JP2004529129A - (メタ)アクリル酸を連続的に抽出する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、気相接触酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を連続的に抽出する方法に関する。本発明の方法は、次の工程を含む:
I 高沸点溶剤を用いて蒸発冷却により反応ガスを急冷し、
II 高沸点溶剤中に吸収させることにより急冷反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離し、
III 大部分が(メタ)アクリル酸を含有する1番目の部分流(IIIA)中に、ならびに大部分が溶剤を含有する2番目の部分流(IIIB)中に、(メタ)アクリル酸で負荷した溶剤を分離し、
IV 不活性ガスで部分流IIIBを(メタ)アクリル酸不含のストリッピングし、
V 部分流IIIBからの精製した溶剤を吸収工程IIに戻し、
VI 部分流IIIAからの(メタ)アクリル酸を蒸留により分離し、その際、工程VI中で生じた全ての液体残留流を急冷工程Iに戻す。
I 高沸点溶剤を用いて蒸発冷却により反応ガスを急冷し、
II 高沸点溶剤中に吸収させることにより急冷反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離し、
III 大部分が(メタ)アクリル酸を含有する1番目の部分流(IIIA)中に、ならびに大部分が溶剤を含有する2番目の部分流(IIIB)中に、(メタ)アクリル酸で負荷した溶剤を分離し、
IV 不活性ガスで部分流IIIBを(メタ)アクリル酸不含のストリッピングし、
V 部分流IIIBからの精製した溶剤を吸収工程IIに戻し、
VI 部分流IIIAからの(メタ)アクリル酸を蒸留により分離し、その際、工程VI中で生じた全ての液体残留流を急冷工程Iに戻す。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を吸収することにより連続的に(メタ)アクリル酸を回収する方法に関する。(メタ)アクリル酸という用語は、以下に物質のアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
【0002】
(メタ)アクリル酸は、大抵は適切な出発物質、特にアクリル酸の場合には、プロペンおよび/またはアクロレインの接触気相酸化により、メタクリル酸の場合には、イソブテンおよび/またはメタクロレインの接触気相酸化により製造される。
【0003】
接触気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離するために、溶剤中での吸収により分離する多くの可能性が公知である。
【0004】
DE-B-2136396からは、プロペンもしくはアクロレインの接触酸化の際に得られる反応ガスから、向流吸収によりジフェニルエーテル75質量%およびジフェニル25質量%から成るガス混合物を用いてアクリル酸を分離することが公知である。さらに、DE-A 2449780からは、向流吸収の前に、ダイレクト凝縮器(急冷装置)中で、溶剤の部分的蒸留により高温反応ガスを冷却することが公知である。この場合の、および更なる方法工程、特に(メタ)アクリル酸の蒸留精製の際の問題は、プラントの使用可能性を減少させる装置中での固形物の沈殿である。DE-A 4308087によれば、アクリル酸の場合には、ジフェニルエーテルおよびジフェニルから成る比較的に非極性の溶剤混合物に、ジメチルフタレートのような極性溶剤を0.1〜25質量%の量で添加することにより、この固形物部分を減少させることができ、これにより、汚れ形成物質に対する溶剤混合物の吸収能が高まる。しかし、極性が増大するにつれて、溶剤は、大量の水を吸収し、さらに、希酸液により高い溶剤損失が生じてしまう。
【0005】
一般的な方法により(メタ)アクリル酸を回収する場合のように、溶剤の存在で、ポリアクリル酸は、高い温度範囲内で生じ、特に吸着カラムの最も下の回収トレー上で、蒸留カラムの回収部および塔底で、ならびに熱交換器中で、アルカリでしか溶解することができない堅く粘着した汚れが装置の表面で形成されてしまう。分析は、汚れがポリ(メタ)アクリル酸約10〜50質量%、残りの溶剤から成る混合物から成っていることを示した。
【0006】
DE-A 19838817は、全体の装置中での汚染感受率、特にアルカリにだけ溶解する汚れの発生が大幅に減少され、ひいてはプラント使用可能性および方法の経済性が改善される接触気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を連続的に回収する方法に関し、前記方法は以下の方法工程を有する:
(I) 高沸点溶剤を用いて蒸発冷却により反応ガスを急冷し、
(II) 高沸点溶剤中に吸収させることにより急冷反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離し、
(III) (メタ)アクリル酸で負荷した溶剤を、大部分が(メタ)アクリル酸を含有する1番目の部分流(IIIA)と、大部分が溶剤を含有する2番目の部分流(IIIB)とに分離し、
(IV) (メタ)アクリル酸不含の部分流(IIIB)を不活性ガスでストリッピングし、
(V) 部分流(IIIB)からの精製した溶剤を吸収工程IIに戻し、
(VI) 部分流(IIIA)から(メタ)アクリル酸を蒸留により回収し、その際、工程(VI)で生じた全ての液体残留流を急冷工程Iに戻す。
【0007】
有利な方法では、それぞれの方法工程中の温度が155℃、有利には140℃、特に有利には120℃を上回らないように増大させる。
【0008】
液体残留流という用語は、方法で生じる主要生成物流以外の全ての液体流を意味する。
【0009】
(メタ)アクリル酸を蒸留により回収する際(工程VI)に、これまでは液体残留流により上流の装置に送られていたオリゴマーが生じることが分かっていた。蒸留による回収からの液体残留流(工程VI)を、液体溶剤循環に戻すことを回避することにより、上流の装置の汚れを相当に回避できる。従って、DE-A 19838817の方法の場合には、方法工程VIの上流でのオリゴマーの形成ひいては装置中での固形物形成が少ないので、これまでに方法工程IIおよびIV中で必要であった二系統もしくはバルブトレーを、流体力学的に高度に負荷可能な構成材料、例えば、充填剤またはパッキングと交換することができる。
【0010】
蒸留の上流装置(DE-A 19838817の方法の工程VI)では、(メタ)アクリル酸は溶剤流中でジ(メタ)アクリル酸を形成する。蒸留の上流装置での低い温度レベルにより、溶剤流中で形成されるジ(メタ)アクリル酸は、再び(メタ)アクリル酸へと逆に分解できず、生成物損失を生じてしまう。
【0011】
DE-A 19838817から公知の方法では、たしかに(メタ)アクリル酸はストリッパー中で溶剤からストリッピングされるが、しかし、ジ(メタ)アクリル酸はストリッピングされない。方法工程Vに戻された一部およびジ(メタ)アクリル酸を含有する溶剤流は、公知の方法で、方法工程II中で生じる希酸液から(メタ)アクリル酸を抽出によって回収するために使用される。この場合に、溶剤中の希酸液から(メタ)アクリル酸を抽出するためのバックプルで、溶剤からのジ(メタ)アクリル酸を希酸液中で抽出する。従って、希酸液は、希酸液と一緒に焼却される抽出されたジ(メタ)アクリル酸を含有し、このことは、製造された(メタ)アクリル酸の全体量に対して約1質量%という相当な目的生成物の損失に相当する。
【0012】
この損失は、本発明によるジ(メタ)アクリル酸含有ガス混合物を高温、特に160℃を上回る温度まで高めることにより回避または減少させることができ、その際、(メタ)アクリル酸への逆の分解(Rueckspaltung)が行われる。
【0013】
