JP2004524081A - 表面改質のための方法 - Google Patents

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    • C23C16/0227Pretreatment of the material to be coated by cleaning or etching
    • C23C16/0245Pretreatment of the material to be coated by cleaning or etching by etching with a plasma

Abstract

器具、例えば医療器具の表面改質方法が開示されている。その方法では、器具を用意し、その器具に反応性ガスおよびプラズマエネルギーを曝して、器具にプラズマ付着表面を作り出し、反応性ガスで器具をクエンチングすることにより、器具の表面を改質する。その器具はその表面性質に変化を示すため、所定の使用向けにそれをより望ましくさせている。

Description

【発明の背景】
【0001】
本発明は、表面改質のための方法に関する。更に詳しくは、本発明は、例えば生体材料のような医療材料の表面改質方法に関する。
【関連技術の説明】
【0002】
多くの分野で用いられている器具では、器具が有害な作用を生じることなく最良に機能するように、所定の目的に適した特定の表面性質を有する材料を用いることが望ましい。器具の表面材料が特定の性質を有することが望まれる1つのこのような分野としては、生体材料の表面特徴が特に重要となる医療分野が挙げられる。
【0003】
生体材料は、耐久性を確保するために、典型的には不活性金属、ポリマーまたはセラミックで作られる。更に、生体材料は、それらが接触する生理的環境、例えば血液または組織と有害な反応を起さない材料から作製されていることが、多くの場合に望まれる。更に具体的には、多くの生体医療器具は血液適合性、耐感染性および/または組織適合性の表面を要したり、またはそうでないことがある。例えば、器具への血液または組織成分の付着を防ぐ性質を有した、カテーテルのような医療器具を製造することが、多くの場合に望まれている。逆に、インプラントのようなある生体材料は、それらが埋め込まれる組織環境中へ安定的に定着されることも望まれる。例えば、あるタイプのカテーテルおよびステントのような特定のインプラントは、周辺組織に対して非炎症性で、そこへ定着されることが望まれる。更に、生体材料と接触している患者の感染を防げるような恒久的インプラントとして、または処置の過程で細菌増殖を防げることが、ある生体材料では望まれる。例えば、使い捨て手術用具が長い手術の過程で細菌に汚染されて、その手術中における用具の再使用が患者の細菌感染を助長することがある。したがって、特定の用途に用いられるある用具の場合には、手術に際してこれら器具の表面上でいかなる細菌増殖も防げることが望まれる。加えて、恒久的に埋め込まれる材料の場合には、生体材料または器具本体の感染を招きうる細菌の増殖を防ぐことが望まれる。後者の場合における唯一の対処法はインプラントを最終的に除去することである。そのため、生体医療器具の最終用途にもよるが、器具の材料表面性質を具体的用途に応じて改変させることが、多くの場合に望まれている。
【0004】
生体医療分野で更なる向上をはかるためには、様々な材料の用途範囲を広げて、その機械的、光学的または他の性質を変えずに材料の表面性質を変えることにより、それらの性能が高められるべきである。例えば、あるタイプの生体材料、ポリオレフィンは、非極性性質を有する器具をもたらすため、コーティングに際してその表面の付着性、印刷性および適合性を乏しくさせることがある。様々な種類の表面処理、例えばコロナ放電処理、酸化、火炎処理、表面グラフト化、放射線照射および直接プラズマ処理が、これらの問題を解決しようとして試みられてきた。これらの方法は、それらの全般的な非有効性および費用のために、成功が限られることがわかった。
【0005】
生体医療器具を望ましい表面層でコーティングするための従来技術は、典型的には、高価で、時間を要し、結果が一貫しないものであり、しかも医療器具に均一な表面材料層を形成したり、またはコーティングが経時的に磨耗しないことを保証するものでもない。そのため、器具の表面層の性質は領域間で異なり、そのため器具の全体的な表面性質に影響を及ぼしてしまう。更に、異なる器具は、同様のコーティング技術に付されても、異なる性質をもつことがある。そのため、一貫して再現可能でかつ均一にコントロール可能な表面状態をもたらすプロセスが必要とされている。
【0006】
生体医療器具にコーティングを施す典型的プロセスの別な欠点としては、各材料がその表面を改質するために異なる技術を要することが挙げられる。例えば、金属、セラミックおよびポリマーは異なる表面性質を有しているため、共通したコーティングプロセスには付せない。ポリマーは典型的には疎水性を有するか、もしくはせいぜい比較的乏しい湿潤性を有する程度であるため、溶液からコーティングすることが難しい。更に、医療器具に用いられるポリマーの大多数は比較的不活性であり、それらの表面を改質しうる直接化学カップリング反応を容易に生じさせる官能基を有していない。ポリマーでこれらの制約を克服するために、コロナ、プラズマ、放射線照射および化学的酸化のような表面処理が、表面をより湿潤させるか、またはカルボキシル(‐COOH)またはヒドロキシル(‐OH)のような官能基を表面へ加えるために用いられている。
【0007】
表面へ導入しうる別の重要な官能または反応基は、ラジカルである。この基はビニル官能性モノマーと反応して、連鎖反応重合を開始させ、グラフト化された表面をもたらす。更に別の例では、ポリマーは表面ラジカルを生じさせるためにプラズマ処理に曝される。しかしながら、これらのラジカルは短命であり、表面密度を欠く。アクリルアミドのようなモノマーでこのような表面に連鎖反応重合(グラフト)を行わせる試みは、いくつかの材料でうまくいくだけであり、いくつかの材料ではうまくいかない。例えば、ポリプロピレンのようなポリオレフィン材料はエアープラズマ活性化に曝され、次いで触媒入りアクリルモノマー溶液に曝される。結果はわずかでまだらなグラフト化であり、かなりの部分がグラフト化されていない。これらの優れない結果の理由は、2つのメカニズムをみることにより説明されてきた。第一に、プラズマ自体は高い反応状態にあり、多くのラジカルが生じるため、それらは互いに反応し合って、最終的にはラジカルの停止および/または中和をもたらすようになる。第二のメカニズムは、表面と空気中の酸素との反応である。有効なグラフト化にも用いうる、表面上に形成されたビニル基を攻撃してしまう、いくつか追加の分解反応に、この反応は至ってしまう。
