JP2005000125A - 食肉除菌洗浄方法と食肉除菌洗浄装置 - Google Patents
食肉除菌洗浄方法と食肉除菌洗浄装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】従来の常温の水道水による洗浄では雑菌除去率が低かった。温水洗浄すれば雑菌除去率は高まるが、食肉表面の味覚や品質が劣化し、表面の色が褪せて、見た目が悪くなったりする。
【解決手段】本発明は、食肉を懸垂式コンベアーにより搬送し、搬送中に食肉に温水用ノズルより温水を噴射して温水洗浄し、その後、引き続き、食肉に冷水用ノズルより冷水を噴射して冷水洗浄して、食肉に付着している菌の除去、不浄物の洗浄を行うようにした。本発明は、食肉を吊り下げて搬送する懸垂式コンベアーと、温水噴射ノズルと冷水噴射ノズルを備え、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも懸垂式コンベアーで搬送される食肉の両外側に配置され、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも縦方向に間隔をあけて複数配置して、それら複数の噴射ノズルから噴射される温水又は冷水が搬送中の食肉に当たって食肉に付着している菌が除去され不浄物が洗浄されるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、食肉を懸垂式コンベアーにより搬送し、搬送中に食肉に温水用ノズルより温水を噴射して温水洗浄し、その後、引き続き、食肉に冷水用ノズルより冷水を噴射して冷水洗浄して、食肉に付着している菌の除去、不浄物の洗浄を行うようにした。本発明は、食肉を吊り下げて搬送する懸垂式コンベアーと、温水噴射ノズルと冷水噴射ノズルを備え、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも懸垂式コンベアーで搬送される食肉の両外側に配置され、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも縦方向に間隔をあけて複数配置して、それら複数の噴射ノズルから噴射される温水又は冷水が搬送中の食肉に当たって食肉に付着している菌が除去され不浄物が洗浄されるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は豚枝肉の解体処理中に付着した雑菌や血痕等の不浄物を、食肉加工工場に搬入するときに(豚枝肉加工前に)除菌、洗浄する方法とそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
解体処理された豚枝肉(食肉)には、解体処理中に各種細菌や雑菌が付着し、血痕等の不浄物も付着する。解体処理された豚枝肉は輸送用冷蔵トラックにより工場に搬入されている。輸送用冷蔵トラックにより食肉加工工場に搬入された豚枝肉は、それに付着している雑菌と不浄物を洗浄するため、従来は、豚枝肉を水道水(常温水)を噴霧させた霧状のシャワーの中を通過させて表面洗浄していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の、常温の水道水による洗浄では雑菌除去率が低かった。高温水で洗浄すれば雑菌除去率は高まるが、高温のため豚枝肉の表面の味覚や品質が劣化したり、表面の色が褪せて、見た目が悪くなったりする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は食肉の味覚や品質を劣化させることなく豚枝肉に付着している各種細菌や雑菌、不浄物等を除去することが出来、しかも除去率が高く、細菌や雑菌による汚染を防止し、食肉の安全性を確保することができる洗浄方法とそのための装置を提供することにある。
【0005】
