JP2002240061A - 眼用レンズ物品の成形型及び眼用レンズ物品の製造方法 - Google Patents
眼用レンズ物品の成形型及び眼用レンズ物品の製造方法Info
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- JP2002240061A JP2002240061A JP2001040201A JP2001040201A JP2002240061A JP 2002240061 A JP2002240061 A JP 2002240061A JP 2001040201 A JP2001040201 A JP 2001040201A JP 2001040201 A JP2001040201 A JP 2001040201A JP 2002240061 A JP2002240061 A JP 2002240061A
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 所望形状の眼用レンズ物品が、型構造を複雑
とすることなく、可及的に低いコストと優れた作業性と
をもって有利に成形され得る、眼用レンズ物品の成形型
と、眼用レンズ物品の製造方法とを提供する。 【解決手段】 型合わせにより、目的とする眼用レンズ
物品56を与える形状の成形キャビティを形成する第一
の型10と第二の型12のうち、樹脂材料からなる一方
の型10の少なくとも成形キャビティのキャビティ面1
6の一部を、大気圧下で発生させたプラズマに接触せし
めることにより改質処理された改質処理面28にて構成
して、該成形キャビティ内でモールド成形された眼用レ
ンズ物品56が、第一の型10と第二の型12との型開
き時に、該一方の型10の改質処理面28に接着して、
該一方の型10に保持せしめられるように構成した。
とすることなく、可及的に低いコストと優れた作業性と
をもって有利に成形され得る、眼用レンズ物品の成形型
と、眼用レンズ物品の製造方法とを提供する。 【解決手段】 型合わせにより、目的とする眼用レンズ
物品56を与える形状の成形キャビティを形成する第一
の型10と第二の型12のうち、樹脂材料からなる一方
の型10の少なくとも成形キャビティのキャビティ面1
6の一部を、大気圧下で発生させたプラズマに接触せし
めることにより改質処理された改質処理面28にて構成
して、該成形キャビティ内でモールド成形された眼用レ
ンズ物品56が、第一の型10と第二の型12との型開
き時に、該一方の型10の改質処理面28に接着して、
該一方の型10に保持せしめられるように構成した。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、眼用レンズ物品の成形型及び眼
用レンズ物品の製造方法に係り、特に、眼用レンズやそ
の半完成品等の眼用レンズ物品をモールド成形する際に
好適に用いられ得る成形型と、かかる眼用レンズ物品の
モールド成形操作による有利な製造方法に関するもので
ある。
用レンズ物品の製造方法に係り、特に、眼用レンズやそ
の半完成品等の眼用レンズ物品をモールド成形する際に
好適に用いられ得る成形型と、かかる眼用レンズ物品の
モールド成形操作による有利な製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【背景技術】従来から、コンタクトレンズや眼内レンズ
の如き眼用レンズ、またはその半完成品、例えば、一方
の面が完成されたレンズ面形状に成形されている一方、
他方の面が、レンズ面としては未だ完成されていない、
切削加工等の後加工を必要とする形状に成形された、前
記眼用レンズを与える眼用レンズ材料等の、所謂眼用レ
ンズ物品の製造方法の一つとして、雄型と雌型との組合
せや上型と下型との組合せ等のように、第一の型と第二
の型とを組み合わせて型合わせを行ない、それらの型の
間に、前記眼用レンズ物品を与える形状の成形キャビテ
ィが形成されるように構成し、この成形型の成形キャビ
ティ内で、所定の重合性材料を重合せしめて、目的とす
る眼用レンズ物品のモールド成形を行なった後、成形型
を型開きし、その成形された眼用レンズ物品を成形型か
ら離型させて、取り出すようにした技術が、知られてい
る。
の如き眼用レンズ、またはその半完成品、例えば、一方
の面が完成されたレンズ面形状に成形されている一方、
他方の面が、レンズ面としては未だ完成されていない、
切削加工等の後加工を必要とする形状に成形された、前
記眼用レンズを与える眼用レンズ材料等の、所謂眼用レ
ンズ物品の製造方法の一つとして、雄型と雌型との組合
せや上型と下型との組合せ等のように、第一の型と第二
の型とを組み合わせて型合わせを行ない、それらの型の
間に、前記眼用レンズ物品を与える形状の成形キャビテ
ィが形成されるように構成し、この成形型の成形キャビ
ティ内で、所定の重合性材料を重合せしめて、目的とす
る眼用レンズ物品のモールド成形を行なった後、成形型
を型開きし、その成形された眼用レンズ物品を成形型か
ら離型させて、取り出すようにした技術が、知られてい
る。
【0003】ところで、このような眼用レンズ物品の製
造手法にあっては、モールド成形して得られる重合生成
物たる眼用レンズ物品が成形型に対して接着してしまう
ために、成形型を型開きした際に、眼用レンズ物品が、
成形型の第一の型と第二の型のうちの何れかに接着した
状態で保持されることとなるが、この眼用レンズ物品の
成形型に対する接着が方向性を何等有していないことか
ら、成形型の型開き前に、眼用レンズ物品が第一の型と
第二の型のうちの何れに接着して、保持されているかを
予測することは極めて困難であり、ましてや、それをコ
ントロールすることは、到底、不可能であった。
造手法にあっては、モールド成形して得られる重合生成
物たる眼用レンズ物品が成形型に対して接着してしまう
ために、成形型を型開きした際に、眼用レンズ物品が、
成形型の第一の型と第二の型のうちの何れかに接着した
状態で保持されることとなるが、この眼用レンズ物品の
成形型に対する接着が方向性を何等有していないことか
ら、成形型の型開き前に、眼用レンズ物品が第一の型と
第二の型のうちの何れに接着して、保持されているかを
予測することは極めて困難であり、ましてや、それをコ
ントロールすることは、到底、不可能であった。
【0004】それ故に、従来では、眼用レンズ物品を型
開きされた成形型から離型させて取り出す際に、眼用レ
ンズ物品が第一の型と第二の型のうちの何れに接着、保
持されているのかを確かめねばならず、それが、眼用レ
ンズ物品の製造作業における作業性を著しく低下させて
いたのであり、また、成形型の型開き時において、成形
された眼用レンズ物品を保持する型が定まらないため
に、成形型から眼用レンズ物品を取り出す工程、ひいて
は眼用レンズ物品の製造工程全体の自動化を図ることが
極めて困難であった。しかも、上述の如き従来手法に
て、眼用レンズの半完成品をモールド成形した際に、か
かる半完成品が、レンズ面としては未完成の成形面にお
いて、成形型に接着、保持される場合には、半完成品を
成形型から取り出した後に、改めて、所定の保持具に保
持させてから、該半完成の成形面に対する切削加工等の
後加工を行なわなければならず、これによっても、眼用
レンズ物品の製造作業における作業性の低下が惹起され
ていたのである。
開きされた成形型から離型させて取り出す際に、眼用レ
ンズ物品が第一の型と第二の型のうちの何れに接着、保
持されているのかを確かめねばならず、それが、眼用レ
ンズ物品の製造作業における作業性を著しく低下させて
いたのであり、また、成形型の型開き時において、成形
された眼用レンズ物品を保持する型が定まらないため
に、成形型から眼用レンズ物品を取り出す工程、ひいて
は眼用レンズ物品の製造工程全体の自動化を図ることが
極めて困難であった。しかも、上述の如き従来手法に
て、眼用レンズの半完成品をモールド成形した際に、か
かる半完成品が、レンズ面としては未完成の成形面にお
いて、成形型に接着、保持される場合には、半完成品を
成形型から取り出した後に、改めて、所定の保持具に保
持させてから、該半完成の成形面に対する切削加工等の
後加工を行なわなければならず、これによっても、眼用
レンズ物品の製造作業における作業性の低下が惹起され
ていたのである。
【0005】このため、近年では、眼用レンズ物品をモ
ールド成形した後、成形型を型開きした際に、その得ら
れた眼用レンズ物品が、かかる成形型を構成する第一の
型と第二の型のうち、予め定められた一方の型に接着、
保持されるようにした技術が、種々、提案されてきてい
る。
ールド成形した後、成形型を型開きした際に、その得ら
れた眼用レンズ物品が、かかる成形型を構成する第一の
型と第二の型のうち、予め定められた一方の型に接着、
保持されるようにした技術が、種々、提案されてきてい
る。
【0006】例えば、特開平7−80860号公報等に
は、コンタクトレンズの半完成品を成形する成形型とし
て、雄型と雌型とにて構成されると共に、コンタクトレ
ンズの後面を与える雄型のキャビティ面に、モールド成
形される半完成品に対して、該キャビティ面との密着性
を高めるための穴や突起を一体形成する突部や凹部が設
けられてなる構造のものが、明らかにされている。この
ような構造の成形型を用いる場合、半完成品の成形後に
型開きされた際に、成形された半完成品が、常に、雄型
に対して接着、保持されることとなるが、雄型が、キャ
ビティ面に凸部や凹部が設けられた特別な形状とされて
いるために、それら凸部や凹部を何等有しない成形型に
比して、雄型の形状が複雑なものとなることは避けられ
ず、また、雄型のキャビティ面の形状が凸部や凹部を形
成可能な形状に特定されるために、場合によっては、目
的とするコンタクトレンズの形状が制限されてしまうと
いった問題があった。
は、コンタクトレンズの半完成品を成形する成形型とし
て、雄型と雌型とにて構成されると共に、コンタクトレ
ンズの後面を与える雄型のキャビティ面に、モールド成
形される半完成品に対して、該キャビティ面との密着性
を高めるための穴や突起を一体形成する突部や凹部が設
けられてなる構造のものが、明らかにされている。この
ような構造の成形型を用いる場合、半完成品の成形後に
型開きされた際に、成形された半完成品が、常に、雄型
に対して接着、保持されることとなるが、雄型が、キャ
ビティ面に凸部や凹部が設けられた特別な形状とされて
いるために、それら凸部や凹部を何等有しない成形型に
比して、雄型の形状が複雑なものとなることは避けられ
ず、また、雄型のキャビティ面の形状が凸部や凹部を形
成可能な形状に特定されるために、場合によっては、目
的とするコンタクトレンズの形状が制限されてしまうと
いった問題があった。
【0007】また、特開平7−195558号公報等に
は、コンタクトレンズを成形する成形型として、雄型と
雌型の何れか一方の型におけるキャビティ面形成部位を
二つの電極間に位置せしめた状態で、それら二つの電極
間においてコロナ放電を生じさせ、それにより、該一方
の型のキャビティ面に対して、コンタクトレンズとの接
着性を高めるための前処理を行ない、以て、成形された
コンタクトレンズが、雄型と雌型の型開き時において、
常に、キャビティ面が前処理された前記一方の型に接
着、保持されるようにした成形型が、提案されている。
は、コンタクトレンズを成形する成形型として、雄型と
雌型の何れか一方の型におけるキャビティ面形成部位を
二つの電極間に位置せしめた状態で、それら二つの電極
間においてコロナ放電を生じさせ、それにより、該一方
の型のキャビティ面に対して、コンタクトレンズとの接
着性を高めるための前処理を行ない、以て、成形された
コンタクトレンズが、雄型と雌型の型開き時において、
常に、キャビティ面が前処理された前記一方の型に接
着、保持されるようにした成形型が、提案されている。
【0008】このような成形型を用いる場合にあって
は、成形型の雄型や雌型のキャビティ面が、従来のもの
と同様な形状とされているところから、前記特開平7−
80860号公報等に記載される如き、雄型のキャビテ
ィ面が特別な形状に変更されてなる成形型を用いる場合
とは異なって、制限のない自由な形状の眼用レンズ物品
が、有利に成形され得ることとなるのである。
は、成形型の雄型や雌型のキャビティ面が、従来のもの
と同様な形状とされているところから、前記特開平7−
80860号公報等に記載される如き、雄型のキャビテ
ィ面が特別な形状に変更されてなる成形型を用いる場合
とは異なって、制限のない自由な形状の眼用レンズ物品
が、有利に成形され得ることとなるのである。
【0009】しかしながら、そこでは、雄型或いは雌型
の何れか一方の型におけるキャビティ面に対して、コン
タクトレンズとの接着性を向上せしめる前処理を効率的
に行なうために、コロナ放電装置における電極として、
前記一方の型に対して可及的に近づけ得るような、該一
方の型に対応した形状をもって特別に作製された電極が
使用されているため、コロナ放電装置の準備費用のみな
らず電極の作製費用等が必要となるのであり、これによ
り、目的とするコンタクトレンズの製造コストが高騰す
るといった問題が、新たに惹起されることとなる。ま
た、そのような成形型の一方の型に対する前処理におい
て行なわれる一連の作業のうち、コロナ放電装置の電極
を一方の型に対して出来るだけ近づけて配置する作業
が、特に面倒であるばかりでなく、その作業中におい
て、該一方の型のキャビティ面に電極が接触して、該キ
ャビティ面が損傷する恐れもあったのである。
の何れか一方の型におけるキャビティ面に対して、コン
タクトレンズとの接着性を向上せしめる前処理を効率的
に行なうために、コロナ放電装置における電極として、
前記一方の型に対して可及的に近づけ得るような、該一
方の型に対応した形状をもって特別に作製された電極が
使用されているため、コロナ放電装置の準備費用のみな
らず電極の作製費用等が必要となるのであり、これによ
り、目的とするコンタクトレンズの製造コストが高騰す
るといった問題が、新たに惹起されることとなる。ま
た、そのような成形型の一方の型に対する前処理におい
て行なわれる一連の作業のうち、コロナ放電装置の電極
を一方の型に対して出来るだけ近づけて配置する作業
が、特に面倒であるばかりでなく、その作業中におい
て、該一方の型のキャビティ面に電極が接触して、該キ
ャビティ面が損傷する恐れもあったのである。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、第一の型と第二の型の何れか一方の型の
キャビティ面に対して、モールド成形された眼用レンズ
物品が常に確実に接着、保持されるように為した成形型
を提供することにあり、また、そのような特徴を付与す
るための前処理が、キャビティ面を何等損傷させること
なく、比較的安価なコストで、しかも容易な作業により
実施されてなり、以て、所望形状の眼用レンズ物品が、
複雑な型形状を必要とすることなく、且つ優れた作業性
をもって有利に成形され得るようにした成形型の構造を
提供することにある。更に、本発明にあっては、所望形
状の眼用レンズ物品を作業性良く製造し得る方法を提供
することをも、その解決課題とするものである。
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、第一の型と第二の型の何れか一方の型の
キャビティ面に対して、モールド成形された眼用レンズ
物品が常に確実に接着、保持されるように為した成形型
を提供することにあり、また、そのような特徴を付与す
るための前処理が、キャビティ面を何等損傷させること
なく、比較的安価なコストで、しかも容易な作業により
実施されてなり、以て、所望形状の眼用レンズ物品が、
