JP3781751B2 - 親水化処理方法 - Google Patents

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本発明は、医療用器具の表面を親水性にする処理方法に関するものであり、特に表面の水濡れ性に優れたコンタクトレンズの製造に適した処理方法に関するものである。
これまで、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜、カテーテルなどの医療用器具の表面の親水性(水濡れ性)の不足および低下により、タンパク質、脂質等の汚れの付着、眼科用器具での曇りの発生、装用感の低下が問題となり、表面の親水性を改良する方法が種々検討されており、真空下プラズマ処理あるいは大気圧下プラズマ処理により器具の表面に親水性付与する重合層を形成する改質方法が提案されている。
たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3には、減圧下において重合性モノマーを含むガスを導入し、プラズマ重合させて表面を改質する方法、特許文献4、特許文献5、特許文献6には、減圧下においてプラズマ処理で活性させた基材に重合性モノマーを接触させてグラフト重合体層を形成して改質する方法などが開示されている。しかしながら、これらの減圧下プラズマ処理方法はバッチ処理であるところから生産性が低く、重合性モノマーが装置内で重合し装置の維持管理に手間がかかり、工業的に適用するには困難であり、得られる製品の表面の性能にもバラツキが大きく実用化には至っていない。
また、特許文献7、特許文献8には、大気圧下においてプラズマ処理し、次いで重合性モノマーを接触させて親水性処理する方法が提案されているが、前者の特許文献の方法では、レンズのエッジがプラズマにより損傷が発生する恐れがあり実用化には程遠いものであり、これを改良するために後者ではプラズマを網目状シートに透過させ被処理物に照射させて損傷を回避しているが、アーク放電が発生した時のリークを完全には防御出来ないため損傷の回避が不十分であり、プラズマにより当該網目シートからエッチング効果による不純物が生成し医療用器具に付着したり、網目によるプラズマ照射自体の不均一化が避けられず品質の一定した処理が困難である問題点があった。
特開平11−181330号公報 特開2000−351862号公報 特表2000−503044号公報 特開平05−080276号公報 特開平06−049251号公報 特開平10−080276号公報 特開2003−50378号公報 特開2003−50379号公報
本発明は、表面に親水性を均一に付与した医療用器具を、より簡便にかつ効率的に製造することが出来る方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、大気圧下において発生させたプラズマの照射方法、処理物の表面の活性化、親水化方法等を種々検討して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、径が25〜300mmの環状共振器の内側に周波数1〜5GHzのマイクロ波を照射して大気圧において発生させたプラズマを、ガス流により環状共振器の軸方向一端に設けた噴出ノズル部に導き、プラズマガス流を噴出ノズルから噴出させ、コンタクトレンズ基材の表面に照射することにより、当該基材の表面を親水化することを特徴とするコンタクトレンズの親水化処理方法、である。
本発明の処理方法は、簡便に、大量にかつ均一に医療用器具の表面に親水性を付与し、水濡れ性に優れた製品を安定して提供する。
以下、本願発明について具体的に説明する。
本発明は、環状共振器の内側にマイクロ波を照射して大気圧下において発生させたプラズマを、ガス流により環状共振器の軸方向一端に設けた噴出ノズル部に導き、プラズマガス流を噴出ノズルから噴出させ、医療用器具の基材の表面に照射することにより医療用器具の表面を親水化する親水化処理方法に関するものである。本発明の方法により、被処理物は、共振器から離れた位置でプラズマガス流により処理されるため、リーク放電等による基材表面の損傷が防げて、かつ環状共振器の径を大きくすることが可能であるため、広い表面にわたって均質なプラズマガス処理が可能となる。
