JP4219171B2 - 抗ウイルス性ピラゾロピリジン化合物 - Google Patents

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Description

本発明は新規な化合物、この化合物を含んでなる医薬製剤、ならびにこの化合物の治療における使用に関する。さらに詳しくは、本発明はヘルペスウイルス感染の予防および治療用の化合物に関する。
DNAウイルスの中で、ヘルペス族のウイルスが、ヒトで最も多く発症しているウイルス性疾患の原因病原体である。この族には単純ヘルペスウイルス1型および2型(HSV1および2)、水疱瘡ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バー[Epstein-Barr]ウイルス(EBV)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)、およびヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)が含まれる。HSV-1およびHSV-2が、ヒトの、最もよく見られる感染病原体のひとつである。これらのウイルスの多くは宿主の神経細胞内で生存し続けることができ、ひとたび感染すると、感染した個体は、感染疾患症状の再発のリスクに曝され、これは肉体的にも精神的にも苦痛なものである。
単純ヘルペスウイルス(HSV-1および-2)は口唇ヘルペスおよび陰部ヘルペスの原因病原体である。HSV感染は多くの場合皮膚、口、および/または陰部の広範囲にわたる消耗性の病変によって特徴づけられる。初感染は症状を示さないこともあるが、以前にそのウイルスに曝されたことのある個体の感染よりも重症になる傾向がある。HSVが眼に感染すると角膜炎または白内障になることがあり、患者の視力が脅かされる。新生児における感染、免疫不全患者における感染、あるいは感染の中枢神経系への侵入、は致命的となり得る。米国のみで四千万人がHSV-2に感染しており、この数は2007年までには六千万人に増えると予測されている。HSV-2に感染している人のうち80%を越える人が自分はウイルスに感染しまたそれをばら撒いていることを知らず、HSV-2ウイルスに感染していると診断された者のうちの20%未満が経口治療を受けている。最終結果としては感染人口の5%未満が治療を受けている。同様に世界中では5億3千万人がHSV-1を保有し、このうちの症状を示している人口の81%が治療を受けないでいる。HSV感染には治療法はなく、一旦感染すると、そのウイルスを生涯休眠状態で保有することになる。潜伏期からのウイルスの再活性化は周期的に起こり、ストレス、環境要因、および/または宿主免疫系の低下により引き起こされる。現在のところバラシクロビル(VALTREX(登録商標))およびアシクロビル(ZOVIRAX(登録商標))などのヌクレオシド類似物を用いるのが、大発生している陰部ヘルペスウイルスを管理するための標準的な治療法である。
水疱瘡ウイルス(VZV)(帯状ヘルペスウイルスとも呼ばれる)は、水痘および帯状疱疹を引き起こすヘルペスウイルスである。水痘は免疫のない宿主が罹る一次疾患であり、幼児では通常水疱疹および熱によって特徴づけられる軽度の病気である。水疱瘡または帯状疱疹は、以前にVZVに感染したことのある成人で起る、この病気の再発症状である。帯状疱疹の臨床症状は、神経痛および、分布が片側性でありまた皮膚性である水胞性皮膚発疹、により特徴づけられる。炎症の広がりは麻痺状態または引き付けを起すことがある。髄膜が冒されると昏睡が起り得る。VZVは、移植目的であるいは悪性新生物の治療で免疫抑制薬を受けている患者では深刻な問題であり、またAIDS患者では患者の免疫系障害のため深刻な合併症になる。
他のヘルペスウイルスと同様に、CMVに感染するとウイルスと宿主は一生の付き合いとなる。妊娠中の母親の感染により起る生まれつきの感染では、死産または重症(小頭症、肝脾腫大症、黄疸、精神遅滞)、失明を引き起こす網膜炎、あるいは、軽度の症状では、成長障害、ならびに胸部および耳の感染に罹りやすいなどの臨床結果が多くなる可能性がある。例えば、悪性腫瘍、移植の後の免疫抑制薬による治療、あるいはヒト免疫不全ウイルスへの感染、の結果として免疫不全となった患者のCMV感染では、網膜炎、肺炎、胃腸疾患、および神経疾患が多くなる可能性がある。CMP感染は、再狭窄やアテローム性動脈硬化症などの心臓血管疾患および病状とも関係している。
EBVによって引き起こされる主な疾患は急性または慢性の伝染性単核細胞症(腺熱)である。他のEBVまたはEBV関連疾患としては、先天性または後天性細胞免疫欠陥のある人にしばしば起るリンパ増殖性疾患、主に若年の少年に起るX染色体連鎖リンパ増殖性疾患、EBV-関連B-細胞腫瘍、ホジキン病、鼻咽腔悪性腫瘍、バーキットリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、胸腺リンパ腫および口腔毛髪状白斑が挙げられる。EBV感染は、肺も含めた上部および下部呼吸器気道の、各種上皮細胞由来の腫瘍と関連していることも明らかにされている。EBV感染は、慢性疲労症候群、多発性硬化症、およびアルツハイマー病などの他の疾患および病状とも関連していることが明らかにされている。
HHV-6は、子供の乳児発疹、ならびに腎臓移植患者および骨髄移植患者におけるそれぞれ腎臓拒絶反応および間質性肺炎の原因因子であることが明らかになっており、また多発性硬化症などの他の疾患とも関係している可能性がある。また骨髄移植患者における幹細胞数減少の証拠もある。HHV-7は原因論的には疾患が未確定である。
B型肝炎ウイルス(HBV)は世界的規模において極めて重要なウイルス病原体である。このウイルスは原因論的には一次肝細胞癌と関係しており、世界の肝臓癌の80%を引き起こしていると考えられている。HBV感染の臨床症状は頭痛、発熱、倦怠感、悪心、嘔吐、食欲不振および腹痛である。このウイルスの複製は通常免疫応答によって抑制され、回復の過程がヒトでは何週間もあるいは何ヶ月間も続くが、感染がさらにひどくなることがあり、その場合上記で概説したなかなか治らない慢性肝臓疾患になることがある。
本発明の第1の態様では、式(I):
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり:
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNまたはCHである;
R3およびR4は同じであるかまたは異なっており、そしてH、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から独立に選択される;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
pは1、2または3であり;且つ
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子をもつ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
ここで少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;そして
YがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない;
]の化合物ならびにそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物、および生理学的に機能する誘導体が提供される。
別の態様では、本発明は式(I)の化合物を含んでなる医薬組成物を提供する。1つの実施形態では、この医薬組成物は医薬的に許容される担体または希釈剤をさらに含んでなる。1つの実施形態では、この医薬組成物はアシクロビルおよびバラシクロビルからなる群から選択される抗ウイルス薬をさらに含んでなる。
第3の態様では本発明は、動物におけるヘルペスウイルス感染の予防または治療方法を提供する。この方法は、該動物に式(I)の化合物またはそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能する誘導体の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。上記ヘルペスウイルス感染は単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、水疱瘡ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス7型、またはヒトヘルペスウイルス8型であってよい。
第4の態様では本発明は、動物におけるヘルペスウイルス感染と関係する病状または疾患の予防または治療方法を提供する。この方法は、該動物に式(I)の化合物またはそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能する誘導体の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。
第5の態様では本発明は、YがNであり、R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そしてR3およびR4がHである式(I)の化合物の調製方法を提供し、該方法は、式(IX):
Figure 0004219171
[式中少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される]の化合物を、式(X):
Figure 0004219171
のアミンと反応させることを含んでなる。
第6の態様では本発明は式(I)の化合物の調製方法を提供する。その方法は以下の工程:
(a) 式(XXXII)
Figure 0004219171
[式中p'は0、1または2である]の化合物をt-ブタノール中のジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(I-X)
Figure 0004219171
の化合物を得る工程;
(b) 場合によっては式(I-X)の化合物を開裂させて式(I-Y)
Figure 0004219171
の化合物を得る工程;および
(c) 場合によってはクロスカップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化およびスルホニル化からなる群から選択される条件で式(I-Y)の化合物を式(I-Z)
Figure 0004219171
[式中R6xは-NR7R8[式中R7およびR8はいずれもHであることはない]、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される]の化合物に変換させる工程;
を有してなる。
第7の態様では本発明は、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R3がH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R4がHであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物の調製方法を提供し、該方法は以下の工程:
a) 式(XVI):
Figure 0004219171
[式中:
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合する原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子をもつ5または6員へテロ環基を形成しており;
ここで少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される]の化合物を式(X):
Figure 0004219171
のアミンと反応させて式(XVII)
Figure 0004219171
[式中少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される]の化合物を調製する工程;および
b) R6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayまたは-NHR10Hetではない実施形態では、式(XVII)の化合物のR6ハロを、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換して式(I)の化合物を調製する工程;
を有してなる。
別の実施形態では本発明は、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物の調製方法を提供する。この方法は以下の工程:
a) 式(XX)
Figure 0004219171
[式中:
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員へテロ環基を形成しており;
ここで少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される]の化合物を式(X):
Figure 0004219171
のアミンと反応させて中間体化合物を調製する工程;
b) 該中間体化合物を酸化して式(XVII):
Figure 0004219171
[式中少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される]の化合物を調製する工程;および
c) R6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayまたは-NHR10Hetではない実施形態では、式(XVII)の化合物のR6ハロを、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換して式(I)の化合物を調製する工程;
を有してなる。
別の態様では本発明は、少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物の調製方法を提供する。この方法は以下の工程:
a) 式(XXII):
Figure 0004219171
[式中:
R6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環基を形成しており;
ここで少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;そして
X1はクロロ、ブロモまたはヨードである]の化合物を、式(XXIV):
Figure 0004219171
[式中M2は-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハロゲン化合物、ZnRa,およびMg-ハロゲン化合物[式中Raはアルキルまたはシクロアルキルであり、ハロゲン化合物はハロである]からなる群から選択される]の化合物と反応させて式(XVII):
Figure 0004219171
[式中少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される]の化合物を調製する工程;および
b) R6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayまたは-NHR10Hetではない実施形態では、式(XVII)の化合物のR6ハロを、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換して式(I)の化合物を調製する工程;
を有してなることを特徴とする。
別の態様では本発明は放射線標識をした式(I)の化合物またはそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能する誘導体を提供する。1つの実施形態ではこの放射線標識をした化合物はトリチウム化したものである。別の態様では本発明はビオチン化された式(I)の化合物またはそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能する誘導体を提供する。
別の態様では本発明は治療で使用するための式(I)の化合物を提供する。本発明はまた動物におけるヘルペスウイルス感染予防用または治療用の式(I)の化合物を提供する。本発明はまた動物におけるヘルペスウイルス感染と関係する病状または疾患の予防用または治療用の式(I)の化合物を提供する。
別の態様では本発明は、動物、好ましくはヒトにおけるヘルペスウイルス感染の予防用または治療用医薬の製造のための式(I)の化合物の使用を提供する。本発明はまた、動物、好ましくはヒトにおけるヘルペスウイルス感染と関係する病状または疾患の予防用または治療用医薬の製造のための式(I)の化合物の使用を提供する。
別の態様では本発明は、動物におけるヘルペスウイルス感染予防用または治療用の式(I)の化合物を含んでなる医薬組成物を提供する。
本明細書で用いる場合、「本発明の化合物」または「式(I)の化合物」とは、式(I)の化合物またはそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能する誘導体を意味する。同様に、例えば式(IX)、(XXXII)、(XVI)、(XVII)、(XX)、(XXII)、(XXX)、(XXXI)および(XXXII)の化合物などの分離可能な中間体に関しては、表現「式( )の化合物」とは、その化学式を有している化合物ならびにそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能する誘導体を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「アルキル」(およびアルキレン)とは1〜8個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を意味する。本明細書で用いる場合「アルキル」の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、イソブチル、イソプロピル、およびt-ブチルが挙げられる。本明細書で用いる場合「アルキレン」の例としては、限定するものではないが、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびイソブチレンが挙げられる。「アルキル」はまた置換アルキルも包含する。アルキル基は場合によっては、メルカプト、ニトロ、シアノおよびハロからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。トリフルオロメチルなどのペルハロアルキルは1つの好ましいアルキル基である。
本明細書で用いる場合用語「シクロアルキル」とは、3〜8個の炭素原子を持ち且つ炭素-炭素二重結合を持たない非芳香族炭素環を意味する。「シクロアルキル」としては例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。「シクロアルキル」はまた置換シクロアルキルも包含する。シクロアルキルは場合によっては置換可能な炭素において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ、およびアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる場合用語「アルケニル」(およびアルケニレン)とは、2〜8個の炭素原子を持ち且つ少なくとも1つそして最高3つまでの炭素-炭素二重結合を持つ直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を意味する。本明細書で用いる場合「アルケニル」の例としては、限定するものではないが、エテニルおよびプロペニルが挙げられる。「アルケニル」はまた置換アルケニルも包含する。アルケニル基は場合によっては置換可能な炭素において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ、およびアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる場合用語「シクロアルケニル」とは、3〜8個の炭素原子(特に特定しない限りにおいて)を持ち且つ最高3つまでの炭素-炭素二重結合を持つ非芳香族炭素環を意味する。「シクロアルケニル」としては例えばシクロブテニル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。「シクロアルケニル」はまた置換シクロアルケニルも包含する。シクロアルケニルは場合によっては置換可能な炭素において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ、およびアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。
本明細書で用いる場合用語「アルキニル」(およびアルキニレン)とは、2〜8個の炭素原子を持ち且つ少なくとも1つそして最高3つまでの炭素-炭素三重結合を持つ直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を意味する。本明細書で用いる場合「アルキニル」の例としては、限定するものではないが、エチニルおよびプロピニルが挙げられる。「アルキニル」はまた置換アルキニルも包含する。アルキニル基は場合によっては置換可能な炭素において、メルカプト、ニトロ、シアノ、ハロ、およびアルキルからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。
用語「ハロ」または「ハロゲン」とは元素フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
用語「アリール」とは、5〜12個の炭素原子を持ち且つ少なくとも1つの芳香族環を持つ単環式炭素環基および縮合二環式炭素環基を意味する。特定のアリール基の例としては、限定するものではないが、フェニルおよびナフチルが挙げられる。「アリール」はまた置換アリールも包含する。アリール基は場合によっては置換可能な炭素において、ハロ、アルキル(ペルハロアルキルを含む)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、メルカプト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、Het、アミジン、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。本発明で好ましいアリール基としては、限定するものではないが、フェニルおよび置換フェニルが挙げられる。
用語「ヘテロ環式」(または「ヘテロ環」)とは、特定の員数を有し且つN、OおよびSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を持つ単環式飽和または不飽和非芳香族基および縮合二環式非芳香族基を意味する。特定のヘテロ環式基の例としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピラン、オキセタン、チエタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキサラン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリミジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、チアゾリジン、オキサゾリジン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェンなどが挙げられる。「ヘテロ環式」はまた置換ヘテロ環式も包含する。ヘテロ環式基は置換可能な炭素またはヘテロ原子において、ハロ、アルキル(ペルハロアルキルを含む)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、メルカプト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、Het、アミジン、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。本発明で好ましいヘテロ環式基としては、限定するものではないが、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリンおよびピペラジンならびにこれらの置換変形体が挙げられる。
用語「ヘテロアリール」とは、特定の員数(全炭素およびヘテロ原子)を有し且つN、OおよびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を持つ芳香族単環基および、少なくとも1つの環が芳香族である芳香族縮合二環式基を意味する。特定のヘテロアリール基の例としては、限定するものではないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、およびインダゾールが挙げられる。「ヘテロアリール」はまた置換へテロアリールも包含する。ヘテロアリール基は場合によっては置換可能な炭素またはヘテロ原子において、ハロ、アルキル(ペルハロアルキルを含む)、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、メルカプト、ヒドロキシ、アルキルヒドロキシ、アルキルアミン、シクロアルキルアミン、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、Het、アミジン、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。本発明で好ましいヘテロアリール基としては、限定するものではないが、ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、およびピリミジン、ならびにこれらの置換変形体が挙げられる。
ヘテロ環式基およびヘテロアリール基との関連における用語「員」およびそれの変形体(例えば、「員数」)とは、環を形成する全原子、すなわち炭素およびヘテロ原子N、Oおよび/またはSを意味する。つまり、6員へテロ環の1つの例がピペリジンであり、6員へテロアリール環の1つの例がピリジンである。
本明細書で用いる場合用語「場合によっては」とは、そのあとに記載される事象が起るかも知れないしまた起らないかも知れないことを意味し、起る事象および起こらない事象の両方を含む。
本発明は、式(I):
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり:
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNまたはCHである;
R3およびR4は同じであるかまたは異なっており、そしてH、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から独立に選択される;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
pは1、2または3である;および
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子をもつ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
ここで少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;そして
YがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない;
]の化合物ならびにそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物、および生理学的に機能する誘導体を提供するものである。
1つの好ましい式(I)の化合物類では、YはCHである。別の好ましい実施形態では、式(I)の化合物はYがNであるものと定義される。
式(I)の化合物としては、R2が1つのアリール、ヘテロ環またはヘテロアリール部分構造を持つものと定義される化合物が挙げられる。基Ay、Het、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ayおよび-R10NR7Ayは、アリール、ヘテロ環またはヘテロアリール部分構造を持つ基の例である。1つの実施形態では本発明の化合物としては、R2が、Het、-OHet、-OR10Het、-S(O)nHet、-NHHetおよび-NHR10Hetなどのヘテロ環部分構造またはヘテロアリール部分構造を持つものと定義される化合物が挙げられる。もう1つの式(I)の化合物類としては、R2がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を持たないものと定義される化合物が挙げられる。そのような実施形態ではR2は好ましくはハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR7、-S(O)nR9、-S(O)nNR7R8、-NR7R8および-R10NR7R8からなる群から選択される。さらにもう1つの化合物類としては、R2がヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を持たないが、アリール部分構造を持つ場合があると定義される化合物が挙げられる。そのような実施形態ではR2は好ましくはハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、-OR7、-OAy、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択される。
