JP2004507591A - 高分子量中密度ポリエチレン - Google Patents
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Abstract
高分子量中密度ポリエチレン(HMW MDPE)が開示される。このポリエチレンは、約85から約98wt%のエチレン繰返し単位と約2から約15wt%のC3〜C10のα−オレフィンを含む。密度約0.92から約0.944g/cc、メルトインデックスMI2約0.01から約0.5dg/分、メルトフローレイトMFR約50から約300である。高分子量成分と低分子量成分を含む多峰形分子量分布をもつ。低分子量成分は約50から約600dg/分のMI2および約0.94から約0.97g/ccの密度をもつ。この中密度ポリエチレン製造プロセスもまた開示される。このプロセスではチーグラー触媒が用いられ、複数の反応ゾーンが利用される。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は高分子量中密度ポリエチレン(HMW MDPE)に関する。より詳細には、本発明は、既存の高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および線状低密度ポリエチレン(LLDPE)より優れるHMW MDPEに関する。本発明はまた多ゾーンエチレン重合プロセスにも関する。
【0002】
(発明の背景)
ポリエチレンは、高密度(HDPE、密度は0.941g/cc以上)、中密度(MDPE、密度は0.926から0.940g/cc)、低密度(LDPE、密度は0.910から0.925g/cc)および線状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度は0.910から0.925g/cc)に分けられる。(ASTM D4976−98:Standard Specification for Polyethylene Plastic Molding and Extrusion Materials(ポリエチレンプラスチック成形・押出材料の標準規格)を参照。)ポリエチレン(HDPE、LLDPE、およびLDPE)の主用途の1つは、食品雑貨用の厚手袋、消費者向け規格缶ライナー、商品用の袋、重袋ライナー、農産物袋、デリカテッセン用ラップ、および収縮ラップなどのフィルム用である。ポリエチレンフィルムの鍵となる物理的パラメータには、引裂強度、衝撃強度、引張強度、剛性および透明性が含まれる。引裂強度は機械(流れ)方向(MD)と横方向(MD)で測定される。全引裂強度(total tear strength)(MD引裂きとTD引裂きの積)は全体的な引裂特性の目安である。フィルムラインでの重要な加工特性には、吐出量、バブルの安定性、ゲージ制御(フィルム厚さの変動性)、押出機の圧力および温度が含まれる。
【0003】
HDPE樹脂は、食品雑貨用厚手袋、消費者向け規格缶ライナー、および商品用の袋などの様々な高強度フィルム用に使用されている。HDPE樹脂でつくられた袋は、高密度であるために、LLDPEおよびLDPEに比べて優れた引張強度と剛性を示す。高強度用途に用いられるフィルムグレートのHDPEは通常、分子量が高く分子量分布が広い。一般に、HDPEの分子量を増加させると、フィルムの物理的性質(引裂特性および衝撃強度)はよくなり、フィルム製造者はよりゲージを薄くすることができる。しかし、分子量を増加させると、フィルムラインの押出機温度および圧力が結果としてより高くなる。したがって、HMW HDPEフィルム樹脂の分子量分布は、フィルムラインでの加工性を良くするために、また押出機圧力および温度を低下させるために、一般に広い。しかし、消費者はHDPEの袋を手で扱うことに伴う堅さと大きな音について不満を言うことが多い。この欠点はHDPE袋のより高い密度に関連している。
【0004】
LLDPEおよびLDPE樹脂もまた、より低い密度による優れた引裂特性のために、フィルム用として使われている。しかし、LDPEおよびLLDPEの袋は引張特性が劣るという難点がある。したがって、食品雑貨用厚手袋などの用途にはLLDPEを用いることができない。さらに、一般に、HMW HDPE樹脂のように、より薄いフィルムゲージへとLLDPE樹脂をドローダウンすることはできない。
【0005】
HDPEは、大まかな分類で2種の触媒、すなわち酸化クロム触媒(例えば、米国特許第3,974,101号を参照)およびチーグラー触媒(欧州特許第211,624号)で製造される。酸化クロム触媒は広い分子量分布(MWD)をもつHDPEを生成し、一方チーグラー触媒は狭いMWDのHDPEを生成する。
【0006】
LLDPEはチーグラー触媒あるいは新しく開発されたシングルサイト触媒により製造される。シングルサイト触媒をメタロセンと非メタロセンに分けることができる。メタロセンシングルサイト触媒は、シクロペンタジエニル(Cp)あるいはCp誘導体配位子を含む遷移金属化合物である(米国特許第4,542,199号を参照)。非メタロセンシングルサイト触媒はCp以外の配位子を含むがメタロセンと同じ触媒特性をもつ。非メタロセンシングルサイト触媒はヘテロ原子配位子、例えばボラアリール(boraaryl)(米国特許第6,034,027号参照)、ピロリル(米国特許第5,539,124号参照)、アザボロリニル(azaborolinyl)(米国特許第5,756,611号を参照)あるいはキノリニル(米国特許第5,637,660号参照)を含んでいてもよい。シングルサイト触媒は、より狭い分子量分布とより均一なコモノマー分布をもつLLDPEを与える。
【0007】
多ゾーンエチレン重合プロセスもまたよく知られている。例えば、米国特許第5,236,998号は、チーグラー−ナッタ触媒を用いてポリエチレンを製造するための並列多反応器(parallel multiple reactor)プロセスを教示する。さらに、米国特許第4,357,448号は、HDPEを製造するための2段階重合プロセスを教示する。これらの特許により調製されるHDPE樹脂は、分子量分布が広く加工性が改良されている。しかし、これらの樹脂の密度は典型的なHDPEの範囲内にある。
【0008】
同時係属の米国特許出願09/302,059号は、第1反応ゾーンでシングルサイト触媒を、後の反応ゾーンでチーグラー触媒を用いる多反応ゾーンプロセスを教示する。シングルサイト触媒が用いられるゾーンでは低密度ポリエチレンが生成し、チーグラー触媒が用いられるゾーンでは高密度ポリエチレンが生成する。こうして、生成したポリエチレン樹脂は比較的低密度である。しかし、このプロセスは、シングルサイトおよびチーグラー触媒の両方を用いることにより複雑になっている。さらに、シングルサイト触媒は通常より高価である。
【0009】
(発明の概要)
本発明は高分子量中密度ポリエチレン(HMW MDPE)である。このポリエチレンは、約85から約98wt%のエチレン繰返し単位および約2から15wt%のC3〜C10のα−オレフィンを含む。その密度は約0.92から約0.944g/cc、メルトインデックスMI2は約0.01から約0.5dg/分、またメルトフローレイトMFRは約50から約300である。それは、高分子量成分および低分子量成分を含む多峰形分子量分布をもつ。低分子量成分はこのポリエチレンの約35から約65wt%である。低分子量成分は約50から約600dg/分のMI2ならびに約0.94から約0.97g/ccの密度をもつ。この独特な組成により、既存の高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)および低密度ポリエチレン(LDPE)より優れたHMW MDPEの性能が付与される。
【0010】
本発明には多ゾーンエチレン重合プロセスが含まれる。このプロセスはチーグラー触媒を用い、複数の反応ゾーンを利用する。このプロセスには、第1反応ゾーンでオレフィン混合物を重合して第1のポリマーを生成させること、水素などの何らかの揮発性材料を第1のポリマーから除去すること、そして次に第2の反応ゾーンで重合を続けて第2のポリマーを生成させることが含まれる。第1反応ゾーンは、第2反応ゾーンより高い水素密度を用いる。このようにして、第1のポリマーの分子量を第2のポリマーより小さくする。望ましい場合、2つより多くの反応ゾーンを用いてもよい。さらに本発明のプロセスには、酸素の存在下における第2のポリマーのコンパウンディングが含まれる。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明の高分子量中密度ポリエチレン(HMW MDPE)は、約85から98wt%のエチレン繰返し単位ならびに約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィン繰返し単位を含む。好ましくは、このポリエチレンは、約90から98wt%のエチレン繰返し単位ならびに約2から約10wt%のC3からC10のα−オレフィン繰返し単位を含む。適切なC3からC10のα−オレフィンには、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、および1−オクテンが含まれる。このα−オレフィンコモノマーはポリエチレン骨格に沿って短鎖分岐を形成する。この短鎖分岐はポリエチレン骨格を引き離してポリエチレンの密度を低下させる。本発明のポリエチレンは、約0.92から約944g/ccの範囲内の密度をもつ。好ましくは、密度は約0.93から約0.944g/ccの範囲内にある。
【0012】
本発明のHMW MDPEの分子量は高く、分子量分布は広い。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、分子量および分子量分布を測定することができる。別法として、メルトインデックスにより分子量および分子量分布を表すことができる。メルトインデックス(MI2)は分子量を評価するために、またメルトフローレイト(MFR)は分子量分布を評価するために通常用いられる。より大きいMI2はより小さい分子量を表す。より大きいMFRはより広い分子量分布を表す。MFRは高荷重メルトインデックス(HLMI)とMI2の比である。ASTM D−1238に従って、MI2およびHLMIを測定することができる。MI2は190℃、2.16kgの圧力のもとで測定される。HLMIは190℃、21.6kgの圧力のもとで測定される。本発明のポリエチレンは、約0.01から約0.5dg/分、好ましくは約0.01から約0.3dg/分のMI2、ならびに好ましくは約50から約300のMFRをもつ。それは、従来のHDPEおよびLLDPEと比較して、より高い分子量と広い分子量分布をもつ。
【0013】
