JP2003050378A - 眼科用物品の製造方法並びに製造装置 - Google Patents

眼科用物品の製造方法並びに製造装置

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JP2003050378A JP2001238672A JP2001238672A JP2003050378A JP 2003050378 A JP2003050378 A JP 2003050378A JP 2001238672 A JP2001238672 A JP 2001238672A JP 2001238672 A JP2001238672 A JP 2001238672A JP 2003050378 A JP2003050378 A JP 2003050378A
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哲次 河合
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた親水性と耐汚染性を有する眼科用物品
を、より効率的に製造し得る技術を提供する。 【解決手段】 大気圧下でプラズマを発生せしめて、外
部に吹出させ得るように構成されたプラズマ発生装置2
0,20を用い、かかるプラズマ発生装置20,20か
ら吹き出されるプラズマを、該プラズマ発生装置20,
20外に配置された基材10の表面に、大気圧下で照射
して、該基材10の表面を活性化させ、その後、該活性
化された基材10の表面に、モノマー蒸気含有ガスを接
触せしめて、該ガス中のモノマーを該基材10の表面に
吸着させると共に、該表面に吸着せしめられたモノマー
を、重合開始剤を用いることなく、紫外線による光重合
を行なうことにより、該表面に、グラフト重合体層を形
成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、眼科用物品の製造方法並びに製
造装置に係り、特に、親水性(水濡れ性)と耐汚染性と
を有する眼科用物品を有利に製造する方法と、それによ
って得られる眼用レンズ、更には、そのような眼科用物
品の製造方法の実施に際して好適に用いられる製造装置
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、コンタクトレンズや眼内レンズ
等の眼用レンズ、或いは人工角膜等の、所謂眼科用物品
の表面における親水性(水濡れ性)の低下や、タンパク
質、脂質等の汚れ付着等は、装用感を低下させるだけで
なく、様々な眼疾患等を惹起せしめる原因の一つとし
て、問題視されている。このため、そのような眼科用物
品の表面の親水性と汚れ付着性を改善する方法が、種々
検討されており、その中でも、プラズマ処理を利用し
て、眼科用物品の表面に特定の被膜状の重合体層を形成
することによって、該表面を改質する方法が、近年、数
多く提案されてきている。
【0003】例えば、特開平11−181330号公報
や、特開2000−351862号公報、特表2000
−503044号公報等には、減圧された所定の反応容
器内に、コンタクトレンズや眼内レンズ、人工角膜等の
眼科用物品を与える基材を配置すると共に、適当なモノ
マーの蒸気を含むガスを導入した状態下で、かかるモノ
マーをプラズマ重合することによって、反応容器内の基
材の表面に、親水性に優れ、且つ汚れ付着性が小さな被
膜(塗膜)形態を有する重合体層を形成し、それによっ
て、優れた親水性と耐汚染性を有するように、表面が改
質された眼科用物品を得る技術が、明らかにされてい
る。そして、そのような技術にて得られる眼科用物品に
あっては、単に、表面をプラズマと接触させて、改質し
ただけのものに比して、親水性と耐汚染性がより有利に
高められ得るといった特徴が実現されるのである。
【0004】しかしながら、このような眼科用物品の製
造技術においては、基材表面に親水性の重合体層を形成
するために、モノマー蒸気のプラズマ重合が、密閉され
た反応容器内において、減圧下で行なわれるようになっ
ているところから、バッチ処理方式の如く、目的とする
眼科用物品を、1回の生産サイクルで、反応容器内に収
容可能な決められた個数だけしか得られず、流れ作業方
式のように、一連の生産工程で、目的物品を次々と連続
的に得ることは、到底、期待し得なかったのであり、し
かも、それら決められた個数のものを得るに際しては、
その度毎に、反応容器内を減圧状態と為すための作業や
減圧状態を再び常圧状態に戻すための余分な作業を一々
行なわければならず、それによって、生産効率及び作業
性が著しく低下するといった、別の大きな問題を内在し
ているのである。しかも、減圧下の反応容器内における
モノマーの重合であるために、生成した重合体が容器内
壁に付着したり、減圧系に侵入したりすることによっ
て、容器内の掃除が必要となり、また減圧系(機器)へ
の重合体の侵入により、機器の故障を惹起したりする場
合もあり、更には、モノマーの損失という経済的に重大
な問題も有している。
【0005】その上、上述の如き公報に記載された眼科
用物品の製造技術にあっては、基材が、モノマー蒸気の
雰囲気中でプラズマ処理されることになるため、該基材
表面に対して、重合体層を均一に形成し難く、それ故
に、得られる眼科用物品の表面の改質が不均一となって
しまう恐れさえもあったのである。
【0006】一方、特開平5−80276号公報や、特
開平6−49251号公報、特開平10−80276号
公報等には、所定のプラズマ装置内に配置されたコンタ
クトレンズを与える基材の表面を、減圧下においてプラ
ズマ処理して、該表面を活性化した後、かかる基材の表
面に気体状若しくは液体状の重合性モノマーを接触せし
めて重合させ、該基材表面に、親水性被膜となるグラフ
ト重合体層を形成することにより、表面が改質された、
目的とするコンタクトレンズを得る技術が明らかにされ
ている。
【0007】しかしながら、このようなコンタクトレン
ズの製造技術においても、また、基材表面に対するプラ
ズマ処理が、減圧されたプラズマ装置内で実施されるよ
うになっているところから、目的とするコンタクトレン
ズが、前述の如き余分な減圧作業を伴うバッチ方式によ
って製造されることとなり、それ故に、前記した眼科用
物品の製造の場合と同様な問題を内在しており、かかる
コンタクトレンズを効率的に得ることは、極めて困難で
あったのである。また、そこにおいて、基材の表面に対
するプラズマ処理と重合体層の形成とを段階的に実施す
るに際して、重合体層の形成をプラズマ装置外にて行な
うようにした場合には、プラズマ装置からの取出しに時
間がかかるために、プラズマ処理された基材表面に存在
するラジカルが空気中の酸素によって失活せしめられ
て、モノマーの重合性に悪影響をもたらす問題があり、
更に開始剤を添加したモノマー液を用いて、基材表面に
モノマーを供給する場合にあっては、そのようなモノマ
ー液の経時変化に注意して、一定期間毎にモノマー液を
交換する必要が生じ、それによって、モノマーの損失を
惹起する問題があったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、表面に、親水性と耐汚染性を有する重合
体層(被膜)が均一に形成されて、親水性と耐汚染性等
において優れた特徴を発揮する眼科用物品を、より効率
的に製造することが出来る方法と、かかる特徴を有する
眼用レンズ、更には、そのような眼科用物品の製造方法
の実施に際して有利に用いられる製造装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、(a)目的とする眼科用物品を与える基
材を準備する工程と、(b)プラズマ発生装置の電極間
に大気圧下においてプラズマを発生せしめる一方、かか
る発生したプラズマを、該プラズマ発生装置の電極間か
ら外部に吹き出させて、該プラズマ発生装置外に配置し
た前記基材の表面に照射することにより、該基材の表面
を活性化せしめる工程と、(c)前記プラズマ照射によ
り活性化された基材の表面に、少なくとも1種のモノマ
ー蒸気を含むガスを接触せしめて、該モノマーを吸着さ
せると同時に、若しくはその後に、重合開始剤を用いる
ことなく、紫外線による光重合を行なうことにより、該
表面に、グラフト重合体層を形成する工程とを含むこと
を特徴とする眼科用物品の製造方法を、その要旨とする
ものである。
【0010】要するに、この本発明に従う眼科用物品の
製造方法にあっては、目的とする眼科用物品を与える基
材を、プラズマ発生装置外に配置した状態下で、該基材
の表面に対するプラズマ処理(照射)を行なって、該表
面を活性化し、その後、活性化された基材の表面に、少
なくとも1種のモノマー蒸気を含むガスを接触せしめ
て、該モノマーを該基材表面に吸着させる一方、該モノ
マーの重合を行なって、該基材の表面に、親水性と耐汚
染性に優れたグラフト重合体層を形成することにより、
該基材の表面を改質して、目的とする眼科用物品を得る
ようにしたものなのである。
【0011】このように、かかる本発明手法において
は、先ず、基材の表面に対するプラズマ処理により、該
表面を活性化し、次いで、活性化された基材の表面にモ
ノマーを吸着させ、そしてそれと同時に、若しくはその
