JP2004506063A - 共重合性ビニル基を含有する着色剤化合物 - Google Patents
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Abstract
エチレン性不飽和モノマーと共重合(又は硬化)して、着色されたアクリル被覆及びポリマー、例えばアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから製造された被覆及びポリマー、着色されたポリスチレン並びに他のエチレン性不飽和モノマーから誘導された同様の着色されたポリマー材料のような着色組成物を製造することができる、1個又はそれ以上のエチレン性不飽和(ビニル)光重合性基を含有する、新規な着色剤化合物を開示する。本発明は、また、この光重合性着色剤化合物の幾つかの製造方法に関する。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、エチレン性不飽和モノマーと共重合(又は硬化)して、着色されたアクリルポリマー、例えばアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから製造されたポリマー、着色されたポリスチレン並びに他のエチレン性不飽和モノマーから誘導された同様の着色されたポリマー材料のような着色組成物を製造することができる、1個又はそれ以上のエチレン性不飽和(ビニル)光重合性基を含有する、ある種の新規な着色剤化合物に関する。本発明は、また、この光重合性着色剤化合物の幾つかの製造方法に関する。
【0002】
背景及び先行技術
エポキシ基を有するテレポリマー(terepolymer)又はポリアクリロイルクロリドのような反応性ポリマーを、アミノ基又はヒドロキシ基のような求核性反応基を有するアントラキノン染料と組み合わせることによって着色されたポリマー材料を製造すること、アクリロイルアミノアントラキノン染料をビニル又はジビニルポリマーの主鎖にグラフト化すること及びある種のオレフィン性基を含有するアントラキノン染料を重合してポリマー性染料/顔料を製造することが知られている(非特許文献1)。特許文献1には、1個のアクリロイルオキシ基を含有する青色置換1,4−ジアミノアントラキノン染料の製造及び種々の繊維、特にポリアミド繊維を着色する際のこの染料の使用が記載されている。特許文献2には、高い二色性を有する液晶コポリマーを得るために、その中に共重合されたオレフィン性基を含有する、ある種の青色置換1,5−ジアミノ−4,8−ジヒドロキシアントラキノン染料を含有する液晶コポリマーが開示されている。特許文献3には、重合性アクリロイル及びメタクリロイル基を含有するある種の置換1,4−ジアミノアントラキノン染料の製造及び共重合によるポリアクリレートコンタクトレンズ材料を着色する際のこれらの使用が記載されている。
【0003】
特許文献4には、(a)2−アルケニルアズラクトンを重合させ、そしてこのポリマーを、求核性基を含有する染料と反応させることによる及び(b)求核性染料をアルケニルアズラクトンと反応させ、次いでこのようにして製造された遊離基的に重合性の染料を重合させることによる、アントラキノンを含む種々の染料種類のポリマー性染料への転化が開示されている。このポリマー性染料は、フォトレジストシステム用及びカラープルーフィング用に有用であると報告されている。特許文献5には、ビニルモノマーと、ある種のアントラキノン染料をメタクリロイル基で官能化させることによって製造された反応性アントラキノン染料との乳化重合による、インク、ペイント、トナー等々のために適した着色したビニルポリマーの製造方法が開示されている。
【0004】
光重合性基を含有する、幾つかのアントラキノンを含む種々の染料の製造及び液晶テレビジョンセット、カラーコピー機、感光性レジスト樹脂組成物等で使用するために適したカラーフィルターのためのその使用が、特許文献6に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第4,115,056号
【特許文献2】
米国特許第4,943,617号
【特許文献3】
米国特許第5,055,602号
【特許文献4】
米国特許第5,362,812号
【特許文献5】
米国特許第5,367,039号
【特許文献6】
米国特許第5,578,419号
【非特許文献1】
J.S.D.C.、1977年4月、第114−125頁
【0006】
発明の簡単な要約
本発明の第一態様は、式I及びII:
【0007】
【化27】
【0008】
[式中、Aは一価、二価、三価又は四価の発色団であり、
Xは−R1−O−Q又は光重合性基−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2であり、
Yは−R1−O−Q、−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2又はQであり、 Rは水素、C1〜C6アルキル、アリール及びC3〜C8シクロアルキルから選択され、
R1はC2〜C8アルキレン、−(−CH2CH2O−)m−CH2CH2−及び1,4−シクロヘキシレンジメチレンから選択され、
R2は水素及びC1〜C6アルキルから選択され、
nは1〜4であり、
mは1〜3であり、
Qは式:
【0009】
【化28】
【0010】
(式中、R3は水素又はC1〜C6アルキルから選択され、
R4は、水素;C1〜C6アルキル;フェニル;C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、−N(C1〜C6アルキル)2、ニトロ、シアノ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルオキシ及びハロゲンから選択された1種又はそれ以上の基で置換されたフェニル;1−及び2−ナフチル;C1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシで置換された1−及び2−ナフチル;2−及び3−チエニル;C1〜C6アルキル又はハロゲンで置換された2−及び3−チエニル;2−及び3−フリル並びにC1〜C6アルキルで置換された2−及び3−フリルから選択され
R5及びR6は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリールから選択されるか又はR5とR6とは一緒になって−(−CH2−)3−5−基を表すことができ、
R7は水素又はC1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキル及びアリールから選択された基であり、そして、
R8はC1〜C6アルキル及びアリールから選択される)
を有する有機基から選択された光重合性基である]
を有する着色剤化合物に関する。
【0011】
この着色剤化合物は、良好な色強度、反応性モノマー中の良好な溶解性及び良好な耐光堅牢度を有する。この着色剤化合物の或るものは顕著な熱安定性を示す。
【0012】
本発明の第二態様は、式I(式中、Xは式−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有するp−ビニルベンジル基である)を有する光重合性着色剤の製造方法であって、構造:
【0013】
【化29】
【0014】
を有する着色した酸性化合物を、構造ClCH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有する化合物と(上記の式中、A、R2及びnは前記定義された通りである)、塩基の存在下で反応させることを含んでなる方法に関する。
【0015】
本発明の第三態様は、式II(式中、Yは式−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有するp−ビニルベンジル基である)を有する光重合性着色剤の製造方法であって、構造:
【0016】
【化30】
【0017】
を有する着色した酸性化合物を、構造ClCH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有する4−クロロメチルスチレン化合物と(上記の式中、A、R、R2及びnは前記定義された通りである)、塩基の存在下で反応させることを含んでなる方法に関する。
【0018】
本発明の第四態様は、式I及び式II(それぞれ式中、X及びYは−CH2−CH2−O−Q又は−CH2CH(CH3)−O−Qである)を有する着色光重合性化合物の製造方法であって、
(a)それぞれ構造:
【0019】
【化31】
【0020】
を有する着色された酸性化合物を、酸性化合物の各分子当量について、少なくともn分子当量の炭酸エチレン又は炭酸プロピレンと反応させて、前記酸性化合物の2−ヒドロキシルアルキル誘導体を製造する工程、続いて
(b)前記着色されたヒドロキシアルキル誘導体を、n分子当量の、構造:
【0021】
【化32】
【0022】
(式中、A、n、Q、R、R3、R4、R5、R6、R8は前記定義された通りである)
を有する1種又はそれ以上のアシル化剤と反応させる工程
からなる方法に関する。
【0023】
本発明の第五態様は、構造II(式中、Yは光重合性基Qである)の化合物の製造方法であって、構造:
【0024】
【化33】
【0025】
を有する着色された酸性化合物を、少なくともn分子当量の、1種又はそれ以上の前記アシル化剤Ib〜IXb(式中、A、R、n及びQは前記定義される)と反応させることを含んでなる方法に関する。
【0026】
本発明の第六態様は、(i)1種又はそれ以上の重合性ビニル化合物、(ii)1種又はそれ以上の前記式I及びIIを有する着色剤化合物並びに(iii)光開始剤を含んでなる被覆組成物に関する。本発明の第七態様は、その中に共重合された、1種又はそれ以上の、前記の式I及びIIを有する着色剤化合物を有する、1種又はそれ以上のアクリル酸エステル、1種若しくはそれ以上のメタクリル酸エステル及び/又は他の重合性ビニル化合物のポリマーを含んでなるポリマー組成物、典型的に被覆に関する。
【0027】
詳細な説明
式I及びIIに於いて、Aは−CO2Xと組み合わさって発色団を作る残基を含む、発色団、即ち着色した化合物の一価、二価、三価又は四価残基を表す。Aが表すことができる発色団残基の例には、アントラキノン、アントラピリドン(3H−ジベンズ−[f,ij]−イソキノリン−2,7−ジオン)、アントラピリミジン(7H−ジベンズ−[f,ij]−イソキノリン−7−オン)、アントラピリミジン(7H−ベンゾ[e]−ペリミジン−7−オン)、アントラピリミドン、イソチアゾロアントロン、アゾ、ビス−アゾ、メチン、ビス−メチン、クマリン(2−H−1−ベンゾピラン−2−オン)、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン、3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン、ペリノン、キノフタロン、フタロシアニン、金属フタロシアニン、ニトロアリールアミン又は2,5−ジアリールアミノテレフタル酸エステル発色団が含まれる。
【0028】
本明細書に於いて、用語「C1〜C6アルキル」及び「C1〜C8アルキル」は、炭素数1〜6の及び炭素数1〜8の、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を示すのに使用する。用語「置換されたC1〜C6アルキル」は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、C1〜C6アルキルチオ、C3〜C8シクロアルキル、C2〜C6アルカノイルオキシ及び−(−O−R9−)p−R10(式中、R9はC1〜C6アルキレン、C1〜C6アルキレン−アリーレン、シクロヘキシレン、アリーレン、C1〜C6アルキレン−シクロヘキシレン及びC1〜C6アルキレン−シクロヘキシレン−C1〜C6アルキレンからなる群から選択され、R10は水素、ヒドロキシ、カルボキシ、C2〜C6アルカノイルオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、アリール及びC3〜C8シクロアルキルからなる群から選択され、そしてpは1、2又は3である)からなる群から選択された1個又はそれ以上の基、好ましくは1〜3個の基で置換されたC1〜C6アルキル基を指す。
【0029】
用語「C1〜C6アルキレン」、「C2〜C4アルキレン」及び「C2〜C8アルキレン」は、それぞれ炭素数1〜6の、炭素数2〜4の及び炭素数2〜8の、直鎖又は分枝鎖の二価の脂肪族炭化水素基を示すのに使用する。これらの二価の基はC1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール及びハロゲンから選択された1〜3個の基で置換されていてよい。用語「C3〜C8アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含有する脂肪族炭化水素基を示すのに使用する。用語「C3〜C8アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合及び3〜8個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基を示すのに使用する。用語「C3〜C8シクロアルキル」は、任意に1〜3個のC1〜C6アルキル基で置換された、炭素数3〜8の飽和炭素環式炭化水素基を示すのに使用する。用語C3〜C8シクロアルキレン」は、炭素数3〜8、好ましくは炭素数5又は6の、二価の炭素環式炭化水素基を示すのに使用する。
【0030】
本発明で使用する、用語「アリール」は、フェニル並びにC1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C2〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、任意に置換されたスルファモイル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ並びに−O−R11、−S−R11、−SO2−R11、−NHSO2R11及び−NHCO2R11(式中、R11はフェニル又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選択された1〜3個の基で置換されたフェニルである)から選択された1〜3個の置換基で置換されたフェニルを示す。本明細書で使用する用語「アリーレン」は、1,2−、1,3−及び1,4−フェニレン並びにC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選択された1〜3個の基で選択されたこのような二価の基を指す。
【0031】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含めるために使用される。用語「任意に置換されたスルファモイル」は、構造−SO2N(R12)R13(式中、R12及びR13は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールから選択される)を有する基を記載するのに使用する。
【0032】
用語「C1〜C6アルコキシ」、「C2〜C6アルコキシカルボニル」、「C2〜C6アルカノイル」、「C2〜C6アルカノイルオキシ」及び「C2〜C6アルカノイルアミノ」は、それぞれ、構造−OR14、−CO2R14、−COR14、−OCOR14及び−NHCOR14(式中、R14は、C1〜C6アルキル又は置換されたC1〜C6アルキルである)に対応する基を示すのに使用する。本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、酸素、硫黄及び窒素から選択された1〜3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員の芳香族環を示す。このようなヘテロアリール基の例は、チエニル、フリル、プロピル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル等並びにC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノから選択された1〜3個の基で任意に置換されたものである。
【0033】
式Iによって包含される本発明の好ましいアゾ色素は下記の一般式XIII:
【0034】
D−N=N−Z XIII
【0035】
[式中、Dはジアゾ化され、電子富化カップリング成分H−Zと結合された、芳香族又はヘテロ芳香族ジアゾ化性アミンの残基であり、好ましくは置換されていない及び置換された、アニリン、1−ナフチルアミン、1−アミノアントラキノン、4−アミノアゾベンゼン、2−アミノチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、3−アミノ−2,1−ベンズイソチアゾール、2−アミノチエノ[2,3−d]チアゾール、5−アミノピラゾール、4−アミノピラゾロイソチアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−1,2,3−チアジアゾール、5−アミノ1,2,3−トリアゾール、2−アミノ−1,3,4−トリアゾール、2(5)アミノイミダゾール、3−アミノピリジン、2(3)アミノチオフェン、2(3)アミノベンゾ[5]チオフェン、2−アミノチエノ[3,2−5]チオフェン、3−アミノチエノ[2,3]−イソチアゾール、3−アミノ−7−ベンズ−2,1−イソチアゾール、3−アミノイソチアゾロ[3,4−d]ピリジン、3(4)−アミノフタルイミド及び5(6)アミノ−1,2−ベンズイソチアゾロン−1,1−ジオキシドの芳香族及びヘテロ芳香族種類から誘導され、Dに存在する置換基はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C3〜C8シクロアルキル、ハロゲン、C2〜C6アルコキシカルボニル、
【0036】
【化34】
【0037】
C2〜C6アルカノイルオキシ、ホルミル、C2〜C6アルカノイル、ジシアノビニル、チオシアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロアセチル、シアノ、カルバモイル、−CONHC1〜C6アルキル、−CON(C1〜C6アルキル)2、CONHアリール、スルファモイル、−SO2NHC1〜C6アルキル、−SO2N(C1〜C6アルキル)2、−SO2NHアリール、−SO2NHC3〜C8シクロアルキル、−CONHC3〜C8シクロアルキル、アリール、アロイル、ヘテロアリール、NHSO2C1〜C6アルキル、N(C1〜C6アルキル)SO2C1〜C6アルキル、NHSO2アリール、NHCO2C1〜C6アルキル、NHCONHC1〜C6アルキル、NHCONHアリール、−N−(C1〜C6アルキル)アリール、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、C3〜C8シクロアルコキシ、ヘテロアリールアゾ、ヘテロアリールチオ、アリールスルホニル、トリシアノビニル、アリールオキシスルホニル、C1〜C6アルキルスルホニル、フルオロスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、ヒドロキシ、ニトロ及び−CH=AM(式中、AMは活性メチレン化合物の残基である)、−CO2X及び
【0038】
【化35】
【0039】
(式中、−L−は−O−、−S−及び−SO2−から選択された結合基であり、そしてXは前記定義された通りである)から選択され、Zは、アニリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、アミノナフチルアミン、ベンゾモルホリン(3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン)、ピラゾロン、ピラゾール、3−シアノ−6−ヒドロキシ−2−ピリドン、2,3−ジヒドロインドール、インドール、4−ヒドロキシクマリン、4−ヒドロキシ−2−キノロン、イミダゾ[2,1−b]チアゾール、2,6−ジアミノ−3−シアノピリジン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン(ジメドン)、フェノール、ナフトール及び2,4−ペンタンジオンの種類から選択される、電子富化カップリング成分の残基であり、式XIIIのアゾ化合物には、合計で1〜4個の光重合性基(−CO2X)が含まれ、前記基(群)は単位D及び/又は単位Z上に配置されていてよい]
を有する。
【0040】
式IIによって包含される本発明の好ましいアゾ色素の別の群は一般式XIV:
【0041】
D1−N=N−Z1 XIV
【0042】
[式中、D1は、ジアゾ化され、電子富化カップリング成分HZ1と結合された、芳香族又はヘテロ芳香族アミンの残基であり、D1は、D1に存在していてよい光重合性基が、−CO2X又は式:
【0043】
【化36】
【0044】
の代わりに、式:
【0045】
【化37】
【0046】
(式中、R及びYは前記定義された通りである)
を有するトリアゾリル基である以外は、前記式XIIIについて記載したのと同じ任意に置換された芳香族アミン及びヘテロ芳香族アミンから誘導され、Z1は、式XIIIでZについて前記したのと同じ種類から選択され、基:
【0047】
【化38】
【0048】
で置換されていてよいカップリング成分の残基である。但し、式XIVのアゾ化合物には、合計で1〜4個の光重合性基
【0049】
【化39】
【0050】
が含まれ、前記基(群)は単位D1及び/又は単位Z1上に配置されていてよい]を有する。
【0051】
式XIIIに於いて前記Zにより表される典型的なカプラー残基には、下記の構造を有する基が含まれる。
【0052】
【化40】
【0053】
【化41】
【0054】
上記の式に於いて、R15は水素又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、NHCOR22、NHCO2R22、NHCON(R22)R23及びNHSO2R23から選択された1〜2個の基であり、R22は水素、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル及びアリールから選択され、R23はC1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル及びアリールから選択され、R22及びR23中の各C1〜C6アルキル基は、更に、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、C3〜C8シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、シアノ、スクシンイミド、−CO2X、
【0055】
【化42】
【0056】
(式中、−CO2Xは前記のような光重合性基であり、L1は共有結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO2−、−SO2NH−、−CONH−及び−SO2N(C1〜C6アルキル)−から選択される)から選択された1種又はそれ以上の基で置換されていてよく、R15の定義に於けるR22及びR23中の各アリール基は、少なくとも1個の光重合性−CO2X基で置換されていてよく、R24は水素又は−CO2X、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選択された1〜2個の基を表し、R16及びR17は、独立に、水素;C3〜C8シクロアルキル;C3〜C8アルケニル;C3〜C8アルキニル;C1〜C6アルキル並びに−CO2X、
【0057】
【化43】
【0058】
C3〜C8シクロアルキル、アリール、ヒドロキシ、シアノ、−OC2H4OH、−SCH2CH2OH、ハロゲン、−OC1〜C6アルキル、−SC1〜C6アルキル、−Oアリール、−Sアリール、−SO2アリール、−SO2C1〜C6−アルキル、−Sヘテロアリール、2−ピロリジノ、フタルイミジノ、フタルイミド、スクシンイミド、グルタルイミド、o−ベンゾイックスルフイミド、−NHCOC1〜C6アルキル、−NHCOH、−NHSO2C1〜C6アルキル、−NHSO2アリール、−NHCOアリール、−NHCO2C1〜C6アルキル、−SO2NH2、−CONH2、−SO2NH−C1〜C6−アルキル、−SO2N(C1〜C6アルキル)2、−CO2C1〜C6アルキル、−CONHC1〜C6アルキル、−CO2−アリール、−CON−(C1〜C6アルキル)2、−CONH−アリール、−CON−(C1〜C6アルキル)アリール、−SO2N(C1〜C6アルキル)アリール、−OCOC1〜C6アルキル、−OCOアリール、−OCO2C1〜C6アルキルから選択された1個又はそれ以上の基で置換されたC1〜C6アルキル;式:
【0059】
【化44】
【0060】
(式中、Y2は1,2−フェニレン;C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、CO2C1〜C6アルキル又はニトロで置換された1,2−フェニレン;C2〜C4アルキレン;−OCH2−;−SCH2−;−CH2OCH2−;−CH2SCH2−;−NHCH2−;−NHCH2CH2−N(C1〜C6アルキル)CH2−;−N(C1〜C6アルキル)CH2CH2−;−NHC(アリール)2から選択される)
の基から選択された1個又はそれ以上の基で置換されたC1〜C6アルキルから選択され、そしてR16及びR17はそれら自体又はそれらが結合している他の元素と結合して、式:
【0061】
【化45】
【0062】
(式中、L3は共有結合、−O−、−S−、−CH2−、−SO2−、−N(COC1〜C6アルキル)−、−N(SO2C1〜C6アルキル)−、−N(COアリール)−及び−N(SO2アリール)−から選択される)
を有する基Zを形成してよく、R18、R19及びR20は、独立に、水素及びC1〜C6アルキルから選択され、R21は、水素、C1〜C6アルキル及びアリールから選択される。
【0063】
式XIV中のZ1によって表される典型的なカプラー残基には、置換基として又はR15、R16、R17、R22若しくはR23上に存在してよい光重合性基が、記載したものの代わりに、式:
【0064】
【化46】
【0065】
を有するトリアゾリル基である以外は、直ぐ上に記載したものZが含まれる。
【0066】
