JP2004525149A - ピラゾロピリジン類、その調製方法及びその治療用化合物としての使用 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、新規化合物、それら化合物を含有する医薬製剤、及び、それら化合物の治療における使用に関する。さらに詳細には、本発明は、ヘルペスウイルス感染症を予防又は治療するための化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
DNAウイルスの中で、ヘルペス群のDNAウイルスは、ヒトにおける最も一般的なウイルス性疾患の原因である。上記群には、単純ヘルペスウイルス1型及び2型(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインバーウイルス(EBV)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)及びヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)が含まれる。HSV-1とHSV-2は、ヒトの最も一般的な感染因子の一部である。これらのウイルスの大部分は、宿主の神経細胞内で生存し続けることができる。これらのウイルスにいったん感染すると、感染している個体は、感染の臨床症状の再発のリスクを有し、これは、肉体的にも精神的にも苦痛であり得る。
【0003】
単純ヘルペスウイルス(HSV-1及びHSV-2)は、口唇ヘルペスと陰部ヘルペスの原因因子である。HSVの感染は、しばしば、皮膚、口及び/又は生殖器の広範囲にわたる消耗性の病変によって特徴づけられる。初感染は症状を示さないこともあるが、以前に当該ウイルスに冒された個体が感染した場合よりも重症となる傾向にある。HSVが眼に感染すると、角膜炎又は白内障になることがあり、それによって、宿主の視力は危険にさらされる。新生児における感染、免疫が低下している患者における感染、又は、感染の中枢神経系への侵入は、致命的になり得る。米国のみで4000万人がHSV-2に感染しており、2007年までには6000万人に増加すると予想される。HSV-2に感染しているヒトの80%以上が自分がキャリアであることに気づかずにいて当該ウイルスを拡散し、HSV-2に感染していると診断されたヒトの20%未満が経口治療を受ける。最終的には、治療を受けるのは感染しているヒトの5%未満である。同様に、世界で5億3000万人がHSV-1を保有し、症状を有するヒトの81%が治療を受けないでいる。HSV感染症に対する治療法は存在せず、いったん感染したら、感染している個体は当該ウイルスを休眠状態を一生保有する。前記ウイルスの潜伏状態からの再活性化は、周期的に起こり、ストレス、環境要因及び/又は宿主の免疫系の抑制によって誘発され得る。現在は、バラシクロビル(VALTREX(登録商標))及びアシクロビル(ZOVIRAX(登録商標))などのヌクレオシド類似体を使用するのが、大発生している陰部ヘルペスウイルスを管理するための標準的な治療法である。
【0004】
水痘帯状疱疹ウイルス(variclla zoster virus)(VZV)(帯状疱疹ウイルス(herpes zoster virus)としても知られている)は、水痘と帯状疱疹を引き起こすヘルペスウイルスである。水痘は、免疫なしの宿主において生じる原疾患であり、幼い子供では、通常、水疱疹と発熱を特徴とする軽症の病気である。帯状疱疹は、以前にVZVに感染した大人で発症する疾患の再発形態である。帯状疱疹の臨床症状は、神経痛と、その分布が片側性で皮節性である小胞を有する皮膚の発疹、を特徴とする。炎症が広がると、麻痺や痙攣が起こる場合がある。髄膜が冒されると、昏睡状態になり得る。VZVは、移植を目的として免疫抑制剤を投与された患者又は悪性の腫瘍形成を治療するために免疫抑制剤を投与された患者において重大な問題であり、また、AIDS患者においても、免疫系が正常に機能しないことにより、極めて重大な問題である。
【0005】
他のヘルペスウイルスと同様に、CMVに感染すると、ウイルスと宿主は一生のつきあいとなる。妊娠期間中の母親の感染の結果として起こる先天性の感染は、例えば、死若しくは全身性疾患(小頭症、肝脾腫大症、黄疸、精神遅滞疾患)、失明を引き起こす網膜炎、又は、程度は軽いが、発育障害、並びに、胸部及び耳への感染に対する罹病性などの臨床的作用を引き起こし得る。例えば、悪性腫瘍、移植後の免疫抑制剤での治療又はヒト免疫不全ウィルスの感染の結果として免疫無防備状態にある患者におけるCMVの感染は、網膜炎、肺炎、胃腸障害及び神経疾患を引き起こし得る。CMVの感染は、さらに、再狭窄及びアテローム性動脈硬化症などを包含する心血管の疾患及び病状と関連する。
【0006】
EBVによって引き起こされる主な疾患は、急性又は慢性の伝染性単核球症(glandular fever)である。EBV又はEBVが関連している別の疾患の例としては、先天性又は後天性の細胞性免疫欠乏を患っているヒトでしばしば発症するリンパ増殖性疾患、特に若年の少年で発症するX連鎖リンパ増殖性疾患、EBV-関連B細胞腫瘍、ホジキン病、上咽頭癌、バーキットリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸腺腫及び口腔毛状白板症(oral hairy leukoplakia)などを挙げることができる。EBV感染症は、肺を包含する上気道及び下気道の様々な上皮細胞に由来する腫瘍に関連していることも見いだされている。EBV感染症は、慢性疲労症候群、多発性硬化症及びアルツハイマー病などの他の疾患及び病状にも関連している。
【0007】
HHV-6は、子供の突発性発疹(infantum subitum)、及び、腎臓移植患者と骨髄移植患者のそれぞれ腎臓拒絶及び間質性肺炎の原因因子であることが示されているが、おそらく、多発性硬化症などの他の疾患にも関連している可能性がある。骨髄移植患者において幹細胞の総数を抑制しているという証拠も存在する。HHV-7は、未確定疾患の病因である。
【0008】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、全世界的に極めて重要なウイルス性病原体である。このウイルスは、原発性肝細胞癌に病因として関連しており、世界の肝臓癌の80%の原因であると考えられている。HBVによる感染の臨床症状は、頭痛、熱、倦怠感、悪心、嘔吐、食欲不振及び腹痛に及ぶ。このウイルスの複製は、通常、免疫応答によって制御され、ヒトは数週間から数ヶ月を要して回復するが、このウイルスによる感染症はより重症になることがあり、その場合、上記で概説した永続的な慢性肝疾患となる。
【0009】
Mitsuderaらに対する米国特許第5,498,774号及び欧州特許第0404190号は、農薬として有用な、一般式(I):
【化1】
【0010】
[式中、Qは置換されていないか又は置換されている橋頭に窒素原子を有する縮合ヘテロ環式基であり、Xは水素原子であるか、又は、C、O、S若しくはNを介して結合している基であり、Yは電子求引基である]で表される縮合ヘテロ環式化合物又はその塩に関する。
【発明の開示】
【0011】
本発明の第1の態様により、式(I):
【化2】
【0012】
[式中、
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
R7とR8の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-OR9、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR9R11、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2NR9R11、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-SO2R10、-R10SO2R10、-R10NHCOR9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から独立して選択され;
R9とR11の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[ここで、wは1〜10である]及び-R10NR10R10からなる群から独立して選択され;
各R10は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員の、ヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;
YはN又はCHであり;
R3とR4は、同一であるか又は異なっていて、各々、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-OR7、-OAy、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8、-NR7Ay、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から独立して選択され;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、-NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-NR7R8、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
pは、0、1、2又は3であり;
及び、
各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-OR10Ay、-OR10Het、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成しているが;
ここで、YがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない]
で表される化合物、並びに、その製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体が提供される。
【0013】
本発明の別の態様において、式(I)の化合物を含有する医薬組成物が提供される。好ましい一実施態様において、前記医薬組成物は、さらに、製薬上許容される担体又は希釈剤を含有する。一実施態様において、前記医薬組成物は、さらに、アシクロビル及びバラシクロビルからなる群から選択される抗ウイルス薬を含有する。
【0014】
本発明の第三の態様において、ヘルペスウイルス感染症を予防又は治療するための方法が提供される。前記方法は、治療有効量の上記式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を投与することを含んでなる。前記ヘルペスウイルス感染症は、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス7型及びヒトヘルペスウイルス8型からなる群から選択し得る。
【0015】
第四の態様において、動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病状又は疾患を治療又は予防するための方法が提供される。前記方法は、当該動物に、治療有効量の上記式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を投与することを含んでなる。
【0016】
別の態様において、式(I)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3はHであり;R4はHであり;及び、他の全ての可変構造は式(I)の化合物に関連して上記で定義されている通りである]の化合物を調製する方法が提供される。前記調製方法は、
(a) 式(IX):
【化3】
【0017】
[式中、R1aは、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択される]で表される化合物を式(X):
【化4】
【0018】
で表される化合物と反応させて、式(XI):
【化5】
【0019】
で表される化合物を調製するステップ; 及び、
(b) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ;
を含んでなる。
【0020】
別の態様として、本発明は、式(I)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8(ここで、R7とR8はHではない)、-NR7Ay(ここで、R7はHではない)、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9及びHetからなる群から選択され;R4はHであり;及び、他の全ての可変構造は式(I)の化合物に関連して上記で定義されている通りである]の化合物を調製する別の方法を提供する。前記調製方法は、
(a) 式(XV):
【化6】
【0021】
[式中、R1aは上記調製方法で定義されている通りである]で表される化合物を、式(X)の化合物と反応させて式(XI)の化合物を調製するステップ; 及び、
(b) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ;
を含んでなる。
【0022】
別の態様として、本発明は、式(I)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;及び、他の全ての可変構造は式(I)の化合物に関連して上記で定義されている通りである]の化合物を調製する別の方法を提供する。前記調製方法は、
(a) 式(XVIII):
【化7】
【0023】
[式中、R1aは上記調製方法で定義されている通りである]で表される化合物を式(X)の化合物と反応させた後、酸化的芳香族化に付して、式(XI)の化合物を調製するステップ;及び、
(b) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ;
を含んでなる。
【0024】
別の態様として、本発明は、式(I)の化合物を調製する別の方法を提供する。前記調製方法は、
(a) 式(XIX):
【化8】
【0025】
[式中、R1aは上記調製方法で定義されている通りであり、X1はハロであり、q、R5、p及びR6は式(I)の化合物に関連して上記で定義されている通りである]で表される化合物を、式(XX):
【化9】
【0026】
[式中、R2、R3、R4及びYは式(I)の化合物に関連して上記で定義されている通りであり、M2は、-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハライド、ZnRa又はMg-ハライドであり、その際、Raはアルキル又はシクロアルキルであり、ハライドはハロである]で表される化合物と反応させて、式(XI)の化合物を調製するステップ;及び、
(b) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ;
を含んでなる。
【0027】
本発明は、さらに、式(XI)の化合物をその製薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体に変換する方法;式(XI)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を式(XI)の別の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体に変換する方法;式(I)の化合物をその製薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体に変換する方法;及び、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を式(I)の別の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体に変換する方法も提供する。
【0028】
別の態様において、本発明は、放射能標識された式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を提供する。一実施態様において、本発明は、トリチウム化された式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を提供する。別の実施態様において、本発明は、ビオチニル化された式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を提供する。
【0029】
別の態様において、本発明は、治療で使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0030】
さらに別の態様において、本発明は、ヘルペスウイルス感染症の予防又は治療で使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0031】
別の態様において、本発明は、動物におけるヘルペスウイルス感染症、好ましくは、ヒトにおけるヘルペスウイルス感染症の予防又は治療で使用するための、式(I)の化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0032】
さらに別の態様において、本発明は、動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病状又は疾患の予防又は治療で使用するための式(I)の化合物を提供する。
【0033】
さらに別の態様において、本発明は、動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病状又は疾患の予防又は治療で使用するための、式(I)の化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0034】
さらに別の態様において、本発明は、動物におけるヘルペスウイルス感染症、好ましくは、ヒトにおけるヘルペスウイルス感染症を予防又は治療するための医薬を調製するための、式(I)の化合物の使用を提供する。
【0035】
さらに別の態様において、本発明は、動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する疾患又は病状、好ましくは、ヒトにおけるヘルペスウイルス感染症に関連する疾患又は病状を治療又は予防するための医薬を調製するための、式(I)の化合物の使用を提供する。前記ヘルペスウイルス感染症は、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス型2、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス7型又はヒトヘルペスウイルス8型であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本明細書で使用する場合、「本発明の化合物」又は「式(I)の化合物」は、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を意味する。同様に、例えば式(IX)の化合物などの、単離可能な中間体に関して、「式(数字)の化合物」という表現は、当該式で表される化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体を意味する。
【0037】
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」及び「アルキレン」は、1〜8個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用される「アルキル」の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、イソブチル、イソプロピル及びt-ブチルなどを挙げることができる。本明細書で使用される「アルキレン」の例としては、限定するものではないが、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレンなどを挙げることができる。「アルキル」及び「アルキレン」には、置換されているアルキルと置換されているアルキレンも包含される。本明細書で使用されるアルキル(アルキレン)基は、場合によって、メルカプト、ニトロ、シアノ、アジド及びハロからなる群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。例えばトリフルオロメチルなどのペルハロアルキルは、特に好ましいアルキル基の1つである。
【0038】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を有し、炭素-炭素二重結合は有さない、非芳香族の炭素環式環を意味する。「シクロアルキル」の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルなどを挙げることができる。「シクロアルキル」には、置換されているシクロアルキルも包含される。本明細書で使用されるシクロアルキルは、置換可能な炭素原子において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ及びアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい。
【0039】
本明細書で使用する場合、用語「アルケニル」は、2〜8個の炭素原子を含み、1〜3の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用される「アルケニル」の例としては、限定するものではないが、エテニル及びプロペニルなどを挙げることができる。「アルケニル」には、置換されているアルケニルも包含される。本明細書で使用されるアルケニル基は、置換可能な炭素原子において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ及びアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい。
【0040】
本明細書で使用する場合、用語「シクロアルケニル」は、(特に規定していない限り)3〜8個の炭素原子を有し、3つ以下の炭素-炭素二重結合を有する、非芳香族の炭素環式環を意味する。「シクロアルケニル」の例としては、シクロブテニル、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルなどを挙げることができる。「シクロアルケニル」には、置換されているシクロアルケニルも包含される。本明細書で使用されるシクロアルケニルは、置換可能な炭素原子において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ及びアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい。
【0041】
本明細書で使用する場合、用語「アルキニル」は、2〜8個の炭素原子を含み、1〜3の炭素-炭素三重結合を有する、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用される「アルキニル」の例としては、限定するものではないが、エチニル及びプロピニルなどを挙げることができる。「アルキニル」には、置換されているアルキニルも包含される。本明細書で使用されるアルキニル基は、置換可能な炭素原子において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ及びアルキルからなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい。
【0042】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の元素を意味する。
用語「Ay」は、5〜12個の炭素原子を有し、少なくとも1個の芳香族環を有する、単環式炭素環基及び縮合二環式炭素環基を意味する。特定のアリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル及びナフチルなどを挙げることができる。「アリール」には、置換されているアリールも包含される。アリール基は、置換可能な炭素原子において、ハロ、アルキル(ペルハロアルキルも包含する)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、メルカプト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、Het、アミジン、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい。本発明による好ましいアリール基としては、限定するものではないが、フェニル及び置換されているフェニルなどを挙げることができる。
【0043】
用語「ヘテロ環式(heterocyclic)」(又は、「ヘテロ環(heterocycle)」)は、特定された数の環員を有し、N、O及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、飽和又は不飽和の単環式非芳香族基及び縮合二環式非芳香族基を意味する。特定のヘテロ環式基の例としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピラン、オキセタン、チエタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキサラン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリミジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジン、テトラヒドロチオピラン及びテトラヒドロチオフェンなどを挙げることができる。「ヘテロ環式」には、置換されているヘテロ環式も包含される。本明細書で使用されるヘテロ環式基は、置換可能な炭素原子又はヘテロ原子において、ハロ、アルキル(ペルハロアルキルを包含する)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、メルカプト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、Het、アミジン、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい。本発明による好ましいヘテロ環式基としては、限定するものではないが、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジン並びにそれらの置換されている変形体などを挙げることができる。
【0044】
用語「ヘテロアリール」は、特定された数の環員を有し、N、O及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む、芳香族単環式基及び芳香族縮合二環式基を意味する。特定のヘテロアリール基の例としては、限定するものではないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール及びインダゾールなどを挙げることができる。「ヘテロアリール」には、置換されているヘテロアリールも包含される。本明細書で使用されるヘテロアリール基は、置換可能な炭素原子又はヘテロ原子において、ハロ、アルキル(ペルハロアルキルを包含する)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、メルカプト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、Het、アミジン、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から選択される1個以上の置換基で場合により置換されていてもよい。本発明による好ましいヘテロアリール基としては、限定するものではないが、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール及びピリミジン並びにそれらの置換されている変形体などを挙げることができる。
【0045】
ヘテロ環式基及びヘテロアリール基に関連して用いられている用語「員(members)」(又は、その変形表現「員の(membered)」)は、当該環を形成している、炭素原子及びヘテロ原子(N、O及び/又はS)の全原子を意味する。従って、6員ヘテロ環式環の例はピペリジンであり、6員ヘテロアリールの例はピリジンである。
【0046】
本明細書で使用する場合、用語「場合により(optionally)」は、当該用語の次に記載されている出来事が起こってもよいし又は起こらなくてもよいことを意味し、そのような出来事が起こる場合と起こらない場合の両方を包含する。
【0047】
本発明は、式(I):
【化10】
【0048】
[式中、
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
R7とR8の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-OR9、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR9R11、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2NR9R11、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-SO2R10、-R10SO2R10、-R10NHCOR9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から独立して選択され;
R9とR11の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[ここで、wは1〜10である]及び-R10NR10R10からなる群から独立して選択され;
各R10は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員の、ヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;
YはN又はCHであり;
R3とR4は、同一であるか又は異なっていて、各々、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-OR7、-OAy、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8、-NR7Ay、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から独立して選択され;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、-NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-NR7R8、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
pは、0、1、2又は3であり;
及び、
各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-OR10Ay、-OR10Het、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成している]
で表される化合物、並びに、その製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体を提供する。
【0049】
式(I)の化合物の1つの好ましい群においては、YはHである。式(I)の化合物の別の好ましい群においては、YはNである。
【0050】
式(I)の化合物には、式中のR1がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含む化合物が包含される。基-R10Ay、基-R10Het、基-OAy、基-OHet、基-OR10Ay、基-OR10Het、基-R10NR7Ay、基-C(O)Ay、基-C(O)Het、基-R10OC(O)Ay、基-R10OC(O)Het、基-C(O)NR7Ay、基-C(O)NHR10Ay、基-C(NH)NR7Ay、基-SO2NR7Ay、基-S(O)nAy及び基-S(O)nHetは、アリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含む基の例である。一実施態様において、本発明の化合物には、式中のR1がヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含まないとして定義される化合物が包含される。
【0051】
好ましくは、各R1は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-OR7、-OAy、-R10OR9、-R10NR7R8、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-S(O)2NR7R8、-S(O)nR9、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。
【0052】
さらに好ましくは、各R1は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、-OR7、-R10OR9、-R10NR7R8、-C(O)NR7R8及び-S(O)nR9からなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。変数nは0であるのが好ましい。
【0053】
好ましい一実施態様において、各R1は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、-OR7、-C(O)NR7R8及びS(O)nR9からなる群から独立して選択される。
【0054】
好ましい一実施態様において、式(I)の化合物は、式中のYが-CHであり且つR1が-CO2R9である場合はR9はHではないものとして定義される。好ましい別の実施態様において、式(I)の化合物は、式中のR1が-CONR7R8である場合はR7及びR8はいずれもHではないものとして定義される。
【0055】
別の実施態様において、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R10、-R10CO2R9、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される。
【0056】
幾つかの好ましいR1基の具体的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、チオメトキシ及びチオエトキシからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される。
【0057】
一実施態様において、式(I)の化合物は、式中のR2がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるものとして定義される(例えば、R2は、-OAy、Ay、-NHR10Ay、-S(O)nAy、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される)。別の実施態様において、式(I)の化合物は、式中のR2がヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるものとして定義される(例えば、R2は、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される)。さらに別の実施態様において、式(I)の化合物は、式中のR2がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含まないものとして定義される(例えば、R2は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、-OR7、-S(O)nR9及び-R10NR7R8からなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される)。別の実施態様において、R2はヘテロアリール部分構造又はヘテロ環部分構造を含まないがアリール部分構造は含み得る(例えば、R2は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、-OR7、Ay、-NHR10Ay、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8及び-R10NR7Ayからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される)。
【0058】
一実施態様において、式(I)の化合物は、式中のR2が、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-R10NR7R8、Ay、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択されるものとして定義される。
【0059】
R2は、好ましくは、-NR7R8、-OR7、-S(O)nR9、Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される。さらに好ましくは、R2は、-NR7R8、Het、-NHR10Het及び-NHHetからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される。特に好ましい式(I)の化合物は、式中のR2が-NR7R8又はHetであるものとして定義される。
【0060】
一実施態様において、YがCHである場合、R2はHではない。
【0061】
好ましくは、R7とR8は、各々同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、-R10-シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-C(O)R9及び-R10CO2R9からなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。さらに好ましくは、R7とR8は、各々同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル及び-R10-シクロアルキルからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。一実施態様において、R7とR8は、各々同一であるか又は異なっていて、H、アルキル及びシクロアルキルからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。
【0062】
好ましくは、R9とR11は、各々同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル及び-R10-シクロアルキルからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。さらに好ましくは、R9とR11は、各々同一であるか又は異なっていて、H及びアルキルからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。
【0063】
R10は、好ましくは、アルキル又はシクロアルキルであり、さらに好ましくは、アルキルである。
【0064】
