JP2004520737A - ガラスアンテナおよびそれを用いたガラスアンテナシステム - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、車両用のガラスアンテナに関し、特に超短波(VHF)帯域の受信に適したダイバーシティアンテナを含むガラスアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両窓ガラス上に導線が形成されたガラスアンテナは、従来のロッドアンテナに比べて、(i)外部に出っ張らないように設計され、(ii)破損の心配が少なく、(iii)風切り音が生じないという点で優れている。これらの理由により、ガラスアンテナは広く用いられている。
【0003】
VHF帯域(FM帯域およびTV帯域)の電波を受信する際に、アンテナ素子は、放送アンテナからの直接波とともに反射波を受信することがある。反射波は、地面やビルのような建築物により反射される。ときには、1つの反射波のみならずいくつかの反射波がいくつかの反射経路を経てアンテナ素子に到達する。位相が反対である2つの電波を受信すると、受信した電波信号は弱くなる。
【0004】
このため、異なる指向特性を有する2つのアンテナ素子を備え、車両が走行している間、受信信号が強いアンテナ素子を選択するダイバーシティアンテナシステムが開発され、実用に供されている。
【0005】
このようなダイバーシティアンテナシステムを構成するアンテナ素子は指向特性が異なっていなければならない。例えば特開平10−13127号公報および特開平10−242730号公報に開示された自動車ガラスアンテナでは、左右のサイドウインドウに設けられたアンテナ素子がダイバーシティアンテナを構成している。
【0006】
左右のサイドウインドウにアンテナ素子を配置すると、アンテナ素子は異なった部位に配置され、車体を構成する金属モノコックの各素子への影響も相違する。従って、2つのアンテナ素子は、異なる指向特性を有し、ダイバーシティアンテナへの使用に適したものとなりうる。
【0007】
特開平9−181514号公報に開示された車両ガラスアンテナでは、後部窓ガラス上の加熱導線の上部余白部に2つのアンテナ素子が配置され、下部余白部に少なくとも1つのアンテナ素子が配置されている。これら上下のアンテナ素子はダイバーシティアンテナを構成している。
【0008】
この公報の「発明の実施の形態」によると、「上部余白部に設ける2つのアンテナ素子については、ガラスの一方の側辺エッジから他方の側辺エッジまでの長さを有効に活用するために、それらを左右に2分割するのではなく、上下に2分割することにより水平長さを確保する」。さらに、上部余白部に配置される2つのアンテナ素子のパターンとして、複雑に分岐したパターンが示されている。「加熱線の下部余白部には1または2のアンテナ素子が配置され、これらは左右の部分に分割できる」とも説明されている。
【0009】
さらに、「ダイバーシティ受信に際し、(i)上部余白部の一方のアンテナ素子と下部余白部の一方のアンテナ素子とによりFM放送波の音声信号をダイバーシティ受信し、上部余白部の他方のアンテナ素子と下部余白部の他方のアンテナ素子または別の場所に設けたアンテナ素子とによりFM放送波の音声以外の信号、例えば文字信号、をダイバーシティ受信するか、(ii)あるいは上部余白部の一方のアンテナ素子と下部余白部の一方のアンテナ素子によりFM放送波の音声以外の信号をダイバーシティ受信し、上部余白部の他方のアンテナ素子と下部余白部の他方のアンテナ素子または別の場所に設けたアンテナ素子とによりFM文字放送波の音声信号をダイバーシティ受信する」と説明されている。
【0010】
本出願人は、WO00/70708において、車両ガラスアンテナシステムを開示した。
この出願の図3に示されたガラスアンテナシステムでは、後部ガラスにおいて、防曇ヒータの上方に1本の導線からなるFM(メイン)アンテナを配置し、防曇ヒータの下方に1本の導電からなるFMサブアンテナを配置し、これによりダイバーシティアンテナを構成している。さらに、このアンテナシステムでは、FM(メイン)アンテナの上方にAMアンテナが配置されている。
【0011】
特開平9−181514号公報に開示された車両ガラスアンテナシステムのように、車両後部窓ガラスの加熱線の上部余白部および下部余白部に配置された2つのアンテナ素子を用いてダイバーシティ受信を行うと、以下の問題が発生する。
【0012】
