JP2004509226A - 強化されたプラスチック及びその調製 - Google Patents
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Abstract
Description
[発明の技術分野]
本発明は、強化されたプラスチック及びその調製に、より詳しくは、粉末状のゴム及び擬延性のプラスチックを混ぜることによって得られる高い靭性をもつプラスチックに、少量の粉末状ゴム及び結晶性プラスチックを混ぜることによって得られる高い剛性及び靭性の両方をもつプラスチックに、並びに、これらのプラスチックの調製に対する工程に関する。
【0002】
[発明の背景]
一種の広範に使用される材料としてのプラスチックは、人々の注意をますます引くようになってきた。POLYMER INTERNATIONAL VOL.29,No.3,p229−247(1992)に出版された、アメリカにおけるDuPont Co.のSouheng Wuによって書かれた論文に記載されるように、プラスチックを、高分子鎖の異なる特徴及び性質によって擬延性のプラスチック及び脆性のプラスチックに分類してもよい。約0.15mmol/mlより小さい鎖の絡み合い密度(Ve)及び約7.5より大きい特性比(C∞)をもつプラスチックは、外部衝撃エネルギーが、主として基材からひび割れを形成することによって散逸される、脆性のプラスチックに属する。一方、約0.15mmol/mlより大きい鎖の絡み合い密度(Ve)及び約7.5より小さい特性比(C∞)をもつプラスチックは、外部衝撃エネルギーが、主として基材からのせん断降伏を発生させることによって散逸される、擬延性のプラスチックに属する。擬延性のプラスチック又は脆性のプラスチックのいずれかの靭性を、ゴムを混ぜることによって、さらに改善することができる。
【0003】
多くの科学者は、プラスチクを強化するための理論及び方法における広範囲な調査をしてきた。1980年代に、Souheng Wuは、分散したゴム粒子間の距離τが所定の臨界距離τcより小さいとき、プラスチックにおける脆性−靭性の転移が起こることを示す、プラスチックを強化するための浸出モデルを提案した。ゴム相の粒子間の距離τ及びゴム相の粒子の直径(d)の間の関係式は、次式d=τ[k(π/φr)1/3−1]−1を満たすので、脆性−靭性の転移は、ゴム粒子の直径(d)が、臨界直径dcより小さいとき、起こる。言いかえれば、分散したゴム粒子の大きさが小さければ小さいほど、脆性−靭性の転移は、強化されるプラスチックに対してより容易に起こる。強化されたプラスチックにゴムを使用する先行技術において、ゴムは、強化剤として役立ち、強化されたプラスチックを得るためのプラスチックと混ざる。例えば、US4517319は、アメリカにおけるDuPont Co.が、強化されたポリオキシメチレンに対してポリウレタンのエラストマーを選択したことを開示し、EP120711及びEP121407は、ドイツにおけるHoechstが、強化されたポリオキシメチレンに対してジエンのグラフト重合体のエラストマーを選択したことを開示し、EP117664は、日本におけるASAHI KASEI KABUSHIKI KAISHAが、強化されたポリオキシメチレンに対してスチレンのブロック共重合体のエラストマーを選択したことを開示し、フランスにおけるATOCHEM Co.のFR8519421、FR8803877、FR9512701及びFR9609148、日本におけるMITSUI CHEMICALS INC.のJP127503/97、並びに日本におけるKISHIMOTO SANGYO CO.LTD.のJP190634/97及びJP190635/97は、強化されたポリアミドに対して無水マレイン酸−グラフトエチレン−プロピレンゴムを使用するような、強化されたプラスチックにゴムを使用する技術を開示した。しかしながら、上述の特許は、以下の欠点を有する。(1)現在の技術レベルでは、狭い範囲内で分散したゴム相の粒子の分布及び200nmより小さい大きさを制御することは困難である。より多量のゴムが、脆性−靭性の転移に必要であり、それによって強化されたプラスチクの剛性を減少させることを導く。(2)ゴム相の粒子の大きさは、不安定であり、すなわち、ゴム相の粒子の大きさは、加工の間におけるせん断速度のような加工パラメータの変化と共に常に変動する。(3)ゴム相の粒子の大きさは、少しも均一ではない。(4)ゴムの含有量は、40パーセントを超えることはできず、さもなければ、強化されたプラスチックの劣った特性を導く、“浪−浪”の形態学的構造の発現を、相の反転さえ、導くことになる。
【0004】
加えて、靭性及び剛性は、プラスチックの二つの重要な機械的性質であるので、所望の剛性を保つと同時にプラスチックの靭性を十分に改善する方法は、すなわち、剛性及び靭性の均衡をもつ材料を得ることは、常に望まれる目的である。現在では、プラスチックの靭性を有効に改善することができる方法は、プラスチックを強化するためのエラストマー材料を使用すること、例えば、PPを強化するためのEPR又はEPDMを使用すること、ポリエステルを強化するためのアクリルゴムを使用することなどである。しかしながら、強化剤としてエラストマーを使用することは、プラスチックの、曲げ強度及び曲げ弾性率などのような、剛性を同時に減少させることになる。今までに、ゴムのようなエラストマーを使用することのみによる靭性及び剛性の両方の改善に関する報告はない。
プラスチックの靭性を、それらの剛性を保つと同時に、改善するために、ゴムを(雲母、滑石のような)硬質の無機フィラーと混ぜる工程は、一般的に、プラスチックを変性させるために使用される。言いかえれば、プラスチックの靭性は、ゴム相の添加によって引き起こされる剛性の減少が、添加された無機フィラーによって補償されると同時に、弾性ゴム相によって改善される。しかしながら、無機フィラーを増強の目的に使用するとき、使用されるフィラーの量は、一般的に比較的多く(100重量のプラスチックを基準として20重量部より多い)、プラスチックの密度を増加させること、強化されたプラスチックの加工特性を劣らせることなどのような、様々な逆の影響を強化されたプラスチックに負わせることになる。
【0005】