【0008】
プラズマ反応について、典型的には2つのタイプがある。第一に、表面への新材料の付着をもたらさない、ガスでのプラズマ活性化またはプラズマ処理がある。この反応は、新たな官能基の形成、アブレーション(ablation)および/または汚染物のクリーニング、および架橋を含めて、表面にいくつかのことを生じうる。第二のプラズマ反応は、プラズマ重合または付着と称されている。これは、材料の表面と重合および/または直接反応しうる反応性ガスの導入により行われる。プラズマ重合または付着の反応において、処理される材料で得られる表面は、用いられる反応性ガスに依存する。例えば、ポリエチレンカテーテルはテトラフルオロエチレン(TFE)ガスで処理されて、ポリテトラフルオロエチレン組成物による新たな表面を形成する。この後者のプロセスは、ほとんどの場合に“プラズマ重合”表面と称されている。表面はほとんどの場合に薄い等角な(conformal)層で、高度に架橋されている。その表面は、ラジカル開始グラフト化で層を形成させた表面とは著しく異なる。ラジカルグラフト化はプラズマリアクターのグロー放電の不在下で生じて、非架橋層をもたらす。追加分子、特に生体分子のカップリングということになれば、この性質は有利である。この理由は、プラズマ重合層の高度に規則的でどちらかというと二次元の性質とは対照的に、グラフト表面はこれらのカップリング反応で三次元の網状構造を生じうるからである。これは、それらの自然な生物活性の維持に役立つカップリング分子の大きな可動度およびコンホメーション保全性のみならず、表面により多くのカップリング分子を担持させうる能力も有効にもたらす。生体分子は反応する上で可動性の三次元環境を必要とし、荷電引力に基づく単純な吸着は、分子のコンホメーション保全性を損なうマルチポイント分散付着を引き起こす。この原理の最も実用的な用途はアフィニティクロマトグラフィーである。
【0009】
後にラジカル開始連鎖重合グラフトを生じさせる上で、ポリマー表面の単純なプラズマ活性化は、いくつかの問題を有している。主な制約は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン、PVC(ポリビニルクロリド)、金属およびセラミックのような最も一般的な生体材料がそれらの表面上でラジカルを有効に生じないことである。ウレタン、アクリレート、ポリオレフィンおよびその他のようなそれ以外のポリマーの場合、プラズマ活性化は反応性の点で非常に難しい表面をもたらす。市販ポリマーの追加的な欠点は、存在する添加物が表面を汚染して、天然ポリマーへの直接的カップリングを不安定で予想不能にすることである。最後に、プラズマ処理によりポリマー表面で生じるラジカルは短命であり、これは最適なラジカルグラフト表面に達することを非常に難しくする。
【0010】
プラズマ重合膜はポリマーの表面を新たな組成物で均一に覆えるが、これらの表面は既に記載されたように高度に規則的であり、高い担持量で分子を直接カップリングさせる試みは難しい。プラズマ重合膜をプラズマ活性化してから、この表面へラジカルグラフト化させる試みは、欠点の一部を解消するが、短命なラジカルの問題をなお抱えており、最適なグラフト密度を得られるようにプラズマ条件を調整することが難しい。
【0011】
そのため、望ましい生体適合性を有する安定なコーティングをもたらすように、様々なタイプの表面材料を処理しうる、比較的迅速で、経済的な、普遍的な方法が求められる。
【発明の要旨】
【0012】
本発明は、あらゆる分野の器具に用いられる材料の表面を処理する方法、およびこのような方法により処理された関連器具に関する。好ましくは、本発明の方法は、例えば医療器具に用いられるもののような生体材料の表面の処理に関する。本発明の処理法は、例えばステントおよびその他、導管および器具のような、長期間用いられる医療器具に適するのみならず、例えばカテーテルのような短期間用いられる医療器具にも適している。
【0013】
したがって、本発明は関連技術の制約および欠点に起因した問題の1以上を実質的に解消する方法に関するものである。これらおよび他の利点を得るために、本発明の目的に従い、具体的かつ広範に記載されているように、本発明の一つの態様は器具の表面を改質する方法に関する。この方法は、器具を用意し、その器具に反応性ガスおよびプラズマエネルギーを曝して、器具にプラズマ付着表面を作り出し、反応性ガスで器具をクエンチングするステップからなる。
【0014】
本発明の方法は、プラズマチャンバー中に器具を置き、空気をプラズマチャンバー中に注入するステップを含んでもよいが、設置および注入ステップはその器具をプラズマエネルギーへ曝す前に行う。
【0015】
本発明の他の態様によれば、本発明は器具の表面を改質する方法に関する。その方法では、器具を用意し、その器具をプラズマチャンバー中に置き、空気をプラズマチャンバー中に注入し、器具を空気およびプラズマエネルギーに曝して、表面をクリーニングし、器具を反応性ガスおよびプラズマエネルギーを曝して、器具上にプラズマ付着表面を作り出し、プラズマチャンバーに反応性ガスを注入することにより反応性ガスで器具をクエンチングし、プラズマチャンバーから器具を取り出し、好ましくは比較的短時間、例えば1時間以内で表面グラフト化溶液に器具を曝して、共有結合表面グラフトを得る。次いで、生体分子のような表面反応種もグラフト表面にカップリングさせてよい。
【0016】
本発明の更なる他の態様によれば、本発明は医療処置に用いられる器具に関する。その医療器具は表面処理プロセスにより表面を改質している。そのプロセスは、器具を用意し、器具を反応性ガスおよびプラズマエネルギーに曝して、器具上にプラズマ付着表面を作り出し、反応性ガスで器具をクエンチングするステップからなる。
【0017】
本発明の追加特徴および利点は以下の記載で示され、一部はその記載から明らかになるか、または本発明の実施により判明する。本発明の目的および他の利点は、記載された説明およびその請求項と添付図面で特に示された方法および器具により実現および達成されるであろう。先の一般的記載および以下の詳細な説明は双方とも例示かつ説明であり、請求項で記載されているような本発明の更なる説明を行うためのものである、と理解すべきである。
【好ましい態様の詳細な説明】
【0018】