複雑な型形状を必要とすることなく、且つ優れた作業性
をもって有利に成形され得るようにした成形型の構造を
提供することにある。更に、本発明にあっては、所望形
状の眼用レンズ物品を作業性良く製造し得る方法を提供
することをも、その解決課題とするものである。
【0011】
【解決手段】そして、そのような課題を解決すべく、本
発明者らは、樹脂型からなる成形型の表面に対して大気
圧下で発生したプラズマを接触せしめた場合に、かかる
成形型の表面において、モールド成形されたコンタクト
レンズ等の眼用レンズ物品との接着性が効果的に高めら
れ得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのであ
る。
発明者らは、樹脂型からなる成形型の表面に対して大気
圧下で発生したプラズマを接触せしめた場合に、かかる
成形型の表面において、モールド成形されたコンタクト
レンズ等の眼用レンズ物品との接着性が効果的に高めら
れ得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのであ
る。
【0012】従って、本発明は、かかる事情の下におい
て、第一の型と第二の型とを型合わせして、それらの型
の間に、眼用レンズやその半完成品等の目的とする眼用
レンズ物品を与える形状の成形キャビティが形成される
ように構成し、該成形キャビティ内での所定の重合性材
料の重合によって、該目的とする眼用レンズ物品がモー
ルド成形されるようにした成形型にして、前記第一及び
第二の型のうちの少なくとも一方の型を樹脂材料にて構
成すると共に、該樹脂材料にて構成された一方の型の表
面のうち、少なくとも前記成形キャビティのキャビティ
面の一部を、大気圧下で発生させたプラズマに接触せし
めることにより改質処理された改質処理面にて構成し、
該成形キャビティ内でモールド成形された前記眼用レン
ズ物品が、該第一の型と該第二の型とが型開きされた際
に、該一方の型の改質処理面に接着して、該一方の型に
保持せしめられるようにしたことを特徴とする眼用レン
ズ物品の成形型を、その要旨とするものである。
て、第一の型と第二の型とを型合わせして、それらの型
の間に、眼用レンズやその半完成品等の目的とする眼用
レンズ物品を与える形状の成形キャビティが形成される
ように構成し、該成形キャビティ内での所定の重合性材
料の重合によって、該目的とする眼用レンズ物品がモー
ルド成形されるようにした成形型にして、前記第一及び
第二の型のうちの少なくとも一方の型を樹脂材料にて構
成すると共に、該樹脂材料にて構成された一方の型の表
面のうち、少なくとも前記成形キャビティのキャビティ
面の一部を、大気圧下で発生させたプラズマに接触せし
めることにより改質処理された改質処理面にて構成し、
該成形キャビティ内でモールド成形された前記眼用レン
ズ物品が、該第一の型と該第二の型とが型開きされた際
に、該一方の型の改質処理面に接着して、該一方の型に
保持せしめられるようにしたことを特徴とする眼用レン
ズ物品の成形型を、その要旨とするものである。
【0013】このように、本発明に従う眼用レンズ物品
の成形型にあっては、第一の型と第二の型のうち、樹脂
材料からなる一方の型の少なくとも成形キャビティのキ
ャビティ面の一部が、大気圧下で発生させたプラズマと
の接触により改質処理された改質処理面にて、構成され
ていることによって、モールド成形された眼用レンズ物
品が、第一の型と第二の型との型開き時に、該一方の型
の改質処理面に接着して、該一方の型に保持せしめられ
るようになっているのである。換言すれば、本発明に係
る成形型においては、樹脂型とされた前記一方の型のキ
ャビティ面に対して、モールド成形された眼用レンズ物
品が常に確実に接着、保持せしめられるように為すため
の前処理が、該一方の型における少なくとも成形キャビ
ティのキャビティ面の一部に大気圧下で発生させたプラ
ズマを接触せしめて、該一方の型の少なくともキャビテ
ィ面の一部を、改質処理面と為すことによって、行なわ
れているのである。
の成形型にあっては、第一の型と第二の型のうち、樹脂
材料からなる一方の型の少なくとも成形キャビティのキ
ャビティ面の一部が、大気圧下で発生させたプラズマと
の接触により改質処理された改質処理面にて、構成され
ていることによって、モールド成形された眼用レンズ物
品が、第一の型と第二の型との型開き時に、該一方の型
の改質処理面に接着して、該一方の型に保持せしめられ
るようになっているのである。換言すれば、本発明に係
る成形型においては、樹脂型とされた前記一方の型のキ
ャビティ面に対して、モールド成形された眼用レンズ物
品が常に確実に接着、保持せしめられるように為すため
の前処理が、該一方の型における少なくとも成形キャビ
ティのキャビティ面の一部に大気圧下で発生させたプラ
ズマを接触せしめて、該一方の型の少なくともキャビテ
ィ面の一部を、改質処理面と為すことによって、行なわ
れているのである。
【0014】それ故に、かかる成形型にあっては、樹脂
型とされた一方の型について前処理を施すに際して、該
一方の型の少なくともキャビティ面の一部について、大
気圧下で発生させたプラズマが接触されるのであれば、
プラズマ発生装置の配置位置が何等制約されることはな
いところから、コロナ放電装置を用いて改質処理を行な
っていた従来の場合に比して、プラズマ発生装置の電極
を一方の型に対して特に近づける必要がなく、それによ
って、該プラズマ発生装置の配置作業が容易となってい
るばかりでなく、一方の型の前処理されるべき部位たる
キャビティ面等が、プラズマ発生装置の電極等との接触
により損傷を受けるようなこともないのである。
型とされた一方の型について前処理を施すに際して、該
一方の型の少なくともキャビティ面の一部について、大
気圧下で発生させたプラズマが接触されるのであれば、
プラズマ発生装置の配置位置が何等制約されることはな
いところから、コロナ放電装置を用いて改質処理を行な
っていた従来の場合に比して、プラズマ発生装置の電極
を一方の型に対して特に近づける必要がなく、それによ
って、該プラズマ発生装置の配置作業が容易となってい
るばかりでなく、一方の型の前処理されるべき部位たる
キャビティ面等が、プラズマ発生装置の電極等との接触
により損傷を受けるようなこともないのである。
【0015】そして、そのような本発明に従う眼用レン
ズ物品の成形型にあっては、第一の型と第二の型の何れ
か一方の型のキャビティ面に対して、モールド成形され
た眼用レンズ物品が常に確実に接着、保持されるように
為すための前処理が、該キャビティ面を何等損傷させる
ことなく、比較的安価なコストで、しかも容易な作業に
より実施され得るのであり、以て、所望形状の眼用レン
ズ物品が、低いコストと優れた作業性をもって有利に成
形され得ることとなるのである。
ズ物品の成形型にあっては、第一の型と第二の型の何れ
か一方の型のキャビティ面に対して、モールド成形され
た眼用レンズ物品が常に確実に接着、保持されるように
為すための前処理が、該キャビティ面を何等損傷させる
ことなく、比較的安価なコストで、しかも容易な作業に
より実施され得るのであり、以て、所望形状の眼用レン
ズ物品が、低いコストと優れた作業性をもって有利に成
形され得ることとなるのである。
【0016】なお、本発明に従う眼用レンズ物品の成形
型における好ましい態様の一つにあっては、前記改質処
理が、大気圧下の電極間で発生させたプラズマを、それ
ら電極間へのガスの導入によって外部に吹き出させて、
前記成形キャビティのキャビティ面に接触させることに
より、実施されることとなる。これによって、かかる成
形キャビティのキャビティ面に対する改質処理が、一層
確実に為され得ることとなる。
型における好ましい態様の一つにあっては、前記改質処
理が、大気圧下の電極間で発生させたプラズマを、それ
ら電極間へのガスの導入によって外部に吹き出させて、
前記成形キャビティのキャビティ面に接触させることに
より、実施されることとなる。これによって、かかる成
形キャビティのキャビティ面に対する改質処理が、一層
確実に為され得ることとなる。
【0017】また、本発明に従う眼用レンズ物品の成形
型における他の好ましい態様の一つによれば、樹脂材料
にて構成された前記一方の型の表面のうち、前記成形キ
ャビティのキャビティ面のみが、その少なくとも一部に
おいて、前記改質処理面にて構成される。これによっ
て、第一の型と第二の型とが型開きされた際に、モール
ド成形された眼用レンズ物品が、前記一方の型のキャビ
ティ面のみに接着し、該一方の型によって、より確実に
保持され得ることとなる。
型における他の好ましい態様の一つによれば、樹脂材料
にて構成された前記一方の型の表面のうち、前記成形キ
ャビティのキャビティ面のみが、その少なくとも一部に
おいて、前記改質処理面にて構成される。これによっ
て、第一の型と第二の型とが型開きされた際に、モール
ド成形された眼用レンズ物品が、前記一方の型のキャビ
ティ面のみに接着し、該一方の型によって、より確実に
保持され得ることとなる。
【0018】さらに、本発明に従う眼用レンズ物品の成
形型における望ましい態様の一つによれば、前記一方の
型における前記成形キャビティのキャビティ面のうち、
前記眼用レンズ物品における光学領域を除いた、該光学
領域の周辺領域を与える周辺領域成形面のみが、その少
なくとも一部において、前記改質処理面にて構成され
る。このような構成を採用することにより、モールド成
形された眼用レンズ物品が、光学領域の周辺領域のみに
おいて、前記一方の型に接着せしめられることになるた
め、かかる一方の型への接着によって、眼用レンズ物品
の光学領域が何等かの損傷を受けるようなことが確実に
回避され得、以て、所望の光学性能が、有利に確保され
得ることとなる。
形型における望ましい態様の一つによれば、前記一方の
型における前記成形キャビティのキャビティ面のうち、
前記眼用レンズ物品における光学領域を除いた、該光学
領域の周辺領域を与える周辺領域成形面のみが、その少
なくとも一部において、前記改質処理面にて構成され
る。このような構成を採用することにより、モールド成
形された眼用レンズ物品が、光学領域の周辺領域のみに
おいて、前記一方の型に接着せしめられることになるた
め、かかる一方の型への接着によって、眼用レンズ物品
の光学領域が何等かの損傷を受けるようなことが確実に
回避され得、以て、所望の光学性能が、有利に確保され
得ることとなる。
【0019】加えて、本発明に従う眼用レンズ物品の成
形型における別の望ましい態様の一つによれば、前記第
一及び第二の型の両方を樹脂材料にて構成すると共に、
該第一の型と該第二の型との型合わせ下において、それ
らの型の間に、前記成形キャビティから溢れ出た余剰の
重合性材料を溜める液溜部を設け、更に、前記成形キャ
ビティのキャビティ面の少なくとも一部が改質処理面と
された、該第一及び第二の型のうちの前記一方の型とは
異なる他方の型の表面のうち、該液溜部形成面のみを、
その少なくとも一部において、大気圧下で発生させたプ
ラズマの接触により改質処理された改質処理面にて構成
し、該液溜部内での前記余剰の重合性材料の重合によっ
て生成された重合生成物が、該第一の型と該第二の型と
が型開きされた際に、該他方の型の改質処理面に接着し
て、該他方の型に保持せしめられることとなる。
形型における別の望ましい態様の一つによれば、前記第
一及び第二の型の両方を樹脂材料にて構成すると共に、
該第一の型と該第二の型との型合わせ下において、それ
らの型の間に、前記成形キャビティから溢れ出た余剰の
重合性材料を溜める液溜部を設け、更に、前記成形キャ
ビティのキャビティ面の少なくとも一部が改質処理面と
された、該第一及び第二の型のうちの前記一方の型とは
異なる他方の型の表面のうち、該液溜部形成面のみを、
その少なくとも一部において、大気圧下で発生させたプ
ラズマの接触により改質処理された改質処理面にて構成
し、該液溜部内での前記余剰の重合性材料の重合によっ
て生成された重合生成物が、該第一の型と該第二の型と
が型開きされた際に、該他方の型の改質処理面に接着し
て、該他方の型に保持せしめられることとなる。
【0020】このような構成を有する眼用レンズ物品の
成形型にあっては、第一の型と第二の型とが型開きされ
た際に、成形キャビティ内でモールド成形された眼用レ
ンズ物品が、それら第一及び第二の型のうちの一方の型
に対して接着、保持される一方、液溜部内で、余剰の重
合性材料の重合によって生成された重合生成物(余剰重
合体)が、他方の型に接着、保持されることとなり、そ
れによって、眼用レンズ物品と、廃棄されるべき余分な
重合生成物とが、第一の型と第二の型の型開きと同時
に、何等手間をかけることなく容易に分離され得、以
て、目的とする眼用レンズ物品の製造作業の作業性が、
より一層効果的に高められ得るのである。
成形型にあっては、第一の型と第二の型とが型開きされ
た際に、成形キャビティ内でモールド成形された眼用レ
ンズ物品が、それら第一及び第二の型のうちの一方の型
に対して接着、保持される一方、液溜部内で、余剰の重
合性材料の重合によって生成された重合生成物(余剰重
合体)が、他方の型に接着、保持されることとなり、そ
れによって、眼用レンズ物品と、廃棄されるべき余分な
重合生成物とが、第一の型と第二の型の型開きと同時
に、何等手間をかけることなく容易に分離され得、以
て、目的とする眼用レンズ物品の製造作業の作業性が、
より一層効果的に高められ得るのである。
【0021】また、かかる本発明に従う眼用レンズ物品
の成形型における好ましい別の態様の一つによれば、前
記第一及び第二の型のうちの前記一方の型若しくは両方
の型の表面の一部が、マスク部材によりプラズマから遮
蔽された状態下で、それらの型の表面に対してプラズマ
が照射されることにより、該表面の該マスク部材による
遮蔽部以外の部分が改質処理されて、該一方の型若しく
は両方の型の表面における所望の部位が、改質処理面に
て構成される。このような眼用レンズ物品の成形型にあ
っては、前述した前処理がコロナ放電装置を用いて行な
われてなる従来の成形型とは異なり、第一の型や第二の
型の前処理されるべき部位の形状に対応した特別な電極
を作製する等の手間とコストがかかる作業を何等行なう
ことなく、極めて簡単で且つ経済的に有利な操作で、第
一の型や第二の型の所望の部位を改質処理面と為すこと
が出来、以て、目的とする眼用レンズ物品の製造作業の
作業性の向上と経済的負担の軽減とが、上記従来の成形
型を用いる場合に比して、更に一層有利に図られ得るの
である。
の成形型における好ましい別の態様の一つによれば、前
記第一及び第二の型のうちの前記一方の型若しくは両方
の型の表面の一部が、マスク部材によりプラズマから遮
蔽された状態下で、それらの型の表面に対してプラズマ
が照射されることにより、該表面の該マスク部材による
遮蔽部以外の部分が改質処理されて、該一方の型若しく
は両方の型の表面における所望の部位が、改質処理面に
て構成される。このような眼用レンズ物品の成形型にあ
っては、前述した前処理がコロナ放電装置を用いて行な
われてなる従来の成形型とは異なり、第一の型や第二の
型の前処理されるべき部位の形状に対応した特別な電極
を作製する等の手間とコストがかかる作業を何等行なう
ことなく、極めて簡単で且つ経済的に有利な操作で、第
一の型や第二の型の所望の部位を改質処理面と為すこと
が出来、以て、目的とする眼用レンズ物品の製造作業の
作業性の向上と経済的負担の軽減とが、上記従来の成形
型を用いる場合に比して、更に一層有利に図られ得るの
である。
【0022】さらに、本発明に従う眼用レンズ物品の成
形型における有利な態様の他の一つによれば、前記第一
の型と前記第二の型のうち、前記眼用レンズ物品を前記
