JP2004509176A - 洗浄性組成物 - Google Patents

Abstract

調理器具及び食器から食品の調理汚れ、焼きつき又は焦げつきを除去する方法であって、有機溶媒系の存在で自動食器洗い機で調理器具／食器を洗浄することを含む。このとき、有機溶媒系は、約５０重量％未満の揮発性有機含量及び約１００ｐｐｍ〜約１０，０００ｐｐｍの洗浄液体における濃度を有する。本法は、有機溶媒組成物及び食器洗い洗剤組成物を複数の区画を有する容器に詰め、これらの容器から組成物を放出することを含む。本法は、従来の自動食器洗い方法では除去が非常に困難な頑固な汚れに対して、優れた除去能力を提供する。

Description

【０００１】
（産業上の利用分野）
本発明は食器洗いの分野における発明であり、特に調理器具及び食器から調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するのに好適な食器洗い方法に関する。
【０００２】
（発明の背景）
調理汚れ、焼きつき及び焦げつきは、表面から除去するのが最も困難な汚れの一種である。伝統的に、調理器具及び食器から調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するには、機械的な洗浄の前に汚れた物品を水に浸けることが必要である。明らかに、自動食器洗い機による方法だけでは、調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを十分に除去することは難しいと考えられる。手で食器を洗う方法では、調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するために非常に強くこする必要があり、調理器具／食器の安全性や状態に有害なことがある。
【０００３】
調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去しやすくするには、溶媒を含有する洗浄性組成物を使用することが当該技術分野において既知である。例えば、米国特許第５，１０２，５７３号では、調理汚れ、焼きつき又は乾燥した食品かすで汚れた硬質表面を処理する方法を提示しており、この方法では、汚れた物品にプレスポット用組成物を適用する。適用する組成物は、界面活性剤、ビルダー、アミン及び溶媒を含有する。米国特許第５，９２９，００７号では、固くなったり、乾燥したり、あるいは焼きついた油汚れの沈着物を除去するために、硬質表面用水性洗浄性組成物を提示している。この組成物は、非イオン性界面活性剤、キレート化剤、腐食剤、グリコールエーテル溶媒系、有機アミン及び再付着防止剤を含有する。ＷＯ−Ａ−９４／２８１０８号は、希釈してより粘稠な使用溶液を作成することができる水性洗浄剤濃縮組成物を開示している。この使用溶液は、棹状ミセル増粘剤組成物、低分子アルキルグリコールエーテル溶媒及び硬質金属イオン封鎖剤による効果的な粘稠度を有する。その適用例として、食品の焼きつき汚れで覆われた、基本的に垂直な表面を少なくとも１つ有する調理準備器具を洗浄する方法について記述している。ただし、実際には、いずれの発明も金属やその他の基材から焼きついて重合した汚れを除去するのに非常に有効であると確認されていない。
【０００４】
自動食器洗い機を使用する場合に溶媒を用いることはよく知られている。日本国特許第１０，０１７，９００号は、低発泡非イオン性界面活性剤、有機溶媒及び水を含有する自動食器洗い補助組成物を開示している。この組成物は、洗浄及び乾燥の点において利点を有する。日本国特許第１１，１１７，０００号は、界面活性剤、有機高分子電解質、水溶性溶媒及び水を含有する自動食器洗い機のための洗浄性補助組成物を開示している。この補助組成物は、油脂や口紅などによる頑固な汚れの除去を助ける。
自動食器洗い機を使用して、下洗いの工程を経ることなく、調理器具及び食器から調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するために、より有効な方法及び製品が依然として求められている。
【０００５】
（発明の概要）
本発明の第１の観点は、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつき（油脂、肉類、乳製品、果物、パスタ及びその他の特に調理後の除去が難しい食品など）を調理器具及び食器（ステンレススチール、ガラス、プラスチック、木及び陶器製の物品を含む）から除去する方法を提供する。本法は、有機溶媒系の存在で自動食器洗い機で調理器具／食器を洗浄することを含む。このとき、有機溶媒系（単一溶媒成分又は混合溶媒成分を含む）は、１ｍｍＨｇ以上において、溶媒系の約５０重量％未満、好ましくは約２０重量％未満、更に好ましくは約１０重量％未満の揮発性有機含量を有する。本明細書において、溶媒系の揮発性有機含量は、２５℃における規定圧及び大気圧より高い蒸気圧を有する溶媒系中の有機成分の含量として定義される。
洗浄液体における溶媒の最適な濃度は、約１００〜約１０，０００ｐｐｍ、好ましくは約２００〜約８，０００ｐｐｍ、更に好ましくは約５００〜約５，０００ｐｐｍである。
【０００６】
本明細書における洗浄方法は、洗浄液体の表面張力が低いレベルで実施されることが好ましい。このことは、調理汚れ、焼きつき及び焦げつきに最適な洗浄性能を提供するという観点から、定義される溶媒濃度と共に重要である。洗浄液体における表面張力は、約３５ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約３２ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約３０ｍＮ／ｍ未満、とりわけ約２８ｍＮ／ｍ未満であることが好ましい。
本発明の別の観点では、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを調理器具及び食器から除去する方法を提供し、この方法は、有機溶媒系の存在で自動食器洗い機で調理器具／食器を洗浄することを含む。この有機溶媒系は、約１００〜約１０，０００ｐｐｍ、好ましくは約２００〜約８，０００ｐｐｍ、更に好ましくは約５００〜約５，０００ｐｐｍの洗浄液体における濃度と、約３５ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約３２ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約３０ｍＮ／ｍ未満、とりわけ約２８ｍＮ／ｍ未満の洗浄液体における表面張力を有する。
【０００７】
有機溶媒系は、界面活性剤、特に低発泡非イオン性界面活性剤及び洗浄ビルダーと共に使用することが好ましい。例えば、本発明の別の実施例では、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを調理器具及び食器から除去する方法を提供し、この方法は、界面活性剤、洗浄ビルダー及び有機溶媒系の存在で自動食器洗い機で調理器具／食器を洗浄することを含む。このとき、界面活性剤は約１０〜約１，０００ｐｐｍ、好ましくは約１００〜約６００ｐｐｍの洗浄液体における濃度を有し、洗浄ビルダーは約１００〜約５，０００ｐｐｍ、好ましくは約１，０００〜約３，０００ｐｐｍの洗浄液体における濃度を有し、有機溶媒系は約１００〜約１０，０００ｐｐｍ、好ましくは約２００〜約８，０００ｐｐｍ、更に好ましくは約５００〜約５，０００ｐｐｍの洗浄液体における濃度を有する。洗浄液体のｐＨは一般にアルカリ性であり、好ましくは１０．５以上、更に好ましくは１１．０以上であると考えられる。このｐＨは、溶媒、界面活性剤及びビルダーを放出するために使用される１つ以上の組成物中にあるアルカリ性成分によるものである。
【０００８】
本発明の方法は、専用の有機溶媒組成物の存在で行うことができる。ただし、好ましい観点では、本発明は少なくとも１つの有機溶媒組成物を含んだ複数の組成物を使用することを想定している。組成物は、自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に放出することができる。得られた溶媒含有洗浄液体で、汚れた調理器具／食器を洗浄する。
本発明の別の観点では、調理器具及び食器から食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するために、１つ以上の有機溶媒組成物（この場合、「溶媒組成物」とは、有機溶媒系と、任意の追加有効成分及び希釈溶液を含有すると解釈される）及び１つ以上の自動食器洗い洗剤組成物を使用することができる。有機溶媒組成物は、ビルダーを含んでも、含まなくても、ほぼ含まなくてもよい。ただし、食器洗い洗剤組成物と共に添加組成物として使用する場合、溶媒組成物は、通常、洗剤組成物に比べて比較的ビルダーを含まないと考えられる。「比較的ビルダーを含まない」とは、通常の使用条件において、溶媒組成物が、１つ以上の溶媒組成物及び１つ以上の洗剤組成物から洗浄液体に放出される総ビルダーの一部分（５０重量％未満、好ましくは２５重量％未満、更に好ましくは１０重量％未満）しか放出しないと考えられることを意味する。「ビルダーをほぼ含まない」とは、組成物が含有する洗浄ビルダーが約５重量％未満であることを意味する。
【０００９】
