JP2004524134A - 指向性マイクロ波化学のための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(発明の分野)
本発明は、人工酵素および人工タンパク質受容体の技術分野に関する。本発明は、また、マイクロ波化学の技術分野にも関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2000年10月3日出願の米国特許出願第60/237192号の一部継続出願である。
【0003】
(発明の背景)
今日まで、人工酵素/抗体の分野と誘電化学の分野とを結び付けた者はいない。これら2つの異なる分野(マイクロ波化学および人工酵素/受容体)における技術の水準は、以下のとおりである。
【0004】
マイクロ波化学
マイクロ波(無線周波数またはRF電磁放射を含む)は、一般に無線通信装置に用いられる。マイクロ波通信は、衛星および通信産業(例えば、携帯電話やワイヤレスインターネット)における最近の驚異的な技術的発展に伴い、進歩してきている。
【0005】
マイクロ波は、また通常の調理用電気器具においてよく知られている。水はマイクロ波エネルギーを熱エネルギーに変換する効率が高いので、マイクロ波オーブンは、水を含む食品を素早く加熱する。調理用マイクロ波オーブンは、充分に水のマイクロ波吸収スペクトルの範囲内にある2.45GHzの周波数のマイクロ波を放射する。この水の吸収スペクトルの範囲外の周波数は、同様には食品を加熱しないものである。
【0006】
もう1つのマイクロ波の用途は、化学反応への応用にある(Bose等,1997;Bradley,2001)。マイクロ波化学とは、化学反応を速めるためにマイクロ波を使用することをいう。反応は、通常、マイクロ波放射を用いて反応物を含むバルク溶液を加熱させることによって実施される(MingosおよびBaghurst,1991;Zlotorzynski,1995)。これらの反応は,しばしば非水溶媒で実施される。バルク反応溶液のマイクロ波化学を実施する用途向けに設計されたマイクロ波オーブンは、市場にて入手可能である(CEM Corporation(Mathews,NC),Milestone,Inc.(Monroe,CT),Personal Chemistry AB(Uppsala,スウェーデン))。
【0007】
マイクロ波促進反応は、しばしば溶媒を含まないアルミナやシリカなどの支持体上で実施される(Varma,2001;Bose,1997)。支持体は、例えば、廃棄物を無毒化する際に試薬でドープ処理することができる。これらの支持体が選ばれるのは、目的の試薬を非特異的に吸着/抽出する、廉価で再利用可能な材料だからである。(抗体などによる)特異的結合は、試薬を捕捉するのに使用されない。
【0008】
マイクロ波増進触媒反応も文献に記載されている(RoussyおよびPearce,1995)。「マイクロ波増進触媒反応」という語は、水溶液中での酵素様の結合ポケットで起こる触媒反応ではなく、通常の触媒反応を指すのに用いられている。かかる「マイクロ波増進触媒反応」という用語の使用の一例は、金属性のPt/Al2O3触媒を用いる液体ヘキサンの異性化である。もう1つの例は、CaOおよびMgOでドープされたSmLiO2の酸化物である触媒を用いたメタン気体の部分的酸化である(RoussyおよびPEARCE,1995)。
【0009】
化学反応を促進するマイクロ波のもう1つの応用例は、マイクロ波吸収粒子を用いて、バルク溶液の加熱を増進させることである(Holzwarth等,1998)。この場合、分散されたコバルトおよびマグネタイトのナノ粒子がマイクロ波(2.45GHz)吸収材として使用され、バルク・キシレン溶液を加熱させる。キシレンは、2.45GHzのマイクロ波ではあまり加熱されない非極性溶媒である。そのような一例では、マイクロ波は酵素触媒反応の速度を上げるのに用いられた(Kidwai等,1998)。しかしながら、この場合、マイクロ波は、方向付けされておらず、バルク溶液を加熱するのに用いられた。
【0010】
もう一つの応用例では、マイクロ波は、固相組み合わせ化学でバルク溶媒を加熱するのに使用されてきた(Kappe,2001;Bradley,2001)。これらの場合では、通常の樹脂(たとえば、ポリスチレン)が、化学反応の固相の足場である。このバルク溶液がマイクロ波加熱の標的であった。
【0011】
もう1つの場合、マイクロ波は、貴金属と発色試薬との発色反応を速めるのに用いられた。この分析反応は、溶液中でフロー・インジェクション分析(FIA)によって行われた(Jin等,1999)。この反応は、標的の誘電体の加熱よりもバルク溶媒加熱に依存していた。
【0012】
もう1つの場合、マイクロ波を用いて、アルミニウムの蛍光錯体の溶液相形成を増進させた(Kubrakova,2000)。蛍光強度を用いて、溶液中のアルミニウムイオンを測定することができた。この場合も、反応は、溶媒のバルク加熱に依存していた。
【0013】
人工的酵素/受容体
自然界では、生きている有機体の機能に必要な特定の反応を触媒するために、酵素と呼ばれる特定の形で折りたたまれたタンパク質が用いられる。自然界ではまた、他の生物学的なプロセスを実施するために、受容体や抗体など、非触媒性のタンパク質が用いられる。触媒性タンパク質および非触媒性のタンパク質はどちらも、表面に目立ったポケットを有し、そのポケットは適切な分子と鋭敏な特異性で結合する。酵素の場合は、適切な分子が結合ポケット(「活性部位」と呼ばれる)に結合した場合、化学反応が起こり、分子(基質)が化学的に異なる分子(生成物)に変化する。反応生成物は、活性部位から解離し、(無変化の)酵素が結合してほかの反応「ターンオーバ」を触媒できるようになる。
【0014】
タンパク質をベースとする酵素、受容体および抗体は、しばしば試薬として産業、薬剤および診断に使われる。例えば、抗体は、治療薬としてガンや関節リウマチを含めた様々な疾病に使用される。酵素は、デニム製のブルージーンズの「色落し」および高果糖のコーンシロップの調製に使用される。抗体および酵素は、医療の診断で免疫検定法に使用される。天然の抗体および酵素が広範に使用されているにもかかわらず、人工の抗体、受容体および酵素を作りだそうと多くの研究がなされてきた。天然のタンパク質または改質された天然のタンパク質を使用することの実際的な欠点の1つは、タンパク質は特に安定な分子ではないことである。人工の試薬は、非生理的な温度、pH値、非水性の溶媒および塩濃度でより大きな安定性を有するはずである。さらに、天然のタンパク質は、他のタンパク質を加水分解で切断し、且つ非活性化するプロテアーゼと呼ばれる酵素による汚染により、劣化を受けやすい。その上、理想的な保存条件(適切なバッファ中で冷却保存)でも、タンパク質の有効期間は極めて短いことがある。最後に、多くの場合、対応する天然の抗体や酵素が知られていない結合性または触媒性の試薬が望まれている。例えば、メタノールのような極めて小さい分子に結合する抗体が望まれ、またはファインケミカルの調製の際に選択された立体特異的反応を実施する酵素が望まれることがある。
【0015】
天然タンパク質の上記の欠点のため、抗体や酵素と同じように機能する非タンパク質の生体模倣化合物が多くの研究室で開発されてきた。広範囲のクラスの化学構造が人工のタンパク質として有用であることが示されてきた。全ての場合、人工の生体分子は、特異的に目標の分子に結合する結合ポケットを有する。これらには、それだけには限定されないが、分子インプリンティングポリマー(molecularly imprinted polymers)(Dai等,1999;DickertおよびThierer,1996;LeonhardtおよびMosbach,1987)、キラルリガンド(Maugh 1983a)、キャビタンド(Maugh 1983b,Breslow等,1983)およびゼオライト、ならびに他の低分子量の有機合成受容体(BorchartおよびClark,1994)が含まれる。さらに、(熱またはその他の)安定性が強化された天然のタンパク質が、しばしば探し求められ、あるいは改質されてきた(Maugh,1983c)。
【0016】
人工の酵素または抗体/受容体を作製した者たちは、指向性マイクロ波エネルギーが、生体模倣の結合部位中の化学反応速度を上昇させるために使用できる可能性について言及することはなかった。
【0017】
本発明は、これまで関連付けられていなかったこの2つの分野の顕著な特徴を結び付けるものである。これらの分野の所定の側面を結び付けることにより、マイクロ波放射のエネルギーと天然の酵素の優れた部位特異性および立体特異性とを用いることにより、化学反応の速度を高めることができることが見出された。
【0018】
本発明は、選択された化学反応を特異的に速めるマイクロ波エネルギーを用いる新規な手段を提供する。この反応の特異性は、所望の反応物のための特定の結合部位を含む損失性の物質(lossy material)(定義は下記を参照)にマイクロ波が向けられることに由来する。本発明は、マイクロ波放射の新しい使用法を明らかにする。今までは、同様の分子および/または異なる分子の混合物中の特定の分子の反応を速めるために誘電加熱をどのように方向付けるかについては、一切開示がなかった。このようにして、本発明は人工酵素の新しい形態を提供する。これらの結果は、選択されたマイクロ波放射周波数で、水よりも相当に優れた加熱特性を有する誘電体を用いることにより得られる。反応物のための特異的結合分子が、選択的に加熱される誘電体と組み合わされ、結合した反応物の反応を増進させる。
【0019】
(発明の目的)
本発明は、特定の化学反応の速度を高めるための改良された手段を提供することを目的とする。本発明のほかの目的は、ある反応に、所望の酵素様の部位特異性および立体特異性を付与することである。本発明のさらなる目的は、かかる改良された反応速度および特異性を多様な数およびタイプの化学反応に与えることである。本発明のもう1つの目的は、反応の速度が制御可能であり、反応を使用者が意のままにオン・オフ、または調節できるようにすることである。本発明のさらにもう1つの目的は、特定の反応が、均質もしくは不均質溶液または懸濁液中で行われるか、固体の支持体(表面やビーズなど)に結合もしくは会合しているかにかかわらず、その反応を速めることができるようにすることである。本発明のさらにもう1つの目的は、所望の反応物に構造的に類似しているが、ほとんど反応しない他の化合物の存在下で、選択された反応を速める方法を提供することである。
【0020】
(発明の概要)
本発明は、(触媒性または化学量論的)化学反応を速めることができ、かつ酵素様の鋭敏な特異性を得ることができる手段を提供する。この反応は、好ましくは固相または表面(以下、本明細書では、まとめて「固体支持体」と呼ぶ)で起こる。好適な固体支持体には、好ましくは(マイクロ波吸収性の)誘電体、特異的な結合試薬(人工抗体や人工酵素など)、および、任意に設けられるものであるが、試薬透過性の断熱性多孔性被覆がある。固体支持体は、多くの形態が可能であり、ビーズや平らな表面が最も好ましい。この固体支持体を、好ましくは、選択された試薬を含む水溶液または有機溶液に浸す。次に、用途に応じて、この固体支持体を、好ましくは溶媒中に放置するか、例えば空気中に取り出す。次にマイクロ波を固体表面に放射する。固体支持体を溶媒中に放置する場合、溶媒よりも誘電体を加熱する周波数でマイクロ波を放射する。計器におけるマイクロ波放射のパワー、周波数および時間は、実験段階で、事前に決定する。マイクロ波加熱の後、反応物からの生成物の形成中に起きる物理−化学的変化によって、試薬の変化を認識することができる。調製および分析の応用例では、特定の化学反応の促進が使用できる。分析の応用例では、その反応は、例えば、医療の診断において、反応に伴う物理−化学変化(例えば色の変化)の観測によって、モニタおよび定量できる。
【0021】
本発明の原理によれば、人工酵素で被覆された、あるいは人工酵素を含有する固体支持体上の反応は、(1)固体支持体上の多数の特異的結合部位に結合させることで反応物の濃度を調節すること、または(2)誘電体/人工酵素とバルク溶液間の温度差を調節することによって、速めることができる。
【0022】
詳細には、本発明は、ある表面に特異的に結合した反応物の化学反応を速める方法を提供する。この方法は、
(a)複合物を反応物と接触させるステップであって、前記複合物は誘電加熱を受けやすい固体材料および反応物のための特異的結合分子を含むものであるステップと、
(b)前記複合物に電磁界を印加して前記固体材料に誘電加熱を生じさせるステップと、
(c)前記加熱された反応物を反応させ、それによって反応を速めるステップとを含む。
【0023】
本発明はさらに、ある表面に特異的に結合した反応物の化学反応を速める方法に関する。この方法は、
(a)誘電加熱を受けやすい固体の材料および反応物のための特異的結合分子を含む複合物を、反応物が複合物に結合するのに十分な時間、反応物含有溶液と接触させるステップと、
(b)溶液から複合物−反応物複合体を分離するステップと、
(c)前記複合物に電磁界を印加して前記固体材料に誘電加熱を生じさせるステップと、
(d)前記反応物を生成物に変換させ、それによって反応を速めるステップとを含む。
【0024】
本発明はさらに、反応進行度を測定し、前記測定された反応進行度に応じて電磁界の印加を制御するステップを含み、および/または前記接触させるステップが、前記反応物を含有する溶液に前記複合物を混合することを含み、および/またま前記接触させるステップが、前記複合物を含有する液体に前記反応物を混合することを含む、前記方法の各実施態様に関する。
【0025】
本発明はさらに、前記印加される電磁界の波長が、5cm〜100mであり、および前記化学反応が、加水分解、均一開裂または化学ルミネセンス反応である、前記方法の各実施態様に関する。
【0026】
本発明はさらに、前記方法の以下のような各実施態様に関する。
1.固体材料が、炭素、木炭、アモルファス炭素、カーボンブラック、粘土およびニッケルからなる群から選択され、
2.固体材料が、酸化銅、酸化クロム、酸化ケイ素、酸化ニオブおよび酸化マンガンからなる群から選択される酸化物であり、
3.固体材料が、チタン酸バリウム、無機チタン酸塩からなる群から選択されるチタン酸であり、
4.固体材料が、アルミナ−マグネタイト、アルミニウム−エポキシ複合物およびアルミン酸カルシウムからなる群から選択されるアルミナ複合物であり、
5.固体材料が、酸化物セラミックもしくは非酸化物セラミック、フェライト、強誘電性高分子または有機ポリマーであり、および/または、
6.固体材料が、SiC、Si、Mg、FeSi、Cr2O3、Fe3O4、MnO2、NiOからなる群から選択される。
【0027】
本発明はさらに、固体材料が、導電性材料と絶縁体との混合物であり、とりわけ、導電体粉末がNb、TaC、SiC、MoSi2、Cu、またはFeであり、絶縁体がZrO2、Y2O3またはAl2O3である、前記方法の各実施態様に関する。導電性材料は、金属でもよく、形状が顆粒状(すなわち、粉末状)、フレーク状、球状、針状または繊維状でもよい。
【0028】