従って、本発明の課題は、プラント中の全体の装置の汚れ感受性が減少するだけではなく、さらに生成物損失がジアクリル酸形成により大幅に回避され、かつ方法の経済性がさらに改善される気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を回収するための改善方法を提供することであった。
【0014】
本発明は、以下の方法工程を有する接触気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を連続的に回収する方法から出発する:
I 高沸点溶剤を用いて蒸発冷却により反応ガスを急冷し、
II 高沸点溶剤中に吸収させることにより急冷反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離し、
III (メタ)アクリル酸で負荷した溶剤を、大部分が(メタ)アクリル酸を含有する1番目の部分流(IIIA)と、大部分が溶剤を含有する2番目の部分流(IIIB)とに分離し、
IV 方法工程IIに流れIIIB)を戻し、
V 流れIIIA)からの(メタ)アクリル酸を蒸留により回収し、その際、方法工程V中で生じた全ての液体残留流を、方法工程Iに戻す。
【0015】
この解法は、(メタ)アクリル酸の分離を方法工程IIIで精留により行うことを特徴とする。
【0016】
(メタ)アクリル酸で負荷された高沸点溶剤の精留による分離は、DE-A-19838817の方法で定義された155℃の最大温度を越えて十分に可能なことが見出され、この場合に、蒸留で生じる全ての液体残留流(本発明の方法における回収/方法工程V)を急冷工程Iに戻すという条件を維持する場合には、プラントの汚れの問題は無い。
【0017】
さらに、DE-A 19838817から公知の方法に対して、(メタ)アクリル酸の溶剤流をストリッピングするためのストリッピングガスとして使用される循環ガス用のコンプレッサー(方法工程IV)は、約30%まで軽減する。それというのも、本発明の方法はストリッピングが無いからである。
【0018】
高沸点物とは、沸点がそれぞれの得ようとする主要生成物の沸点よりも高い本発明の溶剤を意味する(それぞれ常圧で、アクリル酸は約141℃、またはメタクリル酸は約161℃)。
【0019】
本発明の方法のための出発混合物は、C3−アルカン、−アルケン、−アルカノールおよび/またはC3−アルカン、−アルケン、−アルカノールおよび/または−アルカナールまたはその前駆体の接触気相酸化からメタクリル酸にする反応ガスである。この方法は、以下にアクリル酸に関して記載されるが、しかし、同じようにメタクリル酸にも該当する。
【0020】
公知の方法、特に上記の圧力工程で記載されているように、空気または分子空気中での、アクリル酸へのプロペンおよび/またはアクロレインの接触気相酸化が特に有利である。この場合に、200〜450℃の温度で、かつ場合により高圧で運転するのが有利である。不均一触媒として、工程1(プロペンからアクロレインへの酸化)ではモリブデン、ビスマスおよび鉄の酸化物をベースとする多成分酸化触媒を使用し、工程2(アクロレインからアクリル酸への酸化)ではモリブデンおよびバナジウムの酸化物を使用する。
【0021】
プロパンを出発材料として使用する場合には、これを次のように反応してプロペン/プロパン−混合物にする:例えば、Catalysis Today 24 (1995), 307〜313またはUS-A-5510558に記載されているような接触水素化酸化;例えば、EP-A-0253409、EP-A-0293224、DE-A-19508558またはEP-A-0117146に記載されているような均一水素化酸化。プロペン−/プロパン−混合物を使用する際に、プロパンが希釈ガスとしてはたらく。適切なプロペン−/プロパン−混合物は、ラフィネート化プロペン(70%プロペンおよび30%プロパン)またはクラッカープロペン(95%プロペンおよび5%プロパン)または常用のプロパン脱水素からのプロペン(99.5%プロペンおよび0.5%プロパン)である。原則的に、酸素および窒素からのプロペン−/プロパン−混合物を、それぞれ一緒に酸化してアクロレインおよびアクリル酸にし、ならびに以前のプロパン−/プロペン−分離を用いずに、上流のプロパン脱水素からプロペンにする(20%プロペンおよび80%プロパン)。
【0022】
アクリル酸へのプロペンの反応は著しく発熱性である。エダクトおよび生成物の他に、有利には不活性希釈ガス、例えば、循環ガス(下記参照)、空気窒素、1種以上の飽和C1〜C6−炭化水素、特にメタンおよび/またはプロパンおよび/または水蒸気を含有する反応ガスは、反応熱の僅かな部分だけしか吸収できない。使用される反応器の種類に制限がないにもかかわらず、大抵は酸化触媒が充填された塩浴冷却管束熱交換器を使用する。それというのも、この場合に、反応の際に遊離する熱を、対流および放射により冷却された管壁に極めて良好に除去できるからである。
【0023】
接触気相酸化の際には、純粋なアクリル酸ではなく、アクリル酸の他に副成分として実質的に反応していないアクロレインおよび/またはプロペン、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、プロパン、酸素、酢酸、プロピオン酸、ホルムアルデヒド、さらに酸およびアルデヒド、マレイン酸もしくは無水マレイン酸を含有し得る気体の形の混合物を得ることができる。一般的には、反応生成物混合物は、全体の反応混合物に対して、それぞれアクリル酸1〜30質量%、プロペン0.05〜1質量%およびアクロレイン0.01〜1質量%、酸素0.05〜10質量%、酢酸0.05〜2質量%、プロピオン酸0.01〜2質量%、ホルムアルデヒド0.05〜1質量%、アルデヒド0.05〜2質量%、マレイン酸と無水マレイン酸から成る合計0.01〜0.5質量%および不活性希釈ガス20〜98質量%、有利には50〜98質量%を含有する。不活性希釈ガスとして、それぞれ反応ガス100質量%に対して、特に、飽和C1〜C6−炭化水素、例えば、メタンおよび/またはプロパン0〜95質量%、その他に水蒸気1〜30質量%、炭化水素0.05〜15質量%および窒素0〜95質量%を含有する。
【0024】
反応混合物からアクリル酸を分離する方法工程は、以下に記載されている。
方法工程I
高温反応ガスを、ダイレクトコンデンサーまたは急冷装置中で溶剤の部分蒸留により吸着する前に冷却する。このために、特に、ベンチュリスクラバー、バブルカラムまたは噴霧コンデンサーが適切である。この場合に、反応ガスの高沸点副生成物を蒸発していない溶剤中に凝縮して入れる。さらに、溶剤の部分蒸発は、溶剤の精製工程である。本発明の有利な実施態様では、蒸発していない溶剤の部分流、有利には吸着カラムに供給される物質流の1〜10%を取り、かつ溶剤精製を課す。ここで、溶剤を蒸留し、かつ高沸点副成分が後に残り、必要な場合に凝縮し、例えば、焼却により廃棄することができる。この溶剤蒸留は、溶剤流中の高沸点物が著しく凝縮することを避けるために使用される。蒸留した溶剤を、有利に吸着カラムから負荷溶剤流に供給する。
方法工程II
方法工程IIでは、高沸点溶剤に吸収させることによりアクリル酸および副成分の一部を反応ガスから分離する。高沸点溶剤の沸点は、アクリル酸またはメタクリル酸の沸点を有利には少なくとも20℃、特に50℃、より有利には70℃上回る。有利な溶剤(その際、本発明で溶剤という用語は溶剤混合物も含む)は、(大気圧で)180〜400℃、特に220〜360℃の沸点を有する。適切な溶剤は、外部に作用する極性基を含有しない高沸点で著しい疎水性溶剤、例えば、脂肪族または芳香族炭化水素、例えば、パラフィン蒸留からの中油フラクション、または酸素原子に嵩高な基を有するエーテル、またはこれらの混合物であり、その際、有利には、これらにDE-A-4308087に開示されているような極性溶剤、例えば、1,2−ジメチルフタレート、有利には前記溶剤を添加する。さらに、安息香酸およびフタル酸と、1〜8個の炭素原子を有する直鎖アルカノールとのエステル、例えば、n-ブチルベンゾエート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ジメチルフタレートおよびジエチルフタレートならびに、いわゆる熱媒油、例えば、ジフェニル、ジフェニルエーテルおよびジフェニルとジフェニルエーテルの混合物またはそれらの塩素誘導体およびトリアリールアルカン、例えば、4−メチル−4’−ベンジルジフェニルメタンおよびその異性体2−メチル−2’−ベンジルジフェニル-メタン、2−メチル−4’−ベンジルジフェニルメタンおよび4−メチル−2’−ベンジルジフェニルメタンおよびこの異性体の混合物も適切である。
