JPH11181330A - 非汚れ吸着性湿潤性コーティング装置 - Google Patents

非汚れ吸着性湿潤性コーティング装置

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JPH11181330A
JPH11181330A JP10238035A JP23803598A JPH11181330A JP H11181330 A JPH11181330 A JP H11181330A JP 10238035 A JP10238035 A JP 10238035A JP 23803598 A JP23803598 A JP 23803598A JP H11181330 A JPH11181330 A JP H11181330A
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JP
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plasma
time
pulse
alkyl
coating
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Application number
JP10238035A
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English (en)
Inventor
Richard B Timmons
リチァド、ビー、ティマンズ
Jenn-Hann Wang
イエン・ハン、ワン
Charles R Savage
チャールズ、アー、サヴィッジ
Yuliang Wu
ユーリアン、フー
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University of Texas System
Original Assignee
University of Texas System
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 支持体および塗料を有し、該塗料が少な
くとも1種の有機化合物またはモノマーを含む気体の気
相またはプラズマ重合によって形成されている装置なら
びにその製造法である。重合は、サイクルが約1/5未
満であるパルス放電を使用して行い、パルス−オン時間
は約100ミリ秒未満であり、パルス−オフ時間は約2
000ミリ秒未満である。サイクルは変動させることも
でき、従って、塗料は勾配層にすることができる。 【効果】 厚さが均一で、ピンホールがなく、磁気スペ
クトルの可視領域において光学的に透明であり、酸素に
対して透過性であり、耐摩耗性であり、湿潤性であっ
て、生物学的に非汚れ吸着性である塗料を有する装置が
提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相蒸着した塗料
を有する装置およびその製造法に関する。特に、本発明
は、非汚染性かつ湿潤性である塗料を気相蒸着した装置
およびその製造法に関する。
【従来の技術】表面の化学組成物は、多くの装置の全体
的な効力の指令において重要な役割を果たす。いくつか
の装置は、その意図する目的に対して有用であるため
に、非汚れ吸着性で湿潤性の表面を必要とする。例え
ば、カテーテル、ステント、インプラント、眼内レンズ
(interocular lense)およびコンタクトレンズなどの
多くのバイオメディカル装置は、生物学的に非汚れ吸着
性である表面を必要とする。これは、タンパク質、脂質
および細胞が装置の表面に付着しないことを意味する。
いくつかの場合、意図する目的に対して必要な性質、例
えば強度、最適な透過性、柔軟性、安定性および気体輸
送などを全て有する装置材料が開発されているが、使用
の際、材料の表面は汚染される。これらの場合は、その
装置に対する新規材料を開発するか、その材料の表面特
性の変更を試みる。
【0002】コンタクトレンズまたは眼内レンズという
特定の場合、特にコンタクトレンズの場合は、多くのポ
リマー材料がレンズ製造に必要な機械的特性、酸素透過
性および光学特性を有するが、多くの可能なコンタクト
レンズ材料は、タンパク質、脂質およびレンズの周囲の
涙に存在する他の分子の付着による、生物学的汚染をす
ぐに受け、および/または材料の表面エネルギーはコン
タクトレンズを過剰に疎水性にするには低すぎ、従って
涙によって湿潤性にすることはできない。
【0003】上記を鑑みて、いろいろな研究者が利用し
ている一般的な方法は、これらの支持体(substrate)
に薄い塗料をコーティングすることにより可能性のある
コンタクトレンズ材料の生物相溶性の改善を試みること
である。理論的には、かかる塗料は、塗料をコーティン
グしたポリマーの固有の好ましい内部機械特性、気体輸
送特性および光学特性を利用して必要とされる親水性お
よび非汚れ吸着性を付与する。しかし、そのような多く
の研究にもかかわらず、現在のところ、コンタクトレン
ズ製造者はただの一人も、この特別の目的に適合した塗
料を有する商品を提供していない。明らかに、所与のポ
リマー支持体の物性の欠点を除去するために単に表面コ
ーティングを施すという概念は、理論的には興味がある
が、これは、実際的には全体的に錯覚的な目標であるこ
とが分かった。以前のそれらの失敗は、商業的に有効で
あるためには、かなり厳しい多数の要件を満足しなけれ
ばならないことを意味している。これらの要件は、最小
限、次の規準を含む。すなわち、塗料は均一でなければ
ならず、理想的にはピンホールがなく;塗料は、湿潤性
かつ生物学的に非汚れ吸着性でなければならず;塗料
は、本質的に抽出物を含むべきでなく、塩水中で化学的
に長期安定性を示さなければならず;塗料は電磁気スペ
クトルの可視領域において優れた光学的透明性を示さな
ければならず;塗料は、ポリマー支持体の酸素透過性
(すなわち、いわゆるDK値)に悪影響を与えるもので
あってはならず;再利用可能なレンズの場合は、塗料は
繰り返し洗浄に耐えるのに十分な耐摩耗性および化学安
定性を示さなければならない。後者の場合、洗浄工程に
は、苛酷な化学洗浄剤および機械的摩擦作用の両方への
曝露を含む。
【0004】1993年6月2日に出願された欧州特許出願
93810399.1 は、コンタクトレンズ材料の表面を変える
ための複雑な多段階方法を開示している。その方法は、
表面遊離ラジカルを発生させるために表面のプラズマ処
理を必要とする。すなわち、表面遊離ラジカルは酸素と
反応してヒドロペルオキシ基を形成し、そのヒドロペル
オキシ基にエチレン性不飽和モノマーおよび架橋剤をグ
ラフト重合させた後、溶液抽出を行って未反応モノマー
を除去する。この複雑な方法は、ヒドロペルオキシ基の
熱分解中に生じた遊離ラジカルによるエチレンモノマー
のホモ重合を避けるために、モノマーカップリング反応
中は阻害剤の存在を必要とする。
【0005】トリエチレングリコールモノアリルエーテ
ルのプラズマ蒸着は、ドイツ特許出願 DE19548152.6 で
報告されている。それは、コンタクトレンズには触れて
いないが、生物学的化合物の吸着を減少させるための表
面の改変が中心である。そのような種類の塗料は、ある
種のバイオセンサー表面上でのタンパク質の非特異的吸
着の減少に有用であろう。この研究では、コーティング
のための支持体をプラズマ放電ゾーンの外側に置き、非
常に低いRF電力密度を使用して、このモノマーに存在
するポリエチレンオキシド単位の断片化を最少にするよ
う試みた。プラズマ放電の上流および発光放電ゾーンの
外側のあまり強力でない領域は、下にある支持体に弱く
付着しているだけであり、これは予期しないものではな
かった。この研究で直面する別の問題は、モノマーの揮
発性が低いことであった。この結果、プラズマ蒸着法の
ために十分な蒸気を提供するために、モノマーの加熱を
必要とした。しかし、たとえ加熱しても、モノマーの熱
分解を開始することなく得られる蒸気圧は、流速および
/または反応器圧の制御性を付与するには低すぎた。さ
らに、蒸気圧が著しく低い結果、塗膜蒸着速度は非常に
低く、また、塗膜は不均一であった。得られた塗料は、
流動条件下での付着試験は行わず、研磨洗浄または摩擦
作用にも供しなかった。コーティング支持体を比較的短
時間(例えば、48時間未満)、単に蒸留水に浸漬した結
果、塗料の化学組成物に測定可能な変化が生じた。これ
は、単に水に浸漬する試験の前後でのこれらの塗料のX
PS表面分析により明らかとなった。
【0006】米国特許第3,008,920 号および第3,070,57
3 号は、遊離ラジカルを発生させた後、ペルオキシ基を
形成させ、次いでビニルモノマーをポリマー支持体にグ
ラフト化するためのプラズマ表面処理の使用を開示して
いる。グラフト化した塗料の深さの均一性および密度の
制御は、これらのグラフト化実験に伴う困難な問題であ
る。
【0007】PCT/US90/05032 (国際公開 #WO91/04283)
は、他の分子を表面にグラフト化させることによる、
特定のヒドロキシアクリル単位およびビニルシロキサン
モノマーから合成されるポリマーのコンタクトレンズ材
料の湿潤性の増加を開示している。この特許に記載の提
案されたグラフト化法の実施例は、湿式化学手法による
特定のポリオールの結合のみを含むが、この特許は、ヒ
ドロキシアクリル単位を放射法によって特定のヒドロキ
シアクリル/シロキサンポリマー材料にグラフト化する
ことができることを示唆している。さらに、気体のヒド
ロキシアクリル単位による放射誘導結合は、表面の親水
性を改善する手段として、米国特許第 4,143,949号に記
載されている。
