JP2017145220A - 重合性単量体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
歯科用硬化組成物に使用する場合には、重合性単量体、重合開始剤、および無機フィラーを混合して使用することがある。一般的に、無機フィラーは比較的親水的であるため、Bis−MPEPPのような疎水的な重合性単量体とは、相互作用しにくい。そのためBis−MPEPPと無機フィラーを混合した歯科用硬化性組成物は粘度が増加する場合があり、改善の余地があった。
下記一般式(1)
Xは、2価の基であり、
mは、0又は1であり、
nは、0〜3の範囲から選択される数であり、
oは、1〜10の範囲から選択される数であり。
L1は、炭素数2〜50の2価の炭化水素基、又は該炭化水素基の炭素原子の一部がヘテロ原子に置き換わった2価の基であり、
R1、およびR2は、それぞれ、水素原子、又はメチル基である。)で示される重合性単量体の製造方法であって、
下記一般式(2)
下記一般式(3)
Xは、2価の基であり、
mは、0又は1であり、
nは、0〜3の範囲から選択される数であり、
oは、1〜10の範囲から選択される数であり、
Ar1、およびAr2は、それぞれ、2価の芳香族基であり、該芳香族基は置換基を有していてもよく、
L1は、炭素数2〜50の2価の炭化水素基、又は該炭化水素基の炭素原子の一部がヘテロ原子に置き換わった2価の基であり、
R1、およびR2は、それぞれ、水素原子、又はメチル基である。)で示される重合性単量体である。本発明の前記一般式(1)で示される重合性単量体を製造する場合に、特に優れた効果を発揮する。
前記一般式(1)で示される重合性単量体において、
Xは、2価の基である。ただし、mが0の場合は、Ar1とAr2とが直接接合した構造となり、Xが存在しない状態となる。mが1の場合にのみ、基Xが存在することになる。好適な基Xは、Ar1とAr2とを架橋する主鎖を構成する原子数が1〜3の2価の基であり、好ましくは主鎖を構成する原子数が1であり、該原子は置換基を有していてもよい。具体的には、基Xは、−O−、−S−、−SO2−、−CH2−、メチレン基の水素原子がアルキル基で置換された2価の基、メチレン基の2個の水素原子が置換されて炭化水素環を形成する2価の基、アミド結合となる2価の基が挙げられる。より具体的に好適な基Xを例示すると、下記構造式X−1〜X−10が挙げられる。
Ar1、およびAr2は、それぞれ、2価の芳香族基であり、該芳香族基は置換基を有していてもよい基である。置換基を有さない2価の芳香族基としては、具体的に下記構造式Ar−a1〜Ar−a4が挙げられる。
−(CO−Ar1−((X)m−Ar2)n−CO−O−L1)−の繰り返しを示すものである。1つの分子においては、oは整数となるが、通常、前記一般式(1)で示される重合性単量体は、oの値が異なる分子の混合物として得られる。そのため、混合物の場合には、oは平均値で表わす場合もある。なお、得られる硬化体が優れた効果を発揮するためには、1分子のo、及び混合物の平均値のo共に、1〜10の範囲を満足することが好ましい。
本発明においては、
下記一般式(2)
本発明において、前記一般式(2)で示されるジカルボン酸化合物と反応させるジオール化合物は、下記一般式(3)
下記一般式(5)
本発明においては、先ず、前記一般式(2)で示されるジカルボン酸化合物と前記一般式(3)で示されるジオール化合物とを脱水縮合反応を行う。この反応は、一般的に下記反応式に従って行われる。
本発明において、反応に用いる前記一般式(3)で示されるジオール化合物(以下、単にジオール化合物とする場合もある)は、前記一般式(2)で示されるジカルボン酸化合物(以下、単にジカルボン酸化合物とする場合もある)に対して、2〜50当量(ジカルボン酸化合物1モルに対して、2〜50モルのジオール化合物を使用する)の範囲で用いることができる。ここで用いるジオール化合物の当量数によって前記一般式(1)におけるoの値を調整することができる。用いるジオール化合物の当量数が多くなるにつれて、oの値が小さくなる。そのため、用いるジオール化合物の当量数は、ジカルボン酸に対して、5当量〜50当量が好ましく、さらに好ましくは10当量〜50当量である。
また、合成法 ステップ1は、ジカルボン酸化合物とジオール化合物との脱水縮合反応であるが、この反応には、公知の方法が採用できる。具体的には、触媒として脱水縮合剤を用いたエステル化反応、または酸触媒による脱水縮合反応を採用することができる。
本発明において、前記脱水縮合剤は、公知のものを使用することができる。具体的には、ジシクロヘキシルカルボンジイミド(以下、「DCC」とする場合もある)、ジフェニルリン酸アジド(以下、「DPPA」とする場合もある)、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(以下、「Py−BOP」とする場合もある)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(以下、「BOP」とする場合もある)、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(以下、「PyBroP」とする場合もある)、ジフェニルリン酸ジアジド(以下、「DPPA」とする場合もある)、4−(4,6−ジメトキシー1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(以下、「DMT−MM」とする場合もある)、1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(以下、「EDC」とする場合もある)、ジイソプロピルカルボジイミド(以下、「DIC」とする場合もある)、ヘキサフルオロりん酸−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N‘,N’−テトラメチルウロニウム(以下、「HATU」とする場合もある){{{(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アミノ}オキシ}−4−モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロりん酸塩(以下、「COMU」とする場合もある)、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(以下、「MNBA」とする場合もある)などが挙げられる。