【0025】
特に有利な溶剤は、ジフェニルとジフェニルエーテル(有利には共沸組成物中)から成る溶剤混合物、特に、ジフェニルとジフェニルエーテル100質量%に対して、ジフェニル(ビフェニル)約25%とジフェニルエーテル約75%から成る溶剤混合物、例えば、市販のDiphyl(R)である。有利にはこの溶剤混合物は、さらにジメチルフタレートのような極性溶剤を、全体の溶剤混合物に対して0.1〜25質量%の量で含有する。これにより、首尾良くプラントの汚れ感受性が減少される。
【0026】
ここで、高沸点、中沸点および低沸点という用語ならびに相応する形容詞は、それぞれ、アクリル酸よりも高い沸点を有する化合物(高沸点物)、アクリル酸と殆ど等しい沸点を有する化合物(中沸点物)、またはアクリル酸よりも低い沸点を有する化合物を示す。
【0027】
吸着は、有利に二系統流れトレーおよび/またはバルブトレーを備えているか、またはダンプパッキング(dumped packing)もしくは構造化パッキング(structured packing)を備えた向流吸着カラムで行い、かつこれを上から溶剤と一緒に供給する。気体反応生成物および場合により急冷装置からの蒸発溶剤は、下からカラムを通過させ、引き続き吸着温度まで冷却される。冷却は、有利に冷却循環により行われる。すなわち、加熱溶剤をカラムから取り出し、熱交換器で冷却し、かつカラムの取出し部より上の部分でカラムに再び戻す。吸収の後に、全ての高沸点物、アクリル酸の大部分ならびに低沸点物の一部が溶剤中に存在する。
【0028】
吸収されていない残りの反応ガスをさらに冷却して、低沸点副成分、特に水、ホルムアルデヒドおよび酢酸の凝縮可能な部分を、それらの凝縮により分離する。この凝縮物を以下に希酸液と称する。残ったガス流は、大抵は、窒素、酸化炭素および反応していないエダクトから成る。これを部分的にさらに希釈ガス(以下に循環ガスと称する)として、反応工程に供給するのが有利である。空気および凝縮していない副成分の一部は、排ガスとして排出され、かつ有利に焼却される。
方法工程III
方法工程IIIでは、溶剤の他に、(メタ)アクリル酸約10〜40質量%、全ての高沸点物ならびに低沸点物の一部を含有する向流吸着カラムからの塔底流を、精留塔の上の領域に添加し、かつ精留塔中、165〜210℃、有利には180〜200℃、特に有利には190〜195℃の塔底温度で、かつ相応する100〜500mbar、有利には180〜350mbarおよび特に有利には250〜290mbarの圧力で、大部分、すなわち約70〜95質量%の(メタ)アクリル酸、全ての低沸点溶剤、高沸点溶剤の一部ならびに溶剤の残りを含有する塔頂流と、大部分の溶剤および僅かな、約0.1〜1.5質量%の(メタ)アクリル酸を含有する塔底流とに分離する。塔頂流IIIA)を(メタ)アクリル酸を蒸留により回収するために送り(方法工程V)、かつ塔底流IIIB)を吸収工程IIへの方法工程IVに戻す。すなわち、向流吸着カラムの上の領域に添加する。
【0029】
精留塔中での分離作用構成物に関しては原則的に制限がない。同じように、篩いトレー、二系統流れトレー、バルブトレー、充填剤またはパッキング、有利には二系統流れトレーが使用される。
【0030】
部分流IIIAからの(メタ)アクリル酸の蒸留による回収は、有利には以下の方法工程で行われる:
V-I (メタ)アクリル酸の他に、低沸点物ならびに中沸点物の一部および高沸点物の一部を含有する残留流(a)と、完全または殆ど完全に低沸点物不含の部分流(b)とに分離し、かつ
V-II 部分流(b)から(メタ)アクリル酸を回収する。
【0031】
流れIIIA(工程V)からのアクリル酸の分離は蒸留により行い、その際、どのようなタイプの蒸留カラムでも原則的に使用できる。このために、2つのコンデンサーと1つのエバポレーターを有する隔離壁カラムは、このために有利に使用される。構成物として、二系統流れトレーが特が適切である。二系統流れトレーは、安定液体を用いてカラム壁の必要な湿潤性を確実にする。この湿潤は、その他に乾燥した表面を安定液体で湿らせる噴霧ノズルにより補助される(例えば、カラム塔頂のドーム)。
【0032】
部分流IIIAを凝縮し、かつ下向きにカラムV−Iを通す。反対方向で、蒸気、大部分は蒸気状のアクリル酸は塔底から上向きに上昇し、かつその際に液体から低沸点物がストリッピングされるため、塔底で生じる液体流(b)は殆ど低沸点物不含である。これとは反対に、ストリッピングの際に中沸点および高沸点物は大分部が液体中に残り、かつアクリル酸の重合傾向はストリッピング工程の間に減少する。
【0033】
凝縮の後に、低沸点物に富む流れ(a)をカラムの塔頂で取り出す。しかし、この流れがアクリル酸を含有するため、これを蒸留工程Vから処分しないのが有利であるが、そうでない場合には、急冷工程Iまたは吸収工程IIに戻す。
【0034】
精留塔(方法工程V−I)での有利な運転パラメーターは次の通りである:塔頂圧<300mbar、特に<200mbar、とりわけ<150mbar、塔底温度<150℃、特に<140℃、とりわけ<130℃および塔底でのアクリル酸濃度5%〜50質量%、特に有利には20%〜35質量%。
【0035】
部分流bからのアクリル酸の回収は、部分流bを、場合によりさらに精製することができる粗製アクリル酸含有の第一の部分流と、部分流cとに分離することにより行うのが有利である。方法工程V−IIは、上向きの生成物流を有するストリッピングカラム(Auftriebskolonne)中で蒸留により行うのが有利である。
【0036】
有利には、方法工程V−I用の下向きの生成物流を有するストリッピングカラム(Abtriebskolonne)および方法工程V−II用の上向きの生成物流を有するストリッピングカラムは、共通の塔底を有する。方法工程VI−Iの結果として、下向きの生成物流を有するストリッピングカラムと上向きの生成物流を有するストリッピングカラムの共通の塔底で生じる部分流bは、方法工程VI−IIで、上向きの生成物流を有するストリッピングカラム中で分離される。この場合に、カラム塔底では、大部分が溶剤を含有し、かつ場合により精製後に、特に急冷器中での蒸発により吸収工程に戻される部分流cが生じる。上向きの生成物流を有するストリッピングカラムでは、上に向かって、完全にまたは殆ど完全に低沸点物不含の水蒸気が上昇し、その際、中沸点物および高沸点物は、液体還流により塔底から流し出される。カラム塔頂では、蒸気(Brueden)が凝縮され、1つの流れは、塔頂で生成物として取り出され、残りは液体還流物である。この生成物は、大部分が低沸点、中沸点および高沸点物不含のアクリル酸である。このアクリル酸を粗製アクリル酸と称する。
【0037】
工程Vでは、それぞれ粗製アクリル酸に対して、アクリル酸98〜99.8質量%、特に98.5〜99.5質量%および不純物、例えば、酢酸、アルデヒドおよび無水マレイン酸0.2〜2質量%、特に0.5〜1.5質量%を含有する粗製アクリル酸が得られる。このアクリル酸は、その純度要求が極めて高くないかぎり、場合により既にエステル化に使用してもよい。
【0038】
本発明の有利な実施態様では、なお溶解したアクリル酸を含有していてもよい希酸液を、アクリル酸を殆ど含有しない溶剤(工程IV)の少量の部分流で抽出して処理する。これを燃焼する前に、希酸液抽出からの水性流を濃縮することができるが、これは、特に環境保護義務が存在する場合に必要となり得る。
【0039】