本発明のHMW MDPEは多峰形分子量分布をもつ。「多峰形分子量分布」により、HMW MDPEが少なくとも2つの異なる分子量成分をもつということだけでなく、その2つの成分が化学的にまた構造的に互いに異なるということも意味している。低分子量成分のMI2は約50から600dg/分の範囲内にあり、高分子量成分のMI2は約0.5dg/分より小さい。高分子量(低MI2)成分により、ポリエチレンに、インフレーションフィルム(blown film)プロセスにおける優れたバブル安定性が付与され、低分子量(高MI2)成分により、ポリエチレンに優れた加工性が付与される。さらに、低分子量成分の密度は、通常のHDPEの範囲内にある約0.94から約0.97g/ccであり、高分子量成分の密度は、通常のLLDPEに類似の0.90から0.94g/cc、好ましくは、0.91から0.94g/ccである。
【0014】
本発明には、このHMW MDPEから製造されるフィルム、シートおよびパイプが含まれる。フィルムはシートより薄い。本発明の1つの利点は、LLDPE用の通常のフィルム設備によりこのHMW MDPEを加工することができるということである。本発明のHMW MDPEは既存のHMW HDPEおよびLLDPE樹脂より優れている。典型的なHMW HDPE樹脂で密度を低下させると、ハイストーク(high stalk)フィルムラインで加工しているときのバブル安定性が概して低下する。より低い密度にもかかわらず、本発明のHMW MDPEは、その独特の組成により、ハイストーク押出ラインで優れたバブル安定性を示す。ハイストークフィルムラインあるいは通常のインザポケット(in−the−pocket)LLDPEフィルムラインのいずれでも、これらの樹脂を加工することができる。HMW MDPEの別の利点はその低い溶融粘度であり、メルトインデックスはかなり小さいにもかかわらず、LLDPEより加工性がよいことを示している。
【0015】
典型的なHDPE樹脂のように、本発明のHMW MDPEは、高分子量と広い分子量分布により、薄いゲージへとドローダウンされうることがわかる。フィルムは通常のHDPEに比べて優れた全引裂特性を示す。より低密度であるため、HMW MDPE製のフィルムは通常のHDPEフィルムより軟らかく感じられる。しかし、フィルムの引張強度は、LLDPE樹脂で製造されたものよりずっと大きく、結果として袋の手触りおよび降伏強度を優れたものとしている。丈夫な輸送用厚手袋に用いられるより厚いフィルムゲージでは、このHMW MDPEは優れた引裂特性を示す。
【0016】
ポリエチレンフィルムの製造方法は知られている。例えば、米国特許第5,962,598号はハイストーク押出で製造される2軸延伸フィルムのつくり方を教示している。この方法では、溶融ポリエチレンが押出機により環状ダイのダイ間隙(0.8から2mm)を通して供給されて、垂直上向きに押しやられる溶融チューブが生じる。この時点で、溶融チューブは、環状ダイとほぼ同じ大きさである。加圧空気がチューブの内側に供給されてチューブの径を増加させて、「バブル」が生成する。チューブに注入される空気の体積は、チューブの大きさ、あるいはその結果としてのブローアップ比を制御する。ハイストーク押出では、チューブ径の増加はダイ直径のほぼ5〜12倍の高さで起こる。この距離がストークあるいはネック高さと呼ばれている。膨らんだチューブによりフィルムが望ましく2軸延伸されて、HMW MDPE樹脂の引裂きおよび衝撃特性のバランスが得られる。このチューブはフィルム外側表面上の冷却リングにより急速に冷却される。バブルは1対のニップロールの間で潰され、フィルム巻取機によりフィルムロール上に巻き取られる。チューブは初期冷却の後、内側表面が互いに付着しないようなある時点で潰される。フィルムの機械的強度は、ダイを出るポリマーの流れに沿う方向すなわち流れ方向(MD)、ならびにダイを出るポリマーの流れに直交する方向すなわち横断方向(TD)の2つの方向で特徴づけられる。
【0017】
ストークの高さが減少すると、「バブル」が平行運動および/または上下運動でふらつき始めることがある。このバブルの不安定性はフィルムの厚さあるいはゲージの変動を増加させるので、物理的性質を劣ったものとするかあるいは吐出量を減らすことが必要となるであろう。したがって、良好なバブル安定性はハイストークラインでのフィルム製造において欠くことができない。バブルの安定性は次のテストで計測することができ、1から52の範囲の数値評価を与え、52の評価は最高のバブル安定性を表す。このテストは、ダイ間隙が1.5mmである160mmダイを装備した75mm押出機を用いて、HMWフィルムラインで実施する。
【0018】
このテストは2つの部分に分けられる。メルトストレングスの測定である、テストの最初の部分では、樹脂を異なるネック高さで加工する。テストは、厚さ0.5ミルのフィルムを与える押出速度で、ダイ直径の10倍のネック高さと4:1のブローアップ比で始まる。テストのこの部分では、1倍刻みでダイ直径の6倍までバブルが下げられる。挙動に応じて、それぞれのネック高さ(例えば、ダイ直径の10、9、8、7、および6倍)で、ある得点が与えられる。テストのこの部分では全ての押出条件は一定に保たれる。それぞれのネック高さでのこの得点は、バブルの垂直バブル運動あるいはバブルが変位するインチ数による。
【0019】
例えば、ダイ直径の10倍の位置で、バブルの垂直運動が1インチ未満であれば、そのとき5という数値がその材料に与えられ、そしてテストは、より低いダイ直径の9倍のネック高さで続けて行われ、それからより低いネック高さで次々と続けて行われる。垂直の変位が増加すると、その材料にはより小さい数値が与えられる。任意の所与のネック高さで、1ないし2インチの変位には4という値が割り当てられるであろう。2ないし4インチの変位には3が与えられ、4インチを超える変位は2と評価され、バブルが壊れた場合その材料には1の評価が与えられ、そのテストは終了する。全てのネック高さで、最小限の変位で、ある材料を加工することができれば、それには25の数値が割り当てられ、第2段階のテストが開始される。しかし、材料は25より低い評価を受けることもあり、それを第2段階でテストすることができる。例えば、ある材料が、ダイ直径の6倍のネック高さで、2ないし4インチの運動変位があると評価されたとすると、25より低い評価を受けることになるであろうが、テストの2番目の部分は開始されてよいであろう。
【0020】
テストの2番目の部分は基本的には、樹脂の弾性あるいはドローダウン性のテストである。ダイ直径の6倍のネック高さで、巻取機を、250fpmから始めて25fpm刻みで400fpmまで速める。400fpmで、巻取機を、500fpmになるまで50fpm刻みで速める。バブルに3インチ未満の変動が認められた場合、その材料には3という数値が割り当てられる。バブルの変位が3インチを超える場合、その材料には2という数値が割り当てられ、またバブルが壊れた場合には、それには1という数値が割り当てられて、そのテストは終了する。巻取機の速度は、バブルの破壊が起こるまで、あるいは巻取機の速度が500fpmになるまで速められる。
【0021】
テストの2つの部分で割り当てられた数値の合計が、その特定の材料の「バブル安定性評価」である。30以上の評価で良好(good)と見なされ、その樹脂をあらゆるタイプのフィルムラインで、十分な速度で加工することができるということを表している。20ないし29の評価は、まずまず(fair)であり、その樹脂を多くのフィルムラインで加工することができるが、ある加工業者は問題を抱えるかもしれないということを表している。20未満の評価は好ましくなく(poor)、多くの加工業者が加工中の安定性を問題とするかもしれず、また十分な速度でその樹脂を加工することができないかもしれないということを表している。
【0022】
本発明には多ゾーンエチレン重合が含まれる。このプロセスには、第1の反応ゾーンでオレフィン混合物を重合して、分子量がより低くまた全生成物の約35から約65wt%である第1のポリマーを生成させること、水素などの何らかの揮発性材料を第1のポリマーから除去すること、そして次に、さらにオレフィン混合物を加えることにより第2の反応ゾーンで重合を続けて、分子量がより高い第2のポリマーを生成させることが含まれる。望ましい場合、2つより多くの反応ゾーンで重合を実施してもよい。
【0023】
オレフィン混合物は約85から約98wt%のエチレンおよび約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィンを含む。このプロセスでの使用に適するα−オレフィンはすでに記載した。いずれの反応ゾーンでもチーグラー触媒が用いられる。必要な触媒の全てを第1反応ゾーンに添加し、次いで後の1つまたは複数の反応ゾーンへと持ち越すことができる。別法として、後の1つまたは複数の反応ゾーンに付加的な量の触媒を供用することもできる。適切なチーグラー触媒には、ハロゲン化チタン、チタンアルコキシド、ハロゲン化バナジウム、およびこれらの混合物が含まれる。例は、TiCl3、TiCl4、VOCl3とTiCl4の混合物、ならびにVCl4とTiCl4の混合物である。
【0024】
触媒を担体上に固定してもよい。担体は、好ましくは、無機酸化物および塩化物などの多孔質材料、ならびに有機ポリマー樹脂である。好ましい無機酸化物には、2、3、4、5、13、あるいは14族元素の酸化物が含まれる。好ましい担体にはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、塩化マグネシウム、および架橋ポリスチレンが含まれる。好ましくは、担体は、約10から約700m2/gの範囲の表面積、約0.1から約4.0mL/gの範囲の細孔容積、約10から約500μmの範囲の平均粒径、ならびに約10から約1000Åの範囲の平均細孔径をもつ。それらは、好ましくは、熱処理、化学変性、あるいはこれらの両方により変性されている。熱処理では、好ましくは、担体は約50℃から約800℃の温度で加熱される。適切な化学変性剤には、有機アルミニウム、有機ケイ素、有機マグネシウム、および有機ホウ素化合物が含まれる。
【0025】
触媒は何らかの既知の技法を用いて担持される。例えば、米国特許第4,464,518号はTiCl4をマグネシウムシロキシド(siloxide)上に担持する方法を教示している。適切な一方法において、アルキルマグネシウムハライドがポリシロキサンと反応してマグネシウムシロキシドを生成し、次にハロゲン化チタンを担持するためにそれが用いられる。
【0026】
触媒は助触媒と共に用いられる。適切な助触媒には、トリアルキルアルミニウム化合物およびジアルキルアルミニウムハライドが含まれる。例は、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、およびジエチルアルミニウムクロリドである。助触媒は一般に、触媒1モルあたり約1から約100モルの量で用いられる。
【0027】