本発明において、前記酸触媒は、p−トルエンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、2−メシチルベンゼンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、5−ジメチルアミノ−ナフタレンスルホン酸、8−アニリノ−1ナフタレンスルホン酸、1,5‐ナフタレンジスルホン酸、6−ジメチル−アミノ−4ヒドロキシ−2−ナフタレン−スルホン酸、フラビアン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2−シクロヘキシルアミノエタンスルホン酸、3−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、硫酸、などを用いることができる。中でも、好ましくはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、10−カンファースルホン酸であり、さらに好ましくはp−トルエンスルホン酸である。
以下、脱水縮合剤、及び酸触媒を使用する他の反応条件は同じ条件であることが好ましいため、両者をまとめて、単に反応触媒とする場合もある。本発明の合成法 ステップ1において、反応触媒の当量数は、ジオール化合物に対して、0.01〜5.0当量の範囲で用いることが好ましく、より反応を促進させるために0.05〜5.0当量の範囲が好ましく、さらに0.1〜5.0当量の範囲が好ましい。
合成法 ステップ1においては、有機溶媒を使用しなくても反応できる場合には、有機溶媒を使用せずに反応させることが好ましい。ただし、反応に用いるジオール化合物が固体である場合等、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。有機溶媒を用いる場合は、原料化合物等に影響を与えないものであれば、特に制限されるものではない。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール等のアルコール類;ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグリム、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などから選ぶことができる。また好ましくはトルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンであり、さらに好ましくはトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンである。
本発明において、合成法 ステップ1においては、原料のジカルボン酸化合物、ジオール化合物、及び必要応じて配合される反応触媒を混合する方法は、特に制限されないが、ジオール化合物とジカルボン酸化合物を混合した後に、反応触媒を加えるのが好ましい。また、有機溶媒を用いる場合も、特に混合する方法は制限されないが、有機溶媒でジオール化合物および原料のジカルボン酸を希釈した後に、反応触媒を加えるのが好ましく、有機溶媒に対する原料のジカルボン酸の濃度は、0.0001mol/L以上が好ましく、0.001mol/L以上がより好ましく、0.01mol/Lがさらに好ましい。
また、反応温度は特に制限されないが、60℃〜200℃の範囲が好ましく、またより好ましくは100℃〜150℃の範囲である。反応時間は、原料化合物の消費状態を確認して、原料化合物が十分に使用される時間を適宜採用すればよい。
本発明において、合成法 ステップ1の反応は、原料のカルボン酸化合物とジオール化合物と脱水縮合反応であるため、反応によって副生する水を除去することによって、反応を促進させることが好ましい。水の除去の方法としては、減圧条件での分留を用いることができ、その場合系中の減圧度は、0.1mmHg〜50mmHgの範囲が好ましい。
ステップ1の反応後の操作としては、残留するジオールを除去する操作として、水洗を行ってもよく、また蒸留によって除去しても良い。水洗によって除去する場合、前記反応溶媒として例示した有機溶媒の中の難水溶性の有機溶媒に、得られた中間体を含む反応混合物を溶解して、水洗を行えばよい。水洗の回数は少なくとも1回以上行う必要性があり、2回以上がより好ましく、3回以上がさらに好ましい。
本発明においては、上記ステップ1により、下記一般式
先ず、ステップ2−1について説明する。ステップ2−1は以下の反応が行われる。
ここで用いる(メタ)アクリル酸の当量数は、得られた中間体に対して2当量以上40当量以下(中間体1モルに対して、2〜40モルのジカルボン酸化合物を使用する)を用いることができる。より好ましくは、4当量以上50当量以下であり、さらに好ましくは8当量以上40当量以下である。なお、中間体は、oの値が異なる混合物である場合には、oの平均値を使用して中間体の分子量を求め、当量を計算すればよい。
ステップ2−1は、中間体と(メタ)アクリル酸との脱水縮合反応であるが、この反応には、公知の方法が採用できる。具体的には、触媒として脱水縮合剤を用いたエステル化反応、または酸触媒による脱水縮合反応を採用することができる。
ステップ2において、使用できる脱水縮合剤、及び酸触媒は、前記ステップ1で例示した反応触媒を挙げることができる。好ましい反応触媒も、ステップ1で例示したものと同じである。なお、このステップ2−1においても、後工程の処理のし易さを考慮すると、酸触媒を使用することが好ましい。
ステップ2−1においては、有機溶媒を使用しなくても反応できる場合には、有機溶媒を使用せずに反応させることが好ましい。ただし、反応に用いる中間体が固体である場合等、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。使用できる有機溶媒は、前記ステップ1で説明した有機溶媒が挙げられる。
本発明において、合成法 ステップ2−1においては、中間体と(メタ)アクリル酸、反応触媒の混合する方法は、特に制限されないが、中間体と(メタ)アクリル酸を混合した後に、反応触媒を加えるのが好ましい。また、有機溶媒を用いる場合も、特に混合する方法は制限されないが、有機溶媒で中間体と(メタ)アクリル酸を希釈した後に、反応触媒を加えるのが好ましく、有機溶媒に対する原料のジカルボン酸の濃度は、0.0001mol/L以上が好ましく、0.001mol/L以上がより好ましく、0.01mol/Lがさらに好ましい。
また、反応温度は40℃〜110℃の範囲が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましく、80℃以上100℃以下がさらに好ましい。反応時間は、原料化合物の消費状態を確認して、原料化合物が十分に使用される時間を適宜採用すればよい。
ステップ2−1の反応は、脱水縮合反応であるため、反応によって副生する水を除去することによって、反応を促進させても良い。水の除去の方法としては、減圧条件での分留を用いることができ、その場合系中の減圧度は、0.1mmHg〜50mmHgの範囲が好ましい。また、副生する水は、反応溶媒との共沸によって除去しても良く、その場合水と共沸する溶媒を用いる必要性がある。
