JP7332544B2 - 着色組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びにキノフタロン色素 - Google Patents

着色組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びにキノフタロン色素 Download PDF

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Description

本開示は、着色組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びにキノフタロン色素に関する。
従来、固体撮像素子、液晶表示素子等をカラー化するために、素子上に形成されるカラーフィルタが知られている。カラーフィルタを製造する方法としては、種々の方法が提案されており、例えば、色素を含む感光性樹脂組成物を露光し、現像することによってパターニングする工程を所要の回数繰り返し行う、いわゆるカラーレジスト法は、広く実用化されている。
カラーレジスト法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感光性組成物を用いて、フォトリソ法によりカラーフィルタを作製する方法である。この方法は、顔料を使用しているため、光、熱等に安定であるとともに、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度も充分であることから、大画面の高精細カラーディスプレー用カラーフィルタの作製に好適な方法とされている。
一方、近年、例えば、固体撮像素子用のカラーフィルタに対しては、更なる高精細化が望まれている。しかし、顔料を含む着色感光性組成物を用いて作製されたカラーフィルタでは、解像度が向上せず、また、顔料の粗大粒子による色ムラが発生する等の問題点があり、固体撮像素子のような微細パターンが要求される用途には適さなかった。このような問題点を解決するため、カラーフィルタの作製に際して、染料を使用することが従来から提案されている。カラーフィルタ等の作製に使用される染料としては、例えば、キノフタロン色素が知られている(例えば、特許文献1~5参照)。
特開2010-250291号公報 特開2007-147784号公報 特開2010-037545号公報 国際公開第2002/012402号 特許第6201325号公報
特許文献1~5に記載されたキノフタロン色素によれば、上記の問題点の解決が期待できるものの、耐湿性の点において改善の余地がある。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、耐湿性に優れる着色組成物を提供することにある。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、耐湿性に優れる着色組成物の製造方法を提供することにある。
本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、耐湿性に優れるカラーフィルタを提供することにある。
また、本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、耐湿性に優れるキノフタロン色素を提供することにある。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 下記式(1)で表されるキノフタロン色素と、溶剤と、を含む着色組成物。

式(1)中、Dは、下記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。Rは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。R及びRが置換基を表す場合、R及びRは、R又はRと連結して環を形成してもよい。Rは、置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。Rは、無置換のアルキル基、下記式(X)で表される基、下記式(Y)で表される基、又は下記式(Z)で表される基を表す。n1は、0又は1を表す。n2は、0又は1を表す。n3は、0以上の整数を表す。但し、n3が0を表し、かつ、Rがアルキル基を表す場合、Rで表されるアルキル基が置換アルキル基であること、又は、Rで表されるアルキル基が炭素数2以上のアルキル基であることと、Rが置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表すこととの少なくとも一方を満たす。また、n3が0を表し、かつ、Rが水酸基を表す場合、Rは、無置換のアルキル基を表す。

式(2)中、R10は、水酸基を表す。R11、R12、R13、R14、及びR15は、水素原子を表す。R16、R17、R18、及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、置換基、又はQとの連結部位を表す。R16、R17、R18、及びR19のうち、隣接する2つは互いに結合して環を形成してもよく、形成した環上にQとの連結部位を有していてもよい。
式(X)中、R20は、水素原子又は無置換のアルキル基を表す。*は、結合位置を表す。
式(Y)中、R21は、水素原子又は無置換のアルキル基を表す。*は、結合位置を表す。
式(Z)中、*は、結合位置を表す。
<2> 上記式(1)で表されるキノフタロン色素が、下記式(3)で表されるキノフタロン色素及び下記式(4)で表されるキノフタロン色素からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>に記載の着色組成物。

式(3)中、Dは、上記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。R1a、R2a、R4a、及びR5aは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。R3aは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。R1a及びR2aが置換基を表す場合、R1a及びR2aは、R3aと連結して環を形成してもよい。R9aは、無置換のアルキル基、上記式(X)で表される基、上記式(Y)で表される基、又は上記式(Z)で表される基を表す。R22aは、置換基を表す。n3aは、1以上の整数を表す。
式(4)中、Dは、上記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。R4b、R5b、R7b、及びR8bは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。R3bは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。R9bは、無置換のアルキル基、上記式(X)で表される基、上記式(Y)で表される基、又は上記式(Z)で表される基を表す。R22bは、置換基を表す。n3bは、1以上の整数を表す。
<3> 上記式(1)で表されるキノフタロン色素が、重合性基を有する<1>又は<2>に記載の着色組成物。
<4> 上記式(1)で表されるキノフタロン色素が、下記式(5)で表される重合性基を2つ以上有する<1>~<3>のいずれか1つに記載の着色組成物。