本発明の方法は、一般的に、材料の表面を改質することに関する。その方法では、一般的には、別な層が正確な条件下でプラズマ重合されて、更に別な層が最適にグラフト化されうるように、材料をプラズマエネルギーに曝して、表面をクリーニングおよび処理する初期ステップを含んでいる。次いで、プラズマ重合表面へのラジカルグラフトは、リアクターの外部で反応性モノマーおよび触媒の溶液へ曝すことにより作用をうける。プラズマ重合表面へ直接的にうまくグラフト化したことによるこの結果は、技術水準からみて直感に反するものであるが、好ましい態様では、ラジカルグラフト化ステップを含めて、そこに至るまで、図1で示されたステップに従い依存している。別なステップとして、追加の分子、特に生体分子も、例えばアフィニティクロマトグラフィーの分野で知られている多くの方法により、グラフト表面へカップリングさせてよい。
【0019】
本発明は、医療器具、特に患者の体と接触するもの、とりわけ体に埋め込まれるもの、例えばステントにおいて、表面性質にフレキシビリティーをもたらすように考えられている。しかしながら、本発明は埋め込み器具の処理に限定されず、それよりも広範囲に、それらの周辺環境で有害な作用を生じることなく、長期間にわたり機能的完全性を維持する望ましい表面性質を得られるように、医療器具表面を処理する方法に関する。
【0020】
本発明の表面処理プロセスは、本発明のプロセスに付された処理材料表面が安定で、その改変表面状態を解消または消失させないという、従来のコーティングプロセスにはない利点を有している。
【0021】
従来のコーティング技術にはない本発明のもう1つの利点は、本発明が普遍的なことである。従来のコーティング技術はコーティングすべき器具により限定されてしまい、即ちその技術はその表面性質を改質する上で各材料または器具毎に必ず異ならねばならない。しかしながら、本発明はすべてのタイプの材料および器具に適用可能であり、そのため様々な材料および器具を同様のプロセスで処理することを可能にしている。
【0022】
本発明のコーティング方法では、改変された表面性質の均一な適用も行える。従来の表面コーティング操作では、コーティングプロセスに際して、表面コーティングの不均一な分布の結果として、表面異常および不整合を招く。これらの表面異常は材料の機能に影響を与えて、均一な特性を妨げる。従来の技術とは対照的に、本発明のプロセスは汚染物を含まない高度にコントロールされた純粋な表面を生み出す。
【0023】
本発明によれば、器具表面全体に基材の性質を付与するために、例えば医療器具のような材料の処理表面を特定の基材で積層することもできる。例示すると、本発明のプロセスは、生物活性種へ結合させうる特定の基材で覆われた表面部分を医療器具に施すことができる。更に、既に記載されたように、生物活性分子はいくつか周知のアフィニティクロマトグラフィースキームで最適にグラフト表面へ付着させると、高度のコンホメーション保全性、ひいては生物活性をもたらす。
【0024】
本発明の方法では、プラズマ重合表面の独特な性質と、本発明で記載された方法により形成させたときに、最適なラジカルグラフト表面を生み出して、技術水準から提起されているように最初にプラズマ重合表面を処理してからプラズマ活性化を行うことなくこのようなグラフト化を行える、というそれらの能力を用いている。その方法では、一般的コーティング技術の場合のように、表面改質を解消しない相似コーティングも施す。本発明の方法では、触媒およびビニルモノマーを用いることにより、そこに直接グラフト化しうるプラズマ付着表面を作り出す。こうして、生体医療器具は血液適合性、耐感染性および組織適合性となるように処理しうる。
【0025】
本発明の方法の別な利点は、プロピレンガスを用いて表面上にプラズマ膜を付着させると、付着後も長期間、例えば付着後1週間以内およびそれ以上にわたり適用しうる、直接および高密度グラフト化を行いうる処理表面を生じることである。高密度グラフトがプラズマ付着後も活性化なしに直接適用しえて、この能力が長命であるという事実は、当業界の教えと明らかに反する。後で活性化させたプラズマ付着膜の非活性化コントロールサンプルで予想外の性能を観察したことが、この発見につながった。
【0026】
本発明の好ましい態様について詳細に言及するが、その例は添付図面で示されている。
【0027】
本発明の方法の例示態様は図1で示され、全体として参照番号10で表わされている。図1に言及してここで例示されているように、本発明方法10では、器具または材料をプラズマチャンバー中に用意または導入し、次いでそのチャンバーを排気するという、初期ステップ11を含む。本発明のプロセスが、材料の表面のみならず、もちろんその材料から作製された器具の表面にも適用されることから、この開示全体を通じて“器具”および“材料”は互換的に用いられている。更に、ステップ11〜17の各々は、最初の簡単な説明の後で、より詳細に記載されている。
【0028】
ステップ12では、プラズマ重合および付着を行うステップ用のクリーニングおよび調製のために、器具をプラズマエネルギーに曝す。ステップ13は、エネルギーを止めた後、ステップ12からのプラズマリアクターで行い、チャンバー中へ反応性ガスを導入する。
【0029】
ステップ14では、反応性ガス流が平衡に達してから、器具をプラズマ重合および付着へ曝すためにプラズマエネルギーが供給される。
【0030】
ステップ15では、反応性ガス流入を続けながら重合および付着を防ぐために、プラズマリアクターへの電力が止められる。この連続流入は過度で非制御的なラジカル反応を消失させて(クエンチングして)、逆説的には、次のグラフト化反応に向けて比較的長期間にわたり表面をより反応性にさせる。
【0031】
ステップ16では、材料/器具がプラズマ反応チャンバーから取出されてから、直ちにまたは例えば1週間先でもそれまで何回かに分けて、ラジカルグラフト化用の反応性モノマーおよび触媒の溶液へ曝される。このステップは、未反応モノマーまたは非恒久的結合種を除去するために、たとえ高温でも厳格なクリーニングを含んでよい。厳格にクリーニングされて、いかなる非恒久または滲出種も含まないという点で、これはグラフト表面の更に別な利点である。しかも、場合により、ステップ16は、あるタンパク質、ペプチド、酵素、細胞接着分子、薬物、コラーゲン、ヘパリン、殺菌剤、例えばPHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)およびその他多くの生物活性分子に対して特異性を有する、新たな機能性リガンドをカップリングさせるというような、グラフト表面の誘導化を含んでもよい。