後に、かかるモノマーを重合させて、該基材表面にグラ
フト重合体層を形成するようにしたものであるところか
ら、かかる重合体層をモノマーのプラズマ重合によって
形成する場合とは異なって、基材の表面に、グラフト重
合体層をより均一に形成することが出来、また、モノマ
ーの重合が、重合開始剤を用いない光重合によって実施
されるものであるにも拘わらず、基材の表面に吸着され
たモノマーが速やかに且つ効果的に重合せしめられ得る
のであり、それによって、基材表面の改質が、均一に且
つ効率的に行なわれ得るのである。
【0012】また、本発明に従う眼科用物品の製造方法
にあっては、大気圧下で発生せしめられたプラズマが、
プラズマ発生装置外に配置された基材の表面に吹き付け
られて、照射されることによって、プラズマ処理が行な
われるようになっているため、密閉された反応容器内に
基材を配置したバッチ処理方式により、減圧下におい
て、基材表面に対するプラズマ処理を行なうようにした
従来手法とは異なって、プラズマ処理のために、反応容
器を用いる必要がなく、それ故に、反応容器内を減圧し
たり、常圧に戻したりする作業も有利に省略することが
出来、以て、作業工数の削減や作業時間の短縮が、効果
的に図られ得るのであり、更には、生成した重合体が容
器内壁に付着したり、減圧系に侵入したりするようなこ
とが、効果的に回避され得て、そのような重合体の容器
壁への付着や減圧系への侵入等によって惹起される数々
の問題の発生も、有利に皆無ならしめられ得るのであ
る。
【0013】そして、そのように、本発明手法では、基
材の表面に対するプラズマ処理、更には該表面へのグラ
フト重合体層の形成工程が、プラズマ装置外において、
反応容器等を何等用いることなく実施され得るため、例
えば、多数の基材を所定の保持具等にそれぞれ保持させ
た状態で、かかる基材の表面をプラズマに接触させて、
プラズマ処理するプラズマ処理域と、プラズマ処理され
た基材の表面にモノマー蒸気を接触させると共に、該モ
ノマーを重合させる重合処理域とに、次々と搬送するよ
うに為せば、目的とする眼科用物品を、流れ作業方式の
ように、連続的に得ることが可能となるのである。
【0014】しかも、本発明に従う眼科用物品の製造方
法にあっては、プラズマ処理により活性化された基材の
表面に、モノマー蒸気を含むガスを接触させることによ
り、上述の如く、該表面に吸着せしめられたモノマー
を、重合開始剤を用いることなく、単に、紫外線により
光重合せしめることによって、該表面にグラフト重合体
層を均一に且つ十分に形成するようにしたものであると
ころから、例えば、プラズマ処理により活性化された基
材の表面を、適当な重合開始剤を含むモノマーの溶液中
に浸漬等して、グラフト重合体層を形成する場合とは異
なり、大量の排液が生ずるようなこともなく、それ故
に、かかるグラフト重合体層の形成工程が、少ないモノ
マー消費量で、迅速且つスムーズに実施され得るのであ
る。
【0015】従って、かくの如き本発明に従う眼科用物
品の製造方法によれば、表面に、親水性と耐汚染性を有
する重合体層が均一に且つ十分に形成され、以て、親水
性、湿潤性、保水性、耐汚染性、及び生体適合性におい
て優れた特徴を発揮する眼科用物品を、可及的に少ない
作業工数と作業時間とにおいて、より容易に且つ効率的
に製造することが出来るのである。
【0016】なお、このような本発明に従う眼科用物品
の製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記光重合
に使用される前記紫外線の波長が、250〜400nm
とされ、それによって、グラフト重合体層が、基材の表
面に対して、より確実に形成され得るのである。
【0017】また、本発明に従う眼科用物品の製造方法
の別の望ましい態様の一つによれば、前記プラズマ照射
により活性化された基材の表面に接触せしめられるガス
が、少なくとも1種の親水性モノマーの蒸気を含むよう
にされ、更に、有利には、かかる少なくとも1種の親水
性モノマーの蒸気が、前記ガス中に、飽和状態で含まれ
るようにされる。これによって、基材の表面により優れ
た親水性が付与され得ることとなる。
【0018】更にまた、本発明に従う眼科用物品の製造
方法の有利な他の態様の一つによれば、前記プラズマ照
射により活性化された基材の表面に接触せしめられるガ
スとして、不活性ガスが用いられることとなる。これに
よって、モノマーの重合が、より安定的に実施され得
る。
【0019】また、本発明に従う眼科用物品の製造方法
の望ましい他の態様の一つによれば、前記基材の表面に
対する前記プラズマの照射の後、30秒以内に、前記少
なくとも1種のモノマー蒸気を含むガスとの接触を行な
い、該基材の表面への該モノマーの吸着を行なうように
され、更に、有利には、前記基材の表面に対する前記プ
ラズマの照射の開始から、前記光重合による該基材の表
面における前記グラフト重合体層の形成までを、解放系
において、200秒以内で行なうようにされることとな
る。これにより、基材の表面に対するプラズマ処理にて
該基材表面に生成されるラジカルと、該基材表面に吸着
されるモノマーとが、確実に且つ安定的に反応せしめら
れ得、以て、該表面に対して、グラフト重合体層が、更
に一層確実に且つ均一に形成され得るのである。
【0020】更にまた、本発明に従う眼科用物品の製造
方法の別の好ましい態様の一つによれば、前記基材が、
ケイ素含有モノマー及びフッ素含有モノマーの中から選
ばれた少なくとも1種のモノマーを含有した重合成分を
重合させて得られる共重合体にて形成される。これによ
って、より一層優れた耐汚染性と高度な酸素透過性を有
する眼科用物品が得られることとなる。
【0021】また、本発明に従う眼科用物品の製造方法
においては、有利には、前記基材として、含水性の眼用
レンズを与えるものが、準備され、それによって、含水
性を有するために、比較的に汚染され易い眼用レンズに
対して、優れた耐汚染性が有効に付与され得ることとな
る。
【0022】そして、本発明にあっては、上述の如き製
造方法によって製造された眼用レンズをも、その要旨と
するものである。この本発明に従う眼用レンズにあって
は、表面に、親水性と耐汚染性を有する重合体層が均一
に形成されて、親水性、湿潤性、保水性、耐汚染性、及
び生体適合性において優れた特徴が、発揮され得るので
ある。
【0023】また、本発明にあっては、前述の如き課題
の解決のために、目的とする眼科用物品を与える基材の
表面にグラフト重合体層を形成して、該表面を改質せし
めることにより、該目的とする眼科用物品を、一連の工
程において製造する装置であって、(a)電極間で大気
圧下においてプラズマを発生せしめる一方、かかる発生
したプラズマを、該電極間に導びかれた導入ガスによっ
て、該電極間から外部に吹き出し得るように構成された
プラズマ発生手段と、(b)該プラズマ発生手段に続い
て、それよりも下流側に配置された、少なくとも1種の
モノマー蒸気を含むガスを吹き出させるガス吹出手段
と、(c)前記プラズマ発生手段に続いて、それよりも
下流側に配置された、紫外線を照射する紫外線照射手段
と、(d)前記基材を、その少なくとも改質されるべき
表面が大気中に露出せしめられるように、着脱可能に保
持する保持手段と、(e)該保持手段を、前記プラズマ
発生手段、前記ガス吹出手段、及び前記紫外線照射手段
に対して順次相対移動せしめることにより、該保持手段
に保持された前記基材を、先ず、該プラズマ発生手段か
ら吹き出される前記プラズマの吹出し位置に搬送し、次
いで該ガス吹出手段から吹き出される前記モノマー蒸気
含有ガスの吹出し位置、及び該紫外線照射手段から照射
される前記紫外線の照射位置に順次搬送せしめ得るよう
に構成された搬送手段とを有し、かかる搬送手段による
搬送によって、前記保持手段に保持された前記基材の大
気中に露出せしめられた表面に対して、先ず、前記プラ
ズマを照射して、該表面が活性化せしめ、次いで、該活
性化された表面に、前記モノマー蒸気含有ガスを接触せ
しめて、かかるガス中のモノマーを、該表面に吸着させ
ると同時に、若しくはその後に、該表面に前記紫外線を
照射せしめることによって、重合開始剤を用いることな
く光重合を行い、該表面に、前記グラフト重合体層を形
成するように構成したことを特徴とする眼科用物品の製
造装置をも、その要旨とするものである。
【0024】すなわち、このような本発明に従う眼科用
物品の製造装置にあっては、目的とする眼科用物品を与
える基材を、保持手段にて保持した状態下で、搬送手段
にて搬送することによって、先ず、該基材の表面に対し
て、プラズマ発生手段から吹き出されるプラズマを大気
圧下で照射して、該基材表面を活性化し、次いで、該活
性化された基材表面に、ガス吹出手段から吹き出される
モノマー蒸気含有ガスを接触せしめて、かかるガス中の
モノマーを基材表面に吸着せしめる一方、該基材表面に
吸着されたモノマーに対する紫外線照射手段からの紫外
線の照射により、重合開始剤を用いることなく、かかる
モノマーを光重合せしめて、該基材表面に、優れた親水
性と耐汚染性を有するグラフト重合体層を形成するよう
に構成されているのである。
【0025】それ故、かかる本発明装置においては、基