第1反応ゾーンの温度は約65から110℃の範囲内である。好ましくは、この温度は約75から約85℃の範囲内である。第2反応ゾーンの温度は約60から約110℃、好ましくは約75から約85℃の範囲内である。本発明者等は、第2反応ゾーンの温度が低すぎるとき、コモノマーを組み入れることが困難であるということを見出した。両反応ゾーンで水素が分子量を制御するために用いられる。気相における水素とエチレンのモル比は、第1反応ゾーンでは、約0.2/1から約10/1、好ましくは約1/1から約10/1、また第2反応ゾーンでは、約0.0005/1から約10/1、好ましくは0.0005/1から約5/1、またより好ましくは約0.0005/1から約0.8/1である。第1のポリマーを第2のポリマーより低い分子量すなわち大きなMI2とするために、第1反応ゾーンでより高濃度の水素が用いられる。第1のポリマーのMI2は約10から約600dg/分、好ましくは約50から約600dg/分であり、第2のポリマーのMI2は約0.01から約100dg/分、好ましくは約0.01から約5dg/分、より好ましくは約0.01から約0.5dg/分、また最も好ましくは約0.01から約0.25dg/分である。
【0028】
本発明のプロセスには、スラリ、気相、および超臨界重合が含まれる。スラリ重合は、制御が容易なため、好ましい。飽和脂肪族炭化水素が適切な溶剤である。約30℃から約110℃の範囲の沸点をもつ溶剤を用いることが望ましい。より沸点が低い溶剤は反応ゾーンに高圧を生じ、一方高沸点溶剤は除去が困難である。適切な溶剤には、イソブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、およびシクロヘキサン、ならびにこれらの混合物、例えばIsopar(登録商標)G溶剤(Exxon Chemical Companyの製品)が含まれる。
【0029】
別法として、第1反応ゾーンで分子量がより大きい第1のポリマーが生成し、第2反応ゾーンで分子量がより小さい第2のポリマーが生成するように、第1反応ゾーンおよび第2反応ゾーンの重合条件を逆にする。
【0030】
本発明のプロセスにはさらに、酸素の存在下における第2のポリマーの最終製品へのコンパウンディングが含まれる。好ましくは、酸素濃度は約5%である。コンパウンディングは、好ましくは、約180から約300℃の温度で押出機あるいはミキサで実施される。
【0031】
本発明のプロセスにより製造されるポリエチレンはHMW MDPEおよびHDPEを含む。このプロセスにより製造されたHDPEは、射出成形機において高流動性でありながら、物理的性質は保持されるかあるいは向上する。
【0032】
以下の実施例は本発明を単に例示するにすぎない。当分野の技術者は本発明の精神と特許請求の範囲内にある多くの変形形態を認めるであろう。
【0033】
実施例1
触媒を米国特許第4,464,518号に従って調製する。約1.4wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(0.059部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.0033部/時間)、ヘキサン(41.0部/時間)、1−ブテン(0.37部/時間)およびエチレン(16.9部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を82℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約3.8に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が220dg/分であり、密度が0.953g/ccである。
【0034】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(42.9部/時間)、1−ブテン(1.23部/時間)およびエチレン(18.6部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を77℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.05に維持して、MI2が約0.08dg/分、密度が0.936g/ccである第2のポリマーを得る。
【0035】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.054dg/分、MFRが145、また密度が0.938g/ccのポリエチレンを得る。
【0036】
溝付きフィード60mm押出機をスクリュ回転数61rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.2mmである120mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の6倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。ポリエチレンフィルムには、表1に示されるように、優れたバブル安定性および全引裂強度がある。
【0037】
3条溝付きフィード押出機(50、65、および75mm)を用い、得られたポリエチレンを、1.5mmのダイ間隙をもつ200mmの共押出フィルムダイに供給して、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ4ミルのフィルムとする。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、300lbs/時間でフィルムを製造する。この厚いフィルムには、表2に示されるように、全引裂強度、ダート(TEDD)、引張強度およびモデュラス(剛性)についての優れたバランスがある。
【0038】
実施例2
触媒を概ね米国特許第4,518,706号および4,699,961号に従って調製する。約0.03wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(5.0部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.012部/時間)、ヘキサン(207部/時間)、1−ブテン(2.8部/時間)およびエチレン(28.3部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を80℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約2.6に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が110dg/分であり、密度が0.953g/ccである。
【0039】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(160部/時間)、1−ブテン(10.0部/時間)およびエチレン(32.7部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を70℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.025に維持して、MI2が約0.066dg/分、密度が0.935g/ccである第2のポリマーを得る。
【0040】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.047dg/分、MFRが149、また密度が0.936g/ccのポリエチレンを得る。
【0041】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。表1に示されるように、得られたポリエチレンは、バブル安定性評価が28であり、優れた全引裂強度がある。
【0042】
実施例3
触媒を概ね米国特許第4,518,706号および4,699,961号に従って調製する。約0.03wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(5.0部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.012部/時間)、ヘキサン(176部/時間)、1−ブテン(2.6部/時間)およびエチレン(28.7部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を80℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約3.2に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が215dg/分であり、密度が0.954g/ccである。
【0043】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(201部/時間)、1−ブテン(9.1部/時間)およびエチレン(32.7部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を70℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.030に維持して、MI2が約0.083dg/分、密度が0.934g/ccである第2のポリマーを得る。
【0044】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.061dg/分、MFRが145、また密度が0.934g/ccのポリエチレンを得る。
【0045】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。表1に示されるように、得られたポリエチレンには、評価35の良好なバブル安定性および優れた全引裂強度がある。
【0046】
実施例4
触媒を概ね米国特許第4,518,706号および4,699,961号に従って調製する。約0.03wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(5.0部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.012部/時間)、ヘキサン(154部/時間)、1−ブテン(4.6部/時間)およびエチレン(29.3部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を80℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約2.5に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が105dg/分であり、密度が0.953g/ccである。
【0047】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(172部/時間)、1−ブテン(6.8部/時間)およびエチレン(32.5部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を70℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.017に維持して、MI2が約0.066dg/分、密度が0.933g/ccである第2のポリマーを得る。