本発明の食肉除菌洗浄方法は輸送用冷蔵トラックで搬入されてきた食肉を、同トラックから工場内の懸垂式コンベアーに移して同コンベアーにより搬送し、その搬送中に食肉に温水用ノズルより温水を噴射して温水洗浄し、その後、引き続き、食肉に冷水用ノズルより冷水を噴射して冷水洗浄して、食肉に付着している菌の除去、不浄物の洗浄を行う方法である。この場合、食肉の肩肉部分には気液混合温水を噴射することができる。また、本発明では、温水も冷水も搬送中の食肉にその両外側から噴射するようにしてある。
【0006】
本発明の食肉除菌洗浄装置は、輸送用冷蔵トラックで搬入されてきた食肉を吊り下げて搬送する懸垂式コンベアーと、同コンベアーの下方に配置された温水噴射ノズルと、同コンベアーの下方で温水噴射ノズルよりも食肉搬送方向先方に配置された冷水噴射ノズルを備え、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも懸垂式コンベアーに懸垂されて搬送される食肉の両外側に配置され、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも縦方向に間隔をあけて数個配置して、それら複数の噴射ノズルから噴射される温水又は冷水が懸垂式コンベアーにより搬送される食肉に当たって食肉に付着している菌が除去され不浄物が洗浄されるようにしてある。この場合、食肉の肩肉部分に温水を噴射する温水噴射ノズルを気液混合温水を噴射可能なものとすることができる。また、懸垂式コンベアーで搬送中の食肉に多方向から温水又は冷水が噴射されるように、複数の温水噴射ノズル、複数の冷水噴射ノズルの噴射口の向きを可変自在としてある。
【0007】
【発明の実施の形態】
(食肉除菌洗浄方法の実施の形態)
本発明の食肉除菌洗浄方法では食肉の温水洗浄と冷水洗浄とを連続して行う。その場合、先に温水洗浄し、その後に引き続いて冷水洗浄する。
【0008】
(温水洗浄)
輸送用冷蔵トラックで搬送されてきた食肉(豚枝肉)を食肉加工工場内の懸垂式コンベアーに懸垂し、同コンベアーにより温水洗浄ブース内に搬入する。搬入速度は1m/分程度が適する。温水洗浄ブース内において搬送中の食肉表面に温水噴射ノズルから温水を噴射して、食肉に付着している菌を除去し、血痕等の不浄物を洗浄する。この場合、搬送中の食肉の左右両外側から食肉全般に温水を噴射する。この場合の温水温度は45℃〜100℃が適し、流量は1ノズル当り0.8リットル/秒を5秒間噴射するのが適する。噴射される温水の流速は60m/秒の高速であり、それが食肉表面を直撃して洗浄する。いずれの数値もそれに限定されない。
【0009】
豚枝肉は肩肉の部分の細胞が粗く脂肪が多く溜まっているため、その部分に温水が集中的に噴射されるとその肩肉部分の温度が局所的に上昇して変色し易くなる。変色を抑えるためには噴出される温水を噴霧(霧状にして噴射)して豚枝肉の肩の部分に当たる温水を分散させるようにする。
【0010】
(冷水洗浄)
温水洗浄を終えて懸垂式コンベアーにより懸垂されたまま冷水洗浄ブースに入った食肉は、先に行った温水洗浄により表面温度が上昇するのを防止するため、食肉に冷水を噴射して食肉を15℃〜18℃程度まで急速冷却する。冷水洗浄用の冷水の温度は6℃程度が適する。流量は温水洗浄と同様に1つの冷温噴射ノズル当たり0.8リットル/秒を5秒間噴射する。冷水噴射ノズルの先端から噴射される温水の流速は60m/秒の高速であり、それが食肉表面を直撃して洗浄する。この冷水噴射により食肉の細胞が引き締まり、変色が防止される。冷水洗浄した食肉は懸垂式コンベアーから外して冷蔵庫に保管する。その場合、冷蔵庫内に吊り下げて保管する食肉間が1cm以上離れて、その間を冷気が流通するようにすると、食肉の品質が長時間保持される。
【0011】
(食肉除菌洗浄装置の実施の形態)