本発明の別の実施例では、溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物は、食器洗い工程の同一又は異なる時点で放出されることができる。例えば、ｉ）溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物が、下洗いの工程及び本洗いの工程のそれぞれにおいて個別に放出される。ｉｉ）溶媒組成物及び第１の自動食器洗い洗剤組成物が下洗いの工程で放出され、第２の自動食器洗い洗剤組成物が本洗いの工程で放出される。ｉｉｉ）第１の溶媒組成物及び第１の自動食器洗い洗剤組成物が下洗いの工程で放出され、第２の溶媒組成物及び第２の自動食器洗い洗剤組成物が本洗いの工程で放出される。ｉｖ）溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物が、本洗いの工程時において同時に放出される。ｖ）溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物が、下洗いの工程及び本洗いの工程時において放出される。
別の実施例では、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを調理器具及び食器から除去する方法を提供し、この方法は、有機溶媒組成物の存在で自動食器洗い機の下洗いの工程で調理器具／食器を洗浄し、その後、自動食器洗いすすぎ組成物の存在で自動食器洗い機のすすぎ工程で調理器具／食器をすすぐことを含む。
【００１０】
好ましい実施例では、有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物は、以下のｉ）又はｉｉ）のいずれかの形態で放出する。ｉ）個別の収容装置（例えば、液体組成物の場合には個別のボトル、個別の袋など）から自動食器洗い機の同一の工程時に放出する。有機溶媒組成物は、本明細書で規定されるように、約１００〜約１０，０００ｐｐｍ、好ましくは約５００〜約５，０００ｐｐｍの洗浄液体における有機溶媒の濃度を提供することが好ましい。ｉｉ）複数に区切られた容器の個別の区画（例えば、液体組成物の場合には複数に区切られたボトル）から自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に放出する。好ましくは、有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物は、複数に区切られた容器の個別の区画から放出する。その供給率（溶媒組成物：洗剤組成物）は、約５：１〜約１：５０、好ましくは約２：１〜約１：６、更に好ましくは約１：１〜約１：５であり、有機溶媒の洗浄液体における濃度が、好ましくは約１００〜約１０，０００ｐｐｍ、更に好ましくは約５００〜約５，０００ｐｐｍとなるようにする。あるいは、有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物は、複数に区切られた容器の個別の区画から、下洗いの工程及び本洗いの工程のそれぞれに連続して放出する。このことは、不相溶性の製品において、有機溶媒組成物と自動食器洗い洗剤組成物の相互作用を減らすために有用なことがある。有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物が複数に区切られた容器の個別の領域から同時に放出される場合、有機溶媒組成物及び／又は自動食器洗い洗剤組成物が、洗浄液体に接触する前に直接混ざらないように物理的に区分されていることが好ましい。
【００１１】
本発明は、多相の「一体型」製品を使用して作業を減らすこともできる。例えば、本発明の別の実施例では、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを調理器具及び食器から除去する方法を提供し、この方法は、自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に、多相洗剤組成物の個別の部分を放出することを含む。このとき、多相洗剤組成物は、少なくとも有機溶媒組成物を含む第１相及び少なくとも自動食器洗い洗剤組成物を含む第２相を含有する。多相洗剤組成物は、例えば、ボトル入りの多層の液体（コアセルベートなど）やゲルの形態をとることができる。あるいは、錠剤本体の形成空洞や凹部にゲルの形態で挿入した溶媒組成物を含有する、多相の錠剤の形態をとることができる。いずれの場合にも、洗浄工程時に放出される溶媒の濃度は、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきにとって有益な濃度である必要がある。
【００１２】
本発明は、複数の有機溶媒組成物を使用することも想定している。例えば、本発明の別の観点では、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを調理器具及び食器から除去する方法を提供し、この方法は、自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に、溶媒特性が異なる複数の有機溶媒組成物を放出することを含む。これには例えば、下洗いの工程時に第１の溶媒組成物、本洗いの工程時に第２の溶媒組成物を放出することなどがある。性能を最適にするために、異なる汚れ及び／又は基材に対する特異性を有するように、異なる有機溶媒組成物を設計する。異なる有機溶媒組成物は、食器洗い機の異なる工程時に放出することができる。このとき、異なる自動食器洗い洗剤組成物を添加しても、添加しなくてもよい。例えば、下洗いの工程時に第１の溶媒組成物及び第１の自動食器洗い洗剤組成物を放出し、本洗いの工程時に第２の溶媒組成物及び第２の自動食器洗い洗剤組成物を放出することができる。
【００１３】
本発明の別の実施例では、有機溶媒組成物は１回用量の形態であることができ、１回以上繰り返される洗浄工程時において、組成物の放出を制御することができる（例えば、放出を遅らせたり、中断したり、開始したり、緩慢にすることができる）。好ましい１回用量の形態では、溶媒組成物はひとつの区画又は複数の区画を有する袋に詰める。
本明細書に用いるのに好適な有機溶媒組成物は、有機アミン溶媒又は汚れの除去に有効なその他の添加剤を含有し、約２４．５ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約２４ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約２３．５ｍＮ／ｍ未満の液体表面張力を有する。
【００１４】
好ましい実施例では、有機溶媒組成物は更に拡散補助剤を含有する。拡散補助剤は、有機溶媒と汚れの間の界面張力を減らすように働くため、有機溶媒は汚れの湿潤性を高めることができる。汚れの除去に有効な有機溶媒を含有する本明細書の組成物に拡散補助剤を添加すると、拡散補助剤は組成物の表面張力を下げることができる。このとき、拡散補助剤は、組成物の表面張力を拡散補助剤自身の表面張力より下げることができるものが好ましい。特に有用な拡散補助剤は、表面張力を約３０ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約２８ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約２６ｍＮ／ｍ未満、とりわけ約２４ｍＮ／ｍ未満に下げることができるものである。表面張力は、本明細書では２５℃で測定する。本明細書に用いる拡散補助剤は、有機溶媒、湿潤剤、及びこれらの混合物から選択することができる。
【００１５】
本発明は、単相の「一体型」製品に適用することもできる。この観点において、食品の調理汚れ、焼きつき、及び焦げつきを調理器具及び食器から除去する方法は、自動食器洗い洗剤組成物の存在で自動食器洗い機で調理器具／食器を洗浄することを含み、この自動食器洗い洗剤組成物は、界面活性剤（好ましくは低発泡非イオン性界面活性剤を含む）、洗浄ビルダー及び有機溶媒系を含有する。このとき、洗浄液体における濃度は、約１０〜約１，０００ｐｐｍの界面活性剤、約１００〜約５，０００ｐｐｍの洗浄ビルダー、及び約１００〜約１０，０００ｐｐｍ、好ましくは約５００〜約５，０００ｐｐｍの有機溶媒を十分に提供できる濃度である。
本発明の方法において、有機溶媒組成物は、液体、ペースト、クリーム又はゲルの形態であることができ、任意にカプセルに封入し、ひとつの区画又は複数の区画を有する袋に詰め、あるいは多孔質キャリア材料に吸収させることができる。溶媒組成物は水性であってもよいが、無水であるほうが好ましい。本明細書に用いるのに好ましい袋は、水溶性且つ耐溶媒性の部分加水分解性ＰＶＡ袋である。
【００１６】
本明細書に用いるのに最適な有機溶媒系は、非常に低い液体表面張力と、重合油脂でコーティングした基材上の接触角に特徴を有する。更に、これらの有機溶媒系は一般に、相乗作用のある接触角と低い表面張力を示す混合溶媒系から構成される。本明細書における有機溶媒系は、２５℃で約２７ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約２５ｍＮ／ｍ未満の液体表面張力を有することが好ましい。本発明に好適な有機溶媒系は、複数の溶媒成分を含有し、その濃度は、有機溶媒系が各溶媒成分のいずれの表面張力より小さい（好ましくは約１ｍＮ／ｍ以上小さい）表面張力を有するような濃度である。接触角に関しては、溶媒系を含有する組成物が、重合油脂でコーティングしたガラス基材上で、２５℃において２０°未満、好ましくは１０°未満、更に好ましくは５°未満の前進接触角を示すことが好ましい。更に、混合溶媒系を含有する組成物の前進接触角は、溶媒系の個々の成分を含んだ同等の組成物の前進接触角より小さい必要がある。このような溶媒系及び組成物は、炭素含量の多い焦げつき汚れを調理器具及び食器から除去するのに最適であることが確認されている。
【００１７】
