JP2004506639A - 界面活性光開始剤 - Google Patents

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JP2004506639A JP2002519464A JP2002519464A JP2004506639A JP 2004506639 A JP2004506639 A JP 2004506639A JP 2002519464 A JP2002519464 A JP 2002519464A JP 2002519464 A JP2002519464 A JP 2002519464A JP 2004506639 A JP2004506639 A JP 2004506639A
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Abstract

式(Ia)、(Ib)及び(Ic)(式中、R、R及びRは、例えば、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又は複素環基である)の化合物は、コーティングの表面に蓄積する光開始剤として適切である。

Description

【0001】
本発明は、界面活性光開始剤(Surface−active photonitiator)、そのような光開始剤を使用する安定した引掻き抵抗性コーティングの調製方法、及び新規な界面活性光開始剤を含む組成物に関する。
【0002】
光開始剤との光化学的に架橋されるシリコーン基板との混和性(相溶性)を向上させるため、例えば、WO97/49768、US5,776,658、US4,391,963及びEP−A088842は、特定のポリマーシリル基を含むシリル基により改質されている、例えばヒドロキシケトン、アミノケトン、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン又はチオキサントン型の光開始剤を提案している。更に、特許US4,536,265、US4,534,838及びEP−A162572は、オルガノポリシロキサン基を有する多種多様な光開始剤構造を記載している。これらの化合物は、例えばジアルコキシアセトフェノンから誘導され、シリコーン基板において高められた溶解性を有する。US4,507,187は、シリル基を含有するジケト光開始剤をシリコーンポリマーにおいて良好な溶解性をもつ光開始剤として開示し、この開始剤により得られるポリマーも開示している。US4,477,326は、重合反応を誘発する基として光開始剤単位を含有する、自己重合シロキサンポリマーを記載している。シロキサン基を有するポリマー光開始剤は、US4,587,276において特定されている。
【0003】
A. Kolar, H.F. Gruber及びG. Greberは、反応性シリル誘導体化α−ヒドロキシケトン光開始剤をJ.M.S. Pure Appl. Chem. A31(3) (1994), 305−318で報告している。参考文献は、特に、光開始剤と重合される基板との混和性を向上させるという課題、すなわち開始剤を基板中で可能な限り均質に分布させるという課題の解決に関して記述している。WO 98/00456は、特定のコーティング組成物及び改良されたコーティング表面特性が達成される硬化方法も提案している。
【0004】
芳香族環上に長鎖アルキルを有するフェニルグリオキサラートエステルが、JCS Perkin Trans. I (1996) 114, in JACS (1992) 121 2657−61及びEP−A 0 517 301に記載されている。
【0005】
コーティング剤産業内では、安定した引掻き抵抗性コーティングの調製のため、新規な、省エネルギーの、排出物最小化の硬化機構及び応用が探し続けられている。特に要求されることは、特に硬度、抵抗性及び光沢性に関してコーティングの表面を改良することである。
【0006】
現在、特定の光開始剤が硬化されるコーティングに使用される場合、目的の特性が達成できることが見出されている。この目的のために、光開始剤は、硬化される配合物に可能な限り均質に分布されるのではなく、その代わりに、特に、硬化されるコーティングの表面に蓄積される。すなわち配合物の表面に向かって開始剤の特異的配向が存在する。これを達成するには、特別な機能を備えた光開始剤を使用することが必要である。
【0007】
本発明は、式(Ia)、(Ib)又は(Ic):
【0008】
【化8】
Figure 2004506639
【0009】
〔式中、
R、R及びRは、互いに独立して、式(II):
【0010】
【化9】
Figure 2004506639
【0011】
の基であるか;あるいは
R、R及びRは、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又は複素環基(ここで、基ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び複素環基は、非置換又はA−X−、A−X−、A−X−、C−Cアルキル、フェニル、OR、SR及び/若しくはNR1011で置換されており、ここで置換基OR、SR及びNR1011は、基R、R、R10及び/又はR11を介して、ナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環上の又は複素環上の更なる置換基と、あるいはナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環の炭素原子のうちの1個と、あるいは複素環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成してもよい)であるが;
但し、置換基A−X−、A−X−又はA−X−の少なくとも1個が、基Rに、又は基R若しくはRのうちの少なくとも1個に存在することとし;
、R、R、R及びRは、互いに独立して水素;A−X−、A−X−、A−X−;非置換のC−C12アルキル、又はOH、C−Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN及び/若しくは−O(CO)R12で置換されているC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキルであるか;あるいは
、R、R、R及びRは、ハロゲン、OR、SR、NR1011、非置換又はC−Cアルキル−及び/若しくはC−Cアルコキシ−置換フェニル(ここで置換基OR、SR、NR1011は、基R、R、R10及び/又はR11を介して、フェニル環上の更なる置換基と、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と5員若しくは6員環を形成していてもよい)であるが;
但し、基R、R、R、R又はRの少なくとも1個が、A−X−、A−X−又はA−X−であることとし;
及びRは、互いに独立して、水素;非置換のC−C12アルキル、又はOH、C−Cアルコキシ、フェニル、フェノキシ及び/若しくは−O(CO)R12で置換されているC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキル;又は非置換の、フェニル、C−Cアルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはナフチル;又はC−Cアルコキシ−、フェニル−及び/若しくはC−C−アルキル置換フェニル、C−Cアルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はナフチルであり;
10及びR11は、互いに独立して、水素;非置換のC−C12アルキル、又はOH、C−Cアルコキシ及び/若しくはフェニルで置換されているC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキル;又はフェニル、−(CO)R12若しくはSO13であるか;
あるいはR10及びR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非中断又は−O−若しくは−NR14−で中断されている、5員、6員若しくは7員環を形成し;
12は、C−Cアルキル;非置換のフェニル又はC−Cアルキル及び/若しくはC−Cアルコキシで置換されているフェニルであり;
13は、C−C12アルキル、非置換のフェニル又はC−Cアルキルで置換されているフェニルであり;
14は、水素;非置換のC−Cアルキル;OH若しくはC−Cアルコキシで置換されているC−Cアルキル;非置換のフェニル;又はOH、C−Cアルキル若しくはC−Cアルコキシで置換されているフェニルであり;
及びRは、互いに独立して、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又は二価複素環式基(ここで、これらの基は、非置換又はA−X−、A−X−、A−X−、C−Cアルキル、フェニル、OR、SR及び/若しくはNR1011で置換され、置換基OR、SR及びNR1011は、基R、R、R10及び/又はR11を介して、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環上又は二価複素環上の更なる置換基と、あるいはナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環又は二価複素環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成してよい)であり;
A、A及びAは、互いに独立して、式(III):
【0012】
【化10】
Figure 2004506639
【0013】
(式中、単位(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb)及び/又は(IIIc):
【0014】
【化11】
Figure 2004506639
【0015】
は、ランダム又はブロックで配置され、ここで円は、上記と同義の芳香族基R又はRで、二価基であり、架橋X又はXを介して、対応するシリル基で置換されていることを示すことを意味する)の界面活性基であるか;あるいは
A、A及びAは、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキル、C−C30アルケニル、C−C30アルキニル、C−C30アラルキル、C−C30アルキル−(CO)−、C−C30アルケニル−(CO)−、C−C30アルキニル−(CO)−、C−C30アラルキル−(CO)−、C−C30アルキル−Si(R15)(R16)−、C−C30アルケニル−Si(R15)(R16)−、C−C30アルキニル−Si(R15)(R16)−であり、これらの基は、非置換又はOH、C−Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、 CN、SR、 NR1011及び/若しくは−O(CO)R12で置換されており、かつ、これらの基は、非中断、又は−O−、−S−若しくは−NR14−の1個以上で中断されている)であり;
nは1〜1000の数であり、シロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、nは、代わりに0超、1未満であってもよく;
mは、0〜100の数であり;
pは、0〜10,000の数であり;
は、式(III)(式中、nは、2〜1000である)の基であるか、又はAは、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキレン、C−C30アルケニレン、C−C30アルキニレン、C−C30アラルキレン、C−C30アルキレン−(CO)−、C−C30アルケニレン−(CO)−、C−C30アルキニレン−(CO)−、C−C30アラルキレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アルキレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アルケニレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アルキニレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アラルキレン−(CO)−、C−C30アルキレン−Si(R15)(R16)−、C−C30アルケニレン−Si(R15)(R16)−、C−C30アルキニレン−Si(R15)(R16)−、−Si(R15)(R16)−C−C30アルキレン−Si(R15)(R16)−、−Si(R15)(R16)−C−C30アルケニレン−Si(R15)(R16)−、−Si(R15)(R16)−C−C30アルキニレン−Si(R15)(R16)−であり、これらの基は、非置換又はOH、C−Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN、SR、NR1011及び/若しくは−O(CO)R12で置換されており、かつ、これらの基は、非中断又は−O−、−S−若しくは−NR14−の1個以上で中断されている)であり、;
は、C−C18アルキル又は下記式:
【0016】
【化12】
Figure 2004506639
【0017】
の基であり、
は、C−C18アルキル又は下記式:
【0018】
【化13】
Figure 2004506639
【0019】
の基であるか
(但し、G=アルキルの場合、基Gは、酸素架橋なしでケイ素原子に直接結合することとする);又は
及びGは、一緒になって単結合であり;
15、R16、R17、R19、R20、R21、R22、R23及びR24は、互いに独立してC−C18アルキル、フェニル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアミノアルキル又はC−Cシクロアルキルであり;
18は、非置換のC−C18アルキル、C−Cシクロアルキル;あるいはヒドロキシ、C−C12アルコキシ、ハロゲン、C−Cシクロアルキル及び/若しくはN(R10)(R11)で置換されているC−C18アルキル;あるいは非置換フェニル又はC−C12アルキル、C−C12アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ及び/若しくはN(R10)(R11)で置換されているフェニルであり;
X、X及びXは、A、A、A及びAが式(III)の基である場合、互いに独立して、単結合、C−C10アルキレン、C−C10アルケニレン、C−C10アルキニレン、−(CH−O−、−O−(CH−、−O−(CH−O−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−O−、−(CH−NR14−(CH−、−(CH−NR14−、−(CH−O−(CH−NR14−(CH−、−(CH−O−(CH−NR14−、−(C−C10アルケニレン)−O−(CH−、−(C−C10アルケニレン)−O−、−(C−C10アルキニレン)−O−(CH−、−(C−C10アルキニレン)−O−、−(C−C10アルケニレン)−O−(CH−O−、−(C−C10アルキニレン)−O−(CH−O−、−(C−C10アルケニレン)−NR14−(CH−、−(C−C10アルケニレン)−NR14−、−(C−C10アルキニレン)−NR14−(CH−、−(C−C10アルキニレン)−NR14−、−(C−C10アルケニレン)−O−(CH−NR14−又は−(C−C10アルキニレン)−O−(CH−NR14−であり;
X、X及びXが、A、A又はAがAの定義を有するか、又はAがAの定義を有する場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR14−であり;
a、b及びcは、互いに独立して、0〜10の数であるが、但し、当該メチレン基が酸素原子2個の間、又は酸素原子1個と窒素原子1個の間にある場合、これらは少なくとも1であることとし;
Yは、水素;非置換のC−C20アルキル又は基A−Xで置換されているC−C20アルキル;非置換のC−C18アルケニル又は基A−Xで置換されているC−C18アルケニル;非置換のC−C18アルキニル又は基A−Xで置換されているC−C18アルキニルであるか;あるいはYは、フェニル、ナフチル、アントラシル又はフェナントリル(ここで、これらの基は、非置換又はA−X−及び/若しくはC−C12アルキルの1個以上で置換されている)であるか;あるいはYは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び所望であれば更に基A−X−で置換されている、C−Cアルキルであるか;あるいはYは、それぞれのグリオキサル酸の塩の基であり;
は、非置換のC−C12アルキレン又は基A−X−で置換されているC−C12アルキレン;非置換のC−Cアルケニレン又は基A−X−で置換されているC−Cアルケニレン;非置換のC−Cアルキニレン又は基A−X−で置換されているC−Cアルキニレン;非置換のシクロヘキシレン又は基A−X−で置換されているシクロヘキシレン;−O−、−S−又は−NR25−で1回以上中断されており、かつ非置換又は基A−X−で置換されているC−C40アルキレンであるか;あるいはYは、非置換のフェニレン又は基A−X−で置換されているフェニレンであるか;あるいはYは、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV);
【0020】
【化14】
Figure 2004506639
【0021】
の基(ここで、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV)の基は、非置換又は基A−X−で置換されている)であり;
は、式(VII)以外のYであり;
25は、水素、C−C12アルキル又はフェニルであり;
26は、水素、CHOH又はC−Cアルキルであり;
Wは、C−C10アルキレンであり;そして
Rは上記と同義である〕で示される界面活性光開始剤化合物を提供する。
【0022】
−C20アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C−C18−、C−C12−、C−C−、C−C−又はC−Cアルキルである。例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル又はエイコシルである。
【0023】
−C18アルキル、C−C12アルキル、C−Cアルキル及びC−Cアルキルは、対応する数の炭素原子を有するが、上記で示された定義と同一の定義を有する。
【0024】
−C30アルキルは、同様に直鎖状及び分岐鎖状であり、例えば、C−C24−、C−C12−、C10−C30−、C10−C24−、C12−C30アルキルである。例は、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル又はトリアコンチルである。
【0025】
酸素原子1個以上で中断されているC−C12アルキルは、例えば、−O−で1〜9回、1〜7回又は1若しくは2回中断されている。基が−O−で2回以上中断されている場合、酸素原子は、メチレン基の少なくとも1個によりそれぞれ互いに分離している。これにより、例えば、−CH−O−CH、−CHCH−O−CHCH、−〔CHCHO〕−CH(ここで、y=1〜9)、−(CHCHO)CHCH、−CH−CH(CH)−O−CH−CHCH又は−CH−CH(CH)−O−CHCHのような構造単位となる。
【0026】
−Cヒドロキシアルキルは、OHで置換されているC−Cアルキルである。アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、上記で示された定義(対応する数の炭素原子を有する)を有してよい。
【0027】
−Cアミノアルキルは、NHで置換されているC−Cアルキルである。アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、上記で示された定義(対応する数の炭素原子を有する)を有してよい。
【0028】
−C12アルコキシは、直鎖状又は分岐鎖状基を意味し、例えば、C−C10−、C−C−、C−C−又はC−Cアルコキシである。例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ又はドデシルオキシであり、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシであり、好ましくはメトキシである。C−Cアルコキシは、同様に直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、対応する数の炭素原子を有して、上記で示された定義を有する。
【0029】
−Cシクロアルキルは、環を少なくとも1個含む直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−若しくはジメチル−シクロヘキシル又はシクロオクチルであり、特にシクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0030】
−Cシクロアルキルは、対応する数の炭素原子を有して、上記で示された定義を有する。
【0031】
−C18アルケニルは、単又は多不飽和であってよく、かつ直鎖状又は分岐鎖状であってよく、例えば、C−C12−、C−C−又はC−C12アルケニルである。例は、ビニル、アリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、ヘプテニル、2,4,4−トリメチルペンテニル、2−エチルヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル又はオクタデセニルである。C−Cアルケニルは、単又は多不飽和であってよく、かつ直鎖状又は分岐鎖状であってよく、例えば、C−Cアルケニルである。例は、アリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル又は1−ヘキセニルであり、特にアリルである。C−C30アルケニルは、同様に直鎖状又は分岐鎖状であり、かつ単又は多不飽和であり、例えば、C−C24−、C−C12−、C10−C30−、C10−C24−、C12−C30アルケニルである。例は、ヘキセニル、ヘプテニル、2,4,4−トリメチルペンテニル、2−エチルヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘネイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル又はトリアコンテニルである。