【0048】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.039dg/分、MFRが183、また密度が0.934g/ccのポリエチレンを得る。
【0049】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。表1に示されるように、得られたポリエチレンには、評価35の良好なバブル安定性および優れた全引裂強度がある。
【0050】
実施例5
触媒を概ね米国特許第4,518,706号および4,699,961号に従って調製する。約0.03wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(5.0部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.012部/時間)、ヘキサン(154部/時間)、1−ブテン(2.5部/時間)およびエチレン(29.4部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を80℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約4.5に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が490dg/分であり、密度が0.955g/ccである。
【0051】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(172部/時間)、1−ブテン(5.9部/時間)およびエチレン(32.7部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を70℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.042に維持して、MI2が約0.085dg/分、密度が0.933g/ccである第2のポリマーを得る。
【0052】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.061dg/分、MFRが157、また密度が0.934g/ccのポリエチレンを得る。
【0053】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。表1に示されるように、得られたポリエチレンには、評価41の良好なバブル安定性および優れた全引裂強度がある。
【0054】
比較例6
実施例1の手順を繰り返すが、第2反応器の反応温度が実施例1より低い。また各反応器からの生成物の密度の値は実施例1より大きい。
【0055】
第1の反応器に、トリエチルアルミニウム助触媒(0.0068部/時間)、ヘキサン(37.3部/時間)、1−ブテン(0.31部/時間)、およびエチレン(19.3部/時間)と共に、実施例1で調製された触媒スラリを供給する(約0.20部/時間)。反応器の圧力を約140psigに、温度を82℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約6.4に制御して、MI2が412dg/分であり、密度が0.962g/ccである第1のポリマーを得る。
【0056】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(36.0部/時間)、1−ブテン(0.44部/時間)およびエチレン(19.4部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。気相における水素とエチレンのモル比を0.15、ブテンとエチレンのモル比を約0.044として、反応器の温度を70℃に維持して、第2のポリマーを得る。第2のポリマーは、MI2が約0.08dg/分、密度が0.948g/ccである。
【0057】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.055dg/分、MFRが153、また密度が0.949g/ccのポリエチレンを得る。
【0058】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、典型的なHMW双峰形フィルム樹脂である得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。このフィルムは、表1に示されるように、実施例1に比べて全引裂強度が非常に劣っている。
【0059】
3条溝付きフィード押出機(50、65、および75mm)を用い、得られたポリエチレンを、1.5mmのダイ間隙をもつ200mmの共押出フィルムダイに供給して、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ4ミルのフィルムとする。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、300lbs/時間でフィルムを製造する。表2に示されるように、全引裂強度は実施例1より劣っている。
【0060】
比較例7
比較例6の手順を繰り返すが、第2反応器の1−ブテンの濃度を高くして密度を低下させる。第2反応器で、気相における1−ブテンとエチレンのモル比は、比較例6における0.044ではなく0.056である。第2反応器からの生成物の密度は0.946g/ccであり、これは比較例6(0.949g/cc)より小さいが、実施例1(0.938g/cc)よりはまだ大きい。コンパウンド化された生成物のMI2は0.07dg/分である。
【0061】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。このフィルムの全引裂強度は628であり、これは比較例6(492)より良好であるが、実施例1〜5(1019から1474の範囲)よりかなり小さい。
【0062】
比較例8
スムースボア(bore)4インチ押出機を42rpmで用い、典型的なヘキセン系LLDPE樹脂であるLLDPE樹脂を、通常のフィルムラインで、厚さ4ミルのフィルムとする。押出機に6インチの単層ダイを装備する。ストーク高さゼロ(インザポケット)で、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。引張り、モデュラスおよびダート(TEDD)特性は、表2に示されるように、実施例1および比較例6より劣る。実施例1の、100 1/秒での粘度の値はLLDPE樹脂(比較例8)より小さく、実施例1がフィルムラインでより容易に加工されることを示している。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
(発明の分野)
本発明は高分子量中密度ポリエチレン(HMW MDPE)に関する。より詳細には、本発明は、既存の高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および線状低密度ポリエチレン(LLDPE)より優れるHMW MDPEに関する。本発明はまた多ゾーンエチレン重合プロセスにも関する。
【0002】
(発明の背景)
ポリエチレンは、高密度(HDPE、密度は0.941g/cc以上)、中密度(MDPE、密度は0.926から0.940g/cc)、低密度(LDPE、密度は0.910から0.925g/cc)および線状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度は0.910から0.925g/cc)に分けられる。(ASTM D4976−98:Standard Specification for Polyethylene Plastic Molding and Extrusion Materials(ポリエチレンプラスチック成形・押出材料の標準規格)を参照。)ポリエチレン(HDPE、LLDPE、およびLDPE)の主用途の1つは、食品雑貨用の厚手袋、消費者向け規格缶ライナー、商品用の袋、重袋ライナー、農産物袋、デリカテッセン用ラップ、および収縮ラップなどのフィルム用である。ポリエチレンフィルムの鍵となる物理的パラメータには、引裂強度、衝撃強度、引張強度、剛性および透明性が含まれる。引裂強度は機械(流れ)方向(MD)と横方向(MD)で測定される。全引裂強度(total tear strength)(MD引裂きとTD引裂きの積)は全体的な引裂特性の目安である。フィルムラインでの重要な加工特性には、吐出量、バブルの安定性、ゲージ制御(フィルム厚さの変動性)、押出機の圧力および温度が含まれる。
【0003】
HDPE樹脂は、食品雑貨用厚手袋、消費者向け規格缶ライナー、および商品用の袋などの様々な高強度フィルム用に使用されている。HDPE樹脂でつくられた袋は、高密度であるために、LLDPEおよびLDPEに比べて優れた引張強度と剛性を示す。高強度用途に用いられるフィルムグレートのHDPEは通常、分子量が高く分子量分布が広い。一般に、HDPEの分子量を増加させると、フィルムの物理的性質(引裂特性および衝撃強度)はよくなり、フィルム製造者はよりゲージを薄くすることができる。しかし、分子量を増加させると、フィルムラインの押出機温度および圧力が結果としてより高くなる。したがって、HMW HDPEフィルム樹脂の分子量分布は、フィルムラインでの加工性を良くするために、また押出機圧力および温度を低下させるために、一般に広い。しかし、消費者はHDPEの袋を手で扱うことに伴う堅さと大きな音について不満を言うことが多い。この欠点はHDPE袋のより高い密度に関連している。
【0004】
LLDPEおよびLDPE樹脂もまた、より低い密度による優れた引裂特性のために、フィルム用として使われている。しかし、LDPEおよびLLDPEの袋は引張特性が劣るという難点がある。したがって、食品雑貨用厚手袋などの用途にはLLDPEを用いることができない。さらに、一般に、HMW HDPE樹脂のように、より薄いフィルムゲージへとLLDPE樹脂をドローダウンすることはできない。
【0005】
HDPEは、大まかな分類で2種の触媒、すなわち酸化クロム触媒(例えば、米国特許第3,974,101号を参照)およびチーグラー触媒(欧州特許第211,624号)で製造される。酸化クロム触媒は広い分子量分布(MWD)をもつHDPEを生成し、一方チーグラー触媒は狭いMWDのHDPEを生成する。
【0006】
