JP2004530758A - 光安定化されたポリマー、その製造法、該ポリマーを用いた熱成形可能製品の製造法、および該製造法により得られた繊維 - Google Patents

光安定化されたポリマー、その製造法、該ポリマーを用いた熱成形可能製品の製造法、および該製造法により得られた繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】製造能力および柔軟性を改善する光安定化されたポリマー、その製造方法、および光安定化されたポリマーを含む熱成形可能な製品、およびその製造法を提供する。
【解決手段】ポリマー鎖に共有結合する光安定化部分を高割合で有する光安定化されたポリマーとその製造方法が開示されている。更に熱成形可能な製品の製造法が開示されている。この製造法は、ポリマー鎖に共有結合する光安定化部分を高割合で有する光安定化された1種類以上のポリマーと、実質的に光安定化部分を有さない1種類以上の他の高分子材料を混合する工程を含む。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、光安定化されたポリマーとこれから得られた製品(物品)に関する。更に本発明は、光安定化されたポリマーと、これを含む製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド等のポリマーの光安定性を改善するために多くの努力がなされてきた。ポリマーの光安定性を向上させる方法の一つは、1種類以上の成分をポリマー構造に導入することであり、この1種類以上の成分に光安定化部分が含まれる。得られたポリマーのポリマー鎖に光安定化部分が含まれる場合、この光安定化部分によりポリマーの光安定性が向上する。例えば、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)等の立体障害ピペリジン化合物の存在下にカプロラクタムを重合させることにより得られたナイロン及びナイロン繊維は、光安定化TAD部分により改善された光安定性を有する。これについては米国特許第5851238号明細書、米国特許第6136433号明細書、米国特許第6150496号明細書に開示されている。各米国特許は全てBASF Corporation社(Mt. Olive、NJ)に譲渡されたものであり、これらの文献は全て本明細書に組みこまれているものとする。
【0003】
上記のBASF社の特許では、光安定化されたポリマー鎖に対するTAD分子の割合は、2質量%未満とされている。多くの場合、光安定化の性質は、TADの割合がポリマー形成モノマーの質量に対して約0.5質量%未満である場合に得られる。
【0004】
中国等の各国では、TAD等の立体障害を有するアミン化合物を含む光安定化されたポリマーの製造能力が限られているか、又はその能力を全く有さない。このように世界市場において光安定化したポリマーの供給が少ないことにより、これらの国々では少量のみの光安定化されたポリマーが販売されている。
【0005】
更に、フィルム状及び/又は繊維状の光安定化されたポリマーの製造能力に限界がある。一般に、所定の光安定化されたポリマーフィルムまたは繊維の製造設備が設置されれば、この設備では製造効率が最適化されて上述の特定の光安定化されたポリマーフィルムまたは繊維が大量に製造され、生産ラインの変更による休止時間も最小限とされる。製造能力及び/又は製造における柔軟性を向上させることができれば、いずれも場合にもフィルム及び繊維産業に利益を与えると考えられる。
【0006】
この業界で必要なものは、製造能力及び/又は柔軟性が改善された光安定化されたポリマー及び光安定化された製品を製造する方法である。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5851238号明細書
【特許文献2】
米国特許第6136433号明細書
【特許文献3】
米国特許第6150496号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、製造能力および柔軟性を改善する光安定化されたポリマーと光安定化された製品の製造法を見出したことにより、上記困難および問題点への対応策を提示するものである。本発明の方法では、ポリマー鎖に共有結合し、高割合の光安定化部分を有する光安定化されたポリマーの形態の「原料」が製造される。原料(すなわち、ポリマー鎖に共有結合した、高割合の光安定化部分を有する光安定化されたポリマーは、そのまま用いても、1種類以上の他のポリマー材料と共に更に加工されてもよい。これにより、フィルム又は繊維等の熱成形可能な製品を得てもよい。本発明で製造された原料は、そのまま用いられても、他の材料と共に使用されてもよく、これにより製造能力および柔軟性を向上させてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は、ポリマー鎖に共有結合した光安定化部分の割合が大きな光安定化されたポリマーを提供するものである。
【0010】
更に、本発明によると、ポリマー鎖に共有結合した光安定化部分の割合が大きな光安定化されたポリマーの製造法が提供される。
【0011】
本発明は、ポリマー鎖に共有結合した光安定化部分の割合が大きな1種類以上の光安定化されたポリマーを製造し、この1種類以上の光安定化されたポリマーを、1種類以上の実質的に光安定化部分を含まない他の高分子材料と配合してポリマーブレンドを製造する熱成形可能な製品の製造方法を提供する。
【0012】