【0032】
−C18アルキニルは、直鎖状又は分岐鎖状であり、かつ単又は多不飽和であり、例えば、C−C18−、C−C12−、C−C10−、C−C−、C−Cアキニルである。例は、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、2,4,4−トリメチルペンチニル、2−エチルヘキシニル又はオクチニルである。C−C30アルキニルは、直鎖状又は分岐鎖状であり、かつ単又は多不飽和であり、例えば、C−C24−、C−C12−、C10−C30−、C10−C24−、C12−C30アルキニルである。例は、ヘキシニル、へプチニル、2,4,4−トリメチルペンチニル、2−エチルヘキシニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル、エイソシニル、ヘネイソシニル、ドコシニル、トリコシニル、テトラコシニル、ペンタコシニル、ヘキサコシニル、ヘプタコシニル、オクタコシニル又はトリアコンチニルである。
【0033】
−C30アラルキルは、芳香族基で置換されているアルキルである。例は、フェニル−C−C24アルキル、ナフチル−C−C20アルキル、アントリル−C−C16アルキル、フェナントリル−C−C16アルキルであり、対応するアルキル基C−C24、C−C20、C−C16は、それぞれの場合において、それぞれに対応する芳香族基フェニル、ナフチル、アントリル又はフェナントリルで置換されている。アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であり、上記で示された定義を有してよい。例は、ベンジル、フェニルエチル、α−メチルベンジル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル又はα,α−ジメチルベンジルであり、特にベンジル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ナフチルプロピル又はナフチル−1−メチルエチルであり、特にナフチルメチルである。アルキル単位は、ナフチル環上の1位又は2位のいずれかで存在してよい。
【0034】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素であり、特に塩素及び臭素であり、好ましくはフッ素である。
【0035】
置換フェニルは、フェニル環上で1〜5回、例えば、1回、2回又は3回、特に1回又は2回置換されている。
【0036】
この文脈における複素環式基には、ヘテロ原子1個以上、特に1又は2個を含有する、脂肪族環のみならず芳香族環も含まれる。縮合環系が含まれる。適切なヘテロ原子の例には、特にO、N又はSが含まれる。例は、フリル、チエニル、ピロリル、オキシニル、ジオキシニル又はピリジルである。5員又は6員環が好ましい。
【0037】
複素環式基としてのRは、例えば、ピロリル、ピロリジニル、オキサゾリル、ピリジニル、1,3−ジアジニル、1,2−ジアジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チアントレニル、フラニル、ピラニル、キサンテニル、イミダゾリル、チアゾイリル、ピリミジニル、インダゾリニル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、キサンチル、チオキアンチル、アクリジニル等である。
【0038】
OR、SR又はNR1011で置換されているナフチル、アントラシル、フェナントリル若しくは複素環式基が、基R、R、R10及び/又はR11と5員又は6員環を形成する場合、これは、例えば下記の構造:
【0039】
【化15】
Figure 2004506639
【0040】
(ここで、弧及び2個の二重結合は、当該芳香族環系である)を包含する。
【0041】
OR、SR又はNR1011としてのR、R、R、R又はRが、フェニル環上の更なる置換基と、又はフェニル環の炭素原子と5員又は6員環を形成する場合、これは、例えば下記の系:
【0042】
【化16】
Figure 2004506639
を包含する。
【0043】
10及びR11が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環(これは、また、−O−又は−NR14−で中断されてよい)を形成する場合、当該の環は、例えば飽和又は不飽和環であり、例としては、アジリジン、ピペラジン、ピロール、ピロリジン、オキサゾール、ピリジン、1,3−ジアジン、1,2−ジアジン、ピペリジン又はモルホリンであり、特にモルホリニル、ピペリジニル又はピペラジニル環が形成される。
【0044】
式(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb)及び/又は(IIIc)の単位は、ランダム又はブロックで配置される。すなわち式(III)の描写において、これらの単位の順序は任意である。例えば、調製に使用されるシロキサンに応じて、(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb)、(IIIc)の単位のブロックは、相互に連続してよく、又は個別の単位がランダムな分布の仕方で結合することも可能である。
【0045】
−C10アルキレンとしてのX、X及びXは、それぞれの場合で直鎖状又は分岐鎖状アルキレンであり、例としては、C−C−、C−C−、C−C−、C−C−、C−Cアルキレンであり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、sec−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、ノニレン又はデシレンである。分岐鎖状アルキレンは、例えば下記:
【0046】
【化17】
Figure 2004506639
である。
【0047】
−C12アルキレンとしてのYは、上記で示された定義と同一の定義を有してよく、更に、例えばウンデシレン又はドデシレンであってもよい。
−O−、−S−又は−NR25−で1回以上中断されているC−C40アルキレンとしてのYは、アルキレンにおいて直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、−O−、−S−及び/又は−NR25−で1〜20回、1〜12回、1〜8回中断されている。これにより、例えば、−CH−O−CH−、−CHCH−O−CHCH−、−〔CHCHO〕−(ここで、y=1〜20)、−(CHCHO)18CHCH−、−CH−CH(CH)−O−CH−CH(CH)−、−CH−S−CH−、−CHCH−S−CHCH−、−CHCHCH−S−CHCHCH−、−(CH−S−(CH−S−(CH−、−CH−(NR)−CH−、−CHCH−(NR)−CHCH−のような構造単位となる。
【0048】
−C10アルケニレンは、単又は多不飽和、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C−C−、C−C−、C−C−、C−Cアルケニレンであり、例としては、エテニレン、1−プロペニレン、1−ブテニレン、3−ブテニレン、2−ブテニレン、1,3−ペンタジエニレン、5−ヘキセニレン又は7−オクテニレンである。C−Cアルケニレンは、炭素原子の数に対応して、上記で示された定義と同一の定義を有する。
【0049】
−C10アルキニレンは、単又は多不飽和、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C−C−、C−C−、C−Cアキニレンである。例は、ヘキシニレン、ヘプチニレン、2,4,4−トリメチルペンチニレン、2−エチルヘキシニレン、オクチニレン、ノニニレン又はデシニレンである。
【0050】
当該グリオキサル酸の塩の基としてのYは、Yが結合している酸素原子と一緒になって、例えば−Oである。この場合、Yはアルカリ金属、特にLi、Na又はKの陽イオンである。
【0051】
用語「200nm〜IR領域」は、200nm〜2500nm、特に200nm〜1000nmを意味する。
【0052】
用語「及び/又は」は、定義された代替物(置換基)のうちの1個が存在するだけでなく、一緒に定義された代替物(置換基)の異なる2個以上が一緒に存在する、すなわち異なる代替物(置換基)の混合物が存在できることを意味することを意図する。
【0053】
用語「少なくとも」は、1個又は1個より多く、例えば、1又は2又は3個、好ましくは1又は2個を定義することを意図する。
【0054】
特記のない限り、記載及び請求項において、語「含む」は、定義された対象又は定義された対象群を含むが、排他的に記載されていない他のあらゆる物質も除外されないと理解されるべきである。
【0055】
「a」、「b」及び「c」は、好ましくは0〜10、特に0〜3の数であり、「n」は、好ましくは1〜100、特に1〜20であり、
「p」は、例えば、1〜1000、1〜100、1〜50、又は1〜25であり、そして
「m」は、0〜100、例えば、0〜50又は0〜25、特に0である。シロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、「n」は、また、1未満であるが、0を超えることが可能である。この場合、例えば、0.1〜1000、0.5〜1000、0.8〜1000等の数である。
【0056】
A、A、A及びAは、好ましくは式(III)の基である。
【0057】
及びRは、特に、式(II)の基、又はナフチルであり、好ましくは式(II)の基である。
【0058】
式(Ia)又は(Ib)の化合物において、R、R及び/又はRが式(II)の基である場合、置換基R、R、R、R又はRの少なくとも1個が、基−X−A、−X−A又は−X−Aである。例えば、置換基R、R、R、R又はRのうちの1〜3個、又は1若しくは2個、又は1個が、基−X−A、−X−A又は−X−Aである。好ましくは、置換基R、R、R、R又はRのうちの1又は2個が、基−X−A、−X−A又は−X−Aである。特に、R、R及び/又はRが、基−X−A、−X−A又は−X−Aである。好ましくは、R及びRが、基−X−A、−X−A又は−X−Aである。
【0059】
基R、R、R、R及びRは、基−X−A、−X−A又は−X−Aの他にも、特に水素、C−Cアルキル又はC−Cアルコキシであり、好ましくは水素である。
及びRは、特に、C−Cアルキル、水素、フェニル、−O−で中断されているC−Cアルキルであり、好ましくはC−Cアルキル又は水素である。
10及びR11は、特にC−Cアルキル、好ましくはメチルであるか、又はこれらが結合している窒素原子と一緒になってモルホリニル基を形成する。
12は、特にC−Cアルキル又はフェニルである。
14は、特に水素、C−Cアルキル又はOH−で置換されているC−Cアルキルである。
15、R16及びR17は、好ましくはC−Cアルキル、特にメチルである。
18は、特にC−Cアルキル、例えばメチルである。
は、特にC−C30アルキル基であり、非置換又はハロゲンで置換されている。好ましくは、非置換又はハロゲン、好ましくはフッ素で置換されているC−C18アルキルである。基C−C30アルキルがフッ素で置換されている場合、好ましくはペルフルオロ化されている。
は、特にC−C30アルキレン基であり、非置換又はハロゲンで置換されている。好ましくは、非置換又はハロゲン、好ましくはフッ素で置換されているC−C18アルキレンである。基C−C30アルキレンがフッ素で置換されている場合、好ましくはペルフルオロ化されている。
X、X及びXは、好ましくはC−Cアルキレン、−(CH−O−又は−(CH−O−(CH−O−であり、特にC−Cアルキレン又は−(CH−O−(CH−O−であり、ここで、aは特に2であり、bは特に3である。
Yは、好ましくはC−C24アルキルであり、特にメチル又はエチルである。
【0060】
調製方法:
式(I)の化合物は、当業者に既知の慣用の方法により調製される。
【0061】
I.A、A、A又はAが、式(III)の基である場合、式(Ia)及び(Ib)の化合物は、例えば、光開始剤を(少なくとも1個の)アルケニル基(XIV)、(XIVa)、(XIVb)又は(XIVc)及びシロキサン(XV)と、適切な触媒の存在下で反応させて得られる。
【0062】
【化18】
Figure 2004506639
【0063】
式中、IN、IN、IN及びINは、上記で示された基であるが、反応中、二重結合は、それぞれ単結合になり、CH基はCH基になる。すなわち、生成物中でCH=CH−が−CH−CH−になり、そしてCH=CH−CH−が−(CH−になり;
R′、R′及びR′は、上記で定義された基R、R及びRの二価基である。例えば、Rがフェニルである場合、R′はフェニレンである。
15、R16、R17、R18、X、X、X、Y、Y、G、G、n、m及びpは上記と同義である。
【0064】
式(Ic)の化合物は、同様の条件下で得られるが、但し、試薬(XVa)において、n≧2である。
【0065】
【化19】
Figure 2004506639
【0066】
式(Ic)の化合物はまた、例えば、式(XIVb)又は(XIVc)から(XVa)を用いて得られる。
【0067】
そのような反応の条件は当業者に既知である。アルケニル改質化合物(XIV)、(XIVa)、(XIVb)又は(XIVc)と、シロキサン化合物(XV)又は(XVa)のモル比は、それぞれの場合において目的生成物によって導かれ、一般的に決定的に重要ではない。例えば、使用される(XIV)、(XIVa)、(XIVb)又は(XIVc)の量は、(XV)又は(XVa)における遊離Si−H基の量及びこれらの基それぞれの所望の置換度に従って選択される。 全ての基が反応により消費される場合、例えば、過剰量の(XIV)、(XIVa)、(XIVb)又は(XIVc)を加えることが適切である。しかし、過剰量の成分(XV)又は(XVa)を使用することも可能である。
【0068】
反応温度は、20〜150℃、好ましくは60〜110℃の範囲内で適切に維持される。更に、反応を、例えばテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン又はクロロベンゼンのような適切な非プロトン性有機溶媒中で実施することが適切である。しかし、例えば溶媒なしで操作することも可能である。
【0069】
反応混合物は、通常、反応が実施されている間、撹拌される。反応を、不活性条件下、例えばアルゴン下又は窒素雰囲気下で実施することも適切である。
【0070】
反応を実施するために適切な触媒の例は、貴金属触媒、例えば白金又はロジウム触媒である。例は、HPtCl又はPtCl(C−CH=CHである。これらの触媒はまた、例えば、アルミナのような適切な担体物質に適用してよく、例えばPt/Alがある(例えば、Heraeusから入手可能)。例えば、炭素も担体物質として使用してよい(Pt/C。この触媒は無水である必要がない。例えば、Johnson Mattheyから入手可能)。適切な触媒の例は、白金、パラジウム、ロジウム、ニッケル、コバルト又は他の金属であり、特に粉末として又は錯体の形態である。例は、白金海綿、白金黒、クロロ白金酸、クロロ白金酸とアルコールの反応生成物及びクロロ白金酸とビニルシロキサンの錯体である。この種の触媒は、例えば、白金−カルボニル−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−ジビニイルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒド/オクタノール錯体として市販されているか、又は当該技術で慣用であり、当業者に既知の方法により得られる。触媒の濃度は、適切には、例えば1〜1000ppm、例えば150〜400ppmである。
【0071】
そのような反応は、例えば、US4,507,187、EP−A0162572において、又はEP−A0088842において記載されている。
【0072】
II.界面活性光開始剤の他の調製方法は、対応するシリル基を含む光開始剤をアルケニル改質シロキサンと反応させることである。
【0073】
【化20】
Figure 2004506639
【0074】
下記の出発材料を用いる反応は、シロキサン出発材料を2倍にして、上記で示された反応式と同様に実施する。
【0075】
【化21】
Figure 2004506639
【0076】
X、X、R、R′、R′、R15、R16、R17、R18及びGは、上記で記載された定義を有し;R″は、アルキレン基であり;「....」は、この部位に隣接する式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基を意味する(式(III)に基づき、この反応における出発材料中のmは0でなければならない)。この方法の反応条件は、上記記載のものに対応する。文献において、そのような反応は、例えば、US4,391,963及びJMS Pure Applied Chem. A31(3) (1994), 305に記載されている。
【0077】
III.界面活性光開始剤は、また、例えば、OH含有開始剤とシロキサンを反応させて得られる。
【0078】
【化22】
Figure 2004506639
【0079】
IN、IN、X、X、R15、R16、R17、G、n、m、p、R18及びGは、上記記載の定義を有し;「....」は、この部位に隣接する式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基を意味する。この反応に適切な触媒は、例えば、スズオクトアート、ジブチルスズジラウラート、オクタン酸亜鉛、オクタン酸スズ及びヘキサン酸亜鉛である。そのような反応の例は、(実施例が光開始剤単位の代わりに増感剤単位を含むが)US 4,921,589から把握することができる。
【0080】
IV.L. Lecampらは、JMS Pure Appl. Chem. A 34(11) (1997), 2335−2353において、Si(OR)1−3を含む開始剤とSi−(OH)1−2基を含むシロキサンとを反応させる、シロキサン含有開始剤の調製方法を記載している。例えば、ジブチルスズジラウラートを触媒として使用する。
【0081】
【化23】
Figure 2004506639
【0082】
また、INを用いて対応する二量体分子を得る。
【0083】
IN、IN、X、X、R15、R16及びGは、上記で示された定義を有し;R″は、アルキル、特にメチルであり;「....」は、この部位に隣接する式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基を意味する。
【0084】
V.本発明の界面活性光開始剤はまた、例えば、芳香族環上にカルボニル基を少なくとも1個含む光開始剤を、末端基としてC−C二重結合を含むシロキサン(例えば、アリル又はビニル)と反応させて得られる。
【0085】
【化24】
Figure 2004506639
【0086】
15及びGは、上記で示された定義を有し;下記で後に引用される参考文献の実施例において、Rは隣接するカルボニル基とベンゾイン、α−ヒドロキシケトン又はα−アミノケトンを形成し;R′はアルキレンであり;「....」は、この部位に隣接する式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基を意味する。この反応を本発明のグリオキサラートエステルの調製に適用することは、新規である。反応は、IN型及びIN型の両方の化合物で実施してよい。
【0087】
【化25】
Figure 2004506639
【0088】
この反応は、US5,776,658で発表されている。この反応に適切な触媒の例は、MuraiらによりNature 366 (1993) 529において記載されているルテニウム化合物である。
【0089】
VI.US4,477,326及びJP9−328522−Aは、塩基又は酸触媒の存在下でのポリアルコキシシロキサンの重合又は共重合を記載している。記載されている方法は、また、本発明の界面活性光開始剤の調製に適切である。
【0090】
【化26】
Figure 2004506639
【0091】
また、INを用いて対応する二量体分子を得る。
【0092】
IN、IN、X、X、R15及びR16は、上記で示された定義を有し;R″はアルキルである。この反応において、重合物及び環式生成物の両方が得られる。
【0093】
VII.界面活性光開始剤の調製に使用できる他の方法が、例えばUS4,587,276及びUS4,477,276に記載され、それは、水の存在下、加水分解されうる基(例えば、Si−Cl)を有するシロキサンの重合又は共重合である。
【0094】
【化27】
Figure 2004506639
【0095】
また、INを用いて対応する二量体分子を得る。
【0096】
IN、IN、X、X、R15、R16、R17及びGは上記で示された定義を有し;Rは、例えばCl又はOCHであり;「....」は、この部位に隣接する式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基を意味する。
【0097】
VIII.J.M.S. Pure Appl. Chem. A 31(3) (1994), 305−318において、A. Kolarらは、1,4−ジクロロベンゼンから出発して、シロキサンを用いる光開始剤の調製を記載している。グリニャール反応を使用して反応中心を作り、それをジメチルジクロロシラン又はジメチルモノクロロシランと反応させ、対応するシリル改質クロロベンゼンを得て、それに、対応するα−開裂しうる光開始剤カルボニル基を更なる反応によって導入する。同様に、対応する光開始剤グリオキサル基を導入することにより、式(Ia)又は(Ib)の化合物を得ることも可能である。
