JP2017145220A - 重合性単量体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】(メタ)アクリル基を有する特定の重合性単量体を製造するに際し、該重合性単量体を含む硬化体の水中での保存安定性を高めることができる、重合性単量体の製造方法を提供する。【解決手段】 下記一般式(1)【化1】で示される両末端に(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を製造する方法であって、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを脱水縮合反応させた中間体を使用することを特徴とする重合性単量体の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、重合性単量体の新規な製造方法に関するものである。
(メタ)アクリレート系重合性単量体は、歯科用硬化組成物、例えば、歯科用接着剤といった歯科材料、光学材料、印刷製版、フォトレジスト材料、塗料、接着剤、インク、及び光造形樹脂などの幅広い分野で利用可能である(特許文献1〜4)。特に、機械的強度に優れた硬化物が得られる(メタ)アクリレート系重合性単量体のとしては、ビスフェノールAジグリシジルジ(メタ)アクリレート(以下、Bis−GMAと略す場合もある)(例えば、特許文献2,3参照)、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート(以下、Bis−MPEPPと略す場合もある)(例えば、特許文献2参照)が知られている。また、ビフェニル骨格を有する重合性単量体が知られている(例えば、特許文献4参照)。
一般的にこのような(メタ)アクリレート系重合性単量体は、使用用途に応じて、他の成分と混合した混合組成物として用いられることが多い。その際に、取り扱い性を容易とする観点から、重合性単量体の混合組成物が室温環境下において低粘度であることが有利である。
しかしながら、Bis−GMAは、ビスフェノールA骨格由来の剛直な構造に加えて、分子内の水酸基の存在によって、分子間の水素結合が生じ、混合組成物は、室温環境下において比較的高粘度である。
これに対して、Bis−MPEPPは、分子内に水酸基を有さないことから、分子間での水素結合を形成しないため、比較的低粘度な重合性単量体である。しかしながら、Bis−MPEPPにおいても、用途によっては改善の余地があった。具体的には、重合性単量体は、重合開始剤、無機フィラー等と混合して使用される場合が多い。
歯科用硬化組成物に使用する場合には、重合性単量体、重合開始剤、および無機フィラーを混合して使用することがある。一般的に、無機フィラーは比較的親水的であるため、Bis−MPEPPのような疎水的な重合性単量体とは、相互作用しにくい。そのためBis−MPEPPと無機フィラーを混合した歯科用硬化性組成物は粘度が増加する場合があり、改善の余地があった。
上記の課題を解決するため、機械的強度を維持したまま、水酸基などを有さず、かつ比較的親水的な重合性単量体として、下記一般式(6)に示す化合物が開発されている(例えば、特許文献4参照)。
Figure 2017145220
前記一般式(6)に示す重合性単量体は、ビフェニル骨格を有しており、Bis−GMAおよびBis−MPEPPと同様に高い機械的強度を有している。また、分子内に水酸基を有さないため、分子間の水素結合の形成がなく、重合性単量体の混合組成物の高粘度化を抑制している。一方で、ベンゾエート骨格(エステル基)を有している効果でBis−MPEPPと比較して親水的であり、無機フィラーと混合して歯科用硬化組成物とした際の粘度上昇も抑えられるといった特徴を有している。
前記一般式(6)に示されるようなベンゾエート型の重合性単量体の合成例として、以下の合成法(1)が示されている。
Figure 2017145220
合成法(1)では、ジカルボン酸と塩化チオニル(SOCl)などの塩素化試薬を反応させて、カルボン酸クロライド体を合成し、続いてカルボン酸クロライドとヒドロキシアルキルメタクリレートをトリエチルアミン(EtN)のような塩基性条件下、反応させる方法を用いている。
特表2008−534256 特開2007−126417 特開平9−157124 特開平5−170705
しかしながら、本発明者等の検討によれば、合成法(1)にて合成した一般式(6)の重合性単量体を用いた歯科用硬化組成物の硬化体を水中で保存した場合に、その硬化体の強度が低下する場合があることが分かった。このような原因は明らかではないが、以下のように推定している。すなわち、合成法(1)では、下記一般式(7)で示される化合物が副生することが原因のひとつではないかと予測している。
Figure 2017145220
一般式(7)において、rは1以上である。
前記一般式(7)で示される化合物は、前記一般式(6)の重合性単量体におけるジフェニル骨格が酸無水物結合によって、r個結合している化合物である。前記一般式(7)で示される化合物は、対応するジカルボン酸化合物から酸クロライドを合成することによって生成する。前記一般式(7)で示される化合物は、下記に示す反応機構によって生成していると考えられる。つまり、ジカルボン酸化合物を塩化スルホニルによって、酸クロライドにする際に、得られた酸クロライドと未反応のカルボン酸が反応することによって、酸無水物構造有する多置換体の酸クロライドを与える。この多置換の酸クロライドとヒドロキシアルキルメタクリレートとが反応することで、前記一般式(7)で示される化合物を与えるものと考えられる。
Figure 2017145220
前記一般式(7)で示される化合物は、前記一般式(6)で示される化合物と類似した構造であるため、簡便に除去することが困難であり、ベンゾエート型の重合性単量体と共存するものと考えられる。そして、前記一般式(7)で示される化合物において、酸無水物構造となっている部分は、下記の機構によって容易に加水分解されるためと考えられる(下記機構中のn1、n2は任意の整数)。
Figure 2017145220
以上のような機構で、前記一般式(7)で示される化合物を含有する重合性単量体の硬化体は、水中での保存後にその強度が低くなる傾向があるものと考えられる。
したがって、本発明は、低粘度かつ親疎水性のバランスに優れたベンゾエート型の重合性単量体の製造方法として、高収率、高純度で、かつ重合性単量体を硬化体とした際に、機械的強度の低下につながるような副生成物を低減できる重合性単量体の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った。そして、塩化チオニル等を使用してカルボン酸クロライド体を利用しないで製造する方法を検討した。その結果、得られる重合性単量体の純度を向上でき、特に、硬化体の機械的物性の低減を抑制できる重合性単量体の製造方法として、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを脱水縮合反応させればよいことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
下記一般式(1)
Figure 2017145220
(式中、
Xは、2価の基であり、
mは、0又は1であり、
nは、0〜3の範囲から選択される数であり、
oは、1〜10の範囲から選択される数であり。
Ar、およびArは、それぞれ、2価の芳香族基であり、該芳香族基は置換基を有していてもよく、
は、炭素数2〜50の2価の炭化水素基、又は該炭化水素基の炭素原子の一部がヘテロ原子に置き換わった2価の基であり、
、およびRは、それぞれ、水素原子、又はメチル基である。)で示される重合性単量体の製造方法であって、
下記一般式(2)
Figure 2017145220
(式中、X、m、n、Ar、およびArは、前記一般式(1)におけるものと同義である。)で示されるジカルボン酸化合物と、
下記一般式(3)
Figure 2017145220
(式中、Lは、前記一般式(1)におけるものと同義である。)で示されるジオール化合物とを脱水縮合反応させた後に、得られた化合物の両末端に(メタ)アクリル基を導入することを特徴とする製造方法である。
本発明の方法は、特定の重合性単量体(前記一般式(1)で示される重合性単量体)を製造するに際し、先ず、出発原料のジカルボン酸化合物とジオール化合物を脱水縮合反応によって、ベンゾエートアルコール体を合成する。続いて、得られたベンゾエートアルコール体を(メタ)アクリル化する手法である。この方法で得られた前記一般式(1)で示される重合性単量体は、高収率、高純度で得られ、硬化体を低下させる要因となる化合物を低減できる手法である。これにより、本発明によって得られる前記一般式(1)で示される重合性単量体(以下、単に「ベンゾエート型の重合性単量体」とする場合もある)は、合成法(1)によって得られるベンゾエート型の重合性単量体と比較して、高収率で得られることが多く、その硬化体の強度が低下しにくい。
本発明の製造方法において、製造する重合性単量体は、下記一般式(1)
Figure 2017145220
(式中、
Xは、2価の基であり、
mは、0又は1であり、
nは、0〜3の範囲から選択される数であり、
oは、1〜10の範囲から選択される数であり、
Ar、およびArは、それぞれ、2価の芳香族基であり、該芳香族基は置換基を有していてもよく、
は、炭素数2〜50の2価の炭化水素基、又は該炭化水素基の炭素原子の一部がヘテロ原子に置き換わった2価の基であり、
、およびRは、それぞれ、水素原子、又はメチル基である。)で示される重合性単量体である。本発明の前記一般式(1)で示される重合性単量体を製造する場合に、特に優れた効果を発揮する。
以下、本発明について、順を追って説明する。先ず、前記一般式(1)で示される重合性単量体について説明する。
(一般式(1)で示される重合性単量体)
前記一般式(1)で示される重合性単量体において、
Xは、2価の基である。ただし、mが0の場合は、ArとArとが直接接合した構造となり、Xが存在しない状態となる。mが1の場合にのみ、基Xが存在することになる。好適な基Xは、ArとArとを架橋する主鎖を構成する原子数が1〜3の2価の基であり、好ましくは主鎖を構成する原子数が1であり、該原子は置換基を有していてもよい。具体的には、基Xは、−O−、−S−、−SO−、−CH−、メチレン基の水素原子がアルキル基で置換された2価の基、メチレン基の2個の水素原子が置換されて炭化水素環を形成する2価の基、アミド結合となる2価の基が挙げられる。より具体的に好適な基Xを例示すると、下記構造式X−1〜X−10が挙げられる。