特に、本発明の好ましい実施態様には、式中のR2が-NH2、-NH-アルキル、-NH-シクロアルキル、-N(アルキル)(アルキル)、-Het(例えば、ピロリドン)、-NHHet及び-NH-アルキル-Hetからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される式(I)の化合物が含まれる。さらに好ましくは、式(I)の化合物は、式中のR2が-NH-アルキル及び-NH-シクロアルキルからなる群から選択されるものとして定義される。好ましい実施形態には、式中のR2が-NH-プロピル、-NH-イソプロピル、-NH-シクロプロピル、-NH-ブチル、-NH-イソブチル、-NH-シクロブチル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシル、-NH(CH2)2OCH3、ピロリジン(例えば、Nを介して結合するピロリジン)及びモルホリン(例えば、Nを介して結合するモルホリン)であるか又はそれらのいずれかの従属集合である式(I)の化合物が含まれる。
【0065】
別の実施態様において、式(I)の化合物には、式中のR3とR4の少なくとも1つがアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいる(あるいは、さらに好ましくは、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるがアリール部分構造は含まない)として定義される化合物が含まれる。好ましい実施態様には、式中のR3とR4のいずれもがアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含まない(あるいは、さらに好ましくは、ヘテロ環部分構造とヘテロアリール部分構造のいずれも含まないがアリール部分構造は含み得る)式(I)の化合物が含まれる。上記したR1とR2についての教示に基づいて、当業者は、アリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるか又は含まないR3とR4を明示する適切な基の一覧を容易に決定することができる。
【0066】
R3は、好ましくは、H、ハロ、アルキル、Ay、-OR7、-R10OR7、-NR7R8、-R10NR7R8及び-CO2R7からなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される。さらに好ましくは、R3は、H、ハロ、アルキル、-OR7及び-NR7R8からなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される。最も好ましくは、R3はH又はアルキルである。一実施態様において、R3はHである。
【0067】
R4は、好ましくは、H、ハロ、アルキル、Ay、-OR7、-R10OR7、-NR7R8、-R10NR7R8若しくは-CO2R7であるか又はそれらのいずれかの従属集合である。さらに好ましくは、R4は、H、ハロ、アルキル、-OR7若しくは-NR7R8であるか又はそれらのいずれかの従属集合である。最も好ましくは、R4 はH又はアルキルである。一実施態様において、R4はHである。
【0068】
好ましくは、qは0、1又は2である。一実施態様において、qは0である。好ましい一実施態様において、qは1である。一実施態様において、qは2であって、2つのR5基は隣接する炭素原子に結合しており、場合により、2つのR5基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成している。「隣接する2つのR5基」という表現は、それぞれがフェニル環の隣接する炭素原子に結合している2つのR5基を意味する。隣接する2つのR5基がそれらが結合している原子と一緒にシクロアルキル又はアリールを形成している実施態様において、qは、好ましくは、2、3、4又は5であり、さらに好ましくは、qは2である。
【0069】
R5はオルト位、メタ位又はパラ位にあることができる。
【0070】
式(I)の化合物の別の群には、式中の少なくとも1つのR5がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造(好ましくは、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造)を含んでいて、隣接する2つのR5基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成していないとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別の群には、式中のqが3、4又は5であって、少なくとも1つのR5がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造(好ましくは、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造)を含んでいて、隣接する2つのR5基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しているとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別の群には、式中のR5がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでおらず(あるいは、一実施態様において、R5はヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでおらず)、隣接する2つのR5基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成していないとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別の群には、式中のqが2、3、4又は5であって、R5がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでおらず(あるいは、一実施態様において、R5はヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでおらず)、隣接する2つのR5基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しているとして定義される化合物が含まれる。
【0071】
上記したR2についての教示に基づいて、当業者は、アリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるか又は含まないR5を明示する適切な基の一覧を容易に決定することができる。
【0072】
隣接する2つのR5基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成している場合、qは、好ましくは、2、3、4又は5であり、さらに好ましくは、qは2である。そのような実施態様において、各R5基は、同一であっても又は異なっていてもよく、好ましくは、アルキル及びアルケニルからなる群から選択される。例えば、一実施態様において、隣接する2つのR5基はアルキルであって、それらアルキルは、それらが結合している原子と一緒に、例えば、
【化11】
【0073】
のようなシクロアルキル基を形成している。
【0074】
上記例から、当業者は、隣接する2つのR5基がそれらが結合している原子と一緒にアリールを形成している実施態様などの、さらなる実施態様について容易に考え付くことができる。
【0075】
好ましい一実施態様において、2つのR5基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成していない。
【0076】
好ましくは、各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、-OR7、-CO2R9、-NR7R8、-C(O)NR7R8、Ay、-OAy、-NR7Ay、-NHR10Ay、-C(O)NR7Ay、Het、-S(O)2NR7R8、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。さらに好ましくは、各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、-OR7、-NR7R8、-C(O)NR7R8、Het、-S(O)2NR7R8、シアノ及び ニトロからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。最も好ましくは、各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、-OR7、-NR7R8及びシアノからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。
【0077】
特に、式(I)の化合物の好ましい実施態様は、式中のR5が、ハロ(例えば、フルオロ又はクロロなど)、アルキル(例えば、メチルなど)、O-アルキル(例えば、O-メチル、O-イソブチル及び
【化12】
【0078】
など)、O-アリル、シアノ、-NH-CH3及び-N(CH3)2であるか又はそれらのいずれかの従属集合であるものとして定義される。
【0079】
式(I)の化合物の1つの好ましい群においては、pは、0、1又は2である。さらに好ましくは、pは0又は1である。特に好ましい一実施態様において、pは1である。
【0080】
R6は、4位、5位又は6位にあることができる。一実施態様において、pは1であり、R6はC-5位に存在する。
【0081】
式(I)の化合物の1つの群には、式中の少なくとも1つのR6がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造(好ましくは、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造)を含んでいて、隣接する2つのR6基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成していないとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別の群には、式中のpが3であって、少なくとも1つのR6がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造(好ましくは、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造)を含んでいて、隣接する2つのR6基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成しているとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の好ましい群には、式中のR6がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでおらず(あるいは、一実施態様において、R6はヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでおらず)、隣接する2つのR6基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成していないとして定義される化合物が含まれる。式(I)の化合物の別の群には、式中のpが2又は3であって、R6がアリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでおらず(あるいは、一実施態様において、R6はヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでおらず)、隣接する2つのR6基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成しているとして定義される化合物が含まれる。
【0082】
上記したR1及びR2についての教示に基づいて、当業者は、アリール部分構造、ヘテロ環部分構造又はヘテロアリール部分構造を含んでいるか又は含まないR6を明示する適切な基の一覧を容易に決定することができる。
【0083】
隣接する2つのR6基がそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基(即ち、シクロアルキル環又はヘテロ環式環)を形成している実施態様においては、各R6基は、同一であっても又は異なっていてもよく、好ましくは、アルキル、アルケニル、-OR7、-NR7R8及び-S(O)nR9からなる群から選択される。例えば、一実施態様において、隣接する2つのR6基は-OR7であって、それら-OR7は、それらが結合している原子と一緒に、例えば、
【化13】
【0084】
のようなヘテロ環基を形成している。
【0085】
別の実施態様において、隣接する2つのR6基はアルキルであって、それらアルキルは、それらが結合している原子と一緒に、例えば、
【化14】
【0086】
のようなシクロアルキル基を形成している。
【0087】
別の実施態様において、隣接する2つのR6基はそれぞれ-OR7及び-NR7R8と定義され、それら-OR7及び-NR7R8は、それらが結合している原子と一緒に、例えば、
【化15】
【0088】
のようなヘテロ環基を形成している。
【0089】
上記例から、当業者は、さらなる実施態様について容易に考え付くことができる。好ましい一実施態様において、2つのR6基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は5員若しくは6員のヘテロ環基を形成していない。
【0090】
好ましくは、各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-R10NR7R8、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-R10SO2NHCOR9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。さらに好ましくは、各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、Het、-OR7、-C(O)NR7R8、-S(O)2NR7R8、-S(O)nR9及びシアノからなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。最も好ましくは、各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、Het、-OR7及び-S(O)nR9からなる群から独立して選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から独立して選択される。
【0091】
好ましい一実施態様において、式(I)の化合物は、式中のYが-CHであり且つR6が-CO2R9である場合は、R9はHではないものとして定義される。好ましい別の実施態様において、式(I)の化合物は、式中のR6が-CONR7R8である場合は、R7及びR8はいずれもHではないものとして定義される。
【0092】
別の実施態様において、R6は、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-OR10Ay、-OR10Het、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R10、-R10CO2R9、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択されるか;あるいは、隣接する2つのR6基はそれらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環基を形成している。
【0093】
好ましい一実施態様において、R6は、Cl、Br、F、メチル、エチル、イソプロピル、ピロリジン、モルホリン、-OH、-O-アルキル、-CONH2、-CONH-アルキル、-CON(アルキル)2、-S-アルキル、-CF3及び-SO2NH2からなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される。好ましい一実施態様において、R6は、Cl、Br、F、メチル、エチル、イソプロピル、ピロリジン、モルホリン、-OH、-O-メチル、-O-イソプロピル、-CONH2、-CON(H)CH3、-CON(CH3)2、-S-メチル、-S-エチル、-S-イソプロピル、-CF3及び-SO2NH2からなる群から選択されるか又はそれらのいずれかの従属集合から選択される。好ましい一実施態様において、R6はハロ、好ましくは、Cl又はBrである。一実施態様において、R6はトリフルオロメチルである。
【0094】
本発明が、上記で定義した特定の基及び好ましい基の全ての組み合わせ及びその全ての従属集合を包含することは、理解されるべきである。
【0095】
式(I)の好ましい化合物としては、限定するものではないが、
2-(4-フルオロフェニル)-7-メチル-3-(4-ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルチオ-3-(4-ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルスルフィニル-3-(4-ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]-ピリジン;
7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
N-ブチル-4-[7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-ベンジル-4-[7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-ベンジル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]-ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-シクロプロピル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-シクロヘキシル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
3-(4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジニルアミノ)-1-プロパノール;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルオキシ)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-フェニルオキシ)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ))ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(エチルスルフィニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-7-(エチルチオ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
ジメチル 2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-シクロプロピルアミノ)ピリミジニル)-7-ピラゾロ[1,5-α]ピリジニルカルボキサミド;
7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-7-メチル-3-(4-ピリジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-3-(4-ピリジニル)ピラゾロ[1,5-α]-ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-7-メトキシピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-メトキシピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリジンアミン;
N-{4-[5-クロロ-7-(エチルスルファニル)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジニル}-N-シクロペンチルアミン;
エチル 3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキシレート;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボン酸;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキサミド;
N-ブチル-4-[7-ブチル-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-オクチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-シクロプロピル-4-[7-エチル-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
4-[7-ブトキシ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン;
4-[5-クロロ-2-(3-クロロフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン;
N-シクロペンチル-6-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(メチルチオ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]ピリミジン-4-アミン;
N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(メチルチオ)-5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]ピリミジン-2-アミン;
及び、
N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(イソプロピルチオ)-5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]ピリミジン-2-アミン;
並びに、それらの製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体を挙げることができる。
【0096】
本発明の化合物がその製薬上許容される塩又は溶媒和物の形態でも同様に用いることができるということは、当業者であれば理解できるであろう。式(I)の化合物の製薬上許容される塩には、製薬上許容される無機又は有機の酸又は塩基から形成される慣習的な塩及び第四級アンモニウム塩が包含される。適切な酸性塩のより具体的な例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、ギ酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、パルミチン酸塩、マロン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フマル酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化水素酸塩、リンゴ酸塩、ステロイド酸塩及びタンニン酸塩などを挙げることができる。シュウ酸などの他の酸は、それ自体は製薬上許容されないが、本発明化合物又は及びその製薬上許容される塩を得る上で中間体として有用な塩の調製において有用であり得る。適切な塩基性塩のより具体的な例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩及びプロカイン塩などを挙げることができる。
【0097】
本明細書で使用する場合、用語「溶媒和物」は、溶質(式(I)の化合物)と溶媒によって形成された可変的な化学量論の複合体を意味する。溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール又は酢酸などを挙げることができる。
【0098】
本明細書で使用する場合、用語「生理学的に機能的な誘導体」は、動物(特に、哺乳動物、例えば、ヒト)に投与されたときに、本発明の化合物又はその活性代謝産物を(直接的に又は間接的に)生じることができる、本発明化合物の製薬上許容される任意の誘導体、例えば、式(I)の化合物のエステル又はアミドなどを意味する。例えば、Burge’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles And Practiceなどを参照されたい。
【0099】
式(I)の化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体を調製するための方法は、当技術分野では一般的である。例えば、Burger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery 5th Edition、Vol 1: Principles And Practiceなどを参照されたい。
【0100】
当業者には明らかなように、以下に示してある式(I)の化合物の調製方法においては、特定の中間体(特に、式(XI)の化合物)は、当該化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体の形態であることができる。上記用語は、式(I)の化合物の調製方法で用いられる任意の中間体に適用された場合、式(I)の化合物に関して上記で記載されたのと同じ意味を有する。そのような中間体の製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体を調製する方法は、当技術分野では公知であり、式(I)の化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体を調製する方法に類似している。
【0101】
式(I)で表される特定の化合物は、立体異性体の形態で存在し得る(例えば、式(I)で表される特定の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を有し得るか又はシス-トランス異性を示し得る)。個々の立体異性体(エナンチオマー及びジアステレオマー)及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含される。本発明は、さらに、式(I)の化合物の個々の異性体を、当該異性体の1個以上のキラルセンターが逆になっている異性体の混合物として包含する。同様に、式(I)の化合物が当該式で示されている形態以外の互変異性体の形態で存在し得ることは理解される。これらの互変異性体も同様に本発明の範囲内に包含される。
【0102】
本発明は、さらに、動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)のウイルス性疾患の薬物療法(例えば、症状の再発の抑制を包含する、予防及び治療)で使用するための式(I)の化合物を提供する。式(I)の化合物は、ヘルペスウイルス感染症などのウイルス性疾患の治療又は予防において特に有用である。ヘルペスウイルス感染症には、例えば、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインバーウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)及びヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)などが含まれる。従って、本発明の化合物は、さらに、ヘルペスウイルス感染症の症状又は影響を治療又は予防する上でも有用である。
【0103】
本発明の化合物は、動物(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病状又は疾患、特に、潜伏ヘルペスウイルス感染症(latent herpes virus infections)に関連する病状又は疾患の治療又は予防において有用である。「ヘルペスウイルス感染症に関連する病状又は疾患」は、ヘルペスウイルス感染症自体は除いて、ヘルペスウイルス感染症の存在に起因している病状又は疾患、例えば、EBVに関連する慢性疲労症候群、及び、EBVやHHV-6などのヘルペスウイルス感染症に関連している多発性硬化症などを意味する。そのような病状又は疾患のさらなる例については、上記した背景技術の節に記載してある。
【0104】
これらの病状及び疾患に加えて、本発明の化合物は、ヘルペスウイルス感染症に関連している心血管の疾患及び病状を治療又は予防するために使用することができ、特に、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患及び再狭窄(特に、血管形成術後の再狭窄(RFA))を治療又は予防するために使用することができる。再狭窄は、血管壁への損傷(例えば、バルーン血管形成術又は別の外科手術及び/若しくは診断技術などによって引き起こされる損傷)の後に発症し得る血管の狭窄であって、処置された血管の血管壁における平滑筋細胞の過度の増殖によって特徴づけられる。血管形成術後の再狭窄を患っている多くの患者において、ウイルス感染症、特に、CMV及び/又はHHV-6によるウイルス感染症が、冠血管の平滑筋細胞の増殖において極めて重要な役割を演じていると考えられている。再狭窄は、多くの種類の外科手術及び/又は診断技術の後で、例えば、移植手術、静脈移植術及び冠状動脈バイパス移植術などの後で発症し得、及び、最も一般的には、血管形成術の後で発症し得る。
【0105】
インビトロとインビボの両方でなされた研究により、再狭窄が多くの要素からなるプロセスであることを示す証拠が得られている。数種類のサイトカインと増殖因子は、協調して、血管平滑筋細胞(SMC)の移動及び増殖、並びに、堆積して血管を塞ぐ細胞外マトリックス物質の産生を刺激する。さらに、増殖抑制因子(growth suppressors)は、SMCの増殖及び細胞外マトリックス物質の産生を阻害するように作用する。
【0106】
さらに、式(I)の化合物は、B型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)及びHIVの治療及び予防においても有用であり得る。
【0107】
本発明は、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるウイルス感染症、特に、ヘルペスウイルス感染症を治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0108】
本明細書で使用する場合、用語「予防(prophylaxis)」は、感染の完全な予防、感染している患者における症状の発現の予防、感染している患者における症状の再発の予防、又は、感染している患者におけるウイルス感染、病状又は疾患の症状の重症度又頻度の低減を意味する。
【0109】
本明細書で使用する場合、用語「治療(treatment)」は、感染している患者におけるウイルス感染、病状又は疾患の症状の部分的若しくは全体的な除去、又は、感染している患者におけるウイルス感染、病状又は疾患の症状の重症度の低減を意味する。
【0110】
本明細書で使用する場合、用語「治療有効量(therapeutically effective amount)」は、式(I)の化合物を投与する患者において、上記した疾患、病状又は感染を治療又は予防するのに充分な式(I)の化合物の量を意味する。例えば、ヘルペスウイルス感染症を治療するための式(I)の化合物の治療有効量は、感染している患者においてヘルペスウイルス感染症を治療するのに充分な量である。
【0111】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病状又は疾患を治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。一実施態様において、本発明は、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)における慢性疲労症候群及び多発性硬化症を治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。上記方法は、ヘルペスウイルスの潜伏感染に関連する慢性疲労症候群及び多発性硬化症を治療又は予防するのに特に有用である。
【0112】
別の実施態様において、本発明は、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患及び再狭窄(特に、血管形成術などの手術後の再狭窄)などの心血管の病状を治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療上有効な抗ウイルス量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0113】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるB型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルスを治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0114】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるヒト乳頭腫ウイルスを治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0115】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるHIVを治療又は予防する方法を提供し、当該方法は、前記動物に治療有効量の式(I)の化合物を投与することを含んでなる。
【0116】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるウイルス感染症、特に、ヘルペスウイルス感染症を治療又は予防するための薬剤の調製における式(I)の化合物の使用;ヘルペスウイルス感染症に関連する病状又は疾患を治療するための薬剤の調製における式(I)の化合物の使用;及び、B型肝炎ウイルス又はC型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)及びHIVを治療又は予防するための薬剤の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。特に、本発明は、慢性疲労症候群又は多発性硬化症を治療又は予防するための薬剤の調製における式(I)の化合物の使用をも提供する。一実施態様において、本発明は、再狭窄及びアテローム性動脈硬化症などの心血管疾患を治療又は予防するための薬剤の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
【0117】
式(I)の化合物は、医薬組成物の形態で投与するのが便利である。そのような医薬組成物は、好都合には、生理学的に許容される1種以上の担体又は希釈剤と混合されて、慣習的な方法で使用するために提供し得る。
【0118】
本発明の化合物は原料の化学薬品として治療的に投与することもできるが、当該活性成分を医薬製剤又は医薬組成物として提供するのが好ましい。前記医薬組成物は、式(I)の化合物と一緒に製薬上許容される1種以上の担体又は希釈剤を含み得る。そのような担体又は希釈剤は、当該製剤中の他の成分と適合性であり且つ当該製剤を受けるレシピエントに対して有害ではないという意味において、「許容される」ものでなくてはならない。 従って、本発明は、さらに、式(I)の化合物を含有する医薬製剤又は医薬組成物を提供する。一実施態様において、当該医薬製剤は、さらに、製薬上許容される1種以上の担体又は希釈剤と、場合により、治療用及び/又は予防用の別の成分を含有する。
【0119】
そのような製剤には、経口投与、非経口投与(皮下投与(例えば、注射又はデポー錠剤による)、皮内投与、硬膜内投与、筋肉内投与(例えば、デポー製剤による)及び静脈内投与などを包含する)、直腸内投与及び局所投与(経皮投与、口腔内投与及び舌下投与などを包含する)に適する製剤が包含されるが、最も適する投与経路は、例えば、レシピエントの健康状態、年齢及び障害、並びに、治療しようとするウイルス感染症又は疾患などに依存し得る。前記製剤は、好都合には、単位投与形態で提供し得、調剤の技術分野でよく知られている任意の方法で調製し得る。全ての調製方法には、1種以上の副成分からなる担体と本発明化合物(「活性成分」)を一緒にするステップが含まれている。一般に、前記製剤は、当該活性成分を、液体担体又は微粉砕固体担体又は液体担体と微粉砕固体担体の両方と均質に且つ緊密に混合し、次いで、場合により、得られた生成物を所望の製剤に成形することにより調製する。経口投与に適する製剤は、各々が所定量の活性成分を含有している、カプセル剤、カシェ剤若しくは錠剤(例えば、特に小児に投与するための、咀嚼錠)などの個々の構成単位として;散剤若しくは顆粒剤として;水性液体若しくは非水性液体中の懸濁剤若しくは液剤として;又は、水中油型液体エマルション若しくは油中水型液体エマルションとして、提供し得る。当該活性成分は、大型丸剤、舐剤又はペースト剤としても提供し得る。錠剤は、場合により1種以上の副成分と一緒に、圧縮するか又は成形することにより製造し得る。圧縮錠剤は、粉末又は顆粒などの自由流動性形態(free-flowing form)にある活性成分を、場合により、結合剤(例えば、糖蜜、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントゴム、デンプン糊又はポリビニルピロリドンなど)、増量剤(例えば、乳糖、糖、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム又はソルビトールなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール又はシリカなど)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン又はナトリウムデンプングリコレートなど)又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)などの別の慣習的な賦形剤と混合した状態で、適切な機械で圧縮することにより調製することができる。湿製錠剤は、粉末化して湿らせた本発明化合物と不活性液体希釈剤の混合物を適切な機械で成型することにより調製することができる。前記錠剤は、場合により、コーティングするか又は刻み目を付けてもよく、活性成分を徐々に放出するか又は制御放出するように製剤してもよい。前記錠剤は、当技術分野でよく知られている方法に従ってコーティングし得る。
【0120】
あるいは、本発明の化合物は、例えば、水性懸濁剤、油性懸濁剤、液剤、エマルション、シロップ剤又はエリキシル剤などの経口用液体調製物に組み入れてもよい。さらに、本発明化合物を含有する製剤は、使用する前に水又は別の適切なビヒクルで構成するための乾燥製品として提供してもよい。そのような液体調製物は、懸濁化剤、例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル又は硬化食用脂など;乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート又はアラビアゴムなど;非水性ビヒクル(これは、食用脂を包含し得る)、例えば、扁桃油、ヤシ油、油性エステル、プロピレングリコール又はエチルアルコールなど;及び、保存薬、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル又はソルビン酸などの慣習的な添加剤を含有し得る。そのような調製物は、さらに、例えば、慣習的な坐剤基剤(例えば、カカオバター又は別のグリセリドなど)などを含有する坐剤として製剤してもよい。