好ましくはR2は、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群、またはこれらの下位組み合せから選択される。さらに好ましくはR2は、Het、-NR7R8、-NHHetおよびNHR10Hetからなる群、またはこれらの下位組み合せから選択される。特に好ましい式(I)の化合物は、R2が-NR7R8およびHetからなる群、またはこれらの下位組み合せから選択されるものと定義される。1つの実施形態ではR2は-NR7R8からなる群から選択される。
1つの好ましい実施形態ではR2は、-NH2、-NH-アルキル、-NH-シクロアルキル、-N(アルキル)(アルキル)、Het(例:ピロリジン)、-NHHetおよび-NH-アルキル-Het、またはこれらの下位組み合せからなる群から選択される。さらに好ましくはR2は-NH-アルキル、-NH-シクロアルキル、またはこれらの下位組み合せからなる群から選択される。
いくつかの好ましいR2基の具体例は-NH2、-NH-メチル、-NH-エチル、-NH-プロピル、-NH-イソプロピル、-NH-シクロプロピル、-NH-ブチル、-NH-イソブチル、-NH-シクロペンチル、-NH-シクロヘキシル、-NH(CH2)2OCH3、およびピロリジン(例:Nを介して結合されているピロリジン)からなる群から選択される。
好ましくは、R7およびR8はそれぞれ同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、R10-シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-C(O)R9およびR10CO2R9、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択される。さらに好ましくは、R7およびR8はそれぞれ同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキルおよびR10-シクロアルキル、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択される。1つの実施形態ではR7およびR8はそれぞれ同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキルおよびシクロアルキル、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択される。
好ましくはR9およびR11はそれぞれ同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル,および-R10-シクロアルキル、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択される。さらに好ましくはR9およびR11はそれぞれ同じであるかまたは異なっており、そしてHおよびアルキル、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択される。
好ましくはR10はアルキルまたはシクロアルキルであり;さらに好ましくはアルキルである。
別の実施形態では式(I)の化合物としてはR3およびR4の少なくとも1つがヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有していると定義される化合物が挙げられる。別の実施形態ではR3およびR4のいずれもがヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有していない式(I)の化合物が挙げられる。
R3は好ましくはH、ハロ、アルキル、-OR7、-CO2R7および-NR7R8、またはこれらの下位組み合せからなる群から選択される。さらに好ましくはR3はH、ハロ、アルキル、OR7、および-NR7R8、またはこれらの下位組み合せからなる群から選択される。最も好ましくはR3はHまたはアルキルである。1つの実施形態ではR3はHである。
R4は好ましくはH、ハロ、アルキル、-OR7、-CO2R7および-NR7R8、またはこれらの下位組み合せからなる群から選択される。さらに好ましくはR4はH、ハロ、アルキル、OR7,および-NR7R8、またはこれらの下位組み合せからなる群から選択される。最も好ましくは、R4はHまたはアルキルである。1つの実施形態では、R4はHである。
好ましくはqは0、1または2である。1つの実施形態では、qは0である。1つの好ましい実施形態ではqは1である。1つの実施形態では、qは2であり、そして2つのR5基は隣接する炭素原子に結合されており、そして場合によっては、それらが結合している原子と一緒になって、それらはC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している。表現「2つの隣接するR5基」とは、2つのR5基がそれぞれフェニル環上の隣接する炭素原子に結合していることを意味する。2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってシクロアルキルまたはアリールを形成している実施形態では、qは好ましくは2、3、4または5であり;さらに好ましくは2である。
R5はオルト、メタまたはパラ位であってよい。
もう1つの式(I)の化合物類としては、少なくとも1つのR5基がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造(好ましくはヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造)を有しており、そして2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成していないと定義される化合物が挙げられる。もう1つの式(I)の化合物類としては、qが3、4または5であり、少なくとも1つのR5基がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造(好ましくはヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造)を有しており、そして2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成していると定義される化合物が挙げられる。好ましい式(I)の化合物類としては、R5基がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有しておらず(または1つの実施形態ではR5基はヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有していない)、そして2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成していないと定義される化合物が挙げられる。もう1つの式(I)の化合物類としては、qが2、3、4または5であり、R5基がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有しておらず(または1つの実施形態ではR5基はヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有していない)、そして2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成していると定義される化合物が挙げられる。
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってシクロアルキルまたはアリールを形成している実施形態では、それぞれのR5基は同じであるかまたは異なっており、そして好ましくはアルキル、およびアルケニルからなる群から選択される。例えば、1つの実施形態では2つの隣接する基はアルキルであり、そしてそれらが結合している原子と一緒になって、それらは以下:
Figure 0004219171
のようなシクロアルキル基を形成している。
この例より当業者なら、2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってアリール基を形成しているものなどのさらなる実施形態に容易に思いつくことができる。好ましくは式(I)の化合物は、2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成していないものと定義される。
好ましくはそれぞれのR5基は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-S(O)2NR7R8、-NR7R8、-NHR10Ay、シアノ、ニトロおよびアジド、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択される。さらに好ましくは、それぞれのR5基は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、-OR7、-NR7R8、Ay、Het、シアノおよびアジド、またはこれらの下位組み合せからなる群から選択される。最も好ましくは、それぞれのR5基は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、-OR7およびシアノ、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択される。
特に、式(I)の化合物の好ましい実施形態は、R5がH、ハロ(例:フルオロ、クロロまたはブロモ)、アルキル(例:メチル)、O-アルキル(例:O-メチル、O-イソブチル、および
Figure 0004219171
)、シアノ、-NH-CH3、および-N(CH3)2であるものと定義される。
pは好ましくは1または2であり、さらに好ましくは1である。
R6は4、5または6位にあってよい。1つの実施形態では、pは1であり、そしてR6はC5位にある。1つの実施形態では、pは1であり、そしてR6はC6位にある。1つの実施形態ではpは2であり、そして1つのR6はC5位にあり、そして1つのR6はC6位にある。
もう1つの式(I)の化合物類としては、少なくとも1つのR6基がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造(好ましくはヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造)を有しており、そして2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成していないと定義される化合物が挙げられる。もう1つの式(I)の化合物類としては、pが3であり、少なくとも1つのR6基がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造(好ましくはヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造)を有しており、そして2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成していると定義される化合物が挙げられる。好ましい式(I)の化合物類としては、R6基がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有しておらず(または1つの実施形態ではR6基はヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有していない)、そして2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成していないと定義される化合物が挙げられる。もう1つの式(I)の化合物類としては、pが2または3であり、R6基がアリール、ヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有しておらず(または1つの実施形態ではR6基はヘテロ環式またはヘテロアリール部分構造を有していない)、そして2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成していると定義される化合物が挙げられる。
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している実施形態では、それぞれのR6基は同じであるかまたは異なっており、そして好ましくはアルキル、アルケニル、-OR7、-NR7R8および-S(O)nR9からなる群から選択される。1つの好ましい実施形態では、2つのR6基がそれらが結合している原子と一緒になって1つの環を形成している場合、それは少なくとも1個のNを持つ5ー6員ヘテロ環基である。例えば、1つの実施形態では2つの隣接するR6基は-NR7R8であり、そしてそれらが結合している原子と一緒になってこれらは以下:
Figure 0004219171
のようなヘテロ環基を形成する。
もう1つの実施形態では、1つのR6基は-NR7R8であり、もう1つはアルキルであり、そしてそれらが結合している原子と一緒になってそれらは以下:
Figure 0004219171
のようなヘテロ環基を形成している。
もう1つの実施形態では2つの隣接するR6基はそれぞれ-OR7、-NR7R8と定義され、そしてそれらが結合している原子と一緒になってそれらは以下:
Figure 0004219171
のようなヘテロ環基を形成している。
もう1つの実施形態では2つの隣接するR6基はそれぞれ-S(O)nR9、-NR7R8と定義され、そしてそれらが結合している原子と一緒になってそれらは以下:
Figure 0004219171
のようなヘテロ環基を形成している。
これらの例から、当業者ならさらなる実施形態に容易に思いつくことができる。
1つの好ましい実施形態では、それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択される。すなわち、好ましくは式(I)の化合物は、2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環基を形成していないものと定義される。
好ましくは、それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよびシアノ、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択され;ここで少なくとも1つのR6は、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される。さらに好ましくは、それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、-C(O)NR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Hetおよびシアノ、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択され;ここで少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される。最も好ましくはそれぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Het、またはこれらの下位組み合せからなる群から独立に選択され;ここで少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される。
1つの好ましい実施形態では、少なくとも1つのR6が-NR7R8および-NHHetからなる群から選択され;さらに好ましくは少なくとも1つのR6は-NR7R8である。
好ましいR6基のさらなる具体的な例としては、限定するものではないが、-NH2、-NHアルキル、-NHR10OR9、-NH-シクロアルキル、および-NH-SO2-アルキルが挙げられる。1つの好ましい実施形態では、R6は-NH2、-NHCH(CH3)2、-NH-シクロプロピル、-NH-シクロペンチル、-NH(CH2)2-O-CH3、および-NH-SO2-CH3からなる群から選択される。
本発明は、上記で定義された特定の基および好ましい基の全ての組み合せおよび下位組み合せを包含することは理解すべきである。
好ましい式(I)の化合物としては、限定するものではないが、以下:
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
N-[3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル]メタンスルホンアミド;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-(2-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;および
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-イソプロピル-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
4-ブロモ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
4-クロロ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
4-ブロモ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
4-クロロ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
N-ブチル-3-[2-(ブチルアミノ)ピリジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-4-アミン;
4-{5-(シクロペンチルアミノ)-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル}フェノール;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-イソブトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;および
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;ならびに
これらの医薬的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能する誘導体が挙げられる。
特に好ましい式(I)の化合物としては、限定するものではないが、
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-イソプロピル-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-イソブトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;および
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;ならびに
これらの医薬的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能する誘導体が挙げられる。
本発明の化合物はまたその医薬的に許容される塩または溶媒和物の形態で用いることができることは当業者には理解されるところである。式(I)の化合物の医薬的に許容される塩としては、医薬的に許容される無機または有機の酸または塩基から形成される通常の塩ならびに四級アンモニウム塩が挙げられる。好適な酸塩のさらに具体的な例としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、蟻酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、パルミチン酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヨウ化水素酸、リンゴ酸、ステロイド酸、タンニン酸などの塩が挙げられる。シュウ酸などの他の酸は、それ自体は医薬的に許容されないが、本発明の化合物ならびにその医薬的に許容される塩を得るのに中間体として使用できる塩の調製に有用であり得る。好適な塩基塩のさらに具体的な例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩およびプロカイン塩が挙げられる。
用語「溶媒和物」は本明細書で用いる場合、溶質(式(I)の化合物)と溶媒とによって形成される可変化学量論の複合体を意味する。溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、または酢酸が挙げられる。
用語「生理学的に機能する誘導体」は本明細書で用いる場合、本発明の化合物の医薬的に許容される誘導体を意味し、例えば式(I)の化合物のエステルまたはアミドで、これらは動物、特にヒトなどの哺乳動物に投与すると、本発明の化合物またはそれの活性代謝生成物を(直接または間接的に)生ずることが可能である。例えば、Burger's Medicinal ChemistryおよびDrug Discovery, 5th Edition, Vol 1: PrinciplesおよびPracticeを参照されたい。
式(I)の化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能する誘導体の製造方法は当技術分野で一般的なものである。例えば、Burger's Medicinal ChemistryおよびDrug Discovery 5th Edition, Vol 1: PrinciplesおよびPracticeを参照されたい。
当業者には明らかなように、後述する式(I)の化合物の調製方法においては、いくつかの中間体は、該化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物または生理学的に機能する誘導体の形態にある場合がある。式(I)の化合物の調製方法で用いられる中間体に適用される用語は、式(I)の化合物に関して上記したのと同じ意味を持つ。そのような中間体の医薬的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能する誘導体の製造方法は当技術分野で公知であり、そして式(I)の化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能する誘導体の製造方法に類似したものである。
式(I)の化合物のいくつかは立体異性体の形態で存在していることがある(例えばそれらが1以上の不斉炭素原子を持つことがあるか、またはシス-トランス異性を呈することがある)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。本発明はまた、式(I)で表わされる化合物の個々の異性体を、1以上のキラル中心が反転しているそれら異性体の混合物として包含する。同様に、式(I)の化合物は、化学式で示された形態以外に互変異性体の形態で存在することがあり、そしてこれらもまた本発明の範囲内に含まれるものと了解されたい。
本発明はさらに医療、例えばヒトなどの哺乳動物におけるウイルス性疾患の、症状再発の抑制も含めた治療または予防で使用するための式(I)の化合物を提供するものである。式(I)の化合物は、ヘルペスウイルス感染などのウイルス性疾患の治療または予防に特に有用である。ヘルペスウイルス感染としては、例えば、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインバー(EB)ウイルス(EBV)、水疱瘡ウイルス(VZV)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)、およびヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)が挙げられる。つまり、本発明の化合物はまたヘルペスウイルス感染の症状または影響の治療または予防にも有用である。
本発明の化合物は、動物、例えばヒトなどの哺乳動物におけるヘルペスウイルス感染と関連する病状または疾患、特に潜伏ヘルペスウイルス感染と関連する病状または疾患の治療または予防に有用である。ヘルペスウイルス感染と関連する病状または疾患とは、ウイルス感染それ自体は除いて、ウイルス感染の存在から生じる、例えばEBV感染と関連する慢性疲労症候群;EBVやHHV-6などのヘルペスウイルス感染と関連するとされている多発性硬化症などの病状または疾患を意味する。このような病状または疾患のさらなる例は上記の背景技術のところに記載されている。
これらの病状および疾患に加えて本発明の化合物は、ヘルペスウイルス感染と関連する心臓血管疾患および病状、特にアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患および再狭窄、そして特に血管形成術後の再狭窄(RFA)の治療または予防に用いることもできる。再狭窄は血管が狭くなることで、これは血管壁への傷によって起り、例えばバルーン血管形成術または他の外科的および/または診断的手技により生じた傷により起り、処置された血管壁中の平滑筋細胞の過度の増殖により特徴づけられる。RFAを患う多くの患者においては、患者が特にCMVおよび/またはHHV-64ウイルスに感染することが、処置された心臓血管の平滑筋細胞の増殖に極めて重要な役割を演じていると考えられる。再狭窄は多くの外科的および/または診断的手技、例えば移植手術、血管移植、心臓バイパス移植のあと、そして最も一般的には血管形成術のあと起ることがある。
in vitroおよびin vivoの両方で行なわれた研究の証拠により、再狭窄は多因子工程であることが示唆されている。数種のサイトカインおよび成長因子が協調して作用し、血管平滑筋細胞の移動および増殖ならびに細胞外間質物質の生産を刺激し、これらが蓄積して血管を閉塞する。ほかには成長抑制因子が作用してSMCの増殖および細胞外間質物質の生産を抑制する。
加えるに、式(I)の化合物はB型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)およびHIVの治療または予防に有用である可能性がある。
つまり本発明は、哺乳動物(例:ヒト)などの動物におけるウイルス感染、特にヘルペスウイルス感染の治療法または予防方法を提供するもので、この方法は該動物に、式(I)の化合物の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。
本明細書で用いる場合、用語「予防」とは、感染の完全な予防、感染被験者における症状発生の予防、感染被験者における症状再発の予防、または被験者におけるウイルス感染の症状、病状または疾患の程度または頻度の低下を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「治療」とは、症状が部分的または全面的に無くなること、または被験者におけるウイルス感染の症状、病状または疾患の程度の低下、または被験者におけるウイルスの存在の除去または低下を意味する。
本明細書で用いる場合、用語「治療的に有効な量」とは、式(I)の化合物が投与される被験者において、記載された疾患、病状または感染を治療または予防するのに十分な式(I)の化合物の量を意味する。例えば、ヘルペスウイルス感染の治療に治療的に有効な式(I)の化合物の量は、被験者におけるヘルペスウイルス感染を治療するのに十分な量である。
本発明はまた、哺乳動物(例:ヒト)などの動物におけるヘルペスウイルス感染と関連する病状または疾患の治療または予防方法を提供するものであり、その方法は該動物に式(I)の化合物の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。1つの実施形態では、本発明は哺乳動物(例:ヒト)などの動物における慢性疲労症候群および多発性硬化症の治療または予防方法を提供し、その方法は該動物に式(I)の化合物の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。上記の方法は、ヘルペスウイルスの潜伏性感染と関連する慢性疲労症候群および多発性硬化症の治療または予防に特に有用である。
