JP2004517429A - データ再生のための方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
光ディスク上に直線的シーケンスで記録された実際の複ビームDVDシステム(又はCDシステム)用の一連のアーキテクチャが開示されている。当該データは内側及び外側エラー訂正コード(PI、PO)を含み、外側コードは所定サイズのデータブロック(ECCフレーム)単位で適用されている。各ブロックは幾つかのセクタの系列を有する。複チャンネル読出は、上記ブロック又は副ブロックの境界に限定されずに開始するような、N個の副シーケンスの群を並列に提供する。各チャンネル(a、b、c、d)内でセクタIDが検出されて、データブロックの一部を形成するような副ブロックの系列を識別する。ブロック(*で印されるブロック)の開始からのデータが無くても、外側エラー訂正回路(216)は副ブロックを処理して、当該ブロックに関する部分的エラー保護シンドロームを蓄積する。該ブロックの終了に到達すると、当該副シーケンス内の次のブロック用のシンドロームが蓄積される。次いで、終了部が処理されている同一ブロックの開始部を形成するような副ブロックが別のチャンネルで認識され、上記シンドロームの残部を蓄積すべく処理される(216)。読取ビーム(a、b、c、d)は当該ディスクの更なる部分をカバーすべく新たな組の位置(a’、b’、…)へジャンプする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ再生のための方法及び装置に係り、特にはデジタルバーサタイルディスク(DVD)のような回転担体からのデータの取り出し及び復号のための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
量販光学データ記憶部は、既知のCD−ROM光ディスクフォーマットの形態で馴染みがある。これら及び他の記憶媒体の歴史的考察及び技術的解説は、自身がCD−ROM上で入手可能な「PC技術ガイド」、及びhttp://www.pctechguide.com/10dvd.htmにおいて見付けることができる。DVDはCD−ROMの能力を、その公称(“1x”)データレート及びデータ容量の点で拡張した。DVD/CDデコーダは、例えば国際特許出願公開第WO−A−99/48097号に記載されている。適切な回路を組み込んだ集積回路(IC)が、フィリップス・セミコンダクターズ社から例えば製品SAA7335として入手可能である。
【0003】
現在のCD−ROMドライブは記憶データを、CD媒体が設計された公称データレートの何倍ものレートで再生し、従って、“24x”、“32x”、“48x”と指定されている。データレートを上昇させる簡単な方法は、当該ディスクが光学ピックアップ上を回転する速度を上昇させることである。更に高速な光ディスクドライブを構築する競争が続いているが、ディスクの引張強度及び電力消費の物理的限界が、回転速度の限界を200ないし400Hzにしてしまう。DVDの場合、これは20〜40xの“x”等級に等しい。
【0004】
標準の光ディスクから回転速度を上昇させること無しに一層高いデータレートを引き出すという問題に対する1つの解決策は、所謂“複ビーム”方法である。複ビームシステムにおいては、読出レーザビームは、光学ピックアップユニット(OPU)において放射方向に隣接するトラック上に収束される多数の別個のビームに分割される。N個のビームのOPUを用いると、ディスクの所与の回転速度において、データはN倍のレート(原理的に)で読み取ることができる。CDシステム用の複ビームアーキテクチャは国際特許出願公開第WO−A−98/037555号(Zen Research)に記述されている。この記述は、複トラック読出が、N個の隣接するトラックが並列に読み取られるように構成された回折格子と組み合わされた単一のレーザを使用して達成されると仮定している。このことは、当該ICがN個のデータ入力端子を有さねばならず、N個のデータストリームを同時に処理することができなければならないことを意味する。別個の読取ヘッドを備えるもっと入念な構成も、CD読取器の形で、例えば米国特許第5,465,244号(Kobayashi/東芝)から知られている。
【0005】
所与のデータスループットに対して、ディスクの回転速度はビームの数に関係する係数により比例的に低減することができるので、データレートが問題とならないなら、上記複ビーム方法はドライブの電力消費を低減する可能性ももたらす。携帯可能な装置の場合、斯様なドライブの電力消費はスピンドルモータ及びドライバにより消費される電力により支配されるので、この方法は大幅な電力消費の利点を提供する。
【0006】
DVDディスクは線形な態様で読み取られるように設計されており、ジャンプによるランダムアクセスも当該システム設計の一部ではあるが、その意図は、データが通常はストリームとして読み取られる、即ちデータがトラック上でファイルの始点から終点まで連続している点にある。DVD上の全てのデータは(CDと同様に)、内側ディスク半径から外側へと走る単一の螺旋状のトラック上に配置されている。複トラック方法が用いられた場合、個々のピックアップにより読み取られるデータは実効的に同一のリニアなストリームからのデータではあるが、1ディスク回転分時間的にシフトされたものであり、これは、Nビームシステムの場合、1ディスク回転がN回転分のデータを生じることを意味することが容易に分かる。別々のピックアップからのデータは、ホストアプリケーションに渡される前に、1のリニアなデータの集合に再組み立てされる必要がある。当該ディスクの1回転の後、読出ヘッドはN個の溝だけジャンプして、次の連続したデータのブロックの捕捉を開始する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記複ビーム方法をCDドライブからDVDドライブに拡張しようとすると、問題が生じる。CD−ROMと同様に、DVDディスク上のデータも2kバイトのセクタに編成されている。しかしながら、CDシステムがエラー保護に関して本質的に連続したリニアなコードを組み込んでいるのに対し、DVDは二次元のブロック型構成を採用しており、該構成においてセクタはエラー保護の目的でECCフレームと呼ばれる大きなブロックに編成されている。各ECCフレームは、特に螺旋の内側半径において、ディスクの1回転のかなりの部分を占め、隣接するトラック上のフレーム境界は整列されていない。DVD用の既知のデコーダは、データを復号及び訂正するために、開始から終了までの完全なECCフレームが入力されることを仮定している。従って、各OPUビームは新たなECCフレームの始点に出会うまで、通常、幾らかの時間を待つことになるので、複ビーム読出の理論的な利点は既知のDVDデコーダによっては実現することはできない。勿論、上述した問題は単一チャンネル系をN回複製し、次いで、ソフトウェア及び大きなデータバッファを用いて再合成することだけで簡単に解決することができるが、この解決策は複数の大きなバッファメモリにつながり、200Hz(20x回転速度システム)の場合には斯かるバッファメモリの帯域幅に重大な要求を課すことになる。特段の問題は、大量のメモリ及び複雑で高性能な論理回路を単一の廉価なIC上に一緒に設けることは容易にできないということである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、デジタル記憶媒体からのデータの読出のための改善された方法及び装置を提供することにある。また、本発明の特別な目的は、回転記憶媒体からの複読出の効率的な実施を可能にする一方、DVD記録に組み込まれているような二次元コードを復号することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者は、実用的な複ビームDVDシステム(又はCDシステム)用の一連のアーキテクチャを、エラー訂正における機能の理解に基づき、且つ、当該メモリを小さな、広帯域ブロック(集積に適した)及び大きな狭帯域ブロック(標準の商品バッファRAMの使用を可能にする)に分割することにより発明した。これらの2つの型式のメモリブロックは、ここでは、“ローカル”メモリ及び“遠隔”メモリと各々称する。上記“リモート”メモリは、典型的には、当該DVDドライブ内ではあるが当該デコーダIC自体の外側のユーザデータバッファの一部を形成するが、本発明は斯様な構成に限定されるものではない。該リモートメモリは、当該チップの外側であるが上記ユーザデータバッファとは別個のものとすることもでき、又は高性能バッファとは別の、当該ICの一部上の小さな低速メモリのブロックの一部を形成することもできる。
【0010】
本発明は、第1の態様において、第1のシーケンスで記録されたデータを再生する方法であって、前記データが所定のサイズのデータブロックに基づいて適用されたエラー保護コードを含み、各エラー保護ブロックが幾つかの副ブロックの系列を有するような方法において、該方法が、
(a)前記第1のシーケンスにおけるN個の各位置で開始するN個の副シーケンスの群を並列に読み取るステップであって、前記位置が前記ブロック又は前記副ブロックの境界に制限されることなく選択されており、前記N個の副シーケンスの群が前記第1のシーケンスの連続した部分を含んでいるようなステップと、
(b)前記読み取るステップの間に、各副シーケンス内においてデータブロックの一部を形成する一連の副ブロックを識別すると共に、当該ブロックの開始からのデータが無い場合は前記一連の副ブロックを所定の規則に従って処理することにより該ブロックに関連する部分的エラー保護シンドロームを蓄積するステップと、
(c)前記ブロックの終了に到達したら、当該副シーケンス内の次のブロックに関するシンドロームを蓄積するステップと、
(d)前記読み取るステップの間に、続いて、前記副シーケンスの他のものにおいて終了部が処理されたブロックの開始部を形成する一連の副ブロックを識別すると共に、これら副ブロックを処理して前記シンドロームの残部を蓄積するステップと、
(e)前記シンドロームの前記残部を前記記憶された部分的シンドロームと合成して、当該ブロックに関する完成したシンドロームを得るステップと、
を有するような方法を提供する。
【0011】
本方法は、(f)前記第1のシーケンスにおける新たな組の位置にジャンプすると共にN個の副シーケンスの他の群を並列に読み取って前記第1のシーケンスの更なる部分をカバーするステップを更に有することができ、前記更なる部分は先行する部分と連続するか又は重なり合うことができ、前記ステップ(d)は前記ブロックの開始部を前記副シーケンスの他の群の中で識別するステップを含むことができる。
【0012】
前記副ブロックは二次元マトリクスの行又は行の群と見なすことができ、前記ステップ(b)は前記マトリクスの行に対して内側エラー訂正を実行するステップを含むことができ、前記ステップ(c)ないし(e)において蓄積された前記シンドロームは外側エラー訂正処理において前記マトリクスの列に対して適用することができる。
【0013】
当該方法は、シンドロームの一時的記憶のために別個のローカルな及び遠隔の記憶部を用いて実行することができ、前記部分的シンドロームは前記ステップ(b)において前記ローカルな記憶部に蓄積され、この蓄積された部分的シンドロームは前記ステップ(c)において前記遠隔の記憶部へ転送することができる。
【0014】
前記ステップ(c)の転送するステップは、前記ジャンプするステップに関連しその都度実行することができる。
【0015】
前記部分的シンドロームは前記ブロックの開始部の読み取りの間に合成することができ、前記部分的シンドロームは、前記シンドロームの残部の前記ローカルな記憶部への蓄積のためのステップ(d)において前記遠隔の記憶部から該ローカルな記憶部へ転送して戻すことができる。他の例として、前記部分的シンドローム及び前記の蓄積された残部は前記ローカルな記憶部から離れて合成することもできる。
【0016】
上記ローカルな記憶部は、約2Nのシンドローム用のスペースを有することができる。回転の間に上記部分的シンドロームを安価な記憶部に転送することなく同じ処理を達成するには、3N−1の高価なシンドロームバッファが必要となるであろう。本発明の利点は、得られるメモリの帯域幅に依存して、5N/2より少ない、又は3N/2より少ないシンドロームバッファを有するシステムにおいて見ることができる。2Nのシンドロームバッファを有するシステムが後述され、該システムは本発明とシンドローム二重バッファ処理技術とを組み合わせるものである。
【0017】
前記第1のシーケンスで記録されるデータは、DVDのようなディスク状記録担体上の螺旋に記録されたデータを有することができる。
【0018】
第2の態様における本発明は、複トラックデータ読み出しにおいてデータを取り出す方法であって、該データが光ディスク上に記録されたDVDデータを有し、部分的エラー訂正シンドロームが、各ビームにより出会った異なるECCフレームの部分に関して計算され、他のECCフレームが復号されている間に記憶され、完全なシンドロームを蓄積するための基として使用されるような方法を提供する。
【0019】
好ましい実施例においては、上記部分的シンドロームは、シンドローム発生器から遠くに記憶され、対応するECCフレームの残部が異なるビームにより出会った際に完全なシンドロームを蓄積するのに使用するために元に戻される。
【0020】
更に、本発明は、記録担体上に記憶されたデータを再生する装置であって、該装置は前記担体からデータを読み取るためのピックアップを含むディスク移送手段と、前記担体からデータを回復する信号処理手段と、前記担体からの前記データを復号すると共に該データに含まれるエラー訂正コードに基づいてエラーを訂正するデコーダとを有し、前記ピックアップは複チャンネルを並列に読み取って前記担体上に記録されたデータの第1シーケンスにおける複数の副シーケンスを回復するように構成され、前記デコーダが本発明の前述した第1態様又は第2態様による方法を実施するように構成されているような装置を提供する。
【0021】
本発明は、更に、復号されるべきデータの第1シーケンスにおける複数の副シーケンスを並列に入力する入力手段を有するデコーダであって、該デコーダが前述した本発明の第1態様又は第2態様による方法を実施するように構成されているようなデコーダを提供する。
【0022】
上記デコーダは、内側及び外側訂正用エラー訂正器と、チャンネル毎に少なくとも1つの外側エラー訂正シンドロームを記憶するためのバッファと、データのブロックの終了に出会った後に部分的シンドロームを外部メモリに転送する手段とを含むような集積回路を有することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して例示としてのみ説明する。
【0024】
DVD読取器アーキテクチャ及びエラー訂正フォーマットの概要
図1は、光ディスク再生装置の基本要素を示し、この場合、該装置はホストコンピュータと共に使用するDVD−ROMドライブ、又はオーディオ及びビデオ材料用の消費者向けDVDプレーヤの一部である。重要な機能は、ディスク102用の移送機構100、既知の型式の別々のサーボ系により駆動及び収束される光学ピックアップ(OPU)104、前置増幅器106、処理及びバッファ回路108、並びに当該コンピュータ、オーディオ/ビデオ再生システム又は他のホストに対するインターフェース110である。本開示は主に上記処理及びバッファ回路108に関するもので、他の要素はこれ以上詳細には説明しない。
【0025】
図2は、DVD−ROMシステムの読取データ経路が、ビット検出200、EFM+復調202、エラー訂正204及び206、記憶バッファ208並びにホストインターフェース110からなる複合構造であることを示している。エラー訂正は2段階、即ち内側エラー訂正204及び外側エラー訂正206、で実行される。両型式のエラー訂正は、シンドローム(又は“署名”)が特定のコードワードに関して(各々212/214で)発生されると仮定している。内側エラー訂正の場合、コードワードPIには行バッファ210に記憶された記録セクタの行が与えられる。外側エラー訂正は、同一のセクタの列に対して外側コードワードPOを用いて実行される。次いで、発生されたシンドロームはエラー訂正モジュール(214/218)に供給され、該モジュールが全ての訂正可能なエラーのアドレス及び値を計算する。訂正可能なエラーのみが存在すると仮定すると、元のデータは、得られた訂正を誤ったデータに適用することにより回復される。外側訂正処理はバッファ208へのアクセスを必要とし、このことは、上記内側訂正器を介して前記ピックアップから到来するデータの流れを必ず中断させる。これらの中断をデータの損失無しに吸収するために、FIFOバッファ220が行バッファ210の出力端に設けられている。当該データに訂正が適用されると、該データはホストインターフェース110を介してユーザに伝送される。
【0026】
実際には、別々の要素200ないし220は、当該機能専用の回路により実施化することができるか、又は同様の機能を達成するプログラム可能なハードウェア及びソフトウェアの適切な組合せにより実施化することができる。
【0027】
図3は、ディスク102上に記憶されるデータ用のDVDデータセクタフォーマットを示している。生のコンピュータデータは、CD−ROMにおけるのと同様に、2048バイトのセクタに分解される。各DVDデータセクタは、2064バイト長であり、物理セクタアドレス及びIDを含む12バイトの識別子(ID)と、上記データと、エラー訂正及び検出コードEDCの4バイトとを有している。これは、CD−ROMセクタ(2352バイト)より短いことに注意されたい。
【0028】
図4は、図3に示すセクタの16個がRS(リードソロモン)積コードを用いて、どのようにして記録ブロック又はエラー訂正コード(ECC)フレームに合成されるかを示している。RS−PCはブロックコードであり、エラー訂正(ERCO)がバッファされたデータのブロック(これらはECCブロックである)に対して作用することを意味する。これは、CD−ROMに採用されているCIRCプラス第3レベル(C3)保護よりも強力な(効率的な)コードである。エラー訂正冗長度は約13%(CDのものの半分)である。該ECCフレームは182バイトの行を16x13=208行有し、各行(図示略)内ではデータはEFM+変調により符号化され、2つの32ビット同期コード(図示略)が各行における0及び91バイト位置の前に挿入されている。