Figure 2017145220
前記一般式(1)で示される重合性単量体において、
Ar、およびArは、それぞれ、2価の芳香族基であり、該芳香族基は置換基を有していてもよい基である。置換基を有さない2価の芳香族基としては、具体的に下記構造式Ar−a1〜Ar−a4が挙げられる。
Figure 2017145220
なお、前記構造式中、2つの結合手は、芳香族基Ar、Arを構成するベンゼン環の任意の炭素に設けることができる。例えば、構造式Ar1−a1であれば、2本の結合手は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれかに設けることができる。
Ar、およびArは、置換基を有していてもよい。この場合、芳香族基Ar、Arを構成するベンゼン環の水素原子を他の置換基に置き換えたものである。芳香族基Ar、Arの置換基としては、特に限定されず、置換基を構成する原子数が1〜60の範囲内のものを適宜選択できる。具体的には、炭素数1〜20の炭化水素基、−COOR、−OR、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基などを挙げることができる。なお、Rは、直鎖状または分岐状の炭素数1〜5のアルキル基、シクロヘキシル基等の脂環炭化水素基、フェニル基、1価のフランなどの複素環基などを挙げることができる。なお、芳香族基Ar、Arの置換基は、上記のように特に制限されるものではないが、反応性基、例えば、(メタ)アクリル基でないものが好ましい。
nは、0〜3の範囲から選択される数である。ここでn=0の場合は、Arの2つの結合手は、エステル結合の炭素と結合する。また、n=1、m=0の場合は、ArとArと直接結合してAr−Arなる構造を形成するとともに、残りの結合手は、エステル結合の炭素と結合する。nが2〜3の場合には、[−(X)m−Ar−]の単位が繰り返し存在することとなる(ただし、m=0の場合には、基Xは存在しない。)。
前記一般式(1)中、Lは、炭素数2〜50の2価の炭化水素基、又は該炭化水素基の炭素原子の一部がヘテロ原子に置き換わった2価の基である。このヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子などが挙げられる。具体例としては、下記構造式L−b1〜L−b9を挙げることができる。
Figure 2017145220
なお、L−b1〜L−b9において、*の付された結合手は、分子中心部のベンゾエート構造を構成するエステル結合の酸素原子に結合する結合手を意味する。また、a、b、c、dは、それぞれ繰り返し単位を示し、a=1〜49であり、b=1〜16であり、c=1〜11であり、d=1〜10であり、e=1〜9である。中でも、L−b1であることが好ましく、a=1〜10であることが好ましく、a=1〜4であることがより好ましい。
前記一般式(1)において、oは、1〜10の範囲から選択される数である。oは、
−(CO−Ar−((X)−Ar−CO−O−L)−の繰り返しを示すものである。1つの分子においては、oは整数となるが、通常、前記一般式(1)で示される重合性単量体は、oの値が異なる分子の混合物として得られる。そのため、混合物の場合には、oは平均値で表わす場合もある。なお、得られる硬化体が優れた効果を発揮するためには、1分子のo、及び混合物の平均値のo共に、1〜10の範囲を満足することが好ましい。
、およびRは、それぞれ、水素原子、又はメチル基である。
本発明は、前記一般式(1)で示される重合性単量体を製造する方法である。次に、原料化合物について説明する。
(ジカルボン酸化合物)
本発明においては、
下記一般式(2)
Figure 2017145220
(式中、X、m、n、Ar、およびArは、前記一般式(1)におけるものと同義である。)で示されるジカルボン酸化合物と、下記に詳述するジオール化合物とを反応させる。なお、前記一般式(2)において、X、m、n、Ar、およびArは、前記一般式(1)で説明したものと同じであり、当然のことながら、好ましい基、数も前記一般式(1)で説明したものと同じである。このジカルボン酸化合物の中でも、本発明の方法が好適に適用できるものとしては、下記一般式(4)
Figure 2017145220
(式中、X、およびmは、前記一般式(2)におけるものと同義である。)で示されるジカルボン酸化合物である。このジカルボン酸化合物を使用することにより、得られる硬化体の性能が向上するだけでなく、本発明の効果が発揮され易いものとなる。
(ジオール化合物)
本発明において、前記一般式(2)で示されるジカルボン酸化合物と反応させるジオール化合物は、下記一般式(3)
Figure 2017145220
(式中、Lは、前記一般式(1)におけるものと同義である。)で示されるジオール化合物である。なお、前記一般式(3)において、Lは、前記一般式(1)で説明したものと同じであり、当然のことながら、好ましい基、数も前記一般式(1)で説明したものと同じである。
ジオール化合物を具体的に例示すると、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の直鎖のジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールなどの枝分かれ構造を有するジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、デカエチレングリコール、ウンデカエチレングリコール、ドデカエチレンジオール、ブタンデカエチレングリコール、ペンタンデカエチレングリコール、チオグリコールなど分子内にエーテル結合もしくはチオエーテル結合を有するジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメタノールなどの環状構造を有するジオールを挙げることができる。
このジオール化合物の中でも、本発明の方法が好適に適用できるものとしては、
下記一般式(5)
Figure 2017145220
(式中、pは1〜10の範囲から選択される整数である。)で示されるジオール化合物が特に好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1.9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが挙げられる。さらには、pが1〜4であることが好ましく、具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールが挙げられ、特に、pが2である1,3−プロパンジオールが好ましい。
次に、前記一般式(2)で示されるジカルボン酸化合物と前記一般式(3)で示されるジオール化合物とを脱水縮合反応について説明する。
(ステップ1;ジカルボン酸化合物とジオール化合物との反応(中間体の製造) )
本発明においては、先ず、前記一般式(2)で示されるジカルボン酸化合物と前記一般式(3)で示されるジオール化合物とを脱水縮合反応を行う。この反応は、一般的に下記反応式に従って行われる。
Figure 2017145220
前記反応式(合成法 ステップ1)において、X、m、n、o、Ar、Ar、Lは、前記一般式(1)におけるものと同義である。当然、好ましい基、数も前記一般式(1)で示される重合性単量体で説明したものと同じである。oについては、反応させるジカルボン酸化合物、及びジオール化合物のモル比(反応条件)によって決定される。
(原料化合物のモル比)
本発明において、反応に用いる前記一般式(3)で示されるジオール化合物(以下、単にジオール化合物とする場合もある)は、前記一般式(2)で示されるジカルボン酸化合物(以下、単にジカルボン酸化合物とする場合もある)に対して、2〜50当量(ジカルボン酸化合物1モルに対して、2〜50モルのジオール化合物を使用する)の範囲で用いることができる。ここで用いるジオール化合物の当量数によって前記一般式(1)におけるoの値を調整することができる。用いるジオール化合物の当量数が多くなるにつれて、oの値が小さくなる。そのため、用いるジオール化合物の当量数は、ジカルボン酸に対して、5当量〜50当量が好ましく、さらに好ましくは10当量〜50当量である。
(脱水縮合反応)
また、合成法 ステップ1は、ジカルボン酸化合物とジオール化合物との脱水縮合反応であるが、この反応には、公知の方法が採用できる。具体的には、触媒として脱水縮合剤を用いたエステル化反応、または酸触媒による脱水縮合反応を採用することができる。
(反応触媒;脱水縮合剤)
本発明において、前記脱水縮合剤は、公知のものを使用することができる。具体的には、ジシクロヘキシルカルボンジイミド(以下、「DCC」とする場合もある)、ジフェニルリン酸アジド(以下、「DPPA」とする場合もある)、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(以下、「Py−BOP」とする場合もある)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(以下、「BOP」とする場合もある)、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(以下、「PyBroP」とする場合もある)、ジフェニルリン酸ジアジド(以下、「DPPA」とする場合もある)、4−(4,6−ジメトキシー1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(以下、「DMT−MM」とする場合もある)、1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(以下、「EDC」とする場合もある)、ジイソプロピルカルボジイミド(以下、「DIC」とする場合もある)、ヘキサフルオロりん酸−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N‘,N’−テトラメチルウロニウム(以下、「HATU」とする場合もある){{{(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アミノ}オキシ}−4−モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロりん酸塩(以下、「COMU」とする場合もある)、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(以下、「MNBA」とする場合もある)などが挙げられる。
