JP2004509352A - 着色プラスチック物品及び／又は容器内容物の光学的検査、評価及び管理用の装置及び方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、着色物品中の欠陥を検出する装置及び方法に関する。特に、本発明は、プラスチック着色物品を近赤外範囲内の放射線に露光させ；前記物品から戻るか又はそれを通過する放射線を測定し；そして前記戻った又は通過した放射線を解析して、その物品又はその中の内容物についての欠陥データを提供することからなる。

Description

【０００１】
発明の分野
本発明は、暗色に着色したプラスチック物品及び暗色に着色したプラスチック物品中の内容物に於ける欠陥を示すために使用することができる、画像形成装置に関する。
【０００２】
発明の背景
着色プラスチック物品中の、及びまたプラスチック容器内容物の検査に於ける、欠陥の品質評価及び品質管理を提供するニーズがプラスチック産業界に於いて存在する。人による目視検査及び４００ｎｍ〜７００ｎｍの波長で作動するカメラを使用するその他の技術に基づく現在の装置及び方法は、着色物品、特に暗色に着色している物品中の、その欠陥又は欠如を示すために、非常に高強度の光を使用しなくてはならない。また、暗色に着色した容器内の充填高さレベルを検出することは容易ではない。更に、透明容器内に包装された暗色飲料中の異物又はその他の望ましくない物体は、現在利用可能な技術によって容易に見分けることができない。
【０００３】
ニュージャージー州フェアフィールド（Ｆａｉｒｆｉｅｌｄ）のエレクトロフィジックス社（Ｅｌｅｃｔｒｏｐｈｙｓｉｃｓ）は、ミクロンビューアー赤外ビューイングＴＶカメラ（Ｍｉｃｒｏｎ Ｖｉｅｗｅｒ Ｉｎｆｒａｒｅｄ Ｖｉｅｗｉｎｇ ＴＶ Ｃａｍｅｒａ）を販売している。ミクロンビューアー７２９０ＩＲビューアー用の技術ノート、第４頁には、「可視光に対して不透明である物体及び材料は、より長い波長の近赤外線に対して透明である」と記されている。しかしながら、シリコンウェーハ及びヒ化ガリウムウェーハ並びにゲルマニウム含有物品の評価のみが開示されている。
【０００４】
特許文献１には、鏡の配置を使用する、ボトルの外形、型及び色をチェックするための容器検査装置が開示されている。欠陥について暗色に着色したボトルを検査する方法は開示されていない。
【０００５】
特許文献２には、ハロゲンランプを使用する、透明なポリエチレンシートを検査する装置が開示されている。特許文献３には、透明なポリエチレンケーブルジャケット用の近赤外検査システムが開示されている。
【０００６】
特許文献４には、透明なガラス容器のための近赤外検査装置が開示されている。
【０００７】
【特許文献１】
米国特許第５，７２９，３４０号
【特許文献２】
米国特許第４，６９２，７９９号
【特許文献３】
米国特許第４，９８８，８７５号
【特許文献４】
米国特許第６，０６７，１５５号
【０００８】
発明の簡単な要約
本発明は、着色物品中の欠陥の評価及び／又は品質管理のための装置に関する。この装置及び方法は、また、容器内容物を検査するために使用することもできる。この装置は、約４００ｎｍ〜約１０００ｎｍの波長範囲をカバーする可視光及び近赤外光に感受性であるカメラ並びに画像を表示するためのモニターからなる。可視波長を阻止するが近赤外波長を透過する光学フィルターを、カメラの上に使用して、物品中の欠陥のより大きいコントラスト及びより容易な同定並びに容器内容物の検査をもたらすことができる。この装置は、ポリエチレンテレフタレート琥珀色プリフォーム中の、泡、結晶性曇り及び微粒子を同定するために、成功裡に使用された。また、この装置は、着色容器の充填高さを可視化し、透明なポリエチレンテレフタレート容器中の暗色に着色した飲料の内容物を検査するために使用された。
【０００９】
特に、本発明は、プラスチック着色物品を近赤外範囲内の放射線に露光させ；前記物品から戻るか又はそれを通過する放射線を測定し；そして前記戻った又は通過した放射線を解析して、その物品又はその中の内容物についての欠陥データを提供することを含んでなる方法に関する。
【００１０】
詳細な説明
本発明は、高度に着色した物品中の欠陥を検出する装置に関する。本発明の装置は、また、品質管理用に使用することができ、成形装置に戻して結合させ、成形条件のリアルタイム管理及び調節を提供することができる。本発明の装置は、また、着色容器の内容物の充填レベルを検出及び／又は管理するのに使用することができる。
【００１１】
本発明は、また、着色物品中の欠陥の検出及び／又は管理方法に関する。本発明の方法は、また、着色容器の内容物の充填レベルを検出及び／又は管理するのに使用することができる。
【００１２】