【0029】
各々の2064バイトデータセクタはECCフレームにおける12行にわたり広がって占有し、各行は172個のセクタデータバイトと、内側エラー訂正用に追加されたコードワード(パリティ)である10個のPIバイトとを有している。各ECCフレームには16個のデータセクタが存在する。各12行の後には、13番目の行POが追加されている。各列における16個のPOバイトは、当該ECCブロックの各列に対する16バイトの外側保護コードワードを形成している。当該コードは、行に対しT=5の訂正コード、列に対してはT=8の訂正コードを与えるようなデータマトリクスの行及び列に作用する。
【0030】
91バイト毎に挿入される同期パターンは、当該ブロック内の位置により変化する。特に、データセクタのIDフィールドが直に後続するような、各記録セクタ内の最初の同期パターンは、ECCフレーム内で固有である。このようにして、EFM+デコーダは行0、13、26、…の開始及び当該ECCフレーム内のセクタIDフィールドが発見されるべき各13番目の行を容易に識別することができる。
【0031】
データ経路上で使用されるバッファのサイズがハードウェアによる実施化において大きなコストを示すことが分かった。DVD内側コードワードは、172データバイトに10バイトのパリティチェックコードを加えたものからなるDVD記録セクタの行に対応する。このことは、図2における行バッファ210は、少なくとも182バイト長であることを意味する。実際には、この行バッファはシンドローム発生の間に1つのコードワード(1つのコードワードがエラー訂正される)を記憶するために使用され、入力及び出力データ用のバッファとして作用する。従って、バッファサイズの上限は182バイトの4倍、即ち728バイトであると仮定することができる。バッファサイズに加えて、シンドローム用の幾らかの記憶部が必要とされ、これは、内側訂正の場合、10バイトに等しい。
【0032】
DVD外側コードワードはDVD記録セクタの列に対応し、従って、もっと多い量のデータを考慮しなければならない。記録セクタには172列(行の長さ)及び192データ行が存在するから、32Kバイトのバッファが必要となる。このようなサイズのバッファをICに集積することは高価となるから、当該データが外部DRAMメモリに転送されている間にシンドロームを計算する方が一層効率的である。これは、訂正処理がシンドロームのみに基づくものであり、全ての訂正が外部DARMに対する読出変更書込(read−modify−write)動作で適用されるから可能となる。図2においては、これがバッファへの2つの入力チャンネルにより示され、一方は内側訂正後のデータ用のもの、他方は外側訂正の結果のためのものである。
【0033】
記録セクタの172列に対してエラー訂正を実行することは、16バイト長の172個のシンドロームを記憶しなければならないことを意味し、結果として、2752バイトの記憶要件となる。計算されたシンドロームがエラー訂正器に供給される間にも、データストリームは依然として継続しているという事実により、FIFOバッファ220が必要となり、該バッファの典型的な容量は5Kバイト(ECCフレームの約15%)である。
【0034】
上述したバッファの他にも、DVD−ROMデータ経路における実施化コストに貢献する多数の計算ブロックが存在する。最も高価なブロックはエラー訂正器であり、該訂正器は典型的には優に10,000ゲートを超えるゲート数を有する。EFM+復調器(しばしば、ROMルックアップテーブルとして実現される)及びシンドローム発生器は大幅に小さく、各々は上記エラー訂正器のサイズの20%未満のサイズしか有さない。従って、エラー訂正器は、しばしば、内側及び外側エラー訂正器において共有の資源として実施化される。
【0035】
複ビームシステム
より高速な全データ読取レートのために、前述した国際特許出願公開第WO−A−98/37555号のもののようなCD−ROMシステムにおいて既知の如き、複ビームシステムが目論まれる。複ビームデコーダ(図示略)に対する単純化された方法では、図2の全データ経路を、Nビームシステムの場合、N個複製し、これらNチャンネルからのデータを大きなRAMバッファにおいて再結合することができる。この方法の主たる欠点は、エラー訂正ロジックがN個複製され、ERCOバッファ(32Kバイト)及びシンドロームRAM(27Kバイト)もN個複製され、これが非常に高価な1チップデコーダにしてしまう点である。
【0036】
図5は、もっと複雑な複ビームシステムを示し、導入部で述べたシンドローム二重バッファ及び部分的シンドローム計算を有利に適用することができるようなものを示している。通常の(又は高速回転)DVDディスク移送部500及びディスク502は、N個のビームを有すると共にN個の並列チャンネルで読出信号を出力するような複ビームOPU504により補足されている。明瞭化のために図5及び図6では4つのチャンネルのみしか示されていないが、N=7が実施例における典型的な数である。チャンネル毎に、別個の前置増幅段506a、b、c、dが設けられ、内側ERCO処理(該処理を含む)までの同様のチャンネル処理が回路508a、b、c、dにより並列に実行される。
【0037】
バッファ管理ブロック513におけるメモリインターフェースの適切な制御により、主ERCOバッファを外部SDRAM514に配置することができると共に、エラー訂正器の部分をチャンネル間で共有することができる。単一ビームシステムのものと比較した場合の、当該バッファマネージャの拡張機能は図10に関連させて後述する。図5の構成において、内側訂正器は通常のものであり、外側シンドローム発生(非常に大きなメモリ帯域幅)はオンチップである一方、主バッファはメモリ514内で、オフチップである。共有外側訂正器510が使用される。これらの特徴は、後の図を参照して、より詳細に例示するであろう。外側ERCO回路の性能に依存して、他の例として、性能を向上させるために多数の並列な外側訂正器を使用することができる。複雑さと電力消費に対して性能を取り引きするために、これらのパラメータを調整することにより種々の設計をすることができる。
【0038】
図6は、DVD又はCDの螺旋トラック上における複ビーム読出の処理を示している。チャンネルa、b、c及びdがビームスポットに関係し、これらスポットは当該ディスク上の4つの隣接するトラックに追従する。ビームaが、これら4つのもののうちの最内側のものであり、ビームdが最外側のものである。図においては、ビームがディスク表面上を廻って及び外方に移動するように表されている。勿論、実際にはディスクが回転する一方、OPUは同一の角度位置に留まるが、放射方向外側に追跡する。隣接する点は4つの平行なトラックと見なすことができるが、これらは実際は単に1つの連続した螺旋状の点であり、1回転の後にはビームaはビームbが開始した位置に到達し、等々であることに注意すべきである。螺旋トラックに配置された単一の直線的なシーケンスのデータは図6の下部に示され、ECCフレームの境界も表されている。
【0039】
黒丸は、第1回転の開始におけるビーム位置を示している。当該データ内の対応する位置が、該図の下部における直線表現上に示されている。三角形は1回転後のビームの位置を示している。また、四角形は、1回転及びジャンプの後のビーム位置a’、b’等を示している。完全なディスク回転が完了するまでのジャンプ待ち時間(レイテンシ)によりデータが失われることが分かる。このような理由により、最大ジャンプは実効的にN−1となり、チャンネルaは点a’において一番最近にカバーされた部分の途中で読取チャンネルdを引き継ぐ。
【0040】
通常、ジャンプの後の読み出しはECCフレームの途中で開始することに注意すべきである。図6において“*”で印したフレームは、何れか1つのビームにより部分的にしか読み取られておらず、この結果、外側シンドローム発生器には部分的な又は不適切なデータしか到達しない。このことは、エラー訂正コードが線形であって、新たなトラック位置にジャンプした短時間後に有効なデータを復号することができるCD−ROMシステムにおいては斯様な問題とはならない。しかしながら、DVDにおいては、復号は、内側及び外側ERCO処理から有効なデータが得られる前に完全なECCフレームを必要とする。最内側トラック半径においては、回転当たり1.6程度のECCフレームしか存在せず、従って、新たなECCフレームの始点が所与のビームにより出会い、読み取られているデータがリニアなシーケンスの何処に属するかをデコーダが見付けることができるまでに、殆ど回転時間の2/3が経過する可能性がある。従って、見たところでは、CDシステムでは馴染みのある複ビーム読出の利点はDVDデータストリームのブロック符号化構造では実現することはできない。
【0041】
しかしながら、発明者は、内側訂正器バッファからECCフレーム当たり16回セクタIDを抽出することができ、これらIDによりデータを外部バッファメモリ中に正しく配置することができることを理解した。セクタIDが見付けられるまでに通過されるべき直線トラック長は約4mmに過ぎないから、新たなトラックへジャンプした後の待ち時間は回転周期の極僅かな部分に過ぎない。更に、ECCフレーム内の位置が一旦分かったら、記録セクタにおいてユーザデータとインターリーブされている外側パリティコードワード(PO)を用いて部分的シンドローム発生を実行することができることを理解した。リードソロモンコードで既知のように、シンドロームの発生は、本質的に、入力された各行を所定の多項式関数で乗算することを含み、該多項式関数(“アルファ”)は当該データのブロック内での位置に依存してその都度巾乗される。セクタの開始が識別されるやいなや、デコーダはシンドロームのアルファ巾乗数をセクタIDから分かるフレーム内の位置と一致するように事前ロードする。16個の開始位置しか可能性がないでの(ECCフレームには、セクタIDフィールドにより識別可能な16個の行しかないことに基づく)、これはルックアップテーブルにより簡単に実行することができる。
【0042】
この場合、個々のECCフレーム(図6において“*”により印されている)の終点では、部分的なシンドロームのみしか生成されておらず、当該フレーム用のデータの残りはディスクの回転が完了するまで得られないであろう。例えば、1回転内において、チャンネルbの不完全なフレームの始点はチャンネルaで見付かり、等々となる。ところで、全ての介在するECCフレームは復号を必要とする。
【0043】
ここで、部分シンドロームの一部はディスク回転の開始時に(例えば、ジャンプ直後のa’において)発生される一方、残りの情報はディスク回転(b)の終了時に利用可能になることを理解することが重要である。このことは、部分シンドロームは完全な回転の間記憶されねばならないことを意味する。シンドロームRAM(ECCフレーム当たり約2.7Kバイト)は、非常に大きな帯域幅で動作しなければならないので、高価な資源である。入力される各チャンネルバイトに対して、16の読取変更書込サイクルが必要である。利用可能なチップ上のシンドロームRAMを最良に利用するために、ここに開示される装置においては、シンドロームバッファはチャンネル毎(ビーム毎)にダイナミックに割り当てられ、部分的結果を含むバッファは主ストリームバッファ(図5におけるメモリ514)におけるキャッシュ領域にダンプされる。キャッシュされたデータは、1ディスク回転後の部分的に回復されるECCフレームの始点が再び検出された場合に、取り出すことができる。内側及び外側ERCO回路の間のFIFOバッファは、シンドロームの二重バッファ処理の利用により削除されるが、これについては出願人の前述した同時係属中の出願[498224]に一層詳細に説明されている。本方法の更なる拡張/記述を幾つかの他の実施例に関連して以下に説明する。
【0044】
複トラックDVD−ROMシステムの詳細例
上述したように、性能及びスループットを維持又は増加させながら回転速度を減少させるために、データは、提案された複トラックDVD−ROMシステムにおける幾つかの並列なトラックから読み取られる。しかしながら、データ経路(図2)における、N個の並列な入力チャンネルから入力されるデータが単一のデータストリームに再合成される点に依存して異なるアーキテクチャを考えることができる。明らかに、この再合成ブロックの位置は結果としてのシステムの費用及び性能に重大な影響を有する。第1の詳細な実施例においては、再合成はビット検出又はEFM+復調の直後に実行され、結果として主復号電子回路は単一スポットシステムからは実質的に変化しないままとなるようなシステムが得られる。しかしながら、より高いスループットレート及び柔軟性が追加される他の解決策も記載され、該解決策は上記再合成を内側及び外側エラー訂正器の後に移動して、最大性能とシステムコストとの間の一層詳細な取り引きを可能にする。
【0045】
再合成の位置がどの様であるかに依存して、下記のアーキテクチャ的なオプションが考えられる:
・ビット検出及びEFM復調の後の再合成。
・マルチプレクサ及び外側シンドローム発生の変更された処理の使用。
・エラー訂正後で、主バッファマネージャの前の再合成。
・データ経路ロジックの単純な重複化は、結果としてECCフレーム型のものとなるが、これは各ジャンプの後の時間の消費(ECCフレームの始点を待つ)のために非効率的であり、詳細には説明しない。
・外側シンドローム発生が入力チャンネル間で、EDCフレーム(セクタ)に対する整列が可能なように実行される。
・内側エラー訂正後で、外側エラー訂正前の再合成。
・部分的に訂正されたデータ用にバッファを使用する。
・マルチプレクサ及び変更されたシンドローム発生を使用する。
【0046】
上述した代替例の全てが以下の節で説明される。上述した方法のうちで最も自明なものは、ビット検出又はEFM+復調の直後のストリーム再合成であり、図7ないし10に関連させて考察する。第2の詳細な実施例(図11)は、エラー訂正の後にストリーム再合成を適用する。第3の詳細な実施例(図12)は、内側エラー訂正器と外側エラー訂正器との間でストリーム再合成を適用する。部分的シンドロームのキャッシュ処理及び取り出しは、これらの全てに適用することができ、シンドロームのバッファ処理要件を、即座に必要とされない場合に部分的シンドロームを安価なメモリ位置に移動させることにより低減する。
【0047】
これらの実施例においては、標準のDVD復号処理の機能ブロック(図2)が認識される。差異は、当然、各ブロックの並列化が行われる場所における点数で生じると共に、付加的な構成可能性並びにストリーム及び部分的データの再合成を処理するための制御ロジックで生じる。
【0048】
解説の目的のため、以下の実際的な例は下記の仮定に基づいている:
・期待されるユーザデータレート:64xDVD(90Mバイト/秒より僅かに下)。
・N=7チャンネルの複トラックシステム。
・EDCフレームに基づくデータ再合成。
・ジャンプ及びデータ同期の後のシステム効率を考慮している:80%。
・各入力チャンネルにおける所要の性能:11.5xDVD、個々のチャンネルデータレート=約38Mバイト/秒。
【0049】
第1例−エラー訂正の前の再合成
図7aは無バッファ再合成のシステムのブロック図を示し、該システムにおいては入力データバイトをEFM+復調器に転送するためにマルチプレクサ720が使用されている。フロントエンドのみを示す他の構成例bは、各チャンネルに対して別々のEFM+復調器を有し、マルチプレクサは内側エラー訂正部の行バッファに供給する。これら2つの変形実施例の動作は類似している。しかしながら、マルチプレクサを通過するデータの量はbの場合の方が大幅に少ない。上記行バッファ及び内側ERCO部の詳細な構造及び制御を、図8を参照して以下に説明する。図9を参照して更に詳細に説明するように、外側ERCO回路に関連してダイナミックシンドロームバッファ722が設けられている。
【0050】
DVDデータフォーマットの概要説明で言及したように、91バイト毎に挿入されるEFM+同期ワードは、EFM+復調器がECCフレーム構造における行及びセクタの境界を識別することを可能にする。本装置の設計者は、この価値ある情報がデータ経路における早い段階で実際に利用可能であることを認識した。これは、データ、特に部分的データが、セクタ自身の奥まった復号まで“忘れられた状態”のままとされるよりは、適切なバッファに即座に向けられることを可能にする。行及びセクタの境界を識別するためにEFM+復調器により発生される種々のフラグが、図7bにマルチプレクサの出力として示されている:
・data[31:0]、一時の4バイト、
・data_valid、有効なデータが存在するかを示す、
・pi_row_start、新たなPIコードワードが開始したことを示す、
・edc_start、新たなECC記録セクタの開始を示す、
・channel_nr、現データが何れの入力チャンネルから発しているかを示す。
【0051】
これらは、以下に詳述する図8のエラー訂正回路に使用されている。
【0052】
図8ないし10を詳細に説明する前に、この構成の動作を概略的に説明する。PIコードワードを含む全体の行が行バッファに一旦転送されると、シンドロームが発生されて、エラー訂正モジュールに供給される。行バッファにおいて全ての訂正が実行されると、当該コードワードは外側エラー訂正器に受け渡される。内側エラー訂正処理の結果は外側処理に対する“ヒント”として役立つことに注意されたい。例えば、内側シンドロームは全体の行のデータの消去を明らかにする可能性がある。この情報は、外側コードワードPOに加えて、列内のエラーを見付けるために使用することができ、これは外側ERCO処理を助ける。
【0053】