接触角の測定方法は以下のとおりである。試料プレート（調製方法は以下に記載する）を液体に浸けた後、引き上げて、接触角をＷｉｌｈｅｌｍｙ法に従って計算する。沈めた深さに応じて試料に加えた力を測定する（ＫｒｕｓｓＫ１２表面張力計及びＳｙｓｔｅｍＫ１２１ソフトウェアを使用する）。この力は固体表面上の液体の接触角に比例する。試料プレートは以下のように調製する。キャノーラ油３０〜５０ｇをビーカー内にスプレーする。キャノーラ油にスライドガラス（３×９×０．１ｃｍ）を浸け、表面を完全にコートする。これにより、表面上に均一に分散した油の層ができる。油約０．５ｇが放出され、油が均一に配置されるまで、スライドガラス表面上の製品の重量を調整する。調整後、スライドガラスを４５０°Ｆで２０分焼き、室温まで放冷する。
【００１８】
本明細書に用いるのに好適な有機溶媒は広範囲に及ぶが、アルコール、アミン、エステル、グリコールエーテル、グリコール、テルペン類及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。有機溶媒系は、上述した揮発性溶媒成分の規定に適合するように処方されることが好ましい。非常に好ましい実施例では、溶媒系は、２５℃で約０．１ｍｍＨｇより大きく大気圧より大きい蒸気圧を有する溶媒成分を、約５０％未満、好ましくは２０％未満、更に好ましくは１０％未満含有すると考えられる。非常に好ましい実施例では、溶媒は、約１５０℃未満の沸点、約１００℃未満の引火点、又は２５℃で約１ｍｍＨｇより大きく大気圧より大きい蒸気圧を有する溶媒成分を基本的に含まない（約５重量％未満）。
【００１９】
本明細書に用いる有機溶媒系は、有機アミン溶媒（アルカノールアミン、アルキルアミン、アルキレンアミン及びこれらの混合物など）、アルコール溶媒（芳香族アルコール、脂肪族アルコール（好ましくはＣ_４〜Ｃ_１０）、環式脂肪族アルコール及びこれらの混合物など）、グリコール及びグリコール誘導体（Ｃ_２〜Ｃ_３の（ポリ）アルキレングリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル及びこれらの混合物など）、並びに有機アミン溶媒、アルコール溶媒、グリコール及びグリコール誘導体から選択された混合物から選択されることが好ましい。ある好ましい実施例では、有機溶媒は、有機アミン（とりわけアルカノールアミン、更にとりわけ２−アミノアルカノール）溶媒及びグリコールエーテル溶媒を、好ましくは約３：１〜約１：３の重量比で含有する。このとき、グリコールエーテル溶媒は、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びこれらの混合物から選択される。グリコールエーテルは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールブチルエーテルが、とりわけ約１：２〜約２：１の重量比で混合した混合物であることが好ましい。
【００２０】
別の好ましい実施例では、好適な有機溶媒は、１以上の水溶性又は分散性有機アミン溶媒（とりわけアルカノールアミン溶媒）を含有し、この有機アミン溶媒は、好ましくはヒドロキシル化されたものであり、８．８以上、好ましくは９．３以上、更に好ましくは９．８以上のｐＫａを有する。これらの実施例では、有機溶媒系は、ｐＫａが約９．５以下の第１の有機アミン溶媒とｐＫａが約９．５より大きい第２の有機アミン溶媒の混合物を含有することが好ましい。また、本明細書に用いるのに好ましい有機溶媒は有機アミンの塩を含有する。この塩は自動食器洗い機の洗浄液体のｐＨが有機アミンの最も高いｐＫａより高くなるように洗浄液体に添加される。その結果、有機アミン溶媒の供給源として機能する。好適な塩の対イオンには、ハロゲン化物（塩化物、臭化物など）、オキシアニオン（硫酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩など）及び界面活性剤の陰イオンが含まれる。
【００２１】
好ましい実施例では、有機溶媒は１つ以上の有機アミンを含有する。この有機アミンは、自動食器洗い機の洗浄液体のｐＨが有機アミンの最も高いｐＫａより高くなるように、アンモニウム塩の形態で洗浄液体に添加される。
ある種の湿潤剤を添加すると、溶媒系の効果を更に向上させることができる。有機溶媒系は、溶媒系の表面張力を低下させるために有効な湿潤剤と共に使用することが好ましい。このとき、溶媒系の表面張力は、湿潤剤の表面張力より１ｍＮ／ｍ以上低くなることが好ましい。湿潤剤は、約３０ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約２８ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約２６ｍＮ／ｍ未満の表面張力を有する有機界面活性剤から選択されることが好ましい。本明細書に用いるのに好ましい湿潤剤は、シリコーンポリエーテルコポリマー、とりわけシリコーンポリ（アルキレンオキシド）コポリマーであり、このときアルキレンは、エチレン、プロピレン及びこれらの混合物から選択される。
【００２２】
溶媒パラメータに関して、有機溶媒は以下のａ）〜ｅ）から選択することができる。
ａ）２０（Ｍｐａ）^１／２以上のハンセン溶解度パラメータ、７（Ｍｐａ）^１／２以上、好ましくは１２（Ｍｐａ）^１／２以上の極性パラメータ、及び１０（Ｍｐａ）^１／２以上の水素結合パラメーターを有する極性の水素結合溶媒。
ｂ）２０（Ｍｐａ）^１／２以上のハンセン溶解度パラメータ、７（Ｍｐａ）^１／２以上、好ましくは１２（Ｍｐａ）^１／２以上の極性パラメータ、及び１０（Ｍｐａ）^１／２以上の水素結合パラメーターを有する極性の非水素結合溶媒。
ｃ）２０（Ｍｐａ）^１／２未満のハンセン溶解度パラメータ、７（Ｍｐａ）^１／２以上の極性パラメータ、及び１０（Ｍｐａ）^１／２以上の水素結合パラメーターを有する両親媒性溶媒。
ｄ）７（Ｍｐａ）^１／２未満の極性パラメータ、及び１０（Ｍｐａ）^１／２未満の水素結合パラメーターを有する非極性溶媒。
ｅ）これらの混合物。
【００２３】
本発明は、自動食器洗い機又は食器洗いの下洗いの工程で使用するのに好適な洗剤パック及び多成分製品にも関し、焼きつき及び焦げつき汚れの除去並びにその他の洗浄性の利点を提供する。ある実施例では、２つ又はそれ以上の自動食器洗い洗剤及び／又は補助製品を含有する自動食器洗い洗剤パックと、独立しているが連結できる２つ又はそれ以上の製品及び装置（例えば、電気ポンプ装置など）の部分を含む容器を提供している。これは、自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に２つ又はそれ以上の製品の一定量を放出するためである。このパックは、容器から放出される２つ又はそれ以上の製品の相対分配率を制御する装置を含むこともできる。このパックは、有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物を含み、調理器具及び食器から食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するために使用されることが好ましい。好ましい実施例では、２つ又はそれ以上の自動食器洗い洗剤又は補助製品は、レオロジーが一致したゲルの形態である。組成物が、同じ剪断条件下で同等の降伏値（相違は約５０％未満、好ましくは約２０％未満）及び／又は同等の粘度（相違は約５０％未満、好ましくは約２０％未満）を有する場合、組成物のレオロジーが一致していると考えられる。
【００２４】
本発明は、自動食器洗いに使用するのに好適な有機溶媒組成物にも関する。ある実施例では、有機溶媒組成物は、調理器具及び食器から食品の調理汚れ、焼きつき又は焦げつきを除去するための有機溶媒系を約１〜約９９％、好ましくは約５〜約９０％含有し、漂白剤を約０．５〜約５０％、好ましくは約５〜約２５％、洗浄酵素を約０．０００１〜約１０％含有する。組成物は好ましくはゲルの形態であり、増粘剤（メチルセルロース又はその他の非イオン性セルロース系増粘剤など）を含有する。溶媒組成物は好ましくは無水であり（水分含有量は約５％未満、好ましくは約１％未満）、平均粒子サイズが約１０〜約１００μｍ、好ましくは約２５〜約７５μｍの粒子状懸濁液の形態の漂白剤を含有する。組成物はビルダーを含まないか、ほとんどビルダーを含まないこともある。本発明の特徴として、本発明の溶媒組成物は、有機アミン溶媒を含めた広範囲の溶媒を使用することができ、組成物の水分含有量を注意して管理すれば、漂白剤の安定性を保つことができる。
【００２５】
本発明は、自動食器洗いに使用するのに好適な洗剤組成物にも関する。ある実施例では、自動食器洗い洗剤組成物は、約０．０５重量％〜約１０重量％の低発泡非イオン性界面活性剤、約１重量％〜約３０重量％の有機アミン（好ましくはアルカノールアミン、とりわけモノエタノールアミン）溶媒及び約５重量％以上の洗浄ビルダーを含有する。自動食器洗い洗剤組成物は、約２重量％〜約２０重量％、好ましくは約５重量％〜約１５重量％のアルカノールアミン、約５重量％以上の洗浄ビルダー及び約０．１重量％〜約５重量％の低発泡非イオン性界面活性剤を含有するゲルの形態であることが好ましい。いずれの低発泡非イオン性界面活性剤（又は非イオン性界面活性剤及び石鹸泡抑制剤の組み合わせ）も本明細書において使用することができるが、末端保護された非イオン性界面活性剤や、アミンオキシド及び末端保護された非イオン性界面活性剤の組み合わせが好ましい。組成物は、約９．０以上、好ましくは約１０．５以上、更に好ましくは約１１以上のｐＨ（１％水溶液）を有することが好ましい。
【００２６】
ある実施例では、自動食器洗い洗剤組成物は、約０．０５重量％〜約１０重量％の低発泡非イオン性界面活性剤、約１重量％〜約３０重量％の有機溶媒（好ましくはアルカノールアミン溶媒）、約５重量％以上の洗浄ビルダー及び湿潤剤（好ましくはシリコーンポリ（アルキレンオキシド）コポリマー）を含有する。