【0098】
IX.L. Pouliquenらは、Makromol. Chem. 193 (1992) 1273−1282において、無水酢酸の存在下での酸性基を含む光開始剤とエポキシド基を含むシロキサンの多段階反応を発表している(この参考文献の光開始剤化合物は、フェノン/tert−アミン型である)。この方法も本発明の化合物の調製に使用してよい。
【0099】
【化28】
Figure 2004506639
【0100】
また、INを用いて対応する二量体分子を得る。
【0101】
IN、IN、X、X、G及びR15は、上記で示された定義を有し;R′は、アルキレンであり;「....」は、この部位に隣接する式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基を意味する。
【0102】
X.同様に、イソシアナート基を含む光開始剤とヒドロキシル又はアミン基を含むシロキサンとを同様に反応させて、界面活性光開始剤が得られる。
【0103】
【化29】
Figure 2004506639
【0104】
また、INを用いて対応する二量体分子を得る。
【0105】
IN、IN、X、X、G及びR15は上記で示された定義を有し;ZはNH又はOHであり;ZはNH又はOであり;「....」は、この部位に隣接する式(III)で定義されたシロキサン分子部分の基を意味する。そのような反応は、例えば、WO96/20919に記載されている。
【0106】
XI.環状シロキサン基で置換されている光開始剤は、例えば、環状シロキサン、例えば下記式:
【0107】
【化30】
Figure 2004506639
【0108】
を用いて、上記記載の反応を実施して得られる。
【0109】
しかし、環状シロキサン基を用いて光開始剤を調製するためには、最初に、例えば上記記載の方法により直鎖状シロキサン基を導入し、次にこれらの基を塩基、例えば水酸化ナトリウムの作用により、又は酸の作用により環化することも可能である。
【0110】
環状シロキサン基を含む界面活性光開始剤の合成は、例えば、環状シロキサンを対応する開始剤部分と反応させて上記記載のように実施してよい。
【0111】
【化31】
Figure 2004506639
【0112】
(IN、IN、IN、IN及びR15は、上記と同義であり;yは環の大きさを定義し;上記式ではIN、IN、IN及びINの代表としてINのみが示されている)。
【0113】
また、OR基を含むシロキサン改質開始剤部分の、酸又はアルカリの存在下での環化反応が可能である。
【0114】
【化32】
Figure 2004506639
【0115】
また、INを用いて対応する分子を得る。
【0116】
IN、IN、X、X及びR15は、上記と同義であり;R″は、アルキルであり;a=0又は1であり;b=2又は3であり、合計a+b=3であり;a及びbの定義に応じて、R″′は、R15又はOR″のいずれかである。
【0117】
更に環式化合物は、OR基を含むシロキサン改質開始剤部分を、OR″基を含むシロキサンと反応させて形成してよい。
【0118】
【化33】
Figure 2004506639
【0119】
また、INを介して二量体である対応する分子を得る。
【0120】
(IN、IN、X、X、R15及びR16は、上記と同義であり;R″は、アルキルであり;yとy1の合計は環員数を規定する)。この場合、Si(IN)(R15)、Si(IN)(R15)及びSi(R15)(R16)基の配置は、ランダム又はブロック式である。
【0121】
式(Ic)の化合物を得るために、それぞれの場合、反応I〜XIにおいて、対応する数の官能(反応)基を有する(特に官能基を2個有する)シロキサン試薬が使用される。
【0122】
シロキサン含有光開始剤の調製において、活性化合物の混合物を形成することも可能である。これらの混合物は、慣用の方法、例えば、蒸留、結晶化又はクロマトグラフィーにより分離してよく、あるいはまた、重合される組成物中に界面活性光開始剤としてそのまま使用してよい。
【0123】
XII.A、A又はAがAである式(Ia)及び(Ib)の化合物は、例えば、適切な触媒の存在下、光開始剤(XVI)又は(XVIa)を、対応するハロゲン化アルキル(XVII)を用いてフリーデル−クラフツアルキル化することにより得られる。
【0124】
【化34】
Figure 2004506639
【0125】
(式中、R、R′、R、R′、R、R′、Y、Y及びAは、上記と同義であり、X、X及びXは単結合である)。
【0126】
そのような反応の実施は当業者に既知であり、文献(例えば、J. March, Advanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985, section 1−13, pages 479−484;又はOlah, ”Friedel−Crafts Chemistry”, Wiley NY 1973; またRoberts and Khalaf, ”Friedel−Crafts Alkylation Chemistry”, Marcel Dekker NY 1984)において詳細に記載されている。そのような化合物は、また、JCS Perkin I (1996) 1141に記載されている。
【0127】
AがAである式(Ia)の化合物は、適切な触媒の存在下、基Aを含むアラルキル化合物を、シュウ酸クロリドモノアルキルエステルを用いてフリーデル・クラフツアシル化することにより調製される。
【0128】
【化35】
Figure 2004506639
【0129】
(式中、R、R′、X及びAは、上記と同義であり、Wは−OH又はハロゲン、好ましくは−Clである)。
【0130】
がAである式(Ic)の化合物は、同様に、アラルキルを、オキサリルジクロリドを用いてフリーデル−クラフツアシル化することにより得られる。これらの反応の実施は当業者に既知であり、文献(例えば、J. March, Advanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985, section 1−13, pages 479−484;又はOlah, ”Friedel−Crafts Chemistry”, Wiley NY 1973)において詳細に記載され、そのような化合物は、また、KuzmenkoらによりJCS (1999) 121 (12) 2657に記載されている。
【0131】
XII.式(Ia)及び(Ib)の化合物はまた、当業者に既知の慣用の反応であるチオール基又はアミン基のエステル化又はアルキル化により得られる。例えば、式(Ia)及び(Ib)の化合物は、光開始剤(XVIII)又は(XVIIIa)を塩基の存在下、ハロゲン化アルキル(XVII)と反応させて調製してよい。
【0132】
【化36】
Figure 2004506639
【0133】
(式中、R′、R′、R′、Y、Y及びAは、上記と同義であり、X、X及びXは、−O−、−S−又は−NR14−基である)。
【0134】
そのような反応は当業者に既知であり、文献(例えば、J. MarchによりAdvanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985において)に詳細に記載されている。例えば、Xが−O−の場合、この反応は、ウイリアムソンエーテル合成(J. March in Advanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985, section 0−14, page 342−343)に対応し、Xが−S−の場合、反応は、例えばJ. MarchによりAdvanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985, section 3−5, page 589−590において記載され、Xが−NR14−の場合、反応は、アミンのアルキル化(J. March in Advanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985, section 0−45, page 364−366)に対応する。
【0135】
XIV.式(Ia)及び(Ib)の化合物はまた、アルコール(J. March in Advanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985, section 5−4, page 684−685)又はメルカプタン(J. March in Advanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985, section 5−6, page 687−688)の、オレフィンを用いる酸若しくは塩基触媒付加反応により得られる。この反応において、オレフィン結合は、光開始剤のR、R又はR基及び挿入される界面活性基(A、A)の両方に存在してよく、同様に、ヒドロキシル又はチオール基は、界面活性基及び光開始剤のR、R又はR基の両方に存在してよい。例えば、下記式:
【0136】
【化37】
Figure 2004506639
【0137】
(式中、IN11及びIN12は、上記と同義であり;X、X及びXは、この場合、−O−又は−S−基であり;「....」は、この部位に隣接するA又はAの基を意味する)である。
【0138】
XV.式(Ia)及び(Ib)の化合物は、また、Xが−O−、−S−又は−NR14−基である対応する光開始剤のアシル化により得られる。そのような反応の種々の可能な条件は当業者に既知である。例えば、化合物(Ia)又は(Ib)を、光開始剤(XVIII)を、酸基又は酸塩化物基を含む対応する界面活性試薬(XX)を用いてアシル化することにより反応させて、エステル、チオールエステル又はアミドが得られる。同様の反応を、光開始剤(XVIIIa)から出発して実施してもよい。
【0139】
【化38】
Figure 2004506639
【0140】
(式中、IN11、IN12及びAは、上記と同義であり;Xは、この場合、−O−、−S−又は−NR14−であり;Wは、−OH又は−Hal(ここで、−Halは特に−Clである)である)。これらの反応は当業者に既知であり、有機化学で慣用の教科書、例えば、March, Advanced Organic Chemistry, 3rd ed. 1985に詳細に記載されている。
【0141】
XVI.式(Ia)及び(Ib)の化合物は、また、Xが−O−、−S−又は−NR14−基である対応する光開始剤のシリル化により調製してよい。そのような反応の種々の可能な条件は当業者に既知である。例えば、化合物(Ia)は、光開始剤(XVIII)を、例えば下記式:
【0142】
【化39】
Figure 2004506639
【0143】
の基のようなシリル活性基を有する対応する界面活性試薬(XXI)を用いてシリル化して調製してよい。同様の反応を、光開始剤(XVIIIa)から出発して実施してもよい。界面活性試薬が反応性シリル基を1個以上含有する場合、式(Ic)の化合物が得られる。
【0144】
【化40】
Figure 2004506639
【0145】
(式中、IN11、IN12、R15、R16及びAは、上記と同義であり;Xは、この場合、−O−、−S−又は−NR14−であり;−Halは、ハロゲン原子、特に−Clである)。そのような反応は、例えば、Lalonde及びChanによりSynthesis (1985), (9), 817−45に記載されている。
【0146】
上記記載の反応I〜XVIで得られる式(Ia)の生成物を、例えば、続いてエステル交換してよい。この場合、例えば、基Yで基Yを置換することが可能である。
【0147】
上記記載の反応XII〜XVIと同様にして、Aが界面活性基Aである式(Ic)の化合物を、対応する出発材料を使用して調製することも、当然、可能である
【0148】
アルキニル改質光開始剤(XIV)及び(IXVa)は、当業者に既知の方法、例えばUS4,507,187又はEP161830に記載の方法により調製してよい。適切な方法は、また、WO98/33761に発表されている。
【0149】
幾つかのシロキサン化合物(V)は市販されているか、又は当業者に既知の方法により得られる。例えば、調製方法及び/又は調製のために引用された文献は、Geleste catalogue ”ABCR Geleste 2000”, pages 434−447で見出すことができる。
【0150】
式(Ib)又は(Ic)の不斉化合物、すなわちRとR、及び/又はRとRが同一ではない化合物の調製において、反応は、対応する異なる出発材料を1:1の比率で使用して適切に実施される。
【0151】
上記記載の反応のうちの1つでアルコールが遊離する場合、反応中に形成されるアルコールを反応混合物から除去することを確実にすることが適切である。これは、例えば蒸留により実施される。使用される溶媒及び出発材料に応じて、反応は異なる温度で実施される。対応する反応に必要な温度及び他の反応条件は常識であり、当業者に周知である。反応生成物を、慣用の方法、例えば、結晶化、蒸留又はクロマトグラフィーにより分離及び精製してよい。
【0152】
A又はAで界面活性改質されている本発明の光開始剤出発材料の調製は、当業者に既知であり、慣用の方法に従って実施される。グリオキサルエステル開始剤の調製は、例えば、US4,475,999、US4,038,164、EP132868、GB1534320、US4,279,718、US4,308,394、US3,930,868及びWO98/33761に記載されている。
【0153】
好ましくは、
R、R及びRが、互いに独立して上記で示された式(II)の基であるか、又は
R、R及びRが、ナフチル(ここで、ナフチル基は、非置換、又はA−X−、A−X−、A−X−、C−Cアルキル、フェニル若しくはORで置換されている)であり、
但し、置換基A−X−、A−X−又はA−X−の少なくとも1個が、基Rに、又は基R若しくはRのうちの少なくとも1個に存在することとし;
、R、R、R及びRが、互いに独立して、水素;A−X−、A−X−、A−X−;非置換のC−C12アルキル;又は、非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキルであるか;あるいは
、R、R、R及びRが、ハロゲン、OR又は非置換のフェニルであり、
但し、基R、R、R、R及びRの少なくとも1個が、A−X−、A−X−又はA−X−であることとし;
が、水素若しくは非置換のC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキル;又はフェニル、C−Cアルケニル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシル(ここで、これらの基は非置換である)であり;
及びRが、互いに独立して、フェニレン又はナフチレン(ここで、これらの基は、非置換又はA−X−、A−X−、A−X−、C−Cアルキル、フェニル若しくはORで置換されている)であり;
A、A及びAが、互いに独立して、上記で示された式(III)の界面活性基であるか;又は
A、A及びAが、界面活性基A(ここでAは、C−C30アルキル、C−C30アラルキル、C−C30アルキル−(CO)−、C−C30アラルキル−(CO)−、C−C30アルキル−Si(R15)(R16)−であり、これらの基は、非置換又はFで置換されている)であり;
nが、上記で示された定義と同義であり;
mが、上記で示された定義と同義であり;
pが、上記で示された定義と同義であり;
が、式(III)(式中、nは、2〜100の値を有する)の基であるか;又はAが、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキレン、C−C30アラルキレン、C−C30アルキレン−(CO)−、C−C30アラルキレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アルキレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アラルキレン−(CO)−、C−C30アルキレン−Si(R15)(R16)−、−Si(R15)(R16)−C−C30アルキレン−Si(R15)(R16)−であり、これらの基は、非置換、又はFで置換されている)であり;
が、上記で示された定義と同義であり;
が、上記で示された定義と同義であり;
15、R16、R17、R19、R20、R21、R22、R23及びR24が、互いに独立して、C−C18アルキル又はフェニルであり;
18が、非置換のC−C18アルキル又はフェニルであり;
X、X及びXが、A、A、A及びAが式(III)の基である場合、互いに独立して、C−C10アルキレン、−(CH−O−、−O−(CH−、−O−(CH−O−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−O−、−(CH−NR14−(CH−、−(CH−NR14−、−(CH−O−(CH−NR14−(CH−又は−(CH−O−(CH−NR14−であり;
X、X及びXが、A、A又はAがAの定義を有するか、又はAがAの定義を有する場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR14−であり;
14が、上記で示された定義と同義であり;
a、b及びcが、互いに独立して、0〜3の数であるが、但し、当該メチレン基が酸素原子2個の間、又は酸素原子1個と窒素原子1個の間にある場合、これらは少なくとも1であることとし;
Yが、非置換若しくは基A−X−で置換されているC−C20アルキルであるか;又はYが、フェニル若しくはナフチル(ここで、これらの基は、非置換又は基A−X−及び/若しくはC−C12アルキルの1個以上で置換されている)であるか;又はYが、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び所望であれば更に基A−X−で置換されているC−Cアルキルであり;
が、非置換若しくは基A−X−で置換されているC−C12アルキレン;非置換若しくは基A−X−で置換されているシクロヘキシレン;−O−、−S−若しくは−NR25−で1回以上中断されており、かつ非置換若しくは基A−X−で置換されているC−C40アルキレンであるか;又は、Yが、非置換若しくは基A−X−で置換されているフェニレンであるか;又は、Yが、上記で示された式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)若しくは(XV)の基(ここで、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)若しくは(XV)の基は非置換又は基A−X−で置換されている)であり;
が、式(VII)以外のYであり;
25が、上記で示された定義と同義である、
式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物である。
【0154】
特に好ましくは、
R、R及びRが、互いに独立して、上記で示された式(II)の基であり;
、R、R、R及びRが、互いに独立して、水素又はA−X−、A−X−若しくはA−X−であるが;
但し、基R、R、R、R及びRの少なくとも1個が、A−X−、A−X−又はA−X−であることとし;
及びRが、フェニレンであり;
A、A及びAが、互いに独立して、上記で示された式(III)の界面活性基であるか;又は
A、A及びAが、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキル又はC−C30アルキル−(CO)−であり、これらの基は、非置換又はFで置換されている)であり;
nが、整数1〜100であり;
mが、整数0〜100であり;
pが、整数1〜100であり;
が、式(III)(式中、nは、2〜100の値を有する)の基であるか、又はAが、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキレン又は−(CO)−C−C30アルキレン−(CO)−であり、これらの基は、非置換又はFで置換されている)であり;
が、メチル又は−O−Si(R19、R20、R21)であり;
が、メチル又は−Si(R22、R23、R24)であり(但し、Gがメチルの場合、基Gは、酸素架橋なしでケイ素原子に直接結合することとする);
15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23及びR24が、互いに独立して、メチル又はフェニルであり;
X、X及びXが、A、A、A及びAが式(III)の基の場合、互いに独立して、C−C10アルキレン又は−(CH−O−であり;
X、X及びXが、A、A又はAがAの定義を有するか、又はAがAの定義を有する場合、互いに独立して、単結合又は−O−であり;
aが、1〜3の数であり、
Yが、非置換のC−C20アルキルであり;
が、−O−で1回以上中断されている非置換のC−C12アルキレンであるか;又はYが非置換フェニレンであるか;又はYが、上記で示された式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)若しくは(XV)の基であり;
が、式(VII)以外のYであり;
25が、上記で示された定義と同義である、
式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物である。
【0155】
一例として、下記の化合物を示す。
I.式(Ia)の化合物
〔式中、
Yは、非置換のアルキルであり;
Rは、式(II)(式中、R又はR=AX)の基であり;
【0156】
【化41】
Figure 2004506639
【0157】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−(ここで、a=3)であり、
