JP2004526115A - 金属、金属酸化物又は金属水酸化物を含む小片を持つ汚泥の処理方法 - Google Patents

金属、金属酸化物又は金属水酸化物を含む小片を持つ汚泥の処理方法 Download PDF

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Abstract

汚泥を処理する方法が開示され、ここで汚泥がその中に混合されている液体部分と金属含有小片とを持っている。小片は金属、金属酸化物又は金属水酸化物を含み、方法は次の段階即ち前記汚泥を霧化し、前記霧化された汚泥を、炉内に設けられたバーナの火炎へ供給し、別個の燃料供給により火炎を維持しながら火炎により、汚泥の液体部分を蒸発させ、前記金属含有小片の少なくとも一部を火炎により溶融させることを含んでいる。これは、例えば綱又は石油化学工業におけるプラントからの排気物質を処理するための効果的な方法を提供する。

Description

【発明の分野】
【0001】
本発明は、一般に汚泥の処理方法及び装置、特に金属、金属酸化物又は金属水酸化物を含む小片を持つ汚泥の処理方法及び装置に関する。
【背景】
【0002】
混合されている廃棄物質を持つ汚泥又は泥しょうは、現在の工業における問題を提出している。冶金工業では、コークスプラント、高炉、転炉および圧延機からの汚泥、例えば油で汚染されたスケール及び酸洗いからの水酸化物を処理する適当な方法はない。大抵の場合これらの物質はある中間貯蔵所に置かれるか、又は埋立てごみ処理場へ運ばれる。物質を回収する問題のある他の分野は石油工業であり、そこでは、汚泥の形の廃棄生成物が生じる。
【0003】
新しい解決策を見出すための公共機関及び顧客からの圧力は、不断に増大している。埋立てごみ処理場の初期の解決はもはや実行可能な解決策ではなく、多くの国では不法である。変換及び回収のための既存の技術は費用がかかる。
【0004】
経済上及び環境上の観点から、回収は廃棄物質を処理する上述した問題に対する好ましい解決策であることが多い。しかし回収はしばしばある種の外部処理を意味し、プラントへの運搬及び通常の一連のプロセス以外のプロセスを生じる。
【0005】
これらの問題に対する公知の解決策は、廃棄物質の造粒及び製団と、それに続く炉への供給である。しかしこの解決策は、廃棄物質の乾燥及びそれに続く造粒のための別個のプラント用の余分な費用という問題を伴う。
【0006】
ドイツ連邦共和国特許第2460799号明細書は、油含有金属小片の燃焼方法を開示している。この開示された方法の目的は、望ましくない排出小片を回避しながら油を分解することである。燃焼は、油自体により供給されるエネルギのみに依存している。
【0007】
ドイツ連邦共和国特許第4241283号明細書は、ガス化のプロセスを開示しており、そこでは小片が回収される。別個の燃料供給は行われない。
【発明の要約】
【0008】
本発明の目的は、汚泥を処理するための改善された方法及び装置、特に混合された金属酸化物又は金属水酸化物を含む小片を持つ汚泥を処理するための方法及び装置を提供し、公知の技術に伴う上述の欠点が回避されるか、又は少なくとも軽減されるようにすることである。
【0009】
本発明は、湿った物質がバーナの火炎へ直接供給可能であり、蒸発が行われ、金属含有小片が溶融されることの実現に基いている。
【0010】
本発明の第1の局面によれば、請求項1に規定されるような汚泥の処理方法が提供される。
【0011】
本発明の第2の局面によれば、請求項8に規定されるような汚泥の処理装置が提供される。
【0012】
本発明による方法及び装置によって、従来技術の問題が克服されるか、又は少なくとも軽減される。湿った物質は、別個の乾燥段階を必要とすることなく、直接炉内で処理され
、余分な装置の費用を節約し、一層短い処理時間を生じる。
【0013】
添付図面を参照して、本発明が例により説明される。
【0014】
本発明による方法及び装置の詳細な説明が以下に与えられる。以下の説明において、汚泥という用語は、装置へ供給される物質のために使用される。しかしこの用語が、泥漿、軟泥、又はコークス、木炭等を含む炭素含有小片、油残渣、原油生産、精錬所及び石油化学工業からの廃棄物、下水汚泥等のような他の物質を含むことが理解される。好ましい実施例において、汚泥の金属含有量は少なくとも5%、もっと好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも50%である。
【0015】
まず図1に、汚泥及び他の湿った排気物質を処理するための全体を10で示されるプラントの全体図が、示されている。プラントは、炉30の側壁に設置されるバーナ20の周りに建造されている。バーナはいわゆる酸素−燃料バーナであり、第1の供給導管21を通して燃料を供給され、第2の供給導管22を通して酸素を供給される。この文脈において酸素により、21%を超える酸素含有量を持つガス、好ましくは約90〜100%の酸素含有量を持ついわゆる工業用ガスが意味される。
【0016】
汚泥は、第3の供給導管23を通してバーナへ供給される。第3の供給導管23は、全体を40で示す供給機に接続されている。供給機40は、容器42を含み、汚泥の形の湿った原料がこの容器へ供給される。汚泥は容器42から、電動機46により駆動される供給ポンプ45を含む装置へ向けられる。供給ポンプ45により、汚泥は、供給ポンプの速度により決定される割合でバーナ20へ移動される。
【0017】
バーナ20は、酸素又は他のガス等のような汚泥を霧化するための適当な媒体も供給される。この霧化媒体は、入口25を通して媒体源(図示せず)からバーナへ供給される。
【0018】
図1に示す典型的なプラントでは、炉30は、汚泥の処理により回収される溶融金属含有小片を出すため下部の近くにある出口32を持つ別個のユニットである。炉は、燃焼中に汚泥の蒸発及び燃焼から生じる排気を出すためその上部にある排気出口34も含んでいる。炉の底には、バーナを通して炉30へ供給される物質から生じる装入物36が集められる。