LLDPEはチーグラー触媒あるいは新しく開発されたシングルサイト触媒により製造される。シングルサイト触媒をメタロセンと非メタロセンに分けることができる。メタロセンシングルサイト触媒は、シクロペンタジエニル(Cp)あるいはCp誘導体配位子を含む遷移金属化合物である(米国特許第4,542,199号を参照)。非メタロセンシングルサイト触媒はCp以外の配位子を含むがメタロセンと同じ触媒特性をもつ。非メタロセンシングルサイト触媒はヘテロ原子配位子、例えばボラアリール(boraaryl)(米国特許第6,034,027号参照)、ピロリル(米国特許第5,539,124号参照)、アザボロリニル(azaborolinyl)(米国特許第5,756,611号を参照)あるいはキノリニル(米国特許第5,637,660号参照)を含んでいてもよい。シングルサイト触媒は、より狭い分子量分布とより均一なコモノマー分布をもつLLDPEを与える。
【0007】
多ゾーンエチレン重合プロセスもまたよく知られている。例えば、米国特許第5,236,998号は、チーグラー−ナッタ触媒を用いてポリエチレンを製造するための並列多反応器(parallel multiple reactor)プロセスを教示する。さらに、米国特許第4,357,448号は、HDPEを製造するための2段階重合プロセスを教示する。これらの特許により調製されるHDPE樹脂は、分子量分布が広く加工性が改良されている。しかし、これらの樹脂の密度は典型的なHDPEの範囲内にある。
【0008】
同時係属の米国特許出願09/302,059号は、第1反応ゾーンでシングルサイト触媒を、後の反応ゾーンでチーグラー触媒を用いる多反応ゾーンプロセスを教示する。シングルサイト触媒が用いられるゾーンでは低密度ポリエチレンが生成し、チーグラー触媒が用いられるゾーンでは高密度ポリエチレンが生成する。こうして、生成したポリエチレン樹脂は比較的低密度である。しかし、このプロセスは、シングルサイトおよびチーグラー触媒の両方を用いることにより複雑になっている。さらに、シングルサイト触媒は通常より高価である。
【0009】
(発明の概要)
本発明は高分子量中密度ポリエチレン(HMW MDPE)である。このポリエチレンは、約85から約98wt%のエチレン繰返し単位および約2から15wt%のC3〜C10のα−オレフィンを含む。その密度は約0.92から約0.944g/cc、メルトインデックスMI2は約0.01から約0.5dg/分、またメルトフローレイトMFRは約50から約300である。それは、高分子量成分および低分子量成分を含む多峰形分子量分布をもつ。低分子量成分はこのポリエチレンの約35から約65wt%である。低分子量成分は約50から約600dg/分のMI2ならびに約0.94から約0.97g/ccの密度をもつ。この独特な組成により、既存の高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)および低密度ポリエチレン(LDPE)より優れたHMW MDPEの性能が付与される。
【0010】
本発明には多ゾーンエチレン重合プロセスが含まれる。このプロセスはチーグラー触媒を用い、複数の反応ゾーンを利用する。このプロセスには、第1反応ゾーンでオレフィン混合物を重合して第1のポリマーを生成させること、水素などの何らかの揮発性材料を第1のポリマーから除去すること、そして次に第2の反応ゾーンで重合を続けて第2のポリマーを生成させることが含まれる。第1反応ゾーンは、第2反応ゾーンより高い水素密度を用いる。このようにして、第1のポリマーの分子量を第2のポリマーより小さくする。望ましい場合、2つより多くの反応ゾーンを用いてもよい。さらに本発明のプロセスには、酸素の存在下における第2のポリマーのコンパウンディングが含まれる。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明の高分子量中密度ポリエチレン(HMW MDPE)は、約85から98wt%のエチレン繰返し単位ならびに約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィン繰返し単位を含む。好ましくは、このポリエチレンは、約90から98wt%のエチレン繰返し単位ならびに約2から約10wt%のC3からC10のα−オレフィン繰返し単位を含む。適切なC3からC10のα−オレフィンには、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、および1−オクテンが含まれる。このα−オレフィンコモノマーはポリエチレン骨格に沿って短鎖分岐を形成する。この短鎖分岐はポリエチレン骨格を引き離してポリエチレンの密度を低下させる。本発明のポリエチレンは、約0.92から約944g/ccの範囲内の密度をもつ。好ましくは、密度は約0.93から約0.944g/ccの範囲内にある。
【0012】
本発明のHMW MDPEの分子量は高く、分子量分布は広い。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、分子量および分子量分布を測定することができる。別法として、メルトインデックスにより分子量および分子量分布を表すことができる。メルトインデックス(MI2)は分子量を評価するために、またメルトフローレイト(MFR)は分子量分布を評価するために通常用いられる。より大きいMI2はより小さい分子量を表す。より大きいMFRはより広い分子量分布を表す。MFRは高荷重メルトインデックス(HLMI)とMI2の比である。ASTM D−1238に従って、MI2およびHLMIを測定することができる。MI2は190℃、2.16kgの圧力のもとで測定される。HLMIは190℃、21.6kgの圧力のもとで測定される。本発明のポリエチレンは、約0.01から約0.5dg/分、好ましくは約0.01から約0.3dg/分のMI2、ならびに好ましくは約50から約300のMFRをもつ。それは、従来のHDPEおよびLLDPEと比較して、より高い分子量と広い分子量分布をもつ。
【0013】
本発明のHMW MDPEは多峰形分子量分布をもつ。「多峰形分子量分布」により、HMW MDPEが少なくとも2つの異なる分子量成分をもつということだけでなく、その2つの成分が化学的にまた構造的に互いに異なるということも意味している。低分子量成分のMI2は約50から600dg/分の範囲内にあり、高分子量成分のMI2は約0.5dg/分より小さい。高分子量(低MI2)成分により、ポリエチレンに、インフレーションフィルム(blown film)プロセスにおける優れたバブル安定性が付与され、低分子量(高MI2)成分により、ポリエチレンに優れた加工性が付与される。さらに、低分子量成分の密度は、通常のHDPEの範囲内にある約0.94から約0.97g/ccであり、高分子量成分の密度は、通常のLLDPEに類似の0.90から0.94g/cc、好ましくは、0.91から0.94g/ccである。
【0014】
本発明には、このHMW MDPEから製造されるフィルム、シートおよびパイプが含まれる。フィルムはシートより薄い。本発明の1つの利点は、LLDPE用の通常のフィルム設備によりこのHMW MDPEを加工することができるということである。本発明のHMW MDPEは既存のHMW HDPEおよびLLDPE樹脂より優れている。典型的なHMW HDPE樹脂で密度を低下させると、ハイストーク(high stalk)フィルムラインで加工しているときのバブル安定性が概して低下する。より低い密度にもかかわらず、本発明のHMW MDPEは、その独特の組成により、ハイストーク押出ラインで優れたバブル安定性を示す。ハイストークフィルムラインあるいは通常のインザポケット(in−the−pocket)LLDPEフィルムラインのいずれでも、これらの樹脂を加工することができる。HMW MDPEの別の利点はその低い溶融粘度であり、メルトインデックスはかなり小さいにもかかわらず、LLDPEより加工性がよいことを示している。
【0015】
典型的なHDPE樹脂のように、本発明のHMW MDPEは、高分子量と広い分子量分布により、薄いゲージへとドローダウンされうることがわかる。フィルムは通常のHDPEに比べて優れた全引裂特性を示す。より低密度であるため、HMW MDPE製のフィルムは通常のHDPEフィルムより軟らかく感じられる。しかし、フィルムの引張強度は、LLDPE樹脂で製造されたものよりずっと大きく、結果として袋の手触りおよび降伏強度を優れたものとしている。丈夫な輸送用厚手袋に用いられるより厚いフィルムゲージでは、このHMW MDPEは優れた引裂特性を示す。
【0016】
ポリエチレンフィルムの製造方法は知られている。例えば、米国特許第5,962,598号はハイストーク押出で製造される2軸延伸フィルムのつくり方を教示している。この方法では、溶融ポリエチレンが押出機により環状ダイのダイ間隙(0.8から2mm)を通して供給されて、垂直上向きに押しやられる溶融チューブが生じる。この時点で、溶融チューブは、環状ダイとほぼ同じ大きさである。加圧空気がチューブの内側に供給されてチューブの径を増加させて、「バブル」が生成する。チューブに注入される空気の体積は、チューブの大きさ、あるいはその結果としてのブローアップ比を制御する。ハイストーク押出では、チューブ径の増加はダイ直径のほぼ5〜12倍の高さで起こる。この距離がストークあるいはネック高さと呼ばれている。膨らんだチューブによりフィルムが望ましく2軸延伸されて、HMW MDPE樹脂の引裂きおよび衝撃特性のバランスが得られる。このチューブはフィルム外側表面上の冷却リングにより急速に冷却される。バブルは1対のニップロールの間で潰され、フィルム巻取機によりフィルムロール上に巻き取られる。チューブは初期冷却の後、内側表面が互いに付着しないようなある時点で潰される。フィルムの機械的強度は、ダイを出るポリマーの流れに沿う方向すなわち流れ方向(MD)、ならびにダイを出るポリマーの流れに直交する方向すなわち横断方向(TD)の2つの方向で特徴づけられる。
【0017】
ストークの高さが減少すると、「バブル」が平行運動および/または上下運動でふらつき始めることがある。このバブルの不安定性はフィルムの厚さあるいはゲージの変動を増加させるので、物理的性質を劣ったものとするかあるいは吐出量を減らすことが必要となるであろう。したがって、良好なバブル安定性はハイストークラインでのフィルム製造において欠くことができない。バブルの安定性は次のテストで計測することができ、1から52の範囲の数値評価を与え、52の評価は最高のバブル安定性を表す。このテストは、ダイ間隙が1.5mmである160mmダイを装備した75mm押出機を用いて、HMWフィルムラインで実施する。
【0018】
このテストは2つの部分に分けられる。メルトストレングスの測定である、テストの最初の部分では、樹脂を異なるネック高さで加工する。テストは、厚さ0.5ミルのフィルムを与える押出速度で、ダイ直径の10倍のネック高さと4:1のブローアップ比で始まる。テストのこの部分では、1倍刻みでダイ直径の6倍までバブルが下げられる。挙動に応じて、それぞれのネック高さ(例えば、ダイ直径の10、9、8、7、および6倍)で、ある得点が与えられる。テストのこの部分では全ての押出条件は一定に保たれる。それぞれのネック高さでのこの得点は、バブルの垂直バブル運動あるいはバブルが変位するインチ数による。