【0032】
ステップ17は、グラフト表面への望ましい生物活性分子の最終付着である。再度、この強固なカップリングメカニズムは厳格なクリーニング作業に耐えることができて、体液および組織との接触およびインプラントに器具を適合させる安定な生物活性を有したまさしく安定な表面を提供しうる。
【0033】
本発明の方法は広範囲の材料に適合し、医療分野に限定されない。この明細書で用いられている例は、例えば、シリコーン、ポリマー、例えばPE(ポリエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、DACRON(PETまたはポリエチレンテレフタレート)、ポリウレタン(例えば80A)およびPVC(ポリビニルクロリド)、金属、例えばステンレススチール、ニチノール(NiTi)、タンタル(Ta)およびチタン(Ti)、セラミック、および当業者に知られている他の生体材料を含めた一般的な生体材料を処理するような、生体医療分野におけるこの方法の使用に向けられている。更に、本発明の方法は無機、金属、ポリマーおよびセラミック表面へ等しく容易かつ有効に適用しうる。
【0034】
本発明の方法で処理可能な器具には、限定せずにカテーテル、プローブ、ステント、チューブ、スクリュー、人工インプラントおよび整形外科器具を含めたすべての医療器具があるが、それらに限定されない。
【0035】
プラズマリアクターの一般スキームが図2で示されている。それは、上部電極23および下部電極24を含めた内部21ハウジング電極入りの、真空ステンレススチールチャンバー20から構成されている。上部電極23は典型的には無線周波数で分極され(アノード)、下部電極24は典型的にはアースされている(カソード)。電極の直径は、例えば約20cmである。内部21は、プラズマエネルギーへの暴露用に、器具(示さず)をその中に収納しうるべきである。
【0036】
例えば13.56MHzで操作する無線周波数適合ネットワークにより、エネルギーが真空チャンバー20中でガスにカップリングされる。一般的分類の観点から、このような典型的リアクターは、内部電極の入った、容量的にカップリングされたRF平行プレートリアクターとして定義しうる。適切なリアクターはGambetti Kenolgia,Binasco(MI),Italyから製造されている。そのリアクターはガス用に3つの異なる導入ラインを有している。ENI ACG-3XL発電機は、好ましくはプラズマチャンバーの外で用いられ、そのチャンバー内の電極へ電流を送り、0〜300Wの電力を起こす。図1のステップ12および14で用いられているような電磁エネルギーは、異なるカップリング法(誘導または容量)、周波数(DC、AC、無線周波数(RF)またはマイクロ波)および電極配置により導入してもよい。
【0037】
図2で示された態様は、チャンバー内部21の上部近くでアノード電極23、および底部近くでカソード24を表わしているが、荷電したガス種を発生させる上で反対荷電電極間に十分な空間があるかぎり、電極は他の位置でも可能である。電極は別な形状およびサイズでもよい。1つの好ましい態様では、電極が20cmの直径を有している。一方、電極23および24はチャンバー壁20の外側に位置してもよい。
【0038】
2つの電極23および24の相対的位置を互いに調節するためのメカニズム(示さず)を用意することが、更に望ましい。2つの電極23および24間の距離により、チャンバー20中で発生イオン種を様々にコントロールして、チャンバー内部21に異なるサイズの器具を置いても対処しうる。このような調節メカニズムには、スクリュー技術、空気圧、液圧、スライドまたは他のこのようなメカニズムを利用しうる。
【0039】
操作では、図1のステップ12に従い、プラズマチャンバー20は、そこに置かれた材料で表面変化を生じさせるために、次のように操作する。高周波電圧が電極23、24間にかけられたとき、電流がチャンバー20に流れて、プラズマを形成し、発光する。反応性化学種がこの放電で形成される。例えば、上部電極23は無線周波数(RF)エネルギーで分極され、下部電極24はアースされている。例えば約13.56MHzで操作して、適切な公知の手段によりそのシステムへ接続された無線周波数適合ネットワークにより、エネルギーが真空チャンバー中でガスにカップリングされる。
【0040】
供給ガス源25はチャンバー20中へガス流を供給する。ガスには様々なものがあり、例えば空気またはプロピレンがある。ステップ12において、注入ガスが空気であるとき、エアープラズマ処理では、チャンバー内部21に置かれたポリマー器具の表面上に、酸素保有官能基を導入する。例えば、ヒドロキシル、カルボキシルおよび他の酸素を保有した官能基がポリエチレンの表面上に導入される。結果として、表面はより極性になり、湿潤性が増す。低分子量汚染物は、プラズマおよび真空の組合せ効果により、有効に除去される。金属材料のエアープラズマ処理ではほとんどがクリーニング効果を発揮して、金属表面から炭化水素、一般的には有機汚染物の除去を行う。
【0041】
ステップ14において、注入ガスがプロピレンであるとき、その処理により基材表面へのポリマー層の付着を行える。プロピレン分子はプラズマ相中で断片化して、再結合し、チャンバー20内で器具表面に膜として付着する高分子量化合物を形成する。付着膜の構造は、ストリームガス化学および処理条件に依存する。このプラズマプロセスにより付着した膜は、典型的には、高度に架橋されて、ピンホールがなく、均質であり、器具に対して良い付着性を示す。
【0042】
本発明では、ガス25の注入源がプロピレンであるプラズマエネルギープロセスにより付着した膜は、図1のステップ16で示されているように、基材が曝される溶液中へ典型的に加えられる、アクリル酸(AA)またはアクリルアミドのような他の材料のグラフト化用の基材として働く。
【0043】
ステップ16は典型的にはリアクター20の外側で行い、ステップ15からの器具をラジカルグラフト重合用の反応混合物へ曝す。典型的な反応混合物は、アクリル酸およびアクリルアミドのようなアクリルモノマーと適切な触媒との水溶液である。このステップでは、金属の表面へ恒久的な共有結合グラフトをもたらす。このグラフトは、ステップ17で示されているように、特定のコンホメーションで、コントロールされた担持レベルで、多くの種類の分子を恒久的にカップリングする準備ができている。
【0044】