別の実施形態では本発明は、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患または再狭窄(特に血管形成術後の再狭窄)などの心臓血管病状の治療または予防方法を提供し、その方法は該動物に式(I)の化合物の治療的に有効な抗ウイルス量を投与することを含んでなる。
本発明はさらに哺乳動物(例:ヒト)などの動物におけるB型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスの治療または予防方法を提供し、その方法は該動物に式(I)の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。
本発明はさらに哺乳動物(例:ヒト)などの動物におけるヒト乳頭腫の治療または予防方法を提供し、その方法は該動物に式(I)の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。
本発明はさらに哺乳動物(例:ヒト)などの動物におけるHIVの治療または予防方法を提供し、その方法は該動物に式(I)の治療的に有効な量を投与することを含んでなる。
本発明はまた、哺乳動物(例:ヒト)などの動物におけるウイルス感染、特にヘルペスウイルス感染の治療または予防用医薬の製造における式(I)の化合物の使用;ヘルペスウイルス感染に関連する病状または疾患の治療用医薬の製造における式(I)の化合物の使用;B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルスまたはHIVの治療または予防用医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。特に本発明はまた、慢性疲労症候群または多発性硬化症の治療または予防用医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。1つの実施形態では本発明は、再狭窄およびアテローム性動脈硬化症などの心臓血管疾患の治療または予防用医薬の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。
式(I)の化合物は医薬組成物の形態で簡便に投与される。そのような組成物は1以上の生理学的に許容される担体または希釈剤と混ぜて、通常の方法で使用されるために簡便に提供することができる。
本発明の化合物をそのままの化学物質として治療目的に投与することもできるが、本活性成分を医薬製剤または組成物として提供するほうがより好ましい。その医薬組成物は担体または希釈剤を含んでいてよい。担体または希釈剤は、製剤中の他の成分と相溶性があり且つそれの被験者に有害でないという意味において「許容される」ものでなければならない。
従って本発明はさらに式(I)の化合物を含んでなる医薬製剤または組成物を提供するものである。1つの実施形態では、本医薬組成物はさらに1以上の医薬的に許容される担体または希釈剤ならびに場合によっては他の治療目的および/または予防目的の成分を含む。
剤形としては、経口、非経口(皮下(例えば注入によるあるいはデポタブレットによる)、皮内、鞘内、筋内(例えば蓄積注射による)、静脈内など)、直腸および局所(皮膚、口内、舌下など)投与に好適なものが挙げられるが、最も適切な投与経路は例えば被験者の健康状態、年齢、および障害ならびに処置されているウイルス感染または疾患によって決められるものである。製剤は単位用量の形態で都合よく提供することができ、そして薬学の技術分野で周知のどのような方法ででも製造することができる。すべての方法において、式(I)の化合物(「活性成分」)と、1以上の補助的成分からなる担体とを組み合せる工程が含まれる。一般に製剤は、活性成分を、液体担体または微細化された固体担体またはその両者と均一に且つ十分に混じり合わすことにより調製され、そのあと、必要な場合はその生成物を所望の製剤に成形する。
経口投与に好適な製剤は:各々が活性成分の所定量を含有しているカプセル、カシェイまたはタブレット(例えば特に小児用に投与するためのチュアブルタブレット)などの個別の単位として;粉末または顆粒として;水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションとして提供することができる。活性成分はまたボーラス剤、舐剤またはペースト剤として提供することができる。
タブレットは、場合によっては1つ以上の補助的成分と一緒に圧縮成形または鋳型成形により製造することができる。圧縮成形によるタブレットは、粉末または顆粒などの自由流動形態にある活性成分を、場合によっては結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプン糊またはポリビニルピロリドン)、増量剤(例えば、乳糖、砂糖、微結晶セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウムまたはソルビトール)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム)または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウムなど)などの他の通常の腑形剤と一緒に混ぜて、適切な装置中で圧縮することにより製造される。鋳型成形によるタブレットは、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な装置中で成形することにより製造することができる。成形タブレットは適当な装置中で、不活性液体希釈剤で湿らせた本粉末化合物の混合物を成型することによりつくることができる。タブレットは場合によってはコーティングされていてもよいし、あるいは刻み目が付けられていてもよく、またタブレット中の活性成分の遅延または制御放出を提供できるように製剤化されていてもよい。タブレットは、当該技術分野で周知の方法によりコーティングすることができる。
別の形態としては、本発明の化合物を、例えば水性または油性の懸濁液、溶液、エマルション、シロップまたはエリキシルなどの経口用液体調合剤の中に組み込むこともできる。さらに、これらの化合物を含有する製剤を、使用の前に水または他の適当なビヒクルと一緒にする乾燥製剤として提供することもできる。そのような液体調合剤は、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは硬化食用脂などの懸濁化剤;レシチン、ソルビタンモノ-オレイン酸またはアラビアゴムなどの乳化剤;アーモンド油、精製ココナッツ油、油性エステル類、プロピレングリコールまたはエチルアルコールなどの非水性ビヒクル(食用油を含み得る);およびp-ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピルあるいはソルビン酸などの防腐剤;などの在来の添加剤を含んでいてもよい。そのような調合剤は、例えばカカオ脂あるいはグリセリドなどの他の通常の坐剤用基剤を含有している坐剤として製剤化することもできる。
非経口投与用の製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および、製剤を対象被験者の血液と等張性にする溶質、を含有していてもよい水性および非水性滅菌注射用溶液;および、懸濁化剤および増粘剤を含有していてもよい水性および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。
上記製剤は、例えば密封のアンプルおよびバイアルなどの単位用量用容器または複数用量用容器に入れて提供することができ、また例えば使用直前に注射用の水などの滅菌液体担体を加えることのみを必要とする凍結乾燥の状態で保存することもできる。即製注射用溶液および懸濁液は、上記に記載した種類の滅菌粉末、顆粒およびタブレットから調製することができる。直腸内投与用製剤は、カカオ脂、硬質脂肪またはポリエチレングリコールなどの通常の担体を用いた坐剤として提供することができる。
局所または鼻腔内投与に好適な剤形としては、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ジェル、スプレー、エアロゾルおよびオイルが挙げられる。そのような剤形に好適な担体としては、鉱油、ゼリー、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、ならびにこれらの組み合せが挙げられる。
例えば頬または舌下などの口の中での局所投与用の剤形としては、活性成分を、スクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントなどの芳香基剤中に含有するトローチ剤、および、活性成分をゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアゴムなどの基剤中に含有する香錠が挙げられる。
本化合物はデポ製剤として剤形化することもできる。そのような長期間作用する製剤は埋め込みにより(例えば皮下または筋肉内)あるいは筋肉内注射により投与することができる。従って、例えば、本化合物は適当なポリマー性または疎水性の材料(例えば許容される油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂で剤形化することができ、あるいは、例えばやや溶けにくい塩としての遅溶解性誘導体として剤形化することもできる。
上記で詳しく記載した成分の外に、本製剤には当該の製剤のタイプに関係する、当技術分野で常套的となっている他の試剤が含まれていてもよく、例えば経口投与に好適なものに芳香剤が含まれていてもよい。
治療に用いるのに必要とされる本発明の化合物の量が、治療を受けている病状の内容ならびに患者の年齢および健康状態によって変化し、最終的には担当の医師または獣医の判断によるものであることは理解されよう。とは言うものの、一般に成人の治療に用いられる用量は典型的には1日当り0.02〜5000mgの範囲内であり、好ましくは1日当り100〜1500mgである。所望の用量は都合良く単一用量として提供してもよいし、あるいは適当な間隔で投与される分割用量、例えば1日当り2、3、4またはそれ以上の分割用量として提供してもよい。本発明の製剤は、活性成分を0.1〜99%、都合良くはタブレットおよびカプセルには30〜95%、また液体製剤には3〜50%含有していてもよい。
本発明で使用される式(I)の化合物は他の治療薬、例えば非ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬、ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬、タンパク質分解酵素阻害薬および/または他の抗ウイルス薬との組み合せで用いることができる。従って本発明はさらなる態様で、ウイルス感染の治療における、式(I)の化合物ともう1つの治療薬との組み合せの使用を提供する。本発明の化合物と組み合せることができる特定の抗ウイルス薬としては、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ドコサノール、ミリバビル、アムプレナビル、ラミブジン、ジドブジン、およびアバカビルが挙げられる。本発明の化合物と組み合せるのに好ましい抗ウイルス薬としてはアシクロビルおよびバラシクロビルが挙げられる。従って本発明はさらなる態様で、式(I)の化合物と、アシクロビルおよびバラシクロビルからなる群から選択される抗ウイルス薬とを含む組み合せ;ウイルス感染の治療ならびにウイルス感染治療用医薬の製造におけるそのような組み合せの使用を提供し、また式(I)の化合物と、アシクロビルおよびバラシクロビルからなる群から選択される抗ウイルス薬を投与することを含んでなるウイルス感染の治療法をも提供する。
式(I)の化合物を他の治療薬と組み合せて用いる場合は、本化合物は都合のよい経路で順次か同時に投与することができる。
上記した組み合せは、都合良くは医薬製剤の形態での使用用に提供することができ、従って、場合によっては医薬的に許容される担体または希釈剤と一緒の、上記で定義された組み合せを含んでなる医薬製剤が本発明のさらなる態様を構成する。そのような組み合せの個々の成分は、別々のまたは組み合せの医薬製剤で順次または同時に投与することができる。2つの化合物を1つの製剤中に組み合せる場合は、その2つの化合物は安定であり且つ、相互にまた製剤中のその他の成分と相溶性のあるものでなければならず、そうした上で投与のために製剤化されることは理解されるところである。別々に製剤化される場合は、各化合物は都合のよい製剤形態で、当技術分野でそのような化合物に対して公知となっている方法により提供することができる。
ウイルス感染に対して活性である第2の治療薬と組み合せて式(I)の化合物を用いる場合は、各化合物の用量はその化合物が単独で用いられる場合のものとは異なることがある。当業者なら適切な用量は容易に分かるものである。
YがNであり、R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R3およびR4がHであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay,および-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物は以下のスキーム(反応系列)1に示す方法により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
式中:
R1はHである;
R2は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;nは0、1または2であり;Ayはアリールであり;Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNである;
R3およびR4はいずれもHである;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または、2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
pは1、2または3である;
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または、2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
ここで式(XI)、(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)の化合物では少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;また
式(VIII)、(IX)および(I)の化合物では、少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;そして
Raはアルキルまたはシクロアルキルである。
概して、YがNであり、R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;またR3およびR4がHであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物(全ての式また全ての他の式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されている)の調製方法は以下の工程を有してなる:
(a) 式(XI)のピコリンを式(II)のベンゾイル化剤と反応させて式(III)の化合物を調製する工程;
(b) 式(III)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(IV)の化合物を調製する工程;
(c) 式(IV)の化合物をアシル化剤またはスルホニル化剤と反応させて式(V)の化合物を調製する工程;
(d) 式(V)の化合物を転位させて式(VI)の化合物を調製する工程;
(e) 式(VI)の化合物をアシル化して式(VII)の化合物を調製する工程;
(f) 式(VII)の化合物のR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されない実施形態では(すなわち、該少なくとも1つのR6がハロである;本明細書中で「R6ハロ」という)、式(VII)の化合物のR6ハロを、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換して式(VIII)の化合物を調製する工程;
(g) 式(VIII)の化合物を式(CH3)2NCH(ORa)2のジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと反応させて式(IX)の化合物を調製する工程;および
(h) 式(IX)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(I)の化合物を調製する工程。
さらに特定的には、YがNであり、R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R3およびR4がHであり、また少なくとも1つのR6がハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物は、式(IX)の化合物を式(X)の化合物と反応させることにより調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されたとおりである。
この方法は、場合によっては塩基の存在下で(好ましくはアミジンが塩形態にある場合)、式(IX)の化合物と式(X)の化合物とを混合し、そして反応物を50-150℃に加熱することにより容易に行うことができる。代表的な溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。塩基は典型的にはナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム、またはトリエチルアミンなどのアミン塩基である。1つの実施形態では、溶媒がジメチルホルムアミドであり、そして塩基が炭酸カリウムか、またはトリエチルアミンなどのアミン塩基である。
式(IX)の化合物は、式(VIII)の化合物を式(CH3)2NCH(ORa)2のジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと反応させることにより簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されたとおりである。
この方法で使用される代表的なジメチルホルムアミドジアルキルアセタール化合物としては、限定するものではないが、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールおよびジメチルホルムアミドジ-t-ブチルアセタールが挙げられる。この反応は、場合によっては加熱して、式(VIII)の化合物をジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと混合することにより行なわれる。当業者なら解るように、この反応はまた、式(VII)の化合物中の少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである場合の式(VII)の化合物の反応も包含する。つまり、式(VII)の化合物が、少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものであると定義される場合、式(VII)の化合物とアミンとの後続反応は不要であり、そして式(VII)の化合物は実際本方法に従って式(I)の化合物を調製するための式(VIII)の化合物である。
式(VII)の化合物が、R6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayまたは-NHR10Hetではないと定義される実施形態では(すなわち、式(VII)の化合物が、該少なくとも1つのR6がハロであると定義される;つまり本明細書中の「R6ハロ」である)、式(VIII)の化合物は式(VII)の化合物上のハロゲンを、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換することにより調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されたとおりである。
典型的にはこの置換は、式(VII)の化合物と、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン求核試薬とを混合することにより;そして場合によっては反応物を加熱することにより行う。
あるいは、式(VII)の化合物を式(VIII)の化合物に変換させる工程は、パラジウム(0)源、塩基および適当なリガンドの存在下で式(VII)の化合物をイミンと反応させ、そのあと加水分解により式(VIII)の化合物を生じさせることにより行う。J. Wolfe, et al., Tetrahedron Letters 38:6367-6370(1997) を参照されたい。典型的にはこのイミンはベンゾフェノンイミンであり、パラジウム(0)源はトリス(ジベンジリデンアセトン)-ジパラジウム(0)であり、塩基はナトリウムt-ブトキシドでありそしてリガンドはラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルである。好適な溶媒としてはN,N-ジメチルホルムアミドおよびその類似物が挙げられる。
この反応はまた、適当な溶媒中で式(VII)の化合物をアミン、パラジウム(0)またはニッケル(0)源および塩基で処理する文献(Wolfe, J. P.; Buchwald, S. L. J. Org. Chem. 2000, 65, 1144)に記載の方法を適用することによっても行うことができる。好適なパラジウム(0)源としては、限定するものではないが、酢酸パラジウム(II)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。この反応で用いる典型的な塩基としては、例えばナトリウムt-ブトキシドおよび炭酸セシウムが挙げられる。好適な溶媒の例はトルエンである。
式(VII)の化合物中のR6ハロ置換基を、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基に変換させる本反応工程は合成反応の終わり近くで起っていると記載されているが、当業者なら、本明細書中に記載されたのと同じ方法を用いる、ハロゲンのアミンへの変換はその反応工程中の初めの段階でも起こり得ることを容易に理解すると思われる。例えば、ハロゲン化された中間体は次の合成反応の工程に進む前にアミン類似体に変換することができる。これは当然この変換反応をのちほど行う必要性をなくす。ハロゲンからアミンへの変換が合成反応の早い段階で起る上述の合成反応の様々な順序が本発明により考えられが、これらは本発明の範囲内に包含される。つまり、上述の合成反応の工程の順序は式(I)の化合物を得る上で臨界的ではない。
式(VII)の化合物は式(VI)の化合物からアシル化反応により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されたとおりである。
典型的にはこのアシル化反応は、場合によっては加熱されていてもよい不活性溶媒中の酸またはルイス酸触媒の存在下で、式(VI)の化合物をアシル化剤で処理することにより行う。代表的なアシル化剤は当業者なら容易に決められると思われる。1つの好ましいアシル化剤は無水酢酸である。ルイス酸触媒もまた当業者には知られている。この反応で使用される1つの好ましいルイス酸触媒は三フッ化ホウ素ジエチルエーテル化合物である。好適な溶媒はトルエンである。
式(VI)の化合物は式(V)のアジリン化合物を転位させることにより簡便に調製される。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されたとおりである。
式(V)のアジリンの転位は、好適な溶媒中の式(V)のアジリン溶液を約160-200℃の温度で加熱することにより行うことができる。好適な不活性溶媒としては、限定するものではないが、1-メチル-2-ピロリジノン、および1,2,4-トリクロロベンゼンが挙げられる。式(V)のアジリンを式(VI)の化合物に転位させるさらに好ましい方法は、式(V)の化合物を塩化第1鉄(FeCl■2)または塩化第2鉄(FeCl3)と反応させることにより行う。PCT Publication No. WO 01/83479, published 8 Nov 2001 to GlaxoSmithKline Inc.を参照されたい。この反応は通常不活性溶媒中で加熱しながら行う。この反応の好ましい溶媒は1,2-ジメトキシエタンおよびその類似体である。
代表的には式(V)のアジリンは式(IV)のオキシム化合物から塩基の存在下でアシル化剤またはスルホニル化剤で処理することにより調製される。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されたとおりである。
代表的なアシル化剤またはスルホニル化剤としては、限定するものではないが、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、塩化メタンスルホニル、塩化トルエンスルホニルおよびその類似体が挙げられる。代表的な塩基としては、限定するものではないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、およびその類似体が挙げられる。この反応は、不活性溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、トルエンまたはこれらの類似体中で行うことができる。
式(IV)のオキシム化合物は、式(III)のケトン化合物を、好適な溶媒中でヒドロキシアミン源で、また場合によっては塩基で処理することにより容易に調製される。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されたとおりである。
好ましくはこのヒドロキシルアミンはヒドロキシルアミンヒドロクロリドであり、塩基は水酸化ナトリウム水溶液である。好適な溶媒としては、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールなどの低級アルコールが挙げられる。
式(III)のケトン化合物は、式(XI)のピコリンを塩基の存在下で式(II)のベンゾイル化剤で処理することにより調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム1に関連して上記で定義されたとおりである。
好ましい式(II)のベンゾイル化剤としては、限定するものではないが、ベンゾイルエステル類が挙げられる。好ましいピコリンの例はクロロピコリンである。好適な塩基の例は、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドである。式(III)のようなケトン類は、当業者に公知の方法および/または文献(Cassity, R.P.; Taylor, L.T.; Wolfe, J.F. J. Org. Chem. 1978, 2286)に記載の方法により容易に調製することができる。
上述の式(I)のいくつかの化合物の調製方法に加えて、本発明はまた上述の方法に従ってそのような式(I)の化合物の調製に使用されるいくつかの中間体化合物も提供する。そのような中間体は上記のスキーム1に書かれている。
本発明のさらなる実施形態では、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そしてR3およびR4がHである式(I)の化合物は以下のスキーム1-Aに示されている方法により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり;
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNである;
R3およびR4はいずれもHである;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
p'は0、1または2であり;且つ
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
R6xは-NR7R8[式中R7およびR8はいずれもHであることはない]、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される;そして
Raはアルキルまたはシクロアルキルである]。
概して、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そしてR3およびR4がHである(全ての式および全てのその他の式可変部はスキーム1-Aに関連して上記で定義されている)式(I)の化合物の調製方法は以下の工程を有してなる:
(a) 式(XI-A)の2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンを式(XXVII)のアセトフェノンと反応させて式(III-A)の化合物を調製する工程;