本発明の食肉除菌洗浄装置の一例を図1、2を参照して説明する。図1、2の食肉除菌洗浄装置は食肉を搬送するための懸垂式コンベアー1と、そのコンベアーに懸垂されて搬送される食肉を搬送中に温水洗浄するための温水洗浄装置2と、冷水洗浄するための冷水洗浄装置3を備えている。温水洗浄装置2は温水ボイラ10、温水ポンプ11、温水配管12、温水噴射ノズル13、温水系統電気制御ボックス14等を備え、冷水洗浄装置3は冷水発生器(チラー)20、チラー用ポンプ21、冷水タンク22、冷水ポンプ23、冷水配管24、冷水噴射ノズル25、冷水系統電気制御ボックス26等を備えている。
【0012】
前記懸垂式コンベアー1は食肉30を洗浄する工場の温水洗浄ブースと冷水洗浄ブース内の上部(天井側)に敷設されている。懸垂式コンベアー1は多数のフック31がスライド可能に取り付けられている。フック31は食肉30を係止したハンガー(股カギ)32を掛けて食肉30を懸垂するための金具である。ハンガー(股カギ)32は常に食肉30を係止している。食肉は輸送用冷蔵トラックで搬送するときも、温水洗浄するときも、冷水洗浄するときも、冷水洗浄終了後に冷蔵庫に保管するときもハンガー32に係止している。
【0013】
前記温水噴射ノズル13は温水洗浄ブース内における懸垂式コンベアー1の下方に配置され、前記冷水噴射ノズル25は冷水洗浄ブース内であって温水噴射ノズル13よりも食肉搬送方向先方に配置されている。温水噴射ノズル13も冷水噴射ノズル25も懸垂式コンベアー1に懸垂されて搬送される食肉の左右両外側に配置されて、左右両側の温水噴射ノズル13の間、左右両側の冷水噴射ノズル25の間に食肉搬送通路33が形成されている。
【0014】
温水噴射ノズル13も、冷水噴射ノズル25も食肉搬送方向の前後方向に2列に配置されており、各列に上下方向に間隔をあけて5個ずつ、計10個配置されている。この場合、上下方向に配置された温水噴射ノズル13、冷水噴射ノズル25は、懸垂されている食肉30の上から下まで噴射できるように配置してある。
【0015】
温水噴射ノズル13及び冷水噴射ノズル25の全ての噴射口の向きを同じ向きに固定すると、温水或は冷水が懸垂されている縦長の食肉(豚枝肉)30に垂直に当たる分部と比較的斜めに当たる部分とが発生して洗浄ムラが出る。これを防ぐ為に本発明では温水噴射ノズル13及び冷水噴射ノズル25の全ての噴射口を同じ向き(角度を含む)に固定するのではなく、その向きをずらして、それら噴射口から噴出される温水或いは冷水が食肉全体に均等に当たって洗浄ムラが出ないようにしてある。噴射口は向き(角度を含めて)を所望方向、所望角度に変えることができるように可変自在としてある。
【0016】
通常、懸垂式コンベアーに豚枝肉を懸垂する場合、肩の部分を下にして懸垂する。豚枝肉は肩の部分の細胞が粗く脂肪が多く溜まっているため、その部分に温水が集中的に噴射されるとその部分が局部的に温度上昇し、変色し易くなる。変色を抑えるためには噴出される温水を霧状に噴霧して噴射面積を拡大して、豚枝肉の肩の部分に当たる温水を分散させるのが好ましい。そのため、図1では上下方向に配列されている5つの温水噴射ノズル13のうち、下2段の温水噴射ノズル13は温水の噴射により外気が吸引されて気液混合温水を霧状に噴霧できるタイプの温水噴射ノズル(例えば、エジェクター)13にし、上3段の温水噴射ノズル13は通常の温水噴射ノズルとしてある。
【0017】
温水噴射ノズル(エジェクター)13からの噴射面積を拡大するためには、噴射量、温水と気体の混合比率、噴射角度即ちノズル口径とノズルテーパ角度を最適に設定する必要がある。実験結果より、ノズル角度が120°よりも極度に小さいと食肉の局所に温水が集中的に当たって肉質への影響が出る。この弊害除去の為には温水噴射ノズル(エジェクター)13の噴射角度は120°前後が適する事が判明した。温水噴射ノズル13をエジェクター方式とすることの利点は、気液混合温水を食肉表面に当てて、衝撃波により食肉表面の汚れを除去することが出来ることにある。