【００２７】
好ましい実施例では、以下のｉ）及びｉｉ）を含有する自動食器洗い洗剤パックを提供する。ｉ）自動食器洗いに使用するのに好適な有機溶媒組成物であり、調理器具及び食器から食品の調理汚れ、焼きつき又は焦げつきを除去するための有機溶媒系を約１〜約９９％、好ましくは約５〜約９０％、とりわけ約４０〜約８０％含有し、漂白剤を約０．５〜約５０％、好ましくは約５〜約２５％、洗浄酵素を約０．０００１〜約１０％含有する。このとき、組成物は粒子状懸濁液の形態の漂白剤を含む無水ゲルの形態である。ｉｉ）自動食器洗い洗剤組成物であり、約０．０５重量％〜約１０重量％の低発泡非イオン性界面活性剤、任意に約１重量％〜約３０重量％の有機アミン（好ましくはアルカノールアミン溶媒）及び約５重量％以上の洗浄ビルダーを含有する。自動食器洗い洗剤組成物は、組成物の約２重量％〜約２０重量％、好ましくは約５重量％〜約１５重量％のアルカノールアミン、約５重量％以上の洗浄ビルダー（トリポリリン酸ナトリウムカリウムなど）及び約０．１重量％〜約５重量％の低発泡非イオン性界面活性剤を含有するゲルの形態であることが好ましい。
【００２８】
本発明の組成物は揮発性有機含量が低いことも特徴であり、約２０％未満、好ましくは約１０％未満、更に好ましくは約５％未満の揮発性有機含量を有することが好ましい。
本明細書において溶媒組成物及び食器洗い洗剤組成物に使用するのに好適な増粘剤成分には、粘弾性且つ揺変性の増粘剤成分が挙げられ、その濃度は約０．１重量％〜約１０重量％、好ましくは約０．２５重量％〜約５重量％、最も好ましくは約０．５重量％〜約３重量％である。好適な増粘剤成分には、分子量が約５００，０００〜約１０，０００，０００、好ましくは約７５０，０００〜約４，０００，０００のポリマーが含まれる。好ましい架橋ポリカルボキシレートポリマーは、好ましくはカルボキシビニルポリマーである。このような化合物は、米国特許第２，７９８，０５３号（１９５７年７月２日発行、Ｂｒｏｗｎ）に開示されている。この特許には、カルボキシビニルポリマーの製造方法も開示されている。カルボキシビニルポリマーは液体揮発性有機炭化水素に実質上不溶性であり、空気露出時に次元的に安定性である。
【００２９】
カルボキシビニルポリマーの製造に使用するのに好ましい多価アルコールには、オリゴ糖、カルボニル基がアルコール基に転化したオリゴ糖の還元誘導体、ペンタエリスリトールからなる群から選択される多価アルコールが含まれる。最も好ましい多価アルコールは、スクロース又はペンタエリスリトールである。変性多価アルコールのヒドロキシル基がアルキル基でエーテル化され、多価アルコールが多価アルコール分子当たり少なくとも２つのアリルエーテル基を有することが好ましい。ポリオールがスクロースである場合、スクロースはスクロース分子当たり少なくとも約５つのアリルエーテル基を有することが好ましい。ポリオールのポリエーテルは全モノマーの好ましくは約０．１〜約４％、更に好ましくは約０．２〜約２．５％である。
【００３０】
本明細書に使用するカルボキシビニルポリマーの製造に使用するのに好ましいモノマーオレフィン性不飽和カルボン酸には、モノマー重合性α‐βモノオレフィン性不飽和低級脂肪族カルボン酸が含まれる。更に好ましいのは、以下の構造を有するモノマーモノオレフィン性アクリル酸である。
ＣＨＣＨ_２＝Ｃ（Ｒ）−ＣＯＯＨ
Ｒは水素及び低級アルキル基からなる群より選択される置換基である。最も好ましいのはアクリル酸である。
【００３１】
多様なカルボキシビニルポリマー、ホモポリマー及びコポリマーが、Ｂ． Ｆ． Ｇｏｏｄｒｉｃｈ Ｃｏｍｐａｎｙ（ニューヨーク）からＣａｒｂｏｐｏｌ（登録商標）の名前で市販されている。これらのポリマーはカルボマー又はポリアクリル酸としても知られている。本発明の処方に有用なカルボキシビニルポリマーには、Ｃａｒｂｏｐｏｌ９１０（分子量約７５０，０００）、Ｃａｒｂｏｐｏｌ９４１（分子量約１，２５０，０００）、並びにＣａｒｂｏｐｏｌ９３４（分子量約３，０００，０００）及び９４０（分子量約３，０００，０００及び４，０００，０００）が含まれる。更に好ましいＣａｒｂｏｐｏｌシリーズは、製造工程で酢酸エチル及びシクロヘキサンを使用するＣａｒｂｏｐｏｌ９８１、２９８４、９８０及び１３８２である。
【００３２】
好ましいポリカルボキシレートポリマーは、非直鎖状で水分散性の、ポリアルケニルポリエーテルで架橋したポリアクリル酸（分子量約７５０，０００〜約４，０００，０００）である。
これらのポリカルボキシレートポリマーのうち、本発明に使用するのに非常に好ましい例は、ＢＡＳＦ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから市販されているポリアクリル酸のＳｏｋａｌａｎＰＨＣ−２５（登録商標）、及びＢ． Ｆ． Ｇｏｏｄｒｉｃｈから市販されているＣａｒｂｏｐｏｌ６００シリーズ樹脂であり、更に好ましくは３−Ｖ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから市販されているＰｏｌｙｇｅｌＤＫである。本明細書において記述したポリカルボキシレートポリマーの混合物も、本発明において使用することができる。
【００３３】
その他の好適な増粘剤成分には、無機粘土（例えば、ラポナイト、ケイ酸アルミニウム、ベントナイト、燻蒸シリカ）が含まれる。好ましい粘土増粘剤成分は、天然産でも、合成品であってもよい。好ましい合成粘土には、Ｓｏｕｔｈｅｒｎ Ｃｌａｙ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ， ＩｎｃからＬａｐｏｎｉｔｅ（商標）の名前で市販されている合成スメクタイト型粘土がある。特に有用なものは、ＬａｐｏｎｉｔｅＲＤなどのゲル形成等級、及びＬａｐｏｎｉｔｅＲＤＳなどのゾル形成等級である。天然産粘土には、ある種のスメクタイト及びアタパルジャイト粘土が含まれる。粘土及び高分子増粘剤の混合物も本明細書に用いるのに好適である。
本組成物に使用可能なその他の種類の増粘剤には、キサンタンガム、イナゴマメゴム、グアーガムなどの天然ゴム類が含まれる。セルロースタイプの増粘剤では、ヒドロキシエチル及びヒドロキシメチルセルロース（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌから市販されているＥＴＨＯＣＥＬ及びＭＥＴＨＯＣＥＬ（登録商標））も使用することができる。
【００３４】
洗浄に最適な本発明の溶媒系及び組成物の多くが、構造及び種類が既知の部分加水分解性ＰＶＡ袋材料に優れた適合性を示すことも、本発明の特徴の１つである。既知の極性又は加水分解性結合溶媒物質（例えば、エタノールアミン）の多くは、それ自体ＰＶＡ材料との適合性が低く、製品の安定性に深刻な問題を与えるため、これは驚くべき事実である。極性水素結合溶媒（有機アミンなど）と共溶媒の混合物を含有する溶媒系は、特にこの点において有益である。この共溶媒は、極性非水素結合溶媒、両親媒性溶媒、非極性溶媒及びこれらの混合物から選択される。組成物中にアミン塩の形態で有機アミンが存在することも、ＰＶＡの適合性向上にとって有益である。また、プロパノールアミン（２−アミノ−２−メチルプロパノールなど）に基づく溶媒系及び成分も、ＰＶＡの適合性向上にとって有益である。袋に詰めるのに好適な組成物は、通常、溶媒系成分の比率が大きく、好ましくは５０重量％以上、更に好ましくは７０重量％以上の溶媒系を含有すると考えられる。
最後に、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを調理器具及び食器から除去するために、自動食器洗い機における有機溶媒系の使用も開示している。
【００３５】
（発明の詳細な説明）
本発明は、従来の自動食器洗い洗剤組成物の添加物として、溶媒組成物の使用を想定している。また、専用の溶媒組成物と食器洗い洗剤組成物の組み合わせを含有する、多成分食器洗い製品も想定している。更に、本発明は、アルカリ性洗剤と溶媒機能の両方を有する、いわゆる「一体型」洗剤製品も想定している。添加物及び多成分製品の場合、２つの組成物は、本発明において同じ物理形態である必要はない。有機溶媒組成物は、例えば、液体、ペースト、クリーム、ゲル、粉末、顆粒又は錠剤といったいずれの物理形態であってもよく、同様に自動食器洗い洗剤組成物もこれらのいずれの形態であってもよい。ただし、両組成物が液体又はゲルの形態であるか、あるいは有機溶媒組成物が液体又はゲルの形態であり、自動食器洗い洗剤組成物が粉末、顆粒又は錠剤の形態であることが好ましい。本明細書に使用される組成物は、いずれか好適な容器から放出することができる。この容器には、例えば、ボトル（ポンプ付きボトル、スクイーズボトル）、ペーストディスペンサー、カプセル、複数の区画を有するボトル、複数の区画を有するカプセル、袋及び複数の区画を有する袋などがある。
【００３６】
本明細書における溶媒組成物は１つ以上の有機溶媒を含有し、更に、界面活性剤、漂白剤、酵素、酵素安定化成分、増粘剤なども含有することができる。
有機溶媒は、調理器具／食器や自動食器洗い機の種々の部品と適合性を有するように選択することが必要である。更に、溶媒は、効率的で安全である必要があり、１ｍｍＨｇ以上（好ましくは０．１ｍｍＨｇ以上）において約５０重量％未満、好ましくは約３０重量％未満、更に好ましくは約１０重量％未満の揮発性有機含量を有するものを使用する。また、溶媒系のにおいは、極めてマイルドで心地良いものである必要がある。本明細書において使用される個々の有機溶媒は、一般に約１５０℃以上の沸点、約１００℃以上の引火点、及び約１ｍｍＨｇ未満（好ましくは２５℃で０．１ｍｍＨｇ未満且つ大気圧未満）の蒸気圧を有する。
