JP2004534070A - 皮膚加齢の徴候を処置するための組成物における少なくとも一の10−ヒドロキシ−2−デセン酸誘導体の使用 - Google Patents

皮膚加齢の徴候を処置するための組成物における少なくとも一の10−ヒドロキシ−2−デセン酸誘導体の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも一の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の組成物における又は組成物を調製するための使用に関し、前記誘導体又は組成物がコラゲナーゼの阻害により、皮膚及び/又は粘膜の劣化を阻害するようになされたものである。

Description

【発明の開示】
【0001】
本発明は、少なくとも一の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の組成物における又は組成物を調製するための使用であって、該誘導体又は組成物が、コラゲナーゼの阻害により皮膚及び/又は粘膜の劣化を阻害することを意図したものである使用に関する。また本発明は、皮膚及び/又は粘膜の美容処理方法に関する。
【0002】
ヒトの皮膚は、2つの区画、すなわち表層区画である表皮と深層区画である真皮とからなる。
天然のヒトの表皮は、主に三種の細胞、すなわち、大部分を形成するケラチノサイトと、メラノサイト及びランゲルハンス細胞から構成されている。これらの細胞型の各々は、その固有の機能により、生物体において皮膚が果たす本質的な役割に寄与している。
【0003】
真皮は表皮に堅牢な支持部を付与している。また表皮の栄養成分でもある。真皮は、主として線維芽細胞と細胞外マトリックスとからなり、細胞外マトリックスは、主にコラーゲン、エラスチンと基底物質と称される物質から構成され、これらの成分は線維芽細胞によって合成される。さらに、白血球、肥満細胞及び組織マクロファージも見出される。またさらに、真皮には血管と神経線維もある。正常な皮膚、すなわち病的状態ではなく、無傷の皮膚では、線維芽細胞は静止状態にある。すなわち増殖がなく、代謝的に相対的不活性であり、不動である。
【0004】
これらの膠原線維により、真皮に堅牢性が付与される。膠原線維は互いに密接された原繊維からなり、よって10以上の異なった種類の構造を形成している。真皮の堅牢性は、主に、全ての方向に向けて互いに密接に束ねられた膠原繊維の絡み合いによる。また膠原線維は皮膚及び/又は粘膜の弾力性及び張りに寄与する。
膠原線維は絶えず再生されているが、この再生は年齢と共に減少し、真皮の薄層化に至る。この真皮の薄層化は、病理学的原因、例えばコルチコイドホルモンの分泌過多、ある種の病気又はビタミン欠乏症(ビタミンCの場合では壊血病)による場合もある。また、外的要因、例えば紫外線、タバコ又はある種の処理(例えば、グルココルチコイド、ビタミンD及びその誘導体)が、さらに、皮膚及びそのコラーゲンレベルに影響を及ぼすことも認識されている。
しかしながら、様々な要因によりコラーゲンの分解に至り、皮膚及び/又は粘膜の構造及び/又は堅牢性について考慮されうるあらゆる結果を伴う。
【0005】
膠原線維は非常に強いが、コラゲナーゼとして知られているある種の酵素に敏感である。膠原線維の分解により、たるみやシワのある皮膚に至るが、滑らかで引き締まった外観の皮膚であることが好ましいとされているので、人々は常にこれらに抵抗しようとしている。
コラゲナーゼは、それ自体タンパク質分解酵素(エンドプロテアーゼ又はエンドペプチダーゼ)ファミリーのメンバーであり、活性部位に3つのシステイン残基及びメチオニン残基と配位結合する亜鉛原子を有し、中性のpHで基底膜及び細胞外マトリックスの高分子化合物成分(コラーゲン、エラスチン等)を分解する、メタロプロテアーゼ(MMPs)として知られている酵素ファミリーの一部を形成する。これらの酵素は生物界に非常に広く分布しているが、正常な生理学的状態、例えば器官の成長及び組織の再生においては、微弱な発現しかしない。
しかしながら、ヒトにおけるそれらの過剰発現及びそれらの活性化は、マトリックスの破壊及び改変を含む多くのプロセス、しばしば病理学的プロセスに関与している。このことは、細胞外マトリックスの調節できない再吸収、あるいは逆に、線維症状態が生じる原因となる。
【0006】