しかし、方法工程V、すなわち、方法工程IIIからの塔頂流からアクリル酸を蒸留により回収することを、先行開示されていないドイツ国特許明細書DE-A 10002806に記載されているように、分離壁カラムまたは多軸カラム中で実施することは特に有利である。
【0040】
本発明を、図ならびに実施例を用いて以下に詳説する。
個々に、次のものを示す:
図1 従来技術によるプラントの図式的説明、および
図2 本発明によるプラントの図式的説明。
【0041】
以下に、先ず比較例として、図1に相当するプラント中での常用の方法によるアクリル酸の回収を記載する:
270℃の温度および1.6バ-ルの圧力で、かつ主成分(それぞれ質量%で)
窒素(75)、
窒素(3)、
アクリル酸(12)
水(5)、
CO(1)、
CO2(3)、
残り、すなわち他の成分(1)
を有する気相酸化からのアクリル酸2900Nl/hガス流を、ベンチュリ管の狭い断面領域中に設置されたスリットを通して噴霧されたジフェニルエーテル57.4質量%、ジフェニル20.7質量%、ジメチルo−フタレート20質量%、残りの他の成分から成る急冷液(140〜150℃)と直接に接触させることにより、ベンチュリ冷却器1中で150℃の温度まで冷却した。続いて、下流の液滴分離器中(上向きのガスパイプ送りを有する貯蔵タンク)で、液滴の形で残る冷却液の部分を、反応ガスと蒸留急冷液から成る気相から分離し、かつベンチュリスクラバーへの循環に戻した。戻された急冷液の部分流に、溶剤蒸留を課し、その際に、急冷液を蒸留し、かつ焼却される高沸点副成分が後に残った。
【0042】
約150℃の温度を有する気相を、充填吸着カラム2の下の部分に供給し(高さ3m;ガラス製二重ジャケット;内径50mm、90cm、90cmおよび50cmの長さ(下から上)の3つの充填領域、充填領域を、下から上に、次のように熱処理した:90℃、60℃、20℃;最後から1つ前と最後の充填領域を、チムニートレー(Kaminbode)により分離し;充填物は5mmのヘリックス直径および5mmのヘリックス長さを有するステンレス製の金属ヘリックスであり;真ん中の充填領域のすぐ上に吸着剤を供給し、かつ同様にジフェニルエーテル57.4質量%、ジフェニル20.7質量%、ジメチルo-フタレート20質量%ならびに残りの他の成分から構成される)、かつ50℃の温度で添加された吸着剤2900g/lの向流に曝した。
【0043】
吸着カラム2中で、2番目の充填領域を上向きの方向で出る吸収されていないガス混合物を、3番目の充填領域でさらに冷却して、この中に含有される副成分の凝縮可能な部分、例えば、水および酢酸を凝縮により分離した。この凝縮物を希酸液と称する。分離効果を高めるために、希酸液の一部を、20℃の温度で吸着カラム2の3番目の充填領域に戻した。希酸液の取り出しは、充填領域の最も上の下方で、そこに設置されたチムニートレーから行った。取り出された希酸液に戻された割合は、20w/wであった。取り出された希酸液は、水97.5質量%の他に、アクリル酸0.8質量%も含有していた。必要な場合に、これをDE−A 19600955に記載されているように獲得できる。吸着カラム2を最後に出る気体流1600Nl/hを循環ガスとしてプロペン酸化に戻した。残留物を焼却した。
【0044】
吸着カラム2の排出物を60ミリバールおよび105℃で運転された強制循環フラッシュエバポレーター5に供給した。この場合に、アクリル酸で負荷された溶剤流(主成分:それぞれ質量%で:溶剤61、アクリル酸30、酢酸8118ppm、無水マレイン酸2000ppm)5230g/hを、大部分がアクリル酸(主成分:それぞれ質量%で;溶剤20、アクリル酸77および酢酸0.22)を含有する1番目の部分流IIIA 2160g/hと、大部分が溶剤(主成分:それぞれ質量%で;溶剤83、アクリル酸5および酢酸636ppm)を含有する2番目の部分流IIIB 3070g/hとに分離した。
【0045】
部分流IIIBを、ストリッピングカラム3の塔頂に添加した。ストリッピングガスとして、空気流600Nl/hを使用した。ストリッピングカラム3の塔頂にエバポレーターからの部分流IIIBを添加し、ここで、ストリッピングカラム3は、アクリル酸を溶剤から除去するために用いられた(工程IV)。アクリル酸から遊離された溶剤をストリッピングカラム3の塔底から取り出し、かつ吸着カラム2の塔頂に戻した。溶剤中のジアクリル酸含量は、2.0質量%であった。
【0046】
エバポレーター5中で生じた部分流IIIAを熱交換器6中、100ミリバールで凝縮し、かつ凝縮物を2個に分けられた精留塔4の28番目の段、すなわちその回収部に供給した。精留塔4の回収部で、方法工程VI−Iを行った。すなわち、向流の形で、アクリル酸蒸気を用いて、部分流IIIAから低沸点物をストリッピングしたのに対して、中沸点物および高沸点物は大部分が液体中に残った。精留塔4の回収部の塔底から、殆ど低沸点物不含である流れb(主成分(質量%):溶剤28、アクリル酸71、酢酸721ppm、無水マレイン酸4026ppm)を取り出した。部分流bを精留塔4の下向きの生成物流と上向きの生成物流の共通のエバポレーター7に供給し、かつエバポレーター7から、残留流c(480g/h、主成分(質量%):溶剤87、アクリル酸10、無水マレイン酸7000ppm)を取り出し、かつベンチュリ冷却器1に供給した。アクリル酸を回収するために(方法工程VI-II)エバポレーター7からの粗製アクリル酸含有の蒸気流を、精留塔4の上向きの生成物流に供給し、かつ、中沸点および高沸点物からアクリル酸の還流により精製した。精留塔4の回収部の塔頂で、主要生成物であるアクリル酸420g/hの流れを取り出し、その主要生成物は、なお酢酸1500ppmと無水マレイン酸50ppmを含有していた。方法工程VI−Iが行われる精留塔4の回収部からの蒸気を、アクリル酸95質量%、溶剤0.8質量%および酢酸3.6質量%含有の残留流として凝縮し、かつ同様にベンチュリ急冷器1に供給した。
【0047】
方法工程Vに戻した溶剤流の部分流を有する希酸液を抽出した後に、焼却に供給さされた希酸液のジアクリル酸含量は、2.6質量%であった。
【0048】
以下の本発明による実施態様を図2と関連して記載する。
【0049】
方法工程IとIIは、先行技術からの方法に対して変化なかった。これとは異なって、吸着カラムIIからの缶出液を精留塔IIIの上の領域に供給し、方法工程IIIで、(メタ)アクリル酸で負荷された溶剤を、大部分が、すなわちアクリル酸70〜95質量%、全ての低沸点物および高沸点物の一部ならびに溶剤の残りを含有する塔頂流と、溶剤の大部分および(メタ)アクリル酸約0.1〜1.5質量%の残りの部分を含有する塔底流とに分離することを実施する。精留塔は、9個の二系統流れトレーを備えており、かつこれは195℃の塔底温度で運転される。液体塔底流IIIB)は、ジアクリル酸0.8質量%を含有しており、かつ方法工程IVで吸収工程IIに戻された。方法工程IVに戻した溶剤流の分部流を有する希酸液を抽出した後に、焼却に送られた希酸液のジアクリル酸含量は、1.0質量%であった。
【0050】
水蒸気の形の塔頂流IIIA)をさらに蒸発(方法工程V)に送り、これを比較例として構成し、かつ同じプロセス条件下で運転し、かつ比較例と同じような品質を有する生成物を生じた。
【0051】
本発明による方法では、方法工程IIIでの高い塔底温度により、ジアクリル酸の形の希酸液によりアクリル酸損失が半分以上になった。これは、全体的な方法では、0.5%の生成物収率の増大を意味する。アクリル酸は、製造プラントで年間に100.000トン生産されるため、0.5%という生成物収率の増大は、経済的に著しく有利である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、従来技術によるプラントを図式的に説明した図である。
【0053】