加熱線の上部余白部と下部余白部とでは、アンテナ素子を設ける高さが異なるため、2つのアンテナ素子の基本的な受信感度が相違する。具体的には、下部余白部に設けられたアンテナの受信感度が劣ることが多い。さらに、車体のリアトレイの悪影響もある。特開平9−181514号公報に開示された車両ガラスアンテナでは、ダイバーシティ受信を行っても、常に良好な受信感度を得るのが困難になることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、ダイバーシティアンテナを構成するアンテナ素子を切り替えても受信感度が大きく低下しない車両用ガラスアンテナ、およびそれを用いたガラスアンテナシステムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によるガラスアンテナは、周波数76〜108MHzのVHF帯域の電波の受信に好適である。この周波数帯域の電波には、FM放送波のみならずTV放送波の一部(例えば日本では1〜3ch)も含まれる。
【0015】
本発明のガラスアンテナは、窓ガラスと、この窓ガラス上に配置された複数の導線を含む防曇ヒータと、このヒータよりも上部の窓ガラス上に配置された第1アンテナ素子および第2アンテナ素子と、窓ガラスの左辺側に形成された第1アンテナ素子用の第1給電点および窓ガラスの右辺側に形成された第2アンテナ素子用の第2給電点とを含む。第1アンテナ素子および第2アンテナ素子は、それぞれヒータと容量結合している。
【0016】
本発明のガラスアンテナシステムは、上記ガラスアンテナと、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子からより強い受信信号を提供するいずれか1つの素子を選択するモジュールとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
第1および第2のアンテナ素子は、76〜108MHzの周波数のVHF帯域の電波を受信するのに適している。第1アンテナ素子および第2アンテナ素子は、窓ガラス上に設けられた防曇ヒータの上部余白部に配置される。従って、これらのアンテナ素子は地面から高い位置に配置されるため、感度が高くなるという効果が得られる。
【0018】
第1アンテナ素子の給電点はガラスの左辺側に形成され、第2アンテナ素子の給電点はガラスの右辺側に形成される。このように給電点の位置が大きく異なるため、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子は互いに補完しうる程度に異なる指向特性を有しうる。
【0019】
第1アンテナ素子および第2アンテナ素子は、それぞれ防曇ヒータと容量結合している。その結果、防曇ヒータをVHF帯域の補助アンテナとして利用できるため、FM放送波およびTV放送波(VHF−Low)の受信感度を改善できる。第1または第2アンテナ素子とヒータとの好ましい距離は3〜20mmである。
【0020】
防曇ヒータと車両の電源との間にチョークコイルを配置しないと、AMアンテナとしての防曇ヒータにはノイズが乗る。防曇ヒータをAM補助アンテナとして用いなければ、防曇ヒータと電源との間にチョークコイルを設ける必要はない。このため、アンテナシステムのコスト増を防ぐことができる。
【0021】
第1アンテナ素子および第2アンテナ素子は、窓ガラスの垂直方向において重なり合わないように形成することが好ましい。こうすると、アンテナ間の相互干渉が減少し、良好な受信感度を得ることができる。
【0022】
第1アンテナ素子および第2アンテナ素子は、図1に示したように1本の導線で構成してもよく、図12に示したように2以上の線条を用いたフォーク状パターンやループ状パターンであってもよい。
【0023】
第1アンテナ素子および第2アンテナ素子のパターンは、同じであってもよいし、ダイバーシティ効果を考慮して異なっていてもよい。
【0024】
ヒータよりも上部、好ましくは第1アンテナ素子および第2アンテナ素子よりも上方に、中波用の第3アンテナ素子を設けてもよい。
【0025】
例えば、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子を棒状パターンに設計すると、形状が簡単で設計周波数での受信調整が容易になって好ましい。さらに、第1および第2アンテナ素子の上方の中波アンテナ用のスペースを拡張できる。これは、中波用アンテナの受信感度が基本的にはアンテナの面積に比例するために好ましい。
【0026】
本発明の第1アンテナ素子および第2アンテナ素子を単純な棒状パターンとすると、仕向地が変わり設計周波数が変わったときにも、アンテナ素子の長さのみを変えれば足りる。つまり、パターン形状の変更や調整を必要としない。
【0027】
[実施例1]
