セラミック層の薄層化を図ることが必要となる。
【0003】
従来、例えば、積層セラミックコンデンサのような積層型セラミック電子部品となるセラミック積層体を作製する場合、セラミックスラリーを塗布する工程と、配線パターンを形成する工程とを繰返すことにより作製されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図10(1a)に示すように、キャリア16上にセラミックスラリーを塗布して乾燥させ、未焼成の第1のセラミック層17を作製する。次に、図10(1b)に示すように、未焼成の第1のセラミック層17上に電極ペーストを印刷して配線パターン18を形成する。さらに図10(1c)に示すように未焼成の第1のセラミック層17および配線パターン18上にセラミックスラリーを塗布して乾燥させ、未焼成の第2のセラミック層19とする。次に、図10(1d)に示すように、未焼成の第2のセラミック層19上に電極ペーストを印刷して配線パターン20を形成する。この工程を繰り返し、所定の厚みまでセラミック層および配線パターンを積層してセラミック積層体を作製する。
【0005】
【特許文献1】特開平6−124848(第3頁、第6図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法によると、セラミックスラリーを乾燥させる際に厚み方向に収縮が起こり、セラミック積層体に段差が生じるという問題があった。
【0007】
また、上記の方法によると、セラミック積層体はキャリア上に形成されるため、キャリアを剥離する工程が必要となり、最終的にキャリアは廃棄物となるという問題もあった。さらに、バインダが偏析するという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートおよび段差の抑制されたセラミック積層体の製造方法を提供する。
【0009】
さらに、キャリアを用いることなく、均質なセラミックグリーンシートを作製することができるセラミックグリーンシートの製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかるセラミックグリーンシートの製造方法は、セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダおよび、水を主成分とするセラミックスラリーを作製する工程と、前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程と、前記シート状に成形したセラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中に浸漬してセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記セラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項2にかかるセラミックグリーンシートの製造方法は、請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程が、キャリア上に前記セラミックスラリーを塗布してシート状に成形する工程であることを特徴としている。
【0012】
請求項3にかかるセラミックグリーンシートの製造方法は、請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程が、前記セラミックスラリーを前記凝固浴中にシート状に押し出してセラミックグリーンシートを作製する工程であることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載のセラミックグリーンシートの製造方法は、請求項1ないし請求項3に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、前記帯電したエマルションがアニオン性エマルションであり、前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴がカチオン性凝固浴であることを特徴としている。
【0014】
請求項5にかかるセラミック積層体の製造方法は、第1のセラミックグリーンシートを準備する工程と、前記第1のセラミックグリーンシート上に電極パターンを形成する工程と、セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーを準備する工程と、前記第1のセラミックグリーンシートおよび前記電極パターン上に前記セラミックスラリーを塗布してシート状に成形する工程と、前記シート状に成形したセラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中に浸漬して第2のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第2のセラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、を備えることを特徴としている。
【0015】
請求項6にかかるセラミック積層体の製造方法は、セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーを作製する工程と、前記セラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中にシート状に押し出してセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記セラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、前記セラミックグリーンシート上に電極パターンを形成する工程と、前記セラミックグリーンシートを積層、圧着してセラミック積層体を作製する工程と、を備えることを特徴としている。
【0016】
請求項7にかかるセラミック積層体の製造方法は、請求項5または請求項6に記載のセラミック積層体の製造方法において、前記帯電したエマルションがアニオン性エマルションであり、前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴がカチオン性凝固浴であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本実施形態におけるセラミックグリーンシートの製造方法を説明する。