【００３７】
本明細書に使用可能な溶媒には、以下のｉ）〜ｖ）が含まれる。ｉ）アルコール。例えば、ベンジルアルコール、１，４−シクロヘキサンジメタノール、２−エチル−１−ヘキサノール、フルフリルアルコール、１，２−ヘキサンジオール及びその他類似の物質。ｉｉ）アミン。例えば、アルカノールアミン（例えば、一級アルカノールアミン（モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、β−アミノアルカノール）、二級アルカノールアミン（ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、２−（メチルアミノ）エタノール）、三級アルカノールアミン（トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン））、アルキルアミン（一級アルキルアミン（モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、シクロヘキシルアミン）、二級アルキルアミン（ジメチルアミン））、アルキレンアミン（一級アルキレンアミン（エチレンジアミン、プロピレンジアミン））及びその他類似の物質。ｉｉｉ）エステル。例えば、乳酸エチル、メチルエステル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びその他類似の物質。ｉｖ）グリコールエーテル。例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル及びその他類似の物質。ｖ）グリコール。例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール（２−メチル−２，４−ペンタンジオール）、トリエチレングリコール、組成物及びジプロピレングリコール及びその他類似の物質、及びこれらの混合物。
【００３８】
食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを調理器具及び食器から除去するのに有効で、本明細書に使用される好ましい溶媒には、アルカノールアミン（とりわけモノエタノールアミン）、β−アミノアルカノール（とりわけ２−アミノ−２−メチルプロパノール（第三炭素にアミン基を有するβ−アミノアルカノールの中で最も分子量が小さいため、アミン基の反応性を最低限に抑える））、及びこれらの混合物が含まれる。
本明細書における洗剤及び洗浄性組成物は、従来の洗浄成分を含有することができ、洗浄機能を有する有機溶媒や、キャリア機能又は希釈機能、あるいはその他特定の機能を有する有機溶媒も含有することができる。組成物は一般にビルダーを含み、着色剤、漂白剤、界面活性剤、アルカリ性成分、酵素、増粘剤（液体、ペースト、クリーム又はゲル組成物の場合）、耐食剤（例えば、ケイ酸ナトリウム）、向水性物質（例えば、クメン硫酸ナトリウム）及び分解結合剤（粉末、顆粒又は錠剤の場合）から選択することができる１つ以上の洗剤活性成分を含有すると考えられる。非常に好ましい洗剤成分には、ビルダー化合物、アルカリ性成分、界面活性剤、酵素及び漂白剤が含まれる。
他に指定がない場合には、本明細書で以下に記述する成分は、有機溶媒組成物及び洗剤組成物（又は洗浄性組成物）の両方あるいはいずれか一方に添加することができる。
【００３９】
界面活性剤
自動食器洗いに使用する本発明の方法において、洗剤界面活性剤は、単独でも、その他の成分（つまり、石鹸泡抑制剤）との組み合わせにおいても、低発泡性であることが好ましい。本発明の組成物及び方法において、硬質表面の洗浄又は食器洗いの下洗いに使用するために、洗剤界面活性剤は、直接適用するには発泡性であり、自動食器洗いに使用するには低発泡性であることが好ましい。本明細書に好適な界面活性剤には、陰イオン性界面活性剤（例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルグリセリルスルホネート、アルキル及びアルケニルスルホネート、アルキルエトキシカルボキシレート、Ｎ−アシルサルコシネート、Ｎ−アシルタウレート、アルキルサクシネート及びスルホサクシネートなど。これらのアルキル、アルケニル又はアシル部分は、Ｃ_５〜Ｃ_２０、好ましくはＣ_１０〜Ｃ_１８の直鎖又は分岐鎖状である）、陽イオン性界面活性剤（例えば、塩素エステル（米国特許第４，２２８，０４２号、米国特許第４，２３９，６６０号、及び米国特許第４，２６０，５２９号）及びモノＣ_６〜Ｃ_１６Ｎ−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤など。これらの残存Ｎ位はメチル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基で置換されている）、低曇点及び高曇点の非イオン性界面活性剤及びそれらの混合物（例えば、非イオン性アルコキシル化界面活性剤（とりわけＣ_６〜Ｃ_１８の一級アルコールから誘導されたエトキシレート）、エトキシル化〜プロポキシル化アルコール（例えば、Ｏｌｉｎ ＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎのＰｏｌｙ−Ｔｅｒｇｅｎｔ（登録商標）ＳＬＦ１８）、エポキシ末端保護ポリ（オキシアルキル化）アルコール（例えば、Ｏｌｉｎ ＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎのＰｏｌｙ−Ｔｅｒｇｅｎｔ（登録商標）ＳＬＦ１８Ｂ、ＷＯ−Ａ−９４／２２８００参照）、エーテル末端保護ポリ（オキシアルキル化）アルコール界面活性剤及びブロックポリオキシエチレン〜ポリオキシプロピレン高分子化合物（例えば、ＢＡＳＦ−Ｗｙａｎｄｏｔｔｅ Ｃｏｒｐ．（ミシガン州ワイアンドット）から市販されているＰＬＵＲＯＮＩＣ（登録商標）、ＲＥＶＥＲＳＥＤ ＰＬＵＲＯＮＩＣ（登録商標）、及びＴＥＴＲＯＮＩＣ（登録商標））、両性界面活性剤（例えば、Ｃ_１２〜Ｃ_２０のアルキルアミンオキシド（本明細書に使用するのに好ましいアミンオキシドには、ラウリルジメチルアミンオキシド及びヘキサデシルジメチルアミンオキシドが含まれる）及びアルキル両性カルボン酸界面活性剤（例えば、Ｍｉｒａｎｏｌ（商標）Ｃ２Ｍ））、双性界面活性剤（例えば、ベタイン及びスルタイン）及びこれらの混合物が含まれる。本明細書において好適な界面活性剤は、例えば、米国特許第３，９２９，６７８号、米国特許第４，２５９，２１７号、欧州特許第０，４１４，５４９号、ＷＯ−Ａ−９３／０８８７６号、及びＷＯ−Ａ−９３／０８８７４号に開示されている。界面活性剤は典型的に、組成物の約０．２重量％〜約３０重量％、更に好ましくは約０．５重量％〜約１０重量％、最も好ましくは約１重量％〜約５重量％の割合で存在する。本明細書に用いるのに好ましい界面活性剤は低発泡性であり、低曇点非イオン性界面活性剤及び高発泡性界面活性剤と低曇点非イオン性界面活性剤（この場合、石鹸泡抑制剤として働く）との混合物が含まれる。
【００４０】
ビルダー
本明細書に用いるのに好適なビルダーには、水溶性ビルダー（例えば、クエン酸塩、炭酸塩及びポリリン酸塩（例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム６水和物、トリポリリン酸カリウム及びトリポリリン酸ナトリウム及びカリウムの混合物））及び部分水溶性又は不溶性ビルダー（例えば、結晶性層状ケイ酸塩（欧州特許第０，１６４，５１４号及び欧州特許第０，２９３，６４０号）及びアルミノケイ酸塩（ゼオライトＡ、Ｂ、Ｐ、Ｘ、ＨＳ及びＭＡＰなど））が含まれる。ビルダーは典型的に、組成物の約１重量％〜約８０重量％、好ましくは約１０重量％〜約７０重量％、最も好ましくは約２０重量％〜約６０重量％の割合で存在する。
ＳｉＯ_２：Ｎａ_２Ｏの比が１．８〜３．０、好ましくは１．８〜２．４、最も好ましくは２．０である非晶性ケイ酸ナトリウムも、本明細書において使用することができる。ただし、長期保存安定性の観点から、非常に好ましいのは、総ケイ酸塩（非晶性及び結晶性）を約２２％未満、好ましくは約１５％未満含有する組成物である。
【００４１】
酵素
本明細書において好適な酵素には、細菌及び真菌セルラーゼ（例えば、Ｃａｒｅｚｙｍｅ及びＣｅｌｌｕｚｙｍｅ（Ｎｏｖｏ Ｎｏｒｄｉｓｋ Ａ／Ｓ））、ペルオキシダーゼ、リパーゼ（例えば、Ａｍａｎｏ−Ｐ（Ａｍａｎｏ Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌ Ｃｏ．）、Ｍ１　Ｌｉｐａｓｅ（登録商標）及びＬｉｐｏｍａｘ（登録商標）（Ｇｉｓｔ−Ｂｒｏｃａｄｅｓ）、並びにＬｉｐｏｌａｓｅ（登録商標）及びＬｉｐｏｌａｓｅ Ｕｌｔｒａ（登録商標）（Ｎｏｖｏ））、クチナーゼ、プロテアーゼ（例えば、Ｅｓｐｅｒａｓｅ（登録商標）、Ａｌｃａｌａｓｅ（登録商標）、Ｄｕｒａｚｙｍ（登録商標）、及びＳａｖｉｎａｓｅ（登録商標）（Ｎｏｖｏ）、並びにＭａｘａｔａｓｅ（登録商標）、Ｍａｘａｃａｌ（登録商標）、Ｐｒｏｐｅｒａｓｅ（登録商標）、及びＭａｘａｐｅｍ（登録商標）（Ｇｉｓｔ−Ｂｒｏｃａｄｅｓ））、α及びβアミラーゼ（例えば、Ｐｕｒａｆｅｃｔ Ｏｘ Ａｍ（登録商標）（Ｇｅｎｅｎｃｏｒ）、並びにＴｅｒｍａｍｙｌ（登録商標）、Ｂａｎ（登録商標）、Ｆｕｎｇａｍｙｌ（登録商標）、Ｄｕｒａｍｙｌ（登録商標）、及びＮａｔａｌａｓｅ（登録商標）（Ｎｏｖｏ））及びこれらの混合物が含まれる。酵素は本明細書において小球状、粒状、又は共粒状の形態で添加され、純粋な酵素として典型的に組成物の約０．０００１重量％〜約２重量％の割合で存在することが好ましい。
【００４２】
漂白剤