材の表面に対するプラズマ処理とグラフト重合体層の形
成とを段階的に実施することが出来、それによって、基
材の表面にグラフト重合体層を均一に形成して、該基材
表面を、より均一に改質することが出来るのである。
【0026】また、本発明に従う眼科用物品の製造装置
にあっては、保持手段により、改質されるべき表面が大
気中に露出せしめられるように保持された基材を、単
に、搬送手段にて搬送するだけで、かかる基材の表面に
対して、大気圧下でプラズマが照射されるようになって
いるため、基材表面を減圧下でプラズマ処理するように
した従来装置とは異なって、基材を所定の反応容器等の
中に収容して、該反応容器内を減圧したり、常圧状態に
戻したりする必要がないのであり、それによって、かか
る反応容器やその内圧を減ずる減圧装置などが不要とな
り、以て、装置全体の構造が、極めて有利に簡素化され
得るのである。
【0027】そして、かかる本発明装置においては、単
に、基材が保持された保持手段を搬送手段にて搬送する
だけで、基材表面がプラズマ処理され、更に該表面に、
グラフト重合体層が形成されるようになっているところ
から、目的とする眼科用物品を、流れ作業方式で、連続
的に製造することが出来るのである。
【0028】しかも、本発明に従う眼科用物品の製造装
置にあっては、ガス吹出手段から吹き出されるガスに含
まれるモノマー蒸気中のモノマーを、基材の表面に吸着
せしめ、また、かかるモノマーを、重合開始剤を用いる
ことなく、紫外線により光重合することによって、基材
表面にグラフト重合体層が形成されるようになっている
ところから、例えば、プラズマ処理により活性化された
基材の表面を、適当な重合開始剤を含むモノマーの溶液
中に浸漬等して、グラフト重合体層を形成するようにし
た装置とは異なり、大量の排液が生ずるようなこともな
く、グラフト重合体層が、少ないモノマー消費量で、迅
速且つスムーズに形成され得ると共に、モノマーが、基
材表面への吸着の前に、重合開始剤の存在下で重合して
しまうようなことも、有利に回避され得ることとなるの
である。
【0029】従って、かくの如き本発明に従う眼科用物
品の製造装置を用いれば、表面に、親水性と耐汚染性を
有する重合体層が均一に且つ十分に形成されて、親水
性、湿潤性、保水性、耐汚染性、及び生体適合性におい
て優れた特徴を発揮する眼科用物品が、より迅速且つス
ムーズに、しかも、より一層効率的に製造され得るので
ある。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明に係る眼科用物品の製造方法並
びに製造装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細
に説明することとする。
【0031】先ず、図1には、本発明に従う構造を有す
る眼科用物品の製造装置の一実施形態として、コンタク
トレンズの製造装置が、概略的に示されている。そし
て、この図1から明らかなように、本実施形態のコンタ
クトレンズ製造装置は、コンタクトレンズを与える基材
10を保持する搬送する搬送手段としての搬送機12
と、該基材10を保持するために該搬送機12に設けら
れた、保持手段としての保持突起14の多数(ここでは
四つのみを示す)とを有して、構成されている。
【0032】より具体的には、搬送機12は、例えば、
ベルトコンベアやチェーンコンベア、インデックステー
ブル、ターンテーブル等、従来より公知のものにて構成
され得るが、ここでは、ベルトコンベアにて構成されて
いる。そして、この搬送機12のベルト16には、前記
基材10の径よりも0.3〜1.2mm程度小さな径を
有する円形の透孔18が、互いに等間隔を隔てて、多数
形成されており、また、そのような搬送機12のベルト
16上に対して、前記保持突起14が、各透孔18の周
りを取り囲むように連続して延びる円形の突条形態をも
って、一体的に形成されているのである。
【0033】そして、多数の基材10が、それぞれ、各
透孔18を塞ぐようにして、外周縁部を各保持突起14
の内側面に係合させつつ、各保持突起14の内側に配置
されていることによって、外面(前面)をベルト16の
上方に向かって露出させる一方、内面(後面)を、各透
孔18を通じて、ベルト16の下方に向かって露出させ
て、略全表面を大気中に露出せしめた状態で、各保持突
起14に保持されると共に、そのような保持状態下で、
搬送機12の作動によるベルト16の移動に伴って、該
ベルト16の移動方向に搬送されるようになっているの
である。
【0034】また、かかる本実施形態の製造装置におい
ては、上述の如き構造とされた多数の保持突起14が設
けられた搬送機12の他に、プラズマを発生し、且つ外
部に吹き出させるプラズマ発生手段としての二つのプラ
ズマ発生器20,20と、所定のモノマー蒸気を含むモ
ノマー蒸気含有ガスを吹き出させるガス吹出手段として
のガス吹出器22と、所定の波長の紫外線を照射する紫
外線照射手段たる紫外線照射器24とが、設けられてい
る。
【0035】そして、それら3種類の機器20,22,
24のうち、プラズマ発生器20は、図2に示されるよ
うに、ヘッド26とコントローラ28と作動ポンプ30
とを有しており、また、ヘッド26は、全体として、長
手の筐体形状を呈し、その長手方向の一端部がプラズマ
吹出口32とされたチャンバ34を更に有して構成され
ている。そして、かかるチャンバ34内には、プラズマ
吹出口32の形成部位に、一対の電極36,38が、そ
れぞれの先端部を外部に露出せしめ、且つそれら各先端
部を、該長手方向と直角な方向において、互いに所定距
離を隔てて対向せしめた状態で設けられており、また、
プラズマ吹出口32側とは反対側から内部に突入せしめ
られたガス導入管40が、該プラズマ吹出口32側に向
かって延出し、且つその先端開口部からなる吐出口42
を、プラズマ吹出口32に設けられた電極36,38
の、外部に露出せしめられた各先端部の間に向かって開
口するように配設されている。
【0036】一方、ヘッド26とは別に配置されたコン
トローラ28は、所定の制御回路44と高圧電源46を
内蔵しており、この高圧電源46が、制御回路44を介
して、ヘッド26内に設けられた電極36,38に接続
されている。また、コントローラ28と同様に、ヘッド
26とは別に配置された作動ポンプ30は、ヘッド26
内に突入した配設されたガス導入管40の吐出口42と
は反対側の開口端部に対して接続されている。
【0037】かくして、プラズマ発生器20にあって
は、ヘッド26内の電極36,38間に、コントローラ
28の高圧電源46より、制御回路44を介して、所定
の電圧を印加し、大気圧下で、電極36,38間に空気
乃至は所定のガスを存在せしめて、グロー放電せしめる
ことによって、プラズマが発生せしめられるようになっ
ているのであり、また、そのような状態下で、作動ポン
プ30を作動せしめて、所定の作動ガスを、適当な流量
において、ガス導入管40を内に流通せしめ、そして、
吐出口42を通じて、電極36,38間に吐出せしめる
ことにより、それら電極36,38間で発生せしめられ
たプラズマが、ヘッド26のプラズマ吹出口32から外
部に吹き出され得るようになっているのである。
【0038】一方、ガス吹出器22は、図1において概
略的に示されるように、モノマー蒸気含有ガスを生成す
る蒸気生成部48と、該蒸気生成部48に対して、連通
管50を通じて連通せしめられ、該蒸気生成部48にて
生成されるモノマー蒸気含有ガスを、所定の圧力にまで
加圧して、冷却する除冷部52と、該除冷部52にて加
圧、冷却されたモノマー蒸気含有ガスを噴射せしめる噴
射部54とを有して、構成されている。
【0039】すなわち、蒸気生成部48は、蒸気とされ
るべきモノマー液56が収容され、且つモノマー液56
の液面上において前記連通管50の一端部に接続された
収容器58と、該収容器58内のモノマー液56を40
〜50℃程度に加温して、蒸気となすヒータ60と、生
成されるモノマー蒸気と混合せしめられて、モノマー蒸
気含有ガス62を生成するための窒素ガス等の所定のガ
スを供給するガス供給管64とを、更に含んで構成され
ている。また、除冷部52は、前記連通管50の他端部
が接続されたチャンバ66を有しており、更に、このチ
ャンバ66には、開閉弁68を介して外部に開口する開
口部70が、設けられている。更にまた、噴射部54
は、一端部が除冷部52に接続せしめられて、該除冷部
52内のモノマー蒸気含有ガス62を導く流通管路71
を有している。また、この流通管路71は、その長さ方
向の中間部分で二つに分岐せしめられており、それらの
二つの分岐管の先端部には、除冷部52から導びかれた
モノマー蒸気含有ガス62を外部に向かって吹き出させ
るノズル72が、それぞれ設けられている。
【0040】これによって、ガス吹出器22にあって
は、蒸気生成部48で、モノマー蒸気と窒素ガス等が混
合されてなるモノマー蒸気含有ガス62を生成し、更
に、この生成されたモノマー蒸気含有ガス62を、連通
管50を通じて除冷部52のチャンバ66内に送り込
み、そこで、開閉弁68の開閉操作等によって、1.0
6×105〜1.52×105Pa程度の圧力に加圧する
と共に、室温にまで冷却し、そして、この加圧、冷却さ
