JP2004532641A - キー遺伝子の遺伝子発現比の測定方法 - Google Patents

キー遺伝子の遺伝子発現比の測定方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、量、特に複雑な生物学的サンプルにおいて、リアルタイムPCR法により、核酸の相対量を決定する方法に関する。本発明によると、生物学的サンプルは系統的に希釈され、各希釈液は関心のある全ての遺伝子についてリアルタイムPCR法により測定される。各遺伝子における希釈因子のスレショルドサイクルの依存から、特定のサンプルにおいて、反応のPCR効率は決定される。また、比較されたリアルタイムPCRアッセーの相対感度を決定し、複雑な生物学的サンプルにおいて、前例の無い不確実性により二つの核酸の相対量を決定する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸の定量のための分類方法に属する。該方法は、サンプル中の特定の遺伝子、遺伝子の部分、RNA分子及び他の核酸の量を測定するために使用される。
これらの方法は、主に臨床的な診断、例えば組織、血液及び尿サンプルの試験において、及び食品技術、農業及び生物製剤において使用される。
【背景技術】
【0002】
遺伝子発現の測定方法は、1970年代にさかのぼる。第一の方法は、相補鎖の再会合キネティックス(kinetics)を測定することに基いていた(ウェットマー&デヴィッドソン(Wetmur&Davidson),J.Mol.Biol.,1,349,1968)。放射標識した一本鎖DNAプローブを添加し、mRNAが過剰モル存在する場合のその相補的mRNAとの会合を測定した。これらはいくつかの理由で非常に困難な実験であった:ハイブリダイゼーション反応における試薬の濃度がしばしば低く、再会合反応により有意義な量のハイブリッドが生成されるのに何時間、場合によっては何日も要した。第二に、二本鎖及び一本鎖の核酸を分離するために日常的に使用されていたヒドロキシアパタイトカラムは、取り扱いが面倒であり、全操作を長期化させていた。10年後にノーザンハイブリダイゼーションが開発された(アルワイン(Alwine),ケンプ(Kemp),& スターク(Stark),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.74,5350,1977)。これによると、RNAをセルロースに、後にはセルロース紙に固定し、そこに放射標識したプローブをハイブリダイズさせた。この方法にはいくつかの欠点がある。核酸を結合する能力が低く、RNAの大きさにより変動する。特に400塩基未満の核酸は不十分にしか保持されなかった。RNAは共有結合よりはむしろ、疎水的相互作用によりニトロセルロースに付着するので、ハイブリダイゼーション及び高温洗浄の間にマトリックスからゆっくり浸出する。リボヌクレアーゼ保護アッセー(パペ(Pape),メルショアー(Melchior),&マロッティ(Marotti),Genet.Anal.Tech.Appl.8,206,1991)は、ノーザンブロットハイブリダイゼーションよりも20〜100倍感受性が高く、約10コピーの特定の転写物を検出できる。これは、シグナルの強度が標的RNAの濃度の割合に直接比例するので、複数の標的mRNAを同時に処理でき、異なる組織における標的遺伝子の発現レベルの比較を容易に行うことができる。欠点は、標的RNAに正確に相補的なアンチセンスプローブによって最も良好に作用し、このため実験がRNA分解酵素(RNase)により開裂しやすいミスマッチ塩基対を含むRNA−RNAハイブリッドを発生させる場合、例えば関連するmRNAのファミリーを分析する場合に問題となる。1983年に、指数的方法で核酸を増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が発明された(米国特許4683202号)。これは、サンプル中の非常に少量の核酸でさえ定量できる可能性を開いた。伝統的なPCRにおいては、サンプル中のDNA(またはDNAに転化した後のRNA)をまず増幅し、その後別のステップで検出した。この反応は、通常、出発鋳型の量にかかわらず、いくつかの成分に短時間で進行し、生成物の量を同じ量まで増加させるので、定量は非常に不確かなものとなる。
【0003】
この問題は、リアルタイムPCR(米国特許第6171785)を発明したことで解決した。これは、蛍光染料または蛍光プローブ(エヌ.スヴァヴィク(N.Svanvik),ジィ.ウェストマン(G.Westman),W. Dongyuan & M. Kubista. Anal. Biochem.281,26-35,2000)を反応に含め、生じた生成物のリアルタイムモニタに提供するものである。特定のシグナルスレショルドレベルに達するのに必要とされる増幅サイクルの数、スレショルド(threshold)における増幅回数の数(CT)が登録される。伝統的に、試験サンプルにおける鋳型のコピー数は、測定されたCT値を既知量の鋳型を含む標準サンプルについて測定されたCT値と比較することにより、算定されている。このアプローチは試験サンプルが、通常はプラスミドまたは精製DNA鋳型の希釈物である標準サンプルと同様の複雑さである場合は非常に正確である。これは試験サンプルと標準サンプルのPCR効率が同じであるという重要な推定によるものである。そうでない場合は、試験サンプルで測定されたCT値は異なる数のcDNA複製物、標準サンプルで測定された同じCT値に相当する。そのような推定により導入されたエラーは蓄積効果により重大な結果となり得る。例えば、試験サンプルにおける80%の効率及び標準サンプルにおける85%の効率は、25サイクル後のDNA複製数の50%の差となる(式1)
CT=N (1+E)CT
【0004】
試験サンプルと標準サンプルのPCR効率における差を説明する一般的な方法は、参考遺伝子、通常、平行に且つ研究されている標的遺伝子の発現をハウスキーピング遺伝子の発現と関連づけて、ハウスキーピング遺伝子を増幅することである。このことは、当然ながら、ハウスキーピング遺伝子の発現レベルが比較されるサンプル間で一定であるという推定に依存しており、問題にされてきた(バスティン エスエイ(Bustin SA):Absolute quantification of mRNA using realtime reverse transcrption polymerase chain reaction assays.J Mol Endocrinol 2000,25:169-193;Suzuki T,Higgins PJ,Crawford DR:Control Selection for RNA Quantitation.Bio Techniques 2000,29:332-337;Schmittgen TD, Zakrajsek B A:Effect of experimental treatment on housekeeping gene expression:validation by real-time,quantitative RT-PCR.J Biochem Biophys Methods 2000,46:69-81)。さらに、まれに認識されることであるが、二つの反応、即ち標的遺伝子(target gene)のPCR及びハウスキーピング遺伝子(housekeeping gene)のPCRは、標準サンプル(standard sample)中及び試験サンプル(test sample)中で同程度に抑制されることも推測される(式2):