【0008】米国特許第 4,143,949号は、疎水性コンタ
クトレンズに親水性塗料を施与する方法を開示してい
る。重合は、気体状のモノマーを、モノマー蒸気の無電
極グロー放電を生じるのに十分な周波数および電力の電
磁気エネルギーにかけることにより行う。
【0009】米国特許第 4,693,799号は、パルス放電に
よりプラズマ重合塗膜を製造する方法を開示している。
その方法は、有機化合物含有気体を、パルス放電によっ
て形成される低温プラズマを利用するプラズマ重合にか
けることにより、反応ゾーンに置いた支持体の表面にプ
ラズマ重合塗膜を形成させることを含み、非放電条件の
時間は少なくとも1ミリ秒であり、気体分解のための電
圧上昇時間は100ミリ秒以下である。特に、その特許
は、磁気テープおよびディスク上で使用するための、摩
擦係数が小さく、潤滑性の高い塗膜を提供するために、
パルスモードで作動させる交流(AC)放電を使用する
方法を開示している。種々のAC周波数(2〜2 Khz)
で各種実験セットが行われたが、所与のセットでの実験
は全て、プラズマ−オン時間とプラズマ−オフ時間との
比を固定した行ったことが報告されている。しかし、有
機モノマーのパルス化プラズマ重合中のプラズマ−オン
時間とプラズマ−オフ時間との比を変えることにより利
用できる塗膜組成物制御については言及していないし、
浸漬または研磨洗浄作用に関する蒸着塗膜の付着につい
ての言及もない。
【0010】米国特許第 3,854,982号および第 3,916,0
33号は、コンタクトレンズポリマーの湿潤性を改善する
ための液体コーティング技術の使用を開示している。こ
れらの方法では、ヒドロキシアルキルメタクリレートな
どの遊離ラジカル重合可能な前駆体を、高エネルギー放
射にさらすことによりコンタクトレンズに結合させる。
しかし、これらの溶液結合法は、塗膜厚の制御が悪く、
これらの塗膜は、耐摩耗性が、特にポリシリコーン支持
体に結合したときは小さい。
【0011】米国特許第 3,925,178号には、コンタクト
レンズの湿潤性を改善するための直流プラズマ処理が開
示されており、その目的のために、水蒸気での電気また
は高周波放電が使用されている。この非コーティング処
理の結果得られる親水性表面は比較的不安定であり、コ
ンタクトレンズ支持体の湿潤性はやがて急速に減少す
る。
【0012】米国特許第 5,153,072号は、プラズマ蒸着
によるポリマー塗膜の化学構造を制御する方法およびそ
れによって得られる塗膜を開示している。この発明の中
心は、支持体および反応器の温度の制御にあり、プラズ
マ蒸着中またはプラズマ蒸着工程間のいずれかで支持体
上に前駆体分子が優先的に吸着または凝縮されるよう
に、支持体と反応器との間に温度差を作る。
【0013】Yasudaら、「パルス化RF放電によって調
べたプラズマ重合のいくつかの側面」、Journal of Pol
ymer Science: Polymer Chemistry Edition, Vol. 15,
pp.81-97 (1977) は、パルス化RF放電(100μ秒の
オンおよび900μ秒のオフ)の使用によるグロー放電
(プラズマ重合)での有機化合物の重合を開示してい
る。ポリマー付着速度、プラズマの圧力変化、プラズマ
ポリマーおよび支持体の両方における遊離スピンのES
Rシグナル、ならびにプラズマポリマー表面上の水の接
触角に対するパルス化放電の影響が、各種有機化合物に
対して調べられている。
【0014】Nakajimaら、「テトラフルオロエチレンの
プラズマ重合」、Journal of Applied Polymer Scienc
e, Vol. 23, pp.2627-2637 (1979)は、連続波およびパ
ルス化高周波(RF)放電の両方におけるテトラフルオ
ロエチレンのプラズマ重合を開示している。彼らは、ポ
リマー付着速度もポリマー構造も共に、連続波およびパ
ルス化RF放電の使用の場合は本質的に同一であったと
報告している。
【0015】Lopez ら、「汚染防止バイオ材料表面に対
するテトラエチレングリコールジメチルエーテルのグロ
ー放電プラズマ蒸着」、Journal of Biomedical Materi
alsResearch, Vol. 26, pp 415-439 (1992)は、ガラ
ス、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリエチレン上
へのテトラエチレングリコールジメチルエーテルのグロ
ー放電プラズマ蒸着を開示している。モノマーは、プラ
ズマ蒸着される塗料の酸化エチレン含量を保持するため
に、加熱および低電力を必要とした。その結果、モノマ
ーの流速制御性は利用できず、より低いRF電力で付着
させた塗膜は、単に水に一夜浸漬しただけでも低い安定
性を示した。ポリマー支持体への塗膜付着は、電力をよ
り高くしてプラズマ蒸着を行うことにより改善できた
が、この付着の改善は、酸化エチレン塗膜含量の低下と
いう犠牲の下に達成され、従って、非汚れ吸着性はより
小さくなった。
【0016】支持体表面にコーティングして、厚さが均
一で、ピンホールがなく、磁気スペクトルの可視領域で
光学的に透明であり、酸素に対して透過性であり、生物
学的に非汚れ吸着性であり、比較的耐摩耗性であり、湿
潤性(親水性)である塗膜を提供することがてきる組成
物に対する要求は依然として残っている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、支持体およ
び塗料を含む装置であって、該塗料が少なくとも1種の
有機化合物またはモノマーを含む気体の気相またはプラ
ズマ重合によって形成され、該有機化合物が下記構造:
【0018】
【化5】
【0019】[式中、m=0-1;n=0-6;YはC=Oを表
し;R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は各々独
立して、H、OH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1
〜C4アルケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、
C1〜C4アルコキシ、またはC1〜C4ハロゲン化アルキ
ルを表し;R8はH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1
〜C4アルケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、
C1〜C4ハロゲン化アルキル、C1〜C4アルデヒド、C
1〜C4ケトン、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン
酸、C1〜C4エステル、−CH=CHR9(R9は、H、
ハロゲン、C1〜C4 アルキル、C1〜C4ハロゲン化ア
ルキル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜
C4アルコキシル、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カル
ボン酸またはC1〜C4エステルである。)または−OR
10(R10はH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4
アルケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、C1〜
C4ハロゲン化アルキル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C
4ケトン、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン酸ま
たはC1〜C4エステルである。)を表す。]を有する装
置を提供する。
【0020】本発明の重合は、サイクルが約1/5未満
であるパルス放電を使用して行うことができ、パルス−
オフ時間は約2000ミリ秒未満であり、パルス−オン
時間は約100ミリ秒未満である。サイクルは変えるこ
ともでき、従って、塗料は、勾配層にすることができ
る。
【0021】化合物は一般に分子量が低く、1以上のエ
ーテル結合および少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結
合を有する。本発明の装置は、厚さが均一で、ピンホー
ルがなく、磁気スペクトルの可視領域で光学的に透明で
あり、酸素に対して透過性で、耐摩耗性であり、湿潤性
であり、生物学的に非汚れ吸着性である塗料を有し、従
って、その表面特性以外は意図する用途に十分適する支
持体の使用が可能である。コンタクトレンズまたは眼内
レンズという特定の場合、特にコンタクトレンズの場
合、涙によって濡らすことができなかったり、急速に生
物学的汚染を受けたり、および/または表面エネルギー
が低すぎる支持体は、本発明の塗料をコーティングする
と有用なものにすることができる。
【0022】本発明の塗料は、少なくとも1つの選択さ
れたモノマーのプラズマ重合によって固体支持体の表面
に蒸着させる。本発明のプラズマ蒸着は、連続波(C
W)またはパルス化したプラズマによって達成される。
パルス化したモードでは、蒸着は、固定したプラズマサ
イクルで、または可変サイクルでパルス化したプラズマ
蒸着を使用して行われる。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の装置は、非汚れ
吸着性塗料を含む。その塗料は、均一で、ピンホールが
なく、湿潤性であり、抽出物がなく、化学的に安定であ
る表面を付与する。さらに、その塗料は、電磁気スペク