【0018】
図1、図3にはガイドバー40が配置されている。このガイドバー40は懸垂式コンベアー1に懸垂されて搬送される食肉(豚枝肉)30の背中側が接触するものであり、豚枝肉30の背中側が接触することにより搬送中の豚枝肉30が触れることなく安定して、スムースに移動するようにすると共に、豚枝肉30の背中側が押されて腹側が拡がり、拡がった内側まで温水、冷水が当たって洗浄されるようにしてある。そのため、ガイドバー40は2列に配列されて対向する温水ノズル、冷水ノズルの間に、豚枝肉30の搬送方向に沿って配置されている。
【0019】
【本発明の効果】
本発明の請求項1〜請求項3記載の食肉除菌洗浄方法は次のような効果がある。
1.温水を使用するので食肉に付着している菌が確実に除去され、不浄物が確実に洗浄される。
2.温水洗浄するが、その後に引き続いて冷水洗浄するため、温水洗浄による食肉の肉質の劣化、表面の変色もなく、鮮度保持期間が長く、日持ちがする。従来の水洗浄では品質保持期限が7日であったが、本発明の洗浄方法により除菌洗浄処理をすれば品質保持期限は10日位まで長く保つことが可能になる。
【0020】
本発明の請求項2記載の食肉除菌洗浄方法は、前記食肉洗浄方法において、食肉が豚枝肉の場合に、肩肉部分には温水噴射ノズルから気液混合温水を噴射し、他の部分には温水噴射ノズルから温水を噴射するので、肩肉部分に当たる温水が分散し、肩肉部分の温度が局所的に上昇せず、変色もしない。
【0021】
本発明の請求項3記載の食肉除菌洗浄方法は、前記食肉洗浄方法において、温水も冷水も食肉の両外側から噴射するので、搬送中に食肉の全面がムラなく効率よく洗浄される。
【0022】
本発明の請求項4、請求項5記載の食肉除菌洗浄装置は、懸垂式コンベアーの下方に温水噴射ノズルと冷水噴射ノズルが配置され、それらが懸垂式コンベアーに懸垂されて搬送される食肉の両外側に配置され、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも縦方向に間隔をあけて複数配置されているので、それら複数の噴射ノズルから噴射される温水又は冷水に寄り、懸垂式コンベアーにより搬送される食肉を効率よく、また、確実に洗浄することができる。
【0023】
本発明の請求項6記載の食肉除菌洗浄装置は、温水噴射ノズルと冷水噴射ノズルの噴射口の向き(角度)が可変式であるため、洗浄する食肉の形状や大きさに合わせてその向き(角度)を変えて、搬送される食肉に多方向から温水、冷水を噴射することができ、食肉の形状や大きさに拘わらず食肉全体を確実に効率よく洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄装置の全体説明図。
【図2】本発明の洗浄装置の懸垂式コンベアー部分の説明図。
【図3】本発明における除菌洗浄装置による除菌洗浄方法の説明図。
【符号の説明】
1 懸垂式コンベアー
2 温水洗浄装置
3 冷水洗浄装置
10 温水ボイラ
11 温水ポンプ
12 温水配管
13 温水噴射ノズル
14 温水系統電気制御ボックス
20 冷水発生器(チラー)
21 チラー用ポンプ
22 冷水タンク
23 冷水ポンプ
24 冷水配管
25 冷水噴射ノズル
26 冷水系統電気制御ボックス
30 食肉
31 フック
32 ハンガー
33 食肉搬送通路
【発明の属する技術分野】
本発明は豚枝肉の解体処理中に付着した雑菌や血痕等の不浄物を、食肉加工工場に搬入するときに(豚枝肉加工前に)除菌、洗浄する方法とそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