この開示でこれから先は、供給ガス源25が空気であるとき、その処理はプラズマ処理と称され、供給ガス源25がプロピレンであるとき、その処理はプラズマ付着と称される。
【0045】
供給ガス25の注入速度および濃度、電極23および24に供給される電圧およびそれらの間の距離、ポンプ速度22、および処理/付着の時間を含めた、チャンバー20に関するすべての可変要素は、チャンバー内部21に置かれた器具のサイズおよび種類に依存するため、チャンバー20内に置かれた材料の最適な表面改質に合わせて調節される。
【0046】
本発明は下記例で説明されるが、それに限定されるわけではない。例えば、本発明の方法は、特定の担持レベルおよび付着種の最適コンホメーションを得られる、特定の官能基による共有結合も行える。例えば、抗体の相補性決定領域(CDR)が抗原との相互反応に際してフリーであることが必要な場合において、この特徴は抗体の付着上特に重要である。これを確実にする唯一の手法は特定の官能性付着スキームであり、ランダム静電気引力ではない。
【0047】
例1:短いポリエチレンチューブでのプラズマ処理および付着
一連の実験を小さなチューブで行い、生じるプラズマ反応に及ぼすチューブの幾何学面(チューブ長さ)の影響を調べた。用いられたチューブは、長さ3および5cmで、内径1.8mmのPE(ポリエチレン)チューブである。そのチューブを前記と図2で記載されたプラズマチャンバー中へ入れた。次いで、ガスをチャンバー中へ注入しながら電極を機能させることによりプラズマチャンバーを操作して、プラズマ形成を行わせた。チャンバー20中への空気の流速は約20sccm(標準立法センチメートル/分)であり、空気がリアクター中へ入るように導入バルブを開けることで得られる。電極23、24間の距離は約15cmであったが、距離は例えば約5cm以内であればそれより短くてもまたは長くてもよい、と理解されねばならない。供給電力は約50Wであった。すべての他の可変要素を一定に保ちながら、電極間の距離を縮めると、典型的には反応種の密度を増加させた。
【0048】
器具がプラズマ処理/付着に曝された時間は、チューブの内表面に沿い均質な効果を生じさせるために、約1.5分間であった。チャンバーおよび器具の性質を含めた様々なファクターに応じて、それより短いまたは長い曝露時間でも適する、と理解すべきである。これらの実験条件であれば、5cm以内のチューブの内管表面を処理するには十分であるとわかった。これらチューブの内部で湿潤性が有意に増すことで測定されるように、プラズマ処理の表面効果は明白であった。内部および外部双方の表面を処理したが、一方の表面は当業界で知られる適切な手段により所望どおりに簡単に“マスク”してもよい。
【0049】
チューブの内管の表面化学性に及ぼすプラズマ処理の効果は、湿潤法、特に毛管上昇法により評価した。このような方法では、下記式で示されるように、毛管における湿潤液(例えば、水)の毛管上昇hを測定する:
h=(cosθ)2γ/(ρgr)
上記式中θは毛管表面上における水の湿潤角、γは水表面張力、ρは水密度、gは重力加速度、rはチューブの半径である。そのため、同一チューブおよび同一液体(水)の場合、毛管上昇は湿潤角にのみに依存するが、これは、表面上の水滴に対する接線がその水滴の一端との間で形成する、水平との角度である。そのため、湿潤角が低下すると、水滴は所定表面上で比較的広がり、表面はより“湿潤”してくる。
【0050】
PE上における水の湿潤角は典型的には約90度であり、そのためcos90は約0であって、毛管上昇を招かず、したがって湿潤性に乏しい。エアープラズマ処理は湿潤角を低下させるため、毛管上昇の有意な増加が観察された。
【0051】
空気中でのプラズマ処理後、次のステップはプロピレンガスによるプラズマ付着である。そのため、チューブを前記のプラズマ処理条件と実質的に同様のプラズマ付着条件に曝したが、注入ガスとして空気の代わりにプロピレンを用いた。プロピレンプラズマからの付着は、プラズマ処理後の状態と比較して湿潤性の低下した、疎水性炭化水素様の膜を生じた。チャンバー20中へのプロピレンの流速は約105±10sccmであった。プラズマ付着の時間は、5cm長チューブを有効に覆うために、約5分間であった。30秒間のクエンチング時間を5分間の付着時間の後に続けた。クエンチング時間中は、電極を荷電させずに、プロピレンをチャンバー中へ流入させ続けたため、プラズマ付着はクエンチングステップ中に行われていなかった。クエンチング時間は活性ラジカルをクエンチングさせて、表面の付着をより均一にさせる。
【0052】
一般的に、プラズマ付着の必要時間は典型的にはプラズマ処理の必要時間よりも長い。チューブの長さは、エアープラズマ処理の場合よりも、有意に大きな影響を及ぼすことがわかった。3分間という付着時間は3cmチューブのとき十分であったが、5cmチューブのときはそうでなかった。
【0053】
得られたプラズマ付着チューブ表面はプロピレンの層を有しており、それらのプラズマ処理状態と比較して低い湿潤性を示した。
【0054】
例2:ステントのコポリマーグラフト化
本発明のもう1つの態様において、共重合グラフト化をステントで行った。前記ステップ12〜15で一般的に記載されているように、ステントを最初にプラズマで前処理した。次いで、グラフト化溶液を調製するために、35%蒸留アクリル酸を含有した溶液70gを、アクリルアミド10gが溶解された脱イオン水120gへ加えた。次いで、得られた溶液を300mlガラス容器へ入れた。2分間の攪拌後に、アルゴンガスを溶液中へ少し吹込みながら導入した。10分間後に、CAN(硝酸アンモニウムセリウム)触媒/開始剤6mlを加え、更に2分間にわたりアルゴンを吹込みながら攪拌し、その後でアルゴンを止めた。前混合グラフト化溶液を10mlガラス管中へゆっくり分配した。プラズマ処理およびプラズマ付着ステントをその溶液へ浸して、超音波水浴(温度約18〜25℃)へ入れた。全グラフト化時間は約40〜45分間であった。グラフト化後、基材を脱イオン水でよくすすいでから、50℃で脱イオン水に一夜浸して、未反応モノマーを除去した。
【0055】
次いで、PEIカップリングを行った。5%BASF PEI 8mlを250mlビーカー中で0.1Mホウ酸緩衝液200gと合わせ、30分間攪拌した。次いで、そのPEI溶液を、既にグラフト化されたステントを含有する各(10ml)管中へ分配した。スクリューキャップを各管へ取付け、次いで80rpmで約1時間にわたり実験室用シェーカーへ載せた。PEIカップリング後、アミノ化された管を脱イオン水ですすいだ。