Figure 2004532641
【0005】
この重要な推定の有効性は試験されていない。なぜなら、サンプル中の個々の反応のPCR効率を測定する方法がなかったからである。本発明の一つの目的は伝統的な遺伝子発現の測定法に伴う上記の制限、並びにこのリアルタイムPCRアプローチの制限を克服して、生体試料中の二つの核酸の相対量を定量することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、キー遺伝子の発現比を測定することにより、癌、特にリンパ腫のような疾病の診断を非常に高い感度で行うことにある。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、非常に少量の材料を得ることを要求する技術、例えば微細針アスピレーション生検により疾病を診断することにある。本発明のさらに別の目的は、診断をより迅速にし、コストパフォーマンスをより高めることにある。
【0008】
発明の開示
本発明は、複雑な生物学的サンプルにおいて、リアルタイムPCR法により、二つの核酸、特に二つのcDNAの相対量を決定する方法に関する。これは試験サンプルの希釈系列のPCRのスレショルドサイクル(CT)を測定することに基づき、希釈因子の対数へのCTの依存が特定のサンプルにおける二つの反応のPCR効率を決定する。
【0009】
本発明による方法によると、生物学的試験サンプルにおけるPCR効率を決定することができる。
【0010】
本発明による方法によると、生物学的試験サンプルにおける二つの核酸の比率を、サンプルに特異的な抑制を考慮することにより、これにまでにない正確さで測定することができる。
【0011】
本発明により発明された方法によると、二つのcDNAの比を測定することができ、これにより間接的に対応するmRNAを、さらには二つの遺伝子の相対的な発現を測定することができる。
【0012】
本発明による方法によると、IgLκおよびIgLλ遺伝子の発現比を測定することができ、これにより、B細胞のクロナリティーの検出及びリンパ腫の類別が可能になる。
【0013】
基本的な発明の思想は、比較標準試料としてサンプルの希釈液または濃縮液を用いることにより、サンプル自体を標準試料として使用することである。
【0014】
発明の詳細な説明及び好ましい実施態様
標題に示したように、本発明は、複雑な生物学的サンプルにおいて、定量的なリアルタイムPCR法により、二つの核酸、特に二つのcDNA、そしてmRNAの比を測定する方法に関する。すでに記載したように技術の現状のアプローチは、サンプル中の核酸の別の核酸に対する量を表す。これは、ウイルス負荷(viral load)及び遺伝子発現レベルを測定する場合の両方に典型的である。典型的には、目的の遺伝子の発現は、本質的に全ての条件下で同程度発現すると推定されている遺伝子であるハウスキーピング遺伝子の発現に相対的に発現する。これは二つの遺伝子の相対的な発現が、二つのPCRが標準サンプルと試験サンプル(eq.0)で同程度に抑制されるという推定によるものである。今までのところ、この推定を試験することは可能ではなかった。なぜなら、個々のサンプルにおいてPCR効率を測定する方法がなかったからである。このことは、下記のように本発明により可能となった。
【0015】
生物学的サンプルに存在し得る抑制組成物は、全てのPCRで同じ効果を有すると考えられがちであるが、必ずしもそうではない。抑制の程度は、異なるPCR系に特有の性質、例えば鋳型の長さ及び配列、鋳型の三次元構造、プライマーの長さ及び配列等に依存し得る。抑制は、イオン及びdNTPのような重要な要素に対する競合により、間接的でもあり得る。もし二つのPCR系が、生物学的サンプル中に相互作用し得る異なるMG2+,dNTP,プライマー及び染料/プローブ要素の異なる濃度で最適の効率を有する場合、これらのPCR成分はこの反応に異なる程度で干渉し得る。
【0016】
本発明のアプローチは、試験サンプルをとり、制御された希釈、例えば図1に示されるように、4倍を4段階の希釈を行うことをベースとする。これらの希釈の各々において核酸を増幅し、スレショルドに達するのに要するサイクル数(CT)を希釈因子と比較し、特定のサンプルにおけるPCRの効率を決定することができる。例えば、反応が100%の効率で進む場合、希釈が4倍になるとCTは2倍に、希釈が16倍で4倍に、そして希釈が64倍で8倍に正確に増加するべきである。CT対希釈因子の対数のプロットから、特定のサンプルにおける反応効率が決定される。生物学的試験サンプルにおける二つの遺伝子の発現を比較する場合、試験サンプル(cDNA合成後)を、連続的に希釈し、両方のcDNAの量を各希釈において測定し、これから、特定のサンプルにおける両方の反応のPCR効率が決定される。
【0017】
リアルタイムPCRにより二つの遺伝子の発現レベルの比を決定するための数学的モデルを開発した。このモデルは一般的であり、ここではIgLκおよびIgLλ遺伝子に適用される。
【0018】
下記の式において、下記の意味を表す。
0AはタイプAのcDNAのタイム0における単位Nの数を意味する。
0BはタイプBのcDNAのタイム0における単位Nの数を意味する。
RSは、光学的な検出における相対感度に基づく定数を意味する。
はサンプルAのPCR効率を意味する。
はサンプルBのPCR効率を意味する。
[E]は大量のサンプルAについて測定されたPCRの平均効率を意味する。
[E]は大量のサンプルBについて測定されたPCRの平均効率を意味する。
CTAはサンプルAの反応がスレショルド値に達する増幅サイクルの数を意味する。
CTBはサンプルBの反応がスレショルド値に達する増幅サイクルの数を意味する。
【0019】
指数相のリアルタイムPCR増幅を表す基本的な式は式3:
CT=N (1+E)CTである。
【0020】
はcDNA分子の数であり、EはPCR効率(E=1は100%の効率に相当し、全体を通してパーセントで表示される)、CTはスレショルドサイクルであり、NCTはCTPCRサイクル後に存在する鋳型のコピー数である。Eは特定の増幅範囲においてNとは独立であると推定される。これは、mRNAまたはcDNA標準の希釈系列を実施することにより測定され、CT対logNのプロットにおける傾きから計算される(式4):
Figure 2004532641
【0021】
スレショルドにおける蛍光の増加、すなわちバックグラウンドを差し引いた後の蛍光シグナルは標的DNAの量に比例する(式5):
I=k*NCT
【0022】
kは系及び器具定数であり、NCTはスレショルドにおける標的DNA分子の数である。IgLκおよびIgLλ遺伝子の相対的発現は式6、式7、式8及び式9として得られる。
Figure 2004532641
【0023】
