JP2004523877A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、ひとつ又はそれ以上の加熱エレメントが特に微孔性熱絶縁材料とすることができる熱絶縁材料の基部に関して支持されている型式の放射電熱器に関する。例えば、本発明はオーブン、特にマイクロ波オーブンのような調理器具に使用するための放射電熱器に関する。
GB−A−2 331 688には、次のような放射電熱器が記載されている。すなわち、この放射電熱器は、特に、グリル及び例えばマイクロ波オーブンのようなオーブンに適用でき、加熱エレメントが例えば微孔性熱絶縁材料のような熱絶縁材料の基部に関して支持されていると共に、前記基部が皿様支持体に設けられている。そして、熱絶縁材料の周囲壁が設けられ、この周囲壁は前記基部と一体にすることができる。
また、ガラス又はセラミックフィラメントから成る織物の形のカバーシートが周囲壁に接触して加熱エレメントを覆っていると共に、例えば金属の多孔シートがカバーシートを覆って設けられてカバーシートに接触している。
カバーシートは、例えば食品の調理中に放出されてはね飛ばされた食品粒子のような粒子が電熱器に入って加熱エレメント及び/又は基層を汚染するのを防止する役目を果たす。
カバーシートは、また、特に、電熱器がオーブン又はグリルの頂部壁に取り付けられているときに、電熱器内の基層の熱絶縁材料のばらけた粒子が調理室内に落ちてオーブン内の食品を汚染するのを防止する役目を果たす。
例えば金属の多孔シートは、例えば電熱器を組み込んでいる器具の掃除中に、カバーシート及び電熱器の内部部品に機械的損傷を与える危険を最少にする。金属のとき、多孔シートは、また、電熱器がマイクロ波オーブンに取り付けられているときのマイクロ波放射遮蔽体としての役目を果たす。
以上述べた電熱器は、特にマイクロ波オーブン又は対流加熱を含むオーブンにグリル電熱器として設けられたときに、問題が発生する。実際に、このようなオーブンに設けられているグリル電熱器はたまに使用されるものである。
そして、マイクロ波又は対流加熱がグリル電熱器の同時作動でなしに用いられたときには、比較的冷たいグリル電熱器が調理されている食品から発生する水蒸気にさらされる。このような水蒸気は、グリル電熱器を覆っている例えば金属多孔シートを通過し、この多孔シートの内面上で凝縮する。多孔シートはガラス又はセラミックのフィラメントから成る織物のカバーシートに接触し、それからカバーシートは熱絶縁材料の周囲壁に接触している。
したがって、多孔シート上で凝縮する水蒸気は織物のカバーシートにより熱絶縁材料の周囲壁へ導かれる。そして、特に、周囲壁が微孔性熱絶縁材料から成るときには、水分がこの微孔性熱絶縁材料中に吸収されることにより、絶縁材料の構造に永久的な損傷を与えることとなる。これは、絶縁材料の構造に損傷を与えることのない水蒸気に絶縁材料がさらされることとは著しく異なっている。
本発明の目的は、この問題を除去又は最少にすることにある。
本発明によれば、熱絶縁材料の基層と、この基層に関して支持されている少なくともひとつの加熱エレメントと、熱絶縁材料の周囲壁と、前記少なくともひとつの加熱エレメント及び前記周囲壁を覆っている織物材料のカバーシートと、このカバーシートを覆っている多孔部材とを包含する放射電熱器において、実質的に水分が浸透しない要素から成るスペーサ手段が前記周囲壁と前記多孔部材との間に設けられていることを特徴とする放射電熱器が提供される。
前記多孔部材は金属、セラミック及び他の適当な耐火材料の多孔シート又は格子構造体から成ることができる。
前記スペーサ手段は、前記カバーシートと前記周囲壁との間及び/又は前記カバーシートと前記多孔部材との間に設けることができる。
実質的に水分が浸透しない前記要素は、例えばセラミック材料から成ることができる。このような要素は、リング又はシートの形とすることができる。
前記周囲壁は、頂部を有することができる。
前記周囲壁及び選択的には前記基層は、微孔性熱絶縁材料から成ることができる。
前記周囲壁は、前記基層と一体にして設けることができる。
前記基層及び前記周囲壁は、例えば金属の皿様支持体に設けることができる。
前記カバーシートの織物は、ガラス及び/又はセラミックフィラメントから成ることができる。このガラス及び/又はセラミックフィラメントは、織物に織った又は編んだ若しくはからみ合わせた形状とすることができる。
前記少なくともひとつの加熱エレメントはワイヤ、リボン、フォイル又はランプの形のひとつ又はそれ以上の加熱エレメントとすることができる。
本発明は、また、上述した放射電熱器を設けているオーブンを提供する。
前記スペーサ手段を設けた結果として、前記多孔部材に接触して来る水分が前記電熱器の周囲壁に伝ってこの周囲壁により吸収されることは防止される。これにより、水分吸収によって前記周囲壁の例えば微孔性熱絶縁材料の材料に与える損傷は防止される。なお、このような水分は、放射電熱器が不作動状態であるオーブンにおいて、食品が例えばマイクロ波放射又は対流加熱のような他の方法によって加熱されることにより発生した水蒸気が前記多孔部材上で凝縮することにより生じるものである。
本発明を良く理解し、また本発明が実際にどのようにして実施されるかを一層明確に示すために、以下添付図面を参照して本発明の実施例について詳述する。