(反応触媒;酸触媒)
本発明において、前記酸触媒は、p−トルエンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、2−メシチルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、5−ジメチルアミノ−ナフタレンスルホン酸、8−アニリノ−1ナフタレンスルホン酸、1,5‐ナフタレンジスルホン酸、6−ジメチル−アミノ−4ヒドロキシ−2−ナフタレン−スルホン酸、フラビアン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2−シクロヘキシルアミノエタンスルホン酸、3−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、硫酸、などを用いることができる。中でも、好ましくはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、10−カンファースルホン酸であり、さらに好ましくはp−トルエンスルホン酸である。
なお、本発明においては、前記脱水縮合剤を使用する反応、前記酸触媒を使用する反応のどちらを採用することもできるが、脱水縮合剤を用いる場合、化学両論量の脱水縮合剤が必要になり、また脱水縮合剤は一般的に反応終了後に多量の副生成物を与える。一方で、酸触媒による脱水縮合は、触媒量の酸のみを必要とし、また反応後に水洗によって容易に除去ができる。そのため、酸触媒を使用する反応がより好ましい。
(反応触媒の使用量)
以下、脱水縮合剤、及び酸触媒を使用する他の反応条件は同じ条件であることが好ましいため、両者をまとめて、単に反応触媒とする場合もある。本発明の合成法 ステップ1において、反応触媒の当量数は、ジオール化合物に対して、0.01〜5.0当量の範囲で用いることが好ましく、より反応を促進させるために0.05〜5.0当量の範囲が好ましく、さらに0.1〜5.0当量の範囲が好ましい。
(反応溶媒;有機溶媒)
合成法 ステップ1においては、有機溶媒を使用しなくても反応できる場合には、有機溶媒を使用せずに反応させることが好ましい。ただし、反応に用いるジオール化合物が固体である場合等、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。有機溶媒を用いる場合は、原料化合物等に影響を与えないものであれば、特に制限されるものではない。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール等のアルコール類;ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグリム、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などから選ぶことができる。また好ましくはトルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンであり、さらに好ましくはトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンである。
(混合方法)
本発明において、合成法 ステップ1においては、原料のジカルボン酸化合物、ジオール化合物、及び必要応じて配合される反応触媒を混合する方法は、特に制限されないが、ジオール化合物とジカルボン酸化合物を混合した後に、反応触媒を加えるのが好ましい。また、有機溶媒を用いる場合も、特に混合する方法は制限されないが、有機溶媒でジオール化合物および原料のジカルボン酸を希釈した後に、反応触媒を加えるのが好ましく、有機溶媒に対する原料のジカルボン酸の濃度は、0.0001mol/L以上が好ましく、0.001mol/L以上がより好ましく、0.01mol/Lがさらに好ましい。
(反応温度、反応時間)
また、反応温度は特に制限されないが、60℃〜200℃の範囲が好ましく、またより好ましくは100℃〜150℃の範囲である。反応時間は、原料化合物の消費状態を確認して、原料化合物が十分に使用される時間を適宜採用すればよい。
(脱水条件)
本発明において、合成法 ステップ1の反応は、原料のカルボン酸化合物とジオール化合物と脱水縮合反応であるため、反応によって副生する水を除去することによって、反応を促進させることが好ましい。水の除去の方法としては、減圧条件での分留を用いることができ、その場合系中の減圧度は、0.1mmHg〜50mmHgの範囲が好ましい。
また、副生する水は、反応溶媒との共沸によって除去しても良く、その場合水と共沸する溶媒を用いる必要性がある。
(反応後の操作)
ステップ1の反応後の操作としては、残留するジオールを除去する操作として、水洗を行ってもよく、また蒸留によって除去しても良い。水洗によって除去する場合、前記反応溶媒として例示した有機溶媒の中の難水溶性の有機溶媒に、得られた中間体を含む反応混合物を溶解して、水洗を行えばよい。水洗の回数は少なくとも1回以上行う必要性があり、2回以上がより好ましく、3回以上がさらに好ましい。
また、蒸留によってジオール化合物を除去する際は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基を、加えた反応触媒と等モルを加えて蒸留することが好ましい。また、蒸留時の温度は、30℃〜250℃が好ましく、50℃以上200℃以下がより好ましく、80℃以上200℃以下がさらに好ましい。また、必要に応じて、減圧しても良く、減圧度は、0.1mmHg〜500mmHgの範囲が好ましい。また減圧度の上限は100mmHgがより好ましく、さらに好ましくは10mmHg以下で、またさらに好ましくは5mmHg以下である。
次に、本発明においては、上記ステップ1で得られた中間体の両末端の水酸基に(メタ)アクリル基を導入する(この反応を「ステップ2」という場合もある)。次に、このステップ2について説明する。
(ステップ2 中間体に(メタ)アクリル基を導入する方法)
本発明においては、上記ステップ1により、下記一般式
Figure 2017145220
で示される中間体を得た後、得られた中間体の両末端に(メタ)アクリル基を導入する。
前記中間体において、X、m、n、o、Ar、Ar、Lは、前記一般式(1)におけうものと同義である。当然、好ましい基、数も前記一般式(1)で示される重合性単量体で説明したものと同じである。
本発明において、ステップ2は、前記中間体の両末端の水酸基に(メタ)アクリル基を導入する方法であるが、以下の3つの方法が挙げられる。先ず、(メタ)アクリル酸と中間体との脱水縮合反応(ステップ2−1)、(メタ)アクリル酸無水物との反応(ステップ2−2)、(メタ)アクリル酸クロライドとの反応(ステップ2−3)のいずれかを用いることができる。
(ステップ2−1;(メタ)アクリル酸との脱水縮合反応)
先ず、ステップ2−1について説明する。ステップ2−1は以下の反応が行われる。
Figure 2017145220
ステップ2−1のメタクリル酸との脱水縮合反応は、ステップ1によって合成された中間体と(メタ)アクリル酸との脱水縮合反応によって一般式(3)に示される重合性単量体を製造する方法である。
((メタ)アクリル酸の使用量)
ここで用いる(メタ)アクリル酸の当量数は、得られた中間体に対して2当量以上40当量以下(中間体1モルに対して、2〜40モルのジカルボン酸化合物を使用する)を用いることができる。より好ましくは、4当量以上50当量以下であり、さらに好ましくは8当量以上40当量以下である。なお、中間体は、oの値が異なる混合物である場合には、oの平均値を使用して中間体の分子量を求め、当量を計算すればよい。
(脱水縮合反応条件)
ステップ2−1は、中間体と(メタ)アクリル酸との脱水縮合反応であるが、この反応には、公知の方法が採用できる。具体的には、触媒として脱水縮合剤を用いたエステル化反応、または酸触媒による脱水縮合反応を採用することができる。
(反応触媒;脱水縮合剤・酸触媒)
ステップ2において、使用できる脱水縮合剤、及び酸触媒は、前記ステップ1で例示した反応触媒を挙げることができる。好ましい反応触媒も、ステップ1で例示したものと同じである。なお、このステップ2−1においても、後工程の処理のし易さを考慮すると、酸触媒を使用することが好ましい。
(反応溶媒;有機溶媒)
ステップ2−1においては、有機溶媒を使用しなくても反応できる場合には、有機溶媒を使用せずに反応させることが好ましい。ただし、反応に用いる中間体が固体である場合等、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。使用できる有機溶媒は、前記ステップ1で説明した有機溶媒が挙げられる。
(混合方法)
本発明において、合成法 ステップ2−1においては、中間体と(メタ)アクリル酸、反応触媒の混合する方法は、特に制限されないが、中間体と(メタ)アクリル酸を混合した後に、反応触媒を加えるのが好ましい。また、有機溶媒を用いる場合も、特に混合する方法は制限されないが、有機溶媒で中間体と(メタ)アクリル酸を希釈した後に、反応触媒を加えるのが好ましく、有機溶媒に対する原料のジカルボン酸の濃度は、0.0001mol/L以上が好ましく、0.001mol/L以上がより好ましく、0.01mol/Lがさらに好ましい。
(反応温度、反応時間)
また、反応温度は40℃〜110℃の範囲が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましく、80℃以上100℃以下がさらに好ましい。反応時間は、原料化合物の消費状態を確認して、原料化合物が十分に使用される時間を適宜採用すればよい。
(脱水条件)
ステップ2−1の反応は、脱水縮合反応であるため、反応によって副生する水を除去することによって、反応を促進させても良い。水の除去の方法としては、減圧条件での分留を用いることができ、その場合系中の減圧度は、0.1mmHg〜50mmHgの範囲が好ましい。また、副生する水は、反応溶媒との共沸によって除去しても良く、その場合水と共沸する溶媒を用いる必要性がある。
