JP2004519456A - 1−アルキル−3−アリール−5−ジフルオロメトキシ−1h−ピラゾールの製造方法 - Google Patents

1−アルキル−3−アリール−5−ジフルオロメトキシ−1h−ピラゾールの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は式(I):
【化1】
Figure 2004519456

[式中、アリールはモノ-又は多置換フェニル環であり、R1はC1-C4-アルキルである。]
の1-アルキル-3-アリール-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールの製造方法に関する。本発明の方法は、最初の工程で、式(II):
【化2】
Figure 2004519456

のβ-ケトエステルとヒドラジンとを反応させ、そして得られた反応生成物を連続的にクロロジフルオロメタン及び化合物 R1-L(式中、R1は上で示した意味を有し、Lは求核置換反応の脱離基を表す。)と反応させることを特徴とする。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【化1】
Figure 2004519456
[式中、アリールモノ-又は多置換フェニル環であり、R1はC1-C4-アルキルである。]
の1-アルキル-3-アリール-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式Iの1-アルキル-3-アリール-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールは重要な除草剤である。従来技術では、それらはこれまで以下の工程を含む合成法で製造されてきた:
1.3-アリール-3-オキソプロピオン酸エステルII (以下、β-ケトエステルIIとも言う):
【化2】
Figure 2004519456
[式中、Raは、例えば、C1-C4-アルキルであり、アリールは上で示した意味を有する。]
とアルキルヒドラジンとの反応、及び、
2.得られた、ピラゾールの窒素にアルキルが置換した3-アリール-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾールとハロジフルオロメタンとの反応。
【0003】
これらの方法は、例えば、EP-A 443059、EP-A 361114、JP 03072460、JP 04225937及びJP 06199804に記載されている。
【0004】
これらの手順には2つの重大な不利な点がある。第一に、第一工程に関して、かなり高価なアルキルヒドラジンを使用しなければならない。第二に、IIとアルキルヒドラジンとの反応において、目的とする1-アルキル-3-アリール-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾールIVに加えて、かなりの量の異性体Vが形成される。
【化3】
Figure 2004519456
一般に、望ましくない異性体Vに対する目的生成物IVの比はたったの3:1以下である。さらに、使用する高価なアルキルヒドラジンに基づいた工程1の環化収率は低い。さらには、それらの物性が類似しているために、ヒドロキシピラゾール異性体IVとVとの分離は非常に煩雑である。異性体混合物IV+Vとハロジフルオロメタン(工程 2)との反応生成物の分離は同様に好ましくなく、なぜならVは、IVと対照的に、目的生成物Iの後処理においてさらなる問題を生じさせるN-ジフルオロメチルピラゾロンを形成する傾向が非常に強いからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、最初に定義した1-アルキル-3-アリール-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールIの製造方法であって、アルキルヒドラジンの使用を避け、化合物Iを良好な(少なくとも同等の)全収率で与える前記製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、3-アリール-3-ケトプロピオン酸エステルIIとヒドラジンとの反応により良好な収率で得られる3-アリール-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール III又は式IIIaのそれらの互変異性体3-アリールピラゾール-5-オン:
【化4】
Figure 2004519456
は、アルキル化剤との反応により1-アルキル-3-アリール-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾールIVへ高い選択性で変換され、さらには、化合物III又はIIIaとクロロジフルオロメタンとを反応させることにより、良好な選択性で式VIのジフルオロメトキシピラゾール類:
【化5】
Figure 2004519456
を製造でき、これはアルキル化剤と反応させることにより選択的に且つ良好な収率で1-アルキル-3-アリール-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールIに変換できることがわかった。
【0007】
したがって、本発明は、初めに定義した式Iの1-アルキル-3-アリール-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールの製造方法であって、最初の工程で、式IIのβ-ケトエステルとヒドラジンとを反応させて式IIIのヒドロキシピラゾールを得て、次いで第二及び第三の反応工程でこれを連続的にクロロジフルオロメタン及び化合物R1-L(式中、R1は上で示した意味を有し、Lは求核置換可能な脱離基である。)と反応させることを含む前記製造方法に関する。ここで、最初に工程Iで得られたヒドロキシピラゾール IIIと化合物R1-Lとを反応させ、次いで得られた1-アルキル化ヒドロキシピラゾール IV(もし適当であれば、その異性体Vとの混合物として)とクロロジフルオロメタンとを反応させることが可能である(以下、方法Aと言う)。また、最初にIIIとクロロジフルオロメタンとを反応させて、化合物Iを製造するために、得られたジフルオロメトキシピラゾール VIと化合物R1-Lとを反応させることも可能である (以下、方法Bと言う)。
【0008】