本明細書において好適な漂白剤には、塩素漂白剤及び酸素漂白剤が含まれ、とりわけ無機過水和物塩（例えば、過ホウ酸ナトリウム１水和物及び４水和物及び放出率を制御するために任意にコーティングした過炭酸ナトリウム）（例えば、硫酸塩／炭酸塩コーティングに関しては英国特許第１，４６６，７９９号を参照）、有機過オキソ酸漂白剤前駆体及び／又は遷移金属コーティング漂白剤触媒（とりわけマンガン又はコバルト）を有する前形成有機過オキソ酸及びこれらの混合物が含まれる。無機過水和物塩は典型的に、組成物の約１重量％〜約４０重量％、好ましくは約２重量％〜約３０重量％、更に好ましくは約５重量％〜約２５重量％の割合で添加する。本明細書に用いるのに好ましい過オキソ酸漂白剤前駆体には、過安息香酸及び置換型過安息香酸の前駆体、陽イオン性過オキソ酸前駆体、過酢酸前駆体（例えば、ＴＡＥＤ、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム及びペンタアセチルグルコース）、過ノナン酸前駆体（例えば、３，５，５−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム（イソ−ＮＯＢＳ）及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム（ＮＯＢＳ））、アミド置換型アルキル過オキソ酸前駆体（欧州特許第０，１７０，３８６号）、及びベンゾオキサジン過オキソ酸前駆体（欧州特許第０，３３２，２９４号及び欧州特許第０，４８２，８０７号）が含まれる。漂白剤前駆体は典型的に、組成物の約０．５重量％〜約２５重量％、好ましくは約１重量％〜約１０重量％の割合で添加する。一方、前形成有機過オキソ酸は典型的に、組成物の約０．５重量％〜約２５重量％、好ましくは約１重量％〜約１０重量％の割合で添加する。本明細書に用いるのに好ましい漂白剤触媒には、トリアザシクロノナンマンガン及び関連錯体（米国特許第４，２４６，６１２号、米国特許第５，２２７，０８４号）、ビスピリジルアミンＣｏ、Ｃｕ、Ｍｎ、Ｆｅ及び関連錯体（米国特許第５，１１４，６１１号）、並びにペンタミンアセテートコバルト（ＩＩＩ）及び関連錯体（米国特許第４，８１０，４１０号）が含まれる。
【００４３】
低曇点非イオン性界面活性剤及び石鹸泡抑制剤
本明細書に用いるのに好適な石鹸泡抑制剤には、低曇点を有する非イオン性界面活性剤が含まれる。「曇点」とは、本明細書で使用する時、非イオン性界面活性剤の既知の特性であり、温度が上昇すると可溶性が低下する界面活性剤で生じるもので、異なる相が現れる温度を「曇点」と呼ぶ（Ｋｉｒｋ Ｏｔｈｍｅｒ、３６０〜３６２頁参照）。本明細書で使用する時、「低曇点」非イオン性界面活性剤とは、３０℃未満、好ましくは約２０℃未満、更に好ましくは約１０℃未満、最も好ましくは約７．５℃未満の曇点を有する非イオン性界面活性剤系成分として定義される。典型的な低曇点非イオン性界面活性剤には、非イオン性アルコキシル化界面活性剤（とりわけ一級アルコールから誘導されたエトキシレート）及びポリオキシプロピレン／ポリオキシエチレン／ポリオキシプロピレン（ＰＯ／ＥＯ／ＰＯ）逆ブロックポリマーが含まれる。また、これらの低曇点非イオン性界面活性剤には、例えば、エトキシル化〜プロポキシル化アルコール（例えば、Ｏｌｉｎ ＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎのＰｏｌｙ−Ｔｅｒｇｅｎｔ（登録商標）ＳＬＦ１８）及びエポキシ末端保護ポリ（オキシアルキル化）アルコール（例えば、Ｏｌｉｎ ＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎのＰｏｌｙ−Ｔｅｒｇｅｎｔ（登録商標）ＳＬＦ１８Ｂシリーズ、非イオン性物質として米国特許第５，５７６，２８１号に記述されている）が含まれる。
好ましい低曇点界面活性剤は、以下の式を有するエーテル末端保護ポリ（オキシアルキル化）石鹸泡抑制剤である。
【００４４】
【化１】

【００４５】
Ｒ^１は平均約７〜約１２個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、Ｒ^２は約１〜約４個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、Ｒ^３は約１〜約４個の炭素原子を有する直鎖アルキル炭化水素であり、ｘは約１〜約６の整数、ｙは約４〜約１５の整数及びｚは約４〜約２５の整数である。
その他の低曇点非イオン性界面活性剤は、以下の式を有するエーテル末端保護ポリ（オキシアルキル化）である。
Ｒ_ＩＯ（Ｒ_ＩＩＯ）_ｎＣＨ（ＣＨ_３）ＯＲ_ＩＩＩ
Ｒ_Ｉは約７〜約１２個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換型又は非置換型、脂肪族又は芳香族の炭化水素基から成る群から選択され、Ｒ_ＩＩは同じ基でも異なる基でもよく、上記のいずれかの分子のうち、分岐鎖又は直鎖状Ｃ_２〜Ｃ_７のアルキレンから成る群から独立して選択され、ｎは１〜約３０の数であり、Ｒ_ＩＩＩは以下の群から選択される。
【００４６】
（ｉ）１〜３個のヘテロ原子を有する４〜８員環の置換型又は非置換型複素環、及び
（ｉｉ）約１〜約３０個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換型又は非置換型、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族の炭化水素基。
（ｂ）Ｒ^２が（ｉｉ）の場合、（Ａ）Ｒ^１の少なくとも１つがＣ_２〜Ｃ_３アルキレン以外のものであるか、あるいは（Ｂ）Ｒ^２が６〜３０個の炭素原子を有し、更にＲ^２が８〜１８個の炭素原子を有する場合、ＲはＣ_１〜Ｃ_５アルキル以外のものである。
【００４７】
本明細書に好適なその他の成分には、分散性、再付着防止性、汚れ放出性又はその他の洗浄特性の発明を有する有機ポリマーが含まれる。その割合は、組成物の約０．１重量％〜約３０重量％、好ましくは約０．５重量％〜約１５重量％、最も好ましくは約１重量％〜約１０重量％である。本明細書において好ましい再付着防止ポリマーには、ポリマー含有アクリル酸（例えば、ＳｏｋａｌａｎＰＡ３０、ＰＡ２０、ＰＡ１５、ＰＡ１０及びＳｏｋａｌａｎＣＰ１０（ＢＡＳＦ ＧｍｂＨ）、Ａｃｕｓｏｌ４５Ｎ、４８０Ｎ、４６０Ｎ（Ｒｏｈｍ ａｎｄ Ｈａａｓ））、アクリル酸／マレイン酸コポリマー（例えば、ＳｏｋａｌａｎＣＰ５）及びアクリル／メタクリルコポリマーが含まれる。本明細書において好ましい汚れ放出ポリマーには、アルキル及びヒドロキシアルキルセルロース（米国特許第４，０００，０９３号）、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン及びこれらのコポリマー、並びにエチレングリコール、プロピレングリコール及びこれらの混合物のテレフタレートエステルに基づく非イオン性及びアニオン性ポリマーが含まれる。
【００４８】
重金属イオン封鎖剤及び結晶成長阻害剤は、一般に組成物の約０．００５重量％〜約２０重量％、好ましくは約０．１重量％〜約１０重量％、更に好ましくは約０．２５重量％〜約７．５重量％、最も好ましくは約０．５重量％〜約５重量％の割合で本明細書に用いるのに好適である。これらには、例えば、ジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホネート）、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホネート）、ヘキサメチレンジアミンテトラ（メチレンホスホネート）、エチレンジホスホネート、ヒドロキシエチレン−１，１−ジホスホネート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミノテトラアセテート、エチレンジアミン−Ｎ，Ｎ’−ジサクシネートの塩及び遊離酸の形態が挙げられる。
【００４９】
本明細書における組成物は、腐食防止剤を含有することができる。これには、例えば、組成物の約０．０５重量％〜約１０重量％、好ましくは約０．１重量％〜約５重量％の割合で含有される有機銀コーティング剤（とりわけ、Ｗｉｎｔｅｒｓｈａｌｌ（ドイツ、ザルツバーゲン）から市販されているＷｉｎｏｇ７０などのパラフィン）、窒素含有腐食防止剤化合物（例えば、ベンゾトリアゾール及びベンズイマダゾール−英国特許第１，１３７，７４１号参照）及び組成物の約０．００５重量％〜約５重量％、好ましくは約０．０１重量％〜約１重量％、更に好ましくは約０．０２重量％〜約０．４重量％の割合で含有されるＭｎ（ＩＩ）化合物（とりわけ、有機配位子のＭｎ（ＩＩ）塩）が挙げられる。
本明細書におけるその他の好適な成分には、着色剤、約０．０１〜約５％の割合で含有される水溶性ビスマス化合物（例えば、酢酸ビスマス及びクエン酸ビスマス）、約０．０１〜約６％の割合で含有される酵素安定剤（例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール及び塩素漂白剤捕捉剤）、石灰石鹸分散剤（ＷＯ−Ａ−９３／０８８７７号参照）、石鹸泡抑制剤（ＷＯ−Ａ−９３／０８８７６号及び欧州特許第０，７０５，３２４号参照）、ポリマー染料転移阻害剤、光学的光沢剤、香料、充填剤及び粘土が含まれる。
【００５０】
液体洗剤組成物は、キャリアとして水及びその他の揮発性溶媒を含有することができる。本発明の液体洗剤には、少量の低分子量一級又は二級アルコール（例えば、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノール）を使用することができる。少量で使用されるその他の好適なキャリア溶媒には、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、１，２−プロパンジオール、ソルビトール及びこれらの混合物が含まれる。