(反応後の操作)
反応の後処理は、残留する(メタ)アクリル酸を塩基洗浄によって除去することが好ましい。この際に用いることができる塩基性水溶液は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物などを水に溶解したものを用いるができる。塩基の濃度は0.1wt%〜30wt%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5wt%〜10wt%の範囲である。また、塩基による水洗の回数は1回以上行うのが好ましく、より好ましくは2回以上である。この後、より純度の高い一般式(1)で示される重合性単量体を得るためには、公知の方法、例えば、シリカゲル等によるカラム処理、固体であれば再結晶等の方法により精製してやればよい。
以上のような操作により、一般式(1)で示される重合性単量体を製造できる。
(ステップ2−2;(メタ)アクリル酸無水物との反応)
ステップ2−2について説明する。ステップ2−2は以下の反応が行われる。
Figure 2017145220
((メタ)アクリル酸の使用量)
ステップ2−2の(メタ)アクリル酸無水物との反応による(メタ)アクリル化は、ステップ1で得られた中間体と酸無水物との反応である。(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、中間体に対して2当量以上20当量以下(中間体1モル(oは平均値を使用)に対して、2〜20モルの(メタ)アクリル酸無水物を使用する)であることが好ましい。好ましくは、2当量以上10当量以下、さらに好ましくは2当量以上5当量以下である。
(反応条件)
ステップ2−2においては、中間体と(メタ)アクリル酸無水物とを混合すればよいが、反応の進行を考えると、アミン触媒、ルイス酸等の無水物反応触媒を使用することができる。
(無水物反応触媒;アミン触媒)
ステップ2−2においては、アミンを用いることができる。具体的には、4,4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、イミダゾールなどの芳香族アミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジブチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、メチルジオクチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、ジメチルドデシルアミン、トリドデシルアミン、テトラメチルジアミノメタン、エチルジイソプロピルアミンなどのアルキル3級アミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラエチルプロパンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチル‐1,3‐ブタンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミンなどの3級ジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキサンメチルアミンなどのシクロアルキル3級アミンなどが挙げられる。好ましくは4,4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、イミダゾール、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジブチルアミン、トリブチルアミンである、またさらに好ましくは4,4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンがある。
アミン触媒を使用する場合、アミン触媒の使用量は、中間体に対して0.001当量以上10当量以下(中間体1モル(oは平均値を使用)に対して、0.001〜10モルのアミン触媒を使用する)であることが好ましい。後工程と反応の進行を考慮すると、アミン触媒の使用量は0.1当量以上5当量以下がより好ましく、0.3当量以上3当量以下であることがさらに好ましい。
(無水物反応触媒;ルイス酸触媒)
また、ステップ2−2においては、アミン触媒の代わりに、ルイス酸触媒を用いることもできる。具体的には、例えば、スカンジウム(III)トリフラート、ビスマス(III)トリフラート、ジクロロジオキシドモリブデン(VI)、テトラクロロチタン(IV)、スズ(IV)クロライドなどが挙げられる。
ルイス酸触媒の使用量は、中間体に対して0.001当量以上10当量以下(中間体1モル(oは平均値を使用)に対して、0.001〜10モルのルイス酸触媒を使用する)であることが好ましい。後工程と反応の進行を考慮すると、ルイス酸触媒の使用量は0.1当量以上5当量以下がより好ましく、0.3当量以上3当量以下であることがさらに好ましい。
(反応溶媒(ステップ2−2);有機溶媒)
ステップ2−2においては、有機溶媒を使用しなくても反応できる場合には、有機溶媒を使用せずに反応させることが好ましい。ただし、反応に用いる中間体が固体である場合等、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。使用できる有機溶媒は、前記ステップ1で説明した有機溶媒が挙げられ、その他、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル化合物を使用することもできる。
この中で好ましい反応溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ヘキサン、ヘプタンであり、さらに好ましくはトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタンである。
(混合方法)
合成法 ステップ2−2においては、中間体と(メタ)アクリル酸無水物、触媒の混合する方法は、特に制限されないが、中間体と触媒を混合した後に、(メタ)アクリル酸無水物を加えるのが好ましい。また、有機溶媒を用いる場合も、特に混合する方法は制限されないが、有機溶媒で中間体と触媒を希釈した後に、(メタ)アクリル酸無水物を加えるのが好ましく、有機溶媒に対する中間体の濃度は、0.0001mol/L以上が好ましく、0.001mol/L以上がより好ましく、0.01mol/Lがさらに好ましい。
(反応温度、反応時間)
反応温度は、特に制限されるものではないが、反応時間、純度等を考慮すると、50℃以上100℃以下が好ましく、60℃以上90℃以下がより好ましく、70℃以上80℃以下がさらに好ましい。また、反応時間も、特に制限されるものではなく、上記反応温度範囲であれば、10分〜48時間であることが好ましく、反応収率の観点から1時間以上48時間以下がより好ましく、さらに3時間以上48時間以下であることがさらに好ましい。
(反応後の操作)
反応の後処理は、残留する(メタ)アクリル酸を塩基洗浄によって除去することが好ましい。この際に用いることができる塩基性水溶液は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物などを水に溶解したものを用いるができる。塩基の濃度は0.1wt%〜30wt%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5wt%〜10wt%の範囲である。また、塩基による水洗の回数は1回以上行うのが好ましく、より好ましくは2回以上である。この後、より純度の高い一般式(1)で示される重合性単量体を得るためには、公知の方法、例えば、シリカゲル等によるカラム処理、固体であれば再結晶等の方法により精製してやればよい。
以上のような操作により、一般式(1)で示される重合性単量体を製造できる。
(ステップ2−3;(メタ)アクリル酸クロライドとの反応)
ステップ2−3について説明する。ステップ2−3は以下の反応が行われる。
Figure 2017145220
((メタ)アクリル酸クロライドの使用量)
ステップ2−3の(メタ)アクリル酸クロライドとの反応による(メタ)アクリル化は、ステップ1で得られた中間体と酸クロライドとの反応である。(メタ)アクリル酸クロライドの使用量は、ステップ1で得られた中間体に対して1.5当量以上20当量以下(中間体1モル(oは平均値を使用)に対して、1.5〜20モルの(メタ)アクリル酸クロライドを使用する)であることが好ましい。好ましくは、2.0当量以上10当量以下であり、より好ましくは2.0当量以上5当量以下であり.さらに好ましくは2.0当量以上3.0当量以下である。
(中和剤;アミン)
また、(メタ)アクリル酸クロライドと中間体とが反応した際に、副生する塩化水素を中和することで反応を促進することができるため、ステップ2−3においては、中和剤としてアミンを用いることがより好ましい。用いることができるアミンは、前記ステップ2−2の無水物反応触媒;アミン触媒で説明したアミンと同様のものが使用できる。ただしステップ2−3の中和に使用する好ましいアミンは、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジブチルアミン、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンである。
アミンの使用量は、0.1当量以上10当量以下(中間体1モル(oは平均値を使用)に対して、0.1〜10モルのアミンを使用する)であることが好ましい。より好ましくは1.0当量以上5.0当量以下、さらに好ましくは1.5当量以上5.0当量以下、またさらに好ましくは2.0当量以上3.0当量以下である。
(反応溶媒;有機溶媒)
ステップ2−3においては、有機溶媒を使用しなくても反応できる場合には、有機溶媒を使用せずに反応させることが好ましい。ただし、反応に用いる中間体が固体である場合等、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。使用できる有機溶媒は、前記ステップ2−2で説明した有機溶媒が挙げられる。
この中で好ましい反応溶媒としては、はトルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、塩化メチレン、クロロホルムであり、さらに好ましくはトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、クロロホルムである。