(b) 式(III-A)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(IV-A)の化合物を調製する工程;
(c) 式(IV-A)の化合物をアシル化剤またはスルホニル化剤と反応させて式(V-A)の化合物を調製する工程;
(d) 式(V-A)の化合物を転位させて式(VI-A)の化合物を調製する工程;
(e) 式(VI-A)の化合物をアシル化させて式(VII-A)の化合物を調製する工程;
(f) 式(VII-A)の化合物を式(CH3)2NCH(ORa)2のジメチルホルムアミドジアルキルアセタールと反応させて式(IX-A)の化合物を調製する工程;
(g) 式(IX-A)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XXX)の化合物を調製する工程;
(h) 式(XXX)の化合物をナトリウムエトキシドと反応させて式(XXXI)の化合物を調製する工程;
(i) 式(XXXI)の化合物を酸と反応させ、得られるエステルの加水分解により式(XXXII)の化合物を得る工程;
(j) 式(XXXII)の化合物をt-ブタノール中のジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(I-X)の化合物を得る工程;
(k) 場合によっては式(I-X)の化合物を開裂させて式(I-Y)の化合物を得る工程;および
(l) 場合によっては式(I-Y)の化合物を、クロスカップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化およびスルホニル化により式(I-Z)の化合物に変換させる工程。
このスキームおよび以下のスキーム中の式(XXX)、(XXXI)および(XXXII)の化合物は、実際p'が1または2であり、そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよび-NHR10Ayからなる群から選択されるものである場合の式(I)の化合物であることは当業者なら理解するところである。式(XXX)、(XXXI)および(XXXII)の化合物が、pが0であるかまたはR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよび-NHR10Ayからなる群からは選択されないと定義される場合は、式(XXX)、(XXXI)および(XXXII)の化合物は、以下の方法により式(I)の化合物に変換することができる。
さらに特定的には、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そしてR3およびR4がHである式(I)の化合物は当業者には周知のCurtius転位反応により調製することができる。
Figure 0004219171
この転位反応は、加熱を伴う塩基の存在下で式(XXXII)の化合物をt-ブタノール中のジホスホリルアジドで処理することにより行うことができる。当業者に広く知られている他のカルボン酸誘導移動転位反応(例えば、Lossen, Hofmann,およびSchmidt反応)もまたこれに有用である場合がある。
上記の反応は式(I)の特定の化合物を生成する(すなわち、少なくとも1つのR6が-NR7R8[式中R7はHであり、R8はCO2R9であり、そしてR9はt-ブチルである]である式(I-X)の化合物)。式(I-X)の化合物は場合によっては、好適な溶媒中でのカルバミン酸t-ブチルの酸触媒加水分解により、少なくとも1つのR6が-NR7R8であり、そしてR7およびR8がいずれもHである式(I)の他の化合物(すなわち、式(I-Y)の化合物))にさらに変換することができる。。
Figure 0004219171
好適な酸としては塩酸およびトリフルオロ酢酸ならびにその類似体が挙げられる。好適な溶媒としてはジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンおよびこれらの類似体が挙げられる。
式(I-Y)の化合物は場合によっては、所望される式(I-Z)の特定の化合物に応じて、クロスカップリング反応(例:Buchwald結合)、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化またはスルホニル化により、少なくとも1つのR6xが-NR7R8[式中R7およびR8はいずれもHではない]、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよび-NHR10Ayからなる群から選択されるものである式(I)の他の化合物(すなわち、式(I-Z)の化合物)にさらに変換させることができる。
Figure 0004219171
当業者ならこれらの一般的な手法を用いて容易に式(I-Y)の化合物を式(I-Z)の化合物に変換することができると思われる。
式(I-X)の化合物の合成出発化合物である式(XXXII)の化合物は、式(XXXI)の化合物を酸と反応させ、得られるエステルを加水分解させることにより容易に調製することができる。
Figure 0004219171
好適な酸としては、限定するものではないが、p-トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸およびこれらの類似体が挙げられる。アセトンなどの適当な溶媒を用いることができる。加水分解反応は、例えば限定するものではないがテトラヒドロフラン、メタノール、および水などの純粋または混合溶媒系中で水酸化リチウムなどを用いることで行うことができる。
式(XXXI)の化合物はアルコール溶媒中で式(XXX)の化合物をアルコキシド塩で処理することにより調製される。
Figure 0004219171
上記反応の好適な条件は、アルコキシドとしてナトリウムエトキシド、また選択溶媒としてエタノールを用いることである。反応は場合によっては60℃に加熱してもよい。
式(XXX)の化合物はスキーム1による式(I)の化合物の調製に対して上記で記載された方法と同様の方法により調製することができるが、スキーム1中の式(III)の化合物の合成に用いられた式(XI)のピコリンと式(II)のベンゾイル化剤との反応の代わりに、第1の工程(すなわち、式(III-A)の化合物の調製)において塩基性条件下で2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンと式(XXVII)のアセトフェノンの縮合反応が行なわれる。
本発明のさらなる実施形態では、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R3がH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、-R10OR7、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、Ay、-R10OAy、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9およびHetからなる群から選択されるものであり;R4がHであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物は以下のスキーム2に示されている方法により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay,Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり;
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNである;
R3はH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、-R10OR7、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、Ay、-R10OAy、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9およびHetからなる群から選択される;
R4はHである;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
pは1、2または3であり;且つ
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
ここで式(XI)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(XIII)、(XV)、(XVI)および(XVII)の化合物中少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;
ここで式(I)の化合物中少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;そして
M1はLi、Mg-ハロゲン化合物またはセリウム-ハロゲン化合物[式中ハロゲン化合物はハロである]である]。
概して、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R3がH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、-R10OR7、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、Ay、-R10OAy、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9およびHetからなる群から選択されるものであり;R4がHであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物の調製方法(全ての他の式可変部はスキーム2に関連して上記で定義されたとおりである)は以下の工程を有してなる:
(a) 式(XI)のピコリンを式(II)のベンゾイル化剤と反応させて式(III)の化合物を調製する工程;
(b) 式(III)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(IV)の化合物を調製する工程;
(c) 式(IV)の化合物をアシル化剤またはスルホニル化剤と反応させて式(V)の化合物を調製する工程;
(d) 式(V)の化合物を転位させて式(VI)の化合物を調製する工程;
(e) 式(VI)の化合物をホルミル化して式(XIII)の化合物を調製する工程;
(f) 式(XIII)の化合物を式(XIV)の化合物と反応させて式(XV)の化合物を調製する工程;
(g) 式(XV)の化合物を酸化させて式(XVI)の化合物を調製する工程;
(h) 式(XVI)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XVII)の化合物を調製する工程;
(i) 式(XVII)の化合物中のR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayまたは-NHR10Hetではない実施形態では、式(XVII)の化合物のR6ハロを、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよび-NHR10Ayからなる群から選択されるアミン置換基で置換して、少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物を調製する工程。
このスキームおよび以下のスキーム中の式(XVII)の化合物は実際、pが1または2であり、そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである場合の式(I)の化合物であることは当業者なら理解するところである。式(XVII)の化合物が、pが0であるかまたはR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよび-NHR10Ayからなる群から選択されないと定義される場合は、式(XVII)の化合物またはそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物および生理学的に機能する誘導体は以下の方法により式(I)の化合物に変換することができる。式(XVII)の化合物の化学式と式(I)の化合物の化学式が同じに表わされるが、式可変部R6の定義は異なり;式(XVII)の化合物に関しては少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されなければならず、一方式(I)の化合物では少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されなければならない。
式(XVII)の化合物上のR6ハロ置換基を、式(I)の化合物中のアミン置換基(-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetまたは-NHR10Ay)に変換させる上述の方法およびそれに続くスキームは合成反応の終わりで起っていると記載されている。しかしながら、ハロゲンのアミン置換基への変換は、本明細書に記載されているのと同じ方法を用いて、本方法の早い段階でも起こり得ることは当業者なら容易に理解するところである。例えば、いずれのハロゲン化中間体も合成反応の次の工程に進む前にアミン類似体に変換することができる。これは当然この変換反応を最終工程として行う必要性をなくすものと考えられる。ハロゲンのアミンへの変換が合成反応の初期の段階で起る上述の合成の様々な組み合せが本発明では考えられ、そしてそれらはその範囲内に包含される。つまり、上述の合成反応工程の順序は式(I)の化合物を得るのには臨界的ではない。ハロゲン置換基のアミンへの変換が合成反応の早い段階で起るか、または式(XVI)の化合物中の少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである実施形態では、式(I)の化合物は式(XVI)の化合物と式(V)の化合物との反応から直接得られ、最後に図示されているアミノ化工程は必要とされない。
さらに特定的には、式(XVII)の化合物中のR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されない(すなわち、該少なくとも1つのR6がハロであり;本明細書中の「R6ハロ」である)場合は、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R3がH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、-R10OR7、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、Ay、-R10OAy、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9およびHetからなる群から選択されるものであり;R4がHであり;少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物は、式(XVII)の化合物上のR6ハロを、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよび-NHR10Ayからなる群から選択されるアミン置換基で置換することにより調製することができる。
Figure 0004219171
典型的にはこの置換反応は式(XVII)の化合物を、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン求核試薬と混合することにより;また場合によってはその反応を加熱することにより行なわれる。
あるいは、式(XVII)の化合物を式(I)の化合物に変換させる工程は、パラジウム(0)源、塩基および適切なリガンドの存在下で、式(XVII)の化合物をイミンと反応させ、そのあと加水分解により式(I)の化合物を得ることで行なわれる。J. Wolfe, et al., Tetrahedron Letters 38:6367-6370(1997) を参照されたい。代表的には上記イミンはベンゾフェノンイミンであり、パラジウム(0)源はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、塩基はナトリウムt-ブトキシドであり、そしてリガンドはラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルである。好適な溶媒としてはN,N-ジメチルホルムアミドおよびその類似体が挙げられる。
この反応はまた、式(XVII)の化合物が、適当な溶媒中のアミン、パラジウム(0)またはニッケル(0)源および塩基で処理される、文献(Wolfe, J. P.; Buchwald, S. L. J. Org. Chem. 2000, 65, 1144)に記載の方法によっても行うことができる。好適なパラジウム(0)源としては、限定するものではないが、酢酸パラジウム(II)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。反応で用いられる典型的な塩基としては、例えばナトリウムt-ブトキシドおよび炭酸セシウムが挙げられる。好適な溶媒の例はトルエンである。
式(XVII)の化合物は式(XVI)の化合物を式(X)の化合物と反応させることにより調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム2に関連して上記で定義されたとおりである。当業者には明らかであるように、式(XVI)の化合物が、少なくとも1つのR6がNR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものであると定義される場合は式(I)の化合物は上記の反応から直接得られる。
この方法は、適当な溶媒中で、場合によっては塩基の存在下、式(XVI)の化合物を式(X)の化合物と混合することによって行うことができる。反応は50-150℃に加熱してもよいし、あるいは周囲温度で行ってもよい。代表的な溶媒としては、限定するものではないが、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールが挙げられる。代表的な塩基としては、例えばナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム、あるいはトリエタノールアミンなどのアミン塩基が挙げられる。もう1つの実施形態では、溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドであり、そして塩基は炭酸カリウム、またはトリエチルアミンのようなアミン塩基である。
式(XVI)の化合物は式(XV)の化合物の酸化により都合よく調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム2に関連して上記で定義されたとおりである。好ましい酸化剤としては、限定するものではないが、不活性溶媒中の二酸化マンガンなどが挙げられる。好適な不活性溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、エーテルなどが挙げられる。
式(XV)の化合物は式(XIII)の化合物を式(XIV)の化合物と反応させることにより簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム2に関連して上記で定義されたとおりである。
好ましい式(XIV)の化合物中の金属(M1)としては、限定するものではないが、リチウム、ハロゲン化マグネシウム(II)、ハロゲン化セリウム(III)などが挙げられる。式の化合物は販売元から購入することができるか、あるいは当業者に公知の方法により調製することができる。
式(XIII)の化合物は式(VI)の化合物からホルミル化反応により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム2に関連して上記で定義されたとおりである。典型的にはこのホルミル化はヒルスマイヤー-ハーク反応[Vilsmeier-Haack reaction]により行なわれる。ヒルスマイヤー-ハーク試薬は販売元から購入することができるか、あるいはin situで調製することができる。好ましい反応条件としては、限定するものではないが、式(VI)の化合物をN,N-ジメチルホルムアミド中のオキシ塩化リンの予混溶液で、場合によっては反応系を50-150℃に加熱しながら処理する条件が挙げられる。式(VI)の化合物は、スキーム1に関連して上記で記載された方法により調製される。
上記した式(I)の特定の化合物の調製方法に加えて、本発明はまた上記方法によるそのような式(I)の化合物の調製に使用される特定の中間体化合物をも提供するものである。そのような中間体は上記スキーム2に示されている。
本発明のさらなる実施形態では、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;R3がH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そしてR4がHである式(I)の化合物は以下のスキーム2-Aに示されている方法により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;

nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり;
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNである;
R3はH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、-R10OR7、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、Ay、-R10OAy、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9およびHetからなる群から選択される;
R4はHである;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
p'は0、1または2であり;且つ
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
R6xは-NR7R8[式中R7およびR8はいずれもHであることはない]、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよび-NHR10Ayからなる群から選択される;そして
M1はLi、Mg-ハロゲン化合物またはセリウム-ハロゲン化合物[式中ハロゲン化合物はハロである]である]。
概して、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R3がH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そしてR4がHである(全ての他の式可変部はスキーム2-Aに関連して上記で定義されている)式(I)の化合物の調製方法は以下の工程を有してなる;
(a) 式(XI-A)の2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンを式(XXVII)のアセトフェノンと反応させて式(III-A)の化合物を調製する工程;
(b) 式(III-A)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(IV-A)の化合物を調製する工程;
(c) 式(IV-A)の化合物をアシル化またはスルホニル化剤と反応させて式(V-A)の化合物を調製する工程;
(d) 式(V-A)の化合物を転位させて式(VI-A)の化合物を調製する工程;
(e) 式(VI-A)の化合物をホルミル化させて式(XIII-A)の化合物を調製する工程;
(f) 式(XIII-A)の化合物を式(XIX)の化合物と反応させて式(XV-A)の化合物を調製する工程;
(g) 式(XV-A)の化合物を酸化させて式(XVI-A)の化合物を調製する工程;
(h) 式(XVI-A)の化合物を式(X)の化合物と反応させて式(XXX)の化合物を調製する工程;
(i) 式(XXX)の化合物をナトリウムエトキシドと反応させて式(XXXI)の化合物を調製する工程;
(j) 式(XXXI)の化合物を酸と反応させて、そのあと得られるエステルを加水分解させて式(XXXII)の化合物を得る工程;
(k) 式(XXXII)の化合物をt-ブタノール中でジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(I-X)の化合物を得る工程;
(l) 場合によっては式(I-X)の化合物を開裂させて式(I-Y)の化合物を得る工程;および
(m) 場合によっては式(I-Y)の化合物を、クロスカップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化およびスルホニル化からなる群から選択される条件により式(I-Z)の化合物に変換する工程。
特に、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;R3がH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8[式中R7およびR8はHではない]、-NR7Ay[式中R7はHではない]、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そしてR4がHである式(I)の化合物は、スキーム1-Aに関連して上述された方法を用いて式(XXX)の化合物を式(I)の化合物に変換することにより調製することができる。
スキーム2による式(XVII)の化合物の調製で上述したのと同様の方法を用いて式(XXX)の化合物を調製することができるが、スキーム1の式(VI)の化合物の合成に用いられた式(XI)のピコリンと式(II)のベンゾイル化剤との反応の代わりに、第1の工程(すなわち、式(III-A)の化合物の調製の工程)において塩基性条件下で2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンと式(XXVII)のアセトフェノンとの縮合反応が行なわれる。
式(XXX)の化合物はスキーム1-Aに関連して上述された方法を用いて式(I)の化合物に変換することができる。
YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物は以下のスキーム3に示す方法により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である],および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり;
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNである;
R3およびR4は同じであるかまたは異なっており、そしてH、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から独立に選択される;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
pは1、2または3であり;且つ
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
ここで式(XIII),(XIX),(XX)および(XVII)の化合物では少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;
ここで式(I)の化合物では少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される;そして
M1はLi、Mg-ハロゲン化合物またはセリウム-ハロゲン化合物[式中ハロゲン化合物はハロである]である]。
概して、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである(全ての式および全ての他の式可変部はスキーム3に関連して上記で定義されている)式(I)の化合物の調製方法は以下の工程を有してなる:
(a) 式(XI)のピコリンを式(II)のベンゾイル化剤と反応させて式(III)の化合物を調製する工程;
(b) 式(III)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(IV)の化合物を調製する工程;
(c) 式(IV)の化合物をアシル化またはスルホニル化剤と反応させて式(V)の化合物を調製する工程;
(d) 式(V)の化合物を転位させて式(VI)の化合物を調製する工程;
(e) 式の(VI)化合物をホルミル化させて式(XIII)の化合物を調製する工程;
(f) 式(XIII)の化合物を式(XVIII)の化合物と反応させて式(XIX)の化合物を調製する工程;