式Iの、好ましいメチン、ビス−メチン、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン、3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン及びクマリン化合物は、それぞれ、下記の一般式XV、XVI、XVII、XVIII及びXIX:
【0067】
【化47】
【0068】
[式中、R25は下記のもの:
【0069】
【化48】
【0070】
(式中、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は式XIII中に前にZについて定義した通りであり、R16′は、R16と同じ基から選択され、R26はシアノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール、ヘテロアリール、ホルミル、C1〜C6アルカノイル又は−CH=AMから選択され、R27は水素又はシアノであり、AMはマロノニトリル、α−シアノ酢酸エステル、マロン酸エステル、α−シアノ酢酸アミド、α−C1〜C6アルキルスルホニルアセトニトリル、α−アリールスルホニルアセトニトリル、α−C1〜C6アルカノイルアセトニトリル、α−アリールスルホニルアセトニトリル、α−C1〜C6アルカノイルアセトニトリル、α−アリールアセトニトリル、α−ヘテロアリールアセトニトリル、ビス(ヘテロアリール)メタン、1,3−インダンジオン、2−フラノン、ベンゾ−2−フラノン、ベンゾ(b)チエノ−3−キシリデンプロパンジニトリル−5,5−ジオキシド、1,3−ビス(ジシアノメチレン)インダン、バルビツール酸、5−ピラゾロン、ジメドン、3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−1,1−ジオキシド、アリールC(CH3)=C(CN)2及びNCCH2CO2X,R28(式中、−CO2Xは前記定義された通りの光重合性基である)から選択された活性メチレン化合物の残基である)
から選択された電子富化芳香族残基である]
を有する。
【0071】
アントラキノン(式XXa〜e)、アントラピリドン(3H−ジベンズ−[f,ij]−イソキノリン−2,7−ジオン)(式XXIa〜e)及びアントラピリジン(7H−ジベンズ−[f,ij]−イソキノリン−7−オン)(式XXIIa〜e)着色剤の例には下記の構造を有する化合物が含まれる。
【0072】
【化49】
【0073】
【化50】
【0074】
【化51】
【0075】
[式中、R28は水素であるか又はアミノ;C1〜C8アルキルアミノ;ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、フリル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、アリールチオ、アリールオキシ、−(OCH2CH2−)1−3OR′(式中、R′は水素、C1〜C6アルキル及びC2〜C6アルカノイルオキシから選択される)から選択された1個又はそれ以上の基で置換されたC1〜C8アルキルアミノ;C3〜C8シクロアルキルアミノ;C3〜C8アルケニルアミノ;C3〜C8アルキニルアミノ;アリールアミノ;フルフリルアミノ;C1〜C6アルコキシ;−(OCH2CH2−)1−3OR′(式中、R′は前記定義された通りである);ハロゲン;ヒドロキシ;C1〜C6アルキルチオ;アリールチオ;アリール;アリールオキシ;アリールスルホニルC2〜C6アルカノイル;アロイル;C2〜C6アルカノイルオキシ;C2〜C6アルコキシカルボニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールチオ;シアノ;ニトロ;トリフルオロメチル;チオシアノ;−SO2C1〜C6アルキル;−SO2NH2;−SO2NHC1〜C6アルキル;−SO2N(C1〜C6アルキル)2;−SO2N(C1〜C6アルキル)アリール;−SO2NHアリール;−CONH2;CONHC1〜C6アルキル;−CON(C1〜C6アルキル)2;−CONHアリール;−CON(C1〜C6アルキル)アリール;C1〜C6アルキル;テトラヒドロフルフリルアミノ;4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチルアミノ及び
【0076】
【化52】
【0077】
から選択された1〜4個の基を表し、R29は水素又はC1〜C6アルキル、ハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択された1〜2個の基であり、R30は水素、C1〜C8アルキル、R28の定義で前記定義された通りの置換C1〜C8アルキル、アリール及びC3〜C6シクロアルキルから選択され、R31は水素、シアノ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールチオ、ハロゲン、C2〜C6アルコキシカルボニル、アロイル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル及びC1〜C6アルキルアミノから選択され、R32は、水素、C1〜C6アルキル、アリール及び−N(R33)R34(式中、R33及びR34は、独立に、水素;C1〜C6アルキル;C2〜C6アルカノイルオキシ、アリール及びC3〜C8シクロアルキルで置換されたC1〜C6アルキル;アリール;C3〜C8シクロアルキルから選択され、R33及びR34は一緒になって、−(CH2)4−6−及び−CH2CH2−L6−CH2CH2−(式中、L6は−O−、−S−、−SO2−及び−N(R34)−(式中、R34′は水素、C1〜C6アルキル、アリール、アロイル、C1〜C6アルカノイル、C1〜C6アルキルスルホニル及びアリールスルホニルから選択される)から選択される)のような二価の基を作ることができる)から選択され、L4及びL5は−O−、−S−、−SO2−、−CON(R33)−及び−SO2N(R33)−から選択される]
式I(式中、Aはキノフタロン発色団である)により包含される好ましい着色剤の幾つかは下記の式XXIII:
【0078】
【化53】
【0079】
(式中、R35は水素、臭素、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アリールスルホニル、
【0080】
【化54】
【0081】
(式中、X及びR24は前記定義された通りである)
から選択される)
を有する。
【0082】
式I(式中、Aはニトロアリールアミン発色団である)により包含される好ましいニトロアリールアミン着色剤の幾つかは下記の式(XXIV):
【0083】
【化55】
【0084】
(式中、R36は水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシから選択され、R37及びR38は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C2〜C6アルカノイルオキシ、アリール及び
【0085】
【化56】
【0086】
から選択される)
を有する。
【0087】
式I(式中、Aはペリノン発色団である)により包含される好ましい着色剤の幾つかは下記の式XXV〜XXIX:
【0088】
【化57】
【0089】
(式中、R39は、水素又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、アミノ、CO2X、C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ及び
【0090】
【化58】
【0091】
(式中、L7は−S−、−O−及び−NH−から選択される。但し、1〜4個の−CO2X基が存在する)
から選択された1〜4個の基である)
に対応する。
【0092】
2,5−ジアリールアミノテレフタレート発色団を含有する式Iの好ましい着色剤は式XXX:
【0093】
【化59】
【0094】
(式中、R40は水素若しくは−CO2Xであるか又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン及び−NHC2〜C6アルカノイルアミノから選択された1〜3個の基を表す)
を有する。
【0095】
本発明の好ましい光重合性着色剤化合物は、構造I及びII(式中、X及びYは、それぞれ、−CH2CH2OQ−、−CH2CH(CH3)OQ、−(CH2CH2O)2−3−CH2CH2OQ、−CH2C(CH3)2CH2OQ及び−CH2−C6H10−CH2OQから選択され、そしてAはアントラキノン、アントラピリドン又は2,5−ジアリールアミノテレフタレート発色団残基である)のものである。
【0096】
式I及びII(式中、X及びYは式−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有する光重合性p−ビニルベンジル基ラジカルである)を有する光重合性着色剤は、一般的に、式III及びIVを有する着色した酸性化合物を、それぞれ4−クロロメチルスチレンVと、下記:
【0097】
【化60】
【0098】
(式中、A、n、R及びR2は前記定義された通りである)
のように反応させて、着色した化合物VI及びVIIを生成することによって製造される。式III及びIVを有する着色した酸性化合物と4−クロロメチルスチレンVとの反応は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、スルホラン等のような極性非プロトン性溶媒の存在下で、炭酸アルカリ金属、重炭酸アルカリ金属、トリアルキルアミン、環式窒素化合物、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(PBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)等のような1種又はそれ以上の塩基の存在下で実施される。この反応は、幾つかの条件下で、触媒量の臭化アルカリ金属、ヨウ化アルカリ金属及び/又は一般的な相間移動触媒、例えばテトラアルキルアンモニウムハライド、例えばクロリド又はブロミドの存在によって促進することができる。この反応は、通常、50℃〜150℃、好ましくは90℃〜125℃で実施する。
【0099】
式I及びII(式中、X及びYは−R1−O−Qである)を有する光重合性色素は、一般的に、最初に、式III及びIVを有する着色した酸性化合物を、式VIIIを有する1個又はそれ以上のヒドロキシ基を含有するアルキル化剤と、下記:
【0100】
【化61】
【0101】
(式中、A、n、R及びR1は前記定義された通りであり、そしてZはハロゲンである)
のように反応させて、中間体ヒドロキシ化合物IX及びXを生成することによって製造する。化合物IX及びXを製造するために使用される反応条件は、前記のVI及びVIIの製造で記載したものである。中間体ヒドロキシ化合物IXおよびX(式中、R1は−CH2CH2−又は−CH2CH(CH3)−である)は、対応する2−ブロモ−又はクロロ−アルカノールを使用することによって前記のようにして製造することができるが、好ましい経路は、下記の式:
【0102】
【化62】
【0103】
(式中、R′は水素又はメチルである)
に従って、毒性のハロアルカノールの使用を回避する炭酸エチレン又はプロピレンを使用して、ヒドロキシアルキル誘導体XI及びXIIを生成する。これらの反応は、触媒量のハロゲン化アルキル、テトラアルキルアンモニウムハライド又はテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドの存在によって促進される。この反応は、中間体の着色した二酸III及びIVを少なくともモル当量の炭酸アルキレンと共に加熱することによって実施できる。また、過剰の炭酸アルキレンが、反応の溶媒又は共溶媒として有用である。特に、エチレングリコール及びプロピレングリコールが、XI及びXIIの製造のための共溶媒として有効であることを見出した。次いで、化合物IX及びX(又はXI及びXII)を、前記のアシル化剤Ib〜IXbの一種でアシル化して、所望のQ基を導入して、式I及びIIを有する光重合性化合物を製造する。Q基Ia〜IXaは、ヒドロキシ化合物IX及びXを、それぞれアシル化剤Ib〜IXbと反応させることによって導入する。
【0104】
中間体の着色した酸性化合物III及びIVは、米国特許第3,689,501号、同第3,816,392号、同第4,359,570号、同第4,403,092号、同第4,617,373号、同第4,740,581号、同第4,745,173号、同第4,804,719号、同第4,892,922号、同第5,030,708号、同第5,102,980号、同第5,194,571号、同第5,274,072号、同第5,281,659号、同第5,372,864号、同第5,962,557号及びWO第98/23690号に開示されており、これらには特に有用な二酸性中間体着色剤が開示されている。
【0105】
式XIII及び式XIVに対応する上記のアゾ色素は、それぞれ、1〜4個のカルボキシ基又は1〜4個の1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ基を含有するアゾ色素を反応させて、上記のような光重合性基を含有させることによって製造することができる。また、光重合性基は、式XIII及びXIVのアゾ色素の合成の前に、ジアゾ化性アミン及び/又はカプラー部分の中に含有させることができる。
【0106】
光重合性基を含有し、式XIIIの着色剤を製造する際に有用である、典型的な芳香族アミンカップリング成分(HZ)は、下記の構造を有する。
【0107】
【化63】
【0108】
共重合性基を含有し、式XIVの着色剤を製造する際に有用である、典型的な芳香族アミンカップリング成分(HZ1)は、下記の構造を有する。
【0109】
【化64】
【0110】
上記のカップリング成分HZ及びHZ1についての構造中、R15、R16、R18、R19、R20、R24、X及びYは、こられに対して前記した意味を有する。
【0111】
それぞれ、メチン、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン及び3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン発色団を含有する着色剤に対応する、式XV、XVII及びXVIIIの着色剤は、1個又はそれ以上の光重合性基を含有する、前記のような中間体芳香族単位R25Hを、(a)活性メチレン化合物との反応に続くフィルスマイヤー錯体(例えば、POCl3/DMFから)、
【0112】
【化65】
【0113】
と反応させて、それぞれ式XV、XVII及びXVIII(式中、R16′は水素である)の着色剤を生成させることによって製造することができる。式XVII及びXVIII(式中、R16は水素である)の化合物は、所望により光重合性基を導入するために、更に反応させることができる。
【0114】
式XIII及びXIVを有するアゾ着色剤のための第三の代替製造方法には、それぞれ、少なくとも1個の−CO2H又は1(H)−1,2,4−トリアゾリル−3−イルチオ基を含有する電子富化カプラー前駆体を、ヒドロキシアルキル化剤と反応させて、−CO2−R1−OH及び
【0115】
【化66】
【0116】
基を導入することが含まれる。次いで、これらのカプラーを、所望のジアゾニウム塩と反応させて、ヒドロキシ基を含有するアゾ色素を製造し、次いでこれを更に反応させて、最終着色剤の中に光重合性Q基を導入する。同様に、この方法は、それぞれ、メチン、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン又は3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン発色団を含有する酸性着色中間体を反応させて、発色団が形成された後で光重合性基を導入することによって、式XV、XVI及びXVIIを有する着色剤の製造で使用することができる。
【0117】
当業者に公知であるように、式IIの1(H)−1,2,4−トリアゾリル単位は、構造:
【0118】
【化67】
【0119】
を有する異性体の混合物であるが、式IIに示される異性体が、おそらく優勢であろう。
【0120】
着色剤実施例
本発明によって提供される共重合性色素化合物及びその製造を下記の実施例によって更に示す。
【0121】
例1
1,5−ビス−(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(米国特許第4,359,570号、例1)(5.13g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.84g、0.02モル)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、100mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱した。この攪拌した混合物に、塩化4−ビニルベンジル(アルドリッチ社(Aldrich)、3.76g、0.022モル)を添加した。反応混合物を約105℃で30分間加熱した後、テトラヒドロフラン(THF)/シクロヘキサンの50/50混合物を使用する薄層クロマトグラフィー(TLC)は、1個のみのスポットを示し、出発物質又はモノ反応生成物は観察されなかった。この反応混合物を更に20分間加熱し、メタノールと水との混合物を添加することによって、黄色色素が沈殿した。この固体色素を濾過によって集め、水で次いで少量のメタノールで洗浄した。空気乾燥した生成物の収量は、6.85g(理論収量の92%)であった。フィールドディソープション質量分析法(FDMS)は下記の構造:
【0122】
【化68】
【0123】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、447nmでの吸収極大が観察された。
【0124】
例2
1,5−ビス−(2−カルボキシアニリノ)アントラキノン(米国特許第4,359,570号、例2)(4.78g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g、0.02モル)及びDMF(100mL)の混合物を攪拌し、約90℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(アルドリッチ、3.76g、0.022モル)を添加し、加熱し、約100℃で60分間攪拌を続けた。TLC(50/50THF/シクロヘキサン)は、完全な反応を示した。メタノール(120mL)を徐々に攪拌しながら添加して、赤色生成物を沈殿させ、これを濾過によって集め、水で洗浄し、次いで空気中で乾燥させた(収量:6.18g、理論収量の87%)。FDMSは、下記の構造:
【0125】
【化69】
【0126】
を支持した。
【0127】
例3
1,5−ビス−(イソブチルアミノ)−4,8−ビス−(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(米国特許第6,197,223号、例2)(6.54g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g、0.02モル)及びDMF(150mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱した。この攪拌した混合物に、塩化4−ビニルベンジル(3.76g、0.02モル)を添加した。反応混合物を95〜100℃で約60分間加熱した。反応混合物を冷却し、メタノール/水を添加することによって、ゴム状の生成物が沈殿析出した。液体をデカンテーション除去し、生成物をメタノールと共に粉砕した。得られた暗青色固体を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:6.95g、理論収量の78%)。FDMSは下記の構造:
【0128】
【化70】
【0129】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、600nm及び645nmでの吸収極大が観察された。
【0130】
例4
1,5−ビス−(2−カルボキシフェニルチオ)−4,8−ビス−(4−トリルチオ)アントラキノン(米国特許第6,197,223号)(7.56g、0.01モル)、炭酸カリウム(K2CO3)及びDMF(300mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱し、次いで塩化4−ビニルベンジル(3.84g、0.025モル)を添加した。反応混合物を加熱し、約100℃で60分間攪拌した。TLC(50/50THF/シクロヘキサン)は、完全な反応を示した。冷却した後、反応混合物をメタノール/水に入れることによって、粘着性の生成物が得られた。この赤色生成物はメタノールと接触状態で放置すると固化し、これを濾過によって集め、空気中で乾燥させた(収量:7.67g、理論収量の78%)。FDMSは、下記の構造:
【0131】
【化71】
【0132】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、吸収極大が520nmで観察された。
【0133】
例5
1,5−ビス−[(1H)−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)]アントラキノン(米国特許第3,689,501号)(4.06g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g、0.02モル)及びDMF(100mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(3.76g、0.022モル)を添加した。TLC(50/50THF/シクロヘキサン)は、反応混合物を2時間加熱した後に、未だ、幾らかのモノ置換生成物を示した。追加量の塩化4−ビニルベンジル(4.14g)及び炭酸カリウム(1.38g)を添加し、更に1時間加熱を続けて、反応を完結させた。冷却した反応混合物を水に入れることによって、ゴム状の黄色固体が製造された。この生成物を水によるデカンテーションによって洗浄し、次いで、DMF中に溶解させた。DMF溶液を、よく攪拌しながら冷水の中に徐々に入れ、黄色固体を濾過によって集め、空気中で乾燥させた(3.46g、理論収量の54%)。FDMSは、下記の構造:
【0134】
【化72】
【0135】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、420nmでの吸収極大が観察された。
【0136】
例6a
1,5−ビス−(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(米国特許第4,359,570号、例1)(30.6g、0.06モル)、炭酸エチレン(88.0g、1.0モル)、エチレングリコール(50mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(5.2g)の混合物を加熱し、約125℃で約2.0時間攪拌し、次いで冷却した。この反応混合物を冷水(150mL)の中に攪拌しながら入れた。黄色固体を濾過によって集め、温水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:35.2g、理論収量の97.8%)。FDMSは下記の構造:
【0137】
【化73】
【0138】
を支持した。
【0139】
例6b
例6aの生成物(6.0g、0.01モル)、DMF(25mL)及び3−イソプロペニル−∝,∝−ジメチルベンジルイソシアナート(6mL、0.03モル)の混合物を加熱し、窒素下で約95〜100℃で約48時間攪拌した。トリエチルアミン(0.5mL)を添加し、更に48時間加熱を続けた。水(60mL)を、この熱い反応混合物に攪拌しながら少しずつ添加した。室温に冷却した後、黄色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。本質的に定量的収量の下記の生成物が得られた。
【0140】
【化74】
【0141】
例7
上記例6aの色素(2.0g、3.33ミリモル)及びトルエン(20mL)を混合し、トルエンの大部分を減圧下で除去しながら攪拌した。DMF(50mL)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP、82mg)、トリエチルアミン(1.4mL)、ヒドロキノン(50mg)及びメタクリル酸無水物(1.53g、9.99ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で15時間攪拌した。水(200mL)の中に入れ、数日間放置することによって沈殿した黄色官能化色素を濾過によって集め、水及び1:1メタノール:水で洗浄し真空中で乾燥させた。収量は2.23g(理論収量の91%)であった。FDMSは下記の構造:
【0142】
【化75】
【0143】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、444nmでの吸収極大が観察された。
【0144】
例8a
1,5−ビス−(カルボキシアニリノ)アントラキノン(米国特許第4,359,570号、例2)(59.75g、0.125モル)、炭酸エチレン(165g、1.875モル)、エチレングリコール(550mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(11.3g)の混合物を、120〜125℃で6.5時間加熱し、混合物を冷却した。この攪拌した反応混合物にメタノール(400mL)を添加した。赤色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:69.5g、理論収量の98.2%)。FDMSは下記の構造:
【0145】
【化76】
【0146】
を支持した。
【0147】
例8b
上記例8aの色素の一部(2.0g、3.53ミリモル)を、トルエン(10mL)と混合し、トルエンの大部分を減圧下で除去した。DMF(50mL)、DMAP(86mg)、トリエチルアミン(1.5mL)、ヒドロキノン(20mg)及びメタクリル酸無水物(1.63g、10.6ミリモル)を添加し、得られた溶液を室温で15時間攪拌した。この反応混合物を水(200)の中に入れ、室温で数日間放置した。官能化赤色色素を濾過によって集め、水で洗浄し、真空中で乾燥させた(収量:2.10g、理論収量の85%)。FDMSは下記の構造:
【0148】
【化77】
【0149】
を支持した。DMF溶液中で、UV−可視吸収スペクトルで、525nmでの吸収極大が観察された。
【0150】
例9
上記例8aからの色素の一部(2.0g、3.53ミリモル)を、トルエンと混合し、トルエンの大部分を減圧下で除去しながら攪拌した。DMF(50mL)、DMAP(86mg)、トリエチルアミン(1.5mL)、ヒドロキノン(20mg)及びクロトン酸無水物(1.63g、10.6ミリモル)を添加し、この反応混合物を24時間攪拌した。水(200mL)の中に入れることによって、官能化赤色色素を単離し、混合物を短時間放置し、次いで濾過によって集めた。水で洗浄した後、色素を真空中で乾燥させた(収量:2.11g、理論収量の85%)。FDMSは下記の構造:
【0151】
【化78】
【0152】
を支持した。DMF溶液中で、UV−可視光吸収スペクトルで、522nmでの吸収極大が観察された。
【0153】
例10
上記例6aの色素の一部(2.0g、3.33ミリモル)及びトルエン(10mL)の混合物を攪拌し、トルエンの大部分を減圧下で除去した。DMF(50mL)、DMAP(86mg)、トリエチルアミン(1.4mL)、ヒドロキノン(20mg)及びクロトン酸無水物(7.54g、9.99ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、攪拌しながら水(200mL)の中に入れた。この混合物を短時間放置し、官能化黄色色素を濾過によって集め、水で洗浄し、真空中で乾燥させた(収量:2.01g、理論収量の82%)。FDMSは下記の構造:
【0154】
【化79】
【0155】
を支持した。DMF中で、UV−可視光吸収スペクトルで、446nmでの吸収極大が観察された。
【0156】
例11a
1−クロロアントラキノン(97.2g、0.40モル)、チオサリチル酸(61.6g、0.40モル)、酢酸カリウム(80g、0.80モル)、塩化第一銅(0.5g)及び2−エトキシエタノール(500mL)の混合物を攪拌し、還流下(130〜135℃)で6.5時間加熱した。冷却した後、反応生成物を濾過によって集め、メタノールで洗浄した。未だ湿っているケークを水(750mL)中にスラリー化し、濃塩酸(75mL)を添加することによって、この混合物を酸性にした。この混合物を環境温度で30分間攪拌し、黄色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、少量のメタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:110.6g、理論収量の76.87%)。フィールドディソープション質量分析法(FDMS)は下記の構造:
【0157】
【化80】
【0158】
を支持した。
【0159】
例11b
1−(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(例11a)(3.60g、0.01モル)、炭酸カリウム(1.38g、0.01モル)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(70mL)の混合物を加熱し、攪拌した。70℃で、塩化4−ビニルベンジル(1.87g、0.011モル)を添加し、反応混合物を約100℃に加熱した。約100℃で40分間加熱した後、この反応混合物を冷却し、次いで水(200mL)の中に攪拌しながら入れた。室温で一夜放置した後、黄色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。生成物の収量は4.40gで、理論収量の92%であった。FDMS分析は下記の構造:
【0160】
【化81】
【0161】
を支持した。DMF中のUV−可視光吸収スペクトルで、425nmでの吸収極大が観察された。
【0162】
例12a
チオサリチル酸(4.63g、0.03モル)、炭酸カリウム(8.70g、0.06モル)及びDMF(75mL)の混合物を加熱し、100℃で2時間攪拌した。この混合物を室温に冷却し、約0℃に冷却した1,5−ジクロロ−4,8−ジニトロアントラキノン(5.51g、0.015モル)及びDMF(150mL)の攪拌した混合物に添加した。2〜3℃の僅かな発熱が観察された。この混合物を約0〜5℃で30分間攪拌し、次いで室温で一夜放置した。室温で1.5時間攪拌した、チオサリチル酸(4.63g、0.03モル)、炭酸カリウム(8.73g、0.06モル)及びDMF(40mL)の第二の混合物を、上記の混合物に添加した。加熱し、約100℃で5時間攪拌した後、この反応混合物を室温に冷却し、攪拌しながら水(600mL)の中に入れた。氷酢酸を添加することによって、この混合物を酸性にした後、暗赤色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。(収量:10.70g、理論収量の87.3%)。FDMSは下記の構造:
【0163】
【化82】
【0164】
を支持した。
【0165】
例12b
1,4,5,8−テトラ(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(1.22g、1.5ミリモル)(例12a)、炭酸カリウム(0.83g、6.0ミリモル)及びDMF(20mL)の混合物を攪拌し、塩化4−ビニルベンジル(1.01g、6.6ミリモル)を添加した。この反応混合物を約100℃で30分間加熱した。室温に冷却した後、混合物をメタノールの中に入れた。暗赤色固体を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた。生成物の収量は1.58gで、理論収量の82%であった。FDMSは下記の構造:
【0166】
【化83】
【0167】
を支持した。DMF溶媒中のUV−可視光吸収スペクトルで、543nmでの吸収極大が観察された。
【0168】
例13a
臭素化ジアミノアントラルフィン(3.49g、0.01モル)、チオサリチル酸(3.08g、0.02モル)、炭酸カリウム(5.53g、0.04モル)、塩化第一銅(0.30g)及びDMF(50mL)の混合物を95〜100℃で約6時間加熱した。この反応混合物を冷却し、次いでアセトン(400mL)の中に入れた。生成物の固体カリウム塩を濾過によって集め、次いで熱水(300mL)中に再溶解させた。氷酢酸で酸性化することによって遊離酸を得、濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量3.40g)。FDMSはこの生成物が下記の構造:
【0169】
【化84】
【0170】
を有する、モノ−及びビス−(2−カルボキシフェニルチオ)置換ジアミノアントラルフィンの混合物であることを示した。
【0171】
例13b
例13aからの生成物の一部(0.85g)、炭酸カリウム(0.34g)及びDMF(20mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(0.38g)を添加した。この反応混合物を約100℃で約30分間攪拌し、室温に冷却し、次いでメタノール(200mL)の中に入れた。暗青色生成物を濾過によって集め、メタノール、水、次いで再びメタノールで洗浄して、乾燥を促進させた。空気乾燥させた生成物を秤量した(0.69g)。FDMSはこの生成物が下記の構造:
【0172】
【化85】
【0173】
を有することを示した。ここで、モノ置換生成物が存在する主な優勢な構造であった。UV−可視光吸収スペクトルで、641nmでの吸収極大が観察された。
【0174】
例14a
1,8−ジアミノ−2,7−ジブロモ−4,5−ジヒドロキシアントラキノン(2.14g、0.005モル)、チオサリチル酸(1.69g、0.011モル)、炭酸カリウム(3.0g)、塩化第一銅(0.30g)及びDMF(45.0mL)の混合物をスチーム浴温度で約6.0時間加熱した。この反応混合物を冷却し、次いでアセトン(500mL)の中に入れた。得られた固体を濾過によって集め、アセトン湿潤物質を温水中に再溶解させた。酢酸を添加して二酸生成物を沈殿させ、これを濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:2.60g)。
【0175】
例14b
1,8−ジアミノ−4,5−ジヒドロキシ−2,7−ビス(カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(1.15g、2.0ミリモル)(例14aから)、炭酸カリウム(0.56g、4.0ミリモル)及びDMF(20mL)の混合物を、約100℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(0.68g、4.4ミリモル)を添加した。攪拌及び加熱を、約100℃で4時間続けた。水の中に入れることによって生成物を単離し、濾過によって生成物を集めた。この生成物は、主として、下記の予想される構造:
【0176】
【化86】
【0177】
を有する化合物からなっている。この生成物をDMF中に溶解させたとき、明るいシアン色が得られた。
【0178】
例15
1−シアノ−6(3′,5′−ジカルボキシフェニルアミノ)−3−メチル−3H−ジベンズ[f,ij]イソキノリン−2,7−ジオン(米国特許第6,197,223号の例119a)(4.65g、0.01モル)、炭酸カリウム(0.02モル)及びDMF(100mL)の混合物を攪拌し、約90℃で加熱し、塩化4−ビニルベンジル(3.73g、0.022モル)を添加した。約110℃で3.0時間加熱した後、薄層クロマトグラフィー(90/10THF/シクロヘキサン)は、反応が完全であることを示し、この反応混合物を室温に冷却した。メタノール(100mL)を反応混合物に攪拌しながら添加した。室温で一夜放置した後、生成物を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させ(収量:3.80g、理論収量の54%)、これは構造:
【0179】
【化87】
【0180】
を有する。この生成物をDMF中に溶解させたとき明るい青紫色が得られた。
【0181】
例16a
6−ブロモ−1−シアノ−3H−ジベンズ[f,ij]イソキノリン−2,7−ジオン(3.65g、0.01モル)、チオサリチル酸(1.54g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g、0.02モル)及びDMF(60mL)の混合物を攪拌し、約95〜100℃で1.5時間加熱した。冷却した後、この反応混合物を水(100mL)の中に入れ、この混合物を氷酢酸の添加によって酸性にした。赤色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。生成物の収量は4.38g(理論収量の100%)であった。FDMSは下記の予想構造:
【0182】
【化88】
【0183】
を支持した。
【0184】
例16b
例16aのカルボキシアントラピリドン色素(4.38g、0.01モル)、炭酸カリウム(1.38g、0.01モル)及びDMF(100mL)を、一緒に攪拌し、約100℃に30分間加熱した。冷却した後、水(100mL)を、この攪拌した反応混合物に滴下により添加した。沈殿した赤色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:4.92g、理論収量の89%)。FDMSは下記の構造:
【0185】
【化89】
【0186】
を支持した。溶媒としてのDMF中のUV−可視光吸収スペクトルで、吸収極大が523nmで観察された。
【0187】
例17
2,5−ジアニリノテレフタル酸(3.48g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g)及びDMF(100mL)の混合物を攪拌し、100℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(3.76g、0.11モル)を添加した。加熱を1.0時間続け、次いで冷却した反応混合物を、滴下により添加した200mLの水で処理した。橙色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:5.58g、理論収量の96%)。FDMSは下記の予想構造:
【0188】
【化90】
【0189】
を支持した。溶媒としてのDMF中のUV−可視光吸収スペクトルで、吸収極大が471nmで観察された。
【0190】
例18a
1,5−ビス−[(1H)−1,2,4−トリアゾリルチオ]アントラキノン(8.12g、0.02モル)、炭酸エチレン(29.4g、0.33モル)、エチレングリコール(30mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(2.0g)の混合物を加熱し、125℃で3.5時間攪拌した。この反応混合物を冷却し、水(100mL)を攪拌しながら滴下により添加した。黄色生成物(1,5−ビス−[[1(2−ヒドロキシエチル)−1,2,4−トリアゾリル−3−イル]チオ]アントラキノン)を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:6.8g、理論収量の69%)。
【0191】
例18b
例18aからの生成物の一部(1.0g、0.0020モル)、DMF(25mL)、ヒドロキノン(10mg)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(49mg)及びメタクリル酸無水物(0.91mL)の混合物を、室温で攪拌し、トリエチルアミン(0.85mL)を滴下により添加した。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、次いで水の中に入れた。黄色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:0.85g、理論収量の67%)。FDMSは下記の予想される構造:
【0192】
【化91】
【0193】
を支持した。溶媒としてのDMF中のUV−可視光吸収スペクトルで、422nmで吸収極大が観察された。
【0194】
例19a
1,5−ビス−(シクロヘキシルアミノ)−4,8−ビス−(2′−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(49.5g、0.07モル)、炭酸エチレン(149g、1.69モル)、粉砕したヨウ化カリウム(42g)及びエチレングリコール(300mL)の混合物を加熱し、100℃で攪拌し、約110℃で約1.0時間保持した(幾らか発泡が得られた)。加熱及び攪拌を125℃で約2.5時間続け、次いで冷却した反応混合物を、2500mLのメタノールの中に入れた。このメタノール溶液に幾らかの水を添加し、そうして青色固体を更に沈殿させ、沈殿を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:36.3g、理論収量の62%)。FDMSはこの構造が例19bのための出発物質のものであったことを示した。
【0195】
例19b
例19aからの1,5−ビス(シクロヘキシルアミノ)−4,8−ビス−[2′−ヒドロキシエトキシカルボニル)−フェニルチオ]アントラキノンの一部(1.0g、0.00126モル)、DMF(25mL)、ヒドロキノン(10mg)、DMAP(30.8mg)及びメタクリル酸無水物(0.563mL)の混合物を攪拌し、トリエチルアミン(0.527mL)を滴下により添加した。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、次いで水(50mL)の中に入れた。青色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:0.65g、理論収量の56%)。FDMSは下記の予想される構造:
【0196】
【化92】
【0197】
を支持した。DMF溶液中のUV−可視吸収スペクトルで、603nm及び646nmで吸収極大が観察された。
【0198】
例20a−アゾ色素カプラーの製造
3−アセトアミド−N,N−ビス−(4−カルボキシベンジル)アニリン(12.5、0.03モル)(米国特許第6,197,223号の例91bに記載されているようにして製造)、炭酸エチレン(44g、0.50モル)、エチレングリコール(60mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(2.68g)の混合物を攪拌し、120〜125℃で4.0時間加熱した。水(150mL)を、この冷却した反応混合物に攪拌しながら滴下により添加した。得られた固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:12.9g、理論収量の85%)。FDMSは下記の構造:
【0199】
【化93】
【0200】
を支持した。
【0201】
例20b:中間体アゾ色素の製造
5−アミノ−4−シアノ−3−メチルイソチアゾール(1.39g、0.01モル)及び水(17.5mL)の混合物を攪拌し、氷浴中で冷却した。濃硫酸(8.3mL)を、約40℃以下で滴下により添加した。次いで、ニトロシル硫酸(40%)(3.2g、0.01モル)を、約3℃以下で攪拌しながら添加した。この橙色溶液を−2℃〜+2℃で2.0時間攪拌し、次いで、濃硫酸(10mL)及び1:5酸(プロピオン酸1重量部:酢酸5重量部)(50mL)を含有する水(100mL)中に溶解させた例20aからのカプラーの一部(5.0g、0.01モル)の冷却した溶液に添加した。このカップリング混合物を保冷し、攪拌しながら酢酸アンモニウムを添加することによって、鉱酸を中和した。時々攪拌しながら約1.0時間放置した後、このカップリング混合物を、水を添加することによって水中に入れた。固体色素を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。熱メタノール中に再びスラリー化させ、冷却した後、色素を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:3.9g、理論収量の59%)。FDMSは下記の構造:
【0202】
【化94】
【0203】
を支持した。DMF溶液中のUV−可視光吸収スペクトルで、吸収極大が543nmで観察された。
【0204】
例20c
例20bからのアゾ色素の一部(0.50g)、DMF(25mL)、ヒドロキノン(5mg)、DMAP(19mg)及びメタクリル酸無水物(0.34mL)を混合し、攪拌し、そしてトリエチルアミン(0.32mL)を滴下により添加した。室温で24時間攪拌した後、この反応混合物を水の中に入れ、濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:0.5g)。FDMSは下記の予想される構造:
【0205】
【化95】
【0206】
を支持した。DMF溶液中のUV−可視光吸収スペクトルで、吸収極大が543nmで観察された。
【0207】
例21a
p−ジオキサン(600mL)に、N−(α−シアノアセチル)ピペリジン(30.4g、0.20モル)を添加し、この溶液を攪拌し、そして約5℃に冷却し、この温度で、温度を5℃以下に維持しながらオキシ塩化リン(30.6g、0.2モル)を滴下により添加した。反応混合物を約30℃で攪拌しながら、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン(58.6g、0.194モル)を少しずつ添加した。次いで、この反応混合物を約95℃で12時間加熱し、次いで氷/水混合物中に入れた。炭酸ナトリウムの20%水溶液を、約9のpHが得られるまで徐々に添加した。赤色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(66.3g、理論収量の82%)。
【0208】
例21b
例21aで製造した6−ブロモ−1−シアノ−2−ピペリジノ−7H−ジベンズ[f,ij]−イソキノリン−7−オンの一部(20.0g、0.050モル)、エチレングリコール(500mL)、5−アミノイソフタル酸ジメチル(20.0g、0.1モル)、酢酸カリウム(10.0g)及び酢酸第二銅(10.0g)を混合し、攪拌し、そして約180℃まで徐々に加熱し、1.5時間保持し、それから反応混合物を冷却し、水(800mL)の中に入れた。生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:46.0g)。FDMSは、生成物が主として下記の構造:
【0209】
【化96】
【0210】
のものからなっていたことを示した。
【0211】
例21c
例21bからの生成物の一部(2.0g、0.0033モル)、DMF(25mL)、ヒドロキノン(20mg)、DMAP(80.6mg)及びメタクリル酸無水物(1.47mL)の混合物を混合し、そしてトリエチルアミン(1.4mL)を滴下により添加しながら攪拌した。攪拌を室温で24時間続けた。次いで、この反応混合物をメタノール(50mL)の中に注ぎ、次いで水(100mL)を添加して生成物を沈殿させ、生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:2.2g、理論収量の90%)。FDMSは生成物が主として予想される構造:
【0212】
【化97】
【0213】
を有する化合物からなっていたことを示した。この生成物は、DMF中に溶解させたときマゼンタ色を有していた。
【0214】
例22a
40%ニトロシル硫酸(9.6g、0.03モル−100%基準)に、1:5酸(15mL)を25℃以下で攪拌しながら添加した。更に冷却しながら、2−クロロ−4−ニトロアニリン(5.18g、0.03モル)を、約8℃以下で少しずつ添加した。攪拌を約3〜8℃で2時間続けた。このジアゾ化反応混合物を、フリットガラス漏斗を通して濾過して、未溶解の2−クロロ−4−ニトロアニリンの僅かな粗い粒子を除去した。このジアゾニウム塩溶液を、1:5酸(120mL)中に溶解させた3−アセトアミド−N,N−ビス−(4−カルボキシベンジル)アニリン(12.6g、0.03モル)の冷却した溶液に、約10℃以下で攪拌しながら添加した。このカップリング混合物を、コンゴーレッド試験紙に対して中性になるまで、酢酸アンモニウムを少しずつ添加することによって中和し、次いで15℃以下で約1.0時間攪拌した。この混合物に冷水(500mL)を添加した。固体赤色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。熱メタノール中に再スラリー化し、冷却し、濾過によって集め、メタノールで洗浄し、そして空気中で乾燥させた後、下記の構造:
【0215】
【化98】
【0216】
を有する生成物10.1g(理論収量の56%)を得た。
【0217】
例22b
例22aからのビス−カルボキシアゾ化合物の一部(0.60g、0.001モル)、炭酸カリウム(0.28g)、DMF(20mL)及び塩化4−ビニルベンジル(0.35モル、0.0022モル)の混合物を、約100℃で2.5時間攪拌した。冷却後、この反応混合物をメタノールで希釈して、生成物を沈殿させ、この生成物を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、次いで水中にスラリー化して、任意の塩を除去した。濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた後、0.35g(理論収量の42%)の生成物を得た。FDMSは、主として下記の構造:
【0218】
【化99】
【0219】
を支持した。
【0220】
例23a
チオサリチル酸(46.3g、0.30モル)をDMF(400mL)と混合し、攪拌した。炭酸カリウム(82.8g、0.60モル)を添加し、この反応混合物を約95〜100℃まで徐々に加熱し、1.5時間保持した。冷却した後、この混合物を、1,5−ジクロロ−4,8−ジニトロアントラキノン(54.9g、0.150モル)及びDMF(1.0L)の攪拌した混合物に、少しずつ添加した。この反応混合物を10〜15℃で約15分間攪拌した。冷却を除去し、攪拌を環境温度で3時間続けた。DMF(250mL)中の4−チオクレゾール(37.3g、0.3モル)の溶液を添加し、次いで全反応混合物を約95℃で約8時間加熱した。冷却した後、この反応混合物を、濃HCl(100mL)、水(1900mL)及び幾らかの砕いた氷の混合物の中に入れた。生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:109.8g)。
【0221】
例23b
例23aに記載したようにして製造した1,5−ビス(2−カルボキシフェニルチオ)−4,8−ビス−(4−トリルチオ)アントラキノン(3.78g、0.005モル)、炭酸エチレン(5.28g、0.06モル)、エチレングリコール(25mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(1.5g)の混合物を加熱し、約125℃で4.0時間攪拌した。冷却した後、メタノールを添加することによって生成物を沈殿させた。固体を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:2.94g、理論収量の70%)。FDMSはこの生成物が主として構造:
【0222】
【化100】
【0223】
を有する化合物からなっていたことを示した。
【0224】
例23c
例23bからの生成物の一部(0.5g、0.00059モル)、DMF(10mL)、DMAP(14.4mg)、ヒドロキノン(5mg)及びメタクリル酸無水物(0.265mL)を混合し、そしてトリエチルアミン(0.248mL)を滴下により添加しながら室温で攪拌した。攪拌を室温で24時間続けた。メタノール(50mL)を、この反応混合物に添加し、次いで水(75mL)を添加することによって生成物を沈殿させた。固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:0.47g、理論収量の81%)。FDMSは下記の構造:
【0225】
【化101】
【0226】
を支持した。この生成物はDMF中に溶解させたとき明るい赤色を作った。
【0227】
例24a