求核的に置換し得る脱離基Lは、原則としては、求核的なN-原子によるアミンのアルキル化の条件下で置換可能なことが知られている全ての基を意味するものとして理解される。これらには、特には、ハロゲン原子(塩素、臭素及びヨウ素)、アルキル-及びアリールスルホネート基(例えば、フェニルスルホネート、トルエンスルホネート(トシレート)及びメシレート)、カルボキシレート基(アセテート等)、さらにはアルキルスルフェート基(メチルスルフェート及びエチルスルフェート)、並びにジアルキルオキソニウム基(ジメチルオキソニウム基又はメーアバイン(Meerwein)塩のジエチルオキソニウム基等)が挙げられる。好ましい基Lは、ヨウ素、臭素、塩素及び基OSO2-OR1並びに、
【化6】
Figure 2004519456
である。特に好ましいものは、基OSO2-OR1(特に、R1がメチル基の場合)である。
【0009】
他の意味の例は以下のとおりである:
-C1-C4-アルキル: 例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル又は1,1-ジメチルエチル;
-C1-C6-アルキル: 上述のようなC1-C4-アルキル、また、例えば、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル又は1-エチル-3-メチルプロピル;
-C1-C4-アルコキシ、並びにC1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル及びC1-C4-アルコキシカルボニル-C1-C4-アルキルのアルコキシ部分(moiety):例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシ又は1,1-ジメチルエトキシ;
-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル: 上述のようなC1-C4-アルコキシで置換されたC1-C4-アルキル、即ち、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、(1-メチルエトキシ)メチル、ブトキシメチル、(1-メチルプロポキシ)メチル、(2-メチルプロポキシ)メチル、(1,1-ジメチルエトキシ)メチル、2-(メトキシ)エチル、2-(エトキシ)エチル、2-(プロポキシ)エチル、2-(1-メチルエトキシ)エチル、2-(ブトキシ)エチル、2-(1-メチルプロポキシ)エチル、2-(2-メチルプロポキシ)エチル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)エチル、2-(メトキシ)プロピル、2-(エトキシ)プロピル、2-(プロポキシ)プロピル、2-(1-メチルエトキシ)プロピル、2-(ブトキシ)プロピル、2-(1-メチルプロポキシ)プロピル、2-(2-メチルプロポキシ)プロピル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)プロピル、2-(メトキシ)ブチル、2-(エトキシ)ブチル、2-(プロポキシ)ブチル、2-(1-メチルエトキシ)ブチル、2-(ブトキシ)ブチル、2-(1-メチルプロポキシ)ブチル、2-(2-メチルプロポキシ)ブチル、2-(1,1-ジメチルエトキシ)ブチル;
-C1-C4-アルコキシカルボニル-C1-C4-アルキル: C1-C4-アルコキシカルボニルで置換されたC1-C4-アルキル、即ち、例えば、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、(1-メチルエトキシ)カルボニルメチル、ブトキシカルボニルyメチル、(1-メチルプロポキシ)カルボニルメチル、(2-メチルプロポキシ)カルボニルメチル、(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニルメチル、2-(メトキシカルボニル)エチル、2-(エトキシカルボニル)エチル、2-(プロポキシカルボニル)エチル、2-(1-メチルエトキシカルボニル)エチル、2-(ブトキシカルボニル)エチル、2-(1-メチルプロポキシカルボニル)エチル、2-(2-メチルプロポキシカルボニル)エチル、2-(1,1-ジメチルエトキシカルボニル)エチル、2-(メトキシカルボニル)プロピル、2-(エトキシカルボニル)プロピル、2-(プロポキシカルボニル)プロピル、2-(1-メチルエトキシカルボニル)プロピル、2-(ブトキシカルボニル)プロピル、2-(1-メチルプロポキシカルボニル)プロピル、2-(2-メチルプロポキシカルボニル)プロピル、2-(1,1-ジメチルエトキシカルボニル)プロピル、2-(メトキシカルボニル)ブチル、2-(エトキシカルボニル)ブチル、2-(プロポキシカルボニル)ブチル、2-(1-メチルエトキシカルボニル)ブチル、2-(ブトキシカルボニル)ブチル、2-(1-メチルプロポキシカルボニル)ブチル、2-(2-メチルプロポキシカルボニル)ブチル、2-(1,1-ジメチルエトキシカルボニル)ブチル;
-C1-C6-アルキルカルボニル: 例えば、アセチル、プロピオニル、n-ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、n-ヘキセノイル;
-C2-C6-アルケニル: 例えば、エテニル、プロパ-1-エン-3-イル、ブタ-1-エン-4-イル、1-メチルプロパ-2-エン-1-イル、2-メチルプロパ-2-エン-1-イル、2-ブテン-1-イル、1-ペンテン-3-イル、1-ペンテン-4-イル、2-ペンテン-4-イル、1-メチルブタ-2-エン-1-イル、2-メチルブタ-2-エン-1-イル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、1-メチルブタ-3-エン-1-イル、2-メチルブタ-3-エン-1-イル、3-メチルブタ-3-エン-1-イル、1,1-ジメチルプロパ-2-エン-1-イル、1,2-ジメチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチルプロパ-2-エン-1-イル、ヘキサ-3-エン-1-イル、ヘキサ-4-エン-1-イル、ヘキサ-5-エン-1-イル、1-メチルペンタ-3-エン-1-イル、2-メチルペンタ-3-エン-1-イル、3-メチルペンタ-3-エン-1-イル、4-メチルペンタ-3-エン-1-イル、1-メチルペンタ-4-エン-1-イル、2-メチルペンタ-4-エン-1-イル、3-メチルペンタ-4-エン-1-イル、4-メチルペンタ-4-エン-1-イル、1,1-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,1-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