【0056】
最後に、亜硝酸分解(NAD)ヘパリンを調製した。NADヘパリン0.2gを前混合NaCl溶液へ溶解し、次いでpH4.0±0.1に調整した。次いで、溶液を55℃に予備加熱した。溶液がその温度に達した後、NaCNBH0.02gを加えて、9.0±1.0分間混合した。予備加熱ヘパリン溶液約8.0mlを、既にグラフト化されたステントおよびコントロール材料を含有する各管中へ分配した。スクリューキャップを各管へ取付け、次いで実験室用シェーカーへ載せた。シェーカーを55℃オーブンへ入れて、55℃で2時間にわたり80rpmで攪拌した。ヘパリン処理後、ステントおよびサンプル材料を脱イオン水、pH4.0に調整された1M NaCl 200mlですすぎ、最後に脱イオン水ですすいだ。ヘパリン処理ステントを3時間かけて風乾させ、次いで慎重に載せ換えて、すぐに使えるブリスターパックおよび滅菌バッグへ入れた。
【0057】
例3:本方法 vs. 他の方法のコポリマーグラフト化
3組のe‐PTFE被覆ステントを比較する試験を行った:第一群は本発明の方法の好ましい態様へ付した;第二群は別な公知の生物活性表面処理法へ付した;第三群(コントロール)はいかなる表面処理へも付さなかった。
【0058】
本発明の方法の態様
第一群を、多少の修正を加えて、前記例2で実質的に記載された本発明の方法の態様に付した。プラズマチャンバー中へ20sccm気流速度および50Wで1分間のエアープラズマに付すことにより、ステントを最初にクリーニングした。次いで、プラズマチャンバー中へ110sccmプロピレン流速および50Wで、プロピレンプラズマ下で5分間にわたるプラズマ付着にステントを付した。プラズマ付着に続いて30秒間のクエンチング時間をとり、その際に電極は機能させなかったが、プロピレンはプラズマチャンバー中へ流動させ続けた。次いで、処理されたステントをそのまま残しておいた。
【0059】
次いで、グラフト化溶液を調製した。アクリル酸(99%蒸留、F.W.72.06、Aldrich)30g、アクリルアミド(99+%、F.W.71.08、ACROS)10gおよび脱イオン水60gを秤量して200mlガラス容器へ入れ、2分間攪拌した。次いで、アルゴンガスをガラス容器中へ少し吹込みながら導入した。10分間後に、0.1M CAN(触媒/開始剤)を加え、更に2分間にわたり溶液中へアルゴンを吹込みながら攪拌した。アルゴンを止め、溶液を小さなガラス試験管中へゆっくり分配した。ステップ11〜15で処理されたステントを、その溶液を満たした試験管中へ浸し、約18〜25℃の温度で約40〜45分間にわたり超音波水浴へ入れた。このグラフト化プロセスの後に、ステントを脱イオン水でよくすすいだ。
【0060】
次いで、PEIをステント上でグラフト化させた。5%BASF PEI 1.0mlおよび0.1Mホウ酸緩衝液(pH9.0)99gを250mlビーカー中で合わせ、30分間攪拌した。そのPEI溶液約10mlを、既にグラフト化されたステントを含有する各管中へ分配した。スクリューキャップを各管へ取付け、次いで80rpmで45分間にわたり実験室用シェーカー(Orbital)セットへ載せた。PEIカップリング後、アミノ化された管を脱イオン水ですすいだ。
【0061】
最終ステップとして、ヘパリンをグラフト化ステントへ付着させた。亜硝酸分解ヘパリン(“NAD”、0.2g)を0.5M NaCl溶液(pH3.9に調整)200mlに溶解し、次いでpH4.0±0.1に調整した。次いで、溶液を55℃に予備加熱した。溶液がこの温度に達した後、NaCNBH0.02gを加えて、9.0±1.0分間混合した。予備加熱ヘパリン溶液約10mlを、既にグラフト化されたステントを含有する各管中へ分配した。スクリューキャップを各管へ取付け、次いで80rpmで2時間にわたり実験室用シェーカー(シェーカーを55℃オーブンへ入れる)へ載せた。ヘパリン処理後、ステントおよびサンプル材料を脱イオン水、1M NaClですすぎ、最後に脱イオン水ですすいだ。こうして、そのステントはトロンビン実験の用意ができた。
【0062】
他の公知の方法
本発明の発明者らは、本発明の方法を当業界で公知の別な方法と比較してみた。他の方法は、付着 vs.共有結合に関して静電荷に依存した、いくつかの吸着ステップからなる。これは、強イオンすすぎ下での剥離と、折曲および屈曲力をうける表面でのコーティングのクラッキングとを、表面にうけやすくさせる。加えて、前記のように、ストレート吸着付着は、本発明のグラフト層の場合のようには、最適な担持およびコンホメーションを行えない。即ち、当業界で知られた他の方法では、各ステップ間ですすぎながら、PEIおよび硫酸デキストランの吸着表面を交互に形成していく。本発明とは異なり、表面の完全で均一な被覆が吸着アプローチで十分ではないため、2回以上の吸着ステップが必要とされる。他の方法では、ヘパリンの最終層は静電気吸着層へ反応させる。
【0063】
2方法の比較
前記の本発明および上記の現行商業法により作製されたe‐PTFE被覆ステントを、参考のため全体でここに組み込まれる”Antithrombin activity of surface-bound heparin studied under flow conditions”,J.Biomed.Mater.Res.,Oct.1995,29(10):1255-1266でLindhoutらにより記載された方法を用いて、トロンビン形成性について試験した。結果は、本発明に従いコーティングされたステンレススチールe‐PTFE被覆ステント上で生じたトロンビンの量(1.3nM)が、他の商業的表面法に従いコーティングされたこのようなステントで生じる量(7.0nM)よりも少ないことを示した。比較のため、未コーティングコントロール表面は89.5nMのトロンビンレベルを示した。
【0064】
更に、本発明 vs.他の商業法の同様な比較を行ったが、このときはポリウレタン表面であった。結果は、本発明に従いコーティングされたPellethane 55Dポリウレタン材料上で生じたトロンビンの量(0.4nM)が、他の商業的表面法に従いコーティングされたその材料で生じる量(35.5nM)よりも著しく少ないことを示した。比較のため、未コーティング表面は53.0nMのトロンビンレベルを示した。
【0065】
そのため、トロンビン形成に対して改善された抵抗性が、現行商業法に従い処理されたものと比較して、本発明の方法に従い処理されたステントおよび材料で観察されたが、双方の方法とも未処理コントロールと比較して耐トロンビン性で劇的な改善を示した。