式(5)中、R23は、水素原子又はアルキル基を表す。*は、結合位置を表す。
<5> 上記式(2)で表されるキノフタロン色素残基と、上記重合性基と、の間を連結する連結鎖の原子数が、4以上である<3>又は<4>に記載の着色組成物。
<6> 上記式(1)で表されるキノフタロン色素が、下記式(6)で表されるキノフタロン色素及び下記式(7)で表されるキノフタロン色素から選ばれる少なくとも1種である<1>~<5>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<7> さらに、バインダー樹脂を含む<1>~<6>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<8> さらに、重合性化合物を含む<1>~<7>のいずれか1つに記載の着色組成物。
<9> さらに、重合開始剤を含む<8>に記載の着色組成物。
<10> <1>~<9>のいずれか1つに記載の着色組成物の製造方法であり、
上記式(1)で表されるキノフタロン色素と、上記溶剤と、を混合することを含む着色組成物の製造方法。
<11> 下記式(1)で表されるキノフタロン色素を含むカラーフィルタ。

式(1)中、Dは、下記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。Rは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。R及びRが置換基を表す場合、R及びRは、R又はRと連結して環を形成してもよい。Rは、置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。Rは、無置換のアルキル基、下記式(X)で表される基、下記式(Y)で表される基、又は下記式(Z)で表される基を表す。n1は、0又は1を表す。n2は、0又は1を表す。n3は、0以上の整数を表す。但し、n3が0を表し、かつ、Rがアルキル基を表す場合、Rで表されるアルキル基が置換アルキル基であること、又は、Rで表されるアルキル基が炭素数2以上のアルキル基であることと、Rが置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表すこととの少なくとも一方を満たす。また、n3が0を表し、かつ、Rが水酸基を表す場合、Rは、無置換のアルキル基を表す。
式(2)中、R10は、水酸基を表す。R11、R12、R13、R14、及びR15は、水素原子を表す。R16、R17、R18、及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、置換基、又はQとの連結部位を表す。R16、R17、R18、及びR19のうち、隣接する2つは互いに結合して環を形成してもよく、形成した環上にQとの連結部位を有していてもよい。

式(X)中、R20は、水素原子又は無置換のアルキル基を表す。*は、結合位置を表す。
式(Y)中、R21は、水素原子又は無置換のアルキル基を表す。*は、結合位置を表す。
式(Z)中、*は、結合位置を表す。
<12> 下記式(1)で表されるキノフタロン色素。

式(1)中、Dは、下記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。Rは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。R及びRが置換基を表す場合、R及びRは、R又はRと連結して環を形成してもよい。Rは、置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。Rは、無置換のアルキル基、下記式(X)で表される基、下記式(Y)で表される基、又は下記式(Z)で表される基を表す。n1は、0又は1を表す。n2は、0又は1を表す。n3は、0以上の整数を表す。但し、n3が0を表し、かつ、Rがアルキル基を表す場合、Rで表されるアルキル基が置換アルキル基であること、又は、Rで表されるアルキル基が炭素数2以上のアルキル基であることと、Rが置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表すこととの少なくとも一方を満たす。また、n3が0を表し、かつ、Rが水酸基を表す場合、Rは、無置換のアルキル基を表す。
式(2)中、R10は、水酸基を表す。R11、R12、R13、R14、及びR15は、水素原子を表す。R16、R17、R18、及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、置換基、又はQとの連結部位を表す。R16、R17、R18、及びR19のうち、隣接する2つは互いに結合して環を形成してもよく、形成した環上にQとの連結部位を有していてもよい。

式(X)中、R20は、水素原子又は無置換のアルキル基を表す。*は、結合位置を表す。
式(Y)中、R21は、水素原子又は無置換のアルキル基を表す。*は、結合位置を表す。
式(Z)中、*は、結合位置を表す。
<13> 下記式(3)で表されるキノフタロン色素及び下記式(4)で表されるキノフタロン色素からなる群より選ばれる少なくとも1種である<12>に記載のキノフタロン色素。

式(3)中、Dは、上記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。R1a、R2a、R4a、及びR5aは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。R3aは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。R1a及びR2aが置換基を表す場合、R1a及びR2aは、R3aと連結して環を形成してもよい。R9aは、無置換のアルキル基、上記式(X)で表される基、上記式(Y)で表される基、又は上記式(Z)で表される基を表す。R22aは、置換基を表す。n3aは、1以上の整数を表す。
式(4)中、Dは、上記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。R4b、R5b、R7b、及びR8bは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。R3bは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。R9bは、無置換のアルキル基、上記式(X)で表される基、上記式(Y)で表される基、又は上記式(Z)で表される基を表す。R22bは、置換基を表す。n3bは、1以上の整数を表す。
<14> 重合性基を有する<12>又は<13>に記載のキノフタロン色素。
<15> 下記式(5)で表される重合性基を2つ以上有する<12>~<14>のいずれか1つに記載のキノフタロン色素。