【0121】
非経口投与用の製剤には、水性及び非水性の無菌注射液(これは、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、及び、当該製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る);及び、水性及び非水性の無菌懸濁液(これは、懸濁化剤及び濃稠化剤を含有し得る)などが包含される。
【0122】
上記製剤は、1回分の服用量を含む容器又は複数回分の服用量を含む容器(例えば、密封したアンプル又はバイアル瓶など)に入れて提供し得る。また、上記製剤は、使用直前に例えば注射用蒸留水などの無菌の液体担体を加えることのみが必要とされる凍結乾燥状態で保存することができる。即製の注射用溶液及び懸濁液は、上記した種類の無菌の散剤、顆粒剤及び錠剤から調製し得る。
【0123】
直腸内投与用の製剤は、カカオバター、硬質脂肪又はポリエチレングリコールなどの通常の担体を用いた坐剤として提供し得る。
【0124】
口内(例えば、頬側又は舌下)における局所投与用の製剤には、風味を付けた基剤、例えば蔗糖及びアラビアゴム又はトラガカントゴムの中に活性成分を含有するトローチ剤、並びに、基剤、例えばゼラチン及びグリセリン又は蔗糖及びアラビアゴムの中に活性成分を含有するパステル剤などが包含される。
【0125】
本発明の化合物は、デポー剤としても製剤することができる。そのような長期間にわたり作用する製剤は、植込み(例えば、皮下又は筋肉内)によって、又は、筋肉内注射によって投与し得る。従って、例えば、本発明の化合物は、適切な高分子材料若しくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)又はイオン交換樹脂を用いて製剤し得るか、又は、低溶解性誘導体として、例えば、遅溶解性塩として製剤し得る。
【0126】
上記で特に言及した成分に加えて、上記製剤は、当該製剤の型を顧慮して、当技術分野で慣習的な別の物質を含有し得る。例えば、経口投与に適する製剤は、矯味矯臭薬を含有し得る。
【0127】
治療で使用するのに必要な本発明化合物の量が、治療しようとする病状の種類及び患者の年齢と健康状態によって変わるということ、並びに、治療で使用するのに必要な本発明化合物の量は、最終的には付き添っている医師又は獣医の判断によるということは理解されるであろう。しかしながら、一般に、成人ヒトの治療に用いられる投与量は、典型的には、1日当たり0.02〜5000mg、好ましくは、1日当たり100〜1500mgの範囲である。所望の投与量は、好都合には、単一用量として提供し得るか、又は、適切な間隔をあけて投与される分割された用量として、例えば、1日当たり、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の分割された用量として提供し得る。本発明の製剤は、0.1〜99%の活性成分を含有し得るが、錠剤とカプセル剤では30〜95%の活性成分を含有するのが都合がよく、液体調製物では3〜50%の活性成分を含有するのが都合がよい。
【0128】
本発明で使用する式(I)の化合物は、別の治療薬、例えば、非ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬、ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬、プロテアーゼ阻害薬及び/又は別の抗ウイルス薬などと併用して使用することができる。従って、本発明は、さらなる態様において、ウイルス感染症の治療における、別の治療薬と式(I)の化合物の組合せの使用を提供する。本発明の化合物と併用し得る特定の抗ウイルス薬としては、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ドコサノール、ミリバビル、アンプレナビル、ラミブジン、ジドブジン及びアバカビルなどを挙げることができる。本発明の化合物と併用するのに好ましい抗ウイルス薬には、アシクロビル及びバラシクロビルなどが包含される。従って、本発明は、さらなる態様において、アシクロビル及びバラシクロビルからなる群から選択される抗ウイルス薬と式(I)の化合物からなる組合せ;ウイルス感染症の治療におけるそのような組合せの使用及びウイルス感染症を治療するための薬剤の調製におけるそのような組合せの使用;並びに、アシクロビル及びバラシクロビルからなる群から選択される抗ウイルス薬と式(I)の化合物を投与することを含んでなるウイルス感染症を治療する方法を提供する。
【0129】
式(I)の化合物を別の治療薬と併用する場合、それら化合物は、任意の都合のよい投与経路により、順次に投与し得るか又は同時に投与し得る。
【0130】
上記で言及した組合せは、好都合には、医薬製剤の形態で使用するために提供し得る。従って、上記組合せと、場合により製薬上許容される担体又は希釈剤を一緒に含有する医薬製剤は、本発明のさらなる態様を構成する。そのような組合せの個々の成分は、別個の医薬製剤又は併用医薬製剤として、順次に又は同時に投与し得る。
【0131】
同一の製剤中で併用する場合、当該2種類の化合物は安定でなければならないこと、当該2種類の化合物が互いに且つ製剤中の他の成分と適合性でなければならないこと、及び、当該2種類の化合物は投与用に製剤し得ることは理解されるであろう。別々に製剤する場合、当技術分野においてそのような化合物に関して知られている方法で、都合のよい任意の製剤で提供し得る。
【0132】
式(I)の化合物を上記ウイルス感染症に対して活性を有する第二の治療薬と組合せて使用する場合、各化合物の用量は、それら化合物を単独で使用した場合の用量とは異なり得る。当業者は、適切な用量を容易に認識できる。
【0133】
式(I)の化合物は、以下に示してある方法を用いて調製する。以下の方法及び反応図式は、式(XI)の化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体の調製方法を説明している。当業者は、式(I)の全ての化合物が式(XI)の化合物に包含されること、及び、実際、式(XI)の化合物が式中のR1aがR1に等しいとして定義される場合は、式(XI)の化合物は式(I)の化合物と同一であることを理解するであろう。式(XI)の化合物が、式中のR1aがH又はハロであるとして定義される場合、式(XI)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体は、下記方法を用いて式(I)の化合物に変換し得る。
【0134】
式(XI)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3はHであり;及び、R4はHである]の化合物は、好都合には、下記反応図式1(Scheme 1)に概説してある一般的な調製方法によって調製し得る。
【化16】
【0135】
(ここで、baseは塩基、heatは加熱、cat.は触媒、acylating agentはアシル化剤である。)上記式中、
R1aは、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
R7とR8の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-OR9、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR9R11、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2NR9R11、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-SO2R10、-R10SO2R10、-R10NHCOR9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から独立して選択され;
R9とR11の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[ここで、wは1〜10である]及び-R10NR10R10からなる群から独立して選択され;
各R10は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員の、ヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R1 0NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;
YはNであり;
R3とR4は、いずれもHであり;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、-NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-NR7R8、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10S02R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
pは、0、1、2又は3であり;
及び、
各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-OR10Ay、-OR10Het、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成しており;
及び、
Raはアルキル又はシクロアルキルである。
【0136】
一般に、式(I)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3はHであり;及び、R4はHである(全ての式及び全ての他の可変構造は、反応図式(1)に関して上記で定義されている)]の化合物の調製方法は、以下のステップ:
(a) 式(III)の2-ピコリン化合物を式(II)のベンゾイル化剤と反応させて式(IV)の化合物を調製するステップ;
(b) 式(IV)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(V)の化合物を調製するステップ;
(c) 式(V)の化合物をアシル化剤又はスルホニル化剤と反応させて式(VI)の化合物を調製するステップ;
(d) 式(VI)の化合物の転移により式(VII)の化合物を調製するステップ;
(e) 式(VII)の化合物をアシル化して式(VIII)の化合物を調製するステップ;
(f) 式(VIII)の化合物を式(CH3)2NCH(ORa)2のジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと反応させて式(IX)の化合物を調製するステップ;
(g) 式(IX)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XI)の化合物を調製するステップ;
及び、
(h) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ
を含む。
【0137】
式(XI)の化合物が式中のR1aがH又はハロであるとして定義されている場合は、式(I)の化合物の調製方法は、式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換する付加的なステップ(h)を含む。そのような変換は、以下に記載してある方法又はこのタイプの変換反応に関して当技術分野で慣習的な別の適する方法を用いて行うことができる。
【0138】
特に、式(I)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet、及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3はHであり;及び、R4はHである]の化合物は、式(IX)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XI)の化合物を調製し、R1aがH又はハロである場合は、式(I)の化合物に変換することにより調製することができる。
【化17】
【0139】
上記式中、全ての可変構造は、反応図式(1)に関して上記で定義されている通りである。
【0140】
この方法は、適切な溶媒中で、場合により塩基の存在下(好ましくは、上記アミジンが塩の形態である場合)、式(IX)の化合物を式(X)の化合物と混合し、得られた反応物を50〜150℃に加熱することにより容易に実施することができる。典型的な溶媒としては、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。上記塩基は、典型的には、ナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。一実施態様において、上記溶媒はジメチルホルムアミドであり、上記塩基は炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。
【0141】
式(VIII)の化合物は、好都合には、式(VII)の化合物を式(CH3)2NCH(ORa)2のジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと反応させることにより調製し得る。
【化18】
【0142】
上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0143】
この方法で使用するための典型的なジメチルホルムアミドジアルキルアセタール化合物としては、限定するものではないが、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール及びジメチルホルムアミドジt-ブチルアセタールなどを挙げることができる。上記反応は、場合により加熱しながら、式(VIII)の化合物をジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと混合することにより行う。
【0144】
式(VIII)の化合物は、好都合には、アシル化方法を用いて、式(VII)の化合物から調製し得る。
【化19】
【0145】
(ここで、acylating agentはアシル化剤である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0146】
典型的には、上記アシル化は、場合により酸又はルイス酸触媒の存在下、不活性溶媒中で、場合により加熱しながら、式(VII)の化合物をアシル化剤で処理することにより行う。典型的なアシル化剤は、当業者は容易に決定することができる。好ましい1つのアシル化剤は、無水酢酸である。ルイス酸触媒も、当業者には知られている。この反応で使用するための好ましい1つのルイス酸触媒は、三フッ化ホウ素 ジエチルエーテラートである。適する溶媒はトルエンである。
【0147】
式(VII)の化合物は、好都合には、式(VI)のアジリン化合物を転移させることにより調製する。
【化20】
【0148】
(ここで、heatは加熱、cat.は触媒である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0149】
式(VI)のアジリン化合物は、適切な溶媒中の式(VI)のアジリンの溶液を約160〜200℃の温度で加熱することにより転移させることができる。適切な不活性溶媒としては、限定するものではないが、1-メチル-2-ピロリジノン及び1,2,4-トリクロロベンゼンなどを挙げることができる。式(VI)のアジリンを式(VII)の化合物に転移させるためのさらに好ましい方法では、式(VI)の化合物を、塩化第一鉄(FeCl2)又は塩化第二鉄(FeCl3)と反応させる。この反応は、典型的には、不活性溶媒中で加熱しながら行う。 この反応のための好ましい溶媒は、1,2-ジメトキシエタンなどである。
【0150】
典型的には、式(VI)のアジリンは、塩基の存在下にスルホニル化剤で処理するか又はアシル化剤で処理することにより式(V)のオキシム化合物から調製する。
【化21】
【0151】
上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0152】
典型的なアシル化剤又はスルホニル化剤としては、限定するものではないが、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、メタンスルホニルクロリド及びトルエンスルホニルクロリドなどを挙げることができる。典型的な塩基としては、限定するものではないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及びピリジンなどを挙げることができる。上記反応は、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン又はトルエンなどの不活性溶媒中で行い得る。
【0153】
式(V)のオキシム化合物は、適切な溶媒中、場合により塩基を用いて、式(IV)のケトン化合物をヒドロキシルアミン源で処理することにより容易に調製される。
【化22】
【0154】
上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0155】
好ましくは、上記ヒドロキシルアミンは塩酸ヒドロキシルアミンであり、上記塩基は水酸化ナトリウム水溶液である。適切な溶媒としては、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノールなどを挙げることができる。
【0156】
式(IV)のケトン化合物は、塩基の存在下に、式(III)のピコリン化合物を式(II)のベンゾイル化剤で処理することにより調製することができる。
【化23】
【0157】
(ここで、baseは塩基である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0158】
式(II)のベンゾイル化剤及び式(III)のピコリン化合物は、市販されているか、又は、当業者には公知の慣習的な方法を用いて調製し得る。式(II)の好ましいベンゾイル化剤としては、限定するものではないが、ベンゾイルエステルなどを挙げることができる。適する塩基の例は、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドである。
【0159】
式(VII)の化合物を合成するための代替法では、適切な溶媒中、式(IV)のケトン化合物をアミノ化剤で処理し、場合により反応物を加熱する。前記アミノ化剤は、好ましくは、
O-(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミンであり、好ましい溶媒は、クロロホルム及びジクロロメタンなどである。
【化24】
【0160】
(ここで、aminating agentはアミノ化剤である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0161】
式(IV)の化合物などのケトンは、文献(Cassity, R. P.; Taylor, L. T.; Wolfe, J. F. J. Org. Chem. 1978, 2286)に記載の方法を用いて、また上記反応図式(1)に記載した詳細に従って容易に調製することができる。
【0162】
式(VII)の化合物を合成する別のアプローチでは、式(IV)のケトンを式(V)などのオキシムに変換した後、得られたオキシムをアミノ化剤で処理する。
【化25】
【0163】
(ここで、aminating agentはアミノ化剤である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0164】
この反応は、上記したケトンから式(VII)の化合物への変換反応で用いた反応条件を本質的に用いて行うことができる。
【0165】
式(V)の化合物の調製は、上記で記載してある。
【0166】
式(VII)の化合物を合成するための別の代替方法では、式(XXIII)の化合物の脱カルボキシル化を行う。
【化26】
【0167】
上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0168】
上記脱カルボキシル化は、類似した脱カルボキシル化に関する文献に記載されている様々な方法のいずれかにより行うことができる。例えば、不活性溶媒中の式(XXIII)の化合物の溶液を加熱するか、又は、「バートンエステル(Barton ester)」に変換した後、ラジカル還元剤(radical reductant)、例えば、水素化トリブチルスズなどで処理する(Crich, D. Aldrichimica Acta, 1987, 20, 35)。
【0169】
式(XXIII)の化合物は、式(XXIV)の低級アルキルエステルを単に加水分解することにより調製することができる。
【化27】
【0170】
(ここで、hydrolysisは加水分解である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0171】
式(XXIV)のエステル化合物は、好都合には、類似した加水分解反応を行うのに用いる標準的な加水分解条件(Larock, Comprehensive Organic Transformations, 1989, 981)により、対応するカルボン酸(即ち、式(XXIII)の化合物)に加水分解することができる。例えば、低級アルコール(例えば、メタノール)中の式(XXIV)の化合物の溶液を水酸化ナトリウムで処理した後、得られた混合物を適切な時間加熱して、式(XXV)の化合物を得る。
【0172】
式(XXIV)の化合物のようなエステルは、式(XXV)の化合物と式(XXVI)のアセチレン化合物の間の[3+2]双極付加環化反応によって調製し得る。Hardy, C. R. Adv. H et. Chem. 1984, 36, 343 を参照されたい。
【化28】
【0173】
上記式中、X-はハライドイオンであり、他の全ての可変構造は反応図式(1)に関して上記で定義されているとおりである。
【0174】
好都合には、上記反応は、不活性溶媒中で等モル量の式(XXV)の化合物と式(XXVI)の化合物を混合し、適切な塩基を添加することにより行うことができる。次いで、反応物の1つが消失することで上記反応が完了したと判断されるまで、前記混合物を20〜100℃で撹拌する。好ましい溶媒としては、限定するものではないが、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。好ましい塩基としては、非求核性アミン、例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどを挙げることができる。
【0175】
式(XXV)の化合物はアミノ化ピリジン誘導体であり、市販されているか、又は、好都合には、適切なピリジンを、O-(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン及びO-(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシルアミンなどのアミノ化剤と反応させることにより調製することができる。
【0176】
式(XXVI)の化合物は、公知化合物であるか、又は、文献に記載されている方法を用いて調製することができる化合物である。好ましい方法としては、式(XXVII)の化合物などのアセチレンを適切な塩基と反応させてアセチレン性アニオンを生成させた後、当該アニオンをアルコキシカルボニル化剤と反応させることを挙げることができる。
【化29】
【0177】
(ここで、baseは塩基である。)
好ましくは、(XXVII)の化合物をテトラヒドロフランなどの不活性溶媒に溶解させ、得られた溶液を約-75℃に冷却する。非求核性塩基を充分な量で添加して式(XXVII)の化合物を脱プロトン化する。好ましい塩基としては、限定するものではないが、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドなどを挙げることができる。得られた反応混合物に、次いで、アニオンと反応してアルコキシカルボニル基を導入することができる試薬を添加する。好ましい試薬としては、限定するものではないが、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル及びクロロギ酸ベンジルなどを挙げることができる。
【0178】
式(XXVII)の化合物は公知化合物であるか、又は、文献記載の方法、例えば、Negishi, E. J. Org. Chem. 1997, 62, 8957 に記載されている方法などにより調製することができる。
【0179】
本発明のさらなる実施態様において、式(XI)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8[ここで、R7とR8はHではない]、-NR7Ay[ここで、R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9及びHetからなる群から選択され;及び、R4はHである]の化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体は、好都合には、下記反応図式2(Scheme 2)に概説してある調製方法によって調製し得る。
【化30】
【0180】
(ここで、formylationはホルミル化、oxidationは酸化である。)上記式中、
R1aは、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
R7とR8の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-OR9、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR9R11、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2NR9R11、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-SO2R10、-R10SO2R10、-R10NHCOR9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から独立して選択され;
R9とR11の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[ここで、wは1〜10である]及び-R10NR10R10からなる群から独立して選択され;
各R10は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員の、ヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;
YはNであり;
R3は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8[ここで、R7及びR8はHではない]、-NR7Ay[ここで、R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9及びHetからなる群から選択され;
R4はHであり;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、-NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-NR7R8、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
pは、0、1、2又は3であり;
各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-OR10Ay、-OR10Het、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成しており;
及び、
M1は、Li、Mg-ハライド又はセリウム-ハライド[ここで、ハライドはハロである]である。
【0181】
一般に、式(I)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8[ここで、R7及びR8はHではない]、-NR7Ay[ここで、R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9及びHetからなる群から選択され;及び、R4はHである(全ての他の可変構造は、反応図式(2)に関して上記で定義されている)]の化合物の調製方法は、以下のステップ:
(a) 式(VII)の化合物をホルミル化して式(XII)の化合物を調製するステップ;
(b) 式(XII)の化合物を式(XIII)の化合物と反応させて式(XIV)の化合物を調製するステップ;
(c) 式(XIV)の化合物を酸化して式(XV)の化合物を調製するステップ;
(d) 式(XV)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XI)の化合物を調製するステップ;
及び、
(e) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ
を含む。
【0182】
式(XI)の化合物が式中のR1aがH又はハロであるとして定義されている場合は、式(I)の化合物の調製方法は、式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換する付加的なステップ(e)を含む。そのような変換は、以下に記載してある方法又はこのタイプの変換反応に関して当技術分野で慣習的な別の適する方法を用いて行うことができる。
【0183】
特に、式(I)[式中、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8[ここで、R7及びR8はHではない]、-NR7Ay[ここで、R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9及びHetからなる群から選択され;及び、R4はHである]の化合物は、式(XV)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XI)の化合物を調製し、R1aがH又はハロである場合は、式(I)の化合物に変換することにより調製することができる。
【化31】
【0184】
上記式中、全ての可変構造は反応図式(2)に関して上記で定義されているとおりである。
【0185】
この方法は、適切な溶媒中、場合により塩基の存在下に、式(XV)の化合物を式(X)の化合物と混合することにより容易に実施することができる。前記反応は、50〜150℃に加熱してもよいし、又は、周囲温度で行ってもよい。典型的な溶媒としては、限定するものではないが、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノールなどを挙げることができる。典型的な塩基としては、例えば、ナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基などを挙げることができる。別の実施態様において、上記溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドであり、上記塩基は炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。
【0186】
式(XV)の化合物は、好都合には、式(XIV)の化合物を酸化することにより調製することができる。
【化32】
【0187】
(ここで、oxidationは酸化である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(2)に関して上記で定義されているとおりである。
【0188】
好ましい酸化剤としては、限定するものではないが、不活性溶媒中の二酸化マンガンなどを挙げることができる。適切な不活性溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド及びエーテルなどを挙げることができる。
【0189】
式(XIV)の化合物は、好都合には、式(XII)の化合物を式(XIII)の化合物と反応させることにより調製することができる。
【化33】
【0190】
上記式中、全ての可変構造は反応図式(2)に関して上記で定義されているとおりである。
【0191】
式(XIII)の化合物における好ましい金属(M1)としては、限定するものではないが、リチウム、ハロゲン化マグネシウム(II)及びハロゲン化セリウム(III)などを挙げることができる。式(XIII)の化合物は、商業的供給元から購入することもできるし、又は、当業者に公知の方法により調製することもできる。
【0192】
式(XII)の化合物は、好都合には、ホルミル化法により式(VII)の化合物から調製することができる。
【化34】
【0193】
(ここで、formylationはホルミル化である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(2)に関して上記で定義されているとおりである。
【0194】
典型的には、上記ホルミル化は、フィルスマイヤー-ハーク反応により行う。フィルスマイヤー-ハーク試薬は、商業的供給元から購入することもできるし、又は、その場で調製することもできる。好ましい反応条件としては、限定するものではないが、場合により反応物を50〜150℃に加熱しながら、式(VI)の化合物をN,N-ジメチルホルムアミド中のオキシ塩化リンの予混合溶液で処理することなどを挙げることができる。
【0195】
式(VII)の化合物は、反応図式(1)に関して上記で記載した調製方法に従って調製する。
式(XI)[式中、YはNであり、R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される]のさらなる化合物は、好都合には、下記反応図式3(Scheme 3)に概説してある調製方法によって調製し得る。
【化35】
【0196】
(ここで、oxidizeは酸化である。)上記式中、
R1aは、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
R7とR8の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-OR9、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR9R11、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2NR9R11、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-SO2R10、-R10SO2R10、-R10NHCOR9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から独立して選択され;
R9とR11の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[ここで、wは1〜10である]及び-R10NR10R10からなる群から独立して選択され;
各R10は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員の、ヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;
YはNであり;
R3とR4は、同一であるか又は異なっていて、各々、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-OR7、-OAy、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8、-NR7Ay、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から独立して選択され;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、-NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-NR7R8、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
pは、0、1、2又は3であり;
各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-OR10Ay、-OR10Het、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成している;
及び、
M1は、Li、Mg-ハライド又はセリウム-ハライド[ここで、ハライドはハロである]である。
【0197】
一般に、式(I)[式中、YはNであり、R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される(全ての式及び全ての他の可変構造は、反応図式(3)に関して上記で定義されている)]の化合物の調製方法は、以下のステップ:
(a) 式(VII)の化合物をホルミル化して式(XII)の化合物を調製するステップ;
(b) 式(XII)の化合物を式(XVI)の化合物と反応させて式(XVII)の化合物を調製するステップ;
(c) 式(XVII)の化合物を酸化して式(XVIII)の化合物を調製するステップ;
(d) 式(XVIII)の化合物を式(X)の化合物と反応させた後、酸化的芳香族化により式(XI)の化合物を調製するステップ;
及び、
(e) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ
を含む。
【0198】
式(XI)の化合物が式中のR1aがH又はハロであるとして定義されている場合は、式(I)の化合物の調製方法は、式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換する付加的なステップ(e)を含む。そのような変換は、以下に記載してある方法又はこのタイプの変換反応に関して当技術分野で慣習的な別の適する方法を用いて行うことができる。
【0199】
特に、式(I)[式中、YはNであり、R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される]の化合物は、式(XVIII)の化合物を式(X)の化合物と反応させた後、酸化的芳香族化により式(XI)の化合物を調製し、R1aがH又はハロである場合は、式(I)の化合物に変換することにより調製することができる。
【化36】
【0200】
上記式中、全ての可変構造は反応図式(3)に関して上記で定義されているとおりである。
【0201】
上記縮合反応は、好都合には、不活性溶媒中、場合により塩基の存在下に、式(XVIII)の化合物を式(X)の化合物で処理することにより行う。前記反応は、50〜150℃に加熱してもよいし、又は、周囲温度で行ってもよい。適切な不活性溶媒としては、低級アルコール、例えば、メタノール、エタノール及びイソプロパノールなどを挙げることができる。上記塩基は、典型的には、ナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。別の実施態様において、上記溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドであり、上記塩基は炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基である。上記反応により、ジヒドロピリミジン中間体が生成される。
【0202】
得られたジヒドロピリミジン中間体を、好ましくは同じ反応容器内で、酸化剤を添加することにより酸化して式(XI)の化合物とし得る。前記反応は、50〜150℃に加熱してもよいし、又は、周囲温度で行ってもよい。好ましくは、前記酸化剤は、酸素(O2)、炭素担持パラジウム又は2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンなどである。