メタロプロテアーゼファミリーは、基質特異性及び構造に関する類似点に基づく、いくつかの明確に定まったグループからなる(Woessner J.F.、Faseb Journal、vol.5、1991、2145を参照)。これらのグループとしては、原線維コラーゲンを分解をするコラゲナーゼ(MMP-1すなわち間質コラゲナーゼ、MMP-8すなわち好中球コラゲナーゼ、及びMMP-13すなわちコラゲナーゼ3)、IV型コラーゲン又は任意の形態の変性コラーゲンを分解するゼラチナーゼ[MMP-2すなわちゼラチナーゼA(72kDa)、MMP-9すなわちゼラチナーゼB(92kDa)]、広範囲の活性スペクトルが細胞外マトリックスタンパク質、例えば糖タンパク質(フィブロネクチン、ラミニン)、プロテオグリカン等のタンパク質に対応するストロメラインシ(MMP-3)、又は膜メタロプロテアーゼを挙げることができる。
長期にわたって紫外線、特にA及び/又はB紫外線にさらされると、コラゲナーゼ、特にMMP-1の発現が刺激されるという影響が出てくる。これは、皮膚の光誘発性加齢の要素の一つである。
【0007】
さらに、更年期における真皮に関する主な変化は、コラーゲン含有量及び真皮の厚みが減少することである。これにより、更年期の女性では皮膚及び/又は粘膜の厚みが減少するといった結果になる。よって、女性は、「乾燥肌」になったり、皮膚に突張感を感じたり、表面のシワやコジワが増えるといったことを経験する。触れると、皮膚は荒れた性状を呈している。最後に、皮膚の柔軟性の低下も見られるようになる。
上記の記載を読むことで、組織構造、特に皮膚及び/又は粘膜におけるコラーゲンの重要性、及びコラーゲンの分解に抗し、よって時間的又は光誘発性の加齢にかかわらず、たるみ及びシワのある皮膚の出現という結果をもたらす真皮の薄層化及び/又は膠原線維の分解といった加齢に抗することの重要性が理解される。
【0008】
よって本発明の目的の一つは、コラゲナーゼに対する阻害効果を有し、可能であるならばほとんど副作用のない新規の生成物を提供可能とすることにある。
驚くべきことに、また予期しないことに、本出願人は、ある特定の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体が、コラゲナーゼの生成及び/又は合成を阻害することにより、コラゲナーゼの作用に対する阻害活性を有することを見出した。「生成を阻害」なる表現は、コラゲナーゼメッセンジャーRNAの発現に至るシグナル伝達経路を阻害、及び/又はコラゲナーゼメッセンジャーRNAのタンパク質への翻訳を阻害、及び/又はコラゲナーゼ生成細胞の外へのコラゲナーゼの分泌を阻害することを意味すると理解される。
【0009】
従来技術の文献において、10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体は、免疫系を活性化させる特性が知られている。
本出願人の知る限りでは、10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体がコラゲナーゼの作用に対する阻害活性を有していることについては、従来技術に何ら記載されていない。
従って、本出願人は、コラゲナーゼの活性化を阻害し、よってコラーゲン分解に抗し、コラーゲン分解に関連した皮膚加齢の徴候を処置するための、特定の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の使用を提案する。
「コラーゲン分解に関連した皮膚加齢の徴候」なる表現は、シワ及びコジワ、衰えた皮膚(withered skin)、薄層化した皮膚、弾性及び/又はトーンを喪失した皮膚といった、コラーゲン分解による皮膚の外観におけるあらゆる変化、及び変化した外観に系統的に反映されないあらゆる皮膚の内部変化を意味する。
【0010】
よって本発明の第1の主題は、組成物における、有効量の以下に記載する式の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の使用であって、該誘導体又は組成物が、細胞外マトリックスのプロテアーゼ、特にメタロプロテアーゼ、さらには1型マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP-1)の発現の阻害を意図した使用にある。よって、本発明は次の式を有する10-ヒドロキシ-2-デセン酸から誘導された化合物に関する:
【化1】
Figure 2004534070
の10-ヒドロキシ-2-デセン酸2-ジメチルアミノエチル;
次の式:
【化2】
Figure 2004534070
の10-ヒドロキシ-2-デセン酸2,3-ジヒドロキシプロピル;
次の式:
【化3】
Figure 2004534070
2-ヒドロキシプロピル-1,3-ビス(10-ヒドロキシ-2-デセノアート);
次の式:
【化4】