式(5)中、R23は、水素原子又はアルキル基を表す。*は、結合位置を表す。
<16> 上記式(2)で表されるキノフタロン色素残基と、上記重合性基と、の間を連結する連結鎖の原子数が、4以上である<14>又は<15>に記載のキノフタロン色素。
本開示の一実施形態によれば、耐湿性に優れる着色組成物が提供される。
本開示の他の実施形態によれば、耐湿性に優れる着色組成物の製造方法が提供される。
本開示の他の実施形態によれば、耐湿性に優れるカラーフィルタが提供される。
本開示の他の実施形態によれば、耐湿性に優れるキノフタロン色素が提供される。
化合物5の吸収スペクトルを示す図である。
以下、本開示の着色組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びにキノフタロン色素について、詳細に説明する。以下に記載する要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の成分の合計量を意味する。
本開示において、2つ以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において「固形分」との語は、溶剤を除く成分を意味する。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示における基(原子団)の表記について、置換及び無置換を明記していない表記は、置換基を有さないものとともに、置換基を有するものを包含する、例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(所謂、無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(所謂、置換アルキル基)をも包含する。
本開示において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の両方を包含する用語であり、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する用語であり、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」の両方を包含する用語である。
本開示において、「n-」はノルマルを意味する。
本開示において、分子量分布がある場合の分子量は、特に断りがない限り、重量平均分子量(Mw;以下、同じ。)を表す。
本開示における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。
ある態様では、GPCによる測定は、測定装置として、HLC(登録商標)-8220GPC〔東ソー(株)製〕を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標) Super HZ2000〔4.6mmID×15cm、東ソー(株)製〕、TSKgel(登録商標) Super HZ4000〔4.6mmID×15cm、東ソー(株)製〕、及びTSKgel(登録商標) Super HZ-H〔4.6mmID×15cm、東ソー(株)製〕の3本を直列に接続し、溶離液としてNMP(N-メチルピロリドン)を用いる。測定条件としては、試料濃度を0.3質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μL、及び測定温度を40℃とし、検出器として、示差屈折率(RI:Refractive Index)検出器を用いる。検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F-80」、「F-20」、「F-4」、「F-2」、「A-5000」、及び「A-1000」の6サンプルから作製する。
[着色組成物]
本開示の着色組成物は、後述の式(1)で表されるキノフタロン色素(以下、「特定キノフタロン色素」ともいう。)と、溶剤と、を含む着色組成物である。
本開示の着色組成物は、特定の構造を有するキノフタロン色素、すなわち、後述の式(1)で表されるキノフタロン色素と、溶剤と、を含むことで、優れた耐湿性を示す。
このため、例えば、本開示の着色組成物を膜の形成に用いた場合には、耐湿性に優れる膜が得られる。
さらに、本開示の着色組成物は、以下のような効果を奏し得る。
一般に、色素を高濃度で含む液状の組成物は、色素同士が凝集しやすく、保存安定性に劣る傾向がある。特に、低温環境下で保存する場合には、色素同士の凝集がより起こりやすい。これに対し、本開示の着色組成物は、色素を高濃度で(例えば、30質量%以上)含む場合であっても、色素同士が凝集し難く、低温(例えば、10℃以下)での保存安定性に優れる。
また、本開示の着色組成物は、色素を高濃度で(例えば、30質量%以上)含む場合であっても、熱堅牢性及び光堅牢性に優れる膜の形成を実現し得る。
また、本開示の着色組成物は、色素を高濃度で(例えば、30質量%以上)含む場合であっても、耐溶剤性に優れる膜の形成を実現し得る。
以下、本開示の着色組成物における各成分の説明に先立ち、まず、本開示における「置換基」について、詳細に説明する。
本開示における「置換基」としては、特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子、脂肪族基〔飽和脂肪基(アルキル基、又は、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、架橋環式飽和炭化水素基若しくはスピロ飽和炭化水素基を含む環状飽和脂肪族基を意味する。)、不飽和脂肪族基(二重結合若しくは三重結合を有する、アルケニル基若しくはアルケニル基のような鎖状不飽和脂肪族基、又は、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、架橋環式不飽和炭化水素基若しくはスピロ不飽和炭化水素基を含む環状不飽和脂肪族基を意味する。)〕、アリール基(好ましくは、置換基を有してもよいフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは、環構成原子が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含む5~8員環であって、脂環、芳香環又はヘテロ環で縮環していてもよい。)、シアノ基、脂肪族オキシ基(代表としてアルコキシ基)、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基(代表としてアルコキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基〔脂肪族アミノ基(代表としてアルキルアミノ基)、アニリノ基及びヘテロ環アミノ基を含む。〕、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基(代表としてアルコキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、脂肪族スルホニルアミノ基(代表としてアルキルスルホニルアミノ基)若しくはアリールスルホニルアミノ基、脂肪族チオ基(代表としてアルキルチオ基)、アリールチオ基、スルファモイル基、脂肪族スルフィニル基(代表としてアルキルスルフィニル基)又はアリールスルフィニル基、脂肪族スルホニル基(代表としてアルキルスルホニル基)又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、脂肪族オキシカルボニル基(代表としてアルコキシカルボニル基)、カルバモイル基、アリールアゾ基又はヘテロ環アゾ基、イミド基、脂肪族オキシスルホニル基(代表としてアルコキシスルホニル基)、アリールオキシスルホニル基、水酸基、ニトロ基、及びスルホ基が挙げられる。
以下、上記の置換基について、更に詳細に説明する。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、ハロゲン原子としては、塩素原子又は臭素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状の脂肪族基である。
飽和脂肪族基には、アルキル基、シクロアルキル基、及びビシクロアルキル基が含まれる。これらの基は、更に置換基を有してもよい。置換基としては、既述の置換基が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、n-オクチル基、エイコシル基、2-クロロエチル基、2-シアノエチル基、ベンジル基、及び2-エチルヘキシル基が挙げられる。
シクロアルキル基には、置換又は無置換のシクロアルキル基が含まれる。
シクロアルキル基の炭素数は、3~30であることが好ましい。
シクロアルキル基の具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4-n-ドデシルシクロヘキシル基が挙げられる。
ビシクロアルキル基には、置換又は無置換のビシクロアルキル基が含まれる。
ビシクロアルキル基の炭素数は、5~30であることが好ましい。
ビシクロアルキル基としては、ビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基が挙げられる。
ビシクロアルキル基の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基、及びビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル基が挙げられる。