本発明はさらに、特異的な反応物結合分子が、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される、前記方法の各実施態様に関する。
【0029】
本発明はさらに、特異的な反応物結合分子が、反応物のための少なくとも1つの結合部位を有し、該結合部位が複数の反応ターンオーバまたは1つの反応ターンオーバを促進する、前記方法の各実施態様に関する。
【0030】
本発明はさらに、電磁界が約0.9〜約25GHzの周波数、とりわけ電磁界が約0.9〜約6GHzの周波数、または電磁界が0.9〜2.5GHzの周波数で印加される、前記方法の各実施態様に関する。本発明は、とりわけ電磁界が0.915、2.45、5.85および22.125GHzからなる群から選択される周波数で印加される、前記方法の各実施態様に関する。
【0031】
本発明はさらに、複合物が粒子または平面的な基質の形態である、前記方法の各実施態様に関する。
【0032】
本発明はさらに、誘電加熱に応答する固体材料、および反応物分子と特異的に結合することができる結合分子を含む複合物に関する。
【0033】
本発明はさらに、前記複合物の以下のような各実施態様に関する。
1.固体材料が、炭素、木炭、アモルファス炭素、カーボンブラック、粘土およびニッケルからなる群から選択され、
2.固体材料が、酸化銅、酸化クロム、酸化ケイ素、酸化ニオブおよび酸化マンガンからなる群から選択される酸化物であり、
3.固体材料が、チタン酸バリウムおよび無機チタン酸塩からなる群から選択されるチタン酸であり、
4.固体材料が、アルミナ−マグネタイト、アルミニウム−エポキシ複合物およびアルミン酸カルシウムからなる群から選択されるアルミナ化合物であり、
5.固体材料が、酸化物セラミックもしくは非酸化物セラミック、フェライト、強誘電性高分子または有機ポリマーであり、および/または、
6.固体材料が、SiC、Si、Mg、FeSi、Cr2O3、Fe3O4、MnO2、NiOからなる群から選択される。
【0034】
本発明はさらに、固体材料が、導電性材料および絶縁体の混合物であり、とりわけ、導電体粉末がNb、TaC、SiC、MoSi2、Cu、またはFeであり、絶縁体がZrO2、Y2O3またはAl2O3である、かかる複合物の実施態様に関する。導電性材料は、金属でもよく、形が顆粒状(すなわち、粉末状)、フレーク状、球状、針状、または繊維状でもよい。
【0035】
本発明はさらに、結合分子が、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、1本鎖の核酸および2本鎖の核酸からなる群から選択される、前記複合物の各実施態様に関する。
【0036】
本発明はさらに、複合物が粒子または平面的な基質の形態である、前記複合物の各実施態様に関する。
【0037】
本発明はさらに、複合物が多孔性断熱性被覆をさらに含み、とりわけ被覆が固体材料と結合分子を覆う、前記複合物の各実施態様に関する。
【0038】
本発明はさらに、結合分子が固体材料に結合し、多孔性被覆が結合分子を覆い、被覆の多孔性により反応物が結合分子に接触することが可能になる、前記複合物の各実施態様に関する。
【0039】
本発明はさらに、複合物が、特定の反応物に結合した特異的な反応物結合分子をさらに含み、および/または被覆が固体材料および結合分子を覆う、前記複合物の各実施態様に関する。本発明はさらに、結合分子が固体材料に結合し、多孔性被覆が結合分子を覆い、被覆の多孔性により反応物が結合分子に接触することが可能になる、前記複合物の各実施態様に関する。
【0040】
本発明はさらに、結合分子が、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択され、および/または断熱材料が、橋かけデキストラン、ゼラチン、アガロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、シリカおよびポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)からなる群から選択される、前記複合物の各実施態様に関する。
【0041】
(定義)
速める: 化学反応の速度を、好ましくは、10%以上、より好ましくは、50%以上、最も好ましくは、100%以上、増加させること。
水溶液: 50体積%超が水である液体媒体。
人工抗体(または受容体): 結合する分子と形態的および/または電荷的に相補的になるように設計された結合ポケットを含む合成的に作製された分子。小さい有機分子など単一分子、または人工のポリマーでできていてもよく、またはアクリルポリマー粒子やシリカの表面などのバルク物質でもよい。人工の生体分子が特異的に該相補的分子に結合する。
人工酵素: もう1つの分子と形態的/電荷的に相補的な、1つまたは複数の結合部位を有する合成的に作製された分子。人工酵素は、相補的分子と結合し、結合した分子に化学的変換を受けさせる。
化学反応: 1つまたは複数の分子(反応物)を化学的に変換して、1つまたは複数の分子(生成物)を形成すること。
複合物: 2種類以上の異なる材料または分子から作製された固体。
誘電加熱: (電気的に絶縁された)誘電体を約5cm〜100mの波長の電磁放射によって加熱すること。
損失性材料: 吸収したマイクロ波エネルギーを熱の形で失う(誘電体の)材料。
MATTR: 「マイクロ波により促進・標的・誘発された反応」技術
(Microwave−Accelerated Targeted Triggered Reaction)。
マイクロ波: 108〜1011Hz(1m〜1cm)の電磁放射。誘電加熱はこの範囲で起こるが、より長い(無線)波長(100mまで)でも起こり、どちらかを使用できる。全体として、誘電加熱周波数は、波長が約5cm〜100mの範囲である。
マイクロ波オーブン: マイクロ波放射を所定の波長で内部のチャンバに放出する装置。該チャンバは、マイクロ波が漏れないように密封されている。
分子インプリンティング: 選択された標的(インプリンティング)分子に対する特異的な結合部位が合成材料に導入されるプロセス。結合材料は、通常、有機ポリマーである。一般的に、官能化および架橋性モノマーが、分子鋳型として働くインプリンティング分子の存在下で共重合される。続いて鋳型分子を取り除くと、インプリンティング分子と形状およびサイズが相補的な結合部位が現れる。このようにして、分子記憶がポリマーに導入されて、ポリマーがインプリンティング分子と高い特異性で再結合することが可能になる。
有機溶液: 50体積%超が有機溶媒である液体媒体。
多孔性: 水および他の液体分子が通過できる通路を含有する固体材料。
熱的近接: 1つの物質が第2の物質に十分近接しており、それらの間に実質的な熱移動が起こることを可能とする状態。好ましい実施形態では、第1と第2の物質が水溶液または有機溶液に浸される。多くの場合、より低温のバルク物質は、第1の物質と熱的に近接しておらず、したがって実質的な熱移動を受けない。
熱電対: 一端で互いに結合した2つの異なる金属からなる温度測定センサ。これらの金属は、所定の温度で小さな一意的な電圧を生成する。該電圧を熱電対温度計で測定し、解釈する。
ゼオライト: 化学反応を触媒するのに使用される多孔性無機固体。ゼオライトは、酸素原子によって結合されたアルミン酸塩とケイ酸塩四面体との規則的繰り返しパターンに基づく剛構造物である。
【0042】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
背景: 酵素、抗体、および非触媒性反応
しばしば、選択された単一の化学物質の特定の反応を、他の非選択の化学物質の存在下で速めることが望ましいことがある。調製化学の例では、医薬品製造において、バルクのラセミ混合物中で1つの鏡像異性体の化学反応(例えば、エステル加水分解)を速めることが、しばしば望ましい。分析化学の例では、医療診断で、特定の化学反応を速め、様々なタイプの分子が数多くある中で1つの特定のタイプの分子の存在を知らせることが望ましい。これらは、分子のタイプの混合物の存在下における化学反応の特定的な促進の多くの例のほんの2例である。特定の化学反応を速める改良された手段は、調製化学と分析化学のどちらにも多くの実用的な応用例を有するものである。
【0043】
分析に有用な反応には、色、ルミネセンス、蛍光、電気化学または他の検出可能な物理特性の変化を生成するものが含まれる。調製反応は、数が多くて列挙できないが、加水分解および/または立体選択反応が含まれる。水溶液におけるどのような調製反応も、ここに記載した方法に適合できる。
【0044】
特定の化学反応を促進する自然界の最も知られた方法は、酵素を使用するものである。酵素は、二段階プロセスによって触媒として働くタンパク質である。第1段階では、反応物(「基質」(S))は、酵素(E)の「活性部位」と呼ばれる特異的な領域と可逆的に結合して、非共有結合複合体(ES)を形成する。第2段階では、酵素は、基質の特定の化学反応を促進して、生成物(P)を形成する。このプロセスは、次のように示すことができる。
【化1】
【0045】
第2段階(化学的ステップ)は、エネルギーが自由エネルギー障壁を越えることを必要とする。自由エネルギー障壁の最高点は、反応の遷移状態、すなわち、反応経路に沿ってエネルギー的に最も不利な点である。酵素は、遷移状態と強く結合し、それを安定化させるように機能する。遷移状態安定化により、自由エネルギー障壁が低下し、反応を進行させて生成物を形成することが促進される。したがって、酵素は、結合エネルギーを用いることにより、自由エネルギー障壁を越えるのに必要な自由エネルギーの量を減少させる働きをする。
【0046】
非触媒性反応もまた、自由エネルギー障壁を越える。自由エネルギー障壁を下げる酵素などの触媒がないので、非触媒性反応は、エネルギー的に非常に不利になるかもしれない。しかし、非触媒性反応もまた速めることができる。非触媒性反応では、自由エネルギー障壁を下げられなくても、反応内への外部からのエネルギーの追加により、高い頻度で反応の遷移状態に達することができる。最も一般的には、熱を加えることにより、非触媒性反応を速めることができる。熱エネルギーは、反応物分子をより頻繁に遷移状態のエネルギーに到達させ、自由エネルギー障壁を越えさせて生成物を形成させる。非触媒性反応のプロセスは、次の通りである(Rは、反応物、Pは生成物)。
【化2】
【0047】
抗体は、酵素と同様に、タンパク質である。しかしながら、酵素とは違って抗体は化学反応を速めることはない。酵素は、特異的に反応の遷移状態に結合して、反応速度を上げる。他方、抗体は、化学反応の基底状態に結合する。このため、抗体は、化学反応の自由エネルギー障壁を低下させず、したがって酵素的に化学反応を速めることはない。さらに、抗体は、化学反応を促進する外部エネルギー(熱など)を供給できる機構を有しない。したがって、抗体は単に特定の物質に結合するだけで、化学反応を促進しない。抗体(Ab)が抗原(Ag)と結合するプロセスは次の通りである。
【化3】
【0048】
課題: 特定の基底状態を指向性の熱エネルギーと組み合わせて「人工酵素」を創造する方法
多くの科学者が、選択された反応の推測遷移状態に対する結合相補性を有する分子を作ることにより、人工酵素を創作することを試みてきた。創作された人工酵素には、触媒性抗体、触媒性プラスチックポリマー、および触媒性小分子が含まれる。しかしながら、これらの方法はいずれも広範な実用的用途がないことが判明している。主要な理由の1つは、非常に不安定であり単離または直接に観測できない仮定的反応遷移状態に正確に相補的な触媒を作ることが困難だからである。
【0049】
上記の説明からわかるように、人工酵素を作るもう一つの方法は、抗体の鋭敏な結合特性を、熱などの外部からのある種のエネルギーの入力と組み合わせることである。この方法が持つ困難さは、加えられたエネルギーを結合された反応物に向けなければならないということである。例えば、熱を単純に反応混合物に加えた場合、熱は無差別に全ての化学反応を等しく速めることになる。したがって、本発明が解決しようとする主要な課題は、加えられたエネルギーを特異的に結合した反応物に向けることである。エネルギーは、次に示す通り、結合した反応物に特異的に向けられる(Bは結合分子(抗体やプラスチックポリマーなど)であり、Rは反応物であり、Δは熱(エネルギー)であり、Pは生成物である)。
【化4】
【0050】
誘電加熱:
人類の歴史において最近まで、通常のバルク加熱(火など)が温度を上昇させる(かつ、化学反応を速める)唯一の方法であった。過去半世紀において、誘電(マイクロ波)加熱と呼ばれる、新しく根本的に異なった加熱の形式が開発された。誘電加熱では、マイクロ波放射をサンプルに当てる。サンプル内の、誘電体である化合物は、加えられた周波数のマイクロ波を吸収して温度が上昇する。誘電体は、周波数と加熱能力との関係で特有のスペクトル特性を有し、異なる物質は、異なる周波数で効果的に加熱される。最も重要な観点は、外側から加熱し内側に移動する従来の加熱とは対照的に、誘電加熱は、特徴的に適切な誘電特性を持つ材料に向けられることである。本明細書では、誘電加熱とはマイクロ波加熱を指すが、無線周波数でも起こすことができる。本発明はそれらの効果を含むものである。
【0051】
アレニウスの式に従えば、反応速度は、活性化エネルギーを減らす(すなわち、酵素によるような反応機構の変化)か、あるいは指数関数の前の係数を増やすこと(これは、反応粒子間の衝突の周波数および効率を反映する)により増大させることができる。この2番目の手段は、マイクロ波の物質への作用の機構に密接に関係したものであり、マイクロ波場において化学反応プロセスが相当に速まる主な理由となる(Kubrakova,2000)。
【0052】
誘電加熱は、マイクロ波照射の周波数およびその周波数における誘電体の吸収特性を含めたいくつもの要因によって左右される。全ての誘電体は、特有の吸収スペクトル(周波数に対する加熱能力)を有している。例えば、通常の調理用マイクロ波オーブンでは、マイクロ波周波数(2.45GHz)は、水を加熱するのに最適であるが、他の材料(例えば、水を入れているカップ)を加熱するのには適当ではない。マイクロ波放射の周波数を変更すれば、理論的には、(水とカップの相対的な誘電吸収特性に応じて)水ではなくカップを加熱できるはずである。したがって、誘電加熱を用いて、水を加熱せずに水中の材料を加熱することが可能である。もちろん、いったん材料が加熱されると、加熱された材料が断熱層で覆われてない場合、熱は近傍の水に移動することになる。
【0053】
誘電体は、(最初は文献により、または化合物の選別により)選択され、結合分子によって(例えば、共有結合、吸着、捕捉(マクロ孔質またはメソ孔質絶縁層の内側に)などによって)覆われ、この層を多孔層で覆うことができる。この誘電体を、反応物の水溶液または有機溶液に加える。マイクロ波照射が起こると、適切な生成物が形成される。
【0054】
本発明の好ましい実施形態の物理的構成要素:
本発明の好ましい実施形態の物理的構成要素は、以下の通りである。