図面を参照するに、例えばマイクロ波オーブンのようなオーブン4の壁に取り付けられている放射電熱器2は金属製の皿様支持体6を包含し、この支持体6は圧縮した微孔性の熱及び電気絶縁材料の基層8を備えている。図2に示されるように、皿様支持体6にはアーチ形の複数のくぼみ区域10が形成され、これらのくぼみ区域10は基層8の材料をアーチ部分に係合せしめて基層8を皿様支持体6に固定するのを助けるようにする。
加熱エレメント12は、基層8に固定されて設けられている。図示するように、加熱エレメント12は基層8の上にその縁に沿って取り付けられている波形の金属リボンから成る。このような加熱エレメントは、当業者によく知られているものである。加熱エレメントは、しかし、コイル状ワイヤの形、又は他のリボンの形、又はフォイルの形、又はランプの形、又は当業者に知られている任意の他の適当な形に代えることができるものである。また、ひとつ以上の加熱エレメント、又はひとつ以上の形の加熱エレメントを電熱器に設けることもできる。
また、加熱エレメント12用の端子ブロック14が電熱器に取り付けられ、電熱器の作動用の電圧供給源に接続できるようにしている。
更に、微孔性熱絶縁材料の周囲壁16が電熱器に設けられて、頂部18を有している。図示するように、この周囲壁16は基層8と一体にされている。しかしながら、この分野でよく知られているように、周囲壁は独立する部材として設けることもできる。
そして、ガラス及び/又はセラミックのフィラメントから成る織物(ファブリック)のカバーシート20が、周囲壁16の頂部18を含めて電熱器を覆って設けられていると共に、加熱エレメント12から間隔を置いている。このようなカバーシート20は金属製の皿様支持体6に適当に取り付けられ、カバーシート20は周囲壁16の頂部18には直接に接触しない。
カバーシート20が周囲壁16の頂部18に直接に接触しないことを保証するために、スペーサ手段が設けられている。このようなスペーサ手段は、カバーシート20と周囲壁16の頂部18との間に設けられたエアギャップ22から成ることもできるが、本発明によれば、カバーシート20と周囲壁16の頂部18との間に設けられ、例えばセラミック材料であって適当には平らなリング又はシートの形の実質的に水分が浸透しない又は実質的に水分を吸収しない要素24から成る。なお、図2には要素24の一部分のみを示している。
カバーシート20は、適当には、織物を形成するように織った(ウーブン)又は編んだ(ニット)若しくはからみ合わせた(マット)ガラス及び/又はセラミックのフィラメントから成る。
カバーシート20のための適当な材料は、GB−A−2 331 688に記載されている。
カバーシート20の織物は、Eガラス、Cガラス、Rガラス、Sガラス又はその変形物から成ることができる。例えば、Eガラスの酸化ホウ素を酸化マグネシウムに代えることができ、このようなガラスはOCFコーポレイションから登録商標Advantexの製品名で商業的に入手することができる。
選択的に、カバーシート20は、アルミノケイ酸塩フィラメント又はアルミノホウケイ酸塩フィラメントの織物、又はジルコニアクロスから成ることができる。
一般に、カバーシート20の単位面積当りの重量は、1平方メートル当り1キログラムよりも少なく、典型的には、1平方メートル当り50グラムから300グラムの範囲である。
カバーシート20は、少なくとも一部分が半透明であるものとされ、この部分を通して加熱エレメント12からの可視赤外線が透過するのを許す。
カバーシート20は、オーブン4内での食品の加熱中にはね飛ばされた食品粒子が電熱器2に入るのを防止する役目を果たす。カバーシート20は、また、基層8のばらけた熱絶縁材料がオーブン4内に落ちてオーブン内で調理される食品が汚染されるのを防止する役目を果たす。これは、特に、電熱器2がオーブン4の頂部壁に取り付けられているときに適切である。
多孔シート26が、カバーシート20を覆うようにして設けられている。このような多孔シートは、ひとつ以上の目的に役立つものである。すなわち、多孔シートはカバーシート20のための保護を提供し、また、例えばオーブン4の内部を掃除するとき又はオーブン内の調理器具を用いるときに、電熱器2の内部部品に人の手が接触する危険を最少にする。多孔シート26は、最適には金属から成るが、しかしセラミック又は他の任意適当な多孔性耐火材料から成ることもできる。金属のときには、多孔シート26は、例えばオーブン4がマイクロ波オーブンであるときに発生するマイクロ波放射に関して電気遮蔽体を提供するために用いることができる。
多孔シート26は金属又はセラミックのシートに形成された多数の孔28を包含することができる。又は、多孔シ−トは拡張金網(エキスパンデッドメタル)形状30、若しくは他の適当な格子形状とすることができる。
オーブン4は、電熱器2に加えて、他の加熱手段(図示せず)を包含することができる。このような他の加熱手段は、マイクロ波放射加熱手段又は対流加熱手段から成ることができる。これら他の加熱手段のひとつが、電熱器2を作動させることなしに、単独で作動させられたときには、カバーシート20及び多孔シート26は、オーブン4内の食品が加熱されている間、比較的冷たいままである。そして、例えば蒸気の形の水蒸気が、食品から発生し、多孔シート26の比較的冷たい表面上で凝縮する。水蒸気は、また、多孔シート26の孔を通過し、多孔シートの内面上で凝縮する。