本発明で使用するプラズマは、大気圧下に置かれた環状共振器の内側に設けられたマルチスロットからマイクロ波を共振器の中心軸方向に照射して、共振器内部に発生されたもので、1〜10kW、好ましくは2〜7kWのマイクロ波を、周波数1〜5GHz、好ましくは2〜3GHzで発生させ環状共振器に導入したものである。医療用器具の素材への熱的影響を少なくし、寸法、形状、表面粗さなどへの影響が少なく出来ることから、パルス状マイクロ波を出力して発生させたものが好ましい。環状共振器は、通常その径が25〜300mmのものが使用され、内側にプラズマが均一かつ安定になるようにスロットが配置されている。この共振器の内側に設けられた石英ガラス製の放電室内部にプラズマが発生する。プラズマの安定性、均質性、処理の生産性、経済性などから150〜180mmの共振器が好ましく使用される。
本発明で使用するプラズマは、ガス流により環状共振器部から噴出ノズル部に導き、当該プラズマ化したガス流を噴出ノズルから噴出させ処理物表面を処理する。このガス流としては空気、及びヘリウム、アルゴン、キセノン、窒素、炭酸ガスなどの不活性ガスから選ばれた1種以上のものが使用出来る。ガス流の流量は、環状共振器の径、処理する医療用器具の種類、形状、表面処理の程度などに応じて選択されるが、コンタクトレンズ、人工角膜、眼内レンズなどのような凹凸両面を有し、小さい物をする処理物の場合には、表面全体に均一にガス流が流れ、被処理物が飛ばされたり、移動したりしないように選定し、また表裏それぞれにノズルを設置して一度に全面を処理することなど目的に応じて適宜選定が可能である。この場合、表側と裏側でノズルの形状、ガス流量、方向などの条件を変えることで均一な親水化処理が一度の処理で可能となる。その流量は、通常は1〜2000リットル/分の範囲である。
本発明のプラズマ処理方法を図面で例示する。図1に示した装置において、1はマイクロ波環状共振器を示し内側に照射用のマルチスロットが設けられている。2はマイクロ波電源装置で周波数、出力を制御されたマイクロ波が共振器へ供給される。3はプラズマ放電室であり、石英製の円筒が設けられ温度制御用のジャケットで一定温度に制御されている。4および5はプラズマを医療器具に照射するための付属器具で、4はプラズマを励起させるための減圧バルブと減圧配管(4−2)およびプラズマガス流を噴射させるためのガス流導入バルブおよび配管(4−1)が設けられている。5はプラズマガス流を医療器具に噴出させるノズル部でプラズマを励起させるための閉止蓋(5−1)が設けられている。
処理する方法は、まず上部のガス流導入バルブと下部の噴射ノズル閉止蓋を閉止し、減圧装置により放電室内を約2kPaまで減圧にしてからマイクロ波電源装置からマイクロ波を共振器へ供給する。プラズマが安定した後、減圧バルブを閉止し、ガス流導入バルブを開いてプラズマ放電室内を大気圧(約101kPa)まで昇圧して、下部閉止蓋(5−1)を開いてガス導入配管からガス流を一定速度で供給する。ガス流はプラズマ放電室内でプラズマ状態に活性化され、下部噴射ノズルから大気中に噴射される。処理する医療器具は下部の噴射ノズルの下に一定速度で通過させることでプラズマ処理される。
本発明で使用するプラズマ照射の時間は、被処理物の大きさ、形態、プラズマの噴射パターン幅、プラズマ噴射ノズルからの距離、ガス流等で適宜選定されるが、コンタクトレンズの場合にはレンズ1枚あたり0.02秒〜120秒の間である。0.02秒未満では活性化が不十分で親水性化が不十分となり、また120秒を超えるとレンズが変形、欠け、クラック等の発生を起こす。好ましくは0.05〜15秒の間で、プラズマに接触する線速として10〜0.5m/分が使用される。
本発明の親水化処理は、基材の表面を大気圧のプラズマで処理して空気に触れることで活性化されるが、水を含有するガス流をプラズマ発生器内部に導くことにより、さらに短時間で均質な親水化が可能である。さらには変性処理するガスを噴出するノズルをプラズマガス噴出ノズル出口に設けて、プラズマガスと変性処理ガスを混合したガス流を、基材の表面に照射することにより効率的に処理することが出来る。具体的には、水で飽和した空気、あるいは不活性ガスをプラズマガス流に混合して表面に接触させる。また、親水性モノマーを含む空気、あるいは不活性ガスをプラズマガス流に混合して表面に接触させることも可能である。親水性のモノマーとしては、たとえば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが単独あるいは2種以上混合して使用される。また、これら親水性モノマーと共重合可能な他の(メタ)アクリレートを混合することも可能である。親水性モノマーで処理した基材はさらに紫外線照射、加熱処理等によりモノマーを基材にグラフと重合することが出来る。