本発明は、更に、ポリマー鎖に共有結合した光安定部分を高割合で含む光安定化されたポリマーの販売の申し出をする工程を含むビジネスを行う方法を提供する。同ビジネス方法は、ポリマー鎖に共有結合する光安定化部分を高割合で含む光安定化されたポリマーと、光安定化部分を含まない1種類以上の他の高分子材料を混合する工程を含んでも良い。
【0013】
本発明の上述の特徴および利点、更に他の特徴および利点について、以下に記載の実施の形態および各請求項により更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の本質的理解を深めるために、本発明の実施の形態を以下に記載し、この実施の形態に所定の用語を用いる。しかしながら、このような所定の用語により発明の範囲が何ら制限されないことは言うまでもない。本発明を逸脱しない範囲で当業者が本発明の本質部分を変更、修正、および他の適用を行うことが可能である。
【0015】
本発明の一実施の形態は、ポリマー鎖に共有結合した光安定化部分を高割合で有する光安定化されたポリマーに関する。本明細書において、「高割合」とは、ポリマー鎖に共有結合する1部分以上の光安定化部分が、ポリマー形成モノマーと光安定化部分を含有する化合物との総質量に対して約2質量%よりも多い割合を意味する。光安定化されたポリマーは、ポリマー鎖に共有結合する1部分以上の光安定化部分を、ポリマー形成モノマーと光安定化部分を含有する化合物との総質量に対して約2.5質量%〜約15質量%含むと好ましい。光安定化されたポリマーが、ポリマー鎖に共有結合する1部分以上の光安定化部分を、ポリマー形成モノマーと光安定化部分を含有する化合物との総質量に対して約3質量%〜約10質量%含むと更に好ましい。更に、光安定化されたポリマーが、ポリマー鎖に共有結合する1部分以上の光安定化部分を、ポリマー形成モノマーと光安定化部分を含有する化合物との総質量に対して約5質量%〜約10質量%含むと、上述の場合よりも更に好ましい。
【0016】
本発明の光安定化されたポリマーは種々のモノマーと光安定化部分とから形成されてもよい。本発明において使用される適するモノマーの例は、ポリアミド形成モノマー、例えばジアミン化合物、ジカルボン酸、ジカルボン酸ジアミン塩、カプロラクタムモノマー、これらの組み合わせ、ポリエステル形成モノマー、ポリウレタン形成モノマー、及びポリイミド形成モノマーである。本発明における使用モノマーはこれらに限定されるものではない。
【0017】
本発明の一実施の形態において、光安定化されたポリマーはポリアミド形成モノマーから形成される。光安定化されたポリアミドは、カプロラクタムモノマー、少なくとも1種類のジアミン化合物、少なくとも1種類のジカルボン酸、少なくとも1種類のジカルボン酸ジアミン塩、及びこれらの組み合わせから製造される。光安定化されたポリアミドは、カプロラクタムモノマー、少なくとも1種類のジアミン化合物、すなわちヘキサメチレンジアミン、又はテトラメチレンジアミン、少なくとも1種類ジカルボン酸、すなわちアジピン酸、セバシン酸、又はテレフタル酸、及びこれらの組み合わせから製造されると好ましい。更には、光安定化されたポリアミドが、カプロラクタムモノマー、少なくとも1種類のジカルボン酸、すなわちアジピン酸又はテレフタル酸、及びこれらの組み合わせから構成されると更に好ましい。
【0018】
本発明の他の実施の形態において、光安定化されたポリマーは、ポリマー鎖に共有結合した光安定化部分を高割合で有する以下のポリアミドのいずれかを含む。すなわち、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン4/6、ナイロン6/10、芳香族ナイロン、例えばポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)及びポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)である。適するポリアミドの例は、Sweenyによる米国特許第3287324号、Kwoleckによる米国特許第3671542号各明細書に開示されたポリアミド(これらの文献は本明細書に組みこまれたものとする)、および米国特許第5851238号、同6136433号、同第6150496号各明細書に開示されたポリアミド(これらの米国特許は全てBASF Corporation社(Mt. Olive、NJ)に譲渡されたものであり、これらの文献は全て本明細書に組みこまれたものとする)である。これらは例示にすぎず、使用可能なポリアミドはこれらに限定されるものではない。
【0019】
1部分以上の光安定化部分は、上記ポリマーに共有結合していてもよい。本発明で使用される適する光安定化部分の例は、立体障害アミン、立体障害ホスフィット、立体障害ホスホニット、立体障害フェノール、およびこれらの組み合わせであるが、使用可能な光安定化部分(分子)はこれらに限定されるものではない。本発明で使用される立体障害アミンの適する例は、下記の式Iで示される化学構造を有するアミンである。本発明で使用可能な立体障害アミンはこの例に限定されるものではない。
【0020】
【化1】
Figure 2004530758
【0021】
上記式中、Rは−NRを、
及びRはそれぞれ独立に水素または炭素原子数1〜7のアルキル基を意味し、
が水素、ベンジル、炭素原子数1〜20のアルキル基、または−ORを意味し、
が水素、または炭素原子数1〜20のアルキル基を意味し、
、R、RおよびRがそれぞれ独立に水素、または炭素原子数1〜7のアルキル基を意味する。
【0022】