、1,2-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,2-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、1,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,3-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、2,2-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、2,3-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、3,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1-エチルブタ-2-エン-1-イル、1-エチルブタ-3-エン-1-イル、2-エチルブタ-2-エン-1-イル、2-エチルブタ-3-エン-1-イル、1,1,2-トリメチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチル-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル又は1-エチル-2-メチルプロパ-2-エン-1-イル;
-C2-C6-アルキニル: 例えば、エチニル、プロパルギル、ブタ-1-イン-3-イル、ブタ-1-イン-4-イル、ブタ-2-イン-1-イル、ペンタ-1-イン-3-イル、ペンタ-1-イン-4-イル、ペンタ-1-イン-5-イル、ペンタ-2-イン-1-イル、ペンタ-2-イン-4-イル、ペンタ-2-イン-5-イル、3-メチルブタ-1-イン-3-イル、3-メチルブタ-1-イン-4-イル、ヘキサ-1-イン-3-イル、ヘキサ-1-イン-4-イル、ヘキサ-1-イン-5-イル、ヘキサ-1-イン-6-イル、ヘキサ-2-イン-1-イル、ヘキサ-2-イン-4-イル、ヘキサ-2-イン-5-イル、ヘキサ-2-イン-6-イル、ヘキサ-3-イン-1-イル、ヘキサ-3-イン-2-イル、3-メチルペンタ-1-イン-3-イル、3-メチルペンタ-1-イン-4-イル、3-メチルペンタ-1-イン-5-イル、4-メチルペンタ-2-イン-4-イル又は4-メチルペンタ-2-イン-5-イル。
【0010】
アリールの好適な置換基としては、原則的には、反応条件下で不活性であり、そして特にアルキル化剤R1-L及びハロジフルオロメタンに関して非反応性である全ての原子又は原子団である。ここで、隣接する炭素原子に結合する2つの置換基が、3-、4-又は5-員飽和若しくは不飽和鎖を形成してもよい。また、該鎖は、鎖員(chain members)として、1個又は2個のヘテロ原子(例えば、窒素、硫黄又は酸素)、及び/又は1個又は2個のカルボニル若しくはチオカルボニル官能基を含んでいてもよい。好適な置換基の例は、ハロゲン、C1-C4-アルキル(これはさらにハロゲン、フェニル、C1-C4-アルコキシ基、C1-C4-アルコキシカルボニル基又はC1-C4-アルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい)、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、NO2、COOR5、OR6、C(O)R7、SOnR8及びSOnNR9R10[式中、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C3-C4-アルケニル、C3-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル及びC1-C4-アルコキシカルボニル-C1-C4-アルキルからなる群より選択され、ここで、nは0、1又は2である。]、さらにNH(CO-R12)及びN(CO-R12)2[式中、R12はR6について述べた意味の1つであり、特にはC1-C4-アルキルである。]である。鎖の例は、1,3-プロピレン、1,4-ブチレン、1,3-ジオキシプロピレン、1-オキシ-1,4-ブチレン等である。
【0011】
ここで記載する全ての反応は、そのような反応で慣用の反応容器中で行われ、該反応を連続的にか、又はバッチ式(batchwise)かのいずれかで行うことができる。一般には、この反応は常圧下で行われる。低沸点溶媒の場合には、この反応を加圧下(superatmospheric pressure)で行うこともできる。
【0012】
本発明による工程1での3-アリール-5-ヒドロキシピラゾールIIIの製造は、式IIのβ-ケトエステルから出発するN-置換ピラゾロン又はヒドロキシピラゾロン類の製造と同様にして行われ、ここでは従来技術とは対照的に、該β-ケトエステルIIをアルキルヒドラジンとは反応させずにヒドラジン(純粋な形態でか、又はヒドラジン水和物かのいずれかで)と反応させる。
【0013】
好ましくは、ヒドラジン又は等量のヒドラジン水和物を少なくとも等モル量又は過剰量(ここで、β-ケトエステルIIの1モルにつき、例えば、20モル%を超えるような比較的大過剰は一般的には必要ない。)を使用する。好ましくは、化合物IIのモルあたり1.01〜1.1モル、特には約1.05モルのヒドラジンを使用する。
【0014】
IIとヒドラジンとの反応は、好ましくは有機溶媒中で行われる。好適な有機溶媒の例としては、プロトン性極性溶媒、例えば、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール又はtert-ブタノール等)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン又はtert-ブチルベンゼン等)、非プロトン性極性溶媒、例えば、環状又は非環状エーテル(ジエチルエーテル、tert-ブチルメチル エーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン (THF)又はジオキサン等)、環状又は非環状アミド(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン又はテトラメチル尿素等)、並びに上述の溶媒の混合物である。反応は、好ましくはプロトン性極性溶媒中、特にはC1-C4-アルカノール中、特に好ましくはエタノール中で行われる。
【0015】