加えて、無機の硬質の粒子もまた、プラスチックの剛性を減少させないと同時に、いくらかのプラスチック(所定の靭性をもつプラスチック)を強化するために使用してもよい、すなわち、いわゆる硬質の粒子を強化する方法(Dongming Li及びZongneng Qi,“The fracture of CaCO3 reinforced polypropylene composite”,Polymer Material Science & Engineering,1991,No.2,p18−25参照)。しかしながら、硬質の粒子を強化する方法に関する限り、その強化する効果は、非常に限定され、その方法は、ある工業規模では適用されず、まだ調査開発の下にある。
【0006】
無機ナノ粒子もまた、剛性を保つと同時に、強化する目的のために使用される。例えば、ACTA POLYMERIC SINICA,No.1,p99−104(2000)(中国)は、SiO2の含有量が、1.5乃至5パーセントであるとき、室温でPPにおける強化する及び増強する効果の両方を有する、ポリプロピレンを強化するためのナノ−SiO2の使用を開示する。しかしながら、工業的な加工に間に、プラスチックを強化するための無機ナノ−粒子の使用は、まだ、最終的な強化する効果に影響する、樹脂の基材における比較的乏しい分散のような、いくつかの問題を引き起こす。
【0007】
[発明の要約]
広範囲で徹底的な調査を実行した後、発明者は、上述の強化剤以外であり、その粒子の大きさがナノスケールに到達し得ると共にそれを樹脂において容易に分散させることができる、ゴム強化剤として使用されるようなある種の特異的な粉末状のゴムを見出した。従来のゴム強化剤と比較して、本発明に係る強化剤は、それを、比較的高い配合量(100重量部のプラスチックを基準として10重量部より多い)で擬延性のプラスチックを強化するために使用するとき、大いに良好な強化する効果を有する。同じ強化する目標に到達するとき、本発明に係るゴム強化剤の量は、実質的に他のものより少なくてもよく、それによって、本発明に係る強化剤によって強化されたプラスチックの剛性の喪失が、従来のゴムによって強化されたプラスチックのものより少なく、剛性−靭性の均衡の比較的理想的な効果の達成を容易にする。さらに、使用される量が、比較的少ないとき、いくつかの樹脂、特に、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びPBTなどのような、いくつかの結晶性プラスチックに関する限りでは、本発明に係るゴム強化剤は、プラスチックの靭性及び剛性の両方を同時に改善することができ、プラスチック材料における粉末状のゴムの良好な分散が保証される限りは、靭性及び剛性の優れた均衡を達成するために材料の熱変形温度及び結晶化温度もまた改善することができる。これは、結晶性プラスチックへ添加された非常に少量の超微粒の粉末状ゴムが、強化剤としてだけでなく、増強剤としても機能し得ることを示す。
【0008】
従って、本発明の一つの目的は、高い靭性をもつプラスチックを提供することであり、ここで、ゴム相は、小さい平均粒度を有し、それは、均一及び安定である。相の反転は、たとえゴムの含有量が、70重量パーセントまでであるとしても、起こらないことになり、ゴムは、常に分散相として保たれる。高い靭性をもつプラスチックは、上述の剛性もまた維持すると同時に、比較的高い靭性を有する。
【0009】
本発明の別の目的は、少量の超微粒の粉末状のゴム強化剤を含有する、高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックを提供することである。高い靭性及び高い剛性の両方をもつプラスチックは、純粋なプラスチックの基材と比較して、より高い剛性及び靭性を所有する。
【0010】
本発明のまた別の目的は、単純であると共に操作することが容易である、高い靭性をもつプラスチック又は高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックを調製するための工程を提供することである。
【0011】
本発明の第一の態様は、以下の成分、約0.15mmol/mlより大きい高分子鎖の絡み合い密度(Ve)及び約7.5より小さい特性比(C∞)をもつ擬延性のプラスチック、並びに20乃至200nmの平均粒度をもつゴム粒子、を含む、高い靭性をもつプラスチックを提供することであり、ここで、ゴム粒子のプラスチックに対する重量比は、0.5:99.5乃至70:30の範囲にある。強化されたプラスチックは、剛性及び靭性の良好な均衡の不可欠な特性を有する。
【0012】
本発明の第二の態様は、以下の成分、結晶性プラスチック及び20乃至500nmの平均粒度をもつゴム粒子、を含む、高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックを提供し、ここで、プラスチックの基材へ添加されるゴム粒子の量は、100重量部のプラスチックの基材を基準として0.3乃至5重量部である。
【0013】
本発明の第三の態様は、20乃至200nmの平均粒度を有するゴム粒子をもつ、約0.15mmol/mlより大きい高分子鎖の絡み合い密度(Ve)及び約7.5より小さい特性比(C∞)をもつ、擬延性のプラスチックを混ぜることを含む、本発明に係る高い靭性をもつプラスチックを調製するための工程を提供し、ここで、ゴム粒子のプラスチックに対する重量比は、0.5:99.5乃至70:30である。
【0014】
本発明の第四の態様は、結晶性プラスチックを20乃至500nmの平均粒度を有するゴム粒子と融解して混ぜることを含む、高い剛性及び高い靭性をもつプラスチックを調製するための工程を提供し、ここで、プラスチックの基材へ添加されるゴム粒子の量は、100重量部のプラスチックの基材を基準として0.3乃至5重量部である。
【0015】
[発明の詳細な説明]
本発明に係る高い靭性をもつプラスチックにおいて、ゴム粒子のプラスチックに対する重量比は、0.5:99.5乃至70:30、好ましくは、5:95乃至50:50である。ゴム粒子の平均粒度は、20乃至200nm、好ましくは、50乃至150nmである。
【0016】
本発明に係る高い靭性をもつプラスチックにおいて、連続相として使用されるようなプラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカルボナート、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、又はポリウレタンなどからなる群から選択してもよい、約0.15mmol/mlより大きい高分子鎖の絡み合い密度(Ve)及び約7.5より小さい特性比(C∞)をもつ擬延性のプラスチックである。
【0017】
