JP2004536836A - 生物分解物内に微粒子を含む、放出プロフィールを改善する生物活性剤送達系 - Google Patents
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Abstract
生物活性剤又は薬物を生物学的環境内に制御された方式で放出するための組成物及び方法が開示される。本組成物は、生体適合性連続ゲル相、規定微粒子を含む不連続粒子相、及び送達される薬剤を含む、二相のポリマー性薬剤送達組成物である。
Description
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、in vitro 又は in vivo 環境内での生物活性剤の長期化され及び制御された放出を可能にする生物活性剤送達系へ向けられる。より具体的には、本発明は生分解性ゲルマトリックス及び微粒子系を含み、ここで微粒子は生分解性ゲルマトリックスに埋込まれ、それから生物活性剤が制御された方式で放出される。生物活性剤は、微粒子の内部だけに配置してもよく、微粒子及びゲルマトリックスの両方の内部に配置してもよい。
【背景技術】
【0002】
背景
遺伝子治療や様々な治療応用に有効な、ペプチド/タンパク質及びDNA等の多くの生物学的に活性な高分子は、組換えDNAや他の技術の進歩により商業的に利用可能になった。しかしながら、これらの分子は、胃腸管における分解を受けやすいために、非経口投与に限られている。慢性の疾患又は症状の治療では、1日に数回の注射が数日又は数ヶ月にわたり必要とされる場合がある。服薬遵守性(patient compliance)は、通常不良である。従って、上記の問題を伴わずに、生物活性剤又は薬物、特にポリペプチド又はタンパク質の薬物を持続された期間にわたり制御された速度で送達する系を開発することは、きわめて望ましい。この系は、治療効果を最適化し、副作用を最小化し、それにより服薬遵守性を向上させるのに役立つ。
【0003】
生分解性ポリマーを使用して定常レベルの投薬を維持する試みが最近かなり注目を浴びてきた。これらのポリマーは生分解性であり、医薬品が尽きた後で回収を必要としない。よって、それらは、薬物をその内部にカプセル化したミクロスフェア、マイクロカプセル、又はナノスフェアへ加工することができる。生物活性剤を微粒子担体へ取込む様々なマイクロカプセル化技術が当該技術分野で教示されている。例えば、米国特許第4,652,441号;5,100,669号;4,438,253号、及び5,665,428号を参照のこと。
【0004】
しかしながら、微粒子送達系の投与の直後には、薬物のバースト(burst)放出がしばしば観察される。微粒子送達系からの薬剤の放出は、デバイスの表面からの初期バースト放出を含む。微粒子系のバースト効果から生じる、正常の治療レベルよりずっと高い医薬品の血中レベルは、嘔吐、吐き気、譫妄、そして時には死といった副作用を引き起こす場合がある。ポリマーマトリックスが破局的に侵食されるときにも同様の状況が起こり得る。さらに、微粒子投与形は、有害作用が起こったとしても、回収可能ではない。
【0005】
従って、生体適合性で環境に鋭敏なポリマーゲルマトリックスに微粒子を取込むことによって「バースト放出」問題を抑える生物活性剤送達系を提供することは、望ましいであろう。この場合、ポリマーゲルは、生物活性剤の第二の放出バリアーとして作用し、バースト放出の効果を抑える。本発明の微粒子−ポリマーゲルの生物活性剤送達系は、微粒子又はポリマーゲルのいずれか単独よりも優れた生物活性剤送達の制御を提供する。さらに、微粒子が捕捉されて局在化しているので、微粒子−ゲル系の回収は、必要とされるならば、相対的に容易である。
【発明の開示】
【0006】
発明の目的及び要約
本発明は、ゲル化溶液に懸濁した薬物含有微粒子を含む、改善された生物活性剤送達系を提供する。ヒト又は他の温血動物の体内へ投与されると、該系はゲル化デポーを生じ、薬物含有微粒子をその中に捕捉する。
【0007】
本発明はまた、親水性及び疎水性薬物、タンパク質及びペプチド薬物、並びにオリゴヌクレオチドを延長された期間にわたって非経口投与するための制御された薬物送達系を提供する。
【0008】
本発明の薬物送達系は、微粒子送達系に関連した「バースト」効果を抑制し、生体利用効率と作用の時間を改善する。本発明はまた、微粒子を有効に懸濁させ、皮下注射針が投与の間に栓形成すること(plugging)を防ぐことが可能な投与形を提供する。
【0009】
本発明の1つの側面は、外科的除去が必要となるか又は処方された場合には確認して回収することが容易であるゲルデポー中に微粒子を配置する剤形を提供することである。
本発明の別の側面は、生物活性剤含有微粒子を配置し、酵素分解からそれを保護する生物活性剤送達系を提供することである。
【0010】
本発明の別の側面は、実施者が生物活性剤の生物学的環境への放出を変調することができる生物活性剤送達系を提供することである。
本発明のさらなる側面は、親水性及び疎水性薬物、ペプチド及びタンパク質薬物、ホルモン、遺伝子、オリゴヌクレオチド、並びに抗癌剤の非経口投与用の薬物送達系を提供することである。
【0011】
本発明は、2つの生物活性剤送達技術、即ち微粒子送達及びポリマーゲル送達を組み合わせた、改善された生物活性剤送達系を提供する。本発明の生物活性剤送達系はゲルマトリックス及び微粒子系を含み、ここで微粒子系はゲルマトリックスに埋込まれる。送達される1以上の薬剤は、微粒子の中だけに配置してもよく、微粒子及びゲルマトリックスの両方の中に配置してもよい。本発明の微粒子−ゲル送達系は、長期化された期間にわたり、相対的に一定の速度で薬剤を放出することができる。該系の放出プロフィールは、微粒子及び/又はゲル組成を改変させることによって変更可能である。ゲル溶液は界面活性であり、通常の生理食塩液よりわずかに粘稠である。従って、それは湿潤剤であり、同時に、微粒子のために優れた懸濁剤となり得る。この懸濁液は、相対的に小さいゲージの注射針を使用する際、詰まり(clogging)を伴わずに円滑に注射することができる。注射の後で、ゲルが定着し、その中に懸濁した微粒子を局在化する。微粒子中にカプセル化された薬剤は微粒子から放出された後で、ゲルマトリックスを通って移動し、生物系に入らなければならない。従って、微粒子送達系に関連した即時放出又はバーストを、抑制及び変調させることができる。これら2つの系からの薬剤の放出速度はまったく異なる場合があるので、微粒子をゲル相に埋込むことは、薬剤のさらなる変調と経済的な使用を提供する。この利益には、いずれかの系を単独使用する場合よりも高い生体利用効率及び長い作用時間が含まれる。さらに、この組合せ系は、微粒子投与形の安全性を向上しうる。微粒子がゲルにより局在化されるので、何れの理由であってもこの医薬品送達を終了させることが決定された場合には、それらは外科的に回収可能である。
【0012】
マイクロカプセル、ミクロスフェア、及びナノスフェアを含む人工又は天然の微粒子は、身体へ送達される生物活性剤を含有する。これらの微粒子により含有されて放出されうる何れの生物作用剤も使用可能である。次いで、この微粒子を、該微粒子及び/又は生物活性材料を生物学的環境の内部に制御された方式で放出することできる生体適合性ポリマーゲルの中へ取込む。
【0013】
本発明の追加の目的及び利点は、以下の要約と本発明を構成する様々な態様の詳細な説明から明らかになろう。
発明の詳細な説明
所望の生物活性剤を生物学的環境へ放出する、微粒子を含有する生体適合性ポリマーゲル、ポリマーゲル、及び/又はその両方を含む本発明を開示して記載する前に、本発明は、本明細書に開示される特別の方法工程及び材料に限定されないと理解されるべきである。こうした方法工程及び材料がある程度変動する可能性があるからである。また、本発明の範囲は添付の特許請求項とその均等物によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は特別の態様を記載する目的のためだけのものであり、限定的であることを意図していないと理解されるべきである。
【0014】
本明細書に使用される以下の用語は、指定された意味を有する:
単数形の「a」、「an」、及び「the」(不定冠詞と定冠詞)には、内容が明らかにそうでないことを述べていなければ、複数の指示物が含まれる。
【0015】
「生体適合性」は、温血動物若しくはヒトの身体における使用に適している任意の物質を意味する。
「生分解性」は、生物活性剤が放出された後でか又は放出されている間に、ポリマーゲル及び微粒子が体内で無毒の成分へ破壊されるか又は分解し得ることを意味する。
【0016】
「非経口」は、筋肉内、腹膜内(intraperitoneal)、腹腔内(intra-abdominal)、皮下、及び実施可能な程度に、静脈内及び動脈内を意味する。
「生物活性剤」、「生物−活性剤」、又は「薬剤」は、タンパク質、ペプチド(ポリペプチド及びオリゴペプチドを含む)、ホルモン、ワクチン、オリゴヌクレオチド、核酸、ステロイド、抗生物質、抗体、生細胞、組織由来組成物、及び他の製剤的に活性な薬剤を含む、任意の薬物、有機化合物、物質、栄養分、又は生物学的に有益な薬剤を意味する。好適な薬物は、メルクインデックス、「医薬便覧(Physicians Desk Reference)」、及び「治療薬の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therepeutics)」等の周知の参考文献に記載される。特定の薬剤の簡略な列挙は例示目的のためにのみ提供するのであって、限定的なものとみなしてはならない:マイトマイシン、ブレオマイシン、BCNU、カルボプラチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、メトトレキセート、パクリタキセル、タキソテレ(taxotere)、アクチノマイシンD、及びカンプトテシン等の抗癌剤;アランザピン及びジプラシドン等の抗精神病薬;セフォキシチン等の抗菌剤;イベルメクチン等の駆虫薬;アシクロビル等の抗ウイルス薬;シクロスポリンA(環状ポリペプチド型の薬剤)等の免疫抑制薬、ステロイド、プロスタグランジン。
【0017】
「ペプチド」、「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、及び「タンパク質」は、ペプチド又はタンパク質の薬物へ言及する場合に交換可能的に使用され、特に断らなければ、特別の分子量、ペプチドの配列又は長さ、生物活性の場、又は治療目的に関して限定されない。
【0018】
「生物学的環境」は、in vitroであれin vivoであれ、生物学的活性が生物活性剤の放出により制御され得るあらゆる環境を意味する。好ましくは、生物学的環境は、ヒトを含む温血動物に関連する。
【0019】
「微粒子」には、体内に放出される生物活性剤を含有することが可能な何れの粒子も含まれ、天然であっても人工であっても、マイクロカプセル、ミクロスフェア、及びナノスフェア等のような特殊化した形態が含まれる。
【0020】
「マイクロカプセル」、「ミクロスフェア」、及び「ナノスフェア」は、一般に、生物活性剤を含有して放出するために使用される高度に設計されて加工処理された微粒子を指す。
【0021】
「ゲル」は、ポリマー又はコポリマーのゲル化の条件が満たされる際に自発的に生じる半固体相を意味する。
「ポリマーゲル」は、生物学的環境内に投与された場合、ある期間の間はゲル化特性を示すが、その環境中に存在しない条件下では液体であり得る、あらゆるポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー等を意味する。
【0022】
「熱感受性ポリマーゲル」は、温度に依存して液体状態又はゲル状態を示すことが可能である任意のポリマーゲルを意味する。
用語「ゲル化温度」又は「ゲル/ゾル温度」は、溶液が転移してゲルになるときの温度を意味する。
【0023】
「逆熱ゲル化(reverse thermal gelation)」(RTG)又は「逆熱ゲル化系」(RTG系)は、逆熱ゲル化特性を有する、即ちゲル化温度より低い温度では溶液であり、それ以上のときはゲル状態へ転移する生分解性ブロックコポリマーに関連する。RTG系の詳しい記載は、本明細書にすべて援用される、出願中の米国特許出願第09/396,589号(1999年9月15日出願)に開示されている。
【0024】