反応は、好ましくは0℃以上、特には少なくとも10℃以上、特に好ましくは少なくとも15℃以上の温度で行われる。一般には、温度の上限は、反応を常圧下で行う場合には、用いる溶媒の沸点である。好ましくは100℃、特には60℃、特に好ましくは40℃の反応温度を超えない。実用的な理由から、反応はしばしば室温で行われる。
【0016】
エステルIIの反応性及び反応温度に応じて、完全な変換に必要な反応時間は1〜48時間の範囲、好ましくは10〜15時間の範囲である。
【0017】
反応混合物の後処理及びヒドロキシピラゾールIII (又はその互変異性体IIIa)の単離は、溶媒を除去する慣用の方法、例えば抽出、蒸留又はろ過により行われる。さらなる精製は、例えば、結晶化又はクロマトグラフィにより行うことができる。しかしながら、生成物はしばしばさらなる精製工程を必要としない純度で得られる。これは、特に、プロトン性極性溶媒を使用した時にそうである。これらの溶媒では、ヒドロキシピラゾール類 IIIは一般に溶解性が悪く、まったく溶解しない場合には、ろ過に単離するのに十分純粋な形態で反応溶液から結晶化する。本発明による製造方法の工程1により、ヒドロキシピラゾール類 IIIを一般的に少なくとも60%の良好〜極めて良好な収率で得られる。
【0018】
本発明による製造方法では、ヒドロキシピラゾール IIIの製造のあと、アルキル化工程で置換基R1を導入し、そしてジフルオロメチル基を導入する。
【0019】
方法Aでのヒドロキシピラゾール III と、又は、方法Bでのジフルオロメトキシピラゾール VIと、アルキル化剤 R1-Lとの反応は、好ましくは非プロトン性有機溶媒(例えば、 工程1で述べた芳香族炭化水素のうちの1つ、環状若しくは非環状エーテル又は環状若しくは非環状アミド、或いはこれらの溶媒の混合物)中で行われる。好ましくは、芳香族炭化水素、特にはキシレン及びトルエン等のアルキル芳香族化合物である。
【0020】
アルキル化剤 R1-Lは、好ましくはC1-C4-アルキル塩化物、C1-C4-アルキル臭化物、C1-C4-アルキルヨウ化物、及び、特にはジ-C1-C4-アルキルスルフェートからなる群より選択され、特に好ましくは代表的な第一級アルキル化合物、及び得にはメチル化合物である。
非常に好ましいアルキル化剤 R1-Lはジメチル硫酸である。
【0021】
一般に、アルキル化剤 R1-Lは、議論しているピラゾールIII又はVIのモルあたり、少なくとも等モル量、好ましくは2モル以下、特には1.6モル以下の量で使用される。特に好ましくは、アルキル化剤 R1-Lは、方法Aでは化合物IIIのモルあたり1.4〜1.6モルの量で使用され、方法Bでは化合物VIのモルあたり1.0〜1.3モルの量で使用する。
【0022】
ピラゾール類 III又はVIとR1-Lとの反応は、補助塩基の非存在下又は存在下で行うことができる。IIIとR1-Lとの反応は、好ましくは、補助塩基の存在下で行われ、VIとR1-Lとの反応は、好ましくは、補助塩基の非存在下で行われる。
【0023】
好適な補助塩基は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化カルシウムであり、また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩も好ましく、特には炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムである。好ましくは、補助塩基は、議論しているピラゾール III又はVIを基準として、(塩基当量として計算して)少なめの化学量論量、好ましくは0.3〜0.5等量を使用する。
【0024】
III又はVIとR1-Lとの反応は、一般的には少なくとも0℃〜用いる溶媒の沸点の温度で、好ましくは20℃〜120℃の範囲で、特には70℃〜120℃の範囲で行われる。
【0025】
必要とする反応時間は、一般には、0.5時間〜12時間の範囲、好ましくは1〜6時間の範囲である。
【0026】
一般には、以下の反応、アンモニア、塩化アンモニウム若しくは硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩、又は脂肪族若しくは脂環式アミンを反応混合物に添加して、過剰のアルキル化剤 R1-Lを失活させる。また、反応混合物を金属水酸化物(好ましくは水溶液の形態で)で、処理することもできる。しばしば、該アルキル化剤は、アンモニア水溶液或いは第一級若しくは第二級脂肪族又は脂環式アミン(例えば、ジエチルアミン)を用いて失活させる。アルキル塩化物、臭化物及びヨウ化物等の比較的揮発性の化合物の場合には、アルキル化剤を失活させる必要はないかもしれない。
【0027】
反応混合物の後処理及びN-アルキル化ピラゾール IV又はIの単離は、溶媒を除去することにより(例えば、抽出、蒸留又はろ過)慣用の方法で行うことができる。さらなる精製は、例えば、結晶化又はクロマトグラフィにより行うことができる。
【0028】
驚くべきことに、方法AでのIIIのアルキル化は、IVの形成がその異性体Vに対してかなりの高選択性で起こり、例えば4:1であってIIとアルキルヒドラジンとの反応よりも良好で、そのため比較的煩雑でない方法で粗生成物から化合物IVを単離することができる。例えば、IVは混合物を酸性化、好ましくはpH2未満、例えばpH=1にすることにより単離することができる。結果として、化合物IVは反応溶液から固体として沈殿する。次いで、この固体を、例えば、有機溶媒、好ましくは、少なくとも部分的に水と混和性の極性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、エーテル、例えば、THF、MTBE若しくはジオキサン、及びアミド、例えば DMF、DMAA若しくはNMP、特に好ましくはこれらの溶媒と水との混合物、特にはエタノール水溶液)から、結晶化により精製する。さらには、本発明の方法Aにより得ることができる、IIを基準とするIVの収率は、IIとアルキルヒドラジンとの反応よりもかなり高い。さらには、高価なアルキルヒドラジンの使用を回避できる。
【0029】
代わって、方法BによるVIのアルキル化では、式:
【化7】
Figure 2004519456
の望ましくない異性体5-アリール-1-アルキル-3-ジフルオロメトキシピラゾールが無視できるほどの量しか形成せず、極めて良好な収率且つ高選択性で化合物Iが得られる。
【0030】
原則的にはIII又はIVとクロロジフルオロメタンとの反応は既に上述の刊行物に開示されている。この点に関して、これらの刊行物は参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