欠陥には、これらに限定されないが、結晶性曇り、未溶融ポリマー、空気泡、ボイド、異物粒子、黒色斑点、多層構造物中の内層の終結（ｔｅｒｍｉｎａｔｉｏｎ）、多層構造物中の内層中の穴、内容物充填レベル、内容物中の異物及びその他の望ましくない異常が含まれる。欠陥は、性能特性及び部分品質への負の影響を有する。本発明の方法及び装置は、人の眼に黒く見え、人、又は可視範囲（約４００ｎｍ〜約７００ｎｍ）内で感受性の光学装置、によって検査することが困難である物品又は物品の内容物を検査するとき、特に有用である。本発明の目的のために、「着色」は、測定される厚さで、約４００ｎｍ〜約７００ｎｍの範囲（可視範囲）に亘る光の約２５％未満を透過することを意味する。更に明瞭には、可視範囲に亘る透過は、約４００ｎｍ〜約７００ｎｍの範囲に亘る平均透過値を意味する。即ち、４００〜５００ｎｍで１００％透過及び５００〜７００ｎｍで５０％透過を有する物品は、約６７％の範囲に亘る平均透過を有することになろう。本発明の方法及び装置は、非常に低い透過％を有する物品は、一般的な方法によって評価することが最も困難であるので、これらの物品のために特に有用である。従って、約２０％より小さい、そして約１５％より小さい透過％を有する物品が、本発明によって特に利益を受ける。本発明を使用して評価することができる物品について可視範囲内の透過％での下限は存在しないが、この物品は、少なくとも近赤外領域の部分に於いて、幾らかの透過、好ましくは少なくとも約１０％の透過を有していなくてはならない。透過％は、ハンターラボ（ＨｕｎｔｅｒＬａｂ）・ユニバーサル・ソフトウエア（バージョン３．８）を走らせるハンターラボ・ウルトラスキャン比色計（ＨｕｎｔｅｒＬａｂ ＵｌｔｒａＳｃａｎ Ｃｏｌｏｒｉｍｅｔｅｒ）を使用し、Ｄ６５光源（昼光６５００°Ｋ色温度）を使用して測定することができる。
【００１３】
本発明の方法及び装置を使用して評価することができる物品には、これらに限定されないが、ペレット、反応器ストランド（ｒｅａｃｔｏｒ ｓｔｒａｎｄ）、反応器内容物、パリソン、プリフォーム、ボトル、容器、フィルム、シート、繊維、熱成形物品、射出成形部品、押出異形材、パイプ、他のプラスチックス物品並びにコーラ、紅茶、コーヒー、他の飲料、モーター油、ゼリー、醤油等のような容器内容物さえも含まれる。装置の範囲内で十分な透過を有する任意の容器内容物を、本発明に従って画像形成することができる。容器内容物について、内容物の固体％及び吸収が透過に影響を与えるであろうことが認められるべきである。更に、この装置及び方法は、容器内容物の検査に有用である。容器内容物の検査は、所望の充填高さの確認及び管理に有用である。充填高さを管理し、確認することに加えて、この装置は、汚染物質、異物又は均一性若しくはその欠落の測定のために容器内容物を検査するのに使用することができる。
【００１４】
本発明の物品は、前記の透過特性を有する種々のプラスチックスから製造することができる。適当なプラスチックスには、前記の光透過特性を有する、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ナイロン、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー（ＥＶＯＨ）、ポリアルコールエーテル、全芳香族ポリエステル、レゾルシノール二酢酸ベースのコポリエステル、ポリアルコールアミン、イソフタル酸エステル含有ポリエステル、ＰＥＮ及びそのコポリマー並びにそれらの混合物、コポリマー及び多層物等が含まれる。物品が食品接触用を意図している態様に於いて、ポリエステルが好ましい。この材料には、広範囲の種々の当該技術分野で公知の任意の着色剤を含むことができる。
【００１５】
適当なポリアミドには、部分的芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、全芳香族ポリアミド及びこれらの混合物が含まれる。「部分的芳香族ポリアミド」は、部分的芳香族ポリアミドのアミド結合が、少なくとも１個の芳香族環及び非芳香族種を含有することを意味する。
【００１６】
適当なポリアミドは、フィルム形成分子量、好ましくは約０．４より大きいＩ．Ｖ．を有する。全芳香族ポリアミドは、分子鎖中に、少なくとも約７０モル％の、ｍ−キシリレンジアミン又はｍ−キシリレンジアミンを含有するキシリレンジアミン混合物及び約３０％以下のｐ−キシリレンジアミン並びに炭素数６〜１０のα，ω−脂肪族ジカルボン酸から誘導された構造単位を含み、これは特公昭５０−１１５６号、同５０−５７５１号、同５０−５７３５号及び同５０−１０１９６号並びに特開昭５０−２９６９７号に更に記載されている。
【００１７】
イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、メタ−又はパラ−キシリレンジアミン、１，３−又は１，４−シクロヘキサン（ビス）メチルアミン、炭素数６〜１２の脂肪族二酸、炭素数６〜１２の脂肪族アミノ酸又はラクタム、炭素数４〜１２の脂肪族ジアミン並びにその他の一般的に公知のポリアミド形成性二酸及びジアミンから形成されたポリアミドを使用することができる。また、低分子量ポリアミドには、少量の、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸二無水物又は当該技術分野で公知の他のポリアミド形成性ポリ酸及びポリアミンのような三官能性又は四官能性コモノマーが含有されていてよい。
【００１８】
好ましい部分的芳香族ポリアミドには、ポリ（ｍ−キシリレンアジパミド）、ポリ（ヘキサメチレンイソフタルアミド）、ポリ（ヘキサメチレンアジパミド−共−イソフタルアミド）、ポリ（ヘキサメチレンアジパミド−共−テレフタルアミド）及びポリ（ヘキサメチレンイソフタルアミド−共−テレフタルアミド）等が含まれる。最も好ましい部分的芳香族ポリアミドはポリ（ｍ−キシリレンアジパミド）である。
【００１９】
好ましい脂肪族ポリアミドには、ポリ（ヘキサメチレンアジパミド）及びポリ（カプロラクタム）等が含まれる。最も好ましい脂肪族ポリアミドは、ポリ（ヘキサメチレンアジパミド）である。部分的芳香族ポリアミドが、良好な熱特性が極めて重要である場合に、脂肪族ポリアミドを越えて望ましい。
【００２０】
好ましい脂肪族ポリアミドには、ポリカプラミド（ナイロン６）、ポリアミノヘプタン酸（ナイロン７）、ポリアミノナノン酸（ナイロン９）、ポリウンデカンアミド（ナイロン１１）、ポリラウリルラクタム（ナイロン１２）、ポリエチレンアジパミド（ナイロン２，６）、ポリテトラメチレンアジパミド（ナイロン４，６）、ポリヘキサメチレンアジパミド（ナイロン６，６）、ポリヘキサメチレンセバカミド（ナイロン６，１０）、ポリヘキサメチレンドデカミド（ナイロン６，１２）、ポリオクタメチレンアジパミド（ナイロン８，６）、ポリデカメチレンアジパミド（ナイロン１０，６）、ポリドデカメチレンアジパミド（ナイロン１２，６）及びポリドデカメチレンセバカミド（ナイロン１２，８）が含まれる。
【００２１】
適当なポリカーボネートには、部分的芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、全芳香族ポリカーボネート及びこれらの混合物が含まれる。「部分的芳香族ポリカーボネート」は、部分的芳香族ポリカーボネートのカーボネート結合が少なくとも１個の芳香族環及び非芳香族種を含有することを意味する。
【００２２】
ホスゲン若しくはホスゲン等価物と芳香族若しくは脂肪族ジオールとから形成されるポリカーボネート又はこれらの混合物を使用することができる。「ホスゲン等価物」は、２当量のアルコールとの反応でカーボネート結合を与える化合物を意味する。ホスゲン等価物の例には、チオホスゲン及びジフェニルカーボネートが含まれる。芳香族又は脂肪族ジオールの好ましい例には、これらに限定されないが、ビスフェノールＡ、ビスフェノールＥ、ビスフェノールＦ、ビスフェノールＭ、ビスフェノールＰ、ビスフェノールＳ、ビスフェノールＺ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等を含むＣ_２〜Ｃ_２０脂肪族ジオールが含まれる。芳香族又は脂肪族ジオールの更に好ましい例にはビスフェノールＡ及びビスフェノールＳが含まれる。
【００２３】
適当なポリスチレンには、スチレン、α−メチルスチレン等から形成され、当該技術分野で公知である付加重合により製造されるポリマーが含まれる。一般用のポリスチレンは、しばしば、クリスタルポリスチレンと呼ばれ、これはポリマーの透明性を指し、その形態を指すものではない。適当なポリスチレンには、純粋なアタクチックスチレン（フィナクリスタル（ＦＩＮＡＣＲＹＳＴＡＬ））である「クリスタルスチレン」から、スチレン−ブタジエン−スチレン（ＳＢＳ）ゴム（Ｋ−樹脂及びフィナクリアー（ＦＩＮＡＣＬＥＡＲ））のようなゴム変性系、シンジオタクチックポリスチレン及び耐衝撃性ポリスチレン（ＨＩＰＳ）のような低ゴム変性系までが含まれる。ポリスチレンは、これらに限定されないが、ダウ・ケミカル社（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ）（スチロン（ＳＴＹＲＯＮ）ポリスチレン）及びノバ・ケミカルス社（Ｎｏｖａ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ）（ＮＡＳ、ザイラー（ＺＹＬＡＲ）ポリスチレン並びにクリスタル及び耐衝撃性ポリスチレン）を含む多数の会社から市販されている。包装用に適した任意のグレードを使用することができる。
