JP2005001214A - 不燃化粧板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無機繊維基材に、有機樹脂分としての熱硬化性樹脂と、無機充填剤とからなるスラリーが含浸されたプリプレグからなるコア層と、接着材と、表面層としてのコート紙とを積層し、比重が1.4〜1.8となるように15〜40kg/cm2の圧力で成形する。更に、裏面側にバランス紙を積層する。接着材としては、樹脂含浸シート、合成樹脂接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂接着剤を塗布したシートを用いる。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、不燃化粧板に関する。
【0002】
【特許文献1】特開昭64−56540号
【特許文献2】特開平03−208632号
【特許文献3】特開2000−104366号
【特許文献4】特開昭53−94578号
【0003】
【従来の技術】
従来、防火、不燃性を付与した化粧板が知られており、コア層には無機繊維不織布に有機樹脂をバインダー成分とスラリーが含浸されたプリプレグが用いられ、化粧層と必要に応じて表面層とを積層し、温度120〜140℃、圧力60〜70kg/cm2の条件で熱圧成形され、化粧層には樹脂含浸化粧紙が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高圧成形するため無機繊維不織布の下地の影響で化粧表面が綺麗に仕上がらない、プリプレグの積層枚数を増やして厚みを大きくしようとしても有機樹脂分が多くなり不燃性の確保ができない、比重が高くなり製品重量が重くなるなどの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる状況に鑑み検討されたもので、不燃性能を有し、かつ反りの少ない化粧板を得ることを目的とするもので、以下のことを特徴とする。
【0006】
すなわち、請求項1の記載の発明は、無機繊維基材に、有機樹脂分としての熱硬化性樹脂と、無機充填剤とからなるスラリーが含浸されたプリプレグからなるコア層と、表面層としてコート紙が接着材を介して、積層一体化されてなることを特徴とする不燃化粧板である。
また、請求項2に記載の発明は、裏面側にバランス紙が積層一体化されたことを特徴とする請求項1記載の不燃化粧板である。
更に、請求項3に記載の発明は、比重が1.4〜1.8であることを特徴とする請求項1又は2記載の不燃化粧板である。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0007】
本発明の不燃化粧板のコア層に用いる無機繊維基材としては、ガラス繊維、ロックウール、炭素繊維などの無機繊維の不織布、織布などが挙げられ、無機繊維基材の坪量は、10〜200g/m2の範囲が好適であり、とりわけ、耐熱性、耐炎性に優れ、スラリーの含浸性が優れるガラス繊維を用いるのが好ましい。
【0008】
バインダーとしての有機樹脂成分は、具体的にフェノール樹脂、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、二種以上を併用してもよい。
【0009】
フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール性水酸基1モルに対してアルデヒド類を1〜3モルの割合で塩基性触媒下或いは酸性触媒下にて反応させて得られるもので、フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられ、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザール、トリオキザールなどが挙げられる。
また、必要に応じてパラトルエンスルフォンアミド、桐油、燐酸エステル類、グリコール類などの可塑化を促す変性剤で変性されたものも適用でき、塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、及びトリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、アンモニアが挙げられ、酸性触媒としては、パラトルエンスルフォン酸、塩酸などが挙げられる。
【0010】
アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としてはアミノ化合物、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどとホルムアルデヒドを反応させた初期縮合物のほか、メチルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコ−ルによるエ−テル化、パラトルエンスルホンアミドなどの可塑化を促す反応性変性剤で変性されたものが適用でき、中でも耐久性に優れるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
【0011】
ウレタン樹脂は、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート基を有する化合物を原料とするプレポリマー、アダクト体、ブロックイソシアネートなどが挙げられる。
【0012】
エポキシ樹脂としては、少なくとも一分子中に2個以上のエポキシ基を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、3官能以上の多官能エポキシ樹脂及びこれらの臭素化物、さらにこれらの混合物が挙げられ、積層板に用いられる通常のエポキシ樹脂を使用することができる。
【0013】
無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカなどが挙げられる。無機繊維不織布の坪量は、10〜200g/m2の範囲が好適である。
無機充填剤の中では、平均粒子径が0.5〜200μmの範囲のものが無機性繊維不織布への含浸が可能であり、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなど結晶水を含むものは高温時に分解し、吸熱、結合水を放出するため不燃性の効果の点で最適である。