(混合方法)
本発明において、合成法 ステップ2−3においては、中間体と(メタ)アクリル酸クロライド、アミンの混合する方法は、特に制限されないが、中間体とアミンを混合した後に、(メタ)アクリル酸クロライドを加えるのが好ましい。また、有機溶媒を用いる場合も、特に混合する方法は制限されないが、有機溶媒で中間体とアミンを希釈した後に、(メタ)アクリル酸クロライドを加えるのが好ましく、有機溶媒に対する中間体の濃度は、0.0001mol/L以上が好ましく、0.001mol/L以上がより好ましく、0.01mol/Lがさらに好ましい。
(反応温度、反応時間)
反応温度は、特に制限されるものではないが、より副生成物の生成を抑えることを考慮すると、−40℃以上50℃以下が好ましく、−30℃以上30℃以下がより好ましく、−30℃以上20℃以下がさらに好ましい。また、反応時間は特に制限されず、上記反応温度の範囲では、1分以上24時間以下が好ましく、10分以上12時間がより好ましく、30分以上6時間以下がさらに好ましい。
(反応後の操作)
反応の後処理は、残留する塩化水素を塩基洗浄によって除去することが好ましい。この際に用いることができる塩基性水溶液は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物などを水に溶解したものを用いるができ、濃度は0.1wt%〜30wt%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5wt%〜10wt%の範囲である。また、塩基による水洗の回数は1回以上行うのが好ましく、より好ましくは2回以上である。この後、より純度の高い一般式(1)で示される重合性単量体を得るためには、公知の方法、例えば、シリカゲル等によるカラム処理、固体であれば再結晶等の方法により精製してやればよい。
以上のような操作により、一般式(1)で示される重合性単量体を製造できる。
また、反応時にアミンを用いた場合、残留するアミンを酸によって除去することが好ましい。この際に用いることができる酸性水溶液は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、クエン酸などを水に溶解したものを用いるができ、濃度は0.1wt%〜30wt%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5wt%〜10wt%の範囲である。また、酸による水洗の回数は1回以上行うのが好ましく、より好ましくは2回以上である。この後、得られた一般式(1)で示される重合性単量体を再結晶、カラム処理等により精製することもできる。
(好適なステップ2について)
本発明において、中間体に(メタ)アクリル基を導入する方法は、前記2−1、2−2、2−3にいずれを選択してもよい。ただし、ステップ2−3で使用する(メタ)アクリル酸クロライドは空気中の水によって、容易に分解されるため不安定であるため、ステップ2−1、ステップ2−2の方法を採用することが好ましい。
また、ステップ2−1で用いる(メタ)アクリル酸は、安価な原料であり、また反応終了後の水洗工程によって、除去が容易である。そのため、中間体に対して過剰量の(メタ)アクリル酸を用いることができるため、反応効率がよく、より短い反応時間で合成することが可能である。そのため、ステップ2−1の方法が、さらに好ましい。
加えて、ステップ2−2、2−3においては、前記一般式(1)におけるoの値を調整することはできないが、ステップ2−1においては、反応条件を調整することにより、oの値も調製することができる。そのため、製造条件の幅を広がられるという点でステップ2−1は有利となる。
(前記一般式(1)で示される重合性単量体の特性、およびその調製方法について)
本発明によって合成される前記一般式(1)で示される重合性単量体は、o=1〜10の範囲で得られる。この値は合成条件によって、調製可能であり、その値によって、得られてくる重合性単量体の物性をその用途に応じて、コントロールすることが可能である。oの値が大きい程、得られるベンゾエート型モノマーの重合性単量体の屈折率が大きくなる傾向にあり、また分子量の増大に伴って、重合の際の収縮率が小さくなる傾向にある。一方で、oの値が小さい程比較的に低屈折率な重合性単量体を合成できる。
合成方法によるoの値の調整方法としては、合成法 ステップ1において、ジカルボン酸化合物に対するジオール化合物の当量を調整することで調製可能である。また、ステップ2−2、ステップ2−3においては、oの値に変化がないのに対して(ステップ1で得られた値で反応が進行する)、前記の通り、ステップ2−1はさらにoの値を増加させることができる。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらにより何等制限されるものではない。各種の評価方法について説明する。
(重合性単量体の粘度測定)
実施例、参考例、比較例で製造した重合性単量体の粘度は、CSレオメーターを用いて測定した。測定装置としてはコーン/プレートジオメトリ4cm/2°及び温度制御システムを具備した粘弾性測定装置CSレオメーター「CVO120HR」(ボーリン社製)を用いた。そして、測定温度(プレート温度)25℃、ずり速度1rpsの測定条件にて、3回の測定を行い、3回の測定値の平均値を粘度とした。なお、この粘度は、表1に示した純度のものをそのまま測定した。
実施例1:4−DPEHP合成
(ステップ1)
4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル(52.1g、0.2mol)と1,3−プロパンジオール(290ml、4mol)および塩化p−トルエンスルホン酸一水和物(3.44g、0.02mol)をナス型フラスコ内で混合し、オイルバスを用いて120℃で2時間撹拌した。この際、真空ポンプを用いて、生成する水を留去しながら撹拌を行った。反応溶液を室温になるまで静置した後に、トリエチルアミン(2.8ml、0.02mol)を加え、真空ポンプを用いて、未反応の1,3−プロパンジオールを蒸留によって留去することで、中間体(4,4−ビス(3−ヒドロキシプロピオキシカルボニル)ビフェニルエーテルオリゴマー混合物(A))の白色の個体を定量的にHPLC純度97.3%で得た(o=1.25、平均分子量:453)。
Figure 2017145220
(ステップ2−1)
得られた4,4−ビス(3−ヒドロキシプロピオキシカルボニル)ビフェニルエーテルオリゴマー混合物(A)(72.5g)と塩化p−トルエンスルホン酸一水和物(3.44g、0.02mol)、メタクリル酸(330ml、2.0mol)、重合禁止剤としてBHT(700ppm)加え、85℃で8時間撹拌した。放冷によって反応液が室温になった後、トルエン200mlを加え、炭酸カリウム水溶液を用いて3回洗浄、飽和食塩水水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ別した。得られたろ液をロータリーエバポレーターのよって濃縮後、さらに真空乾燥することにより、重合性単量体(略号;4−DPEHP)の液体を収率85%、HPLC純度92.5%で得た(o=1.39、平均分子量:621)。なお得られた4−DPEHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.8H),4.31−4.45(m,9.6H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.06(d,5.6H)8.05(d,5.6H)
以上の測定結果から、実施例1で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例2:4−DPEHPI合成
(ステップ2−2)
実施例1のステップ1で合成した中間体(4,4−ビス(3−ヒドロキシプロピオキシカルボニル)ビフェニルエーテル(A)(72.5g))とメタクリル酸無水物(154g、0.44mol)、4、4−ジメチルアミノピリジン(2.5g、0.02mol)と重合禁止剤としてBHT(700ppm)加え、80℃で8時間撹拌した。放冷によって反応液が室温になった後、トルエン200mlを加え、1規定塩酸水溶液を用いて3回洗浄、5%炭酸カリウム水溶液で3回洗浄、飽和食塩水水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ別した。得られたろ液をロータリーエバポレーターのよって濃縮後、さらに真空乾燥することにより、重合性単量体(略号;4−DPEHPI)の液体を収率85%、HPLC純度90.5%で得た(o=1.25、平均分子量:518)。なお得られた4−DPEHPIのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.5H),4.31−4.45(m,9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.06(d,5H)8.05(d,5H)
以上の測定結果から、実施例2で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。なお、この本化合物は、oの値以外は実施例1の化合物と同じである。
Figure 2017145220
実施例3:4−DPEHPII合成
(ステップ2−3)
実施例1で得られた中間体(4,4−ビス(3−ヒドロキシプロピオキシカルボニル)ビフェニルエーテル(A)(72.5g))の塩化メチレン溶液を氷冷後、メタクリル酸クロライド(46g、0.44mol)、トリエチルアミン(44g、0.44mol)と重合禁止剤としてBHT(700ppm)加え、3時間撹拌した。1規定塩酸水溶液を用いて3回洗浄、5%炭酸カリウム水溶液で3回洗浄、飽和食塩水水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ別した。得られたろ液をロータリーエバポレーターのよって濃縮後、さらに真空乾燥することにより、重合性単量体(4−DPEHPII)の液体を収率85%、HPLC純度91.2%で得た(o=1.25、平均分子量:518)。なお得られた4−DPEHPIIのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.5H),4.31−4.45(m,9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.06(d,5H)8.05(d,5H)