まず、セラミック粉末、セラミック粉末、アニオン性エマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーを作製する。
【0018】
セラミック粉末としては、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛などを用いることができる。アニオン性エマルションからなるバインダとしては、アニオン性ポリウレタン樹脂エマルション、アニオン性アクリル樹脂エマルション、アニオン性ポリエステル樹脂エマルションなどを用いることができる。アニオン性エマルションからなるバインダの添加量は、セラミック粉末100重量部に対して、3重量部以上15重量部以下であることが好ましい。3重量部より少ないと、セラミックスラリーがゲル化しない。また、15重量部を超えると脱バインダ時にセラミックグリーンシート中へ残存しやすくなり、焼成後のポア等の欠陥を発生させやすくなる。その他、必要に応じて分散剤、消泡剤、濡れ剤等を添加してもよい。
【0019】
まず、セラミック粉末、分散剤および水を混合する。そこに、アニオン性ポリウレタン樹脂エマルション、消泡剤、塗れ剤とを加え、さらに混合してセラミックスラリーを作製する。
【0020】
次に、図1(a)に示すように、グラビアコータ法、バーコータ法、ドクターブレード法などにより、セラミックスラリーをキャリア1上に塗布してシート状に成形して、シート状に成形したセラミックスラリー2とする。
【0021】
次に、図1(b)に示すように、シート状に成形したセラミックスラリー2をカチオン性凝固浴3に1〜180秒間浸漬し、ゲル化したセラミックグリーンシート2aを作製する。カチオン性凝固浴3としては、酸性水溶液を用いることができるが、塩酸や硫酸などは塩素根あるいは硫酸根などが残存する可能性があるので、硝酸水溶液、酢酸水溶液、クエン酸水溶液などを用いるのが好ましい。硝酸水溶液は濃度が0.01mol/L以上1.0mol/L以下のものが好ましい。濃度が0.01mol/Lより低いとゲル化が起こらず、1.0mol/Lより高いとゲル化したセラミックグリーンシートのひび割れなどの欠陥が増加する。また、シート状に成形したセラミックスラリー2はその厚みによるが、短時間でゲル化するものであり、180秒を超えてカチオン性凝固浴3に浸漬すると、カチオン性凝固浴中へセラミック粉末が溶解する。
【0022】
エマルションは、電気的な反発により液体中に液体が分散し、分散安定性が保たれている。この反発力がなくなるとエマルションは網目構造を形成し、ゲル化する。アニオン性エマルションはマイナスの電荷の反発により分散安定性が保たれているものである。本実施例においては、アニオン性ポリウレタン樹脂エマルションのマイナス電荷(カルボン酸イオン−COO−)を、硝酸水溶液中のプラス電荷(水素イオンH+)が中和することにより、反発力がなくなりゲル化が起こる。なお、同様の原理により、プラスの電荷の反発により分散安定性が保たれているカチオン性エマルションを、マイナス電荷を有する水溶液に浸漬すると、反発力がなくなり、ゲル化が起こる。
【0023】
次に、図1(c)に示すように、ゲル化したセラミックグリーンシート2aを乾燥させて、乾燥後のセラミックグリーンシート2bを作製する。
【0024】
本実施形態によると、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーとカチオンを含む水溶液とが反応して網目構造を形成し、乾燥工程においても網目構造が保持されるため、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
(実施形態2)
以下、本実施形態におけるセラミック積層体の製造方法を説明する。
実施例1と同様の方法により、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーを作製する。
【0025】
次に、図2に示すように、セラミックスラリー4をヘッド5に納め、開口部6から空気圧をかけながらヘッド5を矢印A方向に移動させる。スリット7から、カチオン性凝固浴3中へ、セラミックスラリー4をシート状に押し出し、実施形態1と同様の原理により、ゲル化したセラミックグリーンシート8aを作製する。
【0026】
1〜180秒後に、ゲル化したセラミックグリーンシート8aをカチオン性凝固浴3中から取り出し、乾燥させてセラミックグリーンシートを作製する。
【0027】
本実施形態によると、キャリアを用いることなくセラミックグリーンシートを作製することができるので、廃棄物を減少させ、製造コストを削減させることができる。
【0028】
また、シート状に押し出されたセラミックスラリーは、凝固浴中において両主面からゲル化が起こるので、バインダ偏析が起こらず、均質なセラミックグリーンシートを作製することができる。
(実施形態3)
以下、本実施形態におけるセラミック積層体の製造方法を説明する。
実施形態1と同様の方法により、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーを作製する。次に、電極パターンを形成するための電極ペーストを作製する。電極ペーストとしては、金属粉末、分散剤、結合剤などを混合して作製される。金属粉末としては、Ag、Pd、Ni、Cuなどを用いることができる。
【0029】
次に、図3(a)に示すように、スクリーン印刷法などによりセラミックグリーンシート9上に電極パターン10を形成する。セラミックグリーンシート9は、実施形態1と同様の方法により作製されたセラミックスラリーを用いて、実施形態1と同様の方法により作製されてもよいし、異なるセラミックスラリーを用いて異なる方法により作製されてもよい。また、本実施形態においては、セラミックグリーンシート9はキャリア1を備えているが、キャリア1が剥離された状態のセラミックグリーンシート9に電極パターン10を形成してもよい。
【0030】
次に、図3(b)に示すように、グラビアコータ法、バーコータ法、ドクターブレード法などにより、セラミックグリーンシート9および電極パターン10上にセラミックスラリーを塗布してシート状に成形して、シート状に成形したセラミックスラリー11とする。
【0031】