本発明に係る高い靭性をもつプラスチックにおいて、分散相として使用されるゴム粒子は、均質なミクロ構造をもつゴム粒子、好ましくは、60パーセント以上のゲルの含有量をもつ架橋したゴム粒子である。ゴム粒子は、特に少なくとも一つの以下の十分に加硫された粉末状のゴム、十分に加硫された粉末状の天然ゴム、十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴム、十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴム、十分に加硫された粉末状のブタジエン−アクリロニトリルゴム、十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−アクリロニトリルゴム、十分に加硫された粉末状のクロロブタジエンゴム、十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴム、十分に加硫された粉末状のシリコーンゴム、又は十分に加硫された粉末状のアクリルゴムなど、を含むが限定はされない、1999年12月3日に出願された発明者の中国特許出願番号99125530.5(その全文は、ここでは参照によって組み込まれる)に従って得られた十分に加硫された粉末状のゴムであり、その調製は、上述の中国特許出願番号99125530.5に述べられる。十分に加硫された粉末状のゴムは、60パーセントより多いゲルの含有量をもつ分散した微粒のゴムの粉末であり、分配剤の添加なしに乾燥後に自由に流動することができる。粒子状のゴム粒子の粒子の大きさを、放射線架橋によって固定することができる。十分に加硫された粉末状のゴムを、プラスチックと混合するとき、粒子は、プラスチックに均一に安定して分散することが非常に容易であり、凝集することが困難であり、非常に小さい粒子の大きさを保つことができる。
【0018】
本発明に係る高い靭性をもつプラスチックは、小さく均一で安定な粒子の大きさを有すると共にゴムのプラスチックに対する高い比を得ることが容易であるゴム相を含有し、高い靭性及び良好な加工性を有し、非常に広範な分野に適用可能である。
【0019】
本発明に係る高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックにおいて、使用されるゴム粒子の量は、100重量部のプラスチックの基材を基準として0.3乃至5重量部、好ましくは0.5乃至2重量部である。ゴム粒子の平均粒度は、20乃至500nm、好ましくは50乃至300nmである。
【0020】
本発明に係る高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックにおいて、連続相として使用されるプラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)などからなる群から選択してもよい、結晶性プラスチックである。
【0021】
本発明に係る高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックにおいて、分散相として使用されるゴム粒子は、均質なミクロ構造を有するゴム粒子、好ましくは、60パーセント以上のゲルの含有量をもつ架橋したゴム粒子である。ゴム粒子は、1999年12月3日に出願された発明者の中国特許出願番号99125530.5(その全文は、ここでは参照によって組み込まれる)に従って得られる十分に加硫された粉末状のゴムであってもよく、ゴム粒子の詳細は、高い靭性をもつプラスチックに関する議論において上述のようなものである。十分に加硫された粉末状のゴムは、60パーセントより多いゲルの含有量を有すると共に分配剤の添加なしに乾燥後自由に流動することができる、分散した微粒のゴムの粉末である。十分に加硫された粉末状のゴムを、ゴムラテックスの放射線架橋によって得ることができる。十分に加硫された粉末状のゴムをプラスチックと混合するとき、粒子は、プラスチックに均一に安定に分散することが非常に容易であり、凝集することが困難であり、非常に小さい粒子の大きさを保つことができる。
【0022】
本発明に係る高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックは、小さく均一で安定な粒子の大きさをもつゴム相を含有し、高い剛性、高い靭性、より高い熱変形温度、及び良好な加工性を有し、非常に広範な分野に適用可能である。
【0023】
本発明に係る高い靭性をもつプラスチックを、約0.15mmol/mlより大きい高分子鎖の絡み合い密度(Ve)及び約7.5より小さい特性比(C∞)をもつ擬延性のプラスチックを20乃至200nmの平均粒度をもつ上述のゴム粒子と混ぜることによって、得ることができる。ゴム粒子の平均粒度は、50乃至150nmである。ゴム粒子のプラスチックに対する重量比は、0.5:99.5乃至70:30、好ましくは5:95乃至50:50である。
【0024】
本発明に係る高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックを、結晶性プラスチックを20乃至500nmの平均粒度をもつ上述のゴム粒子と混ぜることによって、得ることができる。プラスチックの基材へ添加されるゴム粒子の量は、100重量部のプラスチックの基材を基準として0.3乃至5部、好ましくは0.5乃至2部である。ゴム粒子の平均粒度は、好ましくは50乃至300nmである。
【0025】
本発明に係る、高い靭性をもつプラスチック並びに高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックを調製するための工程において、十分に加硫された粉末状のゴムを、乾燥した架橋した粉末の形態で、又は未乾燥の架橋したラテックスの形態で添加してもよい。
【0026】
上述の調製において、材料のブレンド温度は、プラスチックの基材の溶融又は軟化温度に依存すると共にプラスチックを分解させることなくプラスチックの基材の完全な溶融を保証することができる範囲内で選択するべきである、従来のプラスチックの工程において通常使用されるブレンド温度である。さらに、その工程の要求に従って、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、及び混和剤などのような、プラスチックの加工に従来使用される補助剤を、適当な量で混ぜた材料へ添加してもよい。
【0027】
本発明で使用されるブレンド設備は、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、二本ロール機、又は密閉式混合機などから選択してもよい、ゴム及びプラスチックの加工で通常使用される一般的なブレンド設備である。