【００５１】
（実施例）
実施例に使用されている略語
実施例において、成分名の略語は次の意味を有する。
【００５２】
【表１】

【００５３】
以下の実施例では、割合はすべて重量で表す。
【００５４】
実施例１〜５
食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきで汚れた調理器具及び食器を洗浄するために、溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤の合成物を使用する。洗い物は、１４０℃で２時間焼いたパイレックス容器のラザーニャ、１５０℃で２時間調理したステンレススチール容器のラザーニャ、１５０℃で２時間調理したステンレススチール容器のポテトとチーズ、１５０℃で２時間調理したステンレススチール容器の卵黄、及び１２０℃で１時間調理した後、１８０℃で１時間調理したソーセージといった異なる汚れと異なる基材から構成される。実施例１〜５の組成物の存在で、洗い物を５ｌ容量のＢｏｓｃｈ６０３２食器洗い機で洗浄する（５５℃、下洗いは行わない）。実施例１〜５は、２相錠剤型自動食器洗い洗剤及び有機溶媒組成物の組み合せを使用し、食器洗い機の本洗いの工程時で別々に添加する方法について説明する。実施例１〜５の２成分組成物は、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきに対して、優れた除去能力を示した。
【００５５】
【表２】

【００５６】
自動食器洗い洗剤組成物として上記と同じものを使用し、有機溶媒組成物として１０ｍｌの２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール及び２ｍｌのＳｉｌｗｅｔＬ７６００の存在で、実施例１〜５を繰り返した。組成物は、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきに対して、優れた除去能力を示した。
【００５７】
実施例６〜１０
実施例６〜１０は、調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するために、自動食器洗い液体洗剤及び有機溶媒組成物の組み合せを使用する方法について説明する。実施例６〜１０の２成分組成物を使用し、上記の方法（実施例１〜５）に従って、調理器具及び食器の汚れを洗浄する。食器洗い洗剤３０ｍｌ及び溶媒組成物１０ｍｌを、５ｌ容量のＢｏｓｃｈ６０３２食器洗い機の本洗いの工程時に別々に放出する（５５℃、前洗浄は行わない）。実施例６〜１０の組成物は、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきに対して、優れた除去能力を示す。
【００５８】
【表３】

【００５９】
自動食器洗い洗剤組成物として上記と同じものを使用し、有機溶媒組成物として１０ｍｌの２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール及び２ｍｌのＳｉｌｗｅｔＬ７６００の存在で、実施例６〜１０を繰り返した。組成物は、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきに対して、優れた除去能力を示した。
【００６０】
実施例１１〜１５
実施例１１〜１５も、調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するために、自動食器洗い液体洗剤及び有機溶媒組成物の組み合せを使用する方法について説明する。実施例１１〜１５の２成分組成物を使用し、上記の方法（実施例１〜５）に従って、調理器具及び食器の汚れを洗浄する。自動食器洗い液体洗剤及び有機溶媒組成物を、１回用量（食器洗い洗剤３０ｍｌ及び溶媒組成物１０ｍｌ）の部分加水分解性ＰＶＡ水溶性袋の個々の区画に放出する。パウチは、Ｂｏｓｃｈ６０３２食器洗い機の本洗いの工程時に放出する（５５℃、下洗いは行わない）。実施例１１〜１５の２成分組成物は、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきに対して、優れた除去能力を示す。同時に、これらの組成物は、ＰＶＡパウチ材料との優れた適合性も示す。
【００６１】
【表４】

【００６２】
自動食器洗い洗剤組成物として上記と同じものを使用し、有機溶媒組成物として１０ｍｌの２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール及び２ｍｌのＳｉｌｗｅｔＬ７６００の存在で、実施例１〜５を繰り返した。組成物は、食品の調理汚れ、焼きつき、及び焦げつきに対して、優れた除去能力を示した。
【００６３】
実施例１６〜１９
実施例１６〜１９は、調理汚れ、焼きつき及び焦げつきを除去するために、自動食器洗い液体洗剤及び有機溶媒組成物の組み合せを使用する方法について説明する。２つの成分から成る組成物を電動ポンプを有する２つの区画を有するボトルに詰め、３：１の供給率（食器洗い液体洗剤：有機溶媒組成物）で放出する。実施例１６〜１９の組成物を使用し、上記の方法（実施例１〜５）に従って、洗い物を洗浄する。食器洗い洗剤３０ｍｌ及び溶媒組成物１０ｍｌは、２つの区画を有するボトルから、Ｂｏｓｃｈ６０３２食器洗い機の本洗いの工程時に別々に放出する（５５℃、下洗いは行わない）。実施例１６〜１９の２成分組成物は、食品の調理汚れ、焼きつき及び焦げつきに対して、優れた除去能力を示す。食器洗い液体洗剤：有機溶媒組成物の比が４：１の組み合せの存在で、上記の実施例１６〜１９を繰り返した。結果は、同等の結果が得られた。
【００６４】
【表５】

【００６５】
実施例２０〜２４
実施例２０〜２４は、「一体型」の溶媒含有自動食器洗い洗剤組成物について説明する。実施例２０〜２４の組成物を使用し、上記の方法（実施例１〜５）に従って、洗い物を洗浄する。食器洗い組成物４０ｍｌをＢｏｓｃｈ６０３２食器洗い機の本洗いの工程時に放出する（５５℃、下洗いは行わない）。実施例２０〜２４の「一体型」組成物は、焼きつき汚れに対して、優れた除去能力を示す。
【００６６】
【表６】

Claims (43)

1. 調理器具及び食器から食品の調理汚れ、焼きつき又は焦げつきを除去する方法であって、有機溶媒系の存在で自動食器洗い機で調理器具／食器を洗浄することを含み、前記有機溶媒系が、約５０重量％未満の揮発性有機含量、及び約１００〜約１０，０００ｐｐｍの洗浄液体における濃度を有する方法。
2. 洗浄液体が、約３５ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約３２ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約３０ｍＮ／ｍ未満、とりわけ約２８ｍＮ／ｍ未満の液体表面張力を有する請求項１に記載の方法。
3. 調理器具及び食器から食品の調理汚れ、焼きつき又は焦げつきを除去する方法であって、有機溶媒系の存在で自動食器洗い機で調理器具／食器を洗浄することを含み、該有機溶媒系が、約１００〜約１０，０００ｐｐｍの洗浄液体における濃度を有し、及び洗浄液体における表面張力約３５ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約３２ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約３０ｍＮ／ｍ未満、とりわけ約２８ｍＮ／ｍ未満を有する方法。
4. 追加の界面活性剤及び洗浄ビルダーの存在で調理器具／食器を洗浄することを含み、界面活性剤及び洗浄ビルダーがそれぞれ約１０〜約１，０００ｐｐｍ及び約１００〜約５，０００ｐｐｍの洗浄液体における濃度を有する請求項１〜３のいずれか１項に記載の方法。
5. 有機溶媒の洗浄液体における濃度が約１００〜約１０，０００ｐｐｍ、好ましくは約２００〜約８，０００ｐｐｍ、更に好ましくは約５００〜約５，０００ｐｐｍである請求項１〜４のいずれか１項に記載の方法。
6. 自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に、少なくとも１つの有機溶媒組成物を含む複数の組成物を放出し、得られた溶媒含有洗浄液体で汚れた調理器具／食器を洗浄することを含む請求項１〜５のいずれか１項に記載の方法。
7. 複数の組成物が、少なくとも１つの有機溶媒組成物及び少なくとも１つの自動食器洗い洗剤組成物を含有するか、あるいは２つ又はそれ以上の溶媒組成物を含有する請求項６に記載の方法。
8. 自動食器洗い機の下洗いの工程時に有機溶媒組成物を放出し、その後、自動食器洗い機の本洗いの工程時に自動食器洗い洗剤組成物を放出することを含む請求項６に記載の方法。
9. 自動食器洗い機の下洗いの工程時に有機溶媒組成物及び第１の自動食器洗い洗剤組成物を放出し、その後、自動食器洗い機の本洗いの工程時に第２の自動食器洗い洗剤組成物を放出することを含む請求項６に記載の方法。
10. 自動食器洗い機の下洗いの工程及びその後の本洗いの工程時に、有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物を放出することを含む請求項６に記載の方法。
11. 自動食器洗い機の本洗いの工程時に有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物を放出することを含む請求項６に記載の方法。
12. 有機溶媒組成物の存在で自動食器洗い機の下洗いの工程で調理器具／食器を洗浄し、その後、自動食器洗いすすぎ組成物の存在で自動食器洗い機のすすぎ工程で調理器具／食器をすすぐことを含む請求項６に記載の方法。