【0203】
式(XVIII)の化合物は、好都合には、式(XVII)の化合物を酸化することにより調製し得る。
【化37】
【0204】
(ここで、oxidizeは酸化である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(3)に関して上記で定義されているとおりである。
【0205】
式(XVII)の化合物を酸化するのに好ましい酸化剤としては、限定するものではないが、二酸化マンガンなどを挙げることができる。上記酸化は、典型的には、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド及びエーテルなどの不活性溶媒中で行う。
【0206】
式(XVII)の化合物は、好都合には、式(XII)の化合物を式(XVI)の化合物と反応させることにより調製し得る。
【化38】
【0207】
上記式中、M1は、リチウム、ハロゲン化マグネシウム(II)及びハロゲン化セリウム(III)などの金属であり、他の全ての可変構造は反応図式(3)に関して上記で定義されているとおりである。式(XVI)の化合物は、商業的供給元から購入することもできるし、又は、当業者に公知の方法により調製することもできる。式(XII)の化合物は、反応図式(2)に関して上記で記載されている方法を用いて調製することができる。
【0208】
式(XI)[式中、YはCH又はNである]の化合物並びにその製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体は、好都合には、下記反応図式4(Scheme 4)に概説してある調製方法により調製し得る。
【化39】
【0209】
(ここで、halogenationはハロゲン化である。)上記式中、
X1は、ハロ、好ましくは、ブロモ又はヨードであり;
R1aは、H、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
R7とR8の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-OR9、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR9R11、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2NR9R11、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-SO2R10、-R10SO2R10、-R10NHCOR9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から独立して選択され;
R9とR11の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[ここで、wは1〜10である]及び-R10NR10R10からなる群から独立して選択され;
各R10は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員の、ヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から独立して選択され;
YはN又はCHであり;
R3とR4は、同一であるか又は異なっていて、各々、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-OR7、-OAy、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8、-NR7Ay、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から独立して選択され;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、-NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-NR7R8、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
pは、0、1、2又は3であり;
各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-OR10Ay、-OR10Het、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成していおり;
及び、
M2は、-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハライド、ZnRa又はMg-ハライドであり、ここで、Raはアルキル又はシクロアルキルであり、ハライドはハロである。
【0210】
一般に、式(I)(全ての式及び全ての可変構造は、反応図式(4)に関して上記で定義されている)の化合物の調製方法は、以下のステップ:
(a) 式(VII)の化合物をハロゲン化して式(XIX)の化合物を調製するステップ;
(b) 式(XIX)の化合物を式(XX)の化合物と反応させて式(XI)の化合物を調製するステップ;
及び、
(c) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ
を含む。
【0211】
式(XI)の化合物が式中のR1aがH又はハロであるとして定義されている場合は、式(I)の化合物の調製方法は、式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換する付加的なステップ(c)を含む。そのような変換は、以下に記載してある方法又はこのタイプの変換反応に関して当技術分野で慣習的な別の適する方法を用いて行うことができる。
【0212】
特に、式(XI)の化合物は、式(XIX)の化合物を式(XX)の化合物と反応させることにより調製することができる。
【化40】
【0213】
上記式中、全ての可変構造は反応図式(4)に関して上記で定義されているとおりである。
【0214】
上記反応は、不活性溶媒中、パラジウム(0)触媒又はニッケル(0)触媒の存在下で実施することができる。上記反応は、場合により約50〜150℃に加熱してもよい。好ましくは、上記反応は、等モル量の式(XIX)の化合物を式(XX)のHet-金属化合物と反応させることにより行うが、当該反応は、過剰量の式(XX)の化合物の存在下で行ってもよい。前記パラジウム触媒又はニッケル触媒は、好ましくは、式(XIX)の化合物に対して1〜10mol%の量で存在させる。適切なパラジウム触媒の例としては、限定するものではないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム(II)ジクロリドなどを挙げることができる。適切な溶媒としては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン及び1-メチル-2-ピロリジノンなどを挙げることができる。式(XX)のHet-金属化合物がボロン酸若しくはエステル又はボリネートである場合、上記反応は、より好都合には、塩基を式(XX)の化合物と等しい割合又は式(XX)の化合物より多い割合で添加することにより行う。式(XX)のHet-金属化合物は、商業的供給元から入手することもできるし、又は、当業者に公知の方法により単離された化合物として調製し得るか若しくはその場で生成させ得る(Suzuki, A. J. Organomet Chem. 1999, 576, 147; Stille, J. Angew. Chem. Int Ed. Engl. 1986, 25, 508; Snieckus, V. J. Org. Chem. 1995, 60, 292.)。
【0215】
式(XIX)の化合物は、ハロゲン化方法により、式(VII)の化合物から調製することができる。
【化41】
【0216】
(ここで、halogenationはハロゲン化である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(4)に関して上記で定義されているとおりである。
【0217】
一般に、上記ハロゲン化反応は、適切な溶媒中で、式(VII)の化合物をハロゲン化剤にさらすことにより実施する。適切なハロゲン化剤としては、限定するものではないが、N-ブロモスクシンイミド、トリアルキルアンモニウムトリブロミド、臭素、N-クロロスクシンイミド、N-ヨードスクシンイミド及び一塩化ヨウ素などを挙げることができる。適切な溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1-メチル-2-ピロリジノン、四塩化炭素、トルエン、ジクロロメタン及びジエチルエーテルなどを挙げることができる。
【0218】
式(VII)の化合物は、反応図式(1)に関して上記で記載した方法を用いて調製することができる。
【0219】
あるいは、式(XIX)[式中、X1はブロモである]の化合物は、好都合には、以下に示してあるように、臭素化反応/脱カルボキシル反応を続けて行うことにより、式(XXIII)の化合物から調製することができる。
【化42】
【0220】
(ここで、baseは塩基、brominationは臭素化である。)上記式中、全ての可変構造は反応図式(4)に関して上記で定義されているとおりである。
【0221】
適切な溶媒に溶解させた式(XXIII)の化合物を塩基で処理した後、臭素化剤で処理し、得られた混合物を、式(XXIII)の化合物が消失することで上記反応が完了したと判断されるまで、約25℃で撹拌する。適切な溶媒としては、限定するものではないが、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びジオキサンなどを挙げることができる。上記塩基は、好ましくは、炭酸水素ナトリウムであり、上記臭素化剤は、例えば、N-ブロモスクシンイミドであることができる。
【0222】
式(XXIII)の化合物は、反応図式(1)に関して上記で記載した方法に従って調製する。
【0223】
本発明の別の調製方法では、式(XI)の化合物は、好都合には、酸又は塩基の存在下に式(XXI)のケトンを式(XXII)のN-アミノピリジン誘導体と反応させることを含む調製方法により調製し得る。典型的には、上記酸はp-トルエンスルホン酸であり、上記塩基は炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウム、トリエチルアミン又はカリウムt-ブトキシドであることができる。
【化43】
【0224】
上記式中、X2はI又はメシチルスルホニルであり、他の全ての可変構造は反応図式(4)に関して上記で定義されているとおりである。
【0225】
式(XI)の化合物において、R1aがH又はハロ以外である場合(即ち、R1a=R1)、上記合成方法により式(I)の化合物が直接得られる。式(XI)の化合物が式中のR1aがH又はハロであるとして定義されている実施態様においては、式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換し得る。例えば、式(XI-A)の化合物(即ち、式中のR1aがHである式(XI)の化合物)は、脱プロトン/求電子的クエンチのプロトコルにより、式(Xl-B)の化合物(即ち、式中のR1aがハロ又はR1である式(XI)の化合物)に変換され得る。例えば、前記調製方法は、式(XI-A)の化合物をn-ブチルリチウムなどの塩基と反応させた後、求電子剤と反応させて、式中のEがハロである式(XI-B)の化合物若しくは式中のEがR1である式(XI-B)の化合物、又は式(I)の化合物を生じさすことにより実施することができる。
【化44】
【0226】
(ここで、baseは塩基、electrophileは求電子剤である。)上記式中、Eはハロ又はR1であり、他の全ての可変構造は上記した調製方法のいずれかに関して上記で定義されているとおりである。
【0227】
この調製方法で使用し得る求電子剤としては、限定するものではないが:ハロゲン化アルキル(E=メチル、ベンジルなど);N-ブロモスクシンイミド(E=臭素);N-クロロスクシンイミド(E=塩素);四塩化炭素(E=塩素);N-ヨードスクシンイミド(E=ヨウ素);アルデヒド(E=CH(OH)R10);ジメチルホルムアミド(E=CHO);ジメチルジスルフィド(E=SMe);二酸化炭素(E=CO2H);ジメチルカルバモイルクロリド(E=C(O)NMe2)などを挙げることができる。 明らかなように、上記試薬を用いる場合、求電子剤がハロゲン化物であれば、C-7の置換基は、式(I)の化合物への合成ルートにおける中間体として有用な式(XI)の化合物として定義される。式中のR1aがハロである式(XI)の化合物の式(I)の化合物への変換は、以下に記載してある方法又はこのタイプの変換反応に関して当技術分野で慣習的な別の方法を用いて行うことができる。
【0228】
上記した調製方法の各々は、さらに、当業者によく知られている技術を用いて、式(XI)の化合物又は式(I)の化合物をその製薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体に変換するステップを含み得る。
【0229】
当業者には明らかなように、当技術分野でよく知られている技術を用いて、式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換し得る。例えば、式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換する1つの方法は、(a)式(I-A)の化合物を酸化して式(I-B)の化合物を調製し、次いで、(b)場合により、式(I-B)の化合物を式R2[式中、R2は、-NR7R8、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、Nを介して結合するHet、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される]の酸素又はアミン求電子剤と反応させて、式(I)[式中、R2は、-NR7R8、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、Nを介して結合するHet、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される]の化合物を生成させることを含む。
【化45】
【0230】
(ここで、oxidationは酸化、addition-eliminationは付加-脱離である。)上記式中、n’は1又は2であり;R2は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、Nを介して結合するHet、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;及び、他の全ての可変構造は上記した調製方法のいずれかに関して上記で定義されているとおりである。
【0231】
特に、式(I)の化合物は、式(I-B)の化合物(即ち、式中のR2が-S(O)n ’R9であり、n’が1又は2である式(I)の化合物)を式R2[式中、R2は、-NR7R8、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、Nを介して結合するHet、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される]の酸素又はアミン求電子剤と反応させることにより調製することができる。前記反応は、反応物のみで行うこともできるし又は適切な溶媒中で行うこともできる。前記反応は、50〜150℃に加熱してもよい。典型的には、上記溶媒は、メタノール、エタノール及びイソプロパノールなどの低級アルコールであるか、又は、N,N-ジメチルホルムアミド若しくはテトラヒドロフランなどの溶媒である。場合により、塩基を用いて上記反応を促進することができる。典型的には、前記塩基は、炭酸カリウム又はトリエチルアミンなどのアミン塩基であることができる。
【0232】
式(I-B)の化合物は、好都合には、不活性溶媒中、場合により塩基の存在下に、式(I-A)の化合物(即ち、式中のR2が-S(O)nR9であり、nが0である式(I)の化合物)を酸化剤と反応させることにより調製することができる。典型的には、前記酸化剤は、場合により重炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下における、過酸、例えば、m-クロロ過安息香酸などである。前記酸化剤と前記サブストレートの間の化学量論を注意深くモニターすることにより、スルホキシド(n=1)とスルホン(n=2)の間での生成物の分配を制御することができる。適切な溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン及びクロロホルムなどを挙げることができる。
【0233】
式中のR2が-SR9である式(I-A)の化合物は、上記した方法により、式(IX)の化合物、式(XV)の化合物及び式(XVIII)の化合物からなる群から選択される化合物と式(X-A)の化合物(即ち、式中のR2が-SR9である式(X)の化合物)の反応から調製する。必要な式(X-A)の化合物は、商業的供給元から入手し得るか又は当業者に公知の方法により調製することができる。
【0234】
当業者には明らかなように、上記した変換方法は、式中R2が-SR9である式(XI)の化合物(例えば、式中のR1aがH又はハロである化合物)に適用可能であり、それによって、式(IX)[式中、R2は、-NR7R8、-OR7、-OAy、Nを介して結合するHet、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される]の別の化合物を形成させることができる。式(XI)のそのような化合物は、上記した方法を用いて、さらに、式(I)の化合物に変換し得る。
【0235】
式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換するための特に有用な別の方法は、式(I-C)の化合物(即ち、式中のR2がフルオロである式(I)の化合物)をアミン(例えば、式H-NR7R8、H-NHR10Ay、H-NHHet又はH-NHR10Hetのアミン)、又はヘテロ環基若しくはヘテロアリール基(Het)と反応させ、場合により、得られた混合物を50〜150℃に加熱して、式(I-D)の化合物(即ち、式中のR2がアミン又は置換アミンである式(I)の化合物)を調製することを含む。
【化46】
【0236】
(ここで、amineはアミン、heatは加熱である。)上記式中、R2 ’は、-NR7R8、-NHR10Ay、Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から選択され;及び、他の全ての可変構造は上記した調製方法のいずれかに関して上記で定義されているとおりである。
【0237】
この方法は、式(I-C)の化合物をアミンのみの中で混合するか、又は、適切な溶媒中で過剰量のアミンと混合して、式(I-D)の化合物を生成させることにより実施し得る。典型的には、前記溶媒はメタノール、エタノール及びイソプロパノールなどの低級アルコールである。別の適切な溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド及び1-メチル-2-ピロリジンなどを挙げることができる。
【0238】
当業者には明らかなように、式(I)の化合物のR2のフルオロをアミンと置き換えて式(I)の別の化合物を形成させる上記方法は、式(XI)の化合物(例えば、式中のR1aがH又はハロである化合物)を得るための類似した手順に対して適用可能である。この新たに形成された式(XI)の化合物は、最終的には、本明細書中に記載されている方法を用いて式(I)の化合物に変換することができる。
【0239】
式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するさらなる例として、式中のR6が6-トリフルオロメチルである式(XI-C)の化合物は、反応図式(1)、反応図式(2)及び反応図式(3)において上記した技術を用いて調製することができ、また、式(XI-E)の化合物に変換することができる。
【化47】
【0240】
(ここで、heatは加熱、baseは塩基である。)上記式中、全ての可変構造は上記した調製方法のいずれかに関して上記で定義されているとおりである。
【0241】
式(XI-C)の化合物は、アルコール溶媒中で金属アルコキシドで処理することにより、式(XI-D)の化合物に変換することができる。適切な反応条件には、上記アルコキシドとしてのナトリウムエトキシドの使用及び溶媒としてのエタノールの使用が包含される。上記反応は、60℃に加熱してもよい。
【0242】
ハロゲン化方法は、式(XI-D)の化合物を塩基で処理した後、ハロゲン化剤と反応させて式(XI-E)の化合物を生成させることにより促進することができる。本明細書中に記載されている多くの方法のいずれかを用いて式(XI-E)の化合物を式(I)の化合物に変換することができることは、当業者には明らかである。
【0243】
式(XI-C)の化合物は、反応図式(1)、反応図式(2)又は反応図式(3)に関連して上記で記載さている方法を用いて得ることができる。特に有用な1つの実施態様では、式(XI-C)の化合物は、反応図式(1)、反応図式(2)又は反応図式(3)に関連して記載さている方法を用いるが、一番目のステップ、即ち、式(IV)の化合物の調製において、式(III)のピコリンを式(II)のベンゾイル化剤と反応させる代わりに、塩基性条件下、2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンを式(XXX):
【化48】
【0244】
のアセトフェノンを用いて縮合させることにより調製する。
【0245】
式(XI-F)の化合物は、当技術分野で慣習的な交差カップリング法を用いて、式(I-E)[式中、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル及び-R10シクロアルキルからなる群から選択される]の化合物に変換することができる。
【化49】
【0246】
上記式中、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル及び-R10シクロアルキルからなる群から選択され;M3は、B(OH)2、B(ORa)2、B(Ra)2、Sn(Ra)3、Zn-ハライド、Zn-Ra又はMg-ハライド[ここで、Raはアルキル又はシクロアルキルであり、ハライドはハロ(halo)である]であり;及び、他の全ての可変構造は上記した調製方法のいずれかに関して上記で定義されているとおりである。
【0247】
上記調製方法は、式(XI-F)の化合物を式R1-M3のトランスメタル化相手とカップリングさせることを含む。この調製方法は、触媒量のパラジウム(0)源の存在下に、式(XI-F)の化合物を式R1-M3のトランスメタル化化学種と混合することにより容易に実施することができる。前記反応は、一般に、不活性溶媒中で、場合により50〜150℃に加熱しながら行う。適切なパラジウム触媒の例としては、限定するものではないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)及びビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム(II)ジクロリドなどを挙げることができる。適切な溶媒としては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びl-メチル-2-ピロリジノンなどを挙げることができる。式R1-M3のトランスメタル化化学種は、商業的供給元から入手可能であるか、又は、当業者には公知の方法により調製することができる。
【0248】
式(XI-F)の化合物は、以下に要約してあるように、式中のR1が-OR7又は-OAyである化合物に変換することができる。
【化50】
【0249】
(ここで、baseは塩基、heatは加熱である。)上記式中、R1は-OR7又は-OAyであり、及び、他の全ての可変構造は上記した調製方法のいずれかに関して上記で定義されているとおりである。
【0250】
この変換反応は、最も好都合には、場合により不活性溶媒の存在下に、式(XI-F)(好ましくは、式中のハロはクロロである)の化合物を過剰量のアルコールと混合し、得られた混合物を約100〜150℃に加熱することにより実施する。
【0251】
式(I)の化合物を式(I)の別の化合物に変換するさらなる例として、慣習的な脱メチル化法を用いて、式(I-G)の化合物(即ち、式中のqが1以上であり、少なくとも1個のR5がO-メチルである式(I)の化合物)は、式(I-H)の化合物(即ち、式中のqが1以上であり、少なくとも1個のR5が-OHである式(I)の化合物)に変換することができる。さらに、式(I-H)の化合物は、場合により、式(I-J)の化合物(即ち、式中のqが1以上であり、少なくとも1個のR5が-OR10である式(I)の化合物)に変換することができる。例えば、前記変換反応は、下記のように図式的に示される。
【化51】
【0252】
(ここで、demethylationは脱メチル化、alkylationはアルキル化である。)上記式中、q’は、0、1、2、3又は4であり、他の全ての可変構造は上記した調製方法のいずれかに関して上記で定義されているとおりである。
【0253】
上記脱メチル化反応は、適切な溶媒中、-78℃から室温までの温度で、式(I-G)の化合物をルイス酸で処理して式(I-H)の化合物を生成させることにより実施することができる。典型的には、前記溶媒は、不活性溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル及びトルエンなどである。前記ルイス酸は、三臭化ホウ素及びトリメチルシリルヨージドなどであり得る。
【0254】
場合により、式(I-H)の化合物は、アルキル化反応により、さらに式(I-J)の化合物に変換することができる。前記アルキル化反応は、適切な溶媒中、式(I-H)の化合物を式R10-ハロ[式中、R10は上記で定義されているとおりである]のハロゲン化アルキルで処理して式(I-J)の化合物を形成させることにより実施することができる。前記反応は、好ましくは、塩基の存在下、場合により50〜200℃に加熱しながら実施する。前記反応は、N,N-ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどの溶媒中で実施し得る。典型的には、前記塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム又は水素化ナトリウムなどである。さらに、当業者には明らかなように、前記アルキル化反応は、Mitsunobu条件(Mitsunobu conditions)下で行うことができる。
【0255】
さらに別の例において、式(I-K)の化合物(即ち、式中のqが1以上であり、少なくとも1個のR5がハロである式(I)の化合物)又は式(I-M)の化合物(即ち、式中のqが1以上であり、少なくとも1個のR5がニトロである式(I)の化合物)は、式(I-L)の化合物(即ち、式中のqが1以上であり、少なくとも1個のR5がNH2である式(I)の化合物)に変換することができる。場合により、式(I-L)の化合物は、次いで、式(I-N)の化合物(即ち、式中のqが1以上であり、少なくとも1個のR5が-NR7R8であり、R7とR8はいずれもHではない式(I)の化合物)に変換することができる。例えば、前記変換反応は、下記のように図式的に示される。
【化52】
【0256】
(ここで、haloはハロ、imineイミン、hydrolysisは加水分解、reductionは還元、reductive aminationは還元的アミノ化、alkylationはアルキル化、acetylationはアセチル化、sulfonationはスルホン化である。)上記式中、q’は、1、2、3又は4であり、他の全ての可変構造は上記した調製方法のいずれかに関して上記で定義されているとおりである。
【0257】
式(I-K)の化合物を式(I-L)の化合物に変換する方法は、パラジウム(0)源、塩基及び適切なリガンドの存在下、式(I-K)の化合物をイミンと反応させた後、加水分解して式(I-L)の化合物を得ることにより実施する。J. Wolfe ら, Tetrahedron Letters 38:6367-6370(1997)を参照されたい。典型的には、前記イミンはベンゾフェノンイミンであり、前記パラジウム(0)源はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、前記塩基はナトリウムt-ブトキシドであり、及び、前記リガンドはラセミ-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチルである。適切な溶媒としてはN,N-ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
【0258】
式(I-L)の化合物は、還元処理により、式(I-M)の化合物から得ることもできる。前記還元反応は、好都合には、有機合成の当業者には明らかなように、適切な溶媒中、水素雰囲気下で、パラジウム触媒若しくは白金触媒を用いて、又は、塩化スズ(II)を用いて、又は、亜鉛、スズ若しくは鉄と酸を用いて実施することができる。
【0259】
塩基存在下適切な溶媒中での、場合により加熱しながらの、式(I-L)の化合物と式R7-ハロゲンの化合物との反応を用いて、式(I-N)の化合物を調製することができる。典型的には、前記塩基はトリエチルアミン又はピリジンであり、前記溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドなどである。
【0260】
式(I-N)のさらなる化合物は、ケトン又はアルデヒドを用いて式(I-L)の化合物を還元的アミノ化することにより得ることができる。A. Abdel-Magid ら, J. Org. Chem. 61:3849-3862(1996)を参照されたい。典型的には、ジクロロエタンなどの不活性溶媒中、酢酸などの酸とトリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどの還元剤の存在下、式(I-L)の化合物をアルデヒド又はケトンで処理する。
【0261】
アニリンを用いた別の変換反応は当業者にはよく知られており、そのような変換反応を用いて、式(I-L)の化合物を式(I-N)の化合物に変換し得る。
【0262】
本明細書の開示及びそれに含まれている実施例に基づいて、当業者は、式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を式(I)の別の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体に容易に変換することができる。
【0263】
本発明は、さらに、放射能標識された式(I)の化合物及びビオチニル化された式(I)の化合物も提供する。放射能標識された式(I)の化合物とビオチニル化された式(I)の化合物は、慣習的な技術を用いて調製することができる。例えば、放射能標識された式(I)の化合物は、適切な触媒の存在下、式(I)の化合物をトリチウムガスと反応させて放射能標識された式(I)の化合物を生成させることにより調製することができる。
【0264】
好ましい一実施態様において、式(I)の化合物をトリチウム化する。
【0265】
放射能標識された式(I)の化合物及びビオチニル化された式(I)の化合物は、ヘルペスウイルス感染症などのウイルス感染症を治療又は予防するための化合物を同定するためのアッセイにおいて有用である。従って、本発明は、ヘルペスウイルス感染症などのウイルス感染症を治療又は予防するのに活性を有する化合物を同定するためのアッセイ方法を提供し、当該方法は、放射能標識された式(I)の化合物又はビオチニル化された式(I)の化合物を標的タンパク質に特異的に結合させるステップを含んでなる。特に、適切なアッセイ方法には、競合結合アッセイが包含される。放射能標識された式(I)の化合物及びビオチニル化された式(I)の化合物は、当技術分野で慣習的な方法に従うアッセイで用いることができる。
【実施例】
【0266】
以下に示す実施例は、本発明を例証する実施態様であって、決して本発明の範囲を限定するものではない。試薬は、市販されているか、又は、文献に記載されている手順に従って調製する。実施例の番号は、上記した表に記載されている化合物を示している。1H-NMRスペクトル及び13C-NMRスペクトルは、それぞれ、300又は400MHz、及び75又は100MHzで、Varian Unity Plus-NMR分光光度計を用いて得た。19F-NMRは282MHzで記録した。質量スペクトルは、Atmospheric Chemical Ionization(APCI)又はElectrospray Ionization(ESI)のいずれかを用いて、Micromass Ltd.(Altrincham, UK)製のZMD質量分析計又はMicromass Platformで得た。分析用薄層クロマトグラフィーを用いて、単離不可能ないくつかの中間体又は不安定で十分なキャラクタリゼーションができないいくつかの中間体の純度を確認すると共に、反応の進行をチェックした。特に指定していない限り、分析用薄層クロマトグラフィーは、シリカゲル(Merck Silica Gel 60 F254)を用いて行った。特に指定していない限り、いくつかの化合物を精製するためのカラムクロマトグラフィーでは、Merck Silica gel 60(230-400メッシュ)を使用し、また、記載されている溶媒を加圧下で使用した。特に指定していない限り、全ての化合物は、その遊離塩基形態でキャラクタリゼーションを行った。時折、対応する塩酸塩が形成されて固体を生じたが、その場合は、その旨表示してある。
【0267】
実施例 (1) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4- ピリミジニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化53】
【0268】
(a) 1-(4- フルオロフェニル )-2-(4- ピリミジニル )- エタノン
窒素下0℃で、乾燥テトラヒドロフラン(100mL)中の4-メチルピリミジン(20.64g, 0.22mol)及び4-フルオロ安息香酸エチル(36.9g, 0.22mol)の撹拌溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中1M、440mL、0.44mol)を2時間かけて添加した。上記リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの添加中に白色沈殿物が析出した。得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。反応液を100mLの水で希釈し、濾過した。濾液を水で3回洗浄し、脱水した。得られた溶液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、有機相を分離した。水相は、酢酸エチル(100mL)でさらに抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮し、上記濾液と一緒にして、合わせた収量47g(98%)の生成物を得た。
【0269】
1H-NMR(CDCl3) エノール:ケト互変異性体の2:1混合物として存在している:δ エノール形: 5.95(s, 1H), 6.92(dd, J=1.2, 5.7Hz, 1H), 7.06-7.14(m, 2H), 7.83(dd, J=5.4, 8.7Hz, 2H), 8.40(d, J=5.7Hz, 1H), 8.8(s, 1H); ケト形: 4.42(s, 2H), 7.12-7.18(m, 2H), 7.34(d, J=4.2Hz, 1H), 8.06(dd, J=5.3, 8.8Hz, 2H), 8.67(d, J=5.1Hz, 1H), 9.16(s, 1H); APESI-MS m/z215(M-1)-。
【0270】
(b) 水(300mL)とイソプロパノール(300mL)の混合物中の1-(4-フルオロフェニル)-2-(4-ピリミジニル)-エタノン(21.6g, 0.1mol)、1-アミノピリジニウムヨージド(22.2g, 0.1mol)及び炭酸カリウム(41.4g, 0.3mol)の溶液を100℃で16時間加熱撹拌した。減圧下にイソプロパノールを除去し、得られた水相をジクロロメタン(5×200mL)で抽出した。ジクロロメタン抽出物を一緒にして減圧下に溶媒を蒸発させ、残留した赤色固体をヘキサン/酢酸エチルで溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、9.16g(32%)の標題化合物を黄色固体として得た。
【0271】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 7.07(d, J=5.4Hz, 1H), 7.14(t, J=6.8Hz, 1H), 7.32(t, J=8.7Hz, 2H), 7.53(t, J=7.8Hz, 1H), 7.60(dd, J=5.7, 8.7Hz, 2H), 8.40(d, J=8.9Hz, 1H), 8.54(d, J=5.3Hz, 1H), 8.83(d, J=7.1Hz, 1H), 9.16(s, 1H); APESI+MS m/z291(M+1)。
【0272】
実施例 (2) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化54】
【0273】
(a) 1-(4- フルオロフェニル )-2-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニル ) エタノン
窒素下0℃で、乾燥テトラヒドロフラン(400mL)中の2-メチルチオ-4-メチルピリミジン(66g, 0.47mol)及び4-フルオロ安息香酸エチル(79g, 0.47mol)の撹拌溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中1N, 940mL, 0.94mol)を2時間かけて添加した。得られた溶液を氷浴温度で18時間撹拌し、2Lの氷冷0.5N塩酸に注いだ。形成した沈殿物を濾過して風乾した。沈殿物を水で洗浄して二番目の固体群と三番目の個体群を得た。得られた沈殿物を一緒にして、アセトンと水から再結晶させ、117g(95%)の生成物を黄色固体として得た。
【0274】
1H-NMR(CDCl3): δ(全てエノール形): 3.0(s, 3H), 6.29(s, 1H), 7.01(d, J=5.7Hz, 1H), 7.48(t, J=8.7Hz, 2H), 8.20(dd, J=5.4, 8.8Hz, 2H), 8.68(d, J=5.7Hz, 1H); APESI-MS m/z261(M-1)-。
【0275】
(b) イソプロパノール(300mL)中の1-(4-フルオロフェニル)-2-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)エタノン(13.0g, 50mmol)の溶液を加熱還流した。水(300mL)中の1-アミノピリジニウムヨージド(14g, 63mmol)の溶液を2N水酸化ナトリウム(31.5mL)で処理した。この溶液を上記ケトンに2時間かけて添加し、その際、得られた混合物を加熱還流した。さらに7時間経過した後、イソプロパノールの一部を減圧下に蒸発させ、結果として得られた溶液をジクロロメタン(2×300mL)で抽出した。ジクロロメタン抽出物を一緒にして脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残留した赤色固体をジクロロメタンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4.5g(26%)の標題化合物を黄色固体として得た。