トルの可視領域において優れた光学的透明性を示し、酸
素透過性であり、耐摩耗性である。これらは、特にバイ
オメディカル装置、例えば、ステント、インプラント、
カテーテルなど、および特にコンタクトレンズまたは眼
内レンズに対して望ましい特徴である。本発明の塗料は
また、磁気記録媒体、磁気テープ、磁気ディスク、細胞
培養床、診断試薬用担体、バイオセンサーおよび人工臓
器(人工血管、人工骨など)の表面コーティングにも適
している。
【0024】本発明の装置の支持体は、ポリマー、プラ
スチック、セラミック、ガラス、シラン化ガラス、繊
維、紙、金属、シラン化金属、シリコン、カーボン、シ
リコーンおよびヒドロゲルを含むことができる。より好
ましい材料のいくつかとしては、バイオメディカル装置
に対して使用され得るもの、例えばシリコーンおよびシ
リコン含有組成物(混合ブレンドおよびコポリマー)、
ポリウレタンおよびヒドロゲルならびにこれらの材料の
混合物が挙げられる。最も好ましい支持体材料は、表面
上で安定な涙の膜を維持しないコンタクトレンズを作る
ために使用されるポリマーであり、例えば、シリコー
ン、シリコーン混合ブレンド、アルコキシル化メチルグ
ルコシド、シリコーンヒドロゲル、ポリウレタン−シリ
コーンヒドロゲルおよびポリスルホンである。シリコー
ンの例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチ
ル−コ−ビニルメチルシロキサン、米国特許第 3,228,7
41号に記載のシリコーンゴム、米国特許第 3,341,490号
に記載されているようなシリコーンブレンドおよび米国
特許第 3,518,324号に記載されているようなシリコーン
組成物が挙げられる。有用なシリコーン材料は、ヒドロ
シリル化によるシロキサンプレポリマーの架橋、共縮合
および遊離ラジカル機構によって得られる架橋ポリシロ
キサンである。特に適する支持体材料は、容易にヒドロ
シリル化を受けるオルガノポリシロキサンポリマー混合
物である。該プレポリマーは、鎖延長および架橋反応中
に架橋部位として作用するビニルラジカルおよびハイド
ライドラジカルを含み、ポリジヒドロカルビル−コ−ビ
ニルヒドロカルビルシロキサンおよびポリジヒドロカル
ビル−コ−ヒドロカルビル水素シロキサンを含む一般的
組成物である。ここで、ヒドロカルビルラジカルは、1
価の炭化水素ラジカル、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルなど
の炭素数1〜7のアルキルラジカル;フェニル、トリ
ル、キシリル、ビフェニルなどのアリールラジカル;ク
ロロフェニルなどのハロアリール;およびシクロペンチ
ル、シクロヘキシルなどのシクロアルキルラジカルなど
である。より好ましい材料は、シリコーンヒドロゲル、
特にアクリル−キャップドポリシロキサンプレポリマー
(acrylic-capped polysiloxane)、嵩のあるポリシロ
キサニルアルキル(メタ)アクリレートモノマーならび
に米国特許第 5,387,632号、第5,358,995 号、第4,954,
586 号、第5,023,305 号、第5,034,461 号、第4,343,92
7 号および第 4,780,515号に記載の親水性モノマーを含
むモノマー混合物から形成されるシリコーンヒドロゲル
である。他の好ましい支持体材料は、米国特許第 5,19
6,458および 5,304,584号ならびに1996年9月13日に出
願された米国特許出願第08/712,657 号に記載されてい
るようなアルコキシル化グルコースまたはショ糖の環式
ポリオールを含む。上記で引用した特許は全て参考とし
て本明細書に組み入れる。
【0025】好ましい塗料は、1以上のエーテル結合を
含む、気相蒸着した低分子量で高揮発性の有機化合物を
含む。好ましくは、分子は、分子中に少なくとも1つの
不飽和炭素−炭素結合を含み、重合、特に低エネルギー
気相蒸着法での重合の達成を助ける。不飽和炭素−炭素
結合を有する基は、好ましくは、ビニル化合物である。
塗料は、これらのモノマー中に存在するエーテル結合の
最大限の完全性を維持しながら、安定であり、広範囲の
支持体に対して接着性である。それらの化合物の重量平
均分子量は、好ましくは400未満であり、より好まし
くは300未満であり、最も好ましくは200未満であ
る。
【0026】本発明の好ましい塗料は、下記構造:
【0027】
【化6】
【0028】[式中、m=0-1;n=0-6;YはC=Oを表
し;R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は各々独
立して、H、OH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1
〜C4アルケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、
C1〜C4アルコキシ、またはC1〜C4ハロゲン化アルキ
ルを表し;R8はH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1
〜C4アルケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、
C1〜C4ハロゲン化アルキル、C1〜C4アルデヒド、C
1〜C4ケトン、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン
酸、C1〜C4エステル、−CH=CHR9(R9は、H、
ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲン化アル
キル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜C4
アルコキシル、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン
酸またはC1〜C4エステルである。)または−OR
10(R10はH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4
アルケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、C1〜
C4ハロゲン化アルキル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C
4ケトン、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン酸ま
たはC1〜C4エステルある。)を表す。]を有する直鎖
または分岐鎖有機化合物またはモノマーの気相蒸着およ
び重合によって形成される。使用できる有機化合物の例
としては、下記構造:
【0029】
【化7】
【0030】[式中、R'、R''、R'''およびR''''
は、各々独立して、H、炭素数1〜4の直鎖または分岐
鎖アルキルを表し、好ましくはメチルまたはHであり、
より好ましくはHであり;nは1〜6であり、好ましく
は1〜5であり、より好ましくは2または3である。]
が挙げられる。上記構造式を有する特に好ましいモノマ
ーの場合、R'、R''、R''' およびR''''はHである
か、またはR'、R''、R'''がHであり、R''''がCH
3であり、nは2または3、より好ましくは2である。
【0031】特に使用可能な有機化合物の例としては、 CH2=CH−(OCH2CH2n−OH CH2=CH−(OCH2CH2n−OCH3 CH2=CH−(OCH2CH2n−OCH=CH2 が挙げられる。
【0032】本発明の塗料において使用できる有機化合
物の他の例としては、 ジ(エチレングリコール)ジビニルエーテル[(H2
=CHOCH2CH22O] ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル[H2C=C
H(OCH2CH22OH] ジ(エチレングリコール)メチルビニルエーテル[H2
C=CH(OCH2CH22OCH3] ジ(エチレングリコール)ジアクリレート[(H2C=
CHCO2CH2CH22O] ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート
[H2C=CHC(O)(OCH2CH22OC25] トリメチロールプロパンジアリルエーテル[C2H5
(CH2OCH2CH=CH22CH2OH] テトラ(エチレングリコール)プロピルエーテルメタク
リレート[H2C=C(CH3)CO2(OCH2CH24
CH2CH2CH3] ヘキサ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリ
レート[H2C=C(CH3)CO2(OCH2CH26
3] が挙げられる。
【0033】より好ましい有機化合物としては、ジ(エ
チレングリコール)ジビニルエーテル、ジ(エチレング
リコール)メチルビニルエーテル、ジ(エチレングリコ
ール)エチルエーテルアクリレートおよびトリメチロー
ルプロパンジアリルエーテルが挙げられる。最も好まし
い化合物は、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル
である。
【0034】塗料は、架橋剤の添加とともに、または添
加しないで、実質的に1種の有機化合物または有機化合
物の混合物の重合を含むことができる。単一の有機化合
物および有機化合物の混合物は、好ましくは、上記した
有機化合物から選択される。化合物および支持体表面へ
の化合物のコーティング法の選択により、好ましくは、
塗料の一番外側の層の炭素−酸素結合と炭素−炭素結合
との比が1:1より大きく、より好ましくは1.5:1