もし多孔シート26が織物材料のカバーシート20に接触している場合には、発生した水分はカバーシート20に沿って及びこれを通して迅速に流れる。そして、もしカバーシート20が微孔性熱絶縁材料の周囲壁16の頂部に接触して配置されている場合には、水分はカバーシート20から周囲壁16の微孔性絶縁材料によって吸収されるであろう。このようにして吸収された水分は、周囲壁16の微孔性絶縁材料の構造に永久的な損傷を生じせしめる。しかしながら、本発明にしたがって、例えばセラミックの平らなリング又はシートの形の実質的に水分が浸透しない又は実質的に水分を吸収しない要素24から成るスペーサ手段を設けることにより、水分がカバーシート20から周囲壁16へ伝わることを防止する。
本発明の他の実施例において、実質的に水分が浸透しない要素24から成るスペーサ手段を多孔シート26と周囲壁16の頂部18との間に設ける代わりに、又はこのスペーサ手段に加えて、他のスペーサ手段32が多孔シート26とカバーシート20との間に設けられている。このようなスペーサ手段も、エアギャップから成ることもできるが、本発明によれば、例えばセラミックであって適当には平らなリング又はシートの形の実質的に水分が浸透しない又は実質的に水分を吸収しない要素から成る。このようなスペーサ手段32は、多孔シート26とカバーシート20との間の接触、及びそれ故水分の移動を防止する。この配置によれば、カバーシート20を周囲壁16の頂部に接触させることができる。
Claims (18)
- 熱絶縁材料の基層(8)と、この基層(8)に関して支持されている少なくともひとつの加熱エレメント(12)と、熱絶縁材料の周囲壁(16)と、前記少なくともひとつの加熱エレメント(12)及び前記周囲壁(16)を覆っている織物材料のカバーシート(20)と、このカバーシート(20)を覆っている多孔部材(26)とを包含する放射電熱器(2)において、実質的に水分が浸透しない要素(24)から成るスペーサ手段(24;32)が前記周囲壁(16)と前記多孔部材(26)との間に設けられていることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1記載の放射電熱器において、前記多孔部材(26)が金属、セラミック及び他の適当な耐火材料から選ばれた材料の多孔(28)シートから成ることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1記載の放射電熱器において、前記多孔部材(26)が金属、セラミック及び他の適当な耐火材料から選ばれた材料の格子構造体(30)から成ることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記スペーサ手段(24)が前記カバーシート(20)と前記周囲壁(16)との間に設けられていることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記スペーサ手段(32)が前記カバーシート(20)と前記多孔部材(26)との間に設けられていることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記要素(24)がセラミック材料から成ることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記要素(24)がリングの形であることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記要素(24)がシートの形であることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記周囲壁(16)が頂部(18)を有することを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記周囲壁(16)が微孔性熱絶縁材料から成ることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記基層(8)が微孔性熱絶縁材料から成ることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記周囲壁(16)が前記基層(8)と一体であることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記基層(8)及び前記周囲壁(16)が皿様支持体(6)に設けられていることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項13記載の放射電熱器において、前記皿様支持体(6)が金属から成ることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記カバーシート(20)の織物がガラスフィラメントから成ることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記カバーシート(20)の織物がセラミックフィラメントから成ることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項15又は16記載の放射電熱器において、前記フィラメントが織物に織った、編んだ及びからみ合わせた形状から選ばれた形状であることを特徴とする放射電熱器。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の放射電熱器において、前記少なくともひとつの加熱エレメント(12)がワイヤ、リボン、フォイル及びランプの形から選ばれた加熱エレメントから成ることを特徴とする放射電熱器。
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