本発明は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜、カテーテルなど医療器具の表面処理に使用される。このうち、コンタクトレンズは、汚れ付着防止、曇り防止、装用感の向上などから表面の水濡れ性改良が大切であり、この改良のために有効に使用できる。コンタクトレンズとしては、ポリメチルメタアクリレートなどのハードレンズ、シロキサニルメタアクリレート、フルオロアルキルメタアクリレートなどを含有する酸素透過性ハードレンズ、ブチルアクリレートなどを含有する非含水ソフトレンズ、シリコーン系エラストマーを含有する酸素透過性ソフトレンズ、シリコーン系マクロマーおよびN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの親水性モノマーを含有する酸素透過性含水ソフトレンズ、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレートなどの親水性モノマーを含有する含水ソフトレンズなど種々の素材のものが挙げられ、これらに適用が可能である。コンタクトレンズは、乾燥した状態であっても、含水状態であっても処理可能であり、前もってポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどの親水性化合物水溶液、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコールメタアクリレートなど親水性モノマー水溶液などで被覆処理したものであっても良い。
次に、実施例および参考例によって本発明をさらに具体的に説明する。
実施例で評価したコンタクトレンズの水濡れ性は、以下の方法で行った。
コンタクトレンズを垂直に保持して0.9%生理食塩水に浸漬して、静かに引き上げて10秒後のレンズに付着した生理食塩水の形態を写真で記録した。レンズのフロントカーブ面(FC面)に付着している水の状態から下記の判断基準で評価した。
ランク 水濡れの程度
3 :レンズ全面(FC面)が濡れている。
2 :レンズの2/3が濡れている。
1 :レンズの1/2が濡れている。
0 :レンズが濡れていない。(水が玉状に付着)
[実施例1]
シロキサニルメタアクリレート60重量部、トリフルオロメチルメタアクリレート20重量部、メチルメタアクリレート10重量部、メタアクリル酸5重量部、エチレングリコールジメタアクリレート5重量部に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル700ppm添加してポリプロピレン製試験管中に入れて、50℃17時間、60℃14時間加熱して重合させた後、80℃24時間加熱して後重合させて得た棒状重合体から径14.7mm、厚み5mmの形状に切削加工した。ついでコンタクトレンズ加工旋盤によりベースカーブ7.7mm、径8.8mm、パワー−3.00ディオプトリー、中心厚さ0.17mmのコンタクトレンズを製作した。このレンズの水濡れ性はランク0で、水濡れ性に劣るものであった。
当該コンタクトレンズをポリエチレン製の2本爪でレンズ両端部を保持するレンズホルダーに入れて、レンズを水平に保持した。ついでプラズマに5m/分の速度で接触させた。プラズマ照射装置はiplas社製CYRANNUS SVC−71C/6型 マイクロ波プラズマ発生源(約152mm径の環状共振器)と2.45GHz、6kWのマイクロ波電源装置を使用した。プラズマの照射は、プラズマ発生源の上部に減圧用とガス導入用のバルブを設けたフランジを取り付け、下部に減圧用の閉止蓋を有する径20mmの噴出ノズルを設けたフランジを取り付けて、まずガス導入バルブと下部閉止蓋を閉止して約2kPaまで減圧し、出力2.3kWでマイクロ波を供給してプラズマを励起させ、ついで減圧バルブを閉止してガス導入バルブを開いて約101kPa(大気圧)に昇圧させ、下部閉止蓋を開放してガス導入バルブから飽和湿度の空気を20リットル/minで導入した。
コンタクトレンズはノズル先端から5mmの位置で5m/分の速度で照射した。プラズマ処理したレンズは、ホウ酸バッファー、Caイオンキレート化剤、防腐剤、非イオン界面活性剤を含有する水溶液(以下、洗浄保存液と略す)に浸漬して保存した。処理1日後のコンタクトレンズの水濡れ性はランク3で、2ヶ月後の評価でもランク3で優れた水濡れ性であった。また、レンズのベースカーブは7.69mmと当初の値から変化が無くレンズのエッジ、表面などにキズ、欠け、汚れなどは無かった。
[実施例2]