1) マイクロ波/無線周波数源。 反応は、好ましくはマイクロ波発生器のチャンバ内で行う。マイクロ波放射は、300MHz〜300,000MHz(約3m〜3cm)の範囲内である。誘電加熱は、より長い(無線)波長でも(100mまで)起こり、それを代わりに使用することもできる。全体として、誘電加熱の周波数は、波長が約3cm〜100mにわたる。この範囲の誘電加熱は、本発明の一部分とみなされる。使用される正確な周波数は、加熱される誘電体に依存することになる。誘電体は、選択された周波数では、溶媒よりもかなり損失性が高いということになる。
【0055】
本発明にとって実際的な周波数は、0.915GHz、2.45GHz、5.85GHzおよび22.125GHzである。米国政府は現在これらの周波数を、産業、科学および医療の用途に認可している(BoonおよびKok,1989)。(マイクロ波の通信用途との干渉をさけるために)チャンバ内の放射が十分に遮蔽されれば、他の周波数もまた実際的である。「周波数可変」マイクロ波オーブンも作製することができ、本発明に使用できる(Microwave Research Center,Eagan,MN;Microwave Research&Applications,Inc.,Laurel,MD)。ほとんどの市場で有用なマイクロ波は、家庭の調理用マイクロ波を含めて、2.450GHzで放射されるが、他の周波数のものも自由に市場より入手可能である。例えば、Microdry,Inc.(Crestwood,KY)およびCober Electronics (Norwalk,CT)は、0.915GHzのマイクロ波を市販している。上記に列挙した周波数の内、水への応用例には0.915GHzが最も実際的である。というのは、水はこの周波数で誘電加熱の影響を最も受けにくいからである(Laslo,1980)。
【0056】
【表1】
【0057】
反応は、液体の反応混合物中に誘電体/結合材複合物を沈めて、マイクロ波生成オーブン内で実施できると想定する。目的の反応物は、好ましくは溶液内に置いておく。マイクロ波加熱を反応混合物中の誘電体にかけることにより、多数のターンオーバ(触媒作用)が、液体/固体界面で可能になる。
【0058】
あるいは、多数のターンオーバが必要とされない場合、誘電体/結合材分子固体支持体を、固相が所望の反応物を捕捉するのに十分な時間の後、溶液から取り出すようにしてもよい。次に、マイクロ波を誘電体/結合材複合材に(例えば、空気中で)印加する。バルク溶液がないので、この反応は特異的な結合部位で多数のターンオーバなしに起こることになる。このタイプの非触媒性反応は、分析的応用例(例えば、医療診断)に有用である。診断では、反応物溶液は、患者からの体液を含んでいるかもしれない。所望分子の捕捉の後、検出をマイクロ波促進反応で容易にすることができる。例えば、マイクロ波は検体中で色の変化を引き起こすことができる。あるいは、標識付けされた抗検体抗体などのシグナル分子を加えることができる。抗体上の標識は、マイクロ波照射による反応を受けて、着色または蛍光指標を形成することになる。
【0059】
2) 誘電体。 誘電体は、好ましくは、液体反応物溶液に接触している固体支持体である。該支持体は、任意の様々な幾何形状を有するものでよい。これは、平らな表面(例えば、被覆の一部分、チャンバの壁、またはチップもしくはカートリッジの表面)でもよい。適切な平らな誘電体は、マルチ検体使い捨て生物アッセイ・チップ(タンパク質チップまたはDNAチップ)などのチップでもよい。かかるチップは、一般に誘電体をその表面上に1つまたは複数のスポットとして有することができ、あるいは連続層を含むこともできる(図2)。さらに、誘電体は、ビーズなどの粒子の形態の懸濁液でもよい。
【0060】
図1は、指向性マイクロ波化学のための粒子をベースとする材料を示す図である。2つの主要な特徴は、(1)周囲の溶媒(水性または有機溶媒)とは異なる周波数のマイクロ波を吸収する誘電体粒子/ビーズ、および(2)目標の反応物を特異的に捕捉する結合表面である。粒子はまた、誘電体からバルク溶媒への熱の移動を低減させるための多孔性断熱被覆の特徴を任意に有する。実際には、多くのビーズを使用することができる(100万個以上)。ビーズは、試薬を含む液体媒体中に懸濁できる。粒子および媒体に、マイクロ波オーブンのチャンバ内で、マイクロ波周波数の照射を加える。ある応用例では、マイクロ波照射の前に溶媒から粒子を取り除くことができる。
【0061】
図2は、指向性マイクロ波化学のための平らな表面をベースとする材料を示す図である。主要な特徴は、図1の記載に述べた通りである。この図は、好ましい反応の間、マイクロ波オーブンのチャンバ内に封じ込められたものを示す。ある応用例では、平らな表面は、マイクロ波照射の前に溶媒から取り出すことができる。
図2中、a)は、反応の間、マイクロ波オーブンのチャンバ内に何が封じ込められるかを示す図である。マイクロ波オーブン内で、表面は、永久誘電体、またはカートリッジやカセットなどのように使い捨てのデバイスでもよい。ある応用例では、平らな表面は、マイクロ波照射の前に溶媒から取り出すことができる。
b)は、指向性マイクロ波化学用のチップを示す図である。この場合、表面(チップまたは他の本質的に平らな物体)は、支持体(例えば、ガラスまたはテフロン(登録商標))、点在する誘電体および膜、または他の試薬を捕捉する表面を含む。
c)は、指向性マイクロ波化学用のチップを示す図である。誘電体が点在状ではなく層状であること以外は、b)と同様である。
【0062】
3) 反応物分子に特異的に結合する分子。 反応物分子に特異的に結合する分子は、好ましくは誘電体の表面に付着する。かかる結合分子は、例えば、抗体(またはそれの誘導体)、受容体、受容体リガンド、酵素(またはそれの誘導体)、核酸、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、キャビタンド、または反応物に特異的に結合する他の高分子量分子や低分子量分子でもよい。結合分子は、好ましくは誘電体に熱的に近接している。結合分子は、誘電体に吸着され、物理的にトラップされ、共有結合し、あるいはその他の方法で結合することができる。あるいは、誘電体と接触するように膜などの層を、誘電体上に成型し、または配置することができる。例えば、ニトロセルロースやナイロン膜がDNAを捕捉するのに使用できる(図2c)。捕捉試薬(抗体やDNAなど)は、膜にスポットとして吸着される。使用できる様々な膜が市販されている。捕捉試薬を有する粒子がしばしば膜中でトラップされる(Jones,2001)。
【0063】
4) 任意に設けられる多孔性断熱層。 誘電体/結合分子層に接触し、またはそれを囲む多孔性断熱層を任意に設けることができる。この層は、反応物分子の移動を可能にするが、誘電体からバルク水または他の溶媒への熱のバルク移動を減少させるものである。例えば、この断熱層は、マクロ孔質またはメソ孔質でもよい。少なくとも1つの例、分子インプリンティングポリマー、においては、断熱層と結合分子は同じものでもよい。
【0064】
5) 任意に設けられる特別の容器。 任意に設けられる多孔性断熱層に機能的に代わり得るものは、反応溶液を入れておく任意に設けられる容器を有することである。この容器は、溶液を冷却する点で「特別」である。したがって、容器の内側は、ペルチェ冷却デバイス、または氷水内層、またはバルク溶液から熱を取り去る他の手段を含むことができる。かかる冷却容器の効果は、マイクロ波をより選択的に誘電体に向け、バルク溶液に向けないようにすることである。誘電体からバルク溶液に移動した熱は、冷却される容器の内側に移動することになる。冷却容器は、低温分光研究に使用される分光光度計など多くの計器でよく知られている。
【0065】
6) 任意に用いられるモニタ方法。 反応は、反応物からの生成物の形成に伴う物理−化学的変化をたどることによりモニタできる。モニタ方法は、色、蛍光、ルミネセンス、重量、またはその他のどのような検出可能な特性の変化でもよい。選択される検出方法は、選択された反応およびその反応の規模に強く依存する。適切な検出方法はよく知られている。
【0066】
7) さらに、場合によっては、誘電体の温度をモニタおよび/または制御することが望ましいことがある。誘電体が構造的に適している場合(例えば、チップをベースとする誘電体の場合)、熱電対を誘電体の温度の測定に使用することができる。一例は、誘電体が使い捨てのチップ(すなわち、顕微鏡のスライド)に被覆されている場合である。熱電対は、加熱中にチップと接触し、温度をモニタするのに使用することができる。さらに、熱電対の温度測定は、マイクロ波オーブンのパワーを制御することにより、温度を制御するのに使用することができる。誘電体の温度があるレベル、例えば300℃に到達した場合、マイクロ波を自動的に遮断できる。温度が例えば290℃に低下した場合、熱電対によりマイクロ波は再び加熱を開始することになる。かかる熱電対に基づいた温度制御は、よく知られた技術である(HuhmerおよびLanders,2000;ASTM,1993;Kreider,1989)。別法では、温度は非接触の分光法技術を用いて測定できる(Slyanev等,2001)。熱電対および分光法のどちらもマイクロチップの温度の測定に使用されてきた(HuhmerおよびLanders,2000;Slyanev等2001)。
【0067】
したがって、本発明における主な変数的要件は、(1)使用されるマイクロ波の条件(周波数、時間、パワーなど)、(2)誘電体の材料組成、(3)実施される反応、および(4)反応物と結合する分子である。さらに、多孔性絶縁層の選択も考慮することができる。これらはそれぞれ、種々の応用例により異なることになる。変数的要件のそれぞれについて、以下、個別に説明する。
【0068】
1) マイクロ波周波数: 電磁エネルギーを他の形態のエネルギー(熱)に変換する誘電体の能力を言い表すパラメータは、散逸率または損失正接(Tanδ)である。どのような材料でもTanδは、周波数に依存する。選択された溶媒よりも(所与の周波数で)高いTanδの値を有する材料が、本発明にとり重要である。周波数は、Tanδ(誘電体)/Tanδ(溶媒)比が最適になるように選択することができる。したがって、本発明がその最大限の効果を発生するには、マイクロ波周波数、ならびに誘電体の吸収特性(高い吸収性が望ましい)および溶媒の吸収特性(低い吸収性が望ましい)が最適化されなければならない。多数のターンオーバ(触媒作用)が望まれる応用例では、誘電体を反応物溶液に浸している間に、マイクロ波照射を行うことができ、Tanδ(誘電体)/Tanδ(溶媒)比がより重要になる。多数のターンオーバが所望でない場合(すなわち、反応が化学量論比より低いか、同じである場合)、マイクロ波放射の前に誘電体を溶媒から取り出すことができる。したがって、例えば空気中でマイクロ波を印加するとき、Tanδ(誘電体)/Tanδ(溶媒)比は重要でなくなる。
【0069】
2) 誘電体: 1)で述べたように、水性の反応では、(触媒作用が望ましい場合)溶媒より高い損失正接を有する誘電体を用いることが望ましい。(溶媒としての)水より高いTanδの値を有する材料のリストを下記に示す。これらの材料を全て(およびリストされていない他のもの)を本発明で使用することができる。(注意:実験担当者間の違いは、通常、データを収集する際の違いによる。)
【0070】
【表2】
【0071】
固体の温度に対するマイクロ波加熱の影響−1分の加熱
水: (560W、2.45GHzオーブン)81 ℃
炭素: (500W、2.45GHzオーブン)1283 ℃
ニッケル: (500W、2.45GHz)384 ℃
酸化銅: (500W、2.45GHz)701 ℃(0.5分の加熱)
【0072】
材料 * Tanδ 915MHz Tanδ 2450MHz
チタン酸バリウム 0.20 0.30
粘土(20%水) 0.47 0.27
酸化マンガン 0.09 0.17
水 0.043 0.12
*BufflerおよびRisman,1996
【0073】
誘電率が高い材料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)である。その誘電率は(水の80と比較して)200〜16,000である。チタン酸バリウムは、フィルムに形成でき、分析デバイスで使用されている(Ewart等の米国特許第5,922,537号)。さらに、チタン酸バリウムに加えて、他の強誘電体の薄いフィルムおよび厚いフィルムを低温で形成する方法は、着実に改善されている。知られている高い誘電率の無機チタン酸塩、ニオブ酸塩および強誘電体ポリマーは、低温化学蒸着法、レーザーフォトアブレーション蒸着、ゾルゲル法、RFマグネトロン・スパッタリング、スクリーン印刷および焼成、(ポリマーの場合は)スピン・コーティングおよび他の方法(Yang等,1998)を含めた多くの方法により形成できる。
【0074】
自然の粘土も、成形可能な誘電体(上記の表を参照)として使用できる。さらに、アルミナ−マグネタイト(Al2O3−Fe3O4)の1:1(重量/重量)混合物が、強力に加熱する誘電体支持体として使用できる(Bram等,1991)。粘土は、2450MHzの時よりも915MHzの時の方が、マイクロ波吸収体として水との違いがはっきりする(上記の表で比較のこと)。使用できるもう1つの材料は炭素である。炭素の誘電体としての使用は、本明細書中の別の箇所で説明する。
【0075】
多くの更なる誘電体が、マイクロ波照射の際に水などの溶媒よりも相当に速く加熱する能力を誘電体が持っているかどうかをスクリーニングすることにより、同定することができる。クラスIの誘電体(誘電率が通常150未満)およびクラスIIの誘電体(誘電率が通常600〜18,000)を使用することができる(技術パンフレット,Novacap,Inc.,Valencia CA)。他の適切な材料には、有機ポリマー、アルミニウム−エポキシ複合物、および酸化ケイ素が含まれる。マイクロ波の周波数も変化させることができる。この単純なスクリーニング手順により、加熱を誘電体に向け、実質的に水を加熱しない条件(周波数および材料)がもたらされることになる。実際、Symyx Technologies,Inc.(www.symyx.com)という会社は、新規な材料の組み合わせ合成を実施して、特有の誘電体特性などの有用な性質を有する材料を発見している(Schultz等の米国特許第5,985,356号)。
【0076】
RF照射によって相当に加熱されるさらに他の材料には、フェライトおよび強誘電体が含まれる。
【0077】
マイクロ波の照射によって劇的に加熱されるよく知られた他のタイプの材料は、様々なセラミックであり、例えば、酸化物セラミック(例えば、Al2O3)、非酸化物セラミック(例えば、CrBおよびFe2B)、および複合物セラミック(例えば、SiC/SiO2)。多くの材料が、マイクロ波加熱特性を利用することにより、加工(焼結など)された(National Academy of Sciences USA,1994)。
【0078】