改質処理面に接着して保持する前記一方の型が、雄型に
て構成される一方、それらの型のうちの他方の型が、雌
型にて構成されている。そのような成形型においては、
モールド成形される眼用レンズ物品が、雄型に対して接
着、保持されることになるために、かかる雄型を、単
に、潰して、変形させるだけで、眼用レンズ物品が、傷
つけられることなく、該雄型から容易に剥がされて、離
脱せしめられ得ることとなる。
形型における有利な態様の他の一つによれば、前記第一
の型と前記第二の型のうち、前記眼用レンズ物品を前記
改質処理面に接着して保持する前記一方の型が、雄型に
て構成される一方、それらの型のうちの他方の型が、雌
型にて構成されている。そのような成形型においては、
モールド成形される眼用レンズ物品が、雄型に対して接
着、保持されることになるために、かかる雄型を、単
に、潰して、変形させるだけで、眼用レンズ物品が、傷
つけられることなく、該雄型から容易に剥がされて、離
脱せしめられ得ることとなる。
【0023】そして、本発明にあっては、また、前記し
た眼用レンズ物品の製造方法に係る課題を解決するため
に、前述の如き本発明に従う眼用レンズ物品の成形型を
用いて、眼用レンズやその半完成品等の目的とする眼用
レンズ物品を製造する方法として、少なくとも何れか一
方が樹脂型とされた前記第一の型と前記第二の型とを型
合わせして、それらの型の間に、前記成形キャビティを
形成する一方、該第一の型と該第二の型のうち、樹脂型
とされた何れか一方の型における少なくとも該成形キャ
ビティのキャビティ面に、大気圧下で発生させたプラズ
マに接触せしめることにより改質処理された改質処理面
を存在せしめた状態下で、該成形キャビティ内に、前記
眼用レンズ物品を構成する重合体を与える重合性材料を
供給して、重合せしめることにより、該眼用レンズ物品
のモールド成形を行なった後、得られた眼用レンズ物品
を、前記一方の型のキャビティ面における前記改質処理
面に接着させつつ、該一方の型に保持せしめた形態にお
いて型開きを行ない、その後、該一方の型から該眼用レ
ンズ物品を脱離せしめることを特徴とする眼用レンズ物
品の製造方法をも、その要旨とするものである。
た眼用レンズ物品の製造方法に係る課題を解決するため
に、前述の如き本発明に従う眼用レンズ物品の成形型を
用いて、眼用レンズやその半完成品等の目的とする眼用
レンズ物品を製造する方法として、少なくとも何れか一
方が樹脂型とされた前記第一の型と前記第二の型とを型
合わせして、それらの型の間に、前記成形キャビティを
形成する一方、該第一の型と該第二の型のうち、樹脂型
とされた何れか一方の型における少なくとも該成形キャ
ビティのキャビティ面に、大気圧下で発生させたプラズ
マに接触せしめることにより改質処理された改質処理面
を存在せしめた状態下で、該成形キャビティ内に、前記
眼用レンズ物品を構成する重合体を与える重合性材料を
供給して、重合せしめることにより、該眼用レンズ物品
のモールド成形を行なった後、得られた眼用レンズ物品
を、前記一方の型のキャビティ面における前記改質処理
面に接着させつつ、該一方の型に保持せしめた形態にお
いて型開きを行ない、その後、該一方の型から該眼用レ
ンズ物品を脱離せしめることを特徴とする眼用レンズ物
品の製造方法をも、その要旨とするものである。
【0024】このような本発明に従う眼用レンズ物品の
製造方法においては、一方の型の少なくともキャビティ
面に、大気圧下で発生させたプラズマとの接触により改
質処理された改質処理面を存在せしめた状態下におい
て、眼用レンズ物品のモールド成形を行ない、得られた
眼用レンズ物品を、一方の型の改質処理面に接着させつ
つ、該一方の型に保持せしめた形態において型開きを行
ない、その後、該一方の型から該眼用レンズを脱離せし
めるようにしたものであるところから、型開き時に、眼
用レンズ物品が、常に、一方の型に保持されるようにな
っており、それによって、眼用レンズ物品の製造工程に
おける作業性が効果的に高められ得ることとなるのであ
る。また、かかる本発明手法では、眼用レンズ物品を一
方の型に保持させるために、該一方の型の少なくともキ
ャビティ面に存在せしめられる改質処理面が、大気圧下
で発生させたプラズマとの接触による改質処理により形
成されていることから、例えば、コロナ放電装置を用い
たコロナ放電による改質処理により改質処理面を形成す
る場合とは異なり、前述した如く、改質処理面が、キャ
ビティ面を何等損傷させることなく、比較的安価なコス
トで、しかも容易な作業により、該キャビティ面に存在
せしめられることとなる。更に、成形型のキャビティ面
の形状が、眼用レンズ物品を保持させるために特別な形
状とされることがないため、モールド成形される眼用レ
ンズ物品の形状に制限が加えられることもない。
製造方法においては、一方の型の少なくともキャビティ
面に、大気圧下で発生させたプラズマとの接触により改
質処理された改質処理面を存在せしめた状態下におい
て、眼用レンズ物品のモールド成形を行ない、得られた
眼用レンズ物品を、一方の型の改質処理面に接着させつ
つ、該一方の型に保持せしめた形態において型開きを行
ない、その後、該一方の型から該眼用レンズを脱離せし
めるようにしたものであるところから、型開き時に、眼
用レンズ物品が、常に、一方の型に保持されるようにな
っており、それによって、眼用レンズ物品の製造工程に
おける作業性が効果的に高められ得ることとなるのであ
る。また、かかる本発明手法では、眼用レンズ物品を一
方の型に保持させるために、該一方の型の少なくともキ
ャビティ面に存在せしめられる改質処理面が、大気圧下
で発生させたプラズマとの接触による改質処理により形
成されていることから、例えば、コロナ放電装置を用い
たコロナ放電による改質処理により改質処理面を形成す
る場合とは異なり、前述した如く、改質処理面が、キャ
ビティ面を何等損傷させることなく、比較的安価なコス
トで、しかも容易な作業により、該キャビティ面に存在
せしめられることとなる。更に、成形型のキャビティ面
の形状が、眼用レンズ物品を保持させるために特別な形
状とされることがないため、モールド成形される眼用レ
ンズ物品の形状に制限が加えられることもない。
【0025】従って、本発明に従う眼用レンズ物品の製
造方法によれば、自由な形状の眼用レンズ物品を、可及
的に安価なコストで、且つ作業性良く製造することが出
来るのである。
造方法によれば、自由な形状の眼用レンズ物品を、可及
的に安価なコストで、且つ作業性良く製造することが出
来るのである。
【0026】なお、かかる本発明に従う眼用レンズ物品
の製造方法における好ましい態様の一つによれば、前記
モールド成形された眼用レンズ物品が前記一方の型に保
持せしめられた形態において、前記成形型を型開きした
後、該一方の型を潰して、変形させることにより、該眼
用レンズ物品を該一方の型のキャビティ面における前記
改質処理面から剥離して、該眼用レンズ物品を該一方の
型から脱離するように構成される。このようにすれば、
特別な装置や器具等を何等用いることなく、一方の型に
保持された眼用レンズ物品が、極めて容易に且つ迅速
に、しかも経済的に有利に、該一方の型から脱離させる
ことが出来る。
の製造方法における好ましい態様の一つによれば、前記
モールド成形された眼用レンズ物品が前記一方の型に保
持せしめられた形態において、前記成形型を型開きした
後、該一方の型を潰して、変形させることにより、該眼
用レンズ物品を該一方の型のキャビティ面における前記
改質処理面から剥離して、該眼用レンズ物品を該一方の
型から脱離するように構成される。このようにすれば、
特別な装置や器具等を何等用いることなく、一方の型に
保持された眼用レンズ物品が、極めて容易に且つ迅速
に、しかも経済的に有利に、該一方の型から脱離させる
ことが出来る。
【0027】また、かかる本発明に従う眼用レンズ物品
の製造方法における他の好ましい態様の一つによれば、
前記モールド成形された眼用レンズ物品が前記一方の型
に保持せしめられた形態において、前記成形型を型開き
した後、該眼用レンズ物品を該一方の型と共に水中に浸
漬して、水和処理することにより、該眼用レンズ物品を
該一方の型のキャビティ面における前記改質処理面から
剥離して、該眼用レンズ物品を該一方の型から脱離する
ように構成される。このようにすれば、一方の型に保持
された眼用レンズ物品を、外力等により、何等傷つける
ことなく、該一方の型から極めて有利に脱離させること
が可能となる。
の製造方法における他の好ましい態様の一つによれば、
前記モールド成形された眼用レンズ物品が前記一方の型
に保持せしめられた形態において、前記成形型を型開き
した後、該眼用レンズ物品を該一方の型と共に水中に浸
漬して、水和処理することにより、該眼用レンズ物品を
該一方の型のキャビティ面における前記改質処理面から
剥離して、該眼用レンズ物品を該一方の型から脱離する
ように構成される。このようにすれば、一方の型に保持
された眼用レンズ物品を、外力等により、何等傷つける
ことなく、該一方の型から極めて有利に脱離させること
が可能となる。
【0028】加えて、本発明に従う眼用レンズ物品の製
造方法における望ましい態様の一つによれば、プラズマ
発生装置の電極間で大気圧下においてプラズマを発生せ
しめる一方、かかる発生したプラズマを、該プラズマ発
生装置の電極間へのガスの導入によって、該電極間から
外部に吹き出させ、該プラズマ発生装置外に配置した前
記何れか一方の型における少なくとも成形キャビティの
キャビティ面に対して、該吹き出させたプラズマを照射
せしめることにより、該成形キャビティのキャビティ面
の改質が行なわれる。
造方法における望ましい態様の一つによれば、プラズマ
発生装置の電極間で大気圧下においてプラズマを発生せ
しめる一方、かかる発生したプラズマを、該プラズマ発
生装置の電極間へのガスの導入によって、該電極間から
外部に吹き出させ、該プラズマ発生装置外に配置した前
記何れか一方の型における少なくとも成形キャビティの
キャビティ面に対して、該吹き出させたプラズマを照射
せしめることにより、該成形キャビティのキャビティ面
の改質が行なわれる。
【0029】このような本発明に従う眼用レンズ物品の
製造方法にあっては、非処理物体である前記何れか一方
の型をプラズマ発生装置の電極外に配置すると共に、大
気圧下で放電せしめて、電極間にプラズマを発生させ、
更に、その電極間にガスを導入し、強制的に吹き付ける
(ブローする)ことによって、発生したプラズマを電極
間外に吹き出させて、かかる型における少なくとも成形
キャビティのキャビティ面に対して照射せしめるように
なっているところから、従来の、コロナ放電により型を
処理していた場合の如き、電極間という限られたスペー
スに型を設置する必要が無いばかりでなく、型に対応し
た形状の電極を作製する必要もないのであって、それに
より、型の処理スピードを飛躍的に向上せしめることが
出来、優れた作業性と経済性が有利に実現され得るので
ある。
製造方法にあっては、非処理物体である前記何れか一方
の型をプラズマ発生装置の電極外に配置すると共に、大
気圧下で放電せしめて、電極間にプラズマを発生させ、
更に、その電極間にガスを導入し、強制的に吹き付ける
(ブローする)ことによって、発生したプラズマを電極
間外に吹き出させて、かかる型における少なくとも成形
キャビティのキャビティ面に対して照射せしめるように
なっているところから、従来の、コロナ放電により型を
処理していた場合の如き、電極間という限られたスペー
スに型を設置する必要が無いばかりでなく、型に対応し
た形状の電極を作製する必要もないのであって、それに
より、型の処理スピードを飛躍的に向上せしめることが
出来、優れた作業性と経済性が有利に実現され得るので
ある。
【0030】しかも、電極間で発生したプラズマを、型
に吹き付けるようにして照射するようにしているところ
から、プラズマガスの密度に偏りが発生するようなこと
がなく、型のより均一な表面改質処理を効果的に実現し
得ることとなるのである。
に吹き付けるようにして照射するようにしているところ
から、プラズマガスの密度に偏りが発生するようなこと
がなく、型のより均一な表面改質処理を効果的に実現し
得ることとなるのである。
【0031】なお、かかる本発明に従う眼用レンズ物品
の製造方法の望ましい態様の一つによれば、前記プラズ
マ発生装置のプラズマ発生部と前記何れか一方の型との
間に、網状体、若しくは多数の孔が形成されたパンチシ
ートが配置され、該網状体の目若しくは該パンチシート
の孔を通じて、該プラズマ発生装置から該一方の型に対
してプラズマが吹き付けられるように構成される。この
ようにすれば、プラズマ発生装置において発生したプラ
ズマが、網状体の網目、或いはパンチシートの孔を通じ
て、該一方の型に均一に接触せしめられ得るようになる
ため、該一方の型における改質処理が、より一層均一に
行なわれ得るのである。
の製造方法の望ましい態様の一つによれば、前記プラズ
マ発生装置のプラズマ発生部と前記何れか一方の型との
間に、網状体、若しくは多数の孔が形成されたパンチシ
ートが配置され、該網状体の目若しくは該パンチシート
の孔を通じて、該プラズマ発生装置から該一方の型に対
してプラズマが吹き付けられるように構成される。この
ようにすれば、プラズマ発生装置において発生したプラ
ズマが、網状体の網目、或いはパンチシートの孔を通じ
て、該一方の型に均一に接触せしめられ得るようになる
ため、該一方の型における改質処理が、より一層均一に
行なわれ得るのである。
【0032】また、本発明の好ましい態様によれば、前
記プラズマ発生装置の電極間への導入ガスとして、窒
素、酸素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、またはそれら
の2種以上の混合ガス、或いは、大気が、有利に用いら
れることとなる。
記プラズマ発生装置の電極間への導入ガスとして、窒
素、酸素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、またはそれら
の2種以上の混合ガス、或いは、大気が、有利に用いら
れることとなる。
【0033】加えて、本発明に従う眼用レンズ物品の製
造方法の他の望ましい態様の一つによれば、前記プラズ
マの照射時間としては、0.1〜120秒が、有利に採
用される。
造方法の他の望ましい態様の一つによれば、前記プラズ
マの照射時間としては、0.1〜120秒が、有利に採
用される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明に係る眼用レンズ物品の成形型
及び眼用レンズ物品の製造方法の構成について、図面を
参照しつつ、詳細に説明することとする。
かにするために、本発明に係る眼用レンズ物品の成形型
及び眼用レンズ物品の製造方法の構成について、図面を
参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0035】先ず、図1には、本発明が適用される眼用
レンズの成形型の一例として、コンタクトレンズの成形
型が示されている。この図1からも明らかなように、本
実施形態の成形型は、第一の型としての雄型10と、第
二の型としての雌型12とを有して、構成されている。
レンズの成形型の一例として、コンタクトレンズの成形
型が示されている。この図1からも明らかなように、本
実施形態の成形型は、第一の型としての雄型10と、第
二の型としての雌型12とを有して、構成されている。
【0036】そこにおいて、成形型を構成する雄型10
は、図2に示される如く、全体として、有底円筒形状を
呈しており、光が透過可能な透明性を有するように構成