スレショルドにおいて、IIgLκ=IIgLλである。式5を式7と等しくし、再整理することにより、式10を得た:
Figure 2004532641
ここで相対感度KRSは、プローブの蛍光及び二つのアッセーにおける結合効率における差を反映している。式4及び6を挿入し、再整理することにより、式11を得た。
Figure 2004532641
【0024】
これが、二つのcDNA分子のコピー数の比を計算するための中心の式である。CTIgLκおよびCTIgLλは、IgLκおよびIgLλcDNAの増幅PCRで得られたCT値である。EIgLκおよびEIgLλは、サンプルの段階的希釈におけるCT対logNのプロットにおける傾きとして測定される二つのPCR式の効率であり、KRSは、既知のcDNA濃度の試験サンプルを用いて決定された二つのPCRアッセーの相対的感度定数である。
【0025】
パーセンテージで表したIgLκおよびIgLλmRNAのフラクションを最終的に式12及び式13として計算した。
Figure 2004532641
【0026】
CTに対する希釈の効果を研究することにより生物学的サンプルにおけるPCR効率を決定するために、実験の不確かさによるCTにおける実験的変動及び追加された成分によるPCR効率の変動は、希釈によるものに比べて小さくなければならない。われわれはこのことを、実施例1における免疫グロブリンκ及びλ軽鎖の発現について分析された典型的な患者のサンプルを用いて実験的な再現性を調べることにより確立した。本発明によると、生物学的サンプルにおけるPCR効率は、まずmRNAをcDNAに転化し、その後サンプルを段階的に希釈して、各希釈後の両反応のCT値を測定することにより決定される。PCR効率を算出するには一回の希釈で十分であるが、より多い希釈は、精度をより高くする。しかしながら、多すぎる希釈は避けるべきである。なぜなら、分子数が少なすぎる場合に確率的なエラーが入ってくるからである(ヴォルゲステン ビィ(Vogelstein B), キンズラー ケイダブリュー(Kinzler KW):Digital PCR.Proc Natl Acad Sci USA 1999,96:9236-9241;Peccoud J,JacobC:Theoretical uncertainty of measurements using quantitative polylmerase chain reaction.Biophys J 1996,71:101-108)。実施例2において、我々は4倍希釈を3回行って64倍とした、これによりCTを実験的エラーを無視しうるのに十分に変えた。我々は、少なくとも6500分子の各cDNA(最も希釈されたサンプルにおける少なくとも100の各cDNAに相当する)を含むサンプルをも用いた。
【0027】
癌の診断への適用
癌は制御できない増殖をする組織である。癌細胞はそれらの細胞分化メカニズムの制御を失い、無制限に分裂する。全ての癌細胞は、歪んだ細胞に由来する。この細胞において、サイレントであるべき遺伝子がアクティブになり、しばしば増殖制御遺伝子を発現する能力を失うか、または異常なまたは外来の遺伝子を発現する。全ての癌細胞は、同じ細胞由来であるので、癌の検出及び診断に使用し得る遺伝的な兆候を共有する。
【0028】
癌の特定の種類は、リンパ系の癌であるリンパ腫である。他の癌と同様、リンパ腫も細胞の多すぎる且つ速すぎる分裂により起きる。増殖の制御が失われ、リンパ細胞が、過密になり、侵入し、リンパ組織を破壊し、他の組織に転移する(広がる)。リンパ腫には二つの一般的な型がある:“ホジキン病”(1832年にこれを認識したトマス ホジキン(Thomas Hodgkin)博士にちなんで命名された)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)である。悪性(癌性)B細胞リンパ球により引き起こされる非ホジキンリンパ腫は、公知の型のリンパ腫の大きなサブセット(米国において約85%)を表す(他の二つのサブセットはT細胞リンパ腫及び細胞型が未知のリンパ腫である)。
【0029】
リンパ腫を診断する伝統的な方法は、外科的生検を行い、それを免疫細胞化学的に、フローサイトメトリー(flow cytometry)により及び細胞発生学により試験することである。これらの試験は、細胞特異的な抗体に依存している。その他の方法として、微細針アスピレーション生検が行われる。これは、シリンジに取り付けられた非常に細い中空の針を使用する。この針を肥大した腫瘍に挿入する。その後、前後に動かしていくつかの細胞を分離し、シリンジに吸引する。FNAは、感染症等、癌でない病態を、NHLまたは他の癌から区別しうる。FNAはまた、癌の段階付け、疾病の程度の決定、及び再発のモニターに有用である。しかし、小さいサンプルサイズ及びリンパ節構造についての情報不足のため、FNAは現在の免疫学的方法を用いたNHLの初期診断には不適切であることが多い。著しい改良は、FNAからの材料が十分であるような免疫化学をベースとするものよりも感受性の高い方法にあるであろう。
【0030】
Bリンパ球は、重鎖及びカッパ(IgLκ)またはラムダ(IgLλ)軽鎖を有する免疫グロブリンを生産する。各Bリンパ球は、その発達の早い時期にどの軽鎖を生産するか決定されている。健常者において、約60%のB細胞がカッパ鎖を生産し、残りがラムダ鎖を生産する。従って、正常なリンパ組織はB細胞の混合物を約60:40のIgLκ:IgLλ比で含む(レヴィ アール(Levy R),ワーナー アール(Warnke R),ドーフマン アールエフ(Dorfman RF),ハイモヴィッチ ジェイ(Haimovich J):The monoclonality of human B-cell lymphomas. J Exp Med 1977, 154:1014-1028; Barandun S, Morell A, Skvaril F, Oberdorfer A: Deficiency of kappa- or lambda-type immunoglobulins. Blood 1976, 47:79-89)。すべての悪性腫瘍と同様に、リンパ腫はクローナルであり、ひとつの形質転換細胞から生じる。リンパ腫組織は、腫瘍細胞で占められているため、IgLκ:IgLλ比が変化している。カッパ生産腫瘍では、より高いIgLκ:IgLλ比を有し、ラムダ生産腫瘍ではより低い比となる。IgLκ及びIgLλmRNAの翻訳効率と安定性が類似していると推定すると、クロナリティは、IgLκ:IgLλ発現比を測定することにより検出され得る。実施例3において、我々は、本発明の方法により測定されたIgLκ:IgLλ比から患者サンプルがどのようにNHL陽性及びNHL陰性に類別され得るかを示した。優れた正確さは、分析のために必要な材料が非常に少ないという点で特に印象的である。微細針アスピレーション生検で典型的に得られる1000〜100000の代表的な細胞は、本発明による試験片におけるリアルタイムPCRアッセー及び可能なB細胞モノクロナリティによる少なくとも50の試験において十分であった。
【0031】
本発明の方法の別の可能な用途は、T細胞クロナリティを検出することである。ここではT細胞レセプターの変種が代わりのマーカーとなる。