13. 自動食器洗い機の同一の工程時に、異なる収容装置から有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物を放出することを含む請求項６に記載の方法。
14. 自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に、複数に区切られた容器の別々の区域に詰めた有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物の一方又は両方を放出することを含む請求項６に記載の方法。
15. 自動食器洗い機の本洗いの工程時に、有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物を約５：１〜約１：５０の供給率（溶媒組成物：洗剤組成物）で同時に放出することを含む請求項１４に記載の方法。
16. 下洗いの工程及び本洗いの工程のそれぞれに、連続して有機溶媒組成物及び自動食器洗い洗剤組成物を放出することを含む請求項１４に記載の方法。
17. 複数に区切られた容器が複数の区画を有する容器であり、有機溶媒組成物及び／又は自動食器洗い洗剤組成物が洗浄液体に接触する前に直接混合しないように物理的に区分されている請求項１４に記載の方法。
18. 自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に、多相洗剤組成物の一部を放出することを含み、多相洗剤組成物が、少なくとも有機溶媒組成物を含む第１相及び少なくとも自動食器洗い洗剤組成物を含む第２相から構成される請求項６に記載の方法。
19. 自動食器洗い機の同一又は異なる工程時に、溶媒特性が異なる複数の有機溶媒組成物を放出することを含む請求項６に記載の方法。
20. 自動食器洗い機の下洗いの工程時に第１の有機溶媒組成物を放出し、自動食器洗い機の本洗いの工程時に第２の有機溶媒組成物を放出することを含み、第１及び第２の有機溶媒組成物が、異なる汚れ及び／又は基材に対する特異性を有する請求項１９に記載の方法。
21. 自動食器洗い機の下洗いの工程時に第１の有機溶媒組成物及び第１の自動食器洗い洗剤組成物を放出し、本洗いの工程時に第２の溶媒組成物及び第２の自動食器洗い洗剤組成物を放出することを含む請求項１９又は２０に記載の方法。
22. 有機溶媒組成物の存在で調理器具／食器を洗浄することを含み、有機溶媒組成物が、１回以上繰り返す洗浄工程時において、有機溶媒の放出を制御するように設計された１回用量の形態である請求項１〜２１のいずれか１項に記載の方法。
23. 有機溶媒組成物の存在で調理器具／食器を洗浄することを含み、有機溶媒組成物が、下洗いの工程が終了するまで有機溶媒の放出を遅らせるように設計した１回用量の形態である請求項１〜２２のいずれか１項に記載の方法。
24. 有機溶媒組成物が、液体、ペースト、クリーム又はゲルの形態であり、この組成物を任意にカプセルに封入するか、ひとつの区画又は複数に区画された袋に詰めるか、あるいは多孔質キャリア材料に吸収させる請求項６〜２３のいずれか１項に記載の方法。
25. 有機溶媒組成物が汚れの除去に有効な有機アミン溶媒を含有し、約２４．５ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約２４ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約２３．５ｍＮ／ｍ未満の液体表面張力を有する請求項６〜２３のいずれか１項に記載の方法。
26. 有機溶媒組成物が更に、有機溶媒、湿潤剤及びこれらの混合物から選択される拡散補助剤を含有する請求項２５に記載の方法。
27. 拡散補助剤が、約３０ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約２８ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約２６ｍＮ／ｍ未満の液体表面張力を有する請求項２６に記載の方法。
28. 有機溶媒組成物が、重合油脂でコーティングしたガラス基材上で、２０°未満、好ましくは１０°未満、更に好ましくは５°未満の前進接触角を有し、有機溶媒組成物が混合溶媒系の場合、前進接触角は、溶媒系の個々の成分を含んだ同等の組成物のいずれの前進接触角より小さい請求項６〜２７のいずれか１項に記載の方法。
29. 自動食器洗い洗浄組成物の存在で自動食器洗い機で調理器具／食器を洗浄することを含み、自動食器洗い洗浄組成物が、洗浄液体における濃度として約１０〜約１，０００ｐｐｍの界面活性剤、約１００〜約５，０００ｐｐｍの洗浄ビルダー、及び約１００〜約１０，０００ｐｐｍ、好ましくは約２００〜約５，０００ｐｐｍの有機溶媒を十分に提供できる濃度で、界面活性剤（好ましくは低発泡非イオン性界面活性剤を含む）、洗浄ビルダー及び有機溶媒系を含有する請求項１〜２８のいずれか１項に記載の方法。
30. 有機溶媒系が、約２７ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約２５ｍＮ／ｍ未満の液体表面張力を有するか、あるいは有機溶媒系が各溶媒成分のいずれの表面張力より小さい（好ましくは約１ｍＮ／ｍ以上小さい）表面張力を有するような濃度で複数の溶媒成分を含有する請求項１〜２９のいずれか１項に記載の方法。
31. 有機溶媒系が、アルコール、アミン、エステル、グリコールエーテル、グリコール、テルペン類及びこれらの混合物から選択される請求項１〜３０のいずれか１項に記載の方法。
32. 有機溶媒系が、有機アミン溶媒（アルカノールアミン、アルキルアミン、アルキレンアミン及びこれらの混合物など）、アルコール溶媒（芳香族アルコール、脂肪族アルコール（好ましくはＣ_４〜Ｃ_１０）、環式脂肪族アルコール及びこれらの混合物など）、グリコール及びグリコール誘導体（Ｃ_２〜Ｃ_３の（ポリ）アルキレングリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル及びこれらの混合物など）、並びに有機アミン溶媒、アルコール溶媒、グリコール及びグリコール誘導体から選択された混合物から選択される請求項１〜３１のいずれか１項に記載の方法。
33. 有機溶媒が、有機アミン（とりわけアルカノールアミン、更にとりわけ２−アミノアルカノール）溶媒及びグリコールエーテル溶媒を好ましくは約３：１〜約１：３の重量比で含有し、グリコールエーテル溶媒が、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル及びこれらの混合物から選択される請求項１〜３２のいずれか１項に記載の方法。
34. グリコールエーテルが、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールブチルエーテルの混合物であり、その重量比が好ましくは約１：２〜約２：１である請求項３３に記載の方法。
35. 有機溶媒系が有機アミン溶媒を含有し、有機アミン溶媒のｐＫａが８．８以上、好ましくは９．３以上、更に好ましくは９．８以上である請求項１〜３４のいずれか１項に記載の方法。
36. 有機溶媒系が、９．５以下のｐＫａを有する第１の有機アミン溶媒及び９．５より大きいｐＫａを有する第２の有機アミン溶媒の混合物を含有する請求項１〜３５のいずれか１項に記載の方法。
37. 有機溶媒が１以上の有機アミンを含有し、有機アミンが、自動食器洗い機の洗浄液体のｐＨが有機アミンの最も高いｐＫａより高くなるように、アンモニウム塩の形態で洗浄液体に添加される請求項１〜３６のいずれか１項に記載の方法。
38. 有機溶媒系が、溶媒系の表面張力を低下させるために有効な湿潤剤と共に使用され、好ましくは前記湿潤剤が、約３０ｍＮ／ｍ未満、好ましくは約２８ｍＮ／ｍ未満、更に好ましくは約２６ｍＮ／ｍ未満の表面張力を有する有機界面活性剤から選択される請求項１〜３７のいずれか１項に記載の方法。
39. 湿潤剤が、シリコーンポリエーテルコポリマー、とりわけシリコーン−ポリ（アルキレンオキシド）コポリマーから選択される請求項３８に記載の方法。
40. 有機溶媒が、１ｍｍＨｇ以上で約２０％未満、更に好ましくは約１０％未満の揮発性有機含量を有する請求項１〜３９のいずれか１項に記載の方法。
41. 有機溶媒が、約１５０℃未満の沸点、約１００℃未満の引火点、又は約１ｍｍＨｇより大きい蒸気圧を有する溶媒成分を基本的に含まない請求項１〜４０のいずれか１項に記載の方法。
42. 請求項１〜４１のいずれか１項に記載の方法であって、有機溶媒が、
    ａ）２０（Ｍｐａ）^１／２以上のハンセン溶解度パラメータ、７（Ｍｐａ）^１／２以上、好ましくは１２（Ｍｐａ）^１／２以上の極性パラメータ、及び１０（Ｍｐａ）^１／２以上の水素結合パラメーターを有する極性水素結合溶媒、
    ｂ）２０（Ｍｐａ）^１／２以上のハンセン溶解度パラメータ、７（Ｍｐａ）^１／２以上、好ましくは１２（Ｍｐａ）^１／２以上の極性パラメータ、及び１０（Ｍｐａ）^１／２以上の水素結合パラメーターを有する極性非水素結合溶媒、
    ｃ）２０（Ｍｐａ）^１／２未満のハンセン溶解度パラメータ、７（Ｍｐａ）^１／２以上の極性パラメータ、及び１０（Ｍｐａ）^１／２以上の水素結合パラメーターを有する両親媒性溶媒、
    ｄ）７（Ｍｐａ）^１／２未満の極性パラメータ、及び１０（Ｍｐａ）^１／２未満の水素結合パラメーターを有する非極性溶媒、及び
    ｅ）これらの混合物から選択される方法。
43. 調理器具及び食器から食品の調理汚れ、焼きつき又は焦げつきを除去するための、自動食器洗い機における有機溶媒系の使用。