この方法は下記のサイズの内側行バッファを必要とする。即ち、入力PIコードワードを収容するための182バイトのN個のバッファ、処理を待つ(N−1)個のバッファ、内側シンドローム発生の間に使用される1個のバッファ、内側エラー訂正処理に使用される1個のバッファ、及び外側エラー訂正器へのデータ転送のための1個のバッファである。これは、合計で(2N+2)個のバッファとなる。N=7の場合、182バイトの16個のバッファが必要となり、結果として2912バイトの記憶要件となる。物理的な記憶空間に加えて、行バッファは、入力マルチプレクサを制御し、物理的バッファに対するアドレスを発生し、完了し訂正の用意のできた完全な行を識別するようなロジックも含まなければならない。更に、該制御ロジックは、訂正が正しいバッファに書き戻され、完全に訂正されたデータが外側エラー訂正器に転送され、不使用のバッファ空間が入力バッファ処理に再割り当てされることを保証しなければならない。
【0054】
ストリーム再合成の無バッファ実施化は、N個の異なる記録セクタからの外側パリティコードワードが外側訂正器に供給され、結果としてN個のシンドロームが同時に発生されることになることを意味する。従って、入力データを特定のシンドロームバッファに関連付け、特定のシンドロームが完成した場合に、該シンドロームをエラー訂正器に受け渡すための追加の制御ロジックが必要となる。また、該制御ロジックは、訂正がユーザデータバッファにおける正しいアドレスに書き込まれることを保証する必要がある。
【0055】
記憶要件に関しては、当該シンドロームバッファが、現在計算されているN個のシンドローム、訂正を待っているN−1個のシンドローム、及び現在のエラー訂正処理に使用される1個のシンドロームを記憶しなければならないことは明らかである。更に、ジャンプの前及び後に、ECCセクタの一部のみが入力チャンネルを介して転送されることが分かる。このことは、ジャンプが完了した後、最初の行を逃したECCセクタに関して、N−1個までの部分的に計算されたシンドロームが算出されることを意味する。逃した行は、隣の入力チャンネルによりディスク回転の終わりにディスクから読み出される。対応する部分的なシンドロームは、シンドロームバッファ722に記憶することができる。しかしながら、このチップ上のバッファのサイズを最小にするために、当該新規なシステムにおいては、上記シンドロームはチップ外のユーザデータバッファ724に記憶される。全てのシンドロームがローカルに記憶されるとしたら、3N−1個のシンドロームバッファが必要となり、結果として合計のバッファサイズは55040バイトとなる。
【0056】
部分的シンドロームが外部メモリに記憶されると、シンドロームバッファの量は2Nに減少する。また、訂正を待つN−1のシンドロームが外部メモリに記憶されると、N+1のバッファのみが存在することになる。低性能システムにおいては、発生中のシンドロームのN−1を外部メモリに記憶し、バッファの数を2に減少させることが可能である。説明されるシンドローム計算方法は、全ての入力データバイトが正しいアルファ値で事前に乗算されることを要することに注意されたい。また、外部ユーザデータバッファのサイズは、約2Mバイトであるディスク回転におけるデータの量の2倍により決まることにも注意されたい。これは、訂正されたデータがバッファ内に非直線的な形で配置され、完全なディスク回転の後でのみ、直列データストリームを得ることが可能となるからである。
【0057】
上述した仮定に基づき、EFM復調の後では、チャンネルの各々におけるデータレートは約18Mバイト/秒となり、これは120Mバイト/秒を超える総合転送レートに等しくなる。この高データレートに対処するため、低クロック周波数が得られるように、バス幅を増加させることが推奨される。ここでは、32ビットのバス幅が好適である。75MHzのクロック周波数は、個々のチャンネルからデータバイトを受け、これらバイトを32ビットワードにグループ化し、これらをストリーム再合成ブロックから多重化するには効率的以上のものである。
【0058】
PIコードワードのバッファ処理及び内側エラー訂正
図8を参照して、当該内側訂正部における中心的要素は行バッファ710である。というのは、該バッファはEFM復調から来るデータをPIコードワードに再構成し、完成したコードワードを識別すると共にシンドロームの発生を開始し、シンドロームをエラー訂正器に受け渡し、及び訂正が行バッファに書き戻されることを保証するために使用されるからである。更に、内側補正の後のデータは外側エラー訂正部に転送されねばならない。行バッファ710は、図8に破線の境界により示されるように、これらの機能により概念的に分割されている。
【0059】
特に重要なのは、行バッファの帯域幅である。これは、4つの独立したタスクが、メモリに対して高いレートでデータを読み出し及び書き込むからである。合成されたデータレートは:
・入力データの当該行バッファへのバッファ処理、
・シンドローム発生器へのデータの転送、
・エラーの訂正、即ち読出変更書込動作、
・外側エラー訂正部へのデータ転送、
により決まる。
【0060】
メモリが32ビット幅であり、エラー訂正器のアクセスの各バイトが32ビットのアクセスに変換されねばならないとの仮定の下では、100Mワード/秒を超える合計の所要帯域幅が得られる。これは、システム周波数の2倍でクロックされるメモリサブシステムとして、又は2つのインターリーブされたメモリ部として実施化することができる。他の例として、所要の36Mワード/秒の書込レート及び66Mワード/秒の読出レートを容易化するために、二重ポートメモリを使用することもできる。
【0061】
上記行バッファ以外に、シンドローム発生及びエラー訂正モジュールも大きなデータスループットを必要とする。シンドローム発生器に対する要件は、11.5xDVDの7チャンネル倍により与えられるPIコードワードレートにより与えられ、これは毎秒700000コードワードを超えることになる。クロック周波数を妥当な値に減少させるために、2つのシンドローム発生器712a及び712bが75MHzなる動作周波数で並列に動作する。このクロック周波数はエラー訂正モジュールにとっても良好な選択であり、該モジュールは上記シンドローム発生器より約2倍高速に動作する。従って、単一の部分で充分である。
【0062】
以下、行バッファ処理及び内側エラー訂正部の4つのタスクを更に詳細に説明する。ここで、4つの全てのタスクは行バッファ710にアクセスする必要がある。制御ロジック800a及び800bが、バッファ仲裁、シンドローム発生器及びエラー訂正器の制御、並びにバッファ割付の動作を制御するために設けられている。図7bのマルチプレクサ721により出力されたフラグが、該制御ロジックに入力される。帯域幅は固定の優先順で割り当てられ、そこでは、上記タスクの各々が例えばラウンドロビン法のような所定の順番で実行される。これら4つのタスクの説明のため、図8における図を参照されたい。
1.入力データを行バッファに、入力データのクワドレット(quadlet:4バイト)が同一PIコードワードの他のデータと一緒に記憶されるように記憶する。これを達成するために:
・当該制御ロジックはデータ入力を監視し、data_valid信号を待つ。
・channel_nrをtask_select信号を発生するために使用する。
・N=7の入力チャンネルの各々は、バッファアドレスを発生するために使用される専用のアドレス計算ユニット(ACU)802a〜802gを有している。バッファのオフセットは、新たなPIコードワードの開始時点で制御ロジック800aによりプログラムされる。データ項目が転送された後、カウンタがインクリメントされる。
2.完成したPIコードワードをバッファから読み出し、シンドロームを発生する。64xDVDなるスループット要件に対処するために、2つのシンドローム発生器部712a及び712bが存在する:
・当該制御ロジックは、バッファ内に完成したPIコードワードのリストをベースアドレスと共に保持する。
・完成したコードワードの該リストは先入先出順序で処理される。
・上記ベースアドレスはシンドローム発生器のACUに転送され、カウンタが可能化される。
・これは、データバイトを2つのシンドローム発生器の1つに交互の態様で転送する。
・シンドローム発生器で発生されたシンドロームバイトは、エラー訂正が利用可能になるまで、レジスタバンクに記憶される。
3.訂正が正しい訂正位置に書き込まれることを保証する:
・上記2つのシンドローム発生器の一方からのシンドロームがエラー訂正器714に転送される。
・コードワード内の各エラーに関して、エラーのアドレス及び大きさが求められる。行バッファにおけるアドレスを計算するために、エラー訂正が開始された際に制御ロジックによりプログラムされたバッファオフセットが追加される。
・データが行バッファから読み出され、エラー訂正器の出力とのXOR演算が実行され、該データが行バッファに書き込み戻される(読出変更書込サイクル、R−M−W)。
4.内側エラー訂正が一旦完了したら、バッファからデータを読み出し、該データを外側エラー訂正器部に転送する:
・エラー訂正器がコードワードの訂正を一旦完了したら、該コードワードは外側エラー訂正器部(図9の716、718)に転送される。
・データを正しい位置から読み取るために、バッファオフセットが、ACU804内で実動カウント発生される間に当該制御ロジックによりプログラムされる。
【0063】
外側シンドロームの処理及びエラー訂正
図9は、外側シンドローム処理及びエラー訂正716、718及び722を、より詳細に示している。現在のエラー訂正器に関するのと同様に、POコードワードに対するシンドローム発生は大きな帯域幅要件のために問題となる。該外側エラー訂正部に転送される各データバイトに対して、16個のシンドロームバイトを読み出し、更新し、メモリに書き込み戻ししなければならない。この問題は、4つのデータバイトが前記内側訂正部から同時に30Mワード/秒なるレートで入力されるという事実により更に複雑化される。該大きなスループットに関連する問題を克服するために、75MHzで動作する2つのシンドローム発生器716a及び716bを使用することが推奨される。当該モジュールのパイプライン化された構造が、16バイトのシンドローム及びデータ項目がクロックサイクル毎に処理されるのを可能にする。この場合、該2つの組み合わされた発生器は150Mバイト/秒なる処理能力を提供する。
【0064】
上記2つのシンドローム発生器に対する充分なメモリ帯域幅は、シンドロームバッファ722内の4つのインターリーブされたメモリバンクB0〜B3の使用により提供される。2つのメモリバンクは2つのシンドローム発生器に対してシンドロームを読み取るために使用され、残りの2つのバンクは前のデータ項目に関する2つの変更されたシンドロームを記憶するために使用される。これは、4つのバンクに配列された128ビット(16バイト)のメモリ構成となる。(当該メモリがシステム周波数(150MHz)の倍で動作するとしたら、バンクの数は2に低減することができることに注意されたい。)
【0065】
4つのメモリバンクが使用される場合、各々の個々のバンクに対するアクセスレートは、毎秒120Mバイトのデータが転送されるという事実により決まる。既述したように、2つの同時的読み取りが2つの異なるメモリバンクからなされるので、結果として、入力データレートの半分の単一バンクアクセスレート:即ち60Mバイト/秒又は6300万アクセス、が得られる。
【0066】
ここまでは、N=7のシンドロームバッファ722がシンドロームの実際の発生に対して充分なメモリ帯域幅を提供することが示された。ここでは、シンドロームの全てを外部メモリにキャッシュすることが可能であるかを考察する。もし、これが可能であったとしたら、N=7のシンドロームバッファしか必要とされない。シンドロームのキャッシュ処理に関する第1の問題は、完成したシンドロームをバッファから取り出すのに要する帯域幅である。75MHzなるクロック周波数と63MHzのアクセスレートを仮定すると、帯域幅の85%が使用され、15%が依然として利用可能であることが明らかである。3以上のECCフレームが同時に完成する状況においては、シンドロームをシンドロームバッファから別の場所にコピーするための充分な時間がない(約35%なる利用可能な帯域幅が必要となる)ことを示すことができる。
【0067】
勿論、メモリの帯域幅は常に適するように増加させることができるが、費用が掛かる。本実施例では、部分シンドロームのキャッシュ処理に加えてシンドロームの二重バッファ処理が使用される。シンドロームの二重バッファ処理とは、2つのシンドロームバッファが各チャンネルに対して使用され、一方のバッファはシンドロームの組を発生するために使用され、他方はエラー訂正器に供給されるまで、完成されたシンドロームを格納する。シンドロームがエラー訂正器に一旦転送されると、該シンドロームは、続いて、エラー訂正器から得られるエラーの大きさ及び位置に置換される。シンドロームの二重バッファ処理は、出願人の同時係属中の前記出願[ID498224]に記載されている。
【0068】
前の段落では二重バッファ処理を使用し、かくしてバッファの数を2Nに増加することが提案された。既に説明したように、シンドロームがバッファから読み出され、訂正情報が書き戻される。所要の追加の帯域幅が計算され、二重バッファ処理を伴うシンドロームバッファはシンドローム発生及びエラー訂正にとり充分な帯域幅を有するとの結論に達する。N=7の入力チャンネルが存在するという事実により、7つのECC記録セクタのシンドロームが同時に完成するという状況が生じ得る。このことは、次のシンドロームが完成する前に7つの全てのセクタが訂正されねばならないことを意味する。ここでも、7ECCフレームの訂正に対して充分以上のクロックサイクルが利用可能であることを計算することができる。
【0069】
前述した図5及び図6の説明において、ここで提案された効率的な複トラックシステムはセクタ(EDC)毎に動作することが概説された。これは重要である。何故なら、ジャンプが実行される毎に、取り出されたデータがECCフレームと整列することは殆どありそうにないないからである。後続のECCフレームからのデータが処理される前に、むしろ、データ転送はEDCセクタnで開始し、最終フレーム15で終了する。最初のECCフレームセクタの残りのフレーム0〜n−1は、ディスク回転の終わりに隣接チャンネルから入力される。このことは、潜在的にN−1の部分シンドロームはジャンプの後で発生される(第1チャンネルは、ECCフレームに整列されるか又はデータ処理をディスク回転の終わりに向かって開始するのみであるかの何れかである)ことを意味する。これらの部分シンドロームはエラー訂正には使用することができないので、高価なバッファ空間を占める必要はなく、外部メモリに転送することができる。
【0070】
上述したように、チャンネル当たり2つのバッファが存在し、1つは現在のシンドロームの計算に、もう1つは訂正処理において使用される。部分シンドロームにより占拠されたスペースを解放するために、該部分シンドロームは次のシンドロームを計算するために掛かる時間の間に外部メモリに転送されなければならない。シンドロームの読み取りは、12896なる可能性のあるアクセスと比較して172のバッファのアクセスを必要とし、これは該転送が臨界的ではないことを意味する。外部メモリに対する帯域幅は問題とならないことに注意されたい。というのは、部分的に訂正されたシンドロームの存在は、エラー訂正器が動作しておらず、従って訂正に要する帯域幅が存在しないことを意味するからである。当該部分シンドロームの逃した部分が発生される際、該部分は外部メモリに記憶された最初の部分と合成されねばならない。このことは、部分シンドロームを外部メモリから読み出し、該部分を外部メモリから取り出された部分シンドロームと合成し、これをシンドロームバッファに書き戻すことを要する。この時点において、エラー訂正を開始することができる。外部メモリからの及びシンドロームバッファへのメモリ帯域幅は問題となってはならない。何故なら、記載されたシンドロームの処理は、ディスク回転の終了時の、ジャンプが開始される直前においてのみ要するからである。記載された部分シンドローム処理は、最初に発生されたシンドロームに第1EDCセクタの番号に依存して巾乗されたアルファによる事前乗算を要することに注意されたい。これは、当該データが外部メモリに書き込まれる前に実行することができる。
【0071】
図9のブロック図は、ここでも、外側訂正部に存在する4つのタスクを示している。
1.各入力データバイトに対して、16バイトのシンドロームが更新されねばならない:
・各入力データクワドレットがラッチに記憶され、2つのデータバイトは最初に利用可能なクロックサイクルで使用され、残りの2つのバイトは続いて使用される。
・2つのシンドロームは、例えばバンクB2及びB3から読み出される。同時に、2つのシンドローム発生器は前のデータバイトに割り当てられたシンドロームを更新し、前のサイクルからの結果はバンクB0及びB1に記憶される。
・同時に、データバイトがバッファマネージャに転送される。このことは、制御ロジックが該データバイトを正しいメモリ位置に書き込むために使用されるインデックス信号を供給することを要する。
2.エラー訂正情報がシンドロームから計算される:
・完成したシンドロームの組のリストが制御ロジック内に維持される。
・1つのシンドローム組における172のシンドロームがエラー訂正器に転送され、エラー訂正情報が一旦求められると、該情報はシンドロームバッファに返送される。(図9においては、これがシンドローム1に関して発生しているように図示されているが、シンドロームのアドレスは、勿論、変化する。)
3.訂正情報が外部メモリに書き込まれる:
・全172組の訂正情報がエラー訂正器から一旦得られると、エラーの大きさ及びアドレスがバッファマネージャに転送される。(これが、図9に例示のみとして、シンドローム2N−2に関して発生しているように示されている。)
・制御ロジック900は、当該訂正がどのECCセクタに属するかを示すインデックス信号を発生する。
4.部分シンドロームを外部メモリにキャッシュする:
・部分シンドローム組が発生される毎に、172のシンドロームがシンドロームバッファから読み出され、外部メモリに転送される。(図9では、シンドローム2N−1に対して発生するように示されている。)転送の間に、正しいアルファ値により乗算が実行される(外部メモリへの転送は時間的に厳しいものではない)。