【0158】
【化42】
Figure 2004506639
【0159】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−(ここで、a=3)であり、
【0160】
【化43】
Figure 2004506639
【0161】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=1、G=メチル、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−(ここで、a=3)であり、
【0162】
【化44】
Figure 2004506639
【0163】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=1、G=アルキル、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−(ここで、a=3)であり、
【0164】
【化45】
Figure 2004506639
【0165】
A=A(ここで、A=C1837)であり、X=−O−であり、
【0166】
【化46】
Figure 2004506639
【0167】
A=A(ここで、A=フッ素置換アルキル−C(O))である〕。
【0168】
II.式(Ib)の化合物
〔式中、
は、非置換のアルキレン、−O−で1回中断されているアルキレン、フェニレン又は式(XIII)の基であり;
及びRは、式(II)(式中、R又はR=AX)の基であり;
【0169】
【化47】
Figure 2004506639
【0170】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=1、G=メチル、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−であり、a=3であり、Y=−C−であり、
【0171】
【化48】
Figure 2004506639
【0172】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−であり、a=3であり、Y=−C−であり、
【0173】
【化49】
Figure 2004506639
【0174】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−C−であり、Y=−C−であり、
【0175】
【化50】
Figure 2004506639
【0176】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−であり、a=3であり、Y=−C−O−C−であり、
【0177】
【化51】
Figure 2004506639
【0178】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−であり、a=3であり、Y=式(XIII)の基であり、
【0179】
【化52】
Figure 2004506639
【0180】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−であり、a=3であり、Y=フェニレンであり、
【0181】
【化53】
Figure 2004506639
【0182】
A=式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=−(CH−O−であり、a=3であり、Y=イソプロピレンであり、
【0183】
【化54】
Figure 2004506639
【0184】
A=Aであり、A=フッ素置換アルキル−C(O))であり、
X=−O−であり、Y=−C−である〕。
【0185】
III.式(Ic)の化合物
〔式中、
Yは、非置換のアルキルであり;
及びRは、フェニレンであり;
X及びXは、−(CH−O−(ここで、a=3)であるか、又はエチレンであり;
【0186】
【化55】
Figure 2004506639
【0187】
=式(III)(式中、n=2、m=0、p=0、G=−O−Si(R192021)、G=−Si(R222324))の基であり、
X=X=−CH−CH−CH−O−であり、
【0188】
【化56】
Figure 2004506639
【0189】
=式(III)(式中、n=2、m=0、p=0、G=メチル、G=メチル)の基であり、
X=X=−CH−CH−であり、
【0190】
【化57】
Figure 2004506639
【0191】
=式(III)(式中、n=2、m=0、p=1、G=メチル、G=メチル)の基であり、
X=X=−CH−CH−CH−O−であり、
【0192】
【化58】
Figure 2004506639
【0193】
=式(III)(式中、n=2、m=0、p=1、R17=フェニル、G=メチル、G=メチル)の基であり、
X=X=−CH−CH−であり、
【0194】
【化59】
Figure 2004506639
【0195】
=Aであり、A=−CH1224−であり、X及びXは、−O−であり、
【0196】
【化60】
Figure 2004506639
【0197】
=Aであり、A=フッ素置換(O)C−アルキレン−C(O)であり、X及びXは、−O−である〕。
【0198】
式(I)の化合物において、化合物のアリール環上、すなわち、フェニル基(式(II))、ナフチル、アントラシル、フェナントリル若しくは複素環基上に、置換基−X−A−、X−A又は−X−Aの1個以上が存在するか、又はそれぞれの場合で分子内に基Aが存在する。これらの置換基は、光開始剤化合物の界面活性を生み出す、すなわち硬化される配合物の表面に光開始剤が蓄積することを確実にする基である。
【0199】
したがって本発明は、また、安定した引掻き抵抗性の表面を有するコーティングを調製する方法であって、
(1)(A)エチレン性不飽和重合性化合物;及び
(B)光開始剤
を含む光硬化性配合物を調製し;
(2)この配合物を基板に適用し;そして
(3)配合物を、
波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線のみに曝露するか、あるいは
波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線、並びにその前、同時及び/又はその後に熱に曝露するか、のいずれかにより硬化する方法であり、
ここで、
配合物が、配合物の表面に蓄積する式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を少なくとも1種光開始剤(B)として含む方法を提供する。
【0200】
本発明によると、光開始剤はラジカル重合性系を硬化するために使用されるが、この目的は、優れた特性を有する硬化表面を得ることである。この目的を達成するために、光開始剤が、硬化される配合物の表面に蓄積することが重要である。既に上記で記載されたように、これは光開始剤における適切な置換基によって達成される。しかし、表面特性の向上は、そのような開始剤を純粋に光硬化性系において使用することにより達成されるばかりでなく、熱/光硬化性混合配合物においても得られる。したがって、本発明は、純粋な光硬化性配合物における式(I)の光開始剤の使用と、光化学及び熱硬化性混合配合物における式(I)の光開始剤の使用の両方を提供する。熱硬化は、光への曝露の前、間又は後で実施してよい。
【0201】
したがって本発明は、光硬化性配合物が、更なる成分として、熱架橋性化合物(C)を少なくとも1種含み、波長範囲200nm〜IR領域の光に曝露し、かつその前、同時及び/又はその後に熱に曝露することにより硬化される、上記記載の方法をも提供する。
【0202】
本発明によると、式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物は、エチレン性不飽和化合物、及びそのような化合物を含む混合物を光重合する界面活性光開始剤として使用され、それぞれの配合物の表面に向かって配向される。したがって本発明は、また、光開始剤をコーティングの表面に蓄積させる方法であって、式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の界面活性光開始剤を、エチレン性不飽和光重合性化合物を含有する光重合性混合物に加えることを含む方法を提供する。
【0203】
本発明によると、式(I)の開始剤は、界面活性光開始剤として使用されることが意図される場合、シロキサン改質樹脂成分を含む組成物には使用されない。しかし本発明の化合物は、開始剤分子の対応するシロキサン改質樹脂との混和性及び相溶性を増加させるためにも極めて適切である。好ましくは、界面活性光開始剤の応用である。光開始剤は、また、他の光開始剤(E)及び/又は更なる添加剤(D)と組み合わせて使用してよい。
【0204】
したがって本発明は、また、
(A)エチレン性不飽和ラジカル光重合性化合物を少なくとも1種;
及び
(B)式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を少なくとも1種
含む光重合性組成物を提供する。
【0205】
本発明は、更に、
(A)エチレン性不飽和ラジカル光重合性化合物を少なくとも1種;
(B)式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を少なくとも1種;及び
(C)熱架橋性化合物を少なくとも1種
含む光重合性組成物を提供する。
【0206】
本発明によると、組成物は、異なる光開始剤(E)及び/又は更なる添加剤(D)をも更に含むことができる。
【0207】
熱架橋性触媒の添加も可能である。適切な例は下記に後述される。
【0208】
不飽和化合物(A)は、オレフィン二重結合を1個以上含有する。これらは、低分子量(モノマー性)又は相対的に高分子量(オリゴマー性)であってよい。二重結合を含むモノマーの例は、アルキル若しくはヒドロキシアルキルアクリラート若しくはメタクリラートであり、例えば、メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル若しくは2−ヒドロキシエチルアクリラート、イソボルニルアクリラート、メチルメタクリラート若しくはエチルメタクリラートである。シリコーンアクリラートも重要である。他の例としては、アクリルニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルエーテル、例えばイソブチルビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン及びハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル又は塩化ビニリデンである。
【0209】
二重結合を2個以上含むモノマーの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール及びビスフェノールAジアクリラート、4,4′−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート若しくはテトラアクリラート、ビニルアクリラート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシナート、ジアリルフタラート、トリアリルホスファート、トリアリルイソシアヌラート又はトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌラートである。
【0210】
相対的に高分子量の(オリゴマー性)ポリ不飽和化合物の例は、アクリル化エポキシ樹脂、並びにアクリル化又はビニルエーテル官能化若しくはエポキシ官能化ポリエステル、ポリウレタン及びポリエーテルである。不飽和オリゴマーの更なる例は、不飽和ポリエステル樹脂であり、一般的にマレイン酸、フタル酸及び1種以上のジオールから調製され、約500〜3000の分子量を有する。それらに加えて、ビニルエーテルモノマー及びオリゴマー、並びにポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル及びエポキシド主鎖を有するマレイン酸末端基オリゴマーも使用することが可能である。特に適切なものは、WO90/01512に記載されているように、ビニルエーテル基を有する、ポリマーとオリゴマーの組み合わせである。しかし、同じく適切なものは、マレイン酸及びビニルエーテルで官能化されているモノマーのコポリマーである。
【0211】
同じく適切なものは、ラジカル重合性二重結合を1個以上含む化合物である。これらの化合物において、ラジカル重合性二重結合は、好ましくは(メタ)アクリロイル基の形態である。(メタ)アクリロイルと本文及び下記の(メタ)アクリルのそれぞれは、それぞれアクリロイル及び/又はメタクリロイルとアクリル及び/又はメタクリルを意味する。好ましくは、重合性二重結合の少なくとも2個が、(メタ)アクリロイル基の形態で分子内に存在する。当該化合物は、例えば、ポリ(メタ)アクリラートの(メタ)アクリロイル官能オリゴマー及び/又はポリマー化合物を含んでよい。この化合物の数平均分子量は、例えば、300〜10000、好ましくは800から10000である。(メタ)アクリロイル基の形態でラジカル重合性二重結合を好ましく含む化合物は、慣用の方法、例えば、ポリ(メタ)アクリラートを(メタ)アクリル酸と反応させることにより得られる。これら及び他の調製方法は文献に記載され、当業者に既知でいある。
【0212】
この種の不飽和オリゴマーもプレポリマーとして言及されてよい。
【0213】
官能化アクリラートも適切である。そのような官能化アクリラート及びメタクリラートポリマーの主鎖(ベースポリマー)を形成するために通常使用される適切なモノマーの例は、アクリラート、メチルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルアクリラート、エチルメタクリラート、n−ブチルアクリラート、n−ブチルメタクリラート、イソブチルアクリラート、イソブチルメタクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、2−エチルヘキシルメタクリラート等である。更に、官能化モノマーの適切な量は、官能化ポリマーを得るため、重合の間に共重合される。酸官能化アクリラート又はメタクリラートポリマーは、アクリル酸及びメタクリル酸のような酸官能化モノマーを使用して得られる。ヒドロキシ化官能化アクリラート又はメタクリラートポリマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、2−ヒドロキシプロピルメタクリラート及び3,4−ジヒドロキシブチルメタクリラートのようなヒドロキシ官能化モノマーから形成される。エポキシ官能化アクリラート又はメタクリラートポリマーは、グリシジルメタクリラート、2,3−エポキシブチルメタクリラート、3,4−エポキシブチルメタクリラート、2,3−エポキシシクロヘキシルメタクリラート、10,11−エポキシウンデシルメタクリラート等のようなエポキシ官能化モノマーを使用して得られる。同様に、例えば、イソシアナート官能化ポリマーは、例えばメタイソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナートのようなイソシアナート官能化モノマーから調製してよい。
【0214】
特に適切な化合物は、例えば、エチレン性不飽和の一官能化又は多官能化カルボン酸のエステル及びポリオール又はポリエポキシド並びにエチレン性不飽和基を鎖若しくは側鎖基に含むポリマーであり、例としては、不飽和ポリエステル、ポリアミド及びポリウレタン、並びにそれらのコポリマー、アルキド樹脂、ポリブタンジエンとブタンジエンのコポリマー、ポリイソプレンとイソプレンのコポリマー、(メタ)アクリル基を側鎖に含むポリマー及びコポリマー、並びにそのようなポリマーの1種以上の混合物である。
【0215】
適切な一官能化又は多官能化不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、不飽和脂肪酸、例えば、リノレン酸若しくはオレン酸である。アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。しかし、飽和ジカルボン酸又はポリカルボン酸を不飽和カルボン酸と混合して使用することも可能である。適切な飽和ジカルボン酸又はポリカルボン酸の例には、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸、無水フタル酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸等が含まれる。
【0216】
適切なポリオールには、芳香族ポリオールと、特に、脂肪族及び脂環式のポリオールが含まれる。芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン並びにノボラック及びレゾールである。ポリエポキシドの例は、前記のポリオール、特に芳香族ポリオール及びエピクロロヒドリンに基づくものである。更に適切なポリオールには、ポリマー鎖又は側鎖基にヒドロキシル基を含有するポリマー及びコポリマーが含まれ、例えば、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー又はポリヒドロキシアルキルメタクリラート若しくはそのコポリマーである。ヒドロキシル末端基を含むオリゴエステルは、更に適切なポリオールである。
【0217】
脂肪族及び脂環式ポリオールの例は、好ましくは炭素原子2〜12個を有するアルキレンジオールであり、例えば、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは分子量200〜1500を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びソルビトールである。
【0218】
ポリオールは、異なる不飽和カルボン酸の1種以上により部分的又は完全にエステル化されてよく、部分エステル中の遊離ヒドロキシル基は、他のカルボン酸により改質、例えばエーテル化又はエステル化されていることがある。
【0219】
エステルの例は下記である。
トリメチロールプロパントリアクリラート、トリメチロールエタントリアクリラート、トリメチロールプロパントリメタクリラート、トリメチルロールエタントリメタクリラート、テトラメチレングリコールジメタクリラート、トリエチレングリコールジメタクリラート、テトラエチレングリコールジアクリラート、ペンタエリトリトールジアクリラート、ペンタエリトリトールトリアクリラート、ペンタエリトリトールテトラアクリラート、ジペンタエリトリトールジアクリラート、ジペンタエリトリトールトリアクリラート、ジペンタエリトリトールテトラアクリラート、ジペンタエリトリトールペンタアクリラート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリラート、トリペンタエリトリトールオクタアクリラート、ペンタエリトリトールジメタクリラート、ペンタエリトリトールトリメタクリラート、ジペンタエリトリトールジメタクリラート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリラート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリラート、ペンタエリトリトールジイタコナートジペンタエリトリトールトリスイタコナート、ジペンタエリトリトールペンタイタコナート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコナート、エチレングリコールジアクリラート、1,3−ブタンジオールジアクリラート、1,3−ブタンジオールジメタクリラート、1,4−ブタンジオールジイタコナート、ソルビトールトリアクリラート、ソルビトールテトラアクリラート、改質ペンタエリトリトールトリアクリラート、ソルビトールテトラメタクリラート、ソルビトールペンタアクリラート、ソルビトールヘキサアクリラート、オリゴエステルアクリラート及びメタクリラート、グリセロールジアクリラート及びトリアクリラート、1,4−シクロヘキサンジアクリラート、分子量200〜1500を有するポリエチレングリコールのビスアクリラート及びビスメタクリラート、又はこれらの混合物。
【0220】
適切な成分(A)には、また、好ましくはアミノ基2〜6個、特に2〜4個を有する芳香族、脂環式及び脂肪族ポリアミンを有する、同一又は異なる不飽和カルボン酸のアミドが含まれる。そのようなポリアミンの例は、エチレンジアミン、1,2−又は1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジ(β−アミノエトキシ)−又はジ(β−アミノプロポキシ)エタンである。更なる適切なポリアミンは、側鎖に更なるアミノ基を含むポリマー及びコポリマー並びにアミノ末端基を有するオリゴアミドであることがある。そのような不飽和アミドの例は、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリラート及びN−〔(β−ヒドロキシエトキシ)エチル〕アクリルアミドである。
【0221】
適切な不飽和ポリエステル及びポリアミドは、例えば、マレイン酸及びジオール又はジアミンから誘導される。マレイン酸は、他のジカルボン酸で部分的に置換されていてもよい。それらはエチレン性不飽和コモノマー、例えばスチレンと一緒に使用してよい。また、ポリエステル及びポリアミドは、ジカルボン酸及びエチレン性不飽和ジオール又はジアミンから、特に、例えば炭素原子6〜20個を有する、相対的に長鎖のものから誘導される。ポリウレタンの例は、飽和又は不飽和ジイソシアナート及び不飽和又は飽和ジオールからそれぞれ合成されるものである。
【0222】