されている。そして、その下部に位置する底部14が、
外方に凸なる湾曲面形状とされており、該底部14の外
面が、目的とするコンタクトレンズの後面(ベースカー
ブ面)に正確に対応した後面成形キャビティ面16を与
えるように構成されている。また、筒壁部の上部開口部
側の外周部には、外フランジ部17が、一体的に形成さ
れている。
は、図2に示される如く、全体として、有底円筒形状を
呈しており、光が透過可能な透明性を有するように構成
されている。そして、その下部に位置する底部14が、
外方に凸なる湾曲面形状とされており、該底部14の外
面が、目的とするコンタクトレンズの後面(ベースカー
ブ面)に正確に対応した後面成形キャビティ面16を与
えるように構成されている。また、筒壁部の上部開口部
側の外周部には、外フランジ部17が、一体的に形成さ
れている。
【0037】一方、雌型12も、光が透過可能な透明性
を有するように構成されており、図3からも明らかなよ
うに、全体としてボール形状を呈している。即ち、この
雌型12は、上方に向かって開口した形態の半球状部1
8を有している。そして、その半球状部18の深さ方向
中間部分に段差15が設けられて、この段差15よりも
下側の底部側部位の内面が、目的とするコンタクトレン
ズの前面(フロントカーブ面)に正確に対応した前面成
形キャビティ面20とされている一方、該段差15より
も上側の開口部側部位の内面は、後述する液溜部26の
雌型12側壁面を構成する液溜部形成面22とされてい
る。
を有するように構成されており、図3からも明らかなよ
うに、全体としてボール形状を呈している。即ち、この
雌型12は、上方に向かって開口した形態の半球状部1
8を有している。そして、その半球状部18の深さ方向
中間部分に段差15が設けられて、この段差15よりも
下側の底部側部位の内面が、目的とするコンタクトレン
ズの前面(フロントカーブ面)に正確に対応した前面成
形キャビティ面20とされている一方、該段差15より
も上側の開口部側部位の内面は、後述する液溜部26の
雌型12側壁面を構成する液溜部形成面22とされてい
る。
【0038】また、それら雄型10と雌型12とは、図
1に示される如く、雄型10の筒壁部の外周面の底部1
4側先端角部と雌型12の段差15の上側角部とにおい
て互いに当接するように組み付けられて、型合わせされ
ることにより、それらの型の間において、かかる当接部
位の下側に、目的とするコンタクトレンズを与える形状
の成形キャビティ24が形成され、また、その当接部位
の上側には、コンタクトレンズの原料モノマーとして、
成形キャビティ24内に供給される重合性材料のうち、
該成形キャビティ24から溢れ出た余剰の重合性材料を
溜める液溜部26が形成されるようになっている。即
ち、成形キャビティ24は、雄型10の後面成形キャビ
ティ面16と雌型12の前面成形キャビティ面20との
間の空間にて構成されており、また、液溜部26は、雄
型10の筒壁部の外周面と、雌型12の半球状部18に
おける開口部側部位の内周面からなる液溜部形成面22
との間に形成される空間にて、構成されているのであ
る。
1に示される如く、雄型10の筒壁部の外周面の底部1
4側先端角部と雌型12の段差15の上側角部とにおい
て互いに当接するように組み付けられて、型合わせされ
ることにより、それらの型の間において、かかる当接部
位の下側に、目的とするコンタクトレンズを与える形状
の成形キャビティ24が形成され、また、その当接部位
の上側には、コンタクトレンズの原料モノマーとして、
成形キャビティ24内に供給される重合性材料のうち、
該成形キャビティ24から溢れ出た余剰の重合性材料を
溜める液溜部26が形成されるようになっている。即
ち、成形キャビティ24は、雄型10の後面成形キャビ
ティ面16と雌型12の前面成形キャビティ面20との
間の空間にて構成されており、また、液溜部26は、雄
型10の筒壁部の外周面と、雌型12の半球状部18に
おける開口部側部位の内周面からなる液溜部形成面22
との間に形成される空間にて、構成されているのであ
る。
【0039】ところで、本実施形態においては、上述の
如き構成を有する雄型10と雌型12とが、何れも、ポ
リプロピレンからなる樹脂型とされている。そして、そ
れら樹脂型とされた雄型10と雌型12にあっては、図
4及び図5に示される如く、雄型10の後面成形キャビ
ティ面16の外周部位、つまり、目的とするコンタクト
レンズの後面における光学領域を除いた、該光学領域の
周辺領域を与える後面成形キャビティ面16の周辺領域
成形面19と、雌型12の液溜部形成面22の全面と
が、それぞれ、大気圧下で発生させたプラズマが照射さ
れることにより改質処理されて、成形キャビティ24内
や液溜部26内での前記重合性材料の重合により生成さ
れる重合生成物との接着性が有効に高められた改質処理
面28,30とされているのである。なお、図4及び図
5では、理解を容易と為すために、雄型10と雌型12
のそれぞれの改質処理面28,30に対してドットを付
したが、それら改質処理面28,30の外観は、雄型1
0と雌型12の改質処理されていない部位の表面の外観
と何等異なるものではないことが理解されるべきであ
る。
如き構成を有する雄型10と雌型12とが、何れも、ポ
リプロピレンからなる樹脂型とされている。そして、そ
れら樹脂型とされた雄型10と雌型12にあっては、図
4及び図5に示される如く、雄型10の後面成形キャビ
ティ面16の外周部位、つまり、目的とするコンタクト
レンズの後面における光学領域を除いた、該光学領域の
周辺領域を与える後面成形キャビティ面16の周辺領域
成形面19と、雌型12の液溜部形成面22の全面と
が、それぞれ、大気圧下で発生させたプラズマが照射さ
れることにより改質処理されて、成形キャビティ24内
や液溜部26内での前記重合性材料の重合により生成さ
れる重合生成物との接着性が有効に高められた改質処理
面28,30とされているのである。なお、図4及び図
5では、理解を容易と為すために、雄型10と雌型12
のそれぞれの改質処理面28,30に対してドットを付
したが、それら改質処理面28,30の外観は、雄型1
0と雌型12の改質処理されていない部位の表面の外観
と何等異なるものではないことが理解されるべきであ
る。
【0040】そして、ここでは、それら雄型10におけ
る後面成形キャビティ面16の周辺領域成形面19及び
雌型12における液溜部形成面22の全面に対して、大
気圧下で発生させたプラズマが接触せしめられることに
より、それぞれの改質処理面28,30が形成されてい
るのである。
る後面成形キャビティ面16の周辺領域成形面19及び
雌型12における液溜部形成面22の全面に対して、大
気圧下で発生させたプラズマが接触せしめられることに
より、それぞれの改質処理面28,30が形成されてい
るのである。
【0041】すなわち、雄型10に対する改質処理にお
いては、図6に示される如く、アルミニウム製のパンチ
シート34に対して、雄型10の後面成形キャビティ面
16における周辺領域成形面19よりも内側に位置する
部位に対応する大きさ及び形状を有するマスク部材31
が固着(接着)されており、そして、そのようなパンチ
シート34を、プラズマ発生装置(プラズマ発生部3
2)と雄型10との間に位置するように配置して、該プ
ラズマ発生装置より該雄型10に対してプラズマを照射
せしめることにより、パンチシート34における、マス
ク部材31にて閉塞されていない部分に設けられた孔3
6を通過したプラズマのみが、雄型10に接触せしめら
れて、目的とする改質処理がなされ得るようになってい
るのである。また、雌型12に対する改質処理にあって
も、液溜部形成面22を除いた部位に対応する大きさ等
を有するマスク部材(31)が固着(接着)されたパン
チシート(34)を用いて、図6に示した雄型10の場
合と同様に、プラズマ発生装置より照射されるプラズマ
を、かかるパンチシート(34)を介して接触せしめる
ようにすることにより、改質処理がなされているのであ
る。かくして、雄型10においては、後面成形キャビテ
ィ面16における周辺領域成形面19のみが、また、雌
型12においては、液溜部形成面22の全面のみが、共
に、極めて簡単で且つ有利な操作によって、前記重合生
成物との接着性が効果的に高められ得るように改質処理
された改質処理面28,30とされているのである。
いては、図6に示される如く、アルミニウム製のパンチ
シート34に対して、雄型10の後面成形キャビティ面
16における周辺領域成形面19よりも内側に位置する
部位に対応する大きさ及び形状を有するマスク部材31
が固着(接着)されており、そして、そのようなパンチ
シート34を、プラズマ発生装置(プラズマ発生部3
2)と雄型10との間に位置するように配置して、該プ
ラズマ発生装置より該雄型10に対してプラズマを照射
せしめることにより、パンチシート34における、マス
ク部材31にて閉塞されていない部分に設けられた孔3
6を通過したプラズマのみが、雄型10に接触せしめら
れて、目的とする改質処理がなされ得るようになってい
るのである。また、雌型12に対する改質処理にあって
も、液溜部形成面22を除いた部位に対応する大きさ等
を有するマスク部材(31)が固着(接着)されたパン
チシート(34)を用いて、図6に示した雄型10の場
合と同様に、プラズマ発生装置より照射されるプラズマ
を、かかるパンチシート(34)を介して接触せしめる
ようにすることにより、改質処理がなされているのであ
る。かくして、雄型10においては、後面成形キャビテ
ィ面16における周辺領域成形面19のみが、また、雌
型12においては、液溜部形成面22の全面のみが、共
に、極めて簡単で且つ有利な操作によって、前記重合生
成物との接着性が効果的に高められ得るように改質処理
された改質処理面28,30とされているのである。
【0042】ここで、上述の如き雄型10及び雌型12
に対する改質処理に際しては、例えば、図7において概
略的に示されている如きプラズマ発生装置が用いられる
こととなるが、そこにおいて、32はプラズマ発生装置
のプラズマ発生部(ヘッド)であって、全体として筐体
形状を呈するチャンバ38内に、電極40,42、及び
ガス導入管44が、該電極40,42間に該ガス導入管
44の吐出口45が位置するように、内蔵されているの
であり、また、かかるプラズマ発生部32の外部には、
電極40,42間に所定の電圧を印加せしめるための制
御回路46及び高圧電源48、並びに、所定の流量の大
気をガス導入管44に供給するためのポンプ50が、そ
れぞれ、設置されている。そして、かかるプラズマ発生
装置にあっては、大気圧下に、電極40,42間に大気
を存在せしめた状態において、高圧電源48より、制御
回路46を介して、電極40,42間に所定の電圧を印
加することにより、該電極40,42間にてプラズマを
発生せしめると共に、かかるプラズマを、ポンプ50よ
りガス導入管44を通じて供給され、吐出口45から電
極40,42間に向かって噴出せしめられる作動ガス
(大気)と共に、プラズマ吹出口52から、プラズマ装
置外に吹き出すようになっているのである。このよう
に、本実施形態における、雄型10及び雌型12に対す
る改質処理にあっては、大気圧下において、プラズマ発
生装置(プラズマ発生部)の電極間で発生するプラズマ
を、それら電極間へガス(大気)を導入することによっ
て外部に吹き出させて、雄型10及び雌型12の所定の
面に接触させることにより、実施されているところか
ら、雄型10及び雌型12における改質処理が、より一
層確実になされ得ることとなるのである。
に対する改質処理に際しては、例えば、図7において概
略的に示されている如きプラズマ発生装置が用いられる
こととなるが、そこにおいて、32はプラズマ発生装置
のプラズマ発生部(ヘッド)であって、全体として筐体
形状を呈するチャンバ38内に、電極40,42、及び
ガス導入管44が、該電極40,42間に該ガス導入管
44の吐出口45が位置するように、内蔵されているの
であり、また、かかるプラズマ発生部32の外部には、
電極40,42間に所定の電圧を印加せしめるための制
御回路46及び高圧電源48、並びに、所定の流量の大
気をガス導入管44に供給するためのポンプ50が、そ
れぞれ、設置されている。そして、かかるプラズマ発生
装置にあっては、大気圧下に、電極40,42間に大気
を存在せしめた状態において、高圧電源48より、制御
回路46を介して、電極40,42間に所定の電圧を印
加することにより、該電極40,42間にてプラズマを
発生せしめると共に、かかるプラズマを、ポンプ50よ
りガス導入管44を通じて供給され、吐出口45から電
極40,42間に向かって噴出せしめられる作動ガス
(大気)と共に、プラズマ吹出口52から、プラズマ装
置外に吹き出すようになっているのである。このよう
に、本実施形態における、雄型10及び雌型12に対す
る改質処理にあっては、大気圧下において、プラズマ発
生装置(プラズマ発生部)の電極間で発生するプラズマ
を、それら電極間へガス(大気)を導入することによっ
て外部に吹き出させて、雄型10及び雌型12の所定の
面に接触させることにより、実施されているところか
ら、雄型10及び雌型12における改質処理が、より一
層確実になされ得ることとなるのである。
【0043】なお、上述した改質処理の際に用いられる
プラズマ発生装置としては、大気圧下に、一対の電極間
に大気乃至は所定のガスを存在せしめて、かかる電極に
電圧を印加することによってプラズマを発生させるもの
であれば、如何なる構造のものであっても何等差支えな
く、また、そのような電極間に存在せしめるガスとして
は、大気のみならず、窒素、酸素、ヘリウム、ネオン、
アルゴン、または、それらの2種以上を組み合わせてな
る混合ガスを用いることが出来る。そのような気体の中
でも、特に、大気を採用することによって、型表面の改
質処理におけるランニングコストの大幅な削減が可能と
なり、優れた経済性を有利に実現することが出来る。
プラズマ発生装置としては、大気圧下に、一対の電極間
に大気乃至は所定のガスを存在せしめて、かかる電極に
電圧を印加することによってプラズマを発生させるもの
であれば、如何なる構造のものであっても何等差支えな
く、また、そのような電極間に存在せしめるガスとして
は、大気のみならず、窒素、酸素、ヘリウム、ネオン、
アルゴン、または、それらの2種以上を組み合わせてな
る混合ガスを用いることが出来る。そのような気体の中
でも、特に、大気を採用することによって、型表面の改
質処理におけるランニングコストの大幅な削減が可能と
なり、優れた経済性を有利に実現することが出来る。
【0044】また、前記マスク部材31としては、耐熱
性に優れ、プラズマの接触に耐え得る材料であって、電
子や各種イオン等よりなるプラズマを反射乃至は遮断し
て、型の表面にプラズマが接触することを阻止し得るも
のであれば、電気の導体、絶縁体であるか否かを問わ
ず、如何なるものであっても使用することが出来、具体
的には、鉄、アルミや銅等の金属、ポリテトラフルオロ
エチレン等のフッ素樹脂、ポリイミド、ポリカーボネイ
ト等のエンジニアリングプラスチック等を例示すること
が出来る。なお、そのようなマスク部材を用いて、雄型
10や雌型12の一部のみを改質処理する際には、例え
ば、使用されるプラズマ発生装置におけるプラズマ吐出
部等を、一部分を除いてマスク部材にて被覆することに
より、かかるプラズマ発生装置によるプラズマの照射範
囲を極く限られた小さな範囲とし、その状態で、雄型1
0や雌型12の一部のみにプラズマを照射したり、或い
は、雄型10や雌型12において、改質処理されるべき
部位を除いた部位を、マスク部材にて被覆した状態下