・このことは、上記制御ロジックがバッファマネージャに対するアドレスを発生することを要する。
・制御ロジックは入力ECCセクタのIDを監視し、部分シンドローム組に対応するセクタが見付かったら、外部メモリにキャッシュされた部分シンドロームに含まれないEDCフレームからの情報が含まれるまでシンドローム計算が実行される。
・第1の部分シンドロームが外部メモリから取り出され、シンドロームバッファ内の第2の部分シンドロームと合成される。これは、読出変更書込動作を要する。
【0072】
バッファマネージャ
図10はバッファマネージャ(図5におけるブロック513に対応)を詳細に示し、該バッファマネージャは前記データ及びDVDエラー訂正器(図9)から来る外側訂正を入力し、これらを外部DRAM920又は他のメモリに記憶する。インターフェースロジック922は、ディスクから読み取られる入力データ、訂正、部分シンドローム、及び取り出されホストインターフェース(図5における512)を介してストリーム出力される出力データのアドレス指定及び転送を管理する。
【0073】
複トラックシステムにおいては、バッファマネージャは1つのデータ入力及び1つの訂正入力チャンネルしか維持しないが、単一チャンネルシステムとは依然として大きな違いが存在する。これは、複トラックシステムにおいては、如何なる1時点において転送されるデータも、N=7の異なるECC記録セクタから発生するからである。従って、バッファマネージャは外部DRAMに対するアドレスを発生するN個のアドレス計算ユニット(ACU)924a〜gを有さねばならない。入力データ項目の特定のACUへの関連づけは、外側エラー訂正部(図9)により供給されるインデックス信号を介して実行される。ACU内でのアドレス発生は、稼働するインデックスに基づき、入力バイトの数に関係し、一部EDCのID番号に関係し、一部制御CPUによりプログラム可能である。このようにして、2つのジャンプの間のデータが取り出され、更なるCPUの相互作用無しで外部メモリに記憶されるように構成することができる。
【0074】
図6を参照して既述したように、N−1のトラックのジャンプは1ディスク回転のデータが読み取られたら必要とされる。正しいジャンプ時間を確立するために、当該装置は対応するディスクトラック上に存在する全てのEDCフレームがエラー無しで取り出され、DRAMに記憶されたかを監視する。この目的のため、本実施例におけるバッファマネージャは、制御ロジック926により提供される下記の特定の機能(他の構成も勿論可能である)を有している。
【0075】
各EDCフレームは、小さなレジスタファイル内で単一ビット(又は一群のビット)により表される。これらビットは、各EDCフレームの、入力されていない、転送中、データ及び訂正が入力された、回復不能なエラー等を含む状態を示す。単純な論理演算を使用して、如何なる所与の時点においても、EDCフレームの連続した組がエラー無しで入力されたか、従ってジャンプが実行されるべきかを知ることが可能となる。ジャンプは、デコーダと同一のIC上とすることができる制御CPUへの割り込みにより開始される。同様に、幾つかのEDCフレームが誤っている場合にも、割り込みが発生されるべきである。この場合、勿論、当該ジャンプは、問題のEDCフレームが後続のディスク回転で再度読み取られ(今回は、異なる入力チャンネルで)ように、遅延されるべきである。
【0076】
上述した機能に加えて、当該バッファマネージャは、部分シンドロームをキャッシュするためのACU918を備える追加のチャンネルも必要とする。このチャンネルはバースト転送のためにのみ使用され、他のチャンネルよりも高い優先度を有すべきである。これは、対応するデータが、限られた帯域幅しか有さない外側シンドロームバッファに対して読み取られ及び書き込まれなければならないからである。
【0077】
外部メモリに対する帯域幅要件は、記載された64xシステムにおいては、データがチャンネル側から取り込まれるレート、外側訂正の数、及びホストインターフェースの帯域幅により決まる。本節において前述したように、エラー訂正器からのデータレートは120Mバイト/秒である。これは、平均して、ホストインターフェースのデータレートでもあるべきである。加えて、部分シンドロームのキャッシュ処理にも約3.5Mバイト/秒の帯域幅が必要である(11.5xなる回転速度で、毎秒約110のジャンプが実行され、各ジャンプの後172バイトの16倍の6個の部分シンドロームが読み取られ及び書き込まれなければならないと仮定する)。更に、外部メモリに訂正を書き込むために要する読出変更書込に関して約70Mバイト/秒が必要とされる(最大で172x8の訂正を伴う毎秒3567のECCセクタ、各々が約15クロックサイクルを必要とする)。これは、合計して315Mバイト/秒の帯域幅要件となる。
【0078】
第1実施例の記載を結論付けると、この実施化の利点は以下の事項を含む:
・生のデータを繋ぎ合わせるために大きな入力バッファは必要とされない。
・外部メモリインターフェースの全性能が、ユーザデータに対して利用可能である。
・面積及び電力の効率性(32xDVDの性能を達成するために50MHzのクロックを必要とする既存のデコーダアーキテクチャを利用する)。
・EDCフレームの粒度上で動作する(アドレス発生及びデータの検査に対して、もっと複雑な方法が許容されるなら、PIコードワード又はEFMフレームの粒度さえ達成可能である)。
・ビット検出、EFM復調、内側及び外側シンドローム発生、エラー訂正並びにホストインターフェース用のブロックを、問題なく再使用することができる。
【0079】
従来の単一トラックシステムに対して、幾つかの新たな回路ブロックが必要となる:
・行バッファ制御ロジックで、N個の入力データストリームに対してアドレスを発生することができると共に、行が完成された場合並びにシンドローム発生及びエラー訂正が開始されねばならない場合を識別することができる。
・一群のシンドロームバッファを維持すると共に、これらバッファを入力チャンネルに割り当てる、外側エラー訂正部内の制御ロジック。このロジックは、どのシンドロームが完成し、エラー訂正に利用可能であるかを識別する必要がある。更に、ユーザデータバッファ(データ及び訂正)用のアドレス又はアドレスインデックスが発生されねばならない。
・バッファマネージャは、ユーザデータ及び訂正に対するアドレス発生に使用される追加の入力を必要とする。外側エラー訂正部における制御ロジックは、現在のユーザデータ又は訂正を特定のEDC又はECCフレームに割り当てられたメモリセグメントに関連付けるのを可能にするアドレス又はアドレスインデックスを発生することができなければならない。システムの実施化に依存して、追加のアドレス計算ユニット(ACU)が必要とされる場合がある。
【0080】
以下、2つの代替システムを説明するが、これらシステムにおいては、再合成はDVDデータ経路における異なる点で発生すると共に、ここでもシンドロームキャッシュが適用される。図11及び図12は、これらシステムを図7と同程度の詳細さで示している。当業者であれば、何れかの詳細な実施化において必要とされるであろう追加のモジュール及び既存のモジュールの適応化も容易に理解するであろう。
【0081】
第2例−EDCフレームに基づくストリーム再合成
図11は、EDCフレームに基づく、他の例の複トラック読み出し経路を示している。外側シンドローム計算は、N個の別個の行バッファ、N個のERCOシンドローム発生器及びN個のERCOシンドロームバッファを備えるシステムにおいて実行される。内側エラー訂正に関しては、共通のエラー訂正回路が、内側シンドロームが利用可能になるにつれて代わる代わる動的に使用される。
【0082】
第1の例に関連して既に概説したように、N=7及び部分シンドロームが外部メモリに転送されると仮定すると、2N又は約28Kバイトのシンドローム記憶部が必要となる。それ以外では、境界がジャンプ(飛び込み)点と整列されていないEDCセクタに関する部分シンドロームを収容するために、3N−1が必要とされるであろう。内側ERCO回路におけるのと同様に、本例における外側エラー訂正器は、チャンネル間で共有され、処理されるべく完成し且つシンドロームバッファ内で待機しているシンドロームに対するアクセスを有する。仲裁及び制御ロジック950において実施化されるというより、シンドロームバッファの入力チャンネルに対する関連付け及び部分的に発生されたシンドロームの処理は動的である。
【0083】
各チャンネルにおける2つのシンドロームバッファ952a及び952bは、以下のように使用される:
・現シンドロームの計算に対して一方のバッファが使用される。
・この間に、他方のバッファはエラー訂正器へのシンドロームの供給に使用される。
・1つのシンドローム(16バイト)がバッファから取り出され、訂正器に供給される。
・訂正はバッファに書き戻される。
・全てのシンドロームが処理されたら、訂正の全体の組がユーザデータバッファに転送される(二重バッファ処理)。
・ジャンプの後にシンドロームの一部のみが計算された場合、エラー訂正処理を開始することは不可能である。この場合、
・部分的に訂正されたシンドロームの組は、外部メモリに記憶され、
・両バッファは、上述した標準の訂正処理に対して利用可能である。
・部分シンドロームの完成に関して逸した情報が入力チャンネルの1つを介して到来している場合は、
・第2の部分シンドロームが計算され、
・第2の部分シンドロームが第1の部分から逸した全ての情報を一旦含んだら、シンドローム発生が停止される(ユーザバッファメモリへのデータの転送も停止することができる)。
・第1の部分のシンドロームが外部メモリから取り込まれ、現在使用されているシンドロームバッファ内の第2の部分と合成される。
・エラー訂正が開始される。
・第2シンドロームバッファは、通常の形でのシンドロームの発生に利用可能である。
【0084】
本例の利点は:
・既存のデータ経路アーキテクチャのブロックを利用する。
・高性能システムへ拡張可能であり、x性能はメモリインターフェースによってのみ制限される(32ビットメモリインターフェースは約64xのDVDを可能にし、64ビットメモリインターフェースは128xまでのDVDを可能にする)。
・面積と性能との間の取り引きが可能である。これは、共有する代わりに、並列なエラー訂正モジュールを追加することによるものであろう。
・Nチャンネルにおけるクロック周波数を最小に維持することにより、電力消費を制御することができる。
・EDC記録セクタで動作する。
【0085】
以下に対して、新たな回路ブロックが必要となる:
・シンドロームバッファの操作、特に外部メモリへの及び外部メモリからの部分シンドロームの転送に関する制御ロジック。
・内側及び外側エラー訂正部における共有エラー訂正モジュール用の仲裁ロジック。
・仲裁ロジックを備える既存のバッファマネージャを、N−1の追加の入力チャンネルだけ拡張しなければならない。
【0086】
一方、実際のビット検出及びエラー訂正機能は既存のブロックにより実行することができる。ホストインターフェースは変更無しで再利用することができる。
【0087】
第3例−内側エラー訂正後のストリーム再合成
図2に関連して説明したように、DVD復号経路は、ビット検出、内側エラー訂正、外側エラー訂正及びユーザデータバッファからなっている。第1例は、ビット検出/EFM+復調の後のストリーム再合成を考察する一方、第2例は外側エラー訂正後のみの再合成データストリームを考察した。ここでは、第3例の複ビームDVDデコーダアーキテクチャを説明し、該アーキテクチャにおいてストリーム再合成は内側エラー訂正の後に行われる。
【0088】
図12は、このアーキテクチャのブロック図を示す。ここで、当業者であれば該図の種々のブロックの機能は、もう理解することができるであろう。ECCフレーム又はブロックの別々の行のみに基づく内側訂正は、N個の個々のチャンネルで実行される。前のアーキテクチャと同様に、内側エラー訂正器はN個のチャンネルの間で共有することができる。内側訂正が実行されると、結果としてのデータ(シンドロームのみではない)はバッファ960に記憶することができ、ここでECCフレームが再構築される。他の例として、データは第1例(図7)において使用されたように、バッファの代わりにマルチプレクサを用いて再合成することができる。これの、外側エラー訂正部におけるシンドローム処理に対する関わりは、特に図10を参照して詳細に既述した。
【0089】
総体的に、図7及び図11に示したアーキテクチャの混合である該構造は、特別な利点も欠点も提供しないと言える。最も重要な欠点は、多分、内側エラー訂正部のコストが非常に高い一方、同時に、外側エラー訂正部における順次の訂正が性能を制限してしまう点であろう。
【0090】
通常の設計と較べて、図12のシステムは内側エラー訂正モジュール用に仲裁回路を必要とする。また、該システムは以下の何れかを要する:
・生データ用のバッファ:このバッファはピン数を少なく維持するためにユーザデータバッファと統合されるべきである。N入力チャンネルを介して転送されるデータ用のアドレスを発生し、完全なディスク回転からの全データが入力されたかを識別し、直列データストリームを再構築する制御ロジックが必要である。また、追加の入力チャンネルをユーザデータバッファに付加しなければならない。又は、
・シンドロームバッファの組を保持すると共に、これらバッファを入力チャンネルに割り付ける、外側エラー訂正部内の制御ロジック。このロジックは、どのシンドロームが完成していて、エラー訂正に利用することができるかを識別する必要もある。更に、ユーザデータバッファ用のアドレス又はアドレスインデックス(データ又は訂正)も発生されねばならない。
【0091】
実際のビット検出、復調、シンドローム及びエラー訂正、並びにホストインターフェースは既存のブロックにより実施することができる。
【0092】
上述した例は、特に部分シンドロームに関するキャッシュ処理の使用が、過剰なコスト無しに如何に効率的な複ビームDVDドライブの実施化を可能にするかを解説している。二重バッファ処理も見ることができ、該処理は部分シンドロームのキャッシュ処理と組み合わせて使用することができる。
【0093】
本発明及びここで開示された技術は、DVDシステムにも、光ディスク一般にも限定されるものではない。特に、ブロック型のエラー保護方法を採用し、データの異なる部分の並列処理が部分的シンドローム及び訂正の発生に繋がるような他のシステムも分かっており、目論むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、DVD用の既知の単一ビーム再生装置の構造を概念的に示す。
【図2】
図2は、DVDデータを復号する処理をブロック図の形態で示す。
【図3】
図3は、DVDデータセクタフォーマットを示す。
【図4】
図4は、DVDにおけるECCフレームの構造を示し、16個のデータセクタ及びエラー訂正コードワードを含んでいる。
【図5】
図5は、複ビームDVD再生装置の概略構成を概念的に示す。
【図6】
図6は、DVDの光ディスクからの複ビーム読み出しの処理を示す。
【図7a】
図7aは、本発明の第1実施例による複ビームDVDデコーダ回路をブロック図として示す。
【図7b】
図7bは、本発明の第1実施例による複ビームDVDデコーダ回路の変形例をブロック図として示す。
【図8】
図8は、図7の回路における行バッファ及び内部エラー訂正器を更に詳細に示す。
【図9】
図9は、図7の回路における外部エラー訂正器を更に詳細に示す。
【図10】
図10は、図7の回路における外部メモリインターフェースを更に詳細に示す。
【図11】
図11は、本発明の第2実施例による複ビームDVDデコーダ回路をブロック図として示す。
【図12】
図12は、本発明の第3実施例による複ビームDVDデコーダ回路をブロック図として示す。
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ再生のための方法及び装置に係り、特にはデジタルバーサタイルディスク(DVD)のような回転担体からのデータの取り出し及び復号のための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
量販光学データ記憶部は、既知のCD−ROM光ディスクフォーマットの形態で馴染みがある。これら及び他の記憶媒体の歴史的考察及び技術的解説は、自身がCD−ROM上で入手可能な「PC技術ガイド」、及びhttp://www.pctechguide.com/10dvd.htmにおいて見付けることができる。DVDはCD−ROMの能力を、その公称(“1x”)データレート及びデータ容量の点で拡張した。DVD/CDデコーダは、例えば国際特許出願公開第WO−A−99/48097号に記載されている。適切な回路を組み込んだ集積回路(IC)が、フィリップス・セミコンダクターズ社から例えば製品SAA7335として入手可能である。
【0003】
現在のCD−ROMドライブは記憶データを、CD媒体が設計された公称データレートの何倍ものレートで再生し、従って、“24x”、“32x”、“48x”と指定されている。データレートを上昇させる簡単な方法は、当該ディスクが光学ピックアップ上を回転する速度を上昇させることである。更に高速な光ディスクドライブを構築する競争が続いているが、ディスクの引張強度及び電力消費の物理的限界が、回転速度の限界を200ないし400Hzにしてしまう。DVDの場合、これは20〜40xの“x”等級に等しい。
【0004】
標準の光ディスクから回転速度を上昇させること無しに一層高いデータレートを引き出すという問題に対する1つの解決策は、所謂“複ビーム”方法である。複ビームシステムにおいては、読出レーザビームは、光学ピックアップユニット(OPU)において放射方向に隣接するトラック上に収束される多数の別個のビームに分割される。N個のビームのOPUを用いると、ディスクの所与の回転速度において、データはN倍のレート(原理的に)で読み取ることができる。CDシステム用の複ビームアーキテクチャは国際特許出願公開第WO−A−98/037555号(Zen Research)に記述されている。この記述は、複トラック読出が、N個の隣接するトラックが並列に読み取られるように構成された回折格子と組み合わされた単一のレーザを使用して達成されると仮定している。このことは、当該ICがN個のデータ入力端子を有さねばならず、N個のデータストリームを同時に処理することができなければならないことを意味する。別個の読取ヘッドを備えるもっと入念な構成も、CD読取器の形で、例えば米国特許第5,465,244号(Kobayashi/東芝)から知られている。