【図2】図2は、本発明によるプラントを図式的に説明した図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ベンチュリ冷却器、 2 吸着カラム、 3 ストリッピングカラム、 4 精留塔、 5 エバポレーター、 6 熱交換器、 7 エバポレーター
【0001】
本発明は、接触気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を吸収することにより連続的に(メタ)アクリル酸を回収する方法に関する。(メタ)アクリル酸という用語は、以下に物質のアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
【0002】
(メタ)アクリル酸は、大抵は適切な出発物質、特にアクリル酸の場合には、プロペンおよび/またはアクロレインの接触気相酸化により、メタクリル酸の場合には、イソブテンおよび/またはメタクロレインの接触気相酸化により製造される。
【0003】
接触気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離するために、溶剤中での吸収により分離する多くの可能性が公知である。
【0004】
DE-B-2136396からは、プロペンもしくはアクロレインの接触酸化の際に得られる反応ガスから、向流吸収によりジフェニルエーテル75質量%およびジフェニル25質量%から成るガス混合物を用いてアクリル酸を分離することが公知である。さらに、DE-A 2449780からは、向流吸収の前に、ダイレクト凝縮器(急冷装置)中で、溶剤の部分的蒸留により高温反応ガスを冷却することが公知である。この場合の、および更なる方法工程、特に(メタ)アクリル酸の蒸留精製の際の問題は、プラントの使用可能性を減少させる装置中での固形物の沈殿である。DE-A 4308087によれば、アクリル酸の場合には、ジフェニルエーテルおよびジフェニルから成る比較的に非極性の溶剤混合物に、ジメチルフタレートのような極性溶剤を0.1〜25質量%の量で添加することにより、この固形物部分を減少させることができ、これにより、汚れ形成物質に対する溶剤混合物の吸収能が高まる。しかし、極性が増大するにつれて、溶剤は、大量の水を吸収し、さらに、希酸液により高い溶剤損失が生じてしまう。
【0005】
一般的な方法により(メタ)アクリル酸を回収する場合のように、溶剤の存在で、ポリアクリル酸は、高い温度範囲内で生じ、特に吸着カラムの最も下の回収トレー上で、蒸留カラムの回収部および塔底で、ならびに熱交換器中で、アルカリでしか溶解することができない堅く粘着した汚れが装置の表面で形成されてしまう。分析は、汚れがポリ(メタ)アクリル酸約10〜50質量%、残りの溶剤から成る混合物から成っていることを示した。
【0006】
DE-A 19838817は、全体の装置中での汚染感受率、特にアルカリにだけ溶解する汚れの発生が大幅に減少され、ひいてはプラント使用可能性および方法の経済性が改善される接触気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を連続的に回収する方法に関し、前記方法は以下の方法工程を有する:
(I) 高沸点溶剤を用いて蒸発冷却により反応ガスを急冷し、
(II) 高沸点溶剤中に吸収させることにより急冷反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離し、
(III) (メタ)アクリル酸で負荷した溶剤を、大部分が(メタ)アクリル酸を含有する1番目の部分流(IIIA)と、大部分が溶剤を含有する2番目の部分流(IIIB)とに分離し、
(IV) (メタ)アクリル酸不含の部分流(IIIB)を不活性ガスでストリッピングし、
(V) 部分流(IIIB)からの精製した溶剤を吸収工程IIに戻し、
(VI) 部分流(IIIA)から(メタ)アクリル酸を蒸留により回収し、その際、工程(VI)で生じた全ての液体残留流を急冷工程Iに戻す。
【0007】
有利な方法では、それぞれの方法工程中の温度が155℃、有利には140℃、特に有利には120℃を上回らないように増大させる。
【0008】
液体残留流という用語は、方法で生じる主要生成物流以外の全ての液体流を意味する。
【0009】
(メタ)アクリル酸を蒸留により回収する際(工程VI)に、これまでは液体残留流により上流の装置に送られていたオリゴマーが生じることが分かっていた。蒸留による回収からの液体残留流(工程VI)を、液体溶剤循環に戻すことを回避することにより、上流の装置の汚れを相当に回避できる。従って、DE-A 19838817の方法の場合には、方法工程VIの上流でのオリゴマーの形成ひいては装置中での固形物形成が少ないので、これまでに方法工程IIおよびIV中で必要であった二系統もしくはバルブトレーを、流体力学的に高度に負荷可能な構成材料、例えば、充填剤またはパッキングと交換することができる。
【0010】
蒸留の上流装置(DE-A 19838817の方法の工程VI)では、(メタ)アクリル酸は溶剤流中でジ(メタ)アクリル酸を形成する。蒸留の上流装置での低い温度レベルにより、溶剤流中で形成されるジ(メタ)アクリル酸は、再び(メタ)アクリル酸へと逆に分解できず、生成物損失を生じてしまう。
【0011】
DE-A 19838817から公知の方法では、たしかに(メタ)アクリル酸はストリッパー中で溶剤からストリッピングされるが、しかし、ジ(メタ)アクリル酸はストリッピングされない。方法工程Vに戻された一部およびジ(メタ)アクリル酸を含有する溶剤流は、公知の方法で、方法工程II中で生じる希酸液から(メタ)アクリル酸を抽出によって回収するために使用される。この場合に、溶剤中の希酸液から(メタ)アクリル酸を抽出するためのバックプルで、溶剤からのジ(メタ)アクリル酸を希酸液中で抽出する。従って、希酸液は、希酸液と一緒に焼却される抽出されたジ(メタ)アクリル酸を含有し、このことは、製造された(メタ)アクリル酸の全体量に対して約1質量%という相当な目的生成物の損失に相当する。
【0012】
この損失は、本発明によるジ(メタ)アクリル酸含有ガス混合物を高温、特に160℃を上回る温度まで高めることにより回避または減少させることができ、その際、(メタ)アクリル酸への逆の分解(Rueckspaltung)が行われる。
【0013】
従って、本発明の課題は、プラント中の全体の装置の汚れ感受性が減少するだけではなく、さらに生成物損失がジアクリル酸形成により大幅に回避され、かつ方法の経済性がさらに改善される気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を回収するための改善方法を提供することであった。
【0014】
本発明は、以下の方法工程を有する接触気相酸化の反応ガスから(メタ)アクリル酸を連続的に回収する方法から出発する:
I 高沸点溶剤を用いて蒸発冷却により反応ガスを急冷し、
II 高沸点溶剤中に吸収させることにより急冷反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離し、
III (メタ)アクリル酸で負荷した溶剤を、大部分が(メタ)アクリル酸を含有する1番目の部分流(IIIA)と、大部分が溶剤を含有する2番目の部分流(IIIB)とに分離し、
IV 方法工程IIに流れIIIB)を戻し、
V 流れIIIA)からの(メタ)アクリル酸を蒸留により回収し、その際、方法工程V中で生じた全ての液体残留流を、方法工程Iに戻す。
【0015】
この解法は、(メタ)アクリル酸の分離を方法工程IIIで精留により行うことを特徴とする。
【0016】
(メタ)アクリル酸で負荷された高沸点溶剤の精留による分離は、DE-A-19838817の方法で定義された155℃の最大温度を越えて十分に可能なことが見出され、この場合に、蒸留で生じる全ての液体残留流(本発明の方法における回収/方法工程V)を急冷工程Iに戻すという条件を維持する場合には、プラントの汚れの問題は無い。
【0017】
さらに、DE-A 19838817から公知の方法に対して、(メタ)アクリル酸の溶剤流をストリッピングするためのストリッピングガスとして使用される循環ガス用のコンプレッサー(方法工程IV)は、約30%まで軽減する。それというのも、本発明の方法はストリッピングが無いからである。