れたモノマー蒸気含有ガス62を、噴射部54における
流通管路71の二つのノズル72,72を通じて、外部
に吹き出させ得るようになっているのである。
【0041】また、紫外線照射器24は、図1に示され
るように、全体として、筐体形態を呈するハウジング7
4を有して、成っている。そして、このハウジング74
にあっては、その内部に、公知の紫外線ランプ76が、
上下にそれぞれ一つずつ配設されており、また、その壁
部に、ガスが流通可能な導入口78が複数設けられて、
かかる導入口78を通じて、窒素ガス等の不活性ガス
が、内部に導入され得るようになっている。更に、かか
るハウジング74の側壁部には、後述する如く、前記搬
送機12に対してセットされた際に、該搬送機12のベ
ルト16を通過させるための二つの窓部80が、設けら
れている。
【0042】そして、ここでは、上述の如き構造とされ
た二つのプラズマ発生器20,20とガス吹出器22と
紫外線照射器24とが、その順番で、搬送機12に対し
て、該搬送機12による前記基材10の搬送方向の上流
側から下流側に向かって、順に位置するように、セット
されている。
【0043】つまり、搬送機12の前記搬送方向の最も
上流側において、二つのプラズマ発生器20,20が、
それぞれのヘッド26,26におけるプラズマ吹出口3
2,32を、該搬送機12のベルト16の上下に位置せ
しめるように配置されており、また、それら二つのヘッ
ド26,26の隣りで、それよりも前記搬送方向の下流
側において、ガス吹出器22が、二つのノズル72,7
2を、ベルト16の上下に位置せしめるように配置され
ている。そして更に、二つのノズル72,72の隣り
で、それよりも前記搬送方向の下流側に、紫外線照射器
24が、搬送機12のベルト16の一部をハウジング7
4にて取り囲み、且つ該ハウジング74内の二つの紫外
線ランプ76,76が、該ハウジング74にて取り囲ま
れたベルト16の上下に位置せしめられるように配置さ
れているのである。また、これらヘッド26とノズル7
2と紫外線ランプ76の配置間隔が、搬送機12のベル
ト16上に設けられた前記多数の保持突起14の互いの
配置間隔に対応せしめられている。
【0044】かくして、本実施形態の製造装置において
は、目的とするコンタクトレンズを与える多数の基材1
0を、多数の保持突起14にそれぞれ保持させて、搬送
機12にて移動せしめることにより、各保持突起14に
保持された基材10を、二つのプラズマ発生器20,2
0における二つのヘッド26,26の各プラズマ吹出口
32,32の両方から吹出されるプラズマの吹出し位置
と、ガス吹出器22の二つのノズル72,72の両方か
ら吹き出されるモノマー蒸気含有ガスの吹出し位置と、
紫外線照射器24の二つの紫外線ランプ76,76の両
方から照射される紫外線の照射位置とに、順次搬送し
て、それら各保持突起14に保持された基材10の外面
と内面の両表面に対して、大気圧下で、プラズマとモノ
マー蒸気含有ガスと紫外線とが、それぞれ、その順番で
照射乃至は接触せしめられ得るように構成されている。
【0045】そして、かかる製造装置にあっては、各保
持突起14に保持された基材10の表面に、大気圧下に
おいて、プラズマを照射することにより、該基材10の
表面を大気圧下でプラズマ処理して、活性化せしめ、ま
た、この活性化された基材10の表面にモノマー蒸気含
有ガスを接触せしめることによって、かかるモノマー蒸
気含有ガス中のモノマーを、該基材10の表面に吸着さ
せ、更に、かくしてモノマーが吸着せしめられた基材1
0の表面に紫外線を照射することにより、重合開始剤を
何等用いることなく、かかるモノマーを光重合せしめ
て、該基材10の表面に対して、グラフト重合体層を形
成し得るようになっているのである。
【0046】なお、ここでは、上述の如く、基材10の
外面と内面の両方の表面に対して、プラズマやモノマー
蒸気含有ガスや紫外線がそれぞれ照射されるようになっ
ているところから、それら照射されたプラズマやモノマ
ー蒸気含有ガスや紫外線が、基材10における大気中に
露出せしめられた外面と内面に隈無く行き渡って、かか
る基材10の外面と内面の全面が、プラズマ処理される
と共に、該全面に対してモノマーが吸着され、更には、
該吸着されたモノマーの全てが、十分に光重合せしめら
れ得るようになっているのである。
【0047】ところで、かくの如き構造とされた本実施
形態のコンタクトレンズの製造装置を用いて、目的とす
るコンタクトレンズを製造する際には、例えば、以下の
ようにして、その操作が進められることとなる。
【0048】すなわち、先ず、目的とするコンタクトレ
ンズを与える基材10を、多数準備する。なお、ここで
準備される基材10としては、従来から公知の各種のコ
ンタクトレンズを与えるレンズ材料、例えば、非含水性
の硬質レンズ材料や含水性のハイドロゲル状のレンズ材
料が、それらの中から適宜に選択されて、用いられ得る
のである。
【0049】より詳細には、前記基材10として、例え
ば、ケイ素含有アルキル(メタ)アクリレート、ケイ素
含有スチレン誘導体、ポリシロキサンマクロモノマー等
のケイ素含有モノマー;フッ素含有アルキル(メタ)ア
クリレート等のフッ素含有モノマー;水酸基含有アルキ
ル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリル酸、N−ビニルラクタム等の
親水性モノマー;材料の硬度を調節するためのアルキル
(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレ
ン、アルキル−α−メチルスチレン等のモノマー;重合
性不飽和二重結合を2以上を有する架橋性モノマー等を
含有した重合成分を、通常の重合法にて重合させて得ら
れた共重合体からなるものが、用いられる。そして、基
材10自体の酸素透過性及び耐汚染性を考慮すると、上
記例示のものの中でも、特に、ケイ素含有モノマー及び
フッ素含有モノマーのうちから選ばれた少なくとも1種
のモノマーを含有した重合成分を重合させて得られた共
重合体からなるものが、好適に用いられることとなるの
である。なお、上記において、更に以下の記載におい
て、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/
又はメタクリレートを示す。
【0050】次いで、図1に示されるように、準備され
た多数の基材10を、それぞれ、搬送機12のベルト1
6上に設けられた各保持突起14に対して、係合させた
状態で、保持させる。このとき、保持突起14に保持さ
れた基材10は、その表面の略全面が、大気中に露出せ
しめられた状態とされる。
【0051】その後、搬送機12を作動させて、先ず、
該搬送機12のベルト16の搬送方向の最も上流側に設
けられる保持突起14に保持された基材10を、二つの
プラズマ発生器20,20におけるプラズマの吹出し位
置、つまり上下に位置する二つのヘッド26,26の各
プラズマ吹出口32,32の間にまで搬送する。そし
て、該基材10が、各プラズマ吹出口32,32の間に
到達したら、搬送機12を一旦停止し、大気圧下で、各
プラズマ吹出口32,32からプラズマをそれぞれ吹き
出させて、該基材10の内面と外面の両方の表面にプラ
ズマを照射する。これにより、かかる基材10の略全表
面にラジカルを生成せしめて、該表面を活性化せしめ
る。このとき、大気圧下において、基材10の表面にプ
ラズマが照射されることとなるため、基材10を特定の
反応容器内に収容する必要がなく、ましてや、かかる反
応容器内に基材10を収容した状態下で、該反応容器内
を減圧し、更にはその減圧状態から再び常圧に戻す操作
等を、何等行なう必要もないのであり、従って、基材1
0の表面に対するプラズマ処理が極めて迅速に且つ容易
に実施され得るのである。
【0052】なお、このような基材10の表面に対する
プラズマ処理工程では、前述せる如く、各プラズマ発生
器20からプラズマを吹き出させるために、プラズマ発
生器20のヘッド26に設けられた一対の電極36,3
8間に吐出される作動ガスが利用されることとなるが、
この作動ガスとしては、例えば、アルゴン、ヘリウム、
ネオン、窒素等の不活性ガスや酸素ガス、空気、或いは
それらを2種類以上組み合わせてなる混合ガスが用いら
れる。そして、その中でも、安定したプラズマ処理を行
なう上で、不活性ガスが、好適に使用されることとな
る。また、そのような作動ガスの吐出速度は、適宜に決
定されるところではあるものの、プラズマを基材10表
面に、十分な量で照射させつつ、プラズマの過剰な照射
による該表面へのクラック等の損傷の発生を抑えるため
に、好ましくは、10〜200L/分程度とされる。
【0053】さらに、本工程において、基材10の表面
に対するプラズマの照射時間も、特に限定されるもので
ないが、好ましくは0.5〜20秒程度とされる。何故
なら、プラズマ照射が0.5秒よりも短いと、基材10
の表面に対するプラズマの照射量が少な過ぎるため、該
基材10の表面を十分に活性化させることが出来ず、ま
た、プラズマ照射時間が20秒を越える場合には、逆
に、基材10の表面に対するプラズマの照射量が過剰と
なって、基材10の表面にクラック等の損傷が発生する
恐れが大きくなるからである。なお、基材10の表面に