ポリブタジエン及びポリイソプレン、並びにそのコポリマーは既知である。適切なコモノマーの例は、エチレン、プロペン、ブテン、ヘキセン、(メタ)アクリラート、アクリロニトリル、スチレン又は塩化ビニルのようなオレフィンである。側鎖に(メタ)アクリラート基を含むポリマーも同様に既知である。これらは、例えば、ノボラック性エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物、(メタ)アクリル酸でエステル化されたビニルアルコール若しくはそのヒドロキシアルキル誘導体のホモポリマー又はコポリマー、あるいはヒドロキシアルキル(メタ)アクリラートでエステル化された(メタ)アクリラートのホモポリマー及びコポリマーである。
【0223】
光重合性化合物(A)は、単独又はあらゆる所望の混合物で使用してよい。好ましくは、ポリオール(メタ)アクリラートの混合物の使用である。
【0224】
結合剤を本発明の組成物に加えることも可能であり、これは、光重合性化合物が液体又は粘性物質である場合、特に適切である。結合剤の量は、例えば、固体全体に基づき、5〜95重量%、好ましく10〜90重量%、特に40〜90重量%であることができる。結合剤の選択は、使用分野及び、例えば、水性及び有機溶媒系における展開能力、基板への付着力及び酸素感受性のようなその分野に必要とされる特性に応じて行われる。
【0225】
適切な結合剤の例は、約5,000〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000の分子量を有するポリマーである。例は、ホモポリマー並びにコポリマーアクリラート及びメタクリラート、例えば、メチルメタクリラート/エチルアクリラート/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(アルキルメタクリラート)、ポリ(アルキルアクリラート);セルロースエステル及びセルロースエーテル、例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース;ポリビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマール、環化ゴム、ポリエーテル、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン;ポリスチレン、ポリカルボナート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、塩化ポリビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリル、メチルメタクリラート及び酢酸ビニルとのコポリマー、酢酸ポリビニル、コポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリカプロラクタム及びポリ(ヘキサメチレンアジパミド)のようなポリマー、ポリ(エチレングリコールテレフタラート)及びポリ(ヘキサメチレングリコールスクシナート)のようなポリエステルである。
【0226】
成分(A)、すなわちUV硬化性成分として、下記の(C1)で後述される樹脂を使用することも可能である。特に重要なこれらの例は、反応性官能基を含む不飽和アクリラートである。反応性官能基は、例えば、ヒドロキシル、チオール、イソシアナート、エポキシド、無水物、カルボキシル、アミノ、又はブロックアミノ基から選択される。OH含有不飽和アクリラートの例は、ヒドロキシエチル及びヒドロキシブチルアクリラート、あるいはまた、グリシジルアクリラートである。
【0227】
不飽和化合物は、非光重合性膜形成成分との混合物において使用してよい。これらは、例えばニトロセルロース又はセルロースアセトブチラートのような、例えば物理的に乾燥したポリマー又は有機溶媒中の溶液であってよい。しかし、ポリイソシアナート、ポリエポキシド又はメラミン樹脂のような化学及び/又は熱硬化性樹脂であってもよい。メラミン樹脂とは、メラミン(シアヌル酸トリアミド)とカルボニル化合物、好ましくはホルムアルデヒドとの縮合物のみを意味しない。メラミン樹脂は、例えば、商品名Cymelで市販されている。
【0228】
熱硬化性樹脂の更なる使用では、光重合及び熱的にも硬化される、いわゆるハイブリッド系における使用が重要である。
【0229】
成分(A)は、例えば、
(A1)ラジカル重合性二重結合を1個以上含み、更に付加反応及び/又は縮合反応という意味において反応性である他の官能基(例は上記で示されている)を少なくとも1個含む化合物、
(A2)ラジカル重合性二重結合を1個以上含み、更に付加反応及び/又は縮合反応という意味において反応性である他の官能基を少なくとも1個更に含み、追加の反応性官能基が、成分(A1)の追加の反応性官能基に対して相補性又は反応性である化合物、
(A3)所望であれば、ラジカル重合性二重結合の他に存在する、成分(A1)又は成分(A2)の官能基に対して、付加反応及び/又は縮合反応という意味において反応性である官能基を少なくとも1個含むモノマー、オリゴマー及び/又はポリマー化合物を少なくとも1種、
を含有するコーティング組成物を含んでよい。
【0230】
成分(A2)は、それぞれの場合、成分(A1)に対して反応性又は相補性である基を有する。この文脈において、それぞれの場合、異なる種類の官能基が1つの成分に存在することが可能である。成分(A3)において、付加反応及び/又は縮合反応という意味において反応性であり、ラジカル重合性二重結合の他に存在する、成分(A1)又は(A2)の官能基と反応することができる官能基を含む更なる成分を利用できる。成分(A3)は、ラジカル重合性二重結合を含まない。そのような(A1)、(A2)(A3)の組み合わせを、WO 99/55785において見出すことができる。適切な反応性官能基の例は、例えば、ヒドロキシル、イソシアナト、エポキシド、無水物、カルボキシル又はブロックトアミノ基から選択される。例は上記に記載されている。
【0231】
成分(C)の構成成分は、例えば、当該技術で慣用の熱硬化性コーティング系成分である。したがって、成分(C)は構成成分を2種以上含むことができる。成分(C)の例は、α,β−不飽和酸及びその誘導体から誘導されるオリゴマー及び/又はポリマーであり、例としては、ポリアクリラート及びポリメタクリラート、並びにブチルアクリラートを使用して耐衝撃性改良したポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド及びポリメチルメタクリラートである。成分(C)の更なる例は、ウレタン、遊離ヒドロキシル基又はチオール基を含むポリエーテル、ポリエステル及びポリアクリラートから誘導されるポリウレタンであり、他方では脂肪族又は芳香族ポリイソシアナートであり、その前駆体もである。したがって、成分(C)は、例えば、エポキシアクリラート、ウレタンアクリラート又はポリエステルアクリラートのような置換アクリラートから誘導される架橋性アクリル樹脂も含む。メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアナート、イソシアヌラート、ポリイソシアナート、ポリイソシアヌラート及びエポキシ樹脂で架橋されているアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂、並びにその改質物も成分(C)の構成成分であることができる。
【0232】
成分(C)は、例えば、一般的に、熱可塑性又は熱硬化性樹脂、主に熱硬化性樹脂に基づく膜形成結合剤を含む。その例は、アルキド樹脂、アクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂、並びにそれらの混合物である。それらの例は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed., Vol. A18, pp. 368−426, VCH, Weinheim 1991に記載されている。
【0233】
成分(C)は、常温硬化性又は熱硬化性結合剤であり、硬化触媒の添加が有利である。結合剤の硬化を促進する適切な触媒は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A18, page 469, VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim 1991に記載されている。
【0234】
成分(C)として適切な特定の結合剤の例は下記である:
1.常温若しくは熱架橋性アルキド、アクリラート、ポリエステル、エポキシ又はメラミン樹脂あるいはそのような樹脂の混合物に基づき、硬化触媒を添加した又は添加しない塗料;
2.ヒドロキシル含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族若しくは芳香族イソシアナート、イソシアヌラート又はポリイソシアナートに基づく2成分ポリウレタン塗料;
3.チオール官能アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂と、脂肪族若しくは芳香族イソシアナート、イソシアヌラート又はポリイソシアナートに基づく2成分ポリウレタン塗料;
4.焼付の間に脱保護される、ブロックトイソシアナート、イソシアヌラート又はポリイソシアヌラートに基づく1成分ポリウレタン塗料。適切であればメラミン樹脂を加えてもよい;
5.脂肪族若しくは芳香族ウレタン又はポリウレタンと、ヒドロキシル含有アクリラート、ポリエステル又はポリエーテル樹脂に基づく1成分ポリウレタン塗料;
6.遊離アミン基をウレタン構造に有する、脂肪族若しくは芳香族ウレタンアクリラート又はポリウレタンアクリラートと、メラミン樹脂又はポリエーテル樹脂に基づく、硬化触媒を添加した又は添加しない1成分ポリウレタン塗料;
7.(ポリ)ケチミンと、脂肪族若しくは芳香族イソシアナート、イソシアヌラート又はポリイソシアナートに基づく2成分塗料;
8.(ポリ)ケチミンと、不飽和アクリラート樹脂又はポリアセトアセタート樹脂又はメタクリルアミドグリコラートメチルエステルに基づく2成分塗料;
9.カルボキシル−又はアミノ−含有ポリアクリラート、ポリエポキシドに基づく2成分塗料;
10.無水物基を含むアクリル酸樹脂と、ポリヒドロキシ又はポリアミノ成分に基づく2成分塗料;
11.アクリラート含有無水物と、ポリエポキシドに基づく2成分塗料;
12.(ポリ)オキサゾリンと、無水物基を含むアクリル酸樹脂、あるいは不飽和アクリル酸樹脂、あるいは脂肪族若しくは芳香族イソシアナート、イソシアヌラート又はポリイソシアナートに基づく2成分塗料;
13.不飽和(ポリ)アクリラートと、(ポリ)マロナートに基づく2成分塗料;
14.熱可塑性アクリル酸樹脂又は外部と架橋されているアクリル酸樹脂と、エーテル化メラミン樹脂の組み合わせに基づく熱可塑性ポリアクリラート塗料。
【0235】
とりわけ、成分(C)に使用されるブロックトイソシアナートは、例えば、Organischer Metallschutz: Entwicklung und Anwendung von Beschichtungsstoffen 〔Organic Protection of Metals: Development and Application of Coating Materials〕, page 159−160, Vincentz Verlag, Hannover (1993)に記載されている。これらは、反応性の極めて高いNCO基が、第一級アルコール、フェノール、アセトアセタート、ε−カプロラクタム、フタルイミド、イミダゾール、オキシム又はアミンのような特定の基との反応により「ブロック」される、化合物である。ブロックトイソシアナートは、液系において、また、ヒドロキシル基の存在下で安定である。加熱すると、ブロッキンング剤が取り除かれ、NCO基が露出する。
【0236】
1成分(1K)及び2成分(2K)系の両方を、成分(C)として使用してよい。そのような系の例は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. A18, Paints and Coatings, pages 404−407, VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim (1991)に記載されている。
【0237】
組成物は、配合物を特別に適合させて、例えば、結合剤/架橋剤の比率を変えることにより最適化される。そのような方法はコーティング技術の当業者にとって既知である。
【0238】
本発明の硬化方法において、成分(C)は、好ましくはアクリラート/メラミン(及びメラミン誘導体)、2成分ポリウレタン、1成分ポリウレタン、2成分エポキシ/カルボキシ又は1成分エポキシ/カルボキシに基づく混合物である。これらの系の混合物も可能であり、例としては、メラミン(又はその誘導体)を1成分ポリウレタンに加える。
【0239】
成分(C)は、好ましくはポリアクリラートとメラミンに、又はメラミン誘導体に基づく結合剤である。好ましくは、また、非ブロックトポリイソシアナート又はポリイソシアヌラートを有するポリアクリラートポリオール及び/又はポリエステルポリオールに基づく系である。
【0240】
成分(C)は、成分(C)の結合剤及び/又は架橋剤構成成分と反応することが可能であるOH、SH、NH、COOH、エポキシ又はNCO基(=C1)の少なくとも1個を更に含むエチレン性不飽和結合(プレポリマー)を含有する、モノマー及び/又はオリゴマー化合物を更に含んでよい。塗布及び熱硬化に続いて、エチレン性不飽和結合をUV放射線により架橋された高分子量形態に変換する。そのような成分(C)の例は、例えば、上記記載の文献:Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed., Vol. A18, pages 451−453又はS. Urano, K. Aoki, N. Tsuboniva及びR. MizuguchiによりProgress in Organic Coatings, 20 (1992), 471−486に、又はH. Terashima及びO. IsozakiによりJOCCA 1992 (6), 222に記載されている。(C1)は、例えば、OH含有不飽和アクリラート、例としては、ヒドロキシエチルアクリラート又はヒドロキシブチルアクリラート、あるいはまた、グリシジルアクリラートである。成分(C1)は、任意の構造(例えば、ポリエステル、ポリアクリラート、ポリエーテル等の単位)であってよいが、但し、エチレン性不飽和二重結合であり、また、遊離OH、SH、COOH、NH、エポキシ又はNCO基が存在する。
【0241】
(C1)は、また、例えば、エポキシ官能化オリゴマーを、アクリル酸又はメタクリル酸と反応させて得られる。ビニル二重結合を含むOH官能化オリゴマーの典型的な例は下記:
【0242】
【化61】
Figure 2004506639
【0243】
であり、CH=CHCOOHを下記:
【0244】
【化62】
Figure 2004506639
【0245】
と反応させて得られる。
【0246】
また、成分(C1)を調製する1つの可能性は、例えば、エポキシ基を1個のみ含有し、分子の別の部位に遊離OH基を含むオリゴマーを反応させることである。
【0247】
UV架橋及び熱架橋配合物における成分(A)と(C)の比率は、重要ではない。「二重硬化」系は当業者に周知であり、したがって当業者は、特定の所望の適用のためのUV架橋性及び熱硬化性成分の最適な比率を十分に理解している。例えば、組成物は、成分(A)及び(C)を、5:95〜95:5、20:80〜80:20又は30:70〜70:30、例えば40:60〜60:40の比率で含んでよい。
【0248】
「二重硬化」系、すなわちUV硬化性及び熱硬化性成分の両方を含む系の例は、とりわけ、US5,922,473、第6欄〜第10欄に見出される。
【0249】
本発明の方法で使用される組成物に、溶媒又は水を加えることも可能である。組成物を溶媒なしで使用する場合、それは、例えば、粉末被膜配合物を含む。適切な溶媒は、当業者に既知であり、コーティング技術において特に慣用の溶媒である。例は、種々の有機溶媒、例えばケトン、例としてはメチルエチルケトン、シクロヘキサノン;芳香族炭化水素、例としてはトルエン、キシレン又はテトラメチルベンゼン;グリコールエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル;エステル、例えば酢酸エチル;脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、オクタン、デカン;又は石油系溶媒、例えば石油エーテルである。
【0250】
本発明はまた、水中のエマルション又は溶液中に、エチレン性不飽和光重合性化合物を成分(A)として1種以上含む組成物を提供する。そのような放射線硬化性水性プレポリマー分散体は、数多くの種類が市販されている。それらは、水と、それに分散されている少なくとも1種のプレポリマーとの分散体を含むと理解される。これらの系における水の濃度は、例えば、5〜80重量%、特に30〜60重量%である。放射線硬化性プレポリマー又はプレポリマー混合物は、例えば、95〜20重量%、特に70〜40重量%の濃度で存在する。これらの組成物において、水及びプレポリマーで記載された百分率の合計は、それぞれの場合において100であり、助剤及び添加剤は、意図される用途に応じて異なる量が追加される。
【0251】
水中の分散体、そしてしばしば溶液における放射線硬化性膜形成プレポリマーは、それ自体水性プレポリマー分散体として既知である単官能又は多官能性のエチレン性不飽和プレポリマーを含み、ラジカルにより開始され、例えば、プレポリマー100g当たり0.01〜1.0molの重合性二重結合含有量を有し、例えば、少なくとも400、特に500〜10000の平均分子量をも有する。しかし、意図される適用に応じて、高分子量を有するプレポリマーの使用も適切である。例えばEP12339に記載されているように、例えば、重合性C−C二重結合を含み、10以下の酸価を有するポリエステル、重合性C−C二重結合を含むポリエーテル、エポキシド基を1分子当たり少なくとも2個含むポリエポキシドと、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の少なくとも1個とのヒドロキシル基含有反応生成物、ポリウレタン(メタ)アクリラートが使用され、α,β−エチレン性不飽和アクリル基を含むアクリルコポリマーもである。これらのプレポリマーの混合物も同様に使用される。更なる適切なプレポリマーの例には、EP033896に記載の重合性プレポリマーが含まれ、それらは少なくとも600の平均分子量を有する重合性プレポリマーのチオエーテル付加物であり、カルボキシル基含有量が0.2〜15%であり、プレポリマー100g当たりの重合性C−C二重結合含有量が0.01〜0.8molである。特定のアルキル(メタ)アクリラートポリマーに基づく他の適切な水性分散体はEP041125に記載され、ウレタンアクリラートを含む適切な水分散性放射線硬化性プレポリマーは、例えばDE2936039に示されている。
【0252】
更なる添加物として、これらの放射線硬化性水性プレポリマー分散体は、分散助剤、乳化剤,酸化防止剤、光安定剤、染料、顔料、充填剤(例えば、タルク、石膏、シリカ、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄)、反応促進剤、均展剤、滑剤、湿潤剤、増粘剤、マット剤、消泡剤及びコーティング技術において慣用の他の助剤を含むことができる。適切な分散助剤には、極性基を含む高分子量の水可溶性有機化合物が含まれ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はセルロースエーテルである。使用できる乳化剤には、非イオン性であり、またイオン性の乳化剤が含まれる。
【0253】
本発明の化合物及びそれらの混合物は、放射線硬化性パウダーコーティング材料のラジカル光開始剤又は光開始系としても使用することができる。パウダーコーティング材料は、固形の樹脂、並びに反応性二重結合を含むモノマー、例えば、マレアート、ビニルエーテル、アクリラート、アクリルアミド及びそれらの混合物に基づくことができる。ラジカルUV硬化性コーティング材料には、例えば文献”Radiation Curing of Powder Coating”, Conference Proceedings, Radtech Europe 1993 by M. Wittig and Th. Gohmannで記載されているように、不飽和ポリエステル樹脂を固形のアクリルアミド(例えば、メチルアクリルアミドグリコラートメチルエステル)及び本発明のラジカル光開始剤と混合して、配合することができる。ラジカルUV硬化性パウダーコーティング材料は、不飽和ポリエステル樹脂を、固形のアクリラート、メタクリラート又はビニルエーテル及び本発明の光開始剤(又は光開始剤混合物)と混合して、配合することができる。パウダーコーティング材料は、例えばDE4228514及びEP636669に記載のように結合剤を含んでもよい。EP636669に記載のパウダーコーティング配合物は、例えば、a)不飽和ポリエステルとともに、(半)結晶質若しくは無定形不飽和ポリエステル、不飽和ポリアクリラート又はそれらの混合物の群からの不飽和樹脂であり、特に好ましくはマレイン酸又はフマル酸から誘導されるもの、b)ビニルエーテル官能基、ビニルエステル官能基又は(メタ)アクリラート官能基を含むオリゴマー若しくはポリマー架橋剤であり、特に好ましくはビニルエーテルオリゴマー、例えばジビニルエーテル官能化ウレタン、c)光開始剤、を含有する。
【0254】