【0032】
本発明の方法のさらに別の用途は、疾病の進行のモニターを行うことである。いくつかの癌は、慢性骨髄性白血病(Chronic Myelogenous/Myeloid Leukemia;CML)患者のように、非天然のタンパク質の発現により起きる。bcr−abl融合転写物の量を診断のために定量することは重要であり、診断の進行をモニターすることはさらに重要である。イマチニブメシレート(Imatinib mesylate;STI571としても知られるグリーヴェック(Gleevec);登録商標)は、CML患者の治療のための臨床的な試みにおける分子であり、患者がどのようにこの薬剤に応答するかを知ることが、治療を最適化するために望まれており、これはbcr−abl発現における変化として測定される。薬剤治療は、遺伝子発現全体に影響し得るので、bcr−abl発現は通常GAPDHのようなハウスキーピング遺伝子との関連で測定される。実施例4において、我々はbcr−abl及びGAPDHのPCR効率をCML患者サンプルにおいて異なる程度まで抑制し、これにより、発現比と薬剤治療の効果を決定する場合にこれを考慮に入れることが重要であることを示す。
【0033】
実際、遺伝子発現レベルを測定することをベースとするいかなる診断も本発明の方法の用途として可能である。これは、二つの遺伝子の発現比を測定することに限らず、いくつかの疾病は、三つまたはそれ以上の遺伝子の特定の発現パターンにより特徴付けられるであろう。
【0034】
本発明の方法の別の可能な用途は、診断または予後において有益な遺伝子の種々のスプライシング変種の相対量を測定することである。種々のスプライシング変種のPCR効率は、一般に長さと配列の両方で異なり、変動し得るので、正確な測定を行うには補正が重要である。本発明の方法の別の可能な用途は、遺伝子の代替的なプロモーターの相対活性を測定することにある。これらは正確な診断及び予後のために考慮に入れるべき異なる効率で増幅されると考えられる。
【0035】
実施例
実施例1:実験の再現性
未治療の患者の外科的リンパ節生検を氷水で冷却した箱内のオペレーションシアター(operation theatre)から移し、30分以内に実験室で処理した。研究のための材料をドライアイス/イソペンタン中で急速に冷凍し、−70℃で貯蔵した。組織の部分をホルマリンで固定し、ルーチンの診断分析に使用した。診断は、顕微鏡による組織学、カッパ及びラムダ鎖(IHC)を含むいくつかのマーカーの免疫染色、及びいくつかの場合にはフローサイトメトリーの組み合わせにより行った。サンプルをR.E.A.L.ターミノロジー(terminology)(ハリス エヌエイチ(Harris NH), ジャッフェ イーエス(Jaffe ES), ステイン エイチ(Stein H), バンクス ピィエム(Banks PM), チャン ジェイケイ(Chan JK), クレアリー エムエル(Cleary ML), デルソル ジィ(Delsol G), デ ウォルフ−ペタース シィ(De Wolf-Petters C), ファリィニ ビィ(Falini B), ガッター ケイシィ(Gatter KC): A proposal from the International Lymphoma Study Group. Blood 1994, 84:1361-1392)によりリンパ節炎または悪性リンパ腫とに類別した。
【0036】
RNAをファストプレップシステム(Fast Prep System)(ファストRNAグリーン(FastRNA Green);キューバイオジーン(Qbiogene))を用いて抽出した。10μgの総RNAを2μgのpdTオリゴマー(ファーマシア(Pharmacia))と混合し、65℃で5分間インキュベートした。その後、第一鎖(First Strand)cDNA合成を0.05Mトリス(Tris)−HCl、pH8.3、0.075MのKCl、3mMのMgCl、0.01MのDTT,10U/mlM−MLV逆転写酵素(ライフ テクノロジーズ(Life Technologies)),0.05U/mlRNAガード(ライフ テクノロジーズ),及び10mMの各デオキシリボヌクレオチドを添加し、最終容量20mlとし、該サンプルを37℃で1時間インキュベートすることにより実施した。反応を65℃で5分間のインキュベートにより終了させ、サンプルを−80℃で保存した。
【0037】
ヒト免疫グロブリンκ(IgLκ)及びラムダ(IgLλ)軽鎖の定常領域のPCR増幅物を各々指向する二つのホモピリミジンライトアッププローブ(homopyrimidine light-up probes)、H−CCTTTTTCCC−NH(IgLκLUP)及びCCTCCTCTCT−NH(IgLλLUP)を設計した。両プローブは、標的結合に対して非常に大きなシグナル強化を示すことが知られているホモピリミジン配列である(スヴァンヴィック エヌ(Svanvik N), ニグレン ジェイ(Nygren J), ウェストマン ジィ(Westman G), クビスタ エム(Kubista M):Free-probe fluorescence of light-up probes. J Am Chem Soc 2001, 123:803-809)。両プローブはチアゾールオレンジ誘導体(thiazole orange derivate)、N−カルボキシフェニル−4−[(3’−メチル−1’,3’−ベンゾチアゾール−2’−イル)メチレニル]キノリニウムイオダイド(quinolinium iodide)(TO−N−5−COOH)を標識として有していた。これらは、下記のように固相合成法により合成され、逆相HPLCにより2回精製された(スヴァンヴィック エヌ、ウェストマン ジィ、クビスタ エム:Light-up probes:thiazole orange-conjugated peptide nucleic acid for detection of target nucleic acid in homogeneous solution. Anal Biochem 2000, 281:26-35)。プローブ濃度は、260nmにおけるモル吸光度がIgLκLUPについて83,100M−1cm−1でありIgLλLUPについて81,100M−1cm−1と推定することにより、分光学的に測定した。これらのプローブは、融解温度(Tm)がPCRのアニール温度(Tanneling=55℃)及び伸張温度(Telongation=74℃)の間の、65−70℃となるように設計した。
【0038】
PCR生成物を、キューアイエイクイック(QIAquick)TMPCR精製キット(キアゲン(Qiagen))により精製し、それらの濃度を、260nmにおけるモル吸光度を1塩基対当たり13,200M−1cm−1と推定することにより分光光度的に測定した。プライマー(メドプローブ インク(Medprobe Inc))濃度をε260/10=12.0n+7.1n+15.2n+8.4n−1cm−1と推定して算定した。ここで、nは塩基Xの総数である(Current Protocols in Molecular Biology. Edited by オースベル エフエム(Ausubel FM), ブレント アール(Brent R), キングストン アール(Kingstone R), ムーア ディディ(Moore DD), セイドマン ジェイジィ(Seidman JG), スミス ジェイエイ(Smith JA), Struhl K. John Wiley & Sons, Inc. Canada, 2000, pp.A.3D.2)。