で、それら雄型10や雌型12の全面に対して、プラズ
マを照射したりして、雄型10や雌型12の一部のみを
改質処理するようにしても良い。
性に優れ、プラズマの接触に耐え得る材料であって、電
子や各種イオン等よりなるプラズマを反射乃至は遮断し
て、型の表面にプラズマが接触することを阻止し得るも
のであれば、電気の導体、絶縁体であるか否かを問わ
ず、如何なるものであっても使用することが出来、具体
的には、鉄、アルミや銅等の金属、ポリテトラフルオロ
エチレン等のフッ素樹脂、ポリイミド、ポリカーボネイ
ト等のエンジニアリングプラスチック等を例示すること
が出来る。なお、そのようなマスク部材を用いて、雄型
10や雌型12の一部のみを改質処理する際には、例え
ば、使用されるプラズマ発生装置におけるプラズマ吐出
部等を、一部分を除いてマスク部材にて被覆することに
より、かかるプラズマ発生装置によるプラズマの照射範
囲を極く限られた小さな範囲とし、その状態で、雄型1
0や雌型12の一部のみにプラズマを照射したり、或い
は、雄型10や雌型12において、改質処理されるべき
部位を除いた部位を、マスク部材にて被覆した状態下
で、それら雄型10や雌型12の全面に対して、プラズ
マを照射したりして、雄型10や雌型12の一部のみを
改質処理するようにしても良い。
【0045】さらに、本実施形態においては、図6から
も明らかなように、プラズマ発生部32と雄型10(雌
型12)との間に、所定の大きさの孔36が所定間隔で
設けられたアルミニウム製のパンチシート34を介在せ
しめて、該プラズマ発生部32から吹き出されるプラズ
マのうち、該パンチシート34の孔を通過したもののみ
が、雄型12(雌型12)の所定部位に接触するように
なされているが、そのようなパンチシートの材質は、ア
ルミニウム等の金属に限られるものではなく、プラズマ
の通過を遮断するものであれば、例えば、フッ素樹脂製
のシート等の絶縁体であっても、使用することが可能で
ある。
も明らかなように、プラズマ発生部32と雄型10(雌
型12)との間に、所定の大きさの孔36が所定間隔で
設けられたアルミニウム製のパンチシート34を介在せ
しめて、該プラズマ発生部32から吹き出されるプラズ
マのうち、該パンチシート34の孔を通過したもののみ
が、雄型12(雌型12)の所定部位に接触するように
なされているが、そのようなパンチシートの材質は、ア
ルミニウム等の金属に限られるものではなく、プラズマ
の通過を遮断するものであれば、例えば、フッ素樹脂製
のシート等の絶縁体であっても、使用することが可能で
ある。
【0046】また、そのようなパンチシートにおいて、
それに設けられた孔にて与えられる開孔率(単位面積当
たりの孔の面積の割合)は、プラズマ処理の程度に応じ
て適宜に選定されることとなるが、好ましくは、15%
〜50%の開孔率のパンチシートとして、用いられるこ
とが望ましい。けだし、開孔率が15%より低くなる
と、プラズマが接触せしめられる型表面において、プラ
ズマによる改質処理効果が十分に得られないからであ
り、また開孔率が50%よりも高くなると、パンチシー
トによる表面処理均一効果が充分に得られ難くなるから
である。なお、厚さが0.1mmより薄いパンチシート
は、パンチシート自身の強度が低く、その形状を保持す
ることが困難となるのであり、一方、厚さが3mmより
厚いパンチシートにあっては、パンチシートによる表面
処理均一効果が充分に得られ難くなるところから、一般
に、0.1mm〜3mmの厚さを有するパンチシート
が、好適に用いられることとなる。
それに設けられた孔にて与えられる開孔率(単位面積当
たりの孔の面積の割合)は、プラズマ処理の程度に応じ
て適宜に選定されることとなるが、好ましくは、15%
〜50%の開孔率のパンチシートとして、用いられるこ
とが望ましい。けだし、開孔率が15%より低くなる
と、プラズマが接触せしめられる型表面において、プラ
ズマによる改質処理効果が十分に得られないからであ
り、また開孔率が50%よりも高くなると、パンチシー
トによる表面処理均一効果が充分に得られ難くなるから
である。なお、厚さが0.1mmより薄いパンチシート
は、パンチシート自身の強度が低く、その形状を保持す
ることが困難となるのであり、一方、厚さが3mmより
厚いパンチシートにあっては、パンチシートによる表面
処理均一効果が充分に得られ難くなるところから、一般
に、0.1mm〜3mmの厚さを有するパンチシート
が、好適に用いられることとなる。
【0047】そして、このようなパンチシートを介し
て、プラズマ発生部32より吹き出されるプラズマを、
雄型10及び雌型12の所定部位に接触せしめるように
した本実施形態にあっては、改質処理を所望する部位に
均一に且つ有効にプラズマが接触せしめられていること
から、前記重合生成物との接着性が、より一層確実に為
され得ているのである。
て、プラズマ発生部32より吹き出されるプラズマを、
雄型10及び雌型12の所定部位に接触せしめるように
した本実施形態にあっては、改質処理を所望する部位に
均一に且つ有効にプラズマが接触せしめられていること
から、前記重合生成物との接着性が、より一層確実に為
され得ているのである。
【0048】更にまた、本発明にあっては、本実施形態
において用いられているパンチシート34に代えて、網
状体を用いた場合においても、パンチシートを用いた場
合と同様の効果、即ち、表面処理均一効果を得ることが
出来るのであるが、そのような網状体は、鉄、アルミ等
の金属のみならず、他の材質のものであっても、適宜に
採用可能である。なお、網状体として鉄網を用いた場合
にあっては、網の開き目幅は、0.3mm〜20mmの
範囲にあることが、望ましい。これは、かかる開き目幅
が0.3mmより小さいと、プラズマによる改質処理効
果が十分に得られないからであり、また、20mmより
大きいと、鉄網を用いたことによる表面処理均一効果が
得られ難くなるからである。また、かかる鉄網の網線
(鉄線)の直径が0.1mmより細い場合には、鉄網の
強度が低く、その取り扱いが困難であり、一方、3mm
より太い場合には、鉄網による表面処理均一効果が得ら
れ難いことから、一般に、0.1mm〜3mmの網線
(鉄線)より構成される鉄網が、好適に用いられること
となる。
において用いられているパンチシート34に代えて、網
状体を用いた場合においても、パンチシートを用いた場
合と同様の効果、即ち、表面処理均一効果を得ることが
出来るのであるが、そのような網状体は、鉄、アルミ等
の金属のみならず、他の材質のものであっても、適宜に
採用可能である。なお、網状体として鉄網を用いた場合
にあっては、網の開き目幅は、0.3mm〜20mmの
範囲にあることが、望ましい。これは、かかる開き目幅
が0.3mmより小さいと、プラズマによる改質処理効
果が十分に得られないからであり、また、20mmより
大きいと、鉄網を用いたことによる表面処理均一効果が
得られ難くなるからである。また、かかる鉄網の網線
(鉄線)の直径が0.1mmより細い場合には、鉄網の
強度が低く、その取り扱いが困難であり、一方、3mm
より太い場合には、鉄網による表面処理均一効果が得ら
れ難いことから、一般に、0.1mm〜3mmの網線
(鉄線)より構成される鉄網が、好適に用いられること
となる。
【0049】ところで、上述の如くして、型表面に対し
てプラズマを吹き付けて、プラズマの照射を行なう際に
は、プラズマ発生部32の先端部(プラズマ吐出口5
2)から改質処理を施す型表面までの最短距離(ワーク
ディスタンス)は、1mm〜50mmの範囲内において
設定されることが、望ましい。これは、かかるワークデ
ィスタンスが、1mm未満である場合には、吹出口の吹
き出し部分が狭くなり、ガスの吐出が不完全となるの
で、所期のプラズマ照射による型表面の改質効果を得る
ことが困難となる一方、ワークディスタンスが50mm
を越える場合にあっては、ワークディスタンスが大きく
なるに従って、プラズマ処理面積が小さくなるところか
ら、表面改質の処理幅が略0mmとなり、プラズマ処理
を実施しても、その効果が殆ど得られなくなるからであ
る。
てプラズマを吹き付けて、プラズマの照射を行なう際に
は、プラズマ発生部32の先端部(プラズマ吐出口5
2)から改質処理を施す型表面までの最短距離(ワーク
ディスタンス)は、1mm〜50mmの範囲内において
設定されることが、望ましい。これは、かかるワークデ
ィスタンスが、1mm未満である場合には、吹出口の吹
き出し部分が狭くなり、ガスの吐出が不完全となるの
で、所期のプラズマ照射による型表面の改質効果を得る
ことが困難となる一方、ワークディスタンスが50mm
を越える場合にあっては、ワークディスタンスが大きく
なるに従って、プラズマ処理面積が小さくなるところか
ら、表面改質の処理幅が略0mmとなり、プラズマ処理
を実施しても、その効果が殆ど得られなくなるからであ
る。
【0050】また、プラズマガスの照射時間としては、
型表面における所望の部位において十分な改質処理がな
され得るように、0.1秒〜120秒とすることが、好
ましい。けだし、照射時間が0.1秒未満では、プラズ
マ処理による効果が殆ど得られないからであり、他方、
120秒を越えると、型表面においてクラック等の損傷
が発生することとなるからである。
型表面における所望の部位において十分な改質処理がな
され得るように、0.1秒〜120秒とすることが、好
ましい。けだし、照射時間が0.1秒未満では、プラズ
マ処理による効果が殆ど得られないからであり、他方、
120秒を越えると、型表面においてクラック等の損傷
が発生することとなるからである。
【0051】加えて、型表面に対する改質処理操作にお
いて、改質される部位も、雄型10における後面成形キ
ャビティ面16の周辺領域成形面19と雌型12の液溜
部形成面22のみに限られるものでは決してなく、例え
ば、雄型10における後面成形キャビティ面16の周辺
領域成形面19の一部のみや、該後面成形キャビティ面
16の全面、或いは雌型12の液溜部形成面22の一部
のみを、前述の如き要領にて、改質処理を行なっても良
いのであり、また、雌型12を何等改質処理することな
く、雄型10のみを、少なくとも後面成形キャビティ面
16の一部において改質処理したり、その反対に、雄型
10を何等改質処理することなく、雌型12のみを、少
なくとも前面成形キャビティ面20の一部において改質
処理したりすることも可能である。要するに、雄型10
と雌型12のうち、成形キャビティ24内や液溜部26
内で生成せしめられる重合生成物との接着性を高めたい
方の型に対して、改質処理を行なえば良いのである。
いて、改質される部位も、雄型10における後面成形キ
ャビティ面16の周辺領域成形面19と雌型12の液溜
部形成面22のみに限られるものでは決してなく、例え
ば、雄型10における後面成形キャビティ面16の周辺
領域成形面19の一部のみや、該後面成形キャビティ面
16の全面、或いは雌型12の液溜部形成面22の一部
のみを、前述の如き要領にて、改質処理を行なっても良
いのであり、また、雌型12を何等改質処理することな
く、雄型10のみを、少なくとも後面成形キャビティ面
16の一部において改質処理したり、その反対に、雄型
10を何等改質処理することなく、雌型12のみを、少
なくとも前面成形キャビティ面20の一部において改質
処理したりすることも可能である。要するに、雄型10
と雌型12のうち、成形キャビティ24内や液溜部26
内で生成せしめられる重合生成物との接着性を高めたい
方の型に対して、改質処理を行なえば良いのである。
【0052】このように、本実施形態の成形型にあって
は、雄型10の後面成形キャビティ面16の周辺領域成
形面19と、雌型12の液溜部形成面22の全面とが、
それぞれ、大気圧下で発生させたプラズマとの接触によ
り改質処理されて、成形キャビティ24内や液溜部26
内で生成される重合生成物との接着性が有効に高められ
た改質処理面28,30として構成されているところか
ら、雄型10と雌型12との型開き時において、成形キ
ャビティ24内で成形されたコンタクトレンズが、その
光学領域を除いた、該光学領域の周辺領域において、雄
型10の後面成形キャビティ面16の改質処理面28に
接着されて、該雄型10に保持される一方、液溜部26
内で形成された余剰重合体が、雌型12の液溜部形成面
22の改質処理面30に接着されて、該雌型12に保持
されるようになるのである(図9参照)。
は、雄型10の後面成形キャビティ面16の周辺領域成
形面19と、雌型12の液溜部形成面22の全面とが、
それぞれ、大気圧下で発生させたプラズマとの接触によ
り改質処理されて、成形キャビティ24内や液溜部26
内で生成される重合生成物との接着性が有効に高められ
た改質処理面28,30として構成されているところか
ら、雄型10と雌型12との型開き時において、成形キ
ャビティ24内で成形されたコンタクトレンズが、その
光学領域を除いた、該光学領域の周辺領域において、雄
型10の後面成形キャビティ面16の改質処理面28に
接着されて、該雄型10に保持される一方、液溜部26
内で形成された余剰重合体が、雌型12の液溜部形成面
22の改質処理面30に接着されて、該雌型12に保持
されるようになるのである(図9参照)。
【0053】因みに、かくの如き構造とされた成形型を
用いて、目的とする眼用レンズたるコンタクトレンズを
モールド成形(重合)するに際しては、例えば、図8乃
至図11に示されるような工程を経由する手法が、採用
されることとなる。
用いて、目的とする眼用レンズたるコンタクトレンズを
モールド成形(重合)するに際しては、例えば、図8乃
至図11に示されるような工程を経由する手法が、採用
されることとなる。
【0054】すなわち、先ず、図8に示される如く、雌
型12の半球状部18内に、所定の供給装置(図示せ
ず)から、目的とする眼用レンズたるコンタクトレンズ
を構成する重合体を与える重合性材料54の所定量を供
給する。その後、雌型12における前記段差15の上側
角部に対して、雄型10における筒壁部の外周面の底部
14側角部が当接するように、雄型10と雌型12とを
組み付けて、型合わせを行なうことにより、それら雄型
10と雌型12との間に成形キャビティ24を形成する
(図1参照)と共に、該成形キャビティ24内に重合性
材料54を充填する。その際、成形キャビティ24から
溢れ出た余剰の重合性材料54は、雄型10と雌型12
との間において、成形キャビティ24の上方に形成され
る液溜部26内に溜められることとなる。なお、ここで
用いられる重合性材料54としては、目的とするコンタ
クトレンズを構成する重合体を与える、従来から公知の
各種の液状のモノマー組成物が、一般に用いられる。
型12の半球状部18内に、所定の供給装置(図示せ
ず)から、目的とする眼用レンズたるコンタクトレンズ
を構成する重合体を与える重合性材料54の所定量を供
給する。その後、雌型12における前記段差15の上側
角部に対して、雄型10における筒壁部の外周面の底部
14側角部が当接するように、雄型10と雌型12とを
組み付けて、型合わせを行なうことにより、それら雄型
10と雌型12との間に成形キャビティ24を形成する
(図1参照)と共に、該成形キャビティ24内に重合性
材料54を充填する。その際、成形キャビティ24から
溢れ出た余剰の重合性材料54は、雄型10と雌型12
との間において、成形キャビティ24の上方に形成され
る液溜部26内に溜められることとなる。なお、ここで
用いられる重合性材料54としては、目的とするコンタ
クトレンズを構成する重合体を与える、従来から公知の
各種の液状のモノマー組成物が、一般に用いられる。
【0055】次いで、成形キャビティ24内に重合性材