図1に示したガラスアンテナシステム10では、車両後部窓ガラス2の中央部に防曇ヒータ3が設けられている。防曇ヒータ3を構成するヒータ線の両端はバスバー41,42に接続されている。添付図面では、最上線3tおよび最下線3b以外のヒータ線の図示が省略されている場合がある。バスバーに設けられた給電点41a,42aは、スイッチ機構(図示せず)を経て電源(図示せず)に接続されている。
【0028】
ヒータ線、バスバーおよび以下に述べるアンテナ素子は、銀ペーストを所定のパターンに塗布して形成すればよい。
【0029】
第1アンテナ素子51は、ヒータ線3tの上部余白部にガラスの左辺側に配置された第1アンテナ給電点51aから伸びる1本の棒状水平線として形成されている。第1アンテナ素子51は、給電点51a上の端子を介してダイバーシティモジュール7に接続されている。第2アンテナ素子52も同様に防曇ヒータ3のヒータ線3tの上部余白部にガラスの右辺側に配置された第2アンテナ給電点52aから伸びる1本の棒状水平線として形成されている。第2アンテナ素子52による受信信号もダイバーシティモジュール7に送られる。第1アンテナ素子の給電点は窓ガラスの中心よりも左辺側に形成され、第2アンテナ素子の給電点はその中心よりも右辺側に形成されている。
【0030】
ダイバーシティモジュール7は、第1アンテナ素子51および第2アンテナ素子52から、受信信号強度の強い素子を選択する。選択された受信信号は受信装置8に供給される。
【0031】
第1および第2アンテナ素子51,52と防曇ヒータ3とは、直接互いに接続されてはいないが、容量的に結合している。第1および第2アンテナ素子51,52から最上ヒータ線3tまでを所定距離(好ましくは3〜20mm)とすると容量結合を実現できる。
【0032】
図2に、実施例1における第1および第2アンテナ素子の指向特性の測定結果を示す。図2より明らかなように、ダイバーシティアンテナを構成するためには、第1および第2アンテナ素子の指向特性が異なっていることが好ましい。
【0033】
例えば、第1アンテナ素子の指向特性では(時計回転方向で)7時方向についての感度が低下しているが、第2アンテナ素子はその方向で高い感度を有している。一方、第2アンテナ素子の指向特性は(時計回転方向で)5時方向および10時方向についての感度が相対的に低下しているが、第1アンテナ素子はこれらの方向で高い感度を有している。このように、第1および第2アンテナ素子は、全方位にわたって相互の受信感度を補完している。
【0034】
図3に、実施例1によるガラスアンテナについて測定された周波数特性を示す。第1アンテナ素子の受信感度は平均55.9dBμVであり、第2アンテナ素子の受信感度は平均54.9dBμVである。図3より明らかなように、第1および第2アンテナ素子の受信感度はVHF帯域にわたって実質的に平坦であり、これら素子の感度レベルは実質的に同一である。
【0035】
さらに、実施例1では、中波(AM)アンテナ素子6も第1および第2アンテナ素子51,52よりも上方の余白部に設けられている。第1および第2アンテナ素子51,52とAMアンテナ6との間の距離は所定値以上(例えば25mm以上)に設定し、第1および第2アンテナ素子51,52とAMアンテナ6との相互干渉を抑制することが好ましい。
【0036】
中波(AM)アンテナ素子6も給電点6a上の端子を介してダイバーシティモジュール7に接続されており、このモジュールは中波と超短波とを切り替えるスイッチング回路を含み、AMアンテナ素子6により受信された信号は受信装置8へと供給される。
【0037】
このように、防曇ヒータ3、AMアンテナ6、ならびに第1および第2アンテナ素子51,52を適切な位置に配置することにより、AMアンテナ6と防曇ヒータ3との相互干渉のみならず、AMアンテナ6と第1および第2アンテナ素子51,52との相互干渉を最小化できる。
【0038】
実施例1では、ダイバーシティモジュールが別に設けられているが、受信装置8にダイバーシティモジュールを組み込むこともできる。さらに、ガラスアンテナと受信装置とにある程度の距離があり、十分な信号強度を確保できない場合にはこれらの間にアンテナアンプを設けることもできる。
【0039】
[比較例1]
図4に、比較例1のアンテナ素子の配置を示す。このガラスアンテナ1では、第2アンテナ素子52が第1アンテナ素子51と防曇ヒータ3との間に設けられている。第1および第2アンテナ素子はともに防曇ヒータに容量結合している。
【0040】
図5に、比較例1のガラスアンテナの指向特性を示す。図5より明らかなように、第1および第2アンテナ素子は、実質的に同じ指向特性を有し、ともに7時方向と8時方向との間で受信感度が低下しているから、この配置はダイバーシティアンテナには適していない。
【0041】