【0039】
PCR系を、IgLκLUP及びIgLλLUP標的配列を各々含むヒトIgLκの231bp断片(ジェンバンク(GenBank)受託番号AK024974)及びヒトIgLλの223bp断片(ジェンバンク受託番号X51755)について設計した。反応条件は下記の文献に記載のように最適化した(クビスタ エム,スタールバーグ エイ(Stahlberg A), Bar T:Light-up probe based real-time Q-PCR. Proceedings of SPIE, in Genomics and Proteomics, Technologies, Raghavachari R, Tan W, Editors. Proceedings of SPIE 2001, 4264:53-58)。IgLκ及びIgLλPCRはいずれも75mMのトリス(pH8.8)、20mMの(NHSO、0.1%のトゥイーン(Tween)20,1Uのジャンプスタート(JumpStart)TMTaqDNAポリメラーゼ(抗体を伴う)(シグマ−アルドリック(Sigma-Aldrich))及び200ng/μLのBSAを含んでいた。IgLκPCRについての特定の成分は5mMのMgCl、0.2mMのデオキシリボヌクレオチド(シグマ−アルドリック)、800nMの各プライマー(メドプローブ(MedProbe))及び800mMのIgLκLUP、IgLλPCRについては3.5mMのMgCl、0.4mMのデオキシリボヌクレオチド、600nMの各プライマー及び600nMのIgLλLUPであった。プライマー配列は、IgLκについては5’−TGA GCA AAG CAG ACT ACG AGA−3’(フォワード)(配列番号1)及び5’−GGG GTG AGG TGA AAG ATG AG−3’(リバース)(配列番号2)、IgLλについては5’−GAG CCT GAC GCC TGA G−3’(フォワード)(配列番号3)及び5’−ATT GAG GGT TTA TTG AGT GCA G−3’(リバース)(配列番号4)
【0040】
リアルタイムPCRは、ライトサイクラー(LightCycler;ロシェ ダイアグノスティックス(Roche Diagnostics))内で、サーモサイクラープログラム(thermocycler program):95℃で3分間のプレインキュベーション、95℃で0秒間、55℃で10秒間及び74℃で11秒間を50サイクル、を用いて測定した。蛍光強度は、470nmの励起光及び530nmの発光(ライトサイクラーF1チャンネル(the LightCycler F1 channel))を用いてアニーリング相の終わりにモニターした。全ての増幅曲線は、各サンプルにおいて5個の最低蛍光強度読み出し値の計算平均値を差し引いて調製したベースラインである(ライトサイクラーソフトウェアにおける計算ベースライン調整)。スレショルドは、バックグラウンドノイズよりもかなり高い1.00の値にセットし、このレベルに達するのに必要なサイクル数(CT)を調べた(ヒグチ アール(Higuchi R),フォックラー シィ(Fockler C),ドリンガー ジィ(Dollinger G),ワトソン アール(Watson R):Kinetic PCR analysis: real-time monitoring of DNA amplification reactions. Biotechnology (N Y)1993, 11:1026-1030)。
【0041】
サンプルを60:40のIgLκ:IgLλ発現比の陰性または外れている陽性として類別するために、我々はCTがどの程度正確に測定できるかを知らなければならない。従って、我々は、実験エラーまたは生物学的多様性によるCTの変動を測定するための実験を計画した。まず、我々は、PCRの再現性を、サンプルをアリコートに分け、平行して実行することにより(イントラ−アッセー)分析した。その後、同じサンプルを独立に実行して分析することによりサンプル処理による変動を含めた(インター−アッセー)。比較すべき二つのアッセー間の鋳型濃度の変動を最小限にするために、鋳型及び全ての一般的なPCR成分を含有するマスターミックスを調製し、これを二つのアリコートに分け、これにIgLκ及びIgLλ反応に独特の成分を加えた。各実験は患者サンプルBR0を用いて8回行った(図2)。
【0042】
殆どの報告において、PCR再現性をCTの標準偏差として表した。分散、SD(式14)
Figure 2004532641
<CT>は、測定されたCTの平均値であり、標準偏差SDは、分散の平方根である。しかしながら、我々は、サンプルにおけるcDNAの量の測定に興味があるので、cDNA分子の数に比例する標準偏差(1+E)−CT(式1及び式15)
=NCT*(1+E)−CT
が、より関連がある。(1+E)−CTにおける分散は式16
Figure 2004532641
式中<(1+E)−CT>は(1+E)−CTの平均値である。cDNA分子の数における相対的な不確実性を得るために、我々は、分散係数、CVを得るための平均値で標準偏差を標準化した。我々はこれをパーセントで示す(式17)。
CV=100×SD/((1+E)−CT
【0043】
CVは実験因子によるサンプル中のcDNA分子数の測定における不確実性である。PCRの再現性を反映するイントラ−アッセーにおいて、分散係数はIgLκ反応について3.0%であり、IgLλ反応について4.9%であった(図3)。実験エラーが寄与するインター−アッセーについては、分散係数はIgLκ反応については僅かに大きい8.1%であり、IgLλ反応について5.0%であった。二つのcDNAの比について分散係数を計算することはできないが、我々は、陰性サンプルのIgLκ:IgLλ発現比が悪いケースにおいて実験的な不確実性によりどの程度60:40から外れ得るかを算定することができる。実験的なエラーにより、IgLκcDNAの数が一つの偏差においては高く見積もっていると仮定し、IgLλcDNAの数が一つの偏差において低く見積もっていると仮定すると、測定された比は(60/40)×(1+0.081)/(1−0.050)=1.70=63/37となるであろう。その代わりに、IgLκcDNAの量が低く見積もられ、IgLλcDNAの量が高く見積もっていると、(60/40))×(1−0.081)/(1+0.050)=1.31=56/44となるであろう。従って、実験的な不確実性及び添加された成分によるPCR効率の変動により、我々は陰性のサンプルがIgLκ:IgLλ発現比56:44<N0IgLκ:N0IgLλ<63:37を示すことを予測する。
【0044】
実施例2:患者のサンプルにおけるIgLκ及びIgLλPCR効率の測定