ビシクロアルキル基には、更に環構造が多いトリシクロ構造等を有する基も含まれる。
不飽和脂肪族基には、アルケニル基、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、及びアルキニル基が含まれる。
アルケニル基には、置換又は無置換のアルケニル基が含まれる。
アルケニル基の炭素数は、2~30であることが好ましい。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、及びオレイル基が挙げられる。
シクロアルケニル基には、置換又は無置換のシクロアルケニル基が含まれる。
シクロアルケニル基の炭素数は、3~30であることが好ましい。
シクロアルケニル基としては、シクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が挙げられる。
シクロアルケニル基の具体例としては、2-シクロペンテン-1-イル基、及び2-シクロヘキセン-1-イル基が挙げられる。
ビシクロアルケニル基には、置換又は無置換のビシクロアルケニル基が含まれる。
ビシクロアルケニル基の炭素数は、5~30であることが好ましい。
ビシクロアルケニル基としては、二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基が挙げられる。
ビシクロアルケニル基の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン-1-イル基、及びビシクロ[2.2.2]オクト-2-エン-4-イル基が挙げられる。
アルキニル基には、置換又は無置換のアルキニル基が含まれる。
アルキニル基の炭素数は、2~30であることが好ましい。
アルキニル基の具体例としては、エチニル基及びプロパルギル基が挙げられる。
アリール基には、置換又は無置換のアリール基が含まれる。
アリール基の炭素数は、6~30であることが好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、p-トリル基、ナフチル基、m-クロロフェニル基、及びo-ヘキサデカノイルアミノフェニル基が挙げられる。
これらの中でも、アリール基としては、フェニル基が好ましい。
ヘテロ環基には、置換又は無置換のヘテロ環基が含まれる。
ヘテロ環基は、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基である。ヘテロ環基は、縮環していてもよい。
ヘテロ環基としては、5員又は6員のヘテロ環基が好ましく、炭素数3~30の5員又は6員の芳香族のヘテロ環基がより好ましい。
環構成のヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子が好ましい。
ヘテロ環基におけるヘテロ環の具体例としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、シンノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、ピロール環、インドール環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、ベンズオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンズイソチアゾール環、チアジアゾール環、イソオキサゾール環、ベンズイソオキサゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、イミダゾリジン環、及びチアゾリン環が挙げられる。
脂肪族オキシ基(代表としてアルコキシ基)には、置換又は無置換の脂肪族オキシ基が含まれる。
脂肪族オキシ基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
脂肪族オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-オクチルオキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、及び3-カルボキシプロポキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシ基が含まれる。
アリールオキシ基の炭素数は、6~30であることが好ましい。
アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-tert-ブチルフェノキシ基、3-ニトロフェノキシ基、及び2-テトラデカノイルアミノフェノキシ基が挙げられる。
これらの中でも、アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基が好ましい。
アシルオキシ基には、置換又は無置換のアシルオキシ基が含まれる。
アシルオキシ基の具体例としては、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、及びp-メトキシフェニルカルボニルオキシ基が挙げられる。
これらの中でも、アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基が好ましい。
また、アシルオキシ基としては、炭素数2~30のアルキルカルボニルオキシ基、及び炭素数6~30のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。
カルバモイルオキシ基には、置換又は無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。
カルバモイルオキシ基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
カルバモイルオキシ基の具体例としては、N,N-ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N-ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N-ジ-n-オクチルアミノカルボニルオキシ基、及びN-n-オクチルカルバモイルオキシ基が挙げられる。
脂肪族オキシカルボニルオキシ基(代表としてアルコキシカルボニルオキシ基)には、置換又は無置換の脂肪族オキシカルボニルオキシ基が含まれる。
脂肪族オキシカルボニルオキシ基の炭素数は、2~30であることが好ましい。
脂肪族オキシカルボニルオキシ基の具体例としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert-ブトキシカルボニルオキシ基、及びn-オクチルカルボニルオキシ基が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルオキシ基の炭素数は、7~30であることが好ましい。
アリールオキシカルボニルオキシ基の具体例としては、フェノキシカルボニルオキシ基、p-メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、及びp-n-ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基が挙げられる。
これらの中でも、アリールオキシカルボニルオキシ基としては、フェノキシカルボニルオキシ基が好ましい。
アミノ基には、置換又は無置換のアミノ基が含まれる。
アミノ基は、脂肪族アミノ基(代表としてアルキルアミノ基)、アリールアミノ基、及びヘテロ環アミノ基を含む。
アミノ基としては、炭素数1~30の脂肪族アミノ基、及び炭素数6~30のアリールアミノ基が好ましい。
アミノ基の具体例としては、無置換のアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N-メチル-アニリノ基、ジフェニルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、カルボキシエチルアミノ基、スルフォエチルアミノ基、3,5-ジカルボキシアニリノ基、及び4-キノリルアミノ基が挙げられる。
アシルアミノ基には、置換又は無置換のアシルアミノ基が含まれる。
アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数2~30のアルキルカルボニルアミノ基、及び炭素数6~30のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。
アシルアミノ基の具体例としては、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、及び3,4,5-トリ-n-オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。
アミノカルボニルアミノ基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
アミノカルボニルアミノ基の具体例としては、カルバモイルアミノ基、N,N-ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N-ジエチルアミノカルボニルアミノ基、及びモルホリノカルボニルアミノ基が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基における「アミノ」との用語は、既述のアミノ基における「アミノ」と同じ意味である。