(g) 式(XIX)の化合物を酸化させて式(XX)の化合物を調製する工程;
(h) 式(XX)の化合物を式(X)の化合物と反応させ、そのあと酸化的芳香族化により式(XVII)の化合物を調製する工程;および
(i) R6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されない(すなわち、R6ハロ)実施形態では、式(XVII)の化合物のR6ハロを-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換させて式(I)の化合物を調製する工程。
さらに特定的には、式(XVII)の化合物中のR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されない(すなわち、そのような少なくとも1つのR6がハロである;「R6ハロ」)場合、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものであり;そして少なくとも1つのR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物は、式(XVII)の化合物中のR6ハロを-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換することにより調製することができる。式の化合物を式(I)の化合物に変換させる方法はスキーム2による合成反応に関連して上述されている。
式(XVII)の化合物は、式(XX)の化合物を式(X)の化合物と反応させ、そのあと酸化的芳香族化することにより調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム3に関連して前で定義されているとおりである。
この縮合反応は、不活性溶媒中、場合によっては塩基の存在下、式(XX)の化合物を式(X)の化合物で処理することにより簡便に行なわれる。反応は50-150℃に加熱してもよいし、あるいは周辺温度で行ってもよい。好適な不活性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールが挙げられる。塩基は代表的にはナトリウムアルコキシド、炭酸カリウム、あるいはトリエチルアミンのようなアミンである。もう1つの実施形態では、溶媒がN,N-ジメチルホルムアミドであり、そして塩基が炭酸カリウム、またはトリエチルアミンのようなアミン塩基である。この反応はジヒドロピリミジン中間体を生成する。
好ましくは同じ反応容器内で、上記ジヒドロピリミジン中間体は、酸化剤を加えることにより式(I)の化合物に酸化することができる。この反応は50-150℃に加熱してもよいし、あるいは周囲温度で行ってもよい。好ましくは、上記酸化剤は酸素(O2)、炭素担持のパラジウム、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンなどである。
式(XX)の化合物は式(XIX)の化合物を酸化することで簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム3に関連して前で定義されているとおりである。
式(XIX)の化合物を酸化するのに好ましい酸化剤としては、限定するものではないが、二酸化マンガンなどが挙げられる。この酸化反応は通常、例えばジクロロメタン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド,エーテルなどの不活性溶媒中で行なわれる。
式(XIX)の化合物は式(XIII)の化合物を式(XVIII)の化合物と反応させることにより簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
式中M1は、例えばリチウム、マグネシウム(II)ハロゲン化物、セリウム(III)ハロゲン化物などであり、そして他の全ての式可変部はスキーム3に関連して前で定義されているとおりである。式(XVIII)の化合物は販売元から購入してもよいし、あるいは当業者に公知の方法により調製することができる。式(XIII)の化合物は上記スキーム2に関連して上述された方法を用いることで調製することができる。
特定の式(I)の化合物の上記調製方法に加えて、本発明はまた上記方法によるそのような式(I)の化合物の調製に使用される特定の中間体化合物をも提供する。そのような中間体は上記スキーム3に示されている。
もう1つの実施形態では、YがNであり;そしてR2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものである式(I)の化合物は以下のスキーム3-Aに示す方法により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり;
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNである;
R3およびR4は同じであるかまたは異なっており、そしてH、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から独立に選択される;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
p'は0、1または2であり;且つ
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
R6xは-NR7R8[式中R7およびR8はいずれもHであることはない]、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Hetおよび-NHR10Ayからなる群から選択される;そして
M1はLi、Mg-ハロゲン化合物またはセリウム-ハロゲン化合物[式中ハロゲン化合物はハロである]である]。
概して、YがNであり;R2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものである(全ての式および全ての他の式可変部はスキーム3-Aに関連して前で定義されている)式(I)の化合物の調製方法は以下の工程を有してなる;
(a) 式(XI-A)の2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンを式(XXVII)のアセトフェノンと反応させて式(III-A)の化合物を調製する工程;
(b) 式(III-A)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(IV-A)の化合物を調製する工程;
(c) 式(IV-A)の化合物をアシル化またはスルホニル化剤と反応させて式(V-A)の化合物を調製する工程;
(d) 式(V-A)の化合物を転位させて式(VI-A)の化合物を調製する工程;
(e) 式(VI-A)の化合物をホルミル化して式(XIII-A)の化合物を調製する工程;
(f) 式(XIII-A)の化合物を式(XVIII)の化合物と反応させて式(XIX-A)の化合物を調製する工程;
(g) 式(XIX-A)の化合物を酸化させて式(XX-A)の化合物を調製する工程;
(h) 式(XX-A)の化合物を式(X)の化合物と反応させ、そのあと酸化的芳香族化により式(XXX)の化合物を調製する工程;
(i) 式(XXX)の化合物をナトリウムエトキシドと反応させて式(XXXI)の化合物を調製する工程;
(j) 式(XXXI)の化合物を酸と反応させ、そのあと得られるエステルを加水分解することにより式(XXXII)の化合物を得る工程;
(k) 式(XXXII)の化合物をt-ブタノール中でジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(I-X)の化合物を得る工程;
(l) 場合によっては式(I-X)の化合物を開裂させて式(I-Y)の化合物を得る工程;および
(m) 場合によっては式(I-Y)の化合物をクロスカップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化およびスルホニル化からなる群から選択される条件を用いて式(I-Z)の化合物に変換させる工程。
さらに特定的には、YがNであり;そしてR2がアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択されるものである式(I)の化合物は、スキーム1-Aの方法に関連して上述された方法を用いて式(XXX)の化合物を式(I)の化合物に変換させることで調製することができる。
スキーム3による式(XVII)の化合物の調製で上述されたのと同様の方法を用いて式(XXX)の化合物を調製することができるが、スキーム1で記載された式(VI)の化合物の合成に用いられる式(XI)のピコリンと式(II)のベンゾイル化剤の反応の代わりに、第1の工程(すなわち、式(III-A)の化合物の調製)で塩基性条件下で2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンと式(XXVII)のアセトフェノンの縮合反応が行なわれる。
式(XXX)の化合物はスキーム1-Aに関連して上述された方法を用いて式(I)の化合物に変換することができる。
式(I)の化合物は以下のスキーム4に示す方法により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり;
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNまたはCHである;
R3およびR4は同じであるかまたは異なっており、そしてH、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から独立に選択される;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
pは1、2または3であり;且つ
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
ここで式(VI)、(XXII)および(XVII)の化合物では少なくとも1つのR6はハロ、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され:また
式(I)の化合物では少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される;
X1はクロロ、ブロモまたはヨードである;そして
M2は-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハロゲン化合物、ZnRa、またはMg-ハロゲン化合物[式中Raはアルキルまたはシクロアルキルであり、そしてハロゲン化合物はハロである]である]。
概して、式(I)の化合物(全ての式および式可変部はスキーム4に関連して前で定義されている)の調製方法は以下の工程を有してなる:
(a) 式(XI)のピコリンを式(II)のベンゾイル化剤と反応させて式(III)の化合物を調製する工程;
(b) 式(III)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて式(IV)の化合物を調製する工程;
(c) 式(IV)の化合物をアシル化またはスルホニル化剤と反応させて式(V)の化合物を調製する工程;
(d) 式(V)の化合物を転位させて式(VI)の化合物を調製する工程;
(e) 式(VI)の化合物をハロゲン化して式(XXII)の化合物を調製する工程;
(f) 式(XXII)の化合物を式(XXIV)の化合物と反応させて式(XVII)の化合物を調製する工程;および
(g) 式(XVII)中のR6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されない場合(すなわち、R6ハロ)、式(XVII)の化合物のR6ハロを-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換して式(I)の化合物を調製する工程。
さらに特定的には、R6が-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されない場合(すなわち、R6ハロ)、式(I)の化合物は式(XVII)の化合物中のR6ハロを、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるアミン置換基で置換することで調製することができる。式(XVII)の化合物の式(I)への変換方法はスキーム2の説明に関連して上述されている。
式(XVII)の化合物は式(XXII)の化合物を式(XXIV)の化合物と反応させることで調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム4に関連して前で定義されているとおりである。
この反応は、パラジウム(0)またはニッケル(0)触媒の存在下、不活性溶媒中で行ってもよい。反応は場合によっては50-150℃に加熱してもよい。好ましくは反応は等モル量の式(XXII)の化合物を式(XXIV)のHet-金属化合物と反応させることで行なうが、反応を式(XXIV)の化合物の過剰量の存在下で行うことでもよい。パラジウムまたはニッケル触媒は好ましくは式(XXII)の化合物に対して1-10モル%で存在させる。好適なパラジウム触媒の例としては、限定するものではないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニル-ホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および二塩化ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム(II)が挙げられる。好適な溶媒としては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および1-メチル-2-ピロリジノンが挙げられる。式(XXIV)のHet-金属化合物がアリールボロン酸もしくはエステルまたはアリールボロン酸塩である場合、この反応は式(XXIV)の化合物の割合と同じであるか、またはそれより大きい割合で塩基を加えることでより簡便に行なわれる。式(XXIV)のHet-金属化合物は販売元から入手することでもよいし、あるいは個別の単離化合物として調製することでもよいし、あるいは当業者に公知の方法を用いてin situでつくることでもよい(Suzuki, A. J. Organomet. Chem. 1999, 576, 147; Stille, J. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1986, 25, 508; Snieckus, V. J. Org. Chem. 1995, 60, 292)。
式(XXII)の化合物は式(VI)の化合物からハロゲン化により調製することができる。
Figure 0004219171
式中全ての式可変部はスキーム4に関連して前で定義されているとおりである。
典型的には、このハロゲン化反応は式(I)の化合物を適当な溶媒中でハロゲン化剤にさらすことにより行われる。好適なハロゲン化剤としては、限定するものではないが、N-ブロモコハク酸イミド、三臭化トリアルキルアンモニウム、臭素、N-クロロコハク酸イミド、N-ヨードコハク酸イミド、一塩化ヨードが挙げられる。好適な溶媒としては、例えばN,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1-メチル-2-ピロリジノン、四塩化炭素、トルエン、ジクロロメタン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。
式(VI)の化合物はスキーム1に関連して上述された方法により調製することもできる。
上記式(I)の化合物の調製方法に加えて、本発明はまた上記方法による式(I)の化合物の調製に使用される特定の中間体化合物をも提供するものである。そのような中間体は上記スキーム4に示されている。
本発明のさらにもう1つの実施形態では、式(I)の化合物は以下のスキーム4-Aに示された方法により簡便に調製することができる。
Figure 0004219171
[式中:
R1はHである;
R2はハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である],および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
nは0、1または2であり;
Ayはアリールであり;
Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
YはNまたはCHである;
R3およびR4は同じであるかまたは異なっており、そしてH、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から独立に選択される;
qは0、1、2、3、4または5である;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
p'は0、1または2であり;且つ
それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子を持つ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
R6xは-NR7R8[式中R7およびR8はいずれもHであることはない]、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択される;
X1はクロロ、ブロモ,またはヨードである;そして
M2は-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2、-Sn(Ra)3、Zn-ハロゲン化合物、ZnRa、またはMg-ハロゲン化合物[式中Raはアルキルまたはシクロアルキルであり、ハロゲン化合物はハロである]である]。
概して、式(I)の化合物の調製方法(全ての式および式可変部はスキーム4-Aに関連して前で定義されている)は以下の工程を有してなる;
(a) 式(XI-A)の2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンを式(XXVII)のアセトフェノンと反応させて式(III-A)の化合物を調製する工程;
(b) 式(III-A)の化合物をヒドロキシルアミン源と反応させて(IV-A)の化合物を調製する工程;
(c) 式(IV-A)の化合物をアシル化またはスルホニル化剤と反応させて式(V-A)の化合物を調製する工程;
(d) 式(V-A)の化合物を転位させて(VI-A)の化合物を調製する工程;
(e) 式(VI-A)の化合物をハロゲン化して(XXII-A)の化合物を調製する工程;
(f) 式(XXII-A)の化合物を(XXIV)の化合物と反応させて(XXX)の化合物を調製する工程;
(g) 式(XXX)の化合物をナトリウムエトキシドと反応させて(XXXI)の化合物を調製する工程;
(h) 式(XXXI)の化合物を酸と反応させ、そのあと得られるエステルの加水分解により式(XXXII)の化合物を得る工程;
(i) 式(XXXII)の化合物をt-ブタノール中でジフェニルホスホリルアジドと反応させて式(I-X)の化合物を得る工程;
(j) 場合によっては式(I-X)の化合物を開裂させて式(I-Y)の化合物を得る工程;および
(k) 場合によっては式(I-Y)の化合物を、クロスカップリング、還元的アミノ化、アルキル化、アシル化およびスルホニル化からなる群から選択される条件を用いて式(I-Z)の化合物に変換する工程。
さらに特定的には、式(I)の化合物は、式(XXX)の化合物をスキーム1-Aに関連して上述した方法を用いて式(I)の化合物に変換することで調製することができる。
スキーム4による式(XVII)の化合物の調製に対して上記で説明されたのと同様の方法を用いて式(XXX)の化合物を調製することができるが、スキーム1で説明された式(VI)の化合物の合成反応で用いられた式(XI)のピコリンと式(II)のベンゾイル化剤との反応の代わりに、第1の工程(すなわち、式(III-A)の化合物の調製)で塩基性条件下2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジンと式(XXVII)のアセトフェノンの縮合反応が行われる。
当業者には明らかであるように、式(I)の特定の化合物は当技術分野で周知の方法を用いて式(I)の他の化合物に変換することができる。上記スキーム1-A、2-A、3-Aおよび4-Aの合成反応は式(I)の化合物を式(I)の他の化合物に変換するための特定の方法を示すものである。式(I)の化合物をもう1つの式(I)の化合物に変換させるもう1つの方法は、a) 式(I-A)の化合物を酸化させて式(I-B)の化合物を調製すること、およびそのあとb) 場合によっては式(I-B)の化合物を、酸素または、R2が-NR7R8、-OR7、-OAy、Nを介して結合しているHet、-NHHet、NHR10Het、OHetおよび-OR10Hetからなる群から選択されるものである式R2のアミン求核原子と反応させて、R2が-NR7R8、-OR7、-OAy、Nを介して結合しているHet、-NHHet、NHR10Het、OHetおよび-OR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物を生成させること、を含んでなる。
Figure 0004219171
式中R2は-NR7R8、-OR7、-OAy、Nを介して結合しているHet、-NHHet、NHR10Het、OHetおよび-OR10Hetからなる群から選択され;pは1、2または3であり;n'は1または2であり、そして全ての他の式可変部は上で説明したいずれかの方法に関連して定義されたとおりである。
さらに特定的には、式(I)の化合物は、式(I-B)の化合物(すなわち、R2がS(O)n'R9[式中n'は1または2である]である式(I)の化合物)を、酸素または、R2が-NR7R8、-OR7、-OAy、Nを介して結合しているHet、-NHHet、NHR10Het、OHetおよび-OR10Hetからなる群から選択されるものである式R2のアミン求核原子と反応させることで調製することができる。この反応はそのままでまたは適当な溶媒中で行うことができ、また50-150℃に加熱してもよい。代表的には溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールまたはN,N-ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランなどの溶剤である。場合によっては反応を促進するために塩基を用いることもできる。典型的には塩基は炭酸カリウム、あるいはトリエチルアミンなどのアミン塩基である。
式(I-B)の化合物は、不活性溶媒中で場合によっては塩基の存在下式(I-A)の化合物(すなわち、R2が-S(O)nR9[式中nは0である]である式(I)の化合物)を酸化剤と反応させることで簡便に調製することができる。
典型的には上記酸化剤は、場合によっては重炭酸ナトリウムなどの塩基と一緒の、m-クロロ過安息香酸のような過酸である。酸化剤と基剤との間の化学量論を慎重にモニターすることでスルホキシド(n=1)とスルホン(n=2)との間の生成物分布を制御することが可能となる。好適な溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられる。
式(I-A)の化合物は、R2が-SR9である上記した方法により、式(XVI)の化合物、式(IX)の化合物および式(XX)の化合物からなる群から選択される化合物と、式(X-A)の化合物(すなわち、R2が-SR9である式(X)の化合物)の反応から調製される。必要な式(X-A)の化合物は販売元から入手することができるか、または当業者には公知の方法により調製することができる。
式(I)の化合物をもう1つの式(I)の化合物に変換させるのに特に有用なもう1つの方法は、式(I-C)の化合物(すなわち、R2がフルオロである式(I)の化合物)をアミン(置換アミン、ヘテロ環およびヘテロアリールで、特にNを介して連結されているもの)と反応させ、そして場合によっては得られる混合物を50-150℃に加熱して式(I-D)の化合物(すなわち、R2が-NR7R8、Het、-NHHetおよび-NHR10Hetからなる群から選択されるものである式(I)の化合物)を調製することを含んでなる。
Figure 0004219171
式中全ての他の式可変部は上で説明した方法に関連して定義したとおりである。
この方法は、式(I-C)の化合物をアミンそのままの中で、または適当な溶媒中で、過剰のアミンと混合して式(I-D)の化合物を生成させることで行うことができる。典型的にはこの溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールである。他の好適な溶媒としてはN,N-ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリジンなどが挙げられる。
さらなる例として、慣用の脱メチル化反応を用いて、式(I-E)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5がO-メチルである式(I-E)の化合物)を式(I-F)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5がOHである式(I)の化合物)に変換することもできる。加えて、式(I-F)の化合物は場合によっては式(I-G)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5がOR10である式(I)の化合物)に変換することもできる。例えば、上記の変換反応は反応図式的には以下のように表わされる:
Figure 0004219171
式中q'は0、1、2、3または4であり;Meはメチルであり、そして全ての他の式可変部は上で説明した方法に関連して定義したとおりである。
この脱メチル化反応は、室温〜-78℃の温度で、式(I-E)の化合物を適当な溶媒中でルイス酸[Lewis acid]で処理して式(I-F)の化合物を生成させることで行うことができる。典型的にはこの溶媒はジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエンなどの不活性溶媒である。ルイス酸は三臭化ホウ素、ヨウ化トリメチルシリルなどである。
場合によっては、式(I-F)の化合物はアルキル化反応によりさらに式(I-G)の化合物に変換させることもできる。このアルキル化反応は、式(I-F)の化合物を適当な溶媒中で式R10-ハロ[式中R10は上で定義されたとおりである]のアルキルハライドで処理して式(I-G)の化合物を生成させることで行うことができる。この反応は好ましくは塩基の存在下、場合によっては50-200℃に加熱しながら行ってもよい。反応はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中で行ってもよい。典型的には上記塩基は炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウムなどである。加えて、当業者には明らかであるように、上記アルキル化反応はミツノブ条件[Mitsunobu conditions]下で行うこともできる。
式(I)の化合物をもう1つの式(I)の化合物に変換させる方法のさらなる例として、式(I-H)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5がハロである式(I)の化合物)は式(I-J)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5がHetである式(I)の化合物)または式(I-K)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5がAyである式(I)の化合物)に変換させることもできる。例えば、式(I-H)の化合物の式(I-J)の化合物または式(I-K)の化合物への変換は以下に反応図式的に示されている。
Figure 0004219171
式中q'は0、1、2、3または4であり;M4は-B(OH)2、-B(ORa)2、-B(Ra)2,および-Sn(Ra)2[式中Raはアルキルまたはシクロアルキルである]からなる群から選択され;全ての他の式可変部は上で説明した方法に関連して定義したとおりである。