次に、図3(c)に示すように、シート状に成形したセラミックスラリー11をカチオン性凝固浴3に1〜180秒間浸漬する。実施形態1と同様の原理により、ゲル化したセラミックグリーンシート11aを作製する。
【0032】
次に、図3(d)に示すように、ゲル化したセラミックグリーンシート11aを乾燥させてセラミックグリーンシート11bを作製する。乾燥工程において、カチオン性凝固浴3に浸漬したことにより形成された網目構造が保持されるため、セラミックグリーンシート11bの収縮を抑制することができる。したがって、本実施形態のように、セラミックグリーンシート9上に電極パターン10が形成されている場合であっても、乾燥時の収縮により電極パターン10に起因するセラミックグリーンシート11bに生じる段差を抑制することができる。
【0033】
次に、セラミックグリーンシート11bに、電極パターン10を形成し、さらに、セラミックグリーンシート11bおよび電極パターン10上にセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを作製する。この工程を所定の厚みまで繰り返すことにより、図4に示すようにセラミック積層体12を作製する。
【0034】
本実施形態によると、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーとカチオンを含む水溶液とが反応して網目構造を形成することにより、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制されるため、セラミックスラリーと電極ペーストとを交互に塗り重ねてセラミック積層体を作製する方法において、電極段差の抑制されたセラミック積層体を作製することができる。
(実施形態4)
以下、本実施形態におけるセラミック積層体の製造方法を説明する。
実施形態2のセラミックグリーンシートの製造方法により作製されたセラミックグリーンシートを準備する。
【0035】
次に、電極パターンを形成するための電極ペーストを作製する。電極ペーストとしては、金属粉末、分散剤、結合剤などを混合して作製される。金属粉末としては、Ag、Pd、Ni、Cuなどを用いることができる。
【0036】
次に、図5(a)に示すように、スクリーン印刷法などによりセラミックグリーンシート13上に電極パターン14を形成する。次に、電極パターン14の形成されたセラミックグリーンシート13を所定枚数積層し、圧着して、図5(b)に示すセラミック積層体15を作製する。
【0037】
本実施形態においては、セラミックグリーンシートを積層する際にキャリアを剥離する工程を経ることなくセラミック積層体を作製することができるため、セラミック積層体の製造工程を簡略化することができる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)
チタン酸バリウムを主成分とする誘電体原料100g、水溶性スチレン−マレイン酸共重合体(有効成分50%)2.4gおよび水21.4gを2時間混合した。そこに、アニオン性ポリウレタン樹脂エマルション(有効成分35%)22.9g、アセチレングリコール(有効成分80%)1.2gおよびウレア樹脂含有シリコーン(有効成分5%)0.4gを加え、さらに16時間混合してセラミックスラリーを作製した。
【0039】
次に、グラビアコート法により、キャリア上にセラミックスラリーを厚み10.0μmとなるように塗布してシート状に成形した。次に、シート状に成形したセラミックスラリーを0.05N硝酸水溶液に60秒間浸漬してゲル化させ、ゲル化したセラミックグリーンシートを作製した。
【0040】
次に、ゲル化したセラミックグリーンシートを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。乾燥後のセラミックグリーンシートの寸法は厚み7.0μmであり、厚み方向の収縮率は30%であった。
(比較例1)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製し、キャリア上に厚み10.0μmとなるように塗布してシート状に成形した。
【0041】
次に、シート状に成形したセラミックスラリーを100℃で1分間乾燥させ、セラミックグリーンシートを作製した。乾燥後のセラミックグリーンシートの寸法は4.5μmであり、厚み方向の収縮率は55%であった。
【0042】
以上のように、本実施例によるとセラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができた。
(実施例2)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製した。
【0043】
次に、幅1mmのスリットを持つダイヘッドから、0.5N硝酸水溶液中へ、1.2cm3/sの吐出速度で、厚み930μmのシート状に押し出して、ゲル化したセラミックグリーンシートを作製した。
【0044】
次に、ゲル化したセラミックグリーンシートを80℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。乾燥後のセラミックグリーンシートの寸法は厚み650μmであった。厚み方向の収縮率は約30%であった。
【0045】
次に、乾燥後のセラミックグリーンシートの両主面の状態を観察した。図6(a)は乾燥後のセラミックグリーンシートの一方主面、図6(b)は乾燥後のセラミックグリーンシートの他方主面を観察したものである。図6(a)および(b)に示すように、このセラミックグリーンシートの両主面においてセラミック粉末とバインダの存在状態はほぼ同じであった。
(比較例2)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製し、キャリア上に厚み1440μmとなるように塗布してセラミックグリーンシートを作製した。
【0046】
次に、セラミックグリーンシートを80℃で8分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。乾燥後のセラミックグリーンシートの寸法は厚み650μmであった。厚み方向の収縮率は約55%であった。
【0047】
次に、乾燥後のセラミックグリーンシートの両主面をSEMにより観察した。図7(a)はキャリアと接していない主面、図7(b)はキャリアと接している主面を観察したものである。図7(a)および(b)に示すように、このセラミックグリーンシートは、キャリアに接している主面側にバインダが偏析していた。