2,5−ジアニリノテレフタル酸(20.90g、0.06モル)、炭酸エチレン(63.40g、0.72モル)、エチレングリコール(65mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(17.5g)の混合物を攪拌し、窒素下で約120℃に加熱した。約120℃で著しい発泡が起こったが、まもなく治まり、温度を約125℃に上昇させ、攪拌を3.5時間続けた。この反応混合物を冷却し、この反応混合物にメタノール(100mL)を滴下により添加した。結晶化した橙色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:14.4g、理論収量の55%)。FDMSは生成物が構造:
【0228】
【化102】
【0229】
を有するビス−(2−ヒドロキシエチル)エステルであったことを示した。
【0230】
例24b
例24aで製造したような橙色ジオール着色剤(50.0g、0.115モル)、アセトン(150mL)、DMAP(2g)、t−ブチルヒドロキノン(1g)及びトリエチルアミン(50g)を一緒に混合し、この混合物を攪拌し、40℃に加熱し、メタクリル酸無水物(50g)を滴下により添加した。僅かに発熱が観察され、加熱を1.0時間続けた。この反応溶液を冷却し、水(150mL)を約30分間かけて滴下により添加して、生成物を沈殿させ、この生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、約60〜70℃で真空下で乾燥させた。明橙色固体の収量は45.0gで、理論収量の66%であった。FDMSは下記の構造:
【0231】
【化103】
【0232】
を支持した。
【0233】
本発明に従った、1個又はそれ以上のエチレン性不飽和(ビニル)光重合性基を含有する着色剤化合物の追加の例を表I〜XIVの例に示す。これらの化合物は、前記の例に記載したものに類似の方法及び/又は刊行物記載の技術により製造することができる。
【0234】
【表1】
【0235】
【表2】
【0236】
【表3】
【0237】
【表4】
【0238】
【表5】
【0239】
【表6】
【0240】
【表7】
【0241】
【表8】
【0242】
【表9】
【0243】
【表10】
【0244】
【表11】
【0245】
【表12】
【0246】
【表13】
【0247】
【表14】
【0248】
【表15】
【0249】
【表16】
【0250】
【表17】
【0251】
【表18】
【0252】
【表19】
【0253】
【表20】
【0254】
【表21】
【0255】
【表22】
【0256】
【表23】
【0257】
【表24】
【0258】
【表25】
【0259】
【表26】
【0260】
【表27】
【0261】
【表28】
【0262】
ビニル又は置換されたビニル基を含有する官能化色素又は着色剤は、好ましくは、遊離基機構によって重合可能又は共重合可能であり、この遊離基は、UV硬化樹脂製造の技術分野で公知の方法によりUV光への露光により発生する。重合は、光開始剤の添加により容易にすることができる。着色したポリマー材料は、通常、他の溶媒を含有する又は含有しない重合性ビニルモノマー中に、共重合性基を含有する官能化着色剤を溶解し、次いで、1個又はそれ以上のビニル又は置換されたビニル基を含有するオリゴマー又はポリマー材料と組み合わせることによって製造される。
【0263】
本発明の第八態様は、(i)1種又はそれ以上の重合性ビニル化合物、即ち、本明細書に記載した色素化合物と共重合可能であるビニル化合物、(ii)1種又はそれ以上の前記の色素化合物及び(iii)少なくとも1種の光開始剤からなる被覆組成物である。本発明で有用な重合性ビニル化合物には、光開始剤の存在下でUV放射線に露光されたとき重合を受けることができる少なくとも1個の不飽和基が含有されている。即ち、この被覆組成物は放射線硬化性である。このような重合性ビニル化合物の例には、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの無水物;クロトン酸;イタコン酸及びその無水物;シアノアクリル酸及びそのエステル;アクリル酸及びメタクリル酸のエステル、例えばアリル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、テトラヒドロフルフリル、シクロヘキシル、イソボルニル、n−ヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル及びベンジルアクリレート及びメタクリレート;エチレン及びプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレン及びジプロピレングリコール、トリエチレン及びトリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エトキシル化ビスフェノールA、エトキシル化及びプロポキシル化ネオペンチルグリコールのジアクリル酸及びジメタクリル酸エステル;トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパン、エトキシル化及びプロポキシル化トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセロール、エトキシル化及びプロポキシル化グリセロールのトリアクリル酸及びトリメタクリル酸エステル;ペンタエリトリトール並びにエトキシル化及びプロポキシル化ペンタエリトリトールのテトラアクリル酸及びテトラメタクリル酸エステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル;ビニルトルエン;スチレン;N−ビニルピロリジノン;α−メチルスチレン;マレイン酸エステル/フマル酸エステル;マレイン酸/フマル酸;クロトン酸エステル並びにクロトン酸が含まれる。
【0264】
本発明で有用な重合性ビニル化合物には、光開始剤の存在下でUV放射線に露光されたとき重合を受けることができる不飽和基を含有するポリマーが含まれる。これらの重合性ビニル化合物の製造及び応用は、例えば、「被覆、インク及びペイントのためのUV及びEB配合物の化学及び技術」第II巻:プレポリマー及び反応性希釈剤、G. Webster編、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons)、ロンドン、1997年刊行に記載されているように、当業者によく知られている。このようなポリマー性重合性ビニル化合物の例には、アクリル化及びメタクリル化ポリエステル、アクリル化及びメタクリル化ポリエーテル、アクリル化及びメタクリル化エポキシポリマー、アクリル化又はメタクリル化ウレタン、アクリル化又はメタクリル化ポリアクリレート(ポリメタクリレート)並びに不飽和ポリエステルが含まれる。アクリル化又はメタクリル化ポリマー及びオリゴマーは、典型的に、1個又はそれ以上のアクリレート又はメタクリレート基を含有し、反応性希釈剤として機能するモノマー、例えばモノマー性アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルと組み合わせられる。当該技術分野で公知の標準的重縮合技術によって製造される不飽和ポリエステルは、最もしばしば、スチレン又は1個若しくはそれ以上のアクリレート若しくはメタクリレート基を含有し、反応性希釈剤として機能する他のモノマーと組み合わせられる。当該技術分野で公知である不飽和ポリエステルの利用のための第二の態様には、不飽和ポリエステルと、2個若しくはそれ以上のビニルエーテル基又は2個若しくはそれ以上のビニルエステル基を含有するモノマーとの組合せが含まれる(WO第96/01283号、WO第97/48744号及びEP第0 322 808号)。
【0265】
本発明の被覆組成物には、任意に、所望により支持体の表面上への組成物の適用及び被覆を容易にするために、1種又はそれ以上の追加の有機溶媒が含有されていてよい。適当な溶媒の典型的な例には、これらに限定されないが、ケトン、アルコール、エステル、塩素化炭化水素、グリコールエーテル、グリコールエステル及びこれらの混合物が含まれる。特別の例には、これらに限定されないが、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコール二酢酸エステル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、塩化メチレン、クロロホルム及びこれらの混合物が含まれる。本発明の新規な被覆組成物中に存在してよい追加的又は付加的溶媒の量は、被覆組成物の全重量基準で、約1〜70重量%、更に典型的に約1〜25重量%の範囲内であってよい。
【0266】
ある種の重合性ビニルモノマーは、反応剤及び溶媒の両方として機能し得る。これらには、光開始剤の存在下でUV放射線に露光されたとき重合を受けることができる少なくとも1個の不飽和基が含有される。特別の例には、これらに限定されないが、メタクリル酸、アクリル酸、エチルアクリレート及びメタクリレート、メチルアクリレート及びメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及びメタクリレート、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、例えばジエチレングリコールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル及びネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ビニルエステル、ジビニルエステル、例えばアジピン酸ジビニル、コハク酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジビニル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル及びテレフタル酸ジビニル、N−ビニルピロリドン並びにこれらの混合物が含まれる。
【0267】
更に、本発明の組成物は、支持体表面の適用及び被覆を容易にするために、溶媒中に溶解するのではなくて、水中に分散させることができる。本発明の水分散組成物に於いて、共溶媒が任意に使用される。適当な共溶媒の典型的な例には、これらに限定されないが、アセトン、2−ブタノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール及びプロピレングリコールが含まれる。水溶性エチレン性不飽和溶媒の典型的な例には、これらに限定されないが、メタクリル酸、アクリル酸、N−ビニルピロリドン、2−エトキシエチルアクリレート及びメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート及びモノメタクリレート並びにこれらの混合物が含まれる。本発明の分散被覆組成物中の適当な水性有機溶媒(即ち、有機溶媒及び水)の量は、全被覆組成物の約10〜約90重量%、好ましくは約75〜約90重量%である。
【0268】
本発明の被覆組成物には、1種又はそれ以上の本明細書に記載した反応性ビニル色素化合物が含有されている。色素化合物又は化合物群の濃度は、被覆組成物中に存在する重合性ビニル化合物(群)、即ち被覆組成物の成分(i)の重量基準で、約0.005〜30.0重量%、好ましくは約0.05〜15.0重量%であってよい。本発明の被覆組成物には、通常、光開始剤が含有されている。光開始剤の量は、典型的に、被覆組成物中に存在する重合性ビニル化合物(群)の重量基準で、約1〜15重量%、好ましくは約3〜約5重量%である。典型的な光開始剤には、フラテリ・ランベルチ社(Fratelli Lamberti)から商品名エサキュア(ESACURE)BO、EB1、EB3及びEB4で市販されているもののようなベンゾイン及びベンゾインエーテル;ストーファー社(Stauffer)からのビキュア(VICURE)10及び30;チバ・ガイギー社(Ciba Geigy)からの、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア(IRGACURE)651)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(イルガキュア1173)、2−メチル−2−モルホリノ−1−(p−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン(イルガキュア907)のようなベンジルケタール、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)(フェニル)メタノン(イルガキュア184)、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(イルガキュア1173)のようなα−ヒドロキシアルキルフェノン、アップジョン社(Upjohn)によるウバトーン(Uvatone)8302;アップジョン社からのディープ(DEAP)及びウバトーン8301のようなα,α−ジアルコキシアセトフェノン誘導体;メルク社(Merck)によるダロキュア(DAROCUR)116、1173及び2959並びにベンゾフェノン及び第三級アミンの混合物が含まれる。顔料入り被覆組成物に於いて、硬化速度は、チバ社からの、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガノックス(Irganox)819)、イルガキュア819、1700及び1700並びにイルガキュア1173と2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ダロキュア4265)との50/50重量混合物のようなホスフィンオキシド混合物のような、種々のホスフィンオキシド光開始剤の添加によって改良することができる。このような光開始剤及び硬化方法に関する更に詳細なことは、米国特許第5,109,097号(参照して本明細書に含める)のような刊行文献に記載されている。皮膜(フィルム)の厚さ、製品配合、光開始剤種類、放射線束及び放射線源に依存して、硬化させるために、約0.5秒〜約30分間(50〜5000mJ/平方cm)の紫外放射線への露光時間が、典型的に必要である。また、硬化は、太陽放射線、即ち日光から起こり得る。
【0269】
本発明の被覆組成物には、典型的に被覆組成物中に存在する、1種又はそれ以上の追加の成分が含有されていてよい。このような追加の成分の例には、シリコーン、フルオロカーボン又はセルロース系物質のようなレベリング、レオロジー及びフロー調節剤;艶消剤;顔料湿潤及び分散剤;界面活性剤;紫外線(UV)吸収剤;UV光安定剤;着色顔料;脱泡及び消泡剤;沈降防止、だれ止め及び増粘剤;皮張り防止剤;色わかれ防止及び色むら防止剤;殺真菌剤及び殺カビ剤;腐食防止剤;増粘剤及び/又は凝集剤が含まれる。また、本発明の被覆組成物には、非反応性変性樹脂が含有されていてよい。典型的な非反応性変性樹脂には、アクリル酸及びメタクリル酸のホモポリマー及びコポリマー;アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルエステル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、テトラヒドロフルフリル、シクロヘキシル、イソボルニル、n−ヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル及びベンジルアクリレート及びメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー;アクリル化及びメタクリル化ウレタン、エポキシ及びポリエステル樹脂、シリコーンアクリレート、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ニトロセルロースのようなセルロースエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロースエーテルが含まれる。
【0270】
典型的な可塑剤には、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル及びフタル酸ジオクチルのようなフタル酸のアルキルエステル;クエン酸トリエチル及びクエン酸トリブチルのようなクエン酸エステル;トリアセチン及びトリプロピオニン;並びにイーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical Company)からのイーストマン18−04、18−07、18−92及び18−99のようなグリセロールモノエステルが含まれる。追加の添加物の特別の例は、米国ペイント及び被覆協会(National Paint & Coatings Association)、1500 Rhode Island Avenue, N.W.、ワシントン・ディーシー(Washington, D.C.)20005により刊行された、「原材料インデックス(Raw Materials Index)」に記載されている。
【0271】
本発明の第九態様は、その中に共重合された1種又はそれ以上の前記の色素化合物を有する、1種又はそれ以上のアクリル酸エステル、1種又はそれ以上のメタクリル酸エステル及び/又は他の重合性ビニル化合物のポリマーからなるポリマー組成物、典型的に、ポリマー皮膜に関する。本発明によって提供される着色したポリマー組成物は、前記の被覆組成物から製造することができ、典型的に、組成物又は皮膜の重量基準で、約0.005〜30.0重量%、好ましくは約05〜15.0重量%の、1種又はそれ以上の本明細書に記載したビニル色素化合物の反応性又は重合した残基を含有する。この新規なポリマー皮膜は、約2.5〜150ミクロン、更に典型的に約15〜65ミクロンの厚さを有する。
【0272】
本発明のポリマー皮膜は、典型的に、ASTM手順D−3732を使用して、少なくとも100MEKダブルラブの耐溶媒性、好ましくは少なくとも約200ダブルラブの耐溶媒性を有する。また、このような皮膜は、典型的に、ASTM手順D−3363を使用して、F以上の鉛筆硬度、好ましくは、H以上の鉛筆硬度を有する。被覆組成物は、一般的な被覆装置で支持体に適用することができる。次いで、被覆された支持体を、空気中又は窒素中で、硬化した仕上げを与える紫外光のような放射線に露光する。硬化工程のために、水銀蒸気又はキセノンランプを適用することができる。また、本発明の皮膜は、電子ビームによって硬化させることもできる。
【0273】
本発明の放射線硬化性被覆組成物は、アルミニウム及びスチールのような金属、プラスチックス、ガラス、木材、紙及び皮革のような支持体のための接着剤及び被覆として適している。木材支持体上で、この被覆組成物は、全体的透明色及び木目描写の両方を与えることができる。それによって、種々の審美的に魅力的な効果を達成することができる。減少した木目隆起及びより大きいフィルム厚さのために、一般的なステインではなくて本発明の着色した被覆組成物を使用するとき、仕上げ木材皮膜を製造する際の多数の必要な研磨工程を減少させることができる。本発明の範囲内の被覆組成物は、自動車下塗りに適用することができ、その場合これらは、下塗りと組み合わせて種々の審美的に魅力的な効果及び見る角度に依存する色相違(より低い角度は、より長い路長を作り、それでより高い観察色強度を作る)を与えることができる。これは、現在、下塗り中の金属フレーク配向で達成されているものと同様のスタイリング効果を与えることができる。
【0274】
完成製品での或る所望の特性を得るために、種々の追加の顔料、可塑剤及び安定剤を含有させることができる。これらは本発明の範囲内に含まれる。
【0275】
被覆、硬化及び試験手順
配合物のサンプルを使用して、ナイフ刃を使用してガラス板を被覆した。湿潤フィルム厚さは、約15〜75ミクロン(0.6〜3.0ミル)であった。溶媒を蒸発させて、透明で幾らか粘着性のフィルムを得た。UV放射線に露光する前に、各フィルムは有機溶媒中に容易に可溶性であった。
【0276】
ガラス板上の乾燥したフィルムを、アメリカン・ウルトラバイオレット社(American Ultraviolet Company)装置内に収容された200ワット/インチ中圧水銀蒸気ランプからのUV放射線に、25フィート/分のベルト速度を使用して露光させた。ランプ下での1〜5回通過で、最大硬度及び耐溶媒性を有する架橋皮膜になった。
【0277】
各硬化被覆(フィルム)は、UV放射線への露光の前及び後での、コニッヒ(Konig)振子硬度(ASTM D4366 DIN 1522)、メチルエチルケトンダブルラブ試験による耐溶媒性及びアセトン中の溶解度について評価することができる。未被覆ガラス上でのコニッヒ振子硬度についての減衰時間は250秒である。100秒以上の硬度を有する被覆が、一般的に硬い被覆と考えられる。メチルエチルケトン(MEK)ダブルラブ試験は、ASTM手順D−3732に従って、寒冷紗の片をメチルエチルケトンで飽和し、適度な圧力で、被覆を前後に擦ることによって実施する。被覆が除去されるまで、ダブルラブの数をカウントする。アセトン溶解度試験は、硬化したフィルムの乾燥し予め秤量したサンプルを、アセトン中に48時間25℃で浸漬することによって実施する。フィルムを取り出し、強制空気オーブン内で60℃で16時間乾燥させ、再び秤量する。残留する不溶性フィルムの重量%を、データから計算する。
【0278】
被覆実施例
本発明により提供される被覆及び被覆組成物並びにその製造を、下記の実施例によって更に示す。
【0279】
例217
0.5gの例7の黄色色素を、20gのジェガルックス(Jagalux)UV1500ポリエステルアクリレート、10gのビスフェノールAエポキシアクリレート、9gのジプロピレングリコールアクリレート(DPGDA)、7gのトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)及び4gのダロキュア1173光開始剤からなる被覆組成物と、小型カウルス(Cowles)ミキサーを使用して、成分が完全に分散されるまで十分に混合することによって、着色した光重合性組成物を製造した。1%の黄色色素を含有する得られた被覆組成物を、ワイヤー巻き付けロッドで引き落として、オーク木材パネルの上に25.4ミクロン(1ミル)厚さの皮膜を得た。このパネルを、UV硬化機に、6.1メートル/分(20フィート/分)の速度で、118.1ワット/cm(300ワット/インチ)の強度を有するランプを使用して通過させた。同じ被覆溶液をガラスパネルに適用し、同じ露光の条件下で硬化させた。コニッヒ振子硬度測定(ASTM D4366 DIN 1522)を、被覆したガラスパネルで実施し、染料の含有に起因する硬度の顕著な低下は示されなかった。硬度は、重合性色素を含有していない参照被覆についての82秒と比較して、86コニッヒ秒であった。皮膜のオーク木材パネルへの接着は、ASTM方法D3359(ISO2409)に従った碁盤目接着方法を使用して測定した。支持体に侵入し、正方形の各辺が1mmの寸法である25個の正方形を作る、直角格子パターン(各方向に6本の線)を皮膜の中に切断した。2.5cm(1インチ)幅のテープの片を、格子に適用し、圧力を適用し、次いでテープを支持体から引っ張る。縁が滑らかで、正方形の何れも分離しない場合、接着は100%(ASTM等級5B)である。この木材パネル上で、5B等級が、参照及び色素含有被覆の両方について達成された。耐薬品性は、ガラス上でMEKダブルラブで試験した。重合性色素を含有していない参照及び重合性色素を含有する皮膜の両方が、300以上のMEKラブに耐えた。MEKラブ試験の白色寒冷紗上に色素の色は観察されなかった。これは、色素が、溶媒により皮膜から抽出できないことの指標であり、硬化フィルムのポリマーマトリックスの中への色素の完全な含有を示している。
【0280】
例218
0.5gの例8bの赤色色素を、20gのジェガルックスUV1500ポリエステルアクリレート、10gのビスフェノールAエポキシアクリレート、9gのジプロピレングリコールアクリレート(DPGDA)、7gのトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)及び4gのダロキュア1173光開始剤からなる被覆組成物と、小型カウルスミキサーを使用して、成分が完全に分散されるまで十分に混合することによって、着色した光重合性組成物を製造した。1%の赤色色素を含有する得られた被覆組成物を、ワイヤー巻き付けロッドで引き落として、オーク木材パネルの上に25.4ミクロン(1ミル)厚さの被覆を得た。このパネルを、UV硬化機に、6.1メートル/分(20フィート/分)の速度で、118.1ワット/cm(300ワット/インチ)の強度を有するランプを使用して通過させた。同じ被覆溶液をガラスパネルに適用し、同じ露光の条件下で硬化させた。コニッヒ振子硬度測定を、被覆したガラスパネルで実施し、色素の含有に起因する硬度の顕著な低下は示されなかった。硬度は、重合性色素を含有していない参照被覆についての82秒と比較して、76コニッヒ秒であった。
発明の分野
本発明は、エチレン性不飽和モノマーと共重合(又は硬化)して、着色されたアクリルポリマー、例えばアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから製造されたポリマー、着色されたポリスチレン並びに他のエチレン性不飽和モノマーから誘導された同様の着色されたポリマー材料のような着色組成物を製造することができる、1個又はそれ以上のエチレン性不飽和(ビニル)光重合性基を含有する、ある種の新規な着色剤化合物に関する。本発明は、また、この光重合性着色剤化合物の幾つかの製造方法に関する。
【0002】
背景及び先行技術
エポキシ基を有するテレポリマー(terepolymer)又はポリアクリロイルクロリドのような反応性ポリマーを、アミノ基又はヒドロキシ基のような求核性反応基を有するアントラキノン染料と組み合わせることによって着色されたポリマー材料を製造すること、アクリロイルアミノアントラキノン染料をビニル又はジビニルポリマーの主鎖にグラフト化すること及びある種のオレフィン性基を含有するアントラキノン染料を重合してポリマー性染料/顔料を製造することが知られている(非特許文献1)。特許文献1には、1個のアクリロイルオキシ基を含有する青色置換1,4−ジアミノアントラキノン染料の製造及び種々の繊維、特にポリアミド繊維を着色する際のこの染料の使用が記載されている。特許文献2には、高い二色性を有する液晶コポリマーを得るために、その中に共重合されたオレフィン性基を含有する、ある種の青色置換1,5−ジアミノ−4,8−ジヒドロキシアントラキノン染料を含有する液晶コポリマーが開示されている。特許文献3には、重合性アクリロイル及びメタクリロイル基を含有するある種の置換1,4−ジアミノアントラキノン染料の製造及び共重合によるポリアクリレートコンタクトレンズ材料を着色する際のこれらの使用が記載されている。