「RTG混合物」又は「RTGのブレンド」は、異なるブロックポリマー比、分子量、ゲル化温度等を有する2種類以上のトリブロックコポリマーのブレンドを含むRTG系に関連する。RTG混合物又はブレンドは、個別のすでに合成された2以上のポリ(エチレングリコール)をラクチド、グリコリド、カプロラクトン等と単に混合して新たなRTG系を形成することによって作製することもでき、2以上のブロックコポリマーを反応させて混合RTG系を合成することによって作製することもできる。上記の物理的な混合法又は化学的な反応方法によって調製されるRTG混合物又はブレンドは、ゲル化特性及びゲル品質が同じであっても異なってもよい。
【0025】
「ポリマー溶液」、「水性溶液」等は、こうした溶液に含有される生分解性ポリマー又はブロックコポリマーに関連して使用される場合、ゲル形成性のブロックコポリマーが機能濃度(functional concentration)でそこに溶解していて、ゲル形成が起こらないように非ゲル化温度に維持されている、水ベースの溶液を意味する。
【0026】
「生分解性ポリエステル」は、好ましくは、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−カプロラクトン、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸からなる群より選択されるモノマーから合成される生分解性ポリエステル及びこれらのコポリマーに関連する。
【0027】
「逆熱ゲル化」は、溶液の温度がコポリマーのゲル化温度よりも上昇するとブロックコポリマーの溶液が自発的に粘度を増加し、多くの場合、半固体ゲルへ転換する現象である。本発明の目的では、用語「ゲル」には半固体ゲル状態と、ゲル化条件が満たされるときに存在する高粘性状態の両方が含まれる。ゲル化温度未満へ冷却されると、このゲルは自発的に逆戻りして、より低粘度の溶液を再形成する。ゾル/ゲル転移がポリマー系の化学組成において何れの変化も伴わないので、溶液とゲルとのこのサイクルは繰り返すことが可能である。ゲルを創出する相互作用はいずれも本質的に物理的であり、共有結合の形成も切断も伴わない。
【0028】
「微粒子−薬剤送達液」、「逆熱ゲル化特性を有する微粒子−薬剤送達液」、又は「刺激応答性ゲル化環境を有する微粒子−薬剤送達液」は、送達される薬剤、例えば、温血動物への投与に適した薬物(薬剤そのものは溶解していても、コロイド状であってもよい)を保持する微粒子を含有し、ブロックコポリマーのゲル化温度より(ポリマーの特性に依存して)上か若しくは下へ温度を変化させる場合、又は他のゲル化条件が満たされる場合に、ゲル化した微粒子/薬物デポーを生じるポリマー溶液を意味する。
【0029】
「デポー」は、ゲル化温度より(ポリマーの特性に依存して)上か又は下へ温度を変化させた場合、又は他のゲル化条件が満たされる場合に、温血動物へ投与した後に微粒子−薬剤送達液から生じるゲルを意味する。
【0030】
上記の定義に鑑み、不当に狭い限定をすることなく、本発明は、ゲル化溶液に懸濁した薬物含有微粒子送達系を含む生物活性剤送達系という組成物と、それを調製する方法とへ向けられる。本組成物は、投与されるとゲル化してデポーを生じ、その中に取込まれる薬物と一緒に微粒子を捕捉する。場合により、この微粒子及び/又はゲルマトリックスに、第二の生物活性剤を含有させてもよい。
【0031】
本発明の微粒子は、生物学的環境の内側に入るとゲルであるか又はゲルになるポリマーの内部にインタクト(intact)なまま混入させることが可能である限りにおいて、当該技術分野で今日知られるマイクロカプセル、ミクロスフェア、又はナノスフェアであってよい。
【0032】
本発明の微粒子は、生物学的活性剤がその中に分散又はカプセル化されているポリマーマトリックスを含む。これらのポリマーは、非生分解性でも生分解性でもよい。非生分解性であるが生体適合性であるポリマーには、シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリスチレン(PST)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリエチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリアミド、その他が含まれる。これらのポリマーは有効であることもあるが、それらは生物学的活性剤が尽きた後で体内に残存する。必要なときは、それらを外科的に除去しなければならない。
【0033】
逆に、生分解性ポリマー、及び/又は吸収可能なポリマーを担体として使用するとき、該担体は、生物学的活性剤の放出と同時か又はそれに後続して体内で徐々に分解されるか又は吸収される。従って、本発明において生分解性ブロックコポリマーを使用することが好ましい。持続放出に適した生分解性ポリマーには、ポリラクチド、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド(D, L-lactide-co-glycolide))、ポリグリコリド、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、及びポリ(アミノ酸)、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリホスファジン、ポリ無水物、ポリエステルアミド、ポリ(シアノアクリル酸アルキル)とこれらのブレンド及びコポリマー等の生分解性ポリエステルが含まれる。より好ましい態様において、ポリマーは生分解性ポリエステル又はポリエステルコポリマーである。最も好ましい態様において、ポリマーは、5,000〜70,000ダルトンの間の分子量を有し、ラクチド対グリコリドの比が1:1〜1:0である、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)である。ポリマーの末端基は、低分子量の有機残基でキャッピングしても、キャッピングしなくてもよい。
【0034】
生物活性剤を微粒子担体へ取込むために使用される多くのマイクロカプセル化技術が当該技術分野において教示されている(米国特許第4,652,441号、5,100,669号、4,438,253号、及び5,665,428号)。通常利用される方法には:(a)相分離と後続の有機溶媒蒸発(O/Wエマルジョン、W/Oエマルジョン、O/O’エマルジョン、及びW/O/Wエマルジョンを含む)、(b)コアセルベーション、(c)溶解分散、(d)スプレー乾燥、(e)スプレー凝固、(f)気中懸濁コーティング;及び(h)パン・コーティングが含まれる。
【0035】
温度感受性生体適合性ポリマーのゲルマトリックスとしての使用は、本発明の好ましい態様である。例えば、生理学的温度(約37℃)でゲルであり、生理学的温度より上か又はそれ未満では液体である熱ゲル化特性を有するブロックコポリマーは、機能的であろう。逆熱ゲル化特性を有するゲルの場合、ブロックコポリマーは、ゲル化温度未満の温度では液体であり、ゲル化温度より上ではゲルを生じる。逆に、従来の熱ゲル化特性を有するブロックコポリマーは、ゲル化温度より上で液体であり、ゲル化温度以下でゲルになる。
【0036】
逆ゲル化特性を有する生体適合性ポリマーが本発明に最も好ましい。例えば、逆熱ゲル化特性を有する生体適合性ブロックコポリマーを使用するとき、生物活性剤を含有する微粒子は、室温のような生理学的温度未満でブロックコポリマーに添加することが可能であろう。こうしたブロックコポリマーは冷却されるときに水に溶けるので、微粒子を溶液内に容易に添加することができる。さらに、ブロックコポリマー溶液は、投与されると一度ゲル状態になり、微粒子を保持して生物活性剤を放出することができる。生物学的環境に入るためには、微粒子中に被包された薬剤は、微粒子によりもたらされるバリアーと、ゲルマトリックスによりもたらされるバリアーとを克服しなければならない。微粒子を添加する際にブロックコポリマーがゲル状態にあれば、微粒子をゲルマトリックスの中へ取込むことはずっと困難であろう。さらに、ブロックコポリマーが生理学的温度で液体であれば、この液体コポリマーは、微粒子を保持することができない。生物活性剤はおそらく微粒子から即座に放出されるだろう。従来の熱ゲル化特性を示すポリマーは、同様に機能することだろう。唯一の違いは、生理学的温度より上で、即ち、液体状態にあるときに微粒子に添加することが可能であり、体温まで冷やしたときにゲル形成をもたらすことであろう。
【0037】
他の特性を示す生体適合性ポリマーも使用可能であることに注意することは重要である。熱感受性ポリマー又はゲルは、単に好ましい態様として上に記載される。しかしながら、pH、イオン強度、溶媒、圧力、応力、光度、電場、磁場、ゲル化剤、及び/又はグルコース等の特定の化学トリガーにおける変化へ応答するような他の環境的感受性ポリマーも使用可能である。決定的な要素は、ポリマーが体内にある時間の間、ゲル状態にあることである。さらに、どのポリマーゲル及び/又は微粒子を使用すべきかを考慮するとき、生物活性剤放出への抵抗性も重要な検討事項である。ある生物活性剤で非常に長期化した均一の放出が所望される場合、より強くより均一な抵抗性(即ち、生物活性剤のより長期化した均一の放出)を有するゲル及び微粒子を選択すべきである。このように、生物活性剤をいかに送達するのが望ましいのかに基づいて、ポリマーゲル及び微粒子を慎重に選択すべきである。
【0038】
本発明での使用に適したポリマーゲルは、ABA又はBABタイプのブロックコポリマーを含み、ここでAブロックは生分解性ポリエステルを含む相対的に疎水性のAポリマーブロックであり、Bブロックはポリエチレングリコール(PEG)を含む相対的に親水性のBポリマーブロックである。Aブロックは、好ましくは、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−カプロラクトン、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸からなる群より選択されるモノマーから合成される生分解性ポリエステル又はそれらのコポリマーであり、BブロックはPEGである。最も好ましい態様において、Aブロックはポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)からなり、BブロックはPEGである。好ましくは、トリブロックコポリマーは300及び20000ダルトンの間の平均分子量を有し、約10〜83重量%のAブロックポリマーを含有する。より好ましくは、トリブロックコポリマーは500及び5000ダルトンの間の平均分子量を有し、約51〜83重量%のAブロックポリマーを含有する。
【0039】
ポリマーゲルは、好ましくは生分解性であり、低い温度で水溶性を示し、生理学的な哺乳動物の体温で逆熱ゲル化を受ける。さらに、これらポリマーゲルは生体適合性であり、そのマトリックス内に混入された物質を経時的に、そして制御された方式で放出することが可能である。このように、このポリマーゲル、又は所望の特性を有する他のものは、上記のような様々な微粒子の放出を制御するために使用可能である。これら生分解性ポリマーは、水性環境又は生理学的環境において、酵素的又は非酵素的加水分解により徐々に分解される。分解生成物は、ポリエチレングリコール、乳酸、及びグリコール酸である。これらの化合物は相対的に無毒であり、生物系により容易に排泄又は吸収され得る。
【0040】
本発明の好ましい態様においてポリマーゲルマトリックスとしてRTG系を選択する明瞭な利点は、微粒子を湿らせて懸濁させるRTG又はRTG混合物の能力にある。疎水性Aブロック及び親水性Bブロックの組合せは、このブロックコポリマーを性質において両親媒性にする。この点で、それは湿潤剤として機能する。RTGの粘度は通常の生理食塩水よりわずかに高いので、それは増粘剤とみなしてもよい。これら2つの特性の組合せにより、RTGは疎水性粒子への優れた懸濁剤になる。
【0041】
本発明の送達系の別の利点は、薬物/微粒子が埋め込まれたポリマーゲルが多くの医薬物質の化学的安定性を高める能力にある。先に記載したように、薬物は生物学的環境中へ2つの経路を介して放出され得る。微粒子に含有される薬物は、はじめポリマーゲルマトリックス中へ放出され、次いでゲルマトリックスから標的へ放出され得る。あるいは、薬物を含有する微粒子がはじめに放出され、次いで微粒子中に被包された薬物が標的へ放出されてもよい。薬物の化学的不安定性をもたらす薬物/微粒子の分解の様々な機序は、薬物がブロックコポリマーの存在下にある場合には阻害されることが観察されてきた。例えば、パクリタキセルやシクロスポリンAは、有機助溶媒(co-solvent)の存在下にあるこれら同じ薬物の特定の水性溶液と比べると、本発明の水性ポリマー組成物において実質的に安定化している。パクリタキセル及びシクロスポリンAに対するこの安定化効果は、多くの他の医薬物質でも達成される効果の例示にすぎない。その一方、本発明の系は、ほとんどの微粒子−薬物送達系で見られる初期バースト放出効果の問題と、この過量放出により引き起こされる望まれない副作用とを有意に抑制する。