【0028】
本発明に係る、高い靭性をもつプラスチック又は高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックを調製するための工程は、単純であると共に操作することが容易であり、様々なプラスチックを強化する目的に適用可能である。
【0029】
[例]
以下の例は、本発明をさらに説明するために与えられ、本発明の範囲を限定すると理解され得ない。本発明の範囲は、請求項で定義されることになる。
【0030】
[高い靭性をもつプラスチックの調製例]
例1及び2:
十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴム(以下のように得られる、Lanzhou Latex Research Centerから入手可能なブタジエン−スチレン−50ラテックスに、乾燥重量のブタジエン−スチレンラテックスを主材料とした、架橋補助剤として使用される3パーセントのトリメチロールプロパン=トリアクリラートを添加する。混合物に、2.5メガラドである吸収線量で放射線照射加硫を受けさせ、次に噴霧乾燥を受けさせる。得られた粉末状のゴムは、100nmの平均粒度及び90.4パーセントのゲルの含有量を有する)及びポリプロピレン粉末(Tianjin Second Petroleum−Chemical Factoryから入手可能な、名称:Model 3−1)及び酸化防止剤1010(スイス、Ciba−Geigyから入手可能な)を均一に混合する。
【0031】
ブレンド及びペレット成形を、押出機の各ゾーンに対する温度がそれぞれ170℃、185℃、190℃、190℃、190℃、及び190℃(ダイ温度)である(ドイツにおけるWerner&Pfleiderer Co.によって製造される)ZSK−25二軸スクリュー押出機において実行する。具体的な調合物を表1に挙げ、ここで、十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴム及びポリプロピレンの成分の含有量を、重量部で測定し、酸化防止剤の含有量を、全ての成分の合計の重量パーセントで測定する。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表1に挙げる。
【0032】
比較例1:
例1で使用したポリプロピレンの粉末及び酸化防止剤を均一に混合し、次に例1で使用したものと同じ条件を使用して二軸スクリュー押出機においてペレット製造する。具体的な調合物及び得られた結果を表1に挙げる。
【0033】
例3:
十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴム(例1で使用したものと同じ)及びポリプロピレンのペレット(T30S、中国、Jinan Refinery)及び酸化防止剤1010(スイス、Ciba−Geigy)を均一に混合し、次に例1に上述したような同じ加工条件下で二軸スクリュー押出機において混ぜると共にペレット製造する。具体的な調合物を表1に挙げ、ここで、十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴム及びポリプロピレンの成分の含有量を、重量部で測定し、酸化防止剤の含有量を、全ての成分の合計の重量パーセントで測定する。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表1に挙げる。
【0034】
比較例2:
例3で使用したポリプロピレンのペレット及びエチレン=プロピレン三元共重合体のペレット(3745、DuPont Dow Co.)を、9乃至1の重量比で均一に混合し、酸化防止剤1010(例1で使用したものと同じ)を添加する。混合物を、例1で上述するような同じ加工条件下で押出機において混ぜると共にペレット製造する。得られたペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質の様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表1に挙げる。
【0035】
【表1】
例4及び5:
十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴム(以下のように得られる、Yanshan Petroleum−Chemical Co.から入手可能なXSBRL−54B1と称するカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンラテックスに、乾燥重量のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンラテックスを主材料とした、架橋補助剤として使用される3パーセントのイソオクチル=アクリラートを添加する。混合物に、2.5メガラドである吸収線量で放射線照射加硫を受けさせ、次に噴霧乾燥を受けさせる。得られた粉末状のゴムは、150nmの平均粒度及び92.6パーセントのゲルの含有量を有する。)、ナイロン6(1013B、日本、UBE INDUSTRIES,LTD.)、ステアリン酸カルシウム(化学的純粋級、中国、Beijing Changyang Chemical Factory)、及び超微粒滑石(1250メッシュ、中国、Hebei Luquan Architectural Materials Factory)を均一に混合する。ブレンド及びペレット成形を、押出機の各ゾーンに対する温度がそれぞれ230℃、235℃、240℃、240℃、240℃、及び235℃(ダイ温度)である(ドイツにおけるWerner&Pfleiderer Co.によって製造される)ZSK−25二軸スクリュー押出機において実行する。具体的な調合物を表2に挙げ、ここで、十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴム及びナイロン6の成分の含有量を、重量部で測定し、他の補助剤の含有量を、全ての成分の合計の重量パーセントで測定する。ペレットを乾燥させ、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表2に挙げる。図1は、例5における試料の原子間力顕微鏡写真を示し(倍率は40,000である)、ここで、黒い陰は、ナイロン6の基材に分散した十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴム粒子を示す。