以上の測定結果から、実施例3で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。本化合物は、oの値以外は実施例1の化合物と同じである。
Figure 2017145220
実施例4:4−DPEHE合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、1、2−エタンジオール(220ml、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHE)の黄色の液体を収率83%、HPLC純度91.7%で得た(o=1.53 平均分子量:625)。なお得られた4−DPEHEのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.95(s,6H),4.50−4.60(m,10.1H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.07(d,6.1H)8.05(d,6.1H)
以上の測定結果から、実施例4で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例5:4−DPEHH合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、1、6−ヘキサンジオール(490ml、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHH)の黄色の液体を収率87%、HPLC純度92.9%で得た(o=1.37 平均分子量:721)。なお得られた4−DPEHHのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.93(s,6H),1.51−1.80(m,19H),4.00−4.40(m,9.5H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.5H)8.20(d,5.5H)
以上の測定結果から、実施例5で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例6:4−DPEHD合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、1、10−デカンジオール(697g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHD)の黄色の液体を収率85%、HPLC純度92.2%で得た(o=1.35 平均分子量:865)。なお得られたDPEHDのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),1.51−1.79(m,14.1H),4.09−4.40(m,9.4H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.4H)8.20(d,5.4H)
以上の測定結果から、実施例6で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例7:4−DPEHCy合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、1,4−(ジヒドロキシメチル)シクロヘキサン(570g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHCy)の黄色の液体を収率82%、HPLC純度93.1%で得た(o=1.38 平均分子量:786)。なお、得られた4−DPEHCyのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.20−2.05(m,34.5H),4.11−4.44(m,9.5H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.5H)8.20(d,5.5H)
以上の測定結果から、実施例7で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例8:4−DPEHTD合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、トリシクロデカンジメタノール(785g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHTD)の黄色の液体を収率86%、HPLC純度93.1%で得た(o=1.40 平均分子量:995)。なお、得られた4−DPEHTDのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ0.83−2.60(m,42H),3.82−4.15(m,9.6H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.6H)8.20(d,5.6H)
以上の測定結果から、実施例8で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例9:4−DPEHTG合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、トリエチレングリコール(600g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHTD)の黄色の液体を収率88%、HPLC純度91.7%で得た(o=1.46 平均分子量:830)。なお、得られた4−DPEHTGのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),3.58−3.64(m,19.7H),4.40−4.55(m,9.8H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.8H),8.20(d,5.8H)
以上の測定結果から、実施例9で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例10:4−DPEHES合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、2,2−チオジエタノール(600g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHES)の黄色の液体を収率83%、HPLC純度91.7%で得た(o=1.32 平均分子量:713)。なお、得られたDPEHESのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.56(t,9.3H),4.38−4.59(m,9.3H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.3H),8.20(d,5.3H)
以上の測定結果から、実施例10で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例11:2−BPHE合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、4,4−ビフェニルジカルボン酸48.4g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−BPHE)の黄色の液体を収率86%、HPLC純度93.0%で得た(o=1.41 平均分子量:610)。なお、得られた2−BPHEのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.8H),4.31−4.45(m,9.6H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.61(d,5.6H)8.20(d,5.6H)
以上の測定結果から、実施例11で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例12:2−BPHEI合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、4,4−ビフェニルジカルボン酸48.4g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−2)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例2のステップ2−2と同様の操作を行い、重合性単量体(2−BPHEI)の黄色の液体を収率84%、HPLC純度92.0%で得た(o=1.26 平均分子量:568)。なお、得られた2−BPHEIのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.5H),4.31−4.45(m,9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.61(d,5H)8.20(d,5H)
以上の測定結果から、実施例12で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例13:2−BPHP合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、2,2−ビフェニルジカルボン酸48.4g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(2−BPHP)の黄色の液体を収率90%、HPLC純度94.2%で得た(o=1.45 平均分子量:632)。なお、得られた2−BPHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.9H),4.31−4.45(m,9.8H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.11(d,5.8H)8.15(d,5.8H)