【００２４】
鹸化したエチレン−酢酸ビニルコポリマー（以下、「ＥＶＯＨ」と呼ぶ）は、１５〜６０モル％のエチレン含有量を有するエチレン−酢酸ビニルコポリマーを、９０〜１００％の鹸化度まで鹸化することによって製造されたポリマーである。ＥＶＯＨコポリマーは、フィルム形成のために十分な分子量及びフェノール／水溶媒（８５：１５）中で３０℃で測定したとき、一般的に少なくとも０．０１ｄＬ／ｇ、特に少なくとも０．０５ｄＬ／ｇの粘度を有していなくてはならない。
【００２５】
適当なポリアルコールエーテルには、米国特許第４，２６７，３０１号及び米国特許第４，３８３，１０１号に記載されているような、ヒドロキノンとエピクロロヒドリンとの反応から誘導されるフェノキシ樹脂が含まれる。これらの材料には、また、レゾルシノール単位が含有されていてよく、実際に、芳香族残基のためのヒドロキノン単位に対向するものとして全てレゾルシノール単位であってよい。
【００２６】
適当な全芳香族ポリエステル（しばしば、液晶ポリマー又はＬＣＰと呼ばれる）は、テレフタル酸、イソフタル酸、２，６−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、２，６−ナフタレンジカルボン酸、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビフェノール、ビスフェノールＡ、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸等からなる繰り返し単位から形成される。
【００２７】
適当な二酢酸レゾルシノールコポリマーは、米国特許第４，４４０，９２２号及び米国特許第４，５５２，９４８号に記載されており、テレフタル酸、エチレングリコール及びテレフタレート単位を置き換えた組成物中の５〜１００モル％の変性用二酸のコポリエステルからなる。この変性用二酸は、ｍ−フェニレンオキシ二酢酸又はｐ−フェニレンオキシ二酢酸である。これらの二酸の何れか一方は、それ自体で又はコポリエステルの製造に於ける混合物として使用することができる。
【００２８】
適当なポリアルコールアミンには、レゾルシノールビスグリシジルエーテルとエタノールアミンのようなアルカノールアミンとの反応又はヒドロキノンビスグリシジルエーテルとアルカノールアミンとの反応から誘導されるものが含まれる。これらのビスグリシジルエーテルの混合物を、コポリマーの製造に於いて使用することも明らかに可能である。
【００２９】
適当なイソフタレート含有ポリエステルには、少なくとも１種の、イソフタル酸を含む（好ましくは、少なくとも１０モル％）カルボン酸と少なくとも１種の、エチレングリコールを含むグリコールとから誘導される繰り返し単位からなるポリエステルが含まれる。
【００３０】
適当なＰＥＮ及びＰＥＮコポリマーには、少なくとも１種の、ナフタレンジカルボン酸を含む（好ましくは、少なくとも１０モル％）カルボン酸と少なくとも１種の、エチレングリコールを含むグリコールとから誘導される繰り返し単位からなるポリエステルが含まれる。適当なポリエステルは、一般的に当該技術分野で公知であり、芳香族ジカルボン酸、ジカルボン酸のエステル、ジカルボン酸エステルの無水物、グリコール及びこれらの混合物から形成することができる。本明細書で使用されるとき、用語「ジカルボン酸からの繰り返し単位」は、前記ジカルボン酸のエステル及び無水物からの繰り返し単位を含む。適当な部分的芳香族ポリエステルは、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、２，６−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、２，６−ナフタレンジカルボン酸、１，２−、１，３−及び１，４−フェニレンジオキシド酢酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、１，４−シクロヘキサンジメタノール、１，４−ブタンジオール及びこれらの混合物からなる繰り返し単位から形成される。
【００３１】
好ましい構造ポリエステルは、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、２，６−ナフタレンジカルボン酸ジメチル及びこれらの混合物からなる繰り返し単位からなる。更に好ましくは、構造層に使用されるポリエステルは、ジカルボン酸成分中で少なくとも約５０モル％、最も好ましくは少なくとも約７０モル％のテレフタル酸からなる。
【００３２】