【0042】
さらに、微粒子及びポリマー送達系の組合せはまた、薬物送達系の設計における柔軟性を高め、個々のニーズへの適合を可能にする。こうした薬物送達系は、薬物溶解速度やゲルマトリックス侵食速度を変調させることにより放出プロフィールや個別の送達系を変更又は改善してきた。
【0043】
ブロックコポリマーがゲル化温度未満の温度で溶ける濃度は、機能濃度とみなしてよい。一般的に言えば、3重量%〜約50重量%までのブロックコポリマー濃度が使用可能であり、依然として機能的であり得る。しかしながら、約5〜40%の範囲の濃度が好ましく、約10〜30重量%の範囲の濃度が最も好ましい。本コポリマーで実施可能なゲル相転移を得るためには、ある最低濃度、例えば3重量%が必要とされる。より低い機能濃度範囲では、相転移が弱いゲルの形成をもたらす場合がある。より高い濃度では、強いゲルネットワークが形成される。
【0044】
ポリマーゲルは、本明細書にすべて援用される、出願中の米国特許出願第09/396,589号(1999年9月15日出願)に開示される通り調製できる。生物活性剤を保持する微粒子も、当該技術分野において知られた方法に従って調製できる。薬物/微粒子の水性溶液は、ゲル化温度未満で、薬物が部分的に又は完全に溶けうる薬物/微粒子送達液を生じる。薬物/微粒子が部分的に溶けている場合、又は、薬物/微粒子が本質的に不溶性である場合、薬物を保持する微粒子は、懸濁液又はエマルジョン等のコロイド状態で存在する。次いで、この薬物/微粒子送達液は、患者へ非経口、局所、経皮、経粘膜的に投与されるか、又は眼、膣、経尿道、直腸、鼻、経口、頬内、肺、若しくは耳への投与のように空腔内へ吸入又は挿入され、そこで逆熱ゲル化又は他の刺激応答性ゲル化を受ける。
【0045】
ポリマーの in vivo 分解の主たる機序は加水分解的な分解によるものであり、ここで酵素がある役割を担いうる。加水分解的な分解に影響を及ぼす重要な因子には、水浸透性;化学構造;分子量;モルフォロジー;ガラス転移温度;添加剤;及び、pH、イオン強度、移植部位、等のような他の環境因子;が含まれる。持続送達の期間は、ポリマー及び加工法の適切な選択により、当業者によって数日〜1年まで調整することが可能である。
【0046】
生物学的活性剤の放出は、通常3相性(tri-phase)である。これは、微粒子の表面又はその付近に存在する薬剤の初期バースト又は即時放出;放出速度が遅いか又は時には生物活性剤が放出されない間の第二相;及び、侵食が進行するにつれて生物学的活性剤の残余のほとんどが放出される間の第三相;を含む。どの薬剤も、当該技術分野で知られる通り、それが微粒子中でのマイクロカプセル化に適している限り、本発明に記載される送達系を利用することができる。
【0047】
好ましくは、本発明の送達系のポリマーゲル及び/又は微粒子は生体適合性で生分解性であるので、宿主に対する有毒な効果及び刺激は最小限にとどまる。薬物放出プロフィールは、様々なゲル形成性ポリマー又はコポリマーブロックの適切な設計及び調製により制御し改善することができる。ポリマーゲルの放出プロフィールは、個々のゲル系及びブレンド中における個々のゲル系の比率を選択することにより、ゲルブレンドの調製を介して変更してもよい。薬物放出は、薬物送達液中のゲルブレンドの濃度の調整によっても制御可能である。本発明においては、逆熱ゲル化特性を有するポリマー又はその混合物若しくはブレンドを使用することが好ましいが、所望のゲル化特性を有する2以上のゲルのブレンドも本発明の範囲内にある。
【0048】
追加又は第二の薬剤も、微粒子及び/又はポリマーゲルマトリックスの中へ添加してよい。第二の薬剤は、微粒子及び/又はゲルの調節剤であってもよく、生物学的環境中へ同じか又は異なる放出速度で放出される第二の生物活性剤であってもよい。
【0049】
どのくらい多くの薬物を微粒子中へ添加することができるか、そしてそのような薬物を保持する微粒子のどのくらい多くをポリマーゲル中へ添加することができるかということに関する唯一の限界は機能性の1つである;即ち、微粒子構造、及び/又はポリマー若しくはコポリマーのゲル化特性が許容されない程度に不都合な影響を受けるまで、あるいは該系の投与が許容されないほど困難になる程度に該系の特性が悪影響を受けるまで、薬物/微粒子の添加量を増やしてよい。一般的に言えば、約0.0001〜30重量%の薬物が微粒子中へ添加可能であり、0.001〜20%が最も一般的である。換言すると、薬物を添加した微粒子は、約0.0001〜30重量%の薬物含量を有することが可能であり、0.001〜20%の重量が最も一般的である。いずれの場合でも、薬物を保持する微粒子/ゲルは、非経口、局所、経皮、経粘膜的に投与してもよく、又は眼、膣、頬内、経尿道、直腸、鼻、経口、肺、若しくは耳への投与のように空腔内へ吸入若しくは挿入してもよい。
【0050】
本発明は、オリゴヌクレオチド、ホルモン、抗癌剤を含む全ての種類の生物活性剤及び薬物へ適用可能であり、それはポリペプチド及びタンパク質を送達するための非常に有効な方式を提供する。多くの不安定なペプチド及びタンパク質薬物を、微粒子及び/又はゲルポリマー若しくはブロックコポリマーへ製剤化することができ、本明細書に記載の逆熱ゲル化法の利益を受ける。以下のものに特に限定されるものではないが、製剤的に有用なポリペプチド及びタンパク質の例は、エリスロポエチン、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮増殖因子、血小板由来増殖因子(PDGF)、プロラクチン、ルリベリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン(ヒト、ブタ、ウシ等)、成長ホルモン放出因子、インスリン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターロイキン−2、インターフェロン−α、β、又はγ、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストロン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンジオテンシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージ−コロニー刺激因子(M−CSF)、へパリナーゼ、骨形成タンパク質(BMP)、hANP、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、インターロイキン−12(IL−12)、VEG−F、組換えB型肝炎表面抗原(rHBsAg)、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、シクロスポリン、及びこれらの合成類似体、修飾体(modifications)、及び薬理学的に活性な断片、酵素、サイトカイン、抗体、及びワクチンからなる群より選択することができる。
【0051】
利用可能であるポリペプチド又はタンパク質薬物にとっての唯一の限界は、機能性の1つである。一部の事例において、ポリペプチド及びタンパク質の機能性又は物理的安定性は、該ポリペプチド又はタンパク質薬物の水性溶液又は懸濁液への様々な添加物の添加によっても高めることができる。ポリオール(糖を含む)、アミノ酸、界面活性剤、ポリマー、他のタンパク質、及び特定の塩等の添加剤が使用可能である。これらの添加剤は、本発明の微粒子/ポリマーゲル系の中へ容易に取込むことが可能であり、これは次いでゲル化プロセスに付される。
【0052】
タンパク工学における発展は、ペプチド又はタンパク質の本来の安定性(inherent stability)を高める可能性をもたらしうる。こうして生じる工学処理又は修飾されたタンパク質は、規制上の意味(regulatory implication)に関しては新規な実体とみなされることもあるが、そのことは本発明における使用へその適格性を改変するわけではない。典型的な修飾の例の1つはPEG化であり、ここでは、ポリエチレングリコール等の水溶性ポリマーをポリペプチドと共有的に接合することによって、ポリペプチド薬物の安定性を有意に向上させることができる。別の例は、末端及び/又は内部の付加、欠失、又は置換により、1以上のアミノ酸残基の同一性又は位置についてアミノ酸配列を修飾することである。安定性におけるいかなる改善も、薬物送達液の患者への単回投与の後で、治療上有効なポリペプチド又はタンパク質が長期化された時間にわたり連続的に放出されることを可能にする。
【0053】
ペプチド又はタンパク質をベースとする薬物や生物活性剤だけでなく、延長された期間の間に制御された方式で所望の環境へ送達されることが求められる他のどの薬剤も、本発明の系において利用可能である;例えば、魚介タンクにおける餌放出系、又は肥料/養分放出系。ここでも、唯一の限界は、薬剤、微粒子、及びポリマーゲル間の適合性である。
【0054】
ポリマーゲルは、即時使用の溶液として予め溶かしてもよく、水性キャリアを用いて復元する必要がある粉末の形態であってもよい。次いで、この溶液を投与前に微粒子と混合する。
【実施例】
【0055】
本発明は、以下の実施例を参照にしてさらに説明することができる。
実施例1
本実施例は、微粒子−逆熱ゲル化(RTG)剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vitro)を説明する。
【0056】
代表的なヒト成長ホルモン薬であるZn−hGHを、本明細書にすべて援用される米国特許第5,100,669号に記載の方法を使用してポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェア中へ取込んだ。約10mgのミクロスフェアをバイアル中で秤量し、このバイアルへ100μLのRTG溶液(10mM HEPES緩衝液(pH7.0)中20%)を加え、粒子を懸濁させた。次いで、このRTGゲルを37℃オーブンにセットし、1mLの溶解媒体(100mM HEPES,pH7.4+0.02% TWEEN−20,37℃)を加えた。対照は、RTGのない溶解媒体に懸濁した同一のミクロスフェアであった。これらのバイアルを37℃オーブンにおいてインキュベートした。緩衝液を定期的に交換し、放出されるhGHの量をHPLCにより決定した。この結果を図1に示す。
【0057】
図1に説明されるデータは、RTGに懸濁されたものからではバーストが<20%であるのと比べ、RTGが存在していない場合には添加された薬物の>80%に相当するバーストが観察されたことを示す。従って、本発明のRTG−微粒子系が微粒子送達系の初期バースト効果を有効に抑制したことが明らかである。
【0058】
実施例2
本実施例は、微粒子−逆熱ゲル化(RTG)剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。
【0059】
亜鉛hGH(12%)ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェア(160mg)を1.5mLのRTG(10mM HEPES中20%、pH6.5)に懸濁させる。3匹の免疫抑制ラットそれぞれに、背側面領域においてこの製剤の0.3mL皮下注射液を与える。対照群のラットには同量のミクロスフェアを与えるが、キャリアは通常の生理食塩水である(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)。24ゲージ注射針を使用すると、RTG製剤を円滑に注射可能である(RTGの優れた加湿及び懸濁能力による)のに対し、対照群ではこの注射針の詰まりがよく起こることに注意すべきである。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。RTG製剤を与えたラットの血漿hGHプロフィールは、対照群から得られるものよりもずっと小さなhGHの初期バーストを示す。バーストは、最初の24時間において放出されるhGH(曲線下面積)の百分率として定義する。RTG群の消失速度は、対照より有意に低い。RTG群の血漿hGHレベルも4週間より長い間、治療レベルより高く維持されるが、対照群のレベルは約2〜3週続く。さらに、処置群のAUC(曲線下面積)により決定される生体利用効率は、対照群のそれより約50%高い。