より大きく、最も好ましくは2:1より大きく、さらに
好ましくは2.5:1より大きい塗料が提供される。炭素
−酸素結合と炭素−炭素結合との比がより高い塗料組成
物は、非汚れ吸着性が改善され、湿潤性も高くなるの
で、好ましい。
【0035】支持体に塗料をコーティングする一つの方
法は、気相蒸着である。なぜならば、均一な塗料が得ら
れるからである。気相蒸着とは、気体状のモノマーを固
体支持体に表面コーティングとして付着させるあらゆる
方法を意味する。気相蒸着としては、プラズマおよび光
化学誘導重合が挙げられる。プラズマ誘導重合またはプ
ラズマ蒸着は、気体に放電を通すことにより引き起こさ
れる遊離ラジカルの生成による重合である。放電は、交
流(AC)もしくは直流(DC)のいずれかの高電圧
法、または高周波(RF)およびマイクロ波などの電磁
気法によって引き起こすことができる。また、コーティ
ング工程は、遊離ラジカルおよび/または重合工程を開
始させることができる電子的に励起された種を作り出す
のに十分なエネルギーの光子を直接吸収することによっ
て与えられるような光化学誘導重合を使用して行うこと
ができる。
【0036】一工程気相蒸着の好ましい一つの方法は、
プラズマ重合、特に高周波プラズマ重合によるものであ
り、この方法では、塗料を、モノマーを直接重合させる
ことにより支持体表面に付着させる。この方法を本明細
書に記載する。より完全には、米国特許出願第08/632,9
35号(参考として、本明細書に組み入れる。)に記載さ
れている。上記以外の記載は、Panchalingamら、「パル
ス化RFプラズマ放電によるバイオ材料の分子表面の改
良」、J.Biomater. Sci. Polymer編, Vol.5, pp.131-14
5 (1993) およびPanchalingamら、「パルス化RFプラ
ズマ蒸着による表面の分子の改良」、Journal of Appli
ed Science: Applied Polymer Symposium, 54, 123-141
(1994)(これらを参考として本明細書に組み入れ
る。)に見いだすことができる。この方法では、塗料
を、制御された条件下、選択されたモノマーのプラズマ
重合によって固体支持体に付着させる。プラズマは、円
柱状の反応器の外部の周りに置いた同軸外部RF電極を
使用するRF放射により発生させる。コーティングした
い支持体は、好ましくは、RF電極の間にある反応器に
置くが、支持体は、電極の前または後ろに置くこともで
きる。反応器は、ロータリー真空ポンプを使用して、バ
ックグランド圧まで排気する。精密な計量バルブを開け
て、モノマー(またはモノマー混合物)の蒸気を反応器
に入れる。反応器を通るモノマーの圧力および流速は、
計量バルブおよび蝶型制御バルブ(圧力制御器に連結)
の調整により制御する。一般に、使用されるモノマー反
応器の圧力は、約50〜200ミリトルの範囲である
が、この範囲外も使用できる。化合物は、化合物を蒸発
させるために室温(約20〜約25℃)以上に加熱しな
くてもよいように十分高い蒸気圧を有するのが好まし
い。電極は、反応器の外側に設置するが、本発明の方法
は、反応器の内側に置いた電極(すなわち、容量結合系
(capacitively coupled system))に対しても同様に
十分作用する。
【0037】プラズマ蒸着中に得られる膜の化学組成物
は、使用するプラズマ変数、特に重合工程開始に使用さ
れるRF電力と強い相関関係にある。パルス化条件下で
プラズマ工程を操作することは、コーティング工程中に
わたって低い平均電力を維持しながら、プラズマ−オン
開始工程中は適正に大きいピーク電力を使用することが
できるので、連続波(CW)運転と比較して好ましい。
パルス化とは、プラズマを生じさせるために電力をオン
およびオフに切り替えることを意味する。パルス化中の
平均電力は、次のように定義される。
【0038】
【数1】
【0039】例えば、RFサイクルが10ミリ秒オンで
200ミリ秒オフであり、ピーク電力を25ワットとし
て行ったプラズマ蒸着は、平均電力が1.2ワットに相
当する。ピーク電力は、好ましくは、約10〜約300
ワットである。
【0040】サイクルの形式上の定義は、下記に示すよ
うに、プラズマ−オン時間(すなわち、放電時間)のプ
ラズマ−オン時間とプラズマ−オフ時間(すなわち、非
放電時間)との和に対する比として定義する。
【0041】
【数2】
【0042】しかしながら、便宜上、プラズマ発生時間
対プラズマ停止時間を、本明細書中では、しばしば、発
生時間と停止時間との単純な比として記す。ただし、同
じ単位(すなわち、ミリ秒またはマイクロ秒)を使用す
るものとする。衝撃係数の適用範囲は約1/5未満、好ま
しい範囲は約1/10〜約1/1000、より好ましい範囲は約1/
10〜約1/30である。プラズマ発生時間は、約1μ秒より
長くなければならず、好ましくは約10μ秒〜約100m秒、
より好ましくは約100μ秒〜約10m秒である。プラズマ停
止時間(すなわち、非放電時間)は、約4μ秒より長く
なければならず、好ましくは約100μ秒〜約2000m秒、よ
り好ましくは約200μ秒〜約100m秒である。全堆積時間
は、モノマーおよび使用条件により変化する。典型的に
は、堆積時間(deposition time)は、約0.5分〜約3時間
の範囲で変化可能である。
【0043】パルスプラズマ堆積法では、比較的大きな
ピーク電力が使用可能であるとともに比較的低平均電力
を維持するため、モノマーの官能基が保持される。低平
均電力パルス条件下で堆積させた塗料は、同じ平均電力
でかつCW操作により堆積させた塗膜と比較して、所定の
支持体に対する接着性が大きくなる傾向がある。所定の
平均電力に対して、パルス条件下で利用可能な瞬間的(m
omentary)高ピーク電力を使用すると、明らかに、支持
体への塗膜の接合を、同じ平均電力のCW条件下で得られ
るものよりも強くすることができる。
【0044】所定のRFピーク電力で所定のモノマーを用
いて処理した場合、プラズマ衝撃係数が減少するにつれ
て、プラズマ堆積コーティング中のエーテル成分(C-O
結合(functionality))の残存率の増大が観測される。
この他、一定のプラズマ衝撃係数で処理しかつピーク電
力を変化させることにより、パルス条件下において塗料
の化学的性質を変化させることができる。ピーク電力が
低下するにつれて、塗料中のC-O結合の取込みが増大す
る。驚くべきことに、プラズマ発生時間とプラズマ停止
時間の比を固定し、かつRFピーク電力を固定した場合、
プラズマ発生パルス幅対プラズマ停止パルス幅を変化さ
せることにより、プラズマ堆積塗膜の組成を変化させる
ことができる。記載の塗膜堆積モードはRFプラズマ重合
の1つであるが、当業者は、この目的のために、他の重
合方法(例えば、マイクロ波プラズマ重合法、光重合
法、電離放射線重合法、放電重合法など)を適用するこ
ともできることが分かるであろう。
【0045】本発明の塗膜の化学的組成は、ピーク電力
および/またはプラズマ発生パルス幅とプラズマ停止パ
ルス幅の時間を変化させることにより、パルスプラズマ
堆積中に変更可能である。このように塗膜の化学的性質
を制御することができるが、こうした優れた特性は、実
際のコーティング工程中に支持体の温度をモジュレート
することなく得ることができる。C-O結合とC-C結合との
好ましい比を有する塗料を作製するためには、パルスプ
ラズマ堆積時の平均電力は100ワット未満であることが
好ましいが、より好ましくは40ワット未満、最も好まし
くは10ワット未満である。C-O結合とC-C結合との比の最
大値は、平均電力が1ワット以下のときに得られるが、
このとき、汚れ吸着が最も少なく、かつ湿潤性が最も高
い塗料を得ることができる。
【0046】しかしながら、当業者には分かるであろう
が、実際には、入力ピーク電力が塗膜の組成に及ぼす影
響は、反応器の容量(すなわち、出力密度)に依存す
る。本発明において、反応器の容量は約2リットルであ
る。より小さい反応器を利用した場合、より低い入力ピ
ーク電力において本明細書中に報告したものと同じ塗膜
の組成変化が得られることは明らかである。入力ピーク
電力に影響を及ぼす他の反応因子は、反応器の圧力およ
びモノマーの流量である。より大きい反応器を利用した
場合、より高い電力を入力することによって同じ塗膜の
組成変化が得られる。
【0047】より低い平均電力の条件を用いると、塗料
中に存在する官能基(例えば、エーテル基)の数は増大
するが、より低い平均電力においてより低いエネルギー
の堆積条件を用いると、下側の支持体に対するポリマー
塗膜の接着性が悪くなる恐れがある。従って、プラズマ
コーティング法では、プラズマ堆積塗膜中におけるモノ
マーの結合性(integrity)の保持と、塗料および固体支
持体の間の接着性と、を多少調整する必要がある。生体
医用デバイスおよびコンタクトレンズにおいて、支持体
に対する塗料の接着性および全体的安定性は、考慮すべ
き特に重要な点である。
【0048】支持体上に塗料を形成する本発明の方法
は、パルスプラズマを用いる方法であり、段階的な層形
成を行う。衝撃係数は、様々に変化させることが可能で
ある。この方法を使用することにより、塗料の接着性お
よび塗料中に存在する官能基の数を最大にすることがで
きる。低平均電力パルス条件下で堆積させた塗膜は、同
じ平均電力でかつCW操作により堆積させた塗膜と比較し
て、所定の支持体に対する接着性が大きくなる傾向があ
る。所定の平均電力に対して、パルス条件下で利用可能
な瞬間的高ピーク電力を使用すると、支持体への塗膜の
接合を、同じ平均電力のCW条件下で得られるものよりも
強くすることができる。各プラズマをサイクルごとに発