Figure 2004534070
のプロピル-1,2,3-トリス(10-ヒドロキシ-2-デセノアート);
次の式:
【化5】
Figure 2004534070
3-[(2-メトキシ)エトキシメトキシ]プロピル-1,2-ビス(10-ヒドロキシ-2-デセノアート)。
【0011】
本明細書において、「10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体」という用語は、正確に言えば、天然又は合成由来の上述した化合物で、精製された形態、又はそれらを含有する任意の調製物を示すと理解される。
「天然由来」という用語は、それが存在する天然物質から抽出された化合物を意味する。「合成由来」という用語は、化学合成又はバイオテクノロジーにより調製される化合物を意味する。
言うまでもなく、本発明において10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体は、単独で又は混合物として使用され得る。
同様に、10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導は、シス及び/又はトランスの形態で使用されてもよい。
最後に、本発明の使用は、予防的及び/又は治癒的に考慮され得る。
本発明において「阻害剤」なる用語は、細胞外マトリックスのプロテアーゼの生成、発現及び/又は翻訳及び/又は分泌レベルを、全体的又は部分的に低減させることを意味する。
【0012】
好ましくは、本発明は、コラーゲン分解に抗する、特にコラーゲン分解に関連した皮膚加齢の徴候、中でも更年期における徴候を処置するための、少なくとも一の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の使用にある。
コラーゲン分解に関連した皮膚への不満としては、本発明においてはシワ及びコジワ、衰えた皮膚、たるんだ皮膚、薄層化した皮膚、又は弾性及び/又は張りを喪失した皮膚などがある。
10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体は、本発明の組成物の活性成分をそれ自身で構成し得る。
【0013】
本発明で使用され得る10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の量は、所望する効果に明らかに依存し、細胞外マトリックスのプロテアーゼの発現及び/又は翻訳及び/又は分泌を阻害するのに有効な量とされなければならない。
例えば本発明で使用され得る10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の量は、組成物の全重量に対して例えば0.001%〜10%、好ましくは0.01%〜1%の範囲とされ得る。
【0014】
本発明の組成物は、皮膚及び/又は粘膜及び/又は毛髪への局所適用に適した、任意の考えられる形態であってよい。
好ましくは、本発明の組成物は局所投与を意図したものである。
本発明の組成物は、化粧品用又は皮膚用組成物であってよい。好ましくは、本発明の組成物は化粧品用組成物である。本組成物は、それを使用する個人の皮膚の一般的な外観を改善することを意図しているために、化粧品用組成物である。
【0015】
非常に好ましくは、本発明の組成物は局所投与される化粧品用組成物である。
皮膚、毛髪及び/又は粘膜に局所適用することにより投与する場合、本発明の組成物は化粧品的に許容可能な支持体、すなわち皮膚、粘膜、爪又は毛髪と融和性のある支持体を含有することは明らかであり、局所適用において通常使用される全ての製薬的形態、特に水性、水性-アルコール又は油性の溶液、水中油型又は油中水型又は多相エマルション、水性又は油性のゲル、無水の液体、ペースト状又は固体状の生成物、ポリマーナノ粒子、例えばナノスフェア及びナノカプセル、より好ましくはイオン性及び/又は非イオン性の脂質小胞体であってよい小球体を使用して水相に油を分散させたものであってよい。
【0016】
この組成物は、多かれ少なかれ流動的なものであり得、白色又は有色のクリーム、軟膏、ミルク、ローション、セラム、ペースト又はムースの外観を有するものであってもよい。またエアゾールの形態で皮膚に適用してもよい。さらに、固体状の形態、例えば棒状の形態であってもよい。またさらに、手入れ用品、クレンジング用品、メークアップ用品又は単なる脱臭用品として使用することもできる。