対する損傷を抑制しつつ、該表面をより十分に活性化せ
しめるためには、プラズマ照射時間が、1〜5秒程度と
されていることが、より望ましい。
【0054】更にまた、本工程で、プラズマ発生器20
により、基材10の表面に対する損傷を発生させること
のないプラズマを安定的に発生させるためには、プラズ
マ発生器20のヘッド26に設けられた電極36,38
の対する印加電圧が、好ましくは10〜20kVとさ
れ、また、そのような電圧を印加する際の交流電源の周
波数が、有利には20〜30kHz程度の範囲とされる
のである。
【0055】そして、上述の如くして、搬送機12の搬
送方向の最も上流側に固定される保持突起14に保持さ
れた基材10の表面に対するプラズマ処理が終了した
ら、搬送機12を再び作動せしめて、かかる基材10
を、各プラズマ発生器20の隣りにおいて前記搬送方向
の下流側に配置されたガス吹出器22におけるモノマー
蒸気含有ガスの吹出し位置、つまりノズル72,72の
先端開口部の間まで搬送する。そして、該基材10が、
ノズル72,72の間に到達したら、搬送機12を停止
し、ノズル72,72からモノマー蒸気含有ガスをそれ
ぞれ同時に吹き出させて、前述の如きプラズマ照射によ
り活性化された基材10の表面に、該モノマー蒸気含有
ガスを接触させる。これにより、かかるガス中のモノマ
ーが、該基材10の表面に吸着せしめられるのである。
【0056】また、この基材10の表面に対するモノマ
ー蒸気含有ガスとの接触工程において、プラズマ処理さ
れた基材10を、ガス吹出器22におけるノズル72,
72の先端開口部の間まで搬送する際には、それと同時
に、該基材10を保持する保持突起14の隣りにおいて
前記搬送方向下流側に固定される別の保持突起14に保
持された基材10が、二つのプラズマ発生器20,20
における各プラズマ吹出口32,32の間まで搬送され
る。そして、プラズマ処理された基材10の表面をモノ
マー蒸気含有ガスに接触せしめる一方で、プラズマ吹出
口32,32の間まで搬送された基材10に対して、プ
ラズマ処理を、上記と同様にして実施するのである。
【0057】なお、本工程で使用されるモノマー蒸気含
有ガス中に含まれるモノマーは、特に限定されるもので
はないが、基材10の表面に吸着されるモノマーが、後
述する紫外線の照射工程で、紫外線により光重合せしめ
られることとによって、該基材10の表面に、より優れ
た親水性と耐汚染性を有するグラフト重合体層が形成さ
れるように為す上で、好ましくは、親水性モノマーが、
用いられる。そして、この親水性モノマーとしては、例
えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルアミ
ド;N−ビニルホルムアミド;N−ビニルアセトアミ
ド;アクリロイルモルホリン;N−ビニル−2−ピロリ
ドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニルカプリロラクタム、N−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチル−2−ピロリドン等のN−ビニルラ
クタム;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸;ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ポリ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポ
リアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が
挙げられ、これらが単独で、或いは2種以上混合され
て、用いられるのである。
【0058】また、本工程で用いられるモノマー蒸気含
有ガス中には、前記グラフト重合体層の架橋密度を高め
て、耐久性を向上させるために、望ましくは、上述の如
き親水性モノマーと共に、架橋性モノマーも含有せしめ
られることとなる。なお、この架橋性モノマーとして
は、例えば、重合性不飽和二重結合を2以上有するモノ
マーが挙げられ、また、その代表例として、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジアリルエーテ
ル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチ
レングリコールジアリルエーテル、テトラエチレングリ
コールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジア
リルエーテル、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
ジビニルベンゼン、ビニルベンジル(メタ)アクリレー
ト、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アク
リレート等が列挙される。そして、これらが単独で、或
いは2種以上混合されて、用いられるのである。
【0059】また、このような親水性モノマーと架橋性
モノマーの両方が含まれてなるモノマー蒸気含有ガスを
用いる場合には、グラフト密度を制御し、モノマー蒸気
含有ガスとの接触工程の後の工程で、基材10の表面に
形成されるグラフト重合体層及びグラフト鎖の機能を効
果的に発現させるという点から、モノマー蒸気含有ガス
中に、親水性モノマーの100重量部に対して、架橋性
モノマーが、好ましくは0.01重量部以上、より好ま
しくは0.05重量部以上、更に好ましくは0.1重量
部以上の割合で、含有せしめられていることが、望まし
いのである。
【0060】なお、ここで、親水性モノマーや架橋性モ
ノマー、或いはそれら以外の各種のモノマーの蒸気等を
含むモノマー蒸気含有ガスを得る際には、従来より公知
の各種の方法が採用されることとなるが、例えば、それ
らのモノマー液を、遮光された所定の容器内で加温し
て、気化せしめた中に、乾燥した適当なガスを送り込む
ことによって、目的とするモノマー蒸気含有ガスを、容
易に得ることが出来るのである。
【0061】また、上述の如く、本工程は、基材10の
表面にモノマー蒸気含有ガスを接触せしめることによっ
て、前記プラズマ処理で生成されたラジカルにより活性
化された該基材10の表面に、モノマー蒸気含有ガス中
のモノマーを吸着せしめるものであるところから、かか
るモノマーを、該表面に対して十分に且つ均一に吸着さ
せる上で、該表面の活性が低下する前に、換言すれば、
基材10の表面のラジカルが減少しないうちに、該表面
に、該モノマーを含むモノマー蒸気含有ガスを接触させ
るようにすることが望ましく、また、作業性の面から
も、可及的に速やかに、該表面をモノマー蒸気含有ガス
と接触させることが好ましい。それ故、ここでは、基材
10の表面に対するプラズマの照射工程の終了後、好ま
しくは30秒以内、より好ましくは10秒以内に、該表
面が、モノマー蒸気含有ガスと接触せしめられることと
なる。そして、このモノマー蒸気含有ガスとの接触時間
も、特に限定されるものではないものの、モノマー蒸気
含有ガス中のモノマーを基材10の表面に対して十分に
且つ均一に吸着させるために、また、迅速な作業を行な
う上で、かかる接触時間が、有利には、0.5〜10秒
程度とされ、より有利には、1〜5秒程度とされるので
ある。
【0062】次いで、かかる基材10の表面に対するモ
ノマー蒸気含有ガスとの接触工程が終了したら、搬送機
12を再び作動せしめて、該基材10を、ガス吹出器2
2の隣りにおいて搬送機12の搬送方向の下流側に配置
された紫外線照射器24における紫外線の照射位置、つ
まりハウジング74内の二つの紫外線ランプ76,76
の間まで搬送する。そして、該基材10が、二つの紫外
線ランプ76,76の間に到達したら、搬送機12を停
止して、紫外線照射位置に止められるようにする一方、
前述の如きモノマー蒸気含有ガスとの接触によりモノマ
ーが吸着された基材10の表面に、紫外線が照射される
ようにする。これにより、基材10の表面に吸着せしめ
られたモノマーを、紫外線により光重合せしめて、該表
面に、親水性と耐汚染性を有するグラフト重合体層を形
成して、該表面を改質するのである。
【0063】このように、基材10は、プラズマ照射位
置からモノマー蒸気含有ガス接触位置を経て速やかに紫
外線照射位置に移行せしめられて、該基材10表面に生
成せしめられたラジカルが有効に残存するようになって
いることにより、十分に活性化された状態に保持されて
いるため、本工程では、重合開始剤を何等用いることな
く、そこに吸着されたモノマーの光重合を速やかに開始
させることが出来るのであり、また、気層中での接触処
理にて、モノマーの使用量も可及的に少なく抑えること
が可能となるのである。
【0064】また、この基材10の表面に対する紫外線
の照射工程において、表面にモノマーが吸着された基材
10を紫外線照射器24の二つの紫外線ランプ76,7
6の間まで搬送する際には、それと同時に、該基材10
に対するモノマー蒸気含有ガスとの接触工程の実施時に
プラズマ処理された別の基材10が、ガス吹出器22の
ノズル72,72の間まで搬送され、またそれと共に、