【0036】
比較例3:
例4で使用したナイロン6、ステアリン酸カルシウム及び超微粒滑石を均一に混合し、例4で使用したものと同じ条件を使用して二軸スクリュー押出機においてペレット製造する。具体的な調合物、試験規格、及び得られた結果を表2に挙げる。
【0037】
比較例4:
例4で使用したナイロン6及びアクリルゴム(Lucite44−N、アメリカにおけるDuPont Co.)及び例4で使用したステアリン酸カルシウム及び超微粒滑石を均一に混合し、次に例4で使用したものと同じ条件を使用して、二軸スクリュー押出機において混ぜると共にペレット製造する。具体的な調合物を表2に挙げ、ここで、アクリルゴム及びナイロン6の成分の含有量を、重量部で測定し、他の補助剤を、全ての成分の合計の重量パーセントで測定する。試験規格及び特性の結果を表2に挙げる。
【0038】
比較例5:
例4で使用したナイロン6及び例4で使用したPOE−g−MAH(DFDA1373、アメリカにおけるUnited Carbide Co.)及びステアリン酸カルシウム及び超微粒滑石を均一に混合し、次に例4で使用したものと同じ条件を使用して、二軸スクリュー押出機において混ぜると共にペレット製造する。具体的な調合物を表2に挙げ、ここで、POE−g−MAH及びナイロン6の成分の含有量を、重量部で測定し、他の補助剤を、全ての成分の合計の重量パーセントで測定する。試験規格及び特性の結果を表2に挙げる。
【0039】
例6:
粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴムのナイロン6に対する比を15:85に変えることを除いて、例4及び5の手順を繰り返す。試験規格及び得られた結果を表2に挙げる。
【0040】
【表2】
例7及び8:
十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴム(以下のように得られる、Yanshan Petroleum−Chemical Co.からのカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴムラテックスXSBRL−54B1に、乾燥重量のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴムラテックスを主材料とした、架橋補助剤として使用される3パーセントのイソオクチル=アクリラートを添加する。混合物に、2.5メガラドである吸収線量で放射線照射加硫を受けさせ、次に噴霧乾燥を受けさせる。得られた粉末状のゴムは、150nmの平均粒度及び92.6パーセントのゲルの含有量を有する。)、ポリオキシメチレン(4520、日本におけるASAHI KASEI KABUSHIKI KAISHA)、ステアリン酸カルシウム(化学的純粋級、Beijing Changyang Chemical Factory)、ポリエチレンワックス(化学的純粋級、Beijing University of Chemical Technology)、酸化防止剤1010(スイスにおけるCiba−Geigy)、及び超微粒滑石(1250メッシュ、Hebei Luquan Architectural Materials Factory)を均一に混合する。ブレンド及びペレット成形を、押出機の各ゾーンに対する温度がそれぞれ175℃、180℃、185℃、185℃、180℃、及び175℃(ダイ温度)である(ドイツにおけるWerner&Pfleiderer Co.によって製造される)ZSK−25二軸スクリュー押出機において実行する。具体的な調合物を表3に挙げ、ここで、十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴム及びポリオキシメチレンの成分の含有量を、重量部で測定し、他の補助剤の含有量を、全ての成分の合計の重量パーセントで測定する。ペレットを乾燥させ、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表3に挙げる。
【0041】
比較例6:
例7で使用したポリオキシメチレン、ステアリン酸カルシウム、酸化防止剤1010、ポリウレタンワックス、及び超微粒滑石を均一に混合し、例7で使用したものと同じ条件を使用して二軸スクリュー押出機においてペレット製造する。具体的な調合物、試験規格、及び得られた結果を表3に挙げる。
【0042】
比較例7:
例7で使用したポリオキシメチレン及びアクリルゴム(Lucite44−N、アメリカにおけるDuPont Co.)及び例7で使用したステアリン酸カルシウム及び超微粒滑石を均一に混合し、次に例7で使用したものと同じ条件を使用して、二軸スクリュー押出機において混ぜると共にペレット製造する。具体的な調合物を表3に挙げ、ここで、アクリルゴム及びポリオキシメチレンの成分の含有量を、重量部で測定し、他の補助剤を、全ての成分の合計の重量パーセントで測定する。試験規格及び得られた結果を表3に挙げる。
【0043】
【表3】
例9:
十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム(以下のように得られる、Beijing Oriental Chemical Factoryから入手可能なブチル=アクリラートゴムラテックスBC−01に、乾燥重量のブチル=アクリラートゴムラテックスを主材料とした、架橋補助剤として使用される3パーセントのイソオクチル=アクリラートを添加する。混合物に、2.5メガラドである吸収線量で放射線照射加硫を受けさせ、次に噴霧乾燥を受けさせる。得られた粉末状のゴムは、100nmの平均粒度及び87.7パーセントのゲルの含有量を有する。)及びポリカルボナート(141R、アメリカにおけるGeneral Electronics Co.)を均一に混合する。ブレンド及びペレット成形を、押出機の各ゾーンに対する温度がそれぞれ265℃、270℃、275℃、275℃、270℃、及び265℃(ダイ温度)である(ドイツにおけるWerner&Pfleiderer Co.によって製造される)ZSK−25二軸スクリュー押出機において実行する。具体的な調合物を表4に挙げ、ここで、十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム及びポリカルボナートの成分の含有量を、重量部で測定する。ペレットを乾燥させ、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表4に挙げる。