また、知られている方法で、本発明の組成物は、化粧品及び皮膚科学において通常のアジュバント、例えば、親水性又は親油性のゲル化剤、親水性又は親油性の活性剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、スクリーン剤、顔料、キレート剤、臭気吸収剤及び染料をさらに含有してもよい。これら種々のアジュバントの量は、考慮される分野において従来より使用されている量、例えば、組成物の全重量に対して0.01%〜20%である。これらのアジュバントは、その性質により、脂肪相、水性相、脂質小胞体及び/又はナノ粒子に取り込まれる。
【0017】
本発明の組成物がエマルションである場合、脂肪相の割合は、組成物の全重量に対して5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%の範囲であってよい。エマルションの形態の組成物に使用される油、乳化剤及び共乳化剤は考慮される分野で従来より使用されているものから選択される。乳化剤及び共乳化剤は、組成物中に、組成物の全重量に対して0.3〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲の割合で存在する。
【0018】
本発明において使用可能な油としては、鉱物性油、植物由来の油(アプリコット油又はヒマワリ油)、動物由来の油、合成油、シリコーン油及びフルオロ油(ペルフルオロポリエーテル)を挙げることができる。また脂肪物質としては、脂肪アルコール(セチルアルコール)、脂肪酸及びロウ(ミツロウ)を使用することもできる。
本発明において使用可能な乳化剤及び共乳化剤としては、例えばポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル、例えばPEG-40ステアラート及びPEG-100ステアラート、及びポリオールと脂肪酸のエステル、例えばステアリン酸グリセリル及びトリステアリン酸ソルビタンを挙げることができる。
親水性のゲル化剤としては、特に、カルボキシビニルポリマー類(カーボマー:carbomer)、アクリルコポリマー類、例えば、アクリラート/アクリル酸アルキルのコポリマー類、ポリアクリルアミド類、多糖類、天然ガム類及びクレー類を挙げることができ、また、親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例えばベントーン類、脂肪酸の金属塩、疎水性シリカ及びポリエチレンを挙げることができる。
【0019】
本発明の他の主題は、少なくとも一の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体を含有する化粧品用組成物を、皮膚、ヒドロキシ及び/又は粘膜に適用するか、又は摂取することを特徴とする、コラーゲン分解に関連した皮膚加齢の徴候、すなわち、シワ及びコジワ、衰えた皮膚、たるんだ皮膚、薄層化した皮膚、及び弾性及び/又は張りを喪失した皮膚等の、コラーゲン分解による皮膚の外観の任意の変化、及び紫外線に暴露されることによる任意の皮膚の内部劣化等の、変化した外観に系統的には反映されない任意の皮膚の内部変化を処置するための美容処理方法にある。
本発明の美容処理方法は、特に、上述した化粧品用組成物を使用する通常の技術に従い、これらの組成物を適用することにより実行され得る。例:クリーム、ゲル、セラム、ローション、ミルク、シャンプー、又は皮膚又は毛髪のための抗日光組成物の適用、もしくは歯磨剤の歯肉への適用。
【実施例】
【0020】
次の実施例及び組成物は本発明を例証するものであって、何ら限定するものではない。組成物において示した割合は重量によるパーセンテージである。
実施例1:コラゲナーゼの生成に対する10-ヒドロキシ-2-デセン酸2-ジメチルアミノエチルの効果
間質コラゲナーゼの生成に対する10-ヒドロキシ-2-デセン酸2-ジメチルアミノエチルの効果を、A2058細胞の培養モデル(ヒトメラノーマから誘導:Templeton N.S.ら, 1990;Cancer Res., 50:5431-5431)、及びヒト線維肉腫から誘導されるHT1080細胞の培養モデル(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション:参照符号CCL 121)で評価した。
A2058細胞は、構造的に、1型メタロプロテアーゼを発現し、分泌する。HT1080細胞は、基底状態において1型メタロプロテアーゼをほとんど発現しないが、この発現はTPAの存在下で増加する。
【0021】
フェノールレッドは含有しないが、2mMの濃度でアミノ酸、1mMの濃度でピルビン酸ナトリウム、及び10%のグラファイトを含有する子ウシ血清を含有するMEM培地にて、細胞をインキュベートする。ついで、それらを24ウェルのマルチウェルプレートのウェル当たり20000細胞の密度で培養する。