それらとは更に別の基材10が、保持突起14に保持さ
れた状態で、プラズマ発生器20,20における各プラ
ズマ吹出口32,32の間まで搬送される。そして、表
面にモノマーが吸着された基材10に対して紫外線を照
射する一方で、プラズマ処理された基材10の表面に、
モノマー蒸気含有ガスを接触せしめると共に、それらと
は更に別の基材10の表面に対してプラズマを照射する
のである。
【0065】なお、本工程において、基材10の表面に
吸着されたモノマーを光重合させるために、該表面に照
射される紫外線の波長は、何等限定されるものではない
が、かかるモノマーを十分に重合させる上で、好ましく
は250〜400nm、より好ましくは320〜380
nmとされる。また、そのような紫外線の放射照度は、
基材10の表面の紫外線照射による劣化を防ぐ上から、
好ましくは5〜1000mW/cm2 とされ、更に、よ
り好ましくは10考慮し、10〜1000mW/cm2
とされる。
【0066】また、上述せる如く、本工程では、基材1
0の表面に生成されたラジカルが活性化されていること
により、重合されるべきモノマーが、重合開始剤を用い
ることなく、紫外線により効果的に光重合させられ得る
ところから、かかるモノマーを、重合開始剤の非存在下
において、速やかに且つ十分に重合させる上で、該モノ
マーの活性が低下する前に、該モノマーを光重合させる
ことが望ましいのであり、更に、作業性の面からも、迅
速に作業が進められることが好ましいのである。それ
故、ここでは、基材10の表面のモノマー蒸気含有ガス
との接触工程の終了後、好ましくは30秒以内、より好
ましくは10秒以内に、該表面に対して紫外線が照射さ
れることとなる。
【0067】そして、それと同様な理由から、基材10
の表面のモノマー蒸気含有ガスとの接触工程と、該表面
に対する紫外線の照射工程とを同時に実施する、つま
り、基材10の表面にモノマー蒸気含有ガスを接触させ
て、かかるガス中のモノマーを該表面に吸着させると同
時に、該表面に対して紫外線を照射するようにしても良
いのである。なお、この場合には、例えば、ガス吹出器
22のノズル72,72を、紫外線照射器24のハウジ
ング74内に挿入、配置することにより、プラズマ処理
された基材10に対して、該ハウジング74内で、モノ
マー蒸気含有ガスとの接触と紫外線の照射とが同時に且
つ容易に実施されることとなる。
【0068】また、本工程において、基材10の表面に
対する紫外線の照射時間も、適宜に決定されるところで
はあるものの、好ましくは1〜90秒程度とされる。何
故なら、紫外線照射が1秒よりも短いと、基材10の表
面に対する紫外線の照射量が少な過ぎるため、該基材1
0の表面に吸着されたモノマーの光重合が不十分となっ
て、該表面に対するグラフト重合体層の十分且つ均一な
形成が困難となるからであり、また、紫外線照射時間が
90秒を越える場合には、基材10の表面に対する紫外
線の照射工程、ひいては目的とするコンタクトレンズの
製造工程全体を無用に長期化させることとなるからであ
る。なお、同様な理由から、紫外線の照射時間は、3〜
60秒程度とされていることが、より望ましいのであ
る。
【0069】かくして、かくの如き基材10の表面への
紫外線照射工程によって、表面に、親水性と耐汚染性を
有するグラフト重合体層を均一に形成せしめ、以て、目
的とするコンタクトレンズ82を得るのである。なお、
このようにして目的とするコンタクトレンズ82を得る
際には、該コンタクトレンズ82を与える基材10の表
面に対するプラズマの照射を開始してから、紫外線照射
によるモノマーの光重合により、該基材10の表面にグ
ラフト重合体層を形成するまでを、200秒以内、好ま
しくは180秒以内、より好ましくは90秒以内で行な
うことが望ましい。そうすることによって、プラズマの
照射にて基材の表面10に生成されるラジカルの存在に
基づき、モノマー蒸気含有ガス中のモノマーが確実に且
つ安定的に重合せしめられ得るのである。即ち、基材1
0の表面に、モノマーが十分に吸着され得ると共に、か
かる吸着モノマーが紫外線により十分に光重合せしめら
れ得、以て、該表面に対して、有効なグラフト重合体層
が、より一層確実に且つ均一に形成され得ることとなる
のである。
【0070】そして、かかる基材10の表面への紫外線
照射工程が終了したら、搬送機12を再び作動せしめ
て、製造されたコンタクトレンズ82を、紫外線照射器
24の配置位置から、搬送機12による搬送方向の上流
側に搬送する一方、該コンタクトレンズ82を与える基
材10の表面に対する紫外線の照射時に、モノマー蒸気
含有ガスと接触せしめられた基材10と、プラズマ処理
された別の基材10を、紫外線照射器24における二つ
の紫外線ランプ76,76の間と、ガス吹出器22のノ
ズル72,72の間とに、それぞれ搬送し、更にそれと
共に、それらとは更に別の基材10を、保持突起14に
保持させた状態で、プラズマ発生器20,20の各プラ
ズマ吹出口32,32の間に搬送して、搬送機12を停
止する。
【0071】その後、製造されたコンタクトレンズ82
を保持突起14から取り外す一方、前記三つの基材10
の各表面に対して、紫外線やモノマー蒸気含有ガスやプ
ラズマを、それぞれ、前述と同様にして照射乃至は接触
せしめるのである。そして、引き続いて、以上の操作を
繰り返して実施し、以て、目的とするコンタクトレンズ
82を、連続的に製造するのである。
【0072】このように、本実施形態においては、先
ず、基材10の表面に対する大気圧下でのプラズマ処理
により、該表面を活性化し、次いで、活性化された基材
10の表面にモノマーを吸着させると共に、かかるモノ
マーを、重合開始剤を用いることなく、紫外線により光
重合させることにより、基材10の表面に、親水性と耐
汚染性に優れたグラフト重合体層を均一に且つ十分に、
しかも容易に形成せしめるようにしたものであるところ
から、親水性、湿潤性、保水性、耐汚染性、及び生体適
合性において優れた特徴が発揮されるコンタクトレンズ
82が、確実に且つ容易に製造され得るのである。
【0073】しかも、本実施形態では、搬送機12に固
定される多数の保持突起14のそれぞれに保持された多
数の基材10を、搬送機12の作動により、プラズマ発
生装置24のプラズマ吹出位置と、ガス吹出器22のモ
ノマー蒸気含有ガスの吹出し位置と、紫外線照射装置2
8の紫外線照射位置とに、順次、搬送し、また、それぞ
れの搬送位置で、各基材10に対して、プラズマの照射
工程と、モノマー蒸気含有ガスとの接触工程と、紫外線
の照射工程とを、それぞれ同時に実施することによっ
て、目的とするコンタクトレンズ82を連続的に製造す
るようにしたものであるところから、所定の反応容器内
に適当な個数の基材10を収容せしめて、それら適当な
個数の基材10に対して、前記三つの工程を行なうこと
で、目的とするコンタクトレンズ82を、反応容器内に
収容された個数だけ製造する場合とは異なって、目的と
するコンタクトレンズ82が、効率的に大量生産するこ
とが出来るのである。
【0074】ところで、前記実施形態では、保持手段
が、搬送機12のベルト16上に設けられた保持突起1
4にて構成されていたが、かかる保持手段は、基材を、
その少なくとも改質されるべき表面が大気中に露出せし
められるように、着脱可能に保持し得るものであれば、
その構造が、何等限定されるものではない。従って、保
持手段として、例えば、実開昭50−20652号公報
や実公平1−43697号公報、実開昭62−3532
6号公報等に開示されているレンズホルダを採用しても
良いのである。
【0075】なお、上記公報等に開示されるレンズホル
ダを保持手段として採用する場合にあっては、基材10
が、光学的中心軸乃至は幾何中心軸を水平且つ搬送機1
2による搬送方向に垂直とした状態で、保持されること
となるため、有利には、二つのプラズマ発生器20,2
0における二つのヘッド26,26の各プラズマ吹出口
32,32や、ガス吹出器22の二つのノズル72,7
2、及び紫外線照射器24の二つの紫外線ランプ76,
76が、それぞれ対応するもの同士が、プラズマ照射位
置や、モノマー含有ガス接触位置、及び紫外線照射位置
に搬送される基材10を挟んで、水平方向に位置せしめ
られるようになっていることが、望ましい。それによっ
て、基材10の略全表面に対して、水平方向から、プラ
ズマやモノマー蒸気含有ガス、紫外線が、十分に照射乃
至は接触せしめられ得ることとなるのである。
【0076】また、上記公報等に開示されるレンズホル
ダ等のように、光学的中心軸乃至は幾何中心軸が水平且
つ搬送機12による搬送方向に垂直となる状態で、基材
10を保持するようにした保持手段を用いる場合には、
例えば、かかる保持手段にて保持された基材10の表面
に対して、鉛直上方と鉛直下方のうちの何れか一方か
ら、プラズマやモノマー蒸気含有ガス、紫外線を照射乃
至は接触させるようにしても良い。そうすれば、プラズ
マを吹き出させるヘッド26や、モノマー蒸気含有ガス
を吹き出させるノズル72、更には紫外線ランプ76の
それぞれを、一つずつ用いるだけで、基材10の略全表
面に対して、プラズマやモノマー蒸気含有ガス、紫外線
を照射乃至は接触させることが可能となるのである。