UV硬化性パウダーコーティング材料は、また、白色又は着色顔料を含んでよい。例えば、好ましくはルチル形二酸化チタンを、硬化されたパウダーコーティングが良好な隠蔽力を有するように、50重量%までの濃度で使用してよい。この技術には、通常、粉末を静電又は摩擦静電(tribostatic)吹付けにより基板、例えば、金属又は木材に塗布し、加熱して粉末を溶融し、平滑な膜が形成された後、例えば、中圧水銀灯、メタルハライドランプ又はキセノンランプを用いて紫外線及び/又は可視光線でコーティングを放射線硬化することが含まれる。熱硬化性のものに対する放射線硬化性パウダーコーティング材料の特に有利な点は、平滑で非常に光沢のあるコーティングの形成を確実にするため、粉末粒子が溶融した後の流動時間を選択的に延長できることである。硬化性系と異なり、放射線硬化パウダーコーティング材料は、相対的に低い温度で溶融するような、寿命を短縮させる、望まれない影響なくして配合できる。このため、木材又はプラスチックのような感熱性基板のコーティングとしても適切である。
【0255】
しかし、金属の場合のように、パウダーコーティング材料が感熱性基板に適用されない場合(ビヒクルコーティング)、本発明の光開始剤を有する二重硬化パウダーコーティング配合物を提供することも可能である。そのような配合物は当業者に既知であり、それらは熱及びUVの両方により硬化される。この種の配合物は、例えば、US5,922,473で示されている。
【0256】
本発明の光開始剤に加えて、パウダーコーティング配合物はUV吸収剤を含むことができる。適切な例は、下記で後述される。
【0257】
光開始剤に加えて、光重合性混合物は、種々の添加剤(D)を含んでよい。これらの例は、早期重合の防止を意図する熱的な防止剤、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル(4−ヒドロキシ−TEMPO)及びその誘導体、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル−4−イル)デカンジオアート、若しくはポリアルキルピペリジン−N−オキシル基、3−アリールベンゾフラン−2−オン及びそれらの誘導体、例えば、5,7−ジ−tert−ブチル−3−フェニル−3H−ベンゾフラン−2−オン(例えば、国際出願番号PCT/EP00/12165、2000年12月4日)、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトール又は立体障害フェノール、例えば、2,6−ジ(tert−ブチル)−p−クレゾールである。暗室保存安定性を増加させるため、銅化合物、例えば、ナフテン酸銅、ステアリン酸銅若しくはオクチル酸銅、リン化合物、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト若しくはトリベンジルホスファイト、第四級アンモニウム化合物、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド若しくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、又はヒドロキシルアミン誘導体、例えば、N−ジエチルヒドロキシルアミンの使用が可能である。重合の間に大気酸素を排除するため、パラフィン又は同様の蝋様物質を加えることが可能であり、それらは、ポリマーにおいて溶解性が乏しいため、重合の開始時に表面に移動し、そこで、空気の進入を防ぐ透明表面層を形成する。同様に、酸素不透過性層を適用することも可能である。添加できる光安定剤には、UV吸収剤、例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルミド又はヒドロキシフェニル−s−トリアジンタイプのものが含まれる。これらの化合物は、立体障害アミン(HALS)を用いるか、又は用いずに、個別又は混合物で使用してよい。
【0258】
そのようなUV吸収剤及び光安定剤の例は下記である。
1.2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類
例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−sec−ブチル−5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ビス(α,α―ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2′−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール〕;2−〔3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;〔R−CHCH−COO−CHCH−(ここで、R=3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシ−5′−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル)、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(α,α−ジメチルベンジル)−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール;2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5′−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール。
【0259】
2.ヒドロキシベンゾフェノン類
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2′,4′−トリヒドロキシ及び2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ誘導体。
【0260】
3.置換又は非置換の安息香酸のエステル類
例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチラート、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート。
【0261】
4.アクリラート類
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、メチルα−カルボメトキシシンナマート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナマート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0262】
5.立体障害アミン類
例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシナート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロナート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,1′−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状又は環式縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの、及び4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物(CAS Reg.No.〔136504−96−6〕);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4,5〕デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N′−ビス−ホルミル−N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ〔メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)〕シロキサン、無水マイレン酸α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
【0263】
6.オキサミド類
例えば、4,4′−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2′−ジエトキシオキサニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキサニリド及び2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−ジ置換オキサニリドの混合物、並びにo−及びp−エトキシ−ジ置換オキサニリドの混合物。
【0264】
7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類
例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン,2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)−フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス〔2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−〔3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ〕フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0265】
8.ホスファイト類及びホスホナイト類
例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホチン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホチン、2,2′,2″−ニトリロ〔トリエチルトリス(3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル)ホスファイト〕、2−エチルヘキシル(3,3′,5,5′−テトラ−tert−ブチル−1,1′−ビフェニル−2,2′−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0266】
更に、当該技術で慣用の添加剤、例えば、帯電防止剤、流動性向上剤及び接着促進剤の使用も可能である。
【0267】
基A又はAを有する式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の光開始剤は、表面に向かって配向され、シロキサン基により表面特性に対して影響を及ぼすもののうちの1つであるため、流動性向上剤としても機能する。当該技術において慣用の更なる流動性向上剤も加えてよい。その例は、シロキサン化合物又はフッ化炭化水素化合物又はポリアクリラートとして種々に市販されている。
【0268】
本発明は、更に、式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物を、単独又は更なる慣用の流動性向上剤と組み合わせて、流動性向上剤として使用することを提供する。
【0269】
DIN55945は、均展性を「塗布の間に発生するむらを補正する静止液体コーティングそれ自体の多少とも明らかな能力」と定義する。(参考:J. Bieleman, Lackadditive 〔Additives for Coatings〕, VCH Weinheim 1998, chapter 6)。コーティング材料の均展性は、その流動性及びその表面張力に著しく左右される。流動性向上剤は、粘度及び/又は表面張力を減少させることにより、湿潤コーティングが均一に流展して、膜になることを助ける物質である。パウダーコーティング材料の場合、流動性向上剤は、また、溶融粘度及びガラス転移温度を低下させ、更なる脱揮発作用を有する。流動性向上剤は、コーティング全体の外観を損なう均展性欠陥又は表面欠陥を取り除くために使用される。均展性欠陥又は表面欠陥には、ミカン肌作用、構造の形成、クレーター、フィッシュアイ、ドラフトに対する感受性、基板湿潤の問題、刷毛目、垂れ、断片性、ピンホール等が含まれる。本発明の化合物の流動性向上剤としての使用により、表面張力を低下させることが可能である。表面張力は、表面上の1滴の液体の周辺角度を測定して計算される(接触角測定)。
【0270】
光重合を促進させるため、更なる添加剤(D)として、アミン、例えば、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、3,5−ジメトキシベンジルオクタデシルカルバマート、2−ニトロベンジルオクタデシルカルバマート、エチルp−ジメチルアミノベンゾアート又はミヒラーケトンを加えることも可能である。更なる適切な添加剤には、ヨーロッパ特許EP−B0764698に記載されているキャップしたアミノ化合物(capped amino compound)が含まれる。アミンの作用は、ベンゾフェノンタイプの芳香族ケトンを加えることにより増強される。酸素捕捉剤として使用できるアミンの例は、EP339841に記載されている置換N,N−ジアルキルアニリンである。更なる促進剤、共開始剤(coinitiators)及び自動酸化剤は、例えばEP438123及びGB2180358に記載されているチオール、チオエーテル、ジスルフィド及びホスフィンである。
【0271】
当該技術において慣用の連鎖移動試薬を本発明の組成物に加えることも可能である。例は、メルカプタン、アミン及びベンゾチアゾールである。
【0272】
光重合は、更なる添加剤(D)として、スペクトル感受性をシフトさせるか、又は広げる光増感剤を加えることにより更に促進される。これらの光増感剤は、特に、芳香族カルボニル化合物、例えば、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体であり、また特に、イソプロピルチオキサントン、アントラキノン誘導体及び3−アシルクマリン誘導体、テルフェニル、スチリルケトンであり、並びに3−(アロイルメチレン)チアゾリン、カンファーキノンでもあり、そしてエオシン染料、ローダミン染料及びエリトロシン染料でもある。例えば、上記で示されたアミンも光増感剤として考慮される。
【0273】
特に、着色された(例えば、二酸化チタンにより)組成物の硬化処理も、例えばEP245639で記載されているように、熱条件下でラジカルを形成する成分、例えばアゾ化合物、例としては2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、トリアゼン、ジアゾスルフィド、ペントアザジエン又はペルオキシ化合物、例えばヒドロペルオキシド若しくはペルオキシカルボナート、例としてはtert−ブチルヒドロペルオキシドといった、追加の添加剤(D)を加えることにより促進される。
【0274】
更なる添加剤(D)として、組成物はまた、例えば光還元性染料、例としてはキサンテン、ベンゾキサンテン、ベンゾチオキサンテン、チアジン、ピロニン、ポルフィリン若しくはアクリジン染料、及び/又は放射線開裂性トリハロメチル化合物を含んでよい。同様の組成物は、例えばEP445624に記載されている。
【0275】
更なる一般的な添加剤(D)には、意図される用途に応じて、蛍光増白剤、充填剤(例えば、カオリン、タルク、バライト、石膏、白亜若しくはシリカ充填剤)、顔料、染料、湿潤剤又は流動性向上剤が含まれる。厚く着色されたコーティングの硬化には、例えばUS5,013,768に記載のガラスマイクロビーズ又は微粉砕ガラス繊維を加えることも適切である。
【0276】
配合物は、染料及び/又は白色若しくは着色顔料を含むこともできる。意図される用途に応じて、有機及び無機顔料のいずれも使用することができる。そのような添加物は当業者にとって既知であり、幾つかの例としては、例えば、ルチル又はアナターゼ形の二酸化チタン顔料、カーボンブラック、酸化亜鉛(例えば、亜鉛華)、酸化鉄(例えば、酸化鉄黄、酸化鉄赤)、クロムイエロー、クロムグリーン、ニッケルチタンイエロー、群青、コバルトブルー、ビスマスバナデート、カドミウムイエロー又はカドミウムレッドである。有機顔料の例は、モノアゾ又はジアゾ顔料、そしてまた、それらの金属錯体、フタロシアニン顔料、多環式顔料、例えば、ペリレン、アントラキノン、チオインディゴ、キナクリドン又はトリフェニルメタン顔料であり、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、例えば、テトラクロロイソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、ベンズイミダゾロン及びキノフタロン顔料もである。
【0277】
顔料は、配合物において個別又は混合物で使用してよい。意図される用途に応じて、顔料は当該技術で慣用の量、例えば、全体量に基づき1〜60重量%又は10〜30重量%の量で配合物に添加される。
【0278】
配合物は、例えば、非常に広範囲のクラスの有機染料をも含むことができる。例は、アゾ染料、メチン染料、アントラキノン染料又は金属錯体染料である。慣用の濃度は、例えば、全体量に基づき、0.1〜20%、特に1〜5%である。
【0279】
添加剤の選択は、それぞれの適用分野及びその分野で要求される特性により導かれる。上記記載の添加剤(D)は、当該技術において慣用であり、同様に、当該技術において慣用の量で使用される。
【0280】
ある種の場合において、式(Ia)、(Ib)及び/又は(Ic)の光開始剤の2個以上の混合物の使用が有利であり、例えば、本調製から直接得られる混合物を使用することが有利である。また、既知の光開始剤(E)との混合物を使用することも、当然、可能であり、例としては、カンファーキノン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン又は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−若しくはα−アミノアセトフェノン、例えば、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテル及びベンジルケタール、例えば、ベンジルジメチルケタール、フェニルグリオキサラート及びその誘導体、二量体フェニルグリオキサラート、ペルエステル、例えば、EP126541に例えば記載のベンゾフェノンテトラカルボキシルペルエステル、モノアシルホスフィンオキシド、例えば、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペント−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、ハロメチルトリアジン、例えば、2−〔2−(4−メトキシフェニル)ビニル〕−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、2−メチル−4,6−ビストリクロロメチル〔1,3,5〕トリアジン、ヘキサアリールビスイミダゾール/共開始剤系、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾールと一緒のo−クロロヘキサフェニルビスイミダゾ−ル、フェロセニウム化合物又はチタノセン、例えば、ジシクロペンタジエニルビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロフェニル)チタン又はホウ酸光開始剤との混合物である。本発明の光開始剤がハイブリッド系、すなわちラジカル的にも、カチオン的にも硬化されうる系において使用される場合、式(I)のラジカル硬化剤及び任意の更なるラジカル硬化剤に加えて、例えばUS4,950,581、第18欄、第60行目〜第19欄、10行目に記載されているような、過酸化ベンゾイル(他の適切な過酸化物は、US4,950,581、第19欄、第17行目〜25行目に記載されている)、芳香族スルホニウム塩、ホスホニウム塩又はヨードニウム塩のようなカチオン性光開始剤が使用される。
【0281】
光重合性組成物は、光開始剤を、組成物に基づき0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で適切に含む。光開始剤の上記の量は、その混合物が使用される場合、添加された全ての光開始剤の合計、すなわち光開始剤(B)及び光開始剤(B)+(E)に基づく。
【0282】
光重合性組成物は、様々な目的のために使用することができ、例えば木材又は金属用の、例えばプリントインクとして、クリアコート、白色塗料として、有彩着色塗料として、例えばパウダーコーティング材料として、とりわけ紙、木材、金属又はプラスチック用のコーティング材料として、建物及び道路のマーキング用、写真再生技術用、ホログラフ記録材料用、画像記録技術用、又は有機溶媒若しくはアルカリ水溶液を使用して現像できる印刷板製造用、スクリーン印刷のマスク製造用の日光硬化性コーティングとして、歯科充填剤として、圧感接着剤を含む接着剤として、積層用樹脂として、液体及び乾燥膜形態の両方のエッチングレジスト又はパーマネントレジストとして、光構造性誘電体として、及び電子回路用のはんだレジストとして、あらゆる種類のスクリーンのカラーフィルター製造用又はプラズマディスプレー及びエレクトロルミネセンスディスプレーの製造過程における構造の製造用、光スイッチ、光格子(干渉グリッド)の製造用、マス硬化(透明型中のUV硬化)若しくは立体リソグラフ法による三次元物品の製造用(例えばUS4,575,330で記載されている)のレジストとして、複合材料(例えば、適切であれば、ガラス繊維及び/又は他の繊維及び他の助剤を含んでいてもよいスチレンポリエステル)及びゲルコートの複合材料及び高塗厚膜(high−film−build)組成物を製造するための、電子部品をコーティング又はシーリングするための、あるいは光ファイバー用のコーティングとして使用してよい。組成物は、更に、光学レンズ、例えば、コンタクトレンズ又はフレネルレンズの製造用、医療機器、補助具又はインプラントの製造用にも適切である。組成物は、また、例えばDE19700064及びEP678534に記載されているように、熱互変特性を有するゲルを製造するためにも使用してよい。
【0283】