この式(I-H)の化合物の式(I-J)または(I-K)の化合物への変換反応は、式(I-H)の化合物を式Het-M4の化合物と結合させて式(I-J)の化合物をつくらせるか、または式Ay-M4の化合物と結合させて式(I-K)の化合物をつくらせることで行なわれる。この反応は不活性溶媒中で、パラジウム(0)源の存在下で行ってもよい。反応は場合によっては50-150℃に加熱してもよい。好ましくはこの反応は、等モル量の式(I-H)の化合物と式Het-M4またはAy-M4の化合物(式(I-J)の化合物か式(I-K)の化合物のどちらが所望されているかに依存する)とを反応させることで行う。反応はまた過剰Het-M4またはAy-M4の存在下で行ってもよい。上記パラジウム(0)触媒は好ましくは式(I-H)の化合物に対して1-25モル%で存在させる。好適なパラジウム触媒の例としては、限定するものではないが、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニル-ホスフィン)パラジウム(II)、および二塩化ビス(ジフェニルホスフィノ-フェロセン)パラジウム(II)が挙げられる。好適な溶媒しては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、および1-メチル-2-ピロリジノンが挙げられる。式Het-M4またはAy-M4の化合物がボロン酸もしくはエステルまたはボロン酸アミン塩である場合、この反応は式Het-M4またはAy-M4の化合物の割合と等しい、またはそれより大きい割合で塩基を加えることによりさらに簡便に行なわれる。式Het-M4およびAy-M4の化合物は販売元から入手してもよいし、あるいは当業者に公知の方法を用いて個別の単離化合物として調製するか、またはin situで生成させることでもよい(Suzuki, A. J. Organomet. Chem. 1999, 576, 147; Stille, J. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1986, 25, 508; Snieckus, V. J. Org. Chem. 1995, 60, 292)。
さらにもう1つの例では、式(I-H)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5がハロである式(I)の化合物)は式(I-L)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5がNH2である式(I)の化合物)に変換される。場合によっては、式(I-L)の化合物はそのあと式(I-M)の化合物(すなわち、qが1以上であり、且つ少なくとも1つのR5が-NR7R8である式(I)の化合物)に変換することもできる。例えば、上記の変換反応は反応図式的には以下のように表わされる:
Figure 0004219171
式中q'は0、1、2、3または4であり、全ての他の式可変部は上で説明した方法に関連して定義したとおりであるが、式(I-M)の化合物中では2-フェニルに結合しているアミンR7およびR8のいずれもはHではない。
式(I-H)の化合物の式(I-L)の化合物への変換方法は、式(I-H)の化合物を、パラジウム(0)源、塩基および適当なリガンドの存在下でイミンと反応させ、そのあと加水分解により式(I-L)の化合物を得ることで行なわれる。J. Wolfe, et al., Tetrahedron Letters 38:6367-6370(1997) を参照されたい。典型的には上記イミンはベンゾフェノンイミンであり、パラジウム(0)源はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、塩基はナトリウムt-ブトキシドであり、そしてリガンドはラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルである。好適な溶媒としてはN,N-ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
適当な溶媒中、塩基の存在下、場合によっては加熱しながらの式(I-L)の化合物と式R7-ハロゲンの化合物との反応を用いて式(I-M)の化合物を調製することもできる。典型的にはこの塩基はトリエチルアミンまたはピリジンであり、そして溶媒はN,N-ジメチルホルムアミドなどである。式(I-L)の化合物は、アニリンで用いられる、当業者には周知の変換反応を用いることで式(I-M)の化合物に変換することができる。
式(I-M)のさらなる化合物は、式(I-L)の化合物のケトンまたはアルデヒドによる還元的アミノ化により得ることができる。A. Abdel-Magid, et al., J. Org. Chem. 61:3849-3862(1996) を参照されたい。典型的には式(I)の化合物が、ジクロロエタンなどの不活性溶媒中で、酢酸などの酸および、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどの還元剤の存在下で、アルデヒドまたはケトンで処理される。
本開示および本明細書中に含まれている実施例に基づき、当業者なら、式(I)の化合物またはそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能する誘導体を、他の式(I)の化合物、またはそれの医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能する誘導体に容易に変換することができる。
本発明はまた放射線標識された式(I)の化合物およびビオチン化された式(I)の化合物を提供するものである。放射線標識された式(I)の化合物およびビオチン化された式(I)の化合物は慣用の方法を用いて調製することができる。例えば、放射線標識された式(I)の化合物は、式(I)の化合物を、適当な触媒の存在下でトリチウムガスと反応させて放射線標識された式(I)の化合物を生成させることで調製することができる。
1つの好ましい実施形態では、式(I)の化合物がトリチウム化される。
放射線標識された式(I)の化合物およびビオチン化された式(I)の化合物は、ヘルペスウイルス感染などのウイルス感染の治療および予防のための化合物を同定するアッセイに有用である。つまり、本発明はヘルペスウイルス感染などのウイルス感染の治療または予防に対して活性を有する化合物を同定するためのアッセイ方法を提供し、その方法は、放射線標識された式(I)の化合物またはビオチン化された式(I)の化合物をその標的タンパク質に特異的に結合させる工程を有してなる。さらに詳しくは、好適なアッセイ方法は競合結合アッセイを含んでいるものである。本放射線標識された式(I)の化合物およびビオチン化された式(I)の化合物は、当技術分野で慣用されている方法によるアッセイで用いることができる。
以下の実施例は説明のためのものであって、決して本発明の範囲を限定するものではない。試薬類は市販されているものであるか、または文献にある方法により調製される。実施例の番号は表に掲載されている化合物を示す。
1H-NMRスペクトルおよび13C-NMRスペクトルは、それぞれ、300または400MHz、および75または100MHzで、Varian Unity Plus NMR分光光度計で得た。19F-NMRを282MHzで記録した。マススペクトルは、Atmospheric Chemical Ionization(APCI)かElectrospray Ionization(ESI)を用いて、Micromass Ltd.(Alトリncham、UK)製のMicromass Platform、またはZMDマススペクトル計で得た。単離することができなかった、または不安定なため十分なキャラクタリゼーションができなかったいくつかの中間体の純度を確認するために、また反応の進行を追跡するために、分析用薄層クロマトグラフィーを用いた。特に断らない限り、これはシリカゲル(Merck Silica Gel 60 F254)を用いて行った。特に断らない限り、いくつかの化合物を精製するためのカラムクロマトグラフィーでは、Merck Silica gel 60(230-400メッシュ)を使用し、また、記載されている溶媒系を加圧下で使用した。特に断らない限り、全ての化合物は、化合物の遊離塩基の形態でキャラクタリゼーションした。所々注記してあるところでは、対応する塩酸塩を生成させて固形物をつくった。

実施例1:4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン
Figure 0004219171
a) 2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン
テトラヒドロフラン(100mL)中の4-クロロ-2-ピコリン(5.0g、39mモル)および4-フルオロ安息香酸エチル(6.6g、39mモル)の冷(0℃)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(80mL、テトラヒドロフラン中1.0M、80mモル)を30分間かけて添加した。添加が全部終わったあと、その冷浴を取り外し、そして得られた溶液を室温で15時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、そしてこの反応系にメタノールを加えることで白色沈殿物が形成された。沈殿物を濾過により回収し、そして乾燥させて2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(9.6g、99%)を白色固形物として得た。
1H-NMR(DMSO-d6): δ 7.90(m、3H)、7.11(t、2H)、6.56(s、1H)、5.67(s、1H)、4.14(m、2H); 19F-NMR(DMSO-d6): δ -115.67; MS m/z 250(M+1)。
b) 2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム
メタノール(200mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノン(9.6g、38mモル)の溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(13.5g、190mモル)を加え、そのあと水酸化ナトリウム水溶液(7.8g、50mL の水中190mモル)を加えた。得られた懸濁液を還流で2時間加熱し、そしてそのあと室温まで冷却させた。この混合物を濃縮し、そして得られたスラリーに水を加えた。白色沈殿物が生成し、これを濾過により回収し、水で洗い、そして乾燥(硫酸マグネシウム)することで2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム(8.45g、84%)を白色固形物として得た。
1H-NMR(DMSO-d6): δ 11.56(s、1H)、8.44(d、1H)、7.80(m、2H)、7.40(m、2H)、7.22(m、2H)、4.29(s、2H); 19F-NMR(DMSO-d6): δ -113.44; MS m/z 265(M+1)。
c) 5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン
0℃にある1,2-ジメトキシエタン(50mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-フルオロフェニル)エタノンオキシム(8.0g、30mモル)溶液に、添加の間は温度を10℃より低く保ちながら、無水トリフルオロ酢酸(6.3g、30mモル)を加えた。この添加が完了したあと、反応物を室温まで加温した。この溶液をそのあと4℃まで冷却し、そして1,2-ジメトキシエタン(20mL)中のトリエチルアミン(8.4mL、60mモル)溶液を0.5時間かけて加えた。この混合物を室温まで昇温させ、そして1.5時間撹拌した。この混合物に塩化鉄(II)(40mg)を加え、そしてこの反応系を75℃で15時間加熱した。この反応混合物を水(300mL)の中に注いだ。得られた懸濁液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそして固体残渣となるまで濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィ(1:1 酢酸エチル-ヘキサン)により精製して5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(4.2g、57%)を白色固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 8.36(d、1H)、7.93(q、2H)、7.49(d、1H)、7.15(t、2H)、6.70(dd、1H)、6.69(s、1H); 19F-NMR(CDCl3): δ -113.30; MS m/z 247(M+1)。
d) 5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド
オキシ塩化リン(0.6mL、6.4mモル)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に添加し、そして得られた混合物を室温で10分間撹拌した。5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(1.0g、4.1mモル)を加え、この反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、そして水酸化アンモニウム水溶液でpH 7に中和した。得られたスラリーをジクロロメタン(3×40mL)で抽出した。これの合わせた有機相をブラインで洗い、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそしてアセトニトリルから再結晶させることで5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.95g、85%)を白色固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ10.07(s、1H)、8.49(d、1H)、8.44(d、1H)、7.78(q、2H)、7.22(t、2H)、7.07(dd、1H); MS m/z 275(M+1)。
e) 1-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ブチン-1-オン
-78℃にあるテトラヒドロフラン(20mL)中の5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.93g、3.4mモル)溶液に臭化エチニルマグネシウム(0.93g、3.4mモル)を添加した。この混合物を室温まで加温し、そして1時間撹拌した。この反応系に水を加え、そして得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそして個体残渣となるまで濃縮した。この残渣をジクロロメタン(50mL)中に溶解し、そして二酸化マグネシウム(5g)を加えた。このスラリーを室温で2時間撹拌した。二酸化マグネシウムを濾過により除去し、そして濾液を固形物となるまで濃縮した。この固形物をフラッシュクロマトグラフィ(ジクロロメタン)により精製して1-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ブチン-1-オン(0.63g、2段階で62%)を白色固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 8.52(d、1H)、8.47(d、1H)、7.69(q、2H)、7.18(t、2H)、7.07(dd、1H)、3.00(s、1H); 19F-NMR(CDCl3): δ -111.69; MS m/z 299(M+1)。
f) 4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン
N,N-ジメチルホルムアミド中の1-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ブチン-1-オン(0.61g、2.0mモル)溶液に、塩酸シクロペンチルグアニジン(0.67g、4.1mモル)、次いで無水炭酸カリウム(0.57g、4.1mモル)を添加した。得られた混合物を80℃で12時間加熱した。室温まで冷却してから、水を加えた。この混合物を酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル相をブラインで洗い、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそして真空中で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィ(1:1 酢酸エチル-ヘキサン)で精製し、アセトニトリルからの再結晶により4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.6g、74%)を白色固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ8.54(broad s、1H)、8.40(d、1H)、8.04(d、1H)、7.60(q、2H)、7.16(t、2H)、6.88(dd、1H)、6.28(d、1H)、5.22(d、1H)、4.40(m、1H)、1.4-2.2(m、8H); 19F-NMR(CDCl3): δ -112.5; MS m/z 408(M+1)。
実施例2:N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
シクロペンチルアミン(5mL)中の4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.1g、0.25mモル)溶液にラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(46mg、0.08mモル)、炭酸セシウム(120mg、0.38mモル)および酢酸パラジウム(II)(11mg、0.05mモル)を加えた。得られた混合物を80℃で24時間撹拌したが、このとき反応は薄層クロマトグラフィにより完結していると判断された。この溶液を室温まで冷却し、そしてこの反応混合物に酢酸エチルと水を加えた。この相を分離し、そして水相をもう一度酢酸エチルで抽出した。この合わせた有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィ(1:1 ヘキサン-酢酸エチル)により精製してN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(78mg、70%)を白色固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 8.16(d、1H)、7.95(d、1H)、7.58(q、2H)、7.38(d、1H)、7.12(t、2H)、6.24(dd、1H)、6.20(d、1H)、5.05(d、1H)、4.40(m、1H)、4.13(m、1H)、3.89(m、1H)、1.5-2.2(m、16H); 19F-NMR(CDCl3): δ -113.7; MS m/z 457(M+1)。
実施例3:3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
トルエン(5mL)中の4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.1g、0.25mモル)溶液にベンゾフェノンイミン(0.13g、0.75mモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.02g、0.03mモル)、ラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(0.05g、0.09mモル)およびナトリウムt-ブトキシド(0.07g、0.75mモル)を加えた。この反応系を100℃で3時間加熱し、そのあと室温まで冷却させた。この反応混合物に重炭酸ナトリウムと酢酸エチルを加えた。この相を分離し、そして有機相をブラインで洗い、そして脱水した(硫酸マグネシウム)。濾過および濃縮のあと、フラッシュクロマトグラフィ(1:4 酢酸エチル-ヘキサン〜1:1 酢酸エチル-ヘキサン)による精製により3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-(ジフェニルメチレン)-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミンを固形物として得た。この固形物をテトラヒドロフラン(10mL)中に溶解させた。この溶液に0℃で4N塩酸(2mL)を滴下で加えた。続いて、この反応混合物を30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そのあと飽和重炭酸塩水溶液を該酢酸エチルの層が透明になるまでゆっくり加えた。得られた混合物を30分間撹拌した。この有機相を水、ブラインで洗い、そして脱水(硫酸マグネシウム)した。濾過および濃縮のあと、フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル)により3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(54mg、57%)を黄色泡状物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 8.22(d、1H)、7.97(d、1H)、7.58(q、2H)、7.11(t、2H)、6.34(dd、1H)、6.20(d、1H)、5.14(d、1H)、4.31(m、1H)、4.10(m、3H)、1.5-2.2(m、8H); 19F-NMR(CDCl3): δ -113.4; MS m/z 389(M+1)。
実施例4:N-[3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル]メタンスルホンアミド
Figure 0004219171
無水ピリジン(5mL)中の3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(60mg、0.15mモル)溶液に塩化メチルスルホニル(36mg、0.3mモル)を添加した。この反応系を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そのあと飽和重炭酸塩水溶液を加えた。この相を分離し、有機相を水、ブラインで洗い、そして脱水(硫酸マグネシウム)した。濾過と濃縮のあと、フラッシュクロマトグラフィ(1:1 酢酸エチル-ヘキサン)によりN-[3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル]メタンスルホンアミド(35mg、50%)を固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 8.42(d、1H)、8.15(d、1H)、8.05(d、1H)、7.60(q、2H)、7.13(t、2H)、6.90(dd、1H)、6.30(d、1H)、5.34(d、1H)、4.30(m、1H)、3.12(s、3H)、1.5-2.2(m、8H);19F-NMR(CDCl3): δ -112.64; MS m/z 467(M+1)。
実施例5:3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン
Figure 0004219171
a) 1-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)エタノン
テトラヒドロフラン(400mL)中の4-フルオロアセトフェノン(13.8g、0.100モル)と2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン(20.0g、0.110モル)の溶液に水素化ナトリウム(95%、5.56g、0.220モル)を数回に分けて加えた。この反応系を室温で72時間撹拌したあと水(300mL)およびジエチルエーテル(200mL)を加えることにより注意深くクェンチした。この有機層を分離し、そして6N HCl(2 × 300mL)で抽出した。この水性抽出液を0℃まで冷却し、そして6N NaOHを用いて該溶液をpH 12に調整した。この混合物を次にジエチルエーテルで抽出し、そしてその合わせた有機抽出液を硫酸マグネシウムで脱水した。この乾燥剤を濾過により除去し、そしてその濾液を乾燥するまで蒸発させて標題化合物を互変異性体混合物、20.9g(73%)として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.87(s)、8.63(s)、8.14(dd、J=5.1、8.4 Hz)、8.00-7.83(m)、7.51(d、J=8.4 Hz)、7.22-7.12(m)、6.13(s)、4.60(s)。MS(ES): 284(M+1)。
b) 1-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)エタノンオキシム
室温にあるメタノール(1 L)中の1-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)エタノン(80.0g、0.282モル)溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液(436mL、1.09モル)を加えた。得られた溶液を個体塩酸ヒドロキシルアミン(98.0g、1.40モル)を加えながら激しく撹拌した。この混合物を還流で2時間加熱し、熱いうちに脱色チャコールで処理し、そのあと熱いうちにセライトで濾過した。この濾液をその元の体積の半分となるまで濃縮し、そしてそのあと1時間撹拌しながら0℃まで冷却した。得られた固形物を濾過により回収し、水で洗い、そして真空下50℃で一晩乾燥させて標題化合物を淡黄色粉末、73.9g(88%)として得た。
1H NMR(DMSO-d6): δ 11.60(s、1H)、8.86(s、1H)、8.14(dd、1H、J=2.1、8.1 Hz)、7.78(dd、2H、J=5.7、9.0 Hz)、7.53(d、1H、J=8.4 Hz)、7.23(t、2H、J=9.0 Hz)、4.40(s、2H)。MS(ES): 299(M+1)。
c) 3-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)-2H-アジリン
塩化メチレン(400mL)中の1-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)エタノンオキシム(25.0g、0.084モル)溶液にトリエチルアミン(46.7mL、0.335モル)を加えた。この溶液を窒素雰囲気下で0℃まで冷却し、そして無水トリフルオロ酢酸(14.1mL、0.100モル)を滴下で加えた。この反応系を0.5時間撹拌したあと、水でクェンチした。この有機層を分離し、そして無水硫酸マグネシウムで脱水した。この脱水剤を濾過により除去し、そしてその濾液から溶媒を蒸発させると油状物が残った。この残留物をシリカゲルカラム上に載せ、そしてヘキサン中の15%酢酸エチルで溶出して標題化合物を油状物として得たが、この油状物は静置しておくと固まった、19.4g(82%)。
1H NMR(CDCl3): δ 8.76(s、1H)、7.93(dd、2H、J=5.4、8.7 Hz)、7.83(dd、1H、J=2.1、8.4 Hz)、7.27(t、2H、J=8.7Hz)、7.21(d、1H、J=8.1 Hz)、3.54(s、1H)。MS(ES): 281(M+1)。
d) 2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン
3-(4-フルオロフェニル)-2-(2-(5-トリフルオロメチル)ピリジル)-2H-アジリン(40.0g、0.143モル)を1,2,4-トリクロロベンゼン(400mL)中に溶解させ、そしてその混合物を200℃で10時間加熱した。この反応混合物を次に室温まで冷やし、そしてシリカゲルカラム上に注いだ。このカラムをヘキサンで溶出させて上記1,2,4-トリクロロベンゼンを除去し、そしてそのあとヘキサン中の20%ジエチルエーテルで生成物を溶出させた。所望の分画を合わせ、そしてその溶媒を減圧下で蒸発させると標題化合物、28.7g(71%)が残った。
1H NMR(CDCl3): δ 8.84(s、1H)、7.98(dd、2H、J=5.4、8.7 Hz)、7.65(d、1H、J=9.3 Hz)、7.28(d、1H、J=9.3Hz)、7.20(t、2H、J=8.7 Hz)、6.88(s、1H)。MS(ES): 281(M+1)。
e) 2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド
N,N-ジメチルホルムアミド(160mL)中の冷(0℃)オキシ塩化リン溶液(8.0mL、86mモル)に2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(11.0g、39.3mモル)を加えた。この反応混合物を室温で72時間撹拌し、そのあと氷水でクェンチした。これの固体沈殿物をフィルターで回収して2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド(11.4g、94%)を白色固形物として得た。