以上の測定結果から、実施例13で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例14:2−BPHPI合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、2,2−ビフェニルジカルボン酸48.4g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−2)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例2のステップ2−2と同様の操作を行い、重合性単量体(2−BPHPI)の黄色の液体を収率93%、HPLC純度93.2%で得た(o=1.28 平均分子量:545)。なお、得られた2−BPHPIのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.6H),4.31−4.45(m,9.1H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.11(d,5.1H)8.15(d,5.1H)
以上の測定結果から、実施例14で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例15:DPSHP合成
(ジカルボン酸化合物の製造)
t−ブタノール400mLおよび水100mLに対して、特開2005−15379号公報に記載の合成方法により合成された4,4−ジホルミルジフェニルスルフィド96.8g(0.4mol)を溶解させた後、リン酸水素ナトリウム水溶液50mL、2―メチル―2ブテン280g(4.0mol)を加え、さらに亜塩素酸ナトリウム72g(0.8mol)を加えることで反応溶液を準備した。次にこの反応溶液を5時間撹拌後、1規定塩酸水溶液を用いて、反応溶液を酸性にすることで、固体を析出させた。続いて、固体が析出した反応溶液を、吸引ろ過後、水を用いて析出した固体を洗浄した。洗浄後得られた固体(化合物)を真空乾燥することにより、4,4−ジカルボキシジフェニルスルフィド91.0g(収率83%)を得た。
(ステップ1)
続いて、実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、上記の4,4−ジカルボキシジフェニルスルフィド54.9g(0.2mol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPSHP)の黄色の液体を収率81%、HPLC純度89.7%で得た(o=1.52 平均分子量:690)。なお、得られたDPSHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,5.0H),4.31−4.45(m,10.1H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.34(d,6.1H)7.89(d,6.1H)
以上の測定結果から、実施例15で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例16:DPSOHP合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、4,4−ジカルボキシジフェニルスルフォン61.3g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPSOHP)の黄色の液体を収率78%、HPLC純度90.0%で得た(o=1.22 平均分子量:635)。なお、得られたDPSOHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.4H),4.31−4.45(m,8.9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),8.05(d,4.9H)8.20(d,4.9H)
以上の測定結果から、実施例16で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例17:DPFHP合成
(ジカルボン酸化合物の製造)
t−ブタノール400mLおよび水100mLに対して、特開2005−15379号公報に記載の合成方法により合成された4,4−ジホルミルジフェニルメタン89.6g(0.4mol)を溶解させた後、リン酸水素ナトリウム水溶液50mL、2―メチル―2ブテン280g(4.0mol)加え、さらに亜塩素酸ナトリウム72g(0.8mol)を加えることで反応溶液を準備した。次にこの反応溶液を5時間撹拌後、1規定塩酸水溶液を用いて、反応溶液を酸性にすることで、固体を析出させた。続いて、固体が析出した反応溶液を、吸引ろ過後、水を用いて析出した固体を洗浄した。洗浄後得られた固体(化合物)を真空乾燥することにより、4,4−ジカルボキシジフェニルメタン79.6g(収率78%)を得た。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、上記方法で製造した4,4−ジカルボキシジフェニルメタン51.3g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPFHPの黄色の液体を収率86%、HPLC純度94.0%で得た(o=1.36 平均分子量:615)。なお、得られたDPFHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.7H),4.31−4.45(m,9.4H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.20(d,5.4H)7.87(d,5.4H)
以上の測定結果から、実施例17で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例18:DPAHP合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、英国特許GB753384に記載の合成方法により合成された2,2−ビス(4−カルボキシフェニルフェニル)プロパン56.8g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPAHP)の黄色の液体を収率88%、HPLC純度94.0%で得た(o=1.48 平均分子量:692)。なお、得られたDPAHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.65(s,8.9H)1.94(s,6H),2.17(quin,5.0H),4.31−4.45(m,9.9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.23(d,5.9H)7.87(d,5.9H)
以上の測定結果から、実施例18で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例19:DPALHP合成
(ジカルボン酸化合物の製造)
t−ブタノール400mLおよび水100mLに、特許第2076603号に記載の合成方法により合成された1,1−ビス(4−ホルミルフェニル)シクロヘキサン116.8g(0.4mol)を溶解させた後、リン酸水素ナトリウム水溶液50mL、2−メチル−2ブテン280g(4.0mol)加え、さらに亜塩素酸ナトリウム72g(0.8mol)を加えることで反応溶液を準備した。次にこの反応溶液を5時間撹拌後、1規定塩酸水溶液を用いて、反応溶液を酸性にすることで、固体を析出させた。続いて、固体が析出した反応溶液を、吸引ろ過後、水を用いて析出した固体を洗浄した。洗浄後得られた固体(化合物)を真空乾燥することにより、1,1−ビス(4−カルボキシフェニル)シクロヘキサン108.8g(収率84%)を得た。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、1,1−ビス(4−カルボキシフェニル)シクロヘキサン64.9g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPFHP)の黄色の液体を収率86%、HPLC純度93.7%で得た(o=1.37 平均分子量:712)。なお、得られたDPALHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.42(t,8.2H),1.94(s,6H),2.10(t,5.5H),2.17(quin,4.7H),4.31−4.45(m,9.5H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.24(d,5.9H)7.90(d,5.9H)
以上の測定結果から、実施例19で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例20:BHP合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、テレフタル酸33.2g(0.2mol)を用いた以外は実施例1同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPAHP)の黄色の液体を収率81%、HPLC純度92.2%で得た(o=1.42 平均分子量:505)。なお、得られたBHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.8H),4.31−4.45(m,9.7H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),8.04(d,5.7H)
以上の測定結果から、実施例20で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例21:NHP合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、2,6−ナフタレンジカルボン酸43.2g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPNHP)の黄色の液体を収率85%、HPLC純度93.1%で得た(o=1.47 平均分子量:663)。なお、得られたNHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.9H),4.31−4.45(m,9.9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.90(d,2.9H),8.09(d,2.9H),8.57(d,2.9)