【0003】
特許文献4には、(a)2−アルケニルアズラクトンを重合させ、そしてこのポリマーを、求核性基を含有する染料と反応させることによる及び(b)求核性染料をアルケニルアズラクトンと反応させ、次いでこのようにして製造された遊離基的に重合性の染料を重合させることによる、アントラキノンを含む種々の染料種類のポリマー性染料への転化が開示されている。このポリマー性染料は、フォトレジストシステム用及びカラープルーフィング用に有用であると報告されている。特許文献5には、ビニルモノマーと、ある種のアントラキノン染料をメタクリロイル基で官能化させることによって製造された反応性アントラキノン染料との乳化重合による、インク、ペイント、トナー等々のために適した着色したビニルポリマーの製造方法が開示されている。
【0004】
光重合性基を含有する、幾つかのアントラキノンを含む種々の染料の製造及び液晶テレビジョンセット、カラーコピー機、感光性レジスト樹脂組成物等で使用するために適したカラーフィルターのためのその使用が、特許文献6に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第4,115,056号
【特許文献2】
米国特許第4,943,617号
【特許文献3】
米国特許第5,055,602号
【特許文献4】
米国特許第5,362,812号
【特許文献5】
米国特許第5,367,039号
【特許文献6】
米国特許第5,578,419号
【非特許文献1】
J.S.D.C.、1977年4月、第114−125頁
【0006】
発明の簡単な要約
本発明の第一態様は、式I及びII:
【0007】
【化27】
【0008】
[式中、Aは一価、二価、三価又は四価の発色団であり、
Xは−R1−O−Q又は光重合性基−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2であり、
Yは−R1−O−Q、−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2又はQであり、 Rは水素、C1〜C6アルキル、アリール及びC3〜C8シクロアルキルから選択され、
R1はC2〜C8アルキレン、−(−CH2CH2O−)m−CH2CH2−及び1,4−シクロヘキシレンジメチレンから選択され、
R2は水素及びC1〜C6アルキルから選択され、
nは1〜4であり、
mは1〜3であり、
Qは式:
【0009】
【化28】
【0010】
(式中、R3は水素又はC1〜C6アルキルから選択され、
R4は、水素;C1〜C6アルキル;フェニル;C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、−N(C1〜C6アルキル)2、ニトロ、シアノ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルオキシ及びハロゲンから選択された1種又はそれ以上の基で置換されたフェニル;1−及び2−ナフチル;C1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシで置換された1−及び2−ナフチル;2−及び3−チエニル;C1〜C6アルキル又はハロゲンで置換された2−及び3−チエニル;2−及び3−フリル並びにC1〜C6アルキルで置換された2−及び3−フリルから選択され
R5及びR6は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、アリールから選択されるか又はR5とR6とは一緒になって−(−CH2−)3−5−基を表すことができ、
R7は水素又はC1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキル及びアリールから選択された基であり、そして、
R8はC1〜C6アルキル及びアリールから選択される)
を有する有機基から選択された光重合性基である]
を有する着色剤化合物に関する。
【0011】
この着色剤化合物は、良好な色強度、反応性モノマー中の良好な溶解性及び良好な耐光堅牢度を有する。この着色剤化合物の或るものは顕著な熱安定性を示す。
【0012】
本発明の第二態様は、式I(式中、Xは式−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有するp−ビニルベンジル基である)を有する光重合性着色剤の製造方法であって、構造:
【0013】
【化29】
【0014】
を有する着色した酸性化合物を、構造ClCH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有する化合物と(上記の式中、A、R2及びnは前記定義された通りである)、塩基の存在下で反応させることを含んでなる方法に関する。
【0015】
本発明の第三態様は、式II(式中、Yは式−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有するp−ビニルベンジル基である)を有する光重合性着色剤の製造方法であって、構造:
【0016】
【化30】
【0017】
を有する着色した酸性化合物を、構造ClCH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有する4−クロロメチルスチレン化合物と(上記の式中、A、R、R2及びnは前記定義された通りである)、塩基の存在下で反応させることを含んでなる方法に関する。
【0018】
本発明の第四態様は、式I及び式II(それぞれ式中、X及びYは−CH2−CH2−O−Q又は−CH2CH(CH3)−O−Qである)を有する着色光重合性化合物の製造方法であって、
(a)それぞれ構造:
【0019】
【化31】
【0020】
を有する着色された酸性化合物を、酸性化合物の各分子当量について、少なくともn分子当量の炭酸エチレン又は炭酸プロピレンと反応させて、前記酸性化合物の2−ヒドロキシルアルキル誘導体を製造する工程、続いて
(b)前記着色されたヒドロキシアルキル誘導体を、n分子当量の、構造:
【0021】
【化32】
【0022】
(式中、A、n、Q、R、R3、R4、R5、R6、R8は前記定義された通りである)
を有する1種又はそれ以上のアシル化剤と反応させる工程
からなる方法に関する。
【0023】
本発明の第五態様は、構造II(式中、Yは光重合性基Qである)の化合物の製造方法であって、構造:
【0024】
【化33】
【0025】
を有する着色された酸性化合物を、少なくともn分子当量の、1種又はそれ以上の前記アシル化剤Ib〜IXb(式中、A、R、n及びQは前記定義される)と反応させることを含んでなる方法に関する。
【0026】
本発明の第六態様は、(i)1種又はそれ以上の重合性ビニル化合物、(ii)1種又はそれ以上の前記式I及びIIを有する着色剤化合物並びに(iii)光開始剤を含んでなる被覆組成物に関する。本発明の第七態様は、その中に共重合された、1種又はそれ以上の、前記の式I及びIIを有する着色剤化合物を有する、1種又はそれ以上のアクリル酸エステル、1種若しくはそれ以上のメタクリル酸エステル及び/又は他の重合性ビニル化合物のポリマーを含んでなるポリマー組成物、典型的に被覆に関する。
【0027】
詳細な説明
式I及びIIに於いて、Aは−CO2Xと組み合わさって発色団を作る残基を含む、発色団、即ち着色した化合物の一価、二価、三価又は四価残基を表す。Aが表すことができる発色団残基の例には、アントラキノン、アントラピリドン(3H−ジベンズ−[f,ij]−イソキノリン−2,7−ジオン)、アントラピリミジン(7H−ジベンズ−[f,ij]−イソキノリン−7−オン)、アントラピリミジン(7H−ベンゾ[e]−ペリミジン−7−オン)、アントラピリミドン、イソチアゾロアントロン、アゾ、ビス−アゾ、メチン、ビス−メチン、クマリン(2−H−1−ベンゾピラン−2−オン)、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン、3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン、ペリノン、キノフタロン、フタロシアニン、金属フタロシアニン、ニトロアリールアミン又は2,5−ジアリールアミノテレフタル酸エステル発色団が含まれる。
【0028】
本明細書に於いて、用語「C1〜C6アルキル」及び「C1〜C8アルキル」は、炭素数1〜6の及び炭素数1〜8の、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を示すのに使用する。用語「置換されたC1〜C6アルキル」は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、C1〜C6アルキルチオ、C3〜C8シクロアルキル、C2〜C6アルカノイルオキシ及び−(−O−R9−)p−R10(式中、R9はC1〜C6アルキレン、C1〜C6アルキレン−アリーレン、シクロヘキシレン、アリーレン、C1〜C6アルキレン−シクロヘキシレン及びC1〜C6アルキレン−シクロヘキシレン−C1〜C6アルキレンからなる群から選択され、R10は水素、ヒドロキシ、カルボキシ、C2〜C6アルカノイルオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、アリール及びC3〜C8シクロアルキルからなる群から選択され、そしてpは1、2又は3である)からなる群から選択された1個又はそれ以上の基、好ましくは1〜3個の基で置換されたC1〜C6アルキル基を指す。
【0029】
用語「C1〜C6アルキレン」、「C2〜C4アルキレン」及び「C2〜C8アルキレン」は、それぞれ炭素数1〜6の、炭素数2〜4の及び炭素数2〜8の、直鎖又は分枝鎖の二価の脂肪族炭化水素基を示すのに使用する。これらの二価の基はC1〜C6アルコキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルオキシ、ヒドロキシ、アリール及びハロゲンから選択された1〜3個の基で置換されていてよい。用語「C3〜C8アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含有する脂肪族炭化水素基を示すのに使用する。用語「C3〜C8アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合及び3〜8個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素基を示すのに使用する。用語「C3〜C8シクロアルキル」は、任意に1〜3個のC1〜C6アルキル基で置換された、炭素数3〜8の飽和炭素環式炭化水素基を示すのに使用する。用語C3〜C8シクロアルキレン」は、炭素数3〜8、好ましくは炭素数5又は6の、二価の炭素環式炭化水素基を示すのに使用する。
【0030】
本発明で使用する、用語「アリール」は、フェニル並びにC1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、シアノ、C2〜C6アルカノイルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルホニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、任意に置換されたスルファモイル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルカノイルアミノ並びに−O−R11、−S−R11、−SO2−R11、−NHSO2R11及び−NHCO2R11(式中、R11はフェニル又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選択された1〜3個の基で置換されたフェニルである)から選択された1〜3個の置換基で置換されたフェニルを示す。本明細書で使用する用語「アリーレン」は、1,2−、1,3−及び1,4−フェニレン並びにC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選択された1〜3個の基で選択されたこのような二価の基を指す。
【0031】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含めるために使用される。用語「任意に置換されたスルファモイル」は、構造−SO2N(R12)R13(式中、R12及びR13は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、置換されたC1〜C6アルキル、C3〜C8アルケニル、C3〜C8シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールから選択される)を有する基を記載するのに使用する。
【0032】
用語「C1〜C6アルコキシ」、「C2〜C6アルコキシカルボニル」、「C2〜C6アルカノイル」、「C2〜C6アルカノイルオキシ」及び「C2〜C6アルカノイルアミノ」は、それぞれ、構造−OR14、−CO2R14、−COR14、−OCOR14及び−NHCOR14(式中、R14は、C1〜C6アルキル又は置換されたC1〜C6アルキルである)に対応する基を示すのに使用する。本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、酸素、硫黄及び窒素から選択された1〜3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員の芳香族環を示す。このようなヘテロアリール基の例は、チエニル、フリル、プロピル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル等並びにC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、置換されたC1〜C6アルキル、ハロゲン、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールチオ、アリールオキシ、C2〜C6アルコキシカルボニル及びC2〜C6アルカノイルアミノから選択された1〜3個の基で任意に置換されたものである。
【0033】
式Iによって包含される本発明の好ましいアゾ色素は下記の一般式XIII:
【0034】
D−N=N−Z XIII
【0035】
[式中、Dはジアゾ化され、電子富化カップリング成分H−Zと結合された、芳香族又はヘテロ芳香族ジアゾ化性アミンの残基であり、好ましくは置換されていない及び置換された、アニリン、1−ナフチルアミン、1−アミノアントラキノン、4−アミノアゾベンゼン、2−アミノチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、3−アミノ−2,1−ベンズイソチアゾール、2−アミノチエノ[2,3−d]チアゾール、5−アミノピラゾール、4−アミノピラゾロイソチアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−1,2,3−チアジアゾール、5−アミノ1,2,3−トリアゾール、2−アミノ−1,3,4−トリアゾール、2(5)アミノイミダゾール、3−アミノピリジン、2(3)アミノチオフェン、2(3)アミノベンゾ[5]チオフェン、2−アミノチエノ[3,2−5]チオフェン、3−アミノチエノ[2,3]−イソチアゾール、3−アミノ−7−ベンズ−2,1−イソチアゾール、3−アミノイソチアゾロ[3,4−d]ピリジン、3(4)−アミノフタルイミド及び5(6)アミノ−1,2−ベンズイソチアゾロン−1,1−ジオキシドの芳香族及びヘテロ芳香族種類から誘導され、Dに存在する置換基はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C3〜C8シクロアルキル、ハロゲン、C2〜C6アルコキシカルボニル、
【0036】
【化34】
【0037】
C2〜C6アルカノイルオキシ、ホルミル、C2〜C6アルカノイル、ジシアノビニル、チオシアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロアセチル、シアノ、カルバモイル、−CONHC1〜C6アルキル、−CON(C1〜C6アルキル)2、CONHアリール、スルファモイル、−SO2NHC1〜C6アルキル、−SO2N(C1〜C6アルキル)2、−SO2NHアリール、−SO2NHC3〜C8シクロアルキル、−CONHC3〜C8シクロアルキル、アリール、アロイル、ヘテロアリール、NHSO2C1〜C6アルキル、N(C1〜C6アルキル)SO2C1〜C6アルキル、NHSO2アリール、NHCO2C1〜C6アルキル、NHCONHC1〜C6アルキル、NHCONHアリール、−N−(C1〜C6アルキル)アリール、アリールアゾ、アリールオキシ、アリールチオ、C3〜C8シクロアルコキシ、ヘテロアリールアゾ、ヘテロアリールチオ、アリールスルホニル、トリシアノビニル、アリールオキシスルホニル、C1〜C6アルキルスルホニル、フルオロスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、ヒドロキシ、ニトロ及び−CH=AM(式中、AMは活性メチレン化合物の残基である)、−CO2X及び
【0038】
【化35】
【0039】
(式中、−L−は−O−、−S−及び−SO2−から選択された結合基であり、そしてXは前記定義された通りである)から選択され、Zは、アニリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、アミノナフチルアミン、ベンゾモルホリン(3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン)、ピラゾロン、ピラゾール、3−シアノ−6−ヒドロキシ−2−ピリドン、2,3−ジヒドロインドール、インドール、4−ヒドロキシクマリン、4−ヒドロキシ−2−キノロン、イミダゾ[2,1−b]チアゾール、2,6−ジアミノ−3−シアノピリジン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン(ジメドン)、フェノール、ナフトール及び2,4−ペンタンジオンの種類から選択される、電子富化カップリング成分の残基であり、式XIIIのアゾ化合物には、合計で1〜4個の光重合性基(−CO2X)が含まれ、前記基(群)は単位D及び/又は単位Z上に配置されていてよい]
を有する。
【0040】
式IIによって包含される本発明の好ましいアゾ色素の別の群は一般式XIV:
【0041】
D1−N=N−Z1 XIV
【0042】
[式中、D1は、ジアゾ化され、電子富化カップリング成分HZ1と結合された、芳香族又はヘテロ芳香族アミンの残基であり、D1は、D1に存在していてよい光重合性基が、−CO2X又は式:
【0043】
【化36】
【0044】
の代わりに、式:
【0045】
【化37】
【0046】
(式中、R及びYは前記定義された通りである)
を有するトリアゾリル基である以外は、前記式XIIIについて記載したのと同じ任意に置換された芳香族アミン及びヘテロ芳香族アミンから誘導され、Z1は、式XIIIでZについて前記したのと同じ種類から選択され、基:
【0047】
【化38】
【0048】
で置換されていてよいカップリング成分の残基である。但し、式XIVのアゾ化合物には、合計で1〜4個の光重合性基
【0049】
【化39】
【0050】
が含まれ、前記基(群)は単位D1及び/又は単位Z1上に配置されていてよい]を有する。
【0051】
式XIIIに於いて前記Zにより表される典型的なカプラー残基には、下記の構造を有する基が含まれる。
【0052】
【化40】
【0053】
【化41】
【0054】
上記の式に於いて、R15は水素又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、NHCOR22、NHCO2R22、NHCON(R22)R23及びNHSO2R23から選択された1〜2個の基であり、R22は水素、C1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル及びアリールから選択され、R23はC1〜C6アルキル、C3〜C8シクロアルキル及びアリールから選択され、R22及びR23中の各C1〜C6アルキル基は、更に、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、C3〜C8シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、シアノ、スクシンイミド、−CO2X、
【0055】
【化42】
【0056】
(式中、−CO2Xは前記のような光重合性基であり、L1は共有結合、−O−、−S−、−SO2−、−CO2−、−SO2NH−、−CONH−及び−SO2N(C1〜C6アルキル)−から選択される)から選択された1種又はそれ以上の基で置換されていてよく、R15の定義に於けるR22及びR23中の各アリール基は、少なくとも1個の光重合性−CO2X基で置換されていてよく、R24は水素又は−CO2X、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及びハロゲンから選択された1〜2個の基を表し、R16及びR17は、独立に、水素;C3〜C8シクロアルキル;C3〜C8アルケニル;C3〜C8アルキニル;C1〜C6アルキル並びに−CO2X、
【0057】
【化43】
【0058】
C3〜C8シクロアルキル、アリール、ヒドロキシ、シアノ、−OC2H4OH、−SCH2CH2OH、ハロゲン、−OC1〜C6アルキル、−SC1〜C6アルキル、−Oアリール、−Sアリール、−SO2アリール、−SO2C1〜C6−アルキル、−Sヘテロアリール、2−ピロリジノ、フタルイミジノ、フタルイミド、スクシンイミド、グルタルイミド、o−ベンゾイックスルフイミド、−NHCOC1〜C6アルキル、−NHCOH、−NHSO2C1〜C6アルキル、−NHSO2アリール、−NHCOアリール、−NHCO2C1〜C6アルキル、−SO2NH2、−CONH2、−SO2NH−C1〜C6−アルキル、−SO2N(C1〜C6アルキル)2、−CO2C1〜C6アルキル、−CONHC1〜C6アルキル、−CO2−アリール、−CON−(C1〜C6アルキル)2、−CONH−アリール、−CON−(C1〜C6アルキル)アリール、−SO2N(C1〜C6アルキル)アリール、−OCOC1〜C6アルキル、−OCOアリール、−OCO2C1〜C6アルキルから選択された1個又はそれ以上の基で置換されたC1〜C6アルキル;式:
【0059】
【化44】
【0060】
(式中、Y2は1,2−フェニレン;C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、CO2C1〜C6アルキル又はニトロで置換された1,2−フェニレン;C2〜C4アルキレン;−OCH2−;−SCH2−;−CH2OCH2−;−CH2SCH2−;−NHCH2−;−NHCH2CH2−N(C1〜C6アルキル)CH2−;−N(C1〜C6アルキル)CH2CH2−;−NHC(アリール)2から選択される)
の基から選択された1個又はそれ以上の基で置換されたC1〜C6アルキルから選択され、そしてR16及びR17はそれら自体又はそれらが結合している他の元素と結合して、式:
【0061】
【化45】
【0062】
(式中、L3は共有結合、−O−、−S−、−CH2−、−SO2−、−N(COC1〜C6アルキル)−、−N(SO2C1〜C6アルキル)−、−N(COアリール)−及び−N(SO2アリール)−から選択される)
を有する基Zを形成してよく、R18、R19及びR20は、独立に、水素及びC1〜C6アルキルから選択され、R21は、水素、C1〜C6アルキル及びアリールから選択される。
【0063】
式XIV中のZ1によって表される典型的なカプラー残基には、置換基として又はR15、R16、R17、R22若しくはR23上に存在してよい光重合性基が、記載したものの代わりに、式:
【0064】
【化46】
【0065】
を有するトリアゾリル基である以外は、直ぐ上に記載したものZが含まれる。
【0066】
式Iの、好ましいメチン、ビス−メチン、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン、3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン及びクマリン化合物は、それぞれ、下記の一般式XV、XVI、XVII、XVIII及びXIX:
【0067】
【化47】
【0068】
[式中、R25は下記のもの:
【0069】
【化48】
【0070】
(式中、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は式XIII中に前にZについて定義した通りであり、R16′は、R16と同じ基から選択され、R26はシアノ、C1〜C6アルコキシカルボニル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール、ヘテロアリール、ホルミル、C1〜C6アルカノイル又は−CH=AMから選択され、R27は水素又はシアノであり、AMはマロノニトリル、α−シアノ酢酸エステル、マロン酸エステル、α−シアノ酢酸アミド、α−C1〜C6アルキルスルホニルアセトニトリル、α−アリールスルホニルアセトニトリル、α−C1〜C6アルカノイルアセトニトリル、α−アリールスルホニルアセトニトリル、α−C1〜C6アルカノイルアセトニトリル、α−アリールアセトニトリル、α−ヘテロアリールアセトニトリル、ビス(ヘテロアリール)メタン、1,3−インダンジオン、2−フラノン、ベンゾ−2−フラノン、ベンゾ(b)チエノ−3−キシリデンプロパンジニトリル−5,5−ジオキシド、1,3−ビス(ジシアノメチレン)インダン、バルビツール酸、5−ピラゾロン、ジメドン、3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾチオフェン−1,1−ジオキシド、アリールC(CH3)=C(CN)2及びNCCH2CO2X,R28(式中、−CO2Xは前記定義された通りの光重合性基である)から選択された活性メチレン化合物の残基である)