解体処理された豚枝肉(食肉)には、解体処理中に各種細菌や雑菌が付着し、血痕等の不浄物も付着する。解体処理された豚枝肉は輸送用冷蔵トラックにより工場に搬入されている。輸送用冷蔵トラックにより食肉加工工場に搬入された豚枝肉は、それに付着している雑菌と不浄物を洗浄するため、従来は、豚枝肉を水道水(常温水)を噴霧させた霧状のシャワーの中を通過させて表面洗浄していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の、常温の水道水による洗浄では雑菌除去率が低かった。高温水で洗浄すれば雑菌除去率は高まるが、高温のため豚枝肉の表面の味覚や品質が劣化したり、表面の色が褪せて、見た目が悪くなったりする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は食肉の味覚や品質を劣化させることなく豚枝肉に付着している各種細菌や雑菌、不浄物等を除去することが出来、しかも除去率が高く、細菌や雑菌による汚染を防止し、食肉の安全性を確保することができる洗浄方法とそのための装置を提供することにある。
【0005】
本発明の食肉除菌洗浄方法は輸送用冷蔵トラックで搬入されてきた食肉を、同トラックから工場内の懸垂式コンベアーに移して同コンベアーにより搬送し、その搬送中に食肉に温水用ノズルより温水を噴射して温水洗浄し、その後、引き続き、食肉に冷水用ノズルより冷水を噴射して冷水洗浄して、食肉に付着している菌の除去、不浄物の洗浄を行う方法である。この場合、食肉の肩肉部分には気液混合温水を噴射することができる。また、本発明では、温水も冷水も搬送中の食肉にその両外側から噴射するようにしてある。
【0006】
本発明の食肉除菌洗浄装置は、輸送用冷蔵トラックで搬入されてきた食肉を吊り下げて搬送する懸垂式コンベアーと、同コンベアーの下方に配置された温水噴射ノズルと、同コンベアーの下方で温水噴射ノズルよりも食肉搬送方向先方に配置された冷水噴射ノズルを備え、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも懸垂式コンベアーに懸垂されて搬送される食肉の両外側に配置され、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも縦方向に間隔をあけて数個配置して、それら複数の噴射ノズルから噴射される温水又は冷水が懸垂式コンベアーにより搬送される食肉に当たって食肉に付着している菌が除去され不浄物が洗浄されるようにしてある。この場合、食肉の肩肉部分に温水を噴射する温水噴射ノズルを気液混合温水を噴射可能なものとすることができる。また、懸垂式コンベアーで搬送中の食肉に多方向から温水又は冷水が噴射されるように、複数の温水噴射ノズル、複数の冷水噴射ノズルの噴射口の向きを可変自在としてある。
【0007】
【発明の実施の形態】
(食肉除菌洗浄方法の実施の形態)
本発明の食肉除菌洗浄方法では食肉の温水洗浄と冷水洗浄とを連続して行う。その場合、先に温水洗浄し、その後に引き続いて冷水洗浄する。
【0008】
(温水洗浄)
輸送用冷蔵トラックで搬送されてきた食肉(豚枝肉)を食肉加工工場内の懸垂式コンベアーに懸垂し、同コンベアーにより温水洗浄ブース内に搬入する。搬入速度は1m/分程度が適する。温水洗浄ブース内において搬送中の食肉表面に温水噴射ノズルから温水を噴射して、食肉に付着している菌を除去し、血痕等の不浄物を洗浄する。この場合、搬送中の食肉の左右両外側から食肉全般に温水を噴射する。この場合の温水温度は45℃〜100℃が適し、流量は1ノズル当り0.8リットル/秒を5秒間噴射するのが適する。噴射される温水の流速は60m/秒の高速であり、それが食肉表面を直撃して洗浄する。いずれの数値もそれに限定されない。
【0009】
豚枝肉は肩肉の部分の細胞が粗く脂肪が多く溜まっているため、その部分に温水が集中的に噴射されるとその肩肉部分の温度が局所的に上昇して変色し易くなる。変色を抑えるためには噴出される温水を噴霧(霧状にして噴射)して豚枝肉の肩の部分に当たる温水を分散させるようにする。
【0010】
(冷水洗浄)