7つの患者サンプルにおけるPCR効率を、試験サンプルを段階的に希釈し、各希釈物についてCT値を測定することにより調べた。これらのデータから、固有標準曲線を構築し、これからPCR効率を測定した(図3)。我々は、サンプルを4倍を3段階の64倍に希釈することを選択した。希釈は二組行い、CT値をIgLκ及びIgLλ反応の両方について測定し、二つのアッセーの効率を別々に調べた。4人は陰性、3人は陽性の7人の患者サンプルはこのようにして特徴づけられ、精製鋳型はインヒビターを含むべきでない。
【0045】
精製鋳型を増幅した場合に得られるPCR効率は、EIGLκ=94.7%であり、EIgLλ=93.2%であり、最適化したPCRに予測されるような非常に高い効率で両反応が進行することが示された。患者サンプルの6つは、約10%低い効率を示し、IgLλPCR効率は75.2%<EIgLλ<85.8%であり、平均値<EIgLλ>=79.3%であり、IgLκPCR効率は79.4%<EIgLκ<90.4%であり、平均値<EIgLκ>=85.4%であった(表2)。第七のサンプルBR17は、正常なIgLκ効率(83.0%)を示したが、IgLλ効率はわずか58.9%であった。このサンプルにおけるIgLλ反応の非常に低い効率の理由は不明である。域外値と考え、平均効率の計算には含めなかった。
【0046】
二つの反応の収率を比較すると、効率比(式18)
Figure 2004532641
は関連するパラメータである(式9参照)。6つのサンプルについては、1.01<XER<1.065、<XER>=1.034(図5)。従って、患者サンプルで典型的にスレショルドに達するのに必要とされる20増幅サイクルの後は(図2)、PCR効率の差により、ラムダDNAに比べて2倍(1.03420=2)の量のカッパDNA分子が生じた。
【0047】
最後に、測定された二つのリアルタイムPCR反応のCT値を対応するcDNA分子の数の比と関連付けるために、二つのプローブ系の相対感度、KRSを調べなければならない(式8及び式19)
Figure 2004532641
は、CT値(CTIgLκ,CTIgLλ)、及び60:40のIgLκ:IgLλ発現比を想定して4つの陰性サンプル(表2)について決定したPCR効率(EIgLκ,EIgLλ)から計算した。これにより、1.41<KRS<1.84、平均値<KRS>=1.52が得られた(図5)。精製鋳型を使用して別のKRSを測定し、濃度を分光学的に測定し、希釈し、増幅した。従って、ここでプローブと条件を使用すると、IgLκDNAのプロービングはIgLλDNAのプロービングより50%以上感受性が高い。
【0048】
実施例3:NHLリンパ腫患者サンプルの類別
合計20の患者サンプルを、B細胞リンパ腫について、Q−PCRアッセーにより分析した。陰性コントロールを含む全てのサンプルを2組行い、図6にデータをプロットし図7にまとめた。このプロットにおいて、全ての記号は一つのサンプルを表し、相関するCTIgLκ,CTIgLλ上に配置される。精製鋳型の対応するcDNA分子の数は、EIgLκ=94.7%,EIgLλ=93.2%と推定して計算され、反対側の軸に対数で示される。IHC分析により陰性とみられたサンプルを丸で示し、陽性のサンプルを四角で示す。
【0049】
IgLκ:IgLλ遺伝子発現比60:40の陰性サンプルは直線上に並ぶことが予測される。式(9)を書き直すと、式20となる。
Figure 2004532641
対数の型に変換すると式21となる
Figure 2004532641
そして、さらに再配列すると、式22が得られる。
Figure 2004532641
【0050】
これは、傾きk及び切片lのCTIgLκとCTIgLλの線形の関係を示す。上記6つのサンプルについて測定した平均値である<EIgLκ>=0.854、<EIgLλ>=0.793及び<KRS>=1.52(図5)、並びにN0IgLκ/N0IgLλ=60:40=1.5を挿入することにより、我々はk=0.946及びl=0.021を得た。相対感度KRSが60:40の発現比を推定して陰性サンプルの測定から計算されたことに注意すべきである。これは、第二期におけるノミネーター(nominator)のN I GLκ/N0IGLλ比を取り消す。従って、陰性のサンプルについてCTIgLκとCTIgLλの関係の計算された傾き及び切片は、特別なIgLκ:IgLλ発現比の推定と独立である。k=0.964,l=0.021の線を図6に示す。
【0051】
いくつかの陰性のサンプルは、60:40の発現比を表す線(図5)からわずかに離れる。これは、サンプル間のPCR効率の変動によるであろう。そのような変動は、平均PCR効率が推定される場合、測定したCT値からのcDNA分子の数の評価におけるエラーを引き起こすであろう。サンプルにおける二つのPCRアッセーの効率が平均値からほぼ同じ程度はなれる場合、それらはそれらの効率が正常な場合にあるべき位置から斜めに離れているが、測定されたCT値はなお正確に発現比を反映し、陰性のサンプルは60:40の線上にあるであろう。しかしながら、もし該反応の効率がもう片方よりも多く平均値から離れる場合は、陰性サンプルは60:40の線から離れるであろう。本発明の方法により特徴づけた7つのサンプルについて(図4及び図5)、測定されたCT値は特定のPCR効率と平均効率の差について補正することができる(式23)
Figure 2004532641
【0052】
補正されたCT値は、中空の記号で示す。それらは測定されたCT値と矢印で関連づけられている(図6)。いくつかの矢印は斜めであり、二つの反応がほぼ同程度に抑制され、類別に影響しないことを示すが、いくつかの重要な例外がある。
【0053】
サンプルの類別におけるPCR効率の実験的なエラー及び変動を説明するために、我々は陰性サンプルが見られる範囲内で限界値を算定した。式20において切片を固定すると、下記式24が得られる:
Figure 2004532641
我々は傾きk=log(1+EIgLλ)/log(1+EIgLκ)の標準偏差を、in situ較正により特徴づけられた6つのサンプル(BR17は除いた)について測定した効率から計算した。これにより、SD=0.031が得られた。正規分布について、95%の信頼区間は平均±1.96*SDにより得られる。図3において、破線は区間を示す(式25)
Figure 2004532641
【0054】
信頼区間は、実験的な変動の殆どを考慮しているが、これは、健常者におけるIgLκ:IgLλ発現比については切片における変動も自然の変動も説明しない。これらの因子は信頼区間をさらに広げる。従って、この信頼区間は陰性のサンプルが少なくとも95%の可能性で見いだされることが期待される場合を示す。この研究における全ての陰性サンプルはこの区間の範囲内に入る(図3)
【0055】
IgLκクロナリティーを有する陽性サンプルは、60:40の線より下であり、IgLλクロナリティーのサンプルは線より上にある。殆どの陽性サンプルは信頼区間の外に入る。しかしながら、いくつかの重要な例外がある。最も著しいのはBR17である。これは補正なしでは信頼区間に入り、正常として類別されるであろう。しかしながら、本発明の方法による異例のPCR効率の補正後は、信頼区間のはるかに外側に入り、IgLλクロナリティーを伴うリンパ腫として安全に類別され得る(図6及び7)。サンプルBR5が信頼区間の範囲内にある理由は、確立されなかった。最も可能性の高いのは、異例のPCR効率によることである。サンプルBR23は非常に高いCT値を有し、IgLκ及びIgLλの両方の非常に少ない複製を示し、IHC分析により、T細胞リンパ腫であることがわかった。