【0276】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 2.5(s, 3H), 6.80(d, J=5.3Hz, 1H), 7.18(t, J=6.9Hz, 1H), 7.36(t, J=8.8Hz, 2H), 7.59(t, J=7.9Hz, 1H), 7.60(dd, J=5.7, 8.7Hz, 2H), 8.38(d, J=9.1Hz, 1H), 8.40(d, J=5.3Hz, 1H), 8.88(d, J=7.0Hz, 1H); APESI+MS m/z337(M+1)。
【0277】
実施例 (3) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルスルフィニル ) ピリミジニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化55】
【0278】
ジクロロメタン(10mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(0.285g, 0.85mmol)の撹拌溶液に、ジクロロメタン(5mL)中の57-86% m-クロロペルオキシ安息香酸(0.257g, 0.85-1.23mmol)の溶液を滴下して加えた。10分後、得られた溶液を炭酸カリウム水溶液(20mL)を加えることでクエンチし、有機相を分離した。水相をジクロロメタン(2×20mL)でさらに抽出した。ジクロロメタン相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、白色の粗固体を得た。ヘキサン/酢酸エチルの勾配(0-100% 酢酸エチル)で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより、0.213g(60%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0279】
1H-NMR(CDCl3):δ 3.05(s, 3H), 7.07-7.11(m, 2H), 7.25(d, J=8.5Hz, 2H), 7.55(t, J=7.8Hz, 1H), 7.64(dd, J=5.5, 6.9Hz, 2H), 8.52(d, J=5.1Hz, 1H), 8.59(d, J=6.9Hz, 1H), 8.84(d, J=9.0Hz, 1H); APESI+MS m/z353(M+1)-。
【0280】
実施例 (4) : N - ブチル -4-[2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化56】
【0281】
n-ブチルアミン(0.5mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(3), 0.03g, 0.085mmol)の溶液を0.25時間加熱還流した。冷却により白色固体が析出したので、これを濾過により集め、ヘキサンで洗浄し、減圧下に乾燥させて、0.029g(94%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0282】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 0.87(t, J=7.4Hz, 3H), 1.31(sextet, J=7.4Hz, 2H), 1.49(quintet, J=7.2Hz, 2H), 3.25(q, J=6.6Hz, 2H), 6.4(bs, 1H), 7.06(t, J=6.8Hz, 1H), 7.13(bs, 1H), 7.29(t, J=8.8Hz, 2H), 7.43(t, J=7.8Hz, 1H), 7.59(dd, J=5.7, 8.5Hz, 2H), 8.01(d, J=5.3Hz, 1H), 8.40(bs, 1H), 8.76(d, J=6.9Hz, 1H); APESI+MS m/z362(M+1)-。
【0283】
実施例 (5) : 2-(4- フルオロフェニル )-7- メチル -3-(4- ピリミジニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化57】
【0284】
乾燥テトラヒドロフラン(5mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-ピリミジニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(1), 0.2g, 0.69mmol)の溶液を窒素下-78℃に冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン中の2M溶液 0.45mL, 0.9mmol)を滴下して加えた。反応混合物を約10分間撹拌し、ヨウ化メチル(0.2mL, 4mmol)を添加した。得られた溶液を室温まで昇温させてさらに1.5時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(20mL)で希釈し、水(20mL)を添加して有機相を分離した。水相をエーテル(20mL)でさらに抽出した。得られたエーテル相を一緒にして、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させて黄色の固体を得た。9:1のヘキサン/酢酸エチルで溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより0.080g(38%)の標題化合物を得た。
【0285】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 2.72(s, 3H), 7.05(d, J=6.3Hz, 2H), 7.32(t, J=8.8Hz, 2H), 7.46(dd, J=7.0, 8.6Hz, 1H), 7.61(dd, J=5.5, 8.6Hz, 2H), 8.32(d, J=9.0Hz, 1H), 8.52(d, J=5.5Hz, 1H), 9.15(s, 1H); APESI+MS m/z305(M+1)-。
【0286】
実施例 (6) : 2-(4- フルオロフェニル )-7- メチルチオ -3-(4- ピリミジニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化58】
【0287】
実施例(5)において記載した方法と同様の方法により、ヨウ化メチルの代わりにジメチルジスルフィドを用いて、標題化合物(72%)を得た。
【0288】
1H-NMR(DMSO-d6):δ2.46(s, 3H), 7.01(d, J=7.3Hz, 1H), 7.06(d, J=4.7Hz, 1H), 7.33(t, J=8.8Hz, 2H), 7.53(t, J=8.2Hz, 1H), 7.61(dd, J=5.5, 8.4Hz, 2H), 8.22(d, J=8.8Hz, 1H), 8.53(d, J=5.5Hz, 1H), 9.15(s, 1H); APCI+MS m/z336(M)-。
【0289】
実施例 (7) : 2-(4- フルオロフェニル )-7- メチルスルフィニル -3-(4- ピリミジニル ) ピラゾロ [1,5- α ]- ピリジン
【化59】
【0290】
クロロホルム(20mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルチオ-3-(4-ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(6), 0.246g, 0.73mmol)の撹拌溶液に、クロロホルム(10mL)中のm-クロロ過安息香酸(57-86%, 0.221g, 0.73-1.1mmol)の溶液を滴下して加えた。1時間後、炭酸カリウム水溶液(20mL)を添加して反応をクエンチし、有機相を分離した。水相をクロロホルム(2×20mL)でさらに抽出し、クロロホルム相を一緒にして無水硫酸マグネシウムで脱水した。濾過により脱水剤を除去し、溶媒を蒸発させて薄茶色の固体を得た。ヘキサン/酢酸エチルの勾配(0-30% 酢酸エチル)で溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより、0.170g(66%)の標題化合物を主要生成物として得た。
【0291】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 3.11(s, 3H), 7.13(d, J=5.4Hz, 1H), 7.33(t, J=8.8Hz, 2H), 7.50(d, J=7.0Hz, 1H), 7.63(dd, J=5.7, 8.6Hz, 2H), 7.76(dd, J=7.4, 8.1Hz, 1H), 8.50(d, J=8.8Hz, 1H), 8.60(d, J=5.5Hz, 1H), 9.20(s, 1H); APESI+MS m/z353(M+1)-。
【0292】
実施例 (8) : 7-(2- フルオロエトキシ )-2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化60】
【0293】
(a) 7-(2- フルオロエトキシ )-2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニ ル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
窒素下、テトラヒドロフラン(5mL)中の2-フルオロエタノール(0.128g, 2mmol)の撹拌溶液にカリウムt-ブトキシド(t-BuOH中1M, 2.0mL, 2mmol)を添加し、得られた溶液を5分間撹拌した。次いで、ジクロロメタン(0.5mL)中の7-クロロ-2-(4フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(0.15g, 0.4mmol)の溶液を滴下して加え、反応液を16時間撹拌した。ジクロロメタン(20mL)と水(20mL)を添加し、水相を分離した。ジクロロメタン(2×20mL)で水相をさらに抽出し、有機相を一緒にして無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を蒸発させて、褐色の固体を得た。溶離液として4:1のヘキサン/酢酸エチルを用いてシリカゲルで精製することにより、0.111g(70%)の標題化合物を得た。
【0294】
1H-NMR(CDCl3):δ 2.59(s, 3H), 4.60(t, J=4.1Hz, 1H), 4.67(t, J=4.1Hz, 1H), 4.87(t, J=4.1Hz, 1H), 4.98(t, J=4.1Hz, 1H), 6.37(d, J=7.3Hz, 1H), 6.64(d, J=5.3Hz, 1H), 7.13(t, J=8.6Hz, 2H), 7.37(t, J=8.2Hz, 1H), 7.58(dd, J=5.3, 8.6Hz, 2H), 8.15(d, J=8.8Hz, 1H), 8.21(d, J=5.5Hz, 1H); APESI+MS m/z399(M+1)-。
【0295】
(b) 7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
窒素下、テトラヒドロフラン(20mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(2), 1.0g, 3.0mmol)の溶液を冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン中の2M溶液, 3.0mL, 6.0mmol)を滴下して加えた。得られた溶液を5分間撹拌し、次いで、テトラヒドロフラン(5mL)中のトルエンスルホニルクロリド(1.2g, 6.3mmol)の溶液を滴下して加えた。反応混合物を-78℃で1時間撹拌し、次いで、室温まで昇温させた。酢酸エチル(30mL)と水(20mL)を添加して、有機相を分離した。水相を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、酢酸エチル相を一緒にして硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させて褐色の油状物を得た。溶離液として1:1のヘキサン/ジクロロメタンを用いてシリカゲルで精製して、0.316g(28%)の7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジンを得た。
【0296】
1H-NMR(CDCl3):δ 2.65(s, 3H), 6.73(d, J=5.4Hz, 1H), 7.12-7.25(m, 3H), 7.39(dd, J=7.4, 8.9Hz, 1H), 7.62-7.69(m, 2H), 8.30(d, J=5.2Hz, 1H), 8.50(d, J=8.1Hz, 1H); APEI+MS m/z371/373(M+1)-。
【0297】
実施例 (9) : N - ブチル -4-[7-(2- フルオロエトキシ )-2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化61】
【0298】
実施例(4)において記載した方法と同様の方法により、7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(24))とn-ブチルアミンから標題化合物(68%)を得た。
【0299】
1H-NMR(CDCl3):δ 0.96(t, J=7.3Hz, 3H), 1.44(sextet, J=7.5Hz, 2H), 1.62(quintet, J=7.5Hz, 2H), 3.45(q, J=6.5Hz, 2H), 4.59(t, J=4.1Hz, 1H), 4.66(t, J=4.1Hz, 1H), 4.86(t, J=4.1Hz, 1H), 4.98(t, J=4.1Hz, 1H), 5.4(bs, 1H), 6.26(d, J=5.3Hz, 1H), 6.32(d, J=7.3Hz, 1H), 7.11(t, J=8.7Hz, 2H), 7.30(t, J=7.8Hz, 1H), 7.60(dd, J=5.4, 8.6Hz, 2H), 8.01(d, J=5.1Hz, 1H), 8.09(d, J=9.0Hz, 1H); APESI+MS m/z424(M+1)-。
【0300】
実施例 (10) : N - ベンジル -4-[7-(2- フルオロエトキシ )-2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化62】
【0301】
実施例(4)において記載した方法と同様の方法により、7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(24))とベンジルアミンから標題化合物(73%)を得た。
【0302】
1H-NMR(CDCl3):δ 4.56(t, J=4.1Hz, 1H), 4.64(t, J=4.1Hz, 1H), 4.72(d, J=5.7Hz, 2H), 4.85(t, J=4.1Hz, 1H), 4.96(t, J=4.1Hz, 1H), 5.7(bs, 1H), 6.28-6.31(m, 2H), 7.08-7.16(m, 3H), 7.26-7.30(m, 1H), 7.34(d, J=7.9Hz, 2H), 7.39(t, J=6.5Hz, 2H), 7.60(dd, J=5.5, 8.6Hz, 2H), 7.75(bs, 1H), 8.01(d, J=5.1Hz, 1H); APESI+MS m/z458(M+1)-。
【0303】
実施例 (11) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化63】
【0304】
(a) 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
ジクロロメタン(100mL)中の7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)-ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(1.6g, 4.3mmol)の溶液を氷浴中で冷却した。この溶液に、テトラヒドロフラン(50mL)中の2,2,2-トリフルオロエタノール(1.6mL, 22mmol)とカリウムt-ブトキシド(t-ブタノール中の1M溶液22mL)の溶液を添加した。反応混合物を60℃に18時間加温し、次いで、冷水に注ぎ、1N塩酸で中和した。相を分離し、有機相を水(2×50mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下に蒸発させた。残渣を酢酸エチル:ヘキサン(1:2)を用いるシリカゲルクロマトグラフィー で精製して、1.6g(86%)の標題化合物を黄色固体として得た。
【0305】
1H-NMR(CDCl3):δ 2.65(s, 3H), 4.86(q, J=8.0Hz, 2H), 6.56(d, J=7.4Hz, 1H), 6.73(d, J=5.4Hz, 1H), 7.20(t, J=8.6Hz, 2H), 7.42(t, J=8.3Hz, 1H), 7.65(dd, J=5.5Hz, 8.8Hz, 2H), 8.28(d, J=8.9Hz, 1H), 8.29(d, J=5.2Hz, 1H); APESI+MS m/z435(M+1)。
【0306】
(b) 7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(17g, 50mmol)(実施例(2)を参照されたい)をテトラヒドロフランに溶解させ、ドライアイス/アセトン浴で-78℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(テトラヒドロフラン中の2M溶液, 76mL, 0.152mol)を添加した。20分後、四塩化炭素(88mL、910mmol)を添加した。2時間後、得られた溶液を飽和ブライン(50mL)でクエンチし、層を分離した。有機相を飽和ブライン(100mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。残渣を、ジクロロメタンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、15g(80%)の標題化合物を黄色固体として得た。
【0307】
1H-NMR(CDCl3):δ 2.67(s, 3H), 4.86(q, J=8.0Hz, 2H), 6.57(d, J=7.4Hz, 1H), 6.75(d, J=5.4Hz, 1H), 7.21(t, J=8.6Hz, 2H), 7.45(t, J=8.2Hz, 1H), 7.65(dd, J=5.4Hz, 8.7Hz, 2H), 8.28(apparent d, J=8.1Hz, 2H); APESI+MS m/z371(M+1)。
【0308】
実施例 (12) : N - ブチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化64】
【0309】
実施例(4)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(25))とn-ブチルアミンから標題化合物(31%)を白色固体として得た。
【0310】
1H-NMR(CDCl3):δ 1.02(t, J=7.3Hz, 3H), 1.51(sextet, J=7.5Hz, 2H), 1.72(quintet, J=7.5Hz, 2H), 3.51(q, J=7.0Hz, 2H), 4.86(q, J=8.1Hz, 2H), 5.2(bs, 1H), 6.35(d, J=5.3Hz, 1H), 6.52(d, J=7.2Hz, 1H), 7.17(t, J=8.7Hz, 2H), 7.35(dd, J=7.6, 8.8Hz, 2H), 7.68(dd, J=5.4, 8.6Hz, 2H), 8.10(d, J=5.3Hz, 1H), 8.21(d, J=8.9Hz, 1H); APESI+MS m/z460(M+1)-。
【0311】
実施例 (13) : N - ベンジル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化65】
【0312】
実施例(4)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(25), 0.034g, 0.076mmol)とベンジルアミンから0.03g(80%)の標題化合物を得た。
【0313】
1H-NMR(CDCl3):δ 4.65(d, J=5.8Hz, 2H), 4.72(dd, J=8.1, 16.3Hz, 2H), 5.6(bs, 1H), 6.27(d, J=5.3Hz, 1H), 6.36(d, J=7.3Hz, 1H), 7.07(t, J=8.6Hz, 3H), 7.23-7.29(m, 1H), 7.29-7.35(m, 4H), 7.56(dd, J=5.7, 8.5Hz, 2H), 7.7(bs, 1H), 8.00(d, J=5.3Hz, 1H); APESI+MS m/z494(M+1)-。
【0314】
実施例 (14) : N - シクロプロピル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化66】
【0315】
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(25), 1.4g, 3.1mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解させ、シクロプロピルアミン(10mL, 61mmol)で処理した。得られた溶液を6日間還流温度で加熱し、室温まで冷却し、次いで、ジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を飽和重炭酸ナトリウム(25mL)と水(25mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残渣を、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、1.1g(80%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0316】
1H-NMR(アセトン-d6):δ 0.47(br. s, 2H), 0.66(br. s, 2H), 2.70(m, 1H), 5.02(q, J=8.2Hz, 2H), 6.22(d, J=5.2Hz, 1H), 6.41(br. s, 1H), 6.62(d, J=7.2Hz, 1H), 7.15(t, J=8.5Hz, 2H), 7.33(t, J=8.1Hz, 1H), 7.60(m, 2H), 7.94(d, J=5.1Hz, 1H), 8.34(br. s, 1H); APESI+MS m/z444(M+1)。
【0317】
実施例 (15) : N - シクロペンチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化67】
【0318】
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(25), 0.05g, 0.11mmol)をシクロペンチルアミン(1mL)に溶解させ、18時間60℃で加熱した。反応混合物を酢酸エチル(40mL)で希釈し、水(2×10mL)で抽出した。有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残渣を、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:2)を用いるシリカゲル分取クロマトグラフィープレート(2mm)で精製して、0.008g(15%)の標題化合物を得た。
【0319】
1H-NMR(アセトン-d6):δ 1.60(m, 4H), 1.75(m, 2H), 2.04(m, 2H), 4.32(m, 1H), 5.13(q, J=8.4Hz, 2H), 6.23(br. s, 1H), 6.30(d, J=4.7Hz, 1H), 6.73(d, J=7.5Hz, 1H), 7.25(t, J=8.7Hz, 2H), 7.43(t, J=8.1Hz, 1H), 7.70(dd, J=5.5Hz, 8.8Hz, 2H), 8.04(d, J=5.1Hz, 1H), 8.24(d, J=9Hz, 1H); APESI+MS m/z472(M+1)。
【0320】
実施例 (16) : N - シクロヘキシル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化68】
【0321】
実施例(15)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(25))から標題化合物(49%)を得た。
【0322】
1H-NMR(アセトン-d6):δ 1.3(m, 5H), 1.60(m, 1H), 1.80(m, 2H), 2.00(m, 2H), 3.80(m, 1H), 5.13(q, J=8.4Hz, 2H), 6.12(br s, 1H), 6.30(br s, 1H), 6.73(d, J=7.5Hz, 1H), 7.25(t, J=8.7Hz, 2H), 7.43(t, J=8.1Hz, 1H), 7.69(dd, J=5.5Hz, 8.6Hz, 2H), 8.04(d, J=5.1Hz, 1H), 8.22(d, J=8.9Hz, 1H); APESI+MS m/z485(M+1)。
【0323】
実施例 (17) : 3-(4-[2-(4- フルオロフェニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジニルアミノ )-1- プロパノール
【化69】
【0324】
実施例(15)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(25))から標題化合物(38%)を得た。
【0325】
1H-NMR(アセトン-d6):δ 1.69(m, 2H), 3.44(apparent q, J=6.4Hz, 2H), 3.53(br s, 2H), 3.75(br. s, 1H), 5.01(q, J=8.4Hz, 2H), 6.19(d, J=5.2Hz, 1H), 6.32(br. s, 1H), 6.62(d, J=7.5Hz, 1H), 7.14(t, J=8.9Hz, 2H), 7.32(t, J=8.2Hz, 1H), 7.59(dd, J=5.6Hz, 8.6Hz, 2H), 7.93(d, J=5.2Hz, 1H), 8.14(d, J=8.9Hz, 1H); APESI+MS m/z462(M+1)。
【0326】
実施例 (18) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルオキシ ) ピリミジニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化70】
【0327】
2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(25))(0.05g, 0.11mmol)をメタノール(20mL)中の2Nアンモニアに溶解させ、得られた混合物を18時間80℃で加熱した。反応混合物を酢酸エチル(40mL)で希釈し、水(2×10mL)で抽出した。有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下に蒸発させた。残渣を、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:2)を用いるシリカゲル分取クロマトグラフィープレート(2mm)で精製して、0.034g(73%)の標題化合物を得た。
【0328】
1H-NMR(CDCl3)δ 4.12(s, 3H), 4.86(q, J=8.0Hz, 2H), 6.56(d, J=7.4Hz, 1H), 6.71(d, J=5.2Hz, 1H), 7.21(t, J=8.5Hz, 2H), 7.42(t, J=8.2Hz, 1H), 7.65(dd, J=5.4Hz, 7.7Hz, 2H), 8.30(d, J=5.2Hz, 1H), 8.35(d, J=8.9Hz, 1H); APESI+MS m/z419(M+1)。
【0329】
実施例 (19) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- フェニルオキシ ) ピリミジニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化71】
【0330】
2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(25))(0.05g, 0.11mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解させ、テトラヒドロフラン(3mL)中のフェノール(0.1mL, 1.1mmol)及びカリウムt-ブトキシド(t-ブチルアルコール中の1N液1.2mL)の溶液で処理した。周囲温度で30分経過した後、水で反応をクエンチし、酢酸エチル(40mL)で希釈し、水(2×10mL)で抽出した。有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下に蒸発させた。残渣を、溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:2)を用いるシリカゲル分取クロマトグラフィープレート(2mm)で精製して、0.032g(61%)の標題化合物を得た。
【0331】
1H-NMR(CDCl3):δ 4.81(q, J=8.0Hz, 2H), 6.49(d, J=7.4Hz, 1H), 6.74(d, J=5.4Hz, 1H), 7.17(t, J=7.7Hz, 1H), 7.23(t, J=8.6Hz, 2H), 7.32(d, J=7.7Hz, 2H), 7.36(t, J=7.4Hz, 1H), 7.53(t, J=7.7Hz, 2H), 7.63(dd, J=5.4Hz, 8.6Hz, 2H), 7.76(d, J=8.8Hz, 1H), 8.31(d, J=5.4Hz, 1H); APESI+MS m/z481(M+1)。
【0332】
実施例 (20) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2-(2,2,2- トリフルオロエトキシ )) ピリミジニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化72】
【0333】
実施例(8)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(エチルスルフィニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(21))と2,2,2-トリフルオロエタノールから標題化合物(10%)を得た。
【0334】
1H-NMR(CDCl3):δ 4.78-4.85(m, 4H), 6.52(d, J=7.3Hz, 1H), 6.75(d, J=5.3Hz, 1H), 7.16(t, J=8.6Hz, 2H), 7.41(t, J=8.2Hz, 1H), 7.58(dd, J=5.3, 8.6Hz, 2H), 8.22(d, J=8.8Hz, 1H), 8.25(d, J=5.3Hz, 1H); APESI+MS m/z487(M+1)-。
【0335】
実施例 (21) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルスルフィニル ) ピリミジニル )-7-( エチルスルフィニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化73】
【0336】
実施例(7)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-7-(エチルチオ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジンから標題化合物を得た。
【0337】
1H-NMR(CDCl3):δ 1.25(t, J=7.5Hz, 3H), 3.00(s, 3H), 3.33-3.45(m, 2H), 7.05(d, J=5.5Hz, 1H), 7.20(t, J=8.6Hz, 2H), 7.54-7.59(m, 3H), 7.67(dd, J=7.3, 8.8Hz, 1H), 8.52(d, J=5.5Hz, 1H), 8.25(t, J=8.4Hz, 1H); APESI+MS m/z429(M+1)-。
【0338】
実施例 (22) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルチオ ) ピリミジニル )-7-( エチルチオ )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化74】
【0339】
実施例(8)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジンと、トルエンスルホニルクロリドの代わりにジエチルジスルフィドから、2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-7-(エチルチオ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジンを得た。
【0340】
1H-NMR(CDCl3):δ 1.46(t, J=7.4Hz, 3H), 2.60(s, 3H), 3.16(q, J=7.4Hz, 2H), 6.67(d, J=5.5Hz, 1H), 6.81(d, J=7.3Hz, 1H), 7.13(t, J=8.6Hz, 2H), 7.35(t, J=8.1Hz, 1H), 7.59(dd, J=5.5, 8.6Hz, 2H), 8.22(d, J=5.5Hz, 1H), 8.28(d, J=9.0Hz, 1H)。
【0341】
実施例 (23) : ジメチル 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- シクロプロピルアミノ ) ピリミジニル )-7- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジニルカルボキサミド
【化75】
【0342】
乾燥テトラヒドロフラン(100mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-7-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(5.38g, 25mmol)の撹拌溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M, 12.2mL、30mmol)を添加し、得られた混合物を20分間撹拌した。ジメチルカルバモイルクロリド(7.0mL、76mmol)を一度に加え、得られた混合物を室温まで昇温させた。ジエチルエーテルを添加した後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムを用いて脱水した。乾燥剤を濾過により除去し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、6.07g(85%)のジメチル 2-(4-フルオロフェニル)-7-ピラゾロ[1,5-α]ピリジニルカルボキサミドを薄緑色の固体として得た。実施例(34)において記載した方法と同様の方法により、ジメチル 2-(4-フルオロフェニル)-7-ピラゾロ[1,5-α]ピリジニルカルボキサミドから標題化合物を得た。
【0343】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 8.71(d, 1H, J=8.1Hz), 8.11(d, 1H, J=5.1Hz), 7.65(m, 2H), 7.57(dd, 1H, J=7.2, 8.7Hz), 7.44(d, 1H, J=2.7Hz), 7.37(m, 2H), 7.18(d, 1H, J=6.3Hz), 6.26(d, 1H, J=5.1Hz), 3.11(s, 3H), 2.84(s, 3H), 2.65(m, 1H), 0.74(m, 2H), 0.55(m, 2H); MS(ES+ve) 417(87%, M+)。
【0344】
実施例 (24) : 7-(2- フルオロエトキシ )-2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルスルフィニル )- ピリミジニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化76】
【0345】
実施例(7)において記載した方法と同様の方法により、7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジンから、7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジンを得た。
【0346】
1H-NMR(CDCl3):δ 3.04(s, 3H), 4.65(t, J=4.0Hz, 1H), 4.75(t, J=4.0Hz, 1H), 4.91(t, J=4.1Hz, 1H), 5.06(t, J=4.1Hz, 1H), 6.50(d, J=7.5Hz, 1H), 7.02(d, J=5.5Hz, 1H), 7.24(t, J=8.6Hz, 2H), 7.54(t, J=8.3Hz, 1H), 7.62-7.67(m, 2H), 8.48-8.53(m, 2H)。
【0347】
実施例 (25) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4-(2- メチルスルフィニル ) ピリミジニル )-7-(2,2,2- トリフルオロエトキシ )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化77】
【0348】
実施例(7)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジンとm-クロロ過安息香酸から、2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジンを得た。
【0349】
1H-NMR(CDCl3):δ 3.03(s, 3H), 4.85(q, J=8.0Hz, 2H), 6.60(d, J=7.3Hz, 1H), 7.05(d, J=5.3Hz, 1H), 7.24(t, J=7.6Hz, 2H), 7.52(t, J=8.2Hz, 2H), 7.60-7.68(m, 2H), 8.51(d, J=5.5Hz, 1H), 8.57(d, J=8.8Hz, 1H)。
【0350】
実施例 (26) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4- ピリジル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化78】
【0351】
(a) 2-(4- フルオロフェニル )-3-(4- ピリジル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