III又はIVの反応は、一般には、例えば気体として、少なくとも等量のクロロジフルオロメタンを反応混合物に添加することにより行われる。好ましくは、過剰のクロロジフルオロメタンを使用する。一般には、III又はIVのモルあたり10モルを超える過剰量を使用する必要はない。好ましくは、3〜7モルのクロロジフルオロメタンを使用する。方法Aでは、ピラゾール IVのモルあたり、8モル特には6モルの過剰量は超えない。
【0032】
原則として、III又はIVとクロロジフルオロメタンとの反応を塩基の存在下で行うことが有利であることが分かっている。好適な補助塩基としては、有機(好ましくは、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族又は脂環式のアミン)、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属炭酸塩、またナトリウムメトキシド若しくはカリウムメトキシド又はナトリウムエトキシド若しくはカリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシドである。特に好ましい塩基はアルカリ金属水酸化物、特には水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムである。該補助塩基は、好ましくは、(塩基当量として計算して)少なくとも等量、好ましくは過剰量、例えば議論しているピラゾール III又はIVを基準として、1.5〜2.0モルが使用される。III (方法B)のジフルオロメチル化は、好ましくは、少なくとも8に調整したpH、例えば、pH8〜pH12-13の範囲で行われる。
【0033】
一般には、クロロジフルオロメタンの反応は有機溶媒中で行われ、好ましくはエーテル、例えば、THF、MTBE又はジオキサン、及びアミド、例えば DMF、DMAA又はNMP、並びにこれらの溶媒と水との混合物等の好ましくは少なくとも部分的に水混和性の極性有機溶媒である。特に好ましいものは、少なくとも70 vol%〜99 vol%までの、特には85-95vol%の環状エーテルと、5-15vol%の水との混合物、及び上述のアミドである。
【0034】
該反応は、好ましくは40℃以上、特には少なくとも60℃、特に好ましくは70℃〜90℃の範囲の温度で行われる。
【0035】
反応混合物の後処理及びジフルオロメチル化ピラゾールI又はVIの単離は、例えば、抽出、蒸留又はろ過による溶媒の除去による慣用の方法で行われる。さらなる精製は、例えば結晶化又はクロマトグラフィにより行うことができる。
【0036】
本発明による方法は、R1がメチルである化合物を製造するのに特に好適である。
【0037】
アリールは、好ましくは、1個、2個、3個又は4個、好ましくは2又は3個の上述の置換基を有するフェニルであり、ここで隣接する炭素原子に結合した2個の置換基は3-、4-若しくは5-員飽和又は不飽和鎖を形成してもよい。該鎖は鎖員として1個又は2個のヘテロ原子(例えば、窒素、硫黄又は酸素)、及び/又は1個又は2個のカルボニル又はチオカルボニル官能基を含んでいてもよい。
【0038】
好ましい置換基はハロゲン、C1-C4-アルキル(これは、非置換か又はハロゲン、フェニル若しくはC1-C4-アルコキシ基により置換されていてもよい)、アルケニル、アルキニル、NO2、基COOR5又は基OR6(ここで、R5及びR6は互いに独立して水素、C1-C4-アルキル、C3-C4-アルケニル、C3-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル及びC1-C4-アルコキシカルボニル-C1-C4-アルキルからなる群より選択される。)である。本方法はアリールが下記式の基:
【化8】
Figure 2004519456
[式中、R2及びR3は、互いに独立して、水素又は上述の置換基のうちの1つであり、特には以下の意味を有する:
R2は、水素、特にはフッ素又は塩素であり、
R3は、水素、C1-C4-アルキル、NO2、COOR5又はOR6(ここで、R5及びR6は、は互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C3-C4-アルケニル、C3-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル又はC1-C4-アルコキシカルボニル-C1-C4-アルキルである。]
である化合物を製造するのに特に好適である。
【0039】
R3は、好ましくは、水素又は基OR6である。好ましくは、R6は、C1-C4-アルキル、C3-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシカルボニル-C1-C4-アルキルである。R3は特には水素である。
【0040】
本発明の方法による方法Bで中間体として得られる式VIa:
【化9】
Figure 2004519456
[式中、R2及びR3は上で示した意味である。]
の化合物は新規であり、また本発明の主題の一部を構成する。
【実施例】
【0041】
以下の実施例により本発明を説明する:しかしながら、何ら限定を強いるものとして理解されるべきではない。
【0042】
以下の実施例で使用する出発物質は3-(2,4-ジクロロフェニル)-3-オキソプロピオン酸メチル又は3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-3-オキソプロピオン酸エチルであり、それぞれ、対応する2,4-ジハロアセトフェノンと炭酸ジメチル及び炭酸ジエチルとの塩基性条件による縮合により得ることができる。
【0043】
実施例 1: 3-(4- クロロ -2- フルオロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1- メチル -1H- ピラゾール ( 方法 B)
1.1 3-(4- クロロ -2- フルオロフェニル )-5- ヒドロキシ -1H- ピラゾール
最初に、428.4gの3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-3-オキソプロピオン酸エチルを1400mlのエタノールに入れた。15分にわたて、92gのヒドラジン水和物を滴下し、該混合物を室温で終夜攪拌し、沈殿した固体をろ過し、濾液を最初の容量の1/3に濃縮した。該混合物をさらに2晩攪拌し、生じた固体を吸引ろ過し、濾液を再度最初の容量の1/3に濃縮した。これにより全部で289.1g (77.7%)の3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾールを無色固体として得た。M.p.: 194℃。