【0066】
改善された耐トロンビン性の上記結果に加えて、異なる材料に対する性能の一貫性が本発明ではみられる。本発明は、プラズマ付着層をすべての材料へ施す際に高度のコントロールおよび均一性、この表面に高密度グラフトを得られる本発明の条件下における能力、という利点を有している。本発明の最後の利点は、さほど解決を要しない簡単なプロセスであって、コントロールが難しい非特異的吸着現象をうけやすい吸着層を多くは要しないことである。
【0067】
例4:吸着分子の表面付着
コラーゲンは優れた細胞接着性を示し、自然創傷治癒を促して、繊維芽細胞接着および増殖を刺激する。そのため、ある医療器具の表面上へコラーゲンを付着させて、体組織中への器具の定着を促すことが、有益であろう。本発明者らは、コラーゲンをアクリル酸(AA)基材表面へ共有結合させてもよいことを発見した。コラーゲングラフトを有する器具は、優れた細胞接着性を示す。
【0068】
コラーゲングラフト化の例として、材料にコラーゲンをグラフト化させる方法を提供するために、本発明者らはガラススライドを用いた。最初に、アクリル酸(AA)グラフト化スライドを一般的に前記されたように調製し、更にコラーゲンカップリングに付した。コラーゲンは1%コラーゲン天然溶液として(Biophil Chimica Fine srl,Vimodrone(MI),Italyにより)供給されていた。これは新鮮牛皮膚から得られた可溶性コラーゲンである。コラーゲン分子のいかなる変性も避けるために、抽出は非常に慎重に行う。平均分子量は285000D以上である。その製品はUS登録されている。
【0069】
カップリングをここで記載されているように行った。AAグラフトガラスサンプルを0.5%コラーゲン、1%酢酸水溶液に浸した。2時間後にサンプルを溶液から取出し、1%水性酢酸で数回すすいで、過剰の吸着コラーゲンを除去した。すすいだ後、双方ともSigma製の0.5%N‐(3‐ジメチルアミノプロピル)‐N′‐エチルカルボジイミド塩酸(EDC)および0.5%N‐ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を含有した水にサンプルを浸して、このカップリング溶液中で一夜おくことにより、コラーゲンをグラフトへ共有結合させた。分析前に、すべてのサンプルを慎重にすすぎ、フード下で乾燥させた。標準ガラススライドの表面、AAグラフト表面およびコラーゲンカップリング表面の顕微鏡分析(原子間力顕微鏡測定(AFM)を用いる)では、表面形態に著しい差異を呈した。ガラス表面は典型的には非常に滑らかであった。AAグラフト表面は、表面上に多くの大小のこぶを示した。そのため、スライドの表面積は、形成された多くのこぶのせいで増していた。最後に、AA表面へのコラーゲンカップリングは、ガラス単独またはAAグラフトガラスよりも表面積を一層増しているため、周辺環境との相互作用向けに一層大きな表面積を生み出している。コラーゲンは、AAグラフト表面の大きなこぶの間の谷間を埋めているようである。コラーゲン被覆表面の表面積および剛性の増加は、そこへの繊維芽細胞および他の細胞の付着を促す。
【0070】
繊維芽細胞増殖挙動の観察では、AAグラフト化およびコラーゲン被覆AAグラフト表面のサンプル間で大きな差異を明らかに呈した。前者の表面は細胞接着性の乏しい基材であった。細胞は広がることができず、数時間後にはAA表面上にクラスターができた。これらのクラスターは細胞接着用の優先部位となり、結果的に、細胞による表面のコロニー化にはむらがあり、大きなクラスターと過分な空白領域とがあった。
【0071】
しかしながら、コラーゲン被覆AAグラフト表面は、AAグラフト表面とは劇的に異なる結果を生じた。コラーゲンコーティングを加えた場合には、細胞の完全で均質な層が観察される。明らかに、コラーゲン最上層は繊維芽細胞と基材との相互作用の点で非常に有意な効果を有している。細胞層は確かに密集して、空白スペースまたは非均質コロニー化は観察されない。繊維芽細胞の完全密集層にはいくつかの利点がある。1つの利点は生体材料の表面への組織の定着であり、これは感染防御および傷組織形成の最少化をもたらす。本発明の使用は、AAグラフト化コラーゲンカップリングチタン上で、骨芽細胞様細胞(例えば、ヒト骨肉種からのMG‐63骨芽細胞様細胞)のような細胞に、大きな増殖速度をもたらす。骨芽細胞様細胞がコントロールチタン表面上へ直接置かれたときよりも、実質的に上記のように本発明の方法を用いると、骨芽細胞様細胞はAAグラフト化チタンまたはAAグラフト化コラーゲンカップリングチタンの表面上で有意に増殖した。この結果は、本発明の方法を用いた表面のコラーゲンコーティングが、表面上で細胞の正常な接着および増殖を促せることを証明している。
【0072】
例5:細胞接着を妨げるための表面改質
本発明の方法を用いると、医療器具の表面は、上記の例および説明で記載されているように、そこでの細胞増殖を促すように改質しうるばかりでなく、細胞増殖を妨げるかまたは細胞破壊さえ促すようにも改質しうる。本発明の方法を用いる別なタイプのコーティングでは、アクリル酸グラフト表面上へPHB(ポリ(ヘキサメチレンビグアニド塩酸))をグラフト化させることにより、殺生物性表面を作り出す。それは、アニオン性AAグラフト表面へカップリングさせてもよい。この表面は水性環境下で貯蔵時に安定でいられる。
【0073】
例示ガラス表面のグラフト化を、一般的に前記されて、例5で具体的に記載されているような方法を用いて行った。20%水溶液中からのPHBを、AAグラフト表面およびコラーゲン被覆AAグラフト表面へイオン的にカップリングさせた。カップリングは、2%PHB溶液に2時間にわたりガラスサンプルを浸すことにより行った。
【0074】
Staphylococcus epidermidis RP62A(ATCC35984)の細菌溶液へのPHB被覆ガラス表面の曝露では、PHBの殺生物効果を示した。6時間の曝露後に、有意な殺生物効果が観察された。
【0075】
PHBコーティングは、短期間でAAグラフト表面へのS.epidermidisの接着性を増す。この結果は、正荷電PHB表面と負荷電細菌細胞壁との静電気引力の関与をおそらく反映している。PHBは“細菌捕捉”のタイプとして作用し、静電気および疎水性(PHB表面はAAグラフト表面よりも湿潤性が少ない)相互作用により細菌を誘引している。PHB表面は6時間の曝露後に細菌の97%を有効に殺した。PHB被覆表面は通常安定であることがわかり、PHBがPBS溶液中で6日間の貯蔵後でもなお有効なことを結果は示している。