【0019】
バーナ20の第1実施例が、図2及び3に関して以下に詳細に説明されるが、図2はバーナの前部の断面図であり、図3は正面図である。このバーナは、プロパン、天然ガス又はブタンのようなガスの形の燃料又は油燃料で使用されるのに適している。
【0020】
バーナ20は主要部分24を含み、図1に示されている供給導管21〜23及び25が、この主要部分に接続されている。この部分24は大体において円形断面を持ち(図3参照)、この断面において供給導管21〜23の形状が一層詳細にわかる。燃料は、主要部分24の中心軸線から一定の間隔の所に置かれた6つの等間隔管21a〜21fの第1の供給導管21を通して供給される。酸素は、環状の外側部分22を通して供給され、こうして管21a〜21fを通して供給される燃料を包囲している。最後に汚泥は、バーナ中に同軸的に置かれた管23を通して供給される。
【0021】
汚泥用管23には、26で示す霧化装置が設けられている。これは次のように動作する。酸素のような霧化媒体は、多数の管を通してバーナ25の所で入れられる。これらの管は、汚泥用の中心管23の所で終わり、それに対して角度をなして接続し、それにより管23から離れる汚泥を霧化又は分配する。
【0022】
既に述べたように、バーナ20は炉30の側壁に取付けられている。好ましい実施例では、バーナは傾けることができ、即ち水平面又は垂直面に対して異なる角度で位置させることができる。種々の向きは、燃焼プロセスのために所望の特性を得るために使用することができる。
【0023】
汚泥の処理方法が以下に詳細に説明される。
【0024】
最初に汚泥が供給機40の容器42へ供給される。汚泥は上述した特性のものであり、即ち液体部分とこの液体部分に混合された金属含有小片とを持っている。金属含有小片は、金属、金属酸化物又は金属水酸化物を含んでいる。
【0025】
汚泥は容器から供給ポンプ45へ移され、そこでポンプ45によりバーナ20へ送られる。汚泥をバーナへ供給する速度は、供給ポンプ45の速度により決定される。
【0026】
酸素−燃料バーナ20の動作は、第1及び第2の供給導管21及び22を通して供給される燃料及び酸素の量によってそれぞれ制御される。供給導管は、燃料源及び酸素源(図示せず)に従来のように接続されている。霧化媒体源も入口25を通してバーナに接続されている。
【0027】
バーナ20の動作は、ガス又は油バーナを示す図2及び3に関して詳細に説明される。汚泥は、中心の供給管23を通して、供給ポンプにより制御される速度で供給される。酸素−燃料混合物及び汚泥に含まれることがある燃料から生じる火炎27へ達する前に、汚泥が霧化器26により霧化される。ある場合には、汚泥に含まれるエネルギにより維持されることができ、これらの場合供給導管23を通して供給される燃料は、主として燃焼を開始するために使用される。こうしてバーナの前部から離れる汚泥は、小さい断片に分割され、その効果的な加熱を可能にする。
【0028】
燃料は供給管21a〜21fへ供給され(図3参照)、酸素の外被は環状の供給区域を通して供給される、酸素−燃料混合物は、長さ、温度等のような特性を持つ火災27を生じ、これらの特性は燃料及び酸素により制御される。酸素含有量が多いほど、温度は高くなり、約1500℃又はそれ以上の理論的火炎温度を生じる。こうして汚泥は火炎の中心部分へ噴射される。
【0029】
図2からわかるように、火災中へ噴射された汚泥の金属含有小片は凝集体にされ、こうして汚泥中に見出される小片より大きい寸法の凝集体を生じる。凝集プロセスはいくつかのパラメータにより制御され、これらのパラメータのうち、火炎27の温度及び及び速度、噴射される汚泥のエネルギ含有量又は密度、化学量論比即ち酸化ガスと添加される燃料との比、酸化ガスの酸素含有量、酸素及び添加される燃料の供給速度、汚泥の噴射速度及びその特性、火炎中における汚泥の移動時間、バーナ特性及び傾斜のような形状があげられる。
【0030】
汚泥の湿った部分は、火炎の高い温度により蒸発せしめられ、炉30を通して排気が上昇し、続いて排気出口34を通って出る。生じる凝集体及び小滴は炉30の底へ落下し、そこで装入物36へ添加される。それから装入物は、そのまま液相又は固相で使用される。その代わりに装入物をプロセスへ戻すことができる。
【0031】
本発明による方法及び装置の好ましい実施例が説明された。当業者は、これを特許請求範囲内で変更できることを了解する。こうして酸素−燃料バーナ20を示すけれども、プラズマバーナ、又はある場合高い熱効率を持つ空気−燃料バーナのようなほかの従来のバーナを使用することができる。
【0032】
更に別のバーナユニット30を示した本発明による方法は、電気アーク炉、誘導炉、反射炉、電気加熱炉、高炉、キュポラ、転炉のような他の種類の炉にも同様に適用可能である。
【0033】
上述した実施例でも、バーナは炉の側壁に位置している。しかし炉の上部におけるように、他の適当な位置も可能である。1つより多いバーナを持つ構成も可能である。その場合霧化した汚泥を例えば3つのバーナ火炎への間へ噴射することができる。
【0034】
上述した実施例では、汚泥は供給ポンプにより炉へ供給される。しかし炉へ供給される汚泥は、自由流等であってもよい。
【0035】
特殊なバーナ構成が示された。異なる数の管等を持つ適当ないかなるバーナ構成も使用できることもわかる。霧化媒体用の別の入口が記載された。霧化媒体及びバーナ供給のため同じ酸素源を使用できることもわかる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】汚泥及び他の湿った廃棄物質を処理するための本発明によるプラントの概略図である。
【図2】本発明による方法で使用されるバーナの断面図である。
【図3】図2に示すバーナの概略正面図である。