【0060】
実施例3
本実施例は、微粒子−Pluronic(登録商標)F127剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。Pluronic(登録商標)は、酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマーについてのBASFの登録商標である。酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマーは生分解性ではない。
【0061】
本実施例においては、RTGの代わりにPluronic(登録商標)F127(10mM HEPES中20%、pH6.5)を使用することを除き、実施例2の記載と同様の製剤を使用する。対照群のラットに同量のミクロスフェアを与え、キャリアは通常の生理食塩水である(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)。23ゲージ注射針を使用すると注射は円滑である。栓形成にも詰まりにも直面しない。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。微粒子−Pluronic(登録商標)製剤を与えたラットの血漿hGHプロフィールは、対照群から得られるものよりずっと小さなhGHの初期バーストを示す。
【0062】
実施例4
本実施例は、微粒子−Tetronic(登録商標)1307剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。Tetronic(登録商標)は、アミンをベースとするブロックコポリマーについてのBASFの登録商標である。
【0063】
本実施例においては、Pluronic(登録商標)の代わりにTetronic(登録商標)1307(10mM HEPES中30%、pH6.5)を使用することを除き、実施例3の記載と同様の製剤を使用する。対照群のラットに同量のミクロスフェアを与え、キャリアは通常の生理食塩水である(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)。23ゲージ注射針を使用すると注射は円滑である。栓形成にも詰まりにも直面しない。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。微粒子−Tetronic(登録商標)製剤を与えたラットの血漿hGHプロフィールは、対照群から得られるものよりずっと小さなhGHの初期バーストを示す。
【0064】
実施例5
本実施例は、微粒子−Carbomer940剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。Carbomerは、カルボポール、又はカルボキシビニルポリマーとしても知られている。
【0065】
本実施例においては、Pluronic(登録商標)F127の代わりにCarbomer940(10mM HEPES中0.5%、pH6.0)を使用することを除き、実施例3の記載と同様の製剤を使用する。対照群のラットに同量のミクロスフェアを与え、キャリアは通常の生理食塩水である(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)。23ゲージ注射針を使用すると注射は円滑である。栓形成にも詰まりにも直面しない。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。微粒子−Carbomer940製剤を与えたラットの血漿hGHプロフィールは、対照群から得られるものより相対的に小さなhGHの初期バーストを示す。
【0066】
実施例6
本実施例は、非生分解性ミクロスフェア−RTG薬物送達系の調製及び薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。
【0067】
エチルセルロース(1.5g)をコンテナにおいて3mLのアセトニトリルに溶かす。次いで、このコンテナへZn−hGH(150mg)を加え、この混合物を、2%レシチンを含有する75gの鉱油中で乳化する。この混合物を、オーバーヘッドスターラーを使用しフード中で16時間より長い間撹拌(900RPM)する。コンテナのヘッドスペース全体に窒素(0.2μフィルターで濾過した)を通し、溶媒を除去する。粒子を静置して、鉱油を除去する。次いで、このコンテナへヘキサンを加え、濾過によりミクロスフィアを採取する。微粒子をヘキサンで洗浄し、残留溶媒を真空により除去する。120メッシュ篩いを通過する粒子を採取する。100mgのミクロスフェアを1mLのRTG(20%)溶液に懸濁させる。各ラット(n=3)に300μLの懸濁液を与える。対照群のラット(n=3)には、通常の生理食塩水(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)に懸濁した同量の微粒子を与える。血液サンプルを尾静脈より定期的に採取する。血漿hGHレベルをRIAにより決定し、RTG製剤を与えたラットにおいて対照よりも初期バーストが実質的に低いことを示す。
【0068】
実施例7
本実施例は、ミクロスフェア−RTG薬物送達系の調製及び薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明し、ここで微粒子が第一の薬物を含有し、ゲルマトリックスが第二の薬物を含有する。
【0069】
エリスロポエチン(アムジェンからのEpogen(登録商標)ブランド)を、本明細書に援用される米国特許第5,674,534号に記載の方法を使用してポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェア中へ取込む。約100mgのEpogen(登録商標)ミクロスフェア(Epogen(登録商標)添加量は10%である)を、3mgの顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)を含有する1mLのRTG溶液(10mM HEPES緩衝液中20%、pH7.0)に懸濁させる。各ラット(n=6)に300μLの製剤を与える。対照群のラット(n=6)に、試験群と同量のG−CSFを含有する通常の生理食塩水(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)中のEpogen(登録商標)ミクロスフェアの同量を与える。24ゲージ注射針を使用するとRTG製剤は円滑に注射可能である(RTGの優れた加湿及び懸濁能力による)のに対し、対照では注射針の詰まりがよく起こることに注意すべきである。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のEpogen(登録商標)及びG−CSF濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。RTG製剤を与えたラットの血漿プロフィールは、対照群から得られるものよりずっと小さなEpogen(登録商標)及びG−CSFの初期バーストを示す。微粒子−RTG製剤におけるこれら薬物の消失速度は、対照より有意に低い。
【0070】
各群の3匹のラットを注射後24時間目に屠殺する。試験群ではすべての微粒子がRTG中に捕捉されていて、一対のピンセットによって容易に確認して除去することが可能であるのに対し、対照群では微粒子が分散していて除去することが非常に困難であることがわかる。
【0071】
実施例8
本実施例は、薬物が微粒子及びゲルマトリックスの両方に添加されているミクロスフェア−RTG薬物送達系の調製及び薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。
【0072】
実施例1に記載される通り調製した、Zn−hGHを添加した100mgのミクロスフェア(10%添加量)を、1mgのhGHを含有する1mLのRTG溶液(10mM HEPES緩衝液中20%、pH7.0)に懸濁させる。各ラット(n=3)に300μLのミクロスフェア−RTG製剤を与える。対照群のラットに、同量のhGHを含有する通常の生理食塩水(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)中のミクロスフェアを同量を与える。24ゲージ注射針を使用するとRTG製剤を円滑に注射可能である(RTGの優れた加湿及び懸濁能力による)のに対し、対照では注射針の詰まりがよく起こることに注意すべきである。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。RTG製剤を与えたラットの血漿プロフィールは、対照群より低くて広い初期hGHピークを示す。RTG群における薬物の消失速度も、対照より有意に低い。
【0073】
実施例9
本実施例は、微粒子−RTG薬物送達系の調製及び薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明し、ここで一部の微粒子が第一の薬物を含有し、一部の微粒子が第二の薬物を含有する。
【0074】
エリスロポエチン(Epogen(登録商標))を、本明細書に援用される米国特許第5,674,534号に記載の方法を使用してポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェアへ10%(w/w)の添加量で取込む。それとは別に、同じ方法を使用して、G−CSFをポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェアへ(10%添加量で)取込む。Epogen(登録商標)含有ミクロスフェアとG−CSF含有ミクロスフェアの両方(それぞれ50mg)を、1mLのRTG溶液(10mM HEPES緩衝液中20%、pH7.0)に一緒に懸濁させる。各ラット(n=3)にこの製剤の300μLを与える。対照群のラットに、同量のG−CSF又はEpogen(登録商標)を含有する通常の生理食塩水(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20を含む)中のミクロスフェアの同量を与える。24ゲージ注射針を使用すると、RTG製剤を円滑に注射可能である(RTGの優れた加湿及び懸濁能力による)のに対し、対照では注射針の詰まりがよく起こることに注意すべきである。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のEpogen(登録商標)及びG−CSF濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。RTG製剤を与えたラットのEpogen(登録商標)及びG−CSFの初期バーストは、対照群から得られるものより小さい。
【0075】
本発明を特定の好ましい態様を参照にして記載してきたが、当業者には、本発明の趣旨から逸脱せずに様々な修飾、変更、省略、及び置換をなし得ることが理解されよう。従って、本発明は、以下の請求項の範囲によってのみ制限されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】逆熱ゲル化(RTG)系が、ヒト成長ホルモン(hGH)のZn−hGH/PLGミクロスフェア(100mM HEPES,pH7.4,37℃)からの溶解に及ぼす効果。RTGのあるサンプル(■)とRTGのないサンプル(▲)。
【0001】
発明の分野
本発明は、in vitro 又は in vivo 環境内での生物活性剤の長期化され及び制御された放出を可能にする生物活性剤送達系へ向けられる。より具体的には、本発明は生分解性ゲルマトリックス及び微粒子系を含み、ここで微粒子は生分解性ゲルマトリックスに埋込まれ、それから生物活性剤が制御された方式で放出される。生物活性剤は、微粒子の内部だけに配置してもよく、微粒子及びゲルマトリックスの両方の内部に配置してもよい。
【背景技術】
【0002】
背景