から選択された電子富化芳香族残基である]
を有する。
【0071】
アントラキノン(式XXa〜e)、アントラピリドン(3H−ジベンズ−[f,ij]−イソキノリン−2,7−ジオン)(式XXIa〜e)及びアントラピリジン(7H−ジベンズ−[f,ij]−イソキノリン−7−オン)(式XXIIa〜e)着色剤の例には下記の構造を有する化合物が含まれる。
【0072】
【化49】
【0073】
【化50】
【0074】
【化51】
【0075】
[式中、R28は水素であるか又はアミノ;C1〜C8アルキルアミノ;ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8シクロアルキル、フリル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、アリールチオ、アリールオキシ、−(OCH2CH2−)1−3OR′(式中、R′は水素、C1〜C6アルキル及びC2〜C6アルカノイルオキシから選択される)から選択された1個又はそれ以上の基で置換されたC1〜C8アルキルアミノ;C3〜C8シクロアルキルアミノ;C3〜C8アルケニルアミノ;C3〜C8アルキニルアミノ;アリールアミノ;フルフリルアミノ;C1〜C6アルコキシ;−(OCH2CH2−)1−3OR′(式中、R′は前記定義された通りである);ハロゲン;ヒドロキシ;C1〜C6アルキルチオ;アリールチオ;アリール;アリールオキシ;アリールスルホニルC2〜C6アルカノイル;アロイル;C2〜C6アルカノイルオキシ;C2〜C6アルコキシカルボニル;ヘテロアリール;ヘテロアリールチオ;シアノ;ニトロ;トリフルオロメチル;チオシアノ;−SO2C1〜C6アルキル;−SO2NH2;−SO2NHC1〜C6アルキル;−SO2N(C1〜C6アルキル)2;−SO2N(C1〜C6アルキル)アリール;−SO2NHアリール;−CONH2;CONHC1〜C6アルキル;−CON(C1〜C6アルキル)2;−CONHアリール;−CON(C1〜C6アルキル)アリール;C1〜C6アルキル;テトラヒドロフルフリルアミノ;4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチルアミノ及び
【0076】
【化52】
【0077】
から選択された1〜4個の基を表し、R29は水素又はC1〜C6アルキル、ハロゲン及びC1〜C6アルコキシから選択された1〜2個の基であり、R30は水素、C1〜C8アルキル、R28の定義で前記定義された通りの置換C1〜C8アルキル、アリール及びC3〜C6シクロアルキルから選択され、R31は水素、シアノ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリールチオ、ハロゲン、C2〜C6アルコキシカルボニル、アロイル、C1〜C6アルキルスルホニル、アリールスルホニル及びC1〜C6アルキルアミノから選択され、R32は、水素、C1〜C6アルキル、アリール及び−N(R33)R34(式中、R33及びR34は、独立に、水素;C1〜C6アルキル;C2〜C6アルカノイルオキシ、アリール及びC3〜C8シクロアルキルで置換されたC1〜C6アルキル;アリール;C3〜C8シクロアルキルから選択され、R33及びR34は一緒になって、−(CH2)4−6−及び−CH2CH2−L6−CH2CH2−(式中、L6は−O−、−S−、−SO2−及び−N(R34)−(式中、R34′は水素、C1〜C6アルキル、アリール、アロイル、C1〜C6アルカノイル、C1〜C6アルキルスルホニル及びアリールスルホニルから選択される)から選択される)のような二価の基を作ることができる)から選択され、L4及びL5は−O−、−S−、−SO2−、−CON(R33)−及び−SO2N(R33)−から選択される]
式I(式中、Aはキノフタロン発色団である)により包含される好ましい着色剤の幾つかは下記の式XXIII:
【0078】
【化53】
【0079】
(式中、R35は水素、臭素、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アリールスルホニル、
【0080】
【化54】
【0081】
(式中、X及びR24は前記定義された通りである)
から選択される)
を有する。
【0082】
式I(式中、Aはニトロアリールアミン発色団である)により包含される好ましいニトロアリールアミン着色剤の幾つかは下記の式(XXIV):
【0083】
【化55】
【0084】
(式中、R36は水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル及びC1〜C6アルコキシから選択され、R37及びR38は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C2〜C6アルカノイルオキシ、アリール及び
【0085】
【化56】
【0086】
から選択される)
を有する。
【0087】
式I(式中、Aはペリノン発色団である)により包含される好ましい着色剤の幾つかは下記の式XXV〜XXIX:
【0088】
【化57】
【0089】
(式中、R39は、水素又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、アミノ、CO2X、C1〜C6アルキルアミノ、C3〜C8シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ及び
【0090】
【化58】
【0091】
(式中、L7は−S−、−O−及び−NH−から選択される。但し、1〜4個の−CO2X基が存在する)
から選択された1〜4個の基である)
に対応する。
【0092】
2,5−ジアリールアミノテレフタレート発色団を含有する式Iの好ましい着色剤は式XXX:
【0093】
【化59】
【0094】
(式中、R40は水素若しくは−CO2Xであるか又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン及び−NHC2〜C6アルカノイルアミノから選択された1〜3個の基を表す)
を有する。
【0095】
本発明の好ましい光重合性着色剤化合物は、構造I及びII(式中、X及びYは、それぞれ、−CH2CH2OQ−、−CH2CH(CH3)OQ、−(CH2CH2O)2−3−CH2CH2OQ、−CH2C(CH3)2CH2OQ及び−CH2−C6H10−CH2OQから選択され、そしてAはアントラキノン、アントラピリドン又は2,5−ジアリールアミノテレフタレート発色団残基である)のものである。
【0096】
式I及びII(式中、X及びYは式−CH2−C6H4−p−C(R2)=CH2を有する光重合性p−ビニルベンジル基ラジカルである)を有する光重合性着色剤は、一般的に、式III及びIVを有する着色した酸性化合物を、それぞれ4−クロロメチルスチレンVと、下記:
【0097】
【化60】
【0098】
(式中、A、n、R及びR2は前記定義された通りである)
のように反応させて、着色した化合物VI及びVIIを生成することによって製造される。式III及びIVを有する着色した酸性化合物と4−クロロメチルスチレンVとの反応は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、スルホラン等のような極性非プロトン性溶媒の存在下で、炭酸アルカリ金属、重炭酸アルカリ金属、トリアルキルアミン、環式窒素化合物、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(PBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)等のような1種又はそれ以上の塩基の存在下で実施される。この反応は、幾つかの条件下で、触媒量の臭化アルカリ金属、ヨウ化アルカリ金属及び/又は一般的な相間移動触媒、例えばテトラアルキルアンモニウムハライド、例えばクロリド又はブロミドの存在によって促進することができる。この反応は、通常、50℃〜150℃、好ましくは90℃〜125℃で実施する。
【0099】
式I及びII(式中、X及びYは−R1−O−Qである)を有する光重合性色素は、一般的に、最初に、式III及びIVを有する着色した酸性化合物を、式VIIIを有する1個又はそれ以上のヒドロキシ基を含有するアルキル化剤と、下記:
【0100】
【化61】
【0101】
(式中、A、n、R及びR1は前記定義された通りであり、そしてZはハロゲンである)
のように反応させて、中間体ヒドロキシ化合物IX及びXを生成することによって製造する。化合物IX及びXを製造するために使用される反応条件は、前記のVI及びVIIの製造で記載したものである。中間体ヒドロキシ化合物IXおよびX(式中、R1は−CH2CH2−又は−CH2CH(CH3)−である)は、対応する2−ブロモ−又はクロロ−アルカノールを使用することによって前記のようにして製造することができるが、好ましい経路は、下記の式:
【0102】
【化62】
【0103】
(式中、R′は水素又はメチルである)
に従って、毒性のハロアルカノールの使用を回避する炭酸エチレン又はプロピレンを使用して、ヒドロキシアルキル誘導体XI及びXIIを生成する。これらの反応は、触媒量のハロゲン化アルキル、テトラアルキルアンモニウムハライド又はテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドの存在によって促進される。この反応は、中間体の着色した二酸III及びIVを少なくともモル当量の炭酸アルキレンと共に加熱することによって実施できる。また、過剰の炭酸アルキレンが、反応の溶媒又は共溶媒として有用である。特に、エチレングリコール及びプロピレングリコールが、XI及びXIIの製造のための共溶媒として有効であることを見出した。次いで、化合物IX及びX(又はXI及びXII)を、前記のアシル化剤Ib〜IXbの一種でアシル化して、所望のQ基を導入して、式I及びIIを有する光重合性化合物を製造する。Q基Ia〜IXaは、ヒドロキシ化合物IX及びXを、それぞれアシル化剤Ib〜IXbと反応させることによって導入する。
【0104】
中間体の着色した酸性化合物III及びIVは、米国特許第3,689,501号、同第3,816,392号、同第4,359,570号、同第4,403,092号、同第4,617,373号、同第4,740,581号、同第4,745,173号、同第4,804,719号、同第4,892,922号、同第5,030,708号、同第5,102,980号、同第5,194,571号、同第5,274,072号、同第5,281,659号、同第5,372,864号、同第5,962,557号及びWO第98/23690号に開示されており、これらには特に有用な二酸性中間体着色剤が開示されている。
【0105】
式XIII及び式XIVに対応する上記のアゾ色素は、それぞれ、1〜4個のカルボキシ基又は1〜4個の1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ基を含有するアゾ色素を反応させて、上記のような光重合性基を含有させることによって製造することができる。また、光重合性基は、式XIII及びXIVのアゾ色素の合成の前に、ジアゾ化性アミン及び/又はカプラー部分の中に含有させることができる。
【0106】
光重合性基を含有し、式XIIIの着色剤を製造する際に有用である、典型的な芳香族アミンカップリング成分(HZ)は、下記の構造を有する。
【0107】
【化63】
【0108】
共重合性基を含有し、式XIVの着色剤を製造する際に有用である、典型的な芳香族アミンカップリング成分(HZ1)は、下記の構造を有する。
【0109】
【化64】
【0110】
上記のカップリング成分HZ及びHZ1についての構造中、R15、R16、R18、R19、R20、R24、X及びYは、こられに対して前記した意味を有する。
【0111】
それぞれ、メチン、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン及び3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン発色団を含有する着色剤に対応する、式XV、XVII及びXVIIIの着色剤は、1個又はそれ以上の光重合性基を含有する、前記のような中間体芳香族単位R25Hを、(a)活性メチレン化合物との反応に続くフィルスマイヤー錯体(例えば、POCl3/DMFから)、
【0112】
【化65】
【0113】
と反応させて、それぞれ式XV、XVII及びXVIII(式中、R16′は水素である)の着色剤を生成させることによって製造することができる。式XVII及びXVIII(式中、R16は水素である)の化合物は、所望により光重合性基を導入するために、更に反応させることができる。
【0114】
式XIII及びXIVを有するアゾ着色剤のための第三の代替製造方法には、それぞれ、少なくとも1個の−CO2H又は1(H)−1,2,4−トリアゾリル−3−イルチオ基を含有する電子富化カプラー前駆体を、ヒドロキシアルキル化剤と反応させて、−CO2−R1−OH及び
【0115】
【化66】
【0116】
基を導入することが含まれる。次いで、これらのカプラーを、所望のジアゾニウム塩と反応させて、ヒドロキシ基を含有するアゾ色素を製造し、次いでこれを更に反応させて、最終着色剤の中に光重合性Q基を導入する。同様に、この方法は、それぞれ、メチン、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン又は3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン発色団を含有する酸性着色中間体を反応させて、発色団が形成された後で光重合性基を導入することによって、式XV、XVI及びXVIIを有する着色剤の製造で使用することができる。
【0117】
当業者に公知であるように、式IIの1(H)−1,2,4−トリアゾリル単位は、構造:
【0118】
【化67】
【0119】
を有する異性体の混合物であるが、式IIに示される異性体が、おそらく優勢であろう。
【0120】
着色剤実施例
本発明によって提供される共重合性色素化合物及びその製造を下記の実施例によって更に示す。
【0121】
例1
1,5−ビス−(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(米国特許第4,359,570号、例1)(5.13g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.84g、0.02モル)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、100mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱した。この攪拌した混合物に、塩化4−ビニルベンジル(アルドリッチ社(Aldrich)、3.76g、0.022モル)を添加した。反応混合物を約105℃で30分間加熱した後、テトラヒドロフラン(THF)/シクロヘキサンの50/50混合物を使用する薄層クロマトグラフィー(TLC)は、1個のみのスポットを示し、出発物質又はモノ反応生成物は観察されなかった。この反応混合物を更に20分間加熱し、メタノールと水との混合物を添加することによって、黄色色素が沈殿した。この固体色素を濾過によって集め、水で次いで少量のメタノールで洗浄した。空気乾燥した生成物の収量は、6.85g(理論収量の92%)であった。フィールドディソープション質量分析法(FDMS)は下記の構造:
【0122】
【化68】
【0123】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、447nmでの吸収極大が観察された。
【0124】
例2
1,5−ビス−(2−カルボキシアニリノ)アントラキノン(米国特許第4,359,570号、例2)(4.78g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g、0.02モル)及びDMF(100mL)の混合物を攪拌し、約90℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(アルドリッチ、3.76g、0.022モル)を添加し、加熱し、約100℃で60分間攪拌を続けた。TLC(50/50THF/シクロヘキサン)は、完全な反応を示した。メタノール(120mL)を徐々に攪拌しながら添加して、赤色生成物を沈殿させ、これを濾過によって集め、水で洗浄し、次いで空気中で乾燥させた(収量:6.18g、理論収量の87%)。FDMSは、下記の構造:
【0125】
【化69】
【0126】
を支持した。
【0127】
例3
1,5−ビス−(イソブチルアミノ)−4,8−ビス−(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(米国特許第6,197,223号、例2)(6.54g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g、0.02モル)及びDMF(150mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱した。この攪拌した混合物に、塩化4−ビニルベンジル(3.76g、0.02モル)を添加した。反応混合物を95〜100℃で約60分間加熱した。反応混合物を冷却し、メタノール/水を添加することによって、ゴム状の生成物が沈殿析出した。液体をデカンテーション除去し、生成物をメタノールと共に粉砕した。得られた暗青色固体を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:6.95g、理論収量の78%)。FDMSは下記の構造:
【0128】
【化70】
【0129】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、600nm及び645nmでの吸収極大が観察された。
【0130】
例4
1,5−ビス−(2−カルボキシフェニルチオ)−4,8−ビス−(4−トリルチオ)アントラキノン(米国特許第6,197,223号)(7.56g、0.01モル)、炭酸カリウム(K2CO3)及びDMF(300mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱し、次いで塩化4−ビニルベンジル(3.84g、0.025モル)を添加した。反応混合物を加熱し、約100℃で60分間攪拌した。TLC(50/50THF/シクロヘキサン)は、完全な反応を示した。冷却した後、反応混合物をメタノール/水に入れることによって、粘着性の生成物が得られた。この赤色生成物はメタノールと接触状態で放置すると固化し、これを濾過によって集め、空気中で乾燥させた(収量:7.67g、理論収量の78%)。FDMSは、下記の構造:
【0131】
【化71】
【0132】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、吸収極大が520nmで観察された。
【0133】
例5
1,5−ビス−[(1H)−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)]アントラキノン(米国特許第3,689,501号)(4.06g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g、0.02モル)及びDMF(100mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(3.76g、0.022モル)を添加した。TLC(50/50THF/シクロヘキサン)は、反応混合物を2時間加熱した後に、未だ、幾らかのモノ置換生成物を示した。追加量の塩化4−ビニルベンジル(4.14g)及び炭酸カリウム(1.38g)を添加し、更に1時間加熱を続けて、反応を完結させた。冷却した反応混合物を水に入れることによって、ゴム状の黄色固体が製造された。この生成物を水によるデカンテーションによって洗浄し、次いで、DMF中に溶解させた。DMF溶液を、よく攪拌しながら冷水の中に徐々に入れ、黄色固体を濾過によって集め、空気中で乾燥させた(3.46g、理論収量の54%)。FDMSは、下記の構造:
【0134】
【化72】
【0135】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、420nmでの吸収極大が観察された。
【0136】
例6a
1,5−ビス−(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(米国特許第4,359,570号、例1)(30.6g、0.06モル)、炭酸エチレン(88.0g、1.0モル)、エチレングリコール(50mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(5.2g)の混合物を加熱し、約125℃で約2.0時間攪拌し、次いで冷却した。この反応混合物を冷水(150mL)の中に攪拌しながら入れた。黄色固体を濾過によって集め、温水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:35.2g、理論収量の97.8%)。FDMSは下記の構造:
【0137】
【化73】
【0138】
を支持した。
【0139】
例6b
例6aの生成物(6.0g、0.01モル)、DMF(25mL)及び3−イソプロペニル−∝,∝−ジメチルベンジルイソシアナート(6mL、0.03モル)の混合物を加熱し、窒素下で約95〜100℃で約48時間攪拌した。トリエチルアミン(0.5mL)を添加し、更に48時間加熱を続けた。水(60mL)を、この熱い反応混合物に攪拌しながら少しずつ添加した。室温に冷却した後、黄色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。本質的に定量的収量の下記の生成物が得られた。
【0140】
【化74】
【0141】
例7
上記例6aの色素(2.0g、3.33ミリモル)及びトルエン(20mL)を混合し、トルエンの大部分を減圧下で除去しながら攪拌した。DMF(50mL)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP、82mg)、トリエチルアミン(1.4mL)、ヒドロキノン(50mg)及びメタクリル酸無水物(1.53g、9.99ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で15時間攪拌した。水(200mL)の中に入れ、数日間放置することによって沈殿した黄色官能化色素を濾過によって集め、水及び1:1メタノール:水で洗浄し真空中で乾燥させた。収量は2.23g(理論収量の91%)であった。FDMSは下記の構造:
【0142】
【化75】
【0143】
を支持した。DMF中でのUV−可視吸収スペクトルで、444nmでの吸収極大が観察された。
【0144】
例8a
1,5−ビス−(カルボキシアニリノ)アントラキノン(米国特許第4,359,570号、例2)(59.75g、0.125モル)、炭酸エチレン(165g、1.875モル)、エチレングリコール(550mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(11.3g)の混合物を、120〜125℃で6.5時間加熱し、混合物を冷却した。この攪拌した反応混合物にメタノール(400mL)を添加した。赤色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:69.5g、理論収量の98.2%)。FDMSは下記の構造:
【0145】
【化76】
【0146】
を支持した。
【0147】
例8b
上記例8aの色素の一部(2.0g、3.53ミリモル)を、トルエン(10mL)と混合し、トルエンの大部分を減圧下で除去した。DMF(50mL)、DMAP(86mg)、トリエチルアミン(1.5mL)、ヒドロキノン(20mg)及びメタクリル酸無水物(1.63g、10.6ミリモル)を添加し、得られた溶液を室温で15時間攪拌した。この反応混合物を水(200)の中に入れ、室温で数日間放置した。官能化赤色色素を濾過によって集め、水で洗浄し、真空中で乾燥させた(収量:2.10g、理論収量の85%)。FDMSは下記の構造:
【0148】
【化77】
【0149】
を支持した。DMF溶液中で、UV−可視吸収スペクトルで、525nmでの吸収極大が観察された。
【0150】
例9
上記例8aからの色素の一部(2.0g、3.53ミリモル)を、トルエンと混合し、トルエンの大部分を減圧下で除去しながら攪拌した。DMF(50mL)、DMAP(86mg)、トリエチルアミン(1.5mL)、ヒドロキノン(20mg)及びクロトン酸無水物(1.63g、10.6ミリモル)を添加し、この反応混合物を24時間攪拌した。水(200mL)の中に入れることによって、官能化赤色色素を単離し、混合物を短時間放置し、次いで濾過によって集めた。水で洗浄した後、色素を真空中で乾燥させた(収量:2.11g、理論収量の85%)。FDMSは下記の構造:
【0151】
【化78】
【0152】
を支持した。DMF溶液中で、UV−可視光吸収スペクトルで、522nmでの吸収極大が観察された。
【0153】
例10
上記例6aの色素の一部(2.0g、3.33ミリモル)及びトルエン(10mL)の混合物を攪拌し、トルエンの大部分を減圧下で除去した。DMF(50mL)、DMAP(86mg)、トリエチルアミン(1.4mL)、ヒドロキノン(20mg)及びクロトン酸無水物(7.54g、9.99ミリモル)を添加した。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、攪拌しながら水(200mL)の中に入れた。この混合物を短時間放置し、官能化黄色色素を濾過によって集め、水で洗浄し、真空中で乾燥させた(収量:2.01g、理論収量の82%)。FDMSは下記の構造:
【0154】
【化79】
【0155】
を支持した。DMF中で、UV−可視光吸収スペクトルで、446nmでの吸収極大が観察された。
【0156】
例11a