【0044】
比較例8:
例9で使用したポリカルボナートを、直接、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表4に挙げる。
【0045】
【表4】
[高い剛性及び高い靭性の両方をもつプラスチックの調製例]
例10:
ポリプロピレンのペレット(T30S、中国、Jinan Refinery)及び十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴム(以下のように得られる、Jilin Chemical Synthesized Resin Factoryからのポリブタジエンゴムラテックス0700に、乾燥重量のゴムラテックスを主材料とした、架橋補助剤として使用される3パーセントのトリメチロールプロパン=トリアクリラートを添加する。混合物に、2メガラドである吸収線量で放射線照射加硫を受けさせ、次に噴霧乾燥を受けさせる。得られた粉末状のゴムは、280nmの平均粒度及び88.5パーセントのゲルの含有量を有する。)及び酸化防止剤1010(スイス、Ciba−Geigy)を配合し、ここで、100重量部のプラスチックを基準とした具体的な組成は、100部のポリプロピレン、0.5部の十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴム、及び0.5部の酸化防止剤である。ブレンド及びペレット成形を、押出機の各ゾーンに対する温度がそれぞれ170℃、185℃、190℃、190℃、190℃、及び190℃(ダイ温度)である(ドイツにおけるWerner&Pfleiderer Co.によって製造される)ZSK−25二軸スクリュー押出機において実行する。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。得られた結果を表5に挙げる。
【0046】
例11:
条件は、例10で使用した十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴムの量を1部に変えることを除いて、例10で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表5に挙げる。
【0047】
例12:
条件は、例10で使用した十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴムの量を1.5部に変えることを除いて、例10で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表5に挙げる。
【0048】
例13:
条件は、例10で使用した十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴムの量を2部に変えることを除いて、例10で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表5に挙げる。
【0049】
比較例9:
例10で使用したポリプロピレンのペレットを、直接、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表5に挙げる。
【0050】
比較例10:
条件は、例11で使用した十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴムをブタジエン−スチレンゴム(1502、中国、Jilin Organic Synthesis Factory)と置き換えることを除いて、例11で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表5に挙げる。
【0051】
例14:
ポリプロピレンの粉末(Model3−1、中国、Tianjin Second Petroleum−Chemical Factory)及び十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴムラテックス(以下のように得られる、45パーセントの固体含有量を有する、Lanzhou Latex Research Centerから入手可能なブタジエン−スチレン−50ゴムラテックスに、乾燥重量のブタジエン−スチレンゴムラテックスを主材料とした、架橋補助剤として使用される3パーセントのトリメチロールプロパン=トリアクリラートを添加する。混合物に、2.5メガラドである吸収線量で放射線照射加硫を受けさせる。ゴムラテックスの粒子は、100nmの平均粒度及び90.4パーセントのゲルの含有量を有する。)及び酸化防止剤1010(スイス、Ciba−Geigy)を配合し、ここで、重量部で測定した具体的な組成は、100部のポリプロピレン、2部の(乾燥重量のゴムラテックスを主材料とした)十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴムラテックス、及び0.5部の酸化防止剤である。ブレンド及びペレット成形を、押出機の各ゾーンに対する温度がそれぞれ170℃、185℃、190℃、190℃、190℃、及び190℃(ダイ温度)である(ドイツにおけるWerner&Pfleiderer Co.によって製造される)ZSK−25二軸スクリュー押出機において実行する。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。得られた結果を表5に挙げる。
【0052】
比較例11:
例14で使用した、ポリプロピレンの粉末及び酸化防止剤を、混合すると共に押し出しし、次に標準試験片に射出成形し、機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表5に挙げる。
【0053】
【表5】
例15:
十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム(以下のように得られる、Beijing Oriental Chemical Factoryから入手可能なブチル=アクリラートゴムラテックスBC−01に、乾燥重量のブチル=アクリラートゴムラテックスを主材料とした、架橋補助剤として使用される3パーセントのイソオクチル=アクリラートを添加する。混合物に、2.5メガラドである吸収線量で放射線照射加硫を受けさせ、次に噴霧乾燥を受けさせる。得られた粉末状のゴムは、100nmの平均粒度及び87.7パーセントのゲルの含有量を有する。)、ポリエチレンテレフタラート(固有粘度は、0.76である、中国、Yanshan Petroleum−Chemical Co.)、ステアリン酸カルシウム(化学的純粋級、中国、Beijing Changyang Chemical Factory)、及び超微粒滑石(1250メッシュ、中国、Hebei Luquan Architectural Materials Factory)を均一に混合し、ここで、重量部で測定した具体的な組成は、0.5部の十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム、100部のポリエチレンテレフタラート、0.3部のステアリン酸カルシウム、及び0.3部の超微粒滑石である。ブレンド及びペレット成形を、押出機の各ゾーンに対する温度がそれぞれ260℃、280℃、280℃、280℃、285℃、及び280℃(ダイ温度)である(ドイツにおけるWerner&Pfleiderer Co.によって製造される)ZSK−25二軸スクリュー押出機において実行する。ペレットを乾燥させ、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表6に挙げる。
【0054】
例16:
条件は、例15で使用した成分の割合を、1部の十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム、100部のポリエチレンテレフタラートに変えることを除いて、例15で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表6に挙げる。
【0055】
例17:
条件は、例15で使用した成分の割合を、2部の十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム、100部のポリエチレンテレフタラートに変えることを除いて、例15で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表6に挙げる。
【0056】
例18:
条件は、例15で使用した成分の比を、5部の十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム、100部のポリエチレンテレフタラートに変えることを除いて、例15で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表6に挙げる。
【0057】
比較例12:
(例15で使用したものと同じ)ポリエチレンテレフタラートを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表6に挙げる。
【0058】
【表6】
例19:
十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム(例15で使用したものと同じ)、ポリブチレンテレフタラート(4500、固有粘度は、1.02である、BASF Co.)、ステアリン酸カルシウム(化学的純粋級、中国、Beijing Changyang Chemical Factory)、及び超微粒滑石(1250メッシュ、中国、Hebei Luquan Architectural Materials Factory)を均一に混合し、ここで、重量部で測定した具体的な組成は、0.5部の十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム、100部のポリブチレンテレフタラート、0.3部のステアリン酸カルシウム、及び0.3部の超微粒滑石である。ブレンド及びペレット成形を、押出機の各ゾーンに対する温度がそれぞれ220℃、240℃、240℃、240℃、245℃、及び240℃(ダイ温度)である(ドイツにおけるWerner&Pfleiderer Co.によって製造される)ZSK−25二軸スクリュー押出機において実行する。ペレットを乾燥させ、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。試験規格及び得られた結果を表7に挙げる。
【0059】
例20:
条件は、例19で使用した成分の割合を、1部の十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム、100部のポリブチレンテレフタラートに変えることを除いて、例19で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表7に挙げる。
【0060】
例21:
条件は、例19で使用した成分の割合を、2部の十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム、100部のポリブチレンテレフタラートに変えることを除いて、例19で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表7に挙げる。
【0061】
例22:
条件は、例19で使用した成分の割合を、5部の十分に加硫された粉末状のブチル=アクリラートゴム、100部のポリブチレンテレフタラートに変えることを除いて、例19で使用したものと同じである。ペレットを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表7に挙げる。
【0062】
比較例13:
(例19で使用したものと同じ)ポリブチレンテレフタラートを、標準試験片に射出成形し、次に機械的性質に関する様々な試験を受けさせる。機械的試験から得られた結果を表7に挙げる。
【0063】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】
倍率が40,000である、例5で得られた試料の原子間力顕微鏡写真である。
Claims (22)
- 約0.15mmol/mlより大きい高分子鎖の絡み合い密度(Ve)及び約7.5より小さい特性比(C∞)を備えた擬延性のプラスチック、並びに20乃至200nmの平均粒度を備えたゴム粒子を含み、