マイクロ波で複合材料を加熱することができる。例えば、マイクロ波を通常透過させる材料に、極性の液体または導電性の粒子を加えることによって加熱することができる。アルミナ、ムライト、ジルコン、MgOまたはSi3N4などの耐熱性酸化物は、SiC、Si、Mg、FeSiおよびCr2O3の導電性粒子を添加することにより、マイクロ波と効果的に結び付けられることになる。Al2O3、SiO2およびMgOの酸化物は、Fe3O4、MnO2、NiOおよびアルミン酸カルシウムなどの損失性材料を添加することにより、効果的に加熱される。Nb、TaC、SiC、MoSi2、CuおよびFeなどの導電性粉末とZrO2、Y2O3、およびAl2O3などの絶縁体との混合物は、マイクロ波とよく結び付けられている。良好なカップラである溶液中での様々な材料(オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸アルミニウムおよび硝酸イットリウム)はまた、添加されて粉末の絶縁性酸化物のマイクロ波吸収を増進する。
【0079】
粉末、フレーク、球状、針状、チップまたはファイバを含めた様々な形状の導電性材料の添加により、低損失材料に加熱が生じる。例えば、0.1〜100μmの大きさのカーボンブラックまたは金属片を介在物として用いた場合、加熱特性を増加させることができる。かかる材料の性質および濃度は、必要以上の実験なしに最適化できる(Committee on Microwave Processing of Materials他,1994)。
【0080】
3) 実施される反応は、反応物を特異的結合試薬に結合させることのできる実質的にどのような化学反応でもよい。それには全ての既知の酵素触媒反応および全ての既知のゼオライト反応が含まれる。それには、自然の触媒では触媒作用をすることが知られていない反応も含まれる。主要な特徴は、(1)反応物が特異的に結合されることができること、および(2)反応が熱によって速められることができることである。
【0081】
4) 反応物結合分子は、特異的に試薬と結合できるどのような分子でもよい。複数のターンオーバが必要な場合、結合分子はまた熱的にも安定であるべきである。この分子は、低分子量でも高分子量でもよく、自然物でも人工物でもよい。通常の結合分子は、分子インプリンティングポリマーおよびゼオライトである。誘電体への様々な付着の態様のどれでも使用できる。例えば、分子インプリンティングポリマーは、誘電体ビーズまたは粒子の周囲で重合することができる。あるいは、分子インプリンティングポリマーは、表面上に薄層として形成できる(Shi等,1999;Glad等,1985;Kempe等,1995;BurowおよびMinoura,1996;Mathew−KrotzおよびShe,1995;Dai等,1999;Norrlow等,1984)。ゼオライト結晶は、誘電体表面上に成長させ、またはディップ・コーティング技術で被覆することができる(van Bekkum等,1994;Jansen等,1994)。
【0082】
5) 任意に設けられる多孔層は、反応物および生成物の通過を可能とし、いくらかの断熱特性を有するどのような材料でもよい。本質的に、この層の目的は、誘電体からバルク水相への熱伝導を遅くすることである。この層は、特に誘電体の量が水の体積と比較して小さい場合は、必要でないものとすることができる。多くのタイプの多孔材料が、ポリマーである。
【0083】
一般に、多孔層は、表面中の孔を通して反応物を特異的な結合部位に到達させるどのような材料でもよい。多孔層は、断熱特性を有する材料で作るべきであるが、水の拡散を遅らす能力があれば好都合である。使用できる材料には、橋かけ結合された、もしくは表面上に形成された有機ポリマー、または吸着および橋かけデキストラン、ゼラチンもしくはアガロースがある。他のものには、アクリラート、ポリアクリルアミド、シリカおよびポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)などの合成ポリマーが含まれる。
【0084】
好ましい方法と物質の組成:
本発明を実施する方法は多数ある。変数的要件を幾つか挙げると、マイクロ波の周波数およびパワーの変更、マイクロ波の影響を受けやすい材料そのものの改変、反応表面形状(平面または球状)の改変、試薬捕捉機構(抗体、DNA、共有結合、非共有結合など)の変更、促進すべき反応そのものの改変、および実際的な応用例(分析、生物分析、調製など)がある。下記に記載したものは、いくつかの変数的要件およびその実際的な応用例の概要である。さらに、マイクロ波により促進された標的反応を実施する現在の最善の方法も記載する。
【0085】
本発明にとって非常に注目すべき形式の1つは、「チップ」上で、すなわち顕微鏡のスライド(例えば、1インチ×3インチ(2.5×7.5cm)の長方形のガラス、または5インチ×5インチ(12.5cm×12.5cm)のガラス板)上にしばしば形成される使い捨ての平らな表面上で、本発明を使用することである。ジェット印刷または他の微細付着(fine deposition)法を使用して、スポットを打つことにより、1個から何千個の反応スポットを生成させる。図2に示すように、チップは、マイクロ波の影響を受けやすい材料を、スポットを含めた様々な形状で、または隣接層を設けることによって、チップ上に有することができる。かかるいわゆる「マイクロチップ」上の少量分析(Schmalzing等,2000)により、単一のチップ上で莫大な数のアッセイを実施することが可能になる。チップ上のアレイまたは「マイクロアレイ」は、分析の目的に使用することができる。この技術分野で知られた広く市販されている付着技術を用いて単一チップ上で何千ものアッセイを実施することができる(Pasinetti,2001;Lennon,2000;Cooper,2001;Draghici,2001;Zubritsky,2001)。例えば、スポットのアレイは、無数の遺伝子中の遺伝的変異を検出するのに用いることができる。本発明を用いて作製されるチップは、それだけには限らないが、生化学の研究、医療診断、水質テスト、食物病原菌テストおよび化学/生物戦争作用剤テストを含めた多くの分析の応用例に使用できる。
【0086】
チップの他の用途は、組み合わせ化学の分野である(Dolle,2000)。多くの独特の化合物がチップ上でin situで合成できる。例えば、何千もの異なるペプチドを通常の固相手順によりチップ上で調製できる。次に組み合わせ化学チップを、分析的に使用して固相の化学ライブラリをアッセイする。例えば、チップを化学ルミネセンスで標識付けされた酵素溶液に浸すことができ、結合を検出することができる。かかるアッセイの形式を使用して、酵素の阻害剤を発見することができる。同様に、潜在的に可能なリガンドの組み合わせライブラリと受容体との結合を行うことができる。
【0087】
このチップ(または、代わりの誘電体表面)はまた、バルク溶液からの検体の固相抽出用の材料で被覆することもできる。固相抽出は、非特異的(吸着)でもよく、免疫吸収でもよく、また分子インプリンティングポリマーを用いることによって行うこともできる(FleisherおよびBoos,2001;KrishnanおよびIbraham,1994)。
【0088】
マイクロ波の標的になる反応の可能性のある注目すべき用途は、多くがバイオテクノロジー/医学の分野にある。こうした場合、測定される検体は、生物学的機能を有する。免疫アッセイまたはDNAプローブ・アッセイなど、どのような従来からのアッセイも、本明細書で述べた技術で実施することができる。これらのアッセイでは、よく知られた化学的変換が起こり、幾つかの標識で検出可能な物理化学的変化を引き起こす。例えば、発色性、蛍光性、またはルミネセンス反応である。
【0089】
使用できるもう1つのアッセイ形式は、分子ビーコン技術である(Robinson,2000)。分子ビーコンを使用する場合、核酸のハイブリッド鎖を、末端が標識付けされた核酸プローブにより蛍光の発光および消光によって検出する。一方の端部はフルオロフォア(蛍光体)を有し、他方がクエンチャ(消光剤)を有する。ハイブリッド形成により、両端が分離し、蛍光が検出可能になる。マイクロ波加熱を用いることにより、プローブがある温度で遊離して溶液中に戻ることができる。分離の温度(融点)は、遊離による蛍光の消光によって決定できる。最も注目すべき検出形式は、化学ルミネセンス(CL)である。これらは、下記の医療サンプルの実際的応用例について記載する部分でより詳細に述べる。
【0090】
この手順を実施する好ましい方法は、炭素粒子を誘電体として使用することである。炭素は、活性炭/木炭(Sigma−Aldrich Chemical Co.)、カーボンブラック(Columbia Chemicals,Marietta,GA;Reade Advanced Materials,Providence,RI)、黒鉛化された炭素粒子(Polysciences,Inc.Warrington,PA)、またはデキストラン被覆の木炭ビーズ(Research Diagnostics,Inc.)でもよい。炭素ビーズは、反応物をインプリンティングしたポリマーで被覆することが好ましい(理想的には、炭素の周囲で重合させる)。
【0091】
マイクロ波化学は、化学反応を、従来のバルク加熱を用いるのではなく、マイクロ波放射を用いて促進する分野である。従来の発明では、バルク媒体が通常加熱される。バルク媒体は通常、水性ではなく有機溶媒である。特異的な結合が加熱の構成要素であったものはない。さらに、近接した反応物分子を選択的に反応させるために固体誘電体に加熱を向けたものはなかった。
【0092】
単一の選択された化学物質の特定の反応を、他の非選択の化学物質の存在下で、促進することが多くの場合望ましい。調製化学の例においては、医薬品の製造では、しばしば1つの鏡像異性体の化学反応(例えば、エステルの加水分解)を多種類の分子の混合物(例えば、バルクのラセミ混合物)の存在下で、促進することが望ましい。分析化学の例においては、医学診断で、様々な他のタイプの分子がある中で、ある特定のタイプの分子の存在を示す信号を出させるために、特定の化学反応を促進することが望ましい。本発明は、特定の化学反応を促進する改良された手段を提供し、調製化学および分析化学の両方に多くの実用的な用途を有する。
【0093】
分析に有用な反応には、色、ルミネセンス、蛍光、電気化学または他の検出可能な物理特性の変化を生じるものが含まれる。調製に有用な反応には、加水分解および/または立体選択反応などが含まれる。水溶液または有機溶液中の同様な調製用反応も本発明に適合できる。分析の応用例の場合と同様に、調製用反応は、色、ルミネセンス、蛍光または他の検出可能な物理特性の変化によってモニタすることもできる。
【0094】
好ましい反応は、ルミノールと過酸化水素との化学ルミネセンス反応である。下記のように、この反応は、医療診断や生物医学の研究など様々な分野に使用されるよく知られた信号反応である。この反応は、温度依存性であり、pHを最適点(実施例9参照)より低い点に合わせることにより、適切な温度制御になるように減速できる。
【0095】
ルミノール−過酸化物反応などの化学ルミネセンス反応は、フィルム(例えば、X線フィルム)の使用、あるいは光電子増倍管(PMT)または電荷結合素子(CCD)カメラの電子的使用を含めて、多くの方法でモニタおよび定量することができる。PMTをベースとする計器は、光を測定するための窓を有するマイクロ波オーブンを必要とする。PMTまたはCCDカメラを用いる測定は、パーソナル・コンピュータおよび通常の市販のデータ取得/解析ソフトウェア(例えば、LabVIEW)を用いて収集し、解析する。現在のところ、フィルムを使用する方法が好ましい。
【0096】
上記のように、誘電体は、様々な形式のものでよい。現在、最も好ましい形式は、チップ上のスポットまたは層によるものである。「誘電体チップ」の使用により、多くの検体の高感度な検出が可能になる。実際、マイクロアレイ・チップまたはマイクロチップは、本発明の注目すべき応用例である。
【0097】
例示的な実用的応用例の説明:
標的に向けてトリガされたマイクロ波反応には、多くの実用的な用途がある。多くは、分析化学および調製化学の分野での用途であるが、いくつかは非分析的分野での用途である。例えば、反応を毒素(神経ガスなど)に向け、特異的に該毒素を不活性化することができる。本発明は、化学反応が望まれるどのような実用的用途にも有用であり、反応が選択された分子に対して特異的であることが重要である。
【0098】
生物医学の分析に非常に注目すべき用途がある。生体分子の分析は、診断/予後評価にとって非常に重要である。さらに、科学的研究は、特定の生体分子を検出および評価する能力に依存している。かかる生体分子には、それだけには限らないが、タンパク質(免疫アッセイ検出)および核酸(ハイブリッド形成検出)が含まれる。
【0099】
他の技術との比較
医学または研究環境でのマイクロ波促進化学ルミネセンス(CL)分析は、一般に使用されている技術にまさる幾つかの利点を有する。チップ上のマイクロ波促進CLをベースとする分析を本明細書では、「マイクロ波により促進・標的・トリガされた反応」技術(MATTR)と称する。
【0100】
MATTR技術は、バイオテクノロジーにおける指向性マイクロ波化学の第1番目の用途である。生体分析の画期的な手段として、MATTRは、既存の方法にまさる明らかな利点を有する。2タイプの同等の技術がある。
【0101】
第1のものは、主流の化学ルミネセンス分析技術である(Bowie等,1996;Roda等,2000)。これらの技術を市場に供している会社には、酵素をベースとするCL記録器を販売するTropix(PE Corp.の系列会社)、およびCLをベースとするゲル吸着検出システムを販売するAmersham Pharmacia Biotechが含まれる。従来のCLをベースとする製品を扱う他の会社には、Lumigen、Lifecodes、Vector、InvitrogenおよびPierceが含まれる。従来のCL分析方法にまさるMATTRの注目すべき点を、下記の表1に示す。CL反応は、一般に「フラッシュ・タイプ」または「グロー・タイプ」である。フラッシュ・タイプの反応は、瞬間に行われるものであり、そのため迅速な試薬の混合および分析が要求される。グロー・タイプのCL反応は、長期間(分または時間)にわたり低レベルの発光をする。
【0102】
【表3】
【0103】
通常のグロー・タイプ反応は、化学ルミネセンスのジオキセタン化合物の加水分解を伴うものである。図3は、アダマンチリデンアダマンチン1,2−ジオキセタンの半減期と温度の関係を示す図である。この図は、ジオキセタンの半減期が温度に強く依存することを示す(ジオキセタン分解は、CLを開始する)。なお、横座標のスケールは対数である。図3に示されるように、加水分解のジオキセタン・ルミネセンスは、温度依存性が高い。したがって、ジオキセタンは優れたMATTR標識になる。通常のフラッシュ・タイプの反応は、化学ルミネセンスのアクリジニウムエステルを伴うものである。アクリジニウムエステルのCLのフラッシュは、化学開始剤と混合させることにより化学的にトリガされる。開始剤の濃度を下げることにより、反応速度は感知できないほど遅い速度に低下する。マイクロ波加熱は、速い反応速度を回復させ、化学ルミネセンス・フラッシュを起こす(Wood,1984)。
【0104】
MATTR技術は、次に述べる幾つかの基準を満たし、そのため、MATTRが画期的な生体分析技術として、また従来のCLをベースとする生体分析に対する重要な改良として際立ったものになっている:
・(試薬の混合によらず電子的に)「要求に応じて」シグナル生成を提供するCL技術。MATTRでは、要求に応じてマイクロ波が印加され、CL反応を、急速な物理的混合によってではなく、電子的にトリガする。
・コストを削減し、メインテナンスを最小限に抑える物理的に単純な分析計器。MATTRは、マイクロ波の入力を必要とするが、それは拡散性であり、すなわち収束光の入力(蛍光または分光測定法)を必要とする技術よりも単純である。
・非常に高感度で、極めて迅速な分析。急速な、標的に向けたマイクロ波加熱は、確立された高感度のCL化学を用いることにより、CL光のバーストを生成する。
・多重のマイクロチップをベースとするアッセイを可能とする技術。マイクロ波加熱は、例えば、パターン化された誘電体のスポットにより、マイクロアレイ・チップ上の特定の領域に空間的に向けることができる。広く使用可能な技術で、多くのタイプのアッセイに有用である。MATTRが確立されたルミネセンス標識を組み込んでいるので、従来のCLの全ての形式、さらに他のものも使用できる。免疫アッセイおよびDNAプローブ・アッセイに有用となる見込みがある。
【0105】
生物医学分析でのMATTRの計器の設定
上記のように、MATTRチップからのCLは、フィルム上でまたは(PMTまたはCCDカメラを用いて)電子的に測定できる。PMTまたはカメラが用いられた場合、「MATTR計器」を使用する。好ましいMATTR計器の基本的構成要素を、図4に示す。図4は、MATTR計器を示す図である。計器の構成部品は、MATTR使い捨てチップ用の内蔵ホルダを有するマイクロ波オーブンである。チップは、マイクロ波加熱で発光し、その光をPMT(あるいは、直接窓を通すこと、または光ファイバ)によって捕捉する。マイクロ波生成、カメラ録画および画像解析は、パーソナル・コンピュータを用いて行う。好ましい計器は、チップからの発光をPMTまたはカメラによって検出する窓を有するマイクロ波オーブンである。マイクロ波照射の開始(CL反応の促進)、光の測定およびデータの解析を、例えば、標準のパーソナル・コンピュータと適切なソフトウェアを用いて実施する。適切なデータ取得/解析ソフトウェアは、当技術分野では一般的であり、広く知られている。
【0106】
チップ上のサイトカインを測定するように構成できる1つのタイプのMATTR計器について以下説明する。
・適切なマイクロ波オーブンを、マイクロ波蒸気/固体分析器(model M2,Denver Instrument Co.,Arvada,CO)から作製する。このオーブンは、好ましくは、単一モードのマイクロ波チャンバを有し、均質なパワー密度を提供する。かかるオーブンのマイクロ波チャンバは、小さく円筒状で、エネルギーがサンプルに集中される。マイクロ波放射の周波数は2450MHzであり、マイクロ波の出力パワーは、550Wである。電源は、115V、60Hzである。
・オーブン・チャンバの内側に、光ファイバケーブルと整列させたチップ・ホルダをはめ込む。光ファイバは、マイクロ波オーブンの内側からオーブンの外側のPMTに延びている。チップ・ホルダは、様々なサイズ(例えば、1×3インチ(2.5×7.5cm)から5×5インチ(12.5×12.5cm))の使い捨ての誘電体アッセイ・チップを支える。
・光ファイバ検出システムにより、マイクロ波チャンバ内のチップの撮像が可能になる。光ファイバは、チップから光記録光増倍管(PMT,ハママツ モデル H5784−01)に至り、これはCL反応からの発光を捕捉する。
・パーソナル・コンピュータは、PMTとマイクロ波源を制御および同期化することが好ましい。コンピュータはまた、LabVIEWソフトウェア(National Instruments Corp.)など、汎用のデータ取得、制御、解析およびプレゼンテーション・ソフトウェアを実行することが好ましい。
【0107】
生体分析アッセイ用のMATTRの化学ルミネセンスの化合物
効率的に発光し、生体分析の目的に使用できる、化学ルミネセンス反応は非常に多く知られている。CL反応の幾つかのクラス(各クラスはそれぞれ多くの構造的に異なるものを含む)を挙げると、1,2−ジオキセタン、シュウ酸アリール、アクリジニウムエステル、ルミノール、およびルシゲニンがある。これらのクラスはすべて、免疫アッセイの標識として、または化学ルミネセンスの酵素基質として分析的に使用されている。ほとんどの場合、起こる発光化学反応は、二分子反応で、酸化剤をしばしば必要とする。過酸化水素および水酸化ナトリウムは、一般的な第2試薬である。これらの反応はすべて、昇温によって促進できる。遊離のCL化合物、および免疫アッセイで使用するタンパク質改変用のリンカーで標識付けしたCL化合物のこうした化合物のどちらも供給するメーカーがある。
【0108】
MATTRのCL反応に非常に有用なCL反応物クラスの1つのタイプは、1,2−ジオキセタン反応である。ジオキセタンは、過酸化水素などの第2試薬がなくても発光する。さらに、ジオキセタンCL反応は、図3に示されるように著しく温度依存性である。ジオキセタンは、酵素免疫アッセイならびにアルカリホスフォターゼ、グルクロニダーゼ、グルコシダーゼおよびベータ−ガラクトシダーゼ(Tropix,Foster City,CA)の酵素アッセイでグロー・タイプの試薬として使用される。図3から理解されるように、ジオキセタンは高温にすることにより、グロー・タイプの試薬からフラッシュ・タイプの試薬に変換することができる。様々なジオキセタンが、Tropixおよび他の供給元から市販されており、ジオキセタンをタンパク質と結合させる方法が、発表されている。さらにTropixは、タンパク質に結合できる複合物を販売している。
【0109】
アクリジニウムエステルは、MATTRに有用なCL試薬のもう1つのクラスである。これらの化合物は、酸化剤の存在下で酸および塩基と反応し、フラッシュ・タイプのCLを生ずる。いくつかのアクリジニウムエステルが市販されている。Lumigen,Inc.(Southfield,MI)により、単純な化学反応によってトリガされて、すばやいフラッシュとしてCLを生ずる、化学ルミネセンス標識付け用の小型の水溶性アクリジニウムエステルが販売されている。これらの化合物は、タンパク質、核酸および他の生体分子と共有結合できるよう改質される。これらの化合物の化学反応速度は、トリガ試薬を慎重に希釈することによって遅くできる。フラッシュCLは、マイクロ波加熱によって回復される。もう1つの会社Assay Designs,Inc.(Ann Arbor,MI)も、アクリジニウムエステル標識付けキットを販売している。これらのアクリジニウムエステルは、NHSエステル官能基を介してタンパク質と結合する。Assay Designは、発光に影響を与えるトリガ溶液も販売している。
【0110】
MATTRチップをベースとする免疫アッセイ
MATTRをベースとする免疫アッセイは、広範囲のどのような形式でも行うことができる。例えば、特定の捕捉分子が表面上にあるMATTRチップを検体溶液に浸し、続いて(必要なら)第2の抗体結合、および(必要なら)洗浄を行う(図5)。図5は、MATTRをベースとするサンドイッチ免疫アッセイ(TNFα免疫アッセイ)を示す図である。マイクロ波加熱すると、多数のCL標識からの発光が検体TNFαの存在を信号で伝える。免疫アッセイは、競合またはサンドイッチ免疫アッセイ形式を用いて実施する。信号標識、低分子量の化学ルミネセンス伝達分子が適切な表面結合分子上に存在する。結合および洗浄が完了するとすぐに、チップをMATTR計器内に置き、分析を実施する。
【0111】
血管形成成長因子の免疫アッセイ検出
MATTR技術の応用例の1つは、ガンに関係する血管形成タンパク質の、免疫アッセイをベースとする検出である。血管形成は、血管新生とも呼ばれ、健康な体でも、外傷が治る間、女性の毎月の生殖周期および妊娠の際に起こる。血管形成は、体内で一連の「オン」および「オフ」スイッチを介して制御されるが、主要な「オン」スイッチは血管形成成長因子(サイトカイン)として知られ、一方、主要な「オフ」スイッチは内因性血管形成阻害剤として知られる。健康な体では、血管成長が適切になるように血管形成因子と抗血管形成因子との間にバランスが保たれている。
【0112】
腫瘍は、大量の血管形成成長因子を発現し、それ自体の血液の供給を補充する。充実性腫瘍は、一定の血管の供給を必要とし、それによりガン細胞はその成長の優位性を保つことが可能となる。腫瘍細胞により比較的大量の血管形成因子が分泌されるので、腫瘍脈管構造は、異常に広い管腔、異常な血流、うっ血の領域、および高い透過性を有する。多くの異なる血管由来のタンパク質があり、マルチ検体チップをベースとする検出および測定用として注目すべきものである。血管由来因子の分析は、生物医学の研究、およびガンを含む様々な疾病の治療における診断において重要である。
【0113】
抗血管形成治療により、有望な抗ガン戦略が提供される(Folkman,1997)。血管形成を阻害すると、血管の成長をさらに妨げ、転移を減らし、そのため腫瘍の成長を阻害することになる。この原理は、広く推進されている。現在、20種を超える驚くほど多様な抗血管形成薬が臨床試験の評価を受けており(Saaristo等,2000)、また、より多くのものが様々な研究開発の段階にある。
【0114】
免疫アッセイの一例は腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)に対するものである。TNFαは、血管形成成長因子タンパク質である。高品質が必要とされる試薬、TNFαおよび適切な抗体ペアの市場供給源がいくつかある。R&D Systems(Minneapolis,MN)は、このタンパク質のCLをベースとするアッセイを市販しており、これはMATTRをベースとするアッセイに使用できる。このアッセイは、サンドイッチ酵素免疫アッセイである。MATTRを使用する場合、この技術分野で知られている手段により、化学ルミネセンス化合物の多数のコピーで第2の抗体を標識付けする。
【0115】
MATTRチップをベースとする核酸プローブ・アッセイ: ガン細胞遺伝子発現分析
誘電体チップ上のマイクロ波促進化学ルミネセンスのもう一つの実用的応用例は、ガン細胞の核酸の検出である。分子腫瘍学は、診断および予後の目的で多数のバイオマーカをますます使用する方向に進んでいる(Sidransky,1997;AbatiおよびLiotta,1996;Marx,2000)。個々の腫瘍がいかに成長し、治療に反応するかを理解するのは、細胞分子がいかに相互作用し、細胞成長、転移および抗腫瘍剤に対する反応に影響するかを理解することに基づいている。ガンは非常に個別的な疾病であり、1つではなく何百の疾病であるので、1つや2つの腫瘍マーカだけではなく、多数の腫瘍マーカを同時に検出できることが将来非常に大切になるであろう。個人化された腫瘍学の分野は、2つの特徴を必要とする。1)ガン・タンパク質の複雑な分子の役割を理解すること、および2)腫瘍の個別的な特性を決定する、多くの重要な分子を検出および測定できることである。MATTRは、両方の面において重要な役割を果たすことができる。MATTRチップは、研究者が腫瘍の経路をマッピングするのを助け、ガン患者に対して効果的なオーダーメードの治療をするのに必要な重要な情報を医師に提供する。長期的には、MATTRをベースとする遺伝子発現プロファイリングには、ガンのスクリーニング、診断、段階分け、監視および治療モニタにおいて潜在的に重要な役割が存在する。
【0116】
MATTRはまた、ガンの段階分けのアッセイ・パネルの検出に、また微小残存病変(MRD)の検出にも応用できる。ガンが診断された後、治療計画を決定する前に、ガンの程度、すなわち「段階」を決める。腫瘍の段階分け(腫瘍のサイズ/程度)、節の段階分け(リンパ節の関与)および転移の段階分け(転移の有無)を決める試験を実施する。段階分けは、血液および前哨リンパ節中の腫瘍細胞の分子試験を一部分使用することによって行う。腫瘍の段階分けは、MATTRアレイ試験の非常に注目すべき応用例である。というのは、腫瘍の段階分けは、医師が治療戦略、特に合併療法を処方するかどうか、を決めることを可能にするからである。
【0117】
MATTRチップの第2の予測し得る核酸診断応用例は、微小残存病変(MRD)の検出である。他の方法では検出できない低レベルの循環ガン細胞を検出できるマルチ検体cDNAパネル表示によって、治療の決定がおおいに改善されることになる。MATTRを用いると、臨床および病理的な緩解期にある何人かの患者では、明らかな病理および治療的な意味を有する、「分子的疾病」の証拠が見出される。分子的診断は、MRDを同定する上で大きな潜在的可能性を有する。
【0118】
今後の検査は、ガン関連のバイオマーカ・アレイの検出および測定を伴うことになるは明らかである。マルチ検体パネルは、単一の検体テストと比較して明らかに優位性を有する。多数のマーカを用いることにより、陽性/陰性の誤りの可能性が相当に小さくなる。さらに、たぶん最も重要なことには、多数のバイオマーカによって、腫瘍の特性のより明確で完全な全体像が得られる。例えば、薬剤耐性の可能性または転移可能性を確実に決定することができる。たいていのガンでは、これらの決定を行うための理想的なパネルは、まだ明らかになっていない。MATTRチップ技術はまた、強力な臨床試験および基礎研究手段になる可能性がある。多用途のアレイは、重要な分析的アレイを開発するのに有用であろう。
【0119】
MATTR技術は、幾つかの重要なガン・タンパク質のうちのどれが産生されているか決定するために、ガン細胞中でのmRNAを検出するのに使用できる。細胞mRNAからRT−PCRによって調製したcDNAについて分析が行われる。RT−PCRは、特定の細胞のmRNAを増幅する強力で高感度な方法(Latchman,1995)であり、定性的および定量的分子診断の強力な方法(Freeman等,1999)になりつつある。RT−PCRでは、mRNAを単離する(全部かポリアデニル化されたRNA)。次にRNAを、レトロウィルスの酵素、逆転写酵素(「rt」)を用いて、相補性のDNA(cDNA)に逆転写する。プライマー(遺伝子特異的または汎用)が、逆転写を開始するために必要である。生成物cDNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)などの場合と同様に増幅して、検出可能な量のcDNAを得る。RT−PCRは、ガン遺伝子発現を検出するのにしばしば使用される確立された方法(概説として、SeidenおよびSklar,1996を参照のこと)である。ガン遺伝子発現のRT−PCR分析のほとんど全ての公表報告では、単一のタイプのmRNAだけが検出されてきており、検出は電気泳動、および放射標識または染色によるものである。
【0120】
現在、個々の遺伝子変異および発現の単一検査が、腫瘍細胞の検出のために腫瘍学で臨床的に使用されている。いつか膨大なcDNAマイクロアレイが全ゲノムのレベルで腫瘍細胞を検出および特徴付けするのに一般的に使用されるであろう(Schena等,1995;Harkin,2000)。短期的には、選択的試験のより小さいパネルが、腫瘍細胞の高感度の検出および特徴付けに非常に価値をもつようになるであろう。ガン遺伝子発現のアレイ試験は、より信頼できる診断を提供するだけでなく、患者の予後についてのより多くの情報の全体像を提供するであろう。