温水洗浄を終えて懸垂式コンベアーにより懸垂されたまま冷水洗浄ブースに入った食肉は、先に行った温水洗浄により表面温度が上昇するのを防止するため、食肉に冷水を噴射して食肉を15℃〜18℃程度まで急速冷却する。冷水洗浄用の冷水の温度は6℃程度が適する。流量は温水洗浄と同様に1つの冷温噴射ノズル当たり0.8リットル/秒を5秒間噴射する。冷水噴射ノズルの先端から噴射される温水の流速は60m/秒の高速であり、それが食肉表面を直撃して洗浄する。この冷水噴射により食肉の細胞が引き締まり、変色が防止される。冷水洗浄した食肉は懸垂式コンベアーから外して冷蔵庫に保管する。その場合、冷蔵庫内に吊り下げて保管する食肉間が1cm以上離れて、その間を冷気が流通するようにすると、食肉の品質が長時間保持される。
【0011】
(食肉除菌洗浄装置の実施の形態)
本発明の食肉除菌洗浄装置の一例を図1、2を参照して説明する。図1、2の食肉除菌洗浄装置は食肉を搬送するための懸垂式コンベアー1と、そのコンベアーに懸垂されて搬送される食肉を搬送中に温水洗浄するための温水洗浄装置2と、冷水洗浄するための冷水洗浄装置3を備えている。温水洗浄装置2は温水ボイラ10、温水ポンプ11、温水配管12、温水噴射ノズル13、温水系統電気制御ボックス14等を備え、冷水洗浄装置3は冷水発生器(チラー)20、チラー用ポンプ21、冷水タンク22、冷水ポンプ23、冷水配管24、冷水噴射ノズル25、冷水系統電気制御ボックス26等を備えている。
【0012】
前記懸垂式コンベアー1は食肉30を洗浄する工場の温水洗浄ブースと冷水洗浄ブース内の上部(天井側)に敷設されている。懸垂式コンベアー1は多数のフック31がスライド可能に取り付けられている。フック31は食肉30を係止したハンガー(股カギ)32を掛けて食肉30を懸垂するための金具である。ハンガー(股カギ)32は常に食肉30を係止している。食肉は輸送用冷蔵トラックで搬送するときも、温水洗浄するときも、冷水洗浄するときも、冷水洗浄終了後に冷蔵庫に保管するときもハンガー32に係止している。
【0013】
前記温水噴射ノズル13は温水洗浄ブース内における懸垂式コンベアー1の下方に配置され、前記冷水噴射ノズル25は冷水洗浄ブース内であって温水噴射ノズル13よりも食肉搬送方向先方に配置されている。温水噴射ノズル13も冷水噴射ノズル25も懸垂式コンベアー1に懸垂されて搬送される食肉の左右両外側に配置されて、左右両側の温水噴射ノズル13の間、左右両側の冷水噴射ノズル25の間に食肉搬送通路33が形成されている。
【0014】
温水噴射ノズル13も、冷水噴射ノズル25も食肉搬送方向の前後方向に2列に配置されており、各列に上下方向に間隔をあけて5個ずつ、計10個配置されている。この場合、上下方向に配置された温水噴射ノズル13、冷水噴射ノズル25は、懸垂されている食肉30の上から下まで噴射できるように配置してある。
【0015】
温水噴射ノズル13及び冷水噴射ノズル25の全ての噴射口の向きを同じ向きに固定すると、温水或は冷水が懸垂されている縦長の食肉(豚枝肉)30に垂直に当たる分部と比較的斜めに当たる部分とが発生して洗浄ムラが出る。これを防ぐ為に本発明では温水噴射ノズル13及び冷水噴射ノズル25の全ての噴射口を同じ向き(角度を含む)に固定するのではなく、その向きをずらして、それら噴射口から噴出される温水或いは冷水が食肉全体に均等に当たって洗浄ムラが出ないようにしてある。噴射口は向き(角度を含めて)を所望方向、所望角度に変えることができるように可変自在としてある。
【0016】