料54が充填せしめられた状態下において、該重合性材
料54の重合操作を、光源若しくは熱源からの紫外線や
熱の助けを借りて遂行する、通常の光重合法や熱重合法
に従って行ない、以て目的とするコンタクトレンズをモ
ールド成形するのであるが、ここでは、図9に示される
ように、重合性材料54を重合するための紫外線を、光
が透過可能な透明性を有する雄型10を通じて成形キャ
ビティ24内に導入せしめて、成形キャビティ24内の
重合性材料54を光重合せしめる。これによって、雄型
10の後面成形キャビティ面16にてレンズ後面が成形
されると共に、雌型12の前面成形キャビティ面20に
てレンズ前面が成形されて、目的とするコンタクトレン
ズ56を得るのである。このとき、液溜部26内に溜め
られた余剰の重合性材料54も、雄型10を通じて導入
される紫外線によって重合せしめられて、液溜部26内
で、余剰重合体58が生成される。そして、前述せる如
く、かかるモールド成形されたコンタクトレンズ56
は、その光学領域を除いた、該光学領域の周辺領域にお
いて、雄型10の後面成形キャビティ面16に形成せし
められた改質処理面28に接着せしめられる一方、余剰
重合体58は、雌型12の液溜部形成面22に形成せし
められた改質処理面30に接着せしめられる。
料54が充填せしめられた状態下において、該重合性材
料54の重合操作を、光源若しくは熱源からの紫外線や
熱の助けを借りて遂行する、通常の光重合法や熱重合法
に従って行ない、以て目的とするコンタクトレンズをモ
ールド成形するのであるが、ここでは、図9に示される
ように、重合性材料54を重合するための紫外線を、光
が透過可能な透明性を有する雄型10を通じて成形キャ
ビティ24内に導入せしめて、成形キャビティ24内の
重合性材料54を光重合せしめる。これによって、雄型
10の後面成形キャビティ面16にてレンズ後面が成形
されると共に、雌型12の前面成形キャビティ面20に
てレンズ前面が成形されて、目的とするコンタクトレン
ズ56を得るのである。このとき、液溜部26内に溜め
られた余剰の重合性材料54も、雄型10を通じて導入
される紫外線によって重合せしめられて、液溜部26内
で、余剰重合体58が生成される。そして、前述せる如
く、かかるモールド成形されたコンタクトレンズ56
は、その光学領域を除いた、該光学領域の周辺領域にお
いて、雄型10の後面成形キャビティ面16に形成せし
められた改質処理面28に接着せしめられる一方、余剰
重合体58は、雌型12の液溜部形成面22に形成せし
められた改質処理面30に接着せしめられる。
【0056】さらに、成形型に対して機械的な力を加え
る等して、図10に示されるように、雄型10を雌型1
2から取り外すことにより、それら雄型10と雌型12
の型開きを行なう。その際、前述せるような改質処理面
の配置形態であるが故に、コンタクトレンズ56は、雄
型10の後面成形キャビティ面16の改質処理面28に
接着されている一方、液溜部26内で生成された余剰重
合体58は、雌型12の液溜部形成面22の改質処理面
30に接着されているため、雄型10と雌型12との型
開き時において、コンタクトレンズ56は、雄型10に
保持されつつ、雌型12から離脱せしめられ、また、余
剰重合体58は、雌型12に保持されたまま、雌型12
の半球状部18内に残存せしめられることとなるのであ
る。
る等して、図10に示されるように、雄型10を雌型1
2から取り外すことにより、それら雄型10と雌型12
の型開きを行なう。その際、前述せるような改質処理面
の配置形態であるが故に、コンタクトレンズ56は、雄
型10の後面成形キャビティ面16の改質処理面28に
接着されている一方、液溜部26内で生成された余剰重
合体58は、雌型12の液溜部形成面22の改質処理面
30に接着されているため、雄型10と雌型12との型
開き時において、コンタクトレンズ56は、雄型10に
保持されつつ、雌型12から離脱せしめられ、また、余
剰重合体58は、雌型12に保持されたまま、雌型12
の半球状部18内に残存せしめられることとなるのであ
る。
【0057】そして、その後、図11に示される如く、
コンタクトレンズ56が、雄型10から脱離せしめられ
る一方、余剰重合体58が、雌型12の半球状部18内
から分離せしめられる。なお、それらコンタクトレンズ
56と余剰重合体58の雄型10や雌型12からの脱離
乃至は分離操作には、公知の化学的手法や物理的手法、
或いは機械的手法が適宜に採用される。例えば、コンタ
クトレンズ56を雄型10から脱離せしめる際には、雄
型10の筒壁部を両側から押圧する等して、雄型10を
潰して変形させ、以て、コンタクトレンズ56を雄型1
0の改質処理面28から剥離する方法や、コンタクトレ
ンズ56が接着、保持された雄型10を、水等の適当な
水和処理液中に浸漬して、コンタクトレンズ56を膨潤
せしめ、このコンタクトレンズ56の膨潤するときに力
によって、コンタクトレンズ56を雄型10の改質処理
面28から剥離する方法等が採用されるのである。な
お、前者の方法を採用する場合には、特別な装置や器具
等を何等用いることなく、コンタクトレンズ56の雄型
10からの脱離操作が、容易に且つ迅速に、しかも経済
的に有利に実施できるといった利点が得られ、また、後
者の手法を採用する場合には、コンタクトレンズ56
を、外力等により、何等傷つけることなく、雄型10か
ら脱離せしめることが可能となる。
コンタクトレンズ56が、雄型10から脱離せしめられ
る一方、余剰重合体58が、雌型12の半球状部18内
から分離せしめられる。なお、それらコンタクトレンズ
56と余剰重合体58の雄型10や雌型12からの脱離
乃至は分離操作には、公知の化学的手法や物理的手法、
或いは機械的手法が適宜に採用される。例えば、コンタ
クトレンズ56を雄型10から脱離せしめる際には、雄
型10の筒壁部を両側から押圧する等して、雄型10を
潰して変形させ、以て、コンタクトレンズ56を雄型1
0の改質処理面28から剥離する方法や、コンタクトレ
ンズ56が接着、保持された雄型10を、水等の適当な
水和処理液中に浸漬して、コンタクトレンズ56を膨潤
せしめ、このコンタクトレンズ56の膨潤するときに力
によって、コンタクトレンズ56を雄型10の改質処理
面28から剥離する方法等が採用されるのである。な
お、前者の方法を採用する場合には、特別な装置や器具
等を何等用いることなく、コンタクトレンズ56の雄型
10からの脱離操作が、容易に且つ迅速に、しかも経済
的に有利に実施できるといった利点が得られ、また、後
者の手法を採用する場合には、コンタクトレンズ56
を、外力等により、何等傷つけることなく、雄型10か
ら脱離せしめることが可能となる。
【0058】このように、本実施形態にあっては、雄型
10や雌型12の形状に対応した電極を用いることな
く、大気圧下でプラズマを発生せしめるプラズマ発生装
置を用いて、雄型10の後面成形キャビティ面16にお
ける周辺領域成形面19に対して、かかるプラズマ発生
装置にて発生させたプラズマを照射するだけの極めて簡
単な作業を行なうだけで、雄型10の後面成形キャビテ
ィ面16の形状を何等変更することなく、かかる後面成
形キャビティ面16の周辺領域成形面19が、コンタク
トレンズ56に対する接着性が高められるように改質処
理された改質処理面28とされ、それにより、コンタク
トレンズ56が、その成形後における雄型10と雌型1
2の型開き時において、常に、かかる後面成形キャビテ
ィ面16の改質処理面28に接着されて、雄型10に対
して確実に保持されるようになっているところから、所
望形状のコンタクトレンズ56が、可及的に低いコスト
と優れた作業性とをもって有利に成形され得るのであ
る。
10や雌型12の形状に対応した電極を用いることな
く、大気圧下でプラズマを発生せしめるプラズマ発生装
置を用いて、雄型10の後面成形キャビティ面16にお
ける周辺領域成形面19に対して、かかるプラズマ発生
装置にて発生させたプラズマを照射するだけの極めて簡
単な作業を行なうだけで、雄型10の後面成形キャビテ
ィ面16の形状を何等変更することなく、かかる後面成
形キャビティ面16の周辺領域成形面19が、コンタク
トレンズ56に対する接着性が高められるように改質処
理された改質処理面28とされ、それにより、コンタク
トレンズ56が、その成形後における雄型10と雌型1
2の型開き時において、常に、かかる後面成形キャビテ
ィ面16の改質処理面28に接着されて、雄型10に対
して確実に保持されるようになっているところから、所
望形状のコンタクトレンズ56が、可及的に低いコスト
と優れた作業性とをもって有利に成形され得るのであ
る。
【0059】しかも、本実施形態では、雄型10の後面
成形キャビティ面16における周辺領域成形面19と、
雌型12の液溜部形成面22の全面とに対する改質処理
操作において、大気圧下で発生せしめたプラズマを大気
により外部に吹き出す構造を有するプラズマ発生装置を
用いると共に、プラズマを雄型10及び雌型12におけ
る前記所定の部位に接触せしめるにあたり、プラズマ発
生装置(プラズマ発生部32)と雄型10或いは雌型1
2との間に、アルミニウム製のパンチシート24を介在
せしめた状態でプラズマの照射が行なわれているところ
から、雄型10の後面成形キャビティ面16における改
質処理面28のコンタクトレンズ56との接着性、及び
雌型12の液溜部形成面22における改質処理面30の
余剰重合体58との接着性が、それぞれの改質処理面に
おいて、全体として均一に且つ十分に高められているの
である。また、それら後面成形キャビティ面16の周辺
領域成形面19と液溜部形成面22の全面に対する改質
処理操作が、より簡単に且つより経済的に有利に実施さ
れるようになっているところから、目的とするコンタク
トレンズ56が、更に一層優れた製作性をもって、成形
することが可能となっている。しかも、前述せる如く、
ここでは、前記改質処理操作において、プラズマ発生部
(プラズマ発生装置)を、雄型10の後面成形キャビテ
ィ面16や雌型12の液溜部形成面22に対して、特に
近づける必要がないことから、かかる改質処理操作時
に、雄型10や雌型12を損傷させることもないのであ
る。
成形キャビティ面16における周辺領域成形面19と、
雌型12の液溜部形成面22の全面とに対する改質処理
操作において、大気圧下で発生せしめたプラズマを大気
により外部に吹き出す構造を有するプラズマ発生装置を
用いると共に、プラズマを雄型10及び雌型12におけ
る前記所定の部位に接触せしめるにあたり、プラズマ発
生装置(プラズマ発生部32)と雄型10或いは雌型1
2との間に、アルミニウム製のパンチシート24を介在
せしめた状態でプラズマの照射が行なわれているところ
から、雄型10の後面成形キャビティ面16における改
質処理面28のコンタクトレンズ56との接着性、及び
雌型12の液溜部形成面22における改質処理面30の
余剰重合体58との接着性が、それぞれの改質処理面に
おいて、全体として均一に且つ十分に高められているの
である。また、それら後面成形キャビティ面16の周辺
領域成形面19と液溜部形成面22の全面に対する改質
処理操作が、より簡単に且つより経済的に有利に実施さ
れるようになっているところから、目的とするコンタク
トレンズ56が、更に一層優れた製作性をもって、成形
することが可能となっている。しかも、前述せる如く、
ここでは、前記改質処理操作において、プラズマ発生部
(プラズマ発生装置)を、雄型10の後面成形キャビテ
ィ面16や雌型12の液溜部形成面22に対して、特に
近づける必要がないことから、かかる改質処理操作時
に、雄型10や雌型12を損傷させることもないのであ
る。
【0060】さらに、本実施形態にあっては、モールド
成形されたコンタクトレンズ56が、有底円筒形状を呈
する雄型10の底部にて構成された後面成形キャビティ
面16に接着されて、該雄型10に保持されるようにな
っていることから、単に、雄型10の筒壁部を押圧する
等して、雄型10を潰して変形させることにより、コン
タクトレンズ56を傷つけることなく、雄型10の改質
処理面28から容易に剥離して、雄型10から脱離せし
めることが出来る特徴がある。
成形されたコンタクトレンズ56が、有底円筒形状を呈
する雄型10の底部にて構成された後面成形キャビティ
面16に接着されて、該雄型10に保持されるようにな
っていることから、単に、雄型10の筒壁部を押圧する
等して、雄型10を潰して変形させることにより、コン
タクトレンズ56を傷つけることなく、雄型10の改質
処理面28から容易に剥離して、雄型10から脱離せし
めることが出来る特徴がある。
【0061】更にまた、本実施形態では、雄型10の後
面成形キャビティ面16において、目的とするコンタク
トレンズ56の後面における光学領域を除いた、該光学
領域の周辺領域を与える周辺領域成形面19が、該コン
タクトレンズ56との接着性が高められるように改質処
理された改質処理面28とされて、雄型10と雌型12
との型開き時に、モールド成形されたコンタクトレンズ
56が、その光学領域を除いた、該光学領域の周辺領域
において、雄型10の後面成形キャビティ面16の改質
処理面28に接着されて、該雄型10に保持されるよう
になっているところから、かかるコンタクトレンズ56
が雄型10に接着、保持されることにより、該コンタク
トレンズ56の光学領域に損傷が生ずるようなことが有
効に防止され得、以て、モールド成形されたコンタクト
レンズ56における所望の光学性能が確保され得ること
となる。
面成形キャビティ面16において、目的とするコンタク
トレンズ56の後面における光学領域を除いた、該光学
領域の周辺領域を与える周辺領域成形面19が、該コン
タクトレンズ56との接着性が高められるように改質処
理された改質処理面28とされて、雄型10と雌型12
との型開き時に、モールド成形されたコンタクトレンズ
56が、その光学領域を除いた、該光学領域の周辺領域
において、雄型10の後面成形キャビティ面16の改質
処理面28に接着されて、該雄型10に保持されるよう
になっているところから、かかるコンタクトレンズ56
が雄型10に接着、保持されることにより、該コンタク
トレンズ56の光学領域に損傷が生ずるようなことが有
効に防止され得、以て、モールド成形されたコンタクト
レンズ56における所望の光学性能が確保され得ること
となる。
【0062】また、本実施形態においては、雌型12の
液溜部形成面22の全面が改質処理面30とされて、雄
型10と雌型12の型開き時に、液溜部26内で生成さ
れた余剰重合体58が、かかる改質処理面30に接着さ
れて、雌型12に保持されたまま、該雌型12の半球状
部18内に残存せしめられるようになっているところか
ら、モールド成形されたコンタクトレンズ56や生成さ
れた余剰重合体58に対して、何等の操作を加えること
なく、単に、雄型10を雌型12から離脱せしめるだけ
で、コンタクトレンズ56と余剰重合体58とが分離さ
れ得、以て、コンタクトレンズ56の製造作業における
作業性が、より一層効果的に高められ得るのである。
液溜部形成面22の全面が改質処理面30とされて、雄
型10と雌型12の型開き時に、液溜部26内で生成さ
れた余剰重合体58が、かかる改質処理面30に接着さ
れて、雌型12に保持されたまま、該雌型12の半球状
部18内に残存せしめられるようになっているところか
ら、モールド成形されたコンタクトレンズ56や生成さ
れた余剰重合体58に対して、何等の操作を加えること
なく、単に、雄型10を雌型12から離脱せしめるだけ
で、コンタクトレンズ56と余剰重合体58とが分離さ
れ得、以て、コンタクトレンズ56の製造作業における
作業性が、より一層効果的に高められ得るのである。