反応の後処理は、残留する(メタ)アクリル酸を塩基洗浄によって除去することが好ましい。この際に用いることができる塩基性水溶液は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物などを水に溶解したものを用いるができる。塩基の濃度は0.1wt%〜30wt%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5wt%〜10wt%の範囲である。また、塩基による水洗の回数は1回以上行うのが好ましく、より好ましくは2回以上である。この後、より純度の高い一般式(1)で示される重合性単量体を得るためには、公知の方法、例えば、シリカゲル等によるカラム処理、固体であれば再結晶等の方法により精製してやればよい。
以上のような操作により、一般式(1)で示される重合性単量体を製造できる。
ステップ2−2について説明する。ステップ2−2は以下の反応が行われる。
ステップ2−2の(メタ)アクリル酸無水物との反応による(メタ)アクリル化は、ステップ1で得られた中間体と酸無水物との反応である。(メタ)アクリル酸無水物の使用量は、中間体に対して2当量以上20当量以下(中間体1モル(oは平均値を使用)に対して、2〜20モルの(メタ)アクリル酸無水物を使用する)であることが好ましい。好ましくは、2当量以上10当量以下、さらに好ましくは2当量以上5当量以下である。
ステップ2−2においては、中間体と(メタ)アクリル酸無水物とを混合すればよいが、反応の進行を考えると、アミン触媒、ルイス酸等の無水物反応触媒を使用することができる。
ステップ2−2においては、アミンを用いることができる。具体的には、4,4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、イミダゾールなどの芳香族アミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジブチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、メチルジオクチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、ジメチルドデシルアミン、トリドデシルアミン、テトラメチルジアミノメタン、エチルジイソプロピルアミンなどのアルキル3級アミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラエチルプロパンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチル‐1,3‐ブタンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミンなどの3級ジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキサンメチルアミンなどのシクロアルキル3級アミンなどが挙げられる。好ましくは4,4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、イミダゾール、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジブチルアミン、トリブチルアミンである、またさらに好ましくは4,4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンがある。
また、ステップ2−2においては、アミン触媒の代わりに、ルイス酸触媒を用いることもできる。具体的には、例えば、スカンジウム(III)トリフラート、ビスマス(III)トリフラート、ジクロロジオキシドモリブデン(VI)、テトラクロロチタン(IV)、スズ(IV)クロライドなどが挙げられる。
ステップ2−2においては、有機溶媒を使用しなくても反応できる場合には、有機溶媒を使用せずに反応させることが好ましい。ただし、反応に用いる中間体が固体である場合等、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。使用できる有機溶媒は、前記ステップ1で説明した有機溶媒が挙げられ、その他、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル化合物を使用することもできる。
合成法 ステップ2−2においては、中間体と(メタ)アクリル酸無水物、触媒の混合する方法は、特に制限されないが、中間体と触媒を混合した後に、(メタ)アクリル酸無水物を加えるのが好ましい。また、有機溶媒を用いる場合も、特に混合する方法は制限されないが、有機溶媒で中間体と触媒を希釈した後に、(メタ)アクリル酸無水物を加えるのが好ましく、有機溶媒に対する中間体の濃度は、0.0001mol/L以上が好ましく、0.001mol/L以上がより好ましく、0.01mol/Lがさらに好ましい。
反応温度は、特に制限されるものではないが、反応時間、純度等を考慮すると、50℃以上100℃以下が好ましく、60℃以上90℃以下がより好ましく、70℃以上80℃以下がさらに好ましい。また、反応時間も、特に制限されるものではなく、上記反応温度範囲であれば、10分〜48時間であることが好ましく、反応収率の観点から1時間以上48時間以下がより好ましく、さらに3時間以上48時間以下であることがさらに好ましい。
反応の後処理は、残留する(メタ)アクリル酸を塩基洗浄によって除去することが好ましい。この際に用いることができる塩基性水溶液は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物などを水に溶解したものを用いるができる。塩基の濃度は0.1wt%〜30wt%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5wt%〜10wt%の範囲である。また、塩基による水洗の回数は1回以上行うのが好ましく、より好ましくは2回以上である。この後、より純度の高い一般式(1)で示される重合性単量体を得るためには、公知の方法、例えば、シリカゲル等によるカラム処理、固体であれば再結晶等の方法により精製してやればよい。
以上のような操作により、一般式(1)で示される重合性単量体を製造できる。
ステップ2−3について説明する。ステップ2−3は以下の反応が行われる。
ステップ2−3の(メタ)アクリル酸クロライドとの反応による(メタ)アクリル化は、ステップ1で得られた中間体と酸クロライドとの反応である。(メタ)アクリル酸クロライドの使用量は、ステップ1で得られた中間体に対して1.5当量以上20当量以下(中間体1モル(oは平均値を使用)に対して、1.5〜20モルの(メタ)アクリル酸クロライドを使用する)であることが好ましい。好ましくは、2.0当量以上10当量以下であり、より好ましくは2.0当量以上5当量以下であり.さらに好ましくは2.0当量以上3.0当量以下である。