【0005】
所与のデータスループットに対して、ディスクの回転速度はビームの数に関係する係数により比例的に低減することができるので、データレートが問題とならないなら、上記複ビーム方法はドライブの電力消費を低減する可能性ももたらす。携帯可能な装置の場合、斯様なドライブの電力消費はスピンドルモータ及びドライバにより消費される電力により支配されるので、この方法は大幅な電力消費の利点を提供する。
【0006】
DVDディスクは線形な態様で読み取られるように設計されており、ジャンプによるランダムアクセスも当該システム設計の一部ではあるが、その意図は、データが通常はストリームとして読み取られる、即ちデータがトラック上でファイルの始点から終点まで連続している点にある。DVD上の全てのデータは(CDと同様に)、内側ディスク半径から外側へと走る単一の螺旋状のトラック上に配置されている。複トラック方法が用いられた場合、個々のピックアップにより読み取られるデータは実効的に同一のリニアなストリームからのデータではあるが、1ディスク回転分時間的にシフトされたものであり、これは、Nビームシステムの場合、1ディスク回転がN回転分のデータを生じることを意味することが容易に分かる。別々のピックアップからのデータは、ホストアプリケーションに渡される前に、1のリニアなデータの集合に再組み立てされる必要がある。当該ディスクの1回転の後、読出ヘッドはN個の溝だけジャンプして、次の連続したデータのブロックの捕捉を開始する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記複ビーム方法をCDドライブからDVDドライブに拡張しようとすると、問題が生じる。CD−ROMと同様に、DVDディスク上のデータも2kバイトのセクタに編成されている。しかしながら、CDシステムがエラー保護に関して本質的に連続したリニアなコードを組み込んでいるのに対し、DVDは二次元のブロック型構成を採用しており、該構成においてセクタはエラー保護の目的でECCフレームと呼ばれる大きなブロックに編成されている。各ECCフレームは、特に螺旋の内側半径において、ディスクの1回転のかなりの部分を占め、隣接するトラック上のフレーム境界は整列されていない。DVD用の既知のデコーダは、データを復号及び訂正するために、開始から終了までの完全なECCフレームが入力されることを仮定している。従って、各OPUビームは新たなECCフレームの始点に出会うまで、通常、幾らかの時間を待つことになるので、複ビーム読出の理論的な利点は既知のDVDデコーダによっては実現することはできない。勿論、上述した問題は単一チャンネル系をN回複製し、次いで、ソフトウェア及び大きなデータバッファを用いて再合成することだけで簡単に解決することができるが、この解決策は複数の大きなバッファメモリにつながり、200Hz(20x回転速度システム)の場合には斯かるバッファメモリの帯域幅に重大な要求を課すことになる。特段の問題は、大量のメモリ及び複雑で高性能な論理回路を単一の廉価なIC上に一緒に設けることは容易にできないということである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、デジタル記憶媒体からのデータの読出のための改善された方法及び装置を提供することにある。また、本発明の特別な目的は、回転記憶媒体からの複読出の効率的な実施を可能にする一方、DVD記録に組み込まれているような二次元コードを復号することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者は、実用的な複ビームDVDシステム(又はCDシステム)用の一連のアーキテクチャを、エラー訂正における機能の理解に基づき、且つ、当該メモリを小さな、広帯域ブロック(集積に適した)及び大きな狭帯域ブロック(標準の商品バッファRAMの使用を可能にする)に分割することにより発明した。これらの2つの型式のメモリブロックは、ここでは、“ローカル”メモリ及び“遠隔”メモリと各々称する。上記“リモート”メモリは、典型的には、当該DVDドライブ内ではあるが当該デコーダIC自体の外側のユーザデータバッファの一部を形成するが、本発明は斯様な構成に限定されるものではない。該リモートメモリは、当該チップの外側であるが上記ユーザデータバッファとは別個のものとすることもでき、又は高性能バッファとは別の、当該ICの一部上の小さな低速メモリのブロックの一部を形成することもできる。
【0010】
本発明は、第1の態様において、第1のシーケンスで記録されたデータを再生する方法であって、前記データが所定のサイズのデータブロックに基づいて適用されたエラー保護コードを含み、各エラー保護ブロックが幾つかの副ブロックの系列を有するような方法において、該方法が、
(a)前記第1のシーケンスにおけるN個の各位置で開始するN個の副シーケンスの群を並列に読み取るステップであって、前記位置が前記ブロック又は前記副ブロックの境界に制限されることなく選択されており、前記N個の副シーケンスの群が前記第1のシーケンスの連続した部分を含んでいるようなステップと、
(b)前記読み取るステップの間に、各副シーケンス内においてデータブロックの一部を形成する一連の副ブロックを識別すると共に、当該ブロックの開始からのデータが無い場合は前記一連の副ブロックを所定の規則に従って処理することにより該ブロックに関連する部分的エラー保護シンドロームを蓄積するステップと、
(c)前記ブロックの終了に到達したら、当該副シーケンス内の次のブロックに関するシンドロームを蓄積するステップと、
(d)前記読み取るステップの間に、続いて、前記副シーケンスの他のものにおいて終了部が処理されたブロックの開始部を形成する一連の副ブロックを識別すると共に、これら副ブロックを処理して前記シンドロームの残部を蓄積するステップと、
(e)前記シンドロームの前記残部を前記記憶された部分的シンドロームと合成して、当該ブロックに関する完成したシンドロームを得るステップと、
を有するような方法を提供する。
【0011】
本方法は、(f)前記第1のシーケンスにおける新たな組の位置にジャンプすると共にN個の副シーケンスの他の群を並列に読み取って前記第1のシーケンスの更なる部分をカバーするステップを更に有することができ、前記更なる部分は先行する部分と連続するか又は重なり合うことができ、前記ステップ(d)は前記ブロックの開始部を前記副シーケンスの他の群の中で識別するステップを含むことができる。
【0012】
前記副ブロックは二次元マトリクスの行又は行の群と見なすことができ、前記ステップ(b)は前記マトリクスの行に対して内側エラー訂正を実行するステップを含むことができ、前記ステップ(c)ないし(e)において蓄積された前記シンドロームは外側エラー訂正処理において前記マトリクスの列に対して適用することができる。
【0013】
当該方法は、シンドロームの一時的記憶のために別個のローカルな及び遠隔の記憶部を用いて実行することができ、前記部分的シンドロームは前記ステップ(b)において前記ローカルな記憶部に蓄積され、この蓄積された部分的シンドロームは前記ステップ(c)において前記遠隔の記憶部へ転送することができる。
【0014】
前記ステップ(c)の転送するステップは、前記ジャンプするステップに関連しその都度実行することができる。
【0015】
前記部分的シンドロームは前記ブロックの開始部の読み取りの間に合成することができ、前記部分的シンドロームは、前記シンドロームの残部の前記ローカルな記憶部への蓄積のためのステップ(d)において前記遠隔の記憶部から該ローカルな記憶部へ転送して戻すことができる。他の例として、前記部分的シンドローム及び前記の蓄積された残部は前記ローカルな記憶部から離れて合成することもできる。
【0016】
上記ローカルな記憶部は、約2Nのシンドローム用のスペースを有することができる。回転の間に上記部分的シンドロームを安価な記憶部に転送することなく同じ処理を達成するには、3N−1の高価なシンドロームバッファが必要となるであろう。本発明の利点は、得られるメモリの帯域幅に依存して、5N/2より少ない、又は3N/2より少ないシンドロームバッファを有するシステムにおいて見ることができる。2Nのシンドロームバッファを有するシステムが後述され、該システムは本発明とシンドローム二重バッファ処理技術とを組み合わせるものである。
【0017】
前記第1のシーケンスで記録されるデータは、DVDのようなディスク状記録担体上の螺旋に記録されたデータを有することができる。
【0018】
第2の態様における本発明は、複トラックデータ読み出しにおいてデータを取り出す方法であって、該データが光ディスク上に記録されたDVDデータを有し、部分的エラー訂正シンドロームが、各ビームにより出会った異なるECCフレームの部分に関して計算され、他のECCフレームが復号されている間に記憶され、完全なシンドロームを蓄積するための基として使用されるような方法を提供する。
【0019】
好ましい実施例においては、上記部分的シンドロームは、シンドローム発生器から遠くに記憶され、対応するECCフレームの残部が異なるビームにより出会った際に完全なシンドロームを蓄積するのに使用するために元に戻される。
【0020】
更に、本発明は、記録担体上に記憶されたデータを再生する装置であって、該装置は前記担体からデータを読み取るためのピックアップを含むディスク移送手段と、前記担体からデータを回復する信号処理手段と、前記担体からの前記データを復号すると共に該データに含まれるエラー訂正コードに基づいてエラーを訂正するデコーダとを有し、前記ピックアップは複チャンネルを並列に読み取って前記担体上に記録されたデータの第1シーケンスにおける複数の副シーケンスを回復するように構成され、前記デコーダが本発明の前述した第1態様又は第2態様による方法を実施するように構成されているような装置を提供する。
【0021】
本発明は、更に、復号されるべきデータの第1シーケンスにおける複数の副シーケンスを並列に入力する入力手段を有するデコーダであって、該デコーダが前述した本発明の第1態様又は第2態様による方法を実施するように構成されているようなデコーダを提供する。
【0022】
上記デコーダは、内側及び外側訂正用エラー訂正器と、チャンネル毎に少なくとも1つの外側エラー訂正シンドロームを記憶するためのバッファと、データのブロックの終了に出会った後に部分的シンドロームを外部メモリに転送する手段とを含むような集積回路を有することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して例示としてのみ説明する。
【0024】
DVD読取器アーキテクチャ及びエラー訂正フォーマットの概要
図1は、光ディスク再生装置の基本要素を示し、この場合、該装置はホストコンピュータと共に使用するDVD−ROMドライブ、又はオーディオ及びビデオ材料用の消費者向けDVDプレーヤの一部である。重要な機能は、ディスク102用の移送機構100、既知の型式の別々のサーボ系により駆動及び収束される光学ピックアップ(OPU)104、前置増幅器106、処理及びバッファ回路108、並びに当該コンピュータ、オーディオ/ビデオ再生システム又は他のホストに対するインターフェース110である。本開示は主に上記処理及びバッファ回路108に関するもので、他の要素はこれ以上詳細には説明しない。
【0025】
図2は、DVD−ROMシステムの読取データ経路が、ビット検出200、EFM+復調202、エラー訂正204及び206、記憶バッファ208並びにホストインターフェース110からなる複合構造であることを示している。エラー訂正は2段階、即ち内側エラー訂正204及び外側エラー訂正206、で実行される。両型式のエラー訂正は、シンドローム(又は“署名”)が特定のコードワードに関して(各々212/214で)発生されると仮定している。内側エラー訂正の場合、コードワードPIには行バッファ210に記憶された記録セクタの行が与えられる。外側エラー訂正は、同一のセクタの列に対して外側コードワードPOを用いて実行される。次いで、発生されたシンドロームはエラー訂正モジュール(214/218)に供給され、該モジュールが全ての訂正可能なエラーのアドレス及び値を計算する。訂正可能なエラーのみが存在すると仮定すると、元のデータは、得られた訂正を誤ったデータに適用することにより回復される。外側訂正処理はバッファ208へのアクセスを必要とし、このことは、上記内側訂正器を介して前記ピックアップから到来するデータの流れを必ず中断させる。これらの中断をデータの損失無しに吸収するために、FIFOバッファ220が行バッファ210の出力端に設けられている。当該データに訂正が適用されると、該データはホストインターフェース110を介してユーザに伝送される。
【0026】
実際には、別々の要素200ないし220は、当該機能専用の回路により実施化することができるか、又は同様の機能を達成するプログラム可能なハードウェア及びソフトウェアの適切な組合せにより実施化することができる。
【0027】
図3は、ディスク102上に記憶されるデータ用のDVDデータセクタフォーマットを示している。生のコンピュータデータは、CD−ROMにおけるのと同様に、2048バイトのセクタに分解される。各DVDデータセクタは、2064バイト長であり、物理セクタアドレス及びIDを含む12バイトの識別子(ID)と、上記データと、エラー訂正及び検出コードEDCの4バイトとを有している。これは、CD−ROMセクタ(2352バイト)より短いことに注意されたい。
【0028】
図4は、図3に示すセクタの16個がRS(リードソロモン)積コードを用いて、どのようにして記録ブロック又はエラー訂正コード(ECC)フレームに合成されるかを示している。RS−PCはブロックコードであり、エラー訂正(ERCO)がバッファされたデータのブロック(これらはECCブロックである)に対して作用することを意味する。これは、CD−ROMに採用されているCIRCプラス第3レベル(C3)保護よりも強力な(効率的な)コードである。エラー訂正冗長度は約13%(CDのものの半分)である。該ECCフレームは182バイトの行を16x13=208行有し、各行(図示略)内ではデータはEFM+変調により符号化され、2つの32ビット同期コード(図示略)が各行における0及び91バイト位置の前に挿入されている。
【0029】
各々の2064バイトデータセクタはECCフレームにおける12行にわたり広がって占有し、各行は172個のセクタデータバイトと、内側エラー訂正用に追加されたコードワード(パリティ)である10個のPIバイトとを有している。各ECCフレームには16個のデータセクタが存在する。各12行の後には、13番目の行POが追加されている。各列における16個のPOバイトは、当該ECCブロックの各列に対する16バイトの外側保護コードワードを形成している。当該コードは、行に対しT=5の訂正コード、列に対してはT=8の訂正コードを与えるようなデータマトリクスの行及び列に作用する。
【0030】
91バイト毎に挿入される同期パターンは、当該ブロック内の位置により変化する。特に、データセクタのIDフィールドが直に後続するような、各記録セクタ内の最初の同期パターンは、ECCフレーム内で固有である。このようにして、EFM+デコーダは行0、13、26、…の開始及び当該ECCフレーム内のセクタIDフィールドが発見されるべき各13番目の行を容易に識別することができる。
【0031】
データ経路上で使用されるバッファのサイズがハードウェアによる実施化において大きなコストを示すことが分かった。DVD内側コードワードは、172データバイトに10バイトのパリティチェックコードを加えたものからなるDVD記録セクタの行に対応する。このことは、図2における行バッファ210は、少なくとも182バイト長であることを意味する。実際には、この行バッファはシンドローム発生の間に1つのコードワード(1つのコードワードがエラー訂正される)を記憶するために使用され、入力及び出力データ用のバッファとして作用する。従って、バッファサイズの上限は182バイトの4倍、即ち728バイトであると仮定することができる。バッファサイズに加えて、シンドローム用の幾らかの記憶部が必要とされ、これは、内側訂正の場合、10バイトに等しい。
【0032】
DVD外側コードワードはDVD記録セクタの列に対応し、従って、もっと多い量のデータを考慮しなければならない。記録セクタには172列(行の長さ)及び192データ行が存在するから、32Kバイトのバッファが必要となる。このようなサイズのバッファをICに集積することは高価となるから、当該データが外部DRAMメモリに転送されている間にシンドロームを計算する方が一層効率的である。これは、訂正処理がシンドロームのみに基づくものであり、全ての訂正が外部DARMに対する読出変更書込(read−modify−write)動作で適用されるから可能となる。図2においては、これがバッファへの2つの入力チャンネルにより示され、一方は内側訂正後のデータ用のもの、他方は外側訂正の結果のためのものである。
【0033】
記録セクタの172列に対してエラー訂正を実行することは、16バイト長の172個のシンドロームを記憶しなければならないことを意味し、結果として、2752バイトの記憶要件となる。計算されたシンドロームがエラー訂正器に供給される間にも、データストリームは依然として継続しているという事実により、FIFOバッファ220が必要となり、該バッファの典型的な容量は5Kバイト(ECCフレームの約15%)である。
【0034】
上述したバッファの他にも、DVD−ROMデータ経路における実施化コストに貢献する多数の計算ブロックが存在する。最も高価なブロックはエラー訂正器であり、該訂正器は典型的には優に10,000ゲートを超えるゲート数を有する。EFM+復調器(しばしば、ROMルックアップテーブルとして実現される)及びシンドローム発生器は大幅に小さく、各々は上記エラー訂正器のサイズの20%未満のサイズしか有さない。従って、エラー訂正器は、しばしば、内側及び外側エラー訂正器において共有の資源として実施化される。