1−クロロアントラキノン(97.2g、0.40モル)、チオサリチル酸(61.6g、0.40モル)、酢酸カリウム(80g、0.80モル)、塩化第一銅(0.5g)及び2−エトキシエタノール(500mL)の混合物を攪拌し、還流下(130〜135℃)で6.5時間加熱した。冷却した後、反応生成物を濾過によって集め、メタノールで洗浄した。未だ湿っているケークを水(750mL)中にスラリー化し、濃塩酸(75mL)を添加することによって、この混合物を酸性にした。この混合物を環境温度で30分間攪拌し、黄色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、少量のメタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:110.6g、理論収量の76.87%)。フィールドディソープション質量分析法(FDMS)は下記の構造:
【0157】
【化80】
【0158】
を支持した。
【0159】
例11b
1−(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(例11a)(3.60g、0.01モル)、炭酸カリウム(1.38g、0.01モル)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(70mL)の混合物を加熱し、攪拌した。70℃で、塩化4−ビニルベンジル(1.87g、0.011モル)を添加し、反応混合物を約100℃に加熱した。約100℃で40分間加熱した後、この反応混合物を冷却し、次いで水(200mL)の中に攪拌しながら入れた。室温で一夜放置した後、黄色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。生成物の収量は4.40gで、理論収量の92%であった。FDMS分析は下記の構造:
【0160】
【化81】
【0161】
を支持した。DMF中のUV−可視光吸収スペクトルで、425nmでの吸収極大が観察された。
【0162】
例12a
チオサリチル酸(4.63g、0.03モル)、炭酸カリウム(8.70g、0.06モル)及びDMF(75mL)の混合物を加熱し、100℃で2時間攪拌した。この混合物を室温に冷却し、約0℃に冷却した1,5−ジクロロ−4,8−ジニトロアントラキノン(5.51g、0.015モル)及びDMF(150mL)の攪拌した混合物に添加した。2〜3℃の僅かな発熱が観察された。この混合物を約0〜5℃で30分間攪拌し、次いで室温で一夜放置した。室温で1.5時間攪拌した、チオサリチル酸(4.63g、0.03モル)、炭酸カリウム(8.73g、0.06モル)及びDMF(40mL)の第二の混合物を、上記の混合物に添加した。加熱し、約100℃で5時間攪拌した後、この反応混合物を室温に冷却し、攪拌しながら水(600mL)の中に入れた。氷酢酸を添加することによって、この混合物を酸性にした後、暗赤色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。(収量:10.70g、理論収量の87.3%)。FDMSは下記の構造:
【0163】
【化82】
【0164】
を支持した。
【0165】
例12b
1,4,5,8−テトラ(2−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(1.22g、1.5ミリモル)(例12a)、炭酸カリウム(0.83g、6.0ミリモル)及びDMF(20mL)の混合物を攪拌し、塩化4−ビニルベンジル(1.01g、6.6ミリモル)を添加した。この反応混合物を約100℃で30分間加熱した。室温に冷却した後、混合物をメタノールの中に入れた。暗赤色固体を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた。生成物の収量は1.58gで、理論収量の82%であった。FDMSは下記の構造:
【0166】
【化83】
【0167】
を支持した。DMF溶媒中のUV−可視光吸収スペクトルで、543nmでの吸収極大が観察された。
【0168】
例13a
臭素化ジアミノアントラルフィン(3.49g、0.01モル)、チオサリチル酸(3.08g、0.02モル)、炭酸カリウム(5.53g、0.04モル)、塩化第一銅(0.30g)及びDMF(50mL)の混合物を95〜100℃で約6時間加熱した。この反応混合物を冷却し、次いでアセトン(400mL)の中に入れた。生成物の固体カリウム塩を濾過によって集め、次いで熱水(300mL)中に再溶解させた。氷酢酸で酸性化することによって遊離酸を得、濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量3.40g)。FDMSはこの生成物が下記の構造:
【0169】
【化84】
【0170】
を有する、モノ−及びビス−(2−カルボキシフェニルチオ)置換ジアミノアントラルフィンの混合物であることを示した。
【0171】
例13b
例13aからの生成物の一部(0.85g)、炭酸カリウム(0.34g)及びDMF(20mL)の混合物を攪拌し、約100℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(0.38g)を添加した。この反応混合物を約100℃で約30分間攪拌し、室温に冷却し、次いでメタノール(200mL)の中に入れた。暗青色生成物を濾過によって集め、メタノール、水、次いで再びメタノールで洗浄して、乾燥を促進させた。空気乾燥させた生成物を秤量した(0.69g)。FDMSはこの生成物が下記の構造:
【0172】
【化85】
【0173】
を有することを示した。ここで、モノ置換生成物が存在する主な優勢な構造であった。UV−可視光吸収スペクトルで、641nmでの吸収極大が観察された。
【0174】
例14a
1,8−ジアミノ−2,7−ジブロモ−4,5−ジヒドロキシアントラキノン(2.14g、0.005モル)、チオサリチル酸(1.69g、0.011モル)、炭酸カリウム(3.0g)、塩化第一銅(0.30g)及びDMF(45.0mL)の混合物をスチーム浴温度で約6.0時間加熱した。この反応混合物を冷却し、次いでアセトン(500mL)の中に入れた。得られた固体を濾過によって集め、アセトン湿潤物質を温水中に再溶解させた。酢酸を添加して二酸生成物を沈殿させ、これを濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:2.60g)。
【0175】
例14b
1,8−ジアミノ−4,5−ジヒドロキシ−2,7−ビス(カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(1.15g、2.0ミリモル)(例14aから)、炭酸カリウム(0.56g、4.0ミリモル)及びDMF(20mL)の混合物を、約100℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(0.68g、4.4ミリモル)を添加した。攪拌及び加熱を、約100℃で4時間続けた。水の中に入れることによって生成物を単離し、濾過によって生成物を集めた。この生成物は、主として、下記の予想される構造:
【0176】
【化86】
【0177】
を有する化合物からなっている。この生成物をDMF中に溶解させたとき、明るいシアン色が得られた。
【0178】
例15
1−シアノ−6(3′,5′−ジカルボキシフェニルアミノ)−3−メチル−3H−ジベンズ[f,ij]イソキノリン−2,7−ジオン(米国特許第6,197,223号の例119a)(4.65g、0.01モル)、炭酸カリウム(0.02モル)及びDMF(100mL)の混合物を攪拌し、約90℃で加熱し、塩化4−ビニルベンジル(3.73g、0.022モル)を添加した。約110℃で3.0時間加熱した後、薄層クロマトグラフィー(90/10THF/シクロヘキサン)は、反応が完全であることを示し、この反応混合物を室温に冷却した。メタノール(100mL)を反応混合物に攪拌しながら添加した。室温で一夜放置した後、生成物を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させ(収量:3.80g、理論収量の54%)、これは構造:
【0179】
【化87】
【0180】
を有する。この生成物をDMF中に溶解させたとき明るい青紫色が得られた。
【0181】
例16a
6−ブロモ−1−シアノ−3H−ジベンズ[f,ij]イソキノリン−2,7−ジオン(3.65g、0.01モル)、チオサリチル酸(1.54g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g、0.02モル)及びDMF(60mL)の混合物を攪拌し、約95〜100℃で1.5時間加熱した。冷却した後、この反応混合物を水(100mL)の中に入れ、この混合物を氷酢酸の添加によって酸性にした。赤色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。生成物の収量は4.38g(理論収量の100%)であった。FDMSは下記の予想構造:
【0182】
【化88】
【0183】
を支持した。
【0184】
例16b
例16aのカルボキシアントラピリドン色素(4.38g、0.01モル)、炭酸カリウム(1.38g、0.01モル)及びDMF(100mL)を、一緒に攪拌し、約100℃に30分間加熱した。冷却した後、水(100mL)を、この攪拌した反応混合物に滴下により添加した。沈殿した赤色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:4.92g、理論収量の89%)。FDMSは下記の構造:
【0185】
【化89】
【0186】
を支持した。溶媒としてのDMF中のUV−可視光吸収スペクトルで、吸収極大が523nmで観察された。
【0187】
例17
2,5−ジアニリノテレフタル酸(3.48g、0.01モル)、炭酸カリウム(2.76g)及びDMF(100mL)の混合物を攪拌し、100℃に加熱し、塩化4−ビニルベンジル(3.76g、0.11モル)を添加した。加熱を1.0時間続け、次いで冷却した反応混合物を、滴下により添加した200mLの水で処理した。橙色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:5.58g、理論収量の96%)。FDMSは下記の予想構造:
【0188】
【化90】
【0189】
を支持した。溶媒としてのDMF中のUV−可視光吸収スペクトルで、吸収極大が471nmで観察された。
【0190】
例18a
1,5−ビス−[(1H)−1,2,4−トリアゾリルチオ]アントラキノン(8.12g、0.02モル)、炭酸エチレン(29.4g、0.33モル)、エチレングリコール(30mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(2.0g)の混合物を加熱し、125℃で3.5時間攪拌した。この反応混合物を冷却し、水(100mL)を攪拌しながら滴下により添加した。黄色生成物(1,5−ビス−[[1(2−ヒドロキシエチル)−1,2,4−トリアゾリル−3−イル]チオ]アントラキノン)を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:6.8g、理論収量の69%)。
【0191】
例18b
例18aからの生成物の一部(1.0g、0.0020モル)、DMF(25mL)、ヒドロキノン(10mg)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(49mg)及びメタクリル酸無水物(0.91mL)の混合物を、室温で攪拌し、トリエチルアミン(0.85mL)を滴下により添加した。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、次いで水の中に入れた。黄色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:0.85g、理論収量の67%)。FDMSは下記の予想される構造:
【0192】
【化91】
【0193】
を支持した。溶媒としてのDMF中のUV−可視光吸収スペクトルで、422nmで吸収極大が観察された。
【0194】
例19a
1,5−ビス−(シクロヘキシルアミノ)−4,8−ビス−(2′−カルボキシフェニルチオ)アントラキノン(49.5g、0.07モル)、炭酸エチレン(149g、1.69モル)、粉砕したヨウ化カリウム(42g)及びエチレングリコール(300mL)の混合物を加熱し、100℃で攪拌し、約110℃で約1.0時間保持した(幾らか発泡が得られた)。加熱及び攪拌を125℃で約2.5時間続け、次いで冷却した反応混合物を、2500mLのメタノールの中に入れた。このメタノール溶液に幾らかの水を添加し、そうして青色固体を更に沈殿させ、沈殿を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:36.3g、理論収量の62%)。FDMSはこの構造が例19bのための出発物質のものであったことを示した。
【0195】
例19b
例19aからの1,5−ビス(シクロヘキシルアミノ)−4,8−ビス−[2′−ヒドロキシエトキシカルボニル)−フェニルチオ]アントラキノンの一部(1.0g、0.00126モル)、DMF(25mL)、ヒドロキノン(10mg)、DMAP(30.8mg)及びメタクリル酸無水物(0.563mL)の混合物を攪拌し、トリエチルアミン(0.527mL)を滴下により添加した。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、次いで水(50mL)の中に入れた。青色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:0.65g、理論収量の56%)。FDMSは下記の予想される構造:
【0196】
【化92】
【0197】
を支持した。DMF溶液中のUV−可視吸収スペクトルで、603nm及び646nmで吸収極大が観察された。
【0198】
例20a−アゾ色素カプラーの製造
3−アセトアミド−N,N−ビス−(4−カルボキシベンジル)アニリン(12.5、0.03モル)(米国特許第6,197,223号の例91bに記載されているようにして製造)、炭酸エチレン(44g、0.50モル)、エチレングリコール(60mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(2.68g)の混合物を攪拌し、120〜125℃で4.0時間加熱した。水(150mL)を、この冷却した反応混合物に攪拌しながら滴下により添加した。得られた固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:12.9g、理論収量の85%)。FDMSは下記の構造:
【0199】
【化93】
【0200】
を支持した。
【0201】
例20b:中間体アゾ色素の製造
5−アミノ−4−シアノ−3−メチルイソチアゾール(1.39g、0.01モル)及び水(17.5mL)の混合物を攪拌し、氷浴中で冷却した。濃硫酸(8.3mL)を、約40℃以下で滴下により添加した。次いで、ニトロシル硫酸(40%)(3.2g、0.01モル)を、約3℃以下で攪拌しながら添加した。この橙色溶液を−2℃〜+2℃で2.0時間攪拌し、次いで、濃硫酸(10mL)及び1:5酸(プロピオン酸1重量部:酢酸5重量部)(50mL)を含有する水(100mL)中に溶解させた例20aからのカプラーの一部(5.0g、0.01モル)の冷却した溶液に添加した。このカップリング混合物を保冷し、攪拌しながら酢酸アンモニウムを添加することによって、鉱酸を中和した。時々攪拌しながら約1.0時間放置した後、このカップリング混合物を、水を添加することによって水中に入れた。固体色素を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。熱メタノール中に再びスラリー化させ、冷却した後、色素を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:3.9g、理論収量の59%)。FDMSは下記の構造:
【0202】
【化94】
【0203】
を支持した。DMF溶液中のUV−可視光吸収スペクトルで、吸収極大が543nmで観察された。
【0204】
例20c
例20bからのアゾ色素の一部(0.50g)、DMF(25mL)、ヒドロキノン(5mg)、DMAP(19mg)及びメタクリル酸無水物(0.34mL)を混合し、攪拌し、そしてトリエチルアミン(0.32mL)を滴下により添加した。室温で24時間攪拌した後、この反応混合物を水の中に入れ、濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:0.5g)。FDMSは下記の予想される構造:
【0205】
【化95】
【0206】
を支持した。DMF溶液中のUV−可視光吸収スペクトルで、吸収極大が543nmで観察された。
【0207】
例21a
p−ジオキサン(600mL)に、N−(α−シアノアセチル)ピペリジン(30.4g、0.20モル)を添加し、この溶液を攪拌し、そして約5℃に冷却し、この温度で、温度を5℃以下に維持しながらオキシ塩化リン(30.6g、0.2モル)を滴下により添加した。反応混合物を約30℃で攪拌しながら、1−アミノ−4−ブロモアントラキノン(58.6g、0.194モル)を少しずつ添加した。次いで、この反応混合物を約95℃で12時間加熱し、次いで氷/水混合物中に入れた。炭酸ナトリウムの20%水溶液を、約9のpHが得られるまで徐々に添加した。赤色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(66.3g、理論収量の82%)。
【0208】
例21b
例21aで製造した6−ブロモ−1−シアノ−2−ピペリジノ−7H−ジベンズ[f,ij]−イソキノリン−7−オンの一部(20.0g、0.050モル)、エチレングリコール(500mL)、5−アミノイソフタル酸ジメチル(20.0g、0.1モル)、酢酸カリウム(10.0g)及び酢酸第二銅(10.0g)を混合し、攪拌し、そして約180℃まで徐々に加熱し、1.5時間保持し、それから反応混合物を冷却し、水(800mL)の中に入れた。生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:46.0g)。FDMSは、生成物が主として下記の構造:
【0209】
【化96】
【0210】
のものからなっていたことを示した。
【0211】
例21c
例21bからの生成物の一部(2.0g、0.0033モル)、DMF(25mL)、ヒドロキノン(20mg)、DMAP(80.6mg)及びメタクリル酸無水物(1.47mL)の混合物を混合し、そしてトリエチルアミン(1.4mL)を滴下により添加しながら攪拌した。攪拌を室温で24時間続けた。次いで、この反応混合物をメタノール(50mL)の中に注ぎ、次いで水(100mL)を添加して生成物を沈殿させ、生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:2.2g、理論収量の90%)。FDMSは生成物が主として予想される構造:
【0212】
【化97】
【0213】
を有する化合物からなっていたことを示した。この生成物は、DMF中に溶解させたときマゼンタ色を有していた。
【0214】
例22a
40%ニトロシル硫酸(9.6g、0.03モル−100%基準)に、1:5酸(15mL)を25℃以下で攪拌しながら添加した。更に冷却しながら、2−クロロ−4−ニトロアニリン(5.18g、0.03モル)を、約8℃以下で少しずつ添加した。攪拌を約3〜8℃で2時間続けた。このジアゾ化反応混合物を、フリットガラス漏斗を通して濾過して、未溶解の2−クロロ−4−ニトロアニリンの僅かな粗い粒子を除去した。このジアゾニウム塩溶液を、1:5酸(120mL)中に溶解させた3−アセトアミド−N,N−ビス−(4−カルボキシベンジル)アニリン(12.6g、0.03モル)の冷却した溶液に、約10℃以下で攪拌しながら添加した。このカップリング混合物を、コンゴーレッド試験紙に対して中性になるまで、酢酸アンモニウムを少しずつ添加することによって中和し、次いで15℃以下で約1.0時間攪拌した。この混合物に冷水(500mL)を添加した。固体赤色生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた。熱メタノール中に再スラリー化し、冷却し、濾過によって集め、メタノールで洗浄し、そして空気中で乾燥させた後、下記の構造:
【0215】
【化98】
【0216】
を有する生成物10.1g(理論収量の56%)を得た。
【0217】
例22b
例22aからのビス−カルボキシアゾ化合物の一部(0.60g、0.001モル)、炭酸カリウム(0.28g)、DMF(20mL)及び塩化4−ビニルベンジル(0.35モル、0.0022モル)の混合物を、約100℃で2.5時間攪拌した。冷却後、この反応混合物をメタノールで希釈して、生成物を沈殿させ、この生成物を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、次いで水中にスラリー化して、任意の塩を除去した。濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた後、0.35g(理論収量の42%)の生成物を得た。FDMSは、主として下記の構造:
【0218】
【化99】
【0219】
を支持した。
【0220】
例23a
チオサリチル酸(46.3g、0.30モル)をDMF(400mL)と混合し、攪拌した。炭酸カリウム(82.8g、0.60モル)を添加し、この反応混合物を約95〜100℃まで徐々に加熱し、1.5時間保持した。冷却した後、この混合物を、1,5−ジクロロ−4,8−ジニトロアントラキノン(54.9g、0.150モル)及びDMF(1.0L)の攪拌した混合物に、少しずつ添加した。この反応混合物を10〜15℃で約15分間攪拌した。冷却を除去し、攪拌を環境温度で3時間続けた。DMF(250mL)中の4−チオクレゾール(37.3g、0.3モル)の溶液を添加し、次いで全反応混合物を約95℃で約8時間加熱した。冷却した後、この反応混合物を、濃HCl(100mL)、水(1900mL)及び幾らかの砕いた氷の混合物の中に入れた。生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:109.8g)。
【0221】
例23b
例23aに記載したようにして製造した1,5−ビス(2−カルボキシフェニルチオ)−4,8−ビス−(4−トリルチオ)アントラキノン(3.78g、0.005モル)、炭酸エチレン(5.28g、0.06モル)、エチレングリコール(25mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(1.5g)の混合物を加熱し、約125℃で4.0時間攪拌した。冷却した後、メタノールを添加することによって生成物を沈殿させた。固体を濾過によって集め、メタノールで洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:2.94g、理論収量の70%)。FDMSはこの生成物が主として構造:
【0222】
【化100】
【0223】
を有する化合物からなっていたことを示した。
【0224】
例23c
例23bからの生成物の一部(0.5g、0.00059モル)、DMF(10mL)、DMAP(14.4mg)、ヒドロキノン(5mg)及びメタクリル酸無水物(0.265mL)を混合し、そしてトリエチルアミン(0.248mL)を滴下により添加しながら室温で攪拌した。攪拌を室温で24時間続けた。メタノール(50mL)を、この反応混合物に添加し、次いで水(75mL)を添加することによって生成物を沈殿させた。固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:0.47g、理論収量の81%)。FDMSは下記の構造:
【0225】
【化101】
【0226】
を支持した。この生成物はDMF中に溶解させたとき明るい赤色を作った。
【0227】
例24a
2,5−ジアニリノテレフタル酸(20.90g、0.06モル)、炭酸エチレン(63.40g、0.72モル)、エチレングリコール(65mL)及び粉砕したヨウ化カリウム(17.5g)の混合物を攪拌し、窒素下で約120℃に加熱した。約120℃で著しい発泡が起こったが、まもなく治まり、温度を約125℃に上昇させ、攪拌を3.5時間続けた。この反応混合物を冷却し、この反応混合物にメタノール(100mL)を滴下により添加した。結晶化した橙色固体を濾過によって集め、水で洗浄し、空気中で乾燥させた(収量:14.4g、理論収量の55%)。FDMSは生成物が構造:
【0228】
【化102】
【0229】
を有するビス−(2−ヒドロキシエチル)エステルであったことを示した。
【0230】
例24b
例24aで製造したような橙色ジオール着色剤(50.0g、0.115モル)、アセトン(150mL)、DMAP(2g)、t−ブチルヒドロキノン(1g)及びトリエチルアミン(50g)を一緒に混合し、この混合物を攪拌し、40℃に加熱し、メタクリル酸無水物(50g)を滴下により添加した。僅かに発熱が観察され、加熱を1.0時間続けた。この反応溶液を冷却し、水(150mL)を約30分間かけて滴下により添加して、生成物を沈殿させ、この生成物を濾過によって集め、水で洗浄し、約60〜70℃で真空下で乾燥させた。明橙色固体の収量は45.0gで、理論収量の66%であった。FDMSは下記の構造:
【0231】
【化103】
【0232】
を支持した。
【0233】
本発明に従った、1個又はそれ以上のエチレン性不飽和(ビニル)光重合性基を含有する着色剤化合物の追加の例を表I〜XIVの例に示す。これらの化合物は、前記の例に記載したものに類似の方法及び/又は刊行物記載の技術により製造することができる。
【0234】
【表1】
【0235】
【表2】
【0236】
【表3】
【0237】
【表4】
【0238】
【表5】
【0239】
【表6】
【0240】
【表7】
【0241】
【表8】
【0242】
【表9】
【0243】
【表10】
【0244】
【表11】
【0245】
【表12】
【0246】
【表13】
【0247】
【表14】
【0248】
【表15】
【0249】
【表16】
【0250】
【表17】
【0251】
【表18】
【0252】
【表19】
【0253】
【表20】
【0254】
【表21】
【0255】
【表22】
【0256】
【表23】
【0257】