生させて、このようにパルス条件下でのより強い接合を
繰り返す。パルス条件下では支持体への塗膜の接合が改
良されるが、このパルス堆積法を段階的層形成法と併用
すると、更に接合を強化することができる。この方法に
ついては、米国特許出願第08/632,935号により詳しい説
明が記されているが、該特許の内容は、引用により本明
細書中に含まれるものとする。この方法では、最初に、
高電力かつ大きいプラズマ衝撃係数を利用して、プラズ
マ堆積塗膜を下側の支持体にしっかりと接合させる。続
いて、プラズマ衝撃係数を系統的に徐々に減少させ、減
少させるごとに塗料中のC-O結合の残存率が増大した。
このようにして、逐次プラズマ堆積させた塗膜を、互い
にしっかりと結合させる。所望の組成を有する外側の塗
膜層が得られた時点で処理を終了する。直前の層と組成
が段階的に僅かに異なる薄層を逐次形成すると、比較的
低いプラズマ衝撃係数の下で堆積条件を調節せずに堆積
させた塗料よりも、支持体に対する接着性がかなり大き
い複合塗料が得られる。
【0049】気相堆積法(特に、プラズマ堆積法)を用
いると、実質的に一様な厚さの塗料が得られる。塗料の
厚さは5Å〜5μmにすることができるが、より好ましく
は50Å〜1μm、最も好ましくは100Å〜0.1μmである。
堆積法では一様な塗膜厚が得られ、かつ塗膜厚の制御が
可能であるが、これとは対照的に、これまでに開示され
た方法を用いたときは塗膜厚の制御に問題を生じる。RF
パルスプラズマ堆積法を使用すると、所定のプラズマ衝
撃係数ならびに一定のモノマー圧力およびモノマー流量
において、塗料の厚さと堆積時間との間に直線関係が得
られる。
【0050】本発明の塗料は、特に、より疎水性の大き
い支持体(例えば、ポリシロキサン)と併用した場合
に、支持体の表面の親水性を増大させる働きをする。観
測の結果、プラズマ処理中に付与される親水性は、プラ
ズマ堆積塗膜中の酸素の含有量が増大するにつれて大き
くなることが分かった。
【0051】利用した支持体の湿潤性は、プラズマコー
ティングを行う前および後で、静的および動的水接触角
測定により調べた。一般的には、塗料は、特に、より疎
水性の大きい支持体(例えば、ポリシロキサン)と併用
した場合に、表面の親水性を増大させる働きをする。観
測の結果、プラズマ処理中に付与される親水性は、プラ
ズマ堆積塗膜中の酸素の含有量が増大するにつれて大き
くなることが分かった。
【0052】表面湿潤性の安定性は、水溶液流試験、研
磨クリーニング試験、研磨摩擦試験など、数種の方法で
調べた。コーティングされた支持体の安定性を試験する
他の好適な方法としては、121℃において5サイクル(各
サイクルを30分間行う)のオートクレーブ処理を行う方
法が挙げられる。以下の実施例には、これらの試験の結
果が記されている。
【0053】塗料の非汚れ吸着特性は、放射性標識タン
パク質を用いた吸着試験ならびに全タンパク質アッセイ
により調べた。一般的には、以下の実施例に示されてい
るように、コーティングの施されていないポリマー支持
体よりも、コーティングの施されたポリマー支持体の方
が、タンパク質の吸着量が少ないという観測結果が得ら
れた。
【0054】塗料の光透明性は、800nm〜200nmの波長に
おいて分光測光を行うことにより調べた。本発明のプラ
ズマ塗料は、可視スペクトルの全領域(すなわち、780n
m〜380nm)にわたりばらつきのない優れた透明性を呈
し、光の吸収は近紫外領域の370nm付近から始まった。
石英板上に堆積させたサンプルから明らかなように、37
0nm〜200nmの領域で吸収が急に増加する。
【0055】酸素透過性は、Fatt法(Fatt, I. et al.,
International Contact Lens Clinic, 9(2), pp. 76-8
8 1992)を用いて測定した。一般的には、ポリマー支持
体の酸素透過性(DK値として報告した酸素透過性)は、
表面上にプラズマ堆積塗膜が存在したとしても測定可能
な低下を示さなかった。
【0056】本発明の塗料を有する支持体は、コンタク
トレンズおよび他の生体医用デバイスに好適である。こ
の塗料は、ポリマー支持体上に堆積させた場合、良好な
接着性、大きい湿潤性、高い酸素透過性、および電磁ス
ペクトルの可視領域における優れた透明性を呈する。こ
れらの支持体に対する塗料の接着性は十分に強く、離層
に対する耐性を有する。
【0057】従って、本発明の一段階完全ドライ法によ
り堆積させた塗料は、上記の厳しい判定基準を満たし、
コンタクトレンズの生体適合性を改良する。本発明をコ
ンタクトレンズに焦点を当てて説明してきたが、湿潤性
が高く、生物学的に汚れ吸着がなく、かつ透明である本
発明の塗料が他の用途(例えば、生体医用デバイス、バ
イオセンサー、海洋設置用検出器、膜、組織培養増殖、
移植片など)にも有用であることは、当業者には分かる
であろう。本発明により得られた特に驚くべき結果とし
ては、塗料の作製に利用したモノマーの分子量が非常に
小さいにもかかわらず、その塗料が著しく安定であり、
かつ生物学的に汚れ吸着がないという優れた性質が挙げ
られる。こうした観測結果は、多くの従来の研究とは対
照的である。従来の研究から得られた結論では、汚れ吸
着をなくすためには、エーテル結合を有する比較的大き
なポリマー分子が必要であった。
【0058】本発明の方法は、極めて単純な一段階コー
ティング法であり、しかもプラズマベースの滅菌処理と
うまく組合せて、ポリエチレングリコール(「PEG」)
改質表面を大量に製造することが可能である。プラズマ
ベースの方法の他の特有な利点としては、こうした優れ
た表面改質処理が固体支持体の組成や幾何学構造にそれ
程影響されないことが挙げられる。プラズマ重合PEG表
面に利用可能と考えられるモノマーとしてテトラエチレ
ングリコールジメチルエーテルCH3O(CH2CH2O)4CH3
およびトリ(エチレングリコール)モノアリルエーテルCH
2=CHCH2(OCH2CH2)3OHを選んで調べた。例えば、血
漿タンパク質吸着および細胞吸着のいずれの研究からも
示されるように、テトラエチレングリコールジメチルエ
ーテルをプラズマ堆積させたところ、生体分子の吸着に
対して大きな短期耐性を有する表面が得られた。しかし
ながら、プラズマコーティングが施された支持体を水中
に一晩浸漬したところ、浸漬前および浸漬後における表
面のXPS分析から明らかなように、化学組成の大きな変
化を生じた。同様に、トリ(エチレングリコール)モノア
リルエーテルをプラズマ重合したところ、生物汚れ吸着
に対して良好な短期耐性を有する塗料を生じたが、浸漬
または流動水溶液接触に対する安定性は劣っていた。ポ
リマー支持体へのプラズマ堆積塗膜の接着は、理論的に
は、より大きい電力でプラズマ堆積を行うことによって
改良することが可能であるが、このような接着性の改良
を行うと、エチレンオキシド塗膜の量が低下し、その結
果、非汚れ吸着特性が悪くなる。
【0059】特定の仮説に拘束されるものではないが、
気相堆積法(特に、本発明のパルスプラズマ堆積法)を
用いると、支持体上に極めて効率的にエーテル結合が堆
積し、エーテル基の表面密度が高くなる。このように表
面密度が高くなると、支持体上への生体分子の吸着が極
めて効果的に抑制される同時に、水分子を吸着する比較
的極性の環境が形成され、表面湿潤性が大きくなる。従
って、このコーティング法をコンタクトレンズに適用し
た場合、コンタクトレンズ支持体上の塗料は小さい水接
触角を呈するはずである。コンタクトレンズでは、塗料
の固着水滴前進接触角(advancing sessile drop water
contact angle)は85°未満が好ましいが、より好ましく
は65°未満、最も好ましくは45°未満である。
【0060】
【実施例】(実施例1)100Wピーク電力において10m秒/
200m秒のRFオン/オフサイクルのパルスプラズマ堆積条
件下で、DacronTMポリエステル支持体上に、ジ(エチレ
ングリコール)ビニルエーテル(EO2V)をプラズマ堆積
させた。20分間で厚さ1000Åの塗膜が堆積した。この塗
膜に対してX線光電子分光(XPS)分析を行ったところ、炭
素原子と酸素原子との結合が、炭素原子間の結合よりも
確実に多いことが判明した。こうして作製したサンプル
を、次に、pH7.4のリン酸緩衝溶液(PBS)の40ml/分の定
常流に65時間供した。続いて、サンプルを減圧乾燥し、
再びXPSで分析した。表面上に存在するC-C結合に対する
C-O結合の相対濃度は、実際には僅かに増大したにすぎ
ず、緩衝溶液の流動下における表面の変化は無視しうる
ものであった。このことから、この塗料は耐久性を有す
ることが分かった。
【0061】(実施例2)実施例1の記載に従って、シリ
コーンコンタクトレンズ支持体上に堆積させたサンプル
を作製した。プラズマ処理の前および後において、該ポ
リシロキサン支持体上で前進水接触角を測定した。固着
水滴前進接触角は、未処理表面上では98°であったが、
プラズマによる表面コーティングを施した後、58°まで
低下した。このことから、塗料により湿潤性が増大する
ことが分かった。続いて、コーティングを施したサンプ
ルをPBS緩衝溶液中に数日間浸漬したが、前進水接触角
の変化は本質的に無視しうるものであった。このことか
ら、この塗料は耐久性を有することが分かった。表1を
参照されたい。表1中の比10/200は、プラズマ発生時間
が10m秒、プラズマ停止時間が200m秒であることを示し
ている。
【0062】
【表1】
【0063】(実施例3)実施例1の記載に従って、ポリ
エチレン支持体上に堆積させたサンプルを作製した。た
だし、プラズマ発生時間/プラズマ停止時間はそれぞれ