【0018】
高沸点物とは、沸点がそれぞれの得ようとする主要生成物の沸点よりも高い本発明の溶剤を意味する(それぞれ常圧で、アクリル酸は約141℃、またはメタクリル酸は約161℃)。
【0019】
本発明の方法のための出発混合物は、C3−アルカン、−アルケン、−アルカノールおよび/またはC3−アルカン、−アルケン、−アルカノールおよび/または−アルカナールまたはその前駆体の接触気相酸化からメタクリル酸にする反応ガスである。この方法は、以下にアクリル酸に関して記載されるが、しかし、同じようにメタクリル酸にも該当する。
【0020】
公知の方法、特に上記の圧力工程で記載されているように、空気または分子空気中での、アクリル酸へのプロペンおよび/またはアクロレインの接触気相酸化が特に有利である。この場合に、200〜450℃の温度で、かつ場合により高圧で運転するのが有利である。不均一触媒として、工程1(プロペンからアクロレインへの酸化)ではモリブデン、ビスマスおよび鉄の酸化物をベースとする多成分酸化触媒を使用し、工程2(アクロレインからアクリル酸への酸化)ではモリブデンおよびバナジウムの酸化物を使用する。
【0021】
プロパンを出発材料として使用する場合には、これを次のように反応してプロペン/プロパン−混合物にする:例えば、Catalysis Today 24 (1995), 307〜313またはUS-A-5510558に記載されているような接触水素化酸化;例えば、EP-A-0253409、EP-A-0293224、DE-A-19508558またはEP-A-0117146に記載されているような均一水素化酸化。プロペン−/プロパン−混合物を使用する際に、プロパンが希釈ガスとしてはたらく。適切なプロペン−/プロパン−混合物は、ラフィネート化プロペン(70%プロペンおよび30%プロパン)またはクラッカープロペン(95%プロペンおよび5%プロパン)または常用のプロパン脱水素からのプロペン(99.5%プロペンおよび0.5%プロパン)である。原則的に、酸素および窒素からのプロペン−/プロパン−混合物を、それぞれ一緒に酸化してアクロレインおよびアクリル酸にし、ならびに以前のプロパン−/プロペン−分離を用いずに、上流のプロパン脱水素からプロペンにする(20%プロペンおよび80%プロパン)。
【0022】
アクリル酸へのプロペンの反応は著しく発熱性である。エダクトおよび生成物の他に、有利には不活性希釈ガス、例えば、循環ガス(下記参照)、空気窒素、1種以上の飽和C1〜C6−炭化水素、特にメタンおよび/またはプロパンおよび/または水蒸気を含有する反応ガスは、反応熱の僅かな部分だけしか吸収できない。使用される反応器の種類に制限がないにもかかわらず、大抵は酸化触媒が充填された塩浴冷却管束熱交換器を使用する。それというのも、この場合に、反応の際に遊離する熱を、対流および放射により冷却された管壁に極めて良好に除去できるからである。
【0023】
接触気相酸化の際には、純粋なアクリル酸ではなく、アクリル酸の他に副成分として実質的に反応していないアクロレインおよび/またはプロペン、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、プロパン、酸素、酢酸、プロピオン酸、ホルムアルデヒド、さらに酸およびアルデヒド、マレイン酸もしくは無水マレイン酸を含有し得る気体の形の混合物を得ることができる。一般的には、反応生成物混合物は、全体の反応混合物に対して、それぞれアクリル酸1〜30質量%、プロペン0.05〜1質量%およびアクロレイン0.01〜1質量%、酸素0.05〜10質量%、酢酸0.05〜2質量%、プロピオン酸0.01〜2質量%、ホルムアルデヒド0.05〜1質量%、アルデヒド0.05〜2質量%、マレイン酸と無水マレイン酸から成る合計0.01〜0.5質量%および不活性希釈ガス20〜98質量%、有利には50〜98質量%を含有する。不活性希釈ガスとして、それぞれ反応ガス100質量%に対して、特に、飽和C1〜C6−炭化水素、例えば、メタンおよび/またはプロパン0〜95質量%、その他に水蒸気1〜30質量%、炭化水素0.05〜15質量%および窒素0〜95質量%を含有する。
【0024】
反応混合物からアクリル酸を分離する方法工程は、以下に記載されている。
方法工程I
高温反応ガスを、ダイレクトコンデンサーまたは急冷装置中で溶剤の部分蒸留により吸着する前に冷却する。このために、特に、ベンチュリスクラバー、バブルカラムまたは噴霧コンデンサーが適切である。この場合に、反応ガスの高沸点副生成物を蒸発していない溶剤中に凝縮して入れる。さらに、溶剤の部分蒸発は、溶剤の精製工程である。本発明の有利な実施態様では、蒸発していない溶剤の部分流、有利には吸着カラムに供給される物質流の1〜10%を取り、かつ溶剤精製を課す。ここで、溶剤を蒸留し、かつ高沸点副成分が後に残り、必要な場合に凝縮し、例えば、焼却により廃棄することができる。この溶剤蒸留は、溶剤流中の高沸点物が著しく凝縮することを避けるために使用される。蒸留した溶剤を、有利に吸着カラムから負荷溶剤流に供給する。
方法工程II
方法工程IIでは、高沸点溶剤に吸収させることによりアクリル酸および副成分の一部を反応ガスから分離する。高沸点溶剤の沸点は、アクリル酸またはメタクリル酸の沸点を有利には少なくとも20℃、特に50℃、より有利には70℃上回る。有利な溶剤(その際、本発明で溶剤という用語は溶剤混合物も含む)は、(大気圧で)180〜400℃、特に220〜360℃の沸点を有する。適切な溶剤は、外部に作用する極性基を含有しない高沸点で著しい疎水性溶剤、例えば、脂肪族または芳香族炭化水素、例えば、パラフィン蒸留からの中油フラクション、または酸素原子に嵩高な基を有するエーテル、またはこれらの混合物であり、その際、有利には、これらにDE-A-4308087に開示されているような極性溶剤、例えば、1,2−ジメチルフタレート、有利には前記溶剤を添加する。さらに、安息香酸およびフタル酸と、1〜8個の炭素原子を有する直鎖アルカノールとのエステル、例えば、n-ブチルベンゾエート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ジメチルフタレートおよびジエチルフタレートならびに、いわゆる熱媒油、例えば、ジフェニル、ジフェニルエーテルおよびジフェニルとジフェニルエーテルの混合物またはそれらの塩素誘導体およびトリアリールアルカン、例えば、4−メチル−4’−ベンジルジフェニルメタンおよびその異性体2−メチル−2’−ベンジルジフェニル-メタン、2−メチル−4’−ベンジルジフェニルメタンおよび4−メチル−2’−ベンジルジフェニルメタンおよびこの異性体の混合物も適切である。
【0025】
特に有利な溶剤は、ジフェニルとジフェニルエーテル(有利には共沸組成物中)から成る溶剤混合物、特に、ジフェニルとジフェニルエーテル100質量%に対して、ジフェニル(ビフェニル)約25%とジフェニルエーテル約75%から成る溶剤混合物、例えば、市販のDiphyl(R)である。有利にはこの溶剤混合物は、さらにジメチルフタレートのような極性溶剤を、全体の溶剤混合物に対して0.1〜25質量%の量で含有する。これにより、首尾良くプラントの汚れ感受性が減少される。
【0026】
ここで、高沸点、中沸点および低沸点という用語ならびに相応する形容詞は、それぞれ、アクリル酸よりも高い沸点を有する化合物(高沸点物)、アクリル酸と殆ど等しい沸点を有する化合物(中沸点物)、またはアクリル酸よりも低い沸点を有する化合物を示す。
【0027】
吸着は、有利に二系統流れトレーおよび/またはバルブトレーを備えているか、またはダンプパッキング(dumped packing)もしくは構造化パッキング(structured packing)を備えた向流吸着カラムで行い、かつこれを上から溶剤と一緒に供給する。気体反応生成物および場合により急冷装置からの蒸発溶剤は、下からカラムを通過させ、引き続き吸着温度まで冷却される。冷却は、有利に冷却循環により行われる。すなわち、加熱溶剤をカラムから取り出し、熱交換器で冷却し、かつカラムの取出し部より上の部分でカラムに再び戻す。吸収の後に、全ての高沸点物、アクリル酸の大部分ならびに低沸点物の一部が溶剤中に存在する。