遺伝子治療や様々な治療応用に有効な、ペプチド/タンパク質及びDNA等の多くの生物学的に活性な高分子は、組換えDNAや他の技術の進歩により商業的に利用可能になった。しかしながら、これらの分子は、胃腸管における分解を受けやすいために、非経口投与に限られている。慢性の疾患又は症状の治療では、1日に数回の注射が数日又は数ヶ月にわたり必要とされる場合がある。服薬遵守性(patient compliance)は、通常不良である。従って、上記の問題を伴わずに、生物活性剤又は薬物、特にポリペプチド又はタンパク質の薬物を持続された期間にわたり制御された速度で送達する系を開発することは、きわめて望ましい。この系は、治療効果を最適化し、副作用を最小化し、それにより服薬遵守性を向上させるのに役立つ。
【0003】
生分解性ポリマーを使用して定常レベルの投薬を維持する試みが最近かなり注目を浴びてきた。これらのポリマーは生分解性であり、医薬品が尽きた後で回収を必要としない。よって、それらは、薬物をその内部にカプセル化したミクロスフェア、マイクロカプセル、又はナノスフェアへ加工することができる。生物活性剤を微粒子担体へ取込む様々なマイクロカプセル化技術が当該技術分野で教示されている。例えば、米国特許第4,652,441号;5,100,669号;4,438,253号、及び5,665,428号を参照のこと。
【0004】
しかしながら、微粒子送達系の投与の直後には、薬物のバースト(burst)放出がしばしば観察される。微粒子送達系からの薬剤の放出は、デバイスの表面からの初期バースト放出を含む。微粒子系のバースト効果から生じる、正常の治療レベルよりずっと高い医薬品の血中レベルは、嘔吐、吐き気、譫妄、そして時には死といった副作用を引き起こす場合がある。ポリマーマトリックスが破局的に侵食されるときにも同様の状況が起こり得る。さらに、微粒子投与形は、有害作用が起こったとしても、回収可能ではない。
【0005】
従って、生体適合性で環境に鋭敏なポリマーゲルマトリックスに微粒子を取込むことによって「バースト放出」問題を抑える生物活性剤送達系を提供することは、望ましいであろう。この場合、ポリマーゲルは、生物活性剤の第二の放出バリアーとして作用し、バースト放出の効果を抑える。本発明の微粒子−ポリマーゲルの生物活性剤送達系は、微粒子又はポリマーゲルのいずれか単独よりも優れた生物活性剤送達の制御を提供する。さらに、微粒子が捕捉されて局在化しているので、微粒子−ゲル系の回収は、必要とされるならば、相対的に容易である。
【発明の開示】
【0006】
発明の目的及び要約
本発明は、ゲル化溶液に懸濁した薬物含有微粒子を含む、改善された生物活性剤送達系を提供する。ヒト又は他の温血動物の体内へ投与されると、該系はゲル化デポーを生じ、薬物含有微粒子をその中に捕捉する。
【0007】
本発明はまた、親水性及び疎水性薬物、タンパク質及びペプチド薬物、並びにオリゴヌクレオチドを延長された期間にわたって非経口投与するための制御された薬物送達系を提供する。
【0008】
本発明の薬物送達系は、微粒子送達系に関連した「バースト」効果を抑制し、生体利用効率と作用の時間を改善する。本発明はまた、微粒子を有効に懸濁させ、皮下注射針が投与の間に栓形成すること(plugging)を防ぐことが可能な投与形を提供する。
【0009】
本発明の1つの側面は、外科的除去が必要となるか又は処方された場合には確認して回収することが容易であるゲルデポー中に微粒子を配置する剤形を提供することである。
本発明の別の側面は、生物活性剤含有微粒子を配置し、酵素分解からそれを保護する生物活性剤送達系を提供することである。
【0010】
本発明の別の側面は、実施者が生物活性剤の生物学的環境への放出を変調することができる生物活性剤送達系を提供することである。
本発明のさらなる側面は、親水性及び疎水性薬物、ペプチド及びタンパク質薬物、ホルモン、遺伝子、オリゴヌクレオチド、並びに抗癌剤の非経口投与用の薬物送達系を提供することである。
【0011】
本発明は、2つの生物活性剤送達技術、即ち微粒子送達及びポリマーゲル送達を組み合わせた、改善された生物活性剤送達系を提供する。本発明の生物活性剤送達系はゲルマトリックス及び微粒子系を含み、ここで微粒子系はゲルマトリックスに埋込まれる。送達される1以上の薬剤は、微粒子の中だけに配置してもよく、微粒子及びゲルマトリックスの両方の中に配置してもよい。本発明の微粒子−ゲル送達系は、長期化された期間にわたり、相対的に一定の速度で薬剤を放出することができる。該系の放出プロフィールは、微粒子及び/又はゲル組成を改変させることによって変更可能である。ゲル溶液は界面活性であり、通常の生理食塩液よりわずかに粘稠である。従って、それは湿潤剤であり、同時に、微粒子のために優れた懸濁剤となり得る。この懸濁液は、相対的に小さいゲージの注射針を使用する際、詰まり(clogging)を伴わずに円滑に注射することができる。注射の後で、ゲルが定着し、その中に懸濁した微粒子を局在化する。微粒子中にカプセル化された薬剤は微粒子から放出された後で、ゲルマトリックスを通って移動し、生物系に入らなければならない。従って、微粒子送達系に関連した即時放出又はバーストを、抑制及び変調させることができる。これら2つの系からの薬剤の放出速度はまったく異なる場合があるので、微粒子をゲル相に埋込むことは、薬剤のさらなる変調と経済的な使用を提供する。この利益には、いずれかの系を単独使用する場合よりも高い生体利用効率及び長い作用時間が含まれる。さらに、この組合せ系は、微粒子投与形の安全性を向上しうる。微粒子がゲルにより局在化されるので、何れの理由であってもこの医薬品送達を終了させることが決定された場合には、それらは外科的に回収可能である。
【0012】
マイクロカプセル、ミクロスフェア、及びナノスフェアを含む人工又は天然の微粒子は、身体へ送達される生物活性剤を含有する。これらの微粒子により含有されて放出されうる何れの生物作用剤も使用可能である。次いで、この微粒子を、該微粒子及び/又は生物活性材料を生物学的環境の内部に制御された方式で放出することできる生体適合性ポリマーゲルの中へ取込む。
【0013】
本発明の追加の目的及び利点は、以下の要約と本発明を構成する様々な態様の詳細な説明から明らかになろう。
発明の詳細な説明
所望の生物活性剤を生物学的環境へ放出する、微粒子を含有する生体適合性ポリマーゲル、ポリマーゲル、及び/又はその両方を含む本発明を開示して記載する前に、本発明は、本明細書に開示される特別の方法工程及び材料に限定されないと理解されるべきである。こうした方法工程及び材料がある程度変動する可能性があるからである。また、本発明の範囲は添付の特許請求項とその均等物によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は特別の態様を記載する目的のためだけのものであり、限定的であることを意図していないと理解されるべきである。
【0014】
本明細書に使用される以下の用語は、指定された意味を有する:
単数形の「a」、「an」、及び「the」(不定冠詞と定冠詞)には、内容が明らかにそうでないことを述べていなければ、複数の指示物が含まれる。
【0015】
「生体適合性」は、温血動物若しくはヒトの身体における使用に適している任意の物質を意味する。
「生分解性」は、生物活性剤が放出された後でか又は放出されている間に、ポリマーゲル及び微粒子が体内で無毒の成分へ破壊されるか又は分解し得ることを意味する。
【0016】
「非経口」は、筋肉内、腹膜内(intraperitoneal)、腹腔内(intra-abdominal)、皮下、及び実施可能な程度に、静脈内及び動脈内を意味する。
「生物活性剤」、「生物−活性剤」、又は「薬剤」は、タンパク質、ペプチド(ポリペプチド及びオリゴペプチドを含む)、ホルモン、ワクチン、オリゴヌクレオチド、核酸、ステロイド、抗生物質、抗体、生細胞、組織由来組成物、及び他の製剤的に活性な薬剤を含む、任意の薬物、有機化合物、物質、栄養分、又は生物学的に有益な薬剤を意味する。好適な薬物は、メルクインデックス、「医薬便覧(Physicians Desk Reference)」、及び「治療薬の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therepeutics)」等の周知の参考文献に記載される。特定の薬剤の簡略な列挙は例示目的のためにのみ提供するのであって、限定的なものとみなしてはならない:マイトマイシン、ブレオマイシン、BCNU、カルボプラチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、メトトレキセート、パクリタキセル、タキソテレ(taxotere)、アクチノマイシンD、及びカンプトテシン等の抗癌剤;アランザピン及びジプラシドン等の抗精神病薬;セフォキシチン等の抗菌剤;イベルメクチン等の駆虫薬;アシクロビル等の抗ウイルス薬;シクロスポリンA(環状ポリペプチド型の薬剤)等の免疫抑制薬、ステロイド、プロスタグランジン。
【0017】
「ペプチド」、「ポリペプチド」、「オリゴペプチド」、及び「タンパク質」は、ペプチド又はタンパク質の薬物へ言及する場合に交換可能的に使用され、特に断らなければ、特別の分子量、ペプチドの配列又は長さ、生物活性の場、又は治療目的に関して限定されない。
【0018】
「生物学的環境」は、in vitroであれin vivoであれ、生物学的活性が生物活性剤の放出により制御され得るあらゆる環境を意味する。好ましくは、生物学的環境は、ヒトを含む温血動物に関連する。
【0019】
「微粒子」には、体内に放出される生物活性剤を含有することが可能な何れの粒子も含まれ、天然であっても人工であっても、マイクロカプセル、ミクロスフェア、及びナノスフェア等のような特殊化した形態が含まれる。
【0020】
「マイクロカプセル」、「ミクロスフェア」、及び「ナノスフェア」は、一般に、生物活性剤を含有して放出するために使用される高度に設計されて加工処理された微粒子を指す。
【0021】
「ゲル」は、ポリマー又はコポリマーのゲル化の条件が満たされる際に自発的に生じる半固体相を意味する。
「ポリマーゲル」は、生物学的環境内に投与された場合、ある期間の間はゲル化特性を示すが、その環境中に存在しない条件下では液体であり得る、あらゆるポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー等を意味する。
【0022】
「熱感受性ポリマーゲル」は、温度に依存して液体状態又はゲル状態を示すことが可能である任意のポリマーゲルを意味する。
用語「ゲル化温度」又は「ゲル/ゾル温度」は、溶液が転移してゲルになるときの温度を意味する。
【0023】
「逆熱ゲル化(reverse thermal gelation)」(RTG)又は「逆熱ゲル化系」(RTG系)は、逆熱ゲル化特性を有する、即ちゲル化温度より低い温度では溶液であり、それ以上のときはゲル状態へ転移する生分解性ブロックコポリマーに関連する。RTG系の詳しい記載は、本明細書にすべて援用される、出願中の米国特許出願第09/396,589号(1999年9月15日出願)に開示されている。
【0024】
「RTG混合物」又は「RTGのブレンド」は、異なるブロックポリマー比、分子量、ゲル化温度等を有する2種類以上のトリブロックコポリマーのブレンドを含むRTG系に関連する。RTG混合物又はブレンドは、個別のすでに合成された2以上のポリ(エチレングリコール)をラクチド、グリコリド、カプロラクトン等と単に混合して新たなRTG系を形成することによって作製することもでき、2以上のブロックコポリマーを反応させて混合RTG系を合成することによって作製することもできる。上記の物理的な混合法又は化学的な反応方法によって調製されるRTG混合物又はブレンドは、ゲル化特性及びゲル品質が同じであっても異なってもよい。
【0025】
「ポリマー溶液」、「水性溶液」等は、こうした溶液に含有される生分解性ポリマー又はブロックコポリマーに関連して使用される場合、ゲル形成性のブロックコポリマーが機能濃度(functional concentration)でそこに溶解していて、ゲル形成が起こらないように非ゲル化温度に維持されている、水ベースの溶液を意味する。
【0026】
「生分解性ポリエステル」は、好ましくは、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−カプロラクトン、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸からなる群より選択されるモノマーから合成される生分解性ポリエステル及びこれらのコポリマーに関連する。
【0027】