【0056】
実施例4:タクマン(Taqman)ベースのリアルタイムPCRアッセーを用いた患者サンプル中のCML診断のためのGAPDHの転写に関するbcr−abl転写の測定
CML患者及び対照群(controls)からの末梢血サンプルを、スウェーデン、ゴーテンブルグ(Gothenburg)のサルグレンスカ大学病院(Sahlgrenska University hospital)で集めた。白血球細胞を計測し、100000細胞をEL緩衝液(キアゲン)及びPBSに溶解し、mRNA抽出まで−20で貯蔵した。RNA抽出は、ゲノヴィジョン ゲノム ロボティック ワークステーション(Genovision GenoM Robotic Workstation)で行った。polydTでコートした磁性ビーズ用い、磁力をかけてmRNAを他の成分から分離することにより、溶解した血液細胞からのmRNAの抽出を行った。他の成分を洗い流し、mRNAを熱により溶出することができる。cDNAを、1x ギブコ(Gibco)緩衝液x5、100mMのDDT,1mMのdNTP、20μMのランダムヘキサマー、1U/μlのRNA分解酵素インヒビター、10U/μlのスーパースクリプト(Superscript)II;インヴィトロゲン(Invitrogen))を含有する溶液中で合成した。RNA分解酵素を含まない水を添加して、最終容量を50μlとし、これに抽出工程からのmRNA50μlを添加した。得られた溶液を、サーモサイクラー内で室温で10分間、42℃で50分間、70℃で15分間、95℃で5分間処理した。
【0057】
BCR−ABL反応で使用するプライマーは、GCATTCCGCTGACCATCAATA(b2a2−s)、TCCAACGAGCGGCTTCAC(b2a2−as)及びCCACTGGATTAGCAGAGTTCAA(b3a2−s)である。使用した配列特異的プローブは、FAM−CAGCGGCCAGTAGCATCTGCTTTGA−BHQ1である。
【0058】
GAPDH反応で使用したプライマーは、CAACTGGGACGACTGGAGA(GAPDH−s)及びGAAGATGGTGATGGGATTTC(GAPDH−as)であり、FAM−CAAGCTTCCCGTTCTCAGCC−DQまたはFAM−CAAGCTTCCCGTTCTCAGCC−BHQ1を配列特異的プローブとして使用した。
【0059】
1x プラチナ(Platinum)PCR緩衝液(インヴィトロゲン)、4mMのMgCl、0.5mMのdNTP、1.25UのプラチナTaqポリメラーゼ(Invitrogen)、0.833μMのb2a2−sプライマー、0.833μMのb3a2−sプライマー、0.833μMのb2a2−asプライマー、0.833μMのBCR−ABLプローブ及び5μlの逆転写からの鋳型を含有する溶液を総容量20μlとしてBCR−ABR反応に使用した。GAPDH反応についての対応する溶液は、1x プラチナPCR緩衝液(インヴィトロゲン)、4mMのMgCl、0.5mMのdNTP、1.25UのプラチナTaqポリメラーゼ(インヴィトロゲン)、0.833μMのGAPDH−sプライマー、0.833μMのGAPDH−asプライマー、0.833μMのGAPDHプローブ、及び5μlの逆転写からの鋳型を含有し、総容量20μlとした。
【0060】
サンプルをロータージーン(Rotorgene;コーベット リサーチ(Corbett Research))中で実行し、470nmで蛍光を励起し、510nmで発光させた。熱サイクルは、95℃で2分間の初期変性及び95℃で30秒間及び60℃で60秒間の50〜55サイクルとした。
【0061】
PCR効率を、2倍を4段階で(図8)連続的に希釈したサンプルにより、5人の患者サンプルについて(図9)測定した。
【0062】
実施例5:染料アッセーを用いたbcr−abl及びGAPDH転写の測定
PCR生成物鋳型は、K562細胞からのcDNAにおけるBCR−ABL及びGAPDH断片の増幅により調製した。PCR生成物をQIAクイック(quick)PCR精製キット(キアゲン)を用いて精製した。
【0063】
BCR−ABL反応で使用したプライマーはGCATTCCGCTGACCATCAATA(b2a2−s)、TCCAACGAGCGGCTTCAC(b2a2−as)及びCCACTGGATTAGCAGAGTTCAA(b3a2−s)であった。
【0064】
GAPDH反応で使用したプライマーはCAACTGGGACGACTGGAGA(GAPDH−s)及びGAAGATGGTGATGGGATTTC(GAPDH−as)である。
【0065】
1x プラチナPCR緩衝液(インヴィトロゲン)、4mMのMgCl、0.5mMのdNTP、1.25UのプラチナTaqポリメラーゼ(インヴィトロゲン)、0.833μMのb2a2−sプライマー、0.833μMのb3a2−sプライマー、SYBRグリーンIの1:80000希釈液、及び6.25μlの逆転写からの鋳型を含有する溶液を総容量25μlとしてBCR−ABL反応に使用した(図10)。GAPDH反応についての対応する溶液は、1x プラチナPCR緩衝液(インヴィトロゲン)、4mMのMgCl、0.5mMのdNTP、1.25UのプラチナTaqポリメラーゼ(インヴィトロゲン)、0.833μMのGAPDH−sプライマー、0.833μMのGAPDH−asプライマー、SYBRグリーンIの1:80000希釈液、及び6.25μlの逆転写からの鋳型を含有し、総容量25μlとした(図11)。
【0066】
サンプルをiサイクラー(iCycler)(バイオ−ラッド(Bio-Rad))中で実行し、490nmで蛍光を励起し、530nmで検出した。熱サイクルは、95℃で2分間の初期変性及び95℃で20秒間、60℃で20秒間、73℃で20秒間の50サイクルとした。溶融曲線は、65℃〜95℃で実施した。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】試験サンプルの制御された希釈。試験サンプルは4倍希釈を3回行い、64倍に希釈する。
【図2】インター及びイントラアッセー。左上:IgLκイントラアッセー;右上:IgLλイントラアッセー;左下:IgLκインターアッセー;右下IgLλインターアッセー。
【図3】インター及びイントラアッセーにおける変動。8回繰り返された測定におけるIgLκおよびIgLλ反応についてのCT値の変動は、サンプルBR0で平行にも(イントラアッセー)別々にも(インターアッセー)行われる。
【図4】IgLκ(A)及びIgLλ(B)アッセーのPCR効率。直線は、最大鋳型濃度で標準化されている。PCR効率は、E10−( slope )−1−1として合わせた直線の傾きから得られる。域外値のサンプルBR17は点線で示されている(・・・)。精製した鋳型は波線で示されている(−−−)。全ての直線はR>0.99である。