【0014】
プリプレグ中の有機樹脂成分の含有率は、式1で示される算出方法で3〜50%であればよく、上限を越えると不燃性が悪くなり、下限を超えると強度、密着性が劣りやすくなる。
【式1】
【0015】
無機繊維を基材とするプリプレグとは、無機繊維基材に有機樹脂成分と無機充填剤からなるスラリーを含浸したもので、無機繊維基材、有機樹脂成分、無機充填剤いずれも前述と同様のものを用いることができ、必ずしも同種のものを用いる必要はない。
プリプレグ中のスラリー含有率(%)は式2で示される算出方法で、500〜3000%の範囲が好ましく、上限を超えると固形分の脱落が多くなり取り扱いにくく、また下限に満たないと層間剥離しやすくなる。
【式2】
【0016】
プリプレグからなるコア層の少なくとも片面には、後述のコート紙との密着性を向上させるため接着材が介される。
接着材としては、18〜40g/m2の化粧板用表面紙に熱硬化性樹脂、例えば、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、或いはこれらの混合物などを主な成分とする樹脂液が式3で示される含浸率が80〜300%含浸・乾燥された樹脂含浸シートや、酢酸ビニル樹脂系接着剤の如き合成樹脂接着剤を紙に塗布したものなどが挙げられる。
【式3】
【0017】
接着材の上には化粧層としてコート紙が積層されている。
コート紙は、40〜80g/m2の化粧紙の表面にウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、アクリレート樹脂などの合成樹脂を塗布したもので、コア層と、接着材とを積層一体化するには平板プレス、連続プレスなどのプレス機を用いて熱圧成形すればよいが、比重が1.4〜1.8となるように、圧力は通常の化粧板を得る場合よりも低圧、具体的には15〜40g/cm2の範囲で成形する。
比重が下限に満たないと、強度不足を生じたり密着性が劣りやすくなる。また、上限を超えると不燃性が劣りやすくなる。
【0018】
尚、硬化収縮に伴う反りを抑制するため最下層にバランス紙を配することが望ましく、バランス紙としては同様の樹脂含浸シートや、紙に酢酸ビニル樹脂系接着剤の如き合成樹脂接着剤を塗布したものが挙げられる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例、比較例を挙げてより詳細に説明するが、本発明をより具体的に示すものであって、特に限定するものではない。
実施例1
プリプレグ
50g/m2のガラス繊維不織布に、フェノール樹脂5部に対して、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂4部、水酸化アルミニウムを91部配合したスラリーを、式2に示す固形分率が2000%となるように含浸してプリプレグを得た。
接着シート
坪量22g/m2の表面紙に,メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を式3で示す含浸率が250%となるように含浸してメラミン樹脂含浸シートを得た。
不燃化粧板
下から順に、メラミン樹脂含浸シートを1枚、プリプレグを4枚、メラミン樹脂含浸シートを1枚、65g/m2の印刷紙に変性アクリレート樹脂15g/m2塗布したコート紙を1枚積層して、フラット仕上げプレートを用いて140℃、35kg/cm2、60分間で熱圧成形して、実施例1の不燃化粧板を得た。
【0020】
実施例2
下から順に、35g/m2の紙に酢酸ビニル樹脂を塗布したシートを1枚、実施例1と同様のプリプレグを4枚積層し、酢酸ビニル樹脂接着剤を介して実施例1と同様のコート紙を1枚積層して、フラット仕上げプレートを用いて140℃、35kg/cm2、60分間で熱圧成形して、実施例2の不燃化粧板を得た。
【0021】
比較例1(成形圧力が下限未満の場合)
実施例1において、成形圧力を10g/cm2とした以外は同様に実施して、、比較例1の化粧板を得た。
【0022】
比較例2(成形圧力が上限を超える場合)
実施例1において、成形圧力を70g/cm2とした以外は同様に実施して、、比較例1の化粧板を得た。
【0023】
評価結果を表1に示す。
【表1】
【0024】
試験方法は以下の通りとした。
不燃性:建築基準法第2条第9号規定「4.9.2 発熱性試験・評価方法」による。(ISO5660準拠したコーンカロリーメーターによる20分試験)
強度:500gの鉄球をサンプルの20cm上方より落下させ、割れなかったものを○、割れたものを×とした。
密着性:化粧層にカッターナイフにてクロスカットの切り込みをコア層に達する深さまで入れ、セロハンテープを貼り付け、急激に剥がし、化粧層の剥離がなかったものを○、剥離があったものを×とした。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、無機繊維基材に有機樹脂成分と無機充填剤からなるスラリーを含浸し乾燥したプリプレグと、コート紙とを樹脂含浸表面紙を介して、圧力が15〜40kg/cm2と通常より低圧成形し、積層一体化して、比重を1.4〜1.8とすることにより、目的成形品厚みを持ち、軽量且つ十分な強度を持ち、不燃性を持つ不燃化粧材を得ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の不燃化粧板の構成断面図。
【符号の説明】
2 プリプレグ
3 樹脂含浸シート
4 コート紙
6 不燃化粧板
Claims (3)
- 無機繊維基材に、有機樹脂分としての熱硬化性樹脂と、無機充填剤とからなるスラリーが含浸されたプリプレグからなるコア層と、表面層としてコート紙が接着材を介して、積層一体化されてなることを特徴とする不燃化粧板。
- 裏面側にバランス紙が積層一体化されたことを特徴とする請求項1記載の不燃化粧板。
- 比重が1.4〜1.8であることを特徴とする請求項1又は2記載の不燃化粧板。
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- 2003-06-11 JP JP2003166423A patent/JP4726401B2/ja not_active Expired - Lifetime
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