乾燥トルエン(10mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-3-ブロモピラゾロ[1,5-α]ピリジン(0.2g, 0.68mmol)と4-(トリブチルスタンニル)ピリジン(0.38g, 1mmol)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03g, 0.03mmol)を添加し、得られた混合物を、窒素雰囲気下で約48時間、還流温度で加熱した。混合物を室温まで冷却し、ジエチルエーテル(40mL)で希釈した後、フッ化カリウム10%水溶液(20mL)に注いだ。得られた混合物を1時間撹拌した。二相性の混合物をケイ藻土のパッド(1cm)を通して濾過し、有機相を分離した。水相をジエチルエーテル(10mL)で抽出した。有機相を一緒にしてブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残渣を、溶離液として、ヘキサン中20%酢酸エチル、次いで、ヘキサン中50%酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、0.16g(80%)の標題化合物をオフホワイトの固体として得た。
【0352】
1H-NMR(CDCl3)δ 8.58(br s, 2H), 8.50(d, 1H, J=7.2Hz), 7.63(d, 1H , 9Hz), 7.52(m, 2H), 7.27-7.20(m, 3H), 7.06(t, 2H, 8.7Hz), 6.86(dt, 1H , J=7, 1Hz); MS(+ve イオンエレクトロスプレー) 290(100), (MH+)。
【0353】
(b) 2-(4- フルオロフェニル )-3- ブロモピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルボン酸(0.96g, 3.75mmol)の溶液に、重炭酸ナトリウム(0.95g, 11.3mmol)を添加し、次いで、N-ブロモスクシンイミド(0.667g, 3.75mmol)を添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下室温で約90分間撹拌した。混合物を水(300mL)に注ぎ、生じた固体を濾過により採集し、水で洗浄した。得られた固体を10:1のクロロホルム:メタノール(10mL)に溶解させ、溶離液として10:1のクロロホルム:メタノールを用いてシリカゲルのパッド(0.5cm)を通して濾過した。濾液を蒸発させると、0.87g(80%)の標題化合物が黄褐色の固体として残留した。
【0354】
1H-NMR(d6 DMSO)δ 8.7(d, 1H, J=6.9Hz), 8.02(dd, 2H, J=8.7, 5.7Hz), 7.61(d, 1H, J=8.4Hz), 7.40(t, 1H, J=6Hz), 7.38(t, 2H, J=9Hz), 7.04(t, 1H, J=6.9Hz); MS(+ve イオンエレクトロスプレー) 293(100), (MH+)。
【0355】
(c) 2-(4- フルオロフェニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルボン酸
2N水酸化ナトリウム水溶液(50mL)とメタノール(30mL)中のメチル 2-(4-フルオロフェニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルボキシレート(5.0g, 18.5mmol)の溶液を還流温度で約3時間加熱した。得られた混合物を濾過し、濾液をジエチルエーテル(20mL)で洗浄し、次いで、減圧下に元の容積の約半分の容積になるまで濃縮した。濃塩酸を添加してpHを約2に調節し、生じた固体を濾過により採集して水で洗浄し、減圧下に乾燥させて、4.8g(ほぼ100%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0356】
1H-NMR(d6 DMSO)δ 12.43(br s, 1h), 8.84(d, 1H, J=6.9Hz), 8.14(d, 1H, J=9Hz), 7.82(m, 2H), 7.57(t, 1H, J=8.1Hz), 7.28(t, 2H, J=9Hz), 7.15(td, 1H, J=6.9, 1.2Hz); MS(+ve イオンエレクトロスプレー) 257(100), (MH+)。
【0357】
(d) メチル 2-(4- フルオロフェニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルボキシレート
乾燥アセトニトリル(150mL)中のメチル 3-(4-フルオロフェニル)プロピオレート(8.02g, 45mmol)と1-アミノピリジニウムヨージド(10g, 45mmol)の撹拌溶液を約0℃に冷却した。乾燥アセトニトリル(50mL)中の1,8-ジアザビシクロウンデク-7-エン(13.7g, 90mmol)の溶液を1時間かけて滴下して加えた。得られた混合物を室温で約18時間撹拌した。反応混合物を氷浴中で約30分間冷却し、沈殿物を濾過により採集して冷アセトニトリル(10mL)で洗浄した。得られた固体を減圧下に乾燥させて、8.48g(70%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0358】
1H-NMR(CDCl3)δ 8.50(d, 1H, J=8.4Hz), 8.18(d, 1H, J=8.8Hz), 7.78(m, 2H), 7.42(t, 1H, J=8.4Hz), 7.13(t, 2H, J=8.8Hz), 6.97(td, 1H, J=6.8, 1Hz); MS(+ve イオンエレクトロスプレー) 271(100), (MH+)。
【0359】
(e) メチル 3-(4- フルオロフェニル ) プロピオレート
乾燥ジエチルエーテル(400mL)中の1-(4-フルオロフェニル)-2-トリメチルシリルアセチレン(64g, 0.33mol)の溶液を窒素雰囲気下0℃に冷却した。この溶液に、内部温度を2℃未満に維持しながら、滴下漏斗を用いてテトラブチルアンモニウムフルオリドの溶液(テトラヒドロフラン中1M, 330mL, 0.33mol)を45分かけて滴下して加えた。得られた混合物を約1時間かけて室温まで昇温させ、ジエチルエーテル(300mL)を添加した。得られた有機溶液を水で洗浄し、飽和ブラインで洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで脱水した。硫酸マグネシウムを濾過により除去し、濾液を約-78℃に冷却した。温度を-66℃未満に維持しながら、滴下漏斗を用いてn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M, 450mL, 0.72mol)を約1時間かけて滴下して加えた。n-ブチルリチウムの添加終了後、得られた混合物を-78℃で約1時間撹拌し、次いで、乾燥ジエチルエーテル(200mL)中のクロロギ酸メチル(110mL, 1.4mol)の予め冷却しておいた溶液を連続流としてできるだけ速やかに添加した。得られた混合物を-78℃に冷却し、次いで、1.5時間かけて室温まで昇温させた。有機反応混合物を水及び飽和ブラインで洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下に溶媒を除去し、残渣を減圧下に乾燥させて、36.5g(61%)の標題化合物を褐色の固体として得た。
【0360】
1H-NMR(CDCl3)δ 7.58(dd, 2H, J=9, 5.4Hz), 7.07(t, 2H, J=8.5Hz), 3.84(s, 3H); MS(+ve イオンエレクトロスプレー) 178(30), (M+)。
【0361】
(f) 1-(4- フルオロフェニル )-2- トリメチルシリルアセチレン
4-フルオロヨードベンゼン(112mL, 0.97mol)とトリエチルアミン(176mL, 1.26mol)を乾燥テトラヒドロフラン(1.2L)に溶解させ、得られた溶液に窒素ガスを約20分間通気した。ヨウ化銅(I)(1.08g, 5.7mmol)とビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド(2.15g, 3mmol)を添加し、次いで、温度を約23℃に維持しながら、トリメチルシリルアセチレン(178mL、1.3mol)を約40分かけて滴下して加えた。大量の沈殿物(推定Et3NHCl)が形成され、機械的撹拌が必要となった。トリメチルシリルアセチレンの添加完了後、得られた混合物を室温で約18時間撹拌し、濾過した。得られた固体をシクロヘキサンで洗浄した。一緒にした濾液を減圧下に濃縮して、褐色の油状物を得た。この油状物をシリカゲルのパッドに適用し、シクロヘキサンで溶離させて、黄色の溶液を得た。溶媒を除去して、182.8g(95%)の標題化合物を黄色油状物として得た。
【0362】
実施例 (27) : 2-(4- フルオロフェニル )-7- メチル -3-(4- ピリジニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化79】
【0363】
(a) 2-(4- フルオロフェニル )-7- メチル -3-(4- ピリジニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
実施例(26)において記載した方法と同様の方法により、2-(4-フルオロフェニル)-3-ブロモ-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン(0.1g, 0.33mmol)と4-(トリ-n-ブチル)スタンニルピリジン(0.17g, 0.46mmol)から、0.016g(14%)の標題化合物を白色固体として得た。この物質をジエチルエーテルに溶解させ、ジエチルエーテル中のHClで処理して、対応する塩酸塩を得た。
【0364】
1H-NMR(DMSO-d6)δ 8.74(d, 2H, J=6.6Hz), 7.91(d, 1H, J=8.9Hz), 7.81(d, 2H, J=6.6Hz), 7.61(m, 2H), 7.56(t, 1H, J=15.9Hz), 7.34(t, 2H, J=17.6Hz), 7.15(d, 1H, J=6.9Hz), 2.79(s, 3H); MS(+ve エレクトロスプレー) 303(100), (M+)。
【0365】
(b) 2-(4- フルオロフェニル )-3- ブロモ -7- メチル - ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
実施例(26)において概説した手順に従って、2-(4-フルオロフェニル)-7-メチル-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルボン酸から標題化合物を得た。
【0366】
1H-NMR(CDCl3)δ 8.00(m, 2H), 7.38(d, 1H, J=8.8Hz), 7.11(m, 3H), 6.62(d, 1H, J=6.9Hz), 2.71(s, 3H); MS(+ve エレクトロスプレー) 306(25), (MH+)。
【0367】
(c) 2-(4- フルオロフェニル )-7- メチル - ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルボン酸
実施例(26)において記載した方法と同様の方法により、メチル 2-(4-フルオロフェニル)-7メチル-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルボキシレートから、標題化合物を白色固体として得た。
【0368】
1H-NMR(DMSO-d6)δ 8.08(d, 1H, J=8.8Hz), 7.84(m, 2H), 7.76(m, 1H), 7.53(m, 1H), 7.30(t, 2H, J=17.8Hz), 7.09(d, 1H, J=6.8Hz), 2.75(s, 3H); MS(+ve エレクトロスプレー) 270(100), (M+)。
【0369】
(d) メチル 2-(4- フルオロフェニル )-7- メチル - ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルボキシレート
乾燥アセトニトリル(75mL)中のメチル 3-(4-フルオロフェニル)プロピオレート(3.47g, 19.5mmol)と1-アミノ-2-メチルピリジニウム 2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネート(6.0g, 19.5mmol)の撹拌溶液に、乾燥アセトニトリル(25mL)中の1,8-ジアザビシクロウンデク-7-エン(5.82mL, 39mmol)の溶液を10分かけて滴下して加えた。得られた混合物を、室温で約18時間撹拌した。減圧下に溶媒を蒸発させ、残渣を水(500mL)と酢酸エチル(250mL)の間で分配し、有機相を分離した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を一緒にして無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を減圧下に除去した。残渣を、溶離液として10:1のヘキサン:酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィー により精製して、4.65g(86%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0370】
1H-NMR(CDCl3)δ 8.15(d, 1H, J=8.8Hz), 7.86(m, 2H), 7.41(t, 1H, J=8.9Hz), 7.19(t, 2H, J=17.6Hz), 6.87(d, 1H, J=7.0Hz), 3.89(s, 3H), 2.85(s, 3H); MS(+ve イオンエレクトロスプレー) 285(100), (MH+)。
【0371】
(e) 1- アミノ -2- メチルピリジニウム 2,4,6- トリメチルベンゼンスルホネート
冷トリフルオロ酢酸(0℃)(50mL)に、N-t-ブトキシカルボニル-O-(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン(16.09g, 51mmol)を約15分かけて少量ずつ添加した。得られた溶液を、次いで、室温で約15分間撹拌し、氷水(250mL)に注いだ。生成した白色沈殿物を濾過により採集し、5分間風乾した。得られた固体をクロロホルム(100mL)に溶解させ、得られた溶液を、無水硫酸マグネシウムで脱水した。硫酸マグネシウムを濾過により除去し、濾液を、クロロホルム(5mL)中の2-ピコリン(5.0g, 54mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を45分間撹拌し、次いで、濾過した。濾液にジエチルエーテル(225mL)を添加することにより生成物が沈殿した。固体を濾過により採集し、ジエチルエーテル(50mL)で洗浄し、乾燥させて、12.9g(82%)の標題化合物を白色固体として得た。
【0372】
1H-NMR(CDCl3)δ 9.45(d, 1H), 8.4(br s, 2H), 7.84(t, 1H), 7.55(t, 1H), 7.50(d, 1H), 6.80(s, 2H), 2.81(s, 3H), 2.62(s, 6H), 2.25(s, 3H); MS(+ve エレクトロスプレー) 109(100), (M+)。
【0373】
実施例 (28) : 2-(4- フルオロフェニル )-7- メトキシ -3-(4- ピリジニル ) ピラゾロ [1,5- α ]- ピリジン
【化80】
【0374】
実施例(26)及び実施例(27)において記載した方法と同様の方法により、2-メトキシピリジンから、標題化合物を得た。
【0375】
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 4.12(s, 3H), 6.52(d, 1H, J=7.2Hz), 7.24(m, 4H), 7.35(m, 2H), 7.51(dd, 2H, J=5.6Hz, 8.8Hz), 8.53(d, 2H, J=6.0Hz); MS(ES+)m/z320(M++H)。
【0376】
代替え的な方法として、以下に示す手順により、7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-ピリジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(29)を参照されたい)から2-(4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-3-(4-ピリジニル)ピラゾロ[1,5-α]-ピリジンを調製することができる。
【0377】
7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-ピリジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(0.05g, 0.15mmol)を、乾燥メタノール(5mL)中のナトリウムメトキシド(0.75mmol)の溶液に添加し、得られた混合物を還流温度で約24時間加熱した。水を加え、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を一緒にして、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。得られた溶液を、シリカゲルの短いパッドで濾過し、減圧下に溶媒を蒸発させた。残渣を、1:10のMeOH:酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、0.039g(80%)の標題化合物を得た。
【0378】
1H-NMR及びMSは、上記で記載したものと同一である。
【0379】
実施例 (29) : 7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル )-3-(4- ピリジニル ) ピラゾロ [1,5- α ]- ピリジン
【化81】
【0380】
乾燥テトラヒドロフラン(4mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-ピリジニル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(26)から得たもの, 100mg, 0.346mmol)の撹拌溶液を、N2下約-78℃に冷却し、ヘキサン中のn-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M, 0.27mL, 0.7mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を-78℃で約30分間撹拌し、乾燥テトラヒドロフラン(1mL)中のp-トルエンスルホニルクロリド(0.15g, 0.76mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を30分間かけて室温まで昇温させ、室温で1時間撹拌した。水を添加し、得られた混合物を分液漏斗に注いだ。有機相を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機相を一緒にして無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、濾過し、蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、0.087g(78.6%)の標題化合物を得た。
【0381】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.65(d, 2H, J=5.8Hz), 7.55-7.69(m, 3H), 7.30(d, 2H, J=5.8Hz), 7.11-7.21(m, 1H), 7.04-7.13(m, 3H); MS(ES+ve) 326(25, M+3), 323(50, M+), 290(100)。
【0382】
実施例 (30) : 2-(4- フルオロフェニル )-3-(2- フルオロ -4- ピリジニル )-7- メトキシピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
【化82】
【0383】
N,N-ジメチルホルムアミド(6.00mL)中の、3-ブロモ-2-(4-フルオロフェニル)-7-メトキシピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(27)から得たもの, 180mg, 0.560mmol)、2-フルオロピリジン-4-イルボロン酸(実施例(33)から得たもの, 112mg, 0.800mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(40.0mg, 0.056mmol)の溶液を、110℃で予め加熱しておいた油浴に置いた。反応液に、2Mの炭酸ナトリウム(0.840mL、1.68mmol)を滴下して加えた。反応液を3時間撹拌した後、室温まで冷却し、Celite 545パッドを用いて濾過した。Celiteフィルターを酢酸エチルで洗浄し、減圧下50℃で濾液を濃縮乾固させた。残渣を塩化メチレンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで脱水した。乾燥剤を濾過により除去した。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(110mg, 0.326mmol, 58%)を得た。
【0384】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.14(d, 1H, J=5.5Hz), 7.53(dd, 2H, J=6.0, 8.0Hz), 7.24-7.32(m, 2H), 7.00-7.10(m, 3H), 6.89(s, 1H), 6.23(dd, 1H, J=2.0, 6.0Hz), 4.2(s, 3H); MS(ES+ve) 338.1(40, M+), 323.1(100)。
【0385】
実施例 (31) : N - ブチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7- メトキシピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]2- ピリジンアミン
【化83】
【0386】
封管中で、2-(4-フルオロフェニル)-3-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-7-メトキシピラゾロ[1,5-α]ピリジン(実施例(30)から得たもの, 20mg, 0.06mmol)とn-ブチルアミン(2.0mL, 1.5g, 20mmol)を合わせ、得られた反応物を130℃で予め加熱してある油浴に置いた。出発物質が完全に消費されたことがTLC分析(ヘキサン中の50%酢酸エチル)によって示されるまで、反応液を130℃で撹拌した。封管中の内容物をフラスコに移し、高真空下、50℃で濃縮乾固させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2.0mg(0.005mmol, 8%)の標題化合物を得た。
【0387】
1H-NMR(d6-アセトン):δ 8.04(d, 1H, J=5.1Hz), 7.74(dd, 2H, J=5.7, 9.0Hz), 7.33-7.38(m, 2H), 7.22(t, 2H, J=9.0Hz), 6.45-6.54(m, 3H), 4.25(s, 3H), 3.30-3.40(m, 2H), 1.60(quint, 2H, J=7.2Hz), 1.45(sext, 2H, J=7.2Hz), 0.9(t, 3H, J=7.2Hz); MS(ES+ve) 391.1(100, M+), 376.3(100)。
【0388】
実施例 (32) : N -{4-[5- クロロ -7-( エチルスルファニル )-2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジニル }- N - シクロペンチルアミン
【化84】
【0389】
(a) 2-(4- クロロ -2- ピリジニル )-1-(4- フルオロフェニル ) エタノン
テトラヒドロフラン(100mL)中の4-クロロ-2-ピコリン(5.0g, 39mmol)と4-フルオロ安息香酸エチル(6.6g, 39mmol)の冷溶液(0℃)に、均圧漏斗を用いて、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(80mL, テトラヒドロフラン中1.0M, 80mmol)を30分かけて滴下して加えた。添加が終了した時点で、冷浴を除去し、得られた溶液を室温で15時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、そこに、メタノールを添加した。形成された白色沈殿物を濾過により採集し、乾燥させて、2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(9.6g, 99%)を白色固体として得た。
【0390】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 7.90(m, 3H), 7.11(t, 2H), 6.56(s, 1H), 5.67(s, 1H), 4.14(m, 2H); 19F-NMR(DMSO-d6):δ 115.67; MS m/z250(M+1)。
【0391】
(b) 2-(4- クロロ -2- ピリジニル )-1-(4- フルオロフェニル ) エタノンオキシム
メタノール(200mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(9.6g, 38mmol)の溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(13.5g, 190mmol)を添加し、次いで、水酸化ナトリウム溶液(7.8g, 50mLの水中190mmol)を添加した。得られた懸濁液を還流温度で2時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。得られた混合物を濃縮し、得られたスラリーに水を加えた。形成された白色沈殿物を濾過により採集し、水で洗浄し、脱水して(硫酸マグネシウム)、2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム(8.45g, 84%)を白色固体として得た。
【0392】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 11.56(s, 1H), 8.44(d, 1H), 7.80(m, 2H), 7.40(m, 2H), 7.22(m, 2H), 4.29(s, 2H); 19F-NMR(DMSO-d6):δ 113.44; MS m/z265(M+1)。
【0393】
(c) 5- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
1,2-ジメトキシエタン(50mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム(8.0g, 30mmol)の溶液に、0℃で、無水トリフルオロ酢酸(6.3g, 30mmol)を添加し、その際、添加中の温度を10℃未満に維持した。無水トリフルオロ酢酸の添加が完了した後、反応液を室温まで昇温させた。得られた溶液を4℃まで冷却し、1,2-ジメトキシエタン(20mL)中のトリエチルアミン(8.4mL、60mmol)の溶液を0.5時間かけて添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、1.5時間撹拌した。この混合物に、塩化鉄(II)(40mg)を添加し、得られた反応物を75℃で15時間加熱した。反応混合物を水(300mL)に注いだ。得られた懸濁液を酢酸エチルで抽出した。有機物を一緒にして脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して固体残渣とした。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル-ヘキサン)で精製して、5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(4.2g, 57%)を白色固体として得た。
【0394】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.36(d, 1H), 7.93(q, 2H), 7.49(d, 1H), 7.15(t, 2H), 6.70(dd, 1H), 6.69(s, 1H); 19F-NMR(CDCl3):δ 113.30; MS m/z247(M+1)。
【0395】
(d) 5- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルバルデヒド
オキシ塩化リン(0.6mL, 6.4mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に添加し、得られた混合物を室温で10分間撹拌した。5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(1.0g, 4.1mmol)を添加し、反応混合物を室温で12時間撹拌した。この反応混合物を氷-水に注ぎ、水性水酸化アンモニウムで中和してpHを7とした。得られたスラリーをジクロロメタン(3×40mL)で抽出した。有機物を一緒にしてブラインで洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して、アセトニトリルから再結晶させた後に、5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.95g, 85%)を白色固体として得た。
【0396】
1H-NMR(CDCl3):δ 10.07(s, 1H), 8.49(d, 1H), 8.44(d, 1H), 7.78(q, 2H), 7.22(t, 2H), 7.07(dd, 1H); MS m/z275(M+1)。
【0397】
(e) 1-[5- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ブチン -1- オン
テトラヒドロフラン(20mL)中の5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.93g, 3.4mmol)の溶液に、-78℃で、エチニルマグネシウムブロミド(16mL, テトラヒドロフラン中0.5M, 8.0mmol)を添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。反応物に水を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮して固体残渣とした。この残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解させ、二酸化マンガン(5g)を添加した。このスラリーを室温で2時間撹拌した。二酸化マンガンを濾過により除去し、濾液を濃縮して固体とした。この固体を、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン)で精製して、1-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ブチン-1-オン(0.63g, 2ステップで62%)を白色固体として得た。
【0398】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.52(d, 1H), 8.47(d, 1H), 7.69(q, 2H), 7.18(t, 2H), 7.07(dd, 1H), 3.00(s, 1H); 19F-NMR(CDCl3):δ 111.69; MS m/z299(M+1)。
【0399】
(f) 4-[5- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]- N - シクロペンチル -2- ピリミジンアミン
N,N-ジメチルホルムアミド中の1-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ブチン-1-オン(0.61g, 2.0mmol)の溶液に、塩酸シクロペンチルグアニジン(0.67g, 4.1mmol)を添加し、次いで、無水炭酸カリウム(0.57g, 4.1mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で12時間加熱した。室温まで冷却して、水を加えた。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相をブラインで洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル-ヘキサン)で精製して、アセトニトリルから再結晶させた後に、4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル)]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.6g, 74%)を白色固体として得た。
【0400】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.54(broad s, 1H), 8.40(d, 1H), 8.04(d, 1H), 7.60(q, 2H), 7.16(t, 2H), 6.88(dd, 1H), 6.28(d, 1H), 5.22(d, 1H), 4.40(m, 1H), 1.4-2.2(m, 8H); 19F-NMR(CDCl3):δ 112.5; MS m/z408(M+1)。
【0401】
(g) N -{4-[5- クロロ -7-( エチルスルファニル )-2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジニル }- N - シクロペンチルアミン
無水テトラヒドロフラン(5mL)中の4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(150mg, 0.37mmol)の溶液に、-78℃で、n-ブチルリチウム(0.7mL, ヘキサン中1.6M溶液の1.1mmol)を添加した。得られた溶液を-78℃で10分間撹拌した後、ジエチルジスルフィド(0.14mL、1.1mmol)を添加した。得られた反応液を-78℃で20分間撹拌し、次いで、室温まで昇温させ、水と酢酸エチルを添加した。相を分離し、水相を酢酸エチルで洗浄した。有機相を一緒にして脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた固体をフラッシュクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル-ヘキサン)で精製して、酢酸エチルから再結晶させた後に、N-{4-[5-クロロ-7-(エチルスルファニル)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジニル}-N-シクロペンチルアミン(90mg, 52%)を固体として得た。
【0402】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.42(broad s, 1H), 8.08(d, 1H), 7.66(q, 2H), 7.17(t, 2H), 6.73(d, 1H), 6.31(d, 1H), 5.18(d, 1H), 4.20(m, 1H), 3.22(q, 2H), 2.0-2.1(m, 2H), 1.4-1.9(m, 9H); 19F-NMR(CDCl3):δ 112.8; MS m/z468(M+1)。
【0403】
実施例 (33) : 2- フルオロピリジン -4- イルボロン酸
乾燥ジエチルエーテル(20mL)中のn-ブチルリチウム(3.2mL, 2.5M, 8.0mmol)の溶液に-78℃で、乾燥エーテル(10mL)中の2-フルオロ-4-ヨードピリジン(1.5g, 6.7mmol)の溶液を添加し、反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。ホウ酸トリブチル(2.4mL, 2.01g, 8.7mmol)を添加し、得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。水(5mL)を添加し、次いで、2Nの水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を添加して固体を溶解させた。有機相を分離した。6NのHClを用いて水相をpH3に酸性化した。得られた白色固体を濾過により採集し、減圧下に乾燥させて、0.74g(78%)の標題化合物を得た。
【0404】
1H-NMR(DMSO-d6)δ 8.65(br s, 2H), 8.21(d, 1H, J=4.8Hz), 7.59(t, 1H, J=4.8Hz), 7.37(d, 1H, J=1.8Hz)。
【0405】
実施例 (34) : エチル 3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル )-7- メチルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -6- カルボキシレート
【化85】
【0406】
(a) 1-(4- フルオロフェニル )-2-(2-(5- トリフルオロメチル ) ピリジル ) エタノン
テトラヒドロフラン(400mL)中の4-フルオロアセトフェノン(13.8g, 0.100mol)と2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン(20.0g, 0.110mol)の溶液に、水素化ナトリウム(95%, 5.56g, 0.220mol)を数回に分けて添加した。得られた反応液を室温で72時間撹拌し、次いで、水(300mL)とジエチルエーテル(200mL)を添加して注意深くクエンチした。有機相を分離し、6NのHCl(2×300mL)で抽出した。水性抽出物を0℃まで冷却し、6NのNaOHを用いて、当該溶液をpH12に調節した。得られた混合物を、次いで、ジエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を一緒にして硫酸マグネシウムで脱水した。濾過により乾燥剤を除去し、濾液を蒸発乾固させて、20.9g(73%)の標題化合物を互変異性体の混合物として得た。
【0407】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.87(s), 8.63(s), 8.14(dd, J=5.1, 8.4Hz), 8.00-7.83(m), 7.51(d, J=8.4Hz), 7.22-7.12(m), 6.13(s), 4.60(s); MS(ES) 284(M+1)。
【0408】
(b) 1-(4- フルオロフェニル )-2-(2-(5- トリフルオロメチル ) ピリジル ) エタノンオキシム