「逆熱ゲル化」は、溶液の温度がコポリマーのゲル化温度よりも上昇するとブロックコポリマーの溶液が自発的に粘度を増加し、多くの場合、半固体ゲルへ転換する現象である。本発明の目的では、用語「ゲル」には半固体ゲル状態と、ゲル化条件が満たされるときに存在する高粘性状態の両方が含まれる。ゲル化温度未満へ冷却されると、このゲルは自発的に逆戻りして、より低粘度の溶液を再形成する。ゾル/ゲル転移がポリマー系の化学組成において何れの変化も伴わないので、溶液とゲルとのこのサイクルは繰り返すことが可能である。ゲルを創出する相互作用はいずれも本質的に物理的であり、共有結合の形成も切断も伴わない。
【0028】
「微粒子−薬剤送達液」、「逆熱ゲル化特性を有する微粒子−薬剤送達液」、又は「刺激応答性ゲル化環境を有する微粒子−薬剤送達液」は、送達される薬剤、例えば、温血動物への投与に適した薬物(薬剤そのものは溶解していても、コロイド状であってもよい)を保持する微粒子を含有し、ブロックコポリマーのゲル化温度より(ポリマーの特性に依存して)上か若しくは下へ温度を変化させる場合、又は他のゲル化条件が満たされる場合に、ゲル化した微粒子/薬物デポーを生じるポリマー溶液を意味する。
【0029】
「デポー」は、ゲル化温度より(ポリマーの特性に依存して)上か又は下へ温度を変化させた場合、又は他のゲル化条件が満たされる場合に、温血動物へ投与した後に微粒子−薬剤送達液から生じるゲルを意味する。
【0030】
上記の定義に鑑み、不当に狭い限定をすることなく、本発明は、ゲル化溶液に懸濁した薬物含有微粒子送達系を含む生物活性剤送達系という組成物と、それを調製する方法とへ向けられる。本組成物は、投与されるとゲル化してデポーを生じ、その中に取込まれる薬物と一緒に微粒子を捕捉する。場合により、この微粒子及び/又はゲルマトリックスに、第二の生物活性剤を含有させてもよい。
【0031】
本発明の微粒子は、生物学的環境の内側に入るとゲルであるか又はゲルになるポリマーの内部にインタクト(intact)なまま混入させることが可能である限りにおいて、当該技術分野で今日知られるマイクロカプセル、ミクロスフェア、又はナノスフェアであってよい。
【0032】
本発明の微粒子は、生物学的活性剤がその中に分散又はカプセル化されているポリマーマトリックスを含む。これらのポリマーは、非生分解性でも生分解性でもよい。非生分解性であるが生体適合性であるポリマーには、シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリスチレン(PST)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリエチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリアミド、その他が含まれる。これらのポリマーは有効であることもあるが、それらは生物学的活性剤が尽きた後で体内に残存する。必要なときは、それらを外科的に除去しなければならない。
【0033】
逆に、生分解性ポリマー、及び/又は吸収可能なポリマーを担体として使用するとき、該担体は、生物学的活性剤の放出と同時か又はそれに後続して体内で徐々に分解されるか又は吸収される。従って、本発明において生分解性ブロックコポリマーを使用することが好ましい。持続放出に適した生分解性ポリマーには、ポリラクチド、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド(D, L-lactide-co-glycolide))、ポリグリコリド、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、及びポリ(アミノ酸)、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリホスファジン、ポリ無水物、ポリエステルアミド、ポリ(シアノアクリル酸アルキル)とこれらのブレンド及びコポリマー等の生分解性ポリエステルが含まれる。より好ましい態様において、ポリマーは生分解性ポリエステル又はポリエステルコポリマーである。最も好ましい態様において、ポリマーは、5,000〜70,000ダルトンの間の分子量を有し、ラクチド対グリコリドの比が1:1〜1:0である、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)である。ポリマーの末端基は、低分子量の有機残基でキャッピングしても、キャッピングしなくてもよい。
【0034】
生物活性剤を微粒子担体へ取込むために使用される多くのマイクロカプセル化技術が当該技術分野において教示されている(米国特許第4,652,441号、5,100,669号、4,438,253号、及び5,665,428号)。通常利用される方法には:(a)相分離と後続の有機溶媒蒸発(O/Wエマルジョン、W/Oエマルジョン、O/O’エマルジョン、及びW/O/Wエマルジョンを含む)、(b)コアセルベーション、(c)溶解分散、(d)スプレー乾燥、(e)スプレー凝固、(f)気中懸濁コーティング;及び(h)パン・コーティングが含まれる。
【0035】
温度感受性生体適合性ポリマーのゲルマトリックスとしての使用は、本発明の好ましい態様である。例えば、生理学的温度(約37℃)でゲルであり、生理学的温度より上か又はそれ未満では液体である熱ゲル化特性を有するブロックコポリマーは、機能的であろう。逆熱ゲル化特性を有するゲルの場合、ブロックコポリマーは、ゲル化温度未満の温度では液体であり、ゲル化温度より上ではゲルを生じる。逆に、従来の熱ゲル化特性を有するブロックコポリマーは、ゲル化温度より上で液体であり、ゲル化温度以下でゲルになる。
【0036】
逆ゲル化特性を有する生体適合性ポリマーが本発明に最も好ましい。例えば、逆熱ゲル化特性を有する生体適合性ブロックコポリマーを使用するとき、生物活性剤を含有する微粒子は、室温のような生理学的温度未満でブロックコポリマーに添加することが可能であろう。こうしたブロックコポリマーは冷却されるときに水に溶けるので、微粒子を溶液内に容易に添加することができる。さらに、ブロックコポリマー溶液は、投与されると一度ゲル状態になり、微粒子を保持して生物活性剤を放出することができる。生物学的環境に入るためには、微粒子中に被包された薬剤は、微粒子によりもたらされるバリアーと、ゲルマトリックスによりもたらされるバリアーとを克服しなければならない。微粒子を添加する際にブロックコポリマーがゲル状態にあれば、微粒子をゲルマトリックスの中へ取込むことはずっと困難であろう。さらに、ブロックコポリマーが生理学的温度で液体であれば、この液体コポリマーは、微粒子を保持することができない。生物活性剤はおそらく微粒子から即座に放出されるだろう。従来の熱ゲル化特性を示すポリマーは、同様に機能することだろう。唯一の違いは、生理学的温度より上で、即ち、液体状態にあるときに微粒子に添加することが可能であり、体温まで冷やしたときにゲル形成をもたらすことであろう。
【0037】
他の特性を示す生体適合性ポリマーも使用可能であることに注意することは重要である。熱感受性ポリマー又はゲルは、単に好ましい態様として上に記載される。しかしながら、pH、イオン強度、溶媒、圧力、応力、光度、電場、磁場、ゲル化剤、及び/又はグルコース等の特定の化学トリガーにおける変化へ応答するような他の環境的感受性ポリマーも使用可能である。決定的な要素は、ポリマーが体内にある時間の間、ゲル状態にあることである。さらに、どのポリマーゲル及び/又は微粒子を使用すべきかを考慮するとき、生物活性剤放出への抵抗性も重要な検討事項である。ある生物活性剤で非常に長期化した均一の放出が所望される場合、より強くより均一な抵抗性(即ち、生物活性剤のより長期化した均一の放出)を有するゲル及び微粒子を選択すべきである。このように、生物活性剤をいかに送達するのが望ましいのかに基づいて、ポリマーゲル及び微粒子を慎重に選択すべきである。
【0038】
本発明での使用に適したポリマーゲルは、ABA又はBABタイプのブロックコポリマーを含み、ここでAブロックは生分解性ポリエステルを含む相対的に疎水性のAポリマーブロックであり、Bブロックはポリエチレングリコール(PEG)を含む相対的に親水性のBポリマーブロックである。Aブロックは、好ましくは、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L−ラクチド、D,L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸、グリコリド、グリコール酸、ε−カプロラクトン、ε−ヒドロキシヘキサン酸、γ−ブチロラクトン、γ−ヒドロキシ酪酸、δ−バレロラクトン、δ−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸からなる群より選択されるモノマーから合成される生分解性ポリエステル又はそれらのコポリマーであり、BブロックはPEGである。最も好ましい態様において、Aブロックはポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)からなり、BブロックはPEGである。好ましくは、トリブロックコポリマーは300及び20000ダルトンの間の平均分子量を有し、約10〜83重量%のAブロックポリマーを含有する。より好ましくは、トリブロックコポリマーは500及び5000ダルトンの間の平均分子量を有し、約51〜83重量%のAブロックポリマーを含有する。
【0039】
ポリマーゲルは、好ましくは生分解性であり、低い温度で水溶性を示し、生理学的な哺乳動物の体温で逆熱ゲル化を受ける。さらに、これらポリマーゲルは生体適合性であり、そのマトリックス内に混入された物質を経時的に、そして制御された方式で放出することが可能である。このように、このポリマーゲル、又は所望の特性を有する他のものは、上記のような様々な微粒子の放出を制御するために使用可能である。これら生分解性ポリマーは、水性環境又は生理学的環境において、酵素的又は非酵素的加水分解により徐々に分解される。分解生成物は、ポリエチレングリコール、乳酸、及びグリコール酸である。これらの化合物は相対的に無毒であり、生物系により容易に排泄又は吸収され得る。
【0040】
本発明の好ましい態様においてポリマーゲルマトリックスとしてRTG系を選択する明瞭な利点は、微粒子を湿らせて懸濁させるRTG又はRTG混合物の能力にある。疎水性Aブロック及び親水性Bブロックの組合せは、このブロックコポリマーを性質において両親媒性にする。この点で、それは湿潤剤として機能する。RTGの粘度は通常の生理食塩水よりわずかに高いので、それは増粘剤とみなしてもよい。これら2つの特性の組合せにより、RTGは疎水性粒子への優れた懸濁剤になる。
【0041】
本発明の送達系の別の利点は、薬物/微粒子が埋め込まれたポリマーゲルが多くの医薬物質の化学的安定性を高める能力にある。先に記載したように、薬物は生物学的環境中へ2つの経路を介して放出され得る。微粒子に含有される薬物は、はじめポリマーゲルマトリックス中へ放出され、次いでゲルマトリックスから標的へ放出され得る。あるいは、薬物を含有する微粒子がはじめに放出され、次いで微粒子中に被包された薬物が標的へ放出されてもよい。薬物の化学的不安定性をもたらす薬物/微粒子の分解の様々な機序は、薬物がブロックコポリマーの存在下にある場合には阻害されることが観察されてきた。例えば、パクリタキセルやシクロスポリンAは、有機助溶媒(co-solvent)の存在下にあるこれら同じ薬物の特定の水性溶液と比べると、本発明の水性ポリマー組成物において実質的に安定化している。パクリタキセル及びシクロスポリンAに対するこの安定化効果は、多くの他の医薬物質でも達成される効果の例示にすぎない。その一方、本発明の系は、ほとんどの微粒子−薬物送達系で見られる初期バースト放出効果の問題と、この過量放出により引き起こされる望まれない副作用とを有意に抑制する。
【0042】
さらに、微粒子及びポリマー送達系の組合せはまた、薬物送達系の設計における柔軟性を高め、個々のニーズへの適合を可能にする。こうした薬物送達系は、薬物溶解速度やゲルマトリックス侵食速度を変調させることにより放出プロフィールや個別の送達系を変更又は改善してきた。
【0043】
ブロックコポリマーがゲル化温度未満の温度で溶ける濃度は、機能濃度とみなしてよい。一般的に言えば、3重量%〜約50重量%までのブロックコポリマー濃度が使用可能であり、依然として機能的であり得る。しかしながら、約5〜40%の範囲の濃度が好ましく、約10〜30重量%の範囲の濃度が最も好ましい。本コポリマーで実施可能なゲル相転移を得るためには、ある最低濃度、例えば3重量%が必要とされる。より低い機能濃度範囲では、相転移が弱いゲルの形成をもたらす場合がある。より高い濃度では、強いゲルネットワークが形成される。