【0028】
吸収されていない残りの反応ガスをさらに冷却して、低沸点副成分、特に水、ホルムアルデヒドおよび酢酸の凝縮可能な部分を、それらの凝縮により分離する。この凝縮物を以下に希酸液と称する。残ったガス流は、大抵は、窒素、酸化炭素および反応していないエダクトから成る。これを部分的にさらに希釈ガス(以下に循環ガスと称する)として、反応工程に供給するのが有利である。空気および凝縮していない副成分の一部は、排ガスとして排出され、かつ有利に焼却される。
方法工程III
方法工程IIIでは、溶剤の他に、(メタ)アクリル酸約10〜40質量%、全ての高沸点物ならびに低沸点物の一部を含有する向流吸着カラムからの塔底流を、精留塔の上の領域に添加し、かつ精留塔中、165〜210℃、有利には180〜200℃、特に有利には190〜195℃の塔底温度で、かつ相応する100〜500mbar、有利には180〜350mbarおよび特に有利には250〜290mbarの圧力で、大部分、すなわち約70〜95質量%の(メタ)アクリル酸、全ての低沸点溶剤、高沸点溶剤の一部ならびに溶剤の残りを含有する塔頂流と、大部分の溶剤および僅かな、約0.1〜1.5質量%の(メタ)アクリル酸を含有する塔底流とに分離する。塔頂流IIIA)を(メタ)アクリル酸を蒸留により回収するために送り(方法工程V)、かつ塔底流IIIB)を吸収工程IIへの方法工程IVに戻す。すなわち、向流吸着カラムの上の領域に添加する。
【0029】
精留塔中での分離作用構成物に関しては原則的に制限がない。同じように、篩いトレー、二系統流れトレー、バルブトレー、充填剤またはパッキング、有利には二系統流れトレーが使用される。
【0030】
部分流IIIAからの(メタ)アクリル酸の蒸留による回収は、有利には以下の方法工程で行われる:
V-I (メタ)アクリル酸の他に、低沸点物ならびに中沸点物の一部および高沸点物の一部を含有する残留流(a)と、完全または殆ど完全に低沸点物不含の部分流(b)とに分離し、かつ
V-II 部分流(b)から(メタ)アクリル酸を回収する。
【0031】
流れIIIA(工程V)からのアクリル酸の分離は蒸留により行い、その際、どのようなタイプの蒸留カラムでも原則的に使用できる。このために、2つのコンデンサーと1つのエバポレーターを有する隔離壁カラムは、このために有利に使用される。構成物として、二系統流れトレーが特が適切である。二系統流れトレーは、安定液体を用いてカラム壁の必要な湿潤性を確実にする。この湿潤は、その他に乾燥した表面を安定液体で湿らせる噴霧ノズルにより補助される(例えば、カラム塔頂のドーム)。
【0032】
部分流IIIAを凝縮し、かつ下向きにカラムV−Iを通す。反対方向で、蒸気、大部分は蒸気状のアクリル酸は塔底から上向きに上昇し、かつその際に液体から低沸点物がストリッピングされるため、塔底で生じる液体流(b)は殆ど低沸点物不含である。これとは反対に、ストリッピングの際に中沸点および高沸点物は大分部が液体中に残り、かつアクリル酸の重合傾向はストリッピング工程の間に減少する。
【0033】
凝縮の後に、低沸点物に富む流れ(a)をカラムの塔頂で取り出す。しかし、この流れがアクリル酸を含有するため、これを蒸留工程Vから処分しないのが有利であるが、そうでない場合には、急冷工程Iまたは吸収工程IIに戻す。
【0034】
精留塔(方法工程V−I)での有利な運転パラメーターは次の通りである:塔頂圧<300mbar、特に<200mbar、とりわけ<150mbar、塔底温度<150℃、特に<140℃、とりわけ<130℃および塔底でのアクリル酸濃度5%〜50質量%、特に有利には20%〜35質量%。
【0035】
部分流bからのアクリル酸の回収は、部分流bを、場合によりさらに精製することができる粗製アクリル酸含有の第一の部分流と、部分流cとに分離することにより行うのが有利である。方法工程V−IIは、上向きの生成物流を有するストリッピングカラム(Auftriebskolonne)中で蒸留により行うのが有利である。
【0036】
有利には、方法工程V−I用の下向きの生成物流を有するストリッピングカラム(Abtriebskolonne)および方法工程V−II用の上向きの生成物流を有するストリッピングカラムは、共通の塔底を有する。方法工程VI−Iの結果として、下向きの生成物流を有するストリッピングカラムと上向きの生成物流を有するストリッピングカラムの共通の塔底で生じる部分流bは、方法工程VI−IIで、上向きの生成物流を有するストリッピングカラム中で分離される。この場合に、カラム塔底では、大部分が溶剤を含有し、かつ場合により精製後に、特に急冷器中での蒸発により吸収工程に戻される部分流cが生じる。上向きの生成物流を有するストリッピングカラムでは、上に向かって、完全にまたは殆ど完全に低沸点物不含の水蒸気が上昇し、その際、中沸点物および高沸点物は、液体還流により塔底から流し出される。カラム塔頂では、蒸気(Brueden)が凝縮され、1つの流れは、塔頂で生成物として取り出され、残りは液体還流物である。この生成物は、大部分が低沸点、中沸点および高沸点物不含のアクリル酸である。このアクリル酸を粗製アクリル酸と称する。
【0037】
工程Vでは、それぞれ粗製アクリル酸に対して、アクリル酸98〜99.8質量%、特に98.5〜99.5質量%および不純物、例えば、酢酸、アルデヒドおよび無水マレイン酸0.2〜2質量%、特に0.5〜1.5質量%を含有する粗製アクリル酸が得られる。このアクリル酸は、その純度要求が極めて高くないかぎり、場合により既にエステル化に使用してもよい。
【0038】
本発明の有利な実施態様では、なお溶解したアクリル酸を含有していてもよい希酸液を、アクリル酸を殆ど含有しない溶剤(工程IV)の少量の部分流で抽出して処理する。これを燃焼する前に、希酸液抽出からの水性流を濃縮することができるが、これは、特に環境保護義務が存在する場合に必要となり得る。
【0039】
しかし、方法工程V、すなわち、方法工程IIIからの塔頂流からアクリル酸を蒸留により回収することを、先行開示されていないドイツ国特許明細書DE-A 10002806に記載されているように、分離壁カラムまたは多軸カラム中で実施することは特に有利である。
【0040】
本発明を、図ならびに実施例を用いて以下に詳説する。
個々に、次のものを示す:
図1 従来技術によるプラントの図式的説明、および
図2 本発明によるプラントの図式的説明。
【0041】
以下に、先ず比較例として、図1に相当するプラント中での常用の方法によるアクリル酸の回収を記載する:
270℃の温度および1.6バ-ルの圧力で、かつ主成分(それぞれ質量%で)
窒素(75)、
窒素(3)、
アクリル酸(12)
水(5)、
CO(1)、
CO2(3)、
残り、すなわち他の成分(1)
を有する気相酸化からのアクリル酸2900Nl/hガス流を、ベンチュリ管の狭い断面領域中に設置されたスリットを通して噴霧されたジフェニルエーテル57.4質量%、ジフェニル20.7質量%、ジメチルo−フタレート20質量%、残りの他の成分から成る急冷液(140〜150℃)と直接に接触させることにより、ベンチュリ冷却器1中で150℃の温度まで冷却した。続いて、下流の液滴分離器中(上向きのガスパイプ送りを有する貯蔵タンク)で、液滴の形で残る冷却液の部分を、反応ガスと蒸留急冷液から成る気相から分離し、かつベンチュリスクラバーへの循環に戻した。戻された急冷液の部分流に、溶剤蒸留を課し、その際に、急冷液を蒸留し、かつ焼却される高沸点副成分が後に残った。
【0042】