【0076】
本発明が好ましい態様を示しながら記載されてきたが、他の態様も本発明の開示内に属する。例えば、プロピレンの使用に加えて、グラフト化は飽和プロパンまたはテトラメチルジシロキサンでもうまく行えた。記載された方法および器具へのこれらおよび他の変更も、ここでの開示から逸脱することなく可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
添付図面は、この明細書に組み込まれてその一部を構成しているのであるが、本発明の好ましい態様を示しており、その説明と一緒になって、本発明の目的、利点および原理を説明するために役立つ。
【図1】本発明の方法の好ましい態様を記載したフローチャートである。
【図2】本発明の方法の好ましい態様で用いられているようなプラズマ処理/付着用のプラズマチャンバーの側面図である。

Claims (33)

  1. 器具を用意し、
    その器具を反応性ガスおよびプラズマエネルギーに曝して、器具にプラズマ付着表面を作り出し、そして
    反応性ガスで器具をクエンチングする
    ことからなる、器具の表面を改質する方法。
  2. 曝露ステップ前に、器具を空気およびプラズマエネルギーに曝して、表面をクリーニングするステップを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. プラズマチャンバー中に器具を置き、
    空気をプラズマチャンバー中へ注入する、但し、設置および注入ステップをその器具をプラズマエネルギーへ曝す前に行う、
    ステップを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  4. クエンチングステップで、プラズマチャンバーに反応性ガスを注入する、請求項3に記載の方法。
  5. 反応性ガスが重合性ガスである、請求項1に記載の方法。
  6. クエンチングステップ後に、器具を表面グラフト材料へ曝して、その表面グラフト材料をプラズマ付着表面へ結合させる
    ステップを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  7. 表面グラフト材料がアクリル酸である、請求項6に記載の方法。
  8. 表面グラフト材料がアクリルアミドを含んでいる、請求項6に記載の方法。
  9. 表面グラフト曝露ステップ後に、表面反応種を表面へカップリングさせる
    ステップを更に含んでなる、請求項6に記載の方法。
  10. 表面反応種がヘパリンである、請求項9に記載の方法。
  11. 表面反応種がコラーゲンである、請求項9に記載の方法。
  12. 表面反応種がPHBである、請求項9に記載の方法。
  13. クエンチングステップ後にプラズマ活性化ステップを行うことなく、器具が表面グラフト材料へ曝される、請求項6に記載の方法。
  14. クエンチングステップ後12時間にわたり、器具が表面グラフト材料へ曝される、請求項13に記載の方法。
  15. クエンチングステップ後48時間にわたり、器具が表面グラフト材料へ曝される、請求項13に記載の方法。
  16. 器具が医療器具である、請求項1に記載の方法。
  17. 医療器具を用意し、
    その医療器具をプラズマチャンバー中に置き、
    空気をプラズマチャンバー中へ注入し、
    医療器具を空気およびプラズマエネルギーに曝して、表面をクリーニングし、
    医療器具を反応性ガスおよびプラズマエネルギーに曝して、器具上にプラズマ付着表面を作り出し、
    プラズマチャンバーに反応性ガスを注入することにより、医療器具を反応性ガスでクエンチングし、
    医療器具を表面グラフト材料へ曝して、その表面グラフト材料をプラズマ付着表面へ結合させ、そして
    表面反応種をグラフト表面へカップリングさせる
    ことからなる、医療器具の表面を改質する方法。
  18. クエンチングステップ後12時間にわたり、医療器具が表面グラフト材料へ曝される、請求項17に記載の方法。
  19. 器具を反応性ガスおよびプラズマエネルギーに曝して、器具にプラズマ付着表面を作り出し、そして
    反応性ガスで器具をクエンチングする
    ことからなる表面処理プロセスにより、表面を改質させた医療器具を含んでなる、医療処置に用いられる器具。
  20. 表面処理プロセスが、曝露ステップ前に、器具を空気およびプラズマエネルギーに曝して、表面をクリーニングするステップを更に含んでなる、請求項19に記載の器具。
  21. 表面処理プロセスが、
    プラズマチャンバー中に器具を置き、
    空気をプラズマチャンバー中へ注入する、但し、設置および注入ステップをその器具をプラズマエネルギーへ曝す前に行う、
    ステップを更に含んでなる、請求項19に記載の器具。
  22. 表面処理プロセスにおけるクエンチングステップで、プラズマチャンバーに反応性ガスを注入する、請求項21に記載の器具。
  23. 表面処理プロセスにおける反応性ガスが重合性ガスである、請求項19に記載の器具。
  24. 表面処理プロセスが、
    クエンチングステップ後に、器具を表面グラフト材料へ曝して、その表面グラフト材料をプラズマ付着表面へ結合させる
    ステップを更に含んでなる、請求項19に記載の器具。
  25. 表面グラフト材料がアクリル酸である、請求項24に記載の器具。
  26. 表面グラフト材料がアクリルアミドである、請求項24に記載の器具。
  27. 表面処理プロセスが、
    表面グラフト曝露ステップ後に、表面反応種を表面へカップリングさせる
    ステップを更に含んでなる、請求項24に記載の器具。
  28. 表面反応種がヘパリンである、請求項27に記載の器具。
  29. 表面反応種がコラーゲンである、請求項27に記載の器具。
  30. 表面反応種がPHBである、請求項27に記載の器具。
  31. 表面処理プロセスにおいて、クエンチングステップ後にプラズマ活性化ステップを行うことなく、器具が表面グラフト材料へ曝される、請求項24に記載の器具。
  32. クエンチングステップ後12時間にわたり、器具が表面グラフト材料へ曝される、請求項31に記載の器具。
  33. クエンチングステップ後48時間にわたり、器具が表面グラフト材料へ曝される、請求項31に記載の器具。
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