【0019】
例えば、ダイ直径の10倍の位置で、バブルの垂直運動が1インチ未満であれば、そのとき5という数値がその材料に与えられ、そしてテストは、より低いダイ直径の9倍のネック高さで続けて行われ、それからより低いネック高さで次々と続けて行われる。垂直の変位が増加すると、その材料にはより小さい数値が与えられる。任意の所与のネック高さで、1ないし2インチの変位には4という値が割り当てられるであろう。2ないし4インチの変位には3が与えられ、4インチを超える変位は2と評価され、バブルが壊れた場合その材料には1の評価が与えられ、そのテストは終了する。全てのネック高さで、最小限の変位で、ある材料を加工することができれば、それには25の数値が割り当てられ、第2段階のテストが開始される。しかし、材料は25より低い評価を受けることもあり、それを第2段階でテストすることができる。例えば、ある材料が、ダイ直径の6倍のネック高さで、2ないし4インチの運動変位があると評価されたとすると、25より低い評価を受けることになるであろうが、テストの2番目の部分は開始されてよいであろう。
【0020】
テストの2番目の部分は基本的には、樹脂の弾性あるいはドローダウン性のテストである。ダイ直径の6倍のネック高さで、巻取機を、250fpmから始めて25fpm刻みで400fpmまで速める。400fpmで、巻取機を、500fpmになるまで50fpm刻みで速める。バブルに3インチ未満の変動が認められた場合、その材料には3という数値が割り当てられる。バブルの変位が3インチを超える場合、その材料には2という数値が割り当てられ、またバブルが壊れた場合には、それには1という数値が割り当てられて、そのテストは終了する。巻取機の速度は、バブルの破壊が起こるまで、あるいは巻取機の速度が500fpmになるまで速められる。
【0021】
テストの2つの部分で割り当てられた数値の合計が、その特定の材料の「バブル安定性評価」である。30以上の評価で良好(good)と見なされ、その樹脂をあらゆるタイプのフィルムラインで、十分な速度で加工することができるということを表している。20ないし29の評価は、まずまず(fair)であり、その樹脂を多くのフィルムラインで加工することができるが、ある加工業者は問題を抱えるかもしれないということを表している。20未満の評価は好ましくなく(poor)、多くの加工業者が加工中の安定性を問題とするかもしれず、また十分な速度でその樹脂を加工することができないかもしれないということを表している。
【0022】
本発明には多ゾーンエチレン重合が含まれる。このプロセスには、第1の反応ゾーンでオレフィン混合物を重合して、分子量がより低くまた全生成物の約35から約65wt%である第1のポリマーを生成させること、水素などの何らかの揮発性材料を第1のポリマーから除去すること、そして次に、さらにオレフィン混合物を加えることにより第2の反応ゾーンで重合を続けて、分子量がより高い第2のポリマーを生成させることが含まれる。望ましい場合、2つより多くの反応ゾーンで重合を実施してもよい。
【0023】
オレフィン混合物は約85から約98wt%のエチレンおよび約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィンを含む。このプロセスでの使用に適するα−オレフィンはすでに記載した。いずれの反応ゾーンでもチーグラー触媒が用いられる。必要な触媒の全てを第1反応ゾーンに添加し、次いで後の1つまたは複数の反応ゾーンへと持ち越すことができる。別法として、後の1つまたは複数の反応ゾーンに付加的な量の触媒を供用することもできる。適切なチーグラー触媒には、ハロゲン化チタン、チタンアルコキシド、ハロゲン化バナジウム、およびこれらの混合物が含まれる。例は、TiCl3、TiCl4、VOCl3とTiCl4の混合物、ならびにVCl4とTiCl4の混合物である。
【0024】
触媒を担体上に固定してもよい。担体は、好ましくは、無機酸化物および塩化物などの多孔質材料、ならびに有機ポリマー樹脂である。好ましい無機酸化物には、2、3、4、5、13、あるいは14族元素の酸化物が含まれる。好ましい担体にはシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、塩化マグネシウム、および架橋ポリスチレンが含まれる。好ましくは、担体は、約10から約700m2/gの範囲の表面積、約0.1から約4.0mL/gの範囲の細孔容積、約10から約500μmの範囲の平均粒径、ならびに約10から約1000Åの範囲の平均細孔径をもつ。それらは、好ましくは、熱処理、化学変性、あるいはこれらの両方により変性されている。熱処理では、好ましくは、担体は約50℃から約800℃の温度で加熱される。適切な化学変性剤には、有機アルミニウム、有機ケイ素、有機マグネシウム、および有機ホウ素化合物が含まれる。
【0025】
触媒は何らかの既知の技法を用いて担持される。例えば、米国特許第4,464,518号はTiCl4をマグネシウムシロキシド(siloxide)上に担持する方法を教示している。適切な一方法において、アルキルマグネシウムハライドがポリシロキサンと反応してマグネシウムシロキシドを生成し、次にハロゲン化チタンを担持するためにそれが用いられる。
【0026】
触媒は助触媒と共に用いられる。適切な助触媒には、トリアルキルアルミニウム化合物およびジアルキルアルミニウムハライドが含まれる。例は、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、およびジエチルアルミニウムクロリドである。助触媒は一般に、触媒1モルあたり約1から約100モルの量で用いられる。
【0027】
第1反応ゾーンの温度は約65から110℃の範囲内である。好ましくは、この温度は約75から約85℃の範囲内である。第2反応ゾーンの温度は約60から約110℃、好ましくは約75から約85℃の範囲内である。本発明者等は、第2反応ゾーンの温度が低すぎるとき、コモノマーを組み入れることが困難であるということを見出した。両反応ゾーンで水素が分子量を制御するために用いられる。気相における水素とエチレンのモル比は、第1反応ゾーンでは、約0.2/1から約10/1、好ましくは約1/1から約10/1、また第2反応ゾーンでは、約0.0005/1から約10/1、好ましくは0.0005/1から約5/1、またより好ましくは約0.0005/1から約0.8/1である。第1のポリマーを第2のポリマーより低い分子量すなわち大きなMI2とするために、第1反応ゾーンでより高濃度の水素が用いられる。第1のポリマーのMI2は約10から約600dg/分、好ましくは約50から約600dg/分であり、第2のポリマーのMI2は約0.01から約100dg/分、好ましくは約0.01から約5dg/分、より好ましくは約0.01から約0.5dg/分、また最も好ましくは約0.01から約0.25dg/分である。
【0028】
本発明のプロセスには、スラリ、気相、および超臨界重合が含まれる。スラリ重合は、制御が容易なため、好ましい。飽和脂肪族炭化水素が適切な溶剤である。約30℃から約110℃の範囲の沸点をもつ溶剤を用いることが望ましい。より沸点が低い溶剤は反応ゾーンに高圧を生じ、一方高沸点溶剤は除去が困難である。適切な溶剤には、イソブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、およびシクロヘキサン、ならびにこれらの混合物、例えばIsopar(登録商標)G溶剤(Exxon Chemical Companyの製品)が含まれる。
【0029】
別法として、第1反応ゾーンで分子量がより大きい第1のポリマーが生成し、第2反応ゾーンで分子量がより小さい第2のポリマーが生成するように、第1反応ゾーンおよび第2反応ゾーンの重合条件を逆にする。
【0030】
本発明のプロセスにはさらに、酸素の存在下における第2のポリマーの最終製品へのコンパウンディングが含まれる。好ましくは、酸素濃度は約5%である。コンパウンディングは、好ましくは、約180から約300℃の温度で押出機あるいはミキサで実施される。
【0031】
本発明のプロセスにより製造されるポリエチレンはHMW MDPEおよびHDPEを含む。このプロセスにより製造されたHDPEは、射出成形機において高流動性でありながら、物理的性質は保持されるかあるいは向上する。
【0032】
以下の実施例は本発明を単に例示するにすぎない。当分野の技術者は本発明の精神と特許請求の範囲内にある多くの変形形態を認めるであろう。
【0033】
実施例1
触媒を米国特許第4,464,518号に従って調製する。約1.4wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(0.059部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.0033部/時間)、ヘキサン(41.0部/時間)、1−ブテン(0.37部/時間)およびエチレン(16.9部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を82℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約3.8に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が220dg/分であり、密度が0.953g/ccである。
【0034】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(42.9部/時間)、1−ブテン(1.23部/時間)およびエチレン(18.6部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を77℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.05に維持して、MI2が約0.08dg/分、密度が0.936g/ccである第2のポリマーを得る。
【0035】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.054dg/分、MFRが145、また密度が0.938g/ccのポリエチレンを得る。
【0036】
溝付きフィード60mm押出機をスクリュ回転数61rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.2mmである120mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の6倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。ポリエチレンフィルムには、表1に示されるように、優れたバブル安定性および全引裂強度がある。
【0037】