通常、懸垂式コンベアーに豚枝肉を懸垂する場合、肩の部分を下にして懸垂する。豚枝肉は肩の部分の細胞が粗く脂肪が多く溜まっているため、その部分に温水が集中的に噴射されるとその部分が局部的に温度上昇し、変色し易くなる。変色を抑えるためには噴出される温水を霧状に噴霧して噴射面積を拡大して、豚枝肉の肩の部分に当たる温水を分散させるのが好ましい。そのため、図1では上下方向に配列されている5つの温水噴射ノズル13のうち、下2段の温水噴射ノズル13は温水の噴射により外気が吸引されて気液混合温水を霧状に噴霧できるタイプの温水噴射ノズル(例えば、エジェクター)13にし、上3段の温水噴射ノズル13は通常の温水噴射ノズルとしてある。
【0017】
温水噴射ノズル(エジェクター)13からの噴射面積を拡大するためには、噴射量、温水と気体の混合比率、噴射角度即ちノズル口径とノズルテーパ角度を最適に設定する必要がある。実験結果より、ノズル角度が120°よりも極度に小さいと食肉の局所に温水が集中的に当たって肉質への影響が出る。この弊害除去の為には温水噴射ノズル(エジェクター)13の噴射角度は120°前後が適する事が判明した。温水噴射ノズル13をエジェクター方式とすることの利点は、気液混合温水を食肉表面に当てて、衝撃波により食肉表面の汚れを除去することが出来ることにある。
【0018】
図1、図3にはガイドバー40が配置されている。このガイドバー40は懸垂式コンベアー1に懸垂されて搬送される食肉(豚枝肉)30の背中側が接触するものであり、豚枝肉30の背中側が接触することにより搬送中の豚枝肉30が触れることなく安定して、スムースに移動するようにすると共に、豚枝肉30の背中側が押されて腹側が拡がり、拡がった内側まで温水、冷水が当たって洗浄されるようにしてある。そのため、ガイドバー40は2列に配列されて対向する温水ノズル、冷水ノズルの間に、豚枝肉30の搬送方向に沿って配置されている。
【0019】
【本発明の効果】
本発明の請求項1〜請求項3記載の食肉除菌洗浄方法は次のような効果がある。
1.温水を使用するので食肉に付着している菌が確実に除去され、不浄物が確実に洗浄される。
2.温水洗浄するが、その後に引き続いて冷水洗浄するため、温水洗浄による食肉の肉質の劣化、表面の変色もなく、鮮度保持期間が長く、日持ちがする。従来の水洗浄では品質保持期限が7日であったが、本発明の洗浄方法により除菌洗浄処理をすれば品質保持期限は10日位まで長く保つことが可能になる。
【0020】
本発明の請求項2記載の食肉除菌洗浄方法は、前記食肉洗浄方法において、食肉が豚枝肉の場合に、肩肉部分には温水噴射ノズルから気液混合温水を噴射し、他の部分には温水噴射ノズルから温水を噴射するので、肩肉部分に当たる温水が分散し、肩肉部分の温度が局所的に上昇せず、変色もしない。
【0021】
本発明の請求項3記載の食肉除菌洗浄方法は、前記食肉洗浄方法において、温水も冷水も食肉の両外側から噴射するので、搬送中に食肉の全面がムラなく効率よく洗浄される。
【0022】
本発明の請求項4、請求項5記載の食肉除菌洗浄装置は、懸垂式コンベアーの下方に温水噴射ノズルと冷水噴射ノズルが配置され、それらが懸垂式コンベアーに懸垂されて搬送される食肉の両外側に配置され、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも縦方向に間隔をあけて複数配置されているので、それら複数の噴射ノズルから噴射される温水又は冷水に寄り、懸垂式コンベアーにより搬送される食肉を効率よく、また、確実に洗浄することができる。
【0023】
本発明の請求項6記載の食肉除菌洗浄装置は、温水噴射ノズルと冷水噴射ノズルの噴射口の向き(角度)が可変式であるため、洗浄する食肉の形状や大きさに合わせてその向き(角度)を変えて、搬送される食肉に多方向から温水、冷水を噴射することができ、食肉の形状や大きさに拘わらず食肉全体を確実に効率よく洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄装置の全体説明図。
【図2】本発明の洗浄装置の懸垂式コンベアー部分の説明図。
【図3】本発明における除菌洗浄装置による除菌洗浄方法の説明図。
【符号の説明】
1 懸垂式コンベアー