m秒単位で1/20、1/50、1/100、および1/200、ピーク電
力は200ワットであった。水接触角測角器によりこれら
の塗膜を解析したところ、コーティング処理時に使用し
たRFプラズマ衝撃係数の減少と共に前進水接触角が徐々
に減少することが判明した(図1)。塗膜形成時に使用
した平均電力の減少と共に湿潤性の増大が観測された
が、この観測結果は、これらの塗膜に対する高解像度C
(1s)XPSスペクトルの測定結果と相関があった。すなわ
ち、これらのスペクトルの観測結果は、塗膜形成時に使
用したRF衝撃係数の減少と共に塗膜中のC-O結合対C-C結
合の比が増大することを示唆した(図2(a〜d))。
【0064】実施例1の記載に従って、DacronTM支持体
上に堆積させたもう1つのサンプルのセットを作製し
た。ただし、プラズマピーク電力は、100ワット、50ワ
ット、25ワット、および10ワット、1サイクルは、プラ
ズマ発生時間10m秒およびプラズマ停止時間200m秒であ
った。水接触角測角器によりこれらの塗膜を解析したと
ころ、コーティング処理時に使用したRFプラズマピーク
電力の減少と共に前進水接触角が徐々に減少することが
判明した(図3)。平均プラズマエネルギーの減少と共
に湿潤性の増大が観測されたが、この観測結果は、これ
らの塗膜に対するXPS分析の結果と相関があった。すな
わち、XPS分析の結果は、塗膜形成時に使用したRFピー
ク電力の減少と共に塗膜中のC-O結合対C-C結合の比が増
大すること示唆した。
【0065】(実施例4)実施例1で使用したものと同じ
RF衝撃係数およびピーク電力を用いて、ポリシロキサン
支持体上に、モノマー CH2=CH-(OCH2CH2)2OCH3(メチル
EO2V)をプラズマ堆積させた。得られた塗膜は、実施例
1で得られた塗膜よりも、C-C結合に対するC-O結合の量
が僅かに多いことが判明した。この他、これらの塗膜
は、実施例2で得られた塗膜よりも約5°小さい前進水接
触角を呈した(すなわち、より親水性が高かった)。
【0066】(実施例5)実施例1および4で使用したも
のと同じプラズマ堆積条件下で、ジ(エチレングリコー
ル)ジビニルエーテル[(H2C=CHOCH2CH2)2O]モノマーから
塗料を作製した。このサンプルに対する前進水接触角
は、実施例4のメトキシ化合物に対して得られたものと
実際上同等であった。実施例4および5のメトキシサンプ
ルおよびジビニルサンプルはいずれも、前進水接触角対
後退水接触角によるヒステリシスが、実施例2のサンプ
ルに対して得られたものよりも小さいことが判明した。
このことから、実施例4および5のサンプルは、実施例2
のサンプルよりも、表面分子が移動し難く、従って、汚
れ吸着を起こしにくいことが分かった。更に、接触角か
ら、表面が湿潤性であることが分かった。
【0067】(実施例6)10m秒/200m秒のRFオン/オフ
サイクルおよび50ワットのピーク電力を使用して、Dacr
onTM支持体上に実施例1のモノマーをプラズマ堆積させ
たサンプルを作製した。コーティングの施されていない
DacronTMサンプルおよびプラズマコーティングの施され
たDacronTMサンプルに対して、125I-標識アルブミンお
よびフィブリノーゲンを用いてタンパク質吸着試験を行
った。コーティングの施されたDacronTMサンプルへのタ
ンパク質の吸着量は、コーティングの施されていないDa
cronTM対照サンプルへのタンパク質の吸着量と比較する
と、劇的に少なかった(すなわち、1/20以下であっ
た)。1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液で穏やかに
洗浄した後に表面上に残存するタンパク質の量を比較し
たところ、この差は一層顕著なものとなった。プラズマ
処理表面上に残存するタンパク質はほとんど検出され
ず、コーティングの施されていないDacronTM対照サンプ
ル上に残存するタンパク質の量よりも数桁少なかった。
この実施例から、本発明の塗料が耐久性および非汚れ吸
着特性を有することが示唆された。
【0068】プラズマ発生時間10m秒およびプラズマ停
止時間50m秒のRF衝撃係数ならびに100ワットのピーク電
力を使用して、DacronTM支持体上に実施例1のモノマー
をプラズマ堆積させたもう1つのサンプルを作製した。
コーティングの施されたDacronTMサンプルへのタンパク
質の吸着量は、コーティングの施されていないDacronTM
対照サンプルへのタンパク質の吸着量と比較して増大し
た(すなわち、約1.2倍になった)。この実施例から、
高RF衝撃係数(1/5)で作製した塗料の非汚れ吸着特性は
低RF衝撃係数で作製した塗料のもの程望ましいものでは
ないことが分かった。
【0069】(実施例7)実施例1の記載に従ってサンプ
ルを作製した。次に、これらのサンプルに研磨クリーニ
ング処理を施した。この研磨クリーニング処理では、標
準的な市販のコンタクトレンズクリーナーを、製造業者
が提供するレンズクリーニングの説明書に従って使用し
た。反復動的水接触角法により、コーティングの施され
たサンプルに対して研磨クリーニング処理を施す前と後
で表面の湿潤を測定したところ、その変化は無視できる
ものであった。
【0070】(実施例8)実施例1の記載に従って、シリ
コーンコンタクトレンズ支持体上に堆積させたサンプル
を作製した。これらのサンプルを、121℃において5回の
連続した滅菌サイクルの水蒸気オートクレーブ処理にか
けた。各サイクルは30分間であった。オートクレーブ処
理を施す前と後でサンプル表面湿潤性を測定したとこ
ろ、その変化は無視できるものであった。このことか
ら、塗料が耐久性を有することが分かった。
【0071】(実施例9)段階的層形成法を用いて、シ
リコーンコンタクトレンズ支持体にコーティングを施し
た。この方法では、最初に、100ワットのピーク電力お
よびプラズマ発生時間10m秒/プラズマ停止時間20m秒の
オン/オフサイクルで、30秒間の高衝撃係数プラズマ堆
積を行った。続いて、プラズマ停止時間を、段階的に、
50m秒、100m秒、150m秒、および200m秒まで増加させ、
各オン/オフサイクルにおいて数分間のプラズマ堆積を
行った。最後に、プラズマ発生時間10m秒/プラズマ停
止時間200m秒のオン/オフサイクルで5分間のプラズマ
堆積を行った。こうして得られた段階的層形成塗膜構造
物は、pH7.2のPBS緩衝溶液中において高流量(40ml/分)
条件下で長期(すなわち15日間)にわたる浸漬を行った
場合、卓越した耐摩耗性および安定性を呈した。高解像
度XPS(X線光電子分光)C(1s)スペクトルを分析すること
によりこの層状構造の表面組成を調べたところ、プラズ
マ発生時間10m秒/プラズマ停止時間200m秒のオン/オ
フサイクルおよび100ワットのピーク電力で直接プラズ
マ堆積を行って得られた塗膜の組成と本質的に同じであ
ることが判明した。
【0072】(実施例10)この実施例では、本発明の塗
料を有する支持体が大きな湿潤性を呈することを示す。
静的(固着液滴)法および動的(改良Wilhelmyプレー
ト)法の両方を用い、コーティングの施された支持体お
よびコーティングの施されていない支持体に対して水接
触角測定を行った。静的測定は、蒸留水およびRame-Har
tゴニオメーターを使用して行った。動的測定は、3つの
溶液に(すなわち、塩類溶液(saline)、タンパク質溶
液、再び塩類溶液の順に)浸漬した支持体を用いて行っ
た。タンパク質溶液には、卵白とリゾチームと免疫グロ
ブリンとの混合物が含まれていた。前進接触角および後
退接触角は、静的条件下および動的条件下の両方で測定
した。静的実験において、前進接触角は、水滴の量を4
μLから16μLまで4μLずつ増加させながら測定した。後
退接触角は、水滴の量を16μLから4μLまで4μLずつ減
少させながら測定した。動的測定は、サンプルを上下に
移動させながらそれぞれ4回行い、これらの4回の測定の
平均値を記録した。
【0073】85°を越える静的水接触角を有する疎水性
ポリマー支持体(例えば、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート)を利用した。本発明の塗料をプラズマ
コーティングした後、水接触角が大きく減少したことか
ら、表面の湿潤性の増大が実証された。湿潤性の改良を
行う上で、支持体依存性は観測されなかった。
【0074】ジ(エチレングリコール)ビニルエーテルモ
ノマーのプラズマ堆積処理により、最初は疎水性であっ
たポリマー支持体上にプラズマ堆積塗膜を形成し、その
後、静的固着水滴接触角の測定を行った。測定結果は表
2に示されている。表2から分かるように、すべてのサ
ンプルが、85°を越える前進接触角を有する未コーティ
ング支持体よりも小さい水接触角を呈することが明らか
となった。更に、表2から分かるように、表面の湿潤性
の増大はプラズマ堆積条件の関数であり、コーティング
時に使用した平均電力が減少すると共に、一般に、湿潤
性が増大した。
【0075】
【表2】
【0076】プラズマ発生時間10m秒/プラズマ停止時
間200m秒のRFオン/オフサイクルおよび100ワットのピ
ーク電力において、上述したようにジ(エチレングリコ
ール)ビニルエーテルモノマーのプラズマ堆積処理によ
り作製したサンプルに対して、動的接触角(すなわち改
良Wilhelmyプレート)の測定を行い、結果を表3に列挙
した。3つの溶液中における前進接触角および後退接触
角の測定を順に行った。静的測定の場合と同様に、動的
測定においても、コーティングの施された支持体は常に
より小さい接触角を示した。また、タンパク質含有溶液
中に浸漬したサンプルでは、表面の湿潤性がより大きく