このポリエステルのジカルボン酸成分は、任意的に、１種又はそれ以上の異なるジカルボン酸（約３０モル％以下、更に好ましくは約２０モル％以下）で変性することができる。このような追加のジカルボン酸には、好ましくは炭素数８〜１４の芳香族ジカルボン酸、好ましくは炭素数４〜１２の脂肪族ジカルボン酸又は好ましくは炭素数８〜１２のシクロ脂肪族ジカルボン酸が含まれる。テレフタル酸と共に含有させるべきジカルボン酸の例は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−２，６−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−４，４’−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、これらの混合物等である。
【００３３】
好ましくは、グリコール成分はエチレングリコールからなる。このグリコール成分は、任意に、エチレングリコール以外の１種又はそれ以上の異なったジオール（好ましくは、約２０モル％以下）で変性されていてよい。このような追加のジオールには、好ましくは炭素数６〜２０のシクロ脂肪族ジオール又は好ましくは炭素数３〜２０の脂肪族ジオールが含まれる。このようなジオールの例には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、１，４−シクロヘキサンジメタノール、プロパン−１，３−ジオール、ブタン−１，４−ジオール、ペンタン−１，５−ジオール、ヘキサン−１，６−ジオール、３−メチルペンタンジオール−（２，４）、２−メチルペンタンジオール−（１，４）、２，２，４−トリメチルペンタンジオール−（１，３）、２−エチルヘキサンジオール−（１，３）、２，２−ジエチルプロパン−ジオール−（１，３）、ヘキサンジオール−（１，３）、１，４−ジ−（ヒドロキシエトキシ）−ベンゼン、２，２−ビス−（４−ヒドロキシシクロヘキシル）−プロパン、２，４−ジヒドロキシ−１，１，３，３−テトラメチル−シクロブタン、２，２−ビス−（３−ヒドロキシエトキシフェニル）−プロパン、２，２−ビス−（４−ヒドロキシプロポキシフェニル）−プロパン、ヒドロキシエチルレゾルシノール、これらの混合物等々が含まれる。炭素数１〜３のアルキレン鎖を有する置換されていないポリ（アルキレングリコール）、炭素数が少なくとも４のアルキレン鎖を有する置換された又は置換されていないポリ（アルキレングリコール）、ポリ（アルキレングリコール）のコポリマー及びポリ（アルキレングリコール）を含有するブレンド物のようなポリエーテルが含有されていてもよい。ポリエステルは、上記のジオールの２種又はそれ以上から製造することができる。ＰＥＴは、延伸吹込成形容器のような多くの包装応用のために好ましい樹脂である。
【００３４】
また、樹脂には、少量の、トリメリト酸無水物、トリメチロールプロパン、ピロメリト酸二無水物、ペンタエリトリトール及び当該技術分野で一般的に公知であるその他のポリエステル形成性ポリ酸又はポリオールのような、三官能性又は四官能性コモノマーが含有されていてよい。
【００３５】
ポリエステルは、それらの全てが当該技術分野で公知であり、ここで説明する必要のない一般的な方法によって製造することができ、
【００３６】
本発明のポリマーには、追加の添加物又は成分が含有されていてよい。適当な添加物には、これらに限定されないが、核生成剤、分枝剤、着色剤、顔料、充填材、酸化防止剤、紫外線及び熱安定剤、耐衝撃性改良剤、再加熱改良助剤、結晶化助剤、アセトアルデヒド低減用添加剤、酸素捕獲化合物、バリヤー改良添加物等が含まれる。
【００３７】
本発明の装置を図６に示す。これに限定されないがプリフォームのような物品３が、放射線源１からの実質的に近赤外領域中にある放射線２に曝露される。適当な放射線源には、白熱電球、石英水銀灯、ハロゲンランプ、アーク灯、金属酸化物ランプ、発光ダイオード、レーザー等が含まれる。本発明の目的のために、近赤外領域は、約７００ｎｍ〜約２０００ｎｍ、好ましくは約７００ｎｍ〜約１１００ｎｍに拡張される。実質的部分が近赤外の範囲内である限り、光の他の波長が放射線源によって発光されてもよいことが理解されるべきである。近赤外内のみの光を出す光源を使用することによって、画像のコントラストを増強させることができ、前記の光学フィルターを使用することなく欠陥のより容易な可視化が可能になり、これがある種の態様に於いて好ましいであろう。
【００３８】