立体障害を有するアミンの他の例は、Clariant Corporation (Charlotte, NC)社製のNYLOSTAB(登録商標)S−EED、Ciba Specialty Chemicals Corporation (Tarrytown, NY)社製のTINUVIN(登録商標)765、TINUVIN(登録商標)770、TINUVIN(登録商標)622の各製品名で販売されている芳香族立体障害アミンである(これらに限定されない)。
【0023】
適する立体障害を有するホスフィット、ホスホニットの例は、Ciba Specialty Chemicals Corporation (Tarrytown, NY)社製の、IRGAFOS(登録商標)168、IRGAFOS(登録商標)TNPP、IRGAFOS(登録商標)P-EPQ、の各製品名で販売されている立体障害ホスフィットおよびホスホニットである(これらに限定されない)。
【0024】
適する立体障害を有するフェノールの例は、Ciba Specialty Chemicals Corporation (Tarrytown, NY)社製の、IRGANOX(登録商標)245、IRGANOX(登録商標)1098、IRGANOX(登録商標)259、IRGANOX(登録商標)1135、IRGANOX(登録商標)1010、IRGANOX(登録商標)1222、IRGANOX(登録商標)1076、IRGANOX(登録商標)1330、IRGANOX(登録商標)1425、IRGANOX(登録商標)MD1024の各製品名で販売されている立体障害フェノールである(これらに限定されない)。
【0025】
本発明における使用に適するブレンド、例えば立体障害を有するファノールとホスフィットのブレンドとしては、Ciba Specialty Chemicals Corporation (Tarrytown, NY)社製の、IRGANOX(登録商標)B215、IRGANOX(登録商標)B225、IRGANOX(登録商標)B561、IRGANOX(登録商標)B900、IRGANOX(登録商標)B1171が含まれる(これらに限定されない)。
【0026】
1種類以上の光安定化された化合物は、上記式Iに記載の化学構造を有する立体障害アミンを含むと好ましい。また、1種類以上の光安定化された化合物が、上記式Iにより示され、式中のRが−NRを、R及びRがそれぞれ独立に水素を、Rが水素、ベンジル、又は炭素原子数1〜7のアルキル基を、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に水素、または炭素原子数1〜7のアルキル基を意味する立体障害アミンを含むと更に好ましい。1種類以上の光安定化された化合物が4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)を含むと、上述の場合よりも更に好ましい。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態において、光安定化されたポリマーが、1種類以上の上述のポリマー形成モノマーと、1種類以上の式Iの化学構造を有する光安定化立体障害アミンから得られると好ましい。これにより得られるポリマーは、以下の式II
【0028】
【化2】
Figure 2004530758
で表され、式中
、R、R、R、R、R及びRが上述の意味を有し、
yとzとが、それぞれ独立に0又は1を意味し、(y+z)が1である1種類以上の部分を含む。
【0029】
更に好ましくは、光安定化ポリマーが、上述の1種類以上のポリマー形成モノマーと、式IIで示さる化学構造を有し、式中のRが水素を、Rが水素、ベンジル、又は炭素原子数1〜7のアルキル基を、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に水素、または炭素原子数1〜7のアルキル基を意味し、yが1、zが0である、光安定化立体障害アミン部分とから構成されるとよい。更に、光安定化ポリマーが、上述の1種類以上のポリマー形成モノマーと、式IIの化学構造を有し、式中のRが水素を、Rが水素、ベンジル、又は炭素原子数1〜7のアルキル基を、R、R、RおよびRがそれぞれ独立にメチル基を意味し、yが1、zが0である、光安定化立体障害アミン部分とから構成されると上述の場合よりも更に好ましい。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態において、光安定化ポリマーは、上述の1種類以上のポリアミド形成モノマーと、生成したポリアミドに共有結合した1種類以上の光安定化部分とから形成される。光安定化されたポリマーは、1種類以上のカプロラクタムモノマー、及び4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)から構成されると好ましい。光安定化されたポリアミドを形成する所望の組成物は、カプロラクタム中に、カプロラクタムの質量に対して、約2.5質量%〜約15質量%の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)を含むことにより得られる。光安定化されたポリアミドを形成する組成物が、カプロラクタム中に、カプロラクタムの質量に対して、約3.0質量%〜約10.0質量%の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)を含むと更に好ましい。光安定化されたポリアミドを形成する組成物が、カプロラクタム中に、カプロラクタムの質量に対して、約5.0質量%〜約10.0質量%の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)を含むと上述の場合よりも更に好ましい。