Claims (8)

  1. 汚泥を処理する方法であって、前記汚泥がその中に混合されている液体部分と金属含有小片とを持ち、前記小片が金属、金属酸化物又は金属水酸化物を含み、前記方法が次の段階
    a)前記汚泥を霧化し、
    b)前記霧化された汚泥を、炉内に設けられたバーナの火炎へ供給し、
    c)別個の燃料供給により前記火炎を維持しながら前記火炎により、前記汚泥の液体部分を蒸発させ、かつ
    d)前記金属含有小片の少なくとも一部を前記火炎により溶融させる
    を含んでいる、汚泥の処理方法。
  2. a)液層又は固相の前記金属含有小片を回収する
    付加的な段階を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バーナが酸素−燃料バーナである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記バーナがプラズマバーナである、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記汚泥の金属含有量が、少なくとも5%、更に好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも50%である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 汚泥がプロセスからの廃棄生成物である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記火炎、主として前記汚泥に含まれるエネルギにより維持されている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 混合されている液体部分と金属含有小片とを持つ汚泥用の容器(42)、前記小片が金属、金属酸化物、又は金属水酸化物を含み、
    作動中に火炎(27)を持つバーナ(20)、前記バーナは
    前記火炎を維持するための燃料供給導線(21)、
    汚泥を前記火炎へ供給するための供給管(23)、
    前記汚泥を霧化するための霧化器(25,26)を持ち、かつ
    汚泥を前記容器から前記バーナへ供給するため前記容器と前記バーナとの間に接続される供給機(45,46)
    を含んでいる、汚泥の処理装置。
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