3条溝付きフィード押出機(50、65、および75mm)を用い、得られたポリエチレンを、1.5mmのダイ間隙をもつ200mmの共押出フィルムダイに供給して、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ4ミルのフィルムとする。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、300lbs/時間でフィルムを製造する。この厚いフィルムには、表2に示されるように、全引裂強度、ダート(TEDD)、引張強度およびモデュラス(剛性)についての優れたバランスがある。
【0038】
実施例2
触媒を概ね米国特許第4,518,706号および4,699,961号に従って調製する。約0.03wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(5.0部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.012部/時間)、ヘキサン(207部/時間)、1−ブテン(2.8部/時間)およびエチレン(28.3部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を80℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約2.6に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が110dg/分であり、密度が0.953g/ccである。
【0039】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(160部/時間)、1−ブテン(10.0部/時間)およびエチレン(32.7部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を70℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.025に維持して、MI2が約0.066dg/分、密度が0.935g/ccである第2のポリマーを得る。
【0040】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.047dg/分、MFRが149、また密度が0.936g/ccのポリエチレンを得る。
【0041】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。表1に示されるように、得られたポリエチレンは、バブル安定性評価が28であり、優れた全引裂強度がある。
【0042】
実施例3
触媒を概ね米国特許第4,518,706号および4,699,961号に従って調製する。約0.03wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(5.0部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.012部/時間)、ヘキサン(176部/時間)、1−ブテン(2.6部/時間)およびエチレン(28.7部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を80℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約3.2に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が215dg/分であり、密度が0.954g/ccである。
【0043】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(201部/時間)、1−ブテン(9.1部/時間)およびエチレン(32.7部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を70℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.030に維持して、MI2が約0.083dg/分、密度が0.934g/ccである第2のポリマーを得る。
【0044】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.061dg/分、MFRが145、また密度が0.934g/ccのポリエチレンを得る。
【0045】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。表1に示されるように、得られたポリエチレンには、評価35の良好なバブル安定性および優れた全引裂強度がある。
【0046】
実施例4
触媒を概ね米国特許第4,518,706号および4,699,961号に従って調製する。約0.03wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(5.0部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.012部/時間)、ヘキサン(154部/時間)、1−ブテン(4.6部/時間)およびエチレン(29.3部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を80℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約2.5に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が105dg/分であり、密度が0.953g/ccである。
【0047】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(172部/時間)、1−ブテン(6.8部/時間)およびエチレン(32.5部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を70℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.017に維持して、MI2が約0.066dg/分、密度が0.933g/ccである第2のポリマーを得る。
【0048】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.039dg/分、MFRが183、また密度が0.934g/ccのポリエチレンを得る。
【0049】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。表1に示されるように、得られたポリエチレンには、評価35の良好なバブル安定性および優れた全引裂強度がある。
【0050】
実施例5
触媒を概ね米国特許第4,518,706号および4,699,961号に従って調製する。約0.03wt%の固形分を含む触媒スラリとなるように、この触媒をヘキサンに分散させる。触媒スラリ(5.0部/時間)、トリエチルアルミニウム助触媒(0.012部/時間)、ヘキサン(154部/時間)、1−ブテン(2.5部/時間)およびエチレン(29.4部/時間)を連続的に第1の反応器に供給する。反応器の圧力を約140psigに、温度を80℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約4.5に制御して、第1のポリマーを得る。第1のポリマーは、MI2が490dg/分であり、密度が0.955g/ccである。
【0051】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(172部/時間)、1−ブテン(5.9部/時間)およびエチレン(32.7部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。反応器の温度を70℃に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.042に維持して、MI2が約0.085dg/分、密度が0.933g/ccである第2のポリマーを得る。
【0052】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.061dg/分、MFRが157、また密度が0.934g/ccのポリエチレンを得る。
【0053】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。表1に示されるように、得られたポリエチレンには、評価41の良好なバブル安定性および優れた全引裂強度がある。
【0054】
比較例6
実施例1の手順を繰り返すが、第2反応器の反応温度が実施例1より低い。また各反応器からの生成物の密度の値は実施例1より大きい。
【0055】
第1の反応器に、トリエチルアルミニウム助触媒(0.0068部/時間)、ヘキサン(37.3部/時間)、1−ブテン(0.31部/時間)、およびエチレン(19.3部/時間)と共に、実施例1で調製された触媒スラリを供給する(約0.20部/時間)。反応器の圧力を約140psigに、温度を82℃に、また気相における水素とエチレンのモル比を約6.4に制御して、MI2が412dg/分であり、密度が0.962g/ccである第1のポリマーを得る。
【0056】
第1のポリマーをフラッシュドラムに移し、揮発性材料の一部分を除去する。次に混合物を第2の反応器に移す。ヘキサン(36.0部/時間)、1−ブテン(0.44部/時間)およびエチレン(19.4部/時間)を連続的に第2の反応器に供給する。気相における水素とエチレンのモル比を0.15、ブテンとエチレンのモル比を約0.044として、反応器の温度を70℃に維持して、第2のポリマーを得る。第2のポリマーは、MI2が約0.08dg/分、密度が0.948g/ccである。
【0057】
第2のポリマーを窒素中で単離し乾燥する。次に5%の酸素の存在下、適切なワンパック安定剤の存在下に乾燥粉末のコンパウンディングを実施して、MI2が0.055dg/分、MFRが153、また密度が0.949g/ccのポリエチレンを得る。
【0058】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、典型的なHMW双峰形フィルム樹脂である得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。このフィルムは、表1に示されるように、実施例1に比べて全引裂強度が非常に劣っている。
【0059】
3条溝付きフィード押出機(50、65、および75mm)を用い、得られたポリエチレンを、1.5mmのダイ間隙をもつ200mmの共押出フィルムダイに供給して、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ4ミルのフィルムとする。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、300lbs/時間でフィルムを製造する。表2に示されるように、全引裂強度は実施例1より劣っている。