放射線は物品を貫通し及び／又は物品から戻る。これには、散乱、反射及び透過が含まれる。吸収された放射線は、放射線源によって発光された放射線から、通過した放射線及び戻った放射線を差し引くことによって、容易に計算することができる。通過した及び戻った放射線４は、検出器５によって測定される。適当な検出器には、ホトダイオードのような電子光検出器、セレン酸鉛検出器のような熱検出器、線形ＣＣＤ　ＣＭＯＳアレーのような線形検出アレー、電荷結合素子（ＣＣＤ）、電荷注入素子（ｃｈａｒｇｅ ｉｎｊｅｃｔｅｄ ｄｅｖｉｃｅ）（ＣＩＤ）、相補形金属酸化物半導体（ＣＭＯＳ）をベースにするカメラのような、近赤外に波長感度を有する電子カメラが含まれる。可視波長を阻止するが近赤外波長を透過する光学フィルター（図示せず）を検出器上に使用して、より大きいコントラスト並びにより容易な物品中の欠陥の同定及び容器内容物の検査を得ることができる。適当なフィルターは当該技術分野で公知であり、これらに限定されないが、着色ガラス又はプラスチックの吸収フィルター又は干渉フィルター、帯域フィルター又は長波長フィルター等々が含まれる。フィルターは、検出器上及び／又は放射線源上に使用することができる。また、望ましくない（可視）波長からの望ましい光の波長（近赤外）の分離を増強させて、より大きい感度を得るために、フィルターの組合せを使用することもできる。これは、例えば、着色ガラス及び干渉ダブレットからなるフィルターの層を形成することによって達成できる。
【００３９】
検出器５からの出力を、処理装置７で処理して、画像又は工程管理データを得、これを物品成形又は取り扱い工程９を管理するために使用することができる。画像を望む場合、処理装置７は、単純なビデオディスプレー、コンピュータ内のビデオキャプチャーカード等々であってよい。また、処理装置は、画像情報を処理し、物品の加工又は取り扱いのための管理システムと接続されるか又は管理システムの中に組み込まれるコンピュータであってよい。また、処理装置は、欠陥を指示しそしてシステムから欠陥物品を拒絶する電子インジケータであってよい。
【００４０】
この処理装置は、欠陥のサイズ及び量の定量的決定、充填高さの確認及び管理、異物についての容器内容物の検査等々のような、品質管理目的のための画像を処理するために使用することができる。
【００４１】
本発明は、使用し、設置することが一層簡単である、着色プラスチック物品及び／又はその内容物のための品質管理装置を提供する。本発明の装置を設置するために必要な実際の部屋は、同様により小さい。更に、光源は、プラスチックに悪影響を与えず、カメラと共に装着することができる、低出力ＬＥＤであってよい。
【００４２】
本発明を、その態様の下記の実施例によって示すことができるけれども、これらの実施例は、単に例示の目的のために含められ、他の方法で特に示されない限り本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるであろう。本発明をその好ましい態様を特に参照して詳細に記載したが、変形及び修正を本発明の精神及び範囲内で実施できることが理解されるであろう。
【００４３】
実施例
下記の実施例では、画像形成キャプチャーカード６を介してコンピュータ（処理装置７）に取り付けられた検出器５のために、マーシャル・エレクトロニクス社（Ｍａｒｓｈａｌ Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ）（カリフォルニア州カルバーシティ（Ｃｕｌｖｅｒ Ｃｉｔｙ））、部品番号Ｖ−１０５５ＣＣＤカメラを使用した。マーシャル・エレクトロニクス社（カリフォルニア州カルバーシティ）によって供給されたレインボーＨ６ｍｍレンズ、部品番号Ｖ−４９０６Ｒをカメラに取り付けた。近赤外領域内の画像は、レンズの前に取り付けた、約７５０ｎｍよりも長い波長を透過するコリオン（Ｃｏｒｉｏｎ）ＬＧ−７５０光学フィルターを使用して撮った。比較例について、ＬＧ−７５０フィルターを、可視光を透過するが、７００ｎｍより長い波長を阻止するコリオンＬＳ−７００光学フィルターで置き換えた。カメラ及びレンズと組み合わせてコリオンＬＳ−７００フィルターを使用することによって、人の眼を使用して観察されるものと類似の画像が得られる。全ての画像は、フォステック（Ｆｏｓｔｅｃ）１５０Ｗ白熱電球光源（放射線源１）を使用し、光ファイバー照明器を使用して得た。
【００４４】
比較例１
図１は、上記のカメラ、レンズ及びＬＳ−７００フィルターを使用して得られた。画像中の物品は、欠陥がないように見え、琥珀色着色ポリエチレンテレフタレート（アンバーガード（ＡＭＢＥＲＧＵＡＲＤ）、イーストマン・ケミカル社（Ｅａｓｔｍａｎ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ））プリフォーム（３９ｇ、底断面の厚さ２５０ミル及び側壁厚さ２００ミル（ビールプリフォーム））である。取り込まれた画像は、プリフォームが可視波長で暗く見え、プリフォームは人の眼には殆ど黒に見える。
【００４５】
実施例１
上記の比較例１で画像形成したプリフォームを、上記のカメラ、レンズ及びＬＧ−７５０フィルターを使用して、再び画像形成した。得られた画像を図２に示す。このプリフォームは透明に見え、欠陥を示さなかった。