【0077】さらに、前記実施形態では、モノマー蒸気
含有ガス接触位置に基材10が搬送されると、該基材1
0を上下方向に挟んで位置する、ガス吹出器22の二つ
のノズル72,72から、モノマー蒸気含有ガスが同時
に吹き出されて、該基材10の表面に対して、モノマー
蒸気含有ガスが接触せしめられるようになっていたが、
このような基材10表面とモノマー蒸気含有ガスとの接
触時には、保持突起14に保持された基材10が、モノ
マー蒸気含有ガスの吹出圧力で吹き飛ばされないように
するために、該基材10の上方からのモノマー蒸気含有
ガスの吹出しを連続的に実施する必要があるものの、該
基材10の下方からのモノマー蒸気含有ガスの吹出し
は、必ずしも連続的に実施する必要はないのである。
【0078】更にまた、プラズマ発生手段とガス発生手
段と紫外線照射手段の構造も、前記実施形態に示される
ものに、特に限定されるものでないことは、勿論であ
る。
【0079】加えて、前記実施形態では、本発明を、コ
ンタクトレンズの製造装置及びコンタクトレンズの製造
方法に適用したものの例を示したが、本発明は、その
他、眼内レンズ等のコンタクトレンズ以外の眼用レンズ
や人工角膜等の眼科用物品の製造装置並びにかかる眼科
用物品の製造方法の何れに対しても、有利に適用され得
るものであることは、言うまでもないところである。
【0080】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0081】先ず、目的とするコンタクトレンズを与え
る基材として、市販のコンタクトレンズ[(株)メニコ
ン製:メニコンEX]を、12枚準備した。また、プラ
ズマ照射器として、(株)キーエンス製のプラズマ照射
器[ST−7000]を用い、紫外線照射器として、ウ
シオ電気(株)製の紫外線照射器[UIS−250−0
1]を用いた。また、基材の表面に吸着させるモノマー
の蒸気を含むガスとして、窒素ガスにN,N−ジメチル
アクリルアミド(DMAA)の蒸気を含有せしめてなる
DMAA蒸気含有ガスを準備した。なお、ここでは、5
0mlのDMAAモノマーが収容された褐色セパラブル
フラスコに、1.1×105 Paの圧力で窒素ガスを供
給せしめる一方で、該フラスコ内のDMAAモノマーを
45℃にまで加温して蒸気となすことにより、該フラス
コ内で、窒素ガス中にDMAAモノマーの蒸気が含有せ
しめられたDMAA蒸気含有ガスを生成させ、そして、
この生成されたDMAA蒸気含有ガスを褐色側管付分液
ロート内に導き、そこで25℃にまで冷却することによ
り、試験に供されるべきDMAA蒸気含有ガスを準備し
た。
【0082】そして、前記準備した12枚の基材のうち
の3枚を用い、それら3枚の基材の表面に対して、先
ず、前記準備したプラズマ照射器により、プラズマを大
気圧下でそれぞれ照射して、各基材の表面を活性化させ
た後、前記準備したDMAA蒸気含有ガスを、ポリフッ
化エチレン系繊維製のチューブにて導いて、該活性化さ
れた各基材の表面に、室温で接触させて、DMAAモノ
マーを、該各基材の表面に吸着させた。その後、このD
MAAモノマーが吸着せしめられた各基材の表面に対し
て、前記準備した紫外線照射器にて紫外線を照射して、
各基材の表面に吸着されたDMAAを、重合開始剤を用
いることなく光重合させ、それによって、該各基材の表
面にグラフト重合体層を形成せしめた。かくして、親水
性と耐汚染性が付与されるように表面が改質された、目
的とするコンタクトレンズを3枚を得、それらを、それ
ぞれ、実施例1〜3とした。
【0083】なお、ここでは、プラズマ照射時間:5秒
間、プラズマ照射工程からモノマー蒸気含有ガス接触工
程への移行時間:5秒間、モノマー蒸気含有ガス接触時
間:2秒間、モノマー蒸気含有ガス接触工程から紫外線
照射工程への移行時間:5秒間、紫外線照射時間:5秒
間、全工程時間:22秒間の条件下で、各工程を実施
し、また、プラズマの照射条件としては、ワークディス
タンス:6mm、印加電圧:10kV、周波数:20〜
25kHz、照射レベル:[周期:32ms、周波数:
31.25Hz、デューティ比:25%]、照射時間:
5sec、導入ガス:大気を採用した。更に、紫外線の
照射条件として、波長:365nm、照射照度:900
mW/cm2 、照射時間:5secを採用した。
【0084】また、それとは別に、前記準備された12
枚の基材のうち、残りの9枚から選んた3枚を用い、プ
ラズマ照射時間:5秒間、プラズマ照射工程からモノマ
ー蒸気含有ガス接触工程への移行時間:3秒間、モノマ
ー蒸気含有ガス接触時間:2秒間、モノマー蒸気含有ガ
ス接触工程から紫外線照射工程への移行時間:3秒間、
紫外線照射時間:10秒間、全工程時間:23秒間の条
件下において、前記実施例1〜3のコンタクトレンズの
製造工程と同様な工程を実施して、それら実施例1〜3
のコンタクトレンズとは、プラズマ照射工程、モノマー
蒸気含有ガス接触工程、及び紫外線照射工程のうちの少
なくとも一つの工程の所要時間や、それら各工程間の移
行時間等が異なり、全工程時間が異なる条件で製造され
た、目的とする別の3枚のコンタクトレンズ(実施例4
〜6)を得た。
【0085】さらに、前記準備された12枚の基材のう
ち、残りの6枚から選んだ3枚を用い、プラズマ照射時
間:5秒間、プラズマ照射工程からモノマー蒸気含有ガ
ス接触工程への移行時間:10秒間、モノマー蒸気含有
ガス接触時間:5秒間、モノマー蒸気含有ガス接触工程
から紫外線照射工程への移行時間:10秒間、紫外線照
射時間:5秒間、全工程時間:35秒間の条件下におい
て、前記実施例1〜6のコンタクトレンズの製造工程と
同様な工程を実施して、それら実施例1〜6のコンタク
トレンズとは、プラズマ照射工程、モノマー蒸気含有ガ
ス接触工程、及び紫外線照射工程のうちの少なくとも一
つの工程の所要時間や、それら各工程間の移行時間等が
異なり、全工程時間が異なる条件で製造された、目的と
する更に別の3枚のコンタクトレンズ(実施例7〜9)
を得た。
【0086】更にまた、前記準備された12枚の基材の
うちの残りの3枚を用い、プラズマ照射時間:5秒間、
プラズマ照射工程からモノマー蒸気含有ガス接触工程へ
の移行時間:30秒間、モノマー蒸気含有ガス接触時
間:2秒間、モノマー蒸気含有ガス接触工程から紫外線
照射工程への移行時間:30秒間、紫外線照射時間:2
0秒間、全工程時間:87秒間の条件下において、前記
実施例1〜9のコンタクトレンズの製造工程と同様な工
程を実施して、それら実施例1〜9のコンタクトレンズ
とは、プラズマ照射工程、モノマー蒸気含有ガス接触工
程、及び紫外線照射工程のうちの少なくとも一つの工程
の所要時間や、それら各工程間の移行時間等が異なり、
全工程時間が異なる条件で製造された、目的とする他の
3枚のコンタクトレンズ(実施例10〜12)を得た。
【0087】そして、かくして得られた12枚のコンタ
クトレンズ(実施例1〜12)の親水性(水濡れ性)を
調べるために、各コンタクトレンズ(実施例1〜12)
の接触角を、従来から公知の手法に従って、それぞれ測
定した。その結果を、グラフト処理後接触角として、下
記表1に示した。
【0088】次ぎに、それら12枚のコンタクトレンズ
(実施例1〜12)の親水性の耐久性を調べるために、
該12枚のコンタクトレンズ(実施例1〜12)の表面
を、一定の時間だけ、手指で洗浄した後、生理食塩水中
に4時間浸漬する操作を30回繰り返す処理を行ない、
その後、再び、12枚のコンタクトレンズ(実施例1〜
12)のそれぞれの接触角を測定した。その結果を、洗
浄・浸漬処理後接触角として、下記表1に併せて示し
た。
【0089】また、比較のために、実施例1〜12のコ
ンタクトレンズを与える基材と同様な基材を3枚準備す
る一方、それら実施例1〜12のコンタクトレンズの製
造に際して使用されたプラズマ照射器を用い、準備した
3枚の基材の表面に対して、プラズマ照射器により、プ
ラズマを大気圧下で照射して、各基材の表面を単に活性
化せしめただけの改質を行なった。これにより、プラズ
マ処理にて表面が活性化されてなる3枚のコンタクトレ
ンズ(比較例1〜3)を得た。なお、このときのプラズ
マの照射条件は、前記実施例1〜12を製造する際のプ
ラズマの照射条件と同一とした。そして、かくして得ら
れた3枚のコンタクトレンズ(比較例1〜3)の親水性
(水濡れ性)を調べるために、それら各コンタクトレン
ズ(比較例1〜3)の接触角を、上記と同様にして測定
した。それらの結果を、プラズマ処理後接触角として、
下記表1に併せて示した。
【0090】
【表1】
【0091】かかる表1の結果からも明らかなように、
本発明手法に従って製造された実施例1〜12のコンタ
クトレンズにあっては、基材表面に対するプラズマ処理
工程の開始から紫外線照射工程の終了までの全工程時間
が長くなればなる程、接触角が大きくなる傾向は認めら
れるものの、それぞれの接触角が、何れも、本発明手法
とは異なる手法によって製造された比較例1〜3のコン
タクトレンズの接触角に比して、明らかに小さな値とな
っている。また、本発明手法に従って製造された実施例
1〜12のコンタクトレンズにおいては、それぞれの表
面を、一定の時間だけ、手指で洗浄した後、生理食塩水
中に4時間浸漬する操作を30回繰り返す処理を行なっ