実施例1で製作したコンタクトレンズを、実施例1と同じプラズマ照射装置を使用して10m/分の速度でプラズマに接触させた。ついでコンタクトレンズを洗浄保存液に浸漬して保存した。処理1日後のコンタクトレンズの水濡れ性はランク3で、2ヶ月後の評価でもランク2で良好な水濡れ性であった。また、レンズのベースカーブは7.7mmと当初の値から変化が無くレンズの外観も異常が無かった。
[実施例3]
実施例1で作成したコンタクトレンズを、iplas社製CYRANNUSSVC−71C/6型 マイクロ波プラズマ発生源(約152mm径の環状共振器)と2.45GHz、6kWのマイクロ波電源装置を使用して表面処理した。プラズマの照射は、プラズマ発生源の上部に減圧用とガス導入用のバルブを設けたフランジを取り付け、下部に減圧用の閉止蓋を有する径20mmの噴出ノズルと当該ノズルの周囲に変性用ガスを噴出するノズルを設けたフランジを取り付けて、まずガス導入バルブと下部閉止蓋を閉止して約2kPaまで減圧し、出力2.3kWでマイクロ波を供給してプラズマを励起させ、ついで減圧バルブを閉止してガス導入バルブを開いて約101kPa(大気圧)に昇圧させ、下部閉止蓋を開放してガス導入バルブから空気を30リットル/minで導入した。
下部噴出ノズルからのプラズマに混合する様に、変性用ガスとして40℃で水を飽和させた窒素ガスを3リットル/minで供給して、ノズル先端から10mmの位置で照射した。1m/分の速度でプラズマに接触させて処理したレンズは水に浸漬して保存した。処理1日後のコンタクトレンズの水濡れ性はランク3で、2ヶ月後の評価でもランク3で優れた水濡れ性であった。また、レンズのベースカーブは7.71mmと当初の値から変化が無くレンズのエッジ、表面などにキズ、欠け、汚れなどは無かった。
[実施例4]
実施例1で作成したコンタクトレンズを、iplas社製CYRANNUSSVC−71C/6型 マイクロ波プラズマ発生源(約152mm径の環状共振器)と2.45GHz、6kWのマイクロ波電源装置を使用して表面処理した。プラズマの照射は、プラズマ発生源の上部に減圧用とガス導入用のバルブを設けたフランジを取り付け、下部に減圧用の閉止蓋を有する径20mmの噴出ノズルと当該ノズルの周囲に変性用ガスを噴出するノズルを設けたフランジを取り付けて、まずガス導入バルブと下部閉止蓋を閉止して約2kPaまで減圧し、出力2.3kWでマイクロ波を供給してプラズマを励起させ、ついで減圧バルブを閉止してガス導入バルブを開いて約101kPa(大気圧)に昇圧させ、下部閉止蓋を開放してガス導入バルブから空気を20リットル/minで導入した。
下部噴出ノズルからのプラズマに混合する様に、変性用ガスとして水に10重量%溶解したN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド水溶液に窒素ガスを40℃で導入したガスを2リットル/minで供給して、ノズル先端から10mmの位置で照射した。1m/分の速度でプラズマに接触させて処理したレンズは水に浸漬して保存した。処理1日後のコンタクトレンズの水濡れ性はランク3で、2ヶ月後の評価でもランク3で優れた水濡れ性であった。また、レンズのベースカーブは7.74mmと当初の値から変化が無くレンズのエッジ、表面などにキズ、欠け、汚れなどは無かった。
[実施例5]
実施例1で作成したコンタクトレンズを、2列に並べたポリエチレン製の2本爪でレンズ両端部を保持するレンズホルダーに入れて、レンズを水平に保持した、このホルダーに入れたレンズを、iplas社製CYRANNUS SVC−71C/6型 マイクロ波プラズマ発生源(約152mm径の環状共振器)と2.45GHz、6kWのマイクロ波電源装置を使用して表面処理した。プラズマの照射は、プラズマ発生源の上部に減圧用とガス導入用のバルブを設けたフランジを取り付け、下部に減圧用の閉止蓋を有する径50mmの噴出ノズルと当該ノズルの周囲に変性用ガスを噴出するノズルを設けたフランジを取り付けて、まずガス導入バルブと下部閉止蓋を閉止して約2kPaまで減圧し、出力2.3kWでマイクロ波を供給してプラズマを励起させ、ついで減圧バルブを閉止してガス導入バルブを開いて約100kPa(大気圧)に昇圧させ、下部閉止蓋を開放してガス導入バルブから空気を40リットル/minで導入した。
下部噴出ノズルからのプラズマに混合する様に、変性用ガスとして水を40℃で超音波霧化させた相対湿度100%の空気を5リットル/minで供給して、ノズル先端から6mmの位置で照射した。5m/分の速度でプラズマに接触させて処理したレンズは水に浸漬して保存した。処理1日後のコンタクトレンズの水濡れ性はランク3で、2ヶ月後の評価でもランク3で優れた水濡れ性であった。また、レンズのベースカーブは7.71mmと当初の値から変化が無くレンズのエッジ、表面などにキズ、欠け、汚れなどは無かった。