【0060】
比較例7
比較例6の手順を繰り返すが、第2反応器の1−ブテンの濃度を高くして密度を低下させる。第2反応器で、気相における1−ブテンとエチレンのモル比は、比較例6における0.044ではなく0.056である。第2反応器からの生成物の密度は0.946g/ccであり、これは比較例6(0.949g/cc)より小さいが、実施例1(0.938g/cc)よりはまだ大きい。コンパウンド化された生成物のMI2は0.07dg/分である。
【0061】
溝付きフィード65mm押出機をスクリュ回転数100rpmで用い、得られたポリエチレンを、HMWインフレーションフィルムラインで、厚さ0.5ミルのフィルムとする。押出機にはダイ間隙が1.5mmである160mmの単層ダイを装備する。ダイ直径の8倍のストーク高さで、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。このフィルムの全引裂強度は628であり、これは比較例6(492)より良好であるが、実施例1〜5(1019から1474の範囲)よりかなり小さい。
【0062】
比較例8
スムースボア(bore)4インチ押出機を42rpmで用い、典型的なヘキセン系LLDPE樹脂であるLLDPE樹脂を、通常のフィルムラインで、厚さ4ミルのフィルムとする。押出機に6インチの単層ダイを装備する。ストーク高さゼロ(インザポケット)で、ブローアップ比(BUR)を4:1として、フィルムを製造する。引張り、モデュラスおよびダート(TEDD)特性は、表2に示されるように、実施例1および比較例6より劣る。実施例1の、100 1/秒での粘度の値はLLDPE樹脂(比較例8)より小さく、実施例1がフィルムラインでより容易に加工されることを示している。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
Claims (24)
- (a)約85から約98wt%のエチレン繰返し単位および約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィン繰返し単位を含み、
(b)低分子量成分および高分子量成分を含む多峰形分子量分布を有し、高分子量成分と低分子量成分の重量比が約65/35から約35/65の範囲内であり、
(c)約0.92から約0.944g/ccの範囲内の密度を有し、
(d)約0.01から約0.5dg/分の範囲内のMI2を有し、および
(e)約50から約300の範囲内のMFRを有するポリエチレンであって、
低分子量成分が約50から約600dg/分のMI2および約0.94から約0.97g/ccの密度を有するポリエチレン。 - α−オレフィンがプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載のポリエチレン。
- α−オレフィンが1−ブテンである請求項1に記載のポリエチレン。
- 密度が約0.93から0.944g/ccの範囲内である請求項1に記載のポリエチレン。
- MI2が約0.01から約0.3dg/分の範囲内である請求項1に記載のポリエチレン。
- 請求項1に記載のポリエチレンから製造されるフィルム。
- 請求項1に記載のポリエチレンから製造されるシート。
- 請求項1に記載のポリエチレンから製造されるパイプ。
- (a)第1反応ゾーンで、約65℃から約110℃の範囲内の温度で、チーグラー触媒の存在下に、気相における水素とエチレンのモル比を約1/1から約10/1の範囲内として、
(i)約85から約98wt%のエチレン、および
(ii)約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィン
を含むオレフィン混合物を重合して、約50から約600dg/分の範囲内のMI2および約0.94から約0.97g/ccの密度を有する第1のポリマーを生成させること、
(b)第1のポリマーから揮発性材料を除去すること、および
(c)第2反応ゾーンで、約60℃から約110℃の範囲内の温度で、水素とエチレンのモル比を約0.0005/1から約0.8/1の範囲内として、さらにオレフィン混合物を加えることにより重合を続けて、約0.92から約0.944g/ccの範囲内の密度および0.01から約0.5dg/分の範囲内のMI2を有する第2のポリマーを生成させること
を含む多ゾーンプロセスであって、全ポリマーの約35wt%から約65wt%が第1反応ゾーンで生成するプロセス。 - α−オレフィンがプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項9に記載のプロセス。
- オレフィンが1−ブテンである請求項9に記載のプロセス。
- 重合がスラリ相で実施される請求項9に記載のプロセス。
- 重合が気相で実施される請求項9に記載のプロセス。
- 請求項9に記載のプロセスにより製造されるポリエチレンであって、
(a)約85から約98wt%のエチレン繰返し単位および約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィン繰返し単位、
(b)低分子量成分および高分子量成分を含む多峰形分子量分布を有し、高分子量成分と低分子量成分の重量比が約35/65から約65/35の範囲内であり、
(c)約0.92から約0.944g/ccの範囲内の密度、
(d)約0.01から約0.5dg/分の範囲内のMI2、および
(e)約50から約300の範囲内のMFR
を有し、
低分子量成分が約50から約600dg/分の範囲内のMI2および約0.94から約0.97g/ccの範囲内の密度を有する前記ポリエチレン。 - α−オレフィンがプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項14に記載のポリエチレン。
- α−オレフィンが1−ブテンである請求項14に記載のポリエチレン。
- 密度が約0.93から約0.944g/ccの範囲内である請求項14に記載のポリエチレン。
- MI2が約0.01から約0.3dg/分の範囲内である請求項14に記載のポリエチレン。
- (a)第1反応ゾーンで、約60℃から約110℃の範囲内の温度で、チーグラー触媒の存在下に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.0005/1から約0.8/1の範囲内として、
(i)約85から約98wt%のエチレン、および
(ii)約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィン
を含むオレフィン混合物を重合して、約0.90から約0.944g/ccの範囲内の密度および約0.5dg/分より小さいMI2を有する第1のポリマーを生成させること、
(b)第1のポリマーから揮発性材料を除去すること、および
(c)第2反応ゾーンで、約65℃から約110℃の範囲内の温度で、気相における水素とエチレンのモル比を約1/1から約10/1の範囲内として、さらにオレフィン混合物を加えることにより重合を続けて、約0.92から約0.944g/ccの範囲内の密度および約0.01から約0.5dg/分の範囲内のMI2を有する第2のポリマーを生成させること
を含む多ゾーンプロセスであって、全ポリマーの約35wt%から約65wt%が第1反応ゾーンで生成するプロセス。 - (a)第1反応ゾーンで、約65℃から約110℃の範囲内の温度で、チーグラー触媒の存在下に、気相における水素とエチレンのモル比を約1/1から約10/1の範囲内として、
(i)約85から約98wt%のエチレン、および
(ii)約2から約15wt%のC3からC10のα−オレフィン
を含むオレフィン混合物を重合して、約50から約600dg/分の範囲内のMI2および約0.94から約0.97g/ccの範囲内の密度を有する第1のポリマーを生成させること、
(b)第1のポリマーから揮発性材料を除去すること、
(c)第2反応ゾーンで、約60℃から約110℃の範囲内の温度で、気相における水素とエチレンのモル比を約0.0005/1から約0.8/1の範囲内として、さらにオレフィン混合物を加えることにより重合を続けて、約0.92から約0.944g/ccの範囲内の密度および約0.01から約0.5dg/分の範囲内のMI2を有する第2のポリマーを生成させること、および
(d)酸素の存在下で第2のポリマーを最終ポリマーにコンパウンディングすること
を含む多ゾーンプロセス。 - α−オレフィンがプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項20に記載のプロセス。
- α−オレフィンが1−ブテンである請求項20に記載のプロセス。
- (a)第1反応ゾーンで、約65℃から約110℃の範囲内の温度で、チーグラー触媒の存在下に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.2/1から約10/1の範囲内として、
(i)約90から約100wt%のエチレン、および
(ii)約0から約10wt%のC3からC10のα−オレフィン
を含むオレフィン混合物を重合して、第1のポリマーを生成させること、
(b)第1のポリマーから揮発性材料を除去すること、および
(c)第2反応ゾーンで、約60℃から約110℃の範囲内の温度で、気相における水素とエチレンのモル比を約0.05/1から約5/1の範囲内として、さらにオレフィン混合物を加えることにより重合を続けて、第1のポリマーの密度より小さく、また約0.944から約0.965g/ccの範囲内の密度、ならびに第1のポリマーのMI2より小さく、また約2から約100dg/分の範囲内のMI2を有する第2のポリマーを生成させること
を含む多ゾーンプロセスであって、全ポリマーの約35wt%から約65wt%が第1反応ゾーンで生成するプロセス。 - (a)第1反応ゾーンで、約60℃から約110℃の範囲内の温度で、チーグラー触媒の存在下に、気相における水素とエチレンのモル比を約0.05/1から約5/1の範囲内として、
(i)約90から約100wt%のエチレン、および
(ii)約0から約10wt%のC3からC10のα−オレフィン
を含むオレフィン混合物を重合して、第1のポリマーを生成させること、
(b)第1のポリマーから揮発性材料を除去すること、および
(c)第2反応ゾーンで、約65℃から約110℃の範囲内の温度で、気相における水素とエチレンのモル比を約0.2/1から約10/1の範囲内として、さらにオレフィン混合物を加えることにより重合を続けて、第1のポリマーの密度より大きく、また約0.944から約0.965g/ccの範囲内の密度、ならびに第1のポリマーのMI2より大きく、また約2から約100dg/分の範囲内のMI2を有する第2のポリマーを生成させること
を含む多ゾーンプロセスであって、全ポリマーの約35wt%から約65wt%が第1反応ゾーンで生成するプロセス。
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