以上の測定結果から、実施例21で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
実施例22:AHP合成
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、2,6−ナフタレンジカルボン酸53.2g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
(ステップ2−1)
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(AHP)の黄色の液体を収率85%、HPLC純度92.4%で得た(o=1.47 平均分子量:589)。なお得られたAHPのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.9H),4.31−4.45(m,9.9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.55(d,5.8H),8.62(d,5.8H)
以上の測定結果から、実施例22で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
参考例1
市販の下記式で示されるビスフェノールAジグリシジルジ(メタ)アクリレート(Bis−GMA)を準備し、HPLC純度、粘度を上記方法により測定した。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
Figure 2017145220
比較例1;4−DPEHEI
4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル25g、ジメチルホルムアミド0.85g(0.012mol)およびトルエン80mlの溶液に、塩化チオニル58.4g(0.46mol)とトルエンの溶液を室温下で滴下した。滴下終了後、得られた溶液を95℃で3時間撹拌した。反応溶液を放冷後、ロータリーエバポレーターを用いて、トルエン、塩化チオニル塩化水素を除去することで、4,4−ジ(塩化ベンゾイル)エーテルの白色固体を27.4g得た。
続いて、得られた4,4−ジ(塩化ベンゾイル)エーテルの白色固体をテトラヒドロフラン100mlに溶解した溶液に、ヒドロキシエチルメタクリレート16.9g(0.13mol)、ピリジン14.7gとテトラヒドロフラン50ml溶液を室温下で滴下後、3時間加熱還流をした。反応溶液を放冷した後に、ロータリーエバポレーターを用いてテトラヒドロフランを除去した後に、トルエン100mlを加えた。得られたトルエン溶液を1%塩酸で3回洗浄後、蒸留水で3回洗浄した後に、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後に、除媒することでの収率73%、HPLC純度76.2%でDPEHEIの黄色の液体35gを得た(ここで記載した収率は、すべて4−DPEHEIとして得られた場合の収率である)。
なお得られた4−DPEHEIのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.93(s,6H),4.40(s,8H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61−8.20(m,8H)
以上の測定結果から、比較例1で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。本化合物は、oの値以外は実施例1の化合物と同じである。
Figure 2017145220
比較例2;4−DPEHHI
ヒドロキシメタクリレートの代わりに、ヒドロキシヘキシルメタクリレート24.2g(0.13mol)を用いたこと以外は、4−DPEHEIの合成方法と同様であり、収率75%、HPLC純度75.1%でDPEHHIの黄色の液体45gを得た(ここで記載した収率は、すべて4−DPEHHIとして得られた場合の収率である)。
なお得られた4−DPEHHIのH−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
−NMR δ1.93(s,6H),1.51−1.80(m,16H),4.00−4.40(m,8H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61−8.20(m,8H)
以上の測定結果から、比較例2で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。本化合物は、oの値以外は実施例5の化合物と同じである。
Figure 2017145220
Figure 2017145220
実施例23
実施例1で製造した4−DPEHP60質量部(表1で示した純度のものをそのまま使用した)、トリエチレングリコールジメタクリレート40質量部、光重合開始剤(カンファーキノン0.5質量部、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.8質量部)、重合禁止剤(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1質量部)を暗所にて均一になるまで攪拌した。これにより、マトリックスモノマーサンプルを得た。マトリックスモノマーサンプル101.4質量部、下記の無機フィラーF1を205.9質量部を秤り取り、メノウ乳鉢で混合して混合物を得た。続いてこの混合物を真空下にて、脱泡して気泡を取り除きペースト状の硬化性組成物を得た。 上記方法で得られた硬化性組成物について、以下のフロー性の測定評価、及び水中安定性の評価を行った。
無機フィラーF1;球状シリカ−ジルコニア(平均粒径0.4μm)をγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したものと、球状シリカ−ジルコニア(平均粒径0.07μm)をγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したものとを質量比70:30にて混合した混合物。
(フロー性の測定評価)
得られたペースト状の硬化性組成物サンプルを0.1mgずつ、直径が5mm以下になるように、スライドガラスの上に盛った。続いてスライドガラスごと、37℃のインキュベーターに入れて、2分後に取りだして、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)で10秒間片面照射した。得られた硬化体の底面の直径を90度になるように2か所測定した。試験は、各ペースト2回ずつ行い、平均値を算出した。結果を表2に示した。
(水中安定性の評価)
JIS T6514:2013によって規定される、クラス2グループ1の歯科充填用コンポジットレジンに対する曲げ強さ測定法に従って、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)により可視光照射を各々20秒間行って、硬化性組成物を硬化させて硬化体サンプルを作製し、曲げ強度を測定し、これを曲げ強度の初期値とした。尚、測定には万能試験機(オートグラフ、株式会社島津製作所製)を用いた。また、硬化体サンプルをさらに4週間と12週間水中浸漬し、曲げ強度を測定し、それぞれを4週間および12週間の水中浸漬後の曲げ強度とした。
実施例24〜実施例44、参考例2、比較例3、4
実施例23において、4−DPEHPを実施例2〜22で製造した重合性単量体、参考例1のBis−GMA、及び比較例2、3で製造した重合性単量体に代えた以外は実施例23と同様の操作を行い、ペースト状の硬化性組成物を準備した。各成分の配合割合は、当然のことながら実施例23と同じである。使用した重合性単量体について表2にまとめた。
また、各実施例、参考例、比較例で得られた硬化性組成物について、実施例23と同様に、フロー性の測定評価、及び水中安定性の評価を行い、その結果を表2にまとめた。
Figure 2017145220

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2017145220
    (式中、
    Xは、2価の基であり、
    mは、0又は1であり、
    nは、0〜3の範囲から選択される数であり、
    oは、1〜10の範囲から選択される数であり。
    Ar、およびArは、それぞれ、2価の芳香族基であり、該芳香族基は置換基を有していてもよく、
    は、炭素数2〜50の2価の炭化水素基、又は該炭化水素基の炭素原子の一部がヘテロ原子に置き換わった2価の基であり、
    、およびRは、それぞれ、水素原子、又はメチル基である。)で示される重合性単量体の製造方法であって、
    下記一般式(2)
    Figure 2017145220
    (式中、X、m、n、Ar、およびArは、前記一般式(1)におけるものと同義である。)で示されるジカルボン酸化合物と、
    下記一般式(3)
    Figure 2017145220
    (式中、Lは、前記一般式(1)におけるものと同義である。)で示されるジオール化合物とを脱水縮合反応させた後に、得られた化合物の両末端に(メタ)アクリル基を導入することを特徴とする製造方法。
  2. (メタ)アクリル基を導入する方法が、両末端の水酸基と(メタ)アクリル酸とを縮合反応させる、又は両末端の水酸基と(メタ)アクリル酸無水物とを反応させる方法であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一般式(2)で示されるジカルボン酸化合物が、下記一般式(4)
    Figure 2017145220
    (式中、X、およびmは、前記一般式(2)におけるものと同義である。)で示されるジカルボン酸化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記一般式(3)で示されるジオール化合物が、下記一般式(5)
    Figure 2017145220
    (式中、pは1〜10の範囲から選択される整数である。)で示されるジオール化合物であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
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