メタノール(1L)中の1-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)エタノン(80.0g, 0.282mol)の溶液に、室温で、10%水酸化ナトリウム水溶液(436mL, 1.09mol)を添加した。得られた溶液を、固体の塩酸ヒドロキシルアミン(98.0g, 1.40mol)を添加しながら激しく撹拌した。得られた混合物を2時間加熱還流し、熱いまま脱色炭で処理し、次いで、熱いままCeliteを通して濾過した。濾液をその容積が元の半分になるまで濃縮し、次いで、撹拌しながら1時間0℃に冷却した。生じた固体を濾過によって採集し、水で洗浄し、減圧下に50℃で一晩乾燥させて、73.9g(88%)の標題化合物を薄黄色の粉末として得た。
【0409】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 11.60(s, 1H), 8.86(s, 1H), 8.14(dd, 1H, J=2.1, 8.1Hz), 7.78(dd, 2H, J=5.7, 9.0Hz), 7.53(d, 1H, J=8.4Hz), 7.23(t, 2H, J=9.0Hz), 4.40(s, 2H); MS(ES) 299(M+1)。
【0410】
(c) 3-(4- フルオロフェニル )-2-(2-(5- トリフルオロメチル ) ピリジル )-2H- アジリン
塩化メチレン(400mL)中の1-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)エタノンオキシム(25.0g, 0.084mol)の溶液に、トリエチルアミン(46.7mL、0.335mol)を添加した。得られた溶液を窒素雰囲気下0℃に冷却し、無水トリフルオロ酢酸(14.1mL, 0.100mol)を滴下して加えた。得られた反応液を0.5時間撹拌し、次いで、水でクエンチした。有機相を分離し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。濾過により乾燥剤を除去し、濾液から溶媒を蒸発させることにより、油状物が残留した。この残渣をシリカゲルカラムに充填し、ヘキサン中の15%酢酸エチルで溶離させて標題化合物を油状物として得たが、この油状物は放置することにより固体化した(19.4g, 82%)。
【0411】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.76(s, 1H), 7.93(dd, 2H, J=5.4, 8.7Hz), 7.83(dd, 1H, J=2.1, 8.4Hz), 7.27(t, 2H, J=8.7Hz), 7.21(d, 1H, J=8.1Hz), 3.54(s, 1H); MS(ES) 281(M+1)。
【0412】
(d) 2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリフルオロメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
3-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)-2H-アジリン(40.0g, 0.143mol)を1,2,4-トリクロロベンゼン(400mL)に溶解させ、得られた混合物を10時間200℃に加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、シリカゲルカラムに注いだ。このカラムをヘキサンで溶離させて1,2,4-トリクロロベンゼンを除去し、次いで、ヘキサン中の20%ジエチルエーテルで生成物を溶離させた。所望のフラクションを一緒にして、減圧下に溶媒を蒸発させることにより、28.7g(71%)の標題化合物が残留した。
【0413】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.84(s, 1H), 7.98(dd, 2H, J=5.4, 8.7Hz), 7.65(d, 1H, J=9.3Hz), 7.28(d, 1H, J=9.3Hz), 7.20(t, 2H, J=8.7Hz), 6.88(s, 1H); MS(ES) 281(M+1)。
【0414】
(e) 2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリフルオロメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルバルデヒド
N,N-ジメチルホルムアミド(160mL)中のオキシ塩化リン(8.0mL、86mmol)の冷溶液(0℃)に、2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(11.0g, 39.3mmol)を添加した。反応混合物を室温で72時間撹拌し、次いで、氷水でクエンチした。固体の沈殿物をフィルター上に採集して、2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(11.4g, 94%)を白色固体として得た。
【0415】
Rf 0.45(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ 10.15(s, 1H), 8.92(s, 1H), 8.53(d, 1H), 7.80(m, 2H), 7.70(d, 1H), 7.27(t, 2H); 19F-NMR(CDCl3)δ -62.62, -110.62; MS m/z307(M-1)。
【0416】
(f) 1-[2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリフルオロメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- プロピン -1- オール
テトラヒドロフラン(100mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(11.4g, 37.0mmol)の冷懸濁液(-78℃)に、臭化エチニルマグネシウム(111mL, テトラヒドロフラン中0.5M, 56mmol)を添加した。反応混合物を室温まで昇温させ、14時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、1N塩酸水溶液を用いて中性のpHに調節した。得られた水性混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出物を一緒にして水及びブラインで洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水した。濾過して濃縮することにより、1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(11.9g, 96%)を黄褐色固体として得た。
【0417】
Rf 0.18(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ 8.81(s, 1H), 8.15(d, 1H), 7.75(m, 2H), 7.35(d, 1H), 7.19(t, 2H), 5.76(s, 1H), 2.71(d, 1H), 2.60(d, 1H); MS m/z335(M+1)。
【0418】
(g) 1-[2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリフルオロメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- プロピン -1- オン
クロロホルム(400mL)中の1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(5.00g, 15.0mmol)の冷溶液(0℃)に、二酸化マンガン(130g, 1.50mol)を添加した。反応混合物を0℃で1.5時間撹拌し、Celiteのパッドを通して濾過した。濾液を減圧下に濃縮して、1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ-[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(3.44g, 69%)を透明な油状物として得た。
【0419】
Rf 0.39(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.90(s, 1H), 8.61(d, 1H), 7.72-7.69(m, 3H), 7.17(m, 2H), 3.06(s, 1H); MS m/z333(M+1)。
【0420】
(h) N - シクロペンチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリフルオロメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
エタノール(70mL)中の塩酸N-シクロペンチルグアニジン(2.20g, 13.5mmol)の懸濁液に、ナトリウムエトキシド(4.5mL, エタノール中3M, 14mmol)を添加した。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、0℃まで冷却した。この混合物に、1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン3-イル]-2-プロピン-1-オン(3.44g, 10.4mmol)を少量ずつ添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温で15時間撹拌し、水(400mL)で希釈した。固体の沈殿物を濾過により採集して、N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(4.48g, 98%)をオレンジ色の固体として得た。
【0421】
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.84(s, 1H), 8.51(d, 1H), 8.11(d, 1H), 7.64(dd, 2H), 7.44(dd, 1H), 7.17(t, 2H), 6.33(d, 1H), 5.17(d, 1H), 4.34(m, 1H), 2.15-2.06(m, 2H), 1.84-1.52(m, 6H); 19F-NMR(CDCl3):δ -62.70, -112.25; MS m/z442(M+1); mp 155-156℃。
【0422】
代替的な方法として、以下に示すステップにより、2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジンから、N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミンを合成することもできる。
【0423】
(aa) 1-[2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリフルオロメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ] エタノン
2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(10.30g, 36.76mmol)と無水酢酸(100mL)の混合物に濃硫酸(10滴)を添加した。得られた混合物を撹拌し、1時間還流温度で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、氷水(300mL)に注いだ。得られた溶液のpHを、2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより約10まで上昇させ、生じたオレンジ色の沈殿物を濾過により採集した。得られた固体を水で洗浄し、風乾し、次いで、減圧下に乾燥させて、11.87g(定量的)の標題化合物をオレンジ色の固体として得た。
【0424】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 9.58(s, 1H), 8.41(d, 1H, J=9.3Hz), 7.89(d, 1H, J=9.5Hz), 7.74(m, 2H), 7.39(m, 2H), 2.22(s, 3H); MS(ES) 323(M+1)。
【0425】
(bb) (2E)-3-( ジメチルアミノ )-1-[2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリフルオロメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- プロペン -1- オン
1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]エタノン(11.85g, 36.77mmol)とN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(100mL)の混合物を還流温度で17時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次いで、0℃まで冷却した。生じたオレンジ色の沈殿物を濾過により採集し、冷ヘキサンで洗浄し、減圧下に乾燥させて、10.17g(73%)の標題化合物をオレンジ色の固体として得た。
【0426】
1H-NMR(DMSO-d6):δ 9.44(s, 1H), 8.22(d, lH, J=9.4Hz), 7.75(m, 2H), 7.65(d, 1H, J=9.5Hz), 7.56(d, 1H, J=12.4Hz), 7.35(m, 2H), 5.05(d, 1H, J=12.3Hz), 3.04(s, 3H), 2.56(s, 3H); MS(+ve イオンエレクトロスプレー) 377(80), (M+)。
【0427】
(cc) N - シクロペンチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリフルオロメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
1-メチル-2-ピロリジノン(3mL)中の(2E)-3-(ジメチルアミノ)-1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロペン-1-オン(314mg, 0.83mmol)の溶液に、塩酸N-シクロペンチルグアニジン(271mg, 1.66mmol)及び炭酸カリウム(229mg, 1.66mmol)を添加した。得られた混合物を140℃で8時間加熱した。室温まで冷却し、エーテルを添加し、次いで、水を加えた。有機物をブラインで洗浄し、水層をエーテルで抽出した。有機物を一緒にして硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン-酢酸エチル)で精製して、N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(204mg, 56%)を白色固体として得た。
【0428】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.84(s, 1H), 8.51(d, 1H), 8.11(d, 1H), 7.64(dd, 2H), 7.44(dd, 1H), 7.17(t, 2H), 6.33(d, 1H), 5.17(d, 1H), 4.34(m, 1H), 2.15-2.06(m, 2H), 1.84-1.52(m, 6H); 19F-NMR(CDCl3):δ -62.70, -112.25; MS m/z442(M+1); mp 155-156℃。
【0429】
(i) N - シクロペンチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリエトキシメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
乾燥している丸底フラスコにナトリウム金属(1.9g, 83mmol)を添加した。エタノール(110mL)を加え、完全に溶解するまで室温でナトリウムと反応させた。N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(4.48g, 10.1mmol)を添加し、反応混合物を60℃で18時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、元の容積のほぼ四分の一になるまで減圧下に濃縮し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮することにより、N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリエトキシメチル)-ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(4.86g, 92%)をオフホワイトの固体として得た。
【0430】
Rf 0.15(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ 8.81(s, 1H), 8.39(d, 1H), 8.06(d, 1H), 7.62(m, 2H), 7.47(d, 1H), 7.14(t, 2H), 6.32(d, 1H), 5.12(d, 1H), 4.35(m, 1H), 3.43(q, 6H), 2.08(m, 2H), 1.80-1.51(m, 6H), 1.21(t, 9H); MS m/z520(M+1)。
【0431】
(j) 4-[7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル )-6-( トリエトキシメチル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]- N - シクロペンチル -2- ピリミジンアミン
テトラヒドロフラン(25mL)中のジイソプロピルアミン(4.1mL, 29mmol)の冷溶液(0℃)に、ブチルリチウム(17mL, ヘキサン中1.6M, 28mmol)を滴下して加えた。得られた溶液を0℃で10分間撹拌し、次いで、-78℃に冷却した。反応混合物を、シリンジを用いて、テトラヒドロフラン(25mL)中のN-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリエトキシメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(4.86g, 9.35mmol)の冷溶液(-78℃)に移した。反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。四塩化炭素(3.6mL, 37mmol)を加え、得られた混合物を室温まで昇温させて2時間撹拌した。反応混合物を氷に注いだ。氷が溶けた後、得られた水性混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで脱水した。濾過し、濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン:酢酸エチル)により、4-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリエトキシメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2ピリミジンアミン(2.37g, 46%)を黄色固体として得た。
【0432】
Rf 0.36(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.36(d, 1H), 8.08(d, 1H), 7.85(d, 1H), 7.67(m, 2H), 7.15(t, 2H), 6.33(d, 1H), 5.15(d, 1H), 4.36(m, 1H), 3.46(q, 6H), 2.10(m, 2H), 1.81-1.53(m, 6H), 1.26(t, 9H); MS m/z554(M+1)。
【0433】
(k) エチル 7- クロロ -3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル )- ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -6- カルボキシレート
アセトン(8mL)及び水(2mL)中の4-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリエトキシメチル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(375mg, 0.677mmol)の溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(321mg, 1.69mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、氷水でクエンチした。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和した後、減圧下に濃縮してアセトンの大部分を除去し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(29:1 ジクロロメタン:メタノール)により、エチル 7-クロロ-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキシレート(175mg, 54%)を褐色固体として得た。
【0434】
Rf 0.08(29:1 ジクロロメタン:メタノール); 1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.36(d, 1H), 8.09(d, 1H), 7.82(d, 1H), 7.65(m, 2H), 7.14(t, 2H), 6.30(d, 1H), 5.19(d, 1H), 4.46(q, 2H), 4.32(m, 1H), 2.06(m, 2H), 1.77-1.21(m, 9H); MS m/z480(M+1)。
【0435】
(l) エチル 3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル )-7- メチルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -6- カルボキシレート
テトラヒドロフラン(1mL)中のエチル 7-クロロ-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキシレート(90mg, 0.19mmol)の溶液に、ジメチル亜鉛(281μL, トルエン中2.0M, 0.56mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(21mg, 0.018mmol)を添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、氷水でクエンチし、次いで、酢酸エチルで抽出した。有機相を水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(49:1 ジクロロメタン:メタノール)により、エチル 3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキシレート(40mg, 45%)を得た。
【0436】
1H-NMR(300MHz, CDCl3)δ 8.34(d, 1H), 8.11(d, 1H), 7.91(d, 1H), 7.70(m, 2H), 7.19(t, 2H), 6.36(d, 1H), 5.33(br, 1H), 4.47(q, 2H), 4.38(m, 1H), 3.26(s, 3H), 2.12(m, 2H), 1.83-1.43(m, 9H); MS m/z460(M+1)。
【0437】
実施例 (35) : 3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]-2-(4- フルオロフェニル )-7- メチルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -6- カルボン酸
【化86】
【0438】
ジオキサン(600μL)中のエチル 3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキシレート(40mg, 0.087mmol)の溶液に、水酸化リチウム(300μL, 1M水溶液, 0.30mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下に濃縮してジオキサンを除去し、次いで、水で希釈した。得られた水性混合物を1Nの塩酸水溶液を用いて酸性化した。72時間放置した時点で固体沈殿物が形成されたが、これを、濾過により採集して、3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボン酸(31mg, 82%)を得た。
【0439】
Rf 0.10(19:1 ジクロロメタン:メタノール); MS m/z432(M+1)。
【0440】
実施例 (36) : 3-[2-( シクロペンチルアミノ )-4- ピリミジニル ]- N - シクロプロピル -2-(4- フルオロフェニル )-7- メチルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -6- カルボキサミド
【化87】
【0441】
塩化チオニル(200μL, 2.7mmol)を、前もって0℃に冷却しておいた3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボン酸(31mg, 0.072mmol)に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。余分の塩化チオニルを減圧下に除去した。残留物をジクロロメタン(300μL)に溶解させた溶液に、シクロプロピルアミン(50μL, 0.72mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、水でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。得られた二相混合物に飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。有機層を水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(3:2のヘキサン:酢酸エチルから2:3のヘキサン:酢酸エチル)により、3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキサミド(15mg, 44%)を淡黄色固体として得た。
【0442】
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.28(d, 1H), 8.05(d, 1H), 7.62(m, 2H), 7.30(d, 1H), 7.13(t, 2H), 6.29(d, 1H), 5.10(d, 1H), 4.30(m, 1H), 2.96(s, 3H), 2.94(m, 1H), 2.05(m, 2H), 1.76-1.50(m, 6H), 0.92(m, 2H), 0.66(m, 2H); MS m/z471(M+1)。
【0443】
実施例 (37) : N - ブチル -4-[7- ブチル -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化88】
【0444】
(a) 2-(6- クロロ -2- ピリジニル )-1-(4- フルオロフェニル ) エタノン
テトラヒドロフラン(311mL)中の6-クロロ-2-ピコリン(21.4mL, 196.0mmol)及び4-フルオロ安息香酸エチル(57.5mL, 391.2mmol)の冷溶液(0℃)に、均圧漏斗を用いて、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(391mL, テトラヒドロフラン中1.0M, 391.0mmol)を1時間かけて滴下して加えた。リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの添加が終了した時点で、冷浴を除去し、得られた溶液を15時間45℃に加熱した。得られた混合物を室温まで冷却し、水を添加してクエンチした。エーテルを添加して、有機層をブラインで洗浄した。水層をエーテルで抽出し、有機物を一緒にして硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮して固体残渣を得、これを、酢酸エチル-ヘキサンから再結晶させることにより精製して、2-(6-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(32.2g, 66%)を、ケト-エノール互変異性体混合物として存在している薄く色の付いたオフホワイトの固体として得た。
【0445】
1H-NMR(CDCl3):ケト互変異性体 δ 8.11(m, 2H), 7.66(t, 1H), 7.30-7.25(m 2 H), 7.17(t, 2H), 4.48(s 2 H); 19F-NMR(CDCl3)δ -104.72(ケト), -111.64(エノール); MS m/z250(M+1)。
【0446】
(b) 2-(6- クロロ -2- ピリジニル )-1-(4- フルオロフェニル ) エタノンオキシム
メタノール(900mL)中の2-(6-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(74.9g, 299.8mmol)の溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(104g, 1.49mol)を添加し、次いで、水酸化ナトリウム(600mL, 10%水溶液, 1.5mol)を添加した。得られた懸濁液を2時間加熱還流し、次いで、室温まで冷却した。得られた混合物を減圧下に濃縮し、残渣を取って、エーテルと水の中に入れた。有機層をブラインで洗浄し、水層をエーテルで抽出した。有機物を一緒にして、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮して固体残渣を得、これを、酢酸エチル-ヘキサンから再結晶させることにより精製して、2-(6-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム(67.9g, 86%)を白色固体として得た。
【0447】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.69(s, 1H), 7.71(dd, 2H), 7.53(t, 1H), 7.18-7.16(m, 2H), 7.03(t, 2H), 4.37(s, 2H); 19F-NMR(CDCl3)δ -111.77; MS m/z265(M+1)。
【0448】
(c) 7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン
1,2-ジメトキシエタン(500mL)中の2-(6-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム(109.2g, 414mmol)の溶液に、0℃で、無水トリフルオロ酢酸(59mL, 414mmol)を添加し、その際、温度は10℃未満に維持した。無水トリフルオロ酢酸の添加が終了した後、反応物を15℃に昇温させた。得られた溶液を、次いで、4℃まで冷却し、1,2-ジメトキシエタン(60mL)中のトリエチルアミン(116mL, 828mmol)の溶液を0.5時間かけて添加した。室温まで昇温させた後、得られた混合物を1.5時間撹拌した。これに、塩化鉄(II)(0.52g, 4.1mmol)を添加し、反応液を3時間加熱還流した。反応液を濃縮し、生じた固体を酢酸エチル-ヘキサンから再結晶させて、7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(69.7g, 68%)をオフホワイトの針状物として得た。
【0449】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.03(m, 2H), 7.54(d, 1H), 7.16(m, 3H), 6.93(d, 1H), 6.91(s, 1H); MS m/z247(M+1); mp 156-157℃。
【0450】
(d) 7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- カルバルデヒド
N,N-ジメチルホルムアミド(100mL)を0℃に冷却し、オキシ塩化リン(5.7mL, 60.8mmol)で処理した。オキシ塩化リンの添加が終了した後、得られた混合物を室温まで昇温させて1時間撹拌した。これに、7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン(10.0g, 40.5mmol)を添加し、得られた溶液を一晩撹拌した。水を添加し、次いで、ジクロロメタンを添加した。水層をジクロロメタンで抽出した。有機物を一緒にしてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をジエチルエーテル及びヘキサンから再結晶させて、7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(10.6g, 95%)を綿毛状の白色固体として得た。
【0451】
1H-NMR(CDCl3):δ 10.07(s, 1H), 8.37(d, 1H), 7.78(m, 2H), 7.48(t, 1H), 7.20(m, 3 H); 19F-NMR(CDCl3)δ -111.25; MS m/z275(M+1); C14H8ClFN2Oの分析 計算値:C, 61.22;H, 2.94;N, 10.20, 実測値:C, 61.34;H, 2.90;N, 10.15; mp 212-213℃(分解)。
【0452】
(e) 1-[7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- プロピン -1- オール
7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-カルバルデヒド(5.49g, 20.0mmol)と臭化エチニルマグネシウム(100mL, テトラヒドロフラン中0.5M, 50.0mmol)から0℃で、実施例(34)において記載した方法と同様の方法に付し、ジクロロメタンから再結晶させて、1-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(5.3g, 88%)を淡黄色の結晶質固体として得た。
【0453】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.04(d, 1H), 7.79(m, 2H), 7.20(m, 3H), 7.01(d, 1H), 5.77(m, 1H), 2.69(d, 1H), 2.32(d, 1H); MS m/z301(M+1)。
【0454】
(f) 1-[7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- プロピン -1- オン
実施例(34)において記載した方法と同様の方法により、1-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(5.30g, 17.6mmol)から、1-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(4.04g, 77%)を黄色固体として得た。
【0455】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.45(d, 1H), 7. 67(m, 2H), 7. 50(t, 1H), 7.19(d, 1H), 7.12(t, 2H), 2.93(s, 1H); MS m/z299(M+1)。
【0456】
(g) N - ブチル -4-[7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
実施例(34)において記載した方法と同様の方法により、1-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(0.50g, 1.7mmol)とN-ブチルグアニジンスルフェートとナトリウムエトキシド(0.81mL, エタノール中21wt%, 2.2mmol)から、室温において、N-ブチル-4-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(0.39g, 59%)を綿毛状の淡黄色固体として得た。
【0457】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.40(d, 1H), 8.07(d, 1H), 7.65(m, 2H), 7.29(m, 1H), 7.15(t, 2H), 7.06(d, 1H), 6.32(d, 1H), 5.16(bs, 1H), 3.49(q, 2H), 1.71-1.41(m, 4H), 0.99(t, 3H); 19F-NMR(CDCl3)δ -112.77; MS m/z396(M+1)。
【0458】
(h) N - ブチル -4-[7- ブチル -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
テトラヒドロフラン中の9-メトキシ-9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(1.1mL, ヘキサン中1.0M, 1.1mmol)の冷溶液(-78℃)に、n-ブチルリチウム(696μL, ヘキサン中1.6M, 1.1mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温まで昇温させた後、リン酸カリウム(371μL, 3.0M水溶液, 1.1mmol)を添加した。得られたボラン溶液を撹拌しながら、N,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)中のN-ブチル-4-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(44mg, 0.11mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(9mg, ジクロロメタンとの錯体, 0.011mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(4:1 ヘキサン:酢酸エチル)により、粗残渣を得た。この粗残渣をジオキサン(10mL)に溶解させた溶液に、飽和酢酸ナトリウム水溶液(1mL)と30%過酸化水素水溶液(1mL)を添加した。室温で2時間撹拌した後、得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(59:1 ジクロロメタン:メタノール)により、N-ブチル-4-[7-ブチル-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(7mg, 16%)を得た。
【0459】