2 温水洗浄装置
3 冷水洗浄装置
10 温水ボイラ
11 温水ポンプ
12 温水配管
13 温水噴射ノズル
14 温水系統電気制御ボックス
20 冷水発生器(チラー)
21 チラー用ポンプ
22 冷水タンク
23 冷水ポンプ
24 冷水配管
25 冷水噴射ノズル
26 冷水系統電気制御ボックス
30 食肉
31 フック
32 ハンガー
33 食肉搬送通路
Claims (6)
- 食肉を懸垂式コンベアーにより洗浄ブースへ搬送し、その食肉に温水噴射ノズルから温水を噴射し、その後、引き続いて、食肉に冷水噴射ノズルより冷水を噴射して、食肉に付着している菌の除去、不浄物の洗浄を行うことを特徴とする食肉除菌洗浄方法。
- 請求項1記載の食肉除菌洗浄方法において、食肉の肩肉部分には温水噴射ノズルから気液混合温水を噴射し、他の部分には温水噴射ノズルから温水を噴射することを特徴とする食肉除菌洗浄方法。
- 請求項1又は請求項2記載の食肉除菌洗浄方法において、温水も冷水も食肉の両外側から噴射することを特徴とする食肉除菌洗浄方法。
- 食肉を吊り下げて搬送する懸垂式コンベアーと、同コンベアーの下方に配置された温水噴射ノズルと、同コンベアーの下方で温水噴射ノズルよりも先方に配置された冷水噴射ノズルを備え、前記温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも懸垂式コンベアーに懸垂されて搬送される食肉の両外側に配置され、温水噴射ノズルも冷水噴射ノズルも縦方向に間隔をあけて複数配置し、それら複数の噴射ノズルから噴射される温水又は冷水が懸垂式コンベアーにより搬送される食肉に当たって食肉に付着している菌が除去され不浄物が洗浄されるようにしたことを特徴とする食肉除菌洗浄装置。
- 請求項4記載の食肉除菌洗浄装置において、食肉の肩肉部分に温水を噴射する温水噴射ノズルが気液混合温水を噴射可能なものであることを特徴とする食肉除菌洗浄装置。
- 請求項4又は請求項5記載の食肉除菌洗浄装置において、水噴射ノズル、複数の冷水噴射ノズルの噴射口は、それから噴射される温水又は冷水が、懸垂式コンベアーで搬送される食肉に多方向から噴射できるように、噴射口の向きが可変自在であること特徴とする食肉除菌洗浄装置。
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---|---|---|---|
JP2003169755A JP2005000125A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 食肉除菌洗浄方法と食肉除菌洗浄装置 |
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JP2005000125A true JP2005000125A (ja) | 2005-01-06 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103875784A (zh) * | 2014-03-05 | 2014-06-25 | 洛阳正大食品有限公司 | 一种屠宰场专用清理装置 |
CN114651857A (zh) * | 2022-03-24 | 2022-06-24 | 河北康远清真食品股份有限公司 | 一种雪花羔羊肉及其加工工艺 |
KR102657714B1 (ko) * | 2023-08-17 | 2024-04-15 | 박유홍 | 세척 공정을 개선한 돈육 가공 방법 |
-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003169755A patent/JP2005000125A/ja active Pending
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