1H-NMR (DMSO-d6, TMS): δ 5.88 (s, 1H), 7.35 (dd, 1H), 7.52 (dd, 1H), 7.83 (t, 1H), 9.0-11.2 (br), 11.2-13.0 (br)。
【0044】
1.2 3-(4- クロロ -2- フルオロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1H- ピラゾール
工程1.1で得た64 gの3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾールを最初に600mlのジオキサンに入れた。24gの水酸化ナトリウムを含む70mlの水を添加し、該混合物を加熱還流した。攪拌しながら、238.7g (2.76mol, 9.2eq.)の気体のクロロジフルオロメタンを添加し、添加中にpHを常に監視し、中性領域(pH<9)に達したらさらにNaOH溶液を添加してpHを約pH12に増加させた。6時間後、該混合物を冷却し、1800mlの水を添加して、該混合物を各500mlのMTBEで2回抽出した。合わせた有機層を各500mlの水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥して、ろ過して、濃縮した。これにより58.7gの粗3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールを得た。32.3gのこの混合物を減圧蒸留して、11.6gの標題の化合物を油状物として純度86%で得た。収率: 22.9%。
1H-NMR (DMSO-d6, TMS): δ 6.32 (d, 1H), 7.14 (t, 1H), 7.32 (dd, 2H), 7.39 (dd, 1H), 7.81 (t, 1H), 12.9 (s, 1H)。
【0045】
1.3 3-(4- クロロ -2- フルオロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1- メチル -1H- ピラゾール
工程1.2で得た11.6gの3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾール (純度 86%)を、最初に100mlのトルエンに入れた。6.2gのジメチル硫酸を滴下し、該混合物を3時間加熱還流した。冷却後、25mlの飽和NH4Cl水溶液を添加し、該混合物を1時間攪拌し、有機層を分離して、中性になるまで水で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濃縮して11.3gの3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ジフルオロメトキシ-1-メチル-1H-ピラゾールを油状物として純度82.4% (GC)で得た。収率: 88.6%。
1H-NMR (DMSO-d6, TMS): δ 3.41 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 6.42 (d, 1H), 7.36 (dd, 1H), 7.38 (t, 1H), 7.44 (dd, 1H) 7.92 (t, 1H)。
【0046】
実施例 2: 3-(4- クロロ -2- フルオロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1- メチル -1H- ピラゾール ( 方法 A):
2.1 3-(4- クロロ -2- フルオロフェニル )-5- ヒドロキシ -1- メチル -1H- ピラゾール
実施例1.1からの50gの3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾールを、最初に1500mlのトルエンに入れた。次いで35.5gのジメチル硫酸を添加し、該混合物を3時間加熱還流した。室温に冷却後、該混合物をアンモニアを用いてアルカリ性にし、終夜攪拌して、塩酸を添加して酸性化した。次いで、該混合物を0℃に冷却し、沈殿した固体をろ過した。乾燥後、49.4gの3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾールを粗生成物として得て(NMRによる純度約80%、不純物は本質的に出発物質である。)、これをトルエンから再結晶により精製して純度>95%とした。収量 49.4g, 74.1%. M.p.: 204℃。
1H-NMR (DMSO-d6, TMS): δ 3.65 (s, 3H), 5.92 (d, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.52 (d, 2H), 7.94 (t, 1H)。
【0047】
2.2 3-(4- クロロ -2- フルオロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1- メチル -1H- ピラゾール
実施例2.1からの57.1gの3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾールを、最初に500mlのジオキサンに入れた。18.8gのNaOHを含む50mlのH2Oの溶液を添加し、該混合物を加熱還流し、85g (0.98mol = 3.9eq.)の気体のクロロジフルオロメタンを導入した。該混合物を1.5lの水に注ぎ、500mlのMTBEで2回抽出し、合わせた有機層を500mlの水で1回、及び500mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回抽出した。有機層を乾燥及び濃縮して57.6gの53%純度の3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-ジフルオロメトキシ-1-メチル-1H- ピラゾールを油状物として得て、それは減圧蒸留によりさらに精製された。これにより、標題の化合物を純度94%で収率43.8%で得た。
【0048】
比較例 1: メチルヒドラジンを用いる 3-(4- クロロ -2- フルオロフェニル )-5- ヒドロキシ -1- メチル -1H- ピラゾールの製造