【0063】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0064】−実施例1− 先ず、図2に示される如き形状の雄型10と図3に示さ
れる如き形状の雌型12を、ポリプロピレンを材質とす
る樹脂型として、通常の成形操作乃至は切削操作によ
り、それぞれ3個ずつ形成し、そのように形成された雄
型10の一つと雌型12とを組み合わせて、図1に示さ
れる如き構造のコンタクトレンズの成形型を、3組準備
した。次いで、別に準備したプラズマ発生装置(株式会
社キーエンス製プラズマ照射器[ST−7000])を
用いて、前述の如く形成された12組の成形型における
各雄型10の底部14の外周面、即ち後面成形キャビテ
ィ面16の全面と、その筒壁部の外周面、つまり、雌型
12との間で液溜部26を形成する雄型側液溜部形成面
の全面とに対して、大気圧下においてプラズマを照射し
て、それらの外周面を改質処理した。ここで、かかる改
質処理の際の条件としては、上記プラズマ照射器への印
加電圧:10kv、周波数:20〜25kHz、照射レ
ベル(電圧の電極印加条件)[電圧を印加する周期:3
2ms、周波数:31.25Hz、デューティー比(=
TD/TP;但し、TD=パルス持続時間、TP=パルス繰
返し周期):0.5]、導入ガス:大気、プラズマ照射
時間:1secを、それぞれ採用する一方、ワークディ
スタンスについては、各々の型ごとに、5mm(本発明
例1)、20mm(本発明例2)、60mm(本発明例
3)と変化せしめた。
れる如き形状の雌型12を、ポリプロピレンを材質とす
る樹脂型として、通常の成形操作乃至は切削操作によ
り、それぞれ3個ずつ形成し、そのように形成された雄
型10の一つと雌型12とを組み合わせて、図1に示さ
れる如き構造のコンタクトレンズの成形型を、3組準備
した。次いで、別に準備したプラズマ発生装置(株式会
社キーエンス製プラズマ照射器[ST−7000])を
用いて、前述の如く形成された12組の成形型における
各雄型10の底部14の外周面、即ち後面成形キャビテ
ィ面16の全面と、その筒壁部の外周面、つまり、雌型
12との間で液溜部26を形成する雄型側液溜部形成面
の全面とに対して、大気圧下においてプラズマを照射し
て、それらの外周面を改質処理した。ここで、かかる改
質処理の際の条件としては、上記プラズマ照射器への印
加電圧:10kv、周波数:20〜25kHz、照射レ
ベル(電圧の電極印加条件)[電圧を印加する周期:3
2ms、周波数:31.25Hz、デューティー比(=
TD/TP;但し、TD=パルス持続時間、TP=パルス繰
返し周期):0.5]、導入ガス:大気、プラズマ照射
時間:1secを、それぞれ採用する一方、ワークディ
スタンスについては、各々の型ごとに、5mm(本発明
例1)、20mm(本発明例2)、60mm(本発明例
3)と変化せしめた。
【0065】さらに、異なるワークディスタンスにおけ
るプラズマの照射により、雄型10の底部14と筒壁部
の外周面の全面が改質処理された前記3組の成形型(本
発明例1〜3)を用いて、含水性ソフトコンタクトレン
ズを、各成形型において、それぞれ5枚ずつモールド成
形した。具体的には、含水性ソフトコンタクトレンズの
原料たる液状のモノマー組成物を雌型12に供給し、そ
のような雌型12と雄型10とを型合わせした後、高圧
水銀灯(主波長:365nm)を用いて成形キャビティ
24内に充填されたモノマーをUV重合せしめることに
より、含水性ソフトコンタクトレンズをモールド成形し
た。そして、それぞれの成形型において、モールド成形
された5枚の含水性ソフトコンタクトレンズのうち、雄
型10と雌型12の型開き時に、成形されたコンタクト
レンズが、いずれの型に接着、保持せしめられるかを目
視により観察し、それらの結果を、下記表1に示した。
なお、下記表1中の「OK」は、成形されたコンタクト
レンズが雄型10に接着等されたことを意味する一方、
「NG」は、コンタクトレンズが雌型12に接着等され
たことを意味するものである。
るプラズマの照射により、雄型10の底部14と筒壁部
の外周面の全面が改質処理された前記3組の成形型(本
発明例1〜3)を用いて、含水性ソフトコンタクトレン
ズを、各成形型において、それぞれ5枚ずつモールド成
形した。具体的には、含水性ソフトコンタクトレンズの
原料たる液状のモノマー組成物を雌型12に供給し、そ
のような雌型12と雄型10とを型合わせした後、高圧
水銀灯(主波長:365nm)を用いて成形キャビティ
24内に充填されたモノマーをUV重合せしめることに
より、含水性ソフトコンタクトレンズをモールド成形し
た。そして、それぞれの成形型において、モールド成形
された5枚の含水性ソフトコンタクトレンズのうち、雄
型10と雌型12の型開き時に、成形されたコンタクト
レンズが、いずれの型に接着、保持せしめられるかを目
視により観察し、それらの結果を、下記表1に示した。
なお、下記表1中の「OK」は、成形されたコンタクト
レンズが雄型10に接着等されたことを意味する一方、
「NG」は、コンタクトレンズが雌型12に接着等され
たことを意味するものである。
【0066】
【表1】
【0067】かかる表1の結果より、本発明に従う成形
型のうち、特に、ワークディスタンスを50mm以下と
してプラズマを接触せしめた本発明例1,2にあって
は、各成形型においてモールド成形された5枚のコンタ
クトレンズの全てが、型開き時に、雄型10に接着、保
持されていることが確認出来る。
型のうち、特に、ワークディスタンスを50mm以下と
してプラズマを接触せしめた本発明例1,2にあって
は、各成形型においてモールド成形された5枚のコンタ
クトレンズの全てが、型開き時に、雄型10に接着、保
持されていることが確認出来る。
【0068】−実施例2− 先ず、実施例1と同様の手法により、図1に示される如
き形状の成形型を3組形成する一方、実施例1で使用し
たプラズマ照射器を準備した。次いで、成形した各雄型
10の、実施例1において改質処理を施した部位と同様
の部位(底部14と筒壁部の外周面の全面)に対して、
かかるプラズマ照射器を用いて大気圧下においてプラズ
マを照射せしめて、改質処理を施した。ここで、かかる
改質処理の際の条件としては、印加電圧、周波数、照射
レベル、及び導入ガスについては実施例1の場合と同条
件とし、ワークディスタンスを全ての型に対して10m
mとする一方、プラズマ照射時間を、それぞれの型ごと
に、1sec(本発明例4)、10sec(本発明例
5)、20sec(本発明例6)と、それぞれ変化せし
めた。そして、そのように改質処理が為された成形型を
用いて、含水性ソフトコンタクトレンズを5枚ずつ、実
施例1と同様の手法にて成形し、成形後、雄型10と雌
型12の型開き時に、成形されたコンタクトレンズが、
何れの型に接着、保持せしめられるかを目視により観察
し、その結果を、下記表2に示した。なお、下記表2中
の「OK」は、上記表1と同様の意味を表わすものであ
る。
き形状の成形型を3組形成する一方、実施例1で使用し
たプラズマ照射器を準備した。次いで、成形した各雄型
10の、実施例1において改質処理を施した部位と同様
の部位(底部14と筒壁部の外周面の全面)に対して、
かかるプラズマ照射器を用いて大気圧下においてプラズ
マを照射せしめて、改質処理を施した。ここで、かかる
改質処理の際の条件としては、印加電圧、周波数、照射
レベル、及び導入ガスについては実施例1の場合と同条
件とし、ワークディスタンスを全ての型に対して10m
mとする一方、プラズマ照射時間を、それぞれの型ごと
に、1sec(本発明例4)、10sec(本発明例
5)、20sec(本発明例6)と、それぞれ変化せし
めた。そして、そのように改質処理が為された成形型を
用いて、含水性ソフトコンタクトレンズを5枚ずつ、実
施例1と同様の手法にて成形し、成形後、雄型10と雌
型12の型開き時に、成形されたコンタクトレンズが、
何れの型に接着、保持せしめられるかを目視により観察
し、その結果を、下記表2に示した。なお、下記表2中
の「OK」は、上記表1と同様の意味を表わすものであ
る。
【0069】
【表2】
【0070】かかる表2の結果より、プラズマの照射時
間を0.1〜120秒の範囲内とした本発明例4〜6に
あっては、いずれも、各成形型においてモールド成形さ
れた5枚のコンタクトレンズの全てが、型開き時に、雄
型10に接着、保持されていることが確認出来る。
間を0.1〜120秒の範囲内とした本発明例4〜6に
あっては、いずれも、各成形型においてモールド成形さ
れた5枚のコンタクトレンズの全てが、型開き時に、雄
型10に接着、保持されていることが確認出来る。
【0071】−実施例3− 先ず、実施例1と同様の手法により、図1に示される如
き形状の成形型を6組形成する一方、実施例1で使用し
たプラズマ照射器、パンチシートA(材質:フッ素樹
脂、開孔率:23%、厚さ:0.5mm)、及びパンチ
シートB(材質:アルミニウム、開孔率:37%、厚
さ:0.5mm)、鉄網(開き目幅:12.1mm、網
線直径:1.4mm)を準備した。次いで、かかる形成
された6組の成形型を、2組ずつ3つのグループ(グル
ープ1〜3)に分け、グループ1については上記パンチ
シートAを、グループ2については上記パンチシートB
を、そしてグループ3については上記鉄網を、それぞ
れ、プラズマ照射器(プラズマ発生部)と雄型10との
間に介在せしめた状態にて、実施例1と同様の部位に対
して大気圧下にプラズマを照射せしめて、改質処理を施
した。ここで、かかる改質処理の際の条件としては、印
加電圧、周波数、照射レベル、及び導入ガスについては
実施例1の場合と同条件とし、ワークディスタンスを全
ての型に対して10mmとする一方、プラズマ照射時間
を、20sec(本発明例7,9,11)、40秒(本
発明例8,10,12)と変化せしめた。そして、その
ように改質処理が為された成形型を用いて、含水性ソフ
トコンタクトレンズを5枚ずつ、実施例1と同様の手法
にて成形し、成形後、雄型10と雌型12の型開き時
に、成形されたコンタクトレンズが、何れの型に接着、
保持せしめられるかを目視により観察し、その結果を、
下記表3に示した。なお、下記表3中の「OK」は、上
記表1と同様の意味を表わすものである。
き形状の成形型を6組形成する一方、実施例1で使用し
たプラズマ照射器、パンチシートA(材質:フッ素樹
脂、開孔率:23%、厚さ:0.5mm)、及びパンチ
シートB(材質:アルミニウム、開孔率:37%、厚
さ:0.5mm)、鉄網(開き目幅:12.1mm、網
線直径:1.4mm)を準備した。次いで、かかる形成
された6組の成形型を、2組ずつ3つのグループ(グル
ープ1〜3)に分け、グループ1については上記パンチ
シートAを、グループ2については上記パンチシートB
を、そしてグループ3については上記鉄網を、それぞ
れ、プラズマ照射器(プラズマ発生部)と雄型10との
間に介在せしめた状態にて、実施例1と同様の部位に対
して大気圧下にプラズマを照射せしめて、改質処理を施
した。ここで、かかる改質処理の際の条件としては、印
加電圧、周波数、照射レベル、及び導入ガスについては
実施例1の場合と同条件とし、ワークディスタンスを全
ての型に対して10mmとする一方、プラズマ照射時間
を、20sec(本発明例7,9,11)、40秒(本
発明例8,10,12)と変化せしめた。そして、その
ように改質処理が為された成形型を用いて、含水性ソフ
トコンタクトレンズを5枚ずつ、実施例1と同様の手法
にて成形し、成形後、雄型10と雌型12の型開き時
に、成形されたコンタクトレンズが、何れの型に接着、
保持せしめられるかを目視により観察し、その結果を、
下記表3に示した。なお、下記表3中の「OK」は、上
記表1と同様の意味を表わすものである。
【0072】
【表3】
【0073】かかる表3の結果より明らかなように、プ
ラズマ発生部と雄型10との間に、パンチシート、或い
は鉄網を介在せしめた状態において、プラズマを雄型1
0に対して照射した本発明例7〜12にあっては、いず
れも、各成形型においてモールド成形された5枚のコン
タクトレンズの全てが、型開き時に、雄型10に接着、
保持されている。これは、プラズマ発生部より照射され
るプラズマのうち、上記パンチシートに設けられた孔、
或いは鉄網の開き目を通過したプラズマのみを雄型10
における所定部位に照射せしめることによって、かかる
部位に均一に且つ有効にプラズマが接触せしめられ、以
て、該雄型10とコンタクトレンズとの接着性がより一
層確実に為されていることを、如実に示しているのであ
る。
ラズマ発生部と雄型10との間に、パンチシート、或い
は鉄網を介在せしめた状態において、プラズマを雄型1
0に対して照射した本発明例7〜12にあっては、いず
れも、各成形型においてモールド成形された5枚のコン
タクトレンズの全てが、型開き時に、雄型10に接着、
保持されている。これは、プラズマ発生部より照射され
るプラズマのうち、上記パンチシートに設けられた孔、
或いは鉄網の開き目を通過したプラズマのみを雄型10
における所定部位に照射せしめることによって、かかる
部位に均一に且つ有効にプラズマが接触せしめられ、以
て、該雄型10とコンタクトレンズとの接着性がより一
層確実に為されていることを、如実に示しているのであ
る。
【0074】また、上記表3の結果よりして、電気の絶
縁体であるフッ素樹脂よりなるパンチシートAを用いた
本発明例7,8、及び電気の導体であるアルミニウムよ
りなるパンチシートBを用いた本発明例9,10の何れ
においても、それぞれの成形型においてモールド成形さ
れたコンタクトレンズの全てが、それらの型開き時に、
雄型10に接着、保持されているところから、そのよう
なパンチシートの材質として、アルミニウムの金属等に
限られず、プラズマの通過を遮断するものであれば如何
なるものであっても使用可能であることが、確認でき
る。
縁体であるフッ素樹脂よりなるパンチシートAを用いた
本発明例7,8、及び電気の導体であるアルミニウムよ
りなるパンチシートBを用いた本発明例9,10の何れ
においても、それぞれの成形型においてモールド成形さ
れたコンタクトレンズの全てが、それらの型開き時に、
雄型10に接着、保持されているところから、そのよう
なパンチシートの材質として、アルミニウムの金属等に
限られず、プラズマの通過を遮断するものであれば如何
なるものであっても使用可能であることが、確認でき
る。
【0075】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う眼用レンズ物品の成形型にあっては、第一の型と
第二の型の何れか一方の型のキャビティ面に対して、モ
ールド成形された眼用レンズ物品が常に確実に接着、保
持されるように為すための前処理が、かかるキャビティ
面を何等損傷させることなく、比較的安価なコストで、
しかも、安全で且つ容易な作業により実施され得、以
て、所望形状の眼用レンズ物品が、可及的に低いコスト
と優れた作業性をもって有利に成形され得ることとなる
のである。
に従う眼用レンズ物品の成形型にあっては、第一の型と
第二の型の何れか一方の型のキャビティ面に対して、モ
ールド成形された眼用レンズ物品が常に確実に接着、保
持されるように為すための前処理が、かかるキャビティ
面を何等損傷させることなく、比較的安価なコストで、
しかも、安全で且つ容易な作業により実施され得、以
て、所望形状の眼用レンズ物品が、可及的に低いコスト
と優れた作業性をもって有利に成形され得ることとなる
のである。
【0076】また、そのような優れた特徴を有する成形
型を用いた眼用レンズ物品の製造方法によれば、所望形
状の眼用レンズ物品を、比較的に安価なコストで、且つ