【表24】
【0258】
【表25】
【0259】
【表26】
【0260】
【表27】
【0261】
【表28】
【0262】
ビニル又は置換されたビニル基を含有する官能化色素又は着色剤は、好ましくは、遊離基機構によって重合可能又は共重合可能であり、この遊離基は、UV硬化樹脂製造の技術分野で公知の方法によりUV光への露光により発生する。重合は、光開始剤の添加により容易にすることができる。着色したポリマー材料は、通常、他の溶媒を含有する又は含有しない重合性ビニルモノマー中に、共重合性基を含有する官能化着色剤を溶解し、次いで、1個又はそれ以上のビニル又は置換されたビニル基を含有するオリゴマー又はポリマー材料と組み合わせることによって製造される。
【0263】
本発明の第八態様は、(i)1種又はそれ以上の重合性ビニル化合物、即ち、本明細書に記載した色素化合物と共重合可能であるビニル化合物、(ii)1種又はそれ以上の前記の色素化合物及び(iii)少なくとも1種の光開始剤からなる被覆組成物である。本発明で有用な重合性ビニル化合物には、光開始剤の存在下でUV放射線に露光されたとき重合を受けることができる少なくとも1個の不飽和基が含有されている。即ち、この被覆組成物は放射線硬化性である。このような重合性ビニル化合物の例には、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの無水物;クロトン酸;イタコン酸及びその無水物;シアノアクリル酸及びそのエステル;アクリル酸及びメタクリル酸のエステル、例えばアリル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、テトラヒドロフルフリル、シクロヘキシル、イソボルニル、n−ヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル及びベンジルアクリレート及びメタクリレート;エチレン及びプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレン及びジプロピレングリコール、トリエチレン及びトリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エトキシル化ビスフェノールA、エトキシル化及びプロポキシル化ネオペンチルグリコールのジアクリル酸及びジメタクリル酸エステル;トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパン、エトキシル化及びプロポキシル化トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセロール、エトキシル化及びプロポキシル化グリセロールのトリアクリル酸及びトリメタクリル酸エステル;ペンタエリトリトール並びにエトキシル化及びプロポキシル化ペンタエリトリトールのテトラアクリル酸及びテトラメタクリル酸エステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル;ビニルトルエン;スチレン;N−ビニルピロリジノン;α−メチルスチレン;マレイン酸エステル/フマル酸エステル;マレイン酸/フマル酸;クロトン酸エステル並びにクロトン酸が含まれる。
【0264】
本発明で有用な重合性ビニル化合物には、光開始剤の存在下でUV放射線に露光されたとき重合を受けることができる不飽和基を含有するポリマーが含まれる。これらの重合性ビニル化合物の製造及び応用は、例えば、「被覆、インク及びペイントのためのUV及びEB配合物の化学及び技術」第II巻:プレポリマー及び反応性希釈剤、G. Webster編、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons)、ロンドン、1997年刊行に記載されているように、当業者によく知られている。このようなポリマー性重合性ビニル化合物の例には、アクリル化及びメタクリル化ポリエステル、アクリル化及びメタクリル化ポリエーテル、アクリル化及びメタクリル化エポキシポリマー、アクリル化又はメタクリル化ウレタン、アクリル化又はメタクリル化ポリアクリレート(ポリメタクリレート)並びに不飽和ポリエステルが含まれる。アクリル化又はメタクリル化ポリマー及びオリゴマーは、典型的に、1個又はそれ以上のアクリレート又はメタクリレート基を含有し、反応性希釈剤として機能するモノマー、例えばモノマー性アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルと組み合わせられる。当該技術分野で公知の標準的重縮合技術によって製造される不飽和ポリエステルは、最もしばしば、スチレン又は1個若しくはそれ以上のアクリレート若しくはメタクリレート基を含有し、反応性希釈剤として機能する他のモノマーと組み合わせられる。当該技術分野で公知である不飽和ポリエステルの利用のための第二の態様には、不飽和ポリエステルと、2個若しくはそれ以上のビニルエーテル基又は2個若しくはそれ以上のビニルエステル基を含有するモノマーとの組合せが含まれる(WO第96/01283号、WO第97/48744号及びEP第0 322 808号)。
【0265】
本発明の被覆組成物には、任意に、所望により支持体の表面上への組成物の適用及び被覆を容易にするために、1種又はそれ以上の追加の有機溶媒が含有されていてよい。適当な溶媒の典型的な例には、これらに限定されないが、ケトン、アルコール、エステル、塩素化炭化水素、グリコールエーテル、グリコールエステル及びこれらの混合物が含まれる。特別の例には、これらに限定されないが、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコール二酢酸エステル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、塩化メチレン、クロロホルム及びこれらの混合物が含まれる。本発明の新規な被覆組成物中に存在してよい追加的又は付加的溶媒の量は、被覆組成物の全重量基準で、約1〜70重量%、更に典型的に約1〜25重量%の範囲内であってよい。
【0266】
ある種の重合性ビニルモノマーは、反応剤及び溶媒の両方として機能し得る。これらには、光開始剤の存在下でUV放射線に露光されたとき重合を受けることができる少なくとも1個の不飽和基が含有される。特別の例には、これらに限定されないが、メタクリル酸、アクリル酸、エチルアクリレート及びメタクリレート、メチルアクリレート及びメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及びメタクリレート、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、例えばジエチレングリコールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル及びネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ビニルエステル、ジビニルエステル、例えばアジピン酸ジビニル、コハク酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジビニル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル及びテレフタル酸ジビニル、N−ビニルピロリドン並びにこれらの混合物が含まれる。
【0267】
更に、本発明の組成物は、支持体表面の適用及び被覆を容易にするために、溶媒中に溶解するのではなくて、水中に分散させることができる。本発明の水分散組成物に於いて、共溶媒が任意に使用される。適当な共溶媒の典型的な例には、これらに限定されないが、アセトン、2−ブタノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール及びプロピレングリコールが含まれる。水溶性エチレン性不飽和溶媒の典型的な例には、これらに限定されないが、メタクリル酸、アクリル酸、N−ビニルピロリドン、2−エトキシエチルアクリレート及びメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート及びモノメタクリレート並びにこれらの混合物が含まれる。本発明の分散被覆組成物中の適当な水性有機溶媒(即ち、有機溶媒及び水)の量は、全被覆組成物の約10〜約90重量%、好ましくは約75〜約90重量%である。
【0268】
本発明の被覆組成物には、1種又はそれ以上の本明細書に記載した反応性ビニル色素化合物が含有されている。色素化合物又は化合物群の濃度は、被覆組成物中に存在する重合性ビニル化合物(群)、即ち被覆組成物の成分(i)の重量基準で、約0.005〜30.0重量%、好ましくは約0.05〜15.0重量%であってよい。本発明の被覆組成物には、通常、光開始剤が含有されている。光開始剤の量は、典型的に、被覆組成物中に存在する重合性ビニル化合物(群)の重量基準で、約1〜15重量%、好ましくは約3〜約5重量%である。典型的な光開始剤には、フラテリ・ランベルチ社(Fratelli Lamberti)から商品名エサキュア(ESACURE)BO、EB1、EB3及びEB4で市販されているもののようなベンゾイン及びベンゾインエーテル;ストーファー社(Stauffer)からのビキュア(VICURE)10及び30;チバ・ガイギー社(Ciba Geigy)からの、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア(IRGACURE)651)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(イルガキュア1173)、2−メチル−2−モルホリノ−1−(p−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン(イルガキュア907)のようなベンジルケタール、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)(フェニル)メタノン(イルガキュア184)、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(イルガキュア1173)のようなα−ヒドロキシアルキルフェノン、アップジョン社(Upjohn)によるウバトーン(Uvatone)8302;アップジョン社からのディープ(DEAP)及びウバトーン8301のようなα,α−ジアルコキシアセトフェノン誘導体;メルク社(Merck)によるダロキュア(DAROCUR)116、1173及び2959並びにベンゾフェノン及び第三級アミンの混合物が含まれる。顔料入り被覆組成物に於いて、硬化速度は、チバ社からの、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガノックス(Irganox)819)、イルガキュア819、1700及び1700並びにイルガキュア1173と2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ダロキュア4265)との50/50重量混合物のようなホスフィンオキシド混合物のような、種々のホスフィンオキシド光開始剤の添加によって改良することができる。このような光開始剤及び硬化方法に関する更に詳細なことは、米国特許第5,109,097号(参照して本明細書に含める)のような刊行文献に記載されている。皮膜(フィルム)の厚さ、製品配合、光開始剤種類、放射線束及び放射線源に依存して、硬化させるために、約0.5秒〜約30分間(50〜5000mJ/平方cm)の紫外放射線への露光時間が、典型的に必要である。また、硬化は、太陽放射線、即ち日光から起こり得る。
【0269】
本発明の被覆組成物には、典型的に被覆組成物中に存在する、1種又はそれ以上の追加の成分が含有されていてよい。このような追加の成分の例には、シリコーン、フルオロカーボン又はセルロース系物質のようなレベリング、レオロジー及びフロー調節剤;艶消剤;顔料湿潤及び分散剤;界面活性剤;紫外線(UV)吸収剤;UV光安定剤;着色顔料;脱泡及び消泡剤;沈降防止、だれ止め及び増粘剤;皮張り防止剤;色わかれ防止及び色むら防止剤;殺真菌剤及び殺カビ剤;腐食防止剤;増粘剤及び/又は凝集剤が含まれる。また、本発明の被覆組成物には、非反応性変性樹脂が含有されていてよい。典型的な非反応性変性樹脂には、アクリル酸及びメタクリル酸のホモポリマー及びコポリマー;アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルエステル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、テトラヒドロフルフリル、シクロヘキシル、イソボルニル、n−ヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル及びベンジルアクリレート及びメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー;アクリル化及びメタクリル化ウレタン、エポキシ及びポリエステル樹脂、シリコーンアクリレート、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ニトロセルロースのようなセルロースエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロースエーテルが含まれる。
【0270】
典型的な可塑剤には、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル及びフタル酸ジオクチルのようなフタル酸のアルキルエステル;クエン酸トリエチル及びクエン酸トリブチルのようなクエン酸エステル;トリアセチン及びトリプロピオニン;並びにイーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical Company)からのイーストマン18−04、18−07、18−92及び18−99のようなグリセロールモノエステルが含まれる。追加の添加物の特別の例は、米国ペイント及び被覆協会(National Paint & Coatings Association)、1500 Rhode Island Avenue, N.W.、ワシントン・ディーシー(Washington, D.C.)20005により刊行された、「原材料インデックス(Raw Materials Index)」に記載されている。
【0271】
本発明の第九態様は、その中に共重合された1種又はそれ以上の前記の色素化合物を有する、1種又はそれ以上のアクリル酸エステル、1種又はそれ以上のメタクリル酸エステル及び/又は他の重合性ビニル化合物のポリマーからなるポリマー組成物、典型的に、ポリマー皮膜に関する。本発明によって提供される着色したポリマー組成物は、前記の被覆組成物から製造することができ、典型的に、組成物又は皮膜の重量基準で、約0.005〜30.0重量%、好ましくは約05〜15.0重量%の、1種又はそれ以上の本明細書に記載したビニル色素化合物の反応性又は重合した残基を含有する。この新規なポリマー皮膜は、約2.5〜150ミクロン、更に典型的に約15〜65ミクロンの厚さを有する。
【0272】
本発明のポリマー皮膜は、典型的に、ASTM手順D−3732を使用して、少なくとも100MEKダブルラブの耐溶媒性、好ましくは少なくとも約200ダブルラブの耐溶媒性を有する。また、このような皮膜は、典型的に、ASTM手順D−3363を使用して、F以上の鉛筆硬度、好ましくは、H以上の鉛筆硬度を有する。被覆組成物は、一般的な被覆装置で支持体に適用することができる。次いで、被覆された支持体を、空気中又は窒素中で、硬化した仕上げを与える紫外光のような放射線に露光する。硬化工程のために、水銀蒸気又はキセノンランプを適用することができる。また、本発明の皮膜は、電子ビームによって硬化させることもできる。
【0273】
本発明の放射線硬化性被覆組成物は、アルミニウム及びスチールのような金属、プラスチックス、ガラス、木材、紙及び皮革のような支持体のための接着剤及び被覆として適している。木材支持体上で、この被覆組成物は、全体的透明色及び木目描写の両方を与えることができる。それによって、種々の審美的に魅力的な効果を達成することができる。減少した木目隆起及びより大きいフィルム厚さのために、一般的なステインではなくて本発明の着色した被覆組成物を使用するとき、仕上げ木材皮膜を製造する際の多数の必要な研磨工程を減少させることができる。本発明の範囲内の被覆組成物は、自動車下塗りに適用することができ、その場合これらは、下塗りと組み合わせて種々の審美的に魅力的な効果及び見る角度に依存する色相違(より低い角度は、より長い路長を作り、それでより高い観察色強度を作る)を与えることができる。これは、現在、下塗り中の金属フレーク配向で達成されているものと同様のスタイリング効果を与えることができる。
【0274】
完成製品での或る所望の特性を得るために、種々の追加の顔料、可塑剤及び安定剤を含有させることができる。これらは本発明の範囲内に含まれる。
【0275】
被覆、硬化及び試験手順
配合物のサンプルを使用して、ナイフ刃を使用してガラス板を被覆した。湿潤フィルム厚さは、約15〜75ミクロン(0.6〜3.0ミル)であった。溶媒を蒸発させて、透明で幾らか粘着性のフィルムを得た。UV放射線に露光する前に、各フィルムは有機溶媒中に容易に可溶性であった。
【0276】
ガラス板上の乾燥したフィルムを、アメリカン・ウルトラバイオレット社(American Ultraviolet Company)装置内に収容された200ワット/インチ中圧水銀蒸気ランプからのUV放射線に、25フィート/分のベルト速度を使用して露光させた。ランプ下での1〜5回通過で、最大硬度及び耐溶媒性を有する架橋皮膜になった。
【0277】
各硬化被覆(フィルム)は、UV放射線への露光の前及び後での、コニッヒ(Konig)振子硬度(ASTM D4366 DIN 1522)、メチルエチルケトンダブルラブ試験による耐溶媒性及びアセトン中の溶解度について評価することができる。未被覆ガラス上でのコニッヒ振子硬度についての減衰時間は250秒である。100秒以上の硬度を有する被覆が、一般的に硬い被覆と考えられる。メチルエチルケトン(MEK)ダブルラブ試験は、ASTM手順D−3732に従って、寒冷紗の片をメチルエチルケトンで飽和し、適度な圧力で、被覆を前後に擦ることによって実施する。被覆が除去されるまで、ダブルラブの数をカウントする。アセトン溶解度試験は、硬化したフィルムの乾燥し予め秤量したサンプルを、アセトン中に48時間25℃で浸漬することによって実施する。フィルムを取り出し、強制空気オーブン内で60℃で16時間乾燥させ、再び秤量する。残留する不溶性フィルムの重量%を、データから計算する。
【0278】
被覆実施例
本発明により提供される被覆及び被覆組成物並びにその製造を、下記の実施例によって更に示す。
【0279】
例217
0.5gの例7の黄色色素を、20gのジェガルックス(Jagalux)UV1500ポリエステルアクリレート、10gのビスフェノールAエポキシアクリレート、9gのジプロピレングリコールアクリレート(DPGDA)、7gのトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)及び4gのダロキュア1173光開始剤からなる被覆組成物と、小型カウルス(Cowles)ミキサーを使用して、成分が完全に分散されるまで十分に混合することによって、着色した光重合性組成物を製造した。1%の黄色色素を含有する得られた被覆組成物を、ワイヤー巻き付けロッドで引き落として、オーク木材パネルの上に25.4ミクロン(1ミル)厚さの皮膜を得た。このパネルを、UV硬化機に、6.1メートル/分(20フィート/分)の速度で、118.1ワット/cm(300ワット/インチ)の強度を有するランプを使用して通過させた。同じ被覆溶液をガラスパネルに適用し、同じ露光の条件下で硬化させた。コニッヒ振子硬度測定(ASTM D4366 DIN 1522)を、被覆したガラスパネルで実施し、染料の含有に起因する硬度の顕著な低下は示されなかった。硬度は、重合性色素を含有していない参照被覆についての82秒と比較して、86コニッヒ秒であった。皮膜のオーク木材パネルへの接着は、ASTM方法D3359(ISO2409)に従った碁盤目接着方法を使用して測定した。支持体に侵入し、正方形の各辺が1mmの寸法である25個の正方形を作る、直角格子パターン(各方向に6本の線)を皮膜の中に切断した。2.5cm(1インチ)幅のテープの片を、格子に適用し、圧力を適用し、次いでテープを支持体から引っ張る。縁が滑らかで、正方形の何れも分離しない場合、接着は100%(ASTM等級5B)である。この木材パネル上で、5B等級が、参照及び色素含有被覆の両方について達成された。耐薬品性は、ガラス上でMEKダブルラブで試験した。重合性色素を含有していない参照及び重合性色素を含有する皮膜の両方が、300以上のMEKラブに耐えた。MEKラブ試験の白色寒冷紗上に色素の色は観察されなかった。これは、色素が、溶媒により皮膜から抽出できないことの指標であり、硬化フィルムのポリマーマトリックスの中への色素の完全な含有を示している。
【0280】
例218
0.5gの例8bの赤色色素を、20gのジェガルックスUV1500ポリエステルアクリレート、10gのビスフェノールAエポキシアクリレート、9gのジプロピレングリコールアクリレート(DPGDA)、7gのトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)及び4gのダロキュア1173光開始剤からなる被覆組成物と、小型カウルスミキサーを使用して、成分が完全に分散されるまで十分に混合することによって、着色した光重合性組成物を製造した。1%の赤色色素を含有する得られた被覆組成物を、ワイヤー巻き付けロッドで引き落として、オーク木材パネルの上に25.4ミクロン(1ミル)厚さの被覆を得た。このパネルを、UV硬化機に、6.1メートル/分(20フィート/分)の速度で、118.1ワット/cm(300ワット/インチ)の強度を有するランプを使用して通過させた。同じ被覆溶液をガラスパネルに適用し、同じ露光の条件下で硬化させた。コニッヒ振子硬度測定を、被覆したガラスパネルで実施し、色素の含有に起因する硬度の顕著な低下は示されなかった。硬度は、重合性色素を含有していない参照被覆についての82秒と比較して、76コニッヒ秒であった。
Claims (20)
- 式I及びII:
を有する光重合性着色剤化合物。 - Aがアントラキノン、アントラピリドン、アントラピリジン、アントラピリミジン、アントラピリミドン、イソチアゾロアントロン、アゾ、ビス−アゾ、メチン、ビス−メチン、クマリン、3−アリール−2,5−ジオキシピロリン、3−アリール−5−ジシアノメチレン−2−オキシピロリン、ペリノン、キノフタロン、フタロシアニン、金属フタロシアニン、ニトロアリールアミン及び2,5−ジアリールアミノテレフタル酸エステル残基から選択された発色団の一価、二価、三価又は四価残基を表す請求項1に記載の光重合性着色剤化合物。
- X及びYが、それぞれ、−CH2CH2OQ、−CH2CH(CH3)OQ、−(CH2CH2O)1−2−CH2CH2OQ、−CH2C(CH3)2CH2OQ及び−CH2−C6H10−CH2OQから選択され、そしてAが、アントラキノン、アントラピリドン若しくはアントラピリジン残基又は2,5−ジアリールアミノテレフタレート発色団残基である請求項2に記載の光重合性着色剤化合物。
- Qが−COCH=CH2又は−COC(CH3)=CH2である請求項2に記載の光重合性着色剤化合物。
- Xが、−CH2−C6H4−4−C(R2)=CH2(式中、R2は水素又はメチルである)及び−R1−O−Q(式中、R1は、−(CH2)2−4−、−CH2CH(CH3)−、−CH2C(CH3)2CH2−、−(CH2CH2O−)1−2CH2CH2−、−CH2CH(OH)CH2−及び−CH2−C6H10−4−CH2−から選択され、Qは、−COC(R3)=CH2(式中、R3は水素又はメチルである)又は−CONHC(CH3)2−C6H4−4−C(CH3)=CH2から選択される)から選択される請求項2に記載の光重合性着色剤化合物。
- 式:
で置換されており、R15は水素又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、−NHCOR22、−NHCO2R22及び−NHSO2R23から選択された1個若しくは2個の基から選択され、R22は、水素、C1〜C6アルキル及びアリールから選択され、R23は、C1〜C6アルキル及びアリールから選択され、R22及びR23によって表されるC1〜C6アルキル基は、C1〜C6アルコキシ、アリール、シアノ、ハロゲン、C2〜C6アルカノイルオキシ、−CO2X又は
で置換されていてもよく、R16及びR17は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、シクロヘキシル、アリール;アリール、C1〜C6アルコキシ、シアノ、−OCO−C1〜C6−アルキル、ハロゲン、スクシンイミド、フタルイミド、−CO2X、
を有する、請求項5で定義された光重合性アゾ着色剤化合物。 - 式:
で置換されていてもよく、R16及びR17は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、シクロヘキシル、アリール;アリール、C1〜C6アルコキシ、シアノ、−OCO−C1〜C6−アルキル、ハロゲン、スクシンイミド、フタルイミド、−CO2X、
を有する、請求項5で定義された光重合性メチン着色剤化合物。 - 式:
で置換されていてもよく、R16、R16′及びR17は、独立に、水素、C1〜C6アルキル、シクロヘキシル、アリール;アリール、C1〜C6アルコキシ、シアノ、−OCO−C1〜C6アルキル、ハロゲン、スクシンイミド、フタルイミド、−CO2X、
を有する、請求項5で定義された光重合性3−アリール−2,5−ジオキシピロリン着色剤化合物。 - 式:
を有する、請求項5で定義された光重合性アントラピリドン着色剤化合物。 - 式:
を有する、請求項5で定義された光重合性アントラピリドン着色剤化合物。 - 式:
を有する、請求項5で定義された光重合性アントラピリジン着色剤化合物。 - 式:
を有する、請求項5で定義された光重合性アントラピリジン着色剤化合物。
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