培養25時間後、細胞を25μg/mlの濃度の2-ジメチルアミノエチル-10-ヒドロキシ-2-デセノアートと接触させておく。間質コラゲナーゼの生成については、培養培地にて96時間後に評価する。これにはELISAキットを使用して行う(Biotrack human MMP1;Amersham)。
結果は、対照と比較した、すなわち誘導体がないが、同じ条件下で培養を行ったものと比較した、間質コラゲナーゼの生成の減少パーセントとして示されている。
【表1】
Figure 2004534070
結果は、25μg/mlの用量の誘導体が、A2058細胞及びHT61080細胞による間質コラゲナーゼの生成を低減させてたことを示している。
【0022】
実施例2:本発明を例証するための調製物の具体例、及び本発明の特定の組成物。これらの組成物は、化粧品産業で従来から使用されている技術に従い得られた。
組成物1:顔の手入れ用クリーム(水中油型エマルション)
10-ヒドロキシ-2-デセン酸2-ジメチル
アミノエチル 1.00%
ステアリン酸グリセリル 2.00%
ポリソルベイト60[ICI社から販売
されているトゥイーン(Tween)60(登
録商標)] 1.00%
ステアリン酸 1.40%
トリエタノールアミン 0.70%
カーボマー 0.40%
カリテバターの液状留分 12.00%
ペルヒドロスクワレン 12.00%
酸化防止剤 0.05%
香料 0.50%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量
【0023】
組成物2:顔用ゲル
10-ヒドロキシ-2-デセン酸2,3-ジヒドロ
キシプロピル 2.00%
all-トランス-レチノイン酸 0.05%
ヒドロキシプロピルセルロース[ハーキ
ュレス社(Hercules)から販売されている
クリューセル(Klucel)H(登録商標)] 1.00%
酸化防止剤 0.05%
イソプロパノール 40.00%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量
【0024】
組成物3:顔の手入れ用ゲル
10-ヒドロキシ-2-デセン酸2-ジメチルア
ミノエチル 2.50%
ヒドロキシプロピルセルロース(ハーキ
ュレス社から販売されているクリュー
セルH(登録商標)) 1.00%
酸化防止剤 0.05%
イソプロパノール 40.00%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量
【0025】
組成物4:ゲル
10-ヒドロキシ-2-デセン酸2,3-ジヒ
ドロキシプロピル 1.50%
ヒドロキシプロピルセルロース(ハーキ
ュレス社から販売されているクリュー
セルH(登録商標)) 1.00%
酸化防止剤 0.05%
塩酸リドカイン 2.00%
イソプロパノール 40.00%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量
【0026】
組成物5:太陽による紅斑を処置するためのクリーム(水中油型エマルション)
10-ヒドロキシ-2-デセン酸2-ジメチル
アミノエチル 1.00%
ステアリン酸グリセリル 2.00%
ポリソルベイト60[ICI社から販売
されているトゥイーン60(登録商標)] 1.00%
ステアリン酸 1.40%
グリシルレチン酸 2.00%
トリエタノールアミン 0.70%
カーボマー 0.40%
カリテバターの液状留分 12.00%
ヒマワリ油 10.00%
酸化防止剤 0.05%
香料 0.50%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量
【0027】
組成物6:顔の抗シワ手入れ用クリーム(水中油型エマルション)
10-ヒドロキシ-2-デセン酸2,3-ジヒドロ
キシプロピル 2.50%
ステアリン酸グリセリル 2.00%
ポリソルベイト60[ICI社から販売
されているトゥイーン60(登録商標)] 1.00%
ステアリン酸 1.40%
5-n-オクタノイルサリチル酸 0.50%
トリエタノールアミン 0.70%
カーボマー 0.40%
カリテバターの液状留分 12.00%
ペルヒドロスクワレン 12.00%
酸化防止剤 0.05%
香料 0.50%
防腐剤 0.30%
水 全体を100.00%にする量

Claims (15)

  1. 組成物における又は組成物を調製するための、次のエステル:
    Figure 2004534070