【0031】
本発明は、ポリマー鎖に共有結合する光安定化部分を高割合で含む光安定化されたポリマーの製造法に関する。本発明の光安定化されたポリマーを製造するために適する重合方法は、Matthiesによる米国特許第5149758号明細書に記載されている方法(同明細書の内容は全て本明細書に組みこまれているものとする)において、重合体混合物に更に少なくとも1種類以上の光安定化された化合物が添加されている。1種類以上の光安定化された化合物と、ポリマー形成モノマーは、反応を実施する反応器中に別々に添加してもよく、混合物として添加してもよい。
【0032】
重合体混合物は、ポリマー形成モノマーおよび1種類以上の光安定化された化合物に加えて、他の反応成分を含んでも良い。適する反応成分の例は、連鎖調整剤、顔料、開始剤である(これらに限定されない)。本発明の実施の形態において、1種類以上のポリマー形成モノマーと、1種類以上の光安定化された化合物とを、有効量の少なくとも1種類の慣用の連鎖調整剤と混合する。1種類以上の連鎖調整剤は、分子量調整剤として作用する。
【0033】
所定の連鎖調整剤、又は複数の連鎖調整剤の組み合わせ、およびその使用量は、最終生成物としての光安定化されたポリマーの分子量と溶融安定性に応じて選択される。光安定化されたポリアミドの場合、少なくとも1種類の連鎖延長剤を選択し、ポリアミド最終生成物のアミノ末端基の割合と溶融安定性を所望の割合とする。ポリアミド最終生成物の所望のアミノ末端基の含有率も、ポリアミド生成物から得られるヤーンまたは繊維の所望の染色性に依存して決定される。ポリアミド最終生成物の所望の溶融安定性も、ポリアミド加工についての実際上の要求、特にポリアミドの紡糸に関する要求に応じて異なる。
【0034】
本発明に使用される好適な連鎖延長剤の例は、酢酸、プロピオン酸、メチル安息鉱酸、安息鉱酸であるが、これらに限定されない。好ましいジカルボン酸の例は、モノカルボン酸、ジカルボン酸、アミン、ジアミン、これらの組み合わせである。本発明において使用可能な連鎖延長剤はこれらに限定されるものではない。適するモノカルボン酸の例は、C−C10アルカンジカルボン酸、特にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、及びドデカンジオン酸、C−Cシクロアルカンジカルボン酸、特にシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、安息香酸ジカルボン酸、特にイソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸である(これらに限定されない)。適するアミンの例は、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミン、及び2−フェニルエチルアミンである(これらに限定されない)。適するジアミンの例は、C−C18アルカンジアミン、特にテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、及びドデカンジアミン、C−Cシクロアルカンジアミン、C−C24アリールジアミン、特にp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、及びp−キシリレンジアミンである(これらに限定されない)。本発明における一種類以上の連鎖延長剤は、1種類以上のジカルボン酸又は1種類以上のジアミンを含む。ジカルボン酸又はジアミン連鎖延長剤は、ポリアミド形成化合物として使用されるジカルボン酸又はジアミンと同一であってもよく、異なってもよい。
【0035】
1種類以上の連鎖延長剤は、ポリマー形成モノマーの質量に対して0〜約50質量%の範囲の量で使用可能である。1種類以上の連鎖延長剤が、ポリマー形成モノマーの質量に対して0〜約30質量%であると好ましい。1種類以上の連鎖延長剤が、ポリマー形成モノマーの質量に対して約0.01〜約2.0質量%であると更に好ましい。
【0036】
本発明の実施の形態において、光安定化されたポリマーの製造法は、ポリマー形成モノマーを1種類以上の式Iの光安定化された化合物および1種類以上の顔料の存在下に重合させる工程を含む。本発明の方法において使用される適する顔料は、例えば二酸化チタン、有機または無機の色彩保持化合物(color-bearing compound)であるが、これらに限定されるものではない。顔料は、ポリマー形成モノマー又は重合混合物に、ポリマー形成モノマーの質量に対して約5質量%までの所望の量で添加される。顔料を使用する場合、1種類以上の顔料をポリマー形成モノマーの質量に対して約0.01質量%〜約2.0質量%の範囲の量で添加すると更に好ましい。
【0037】
更に、本発明は熱成形可能な製品の製造方法に関する。この方法では、ポリマー鎖に共有結合した高割合の光安定化部分を含む1種類以上の光安定化されたポリマーを成形し、この1種類以上の光安定化されたポリマーを熱成形する。適する熱成形方法の例は、押出法、引抜成形法、及びバッチ式成形法である(これらに限定されない)。本発明の光安定化されたポリマーの製造法においては、あらゆる慣用の熱成形方法および装置を使用することができる。
【0038】
本発明の、熱成形可能な製品の製造法の実施の形態において、ポリマー鎖に共有結合した光安定部分を高含有率で有する1種類以上の光安定化されたポリマーを製造し、1種類以上の光安定化されたポリマーに1種類以上の付加的な高分子材料を添加してポリマー混合物を製造し、1種類以上の高分子材料が光安定化部分を含んでも、実質的に含まなくてもよく、更に、ポリマー混合物を熱成形して、ブレンドされた光安定化ポリマーを成形する。ブレンドされた光安定化ポリマーは、ポリマーブレンド中に所望の量の1種類以上の光安定化部分を有する。