【００４６】
比較例２
それが微粒子を含有していた以外は、比較例１に従って琥珀色着色プリフォームを製造し、上記のカメラ、レンズ及びＬＳ−７００フィルターを使用して画像形成した。この画像は図３に示され、人の眼には殆ど黒に見えるプリフォームを示す。欠陥は、人の眼によって又は画像中で見ることができない。
【００４７】
実施例２
比較例２で画像形成したプリフォームを、本発明の装置を使用して画像形成した。この画像を図４に示す。本発明の装置及び方法によって示されたこの画像は、可視範囲内で認識できなかった、プリフォーム中の微粒子欠陥を明瞭に示している。
【００４８】
比較例３
結晶性曇り及び大きいボイドを有する以外は、比較例１と同じポリマーの琥珀色プリフォームを、上記のカメラ、レンズ及びＬＳ−７００フィルターを使用して可視範囲内で画像形成した。この画像を図７に示す。得られた画像は、人の眼には殆ど黒に見えるプリフォームを示した。欠陥は見ることができず、ボイドはこの画像内で僅かに見えるのみであった。
【００４９】
実施例３
比較例３で画像形成したプリフォームを、上記のカメラ、レンズ及びＬＧ−７５０フィルターを使用して再び画像形成した。取り込まれた得られた画像（図８）は、プリフォームの底に暗くなった「球」として目に見える大きいボイド欠陥及び画像内でミルク状曇りのように見える結晶性曇りを明らかに示している。
【００５０】
比較例４
比較例１と同じポリマーの２個の琥珀色プリフォーム（１個は曇りが無く、１個は曇りを含む）を、上記のカメラ、レンズ及びＬＳ−７００フィルターを使用して画像形成した。この画像を図５に示す。このプリフォームは暗く見え、人の眼には殆ど黒に見える。欠陥は、何れのプリフォームに於いても人の目には見えず、画像中に何も取り込まれていない。
【００５１】
実施例４
比較例４で画像形成した２個のプリフォームを、本発明の方法及び装置（上記のカメラ、レンズ及びＬＧ−７５０フィルター）を使用して画像形成した。得られた画像を図６に示す。この画像に於いて、左側のプリフォームは、良好な品質であり及び欠陥がないことを見ることができるが、他方、右側のプリフォームには結晶性曇りが観察される。比較例４に於いて、これらのプリフォームは殆ど区別できなかった。しかしながら、本発明を使用すると、曇りに於いて実質的な差異が存在することが明らかである。これらの例は、明らかに、本発明によってもたらされた驚くべき改良を示している。
【００５２】
実施例５
黒色個人用ケア容器（ｐｅｒｓｏｎａｌ ｃａｒｅ ｃｏｎｔａｉｎｅｒ）［１２５ｍＬ、４．２液量オンス、高さ７ １／８インチ、幅２ １／４インチ、無定形ＰＥＴ］を、上記のカメラ、レンズ及びＬＳ−７００フィルター（可視領域）並びにカメラ、レンズ及びＬＧ−７５０フィルター（本発明）を使用して画像形成した。これらの画像を、それぞれ図９及び図１０に示す。図９は、可視波長で暗く見え、中の水が人の眼にも又は画像中でも見えない容器を示している。しかしながら、図１０に於いては、容器は透明であり、水レベルが明瞭に見える。
【００５３】
実施例６
コーラ炭酸入り飲料を含有する非着色１６オンスポリエステル容器（側壁厚さ１２ミル）を、カメラ、レンズ及びＬＳ−７００フィルター（可視領域）並びにカメラ、レンズ及びＬＧ−７５０フィルター（本発明）を使用して観察した。容器の内容物は、可視領域内でモニター上では暗く見え、人の眼には殆ど黒に見えた。しかしながら、本発明に従って近赤外範囲内で画像形成したとき、容器の内容物を汚染物質について検査することができ、容器の反対側の物体を見ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図１】
欠陥の無い琥珀色着色ポリエチレンテレフタレートプリフォームの写真である。この写真は、近赤外光阻止、可視光通過フィルターを取り付けたカメラで撮影した。
【図２】
可視光阻止、近赤外光透過フィルターを取り付けたカメラを使用した、図１に写真で示したプリフォームの写真である。
【図３】
近赤外光阻止、可視光透過フィルターを取り付けて撮影した琥珀色プリフォームの写真で、欠陥は見えない。
【図４】
可視光阻止、近赤外光透過フィルターを取り付けたカメラを使用した、図３に示した琥珀色プリフォームの写真である。微粒子欠陥が明瞭に見える。
【図５】
近赤外光阻止、可視光透過フィルターを取り付けたカメラを使用した、２個の琥珀色着色ポリエチレンテレフタレートプリフォームの写真である。
【図６】
可視光阻止、近赤外光透過フィルターを取り付けたカメラを使用した、図５に示した琥珀色着色ポリエチレンテレフタレートプリフォームの写真である。底画像の左側のプリフォームは透明であり、一方、右側のプリフォームは結晶性曇りを示す。
【図７】