脂肪族オキシカルボニルアミノ基(代表としてアルコキシカルボニルアミノ基)には、置換又は無置換の脂肪族オキシカルボニルアミノ基が含まれる。
脂肪族オキシカルボニルアミノ基の炭素数は、2~30であることが好ましい。
脂肪族オキシカルボニルアミノ基の具体例としては、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert-ブトキシカルボニルアミノ基、n-オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、及びN-メチルメトキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。
アリールオキシカルボニルアミノ基の炭素数は、7~30であることが好ましい。
アリールオキシカルボニルアミノ基の具体例としては、フェノキシカルボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ基、及びn-オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
これらの中でも、アリールオキシカルボニルアミノ基としては、フェニルオキシカルボニルアミノ基が好ましい。
スルファモイルアミノ基には、置換又は無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。
スルファモイルアミノ基の炭素数は、0~30であることが好ましい。
スルファモイルアミノ基の具体例としては、スルファモイルアミノ基、N,N-ジメチルアミノスルホニルアミノ基、及びN-n-オクチルアミノスルホニルアミノ基が挙げられる。
脂肪族スルホニルアミノ基(代表としてアルキルスルホニルアミノ基)には、置換又は無置換の脂肪族スルホニルアミノ基が含まれる。
脂肪族スルホニルアミノ基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
脂肪族スルホニルアミノ基の具体例としては、メチルスルホニルアミノ基、及びブチルスルホニルアミノ基が挙げられる。
アリールスルホニルアミノ基には、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基が含まれる。
アリールスルホニルアミノ基の炭素数は、6~30であることが好ましい。
アリールスルホニルアミノ基の具体例としては、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5-トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、及びp-メチルフェニルスルホニルアミノ基が挙げられる。
これらの中でも、アリールスルホニルアミノ基としては、フェニルスルホニルアミノ基が好ましい。
脂肪族チオ基(代表としてアルキルチオ基)には、置換又は無置換の脂肪族チオ基が含まれる。
脂肪族チオ基としては、炭素数1~30のアルキルチオ基が好ましい。
アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、及びn-ヘキサデシルチオ基が挙げられる。
アリールチオ基には、置換又は無置換のアリールチオ基が含まれる。
アリールチオ基の炭素数は、6~12であることが好ましい。
アリールチオ基の具体例としては、フェニルチオ基、1-ナフチルチオ基、及び2-ナフチルチオ基が挙げられる。
スルファモイル基には、置換又は無置換のスルファモイル基が含まれる。
スルファモイル基の炭素数は、0~30であることが好ましい。
スルファモイル基の具体例としては、N-エチルスルファモイル基、N-(3-ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N-アセチルスルファモイル基、N-ベンゾイルスルファモイル基、及びN-(N’-フェニルカルバモイル)スルファモイル)基が挙げられる。
脂肪族スルフィニル基(代表としてアルキルスルフィニル基)には、置換又は無置換の脂肪族スルフィニル基が含まれる。
脂肪族スルフィニル基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
脂肪族スルフィニル基の具体例としては、メチルスルフィニル基、及びエチルスルフィニル基が挙げられる。
アリールスルフィニル基には、置換又は無置換のアリールスルフィニル基が含まれる。
アリールスルフィニル基の炭素数は、6~30であることが好ましい。
アリールスルフィニル基の具体例としては、フェニルスルフィニル基、及びp-メチルフェニルスルフィニル基が挙げられる。
これらの中でも、アリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル基が好ましい。
脂肪族スルホニル基(代表としてアルキルスルホニル基)には、置換又は無置換の脂肪族スルホニル基が含まれる。
脂肪族スルホニル基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
脂肪族スルホニル基の具体例としては、メチルスルホニル基、及びエチルスルホニル基が挙げられる。
アリールスルホニル基には、置換又は無置換のアリールスルホニル基が含まれる。
アリールスルホニル基の炭素数は、6~30であることが好ましい。
アリールスルホニル基の具体例としては、フェニルスルホニル基、及びp-トルエンスルホニル基が挙げられる。
これらの中でも、アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基が好ましい。
アシル基には、置換又は無置換のアシル基が含まれる。
アシル基としては、例えば、ホルミル基、炭素数2~30の脂肪族カルボニル基(代表としてアルキルカルボニル基)、炭素数7~30のアリールカルボニル基、及び炭素数4~30の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。
アリールカルボニル基としては、フェニルカルボニル基が好ましい。
アシル基の具体例としては、アセチル基、ピバロイル基、2-クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p-n-オクチルオキシフェニルカルボニル基、2-ピリジルカルボニル基、及び2-フリルカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。
アリールオキシカルボニル基の炭素数は、7~30であることが好ましい。
アリールオキシカルボニル基の具体例としては、フェノキシカルボニル基、o-クロロフェノキシカルボニル基、m-ニトロフェノキシカルボニル基、及びp-tert-ブチルフェノキシカルボニル基が挙げられる。
これらの中でも、アリールオキシカルボニル基としては、フェニルオキシカルボニル基が好ましい。
脂肪族オキシカルボニル基(代表としてアルコキシカルボニル基)には、置換又は無置換の脂肪族オキシカルボニル基が含まれる。
脂肪族オキシカルボニル基の炭素数は、2~30であることが好ましい。
脂肪族オキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、及びn-オクタデシルオキシカルボニル基が挙げられる。
カルバモイル基には、置換又は無置換のカルバモイル基が含まれる。
カルバモイル基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
カルバモイル基の具体例としては、無置換のカルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-ジ-n-オクチルカルバモイル基、及びN-(メチルスルホニル)カルバモイル基が挙げられる。
アリールアゾ基には、置換又は無置換のアリールアゾ基が含まれる。
アリールアゾ基の具体例としては、フェニルアゾ基、及びメトキシフェニルアゾ基が挙げられる。
ヘテロ環アゾ基には、置換又は無置換のヘテロ環アゾ基が含まれる。
ヘテロ環アゾ基の具体例としては、4-ピバロイルアミノフェニルアゾ基、及び2-ヒドロキシ-4-プロパノイルフェニルアゾ基が挙げられる。
イミド基の具体例としては、N-スクシンイミド基、及びN-フタルイミド基が挙げられる。
脂肪族オキシスルホニル基(代表としてアルコキシスルホニル基)には、置換又は無置換の脂肪族オキシスルホニル基が含まれる。
脂肪族オキシスルホニル基の炭素数は、1~30であることが好ましい。
脂肪族オキシスルホニル基の具体例としては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、及びn-ブトキシスルホニル基が挙げられる。
アリールオキシスルホニル基には、置換又は無置換のアリールオキシスルホニル基が含まれる。
アリールオキシスルホニル基の炭素数は、6~12であることが好ましい。
アリールオキシスルホニル基の具体例としては、フェノキシスルホニル基、及び2-ナフトキシフェニル基が挙げられる。
上記に加えて、置換基としては、例えば、シアノ基、ホスホノ基、及びエチレン性不飽和基を有する置換基が挙げられる。
上述したように、上記置換基は、更に置換基を有していてもよく、このような置換基としては、上記置換基が挙げられる。
〔特定キノフタロン色素〕
本開示の着色組成物は、下記式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)を含む。