【0039】
あらゆる熱成形可能なポリマーが、ポリマー鎖に共有結合した光安定化部分を高割合で含む1種類以上の光安定化されたポリマーと組み合わせ使用可能である。適する熱成形可能なポリマーの例は、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ABS、これらの組み合わせである。ポリマーブレンド中の各成分の質量割合は、ブレンドされた光安定化ポリマーについて得ようとする性質により異なる。一般的には、ポリマーブレンドは、ポリマー鎖に共有結合した光安定化部分を高割合で有する約1.0質量%以上の1種類以上の光安定化されたポリマーと、約99.5質量%以下の1種類以上の付加的なポリマーとを含む。
【0040】
本発明の具体的な実施の形態において、ブレンド状態の光安定化されたポリマーの形態で熱成形可能な成形体の製造方法は、ポリマー鎖に共有結合した1種類以上の光安定化部分を、ポリマー形成モノマーに対して約2.5質量%〜約15.0質量%含む光安定化されたポリマーを製造し、光安定化されたポリマーと、光安定化部分を実質的に含まない1種類の付加的なポリマーとを混合してポリマーブレンドを得、ポリマーブレンドを同時押出することにより、ポリマー鎖に対して共有結合した1部分以上の光安定化部分の質量割合が、ポリマーブレンドの質量に対して約2.0質量%未満である光安定化されたポリマーを製造する。ブレンド状態のポリマーにおいて、所望の量の光安定化部分を有する種々のポリマーブレンドを製造するために、上記実施の形態を適用可能である。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態において、光安定化されたポリマーのブレンド形態の熱成形可能製品の製造法では、ポリアミド鎖に共有結合により結合した4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)をポリアミド形成モノマーの質量に対して約2.0質量%を超過し、約10.0質量%以下の割合で有する光安定化されたポリアミドを製造し、得られた光安定化されたポリアミドを、光安定化部分を実質的に有さない1種類以上のポリアミドと混合してポリマーブレンドを得、ポリマーブレンドを同時押出することにより、ポリアミド鎖の所定部分に共有結合により結合した4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)をポリアミドブレンドの質量に対して約0.05質量%を超過し、約2.0質量%以下の割合で有する光安定化されたポリアミドブレンドが得られる。上記実施の形態のポリマーブレンドにおける、光安定化された化合物の選択、光安定化された化合物の当初使用する質量割合、及び最終生成物において得られる光安定化部分の質量割合は、得られたブレンド状態のポリマーの所望の性質により変化する。更に、混合工程は、押出工程の以前に混合を行わずに、同時押出工程において行うことも可能である。
【0042】
更に、本発明は光安定化されたポリマーと混合状態の光安定化されたポリマーから製造される。この様な製品の例には、繊維、ヤーン、カーペット、繊維織物、フィルム、フォーム、これらの製品の1種類以上を含む複数層から成る製品があるが、これらに限定されるものではない。光安定化されたポリマーを、慣用の繊維形成方法、例えばKarageorgiouによる米国特許第4983448号明細書、Kent等による5487860号明細書に開示された方法により成型することにより繊維が得られる。これらの米国特許明細書は本明細書に組みこまれているものとする。所望の繊維形成方法では、本発明の光安定化されたポリマーを少なくとも約4000m/分の送り速度(take-off speeds)で紡糸する。同様に、本発明の光安定化されたポリマーを、慣用の織物製造方法、例えばSpeichによる米国特許第4918947号明細書に開示された方法により成型することにより織物が得られる。米国特許明細書は本明細書に組みこまれているものとする。
【0043】
本発明の実施の形態において、上述の光安定化されたポリマーから得られた製品を染色する。本発明の光安定化されたポリマーが光安定化されたポリアミドである場合、光安定化されたポリアミドは、ナイロンの染色に用いられる慣用の染料、例えば金属及び非金属酸性染料により染色される。ナイロンを染色するためには慣用の染浴の条件が用いられる。具体例としては、染浴を、染色対象の製品の質量の約20培の容量に調製する。処理用の薬品が添加されるが、これらの例は、硬水中における金属イオンの析出または錯体生成を回避するためのキレート化剤、染料平滑化剤、及び金属酸性染料の場合は、染浴のpHをゆっくりと低下させるための酸供与体である。溶液を約95℃〜約110℃の所望の温度に、1分間に約0.5℃〜約3.0℃の割合で加熱し、この温度を約30分〜約60分保持する。染浴を冷却するか、空にして、製品を淡水で十分にすすいだ。染色後の製品を回転式乾燥機または炉、張り枠で乾燥させるか、加熱缶を通過させる。次いで、染色した製品をさらに熱硬化させてもよく、寸法安定性を向上させることができる。
【0044】
更に、光安定化されたポリアミドから得られた繊維を、成形して製品の形態を得る前に溶液により染色してもよい。ナイロンの溶液染色には通常の条件が用いられる。具体例としては、本発明の光安定化されたポリアミドを溶融させ、顔料、染料、他の着色化合物等の着色料、又はこれらの組み合わせで染色する。染色後の光安定化されたポリアミドを、慣用の方法、例えばKarageorgiouによる米国特許第4983448号明細書、Kent等による5487860号明細書、及びSpeichによる米国特許第4918947号明細書に開示された方法により、繊維又は織物状に紡糸する。