    の10-ヒドロキシ-2-デセン酸2-ジメチルアミノエチル;
    次の式:
    Figure 2004534070
    の10-ヒドロキシ-2-デセン酸2,3-ジヒドロキシプロピル;
    次の式:
    Figure 2004534070
    2-ヒドロキシプロピル-1,3-ビス(10-ヒドロキシ-2-デセノアート);
    次の式:
    Figure 2004534070
    のプロピル-1,2,3-トリス(10-ヒドロキシ-2-デセノアート);
    次の式:
    Figure 2004534070
    3-[(2-メトキシ)エトキシメトキシ]プロピル-1,2-ビス(10-ヒドロキシ-2-デセノアート);
    から選択される少なくとも一の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の使用であって、該誘導体又は組成物が、細胞外マトリックスのプロテアーゼの発現及び/又は翻訳及び/又は分泌の阻害を意図したものである使用。
  2. 前記誘導体又は組成物が、メタロプロテアーゼの発現及び/又は翻訳及び/又は分泌の阻害を意図したものであることを特徴とする請求項1に記載の使用。
  3. 前記誘導体又は組成物が、1型マトリックスメタロプロテアーゼの発現及び/又は翻訳及び/又は分泌の阻害を意図したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記誘導体又は組成物が、シワ及びコジワに抗することを意図したものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
  5. 前記誘導体又は組成物が、衰えた皮膚に抗することを意図したものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
  6. 前記誘導体又は組成物が、薄層化した皮膚に抗することを意図したものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
  7. 前記誘導体又は組成物が、皮膚の弾性及び/又は張りの喪失に抗することを意図したものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
  8. 前記誘導体又は組成物が、紫外線に暴露されている皮膚の内部劣化に抗することを意図したものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の使用。
  9. 前記誘導体又は組成物が、コラーゲン分解に抗することを意図したものであることを特徴とする請求項8に記載の使用。
  10. 組成物における又は組成物を調製するための、請求項1に記載の少なくとも一の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体の使用であって、該誘導体又は組成物が、更年期に関連した皮膚への不満の処置を意図したものである使用。
  11. 前記誘導体が、組成物の全重量に対して0.001%〜10%の量で使用されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の使用。
  12. 前記誘導体が、組成物の全重量に対して0.01%〜1%の量で使用されていることを特徴とする請求項11に記載の使用。
  13. 前記組成物が局所投与を意図したものであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の使用。
  14. 請求項1に記載の少なくとも一の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体を含有する化粧品用組成物を、皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用するか、又は摂取することを特徴とする、皮膚加齢の徴候の処置を意図した皮膚の美容処理方法。
  15. 請求項1に記載の少なくとも一の10-ヒドロキシ-2-デセン酸誘導体を含有する化粧品用組成物を、皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用するか、又は摂取することを特徴とする、シワ及びコジワ、衰えた皮膚、薄層化した皮膚、弾性及び/又は張りを喪失した皮膚、又は変化した外観に系統的には現れない任意の皮膚の内部変化の処置を意図した皮膚の美容処理方法。
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