【0035】
複ビームシステム
より高速な全データ読取レートのために、前述した国際特許出願公開第WO−A−98/37555号のもののようなCD−ROMシステムにおいて既知の如き、複ビームシステムが目論まれる。複ビームデコーダ(図示略)に対する単純化された方法では、図2の全データ経路を、Nビームシステムの場合、N個複製し、これらNチャンネルからのデータを大きなRAMバッファにおいて再結合することができる。この方法の主たる欠点は、エラー訂正ロジックがN個複製され、ERCOバッファ(32Kバイト)及びシンドロームRAM(27Kバイト)もN個複製され、これが非常に高価な1チップデコーダにしてしまう点である。
【0036】
図5は、もっと複雑な複ビームシステムを示し、導入部で述べたシンドローム二重バッファ及び部分的シンドローム計算を有利に適用することができるようなものを示している。通常の(又は高速回転)DVDディスク移送部500及びディスク502は、N個のビームを有すると共にN個の並列チャンネルで読出信号を出力するような複ビームOPU504により補足されている。明瞭化のために図5及び図6では4つのチャンネルのみしか示されていないが、N=7が実施例における典型的な数である。チャンネル毎に、別個の前置増幅段506a、b、c、dが設けられ、内側ERCO処理(該処理を含む)までの同様のチャンネル処理が回路508a、b、c、dにより並列に実行される。
【0037】
バッファ管理ブロック513におけるメモリインターフェースの適切な制御により、主ERCOバッファを外部SDRAM514に配置することができると共に、エラー訂正器の部分をチャンネル間で共有することができる。単一ビームシステムのものと比較した場合の、当該バッファマネージャの拡張機能は図10に関連させて後述する。図5の構成において、内側訂正器は通常のものであり、外側シンドローム発生(非常に大きなメモリ帯域幅)はオンチップである一方、主バッファはメモリ514内で、オフチップである。共有外側訂正器510が使用される。これらの特徴は、後の図を参照して、より詳細に例示するであろう。外側ERCO回路の性能に依存して、他の例として、性能を向上させるために多数の並列な外側訂正器を使用することができる。複雑さと電力消費に対して性能を取り引きするために、これらのパラメータを調整することにより種々の設計をすることができる。
【0038】
図6は、DVD又はCDの螺旋トラック上における複ビーム読出の処理を示している。チャンネルa、b、c及びdがビームスポットに関係し、これらスポットは当該ディスク上の4つの隣接するトラックに追従する。ビームaが、これら4つのもののうちの最内側のものであり、ビームdが最外側のものである。図においては、ビームがディスク表面上を廻って及び外方に移動するように表されている。勿論、実際にはディスクが回転する一方、OPUは同一の角度位置に留まるが、放射方向外側に追跡する。隣接する点は4つの平行なトラックと見なすことができるが、これらは実際は単に1つの連続した螺旋状の点であり、1回転の後にはビームaはビームbが開始した位置に到達し、等々であることに注意すべきである。螺旋トラックに配置された単一の直線的なシーケンスのデータは図6の下部に示され、ECCフレームの境界も表されている。
【0039】
黒丸は、第1回転の開始におけるビーム位置を示している。当該データ内の対応する位置が、該図の下部における直線表現上に示されている。三角形は1回転後のビームの位置を示している。また、四角形は、1回転及びジャンプの後のビーム位置a’、b’等を示している。完全なディスク回転が完了するまでのジャンプ待ち時間(レイテンシ)によりデータが失われることが分かる。このような理由により、最大ジャンプは実効的にN−1となり、チャンネルaは点a’において一番最近にカバーされた部分の途中で読取チャンネルdを引き継ぐ。
【0040】
通常、ジャンプの後の読み出しはECCフレームの途中で開始することに注意すべきである。図6において“*”で印したフレームは、何れか1つのビームにより部分的にしか読み取られておらず、この結果、外側シンドローム発生器には部分的な又は不適切なデータしか到達しない。このことは、エラー訂正コードが線形であって、新たなトラック位置にジャンプした短時間後に有効なデータを復号することができるCD−ROMシステムにおいては斯様な問題とはならない。しかしながら、DVDにおいては、復号は、内側及び外側ERCO処理から有効なデータが得られる前に完全なECCフレームを必要とする。最内側トラック半径においては、回転当たり1.6程度のECCフレームしか存在せず、従って、新たなECCフレームの始点が所与のビームにより出会い、読み取られているデータがリニアなシーケンスの何処に属するかをデコーダが見付けることができるまでに、殆ど回転時間の2/3が経過する可能性がある。従って、見たところでは、CDシステムでは馴染みのある複ビーム読出の利点はDVDデータストリームのブロック符号化構造では実現することはできない。
【0041】
しかしながら、発明者は、内側訂正器バッファからECCフレーム当たり16回セクタIDを抽出することができ、これらIDによりデータを外部バッファメモリ中に正しく配置することができることを理解した。セクタIDが見付けられるまでに通過されるべき直線トラック長は約4mmに過ぎないから、新たなトラックへジャンプした後の待ち時間は回転周期の極僅かな部分に過ぎない。更に、ECCフレーム内の位置が一旦分かったら、記録セクタにおいてユーザデータとインターリーブされている外側パリティコードワード(PO)を用いて部分的シンドローム発生を実行することができることを理解した。リードソロモンコードで既知のように、シンドロームの発生は、本質的に、入力された各行を所定の多項式関数で乗算することを含み、該多項式関数(“アルファ”)は当該データのブロック内での位置に依存してその都度巾乗される。セクタの開始が識別されるやいなや、デコーダはシンドロームのアルファ巾乗数をセクタIDから分かるフレーム内の位置と一致するように事前ロードする。16個の開始位置しか可能性がないでの(ECCフレームには、セクタIDフィールドにより識別可能な16個の行しかないことに基づく)、これはルックアップテーブルにより簡単に実行することができる。
【0042】
この場合、個々のECCフレーム(図6において“*”により印されている)の終点では、部分的なシンドロームのみしか生成されておらず、当該フレーム用のデータの残りはディスクの回転が完了するまで得られないであろう。例えば、1回転内において、チャンネルbの不完全なフレームの始点はチャンネルaで見付かり、等々となる。ところで、全ての介在するECCフレームは復号を必要とする。
【0043】
ここで、部分シンドロームの一部はディスク回転の開始時に(例えば、ジャンプ直後のa’において)発生される一方、残りの情報はディスク回転(b)の終了時に利用可能になることを理解することが重要である。このことは、部分シンドロームは完全な回転の間記憶されねばならないことを意味する。シンドロームRAM(ECCフレーム当たり約2.7Kバイト)は、非常に大きな帯域幅で動作しなければならないので、高価な資源である。入力される各チャンネルバイトに対して、16の読取変更書込サイクルが必要である。利用可能なチップ上のシンドロームRAMを最良に利用するために、ここに開示される装置においては、シンドロームバッファはチャンネル毎(ビーム毎)にダイナミックに割り当てられ、部分的結果を含むバッファは主ストリームバッファ(図5におけるメモリ514)におけるキャッシュ領域にダンプされる。キャッシュされたデータは、1ディスク回転後の部分的に回復されるECCフレームの始点が再び検出された場合に、取り出すことができる。内側及び外側ERCO回路の間のFIFOバッファは、シンドロームの二重バッファ処理の利用により削除されるが、これについては出願人の前述した同時係属中の出願[498224]に一層詳細に説明されている。本方法の更なる拡張/記述を幾つかの他の実施例に関連して以下に説明する。
【0044】
複トラックDVD−ROMシステムの詳細例
上述したように、性能及びスループットを維持又は増加させながら回転速度を減少させるために、データは、提案された複トラックDVD−ROMシステムにおける幾つかの並列なトラックから読み取られる。しかしながら、データ経路(図2)における、N個の並列な入力チャンネルから入力されるデータが単一のデータストリームに再合成される点に依存して異なるアーキテクチャを考えることができる。明らかに、この再合成ブロックの位置は結果としてのシステムの費用及び性能に重大な影響を有する。第1の詳細な実施例においては、再合成はビット検出又はEFM+復調の直後に実行され、結果として主復号電子回路は単一スポットシステムからは実質的に変化しないままとなるようなシステムが得られる。しかしながら、より高いスループットレート及び柔軟性が追加される他の解決策も記載され、該解決策は上記再合成を内側及び外側エラー訂正器の後に移動して、最大性能とシステムコストとの間の一層詳細な取り引きを可能にする。
【0045】
再合成の位置がどの様であるかに依存して、下記のアーキテクチャ的なオプションが考えられる:
・ビット検出及びEFM復調の後の再合成。
・マルチプレクサ及び外側シンドローム発生の変更された処理の使用。
・エラー訂正後で、主バッファマネージャの前の再合成。
・データ経路ロジックの単純な重複化は、結果としてECCフレーム型のものとなるが、これは各ジャンプの後の時間の消費(ECCフレームの始点を待つ)のために非効率的であり、詳細には説明しない。
・外側シンドローム発生が入力チャンネル間で、EDCフレーム(セクタ)に対する整列が可能なように実行される。
・内側エラー訂正後で、外側エラー訂正前の再合成。
・部分的に訂正されたデータ用にバッファを使用する。
・マルチプレクサ及び変更されたシンドローム発生を使用する。
【0046】
上述した代替例の全てが以下の節で説明される。上述した方法のうちで最も自明なものは、ビット検出又はEFM+復調の直後のストリーム再合成であり、図7ないし10に関連させて考察する。第2の詳細な実施例(図11)は、エラー訂正の後にストリーム再合成を適用する。第3の詳細な実施例(図12)は、内側エラー訂正器と外側エラー訂正器との間でストリーム再合成を適用する。部分的シンドロームのキャッシュ処理及び取り出しは、これらの全てに適用することができ、シンドロームのバッファ処理要件を、即座に必要とされない場合に部分的シンドロームを安価なメモリ位置に移動させることにより低減する。
【0047】
これらの実施例においては、標準のDVD復号処理の機能ブロック(図2)が認識される。差異は、当然、各ブロックの並列化が行われる場所における点数で生じると共に、付加的な構成可能性並びにストリーム及び部分的データの再合成を処理するための制御ロジックで生じる。
【0048】
解説の目的のため、以下の実際的な例は下記の仮定に基づいている:
・期待されるユーザデータレート:64xDVD(90Mバイト/秒より僅かに下)。
・N=7チャンネルの複トラックシステム。
・EDCフレームに基づくデータ再合成。
・ジャンプ及びデータ同期の後のシステム効率を考慮している:80%。
・各入力チャンネルにおける所要の性能:11.5xDVD、個々のチャンネルデータレート=約38Mバイト/秒。
【0049】
第1例−エラー訂正の前の再合成
図7aは無バッファ再合成のシステムのブロック図を示し、該システムにおいては入力データバイトをEFM+復調器に転送するためにマルチプレクサ720が使用されている。フロントエンドのみを示す他の構成例bは、各チャンネルに対して別々のEFM+復調器を有し、マルチプレクサは内側エラー訂正部の行バッファに供給する。これら2つの変形実施例の動作は類似している。しかしながら、マルチプレクサを通過するデータの量はbの場合の方が大幅に少ない。上記行バッファ及び内側ERCO部の詳細な構造及び制御を、図8を参照して以下に説明する。図9を参照して更に詳細に説明するように、外側ERCO回路に関連してダイナミックシンドロームバッファ722が設けられている。
【0050】
DVDデータフォーマットの概要説明で言及したように、91バイト毎に挿入されるEFM+同期ワードは、EFM+復調器がECCフレーム構造における行及びセクタの境界を識別することを可能にする。本装置の設計者は、この価値ある情報がデータ経路における早い段階で実際に利用可能であることを認識した。これは、データ、特に部分的データが、セクタ自身の奥まった復号まで“忘れられた状態”のままとされるよりは、適切なバッファに即座に向けられることを可能にする。行及びセクタの境界を識別するためにEFM+復調器により発生される種々のフラグが、図7bにマルチプレクサの出力として示されている:
・data[31:0]、一時の4バイト、
・data_valid、有効なデータが存在するかを示す、
・pi_row_start、新たなPIコードワードが開始したことを示す、
・edc_start、新たなECC記録セクタの開始を示す、
・channel_nr、現データが何れの入力チャンネルから発しているかを示す。
【0051】
これらは、以下に詳述する図8のエラー訂正回路に使用されている。
【0052】
図8ないし10を詳細に説明する前に、この構成の動作を概略的に説明する。PIコードワードを含む全体の行が行バッファに一旦転送されると、シンドロームが発生されて、エラー訂正モジュールに供給される。行バッファにおいて全ての訂正が実行されると、当該コードワードは外側エラー訂正器に受け渡される。内側エラー訂正処理の結果は外側処理に対する“ヒント”として役立つことに注意されたい。例えば、内側シンドロームは全体の行のデータの消去を明らかにする可能性がある。この情報は、外側コードワードPOに加えて、列内のエラーを見付けるために使用することができ、これは外側ERCO処理を助ける。
【0053】
この方法は下記のサイズの内側行バッファを必要とする。即ち、入力PIコードワードを収容するための182バイトのN個のバッファ、処理を待つ(N−1)個のバッファ、内側シンドローム発生の間に使用される1個のバッファ、内側エラー訂正処理に使用される1個のバッファ、及び外側エラー訂正器へのデータ転送のための1個のバッファである。これは、合計で(2N+2)個のバッファとなる。N=7の場合、182バイトの16個のバッファが必要となり、結果として2912バイトの記憶要件となる。物理的な記憶空間に加えて、行バッファは、入力マルチプレクサを制御し、物理的バッファに対するアドレスを発生し、完了し訂正の用意のできた完全な行を識別するようなロジックも含まなければならない。更に、該制御ロジックは、訂正が正しいバッファに書き戻され、完全に訂正されたデータが外側エラー訂正器に転送され、不使用のバッファ空間が入力バッファ処理に再割り当てされることを保証しなければならない。
【0054】
ストリーム再合成の無バッファ実施化は、N個の異なる記録セクタからの外側パリティコードワードが外側訂正器に供給され、結果としてN個のシンドロームが同時に発生されることになることを意味する。従って、入力データを特定のシンドロームバッファに関連付け、特定のシンドロームが完成した場合に、該シンドロームをエラー訂正器に受け渡すための追加の制御ロジックが必要となる。また、該制御ロジックは、訂正がユーザデータバッファにおける正しいアドレスに書き込まれることを保証する必要がある。
【0055】
記憶要件に関しては、当該シンドロームバッファが、現在計算されているN個のシンドローム、訂正を待っているN−1個のシンドローム、及び現在のエラー訂正処理に使用される1個のシンドロームを記憶しなければならないことは明らかである。更に、ジャンプの前及び後に、ECCセクタの一部のみが入力チャンネルを介して転送されることが分かる。このことは、ジャンプが完了した後、最初の行を逃したECCセクタに関して、N−1個までの部分的に計算されたシンドロームが算出されることを意味する。逃した行は、隣の入力チャンネルによりディスク回転の終わりにディスクから読み出される。対応する部分的なシンドロームは、シンドロームバッファ722に記憶することができる。しかしながら、このチップ上のバッファのサイズを最小にするために、当該新規なシステムにおいては、上記シンドロームはチップ外のユーザデータバッファ724に記憶される。全てのシンドロームがローカルに記憶されるとしたら、3N−1個のシンドロームバッファが必要となり、結果として合計のバッファサイズは55040バイトとなる。
【0056】
部分的シンドロームが外部メモリに記憶されると、シンドロームバッファの量は2Nに減少する。また、訂正を待つN−1のシンドロームが外部メモリに記憶されると、N+1のバッファのみが存在することになる。低性能システムにおいては、発生中のシンドロームのN−1を外部メモリに記憶し、バッファの数を2に減少させることが可能である。説明されるシンドローム計算方法は、全ての入力データバイトが正しいアルファ値で事前に乗算されることを要することに注意されたい。また、外部ユーザデータバッファのサイズは、約2Mバイトであるディスク回転におけるデータの量の2倍により決まることにも注意されたい。これは、訂正されたデータがバッファ内に非直線的な形で配置され、完全なディスク回転の後でのみ、直列データストリームを得ることが可能となるからである。
【0057】
上述した仮定に基づき、EFM復調の後では、チャンネルの各々におけるデータレートは約18Mバイト/秒となり、これは120Mバイト/秒を超える総合転送レートに等しくなる。この高データレートに対処するため、低クロック周波数が得られるように、バス幅を増加させることが推奨される。ここでは、32ビットのバス幅が好適である。75MHzのクロック周波数は、個々のチャンネルからデータバイトを受け、これらバイトを32ビットワードにグループ化し、これらをストリーム再合成ブロックから多重化するには効率的以上のものである。
【0058】
PIコードワードのバッファ処理及び内側エラー訂正