【0044】
ポリマーゲルは、本明細書にすべて援用される、出願中の米国特許出願第09/396,589号(1999年9月15日出願)に開示される通り調製できる。生物活性剤を保持する微粒子も、当該技術分野において知られた方法に従って調製できる。薬物/微粒子の水性溶液は、ゲル化温度未満で、薬物が部分的に又は完全に溶けうる薬物/微粒子送達液を生じる。薬物/微粒子が部分的に溶けている場合、又は、薬物/微粒子が本質的に不溶性である場合、薬物を保持する微粒子は、懸濁液又はエマルジョン等のコロイド状態で存在する。次いで、この薬物/微粒子送達液は、患者へ非経口、局所、経皮、経粘膜的に投与されるか、又は眼、膣、経尿道、直腸、鼻、経口、頬内、肺、若しくは耳への投与のように空腔内へ吸入又は挿入され、そこで逆熱ゲル化又は他の刺激応答性ゲル化を受ける。
【0045】
ポリマーの in vivo 分解の主たる機序は加水分解的な分解によるものであり、ここで酵素がある役割を担いうる。加水分解的な分解に影響を及ぼす重要な因子には、水浸透性;化学構造;分子量;モルフォロジー;ガラス転移温度;添加剤;及び、pH、イオン強度、移植部位、等のような他の環境因子;が含まれる。持続送達の期間は、ポリマー及び加工法の適切な選択により、当業者によって数日〜1年まで調整することが可能である。
【0046】
生物学的活性剤の放出は、通常3相性(tri-phase)である。これは、微粒子の表面又はその付近に存在する薬剤の初期バースト又は即時放出;放出速度が遅いか又は時には生物活性剤が放出されない間の第二相;及び、侵食が進行するにつれて生物学的活性剤の残余のほとんどが放出される間の第三相;を含む。どの薬剤も、当該技術分野で知られる通り、それが微粒子中でのマイクロカプセル化に適している限り、本発明に記載される送達系を利用することができる。
【0047】
好ましくは、本発明の送達系のポリマーゲル及び/又は微粒子は生体適合性で生分解性であるので、宿主に対する有毒な効果及び刺激は最小限にとどまる。薬物放出プロフィールは、様々なゲル形成性ポリマー又はコポリマーブロックの適切な設計及び調製により制御し改善することができる。ポリマーゲルの放出プロフィールは、個々のゲル系及びブレンド中における個々のゲル系の比率を選択することにより、ゲルブレンドの調製を介して変更してもよい。薬物放出は、薬物送達液中のゲルブレンドの濃度の調整によっても制御可能である。本発明においては、逆熱ゲル化特性を有するポリマー又はその混合物若しくはブレンドを使用することが好ましいが、所望のゲル化特性を有する2以上のゲルのブレンドも本発明の範囲内にある。
【0048】
追加又は第二の薬剤も、微粒子及び/又はポリマーゲルマトリックスの中へ添加してよい。第二の薬剤は、微粒子及び/又はゲルの調節剤であってもよく、生物学的環境中へ同じか又は異なる放出速度で放出される第二の生物活性剤であってもよい。
【0049】
どのくらい多くの薬物を微粒子中へ添加することができるか、そしてそのような薬物を保持する微粒子のどのくらい多くをポリマーゲル中へ添加することができるかということに関する唯一の限界は機能性の1つである;即ち、微粒子構造、及び/又はポリマー若しくはコポリマーのゲル化特性が許容されない程度に不都合な影響を受けるまで、あるいは該系の投与が許容されないほど困難になる程度に該系の特性が悪影響を受けるまで、薬物/微粒子の添加量を増やしてよい。一般的に言えば、約0.0001〜30重量%の薬物が微粒子中へ添加可能であり、0.001〜20%が最も一般的である。換言すると、薬物を添加した微粒子は、約0.0001〜30重量%の薬物含量を有することが可能であり、0.001〜20%の重量が最も一般的である。いずれの場合でも、薬物を保持する微粒子/ゲルは、非経口、局所、経皮、経粘膜的に投与してもよく、又は眼、膣、頬内、経尿道、直腸、鼻、経口、肺、若しくは耳への投与のように空腔内へ吸入若しくは挿入してもよい。
【0050】
本発明は、オリゴヌクレオチド、ホルモン、抗癌剤を含む全ての種類の生物活性剤及び薬物へ適用可能であり、それはポリペプチド及びタンパク質を送達するための非常に有効な方式を提供する。多くの不安定なペプチド及びタンパク質薬物を、微粒子及び/又はゲルポリマー若しくはブロックコポリマーへ製剤化することができ、本明細書に記載の逆熱ゲル化法の利益を受ける。以下のものに特に限定されるものではないが、製剤的に有用なポリペプチド及びタンパク質の例は、エリスロポエチン、オキシトシン、バソプレッシン、副腎皮質刺激ホルモン、上皮増殖因子、血小板由来増殖因子(PDGF)、プロラクチン、ルリベリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、成長ホルモン(ヒト、ブタ、ウシ等)、成長ホルモン放出因子、インスリン、ソマトスタチン、グルカゴン、インターロイキン−2、インターフェロン−α、β、又はγ、ガストリン、テトラガストリン、ペンタガストリン、ウロガストロン、セクレチン、カルシトニン、エンケファリン、エンドルフィン、アンジオテンシン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、腫瘍壊死因子(TNF)、神経成長因子(NGF)、顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)、マクロファージ−コロニー刺激因子(M−CSF)、へパリナーゼ、骨形成タンパク質(BMP)、hANP、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、インターロイキン−11(IL−11)、インターロイキン−12(IL−12)、VEG−F、組換えB型肝炎表面抗原(rHBsAg)、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、シクロスポリン、及びこれらの合成類似体、修飾体(modifications)、及び薬理学的に活性な断片、酵素、サイトカイン、抗体、及びワクチンからなる群より選択することができる。
【0051】
利用可能であるポリペプチド又はタンパク質薬物にとっての唯一の限界は、機能性の1つである。一部の事例において、ポリペプチド及びタンパク質の機能性又は物理的安定性は、該ポリペプチド又はタンパク質薬物の水性溶液又は懸濁液への様々な添加物の添加によっても高めることができる。ポリオール(糖を含む)、アミノ酸、界面活性剤、ポリマー、他のタンパク質、及び特定の塩等の添加剤が使用可能である。これらの添加剤は、本発明の微粒子/ポリマーゲル系の中へ容易に取込むことが可能であり、これは次いでゲル化プロセスに付される。
【0052】
タンパク工学における発展は、ペプチド又はタンパク質の本来の安定性(inherent stability)を高める可能性をもたらしうる。こうして生じる工学処理又は修飾されたタンパク質は、規制上の意味(regulatory implication)に関しては新規な実体とみなされることもあるが、そのことは本発明における使用へその適格性を改変するわけではない。典型的な修飾の例の1つはPEG化であり、ここでは、ポリエチレングリコール等の水溶性ポリマーをポリペプチドと共有的に接合することによって、ポリペプチド薬物の安定性を有意に向上させることができる。別の例は、末端及び/又は内部の付加、欠失、又は置換により、1以上のアミノ酸残基の同一性又は位置についてアミノ酸配列を修飾することである。安定性におけるいかなる改善も、薬物送達液の患者への単回投与の後で、治療上有効なポリペプチド又はタンパク質が長期化された時間にわたり連続的に放出されることを可能にする。
【0053】
ペプチド又はタンパク質をベースとする薬物や生物活性剤だけでなく、延長された期間の間に制御された方式で所望の環境へ送達されることが求められる他のどの薬剤も、本発明の系において利用可能である;例えば、魚介タンクにおける餌放出系、又は肥料/養分放出系。ここでも、唯一の限界は、薬剤、微粒子、及びポリマーゲル間の適合性である。
【0054】
ポリマーゲルは、即時使用の溶液として予め溶かしてもよく、水性キャリアを用いて復元する必要がある粉末の形態であってもよい。次いで、この溶液を投与前に微粒子と混合する。
【実施例】
【0055】
本発明は、以下の実施例を参照にしてさらに説明することができる。
実施例1
本実施例は、微粒子−逆熱ゲル化(RTG)剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vitro)を説明する。
【0056】
代表的なヒト成長ホルモン薬であるZn−hGHを、本明細書にすべて援用される米国特許第5,100,669号に記載の方法を使用してポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェア中へ取込んだ。約10mgのミクロスフェアをバイアル中で秤量し、このバイアルへ100μLのRTG溶液(10mM HEPES緩衝液(pH7.0)中20%)を加え、粒子を懸濁させた。次いで、このRTGゲルを37℃オーブンにセットし、1mLの溶解媒体(100mM HEPES,pH7.4+0.02% TWEEN−20,37℃)を加えた。対照は、RTGのない溶解媒体に懸濁した同一のミクロスフェアであった。これらのバイアルを37℃オーブンにおいてインキュベートした。緩衝液を定期的に交換し、放出されるhGHの量をHPLCにより決定した。この結果を図1に示す。
【0057】
図1に説明されるデータは、RTGに懸濁されたものからではバーストが<20%であるのと比べ、RTGが存在していない場合には添加された薬物の>80%に相当するバーストが観察されたことを示す。従って、本発明のRTG−微粒子系が微粒子送達系の初期バースト効果を有効に抑制したことが明らかである。
【0058】
実施例2
本実施例は、微粒子−逆熱ゲル化(RTG)剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。
【0059】
亜鉛hGH(12%)ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェア(160mg)を1.5mLのRTG(10mM HEPES中20%、pH6.5)に懸濁させる。3匹の免疫抑制ラットそれぞれに、背側面領域においてこの製剤の0.3mL皮下注射液を与える。対照群のラットには同量のミクロスフェアを与えるが、キャリアは通常の生理食塩水である(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)。24ゲージ注射針を使用すると、RTG製剤を円滑に注射可能である(RTGの優れた加湿及び懸濁能力による)のに対し、対照群ではこの注射針の詰まりがよく起こることに注意すべきである。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。RTG製剤を与えたラットの血漿hGHプロフィールは、対照群から得られるものよりもずっと小さなhGHの初期バーストを示す。バーストは、最初の24時間において放出されるhGH(曲線下面積)の百分率として定義する。RTG群の消失速度は、対照より有意に低い。RTG群の血漿hGHレベルも4週間より長い間、治療レベルより高く維持されるが、対照群のレベルは約2〜3週続く。さらに、処置群のAUC(曲線下面積)により決定される生体利用効率は、対照群のそれより約50%高い。
【0060】
実施例3
本実施例は、微粒子−Pluronic(登録商標)F127剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。Pluronic(登録商標)は、酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマーについてのBASFの登録商標である。酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロックコポリマーは生分解性ではない。
【0061】
本実施例においては、RTGの代わりにPluronic(登録商標)F127(10mM HEPES中20%、pH6.5)を使用することを除き、実施例2の記載と同様の製剤を使用する。対照群のラットに同量のミクロスフェアを与え、キャリアは通常の生理食塩水である(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)。23ゲージ注射針を使用すると注射は円滑である。栓形成にも詰まりにも直面しない。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。微粒子−Pluronic(登録商標)製剤を与えたラットの血漿hGHプロフィールは、対照群から得られるものよりずっと小さなhGHの初期バーストを示す。