【0048】
以上のように、本実施例によると、キャリアを用いることなくセラミックグリーンシートを作製することができた。
【0049】
また、バインダが偏析せず均質であり、かつ厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができた。
(実施例3)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製した。
【0050】
次に、グラビアコート法により、キャリア上にセラミックスラリーを厚み6.0μmとなるように塗布してシート状に成形した。次に、シート状に成形したセラミックスラリーを0.05N硝酸水溶液に60秒間浸漬してゲル化させ、ゲル化したセラミックグリーンシートを作製した。
【0051】
次に、ゲル化したセラミックグリーンシートを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。
【0052】
次に、このセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷により、Niを主成分とする電極ペーストで厚みが1.2μmの電極パターンを形成した。
【0053】
次に、セラミックグリーンシートおよび電極パターン上に、ドクターブレード法により、電極パターン上の厚みが6.0μmとなるようにセラミックスラリーを塗布してシート状に成形した。
【0054】
次に、シート状に成形したセラミックスラリーを、0.05N硝酸水溶液に60間浸漬してゲル化させ、ゲル化したセラミックグリーンシートを作製した。。
【0055】
次に、セラミックグリーンシートを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。
【0056】
同様に、電極パターンとセラミックグリーンシートとを交互に形成し、各セラミックグリーンシートにおける電極段差を測定した結果を図8に示す。電極段差は図9に示すhを測定したものである。なお、セラミックグリーンシート上に電極を形成した状態を積層数0とし、そのときの電極厚み(1.8μm)を積層数0のときの段差とし、セラミックグリーンシートが1層形成された状態を積層数1とし、そのときの図9のhの厚みを、積層数1のときの段差とする。
(比較例3)
実施例1と同様のセラミックスラリーを作製した。
【0057】
次に、グラビアコート法により、キャリア上にセラミックスラリーを厚み6.0μmとなるように塗布してシート状に成形した。次に、シート状に成形したセラミックスラリーを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを作製した。
【0058】
次に、このセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷により、Niを主成分とする電極ペーストで厚みが1.2μmの電極パターンを形成した。
【0059】
次に、セラミックグリーンシートおよび電極パターン上に、ドクターブレード法により、電極パターン上の厚みが6μmとなるようにセラミックスラリーを塗布してシート状に成形した。
【0060】
次に、シート状に成形したセラミックスラリーを100℃で1分間乾燥させ、乾燥後のセラミックグリーンシートを形成した。
【0061】
同様に、電極パターンとセラミックグリーンシートとを交互に形成し、各セラミックグリーンシートにおける電極差を測定した結果を図8に示す。電極段差は図9に示すhを測定したものである。測定方法は、実施例3と同様である。
【0062】
以上のように、本実施例によると、電極段差の抑制されたセラミック積層体を作製することができた。
(実施例4)
実施例2と同様の方法によりセラミックグリーンシートを作製した。
【0063】
次に、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷により、Niを主成分とする電極ペーストで厚みが1.2μmの電極パターンを形成した。
【0064】
次に、電極パターンの形成されたセラミックグリーンシートを10枚積層し、圧着してセラミック積層体を作製した。
【0065】
本実施例によると、キャリアを剥離する工程を経ることなく、セラミック積層体を作製することができるので、セラミック積層体の製造工程を簡略化することができた。
【0066】
【発明の効果】
請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法によると、電荷を有するエマルションを含むセラミックスラリーと、そのエマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴とが反応して網目構造を形成し、乾燥工程においても網目構造が保持されるため、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0067】
請求項2に記載のセラミックグリーンシートの製造方法によると、キャリア上においてセラミックグリーンシートを作製するセラミックグリーンシートの製造方法において、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0068】
請求項3に記載のセラミックグリーンシートの製造方法によると、キャリアを用いることなくセラミックグリーンシートを作製することができるので、廃棄物を減少させ、製造コストを削減させることができる。
【0069】
また、シート状に押し出されたセラミックスラリーは、凝固浴中において両主面からゲル化が起こるので、バインダ偏析が起こらず、均質なセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0070】
請求項4に記載のセラミックグリーンシートの製造方法によると、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーとカチオンを含む水溶液とが反応して網目構造を形成し、乾燥工程においても網目構造が保持されるため、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制され、厚み方向の収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0071】