1000gの3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-3-オキソプロピオン酸エチルを、最初に2500mlのジエチレングリコール ジメチル エーテルに入れ、650gのメチルヒドラジン (H2O中に35%)を滴下した。該反応混合物を2時間加熱還流し、冷却して、5lの水及び300mlの酢酸エチルの混合物に注いだ。結晶性物質が形成されるまで、生じた粘液性の沈殿物にさらに酢酸エチルを添加し、次いでろ過した。減圧乾燥後に得られた生成物は、標題の化合物を異性体の5-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾールとの混合物で含んでおり、2.5:1のモル比であった。酢酸エチル/エタノール (7:3 v/v)からの結晶化により209gの標題の化合物を純度約98% (収率 22.5%)で得た。
【0049】
実施例 3: 3-(2,4- ジクロロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1- メチル -1H- ピラゾール ( 方法 B)
3.1 3-(2,4- ジクロロフェニル )-5- ヒドロキシ -1H- ピラゾール
970gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-3-オキソプロピオン酸メチルを、最初に4000mlのエタノールに入れた。15分かけて、201gのヒドラジン水和物を滴下し、該混合物を室温で終夜攪拌して、沈殿物をろ過して、初めの容量の1/3まで濃縮した。その濾液をさらに2晩攪拌し、生じた固体を吸引ろ過しして、濾液を再度初めの容量の1/3まで濃縮した。これにより、全部で714.2g (79.4%)の3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール無色固体として得た。M.p.: 198℃。
1H-NMR (DMSO-d6, TMS): δ 5.92 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.6-7.8 (m, 2H), 11.6-12.6 (br)。
【0050】
3.2 3-(2,4- ジクロロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1H- ピラゾール
実施例3.1からの237gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾールを、最初に2160mlのジオキサンに入れた。84gの水酸化ナトリウムを含む250mlの水を添加し、該混合物を加熱還流した。攪拌しながら、620g (7.17mol, 6.9eq.)の気体のクロロジフルオロメタンを導入し、添加中にpHを常に監視し、中性領域(pH<9)に達したらさらにNaOH溶液を添加してpHを約pH12に増加させた。6時間後、該混合物を冷却し、1.7lの水を添加し、次いで該混合物を各500mlのMTBEで3回抽出した。合わせたせた有機層を各1500mlの水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過及び濃縮した。残渣を500mlのシクロヘキサンに懸濁して加熱還流し、次いで不溶性の粒子をろ過した。残渣を200mlの沸騰シクロヘキサンで1回抽出した。合わせた濾液を濃縮して標題の化合物を得た。これにより、136.7gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールを固体として得た。収率47.3%。
1H-NMR (DMSO-d6, TMS): δ 6.42 (s, 1H), 7.35 (t, 1H), 7.57 (dd, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.78 (d, 2H), 13.8-14.2 (br)。
【0051】
3.3 3-(2,4- ジクロロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1- メチル -1H- ピラゾール
実施例3.2からの457.2gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールを、最初に2300mlのトルエンに入れた。227.3gのジメチル硫酸を滴下し、該混合物を3時間加熱還流した。冷却後、500mlの飽和NH4Cl水溶液を添加し、該混合物を1時間攪拌し、有機層を分離して、中性になるまで水で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濃縮することにより、377.8gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ジフルオロメトキシ-1-メチル-1H-ピラゾールを純度92.9% (GC)で得た。収率: 73.1%. M.p.: 35℃。
1H-NMR (CDCl3, TMS): δ 3.78 (s, 3H), 6.41 (s, 1H), 6.58 (t, 1H), 7.26 (dd, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.72 (d, 1H)。
【0052】
実施例 4: 3-(2,4- ジクロロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1- メチル -1H- ピラゾール ( 方法 A)
4.1 3-(2,4- ジクロロフェニル )-5- ヒドロキシ -1- メチル -1H- ピラゾール
実施例3.1からの30gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾールを、最初に750mlのトルエンに入れた。23.1gのジメチル硫酸及び7.5gの炭酸カリウムを添加し、該混合物を2時間加熱還流した。室温に冷却後、該混合物をアンモニアを用いてアルカリ性にし、終夜攪拌した。該混合物を塩酸を添加して酸性化し(pH 約1)、室温まで冷却して、沈殿した固体をろ過した。乾燥して、21.4gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾール (GCによる純度99.2%, 収率 66.8%)を得た。M.p.: 128℃。
1H-NMR (DMSO-d6, TMS): δ 3.59 (s, 3H), 5.92 (s, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 11.2 (s, 1H)。
【0053】
4.2 3-(2,4- ジクロロフェニル )-5- ジフルオロメトキシ -1- メチル -1H- ピラゾール