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.29(d, 1H), 8.05(d, 1H), 7.66(m, 2H), 7.29(m, 1H), 7.14(t, 2H), 6.77(d, 1H), 6.33(d, 1H), 5.17(br, 1H), 3.49(m, 2H), 3.22(t, 2H), 1.87(m, 2H), 1.69-1.42(m, 6H), 1.02-0.97(m, 6H); MS m/z418(M+1)。
【0460】
エーテルに上記生成物を溶解させた溶液に、エーテル中の1M塩酸を添加し、沈澱した固体を単離して、対応する塩酸塩を淡黄色固体として得た。
【0461】
実施例 (38) : N - ブチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7- メチルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化89】
【0462】
テトラヒドロフラン(1mL)中のN-ブチル-4-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(80mg, 0.20mmol)の溶液に、ジメチル亜鉛(304μL, トルエン中2.0M, 0.60mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(23mg, 0.02mmol)を添加した。反応混合物を60℃で16時間加熱し、冷却し、次いで、氷水でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン:酢酸エチル)により、N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(24mg, 32%)を黄色固体として得た。
【0463】
Rf 0.33(2:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.32(d, 1H), 8.04(d, 1H), 7.64(m, 2H), 7.27(m, 1H), 7.13(t, 2H), 6.77(d, 1H), 6.31(d, 1H), 5.17(br, 1H), 3.48(m, 2H), 2.80(s, 3H), 1.65(m, 2H), 1.45(m, 2H), 0.97(t, 3H); MS m/z376(M+1)。
【0464】
実施例 (39) : N - ブチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7- オクチルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化90】
【0465】
9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン二量体(32mg, 0.13mmol)とテトラヒドロフランの混合物を室温で2時間撹拌した。得られた溶液に1-オクテン(38μL, 0.24mmol)を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。リン酸カリウム(169μL, 3M水溶液, 0.507mmol)を添加し、反応液を15分間撹拌した。得られたボラン溶液に、N,N-ジメチルホルムアミド中のN-ブチル-4-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(80mg, 0.20mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(8mg, 0.01mmol)の溶液を添加し、18時間撹拌した。別のフラスコで、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン二量体(32mg, 0.13mmol)をテトラヒドロフランと一緒に2時間撹拌し、これに、1-オクテン(38μL, 0.24mmol)を添加し、4時間撹拌した。リン酸カリウム(169μL, 3M水溶液, 0.507mmol)を添加し、得られた溶液を15分間撹拌した。この新たに調製したボラン溶液を最初の反応混合物に添加した。[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(8mg, 0.01mmol)をさらに添加し、反応混合物を室温で24時間撹拌し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水及びブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過し、濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(39:1 ジクロロメタン:メタノール)により、N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-オクチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(8mg, 8%)を得た。
【0466】
1H-NMR(300MHz, CD3OD)δ 8.80-8.55(br, 1H), 7.84(br, 1H), 7.71-7.65(m, 3H), 7.35(t, 2H), 7.17(d, 1H), 6.55(br, 1H), 3.32(m, 2H), 3.26(t, 2H), 1.90(m, 2H), 1.75(m, 2H), 1.54-1.25(m, 12H), 1.03(t, 3H), 0.89(t, 3H); MS m/z474(M+1)。
【0467】
実施例 (40) : N - シクロプロピル -4-[7- エチル -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
【化91】
【0468】
(a) 4-[7- クロロ -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]- N - シクロプロピル -2- ピリミジンアミン
実施例(37)において記載した方法と同様の方法により、1-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(2.65g, 8.9mmol)と硫酸N-シクロプロピルグアニジン(2.27g, 11.5mmol)から、4-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロプロピル-2-ピリミジンアミン(1.59g, 47%)を黄色固体として調製した。
【0469】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.66(m, 1H), 8.03(m, 1H), 7.66(m, 2H), 7.35(t, 1H), 7.18(m, 3H), 6.40(d, 1H), 6.06(broad, 1H), 2.90(m, 1H), 0.91(m, 2H), 0.70(m, 2H); 19F-NMR(CDCl3)δ -112.22; MS m/z380(M+1)。
【0470】
(b) N - シクロプロピル -4-[7- エチル -2-(4- フルオロフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]-2- ピリミジンアミン
実施例(38)において記載した方法と同様の方法により、4-[7-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロプロピル-2-ピリミジンアミン(100mg, 0.26mmol)とジエチル亜鉛から、N-シクロプロピル-4-[7-エチル-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(51.6mg, 52%)をオフホワイトの固体として調製した。
【0471】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.51(m, 1H), 7.99(m, 1H), 7.63(m, 2H), 7.35(m, 1H), 7.16(t, 2H), 6.82(d, 1H), 6.37(d, 1H), 3.25(q, 2H), 2.87(m, 1H), 1.45(t, 3H), 0.88(m, 2H), 0.67(m, 2H); 19F-NMR(CDCl3)δ -113.32; MS m/z374(M+1)。
【0472】
実施例 (41) : 4-[7- ブトキシ -2-(4- メトキシフェニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]- N - シクロペンチル -2- ピリミジンアミン
【化92】
【0473】
上記実施例において記載した方法と同様の方法により標題化合物を調製して、黄色固体を得た。
【0474】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.08(d, 1H), 8.02(d, 1H), 7.59(d, 2H), 7.30(m, 1H), 6.97(d, 2H), 6.34(d, 1H), 6.23(d, 1H), 5.13(d, 1H), 4.41-4.34(m, 3H), 3.87(s, 3H), 2.10(m, 2H), 1.99(m, 2H), 1.80-1.54(m, 8H), 1.02(t, 3H); MS m/z458(M+1)。
【0475】
実施例 (42) : 4-[5- クロロ -2-(3- クロロフェニル )-7-( メチルスルファニル ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ]- N - シクロペンチル -2- ピリミジンアミン
【化93】
【0476】
上記実施例において記載した方法と同様の方法により標題化合物を調製して、黄色固体を得た。
【0477】
Rf 0.23(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H-NMR(CDCl3)δ 8.37(s, 1H), 8.02(d, 1H), 7.70(s, 1H), 7.50(d, 1H), 7.45-7.33(m, 2H), 6.61(s, 1H), 6.29(d, 1H), 5.20(d, 1H), 4.36(m, 1H), 2.65(s, 3H), 2.15(m, 2H), 1.84-1.52(m, 6H); MS m/z470(M+1)。
【0478】
実施例 (43) : N - シクロペンチル -6-[2-(4- フルオロフェニル )-7-( メチルチオ ) ピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ] ピリミジン -4- アミン
【化94】
【0479】
上記実施例において記載した方法と同様の方法により標題化合物を調製して、桃色固体を得た。
【0480】
1H-NMR(CDCl3)δ 8.60(s, 1H), 8.26(d, 1H), 7.86(m, 2H), 7.32(t, 1H), 7.15(t, 2H), 6.70(d, 1H), 6.08(s, 1H), 4.95(br, 1H), 3.58(br, 1H), 2.65(s, 3H), 1.85-1.50(m, 6H), 1.38-1.22(m, 2H); MS m/z420(M+1)。
【0481】
実施例 (44) : N - シクロペンチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7-( メチルチオ )-5- モルホリン -4- イルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ] ピリミジン -2- アミン
【化95】
【0482】
上記実施例において記載した方法と同様の方法により、標題化合物を固体として調製した。
【0483】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.01(d, 1H), 7.64(m, 3H), 7.15(t, 2H), 6.45(d, 1H), 6.26(d, 1H), 5.17(d, 1H), 4.46(m, 1H), 3.93(m, 4H), 3.33(m, 4H), 2.66(s, 3H), 2.1-1.5(m, 8H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.5; MS m/z505(M+1)。
【0484】
実施例 (45) : N - シクロペンチル -4-[2-(4- フルオロフェニル )-7-( イソプロピルチオ )-5- モルホリン -4- イルピラゾロ [1,5- α ] ピリジン -3- イル ] ピリミジン -2- アミン
【化96】
【0485】
上記実施例において記載した方法と同様の方法により、標題化合物を固体として調製した。
【0486】
1H-NMR(CDCl3):δ 8.01(d, 1H), 7.66(m, 3H), 7.15(t, 2H), 6.71(d, 1H), 6.27(d, 1H), 5.21(d, 1H), 4.44(m, 1H), 3.93(m, 4H), 3.31(m, 4H), 2.1-1.5(m, 9H), 1.44(d, 6H); 19F-NMR(CDCl3):δ -113.6; MS m/z534(M+1)。
【0487】
実施例 (46)-(179)
実施例(1)〜実施例(45)に関して上記で記載した技術を用いて、以下に記載したさらなる化合物を調製した。ここで、Example No.は実施例番号、Structureは構造である。
【化97】
【0488】
【0489】
【0490】
【0491】
【0492】
【0493】
【0494】
【0495】
【0496】
【0497】
【0498】
【0499】
【0500】
【0501】
実施例 (180) : 生物活性
以下の実施例において、「MEM」は最小必須培地(Minimal Essential Media)を意味し;「FBS」はウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum)を意味し;「NP40」及び「Igepal」は界面活性剤(detergents)であり;「MOI」は感染多重度(Multiplicity of Infection)を意味し;「NaOH」は水酸化ナトリウムを意味し;「MgCl2」は塩化マグネシウムを意味し;「dATP」はデオキシアデノシン5’-三リン酸を意味し;「dUTP」はデオキシウリジン5’-三リン酸を意味し;「dCTP」はデオキシシチジン5’-三リン酸を意味し;「dGTP」はデオキシグアノシン5’-三リン酸を意味し;「GuSCN」はグアニジニウムチオシアネートを意味し;「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を意味し;「TE」はトリス-EDTAを意味し;「SCC」は塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウムを意味し;「APE」は酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、EDTAの溶液を意味し;「PBS」はリン酸緩衝生理食塩水を意味し;及び、「HRP」は西洋ワサビペルオキシダーゼを意味する。
【0502】
(a) 組織培養及び HSV 感染
ベロ76細胞を、Earle’s Salts、L-グルタミン、8% FBS(Hyclone、A-1111-L)及び100単位/mLのペニシリン-100μg/mLのストレプトマイシンを加えてあるMEM中で維持した。アッセイ条件用に、FBSを2%まで低減した。細胞を、HSV-1又はHSV-2(MOI=0.001)の存在下に37℃で45分間インキュベーションした後、5×104細胞/ウェルの密度で96-ウェル組織培養プレートに播種した。前記ウェルに試験化合物を加え、前記プレートを37℃で40〜48時間インキュベーションした。細胞溶解物を以下に示すように調製した:培地を除去し、1% Igepal CA 630又はNP-40を加えてある150μL/ウェルの0.2N NaOHで置き換えた。蒸発を防止するために、加湿したチャンバー内で、プレートを室温で最長14日までインキュベーションした。
【0503】
(b) 検出 DNA の調製
検出プローブのために、HSV UL-15配列の、ゲル精製し、ジゴキシゲニンで標識した710塩基対PCRフラグメントを用いた。PCR条件には、0.5μM プライマー、180μM dTTP、20μM dUTP-ジゴキシゲニン(Boehringer Mannheim 1558706)、200μM dATP、200μM dCTP、200μM dGTP、1X PCR Buffer II(Perkin Elmer)、2.5mM MgCl2、0.025単位/μL AmpliTaq Gold ポリメラーゼ(Perkin Elmer)、及び、100μL当たり5ngのゲル精製HSV DNAが含まれていた。伸張条件は、95℃で10分間、次いで、95℃で1分間、55℃で30秒間、及び、72℃で2分間、を30サイクルであった。増幅は、72℃での10分間のインキュベーションで完了した。プライマーは、HSV1 UL15 オープンリーディングフレーム(ヌクレオチド 249-977)の切片をスパニングする278塩基対のプローブを増幅するために選択した。一本鎖転写物をPromega M13 Wizard キットを用いて精製した。最終的な生成物は、6M GuSCN、100mM EDTA及び200μg/mL ニシン精子DNAの混合物と1:1で混合して、4℃で保存した。
【0504】
(c) キャプチャープレート (capture plates) の調製
キャプチャーDNAプラスミド(pUC中のHSV UL13 部位)を、Xba-Iで切断して線状化し、95℃で15分間変性させ、直後に、Reacti-Bind DNA Coating Solution(Pierce, 17250, TEバッファー、pH8で1:1稀釈)中に、1ng/μLで稀釈した。75μL/ウェルをCorning(No.3922 又は 9690)白色96-ウェルプレートに添加し、室温で4時間以上インキュベーションした後、300μL/ウェルの0.2X SSC/0.05% Tween-20(SSC/Tバッファー)で2回洗浄した。次いで、前記プレートを、150μL/ウェルの0.2N NaOH、1% IGEPAL及び10μg/mL ニシン精子DNAと一緒に室温で一晩インキュベーションした。
【0505】
(d) ハイブリダイゼーション
27μLの細胞溶解物を45μLのハイブリダイゼーション溶液(最終濃度:3M GuSCN, 50mM EDTA, 100μg/mL サケ精子DNA, 5X Denhardt’s 溶液, 0.25X APE, 及び 5ngのジゴキシゲニン標識検出プローブ)と合わせた。APEは、1.5M NH4-酢酸、0.15M 一塩基リン酸アンモニウム及び5mM EDTA をpH6.0に調節したものである。鉱油(50μL)を添加して、蒸発を防止した。ハイブリダイゼーションプレートを95℃で10分間インキュベーションしてDNAを変性させ、次いで、42℃で一晩インキュベーションした。ウェルを300μL/ウェルのSSC/Tバッファーで6回洗浄した後、室温で30分間、75μL/ウェルの抗-ジゴキシゲニン-HRP-コンジュゲート抗体(Boehringer Mannheim 1207733, TE中1:5000)と一緒にインキュベーションした。ウェルを、300μL/ウェルのPBS/0.05% Tween-20で6回洗浄した後、75μL/ウェルのSuperSignal LBA 基質(Pierce)を添加した。プレートを室温で30分間インキュベーションし、Wallac Victor リーダーで化学発光を測定した。
【0506】
(e) 結果
HSV-1に関して、以下の結果が得られた。ここで、Example No.は実施例番号である。
【表1】
【0507】
【0508】
上記結果は、本発明化合物がヘルペスウイルス感染症の治療及び予防に有用であることを示している。
Claims (30)
- 式(I):
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-R10OC(O)R9、-R10OC(O)Ay、-R10OC(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-R10OS(O)nR9、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、シアノ、アジド及びニトロからなる群から選択され;
R7とR8の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-OR9、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR9R11、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2NR9R11、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-SO2R10、-R10SO2R10、-R10NHCOR9及び-R10SO2NHCOR9からなる群から独立して選択され;
R9とR11の各々は、同一であるか又は異なっていて、H、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[ここで、wは1〜10である]及び-R10NR10R10からなる群から独立して選択され;
各R10は、同一であるか又は異なっていて、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル及びアルキニルからなる群から独立して選択され;
Ayはアリールであり;
Hetは、5員又は6員の、ヘテロ環式基又はヘテロアリール基であり;
nは、0、1又は2であり;
R2は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;
YはN又はCHであり;
R3とR4は、同一であるか又は異なっていて、各々、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-OR7、-OAy、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8、-NR7Ay、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から独立して選択され;
qは、0、1、2、3、4又は5であり;
各R5は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、-NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-NR7R8、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR5基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキル又はアリールを形成しており;
pは、0、1、2又は3であり;
及び、
各R6は、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10Ay、-R10Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-OR10Ay、-OR10Het、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-C(O)R9、-C(O)Ay、-C(O)Het、-CO2R9、-R10CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-R10C(NH)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、-R10SO2R9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択されるか;又は、隣接する2つのR6基は、それらが結合している原子と一緒にC5-6シクロアルキルを形成しているか又は1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロ環式基を形成しているが;
ここで、YがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない]
で表される化合物、並びに、その製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体。 - R1が、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-OR7、-OAy、-R10OR9、-R10NR7R8、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-S(O)2NR7R8、-S(O)nR9、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
- R1が、アルキル、-OR7、-C(O)NR7R8及び-S(O)nR9からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
- R2が、-NR7R8、-OR7、-S(O)nR9、Het、-NHHet及び-NHR10Hetからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
- R2が-NR7R8又はHetである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
- YがNである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
- YがCHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
- R3とR4が、同一であるか又は異なっていて、各々、H、ハロ、アルキル、Ay、-OR7、-R10OR7、-NR7R8、-R10NR7R8及び-CO2R7からなる群から独立して選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
- R3とR4が共にHである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
- qが0、1又は2である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
- 各R5が、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、アルケニル、Ay、-OR7、-OAy、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、Het、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-S(O)2NR7R8、シアノ、ニトロ及びアジドからなる群から独立して選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
- 各R5が、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、-OR7、-NR7R8及びシアノからなる群から独立して選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
- pが0又は1である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
- 各R6が、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-R10OR9、-R10NR7R8、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR9R11、-S(O)2NR7R8、-R10SO2NHCOR9、-S(O)nR9、シアノ、アジド及びニトロからなる群から独立して選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
- 各R6が、同一であるか又は異なっていて、ハロ、アルキル、Het、-OR7、-C(O)NR7R8、-S(O)2NR7R8、-S(O)nR9及びシアノからなる群から独立して選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
- 2-(4-フルオロフェニル)-7-メチル-3-(4-ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルチオ-3-(4-ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルスルフィニル-3-(4-ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
N-ブチル-4-[7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-ベンジル-4-[7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-ベンジル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-シクロプロピル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-シクロヘキシル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
3-(4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジニルアミノ)-1-プロパノール;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルオキシ)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-フェニルオキシ)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ))ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(エチルスルフィニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルチオ)ピリミジニル)-7-(エチルチオ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
ジメチル 2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-シクロプロピルアミノ)ピリミジニル)-7-ピラゾロ[1,5-α]ピリジニルカルボキサミド;
7-(2-フルオロエトキシ)-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-(2-メチルスルフィニル)ピリミジニル)-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-7-メチル-3-(4-ピリジニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-3-(4-ピリジニル)ピラゾロ[1,5-α]-ピリジン;
2-(4-フルオロフェニル)-3-(2-フルオロ-4-ピリジニル)-7-メトキシピラゾロ[1,5-α]ピリジン;
N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-メトキシピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリジンアミン;
N-{4-[5-クロロ-7-(エチルスルファニル)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジニル}-N-シクロペンチルアミン;
エチル 3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキシレート;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボン酸;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-シクロプロピル-2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-6-カルボキサミド;
N-ブチル-4-[7-ブチル-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-メチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-ブチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-オクチルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
N-シクロプロピル-4-[7-エチル-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン;
4-[7-ブトキシ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン;
4-[5-クロロ-2-(3-クロロフェニル)-7-(メチルスルファニル)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン;
N-シクロペンチル-6-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(メチルチオ)ピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]ピリミジン-4-アミン;
N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(メチルチオ)-5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]ピリミジン-2-アミン;
及び、
N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-7-(イソプロピルチオ)-5-モルホリン-4-イルピラゾロ[1,5-α]ピリジン-3-イル]ピリミジン-2-アミン;
からなる群から選択される化合物、並びに、その製薬上許容される塩、溶媒和物及び生理学的に機能的な誘導体。 - 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物を含んでなる、医薬組成物。
- さらに、製薬上許容される担体又は希釈剤を含有する、請求項17に記載の医薬組成物。
- さらに、アシクロビル及びバラシクロビルからなる群から選択される抗ウイルス薬を含有する、請求項17又は18に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物(ここで、前記式中の、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3はHであり;及び、R4はHである)を調製する方法であって、
(a) 式(IX):
で表される化合物を、式(X):
(b) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ;
を含んでなる、前記方法。 - 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物(ここで、前記式中の、YはNであり;R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択され;R3は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、-R10OR7、-R10OAy、-NR7R8(ここで、R7とR8はHではない)、-NR7Ay(ここで、R7はHではない)、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9及びHetからなる群から選択され;及び、R4はHである)を調製する方法であって、
(a) 式(XV):
で表される化合物を、式(X):
(b) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ;
を含んでなる、前記方法。 - 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物(ここで、前記式中の、YはNであり;及び、R2は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-NR7R8、Ay、-NHR10Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OHet及び-OR10Hetからなる群から選択される)を調製する方法であって、
(a) 式(XVIII):
で表される化合物を、式(X):
(b) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ;
を含んでなる、前記方法。 - 請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
(a) 式(XIX):
で表される化合物を、式(XX):
で表される化合物と反応させて、式(XI):
(b) R1aがH又はハロである場合は、得られた式(XI)の化合物を式(I)の化合物に変換するステップ;
を含んでなる、前記方法。 - 式(XI)の化合物をその製薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体に変換するステップをさらに含む、請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
- 式(XI)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を、式(XI)の別の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体に変換するステップをさらに含む、請求項20〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 式(I)の化合物をその製薬上許容される塩、溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体に変換するステップをさらに含む、請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
- 式(I)の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体を、式(I)の別の化合物又はその製薬上許容される塩、溶媒和物若しくは生理学的に機能的な誘導体に変換するステップをさらに含む、請求項20〜26のいずれか1項に記載の方法。
- 治療で使用するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
- 動物におけるヘルペスウイルス感染症の予防又は治療で使用するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
- 動物におけるヘルペスウイルス感染症に関連する病状又は疾患の予防又は治療で使用するための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
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