【0121】
核酸の分析
MATTRをベースとする核酸の分析は、同じ技術による免疫アッセイ分析と多くの共通点を有する。主要な相違点をここに述べる。アッセイは、以下のように行うことができる。
【0122】
(1)特異的な捕捉分子が表面上にあるMATTRチップ(図6)を検体溶液に浸すと、検体が表面に結合する。図6は、MATTRをベースとする核酸のマイクロアレイ・アッセイを示す図である。マイクロ波加熱すると、多数のCL標識からの発光が検体の存在を信号で伝える。アッセイの一タイプでは、捕捉された検体を検出することができる。というのは、その検体自体がCL分子で前もって標識付けされているからである(Schena等,1995)。標的cDNAは、多くのよく知られた方法および試薬を用いて標識付けすることができる(Trilink BioTechnologies,Inc.San Diego,CA;Glen Research Corp.,Sterling,VA)。標的を多くのCL記録グループで標識付けすることが好ましい。例えば、DNAは化学的にビオチン化でき、ビオチン化DNA分子は、多数のルミノール分子で標識付けされたストレプトアビジンと結合できる(図6)。あるいは、第2のプローブを使用するサンドイッチタイプの形式を採用することもできる(Kricka,1999)。この形式では、チップ上に固定された第1のプローブが、未標識の標的分子を捕捉し、その標的分子がCL標識付けされた第2のプローブを捕捉する。
【0123】
捕捉分子層を、ナイロン膜上にスポットする(図6)。このナイロンは、フルサイズの保護膜でも小円に打ち抜いたものでもよい。実際のスポット化プロセスは、手動のマイクロアレイ・スポッタで実施し(Xenopore Corp.)、これは、1”×3”(2.5×7.5cm)の顕微鏡スライド上にスポットを付着することができる。手動のマイクロアレイヤは、単純な作業台上デバイスで、大きさはほんの5”×5”(12.5×12.5cm)であり、重さは3ポンド(1.4kg)未満である。外部の動力源は必要としない。被膜なしまたは誘導体化した顕微鏡用ガラススライド、カバーガラス、多孔膜、ゲルまたはプラスチックが用いられる。
【0124】
(2)いったん結合が完了すると、チップをMATTR計器中のチップ・ホルダに置き、測定を行う。なお、予想される通り、マイクロ波の生成熱によって、検体は変性されるが、信号は影響を受けないことに注目すべきである。
【0125】
特定のmRNAの分析の説明
腫瘍細胞株中での特定のガン遺伝子の発現は、例えば、RT−PCRが腫瘍細胞株中のEGFR mRNAを検出するのに用いられたLeitzel等(1998)の方法の改良法を用いて検出できる。EGFRは、乳ガンにおける注目すべき予後マーカである。
【0126】
EGFRを発現する適切な細胞株は、対照細胞株と同様に、培養A431上皮ガン細胞(American Tissue Culture Collection,Manassas,VA)である。MATTRチップ上に使用し、EGFR cDNAの検出を実証できる、適切なハイブリッド形成プライマーが、Leitzel等(1998)によって開示されている。全RNAを細胞から単離し、RT−PCRを実施する。RT−PCRの間、確立された手順でcDNAはビオチンで標識付けする。ビオチン化されたcDNAを、特異的なプライマーによりナイロンコートされたMATTRチップ上に捕捉する。次に、ルミノール標識付けされたストレプトアビジンを添加すると、それは、捕捉されたビオチンに結合する。少量の過酸化物を添加し、マイクロ波照射を行うと、発光が生じ、これをフィルムまたは電子的手段で検出する。
【0127】
以上、本発明を概括的に説明したが、下記の実施例の参照を通して本発明はより容易に理解されるであろう。これらの実施例は例示として提供するものであり、特に明記しない限り、本発明を限定するものではない。
【0128】
(実施例)
実施例1: 水中に懸濁させた炭素粒子に選択的に向けられるマイクロ波
水中の炭素粒子がそれを懸濁している水よりも相当に速く熱くなるかどうかをテストするために実験を実施した。実験では、通常の調理用マイクロ波オーブン(Panasonic NN−S949,出力1100W,2.45GHZ)を使用した。放射周波数では、炭素は水より損失性であることが知られている。したがって、(約100mlの)水中の(約200mgの)炭素懸濁液は、純水よりも速く熱くなるはずである。(100mlの)水を粉末炭素(木炭ブリケット(Super G,Landover,MD)を乳鉢と乳棒を用いて粉末にすりつぶした)の存在下またはそれなしで加熱した。マイクロ波照射1分後、炭素含有水(83°F(28.3℃))は、9°F(5℃)だけ、水単独(74°F(23.3℃))より温かかった。(加熱された炭素の熱は水に移動し、その水の熱を測定した。)実験を繰り返し、同様の結果(炭素の存在下で9°F(5℃)熱い)が見出された。このことにより、誘電加熱によって水中で物質を選択的に加熱できることが示される。別の方法として、2.45GHzで炭素よりも速く熱くなる誘電体も使用でき、または水をあまり加熱しない異なる周波数も使用できる(あるいは両方の方法を用いてもよい)。
【0129】
実施例2: 含水粘土に選択的に向けられるマイクロ波
3つの実験を実施して、含水粘土が水より相当に速く熱くなるかどうかをテストした。BufflerおよびRisman(1996)による報告では、とりわけ915MHzで粘土が水より速く熱くなるということである。粘土は成形可能で、ビーズ中でコア誘電体として、またはカートリッジ中で平らな表面として使用できる。この仮説をテストするために、2450MHzのマイクロ波を放射するオーブンを使用した。BufflerおよびRismanの報告に基づくと、これらの(2450MHz)実験において何らかの肯定的な結果が得られれば、915MHzではさらにより良い結果が得られることになる。
【0130】
実験1: 泉水を約100ml、マイクロ波適応プラスチック・カップ中で60秒間、実施例1で記載したものと同じマイクロ波で加熱した。温度は、25.0℃から92.5℃に上昇した。約200mgの粘土(ベントナイト200クレイ、乾燥した粉末として、Great Lakes Clay and Supply Co.,Carpentersville,ILから供給される)を含んだ同量の水も、マイクロ波で加熱した。温度は、25.0℃から94.5℃に上昇した。この実験により、粘土は水より熱くなりやすく、粘土の存在下での温度変化は、(熱い)粘土粒子からバルク水への(わずかな)熱の移動によるものであることが示された。
【0131】
実験2: 泉水を約200ml、マイクロ波適応プラスチック・カップ中で45秒間、同じマイクロ波で加熱した。その温度は、19.0℃から49.0℃に上昇した。約50mgの粘土(ベントナイト200クレイ)を含む同量の水をマイクロ波で加熱した。その温度は、19.0℃から52.0℃に上昇した。この実験により、粘土は水より熱くなりやすく、粘土の存在下での温度の変化は、(熱い)粘土粒子からバルク水への(わずかな)熱の移動によるものである証拠が得られた。
【0132】
実験3: 室温の泉水を約50ml、マイクロ波適応プラスチック・カップ中で30秒間、同じマイクロ波で加熱した。その温度は68℃に上昇した。同体積の室温の水和されたベントナイト200クレイ(最小の液体水)もマイクロ波で加熱した。温度は84.0℃に上昇した。この実験は、2450MHz(1110W)マイクロ波照射にさらされた場合、粘土は水より速く熱くなることを証明している。これはまた、実験1および2の粘土含有水の温度の増加は、相当に熱い粘土から冷たい水への(わずかな)熱の移動によるものであったことを示唆する。マイクロ波加熱は、水の存在下で粘土に向けた。
【0133】
実施例3: L−フェニルアラニン−p−ニトロアニリドと結合する炭素含有分子インプリンティングポリマー粒子の調製
人工生体分子がマイクロ波により加熱される誘電体と熱的に近接している可能性のある物理的形式が多数ある。形式の1つのタイプは、ビーズや粒子である。ここに記載する実施形態では、炭素粒子(誘電体)と分子インプリンティングポリマー(人工的な生体分子)が、複合物粒子を形成する。
【0134】
このポリマーは、プリンティング(鋳型)分子を共に含む溶液中のモノマーと架橋剤から作り出す。懸濁液中に炭素粒子も存在する。重合が生じるにつれ、成長する架橋ポリマーが鋳型分子および炭素粒子の両方を取り込む。ポリマー/炭素粒子複合物を、小さな砕片に砕く。この、ポリマー中の炭素粒子およびインプリンティングされた結合部位は、近接して存在する。
【0135】
この実施例では、誘電体/人工生体分子複合材料の調製を詳細に記載する。この複合物は、L−およびD−鏡像異性体の混合物からL−フェニルアラニン−p−ニトロアニリドを選択的に加水分解するのに使用することができる。
【0136】
D−およびL−フェニルアラニン−p−ニトロアニリドの合成(O’Shannessy等,1989a)
D−およびL−フェニルアラニンアニリドは、N,N−ジメチルホルムアミド中で、縮合剤として1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド/1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを用いて、対応するBOC誘導体をアニリンと結合させることにより合成される。トリフルオロ酢酸による脱保護の後、生成した固体を0.1Mの塩酸で可溶化し、濾過し、トルエンで抽出する。1MのNaOHの添加により、水相のpHを9に調整し、アニリドの遊離塩基を酢酸エチルで抽出した。次に、このアニリドの遊離塩基を1−プロパノール/ヘキサンから結晶化する。
【0137】
炭素粒子の調製
小粒径の炭素粒子は、上記の実施例1に記載したように木炭から調製することができる。あるいは、活性炭(Darco(登録商標)KB,100メッシュ,Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)を用いることができる。いずれの場合でも、乳棒と乳鉢を用いて炭素をすりつぶして微細な粒子を作り出す。炭素粒子をクロロホルム中に懸濁させ、10μmのふるいにかける。ふるいを通過したクロロホルムを相当に濃い炭素粒子の懸濁液が得られるまで蒸発させる。この炭素懸濁液を、分子インプリンティング重合中に溶媒として使用する。
【0138】
分子インプリンティングポリマー/炭素複合物の調製(O’Shannessy等,1989a;O’Shannessy等,1989b)
上記の炭素粒子含有のクロロホルムを溶媒として使用する。50mlのガラス管中に、プリンティング分子L−フェニルアラニン−p−ニトロアニリド(PPNA)を1.956mmol、官能化モノマーメタクリル酸(MMA)を7.86mmol、架橋剤エチレングリコールジメチルアクリラート(EDMA)を39.3mmol、溶媒を12ml、開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)を0.57mmolを加える。ガラス管を封じ、超音波処理により、完全に可溶化させる。混合物を超音波処理によって脱気し、窒素を5分間注入する。この混合物を4℃に冷却する。この温度で、懸濁した炭素粒子の沈殿を避けるために混合物を非常に穏やかに攪拌しながら、標準の実験室用UV源(366nm)を用いて一晩、照射する。
【0139】
生成したポリマー(固体)を小さな豆粒サイズの断片に砕き、次に乳棒と乳鉢を用いて粉末にすりつぶす。この粉末をクロロホルムに懸濁させ、次に100μmのふるいを通して濾過する。焼結ガラス漏斗を用いて、プリンティング分子を溶媒交換によって除去する。30:70の水酸化アンモニウム(NH4OH)とアセトニトリル(CH3CN)との混合液を用い、続いてCH3CN単体を用いる。最後に複合物粒子を乾燥する。
【0140】
実施例4: L−フェニルアラニン−p−ニトロアニリドのマイクロ波加水分解;反応物溶液に接触した分子インプリンティングポリマー誘電体粒子
L−フェニルアラニン−p−ニトロアニリド(L−PPNA)の加水分解を実施例3に記載のインプリンティングされた複合物粒子の存在下で実施する。この粒子(0.2g)をL−PPNAの50ml溶液(0.1mM)中に懸濁させる。L−PPNAの溶媒は、80%CH3CN/20%H2Oである(水は中性のpH)。
【0141】
粒子/基質溶液を1100W/2.450GHzマイクロ波内に置く。マイクロ波を粒子表面の反応を促進するのに十分な時間の間発生させる。対照として、同じ実験(L−PPNA溶液にマイクロ波を当てる)を粒子なしで繰り返す。
【0142】
p−ニトロアニリンの量の分析を分光分析またはHPLC分析によって実施する(どちらの分析法も、当分野の技術者には知られている)。その結果から、粒子の存在下でより多くのp−ニトロアニリンが生成されていることがわかる。
【0143】
マイクロ波加水分解がL−PPNAの粒子への非特異的な結合の結果ではないことを示すために、D−PPNAを用いて実験を繰り返す。その結果から、同一の条件下で、D−PPNAよりL−PPNAの方が多く加水分解されることが示される。これらの結果により、加水分解結合部位はL−PPNAに対して鏡像異性体特異性を有することが示される。
【0144】
触媒としての分子インプリンティングポリマー(人工酵素)については、先行する記述がある(LeonhardtおよびMosbach,1987;Bystrom等,1993)が、本明細書は、触媒作用がマイクロ波による指向性加熱によって促進される人工酵素について最初に記述したものである。
【0145】
実施例5: L−フェニルアラニン−p−ニトロアニリドのマイクロ波加水分解;空気と接触した分子インプリンティングポリマー誘電体粒子
L−フェニルアラニン−p−ニトロアニリド(L−PPNA)の加水分解を実施例3に記載のインプリンティングされた複合物粒子の存在下で実施する。この粒子(0.2g)をL−PPNAの50ml溶液(0.1mM)中に懸濁させる。L−PPNAの溶媒は、80%CH3CN/20%H2Oである(水は中性のpH)。
【0146】
L−PPNAが分子インプリンティングポリマーと結合平衡に達するのに十分な時間の後、複合物粒子を反応物溶液から濾過し、簡単に水で洗い、過剰な反応物を取り除く。
【0147】
濾過した粒子を1100W/2.450GHzマイクロ波内に置く。マイクロ波を粒子表面の反応を促進するのに十分な時間の間発生させる。対照として、同じ実験(L−PPNA溶液にマイクロ波を当てる)を粒子なしで繰り返す。
【0148】
p−ニトロアニリンの量の分析を分光分析またはHPLC分析によって実施する(どちらの分析のタイプも、当分野の技術者には知られている)。結果により、対照の(インプリンティングされてない)粒子と比較して、インプリンティングされた粒子の存在下でより多くのp−ニトロアニリンが生成していることがわかる。
【0149】
マイクロ波加水分解がL−PPNAの粒子への非特異的な結合の結果ではないことを示すために、D−PPNAを用いて実験を繰り返す。結果により、同一の条件下で、D−PPNAよりL−PPNAの方が多く加水分解されていることが示される。これらの結果により、加水分解結合部位はL−PPNAに対して鏡像異性体の特異性を有することが示される。