【0045】
本発明は、更にポリマー鎖に共有結合した光安定化部分を高割合で有する光安定化されたポリマーの販売の申し出を行う工程を含むビジネス方法に関する。このビジネス方法は、更に、1種類以上の、光安定化部分を実質的に含まない他の高分子材料の販売を申し出る工程、及び上述のポリマー鎖に共有結合した光安定化部分を高割合で有する光安定化されたポリマーと該1種類以上の他の高分子材料を混合する工程を含んでもよく、これによりポリマーブレンド中、ポリマー鎖上に所望の量の光安定化部分が含まれたポリマーブレンドを得ることが可能となる。
【0046】
本発明を、更に以下の実施例により詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱しない限り、本明細書の記載に基づき当業者が想到可能な他の多数の実施例、変更、これらの均等物は本発明に含まれるものである。
【実施例】
【0047】
以下の実施例により、ポリマー製品の物理的特性および化学的特性を測定するために用いた方法を説明する。
[末端基含有率の測定法]
約2.0gのポリマーを60℃の約60ccのフェノール−メタノール混合物(68:32質量%)に溶解することにより、アミノ末端基含有率を測定した。得られた溶液を約25℃、約0.20NのHClにより電位差法で滴定した。急速な電位上昇により終点を決定した。
【0048】
約0.30gのポリマーを180℃の約40ccのベンジルアルコール混合物に溶解し、カルボン酸末端基含有量を測定した。次いで溶液を約80℃〜約100℃の約0.03Nの水酸化t−ブチルアンモニウムにより電位差法で滴定した。急速な電位上昇により終点を決定した。
【0049】
[キセノンアーク(紫外線"UV")照射]
管状のニットに、AATCC試験法16−1998、オプションE:「水冷キセノンアーク灯、連続光(Water-Cooled Xenon-Arc Lamp, Continuous Light)」により425kJ(100時間)ずつ増加させて2125kJ(500時間)まで照射した。照射に次いで、単一ストランドヤーン試料をINSTRON(登録商標)張力試験機械を用いて一定の速度で引っ張り破断させる単一ストランド法(single strand method)を行い試料のテナシティを、測定した。グラム/デニール(g/den)の単位を用いた。
【0050】
[オゾンとNOの照射]
管状ニットをAATCC試験法129−1996、「高湿度雰囲気下のオゾンに対する堅牢性」およびAATCC試験法164−1992、「高湿度雰囲気下の酸素に対する堅牢性」により試験した。全色差(AEE)の形態のデータを1,2,3,4,6,8サイクルで測定した。
【0051】
Figure 2004530758
1976 CIE LAB (D6500 発光体、10段階観測装置)の値を得るための応用カラーシステム(ACS:Applied Color System)を用いて分光高度径色測定を行った。未照射の対照に対してΔE又はAEE(全色差)を算出した。CIE LAB 測定および全色差(AEE)の計算の詳細は、色科学の文献、例えばBillmeyer and Saltzman, Principles of Color Technology, 第2版、J. Wiley & Sons, New York, (1981)に記載されている。AEE値が大きい程、色変化が大きく、従って染色された繊維の特性の低下が生ずることを示す。CIE LABカラーデータは三次元空間の3本の軸に沿った測定により得られる。L*は明度を数量化した値であり、値が大きい程、明るいことを意味する。aは赤−緑軸であり、正の値であるほど赤みが強いことを示す。bは黄−青軸であり、正の値であるほど黄色みが強いことを意味する。
【0052】
[強度保持試験]
紫外線(UV)照射後のヤーンの強度を測定するために強度保持試験について記載する。繊維試料に上述のAATCC試験法16−1998、オプションEに記載したUV光を照射した。UV照射前にニット繊維からほどいたヤーンの強度と、UV光照射後にニットからほどいたヤーンの強度とを測定機器、INSTRON(登録商標)、モデルNo.4502により測定した。強度保持性を以下により求めた。
【0053】
Figure 2004530758
【0054】
[実施例1]
光安定化された部分を含まないポリアミドの製造
ナイロン6ポリマー(RV2.7)を重合反応により製造した。以下の反応体を容量250リットルのオートクレーブに装填した。すなわち、75kgのカプロラクタム、1800gの水、112.5g(0.15質量%)のプロピオン酸を装填した。混合物を1時間にわたり約270℃に加熱した。この間、圧力は約60psi(3102mmHg)に上昇した。混合物を約60psi(3102mmHg)で約30分間保持した後、圧力をゆっくりと緩和させた。重合を促進するため、システムを最後の15分間、約9.67psi(500mmHg)に減圧した。次いでポリマーを正の値の窒素圧力で押出し、細片に細分化した。細片を熱湯(約90℃)で洗浄し、回転式乾燥機で乾燥させた。ポリマーの相対粘度は1.46であった。アミノ末端基含有率は約37meq/kg、カルボン酸末端基含有率は約50meq/kgと測定された。
【0055】
[実施例2]
TAD光安定化部分を含むポリアミドの製造