請求項5に記載のセラミック積層体の製造方法によると、電荷を有するエマルションを含むセラミックスラリーと、そのエマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴とが反応して網目構造を形成することにより、セラミックスラリーの乾燥収縮が抑制されたセラミックグリーンシートを作製することができるため、セラミックスラリーと電極ペーストとを交互に塗り重ねてセラミック積層体を作製する方法において、電極段差の抑制されたセラミック積層体を作製することができる。
【0072】
請求項6に記載のセラミック積層体の製造方法においては、セラミックグリーンシートを積層する際にキャリアを剥離する工程を経ることなくセラミック積層体を作製することができるため、セラミック積層体の製造工程を簡略化することができる。
【0073】
請求項7に記載のセラミック積層体の製造方法においては、アニオン性エマルションを含むセラミックスラリーとカチオンを含む水溶液とが反応して網目構造を形成することにより、段差の抑制させれたセラミック積層体を作製することができる。また、バインダ偏析が起こらず、均質なセラミックグリーンシートを用いて、簡略化された製造工程において、セラミック積層体を作製することができる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のセラミックグリーンシートの製造方法を示す概略工程図である。
【図2】実施形態2のセラミックグリーンシートの製造方法を示す概略工程図である。
【図3】実施形態3のセラミック積層体の製造方法を示す概略工程図である。
【図4】実施形態3のセラミック積層体の製造方法により作製されたセラミック積層体を示す概略断面図である。
【図5】実施形態4のセラミック積層体の製造方法を示す概略工程図である。
【図6】実施例2のセラミックグリーンシートの両主面の状態を示す顕微鏡写真である。
【図7】比較例2のセラミックグリーンシートの両主面の状態を示す顕微鏡写真である。
【図8】実施例3および比較例3のセラミック積層体の電極段差を示すグラフである。
【図9】実施例3および比較例3のセラミック積層体の電極段差を示す概略説明図である。
【図10】従来のセラミック積層体の製造方法を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 キャリア
2、4、11 セラミックスラリー
3 カチオン性凝固浴
8、9、13 セラミックグリーンシート
10、14 電極パターン
12 セラミッ積層体
Claims (7)
- セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダおよび、水を主成分とするセラミックスラリーを作製する工程と、
前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程と、
前記シート状に成形したセラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中に浸漬してセラミックグリーンシートを作製する工程と、
前記セラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、
を備えることを特徴とする、セラミックグリーンシートの製造方法。 - 前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程が、
キャリア上に前記セラミックスラリーを塗布してシート状に成形する工程であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。 - 前記セラミックスラリーをシート状に成形する工程が、
前記セラミックスラリーを前記凝固浴中にシート状に押し出してセラミックグリーンシートを作製する工程であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。 - 前記帯電したエマルションがアニオン性エマルションであり、
前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴がカチオン性凝固浴であることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載のセラミックグリーンシートの製造方法。 - 第1のセラミックグリーンシートを準備する工程と、
前記第1のセラミックグリーンシート上に電極パターンを形成する工程と、
セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーを準備する工程と、
前記第1のセラミックグリーンシートおよび前記電極パターン上に前記セラミックスラリーを塗布してシート状に成形する工程と、
前記シート状に成形したセラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中に浸漬して第2のセラミックグリーンシートを作製する工程と、
前記第2のセラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、
を備えることを特徴とするセラミック積層体の製造方法。 - セラミック粉末、帯電したエマルションからなるバインダ、および水を主成分とするセラミックスラリーを作製する工程と、
前記セラミックスラリーを前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴中にシート状に押し出してセラミックグリーンシートを作製する工程と、
前記セラミックグリーンシートを乾燥させる工程と、
前記セラミックグリーンシート上に電極パターンを形成する工程と、
前記セラミックグリーンシートを積層、圧着してセラミック積層体を作製する工程と、
を備えることを特徴とするセラミック積層体の製造方法。 - 前記帯電したエマルションがアニオン性エマルションであり、
前記エマルションとは反対の電荷に帯電する電解質が溶解した凝固浴がカチオン性凝固浴であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のセラミック積層体の製造方法。
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