式(1)中、Dは、下記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。
式(2)中、R10は、水酸基を表す。
式(2)中、R11、R12、R13、R14、及びR15は、水素原子を表す。
式(2)中、R16、R17、R18、及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、置換基、又はQとの連結部位を表す。R16、R17、及びR19は、水素原子を表すことが好ましく、R18は、Qとの連結部位を表すことが好ましい。
16、R17、R18、及びR19のうち、隣接する2つは互いに結合して環を形成してもよく、形成した環上にQとの連結部位を有していてもよい。
式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)には、互変異性体が存在する。本開示における特定キノフタロン色素は、存在する全ての互変異性体を包含するものとする。特定キノフタロン色素は、例えば、式(1)中のDが、下記の式(2)で表される構造以外にも、下記の式(2’)で表される構造を取り得る。

式(1)中、Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。Qは、-C(=O)O-で構成される2価の連結基を表すことが好ましい。
式(1)中、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。R、R、R、R、R、及びRは、水素原子を表すことが好ましい。
式(1)中、Rは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。Rは、水素原子を表すことが好ましい。
及びRが置換基を表す場合、R及びRは、R又はRと連結して環を形成してもよい。
式(1)中、Rは、置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。Rで表される置換基は、アルキル基又はアシルオキシ基であることが好ましい。
がアルキル基を表す場合、アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐を有していてもよく、環構造を有していてもよい。アルキル基の炭素数は、1~18であることが好ましく、1~8であることが好ましい。
で表されるアルキル基の具体例としては、エチル基、イソプロピル基、ヘキシル基、及びオクタデシル基が挙げられる。
がアシルオキシ基を表す場合、アシルオキシ基の炭素数は、1~20であることが好ましく、1~10であることが好ましい。
で表されるアシルオキシ基の具体例としては、アセチルオキシ基、アクリロイルオキシ基、及びメタクリロイルオキシ基が挙げられる。
式(1)中、Rは、無置換のアルキル基、下記式(X)で表される基、下記式(Y)で表される基、又は下記式(Z)で表される基を表す。Rは、下記式(X)で表される基、又は、下記式(Y)で表される基を表すことが好ましく、下記式(X)で表される基を表すことがより好ましい。
が無置換のアルキル基を表す場合、アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐を有していてもよく、環構造を有していてもよい。アルキル基の炭素数は、1~18であることが好ましく、1~6であることがより好ましい。
で表される無置換のアルキル基の具体例としては、メチル基、ヘキシル基、オクチル基、及びオクタデシル基が挙げられる。