作業性良く製造することが出来る特徴を有している。
型を用いた眼用レンズ物品の製造方法によれば、所望形
状の眼用レンズ物品を、比較的に安価なコストで、且つ
作業性良く製造することが出来る特徴を有している。
【図1】本発明に従う構造を有する眼用レンズ物品の成
形型の一例を示す断面説明図である。
形型の一例を示す断面説明図である。
【図2】図1に示された成形型を構成する雄型の断面説
明図である。
明図である。
【図3】図1に示された成形型を構成する雌型の断面説
明図である。
明図である。
【図4】図2に示される雄型の底面説明図である。
【図5】図3に示される雌型の底面説明図である。
【図6】本発明に従う成形型の製造工程の一部を示す説
明図であって、型に対してプラズマを接触せしめる工程
の一例を概略的に示している。
明図であって、型に対してプラズマを接触せしめる工程
の一例を概略的に示している。
【図7】本発明に従う成形型を製造するに際して、有利
に用いられ得るプラズマ発生装置の一例を概略的に示す
部分断面説明図である。
に用いられ得るプラズマ発生装置の一例を概略的に示す
部分断面説明図である。
【図8】本発明手法に従って、図1に示された成形型を
用いてコンタクトレンズを製造する工程の一例を示す説
明図であって、型開き状態下において雌型の半球状部内
に重合性材料を収容させた状態を示している。
用いてコンタクトレンズを製造する工程の一例を示す説
明図であって、型開き状態下において雌型の半球状部内
に重合性材料を収容させた状態を示している。
【図9】本発明手法に従って、図1に示された成形型を
用いてコンタクトレンズを製造する工程の別の例を示す
説明図であって、雄型と雌型との間に形成された成形キ
ャビティ内で、目的とするコンタクトレンズをモールド
成形した状態を示している。
用いてコンタクトレンズを製造する工程の別の例を示す
説明図であって、雄型と雌型との間に形成された成形キ
ャビティ内で、目的とするコンタクトレンズをモールド
成形した状態を示している。
【図10】本発明手法に従って、図1に示された成形型
を用いてコンタクトレンズを製造する工程の更に別の例
を示す説明図であって、モールド成形されたコンタクト
レンズを雄型に接着、保持させつつ、成形型を型開きし
た状態を示している。
を用いてコンタクトレンズを製造する工程の更に別の例
を示す説明図であって、モールド成形されたコンタクト
レンズを雄型に接着、保持させつつ、成形型を型開きし
た状態を示している。
【図11】本発明手法に従って、図1に示された成形型
を用いてコンタクトレンズを製造する工程の他の例を示
す説明図であって、モールド成形されたコンタクトレン
ズを雄型から脱離せしめた状態を示している。
を用いてコンタクトレンズを製造する工程の他の例を示
す説明図であって、モールド成形されたコンタクトレン
ズを雄型から脱離せしめた状態を示している。
【符号の説明】 10 雄型 12 雌型 14 底部 15 段差 16 後面成形キャビティ面 17 外フラン
ジ部 18 半球状部 19 周辺領域
成形面 20 前面成形キャビティ面 22 液溜部形
成面 24 成形キャビティ 26 液溜部 28,30 改質処理面 31 マスク部
材 32 プラズマ発生部 34 パンチシ
ート 36 孔 38 チャンバ 40,42 電極 44 ガス導入
管 45 吐出口 46 制御回路 48 高圧電源 50 ポンプ 52 プラズマ吹出口 54 重合性材
料 56 コンタクトレンズ 58 余剰重合
体
ジ部 18 半球状部 19 周辺領域
成形面 20 前面成形キャビティ面 22 液溜部形
成面 24 成形キャビティ 26 液溜部 28,30 改質処理面 31 マスク部
材 32 プラズマ発生部 34 パンチシ
ート 36 孔 38 チャンバ 40,42 電極 44 ガス導入
管 45 吐出口 46 制御回路 48 高圧電源 50 ポンプ 52 プラズマ吹出口 54 重合性材
料 56 コンタクトレンズ 58 余剰重合
体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 和彦 愛知県春日井市高森台五丁目1番地10 株 式会社メニコン総合研究所内 Fターム(参考) 4F202 AH74 CA01 CB01 CK07 CK15 CM04 CM08 CM11 CM16 CM21 CM26 CM62 CM84 4F204 AH74 EA03 EA04 EB01 EF27 EK08 EK24 EK25
Claims (16)
- 【請求項1】 第一の型と第二の型とを型合わせして、
それらの型の間に、眼用レンズやその半完成品等の目的
とする眼用レンズ物品を与える形状の成形キャビティが
形成されるように構成し、該成形キャビティ内での所定
の重合性材料の重合によって、該目的とする眼用レンズ
物品がモールド成形されるようにした成形型にして、 前記第一及び第二の型のうちの少なくとも一方の型を樹
脂材料にて構成すると共に、該樹脂材料にて構成された
一方の型の表面のうち、少なくとも前記成形キャビティ
のキャビティ面の一部を、大気圧下で発生させたプラズ
マに接触せしめることにより改質処理された改質処理面
にて構成し、該成形キャビティ内でモールド成形された
前記眼用レンズ物品が、該第一の型と該第二の型とが型
開きされた際に、該一方の型の改質処理面に接着して、
該一方の型に保持せしめられるようにしたことを特徴と
する眼用レンズ物品の成形型。 - 【請求項2】 前記改質処理が、大気圧下の電極間で発
生させたプラズマを、それら電極間へのガスの導入によ
って外部に吹き出させて、前記成形キャビティのキャビ
ティ面に接触させることにより、実施されている請求項
1に記載の眼用レンズ物品の成形型。 - 【請求項3】 樹脂材料にて構成された前記一方の型の
表面のうち、前記成形キャビティのキャビティ面のみ
が、その少なくとも一部において、前記改質処理面にて
構成されている請求項1または請求項2に記載の眼用レ
ンズ物品の成形型。 - 【請求項4】 前記一方の型における前記成形キャビテ
ィのキャビティ面のうち、前記眼用レンズ物品における
光学領域を除いた、該光学領域の周辺領域を与える周辺
領域成形面のみが、その少なくとも一部において、前記
改質処理面にて構成されている請求項1乃至請求項3の
何れかに記載の眼用レンズ物品の成形型。 - 【請求項5】 前記第一及び第二の型の両方を樹脂材料
にて構成すると共に、該第一の型と該第二の型との型合
わせ下において、それらの型の間に、前記成形キャビテ
ィから溢れ出た余剰の重合性材料を溜める液溜部を設
け、更に、前記成形キャビティのキャビティ面の少なく
とも一部が改質処理面とされた、該第一及び第二の型の
うちの前記一方の型とは異なる他方の型の表面のうち、
該液溜部形成面のみを、その少なくとも一部において、
大気圧下で発生させたプラズマの接触により改質処理さ
れた改質処理面にて構成し、該液溜部内での前記余剰の
重合性材料の重合によって生成された重合生成物が、該
第一の型と該第二の型とが型開きされた際に、該他方の
型の改質処理面に接着して、該他方の型に保持せしめら
れるようにした請求項1乃至請求項4の何れかに記載の
眼用レンズ物品の成形型。 - 【請求項6】 前記第一及び第二の型のうちの前記一方
の型若しくは両方の型の表面の一部が、マスク部材によ
りプラズマから遮蔽された状態下で、それらの型の表面
に対してプラズマが照射されることにより、該表面の該
マスク部材による遮蔽部以外の部分が改質処理されて、
該一方の型若しくは両方の型の表面における所望の部位
が、改質処理面にて構成されるようにした請求項1乃至
請求項5の何れかに記載の眼用レンズ物品の成形型。 - 【請求項7】 前記第一の型と前記第二の型のうち、前
記眼用レンズ物品を前記改質処理面に接着して保持する
前記一方の型が、雄型にて構成される一方、それらの型
のうちの他方の型が、雌型にて構成されている請求項1
乃至請求項6の何れかに記載の眼用レンズ物品の成形
型。 - 【請求項8】 請求項1乃至は請求項7の何れかに記載
の眼用レンズ物品の成形型を用いて、眼用レンズやその
半完成品等の目的とする眼用レンズ物品を製造する方法
にして、少なくとも何れか一方が樹脂型とされた前記第
一の型と前記第二の型とを型合わせして、それらの型の
間に、前記成形キャビティを形成する一方、該第一の型
と該第二の型のうち、樹脂型とされた何れか一方の型に
おける少なくとも該成形キャビティのキャビティ面に、
大気圧下で発生させたプラズマに接触せしめることによ
り改質処理された改質処理面を存在せしめた状態下で、
該成形キャビティ内に、前記眼用レンズ物品を構成する
重合体を与える重合性材料を供給して、重合せしめるこ
とにより、該眼用レンズ物品のモールド成形を行なった
後、得られた眼用レンズ物品を、前記一方の型のキャビ
ティ面における前記改質処理面に接着させつつ、該一方
の型に保持せしめた形態において型開きを行ない、その
後、該一方の型から該眼用レンズ物品を脱離せしめるこ
とを特徴とする眼用レンズ物品の製造方法。 - 【請求項9】 前記モールド成形された眼用レンズ物品
が前記一方の型に保持せしめられた形態において、前記
成形型を型開きした後、該一方の型を潰して、変形させ
ることにより、該眼用レンズ物品を該一方の型のキャビ
ティ面における前記改質処理面から剥離して、該眼用レ
ンズ物品を該一方の型から脱離するようにした請求項8
に記載の眼用レンズ物品の製造方法。 - 【請求項10】 前記モールド成形された眼用レンズ物
品が前記一方の型に保持せしめられた形態において、前
記成形型を型開きした後、該眼用レンズ物品を該一方の
型と共に水中に浸漬して、水和処理することにより、該
眼用レンズ物品を該一方の型のキャビティ面における前
記改質処理面から剥離して、該眼用レンズ物品を該一方
の型から脱離するようにした請求項8に記載の眼用レン
ズ物品の製造方法。 - 【請求項11】 プラズマ発生装置の電極間で大気圧下
においてプラズマを発生せしめる一方、かかる発生した
プラズマを、該プラズマ発生装置の電極間へのガスの導
入によって、該電極間から外部に吹き出させ、該プラズ
マ発生装置外に配置した前記何れか一方の型における少
なくとも成形キャビティのキャビティ面に対して、該吹
き出させたプラズマを照射せしめることにより、該成形
キャビティのキャビティ面の改質を行なうことを特徴と
する請求項8乃至請求項10の何れかに記載の眼用レン
ズ物品の製造方法。 - 【請求項12】 前記プラズマ発生装置のプラズマ発生
部と前記何れか一方の型との間に、網状体が配置され、
該網状体の目を通じて、該プラズマ発生装置から該一方
の型に対してプラズマが吹き付けられるようにした請求
項11に記載の眼用レンズ物品の製造方法。 - 【請求項13】 前記プラズマ発生装置のプラズマ発生
部と前記何れか一方の型との間に、多数の孔が形成され
たパンチシートが配置され、該パンチシートの孔を通じ
て、該プラズマ発生装置から該一方の型に対してプラズ
マが吹き付けられるようにした請求項11に記載の眼用
レンズ物品の製造方法。 - 【請求項14】 前記プラズマ発生装置の電極間への導
入ガスが、窒素、酸素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、
またはそれらの2種以上の混合ガスである請求項11乃
至請求項13の何れかに記載の眼用レンズ物品の製造方
法。 - 【請求項15】 前記プラズマ発生装置の電極間への導
入ガスが、大気である請求項11乃至請求項13の何れ
かに記載の眼用レンズ物品の製造方法。 - 【請求項16】 前記プラズマの照射時間が0.1〜1
20秒である請求項8乃至請求項15の何れかに記載の
眼用レンズ物品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001040201A JP2002240061A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | 眼用レンズ物品の成形型及び眼用レンズ物品の製造方法 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002240061A true JP2002240061A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18902853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001040201A Pending JP2002240061A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | 眼用レンズ物品の成形型及び眼用レンズ物品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002240061A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007283714A (ja) * | 2006-04-19 | 2007-11-01 | Japan Steel Works Ltd:The | 樹脂成形体の製造方法および装置 |
WO2011025639A2 (en) * | 2009-08-31 | 2011-03-03 | Coopervision International Holding Company, Lp | Demolding of ophthalmic lenses during the manufacture thereof |
JP2011051098A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Olympus Corp | 光学素子の製造方法、及び、光学素子 |
TWI602686B (zh) * | 2016-05-18 | 2017-10-21 | Sg Biomedical Co Ltd | Surface treatment method of molding die and mask device |
-
2001
- 2001-02-16 JP JP2001040201A patent/JP2002240061A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011025639A3 (en) * | 2009-08-31 | 2011-06-16 | Coopervision International Holding Company, Lp | Demolding of ophthalmic lenses during the manufacture thereof |
CN102481708A (zh) * | 2009-08-31 | 2012-05-30 | 库柏维景国际控股公司 | 制造期间眼镜片的脱模 |
KR20120083299A (ko) * | 2009-08-31 | 2012-07-25 | 쿠퍼비젼 인터내셔날 홀딩 캄파니, 엘피 | 제조 중의 안과용 렌즈의 탈형 |
KR101631352B1 (ko) | 2009-08-31 | 2016-06-16 | 쿠퍼비젼 인터내셔날 홀딩 캄파니, 엘피 | 제조 중의 안과용 렌즈의 탈형 |
TWI602686B (zh) * | 2016-05-18 | 2017-10-21 | Sg Biomedical Co Ltd | Surface treatment method of molding die and mask device |
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