図6に、比較例1について測定した周波数特性を示す。第1アンテナ素子の受信感度は平均48.6dBμVであり、第2アンテナ素子の受信感度は平均48.5dBμVであった。図6より明らかなように、第1および第2アンテナ素子の受信感度は、実施例1よりも約7dB低い。これは、第1および第2アンテナ素子が重なって配置され、受信感度が相互干渉により低下したためと考えられる。
【0042】
図6より、第1および第2アンテナ素子の受信感度が同様の周波数特性を有することもわかる。特に、100MHzから感度は低下し始め、104〜107MHzにおいてほぼ平坦となっている。感度のレベルもほぼ同じであることがわかる。
【0043】
実施例1と比較例1とを比較すると以下が明らかである。
第1および第2アンテナ素子の給電点が窓ガラスの同じ側にあると、アンテナ素子の指向特性が同様となる。その結果、複数のアンテナ素子によりダイバーシティアンテナを構成する場合には、アンテナ素子の給電点は窓ガラスの同じ側に配置しないことが好ましい。
【0044】
また、干渉を防ぐため、第1および第2アンテナ素子は、垂直方向において重ならないように配置することが望ましい。
【0045】
[比較例2]
図7に、比較例2におけるアンテナ素子の配置を示す。このガラスアンテナでは、第2アンテナ素子52が防曇ヒータ3bの下部余白部に配置されている。この例では、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子は、防曇ヒータと容量結合している。
【0046】
図8に、比較例2における周波数特性の測定結果を示す。第1アンテナ素子の受信感度は平均55.9dBμVであり、第2アンテナ素子の受信感度は平均46.5dBμVであった。図8より明らかなように、防曇ヒータ3の下部余白部に配置した第2アンテナ素子の受信感度は第1アンテナ素子の受信感度に比べて低く、特に80MHzおよび99MHz付近において大きく低下している。
【0047】
これは、第2アンテナ素子が第1アンテナ素子に比べて低く配置されているため、リアトレイの悪影響を受けているためと考えられる。
【0048】
実施例1と比較例2とを比較すると以下が明らかである。
複数のアンテナ素子によりダイバーシティアンテナを構成する場合には、受信感度の観点から、複数のアンテナ素子を実質的に同じ高さに配置することが好ましい。
【0049】
[比較例3]
図9に、比較例3のアンテナ素子の配置を示す。このガラスアンテナ1では、左右のバスバー41,42の上部に給電点51a,52aが設けられている。つまり、この例では、給電点51a,52aを防曇ヒータ3のバスバー41,42の上部に設けて、防曇ヒータ3を第1および第2アンテナ素子として用いている。
【0050】
図10に、比較例3における周波数特性の測定結果を示す。第1アンテナ素子の受信感度は平均51.5dBμVであり、第2アンテナ素子の受信感度は平均50.9dBμVであった。図10より明らかなように、この例の受信感度は、実施例1に比べて約5dB低い。
【0051】
実施例1と比較例3とを比較すると以下が明らかである。
比較例3では、ダイバーシティアンテナを構成する複数のアンテナ素子の給電点が窓ガラス上において大きく異なる位置にある。また、アンテナ素子はほぼ同じ高さに配置されている。これらの側面では実施例1と同じである。しかし、比較例3では、ダイバーシティアンテナを構成するアンテナパターンが共有されているため、良好な受信感度が得られていない。
【0052】
[具体例1]
図11に示したガラスアンテナ1では、車両後部窓ガラス2の中央部に防曇ヒータ3が設けられている。防曇ヒータ3を構成するヒータ線3t〜3bの両端部はバスバー41,42に接続されている。
【0053】
第1アンテナ素子51は、防曇ヒータ3のヒータ線3tの上部余白部のガラス左辺側に設けられた第1アンテナ素子用給電点51aから伸びる1本の棒状水平導体素子として形成されている。
【0054】
第2アンテナ素子52は、防曇ヒータ3のヒータ線3tの上部余白部のガラス右辺側に設けられた第2アンテナ素子用給電点52aから伸びるループ状パターンを含んでいる。
【0055】
防曇ヒータ3には、最上線3tを含む一部のヒータ線の中央部分を短絡させる短絡線31が設けられている。
【0056】
[具体例2]
具体例2のガラスアンテナ1では、具体例1の第1アンテナ素子を変更した。図12に示したように、第1アンテナ素子51は2本のフォーク状パターンを有し、第2アンテナ素子52はループ状パターンを有する。
【0057】
具体例2においても、防曇ヒータ3には、短絡線31が設けられている。
また、中波アンテナ素子6のパターンは具体例1のそれと若干異なっている。
【0058】