Rf 0.45(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H NMR(400 MHz、CDCl3): δ 10.15(s、1H)、8.92(s、1H)、8.53(d、1H)、7.80(m、2H)、7.70(d、1H)、7.27(t、2H); 19F NMR(CDCl3)δ -62.62、-110.62; MS m/z 307(M-1)。
f) 1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール
テトラヒドロフラン(100mL)中の2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド(11.4g、37.0mモル)の冷(-78℃)懸濁液に臭化エチニルマグネシウム(111mL、テトラヒドロフラン中0.5 M、56mモル)を加えた。この反応混合物を室温まで加温し、そして14時間撹拌した。この反応混合物を水の中に注ぎ、そして1N塩酸水溶液で中性pHに調整した。この水性混合物を酢酸エチルで抽出した。これの合わせた抽出液を水およびブラインで洗った。これの有機層を硫酸マグネシウムで脱水した。濾過および濃縮により1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(11.9g、96%)を褐色固形物として得た。
Rf 0.18(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H NMR(300 MHz、CDCl3) δ 8.81(s、1H)、8.15(d、1H)、7.75(m、2H)、 7.35(d、1H)、7.19(t、2H)、5.76(s、1H)、2.71(d、1H)、2.60(d、1H); MS m/z 335(M+1)。
g) 1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン
クロロホルム(400mL)中の1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(5.00g、15.0mモル)の冷(0 oC)溶液に二酸化マンガン(130g、1.50モル)を加えた。この反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物をセライトのパッドで濾過した。この濾液を真空中で濃縮して1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(3.44g、69%)を透明油状物として得た。
Rf 0.39(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 8.90(s、1H)、8.61(d、1H)、7.72-7.69(m、3H)、7.17(m、2H)、3.06(s、1H); MS m/z 333(M+1)。
h) N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン
エタノール(70mL)中の塩酸N-シクロペンチルグアニジン(2.20g、13.5mモル)の懸濁液にナトリウムエトキシド(4.5mL、エタノール中3 M、14mモル)を加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、そのあと0℃に冷やした。この混合物に1-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(3.44g、10.4mモル)を少しずつ加えた。この反応混合物を0℃で30分間撹拌し、そのあと室温で15時間撹拌した。この反応混合物を水(400mL)で希釈した。これの固体沈殿物をフィルター上で回収してN-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(4.48g、98%)を橙色固形物として得た。
1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 8.84(s、1 H)、8.51(d、1 H)、8.11(d、1 H)、7.64(dd、2 H)、7.44(dd、1 H)、7.17(t、2 H)、6.33(d、1 H)、5.17(d、1 H)、4.34(m、1 H)、2.15-2.06(m、2 H)、1.84-1.52(m、6 H); 19F NMR(CDCl3): δ -62.70、-112.25 MS m/z 442(M+1); mp 155-156℃。
i) N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリエトキシメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン
乾燥丸底フラスコにナトリウム金属(1.9g、83mモル)を加えた。エタノール(110mL)を加え、そしてナトリウムと室温で完全に溶解するまで反応させた。N-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリフルオロメチル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(4.48g、10.1mモル)を加え、そして反応混合物を60℃で18時間撹拌した。この反応混合物を冷却し、そして真空中で元の体積の約四分の一となるまで濃縮した。得られた混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。これの有機層を水およびブラインで洗い、そのあと硫酸マグネシウムで脱水した。濾過および濃縮によりN-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリエトキシメチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(4.86g、92%)を灰色固形物として得た。
Rf 0.15(4:1ヘキサン:酢酸エチル); 1H NMR(300 MHz、CDCl3) δ 8.81(s、1H)、8.39(d、1H)、8.06(d、1H)、7.62(m、2H)、7.47(d、1H)、 7.14(t、2H)、6.32(d、1H)、5.12(d、1H)、4.35(m、1H)、3.43(q、6H)、2.08(m、2H)、1.80-1.51(m、6H)、1.21(t、9H); MS m/z 520(M+1)。
j) エチル3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-カルボキシレート
アセトン(40mL)および水(10mL)中のN-シクロペンチル-4-[2-(4-フルオロフェニル)-6-(トリエトキシメチル)ピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-ピリミジンアミン(1.0g、1.9mモル)の溶液にp-トルエンスルホン酸一水和物(915mg、4.81mモル)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物のpHを飽和重炭酸ナトリウム水溶液を用いてほんの少し塩基性に調整した。この反応混合物を真空中で元の体積の三分の一まで濃縮し、そのあと水で希釈した。これの沈殿物をフィルター上で回収してエチル3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-カルボキシレート(722mg、85%)を橙色固形物として得た。
Rf 0.15(4:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H NMR(300 MHz、CDCl3) δ 9.22(s、1H)、8.38(d、1H)、8.08(br、1H)、7.85(d、1H)、7.64(m、2H)、7.16(t、2H)、6.34(s、1H)、5.26(br、1H)、4.44(q、2H)、4.35(br、1H)、2.08(m、2H)、1.80-1.52(m、6H)、1.43(t、3H); MS m/z 446(M+1)。
k) 3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-カルボン酸塩酸塩
ジオキサン(9mL)および水(1mL)中のエチル 3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-カルボキシレート(385mg、0.864mモル)の溶液に水酸化リチウム一水和物(109mg、2.60mモル)を加えた。この反応混合物を95℃で5時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮した。この濃縮残留物の水中懸濁液を1N塩酸水溶液で酸性化した。これの固体沈殿物をフィルター上で回収して塩酸3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-カルボン酸(359mg、92%)を橙色固形物として得た。
1H NMR(400 MHz、DMSO-d6) δ 9.27(s、1H)、8.73(br、1H)、8.46(br、1H)、8.12(br、1H)、7.97(br、1H)、7.67(m、2H)、7.36(t、2H)、6.35(br、1H)、4.18(br、1H)、1.95(br、2H)、1.71(br、2H)、1.56(br、4H); MS m/z 418(M+1)。
l) t-ブチル 3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルカルバメート
t-ブタノール中の3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-カルボン酸塩酸塩(60mg、0.13mモル)の懸濁液にトリエチルアミン(39μL、0.28mモル)およびジフェニルホスホリル アジド(34μL、0.16mモル)を加えた。この反応混合物を還流で2.5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチルで希釈した。これの有機層を5%クエン酸水溶液、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、およびブラインで洗った。有機層を硫酸ナトリウムで脱水した。濾過および濃縮のあとフラッシュクロマトグラフィ(39:1 ジクロロメタン:メタノール)によりt-ブチル3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルカルバメート(35mg、54%)を薄緑色油状物として得た。
Rf 0.32(29:1 ジクロロメタン:メタノール); 1H NMR(400 MHz、CDCl3) δ 8.95(br、1H)、8.35(d、1H)、8.01(br、1H)、7.60(m、2H)、7.19(d、1H)、7.12(t、2H)、6.51(s、1H)、6.31(d、1H)、4.34(m、1H)、2.07(m、2H)、1.90-1.52(m、6H)、1.53(s、9H); MS m/z 489(M+1)。
m) 3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン二塩酸塩
ジクロロメタン中のt-ブチル3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イルカルバメート(35mg、0.072mモル)の溶液に塩化水素(144μL、ジオキサン中4 N、0.58mモル)を加えた。この反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物をエーテルで希釈し、そしてこれの沈殿した固形物をフィルター上で回収して3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン二塩酸塩(9mg、27%)を茶黄色固形物として得た。
1H NMR(300 MHz、DMSO-d6) δ 8.25(br、1H)、7.97-7.91(m、2H)、7.53(m、2H)、7.26(t、2H)、7.06(d、1H)、6.15(br、1H)、4.14-3.85(br、1H)、1.85(br、2H)、1.65(br、2H)、1.48(br、4H); MS m/z 389(M+1)。
実施例6:N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン
Figure 0004219171
1,2-ジクロロエタン中の3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン二塩酸塩(90mg、0.20mモル)の懸濁液にシクロペンタノン(26μL、0.29mモル)、酢酸(56μL、0.98)、およびトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(82mg、0.39mモル)を加えた。この反応混合物を室温で16時間撹拌し、そのあと水でクェンチした。得られた混合物を酢酸エチルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈した。これの有機層を分離し、そして水およびブラインで洗った。これの有機層を硫酸マグネシウムで脱水した。濾過および濃縮のあとフラッシュクロマトグラフィ(4:1 ヘキサン:酢酸エチル〜7:3 ヘキサン:酢酸エチル)によりN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(40mg、45%)を緑色油状物として得た。
Rf 0.25(2:1 ヘキサン:酢酸エチル); 1H NMR(300 MHz、CDCl3) δ 8.25(d、1H)、8.00(d、1H)、7.79(s、1H)、7.61(m、2H)、7.13(t、2H)、6.86(d、1H)、6.32(d、1H)、5.23(br、1H)、4.36(m、1H)、3.72(m、1H)、3.54(d、1H)、2.14-2.02(m、4H)、1.81-1.51(m、12H); MS m/z 457(M+1)。
この生成物のエーテル中の溶液にエーテル中のHCl 1 Mを加えた。これの沈殿固形物を単離して対応するHCl塩を得た。
実施例7:3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン
Figure 0004219171
実施例6で説明したのと同様の方法で3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン二塩酸塩(40mg、0.087mモル)およびアセトン から3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(16mg、43%)を緑色固形物として得た。
Rf 0.21(2:1 ヘキサン:EtOAc); 1H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 8.25(d、1H)、7.89(d、1H)、7.72(s、1H)、7.56(m、2H)、7.19(d、2H)、7.03(d、1H)、6.24(d、1H)、4.22(m、1H)、3.52(m、1H)、2.00(m、2H)、1.78-1.51(m、6H)、1.24(d、6H); MS m/z 431(M+1)。
実施例8:3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-(2-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.1g、0.25mモル)および2-メトキシエチルアミンを実施例2で説明したようにしてラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、炭酸セシウムおよび酢酸パラジウム(II)で処理し、フラッシュクロマトグラフィ(1:1 ヘキサン-酢酸エチル)による精製のあと3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-(2-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(65mg、59%)を固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 8.2(d、1H)、7.9(d、1H)、7.55(m、2H)、7.4(m、1H)、7.1(t、2H)、6.32(dd、1H)、6.2(d、1H)、5.3(broad s、1H)、4.54(t、1H)、4.4(m、1H)、3.65(m、2H)、3.4(s、3H)、3.35(m、2H)、2.1(m、2H)、1.5-1.8(m、6H); 19F-NMR(CDCl3): δ -113.46; MS m/z 447(M+1)。
実施例9:3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
4-[5-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.1g、0.25mモル)およびイソプロピルアミンを実施例2で説明したようにしてラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル、炭酸セシウムおよび酢酸パラジウム(II)で処理し、フラッシュクロマトグラフィ(1:1 ヘキサン-酢酸エチル)による精製のあと3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(70mg、66%)を固形物として得た。
1H-NMR(CDCl3): δ 8.17(d、1H)、7.9(d、1H)、7.58(q、2H)、7.4(m、1H)、7.15(t、2H)、6.24(dd、1H)、6.2(d、1H)、5.25(broad s、1H)、4.4(m、1H)、3.95(d、1H)、3.75(m、1H)、2.1(m、2H)、1.5-1.8(m、6H)、1.30(d、6H); 19F-NMR(CDCl3): δ -113.45; MS m/z 431(M+1)。
実施例10:N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
a) 2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノン
テトラヒドロフラン(100mL)中の4-クロロ-2-ピコリン(10g、78.4mモル)および4-メトキシ安息香酸エチル(14.1g、78.4mモル)の冷(0℃)溶液にリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(157mL、テトラヒドロフラン中1.0 M、157mモル)を1時間かけて均圧漏斗を介して滴下で加えた。添加が完了したら、氷浴を取り外し、そして得られた溶液を45℃で15時間加熱した。この混合物を室温まで冷却させ、そしてこの溶液を濃縮した。反応をクェンチするためにメタノールを加えたところ、黄色沈殿物が形成された。この沈殿物を濾過により回収し、そして乾燥して目的生成物をエノールおよびケトン互変異性体として得た。
MS m/z 262(M+1)。
b) 2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンオキシム
メタノール(200mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンの溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(27.2g、392mモル)を加え、続いて水酸化ナトリウム水溶液(15.7g、水50mL中392mモル)を加えた。得られた懸濁液を還流で1時間加熱し、そしてそのあと室温まで冷却させた。この混合物を濃縮し、そして得られたスラリーに水を加えた。白色沈殿物が形成したので、これを濾過により回収し、水で洗いそして乾燥させて2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンオキシム(11.8g)を白色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.47(d、1H)、7.72(d、2H)、7.36(d、1H)、7.19(dd、1H)、6.91(d、2H)、4.43(s、2H)、3.84(s、3H); MS m/z 277(M+1)。
c) 5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン
0℃にある1,2-ジメトキシエタン(200mL)中の2-(4-クロロ-2-ピリジニル)-1-(4-メトキシフェニル)エタノンオキシム(11.8g、42.6mモル)の溶液に、添加中は温度を10℃より低く保ちながら無水トリフルオロ酢酸(6.3mL、44.8mモル)を加えた。添加が完了したら、この反応系を15℃に温めた。この溶液をそのあと4℃に冷却し、1,2-ジメトキシエタン(15mL)中のトリエチルアミン(12.5mL、89.5mモル)の溶液を0.5時間かけて加えた。この混合物を室温まで昇温させた、そして室温で5時間撹拌した。この混合物に塩化鉄(II)(0.11g、0.85mモル)を加え、そしてこの反応系を75℃で15時間加熱した。この反応混合物を水(300mL)の中に注いだ。得られた懸濁液を酢酸エチルで抽出した。これの有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそして固形物となるまで濃縮した。この固形物をメタノールから再結晶させて5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(6.64g、60%)を白色針状物として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.35(d、1H)、7.86(d、2H)、7.46(d、1H)、6.97(d、2H)、6.67(d、1H)、6.65(s、1H)、3.85(s、3H); MS m/z 259(M+1)。
d) 1-[5-(クロロ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]エタノン
室温にあるトルエン(100mL)中の5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(3.0g、11.6mモル)の溶液に無水酢酸(1.6mL、17.4mモル)を加えた。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル化合物(1.8mL、13.9mモル)を次に滴下で加え、そして得られた溶液を還流で4時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして飽和重炭酸ナトリウム水溶液を滴下で加えることによりクェンチした。この反応系を酢酸エチルで抽出し、そしてこの酢酸エチル相をブラインで洗い、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそして濃縮した。これの残留物を酢酸エチル-ヘキサンからの再結晶により精製して1-[5-(クロロ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]エタノン(2.31g、66%)を得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.44(d、1H)、8.40(d、1H)、7.49(d、2H)、7.02(d、2H)、6.97(dd、1H)、3.85(s、3H)、2.15(s、3H); MS m/z 301(M+1)。
e) 1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]エタノン
トルエン(60mL)中の1-[5-(クロロ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]エタノン(1.77g、5.88mモル)の溶液にラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(220mg、0.35mモル)、炭酸セシウム(2.88g、8.83mモル)、シクロペンチルアミン(2.9mL、29.4mモル)、および酢酸パラジウム(II)(53mg、0.24mモル)を順次に加えた。得られた混合物を95℃で3日間撹拌したが、この時点で反応は薄層クロマトグラフィにより完結したと判断された。この溶液を室温まで冷却し、この混合物にジエチルエーテルおよび水を加えた。これの相を分離し、そして水相をもう一度ジエチルエーテルで抽出した。これの合わせた有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそして濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィ(3:2 ヘキサン:酢酸エチル)により精製して1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]エタノン(1.14g、56%)を黄色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.19(d、1H)、7.52(d、2H)、7.45(d、1H)、7.03(d、2H)、6.35(dd、1H)、4.15(broad s、1H)、3.98(m、1H)、3.91(s、3H)、2.21-2.15(m、2H)、2.11(s、3H)、1.79-1.54(m、6H); MS m/z 350(M+1)。
f) 1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-3-(ジメチルアミノ)-2-プロペン-1-オン
N,N-ジメチルホルムアミド ジメチル アセタール(25mL)中の1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]エタノン(1.14g、3.26mモル)の溶液を還流で5日間加熱した。この混合物を室温まで冷却させた。水を加え、そして得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。これの有機相を脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルから結晶化させて1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-3-(ジメチルアミノ)-2-プロペン-1-オン(1.05g、80%)を黄色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.11(d、1H)、7.56(m、3H)、7.41(d、1H)、6.95(d、2H)、6.22(dd、1H)、5.07(d、1H)、4.11(d、1H)、3.95(m、1H)、3.84(s、3H)、3.0-2.3(broad、6H)、2.12(m、2H)、1.74-1.48(m、6H); MS m/z 405(M+1)。
g) N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)中の1-[5-(シクロペンチルアミノ)-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-3-(ジメチルアミノ)-2-プロペン-1-オン(1.05g、2.60mモル)の溶液に塩酸N-シクロペンチルグアニジン(1.27g、7.79mモル;Bannard、R. A. B. et al.、Can. J. Chem. 1958、36、1541-1549 の方法を改変した方法により調製した)を加え、続いて炭酸カリウム(0.54g、3.89mモル)を加えた。得られた溶液を還流で15時間加熱した。室温に冷却して水を加えた。この混合物を酢酸エチルで抽出した。この酢酸エチル相をブラインで洗い、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィ(4:6 酢酸エチル:ヘキサン)により精製してN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(1.06g、87%)を黄色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.15(d、1H)、7.91(d、1H)、7.51(d、2H)、7.41(d、1H)、6.94(d、2H)、6.26(d、1H)、6.22(dd、1H)、5.11(d、1H)、4.42(m、1H)、4.09(d、1H)、3.88(m、1H)、3.85(s、3H)、2.10-2.01(m、4H)、1.76-1.52(m、12H); MS m/z 469(M+1)。
実施例11:4-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン
Figure 0004219171
a) 5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド
0℃にあるN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)にオキシ塩化リン(0.54mL、7.8mモル)を加えた。この添加が完了したあと、この混合物を室温まで温め、そして1時間撹拌した。これに5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(1.0g、3.86mモル)を加え、そして得られた溶液を2時間撹拌した。水を加え、続いてジクロロメタンを加えた。これの水層をジクロロメタンで抽出した。これの合わせた有機相をブラインで洗い、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。白色結晶化合物、5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.9g、81%)を得た。
1H NMR(CDCl3): δ 10.12(s、1 H)、8.52(d、1H)、8.47(d、1H)、7.76(d、2H)、7.11-7.06(m、3H)、3.93(s、3H); MS m/z 287(M+1)。
b) 1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール
テトラヒドロフラン(50mL)中の5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルバルデヒド(0.90g、3.14mモル)の冷(-78℃)懸濁液に臭化エチニルマグネシウム(7.5mL、テトラヒドロフラン中0.5 M、3.77mモル)を滴下で加えた。この反応混合物を-78℃で1時間、そのあと室温で4時間撹拌した。得られた溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液の中に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。これの有機層を水およびブラインで洗い、これの合わせた有機相を硫酸マグネシウムで脱水した。濾過および濃縮により1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(1.05g、100%)を白色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3) δ 8.40(d、1H)、8.05(s、1H)、7.72(d、2H)、7.05(d、2H)、6.80(dd、1H)、5.78(s、1H)、3.91(s、3H)、2.74(s、1H)、2.53(s、1H); MS m/z 313(M+1)。
c) 1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン
クロロホルム(100mL)中の1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オール(1.05g、3.14mモル)の溶液に二酸化マンガン(6.82g、78.5mモル)を加えた。この反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。この懸濁液をセライトのパッドで濾過し、そしてその濾液を濃縮して1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(0.99g、100%)を淡黄色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3) δ 8.50(d、1H)、8.46(d、1H)、7.64(d、2H)、7.04(dd、1H)、6.98(d、2H)、3.87(s、3H)、2.99(s、1H); MS m/z 295(M+1)。
d) 4-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン
ナトリウムエチラート(0.7mL(2.09mモル)、エタノール中21%)および塩酸シクロペンチルグアニジン(0.47g、2.88mモル)を順次エタノール(30mL)に加えた。得られた溶液を室温で30分間撹拌した。1-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-2-プロピン-1-オン(0.5g、1.61mモル)を加え、その懸濁液を室温で2日間撹拌した。この反応系を水を加えることでクェンチした。その水相を酢酸エチルで抽出した。これの有機相を合わせ、ブラインで洗い、硫酸マグネシウムで脱水した。濾過および濃縮により固形物を得た。この固形物をメタノールから再結晶させて4-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(0.45g、66%)を淡黄色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3) δ 8.59(b、1H)、8.42(d、1H)、8.05(d、1H)、7.59(d、2H)、7.03(d、2H)、6.91(dd、1H)、6.39(d、1H)、5.34(broad s、1H)、4.42(m、1H)、3.92(s、3H)、2.17(m、2H)、1.86-1.60(m、6H); MS m/z 420(M+1)。
実施例12:3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-イソプロピル-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
シクロペンチルアミン(50mL)中の4-[5-クロロ-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル]-N-シクロペンチル-2-ピリミジンアミン(100mg、0.24mモル)の溶液にラセミ-2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル(71mg、0.11mモル)、炭酸セシウム(155mg、0.48mモル)および酢酸パラジウム(II)(16mg、0.07mモル)を続けて加えた。得られた混合物を95℃で2日間加熱したが、この時点で反応は薄層クロマトグラフィにより完結していると判断された。この溶液を室温まで冷却し、そして酢酸エチルを加えた。これの有機層を水およびブラインで洗った。これの水層を酢酸エチルで抽出し、そしてそれの合わせた有機相を硫酸マグネシウムで脱水した。濾過および濃縮のあと、フラッシュクロマトグラフィ(3:2 ヘキサン:酢酸エチル)により3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-イソプロピル-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(62mg、58%)を黄色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3) δ 8.13(d、1H)、7.91(d、1H)、7.50(d、2H)、7.44(d、1H)、6.93(d、2H)、6.25(d、1H)、6.19(dd、1H)、5.25(d、1H)、4.41(m、1H)、4.05(d、1H)、3.83(s、3H)、3.69(m、1H)、2.08-2.02(m、2H)、1.71-1.48(m、6H)、1.23(d、6H); MS m/z 443(M+1)。
実施例13:4-ブロモ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-5-アミン(100mg、0.22mモル)をジクロロメタン(5mL)中に溶解させ、そしてN-ブロモコハク酸イミド(40mg、0.22mモル)で処理した。この反応混合物を10分間撹拌した。さらなるジクロロメタンおよび1N水酸化ナトリウムを加えた。これの相を分離し、その有機相を水で洗い、脱水し(硫酸マグネシウム)、濾過しそして乾燥まで濃縮して標題化合物100mgを黄色泡状物として得た。
1H NMR(CDCl3): δ 8.32(d、1H)、8.22(d、1H)、7.53(q、2H)、7.04(t、2H)、6.53(m、2H)、5.17(d、1H)、4.72(d、1H)、4.33(m、1H)、3.95(m、1H)、2.1-1.4(m、16H); 19F NMR(CDCl3): δ -113.97; MS m/z 536(M+1)。
実施例14:4-クロロ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
標題化合物を上述したのと同様な方法で合成した。
1H NMR(CDCl3): δ 8.30(d、1H)、8.22(d、1H)、7.54(q、2H)、7.05(t、2H)、6.53(m、2H)、5.14(d、1H)、4.62(d、1H)、4.32(m、1H)、3.97(m、1H)、2.1-1.4(m、16H); 19F NMR(CDCl3): δ -113.99; MS m/z 492(M+1)。
実施例15:4-ブロモ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
標題化合物を上述したのと同様な方法で合成した。
1H NMR(CDCl3): δ 8.32(d、1H)、8.20(d、1H)、7.48(d、2H)、6.87(d、2H)、6.54(d、1H)、6.49(d、1H)、5.20(d、1H)、4.70(d、1H)、4.35(m、1H)、3.95(m、1H)、3.83(s、3H)、2.1-1.4(m、16H); MS m/z 549(M+1)。
実施例16:4-クロロ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
標題化合物を上述したのと同様な方法で合成した。
1H NMR(CDCl3): δ 8.30(d、1H)、8.20(d、1H)、7.48(d、2H)、6.88(d、2H)、6.54(d、1H)、6.52(d、1H)、5.17(d、1H)、4.60(d、1H)、4.32(m、1H)、3.97(m、1H)、3.84(s、3H)、2.1-1.4(m、16H); MS m/z 504(M+1)。
実施例17:N-ブチル-3-[2-(ブチルアミノ)ピリジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-4-アミン
Figure 0004219171
標題化合物を上述したのと同様な方法でつくった。
1H NMR(CDCl3): δ 8.01(m、2 H)、7.50(m、2 H)、7.35(m、1 H)、7.06(m、2 H)、6.78(t、1 H)、6.66(d、1 H)、6.46(s、1 H)、6.17(d、1 H)、5.93(bs、1 H)、3.20(m、2 H)、3.14(m、2 H)、1.56(m、4H)、1.42(m、2H)、1.32(m、2 H)、0.94(M、6H); MS m/z 432(M+1)。
実施例18:4-{5-(シクロペンチルアミノ)-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル}フェノール
Figure 0004219171
ジクロロメタン中のN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(500mg、1.07mモル)を三臭化ホウ素で処理し、そのあと水で後処理することにより4-{5-(シクロペンチルアミノ)-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル}フェノール(390mg、81%)を黄色固形物として得た。
1H NMR(CD3OD) δ8.16(d、1H)、7.85(d、1H)、7.40(m、3H)、6.90(d、2H)、6.53(dd、1H)、6.27(d、1H)、4.44(m、1H)、3.92(m、1H)、2.11(m、4H)、1.84-1.58(m、12H). MS m/z 455(M+1)。
実施例19:N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-イソブトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の4-{5-(シクロペンチルアミノ)-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル}フェノール(100mg、0.22mモル)を臭化イソブチルおよび炭酸カリウムで処理してN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-イソブトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(83mg、74%)を淡黄色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3) δ 8.14(d、1H)、7.92(d、1H)、7.49(d、2H)、7.41(d、1H)、6.93(d、2H)、6.27(d、1H)、6.20(dd、1H)、5.10(d、1H)、4.41(m、1H)、4.13(d、1H)、3.87(m、1H)、3.76(d、2H)、2.05(m、5H)、1.76-1.52(m、12H)、1.02(d、6H). MS m/z 511(M+1)。
実施例20:N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン
Figure 0004219171
上述したのと同様な方法で4-{5-(シクロペンチルアミノ)-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル}フェノール(100mg、0.22mモル)からN-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン(69mg、62%)を黄色固形物として得た。
1H NMR(CDCl3) δ 8.11(d、1H)、7.91(d、1H)、7.48(d、2H)、7.41(d、1H)、6.92(d、2H)、6.25(d、1H)、6.19(dd、1H)、5.18(bs、1H)、4.40(m、1H)、4.19(bs、1H)、3.83(m、3H)、2.04(m、4H)、1.70-1.49(m、12H)、1.25(m、1H)、0.63(m、2H)、0.35(m、2H)。MS m/z 509(M+1)。
実施例21:生物活性
以下の実施例では、「MEM」は最小必須培地(Minimal Essential Media)を意味し;「FBS」はウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum)を意味し;「NP40」および「Igepal」は界面活性剤であり;「MOI」は感染多重度(Multiplicity of Infection)を意味し;「NaOH」は水酸化ナトリウムを意味し;「MgCl2」は塩化マグネシウムを意味し;「dATP」はデオキシアデノシン5'-三リン酸を意味し;「dUTP」はデオキシウリジン5'-三リン酸を意味し;「dCTP」はデオキシシチジン5'-三リン酸を意味し;「dGTP」はデオキシグアノシン5'-三リン酸を意味し;「GuSCN」はグアニジニウムチオシアネートを意味し;「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を意味し;「TE」はトリス-EDTAを意味し;「SCC」は塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウムを意味し;「APE」は酢酸アンモニア、リン酸アンモニア、EDTAの溶液を意味し;「PBS」はリン酸緩衝生理食塩水を意味し;そして、「HRP」はホースラディシュペルオキシダーゼを意味する。
(a) 組織培養およびHSV感染
ベロ76細胞を、アール液[Earle's Salts]、L-グルタミン、8% FBS(Hyclone、A-1111-L)および100単位/mLのペニシリン-100μg/mLのストレプトマイシンを加えてあるMEM中で維持した。アッセイ条件用に、FBSを2%に減らした。細胞を、HSV-1またはHSV-2(MOI=0.001)の存在下に37℃で45分間インキュベートしたあと、5×104細胞/ウェルの密度で96-ウェル組織培養プレートに播種した。このウェルに試験化合物を加え、そのプレートを37℃で40〜48時間インキュベートした。細胞破砕液を次のようにして調製した。すなわち、培地を除去し、1% Igepal CA 630またはNP-40を加えてある0.2N NaOH 150μL/ウェルで置き換えた。蒸発を防止するために、加湿したチャンバー内で、プレートを室温で最長14日間インキュベートした。
(b) 検出DNAの調製
検出プローブ用に、HSV UL-15配列の、ゲル精製され、ジゴキシゲニンで標識された710塩基対PCRフラグメントを用いた。PCR条件は、0.5μM プライマー、180μM dTTP、20μM dUTP-ジゴキシゲニン(Boehringer Mannheim 1558706)、それぞれ200μMのdATP、dCTP、およびdGTP、1X PCR Buffer II(Perkin Elmer)、2.5mM MgCl2、0.025単位/μLのAmpliTaq Goldポリメラーゼ(Perkin Elmer)、および、100μL当たりゲル精製HSV DNA 5ngを含んでいた。伸張条件は、95℃で10分間、そのあと、95℃で1分間、55℃で30秒間、および、72℃で2分間、を30サイクルであった。増幅は、72℃での10分間のインキュベーションで完結させた。プライマーは、HSV1 UL15 オープンリーディングフレーム(ヌクレオチド 249-977)のセクションにまたがる728塩基対プローブを増幅するものを選択した。一本鎖転写産物をPromega M13 Wizard キットを用いて精製した。最終生成物を1:1で、6M GuSCN、100mM EDTAおよび200μg/mL ニシン精子DNAの混合物と混合し、4℃で保存した。
(c) 捕獲[capture]プレートの調製
捕獲DNAプラスミド(pUC中のHSV UL13 領域)をXba-Iで切断することで線状化し、95℃で15分間変性させ、直ちにReacti-Bind DNA Coating Solution(Pierce、17250、TEバッファーで1:1に稀釈、pH8)中に1ng/μLで稀釈した。Corning(No.3922または9690)白色96-ウェルプレートに75μL/ウェルを添加し、室温で少なくとも4時間インキュベートし、そのあと300μL/ウェルの0.2X SSC/0.05% Tween-20(SSC/Tバッファー)で2回洗浄した。このプレートを次に、0.2N NaOH、1% IGEPALおよび10μg/mL ニシン精子DNA 150μL/ウェルを加えて室温で一晩インキュベートした。
(d) ハイブリダイゼーション
細胞破砕液27μLをハイブリダイゼーション溶液(最終濃度:3M GuSCN、50mM EDTA、100μg/mL サケ精子DNA、5X Denhardt's 溶液、0.25X APE、およびジゴキシゲニン標識検出プローブ5ng)45μLと合わせた。APEは、NH4-酢酸1.5M、H2リン酸アンモニウム0.15M、およびpH 6.0に調節したEDTA 5mMである。蒸発を防止するためミネラルオイル(50μL)を添加した。ハイブリダイゼーションプレートを95℃で10分間インキュベートしてDNAを変性させ、そのあと42℃で一晩インキュベートした。各ウェルを300μL/ウェルのSSC/Tバッファーで6回洗浄し、そのあと、抗ジゴキシゲニン-HRP複合抗体(Boehringer Mannheim 1207733、TE中1:5000)75μL/ウェルを加えて室温で30分間インキュベートした。各ウェルを、PBS/0.05% Tween-20が入った300μL/ウェルで6回洗浄し、そのあとSuperSignal LBA 基質(Pierce)75μL/ウェルを加えた。プレートを室温で30分間インキュベートし、そして化学発光をWallac Victor読取装置で測定した。
(e) 結果
HSV-1に対して以下の結果が得られた。
Figure 0004219171
この結果は、本発明の化合物がヘルペスウイルス感染の治療および予防に有用であることを示している。

Claims (3)

  1. 式(I):
    Figure 0004219171
    [式中:
    R1はHである;
    R2はハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Het、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)nNR7R8、-NR7R8、-NHHet、-NHR10Het、-NHR10Ay、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から選択され;
    それぞれのR7およびR8は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、-OR9、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR9R11、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR9R11、-SO2R10、-SO2NR9R11、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR9R11、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R10、-R10SO2NR9R11、-R10NHSO2R9、-R10NHCOR9および-R10SO2NHCOR9からなる群から独立に選択され;
    それぞれのR9およびR11は同じであるかまたは異なっており、そしてH、アルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w[式中wは1-10である]、および-R10NR10R10からなる群から独立に選択され;
    それぞれのR10は同じであるかまたは異なっており、そしてアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され;
    nは0、1または2であり;
    Ayはアリールであり:
    Hetは5または6員ヘテロ環式またはヘテロアリール基である;
    YはNまたはCHである;
    R3およびR4は同じであるかまたは異なっており、そしてH、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-C(O)R7、-C(O)Ay、-CO2R7、-CO2Ay、-SO2NHR9、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR7、-R10OAy、-R10NR7R8および-R10NR7Ayからなる群から独立に選択される;
    qは0、1、2、3、4または5である;
    それぞれのR5は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ay、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10OR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
    2つの隣接するR5基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたはアリールを形成している;
    pは1、2または3であり;且つ
    それぞれのR6は同じであるかまたは異なっており、そしてハロ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、Ay、Het、-OR7、-OAy、-OHet、-OR10Ay、-OR10Het、-C(O)R9、-CO2R9、-C(O)NR7R8、-C(O)Ay、-C(O)NR7Ay、-C(O)NHR10Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-C(S)NR9R11、-C(NH)NR7R8、-C(NH)NR7Ay、-S(O)nR9、-S(O)nAy、-S(O)nHet、-S(O)2NR7R8、-S(O)2NR7Ay、-NR7R8、-NR7Ay、-NHR10Ay、-NHHet、-NHR10Het、-R10シクロアルキル、-R10Ay、-R10Het、-R10OR9、-R10-O-C(O)R9、-R10-O-C(O)Ay、-R10-O-C(O)Het、-R10-O-S(O)nR9、-R10NR7R8、-R10NR7Ay、-R10C(O)R9、-R10CO2R9、-R10C(O)NR9R11、-R10C(S)NR9R11、-R10NHC(NH)NR9R11、-R10C(NH)NR9R11、-R10SO2R9、-R10SO2NHCOR9、-R10SO2NR9R11、シアノ、ニトロおよびアジドからなる群から独立に選択されるか;または
    2つの隣接するR6基がそれらが結合している原子と一緒になってC5-6シクロアルキルまたは1または2個のヘテロ原子をもつ5または6員ヘテロ環式基を形成している;
    ここで少なくとも1つのR6は-NR7R8、-NR7Ay、-NHHet、-NHR10Ayおよび-NHR10Hetからなる群から選択され;そして
    YがCHである場合は、R3は-NR7Ayではない;
    ]の化合物ならびにそれの医薬的に許容される塩および溶媒和物。
  2. 以下:
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    N-[3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル]メタンスルホンアミド;
    3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン;
    3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン;
    3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-(2-メトキシエチル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-メトキシフェニル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-N-イソプロピル-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    4-ブロモ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    4-クロロ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    4-ブロモ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    4-クロロ-N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)ピリミジン-4-イル]-2-(4-メトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    N-ブチル-3-[2-(ブチルアミノ)ピリジン-4-イル]-2-(4-フルオロフェニル)ピラゾロ-[1,5-a]ピリジン-4-アミン;
    4-{5-(シクロペンチルアミノ)-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル}フェノール;
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-(4-イソブトキシフェニル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;および
    N-シクロペンチル-3-[2-(シクロペンチルアミノ)-4-ピリミジニル]-2-[4-(シクロプロピルメトキシ)フェニル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-アミン;
    からなる群から選択される化合物、ならびにそれの医薬的に許容される塩および溶媒和物。
  3. 動物のヘルペスウイルス感染の予防または治療用の、請求項1または2に記載の化合物を含んでなる医薬組成物。
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