また、(メタ)アクリル酸クロライドと中間体とが反応した際に、副生する塩化水素を中和することで反応を促進することができるため、ステップ2−3においては、中和剤としてアミンを用いることがより好ましい。用いることができるアミンは、前記ステップ2−2の無水物反応触媒;アミン触媒で説明したアミンと同様のものが使用できる。ただしステップ2−3の中和に使用する好ましいアミンは、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジブチルアミン、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンである。
ステップ2−3においては、有機溶媒を使用しなくても反応できる場合には、有機溶媒を使用せずに反応させることが好ましい。ただし、反応に用いる中間体が固体である場合等、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。使用できる有機溶媒は、前記ステップ2−2で説明した有機溶媒が挙げられる。
本発明において、合成法 ステップ2−3においては、中間体と(メタ)アクリル酸クロライド、アミンの混合する方法は、特に制限されないが、中間体とアミンを混合した後に、(メタ)アクリル酸クロライドを加えるのが好ましい。また、有機溶媒を用いる場合も、特に混合する方法は制限されないが、有機溶媒で中間体とアミンを希釈した後に、(メタ)アクリル酸クロライドを加えるのが好ましく、有機溶媒に対する中間体の濃度は、0.0001mol/L以上が好ましく、0.001mol/L以上がより好ましく、0.01mol/Lがさらに好ましい。
反応温度は、特に制限されるものではないが、より副生成物の生成を抑えることを考慮すると、−40℃以上50℃以下が好ましく、−30℃以上30℃以下がより好ましく、−30℃以上20℃以下がさらに好ましい。また、反応時間は特に制限されず、上記反応温度の範囲では、1分以上24時間以下が好ましく、10分以上12時間がより好ましく、30分以上6時間以下がさらに好ましい。
反応の後処理は、残留する塩化水素を塩基洗浄によって除去することが好ましい。この際に用いることができる塩基性水溶液は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物などを水に溶解したものを用いるができ、濃度は0.1wt%〜30wt%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5wt%〜10wt%の範囲である。また、塩基による水洗の回数は1回以上行うのが好ましく、より好ましくは2回以上である。この後、より純度の高い一般式(1)で示される重合性単量体を得るためには、公知の方法、例えば、シリカゲル等によるカラム処理、固体であれば再結晶等の方法により精製してやればよい。
以上のような操作により、一般式(1)で示される重合性単量体を製造できる。
本発明において、中間体に(メタ)アクリル基を導入する方法は、前記2−1、2−2、2−3にいずれを選択してもよい。ただし、ステップ2−3で使用する(メタ)アクリル酸クロライドは空気中の水によって、容易に分解されるため不安定であるため、ステップ2−1、ステップ2−2の方法を採用することが好ましい。
本発明によって合成される前記一般式(1)で示される重合性単量体は、o=1〜10の範囲で得られる。この値は合成条件によって、調製可能であり、その値によって、得られてくる重合性単量体の物性をその用途に応じて、コントロールすることが可能である。oの値が大きい程、得られるベンゾエート型モノマーの重合性単量体の屈折率が大きくなる傾向にあり、また分子量の増大に伴って、重合の際の収縮率が小さくなる傾向にある。一方で、oの値が小さい程比較的に低屈折率な重合性単量体を合成できる。
実施例、参考例、比較例で製造した重合性単量体の粘度は、CSレオメーターを用いて測定した。測定装置としてはコーン/プレートジオメトリ4cm/2°及び温度制御システムを具備した粘弾性測定装置CSレオメーター「CVO120HR」(ボーリン社製)を用いた。そして、測定温度(プレート温度)25℃、ずり速度1rpsの測定条件にて、3回の測定を行い、3回の測定値の平均値を粘度とした。なお、この粘度は、表1に示した純度のものをそのまま測定した。
(ステップ1)
4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル(52.1g、0.2mol)と1,3−プロパンジオール(290ml、4mol)および塩化p−トルエンスルホン酸一水和物(3.44g、0.02mol)をナス型フラスコ内で混合し、オイルバスを用いて120℃で2時間撹拌した。この際、真空ポンプを用いて、生成する水を留去しながら撹拌を行った。反応溶液を室温になるまで静置した後に、トリエチルアミン(2.8ml、0.02mol)を加え、真空ポンプを用いて、未反応の1,3−プロパンジオールを蒸留によって留去することで、中間体(4,4−ビス(3−ヒドロキシプロピオキシカルボニル)ビフェニルエーテルオリゴマー混合物(A))の白色の個体を定量的にHPLC純度97.3%で得た(o=1.25、平均分子量:453)。
得られた4,4−ビス(3−ヒドロキシプロピオキシカルボニル)ビフェニルエーテルオリゴマー混合物(A)(72.5g)と塩化p−トルエンスルホン酸一水和物(3.44g、0.02mol)、メタクリル酸(330ml、2.0mol)、重合禁止剤としてBHT(700ppm)加え、85℃で8時間撹拌した。放冷によって反応液が室温になった後、トルエン200mlを加え、炭酸カリウム水溶液を用いて3回洗浄、飽和食塩水水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ別した。得られたろ液をロータリーエバポレーターのよって濃縮後、さらに真空乾燥することにより、重合性単量体(略号;4−DPEHP)の液体を収率85%、HPLC純度92.5%で得た(o=1.39、平均分子量:621)。なお得られた4−DPEHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.8H),4.31−4.45(m,9.6H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.06(d,5.6H)8.05(d,5.6H)
以上の測定結果から、実施例1で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ2−2)