[実施例6]
実施例1で作成したコンタクトレンズを、iplas社製CYRANNUSSVC−71C/6型 マイクロ波プラズマ発生源(約152mm径の環状共振器)と2.45GHz、6kWのマイクロ波電源装置を使用して表面処理した。プラズマの照射は、プラズマ発生源の上部に減圧用とガス導入用のバルブを設けたフランジを取り付け、下部に減圧用の閉止蓋を有する径20mmの噴出ノズルを設けたフランジを取り付けて、まずガス導入バルブと下部閉止蓋を閉止して約2kPaまで減圧し、出力2.3kWでマイクロ波を供給してプラズマを励起させ、ついで減圧バルブを閉止してガス導入バルブを開いて約100kPa(大気圧)に昇圧させ、下部閉止蓋を開放してガス導入バルブから水を60℃で超音波霧化させた相対湿度100%の空気を20リットル/minで供給してノズル先端から5mmの位置で照射した。5m/分の速度でプラズマに接触させて処理したレンズは水に浸漬して保存した。処理1日後のコンタクトレンズの水濡れ性はランク3で、2ヶ月後の評価でもランク3で優れた水濡れ性であった。また、レンズのベースカーブは7.72mmと当初の値から変化が無くレンズのエッジ、表面などにキズ、欠け、汚れなどは無かった。
[参考例1]
実施例1で製作したコンタクトレンズを、電極間に高周波放電によりプラズマを発生させて照射するタイプのプラズマ発生装置を使用して、乾燥空気を60リットル/minで電極間に供給してプラズマを噴射させ、ノズルから5mmの位置でプラズマに5m/分の速度で処理した。プラズマ照射装置は日本プラズマトリート株式会社製 ジェネレーターFG1001型とノズルシステムPFW10型を使用し、ノズルヘッドにAGR092Aを使用した。このノズルでのプラズマ有効エリアは約12mmであった。処理後のコンタクトレンズは、水濡れ性はランク2であったが、エッジにクラックがあり、ベースカーブも7.4〜8.6の範囲内で変形していた。
[参考例2]
参考例1において、水を室温で飽和させた空気を供給してプラズマを発生させたがプラズマが安定しないため、レンズの処理は出来なかった。
本発明は、表面の水濡れ性に優れ、かつ均一な医療用器具を簡便に、工業的に提供する処理方法として好適である。
本発明で使用するプラズマ発生装置の一例の概略図である。 本発明で使用するプラズマ発生装置の別の例の概略図である。
符号の説明
1:マイクロ波環状共振器
2:マイクロ波電源装置
3:放電室
4:上部フランジ
4−1:ガス流導入バルブおよび導入管
4−2:減圧バルブおよび配管
5:下部フランジ
5−1:閉止蓋
5−2:閉止蓋が開放された状態
5−3:変性処理用ガス導入バルブおよび導入管

Claims (7)

  1. 径が25〜300mmの環状共振器の内側に周波数1〜5GHzのマイクロ波を照射して大気圧において発生させたプラズマを、ガス流により環状共振器の軸方向一端に設けた噴出ノズル部に導き、プラズマガス流を噴出ノズルから噴出させ、コンタクトレンズの基材の表面に照射することにより、当該基材の表面を親水化することを特徴とするコンタクトレンズの親水化処理方法。
  2. マイクロ波がパルス出力されたものであることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズの親水化処理方法。
  3. ガス流が、空気あるいは不活性ガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンタクトレンズの親水化処理方法。
  4. ガス流が、水を含有する空気あるいは不活性ガスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンタクトレンズの親水化処理方法。
  5. プラズマガス流を噴出するノズル部に設けた別のノズルから、基材を変性処理するガスを噴出しプラズマガス流に混合して、基材の表面に照射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコンタクトレンズの親水化処理方法。
  6. 変性処理するガスが、水蒸気を含む空気あるいは不活性ガスであることを特徴とする請求項5に記載のコンタクトレンズの親水化処理方法。
  7. 変性処理するガスが、親水性モノマーを含むガスであることを特徴とする請求項5又は6に記載のコンタクトレンズの親水化処理方法。
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