式(X)中、R20は、水素原子又は無置換のアルキル基を表す。R20は、無置換のアルキル基を表すことが好ましい。
20が無置換のアルキル基を表す場合、アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐を有していてもよく、環構造を有していてもよい。無置換のアルキル基の炭素数は、1~18であることが好ましく、1~6であることがより好ましい。
20で表される無置換のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、ヘキシル基、及びオクタデシル基が挙げられる。
式(X)中、*は、結合位置を表す。
式(Y)中、R21は、水素原子又は無置換のアルキル基を表す。R21は、無置換のアルキル基を表すことが好ましい。
21が無置換のアルキル基を表す場合、無置換のアルキル基の炭素数は、1~18であることが好ましく、1~6であることがより好ましい。
21で表される無置換のアルキル基の具体例としては、メチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、及びオクタデシル基が挙げられる。
式(Y)中、*は、結合位置を表す。
式(Z)中、*は、結合位置を表す。
式(1)中、n1は、0又は1を表し、1を表すことが好ましい。
式(1)中、n2は、0又は1を表し、1を表すことが好ましい。
式(1)中、n1が0を表す場合、n2は、1を表すことが好ましい。
式(1)中、n2が0を表す場合、n1は、1を表すことが好ましい。
式(1)中、n3は、0以上の整数を表し、0~18の整数であることが好ましく、0~4であることがより好ましい。
但し、n3が0を表し、かつ、Rがアルキル基を表す場合、Rで表されるアルキル基が置換アルキル基であること、又は、Rで表されるアルキル基が炭素数2以上のアルキル基であることと、Rが置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表すこととの少なくとも一方を満たす。
すなわち、n3が0を表し、かつ、Rがアルキル基を表す場合、以下の条件のいずれかを満たす。
・Rで表されるアルキル基が置換アルキル基である。
・Rで表されるアルキル基が炭素数2以上のアルキル基である。
・Rが置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。
・Rで表されるアルキル基が置換アルキル基であり、かつ、Rが置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。
・Rで表されるアルキル基が炭素数2以上のアルキル基であり、かつ、Rが置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。
で表されるアルキル基が置換アルキル基である場合、置換アルキル基は、任意の位置に、ハロゲン原子、アシルオキシ基、アルケニル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。置換アルキル基としては、メタクリロイルオキシメチル基、トリフルオロメチル基、又はプレニル基であることが好ましい。
で表されるアルキル基が炭素数2以上のアルキル基である場合、アルキル基は、エチル基、イソプロピル基、ヘキシル基、又はオクタデシル基であることが好ましい。
が置換基を表す場合、Rで表される置換基は、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
また、n3が0を表し、かつ、Rが水酸基を表す場合、Rは、無置換のアルキル基を表す。Rが無置換のアルキル基を表す場合については、既述のとおりであるため、ここでは説明を省略する。
式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)は、下記式(3)で表されるキノフタロン色素及び下記式(4)で表されるキノフタロン色素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。