約150℃の温度を有する気相を、充填吸着カラム2の下の部分に供給し(高さ3m;ガラス製二重ジャケット;内径50mm、90cm、90cmおよび50cmの長さ(下から上)の3つの充填領域、充填領域を、下から上に、次のように熱処理した:90℃、60℃、20℃;最後から1つ前と最後の充填領域を、チムニートレー(Kaminbode)により分離し;充填物は5mmのヘリックス直径および5mmのヘリックス長さを有するステンレス製の金属ヘリックスであり;真ん中の充填領域のすぐ上に吸着剤を供給し、かつ同様にジフェニルエーテル57.4質量%、ジフェニル20.7質量%、ジメチルo-フタレート20質量%ならびに残りの他の成分から構成される)、かつ50℃の温度で添加された吸着剤2900g/lの向流に曝した。
【0043】
吸着カラム2中で、2番目の充填領域を上向きの方向で出る吸収されていないガス混合物を、3番目の充填領域でさらに冷却して、この中に含有される副成分の凝縮可能な部分、例えば、水および酢酸を凝縮により分離した。この凝縮物を希酸液と称する。分離効果を高めるために、希酸液の一部を、20℃の温度で吸着カラム2の3番目の充填領域に戻した。希酸液の取り出しは、充填領域の最も上の下方で、そこに設置されたチムニートレーから行った。取り出された希酸液に戻された割合は、20w/wであった。取り出された希酸液は、水97.5質量%の他に、アクリル酸0.8質量%も含有していた。必要な場合に、これをDE−A 19600955に記載されているように獲得できる。吸着カラム2を最後に出る気体流1600Nl/hを循環ガスとしてプロペン酸化に戻した。残留物を焼却した。
【0044】
吸着カラム2の排出物を60ミリバールおよび105℃で運転された強制循環フラッシュエバポレーター5に供給した。この場合に、アクリル酸で負荷された溶剤流(主成分:それぞれ質量%で:溶剤61、アクリル酸30、酢酸8118ppm、無水マレイン酸2000ppm)5230g/hを、大部分がアクリル酸(主成分:それぞれ質量%で;溶剤20、アクリル酸77および酢酸0.22)を含有する1番目の部分流IIIA 2160g/hと、大部分が溶剤(主成分:それぞれ質量%で;溶剤83、アクリル酸5および酢酸636ppm)を含有する2番目の部分流IIIB 3070g/hとに分離した。
【0045】
部分流IIIBを、ストリッピングカラム3の塔頂に添加した。ストリッピングガスとして、空気流600Nl/hを使用した。ストリッピングカラム3の塔頂にエバポレーターからの部分流IIIBを添加し、ここで、ストリッピングカラム3は、アクリル酸を溶剤から除去するために用いられた(工程IV)。アクリル酸から遊離された溶剤をストリッピングカラム3の塔底から取り出し、かつ吸着カラム2の塔頂に戻した。溶剤中のジアクリル酸含量は、2.0質量%であった。
【0046】
エバポレーター5中で生じた部分流IIIAを熱交換器6中、100ミリバールで凝縮し、かつ凝縮物を2個に分けられた精留塔4の28番目の段、すなわちその回収部に供給した。精留塔4の回収部で、方法工程VI−Iを行った。すなわち、向流の形で、アクリル酸蒸気を用いて、部分流IIIAから低沸点物をストリッピングしたのに対して、中沸点物および高沸点物は大部分が液体中に残った。精留塔4の回収部の塔底から、殆ど低沸点物不含である流れb(主成分(質量%):溶剤28、アクリル酸71、酢酸721ppm、無水マレイン酸4026ppm)を取り出した。部分流bを精留塔4の下向きの生成物流と上向きの生成物流の共通のエバポレーター7に供給し、かつエバポレーター7から、残留流c(480g/h、主成分(質量%):溶剤87、アクリル酸10、無水マレイン酸7000ppm)を取り出し、かつベンチュリ冷却器1に供給した。アクリル酸を回収するために(方法工程VI-II)エバポレーター7からの粗製アクリル酸含有の蒸気流を、精留塔4の上向きの生成物流に供給し、かつ、中沸点および高沸点物からアクリル酸の還流により精製した。精留塔4の回収部の塔頂で、主要生成物であるアクリル酸420g/hの流れを取り出し、その主要生成物は、なお酢酸1500ppmと無水マレイン酸50ppmを含有していた。方法工程VI−Iが行われる精留塔4の回収部からの蒸気を、アクリル酸95質量%、溶剤0.8質量%および酢酸3.6質量%含有の残留流として凝縮し、かつ同様にベンチュリ急冷器1に供給した。
【0047】
方法工程Vに戻した溶剤流の部分流を有する希酸液を抽出した後に、焼却に供給さされた希酸液のジアクリル酸含量は、2.6質量%であった。
【0048】
以下の本発明による実施態様を図2と関連して記載する。
【0049】
方法工程IとIIは、先行技術からの方法に対して変化なかった。これとは異なって、吸着カラムIIからの缶出液を精留塔IIIの上の領域に供給し、方法工程IIIで、(メタ)アクリル酸で負荷された溶剤を、大部分が、すなわちアクリル酸70〜95質量%、全ての低沸点物および高沸点物の一部ならびに溶剤の残りを含有する塔頂流と、溶剤の大部分および(メタ)アクリル酸約0.1〜1.5質量%の残りの部分を含有する塔底流とに分離することを実施する。精留塔は、9個の二系統流れトレーを備えており、かつこれは195℃の塔底温度で運転される。液体塔底流IIIB)は、ジアクリル酸0.8質量%を含有しており、かつ方法工程IVで吸収工程IIに戻された。方法工程IVに戻した溶剤流の分部流を有する希酸液を抽出した後に、焼却に送られた希酸液のジアクリル酸含量は、1.0質量%であった。
【0050】
水蒸気の形の塔頂流IIIA)をさらに蒸発(方法工程V)に送り、これを比較例として構成し、かつ同じプロセス条件下で運転し、かつ比較例と同じような品質を有する生成物を生じた。
【0051】
本発明による方法では、方法工程IIIでの高い塔底温度により、ジアクリル酸の形の希酸液によりアクリル酸損失が半分以上になった。これは、全体的な方法では、0.5%の生成物収率の増大を意味する。アクリル酸は、製造プラントで年間に100.000トン生産されるため、0.5%という生成物収率の増大は、経済的に著しく有利である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、従来技術によるプラントを図式的に説明した図である。
【0053】
【図2】図2は、本発明によるプラントを図式的に説明した図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ベンチュリ冷却器、 2 吸着カラム、 3 ストリッピングカラム、 4 精留塔、 5 エバポレーター、 6 熱交換器、 7 エバポレーター
Claims (6)
- 以下の:
I 高沸点溶剤を用いて蒸発冷却により反応ガスを急冷し、
II 高沸点溶剤中に吸収することにより急冷反応ガスから(メタ)アクリル酸を分離し、
III (メタ)アクリル酸で負荷された溶剤を、大部分が(メタ)アクリル酸を含有する1番目の部分流IIIA)と、大部分が溶剤を含有する2番目の部分流IIIB)とに分離し、
IV 方法工程IIに流れIIIBを戻し、
V 流れIIIA)からの(メタ)アクリル酸を蒸留により回収し、その際、方法工程Vで生じた全ての液体残留流を方法工程Iに戻す
方法工程を有する接触気相酸化の反応ガスから、(メタ)アクリル酸を連続的に回収する方法において、方法工程IIIを精留により行うことを特徴とする、(メタ)アクリル酸を連続的に回収する方法。 - 方法工程IIIを、精留塔中で165〜210℃の範囲内の塔底温度で実施する、請求項1に記載の方法。
- 方法工程IIIを、精留塔中で180〜200℃の範囲内の塔底温度で実施する、請求項1に記載の方法。
- 方法工程IIIを、精留塔中で190〜195℃の範囲内の塔底温度で実施する、請求項1に記載の方法。
- 方法工程IIIで二系統流れトレーを有する精留塔を使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- 方法工程Vを多軸形カラム中で実施する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
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