式(Ia)、(Ib)及び(Ic)の化合物は、更に、乳化重合、粒状重合若しくは懸濁重合の開始剤として、又は液晶モノマー及びオリゴマーの順序状態を固定させる重合における開始剤として、又は有機材料に染料を固着させるための開始剤として使用してよい。
【0284】
本発明の光硬化性組成物は、例えば、全種類の基板、例としては木材、織物、紙、セラミック、ガラス、特に膜の形態のポリエステル、ポリエチレンテレフタラート、ポリオレフィン又は酢酸セルロースのようなプラスチック、そして保護被膜又は画像様式(imagewise)の曝露により像が適用されるAl、Cu、Ni、Fe、Zn、Mg又はCo及びGaAs、Si又はSiOのような金属のためのコーティング材料として適切である。
【0285】
基板に液体組成物、溶液又は懸濁液を塗布することにより、基板をコーティングしてよい。溶媒及び濃度の選択は、主に組成物の性質及びコーティング技術により導かれる。溶媒は不活性であるべきであり、すなわち組成物とどのような化学反応も起こすべきではなく、塗布後の乾燥の間に再び除去できるべきである。適切な溶媒の例は、ケトン、エーテル及びエステルであり、例えば、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル及びエチル3−エトキシプロピオナートである。
【0286】
配合物は、既知のコーティング技術、例えば、スピンコーティング、浸漬、ナイフコーティング、カーテンコーティング技術、刷毛塗り、吹付け(特に静電吹付け)、及びリバースロールコーティングにより、また電気泳動塗装により基板に均一に塗布される。感光層を仮の軟質支持体に塗布し、次に積層により最終的な基板に層を移転することも可能である。
【0287】
塗布速度(コーティングの厚さ)及び基板の性質(コーティングの支持体)は、所望の適用分野に依存する。乾燥膜の厚さの範囲には、一般的に約0.1μmから、100μm超の値、好ましくは0.02〜2μmの値が含まれる。
【0288】
光硬化を使用する更なる分野は、例えば、金属板及び管、缶又は壜のクロージャーのコーティングのような金属コーティングの分野であり、また、ポリマーコーティング、例えば、PVC製壁又は床仕上げ材の光硬化の分野である。紙のコーティングの光硬化の例は、ラベル、レコードジャケット又はブックカバーの無色のワニス塗りである。
【0289】
本発明の組成物の感光性は、一般的に約200nm〜約600nm(UV領域)の範囲である。適切な放射線は、例えば、日光、又は人工光源からの光に存在する。したがって使用される光源には、非常に広範囲の種類が数多く含まれる。点光源及び配列(ランプカーペット)の両方が適切である。例は、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、中圧、高圧及び低圧水銀灯、可能であれば金属ハロゲン化物でドープされているもの(金属ハロゲンランプ)、マイクロ波励起金属蒸気ランプ、エキシマーランプ、高次アクチニド蛍光管(superactinic fluorescent tube)、蛍光灯、アルゴン白熱灯、フラッシュライト、写真用投光ランプ、発光ダイオード(LED)、電子線及びX線である。ランプと曝露される基板との距離は、意図される用途並びにランプの種類及び出力に応じて変動することができるが、例えば、2cm〜150cmである。特に適切なものは、レーザー光源、例えば、248nmで照射するKrypton Fレーザーのようなエキシマーレーザーである。可視領域のレーザーも使用される。
【0290】
既に記述したように、本発明の方法における硬化は、単に電磁放射線に曝露することにより実施される。しかし、硬化される配合物の組成に応じて、放射線曝露の前、間又は後での熱硬化が適切である。熱硬化は、当業者に既知の方法に従って実施される。硬化は、一般的に、オーブン(例えば、強制通風炉)において、ホットプレート上で、又はIRランプを使用する照射により実施される。使用される結合剤系次第では、助剤を用いない室温での硬化も同様に可能である。硬化温度は、一般的に室温から150℃、例えば、25〜150℃又は50〜150℃である。パウダーコーティング材料又はコイルコーティング材料の場合、硬化温度は、高温、例えば、350℃まででもよい。
【0291】
配合物が熱硬化性成分(C)を含有する場合、本発明に従って、熱乾燥触媒又は硬化触媒を、更なる添加剤(D)として配合物に加えることも可能である。可能性のある乾燥触媒又は熱硬化触媒の例は、有機金属化合物、アミン及び/又はホスフィンである。有機金属化合物は、例えば、金属カルボン酸塩、特に金属がPb、Mn、Co、Zn、Hf、Zr若しくはCuのもの、又は金属キレート、特に、金属がAl、Hf、Ti若しくはZrのもの、又は有機スズ化合物のような有機金属化合物である。金属カルボン酸塩の例は、Pb、Mn若しくはZnのステアリン酸塩、Co、Zn若しくはCuのオクタン酸塩、Mn及びCoのナフテン酸塩又は対応するリノラート若しくはタラートである。金属キレートの例は、アセチルアセトン、エチルアセチルアセタート、サリチルアルデヒド、サリチルアルドキシム、o−ヒドロキシアセトフェノン又はエチルトリフルオロアセチルアセタートのAl、Ti又はZrのキレート及びこれらの金属のアルコキシドである。有機スズ化合物の例は、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジラウラート及びジブチルスズジオクトアートである。アミンの例は、特に第三級アミン、例えば、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン又はジアザビシクロオクタン(トリエチレンジアミン)及びそれらの塩である。更なる例は、トリメチルベンジルアンモニウムクロリドのような第四級アミンである。硬化触媒として、トリフェニルホスフィンのようなホスフィン類の使用も可能である。適切な触媒は、例えば、J. Bieleman, Lackadditive 〔Additives for Coatings〕, Wiley−VCH Verlag GmbH, Weinheim, 1998, page 244−247にも記載されている。例は、スルホン酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸又はジノニルナフタレンジスルホン酸である。例えば、潜又はブロックトスルホン酸を使用することも可能であり、酸のブロッキングはイオノゲン性又は非イオノゲン性であってよい。そのような触媒は、当業者に既知であり、当該技術で慣用の濃度で使用される。
【0292】
本発明は、また、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個含有する不揮発性モノマー、オリゴマー又はポリマー化合物の重合方法であって、上記記載の組成物を200〜600nmの範囲で電磁放射線に曝露することを含む方法を提供する。
【0293】
本発明は、更に、上記記載の組成物の使用、並びに着色及び非着色塗料とワニス、パウダーコーティング材料、ゲルコート、複合材料又はガラスファイバーケーブルコーティングの製造方法を提供する。
【0294】
本発明は、同様に、上記記載の組成物により少なくとも1面をコーティングされている被覆基板を提供する。
【0295】
下記の実施例は本発明を例示しているが、本発明がこの実施例に限定されるいかなる意図も示さない。記載の残りの部分及び請求項において、部及び%は、特記のない限り重量部及び重量%である。異性体を示していない、炭素原子を3個以上含むアルキル基の参考例は、それぞれの場合、n異性体を言及すると理解されるべきである。
【0296】
実施例1:下記の調製
【0297】
【化63】
Figure 2004506639
【0298】
式(Ia)〔式中、
Yは、エチルであり;
Rは、式(II)(式中、R、R、R、R=H及びR=AXである)の基であり;
Aは、式(III)(式中、n=1、m=0、p=0、G=−O−Si(CH、G=−Si(CH)の基であり;
Xは、−(CH−O−である〕の化合物。
【0299】
a)エチル4−ヒドロキシマンデラートの調製
【0300】
【化64】
Figure 2004506639
【0301】
エタノール200ml中の4−ヒドロキシマンデル酸5g及びp−トルエンスルホン酸1.28gの混合物を50℃で4時間加熱した。混合物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、白色の沈殿物を形成させた。混合物を沈殿物が分解するまで水で希釈し、次にジエチルエーテルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過し、溶媒を蒸発させて、エチル4−ヒドロキシマンデラート(4.2g、82%)を淡い黄色を帯びた固体として得た。
H NMR (d−DMSO) δ〔ppm〕: 7.14 (d, 2 H芳香族); 6.72 (d, 2 H芳香族); 5.81 (br. d, 1 H, −OH); 4.96 (br. d, 1 H, −Ph−C(OH)−C(O)); 4.05 (m, 2 H, −C(O)−O−C −CH); 3.34 (s, 1 H, −OH); 1.12 (t, 3 H, −C(O)−O−CH−C
【0302】
b)エチル4−ヒドロキシベンゾイルホルマートの調製
【0303】
【化65】
Figure 2004506639
【0304】
三酸化クロム15.3gを、酢酸240ml中のエチル4−ヒドロキシマンデラート15gの溶液に滴加した。混合物を室温で2時間撹拌し、酢酸エチル1lに注ぎ、飽和NaCO水溶液で抽出した。水相を塩化メチレンで抽出した。有機相を飽和NaCO水溶液で洗浄し、続いて水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過し、溶媒を蒸発させ、蒸留して(ボール・チューブ蒸留器蒸留(ball−tube still distillation)、沸点205℃(0.076bar))、エチル4−ヒドロキシベンゾイルホルマート4.04g(27重量%)を黄色の固体として得た。
H NMR (CDCl) δ〔ppm〕: 7.95 (d, 2 H芳香族); 6.91 (d, 2 H芳香族); 6.07 (br. s, 1 OH, HO−Ph); 4.42 (q, J = 7.2, 2 H, −C(O)−O−C −CH); 1.40 (t, J = 7.2, 3 H, −C(O)−O−CH−C
【0305】
c)エチル4−アリルオキシベンゾイルホルマートの調製
【0306】
【化66】
Figure 2004506639
【0307】
エチル4−ヒドロキシベンゾイルホルマート1.62g(8.39mmol)及びKCO 5.79g(42mmol)をアセトン70mlに溶解した。臭化アリル1.22g(10.1mmol)を室温で滴加した。混合物を窒素雰囲気下、40℃で3.25時間加熱した。次に混合物を濾過し、蒸発させた。相を分離し、水をトルエンで抽出した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を蒸発させ、クロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル3:1)に付して黄色の油状物1.39g(71重量%)を得た。
H NMR (CDCl)δ〔ppm〕: 8.02 (d, 2 H芳香族); 6.99 (d, 2 H芳香族); 6.05 (m, 1 H, CH=C−CH−O−); 5.40 (m, 2 H, C =CH−CH−O−); 4.64 (m, 2 H, CH=CH−C −O−); 4.44 (q, J = 7.2, 2 H, −C(O)−O−C −CH); 1.43 (t, J = 7.2, 3 H, −C(O)−O−CH−C ).
【0308】
d)本発明の生成物の調製
トルエン中のエチル4−アリルオキシベンジルホルマート(工程c)1当量及び1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン1当量の混合物を、炭素支持Pt触媒0.004当量(Pt含有量に基づき120ppm)の存在させ、還流下で6.5時間加熱した。次に混合物を、シリカゲルを通して濾過した。濾過し、溶媒を蒸発させて、本発明の化合物0.89g(81重量%)を油状物の形態で得た。
H NMR (CDCl)δ〔ppm〕: 7.87 (m, 2 H芳香族); 6.86 (m, 2 H芳香族); 4.35 (q, J = 4, 2 H, −C(O)−O−CH); 3.91 (t, J = 8, 2 H, −C −O−C−); 1.74 (m, 2 H, −Si−CH−C −CH−O−C−); 1.32 (t, J = 8, 3 H, −C(O)−O−CH ); 0.48 (m, 2 H, −Si−C −CH−CH−O−C−); 0.03 (m, 21 H, 7 Si−CH). m/z (EI +CI) 456 (M);質量スペクトルによると、少量の更なる化合物も存在した。458 (M); 456 (M); 414 (M); 236 (M); 194 (M
【0309】
【化67】
Figure 2004506639
【0310】
実施例2
【0311】
【化68】
Figure 2004506639
【0312】
式(Ia)〔式中、
Yは、エチルであり;
Rは、式(II)(式中、R、R、R、R=H及びR=AXである)の基であり;
Aは、式(III)(式中、n=2、m=0、p=0、G=−O−Si(CH、G=−Si(CH)の基であり;
Xは、−(CH−O−である〕の化合物。
【0313】
エチル4−アリルオキシベンゾイルホルマート(実施例1c)2モル当量及び1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン1.1モル当量を使用して、実施例1に記載の方法により実施例2の化合物を調製した。
H NMR (CDCl)δ〔ppm〕: 7.86 (m, 2 x 2 H芳香族); 6.83 (m, 2 x 2 H芳香族); 4.35 (q, J = 6, 2 x 2 H, 2 −C(O)−O−CH); 3.97 (m, 2 x 2 H, 2 −C −O−C−); 1.73 (m, 2 x 2 H, 2 −Si−CH−C −CH−O−C−); 1.30 (t, J = 6, 2 x 3 H, 2 −C(O)−O−CH ); 0.52 (m, 2 x 2 H, 2 −Si−C −CH−CH−O−C−); 0.01 (m, 24 H, 8 Si−CH);質量スペクトルによると、少量の更なる化合物も存在した。
【0314】
【化69】
Figure 2004506639
【0315】
実施例3
【0316】
【化70】
Figure 2004506639
【0317】
式(Ia)〔式中、
Yは、エチルであり;
Rは、式(II)(式中、R、R、R、R=H及びR=AXである)の基であり;
Aは、A=−C2245であり;
Xは、−O−である〕の化合物。
【0318】
アセトン6ml中のエチル4−ヒドロキシベンゾイルホルマート0.35g(1.80mmol)、ブロモドコサン0.77g(1.98mmol)及びKCO 0.27g(1.98mmol)の溶液を還流下、一晩加熱した。混合物を濾過し、蒸発させた。再結晶させて(エタノール)、固体252mg(28重量%)を得た。融点=62〜63℃
【0319】
実施例4
【0320】
【化71】
Figure 2004506639
【0321】
式(Ia)〔式中、
Yは、エチルであり;
Rは、式(II)(式中、R、R、R、R=H及びR=AXである)の基であり;
Aは、A=−CH1531であり;
Xは、単結合である〕の化合物。
【0322】
クロロホルム7ml中のペンタデシルベンゼン10g及びシュウ酸モノメチルエステルクロリド7.1gの溶液を、クロロホルム14ml中の三塩化アルミニウム6.93gの懸濁液に約0℃で滴加した。混合物の温度が0℃〜5℃に保持されるように、添加速度を調節した。混合物を0℃で1時間、次に室温で4.5時間撹拌した。混合物を氷/水(200ml)に注ぎ、エーテルで抽出した。有機相を飽和NaHCO水溶液及び水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過し、溶媒を蒸発させ、クロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/塩化メチレン1:1)に付して、生成物(8.95g、66%)を淡い黄色を帯びた固体の形態で得た。
U.V. (CHCN)最大:267 nm (ε15’921)H−NMR (CDCl) δ〔ppm〕: 7.93 (m, 2 H芳香族); 7.30 (m, 2 H芳香族); 4.44 (系AB, 2 H, −CH−O−); 2.68 (t, J = 7.6, 2 H, −C−C −); 1.64 (m, 2 H, −C−CH−C −); 1.41 (t, J = 7.2, 3 H, C −CH−O−); 1.27 (m, 24 H, C −CH−O−); 0.89 (t, J = 6.4, 3 H, C −(CH14−C−); m/z (EI) 389 (MH
【0323】
適用例1
ポリウレタンアクリラートに基づく明澄なUV硬化系を、下記を混合して調製した。
Figure 2004506639
【0324】
サンプルを、光開始剤2%を加えて調製した。
【0325】
混合物を白色チップボードパネルに塗布し、ベルト速度3m/minでUV処理装置(2×80W/cm)を使用して照射した。約50μmの厚さの不粘着性乾燥膜を得た。
【0326】
硬化の30分後、Koenigによる振子硬度(DIN53157)を測定した。コーティングの表面エネルギーは、KruessのG10接触角測定システムを使用して静水接触角(θ)を測定することにより決定した。振子硬度の測定値が高いほど、硬化表面の硬度が高い。接触角が大きいほど、防湿性及び引掻き抵抗性がより良好である。
Figure 2004506639
【0327】
適用例2
ポリウレタンに基づく明澄な二重硬化系を、下記を混合して調製した。
Desmophen(登録商標)LS 2009/1、
Figure 2004506639
【0328】
サンプルを、光開始剤2〜3%及びある程度の光安定剤を加えて調製し、HALS(ヒンダードアミン光安定剤)を使用した。
【0329】
混合物を、白色のコイル被覆アルミニウムに塗布し、5分間室温で風乾し、ホットプレートにより80℃で10分間加熱した。次に照射を、ベルト速度5m/minでUV処理装置(2×120W/cm)を使用して実施した。約40μmの厚さの不粘着性乾燥膜を得た。
【0330】
硬化の45分後、Koenigによる振子硬度(DIN53157)を測定した。コーティングの表面エネルギーは、KruessのG10接触角システムを使用して静水接触角(θ)を測定して決定した。振子硬度の測定値が高いほど、硬化表面の硬度が高い。接触角が大きいほど、防湿性及び引掻き抵抗性がより良好である。
開始剤     振子硬度(秒)  水接触角(θ)
Figure 2004506639

Claims (14)

  1. 式(Ia)、(Ib)又は(Ic):
    Figure 2004506639
    〔式中、
    R、R及びRは、互いに独立して、式(II):
    Figure 2004506639
    の基であるか;あるいは
    R、R及びRは、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又は複素環基(ここで、基ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び複素環基は、非置換又はA−X−、A−X−、A−X−、C−Cアルキル、フェニル、OR、SR及び/若しくはNR1011で置換されており、ここで、置換基OR、SR及びNR1011は、基R、R、R10及び/又はR11を介して、ナフチル、アントラシル若しくはフェナントリル環上又は複素環上の更なる置換基と、あるいはナフチル、アントラシル又はフェナントリル環の炭素原子のうちの1個と、あるいは複素環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成していてもよい)であるが;
    但し、置換基A−X−、A−X−又はA−X−の少なくとも1個が、基Rに、又は基R若しくはRのうちの少なくとも1個に存在することとし;
    、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素;A−X−、A−X−、A−X−;非置換のC−C12アルキル又はOH、C−Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN及び/若しくは−O(CO)R12で置換されているC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキルであるか;あるいは
    、R、R、R及びRは、ハロゲン、OR、SR、NR1011、非置換又はC−Cアルキル−及び/若しくはC−Cアルコキシ−置換のフェニル(ここで置換基OR、SR、NR1011は、基R、R、R10及び/又はR11を介して、フェニル環上の更なる置換基と、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成していてもよい)であるが;
    但し、基R、R、R、R又はRの少なくとも1個が、A−X−、A−X−又はA−X−であることとし;
    及びRは、互いに独立して、水素;非置換のC−C12アルキル又はOH、C−Cアルコキシ、フェニル、フェノキシ及び/若しくは−O(CO)R12で置換されているC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキル;又は非置換のフェニル、C−Cアルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはナフチル;又はC−Cアルコキシ−、フェニル−及び/若しくはC−Cアルキル−置換のフェニル、C−Cアルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはナフチルであり;