た後でも、接触角に、大きな変化が認められず、しか
も、それぞれの接触角の大きさが、比較例1〜3のコン
タクトレンズの接触角よりも、未だ小さな値となってい
る。これらのことから、本発明手法を採用すれば、親水
性(水濡れ性)に優れ、しかも、その親水性を長期に亘
って安定的に確保可能なコンタクトレンズが製造され得
ることが、明確に理解されるのである。
【0092】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う眼科用物品の製造方法によれば、表面に、親水性
と耐汚染性を有する所望のグラフト重合体層が均一に且
つ有利に形成され、以て、親水性、湿潤性、保水性、耐
汚染性、及び生体適合性において優れた特徴を発揮する
眼科用物品を、可及的に少ない作業工数と作業時間とに
おいて、より容易に且つ効率的に製造することが出来る
のである。
【0093】また、本発明に従う眼科用物品の製造装置
を用いれば、表面に、親水性と耐汚染性を有する所望の
グラフト重合体層が均一に且つ有利に形成されて、親水
性、湿潤性、保水性、耐汚染性、及び生体適合性におい
て優れた特徴を発揮する眼科用物品が、より迅速且つス
ムーズに、しかも、より一層効率的に製造され得るので
ある。
【0094】さらに、本発明に従う眼用レンズにあって
は、その表面に、親水性と耐汚染性を有するグラフト重
合体層が均一に形成せしめられており、これによって、
親水性、湿潤性、保水性、耐汚染性、及び生体適合性に
おいて優れた特徴が、発揮され得ているのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うコンタクトレンズの製造装置の一
例の要部を概略的に示す部分説明図である。
【図2】図1に示されたコンタクトレンズの製造装置に
装備されるプラズマ発生器を概略的に示す一部切欠図を
含む概略説明図である。
【符号の説明】
10 基材 12 搬送機 14 保持突起 20 プラズマ
発生器 22 ガス吹出器 24 紫外線照
射器 26 ヘッド 32 プラズマ
吹出口 48 蒸気生成部 52 除冷部 54 噴射部 72 ノズル 76 紫外線ランプ 82 コンタク
トレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02C 13/00 G02C 13/00 // C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 谷川 定康 愛知県春日井市高森台五丁目1番10 株式 会社メニコン総合研究所内 Fターム(参考) 2H006 BB01 BB02 BB03 BB07 BB09 BB10 DA00 4C081 AB22 CA13 CA27 CC06 EA15 4F073 AA01 AA08 AA32 BA18 BA19 BB02 CA01 CA13 CA14 CA65 CA69 FA01 FA03 FA08 4J026 AA17 AA43 AA47 AA48 AA50 AA61 AA76 BA07 BA17 BA25 BA28 BA29 BA30 BA32 BA39 BA40 BA50 CA09 DB06 DB36 FA05 GA02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的とする眼科用物品を与える基材を準
    備する工程と、 プラズマ発生装置の電極間に大気圧下においてプラズマ
    を発生せしめる一方、かかる発生したプラズマを、該プ
    ラズマ発生装置の電極間から外部に吹き出させて、該プ
    ラズマ発生装置外に配置した前記基材の表面に照射する
    ことにより、該基材の表面を活性化せしめる工程と、 前記プラズマ照射により活性化された基材の表面に、少
    なくとも1種のモノマー蒸気を含むガスを接触せしめ
    て、該モノマーを吸着させると同時に、若しくはその後
    に、重合開始剤を用いることなく、紫外線による光重合
    を行なうことにより、該表面に、グラフト重合体層を形
    成する工程とを、含むことを特徴とする眼科用物品の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記光重合に使用される前記紫外線の波
    長が、250〜400nmである請求項1に記載の眼科
    用物品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ照射により活性化された基
    材の表面に接触せしめられるガスが、少なくとも1種の
    親水性モノマーの蒸気を含んでいる請求項1又は請求項
    2に記載の眼科用物品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1種の親水性モノマーの
    蒸気が、前記ガス中に、飽和状態で含まれている請求項
    3に記載の眼科用物品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記プラズマ照射により活性化された基
    材の表面に接触せしめられるガスが、不活性ガスである
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の眼科用物品の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記基材の表面に対する前記プラズマ照
    射の後、30秒以内に、前記少なくとも1種のモノマー
    蒸気を含むガスとの接触を行ない、該基材の表面への該
    モノマーの吸着を行なうことからなる請求項1乃至請求
    項5の何れかに記載の眼科用物品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基材の表面に対する前記プラズマの
    照射の開始から、前記光重合による該基材の表面におけ
    る前記グラフト重合体層の形成までを、解放系におい
    て、200秒以内で行なうことからなる請求項1乃至請
    求項6の何れかに記載の眼科用物品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基材が、ケイ素含有モノマー及びフ
    ッ素含有モノマーの中から選ばれた少なくとも1種のモ
    ノマーを含有した重合成分を重合させて得られる共重合
    体にて形成されている請求項1乃至請求項7の何れかに
    記載の眼科用物品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基材が、含水性の眼用レンズを与え
    るものである請求項1乃至請求項8の何れかに記載の眼
    科用物品の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9の何れかに記載
    の方法によって製造された眼用レンズ。
  11. 【請求項11】 目的とする眼科用物品を与える基材の
    表面にグラフト重合体層を形成して、該表面を改質せし
    めることにより、該目的とする眼科用物品を、一連の工
    程において製造する装置であって、 電極間で大気圧下においてプラズマを発生せしめる一
    方、かかる発生したプラズマを、該電極間に導びかれた
    導入ガスによって、該電極間から外部に吹き出し得るよ
    うに構成されたプラズマ発生手段と、 該プラズマ発生手段に続いて、それよりも下流側に配置
    された、少なくとも1種のモノマー蒸気を含むガスを吹
    き出させるガス吹出手段と、 前記プラズマ発生手段に続いて、それよりも下流側に配
    置された、紫外線を照射する紫外線照射手段と、 前記基材を、その少なくとも改質されるべき表面が大気
    中に露出せしめられるように、着脱可能に保持する保持
    手段と、 該保持手段を、前記プラズマ発生手段、前記ガス吹出手
    段、及び前記紫外線照射手段に対して順次相対移動せし
    めることにより、該保持手段に保持された前記基材を、
    先ず、該プラズマ発生手段から吹き出される前記プラズ
    マの吹出し位置に搬送し、次いで該ガス吹出手段から吹
    き出される前記モノマー蒸気含有ガスの吹出し位置、及
    び該紫外線照射手段から照射される前記紫外線の照射位
    置に順次搬送せしめ得るように構成された搬送手段と
    を、有し、かかる搬送手段による搬送によって、前記保
    持手段に保持された前記基材の大気中に露出せしめられ
    た表面に対して、先ず、前記プラズマを照射して、該表
    面が活性化せしめ、次いで、該活性化された表面に、前
    記モノマー蒸気含有ガスを接触せしめて、かかるガス中
    のモノマーを、該表面に吸着させると同時に、若しくは
    その後に、該表面に前記紫外線を照射せしめることによ
    って、重合開始剤を用いることなく光重合を行い、該表
    面に、前記グラフト重合体層を形成するように構成した
    ことを特徴とする眼科用物品の製造装置。
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