実施例1のステップ1で合成した中間体(4,4−ビス(3−ヒドロキシプロピオキシカルボニル)ビフェニルエーテル(A)(72.5g))とメタクリル酸無水物(154g、0.44mol)、4、4−ジメチルアミノピリジン(2.5g、0.02mol)と重合禁止剤としてBHT(700ppm)加え、80℃で8時間撹拌した。放冷によって反応液が室温になった後、トルエン200mlを加え、1規定塩酸水溶液を用いて3回洗浄、5%炭酸カリウム水溶液で3回洗浄、飽和食塩水水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ別した。得られたろ液をロータリーエバポレーターのよって濃縮後、さらに真空乾燥することにより、重合性単量体(略号;4−DPEHPI)の液体を収率85%、HPLC純度90.5%で得た(o=1.25、平均分子量:518)。なお得られた4−DPEHPIのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.5H),4.31−4.45(m,9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.06(d,5H)8.05(d,5H)
以上の測定結果から、実施例2で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。なお、この本化合物は、oの値以外は実施例1の化合物と同じである。
(ステップ2−3)
実施例1で得られた中間体(4,4−ビス(3−ヒドロキシプロピオキシカルボニル)ビフェニルエーテル(A)(72.5g))の塩化メチレン溶液を氷冷後、メタクリル酸クロライド(46g、0.44mol)、トリエチルアミン(44g、0.44mol)と重合禁止剤としてBHT(700ppm)加え、3時間撹拌した。1規定塩酸水溶液を用いて3回洗浄、5%炭酸カリウム水溶液で3回洗浄、飽和食塩水水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ別した。得られたろ液をロータリーエバポレーターのよって濃縮後、さらに真空乾燥することにより、重合性単量体(4−DPEHPII)の液体を収率85%、HPLC純度91.2%で得た(o=1.25、平均分子量:518)。なお得られた4−DPEHPIIのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.5H),4.31−4.45(m,9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.06(d,5H)8.05(d,5H)
以上の測定結果から、実施例3で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。本化合物は、oの値以外は実施例1の化合物と同じである。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、1、2−エタンジオール(220ml、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHE)の黄色の液体を収率83%、HPLC純度91.7%で得た(o=1.53 平均分子量:625)。なお得られた4−DPEHEのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.95(s,6H),4.50−4.60(m,10.1H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.07(d,6.1H)8.05(d,6.1H)
以上の測定結果から、実施例4で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、1、6−ヘキサンジオール(490ml、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHH)の黄色の液体を収率87%、HPLC純度92.9%で得た(o=1.37 平均分子量:721)。なお得られた4−DPEHHのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.93(s,6H),1.51−1.80(m,19H),4.00−4.40(m,9.5H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.5H)8.20(d,5.5H)
以上の測定結果から、実施例5で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、1、10−デカンジオール(697g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHD)の黄色の液体を収率85%、HPLC純度92.2%で得た(o=1.35 平均分子量:865)。なお得られたDPEHDのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),1.51−1.79(m,14.1H),4.09−4.40(m,9.4H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.4H)8.20(d,5.4H)
以上の測定結果から、実施例6で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、1,4−(ジヒドロキシメチル)シクロヘキサン(570g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHCy)の黄色の液体を収率82%、HPLC純度93.1%で得た(o=1.38 平均分子量:786)。なお、得られた4−DPEHCyのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.20−2.05(m,34.5H),4.11−4.44(m,9.5H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.5H)8.20(d,5.5H)
以上の測定結果から、実施例7で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、トリシクロデカンジメタノール(785g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHTD)の黄色の液体を収率86%、HPLC純度93.1%で得た(o=1.40 平均分子量:995)。なお、得られた4−DPEHTDのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ0.83−2.60(m,42H),3.82−4.15(m,9.6H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.6H)8.20(d,5.6H)