【0150】
実施例6: ゼオライト被覆した粘土誘電体表面の調製
ゼオライトは、原油からガソリンへの変換ならびにCO、NOxおよび炭化水素を排気ガスから取り除くための自動車のマフラ(Rouhi,2000)を含めて多くの応用例で特定の化学反応を触媒するのに使用される多孔性無機固体である。反応は、ゼオライト中の密閉されたキャビティ内で起こる。いかなる化学反応とも同様に、ゼオライト空間内の反応速度は、温度とともに上昇する。
【0151】
ゼオライトは、誘電性のマイクロ波応答性材料の表面を含めた多孔性および非多孔性固体表面上(van Bekkum等,1994;Jansen等,1994)に固定できる。ゼオライトの被覆は、フィルムでも層でもよい。フィルムは、支持体に平行モードで配向した細孔結晶の連続的な固相である。層は、支持体上に多かれ少なかれ無秩序に配向した細孔結晶の(非)連続的な固相である。ゼオライト被覆の調製はよく知られている(Jansen等,1994)。被覆は、形成したゼオライトの塗布により、または表面上にゼオライトを成長させることにより形成することができる。
【0152】
本実施例では、Yゼオライト(Zeolyst International,Valley Forge,PA)は、約0.5cm×0.5cmのベントナイト200粘土表面に、ディップ・コーティングの技術で付着させる(あるいは、支持体として炭素などの他の誘電体を使用できる)。ディップ・コーティングは、ゼオライトを表面に塗布する効率的で実証済みの方法であり、ほとんどの支持体表面に使用できる(van Bekkum等,1994)。Yゼオライトは溶解されたポリマー材料を含むスラリにでき、これは溶媒除去の後、連続相層を形成する。一般的に添加される結合剤は、硬化させると、表面上に強力に結合したゼオライト層の形成を促進する。
【0153】
実施例7: ゼオライトYが被覆された粘土誘電体表面上の1−ナフチルフェニルアセテートのマイクロ波促進均一開裂
ゼオライトYが被覆された粘土チップ(実施例6)を50mlビーカーの底に置く。1−ナフチルフェニルアセテート(NP)(10mM)を含有するヘキサン20mlを添加する(Gu等,1999)。該ビーカーをマイクロ波オーブン(Panasonic NN−S949,出力1100W,2.45GHZ)内に置き、ゼオライト表面上に反応が起こるまで、マイクロ波を発生させる。照射に続いて、バルクのヘキサン溶液を記載のように(Gu等,1999)、ガスクロマトグラフィで特徴付けする。表面のゼオライトを純ヘキサンで抽出し、抽出物もGCで特徴付けする。NPの反応の進行度は、ゼオライト抽出物中の方が、バルクヘキサン溶液中よりも高かった(生成物/反応物の濃縮比がより高い)。
【0154】
第2の実験では、2つのゼオライト被覆された粘土チップを、ヘキサン中に10mMのNPを含有する別々のビーカーに浸す。一方のビーカーをマイクロ波照射にさらし、他方のビーカーはさらさない。ゼオライト−粘土チップをヘキサン中に抽出し、GCで分析する。マイクロ波照射されたゼオライトは、マイクロ波を当てないゼオライトより高い生成物/反応物比を含んでいることになる。
【0155】
実施例8: 断熱性メソ多孔性シリカ層による誘電性分子インプリンティングポリマーの被覆
誘電体/人工酵素複合物をさらにカプセルに包むことが必要な場合がある。多孔性断熱性カプセルまたは層は、誘電体からバルク溶媒への熱移動を減少させることになる。(なお、同等の結果が冷却された容器を用いてバルク溶液を冷やすことによって得られる。)
【0156】
数多くの材料、主にポリマーは、断熱層として使用できるものである。かかる材料の要件は、熱移動を減少させなければならないことであり、一方、少なくとも最小限に反応物の通過を可能にすることである。多孔層の厚さは、触媒される反応、使用される材料のタイプおよび所望の特定の用途を含む様々な要因に応じて最適化することができる。
【0157】
分子インプリンティングポリマーの場合、1つの技術は、インプリンティングされたポリマー表面を、プリンティング分子のない同じポリマーで被覆することである。したがって、材料の順序は、誘電体/インプリンティングされたポリマー/インプリンティングされてないポリマー/バルク溶液となる。上述したように、ポリマー層を形成することは、当技術分野で知られている。
【0158】
本実施例は、多孔性シリカ層がどのように誘電体/人工酵素複合物を被覆し,且つ断熱するのに使用することができるかを記載する。分子インプリンティングポリマー層で被覆された誘電体表面は、シリカで被覆される。インプリンティングされたポリマーをシリカ層で被覆するために、まずストック溶液を調製する(Makote等,1998)。この溶液は、テトラメトキシシラン(TMOS)、フェニルトリメトキシシラン(PTOMS)、エトキシエタノール(EE)、水および0.1Mの塩酸を含む。TMOSとPTMOSの比は、10:1である。溶液のpHは、水酸化カリウムを用いて、7に高める。30分後、溶液を誘電体/分子インプリンティングポリマー上にコーティングする。コーティング法は、スピンコータ(Makote等,1998)を使用しても、スプレイまたはディップ・コーティングによってもよい。生成した被覆された表面は、室温でデシケータ中で乾燥させる。シリカ被覆の断熱特性をさらに向上させるために、コーティング・プロセスを多数回繰り返し、多数の層を形成することができる。
【0159】
実施例9: マイクロ波促進化学ルミネセンスの、フィルムをベースとする検出
化学ルミネセンス反応を用いて本発明をテストするために、多数の実験を実施した。実験では、顕微鏡のスライドを、その上でルミノール/過酸化物反応が起こって発光する「チップ」として調製した。チップは、素材(ガラス)そのままであり、または誘電体を有していた。用いられた誘電体は、チタン酸バリウムまたは活性炭であった。マイクロ波照射によってまたはそれなしで、フィルムを用いてCL反応からの光を検出した。
【0160】
実験:
チップ: 誘電体チップを、通常の顕微鏡スライド(1インチ(2.5cm)×3インチ(7.5cm)×1mm)(VWR Micro Slides)から作製した。2つのタイプのチップを作製した。一方のタイプは、誘電体スラリを顕微鏡スライドにスポットすることによって作製した。スポットの直径は約0.5cmであった。次に、CL反応を直接に誘電体の上面で(それに接して)実施させた。もう一方のタイプのチップは、スライド間に何もない(対照チップ)、またはスライド間に誘電体フィルムを密接して挿入した2枚の顕微鏡スライドのサンドイッチであった。この「サンドイッチ・チップ」で、CL反応を誘電体層と接していない方のガラススライドの上側で実施した。使用した誘電体は、チタン酸バリウム(Aldrich Chemical Co.,20,810−8)および活性炭(Sigma Chem.Co.C4386)であった。濃い誘電体スラリを水と混合することによって調製した。チタン酸バリウムは、濃いペーストを形成し、木炭はより薄い混合物を形成した。
【0161】
化学ルミネセンス反応: ルミノール(3−アミノフタルヒドラジド・モノナトリウム塩、Alfa Aesar 44007)は、アルカリ性のpHで過酸化水素と反応する。ルミノールの溶液を約7.9〜10.2の様々なpHで調製する。溶液は、硫酸銅(II)五水和物および緩衝剤(重炭酸ナトリウム)も含んでいた。様々な濃度およびpH値で試したが、最終的にpH8.0を用いることに決定し、ルミノールのルミノール濃度は4.4mMであった(ストック溶液、これを1:1で過酸化物溶液と混合して反応を開始させた)。より高いpHでは、反応は速く進みすぎて、最初の1分で明らかに半分以上完了していた。より低いpHでは、この反応ははるかに遅く進行した。より低いルミノール濃度でも実現可能であるが、フィルム上に明るいスポットを得るためには4.4mMが望ましかった。
【0162】
ルミノール溶液を等体積の希釈過酸化水素と混合してCL反応を開始させた。3%過酸化水素を1:20で希釈した。これがストック溶液(0.15%)であった。
【0163】
チップ上で、スポットの全体積は、6.0μl(ルミノールと過酸化物がそれぞれ3.0)または3.0μl(それぞれ1.5)であった。
【0164】
データ記録: 最も高感度であるためには、当技術ではCCDまたはPMT検出およびCL光の分析を用いる。あるいは、特に、定量化が重要でなく、ある信号の定性的な測定が必要な場合、フィルムを使用すると便利である。さらに、フィルムをベースとするシステムは、たとえばCCDカメラではなく、使い捨て可能な物が必要な場合には、重宝である。
【0165】
データをAmersham Hyper ECLフィルムの各シート上に記録し、通常の方法に従って現像した。全ての場合、マイクロ波照射の下でまたはそれなしで、フィルムを20秒間CLチップにさらした。フィルム現像は、通常の手段によって行った(Kodak D−19現像器)。
【0166】
チップ・ホルダ: チップ・ホルダは、音楽のCDケースで作製した。その透明なメチルメタクリル・ケースは、断熱材として機能し、フィルムが熱くなるのを防いだ。チップ・ホルダはまた、フィルムが反応表面と接触することを防いだ。CDケースには、チップが動くことを防ぐため厚紙でできた挿入物を中に入れてあった。フィルムの端部を、チップの上でCD箱の外側にテープで軽く貼り、CD箱を遮光性厚紙箱中に置いた。次に、この箱をマイクロ波オーブン内に置いた(オーブンの説明については実施例1を参照のこと)。
【0167】
実施した実験と結果: 全ての場合で、チップは1度使用し、廃棄した。マイクロ波照射は、回転トレイ上で行い、不均一な加熱を減らした。不均一な加熱によるアーチファクトの証拠は観測されなかった(多数の実験で、互いに一致する結果を得た)。
【0168】
1) スポットされたチップ。スポットされたチップでの最初の研究は、はっきりしない結果を与えた。これは、試薬が直接に誘電体上にスポットされたことによるものと思われる。この反応物は、誘電体層にいくらか浸透したか、あるいは不均一に広がったかもしれない。この理由のため、炭素誘電体層およびチタン酸バリウム誘電体層の両方を用いて、実験の成功または失敗を決定することが難しかった。なお、誘電体と結合試薬との直接的な接触は本発明の要件ではない(図2参照)。
【0169】
2) サンドイッチ・チップ。いわゆるサンドイッチ・チップでの結果は、スポットされたチップよりかなり良好であった。上記のように、サンドイッチ・チップは3つの層、すなわち、顕微鏡スライド、中間の誘電体層およびもう1つの顕微鏡スライド、を含む。これらのチップは、上記で用いられたスポットされたチップにまさる2つの大きな利点を有する。第1の利点は、反応が、不均一な誘電体スポット上ではなく、ガラス(周知の表面)上で起こることである。第2の利点は、誘電体層が大きく、1×3インチ(2.5×7.5cm)のスライド表面全体を被覆していることである。この誘電体の量が多いということは、チップをより熱くできることを意味する(なお、サンドイッチ・チップの表面は、追加の非連続層を加えることにより、熱いゾーンと冷たいゾーンにと分割できる)。
【0170】
a) 第1の実験では、3μlのルミノール・ストック溶液を3μlの過酸化物ストック溶液と混合した。3つのチップ、すなわち、ガラス(誘電体なし)チップ、チタン酸バリウムチップおよび活性炭チップ、のそれぞれの上にスポットを2つ置いた。チップをチップ・ホルダ中に並べて置き、ホルダにフィルムをテープで貼った。チップを20秒間マイクロ波加熱し、フィルムを現像した。現像されたフィルムから、ガラスチップからはいくらか発光(2スポット見ることができた)があるが、チタン酸バリウムチップおよび活性炭チップからはより多くの発光があることが明らかになった。実際、活性炭チップは、散乱した大量の光を生じ、熱(20秒)が強く、試薬スポットが飛散したことを示唆した。マイクロ波照射に続いて、チップ・ホルダを開けると、チップは全てそのまま目に見える状態であり、誘電体チップは、触れると対照チップより非常に熱かった。
【0171】
b) 第2の実験では、a)で記載された実験を繰り返した。本質的に同じ結果が得られた。
【0172】
c) 第3の実験では、この場合も3つのチップにスポットしたが、今度はルミノールと過酸化物をアッセイごとにそれぞれ1.5μl(前記で用いた半分の量)とした。ルミネセンスが室温で数分間ずっと輝いていることが肉眼で観察された。このため、チップは最初に室温でアッセイし(フィルムに20秒さらす)、次に新しいフィルムとともにマイクロ波オーブン内に置き、もう20秒間マイクロ波にさらした。現像後、2つのフィルムを比較した。マイクロ波照射前にチップに(20秒)さらしたフィルムは、3つのチップすべての上でCL反応に対応する光スポットを示した(全てかなりかすかであるが、チタン酸バリウムのチップは対照実験で一貫してより濃いスポットを与え、その誘電体の白色が光を上方のフィルムに反射していることを示唆している)。マイクロ波照射中にスライドにさらされたフィルムは、非常に異なって見えた。ガラス(誘電体なし)チップは、室温でさらしたものと違いがなかった。すなわち、スポットは淡かった。しかしながら、誘電体チップ上ではフィルムは劇的により多くの光を捕捉した。チタン酸バリウムのチップは、対照(室温)実験におけるものよりも濃いスポットを与えた。先に述べたように、活性炭のスポットの像は、非常に強く散乱しており、非常に大量の発光が生じ、温度がとても高かったかもしれないことを示唆した。この実験は、上記のようにマイクロ波加熱が誘電体チップ上でのCL反応を促進することを実証している。
【0173】
d) c)に記載された実験を繰り返し、実質的に同じ結果を得た。室温のスポットはかすかであるが、マイクロ波のスポット(対照スポットを除いて)は、フィルム上で濃い像を与えた。これらのデータは、明らかにマイクロ波標的促進反応を実施できることを実証している。
【0174】
e) フィルム上に見られる濃いスポットが本当にCL反応からのもので、チップ自体の所産でないことを確認するために実験を行った。対照(2枚の顕微鏡スライドガラス)、チタン酸バリウム、活性炭および(粉末と脱イオン水から調製された)ベントナイト粘土を含むもう1つの誘電体チップの4つのチップを調製した。CL試薬はチップ上に置かなかった。4つのチップをチップ・ホルダに置き、X線フィルムを取り付け、ホルダにマイクロ波を20秒間当てた。現像されたフィルムは完全にブランクであり、フィルム上に見られた全ての色の濃さは、CL発光から由来することを示した。
【0175】
f) c)およびd)で述べた実験を2つの変更点を除いて繰り返した。1つの変更点は、チップ中で使用する活性炭の量を少なくしたこと。もう一方の変更点は、3つのチップの代わりに4つのチップを用いたことであり、すなわち、ベントナイト粘土誘電体チップを加えたことである。図7に、その結果を示す。図7は、マイクロ波によって促進され、トリガされる化学ルミネセンス反応を実証するための図である。この図は、「ブランクの」ガラスの顕微鏡スライドをベースとするチップと比較して、チタン酸バリウム、活性炭またはベントナイト粘土を含有する誘電体チップが、マイクロ波の照射により相当にルミノール/過酸化物の化学ルミネセンス反応を促進することを実証している。それぞれの縦のレーンは、1つの顕微鏡スライドをベースとするチップからの像である。フィルム上で、対照のレーンに2つのかすかなスポットを見ることができる。これらは、ガラスだけのチップ上の2つのアッセイ・スポットからのCL発光を表す。他のチップ、すなわち、チタン酸バリウム、活性炭およびベントナイト粘土のスポットは、より強い発光を示す。これらの材料はすべて、チップ上での化学反応を促進するのに使用できる。