[具体例3]
具体例3のガラスアンテナ1では、実施例1における中波アンテナ素子を変更した。図13に示したように、AMアンテナ素子6にはループ状のパターンが設けられている。
【0059】
これら具体例のすべては良好なダイバーシティアンテナとなる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
上述したように、本発明によるガラスアンテナおよびガラスアンテナシステムにおいて、第1および第2アンテナ素子は、後部窓ガラスに設けられる防曇ヒータの上部余白部に配置されるため、高い位置に設けられる。従って、感度が高くなるという有利な効果が得られる。
【0061】
さらに、例えば、第1アンテナ素子の給電点がガラス左辺側に、第2アンテナ素子の給電点がガラス右辺側に配置すると、第1および第2アンテナ素子の給電点の位置が大きく異なる。
【0062】
第1および第2アンテナ素子の給電点の位置をこのように離間すると、第1アンテナ素子と第2アンテナ素子とが基本的に異なった指向特性を有する。従って、その指向特性は互いを補完しうる。
【0063】
本発明によるガラスアンテナでは、第1アンテナ素子および第2アンテナ素子が防曇ヒータと容量結合している。従って、防曇ヒータをVHF用補助アンテナとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明によるガラスアンテナシステムの一形態を示す。
【図2】図1のガラスアンテナの指向性を示す。
【図3】図1のガラスアンテナの周波数特性を示す。
【図4】比較例1によるガラスアンテナを示す。
【図5】図4のガラスアンテナの指向性を示す。
【図6】図4のガラスアンテナの周波数特性を示す。
【図7】比較例2によるガラスアンテナを示す。
【図8】図7のガラスアンテナの周波数特性を示す。
【図9】比較例3によるガラスアンテナを示す。
【図10】図9のガラスアンテナの周波数特性を示す。
【図11】具体例1のガラスアンテナを示す。
【図12】具体例2のガラスアンテナを示す。
【図13】具体例3のガラスアンテナを示す。
Claims (8)
- 窓ガラスと、前記窓ガラス上に設けられた複数の導線を含む防曇ヒータと、前記ヒータよりも上部の前記窓ガラス上に配置された第1アンテナ素子および第2アンテナ素子と、前記窓ガラスの左辺側に配置された前記第1アンテナ素子用の第1給電点および前記窓ガラスの右辺側に配置された前記第2アンテナ素子用の第2給電点とを含み、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子が前記ヒータと容量結合している車両用ガラスアンテナ。
- 前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子が、前記窓ガラスの垂直方向において互いに重なり合わないように形成された請求項1に記載のガラスアンテナ。
- 前記第1アンテナ素子と前記ヒータとの間の距離が3〜20mmであり、前記第2アンテナ素子と前記ヒータとの間の距離が3〜20mmである請求項1に記載のガラスアンテナ。
- 前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子が、それぞれ1本の導線で構成されている請求項1に記載のガラスアンテナ。
- 前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子が、それぞれ棒状パターンを備えた請求項4に記載のガラスアンテナ。
- 前記窓ガラスのヒータよりも上部に配置された中波用の第3アンテナ素子をさらに含む請求項1に記載のガラスアンテナ。
- 窓ガラスと、前記窓ガラス上に設けられた複数の導線を含む防曇ヒータと、前記ヒータよりも上部の前記窓ガラス上に配置された第1アンテナ素子および第2アンテナ素子と、前記窓ガラスの左辺側に配置された前記第1アンテナ素子用の第1給電点および前記窓ガラスの右辺側に配置された前記第2アンテナ素子用の第2給電点と、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子からより強い受信信号を提供するいずれか1つの素子を選択するモジュールとを含み、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子が前記ヒータと容量結合しているガラスアンテナシステム。
- 前記ヒータが電源に接続され、前記ヒータと前記電源との間にチョークコイルが設けられていない請求項7に記載のガラスアンテナシステム。
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