以上の測定結果から、実施例8で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、トリエチレングリコール(600g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHTD)の黄色の液体を収率88%、HPLC純度91.7%で得た(o=1.46 平均分子量:830)。なお、得られた4−DPEHTGのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),3.58−3.64(m,19.7H),4.40−4.55(m,9.8H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.8H),8.20(d,5.8H)
以上の測定結果から、実施例9で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、1、3−プロパンジオールの代わりに、2,2−チオジエタノール(600g、4.0mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−DPEHES)の黄色の液体を収率83%、HPLC純度91.7%で得た(o=1.32 平均分子量:713)。なお、得られたDPEHESのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.56(t,9.3H),4.38−4.59(m,9.3H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61(d,5.3H),8.20(d,5.3H)
以上の測定結果から、実施例10で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、4,4−ビフェニルジカルボン酸48.4g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(4−BPHE)の黄色の液体を収率86%、HPLC純度93.0%で得た(o=1.41 平均分子量:610)。なお、得られた2−BPHEのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.8H),4.31−4.45(m,9.6H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.61(d,5.6H)8.20(d,5.6H)
以上の測定結果から、実施例11で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、4,4−ビフェニルジカルボン酸48.4g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例2のステップ2−2と同様の操作を行い、重合性単量体(2−BPHEI)の黄色の液体を収率84%、HPLC純度92.0%で得た(o=1.26 平均分子量:568)。なお、得られた2−BPHEIのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.5H),4.31−4.45(m,9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.61(d,5H)8.20(d,5H)
以上の測定結果から、実施例12で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、2,2−ビフェニルジカルボン酸48.4g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(2−BPHP)の黄色の液体を収率90%、HPLC純度94.2%で得た(o=1.45 平均分子量:632)。なお、得られた2−BPHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.9H),4.31−4.45(m,9.8H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.11(d,5.8H)8.15(d,5.8H)
以上の測定結果から、実施例13で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、2,2−ビフェニルジカルボン酸48.4g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例2のステップ2−2と同様の操作を行い、重合性単量体(2−BPHPI)の黄色の液体を収率93%、HPLC純度93.2%で得た(o=1.28 平均分子量:545)。なお、得られた2−BPHPIのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.6H),4.31−4.45(m,9.1H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.11(d,5.1H)8.15(d,5.1H)
以上の測定結果から、実施例14で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ジカルボン酸化合物の製造)
t−ブタノール400mLおよび水100mLに対して、特開2005−15379号公報に記載の合成方法により合成された4,4−ジホルミルジフェニルスルフィド96.8g(0.4mol)を溶解させた後、リン酸水素ナトリウム水溶液50mL、2―メチル―2ブテン280g(4.0mol)を加え、さらに亜塩素酸ナトリウム72g(0.8mol)を加えることで反応溶液を準備した。次にこの反応溶液を5時間撹拌後、1規定塩酸水溶液を用いて、反応溶液を酸性にすることで、固体を析出させた。続いて、固体が析出した反応溶液を、吸引ろ過後、水を用いて析出した固体を洗浄した。洗浄後得られた固体(化合物)を真空乾燥することにより、4,4−ジカルボキシジフェニルスルフィド91.0g(収率83%)を得た。
続いて、実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、上記の4,4−ジカルボキシジフェニルスルフィド54.9g(0.2mol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPSHP)の黄色の液体を収率81%、HPLC純度89.7%で得た(o=1.52 平均分子量:690)。なお、得られたDPSHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,5.0H),4.31−4.45(m,10.1H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.34(d,6.1H)7.89(d,6.1H)