図8を参照して、当該内側訂正部における中心的要素は行バッファ710である。というのは、該バッファはEFM復調から来るデータをPIコードワードに再構成し、完成したコードワードを識別すると共にシンドロームの発生を開始し、シンドロームをエラー訂正器に受け渡し、及び訂正が行バッファに書き戻されることを保証するために使用されるからである。更に、内側補正の後のデータは外側エラー訂正部に転送されねばならない。行バッファ710は、図8に破線の境界により示されるように、これらの機能により概念的に分割されている。
【0059】
特に重要なのは、行バッファの帯域幅である。これは、4つの独立したタスクが、メモリに対して高いレートでデータを読み出し及び書き込むからである。合成されたデータレートは:
・入力データの当該行バッファへのバッファ処理、
・シンドローム発生器へのデータの転送、
・エラーの訂正、即ち読出変更書込動作、
・外側エラー訂正部へのデータ転送、
により決まる。
【0060】
メモリが32ビット幅であり、エラー訂正器のアクセスの各バイトが32ビットのアクセスに変換されねばならないとの仮定の下では、100Mワード/秒を超える合計の所要帯域幅が得られる。これは、システム周波数の2倍でクロックされるメモリサブシステムとして、又は2つのインターリーブされたメモリ部として実施化することができる。他の例として、所要の36Mワード/秒の書込レート及び66Mワード/秒の読出レートを容易化するために、二重ポートメモリを使用することもできる。
【0061】
上記行バッファ以外に、シンドローム発生及びエラー訂正モジュールも大きなデータスループットを必要とする。シンドローム発生器に対する要件は、11.5xDVDの7チャンネル倍により与えられるPIコードワードレートにより与えられ、これは毎秒700000コードワードを超えることになる。クロック周波数を妥当な値に減少させるために、2つのシンドローム発生器712a及び712bが75MHzなる動作周波数で並列に動作する。このクロック周波数はエラー訂正モジュールにとっても良好な選択であり、該モジュールは上記シンドローム発生器より約2倍高速に動作する。従って、単一の部分で充分である。
【0062】
以下、行バッファ処理及び内側エラー訂正部の4つのタスクを更に詳細に説明する。ここで、4つの全てのタスクは行バッファ710にアクセスする必要がある。制御ロジック800a及び800bが、バッファ仲裁、シンドローム発生器及びエラー訂正器の制御、並びにバッファ割付の動作を制御するために設けられている。図7bのマルチプレクサ721により出力されたフラグが、該制御ロジックに入力される。帯域幅は固定の優先順で割り当てられ、そこでは、上記タスクの各々が例えばラウンドロビン法のような所定の順番で実行される。これら4つのタスクの説明のため、図8における図を参照されたい。
1.入力データを行バッファに、入力データのクワドレット(quadlet:4バイト)が同一PIコードワードの他のデータと一緒に記憶されるように記憶する。これを達成するために:
・当該制御ロジックはデータ入力を監視し、data_valid信号を待つ。
・channel_nrをtask_select信号を発生するために使用する。
・N=7の入力チャンネルの各々は、バッファアドレスを発生するために使用される専用のアドレス計算ユニット(ACU)802a〜802gを有している。バッファのオフセットは、新たなPIコードワードの開始時点で制御ロジック800aによりプログラムされる。データ項目が転送された後、カウンタがインクリメントされる。
2.完成したPIコードワードをバッファから読み出し、シンドロームを発生する。64xDVDなるスループット要件に対処するために、2つのシンドローム発生器部712a及び712bが存在する:
・当該制御ロジックは、バッファ内に完成したPIコードワードのリストをベースアドレスと共に保持する。
・完成したコードワードの該リストは先入先出順序で処理される。
・上記ベースアドレスはシンドローム発生器のACUに転送され、カウンタが可能化される。
・これは、データバイトを2つのシンドローム発生器の1つに交互の態様で転送する。
・シンドローム発生器で発生されたシンドロームバイトは、エラー訂正が利用可能になるまで、レジスタバンクに記憶される。
3.訂正が正しい訂正位置に書き込まれることを保証する:
・上記2つのシンドローム発生器の一方からのシンドロームがエラー訂正器714に転送される。
・コードワード内の各エラーに関して、エラーのアドレス及び大きさが求められる。行バッファにおけるアドレスを計算するために、エラー訂正が開始された際に制御ロジックによりプログラムされたバッファオフセットが追加される。
・データが行バッファから読み出され、エラー訂正器の出力とのXOR演算が実行され、該データが行バッファに書き込み戻される(読出変更書込サイクル、R−M−W)。
4.内側エラー訂正が一旦完了したら、バッファからデータを読み出し、該データを外側エラー訂正器部に転送する:
・エラー訂正器がコードワードの訂正を一旦完了したら、該コードワードは外側エラー訂正器部(図9の716、718)に転送される。
・データを正しい位置から読み取るために、バッファオフセットが、ACU804内で実動カウント発生される間に当該制御ロジックによりプログラムされる。
【0063】
外側シンドロームの処理及びエラー訂正
図9は、外側シンドローム処理及びエラー訂正716、718及び722を、より詳細に示している。現在のエラー訂正器に関するのと同様に、POコードワードに対するシンドローム発生は大きな帯域幅要件のために問題となる。該外側エラー訂正部に転送される各データバイトに対して、16個のシンドロームバイトを読み出し、更新し、メモリに書き込み戻ししなければならない。この問題は、4つのデータバイトが前記内側訂正部から同時に30Mワード/秒なるレートで入力されるという事実により更に複雑化される。該大きなスループットに関連する問題を克服するために、75MHzで動作する2つのシンドローム発生器716a及び716bを使用することが推奨される。当該モジュールのパイプライン化された構造が、16バイトのシンドローム及びデータ項目がクロックサイクル毎に処理されるのを可能にする。この場合、該2つの組み合わされた発生器は150Mバイト/秒なる処理能力を提供する。
【0064】
上記2つのシンドローム発生器に対する充分なメモリ帯域幅は、シンドロームバッファ722内の4つのインターリーブされたメモリバンクB0〜B3の使用により提供される。2つのメモリバンクは2つのシンドローム発生器に対してシンドロームを読み取るために使用され、残りの2つのバンクは前のデータ項目に関する2つの変更されたシンドロームを記憶するために使用される。これは、4つのバンクに配列された128ビット(16バイト)のメモリ構成となる。(当該メモリがシステム周波数(150MHz)の倍で動作するとしたら、バンクの数は2に低減することができることに注意されたい。)
【0065】
4つのメモリバンクが使用される場合、各々の個々のバンクに対するアクセスレートは、毎秒120Mバイトのデータが転送されるという事実により決まる。既述したように、2つの同時的読み取りが2つの異なるメモリバンクからなされるので、結果として、入力データレートの半分の単一バンクアクセスレート:即ち60Mバイト/秒又は6300万アクセス、が得られる。
【0066】
ここまでは、N=7のシンドロームバッファ722がシンドロームの実際の発生に対して充分なメモリ帯域幅を提供することが示された。ここでは、シンドロームの全てを外部メモリにキャッシュすることが可能であるかを考察する。もし、これが可能であったとしたら、N=7のシンドロームバッファしか必要とされない。シンドロームのキャッシュ処理に関する第1の問題は、完成したシンドロームをバッファから取り出すのに要する帯域幅である。75MHzなるクロック周波数と63MHzのアクセスレートを仮定すると、帯域幅の85%が使用され、15%が依然として利用可能であることが明らかである。3以上のECCフレームが同時に完成する状況においては、シンドロームをシンドロームバッファから別の場所にコピーするための充分な時間がない(約35%なる利用可能な帯域幅が必要となる)ことを示すことができる。
【0067】
勿論、メモリの帯域幅は常に適するように増加させることができるが、費用が掛かる。本実施例では、部分シンドロームのキャッシュ処理に加えてシンドロームの二重バッファ処理が使用される。シンドロームの二重バッファ処理とは、2つのシンドロームバッファが各チャンネルに対して使用され、一方のバッファはシンドロームの組を発生するために使用され、他方はエラー訂正器に供給されるまで、完成されたシンドロームを格納する。シンドロームがエラー訂正器に一旦転送されると、該シンドロームは、続いて、エラー訂正器から得られるエラーの大きさ及び位置に置換される。シンドロームの二重バッファ処理は、出願人の同時係属中の前記出願[ID498224]に記載されている。
【0068】
前の段落では二重バッファ処理を使用し、かくしてバッファの数を2Nに増加することが提案された。既に説明したように、シンドロームがバッファから読み出され、訂正情報が書き戻される。所要の追加の帯域幅が計算され、二重バッファ処理を伴うシンドロームバッファはシンドローム発生及びエラー訂正にとり充分な帯域幅を有するとの結論に達する。N=7の入力チャンネルが存在するという事実により、7つのECC記録セクタのシンドロームが同時に完成するという状況が生じ得る。このことは、次のシンドロームが完成する前に7つの全てのセクタが訂正されねばならないことを意味する。ここでも、7ECCフレームの訂正に対して充分以上のクロックサイクルが利用可能であることを計算することができる。
【0069】
前述した図5及び図6の説明において、ここで提案された効率的な複トラックシステムはセクタ(EDC)毎に動作することが概説された。これは重要である。何故なら、ジャンプが実行される毎に、取り出されたデータがECCフレームと整列することは殆どありそうにないないからである。後続のECCフレームからのデータが処理される前に、むしろ、データ転送はEDCセクタnで開始し、最終フレーム15で終了する。最初のECCフレームセクタの残りのフレーム0〜n−1は、ディスク回転の終わりに隣接チャンネルから入力される。このことは、潜在的にN−1の部分シンドロームはジャンプの後で発生される(第1チャンネルは、ECCフレームに整列されるか又はデータ処理をディスク回転の終わりに向かって開始するのみであるかの何れかである)ことを意味する。これらの部分シンドロームはエラー訂正には使用することができないので、高価なバッファ空間を占める必要はなく、外部メモリに転送することができる。
【0070】
上述したように、チャンネル当たり2つのバッファが存在し、1つは現在のシンドロームの計算に、もう1つは訂正処理において使用される。部分シンドロームにより占拠されたスペースを解放するために、該部分シンドロームは次のシンドロームを計算するために掛かる時間の間に外部メモリに転送されなければならない。シンドロームの読み取りは、12896なる可能性のあるアクセスと比較して172のバッファのアクセスを必要とし、これは該転送が臨界的ではないことを意味する。外部メモリに対する帯域幅は問題とならないことに注意されたい。というのは、部分的に訂正されたシンドロームの存在は、エラー訂正器が動作しておらず、従って訂正に要する帯域幅が存在しないことを意味するからである。当該部分シンドロームの逃した部分が発生される際、該部分は外部メモリに記憶された最初の部分と合成されねばならない。このことは、部分シンドロームを外部メモリから読み出し、該部分を外部メモリから取り出された部分シンドロームと合成し、これをシンドロームバッファに書き戻すことを要する。この時点において、エラー訂正を開始することができる。外部メモリからの及びシンドロームバッファへのメモリ帯域幅は問題となってはならない。何故なら、記載されたシンドロームの処理は、ディスク回転の終了時の、ジャンプが開始される直前においてのみ要するからである。記載された部分シンドローム処理は、最初に発生されたシンドロームに第1EDCセクタの番号に依存して巾乗されたアルファによる事前乗算を要することに注意されたい。これは、当該データが外部メモリに書き込まれる前に実行することができる。
【0071】
図9のブロック図は、ここでも、外側訂正部に存在する4つのタスクを示している。
1.各入力データバイトに対して、16バイトのシンドロームが更新されねばならない:
・各入力データクワドレットがラッチに記憶され、2つのデータバイトは最初に利用可能なクロックサイクルで使用され、残りの2つのバイトは続いて使用される。
・2つのシンドロームは、例えばバンクB2及びB3から読み出される。同時に、2つのシンドローム発生器は前のデータバイトに割り当てられたシンドロームを更新し、前のサイクルからの結果はバンクB0及びB1に記憶される。
・同時に、データバイトがバッファマネージャに転送される。このことは、制御ロジックが該データバイトを正しいメモリ位置に書き込むために使用されるインデックス信号を供給することを要する。
2.エラー訂正情報がシンドロームから計算される:
・完成したシンドロームの組のリストが制御ロジック内に維持される。
・1つのシンドローム組における172のシンドロームがエラー訂正器に転送され、エラー訂正情報が一旦求められると、該情報はシンドロームバッファに返送される。(図9においては、これがシンドローム1に関して発生しているように図示されているが、シンドロームのアドレスは、勿論、変化する。)
3.訂正情報が外部メモリに書き込まれる:
・全172組の訂正情報がエラー訂正器から一旦得られると、エラーの大きさ及びアドレスがバッファマネージャに転送される。(これが、図9に例示のみとして、シンドローム2N−2に関して発生しているように示されている。)
・制御ロジック900は、当該訂正がどのECCセクタに属するかを示すインデックス信号を発生する。
4.部分シンドロームを外部メモリにキャッシュする:
・部分シンドローム組が発生される毎に、172のシンドロームがシンドロームバッファから読み出され、外部メモリに転送される。(図9では、シンドローム2N−1に対して発生するように示されている。)転送の間に、正しいアルファ値により乗算が実行される(外部メモリへの転送は時間的に厳しいものではない)。
・このことは、上記制御ロジックがバッファマネージャに対するアドレスを発生することを要する。
・制御ロジックは入力ECCセクタのIDを監視し、部分シンドローム組に対応するセクタが見付かったら、外部メモリにキャッシュされた部分シンドロームに含まれないEDCフレームからの情報が含まれるまでシンドローム計算が実行される。
・第1の部分シンドロームが外部メモリから取り出され、シンドロームバッファ内の第2の部分シンドロームと合成される。これは、読出変更書込動作を要する。
【0072】
バッファマネージャ
図10はバッファマネージャ(図5におけるブロック513に対応)を詳細に示し、該バッファマネージャは前記データ及びDVDエラー訂正器(図9)から来る外側訂正を入力し、これらを外部DRAM920又は他のメモリに記憶する。インターフェースロジック922は、ディスクから読み取られる入力データ、訂正、部分シンドローム、及び取り出されホストインターフェース(図5における512)を介してストリーム出力される出力データのアドレス指定及び転送を管理する。
【0073】
複トラックシステムにおいては、バッファマネージャは1つのデータ入力及び1つの訂正入力チャンネルしか維持しないが、単一チャンネルシステムとは依然として大きな違いが存在する。これは、複トラックシステムにおいては、如何なる1時点において転送されるデータも、N=7の異なるECC記録セクタから発生するからである。従って、バッファマネージャは外部DRAMに対するアドレスを発生するN個のアドレス計算ユニット(ACU)924a〜gを有さねばならない。入力データ項目の特定のACUへの関連づけは、外側エラー訂正部(図9)により供給されるインデックス信号を介して実行される。ACU内でのアドレス発生は、稼働するインデックスに基づき、入力バイトの数に関係し、一部EDCのID番号に関係し、一部制御CPUによりプログラム可能である。このようにして、2つのジャンプの間のデータが取り出され、更なるCPUの相互作用無しで外部メモリに記憶されるように構成することができる。
【0074】
図6を参照して既述したように、N−1のトラックのジャンプは1ディスク回転のデータが読み取られたら必要とされる。正しいジャンプ時間を確立するために、当該装置は対応するディスクトラック上に存在する全てのEDCフレームがエラー無しで取り出され、DRAMに記憶されたかを監視する。この目的のため、本実施例におけるバッファマネージャは、制御ロジック926により提供される下記の特定の機能(他の構成も勿論可能である)を有している。
【0075】
各EDCフレームは、小さなレジスタファイル内で単一ビット(又は一群のビット)により表される。これらビットは、各EDCフレームの、入力されていない、転送中、データ及び訂正が入力された、回復不能なエラー等を含む状態を示す。単純な論理演算を使用して、如何なる所与の時点においても、EDCフレームの連続した組がエラー無しで入力されたか、従ってジャンプが実行されるべきかを知ることが可能となる。ジャンプは、デコーダと同一のIC上とすることができる制御CPUへの割り込みにより開始される。同様に、幾つかのEDCフレームが誤っている場合にも、割り込みが発生されるべきである。この場合、勿論、当該ジャンプは、問題のEDCフレームが後続のディスク回転で再度読み取られ(今回は、異なる入力チャンネルで)ように、遅延されるべきである。
【0076】
上述した機能に加えて、当該バッファマネージャは、部分シンドロームをキャッシュするためのACU918を備える追加のチャンネルも必要とする。このチャンネルはバースト転送のためにのみ使用され、他のチャンネルよりも高い優先度を有すべきである。これは、対応するデータが、限られた帯域幅しか有さない外側シンドロームバッファに対して読み取られ及び書き込まれなければならないからである。
【0077】