【0062】
実施例4
本実施例は、微粒子−Tetronic(登録商標)1307剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。Tetronic(登録商標)は、アミンをベースとするブロックコポリマーについてのBASFの登録商標である。
【0063】
本実施例においては、Pluronic(登録商標)の代わりにTetronic(登録商標)1307(10mM HEPES中30%、pH6.5)を使用することを除き、実施例3の記載と同様の製剤を使用する。対照群のラットに同量のミクロスフェアを与え、キャリアは通常の生理食塩水である(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)。23ゲージ注射針を使用すると注射は円滑である。栓形成にも詰まりにも直面しない。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。微粒子−Tetronic(登録商標)製剤を与えたラットの血漿hGHプロフィールは、対照群から得られるものよりずっと小さなhGHの初期バーストを示す。
【0064】
実施例5
本実施例は、微粒子−Carbomer940剤送達系の薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。Carbomerは、カルボポール、又はカルボキシビニルポリマーとしても知られている。
【0065】
本実施例においては、Pluronic(登録商標)F127の代わりにCarbomer940(10mM HEPES中0.5%、pH6.0)を使用することを除き、実施例3の記載と同様の製剤を使用する。対照群のラットに同量のミクロスフェアを与え、キャリアは通常の生理食塩水である(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)。23ゲージ注射針を使用すると注射は円滑である。栓形成にも詰まりにも直面しない。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。微粒子−Carbomer940製剤を与えたラットの血漿hGHプロフィールは、対照群から得られるものより相対的に小さなhGHの初期バーストを示す。
【0066】
実施例6
本実施例は、非生分解性ミクロスフェア−RTG薬物送達系の調製及び薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。
【0067】
エチルセルロース(1.5g)をコンテナにおいて3mLのアセトニトリルに溶かす。次いで、このコンテナへZn−hGH(150mg)を加え、この混合物を、2%レシチンを含有する75gの鉱油中で乳化する。この混合物を、オーバーヘッドスターラーを使用しフード中で16時間より長い間撹拌(900RPM)する。コンテナのヘッドスペース全体に窒素(0.2μフィルターで濾過した)を通し、溶媒を除去する。粒子を静置して、鉱油を除去する。次いで、このコンテナへヘキサンを加え、濾過によりミクロスフィアを採取する。微粒子をヘキサンで洗浄し、残留溶媒を真空により除去する。120メッシュ篩いを通過する粒子を採取する。100mgのミクロスフェアを1mLのRTG(20%)溶液に懸濁させる。各ラット(n=3)に300μLの懸濁液を与える。対照群のラット(n=3)には、通常の生理食塩水(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)に懸濁した同量の微粒子を与える。血液サンプルを尾静脈より定期的に採取する。血漿hGHレベルをRIAにより決定し、RTG製剤を与えたラットにおいて対照よりも初期バーストが実質的に低いことを示す。
【0068】
実施例7
本実施例は、ミクロスフェア−RTG薬物送達系の調製及び薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明し、ここで微粒子が第一の薬物を含有し、ゲルマトリックスが第二の薬物を含有する。
【0069】
エリスロポエチン(アムジェンからのEpogen(登録商標)ブランド)を、本明細書に援用される米国特許第5,674,534号に記載の方法を使用してポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェア中へ取込む。約100mgのEpogen(登録商標)ミクロスフェア(Epogen(登録商標)添加量は10%である)を、3mgの顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)を含有する1mLのRTG溶液(10mM HEPES緩衝液中20%、pH7.0)に懸濁させる。各ラット(n=6)に300μLの製剤を与える。対照群のラット(n=6)に、試験群と同量のG−CSFを含有する通常の生理食塩水(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)中のEpogen(登録商標)ミクロスフェアの同量を与える。24ゲージ注射針を使用するとRTG製剤は円滑に注射可能である(RTGの優れた加湿及び懸濁能力による)のに対し、対照では注射針の詰まりがよく起こることに注意すべきである。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のEpogen(登録商標)及びG−CSF濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。RTG製剤を与えたラットの血漿プロフィールは、対照群から得られるものよりずっと小さなEpogen(登録商標)及びG−CSFの初期バーストを示す。微粒子−RTG製剤におけるこれら薬物の消失速度は、対照より有意に低い。
【0070】
各群の3匹のラットを注射後24時間目に屠殺する。試験群ではすべての微粒子がRTG中に捕捉されていて、一対のピンセットによって容易に確認して除去することが可能であるのに対し、対照群では微粒子が分散していて除去することが非常に困難であることがわかる。
【0071】
実施例8
本実施例は、薬物が微粒子及びゲルマトリックスの両方に添加されているミクロスフェア−RTG薬物送達系の調製及び薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明する。
【0072】
実施例1に記載される通り調製した、Zn−hGHを添加した100mgのミクロスフェア(10%添加量)を、1mgのhGHを含有する1mLのRTG溶液(10mM HEPES緩衝液中20%、pH7.0)に懸濁させる。各ラット(n=3)に300μLのミクロスフェア−RTG製剤を与える。対照群のラットに、同量のhGHを含有する通常の生理食塩水(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20とを含む)中のミクロスフェアを同量を与える。24ゲージ注射針を使用するとRTG製剤を円滑に注射可能である(RTGの優れた加湿及び懸濁能力による)のに対し、対照では注射針の詰まりがよく起こることに注意すべきである。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のhGH濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。RTG製剤を与えたラットの血漿プロフィールは、対照群より低くて広い初期hGHピークを示す。RTG群における薬物の消失速度も、対照より有意に低い。
【0073】
実施例9
本実施例は、微粒子−RTG薬物送達系の調製及び薬剤放出プロフィール(in vivo)を説明し、ここで一部の微粒子が第一の薬物を含有し、一部の微粒子が第二の薬物を含有する。
【0074】
エリスロポエチン(Epogen(登録商標))を、本明細書に援用される米国特許第5,674,534号に記載の方法を使用してポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェアへ10%(w/w)の添加量で取込む。それとは別に、同じ方法を使用して、G−CSFをポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)ミクロスフェアへ(10%添加量で)取込む。Epogen(登録商標)含有ミクロスフェアとG−CSF含有ミクロスフェアの両方(それぞれ50mg)を、1mLのRTG溶液(10mM HEPES緩衝液中20%、pH7.0)に一緒に懸濁させる。各ラット(n=3)にこの製剤の300μLを与える。対照群のラットに、同量のG−CSF又はEpogen(登録商標)を含有する通常の生理食塩水(懸濁剤として3%の低分子量カルボキシメチルセルロースと0.5% TWEEN20を含む)中のミクロスフェアの同量を与える。24ゲージ注射針を使用すると、RTG製剤を円滑に注射可能である(RTGの優れた加湿及び懸濁能力による)のに対し、対照では注射針の詰まりがよく起こることに注意すべきである。血液サンプルを定期的に採取し、血漿中のEpogen(登録商標)及びG−CSF濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)により決定する。RTG製剤を与えたラットのEpogen(登録商標)及びG−CSFの初期バーストは、対照群から得られるものより小さい。
【0075】
本発明を特定の好ましい態様を参照にして記載してきたが、当業者には、本発明の趣旨から逸脱せずに様々な修飾、変更、省略、及び置換をなし得ることが理解されよう。従って、本発明は、以下の請求項の範囲によってのみ制限されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】逆熱ゲル化(RTG)系が、ヒト成長ホルモン(hGH)のZn−hGH/PLGミクロスフェア(100mM HEPES,pH7.4,37℃)からの溶解に及ぼす効果。RTGのあるサンプル(■)とRTGのないサンプル(▲)。
Claims (10)
- (a)生体適合性連続ゲル相;
(b)規定の微粒子を含む不連続粒子相;及び
(c)前記不連続粒子相、ゲル相、又はその両方に含有される、送達される生物活性剤;
を含む、二相のポリマー性生物活性剤送達組成物。 - 生体適合性ゲル相が生分解性ヒドロゲルであり、温度、pH、イオン強度、溶媒、圧力、応力、光度、電場、磁場、及びゲル化剤からなる群より選択される刺激に対して感受性がある、請求項1に記載の組成物。
- 前記生体適合性ゲル相が、51〜83重量%の生分解性疎水性ポリエステルと17〜49重量%のポリエチレングリコール(PEG)とを含む1以上のトリブロックコポリマーから形成され、ここで前記トリブロックコポリマーは逆熱(reverse thermal)ゲル化(RTG)特性を有する、請求項2に記載の組成物。
- 前記微粒子が、マイクロカプセル、ミクロスフェア、及びナノスフェアからなる群より選択されるメンバーの形態にある、請求項1に記載の組成物。
- 前記生物活性剤が、ポリペプチド又はタンパク質、オリゴヌクレオチド又は遺伝子、ホルモン、抗癌又は抗細胞増殖剤である、請求項1に記載の組成物。
- 前記組成物の生物活性剤又は微粒子の含量が約0.0001〜30重量%の間にある、請求項1に記載の組成物。
- 第二の生物活性剤;又は、微粒子からの第一の生物活性剤の放出プロフィールを調節する薬剤;をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
- 一部の微粒子が第一の生物活性剤を含有し、
他の微粒子が第二の生物活性剤、又は微粒子からの第一の生物活性剤の放出プロフィールを調節する薬剤を含有する、
請求項7に記載の組成物。 - ゲルマトリックスが、第一及び第二の生物活性剤の両方を含有する、請求項7に記載の組成物。
- (1)請求項1〜9の何れか1つに記載の二相のポリマー性送達組成物を提供する工程、及び
(2)前記組成物を生物学的環境へ投与する工程
を含む、制御された方式で長期化された期間の間、薬剤を生物学的環境へ送達する方法。
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