【0176】
参照文献:
下記のものは、本出願で引用された出版物のリストである。
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【0182】
本明細書で言及する全ての刊行物および特許は、それぞれの個々の刊行物または特許が参照により具体的かつ個別に組み込まれると明記されている場合と同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0183】
本発明は、その特定の実施形態に関連して説明してきたが、さらに変更が可能であることが理解されるであろう。本出願は、本発明が属する技術分野の範囲内の既知または通例の慣例に含まれる、また前記で説明した本質的な特徴に適用することができる、かかる本開示からの逸脱も含めて、本発明の原理に一般に従う、本発明のどのような変更、使用または適用も包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
指向性マイクロ波化学のための粒子をベースとする材料を示す図である。
【図2】
指向性マイクロ波化学のための平らな表面をベースとする材料を示す図である。
【図3】
アダマンチリデンアダマンチン1,2−ジオキセタンの半減期と温度の関係を示す図である。
【図4】
MATTR計器の構成を示す図である。
【図5】
MATTRをベースとするサンドイッチ免疫アッセイ(TNFα免疫アッセイ)を示す図である。
【図6】
MATTRをベースとする核酸のマイクロアレイ・アッセイを示す図である。
【図7】
マイクロ波によって促進され、トリガされる化学ルミネセンス反応を実証するための実験結果を示す図である。
Claims (77)
- ある表面に特異的に結合した反応物の化学反応を速める方法であって、
(a)複合物を反応物と接触させるステップであって、前記複合物は誘電加熱を受けやすい固体材料および反応物のための特異的結合分子を含むものであるステップと、
(b)前記複合物に電磁界を印加して前記固体材料に誘電加熱を生じさせるステップと、
(c)前記加熱された反応物を反応させ、それによって反応を速めるステップとを含む方法。 - さらに、反応進行度を測定し、前記測定された反応進行度に応じて電磁界の印加を制御するステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記接触させるステップが、前記反応物を含有する溶液に前記複合物を混合することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記接触させるステップが、前記複合物を含有する液体に前記反応物を混合することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記印加される電磁界の波長が、5cm〜100mである、請求項1に記載の方法。
- 前記化学反応が、加水分解、均一開裂または化学ルミネセンス反応である、請求項1に記載の方法。
- 前記固体材料が、炭素、木炭、アモルファス炭素、カーボンブラック、粘土およびニッケルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記固体材料が、酸化銅、酸化クロム、酸化ケイ素、酸化ニオブおよび酸化マンガンからなる群から選択される酸化物である、請求項1に記載の方法。
- 前記固体材料が、チタン酸バリウムおよび無機チタン酸塩からなる群から選択されるチタン酸塩である、請求項1に記載の方法。
- 前記固体材料が、アルミナ−マグネタイト、アルミニウム−エポキシ複合物およびアルミン酸カルシウムからなる群から選択されるアルミナ化合物である、請求項1に記載の方法。
- 前記固体材料が、酸化物セラミックもしくは非酸化物セラミック、フェライト、強誘電性ポリマーまたは有機ポリマーである、請求項1に記載の方法。
- 前記固体材料が、SiC、Si、Mg、FeSi、Cr2O3、Fe3O4、MnO2およびNiOからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記固体材料が、導電性材料と絶縁体との混合物である、請求項1に記載の方法。
- 前記導電体粉末がNb、TaC、SiC、MoSi2、CuまたはFeであり、前記絶縁体がZrO2、Y2O3またはAl2O3である、請求項13に記載の方法。
- 前記導電性材料が金属であり、前記金属の形状が顆粒状、フレーク状、球状、針状または繊維状である、請求項13に記載の方法。
- 前記反応物のための特異的結合分子が、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記特異的反応物が、抗原、受容体リガンド、酵素阻害剤、酵素基質、酵素生成物およびオリゴヌクレオチドからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記特異的反応物が、小分子と、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される分子との共有結合複合物である、請求項1に記載の方法。
- 前記反応物のための特異的結合分子が、前記反応物のための少なくとも1つの結合部位を有し、前記結合部位が複数の反応ターンオーバを促進する、請求項1に記載の方法。
- 前記反応物のための特異的結合分子が、前記反応物のための少なくとも1つの結合部位を有し、前記結合部位が1つの反応ターンオーバを促進する、請求項1に記載の方法。
- 前記電磁界が、約0.9〜約25GHzの周波数で印加される、請求項1に記載の方法。
- 前記電磁界が、約0.9〜約6GHzの周波数で印加される、請求項21に記載の方法。
- 前記電磁界が、約0.9〜約2.5GHzの周波数で印加される、請求項22に記載の方法。
- 前記電磁界が、0.915、2.45、5.85および22.125GHzからなる群から選択される周波数で印加される、請求項21に記載の方法。
- 前記複合物が、粒子の形態をしている、請求項1に記載の方法。
- 前記複合物が、平面的な基質の形態をしている、請求項1に記載の方法。
- ある表面に特異的に結合した反応物の化学反応を速める方法であって、
(a)誘電加熱を受けやすい固体の材料および反応物のための特異的結合分子を含む複合物を、反応物が複合物に結合するのに十分な時間、反応物含有溶液と接触させるステップと、
(b)溶液から複合物−反応物複合体を分離するステップと、
(c)前記複合物に電磁界を印加して前記固体材料に誘電加熱を生じさせるステップと、
(d)前記反応物を生成物に変換させ、それによって反応を速めるステップとを含む方法。 - さらに、反応進行度を測定し、前記測定された反応進行度に応じて電磁界の印加を制御するステップを含む、請求項27に記載の方法。
- 前記印加される電磁界の波長が、5cm〜100mである、請求項27に記載の方法。
- 前記化学反応が、加水分解、均一開裂または化学ルミネセンス反応である、請求項27に記載の方法。
- 前記固体材料が、炭素、木炭、アモルファス炭素、カーボンブラック、粘土およびニッケルからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
- 前記固体材料が、酸化銅、酸化クロム、酸化ケイ素、酸化ニオブおよび酸化マンガンからなる群から選択される酸化物である、請求項27に記載の方法。
- 前記固体材料が、チタン酸バリウムおよび無機チタン酸塩からなる群から選択されるチタン酸塩である、請求項27に記載の方法。
- 前記固体材料が、アルミナ−マグネタイト、アルミニウム−エポキシ複合物およびアルミン酸カルシウムからなる群から選択されるアルミナ化合物である、請求項27に記載の方法。
- 前記固体材料が、酸化物セラミックもしくは非酸化物セラミック、フェライト、強誘電性ポリマーまたは有機ポリマーである、請求項27に記載の方法。
- 前記固体材料が、SiC、Si、Mg、FeSi、Cr2O3、Fe3O4、MnO2およびNiOからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
- 前記固体材料が、導電性材料と絶縁体との混合物である、請求項27に記載の方法。
- 前記導電性粉末がNb、TaC、SiC、MoSi2、CuまたはFeであり、前記絶縁体がZrO2、Y2O3またはAl2O3である、請求項37に記載の方法。
- 前記導電性材料が金属であり、前記金属の形状が顆粒状、フレーク状、球状、針状または繊維状である、請求項37に記載の方法。
- 前記反応物のための特異的結合分子が、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
- 前記特異的反応物が、抗原、受容体リガンド、酵素阻害剤、酵素基質、酵素生成物およびオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
- 前記特異的反応物が、小分子と、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される分子との共有結合複合物である、請求項27に記載の方法。
- 前記反応物のための特異的結合分子が、少なくとも1つの結合部位を有し、前記結合部位が複数の反応ターンオーバを促進する、請求項27に記載の方法。
- 前記反応物のための特異的結合分子が、少なくとも1つの結合部位を有し、前記結合部位が1つの反応ターンオーバを促進する、請求項27に記載の方法。
- 前記電磁界が、約0.9〜約25GHzの周波数で印加される、請求項27に記載の方法。
- 前記電磁界が、約0.9〜約6GHzの周波数で印加される、請求項45に記載の方法。
- 前記電磁界が、約0.9〜約2.5GHzの周波数で印加される、請求項46に記載の方法。
- 前記電磁界が、0.915、2.45、5.85および22.125GHzからなる群から選択される周波数で印加される、請求項45に記載の方法。
- 前記複合物が、粒子の形態である、請求項27に記載の方法。
- 前記複合物が、平面的な基質の形態である、請求項27に記載の方法。
- 誘電加熱に応答する固体材料、および反応物分子と特異的に結合することができる結合分子を含む複合物。
- 前記固体材料が、炭素、木炭、アモルファス炭素、カーボンブラック、粘土およびニッケルからなる群から選択される、請求項51に記載の複合物。
- 前記固体材料が、酸化銅、酸化クロム、酸化ケイ素、酸化ニオブおよび酸化マンガンからなる群から選択される酸化物である、請求項51に記載の複合物。
- 前記固体材料が、チタン酸バリウムおよび無機チタン酸塩からなる群から選択されるチタン酸塩である、請求項51に記載の複合物。
- 前記固体材料が、アルミナ−マグネタイト、アルミニウム−エポキシ複合物およびアルミン酸カルシウムからなる群から選択されるアルミナ化合物である、請求項51に記載の複合物。
- 前記固体材料が、酸化物セラミックもしくは非酸化物セラミック、フェライト、強誘電性ポリマーまたは有機ポリマーである、請求項51に記載の複合物。
- 前記固体材料が、SiC、Si、Mg、FeSi、Cr2O3、Fe3O4、MnO2およびNiOからなる群から選択される、請求項51に記載の複合物。
- 前記固体材料が、導電性材料と絶縁体との混合物である、請求項45に記載の複合物。
- 前記導電体粉末がNb、TaC、SiC、MoSi2、CuまたはFeであり、前記絶縁体がZrO2、Y2O3またはAl2O3である、請求項52に記載の複合物。
- 前記導電性材料が金属であり、前記金属の形状が顆粒状、フレーク状、球状、針状または繊維状である、請求項52に記載の複合物。
- 前記特異的反応物結合分子が、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される、請求項45に記載の複合物。
- 前記特異的反応物が、抗原、受容体リガンド、酵素阻害剤、酵素基質、酵素生成物およびオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項45に記載の複合物。
- 前記特異的反応物が、小分子と、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される分子との共有結合複合物である、請求項45に記載の複合物。
- 前記複合物が、粒子の形態である、請求項51に記載の複合物。
- 前記複合物が、平面的な基質の形態である、請求項51に記載の複合物。
- 前記複合物が、さらに多孔性断熱性被覆を含む、請求項51に記載の複合物。
- 前記被覆が、前記固体材料および前記結合分子を覆う、請求項66に記載の複合物。
- 前記結合分子が前記固体材料に結合し、前記多孔性被覆が前記結合分子を覆い、前記被覆の多孔性により前記反応物が前記結合分子に接触することが可能になる、請求項66に記載の複合物。
- 前記複合物が、さらに、前記特異的反応物に結合した特異的反応物結合分子を含む、請求項51に記載の複合物。
- 前記被覆が、前記固体材料および前記結合分子を覆う、請求項69に記載の複合物。
- 前記結合分子が前記固体材料に結合し、前記多孔性被覆が前記結合分子を覆い、前記被覆の多孔性により前記反応物が前記結合分子に接触することが可能になる、請求項68に記載の複合物。
- 前記特異的反応物結合分子が、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される、請求項68に記載の複合物。
- 前記特異的反応物が、抗原、受容体リガンド、酵素阻害剤、酵素基質、酵素生成物およびオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項72に記載の複合物。
- 前記特異的反応物が、小分子と、分子インプリンティングポリマー、ゼオライト、抗体、改質された抗体、酵素、改質された酵素、キャビタンド、キラルリガンド、低分子量有機合成受容体、一本鎖の核酸および二本鎖の核酸からなる群から選択される分子との共有結合複合物である、請求項72に記載の複合物。
- 前記断熱性材料が、橋かけデキストラン、ゼラチン、アガロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、シリカおよびポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)からなる群から選択される、請求項68に記載の複合物。
- 粒子の形態である、請求項68に記載の複合物。
- 平面的な基質の形態である、請求項68に記載の複合物。
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