外部メモリに対する帯域幅要件は、記載された64xシステムにおいては、データがチャンネル側から取り込まれるレート、外側訂正の数、及びホストインターフェースの帯域幅により決まる。本節において前述したように、エラー訂正器からのデータレートは120Mバイト/秒である。これは、平均して、ホストインターフェースのデータレートでもあるべきである。加えて、部分シンドロームのキャッシュ処理にも約3.5Mバイト/秒の帯域幅が必要である(11.5xなる回転速度で、毎秒約110のジャンプが実行され、各ジャンプの後172バイトの16倍の6個の部分シンドロームが読み取られ及び書き込まれなければならないと仮定する)。更に、外部メモリに訂正を書き込むために要する読出変更書込に関して約70Mバイト/秒が必要とされる(最大で172x8の訂正を伴う毎秒3567のECCセクタ、各々が約15クロックサイクルを必要とする)。これは、合計して315Mバイト/秒の帯域幅要件となる。
【0078】
第1実施例の記載を結論付けると、この実施化の利点は以下の事項を含む:
・生のデータを繋ぎ合わせるために大きな入力バッファは必要とされない。
・外部メモリインターフェースの全性能が、ユーザデータに対して利用可能である。
・面積及び電力の効率性(32xDVDの性能を達成するために50MHzのクロックを必要とする既存のデコーダアーキテクチャを利用する)。
・EDCフレームの粒度上で動作する(アドレス発生及びデータの検査に対して、もっと複雑な方法が許容されるなら、PIコードワード又はEFMフレームの粒度さえ達成可能である)。
・ビット検出、EFM復調、内側及び外側シンドローム発生、エラー訂正並びにホストインターフェース用のブロックを、問題なく再使用することができる。
【0079】
従来の単一トラックシステムに対して、幾つかの新たな回路ブロックが必要となる:
・行バッファ制御ロジックで、N個の入力データストリームに対してアドレスを発生することができると共に、行が完成された場合並びにシンドローム発生及びエラー訂正が開始されねばならない場合を識別することができる。
・一群のシンドロームバッファを維持すると共に、これらバッファを入力チャンネルに割り当てる、外側エラー訂正部内の制御ロジック。このロジックは、どのシンドロームが完成し、エラー訂正に利用可能であるかを識別する必要がある。更に、ユーザデータバッファ(データ及び訂正)用のアドレス又はアドレスインデックスが発生されねばならない。
・バッファマネージャは、ユーザデータ及び訂正に対するアドレス発生に使用される追加の入力を必要とする。外側エラー訂正部における制御ロジックは、現在のユーザデータ又は訂正を特定のEDC又はECCフレームに割り当てられたメモリセグメントに関連付けるのを可能にするアドレス又はアドレスインデックスを発生することができなければならない。システムの実施化に依存して、追加のアドレス計算ユニット(ACU)が必要とされる場合がある。
【0080】
以下、2つの代替システムを説明するが、これらシステムにおいては、再合成はDVDデータ経路における異なる点で発生すると共に、ここでもシンドロームキャッシュが適用される。図11及び図12は、これらシステムを図7と同程度の詳細さで示している。当業者であれば、何れかの詳細な実施化において必要とされるであろう追加のモジュール及び既存のモジュールの適応化も容易に理解するであろう。
【0081】
第2例−EDCフレームに基づくストリーム再合成
図11は、EDCフレームに基づく、他の例の複トラック読み出し経路を示している。外側シンドローム計算は、N個の別個の行バッファ、N個のERCOシンドローム発生器及びN個のERCOシンドロームバッファを備えるシステムにおいて実行される。内側エラー訂正に関しては、共通のエラー訂正回路が、内側シンドロームが利用可能になるにつれて代わる代わる動的に使用される。
【0082】
第1の例に関連して既に概説したように、N=7及び部分シンドロームが外部メモリに転送されると仮定すると、2N又は約28Kバイトのシンドローム記憶部が必要となる。それ以外では、境界がジャンプ(飛び込み)点と整列されていないEDCセクタに関する部分シンドロームを収容するために、3N−1が必要とされるであろう。内側ERCO回路におけるのと同様に、本例における外側エラー訂正器は、チャンネル間で共有され、処理されるべく完成し且つシンドロームバッファ内で待機しているシンドロームに対するアクセスを有する。仲裁及び制御ロジック950において実施化されるというより、シンドロームバッファの入力チャンネルに対する関連付け及び部分的に発生されたシンドロームの処理は動的である。
【0083】
各チャンネルにおける2つのシンドロームバッファ952a及び952bは、以下のように使用される:
・現シンドロームの計算に対して一方のバッファが使用される。
・この間に、他方のバッファはエラー訂正器へのシンドロームの供給に使用される。
・1つのシンドローム(16バイト)がバッファから取り出され、訂正器に供給される。
・訂正はバッファに書き戻される。
・全てのシンドロームが処理されたら、訂正の全体の組がユーザデータバッファに転送される(二重バッファ処理)。
・ジャンプの後にシンドロームの一部のみが計算された場合、エラー訂正処理を開始することは不可能である。この場合、
・部分的に訂正されたシンドロームの組は、外部メモリに記憶され、
・両バッファは、上述した標準の訂正処理に対して利用可能である。
・部分シンドロームの完成に関して逸した情報が入力チャンネルの1つを介して到来している場合は、
・第2の部分シンドロームが計算され、
・第2の部分シンドロームが第1の部分から逸した全ての情報を一旦含んだら、シンドローム発生が停止される(ユーザバッファメモリへのデータの転送も停止することができる)。
・第1の部分のシンドロームが外部メモリから取り込まれ、現在使用されているシンドロームバッファ内の第2の部分と合成される。
・エラー訂正が開始される。
・第2シンドロームバッファは、通常の形でのシンドロームの発生に利用可能である。
【0084】
本例の利点は:
・既存のデータ経路アーキテクチャのブロックを利用する。
・高性能システムへ拡張可能であり、x性能はメモリインターフェースによってのみ制限される(32ビットメモリインターフェースは約64xのDVDを可能にし、64ビットメモリインターフェースは128xまでのDVDを可能にする)。
・面積と性能との間の取り引きが可能である。これは、共有する代わりに、並列なエラー訂正モジュールを追加することによるものであろう。
・Nチャンネルにおけるクロック周波数を最小に維持することにより、電力消費を制御することができる。
・EDC記録セクタで動作する。
【0085】
以下に対して、新たな回路ブロックが必要となる:
・シンドロームバッファの操作、特に外部メモリへの及び外部メモリからの部分シンドロームの転送に関する制御ロジック。
・内側及び外側エラー訂正部における共有エラー訂正モジュール用の仲裁ロジック。
・仲裁ロジックを備える既存のバッファマネージャを、N−1の追加の入力チャンネルだけ拡張しなければならない。
【0086】
一方、実際のビット検出及びエラー訂正機能は既存のブロックにより実行することができる。ホストインターフェースは変更無しで再利用することができる。
【0087】
第3例−内側エラー訂正後のストリーム再合成
図2に関連して説明したように、DVD復号経路は、ビット検出、内側エラー訂正、外側エラー訂正及びユーザデータバッファからなっている。第1例は、ビット検出/EFM+復調の後のストリーム再合成を考察する一方、第2例は外側エラー訂正後のみの再合成データストリームを考察した。ここでは、第3例の複ビームDVDデコーダアーキテクチャを説明し、該アーキテクチャにおいてストリーム再合成は内側エラー訂正の後に行われる。
【0088】
図12は、このアーキテクチャのブロック図を示す。ここで、当業者であれば該図の種々のブロックの機能は、もう理解することができるであろう。ECCフレーム又はブロックの別々の行のみに基づく内側訂正は、N個の個々のチャンネルで実行される。前のアーキテクチャと同様に、内側エラー訂正器はN個のチャンネルの間で共有することができる。内側訂正が実行されると、結果としてのデータ(シンドロームのみではない)はバッファ960に記憶することができ、ここでECCフレームが再構築される。他の例として、データは第1例(図7)において使用されたように、バッファの代わりにマルチプレクサを用いて再合成することができる。これの、外側エラー訂正部におけるシンドローム処理に対する関わりは、特に図10を参照して詳細に既述した。
【0089】
総体的に、図7及び図11に示したアーキテクチャの混合である該構造は、特別な利点も欠点も提供しないと言える。最も重要な欠点は、多分、内側エラー訂正部のコストが非常に高い一方、同時に、外側エラー訂正部における順次の訂正が性能を制限してしまう点であろう。
【0090】
通常の設計と較べて、図12のシステムは内側エラー訂正モジュール用に仲裁回路を必要とする。また、該システムは以下の何れかを要する:
・生データ用のバッファ:このバッファはピン数を少なく維持するためにユーザデータバッファと統合されるべきである。N入力チャンネルを介して転送されるデータ用のアドレスを発生し、完全なディスク回転からの全データが入力されたかを識別し、直列データストリームを再構築する制御ロジックが必要である。また、追加の入力チャンネルをユーザデータバッファに付加しなければならない。又は、
・シンドロームバッファの組を保持すると共に、これらバッファを入力チャンネルに割り付ける、外側エラー訂正部内の制御ロジック。このロジックは、どのシンドロームが完成していて、エラー訂正に利用することができるかを識別する必要もある。更に、ユーザデータバッファ用のアドレス又はアドレスインデックス(データ又は訂正)も発生されねばならない。
【0091】
実際のビット検出、復調、シンドローム及びエラー訂正、並びにホストインターフェースは既存のブロックにより実施することができる。
【0092】
上述した例は、特に部分シンドロームに関するキャッシュ処理の使用が、過剰なコスト無しに如何に効率的な複ビームDVDドライブの実施化を可能にするかを解説している。二重バッファ処理も見ることができ、該処理は部分シンドロームのキャッシュ処理と組み合わせて使用することができる。
【0093】
本発明及びここで開示された技術は、DVDシステムにも、光ディスク一般にも限定されるものではない。特に、ブロック型のエラー保護方法を採用し、データの異なる部分の並列処理が部分的シンドローム及び訂正の発生に繋がるような他のシステムも分かっており、目論むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、DVD用の既知の単一ビーム再生装置の構造を概念的に示す。
【図2】
図2は、DVDデータを復号する処理をブロック図の形態で示す。
【図3】
図3は、DVDデータセクタフォーマットを示す。
【図4】
図4は、DVDにおけるECCフレームの構造を示し、16個のデータセクタ及びエラー訂正コードワードを含んでいる。
【図5】
図5は、複ビームDVD再生装置の概略構成を概念的に示す。
【図6】
図6は、DVDの光ディスクからの複ビーム読み出しの処理を示す。
【図7a】
図7aは、本発明の第1実施例による複ビームDVDデコーダ回路をブロック図として示す。
【図7b】
図7bは、本発明の第1実施例による複ビームDVDデコーダ回路の変形例をブロック図として示す。
【図8】
図8は、図7の回路における行バッファ及び内部エラー訂正器を更に詳細に示す。
【図9】
図9は、図7の回路における外部エラー訂正器を更に詳細に示す。
【図10】
図10は、図7の回路における外部メモリインターフェースを更に詳細に示す。
【図11】
図11は、本発明の第2実施例による複ビームDVDデコーダ回路をブロック図として示す。
【図12】
図12は、本発明の第3実施例による複ビームDVDデコーダ回路をブロック図として示す。
Claims (15)
- 第1のシーケンスで記録されたデータを再生する方法であって、前記データが所定のサイズのデータブロックに基づいて適用されたエラー保護コードを含み、各エラー保護ブロックが幾つかの副ブロックの系列を有するような方法において、
(a)前記第1のシーケンスにおけるN個の各位置で開始するN個の副シーケンスの群を並列に読み取るステップであって、前記位置が前記ブロック又は前記副ブロックの境界に制限されることなく選択されており、前記N個の副シーケンスの群が前記第1のシーケンスの連続した部分を含んでいるようなステップと、
(b)前記読み取るステップの間に、各副シーケンス内においてデータブロックの一部を形成する一連の副ブロックを識別すると共に、当該ブロックの開始からのデータが無い場合は前記一連の副ブロックを所定の規則に従って処理することにより該ブロックに関連する部分的エラー保護シンドロームを蓄積するステップと、
(c)前記ブロックの終了に到達したら、当該副シーケンス内の次のブロックに関するシンドロームを蓄積するステップと、
(d)前記読み取るステップの間に、続いて、前記副シーケンスの他のものにおいて終了部が処理されたブロックの開始部を形成する一連の副ブロックを識別すると共に、これら副ブロックを処理して前記シンドロームの残部を蓄積するステップと、
(e)前記シンドロームの前記残部を前記記憶された部分的シンドロームと合成して、当該ブロックに関する完成したシンドロームを得るステップと、
を有していることを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法において、当該方法が(f)前記第1のシーケンスにおける新たな組の位置にジャンプすると共にN個の副シーケンスの他の群を並列に読み取って前記第1のシーケンスの更なる部分をカバーするステップを更に有し、前記更なる部分は先行する部分と連続するか又は重なり合い、前記ステップ(d)が前記ブロックの開始部を前記副シーケンスの他の群の中で識別するようなステップを含んでいることを特徴とする方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の方法において、前記副ブロックは二次元マトリクスの行又は行の群と見なされ、前記ステップ(b)は前記マトリクスの行に対して内側エラー訂正を実行するステップを含み、前記ステップ(c)ないし(e)において蓄積された前記シンドロームは外側エラー訂正処理において前記マトリクスの列に対して適用されることを特徴とする方法。
- 請求項1ないし3の何れか一項に記載の方法において、当該方法がシンドロームの一時的記憶のための別個のローカルな及び遠隔の記憶部を用いて実行され、前記部分的シンドロームは前記ステップ(b)において前記ローカルな記憶部に蓄積され、この蓄積された部分的シンドロームは前記ステップ(c)において前記遠隔の記憶部へ転送されることを特徴とする方法。
- 請求項4に記載の方法において、前記ステップ(c)の転送するステップは前記ジャンプするステップに関連しその都度実行されることを特徴とする方法。
- 請求項1ないし5の何れか一項に記載の方法において、前記部分的シンドロームは前記ブロックの開始部の読み取りの間に合成され、前記部分的シンドロームは、前記シンドロームの残部の前記ローカルな記憶部への蓄積のためのステップ(d)において前記遠隔の記憶部から該ローカルな記憶部へ転送して戻されることを特徴とする方法。
- 請求項6に記載の方法において、前記部分的シンドローム及び前記の蓄積された残部は前記ローカルな記憶部から離れて合成されることを特徴とする方法。
- 請求項1ないし7の何れか一項に記載の方法において、前記ローカルな記憶部は5N/2のシンドロームバッファより少ないことを特徴とする方法。
- 請求項1ないし7の何れか一項に記載の方法において、前記ローカルな記憶部は3N/2のシンドロームバッファより少ないことを特徴とする方法。
- 請求項1ないし9の何れか一項に記載の方法において、前記第1のシーケンスで記録されたデータは、ディスク状記録担体上の螺旋に記録されたデータを有していることを特徴とする方法。
- 複トラックデータ読み出しにおいてデータを取り出す方法において、前記データは光ディスク上に記録されたデジタルバーサタイルディスク(DVD)データを有し、部分的エラー訂正シンドロームが、各ビームにより出会う異なるエラー訂正コード(ECC)フレームの部分に関して計算され、他のECCフレームが復号されている間に記憶され、完全なシンドロームを蓄積するための基として使用されることを特徴とする方法。
- 請求項11に記載の方法において、前記部分的シンドロームは、シンドローム発生器から遠くに記憶され、対応するECCフレームの残部が異なるビームにより出会った際に完全なシンドロームを蓄積するのに使用するために元に戻されることを特徴とする方法。
- 記録担体上に記憶されたデータを再生する装置において、該装置は前記担体からデータを読み取るためのピックアップを含むディスク移送手段と、前記担体からデータを回復する信号処理手段と、前記担体から読み取られた前記データを復号すると共に該データに含まれるエラー訂正コードに基づいてエラー訂正するデコーダとを有し、前記ピックアップは複チャンネルを並列に読み取って前記担体上に記録されたデータの第1シーケンスにおける複数の副シーケンスを回復するように構成され、前記デコーダが請求項1ないし12の何れか一項に記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とする装置。
- 復号されるべきデータの第1シーケンスにおける複数の副シーケンスを並列に入力する入力手段を有するデコーダにおいて、該デコーダが請求項1ないし12の何れか一項に記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とするデコーダ。
- 請求項14に記載のデコーダにおいて、該デコーダは、内側及び外側訂正用エラー訂正器と、チャンネル毎に少なくとも1つの外側エラー訂正シンドロームを記憶するためのバッファと、データのブロックの終了に出会った後に部分的シンドロームを外部メモリに転送する手段とを含むような集積回路を有していることを特徴とするデコーダ。
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