近赤外光阻止、可視光透過フィルターを取り付けたカメラを使用した、曇りを含有する琥珀色プリフォームの写真である。
【図８】
可視光阻止、近赤外光透過フィルターを取り付けたカメラを使用した、図７に於ける琥珀色プリフォームの写真である。結晶性曇りがプリフォーム中のミルク状曇りとして明瞭に目に見える。
【図９】
近赤外光阻止、可視光透過フィルターを取り付けたカメラを使用して撮った、黒色個人用ケア容器の写真である。
【図１０】
可視光阻止、近赤外光透過フィルターを取り付けたカメラを使用して撮った、図９に示した黒色パーソナルケア容器の写真である。図１０に於いて、容器はきれいで、透明に見える。更に、容器内部の水の充填高さが目に見える。
【図１１】
本発明の装置の略図である。

Claims (24)

1. プラスチック着色物品を近赤外範囲の放射線に露光させ；
   前記物品から戻るか又はその物品を通過する放射線を測定し；そして
   前記戻った又は通過した放射線を解析して、前記物品又はその内容物についての欠陥データを提供する方法。
2. 前記近赤外範囲が約７００ｎｍ〜約２０００ｎｍである請求項１に記載の方法。
3. 前記近赤外範囲が約７００ｎｍ〜約１１００ｎｍである、請求項１に記載の方法。
4. 前記欠陥データが曇り、非溶融物、泡、ボイド、斑点、粒子、多層構造物中の内層の終結、多層構造物中の内層中の穴、内容物充填レベル及び内容物中の異物からなる群から選択されたデータを含む請求項１に記載の方法。
5. 前記測定工程を電子カメラによって実施する請求項１に記載の方法。
6. 前記欠陥データ使用して、前記物品を形成する工程条件を管理又は調節する工程を更に含む請求項１に記載の方法。
7. 前記欠陥データ使用して、その中に許容できないレベルの欠陥を有する物品を除く工程を更に含む請求項１に記載の方法。
8. 前記放射線が空間的に歪んでいないデータを提供するようにパルス化される請求項１に記載の方法。
9. 前記プラスチックがポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニルコポリマー（ＥＶＯＨ）、ポリアルコールエーテル、全芳香族ポリエステル、レゾルシノール二酢酸ベースのコポリエステル、ポリアルコールアミン、イソフタル酸エステル含有ポリエステル、ＰＥＮ及びそのコポリマー、それらの混合物、コポリマー及び多層物からなる群から選択される請求項１に記載の方法。
10. 前記プラスチックが少なくとも１種のポリエステルを含む請求項９に記載の方法。
11. 前記物品が、ポリマーペレット、反応器ストランド、反応器内容物、パリソン、プリフォーム、ボトル、容器、フィルム、シート、繊維、熱成形物品、射出成形部品、押出異形材、パイプ及び容器内容物からなる群から選択される請求項１に記載の方法。
12. 前記物品が、プリフォーム、容器、ボトル及び容器内容物からなる群から選択される請求項１１に記載の方法。
13. 前記物品がプリフォーム及び容器からなる群から選択される請求項１１に記載の方法。
14. 前記物品が、コーラ、紅茶、コーヒー、モーター油、ゼリー、醤油からなる群から選択された容器内容物を含む請求項１１に記載の方法。
15. 前記着色物品が約４００ｎｍ〜約７００ｎｍの範囲に亘る光の約２５％未満を透過する請求項１に記載の方法。
16. 着色物品に放射線を発光するように配置された近赤外放射線源及び前記着色物品から戻る又はそれを通過する放射線を測定するように配置された検出器かを含んでなる装置。
17. 画像又は工程管理データを提供することができる処理装置を更に含む請求項１６に記載の装置。
18. 放射線源が白熱電球、石英水銀灯、ハロゲンランプ、アーク灯、金属酸化物ランプ、発光ダイオード及びレーザーからなる群から選択される請求項１６に記載の装置。
19. 前記放射線源が約７００ｎｍ〜約２０００ｎｍの放射線を発光する請求項１６に記載の装置。
20. 前記放射線源が約７００ｎｍ〜約１１００ｎｍの放射線を発光する請求項１６に記載の装置。
21. 前記検出器が電子光検出器、熱検出器、線形検出アレー及び近赤外に波長感度を有する電子カメラからなる群から選択される請求項１６に記載の装置。
22. 可視波長を阻止するが近赤外波長を透過し、放射線源、検出器又は両方と共に使用される光学フィルターを更に含む請求項１６に記載の装置。
23. 前記工程管理データが前記物品を形成する又は取り扱うための工程を管理するのに使用する請求項１７に記載の装置。
24. 着色した内容物をその中に含有するプラスチック物品を近赤外範囲内の放射線に露光させ；前記物品及び内容物から戻るか又はそれらを通過する放射線を測定し；そして
    前記戻った又は通過した放射線を解析して、前記物品又はその中の内容物についての欠陥データを提供することを含んでなる方法。