    10及びR11は、互いに独立して、水素;非置換のC−C12アルキル又はOH、C−Cアルコキシ及び/若しくはフェニルで置換されているC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキル;又はフェニル、−(CO)R12若しくはSO13であるか;
    あるいはR10及びR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、非中断又は−O−若しくは−NR14−で中断されている5員、6員若しくは7員環を形成し;
    12は、C−Cアルキル;非置換のフェニル又はC−Cアルキル及び/若しくはC−Cアルコキシで置換されているフェニルであり;
    13は、C−C12アルキル、非置換のフェニル又はC−Cアルキルで置換されているフェニルであり;
    14は、水素;非置換のC−Cアルキル;OH若しくはC−Cアルコキシで置換されているC−Cアルキル;非置換のフェニル;又はOH、C−Cアルキル若しくはC−Cアルコキシで置換されているフェニルであり;
    及びRは、互いに独立して、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン、フェナントリレン又は二価複素環式基(これらの基は、非置換又はA−X−、A−X−、A−X−、C−Cアルキル、フェニル、OR、SR及び/若しくはNR1011で置換されており、置換基OR、SR及びNR1011は、基R、R、R10及び/又はR11を介して、フェニレン、ナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環上又は二価複素環上の更なる置換基と、あるいはナフチレン、アントラシレン若しくはフェナントリレン環又は二価複素環の炭素原子のうちの1個と、5員若しくは6員環を形成していてもよい)であり;
    A、A及びAは、互いに独立して、式(III):
    Figure 2004506639
    (式中、単位(IIIa1)、(IIIa2)、(IIIb)及び/又は(IIIc):
    Figure 2004506639
    は、ランダム又はブロックで配置され、ここで円は、前記と同義の芳香族基R又はRで二価基であり、架橋X又はXを介して、対応するシリル基で置換されていることを示すことを意味する)の界面活性基であるか;あるいは
    A、A及びAは、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキル、C−C30アルケニル、C−C30アルキニル、C−C30アラルキル、C−C30アルキル−(CO)−、C−C30アルケニル−(CO)−、C−C30アルキニル−(CO)−、C−C30アラルキル−(CO)−、C−C30アルキル−Si(R15)(R16)−、C−C30アルケニル−Si(R15)(R16)−、C−C30アルキニル−Si(R15)(R16)−であり、これらの基は、非置換又はOH、C−Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、 CN、SR、 NR1011及び/若しくは−O(CO)R12で置換されており、かつ、これらの基は、非中断又は−O−、−S−若しくは−NR14−の1個以上で中断されている)であり;
    nは1〜1000の数であり、シロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、nは、代わりに0超、1未満であってもよく;
    mは、0〜100の数であり;
    pは、0〜10,000の数であり;
    は、式(III)(式中、nは2〜1000である)の基であるか、又はAは、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキレン、C−C30アルケニレン、C−C30アルキニレン、C−C30アラルキレン、C−C30アルキレン−(CO)−、C−C30アルケニレン−(CO)−、C−C30アルキニレン−(CO)−、C−C30アラルキレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アルキレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アルケニレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アルキニレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アラルキレン−(CO)−、C−C30アルキレン−Si(R15)(R16)−、C−C30アルケニレン−Si(R15)(R16)−、C−C30アルキニレン−Si(R15)(R16)−、−Si(R15)(R16)−C−C30アルキレン−Si(R15)(R16)−、−Si(R15)(R16)−C−C30アルケニレン−Si(R15)(R16)−、−Si(R15)(R16)−C−C30アルキニレン−Si(R15)(R16)−であり、これらの基は、非置換又はOH、C−Cアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN、SR、NR1011及び/若しくは−O(CO)R12で置換されており、かつ、これらの基は、非中断又は−O−、−S−若しくは−NR14−の1個以上で中断されている)であり、;
    は、C−C18アルキル又は下記式:
    Figure 2004506639
    の基であり、
    は、C−C18アルキル又は下記式:
    Figure 2004506639
    の基であるか(但し、G=アルキルの場合、基Gは、酸素架橋なしでケイ素原子に直接結合することとする);あるいは
    及びGは、一緒になって単結合であり;
    15、R16、R17、R19、R20、R21、R22、R23及びR24は、互いに独立して、C−C18アルキル、フェニル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアミノアルキル又はC−Cシクロアルキルであり;
    18は、非置換のC−C18アルキル、C−Cシクロアルキル;あるいはヒドロキシ、C−C12アルコキシ、ハロゲン、C−Cシクロアルキル及び/若しくはN(R10)(R11)で置換されているC−C18アルキル;あるいは非置換のフェニル又はC−C12アルキル、C−C12アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ及び/若しくはN(R10)(R11)で置換されているフェニルであり;
    X、X及びXは、A、A、A及びAが式(III)の基である場合、互いに独立して、単結合、C−C10アルキレン、C−C10アルケニレン、C−C10アルキニレン、−(CH−O−、−O−(CH−、−O−(CH−O−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−O−、−(CH−NR14−(CH−、−(CH−NR14−、−(CH−O−(CH−NR14−(CH−、−(CH−O−(CH−NR14−、−(C−C10アルケニレン)−O−(CH−、−(C−C10アルケニレン)−O−、−(C−C10アルキニレン)−O−(CH−、−(C−C10アルキニレン)−O−、−(C−C10アルケニレン)−O−(CH−O−、−(C−C10アルキニレン)−O−(CH−O−、−(C−C10アルケニレン)−NR14−(CH−、−(C−C10アルケニレン)−NR14−、−(C−C10アルキニレン)−NR14−(CH−、−(C−C10アルキニレン)−NR14−、−(C−C10アルケニレン)−O−(CH−NR14−又は−(C−C10アルキニレン)−O−(CH−NR14−であり;
    X、X及びXは、A、A又はAがAの定義を有するか、又はAがAの定義を有する場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR14−であり;
    a、b及びcは、互いに独立して、0〜10の数であるが、但し、当該メチレン基が酸素原子2個の間、又は酸素原子1個と窒素原子1個の間にある場合、これらは少なくとも1であることとし;
    Yは、水素;非置換のC−C20アルキル又は基A−X−で置換されているC−C20アルキル;非置換のC−C18アルケニル又は基A−X−で置換されているC−C18アルケニル;非置換のC−C18アルキニル又は基A−X−で置換されているC−C18アルキニルであるか;あるいはYは、フェニル、ナフチル、アントラシル又はフェナントリル(ここで、これらの基は、非置換又はA−X−及び/若しくはC−C12アルキルの1個以上で置換されている)であるか;あるいはYは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び所望であれば更に基A−X−で置換されているC−Cアルキルであるか;あるいはYは、それぞれのグリオキサル酸の塩の基であり;
    は、非置換のC−C12アルキレン又は基A−X−で置換されているC−C12アルキレン;非置換のC−Cアルケニレン又は基A−X−で置換されているC−Cアルケニレン;非置換のC−Cアルキニレン又は基A−X−で置換されているC−Cアルキニレン;非置換のシクロヘキシレン又は基A−X−で置換されているシクロヘキシレン;−O−、−S−又は−NR25−で1回以上中断されており、かつ、非置換又は基A−X−で置換されているC−C40アルキレンであるか;あるいはYは、非置換のフェニレン又は基A−X−で置換されているフェニレンであるか;あるいはYは、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV);
    Figure 2004506639
    の基(ここで、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)又は(XV)の基は、非置換又は基A−X−で置換されている)であり;
    は、式(VII)以外のYであり;
    25は、水素、C−C12アルキル又はフェニルであり;
    26は、水素、CHOH又はC−Cアルキルであり;
    Wは、C−C10アルキレンであり;そして
    Rは前記と同義である〕で示される化合物。
  2. R、R及びRが、互いに独立して、前記で示された式(II)の基であるか、又は
    R、R及びRが、ナフチル(ここで、ナフチル基は、非置換又はA−X−、A−X−、A−X−、C−Cアルキル、フェニル若しくはORで置換されている)であるが、
    但し、置換基A−X−、A−X−又はA−X−の少なくとも1個が、基Rに、又は基R若しくはRのうちの少なくとも1個に存在することとし;
    、R、R、R及びRが、互いに独立して、水素;A−X−、A−X−、A−X−;非置換のC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキルであるか;あるいは
    、R、R、R及びRが、ハロゲン、OR又は非置換のフェニルであり、
    但し、基R、R、R、R又はRの少なくとも1個が、A−X−、A−X−又はA−X−であることとし;
    が、水素若しくは非置換のC−C12アルキル;又は非連続の酸素原子の1個以上で中断されているC−C12アルキル;又はフェニル、C−Cアルケニル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシル(ここで、これらの基は非置換である)であり;
    及びRが、互いに独立して、フェニレン又はナフチレン(ここで、これらの基は、非置換又はA−X−、A−X−、A−X−、C−Cアルキル、フェニル若しくはORで置換されている)であり;
    A、A及びAが、互いに独立して、前記で示された式(III)の界面活性基であるか;又は
    A、A及びAが、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキル、C−C30アラルキル、C−C30アルキル−(CO)−、C−C30アラルキル−(CO)−、C−C30アルキル−Si(R15)(R16)−であり、これらの基は、非置換又はFで置換されている)であり;
    nが、請求項1と同義であり;
    mが、請求項1と同義であり;
    pが、請求項1と同義であり;
    が、式(III)(式中、nは2〜100の値を有する)の基であるか;又はAが、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキレン、C−C30アラルキレン、C−C30アルキレン−(CO)−、C−C30アラルキレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アルキレン−(CO)−、−(CO)−C−C30アラルキレン−(CO)−、C−C30アルキレン−Si(R15)(R16)−、−Si(R15)(R16)−C−C30アルキレン−Si(R15)(R16)−であり、これらの基は、非置換又はFで置換されている)であり;
    が、請求項1と同義であり;
    が、請求項1と同義であり;
    15、R16、R17、R19、R20、R21、R22、R23及びR24が、互いに独立して、C−C18アルキル又はフェニルであり;
    18が、非置換のC−C18アルキル又はフェニルであり;
    X、X及びXが、A、A、A及びAが式(III)の基である場合、互いに独立して、C−C10アルキレン、−(CH−O−、−O−(CH−、−O−(CH−O−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−O−、−(CH−NR14−(CH−、−(CH−NR14−、−(CH−O−(CH−NR14−(CH−又は−(CH−O−(CH−NR14−であり;
    X、X及びXが、A、A又はAがAの定義を有するか、又はAがAの定義を有する場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR14−であり;
    14が、請求項1と同義であり;
    a、b及びcが、互いに独立して、0〜3の数であるが、但し、当該メチレン基が酸素原子2個の間、又は酸素原子1個と窒素原子1個の間にある場合、これらは少なくとも1であることとし;
    Yが、非置換若しくは基A−X−で置換されているC−C20アルキルであるか;又はYが、フェニル若しくはナフチル(ここで、これらの基は、非置換又は基A−X−及び/若しくはC−C12アルキルの1個以上で置換されている)であるか;又はYが、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び所望であれば更に基A−X−で置換されているC−Cアルキルであり;
    が、非置換若しくは基A−X−で置換されているC−C12アルキレン;非置換若しくは基A−X−で置換されているシクロヘキシレン;−O−、−S−若しくは−NR25−で1回以上中断されており、かつ、非置換若しくは基A−X−で置換されているC−C40アルキレンであるか;又は
    が、非置換若しくは基A−X−で置換されているフェニレンであるか;又はYが、前記で示された式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)若しくは(XV)の基(ここで、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)若しくは(XV)の基は、非置換若しくは基A−X−で置換されている)であり;
    が、式(VII)以外のYであり;
    25が、請求項1と同義である、
    請求項1記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の化合物。
  3. R、R及びRが、互いに独立して、前記で示された式(II)の基であり;
    、R、R、R及びRが、互いに独立して、水素又はA−X−、A−X−若しくはA−X−であるが;
    但し、基R、R、R、R又はRの少なくとも1個が、A−X−、A−X−又はA−X−であることとし;
    及びRが、フェニレンであり;
    A、A及びAが、互いに独立して、前記で示された式(III)の界面活性基であるか;又は
    A、A及びAが、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキル又はC−C30アルキル−(CO)−であり、これらの基は非置換又はFで置換されている)であり;
    nが、整数1〜100であり;
    mが、整数0〜100であり;
    pが、整数1〜100であり;
    が、式(III)(式中、nは、2〜100の値を有する)の基であるか、又はAが、界面活性基A(ここで、Aは、C−C30アルキレン又は−(CO)−C−C30アルキレン−(CO)−であり、これらの基は非置換又はFで置換されている)であり;
    が、メチル又は−O−Si(R19、R20、R21)であり;
    が、メチル又は−Si(R22、R23、R24)であるが、但し、Gがメチルの場合、基Gは、酸素架橋なしでケイ素原子に直接結合することとし;
    15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23及びR24が、互いに独立して、メチル又はフェニルであり;
    X、X及びXが、A、A、A及びAが式(III)の基の場合、互いに独立して、C−C10アルキレン又は−(CH−O−であり;
    X、X及びXが、A、A又はAがAの定義を有するか、又はAがAの定義を有する場合、互いに独立して、単結合又は−O−であり;
    aが、1〜3の数であり、
    Yが、非置換のC−C20アルキルであり;
    が、−O−で1回以上中断されている非置換のC−C12アルキレンであるか;又は
    が、非置換のフェニレンであるか;又は
    が、前記で示された式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)若しくは(XV)の基であり;
    が、式(VII)以外のYであり;
    25が、請求項1と同義である、
    請求項2記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の化合物。
  4. (A)エチレン性不飽和ラジカル光重合性化合物を少なくとも1種;及び
    (B)式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を少なくとも1種
    含む組成物。
  5. (A)エチレン性不飽和ラジカル光重合性化合物を少なくとも1種;
    (B)式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を少なくとも1種;及び
    (C)熱架橋性化合物を少なくとも1種
    含む組成物。
  6. 成分(A)及び(B)、又は(A)、(B)及び(C)に加えて、更なる添加剤(D)及び/若しくは更なる光開始剤(E)を含む、請求項4又は5に記載の組成物。
  7. (1)(A)エチレン性不飽和重合性化合物、及び
    (B)光開始剤
    を含む光硬化性配合物を調製し;
    (2)この配合物を基板に適用し;そして
    (3)配合物を、
    波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線のみへの曝露、あるいは
    波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線への曝露、並びにその前、同時及び/又はその後の熱への曝露、のいずれかにより硬化する方法であり、
    ここで、
    配合物が、配合物の表面に蓄積する、請求項1記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を光開始剤(B)として少なくとも1種含む、安定した引掻き抵抗性表面を有するコーティングを調製する方法。
  8. 光硬化性配合物が、熱架橋性化合物(C)を更なる成分として少なくとも1種含み、波長範囲200nm〜IR領域の電磁放射線への曝露、並びにその前、同時及び/又はその後の熱への曝露により硬化される、請求項7記載の方法。
  9. 熱架橋性化合物(C)が、メラミン若しくはメラミン誘導体を有するポリアクリラートに基づく結合剤であるか、又は非ブロックトポリイソシアナート若しくはポリイソシアヌラートと一緒のポリアクリラートポリオール及び/若しくはポリエステルポリオールに基づく系である、請求項8記載の方法。
  10. 着色及び非着色塗料とワニス、パウダーコーティング材料、ゲルコート、複合材料又はガラス繊維ケーブル被覆を調製するための、請求項7記載の方法。
  11. 請求項1記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の界面活性光開始剤を、エチレン性不飽和光重合性化合物を含有する光重合性混合物に加えることを含む、エチレン性不飽和光重合性化合物を含むコーティングの表面に光開始剤を蓄積させる方法。
  12. エチレン性不飽和化合物又はそのような化合物を含む混合物の光重合のための界面活性光開始剤としての、請求項1記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の化合物の使用。
  13. 請求項4又は5記載の組成物で、少なくとも1面をコーティングされた被覆基板。
  14. 単独の又は更なる慣用の流動性向上剤との組み合わせによる流動性向上剤としての、請求項1記載の式(Ia)、(Ib)又は(Ic)の化合物の使用。
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