以上の測定結果から、実施例15で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、4,4−ジカルボキシジフェニルスルフォン61.3g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPSOHP)の黄色の液体を収率78%、HPLC純度90.0%で得た(o=1.22 平均分子量:635)。なお、得られたDPSOHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.4H),4.31−4.45(m,8.9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),8.05(d,4.9H)8.20(d,4.9H)
以上の測定結果から、実施例16で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ジカルボン酸化合物の製造)
t−ブタノール400mLおよび水100mLに対して、特開2005−15379号公報に記載の合成方法により合成された4,4−ジホルミルジフェニルメタン89.6g(0.4mol)を溶解させた後、リン酸水素ナトリウム水溶液50mL、2―メチル―2ブテン280g(4.0mol)加え、さらに亜塩素酸ナトリウム72g(0.8mol)を加えることで反応溶液を準備した。次にこの反応溶液を5時間撹拌後、1規定塩酸水溶液を用いて、反応溶液を酸性にすることで、固体を析出させた。続いて、固体が析出した反応溶液を、吸引ろ過後、水を用いて析出した固体を洗浄した。洗浄後得られた固体(化合物)を真空乾燥することにより、4,4−ジカルボキシジフェニルメタン79.6g(収率78%)を得た。
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、上記方法で製造した4,4−ジカルボキシジフェニルメタン51.3g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPFHPの黄色の液体を収率86%、HPLC純度94.0%で得た(o=1.36 平均分子量:615)。なお、得られたDPFHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.7H),4.31−4.45(m,9.4H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.20(d,5.4H)7.87(d,5.4H)
以上の測定結果から、実施例17で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、英国特許GB753384に記載の合成方法により合成された2,2−ビス(4−カルボキシフェニルフェニル)プロパン56.8g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPAHP)の黄色の液体を収率88%、HPLC純度94.0%で得た(o=1.48 平均分子量:692)。なお、得られたDPAHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.65(s,8.9H)1.94(s,6H),2.17(quin,5.0H),4.31−4.45(m,9.9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.23(d,5.9H)7.87(d,5.9H)
以上の測定結果から、実施例18で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ジカルボン酸化合物の製造)
t−ブタノール400mLおよび水100mLに、特許第2076603号に記載の合成方法により合成された1,1−ビス(4−ホルミルフェニル)シクロヘキサン116.8g(0.4mol)を溶解させた後、リン酸水素ナトリウム水溶液50mL、2−メチル−2ブテン280g(4.0mol)加え、さらに亜塩素酸ナトリウム72g(0.8mol)を加えることで反応溶液を準備した。次にこの反応溶液を5時間撹拌後、1規定塩酸水溶液を用いて、反応溶液を酸性にすることで、固体を析出させた。続いて、固体が析出した反応溶液を、吸引ろ過後、水を用いて析出した固体を洗浄した。洗浄後得られた固体(化合物)を真空乾燥することにより、1,1−ビス(4−カルボキシフェニル)シクロヘキサン108.8g(収率84%)を得た。
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、1,1−ビス(4−カルボキシフェニル)シクロヘキサン64.9g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPFHP)の黄色の液体を収率86%、HPLC純度93.7%で得た(o=1.37 平均分子量:712)。なお、得られたDPALHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.42(t,8.2H),1.94(s,6H),2.10(t,5.5H),2.17(quin,4.7H),4.31−4.45(m,9.5H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.24(d,5.9H)7.90(d,5.9H)
以上の測定結果から、実施例19で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、テレフタル酸33.2g(0.2mol)を用いた以外は実施例1同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPAHP)の黄色の液体を収率81%、HPLC純度92.2%で得た(o=1.42 平均分子量:505)。なお、得られたBHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.8H),4.31−4.45(m,9.7H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),8.04(d,5.7H)
以上の測定結果から、実施例20で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、2,6−ナフタレンジカルボン酸43.2g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(DPNHP)の黄色の液体を収率85%、HPLC純度93.1%で得た(o=1.47 平均分子量:663)。なお、得られたNHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.9H),4.31−4.45(m,9.9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.90(d,2.9H),8.09(d,2.9H),8.57(d,2.9)
以上の測定結果から、実施例21で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
(ステップ1)