なった。全体的には、水接触角の測定結果から、プラズ
マ堆積コーティングを形成すると最初は疎水性であった
ポリマー表面が親水性の湿潤表面に変化することが分か
る。
【0077】
【表3】
【0078】(実施例11)異なるモノマーをプラズマコ
ーティングしたポリマー支持体に対して、静的(固着液
滴)水接触角を前進接触角および後退接触角の両方で測
定した。利用したモノマーは、ジエチレングリコールビ
ニルエーテル(EO2V)、ジエチレングリコールメチルビニ
ルエーテル(メチルEO2V)、ジエチレングリコールジビニ
ルエーテル(ジビニルEO2V)、およびジエチレングリコー
ルエチルエーテルアクリレート(アクリレートEO2V)であ
った。これらの4つの塗料に対する測定結果は表4に示
されている。これらのプラズマ塗膜はいずれも、同一の
条件下、すなわち、プラズマ発生時間10m秒/プラズマ
停止時間200m秒のRFオン/オフサイクルおよび100ワッ
トのピーク電力の条件下で堆積させた。いずれの場合に
おいても、コーティングの施されていない疎水性のポリ
マー表面(初期の前進接触角は85°を超える)は、プラ
ズマ堆積を行うことにより、湿潤し易い親水性表面に変
化した。表4から分かるように、各モノマーとも、得ら
れた表面の親水性は比較的一定しており、更に、OH末端
基を持たない2つのモノマー(すなわち、メチルEO2Vお
よびジビニルEO2V)では、前進接触角および後退接触角
の間のヒステリシスが著しく低下した。得られた結果
は、明らかに、支持体の表面を疎水性から親水性に変化
させるうえで、本発明の塗料が効果的に利用できること
を示している。
【0079】
【表4】
【0080】これらの結果は、本発明の塗料を用いて支
持体の表面に非汚れ吸着特性および親水性を付与するこ
とにより、特定の用途に好適な内部特性を有する支持体
が得られることを示している。これらの塗料は、生物医
学的用途に最適であり、特に、コンタクトレンズまたは
眼内用レンズ(interoccular lenses)に適している。本
発明を、特に、本発明の実施態様を参照して詳細に説明
してきたが、本発明の精神および範囲内において変更お
よび修正が可能であることは理解されるであろう。
【0081】(実施例12)プラズマ発生時間10m秒/プ
ラズマ停止時間200m秒のRFオン/オフサイクルおよび50
ワットのピーク電力の条件下で、実施例1のモノマーを
シリコン支持体上に堆積されたサンプルを作製した。こ
の塗膜に対してXPS分析を行ったところ、炭素原子と酸
素原子との結合が、炭素原子間の結合よりも確実に多い
ことが判明した。次に、長期安定性を調べるために、こ
うして作製したサンプルを空気に10ヶ月間曝露した。そ
の後、再び、XPSによりサンプルを分析した。表面上に
存在するC-C結合に対するC-O結合の相対濃度は、実際に
は僅かに増大したにすぎず、空気曝露中における表面の
変化は無視しうるものであった。このことから、この塗
料は耐久性を有することが分かった(図4(a〜b))。
【0082】(実施例13)実施例1の記載に従って石英
支持体上に堆積させたサンプルを作製した。UV-VIS分光
測定によりこの塗膜を解析したところ、電磁スペクトル
の全可視領域380nm〜800nmにわたり完全に光を透過する
ことが分かった。
【0083】(実施例14)プラズマ発生時間/プラズマ
停止時間の比を1/20に固定した状態でプラズマ発生時
間およびプラズマ停止時間をそれぞれ100m秒〜10μ秒お
よび2000m秒〜200μ秒の間で変化させ、実施例1に従っ
てDacronTM支持体上に堆積させたサンプルを作製した。
いずれの実験においても、ピーク電力は50ワット、EO2V
モノマーの流量および反応器圧力は一定であった。XPS
高解像度C(1s)スペクトルから、これらの実験では、平
均電力を2.4ワットに固定した状態でプラズマ発生時間
およびプラズマ停止時間を変化させた場合、プラズマ堆
積塗膜中のエーテル成分の残存率が変化することが分か
った(図5(a〜e))。
【0084】(実施例15)プラズマ発生時間およびプラ
ズマ停止時間をそれぞれ10μ秒および400μ秒として、
実施例1に従ってサンプルを作製した。この場合にも、C
-C結合よりも多いC-O結合を含有した湿潤性の大きい表
面が得られた。このことから、極めて短いパルス時間
(すなわち、マイクロ秒)で有用な塗膜が製造できるこ
とが分かった。
【0085】
【発明の効果】非汚れ吸着性塗料を含む装置が提供され
る。本発明の塗料は、均一でピンホールがなく、湿潤性
であり、抽出物がなく、化学的に安定である表面を付与
する。さらに、本発明の塗料は、電磁気スペクトルの可
視領域において優れた光学的透明性を示し、酸素透過性
であり、耐摩耗性である。本発明の塗料のこれらの特徴
は、特にバイオメディカル装置、例えば、ステント、イ
ンプラント、カテーテルなど、特にコンタクトレンズま
たは眼内レンズに対して望ましい特徴である。また、本
発明の塗料は、磁気記録媒体、磁気テープ、磁気ディス
ク、細胞培養床、診断試薬用担体、バイオセンサーおよ
び人工臓器(人工血管、人工骨など)の表面コーティン
グに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】他の全てのプラズマ反応変数を一定にしたまま
で、蒸着中に使用したRFサイクルを変化させたときの
塗料の湿潤性の変化を示す図である。
【図2】他の全てのプラズマ反応変数を一定にしたまま
で、プラズマ重合したEO2V塗膜の200ワットでの
蒸着中に使用したRFサイクルを変化させたときの塗料
の変化を示す図である。下記に示す分子はプラズマ−オ
ン時間を示し、下記に示す分母はプラズマ−オフ時間を
示し、どちらもミリ秒の単位である。RFオン/オフ比
(ミリ秒)が(a)1/20、(b)1/50、(c)
1/100および(d)1/200のときに蒸着させた
塗膜に対する高分解C(1s)XPSスペクトルを示
す。
【図3】他の全てのプラズマ反応変数は一定にしたまま
で、プラズマオン/オフ比を10/200ミリ秒の一定
にして蒸着するときに使用するRFピーク電力を変化さ
せたときの塗料の湿潤性の変化を示す図である。
【図4】空気に長時間触れさせたときのEO2Vプラズ
マ塗膜の安定性を示す図である。EO2Vプラズマ塗膜
は、プラズマ−オン時間を10ミリ秒、プラズマ−オフ
時間を200ミリ秒とし、50ワットで蒸着させた。示
したスペクトルは、これらの塗膜のC(1s)XPS結
果であり、(a)空気に10ヵ月触れさせた後、および
(b)新鮮な塗膜である。
【図5】プラズマ−オンとプラズマ−オフとの比を1:
20の一定にし、50Wで行った一連の実験から得られ
たプラズマ重合EO2V塗膜のXPS高分解C(1s)
スペクトルを示す図である。なお、実際のプラズマ−オ
ンおよびプラズマ−オフパルスの幅は次のように変え
た。すなわち、(a)100ミリ秒のオンおよび200
0ミリ秒のオフ、(b)10ミリ秒のオンおよび200
ミリ秒のオフ、(c)1ミリ秒のオンおよび20ミリ秒
のオフ、(d)0.1ミリ秒のオンおよび2ミリ秒のオ
フならびに(e)0.01ミリ秒のオンおよび0.2ミ
リ秒のオフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 2/00 C08F 2/00 Z 2/34 2/34 16/00 16/00 20/10 20/10 G02C 7/04 G02C 7/04 13/00 13/00 (72)発明者 イエン・ハン、ワン アメリカ合衆国キャリフォーニア州92692、 ミッシャン・ヴィージョ、マーグリート・ パークウエイ・#341 21622番 (72)発明者 チャールズ、アー、サヴィッジ アメリカ合衆国テクサス州76013、アーリ ングタン、ヴァーシティ・サークル 136 番 (72)発明者 ユーリアン、フー アメリカ合衆国テクサス州76013、アーリ ングタン、ダブルュー・エイブラム・ #153 1020番

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体および塗料を含む装置であって、
    該塗料が少なくとも1種の有機化合物を含む気体の気相
    重合によって形成され、該気相重合はサイクルを約1/
    5未満としてパルス化し、パルス−オン時間が約100
    ミリ秒未満であり、パルス−オフ時間が約2000ミリ
    秒未満であり、該有機化合物が下記構造: 【化1】 [式中、m=0-1;n=0-6;YはC=Oを表し;R1
    2、R3、R4、R5、R6およびR7は各々独立して、
    H、OH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4アル
    ケン、C1 〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、C1〜C4
    アルコキシ、またはC1〜C4ハロゲン化アルキルを表
    し;R8はH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4
    アルケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、C1〜
    C4ハロゲン化アルキル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C
    4ケトン、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン酸、
    C1〜C4エステル、−CH=CHR9(R9は、H、ハロ
    ゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲン化アルキ
    ル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜C4ア
    ルコキシル、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン酸
    またはC1〜C4エステルである。)または−OR10(R
    10はH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルケ
    ン、C1〜C4ジエン、C1〜C4 アルキン、C1〜C4ハ
    ロゲン化アルキル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケト
    ン、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン酸またはC
    1〜C4エステルである。)を表す。]を有する装置。
  2. 【請求項2】 前記有機化合物が下記構造式: 【化2】 [式中、R'、R''、R'''およびR''''は、各々独立し
    て、H、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖アルキルを表
    し、nは1〜5である。]から成る群から選択される、
    請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記サイクルが約1/10〜約1/10
    00であり、パルス−オン時間が約1μ秒〜約100ミ
    リ秒であり、パルス−オフ時間が約10μ秒〜約200
    0ミリ秒である、請求項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記有機化合物がジ(エチレングリコー
    ル)ビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジビニ
    ルエーテルまたはジ(エチレングリコール)メチルビニ
    ルエーテルである、請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記支持体がコンタクトレンズである、
    請求項1に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記気相重合が高電圧放電、高周波、マ
    イクロ波;電離線誘導プラズマ重合;もしくは光誘導重
    合;またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載
    の装置。
  7. 【請求項7】 前記塗料を、気相重合のサイクルを規則
    的に減少させることにより勾配層にする、請求項1に記
    載の装置。
  8. 【請求項8】 支持体および塗料を含む装置であって、
    該塗料が少なくとも1種の有機化合物を含む気体の気相
    重合によって形成され、該気相重合は可変サイクルを各
    々約1/5未満としてパルス化し、パルス−オン時間が
    約100ミリ秒未満であり、パルス−オフ時間が約20
    00ミリ秒未満であり、該有機化合物が下記構造: 【化3】 [式中、m=0-1;n=0-6;YはC=Oを表し;R1
    2、R3、R4、R5、R6およびR7は各々独立して、
    H、OH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4アル
    ケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、C1〜C4ア
    ルコキシ、またはC1〜C4ハロゲン化アルキルを表し;
    8はH、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4アル
    ケン、C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、C1〜C4ハ
    ロゲン化アルキル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケト
    ン、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン酸、C1〜
    C4エステル、−CH=CHR9(R9は、H、ハロゲ
    ン、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロゲン化アルキル、
    C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜C4アルコ
    キシル、C1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン酸また
    はC1〜C4エステルである。)または−OR10(R10
    H、ハロゲン、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルケン、
    C1〜C4ジエン、C1〜C4アルキン、C1〜C4ハロゲン
    化アルキル、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C
    1〜C4エポキシド、C1〜C4カルボン酸またはC1〜C4
    エステルである。)を表す。]を有する装置。
  9. 【請求項9】 前記有機化合物が下記構造式: 【化4】 [式中、R'、R''、R'''およびR''''は、各々独立し
    て、H、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖アルキルを表
    し、nは1〜5である。]から成る群から選択される、
    請求項8に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記サイクルが約1/10〜約1/1
    000で変化し、パルス−オン時間が約1μ秒〜約10
    0ミリ秒で変化し、パルス−オフ時間が約10μ秒〜約
    2000ミリ秒で変化する、請求項8に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記有機化合物がジ(エチレングリコ
    ール)ビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジビ
    ニルエーテルまたはジ(エチレングリコール)メチルビ
    ニルエーテルである、請求項8に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記支持体がコンタクトレンズであ
    る、請求項8に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記気相重合が高電圧放電、高周波、
    マイクロ波;電離線誘導プラズマ重合;もしくは光誘導
    重合;またはそれらの組み合わせである、請求項8に記
    載の装置。
  14. 【請求項14】 前記塗料を、気相重合のサイクルを規
    則的に減少させることにより勾配層にする、請求項8に
    記載の装置。
  15. 【請求項15】 固体支持体に塗料をプラズマ蒸着する
    方法であって、炭素、水素および酸素元素ならびにビニ
    ル部分を有する有機化合物を、サイクルが約1/5未満
    であり、パルス−オン時間が約100ミリ秒未満であ
    り、パルス−オフ時間が約2000ミリ秒未満であるパ
    ルス放電を利用して気相重合することを含む方法。
  16. 【請求項16】 前記サイクルが約1/10〜約1/1
    000であり、パルス−オン時間が約1μ秒〜約100
    ミリ秒であり、パルス−オフ時間が約10μ秒〜約20
    00ミリ秒である、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記有機化合物がジ(エチレングリコ
    ール)ビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジビ
    ニルエーテルまたはジ(エチレングリコール)メチルビ
    ニルエーテルである、請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記支持体がコンタクトレンズであ
    る、請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記気相重合が高電圧、高周波、マイ
    クロ波;電離線誘導プラズマ重合;もしくは光誘導重
    合;またはそれらの組み合わせである、請求項15に記
    載の方法。
  20. 【請求項20】 前記パルス放電が一連の可変サイクル
    を含む、請求項15に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記有機化合物がさらにハロゲン元素
    を有する、請求項15に記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項15に記載の方法によって製造
    される装置。
JP10238035A 1997-08-08 1998-08-10 非汚れ吸着性湿潤性コーティング装置 Pending JPH11181330A (ja)

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