【図5】リンパ腫サンプルにおけるIgLκおよびIgLλPCR効率。7つの試験サンプル及び精製鋳型における本発明のアプローチにより測定されたIgLκおよびIgLλ反応のPCR効率。陰性のサンプルにおける計算された相対感度,KRSも示す。
【図6】リンパ腫サンプルの類別。CTκ対CTλのプロットで示された患者のサンプル。各記号は、一つのサンプルを表し、そのCTκ及びCTλプロットで描かれている。反対側の軸は精製された鋳型のcDNAコピー数を示す。実線の直線は、IgLκおよびIgLλ反応のPCR効率を各々85.4%及び79.3%と推定して計算された陰性のサンプルに予測される(CTκ,CTλ)値を示す。点線は少なくとも95%の確率で陰性サンプルが見られる間隔を示す。B細胞リンパ腫は■で、び慢巨大B細胞リンパ腫は*で、陰性サンプルは●で示す。中空の記号は特定のPCR効率が測定されたサンプルの補正されたCT値を示す。
【図7】NHLサンプルの種々の方法による類別の比較。伝統的なR.E.A.L分類、IHCクロナリティーによる分類及びフローサイトメトリーとの比較した、本発明のリアルタイムPCR法による患者のサンプルの分類。陽性B細胞リンパ腫サンプルは太字で示されている。本発明のリアルタイムPCR法は、いずれの場合も伝統的な方法とあっているが、より迅速で患者に対する不便さが少ない。
【図8】プローブを用いたbcr−abl及びGAPDHのPCR効率の測定。系統的に二段階希釈された患者のサンプル中で、タクマンプローブリアルタイムPCRアッセーを用いたbcr−abl及びGAPDHのPCR反応について測定されたCT値。CT対log(希釈)プロットは異なる傾きを有し、これにより二つの反応がサンプル中で異なる程度抑制されていることが証拠づけられる。bcr−abl及びGAPDHcDNAの比は、CR効率を考慮して計算される。
【図9】患者のサンプルにおけるbcr−abl及びGAPDHのPCR効率。本発明の方法で決定された、5つの患者サンプル中のタクマンプローブリアルタイムPCRアッセーを用いて測定されたbcr−abl及びGAPDH反応のPCR効率を示す表。全てのサンプルにおいて、GAPDH反応がより高度に抑制された。両反応の抑制率は、サンプルによりかなり変動し、本発明の重要性を証拠づけた。
【図10】染料を用いたbcr−abl cDNAの測定。bcr−abl cDNAのSYBRグリーンアッセーのリアルタイムPCR増幅曲線。左上はCT対log(出発濃度)のプロットを示し、右上はプライマーダイマーからの鋳型特異的生成物を特徴づける融解曲線を示す。
【図11】染料を用いたGAPDH cDNAの測定。GAPDH cDNAのSYBRグリーンアッセーのリアルタイムPCR増幅曲線。左上はCT対log(出発濃度)のプロットを示し、右上はプライマーダイマーからの鋳型特異的生成物を特徴づける融解曲線を示す。

Claims (20)

  1. 試験サンプル中の特定の核酸配列のコピー数が決定されるPCR効率の決定方法であって、該サンプル自体または該サンプル自体の希釈保存溶液のポリメラーゼ連鎖反応によるDNAの増幅、及び該サンプルの一またはそれ以上の制御された希釈、及び一定量の生成物を得るのに要求される増幅サイクルの数(CT)の記録、及び希釈因子に対するCTの依存性からの該サンプル中のPCR効率の算定を含む方法。
  2. 請求項1により2つの反応のPCR効率を決定することによりサンプル中の二つの核酸配列の量を比較する請求項1記載の方法。
  3. 下記式の関係を用いて試験サンプル中の二つの核酸の比を決定する請求項1または2記載の方法。
    Figure 2004532641
    (式中、CT値は試験サンプルにおいて測定され、PCR効率<E>は請求項1の方法またはキネティックPCRのような同等の方法により前記核酸配列を含む代表的サンプルのトレーニングセットについて別に決定される)
  4. 下記式:
    Figure 2004532641
    の関係を用い、二つのPCRアッセーの相対感度を考慮に入れて、サンプル中の二つの核酸配列の比を決定する請求項1または2記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の生物学的サンプルにおいて核酸配列の量を決定する請求項1または2記載の方法であって、核酸がRNA、好ましくは逆転写または同様の方法によりDNAに転換される1またはそれ以上のmRNAである方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のサンプル中の対応するmRNAの比を決定することにより二つの遺伝子の発現比を比較することによる疾病の診断及び/または類別方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の少なくとも二つの遺伝子の発現を比較することによりリンパ腫を診断する請求項6記載の方法であって、該遺伝子の相対発現がクローナルサンプルにおいては健常な組織に比べて異なっている方法。
  8. 二つの遺伝子のいずれかがリンパ球の各クローンで発現し、健常な個体において特定の比率で存在し、その比がリンパ腫の存在を示すクロナリティにより、陽性サンプルにおいて変化している請求項7記載の方法。
  9. 発現が比較される少なくとも一対の遺伝子が、免疫グロブリンκ及びλ軽鎖である請求項8記載の方法。
  10. 免疫グロブリンκ及びλ軽鎖の発現が、IgLκ:IgLλmRNA比を逆転写PCR,好ましくはリアルタイムPCRにより決定することにより比較される請求項9記載の方法。
  11. 各々下記の配列に十分に相補的な1またはそれ以上のPCRプライマーが使用される請求項6〜10に記載の方法。
    5’−TCT CGT AGT CTG CTT TGC TCA−3’(配列番号1)、及び
    5’−CT CAT CTT TCA CCT CAC CCC−3’(配列番号2)、及び
    5’−C TCA GGC GTC AGG CTC−3’(配列番号3)、及び
    5’−C TGC ACT CAA TAA ACC CTC AAT−3’(配列番号4)
  12. 相補性の程度が、少なくとも80%である請求項11記載の方法。
  13. bcr−abl融合転写物の発現を決定することによりCMLが診断される請求項1〜6記載の方法。
  14. 3またはそれ以上の遺伝子の発現を比較する請求項6記載の方法。
  15. 2またはそれ以上の遺伝子の発現を比較する疾病の進行をモニターするための方法。
  16. 2またはそれ以上の遺伝子の予後を行うための方法。
  17. 請求項1〜5のいずれかにより相対量を決定することにより遺伝子のスプライシング変種の存在を比較するための方法。
  18. 請求項1〜5のいずれかにより転写物の相対量を決定することによる代替的なプロモーターの活性を比較するための方法。
  19. 請求項1〜5のいずれかによりサンプル中のウイルスまたは細菌の量を決定するための方法。
  20. 少なくともκ:λ発現比が決定されるリンパ腫を含む癌を診断するための方法。
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