光安定化されたナイロン6ポリマーを重合反応により製造した。以下の反応体を容量250リットルのオートクレーブに装填した。すなわち、75kgのカプロラクタム、1800gの水、及び394g(5.25質量%)の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)を装填した。混合物を1時間にわたり約270℃に加熱した。この間、圧力は約60psi(3102mmHg)に上昇した。混合物を約60psi(3102mmHg)で約30分間保持した後、圧力をゆっくりと緩和させた。重合を促進するため、システムを約8.70psi(450mmHg)の減圧下に約90分間保持した。次いでポリマーを正の値の窒素圧力で押出し、細片に細分化した。細片を熱湯(約90℃)で洗浄し、回転式乾燥機で乾燥させた。アミノ末端基含有率は高すぎて測定不能であり、カルボン酸末端基は約11meq/kgと測定された。
【0056】
[実施例3]
TAD光安定化部分とアジピン酸連鎖調整剤とを含むポリアミドの製造
光安定化されたナイロン6ポリマーを重合反応により製造した。以下の反応体を容量250リットルのオートクレーブに装填した。すなわち、50kgのカプロラクタム、802gの水、2.89g(5.25質量%)の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)、及び1.24kgのアジピン酸(2.25質量%)を装填した。混合物を1時間にわたり約270℃に加熱した。この間、圧力は約60psi(3102mmHg)に上昇した。混合物を約60psi(3102mmHg)で約30分間保持した後、圧力をゆっくりと緩和させた。重合を促進するため、システムを約8.70psi(450mmHg)の減圧下に約90分間保持した。次いでポリマーを正の値の窒素圧力で押出し、細片に細分化した。細片を熱湯(約90℃)で洗浄し、回転式乾燥機で乾燥させた。ポリマーの相対粘度は1.46であった。アミノ末端基含有率は高すぎて測定不能であり、カルボン酸末端基は約49meq/kgと測定された。
【0057】
[実施例4]
TAD光安定化部分とテレフタル酸連鎖調整剤とを含むポリアミドの製造
光安定化されたナイロン6ポリマーを重合反応により製造した。以下の反応体を容量250リットルのオートクレーブに装填した。すなわち、50kgのカプロラクタム、813gの水、2.89g(5.25質量%)の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TAD)、及び1.37kg(2.5質量%)のテレフタル酸(TPA)を装填した。混合物を1時間にわたり約270℃に加熱した。この間、圧力は約60psi(3102mmHg)に上昇した。混合物を約60psi(3102mmHg)で約30分間保持した後、圧力をゆっくりと緩和させた。重合を促進するため、システムを約8.70psi(450mmHg)の減圧下に約90分間保持した。次いでポリマーを正の値の窒素圧力で押出し、細片に細分化した。細片を熱湯(約90℃)で洗浄し、回転式乾燥機で乾燥させた。ポリマーの相対粘度は1.48であった。アミノ末端基含有率は高すぎて測定不能であり、カルボン酸末端基は約42meq/kgと測定された。
【0058】
[実施例5]
ポリマーブレンドより成る溶液染色されたナイロン繊維の製造
ナイロン6ホストポリマー(BASF Corporation社(Mt. Olive、NJ)より市販されているBS700F)を、Opal Gray 染料濃縮物、上記実施例2〜4で製造された光安定化されたポリマーと共に、260℃〜265℃で小型押出機により押出した。上記成分を計量給送機により紡糸機に給送した。得られたフィラメントは、ポリマー形成成分の総質量に対して0.15質量%のTADを含んでいた。
【0059】
押し出されたフィラメントは15℃の冷却空気流により冷却、固化した。紡糸完了後、ヤーンを延伸比3.3で延伸し、215℃のテクスチャージェットにより繊維表面の風合いの処理を行った。ヤーンを延伸ロールで約2350m/分で巻き取った。最終生成物としてのヤーンは58フィラメントあたり1288デニールのヤーン構成であった。
【0060】
[実施例6]
ナイロン繊維の試験
ニット状織り地の試料を実施例5で製造した3種類のヤーンを用い、織物を編むことにより製造した。L-R Machine Sales, Inc. (Chickamauga, GA)製の編み機6−CK型(設定:直径6インチ、90本の針)にて織物を編んだ。繊維試料から取り出したヤーンサンプルに、AATCC16E試験法に準じ、UV光に露光し、この後サンプルの強度保持性を測定した。
【0061】
管状のニットの上述の各試験方法により、テナシティ、強度保持性、堅牢度を試験した。テナシティ、強度保持性、堅牢度についてのデータを下記の表1−3に示す。表1−3中の「W」と「U」の表示は、順に「洗浄済み細片」と「未洗浄細片」を示す。
【0062】
表1 ポリマーブレンドから製造されたヤーンのテナシティデータ(単位:g/den)
【0063】
【表1】
Figure 2004530758
【0064】
表2 ポリマーブレンドから製造されたヤーンの強度保持性データ
【0065】
【表2】
Figure 2004530758
【0066】
表3 ポリマーブレンドから製造されたヤーンの堅牢度(AEE)
【0067】
【表3】
Figure 2004530758
【0068】
表1−3に記載のデータに示されるように、本発明のヤーンは、ヤーンのテナシティ、強度保持性により求められた光安定性が慣用のポリアミドヤーンの光安定性に比較して向上している。
【0069】