実施例4.1からの9gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾールを、最初に50mlのジメチルアセトアミドに入れて、5.4gの炭酸カリウムを添加した。該混合物を90℃に加熱し、48gの気体のクロロジフルオロメタン1時間かけて導入した。該混合物を800mlの水に注ぎ、300mlのMTBEで2回抽出して、合わせた有機層を100mlの水で1回及び100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で1回抽出した。有機層を乾燥及び濃縮して、10.2gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ジフルオロメトキシ-1-メチル-1H-ピラゾールを純度56% (収率50.2%, 標題の化合物を基準として)で得て、それをさらに減圧蒸留により精製した。
【0054】
比較例 2: メチルヒドラジンを用いる 3-(2,4- ジクロロフェニル )-5- ヒドロキシ -1- メチル -1H- ピラゾールの製造
1980gの3-(2,4-ジクロロフェニル)-3-オキソプロピオン酸メチルを、最初に3000mlのジエチレングリコール ジメチル エーテルに入れた。30分かけて、728gのメチルヒドラジン (H2O中に51%)を滴下し、該混合物を2.5時間加熱還流した。冷却後、該反応混合物を6lの水と600mlの酢酸エチルとの混合物に注ぎ、沈殿した固体を吸引ろ過した。その固体を酢酸エチル/エタノール (7:3 v/v)から再結晶し、減圧下乾燥した。これにより894gの約80%純度の3-(2,4-ジクロロフェニル)-5-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾールと5-(2,4-ジクロロフェニル)-3-ヒドロキシ-1-メチル-1H-ピラゾールとの混合物(モル比 3:1)を得た。酢酸エチル/エタノール (7:5 v/v)からの分別再結晶を繰り返して、444.5gの純粋な標題の化合物(純度>98%)を得た。収率 24.1%。

Claims (12)

  1. 式I:
    Figure 2004519456
    [式中、アリールはモノ-又は多置換フェニル環であり、及びR1はC1-C4-アルキルである。]
    の1-アルキル-3-アリール-5-ジフルオロメトキシ-1H-ピラゾールの製造方法であって、
    最初の反応工程において、式II:
    Figure 2004519456
    [式中、RaはC1-C4-アルキルであり、及びアリールは上で示した意味である。]
    のβ-ケトエステルとヒドラジンとを反応させて、式III:
    Figure 2004519456
    のヒドロキシピラゾールを得て、
    これを連続的にクロロジフルオロメタン及びアルキル化剤 R1-L(式中、R1は上で示した意味であり、Lは置換可能な脱離基である。)と反応させることを含む前記方法。
  2. ヒドロキシピラゾール類IIIを、最初に化合物R1-Lと反応させ、生じた1-アルキル-3-アリール-5-ヒドロキシピラゾール IV:
    Figure 2004519456
    をクロロジフルオロメタンと反応させる、請求項1記載の製造方法。
  3. ヒドロキシピラゾールIII又はIVとクロロジフルオロメタンとの反応が塩基の存在下で行われる請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 塩基がアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩からなる群より選択される請求項3記載の製造方法。
  5. アリールが下記:
    Figure 2004519456
    [式中、R2及びR3は以下の意味を有する:
    R2は、水素、フッ素又は塩素であり、
    R3は、水素、C1-C4-アルキル、NO2、COOR5又はOR6(式中、R5及びR6は、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C3-C4-アルケニル、C3-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル又はC1-C4-アルコキシカルボニル-C1-C4-アルキルである。)である。]
    で定義される請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. R1がメチルである請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. Lがヨウ素、臭素、塩素及び基OSO2-OR1からなる群より選択されるか、又は:
    Figure 2004519456
    である請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 化合物R1-Lがジメチル硫酸である請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 化合物III又はIVとアルキル化剤 R1-Lとの反応が塩基の存在下で行われる請求項1〜8のいずれか1項記載の製造方法。
  10. アルキル化剤R1-Lが、化合物III又はIVのモルあたり、1〜2モルの量で使用される請求項1〜9のいずれか1項記載の製造方法。
  11. ジフルオロメタンが、化合物III又はIVのモルあたり、3〜10モルの量で使用される請求項1〜10のいずれか1項記載の製造方法。
  12. 式VIa:
    Figure 2004519456
    [式中、R2及びR3は以下の意味を有する:
    R2は水素、フッ素又は塩素であり、
    R3は水素、C1-C4-アルキル、NO2、COOR5又はOR6(式中、R5及びR6は、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル、C3-C4-アルケニル、C3-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル又はC1-C4-アルコキシカルボニル-C1-C4-アルキルである。)である。]
    のジフルオロメトキシピラゾール。
JP2002556176A 2001-01-16 2002-01-15 1−アルキル−3−アリール−5−ジフルオロメトキシ−1h−ピラゾールの製造方法 Pending JP2004519456A (ja)

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