前記ゴム粒子の前記プラスチックに対する重量比は、0.5:99.5乃至70:30である、高い靭性を備えたプラスチック。 - 前記擬延性のプラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカルボナート、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、及びポリウレタンから選択されることを特徴とする請求項1記載の高い靭性を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子の前記平均粒度は、50乃至150nmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の高い靭性を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子の前記プラスチックに対する前記重量比は、5:95乃至50:50であることを特徴とする請求項1記載の高い靭性を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子は、均質なミクロ構造を備えたゴム粒子であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の高い靭性を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子は、60重量パーセント以上のゲルの含有量を備えた架橋したゴム粒子であることを特徴とする請求項5記載の高い靭性を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子は、十分に加硫された粉末状のゴムであることを特徴とする請求項6記載の高い靭性を備えたプラスチック。
- 前記十分に加硫された粉末状のゴムは、次の材料、十分に加硫された粉末状の天然ゴム、十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴム、十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴム、十分に加硫された粉末状のブタジエン−アクリロニトリルゴム、十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−アクリロニトリルゴム、十分に加硫された粉末状のクロロブタジエンゴム、十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴム、十分に加硫された粉末状のシリコーンゴム、及び十分に加硫された粉末状のアクリルゴムの少なくとも一つから選択されることを特徴とする請求項7記載の高い靭性を備えたプラスチック。
- 約0.15mmol/mlより大きい高分子鎖の絡み合い密度(Ve)及び約7.5より小さい特性比(C∞)を備えた擬延性のプラスチックを、20乃至200nmの平均粒度を有するゴム粒子と混ぜることを含み、
前記ゴム粒子の前記プラスチックに対する重量比は、0.5:99.5乃至70:30である、請求項1乃至8いずれか1項記載の高い靭性を備えたプラスチックを調製する方法。 - 前記ゴム粒子は、十分に加硫された粉末状のゴムであることを特徴とする請求項9記載の方法。
- 前記十分に加硫された粉末状のゴムは、乾燥した架橋した粉末の形態で、又は乾燥した架橋したゴムラテックスの形態で添加されることを特徴とする請求項10記載の方法。
- 結晶性プラスチック、及び20乃至500nmの平均粒度を備えたゴム粒子を含み、
前記プラスチックの基材に添加される前記ゴム粒子の量は、100重量部の前記プラスチックの基材を基準として0.3乃至5重量部である、高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチック。 - 前記結晶性プラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタラート、及びポリエチレンテレフタラートから選択されることを特徴とする請求項12記載の高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子の前記平均粒度は、50乃至300nmの範囲にあることを特徴とする請求項12記載の高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチック。
- 前記プラスチックの基材に添加される前記ゴム粒子の量は、100重量部の前記プラスチックを基準として0.5乃至2部であることを特徴とする請求項12記載の高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子は、均質なミクロ構造を備えたゴム粒子であることを特徴とする請求項12乃至15いずれか1項記載の高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子は、60重量パーセント以上のゲルの含有量を備えた架橋したゴム粒子であることを特徴とする請求項16記載の高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチック。
- 前記ゴム粒子は、十分に加硫された粉末状のゴムであることを特徴とする請求項17記載の高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチック。
- 前記十分に加硫された粉末状のゴムは、次の材料、十分に加硫された粉末状の天然ゴム、十分に加硫された粉末状のブタジエン−スチレンゴム、十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−スチレンゴム、十分に加硫された粉末状のブタジエン−アクリロニトリルゴム、十分に加硫された粉末状のカルボキシル基をもつブタジエン−アクリロニトリルゴム、十分に加硫された粉末状のクロロブタジエンゴム、十分に加硫された粉末状のポリブタジエンゴム、十分に加硫された粉末状のシリコーンゴム、及び十分に加硫された粉末状のアクリルゴムの少なくとも一つから選択されることを特徴とする請求項18記載の高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチック。
- 結晶性プラスチックを20乃至500nmの平均粒度を有するゴム粒子と混ぜることを含み、
前記プラスチックの基材に添加される前記ゴム粒子の量は、100重量部の前記プラスチックの基材を基準として0.3乃至5重量部である、請求項12乃至19いずれか1項記載の高い剛性及び高い靭性の両方を備えたプラスチックを調製する方法。 - 前記ゴム粒子は、十分に加硫された粉末状のゴムであることを特徴とする請求項20記載の方法。
- 前記十分に加硫された粉末状のゴムは、乾燥した架橋した粉末の形態で、又は乾燥した架橋したゴムラテックスの形態で添加されることを特徴とする請求項21記載の方法。
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