本明細書にて具体的な実施の形態に関する詳細を記載したが、当業者は上記記載を理解することにより、これらを容易に変更、修正することが可能であり、上記実施例の均等物に想到することも容易に行われる。従って、本発明の範囲は上述の請求の範囲とこの均等物に及ぶものである。

Claims (20)

  1. 共有結合によりポリマーに結合し、ポリマー形成成分の総質量に対して2質量%以上の1部分以上の光安定化部分を含む光安定化されたポリマー。
  2. 1部分以上の光安定化部分が、ポリマー形成成分の総質量に対して約2.5質量%〜約15質量%の範囲の量で存在する請求項1に記載の光安定化されたポリマー。
  3. 1部分以上の光安定化部分が、ポリマー形成成分の総質量に対して約3.0質量%〜約10質量%の範囲の量で存在する請求項2に記載の光安定化されたポリマー。
  4. 1部分以上の光安定化部分が、ポリマー形成成分の総質量に対して約5.0質量%〜約10質量%の範囲の量で存在する請求項3に記載の光安定化されたポリマー。
  5. 前記1部分以上の光安定化部分が、1種類以上の立体障害アミン、立体障害ホスフィット、立体障害ホスホニット、立体障害フェノール、およびこれらの組み合わせから形成される請求項1に記載の光安定化されたポリマー。
  6. 1部分以上の光安定化部分が1種類以上の立体障害アミンから形成される請求項5に記載の光安定化されたポリマー。
  7. 1部分以上の光安定化部分が以下の化学構造
    Figure 2004530758
    を有し、式中RおよびRがそれぞれ独立に水素または炭素原子数1〜7のアルキル基を意味し、
    が水素、ベンジル、炭素原子数1〜20のアルキル基、または−ORを意味し、
    が水素、または炭素原子数1〜20のアルキル基を意味し、
    、R、RおよびRがそれぞれ独立に水素、または炭素原子数1〜7のアルキル基を意味し、
    yおよびzがそれぞれ独立に0または1を意味し、(y+z)=1である、請求項6に記載の光安定化されたポリマー。
  8. 1部分以上の光安定化部分が4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの誘導体を含む請求項1に記載の光安定化されたポリマー。
  9. ポリマーがカプロラクタムモノマー、および4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンから形成される請求項1に記載の光安定化されたポリマー。
  10. ポリマーがカプロラクタムモノマーと、カプロラクタムモノマーの総質量に対して約5.0質量%〜約10質量%の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンから形成される請求項1に記載の光安定化されたポリマー。
  11. 1種類以上のポリマー形成モノマーと、ポリマー成形成分の総質量に対して2質量%以上の1種類以上の光安定化された化合物と、の混合物を重合させる請求項1に記載の光安定化されたポリマーの製造法。
  12. 前記混合物が1種類以上のポリアミド形成モノマーと、ポリマー形成成分の総質量に対して約5.0質量%〜約10質量%の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、を含む混合物である請求項11に記載の製造法。
  13. 請求項1に記載の光安定化されたポリマーを成形する工程を含む熱成形可能な製品の製造法。
  14. ポリマー鎖に共有結合し、ポリマー形成成分の総質量に対して合計が約2.5質量%〜約15.0質量%の1部分以上の光安定化部分を含む、光安定化されたポリマーを製造し、
    前記光安定化されたポリマーと、実質的に光安定化部分を含まない1種類以上の他のポリマーとを配合してポリマーブレンドを製造し、
    ポリマーブレンドを成形して、1以上のポリマー鎖に共有結合した1部分以上の光安定化部分の質量割合が、ポリマーブレンドの質量に対して約2.0質量%未満の光安定化されたポリマーブレンドを製造する、
    熱成形可能な製品の製造法。
  15. 光安定化されたポリマーがカプロラクタムモノマーと4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとから製造され、1種類以上の他のポリマーが、ポリアミド鎖に共有結合により結合した光安定化部分を含まないポリアミドを含む請求項14に記載の製造法。
  16. 1以上のポリマー鎖に共有結合した4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン部分の質量割合が、ポリマーブレンドの質量に対して約0.08質量%〜約0.40質量%である請求項15に記載の製造法。
  17. 1以上のポリマー鎖に共有結合した4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン部分の質量割合が、ポリマーブレンドの質量に対して約0.10質量%〜約0.30質量%である請求項16に記載の製造法。
  18. 1以上のポリマー鎖に共有結合した4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン部分の質量割合が、ポリマーブレンドの質量に対して約0.15質量%である請求項16に記載の製造法。
  19. 成形工程が押出工程である請求項14に記載の製造法。
  20. 請求項19に記載の方法により得られた繊維。
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