実施例1のステップ1において、4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル52.1gの代わりに、2,6−ナフタレンジカルボン酸53.2g(0.2mol)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、中間体を製造した。
前記ステップ1で製造した中間体を使用した以外は、実施例1のステップ2−1と同様の操作を行い、重合性単量体(AHP)の黄色の液体を収率85%、HPLC純度92.4%で得た(o=1.47 平均分子量:589)。なお得られたAHPのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.94(s,6H),2.17(quin,4.9H),4.31−4.45(m,9.9H),5.57(quin,2H),6.12(quin,2H),7.55(d,5.8H),8.62(d,5.8H)
以上の測定結果から、実施例22で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
市販の下記式で示されるビスフェノールAジグリシジルジ(メタ)アクリレート(Bis−GMA)を準備し、HPLC純度、粘度を上記方法により測定した。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。
4,4−ジカルボキシビフェニルエーテル25g、ジメチルホルムアミド0.85g(0.012mol)およびトルエン80mlの溶液に、塩化チオニル58.4g(0.46mol)とトルエンの溶液を室温下で滴下した。滴下終了後、得られた溶液を95℃で3時間撹拌した。反応溶液を放冷後、ロータリーエバポレーターを用いて、トルエン、塩化チオニル塩化水素を除去することで、4,4−ジ(塩化ベンゾイル)エーテルの白色固体を27.4g得た。
なお得られた4−DPEHEIのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.93(s,6H),4.40(s,8H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61−8.20(m,8H)
以上の測定結果から、比較例1で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。本化合物は、oの値以外は実施例1の化合物と同じである。
ヒドロキシメタクリレートの代わりに、ヒドロキシヘキシルメタクリレート24.2g(0.13mol)を用いたこと以外は、4−DPEHEIの合成方法と同様であり、収率75%、HPLC純度75.1%でDPEHHIの黄色の液体45gを得た(ここで記載した収率は、すべて4−DPEHHIとして得られた場合の収率である)。
なお得られた4−DPEHHIのH1−NMRスペクトルデータは次の通りであった。
H1−NMR δ1.93(s,6H),1.51−1.80(m,16H),4.00−4.40(m,8H),5.57(s,2H),6.12(s,2H),7.61−8.20(m,8H)
以上の測定結果から、比較例2で合成した重合性単量体は下記式の構造であることが確認できた。純度と前記方法で測定した粘度との結果を表1に示した。本化合物は、oの値以外は実施例5の化合物と同じである。
実施例1で製造した4−DPEHP60質量部(表1で示した純度のものをそのまま使用した)、トリエチレングリコールジメタクリレート40質量部、光重合開始剤(カンファーキノン0.5質量部、p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル0.8質量部)、重合禁止剤(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1質量部)を暗所にて均一になるまで攪拌した。これにより、マトリックスモノマーサンプルを得た。マトリックスモノマーサンプル101.4質量部、下記の無機フィラーF1を205.9質量部を秤り取り、メノウ乳鉢で混合して混合物を得た。続いてこの混合物を真空下にて、脱泡して気泡を取り除きペースト状の硬化性組成物を得た。 上記方法で得られた硬化性組成物について、以下のフロー性の測定評価、及び水中安定性の評価を行った。
得られたペースト状の硬化性組成物サンプルを0.1mgずつ、直径が5mm以下になるように、スライドガラスの上に盛った。続いてスライドガラスごと、37℃のインキュベーターに入れて、2分後に取りだして、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)で10秒間片面照射した。得られた硬化体の底面の直径を90度になるように2か所測定した。試験は、各ペースト2回ずつ行い、平均値を算出した。結果を表2に示した。
JIS T6514:2013によって規定される、クラス2グループ1の歯科充填用コンポジットレジンに対する曲げ強さ測定法に従って、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)により可視光照射を各々20秒間行って、硬化性組成物を硬化させて硬化体サンプルを作製し、曲げ強度を測定し、これを曲げ強度の初期値とした。尚、測定には万能試験機(オートグラフ、株式会社島津製作所製)を用いた。また、硬化体サンプルをさらに4週間と12週間水中浸漬し、曲げ強度を測定し、それぞれを4週間および12週間の水中浸漬後の曲げ強度とした。
実施例23において、4−DPEHPを実施例2〜22で製造した重合性単量体、参考例1のBis−GMA、及び比較例2、3で製造した重合性単量体に代えた以外は実施例23と同様の操作を行い、ペースト状の硬化性組成物を準備した。各成分の配合割合は、当然のことながら実施例23と同じである。使用した重合性単量体について表2にまとめた。
Claims (4)
- 下記一般式(1)
Xは、2価の基であり、
mは、0又は1であり、
nは、0〜3の範囲から選択される数であり、
oは、1〜10の範囲から選択される数であり。
Ar1、およびAr2は、それぞれ、2価の芳香族基であり、該芳香族基は置換基を有していてもよく、
L1は、炭素数2〜50の2価の炭化水素基、又は該炭化水素基の炭素原子の一部がヘテロ原子に置き換わった2価の基であり、
R1、およびR2は、それぞれ、水素原子、又はメチル基である。)で示される重合性単量体の製造方法であって、
下記一般式(2)
下記一般式(3)
- (メタ)アクリル基を導入する方法が、両末端の水酸基と(メタ)アクリル酸とを縮合反応させる、又は両末端の水酸基と(メタ)アクリル酸無水物とを反応させる方法であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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