式(3)中、Dは、上記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。
式(3)中、Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。
式(3)中、R1a、R2a、R4a、及びR5aは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。式(3)におけるR1a、R2a、R4a、及びR5aは、それぞれ、式(1)におけるR、R、R、及びRと同義であり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
式(3)中、R3aは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。式(3)におけるR3aは、式(1)におけるRと同義であり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
1a及びR2aが置換基を表す場合、R1a及びR2aは、R3aと連結して環を形成してもよい。
式(3)中、R9aは、無置換のアルキル基、上記式(X)で表される基、上記式(Y)で表される基、又は上記式(Z)で表される基を表す。式(3)におけるR9aは、式(1)におけるRと同義であり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
式(3)中、R22aは、置換基を表す。
22aで表される置換基は、アルキル基、ビニル基、又はイソプロペニル基であることが好ましい。
式(3)中、n3aは、1以上の整数を表し、1~18の整数であることが好ましく、1~4であることがより好ましい。
式(4)中、Dは、上記式(2)で表されるキノフタロン色素残基を表す。
式(4)中、Qは、-C(=O)O-又は-OC(=O)-で構成される2価の連結基を表す。
式(4)中、R4b、R5b、R7b、及びR8bは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基(但し、カルボン酸基及びカルボン酸塩基を除く。)を表す。式(4)におけるR4b、R5b、R7b、及びR8bは、それぞれ、式(1)におけるR、R、R、及びRと同義であり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
式(4)中、R3bは、水素原子又は置換基(但し、-C(=O)-を含む基、-C(=O)O-を含む基、及び水酸基を除く。)を表す。式(4)におけるR3bは、式(1)におけるRと同義であり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
式(4)中、R9bは、無置換のアルキル基、上記式(X)で表される基、上記式(Y)で表される基、又は上記式(Z)で表される基を表す。式(4)におけるR9bは、式(1)におけるRと同義であり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
式(4)中、R22bは、置換基を表す。
22bで表される置換基は、アルキル基、ビニル基、又はイソプロペニル基であることが好ましい。
式(4)中、n3bは、1以上の整数を表し、1~18の整数であることが好ましく、1~4であることがより好ましい。
本開示の着色組成物は、特定キノフタロン色素として、式(3)で表されるキノフタロン色素及び式(4)で表されるキノフタロン色素の両方を含むことが好ましい。
本開示の着色組成物は、式(3)で表されるキノフタロン色素及び式(4)で表されるキノフタロン色素の両方を含むと、耐湿性により優れる傾向を示す。また、本開示の着色組成物は、式(3)で表されるキノフタロン色素及び式(4)で表されるキノフタロン色素の両方を含むと、色素濃度が高い場合(例えば、30質量%以上)であっても、低温(例えば、10℃以下)での保管安定性により優れる傾向を示すとともに、熱堅牢性、光堅牢性、及び耐溶剤性により優れる膜の形成を実現できる傾向を示す。
式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)は、重合性基を有することが好ましい。
特定キノフタロン色素が重合性基を有すると、耐湿性がより向上する傾向がある。
重合性基は、光重合性基であってもよく、熱重合性基であってもよい。
光重合性基とは、光(即ち、紫外線、可視光線、電子線、γ線、β線等の活性エネルギー線)の作用により重合反応又は架橋反応し得る基を意味する。
熱重合性基とは、熱の作用により重合反応又は架橋反応し得る基を意味する。
重合性基は、光重合性基であることが好ましい。
光重合性基としては、例えば、ラジカル重合性基及びカチオン重合性基が挙げられる。
光重合性基は、ラジカル重合性基であることが好ましい。
ラジカル重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和基(即ち、エチレン性二重結合を有する基)が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、N-ビニル基、及びアリル基、が挙げられる。
カチオン重合性基としては、例えば、エポキシ基及びオキセタニル基が挙げられる。
特定キノフタロン色素は、重合性基を有する場合、重合性基を1つのみ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。
式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)は、下記式(5)で表される重合性基を2つ以上有することが好ましい。
特定キノフタロン色素が下記式(5)で表される重合性基を2つ以上有すると、耐湿性がより向上する傾向を示す。

式(5)中、R23は、水素原子又はアルキル基を表し、炭素数1~18のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましい。
式(5)中、*は、結合位置を表す。
式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)が重合性基を有する場合、式(2)で表されるキノフタロン色素残基と、重合性基と、の間を連結する連結鎖の原子数は、4以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、6以上であることが更に好ましい。
特定キノフタロン色素における、式(2)で表されるキノフタロン色素残基と、重合性基と、の間を連結する連結鎖の原子数が4以上であると、耐湿性がより向上する傾向を示す。
特定キノフタロン色素における、式(2)で表されるキノフタロン色素残基と、重合性基と、の間を連結する連結鎖の原子数の上限は、特に制限されないが、例えば、色濃度の観点から、10以下であることが好ましい。
例えば、後述の化合物4における、式(2)で表されるキノフタロン色素残基と、重合性基と、の間を連結する連結鎖の原子数は、6である。
以下、式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)の具体例を示すが、特定キノフタロン色素は、以下の具体例には限定されない。


式(1)で表されるキノフタロン色素(特定キノフタロン色素)は、下記式(6)で表されるキノフタロン色素及び下記式(7)で表されるキノフタロン色素から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の着色組成物は、特定キノフタロン色素として、式(6)で表されるキノフタロン色素及び式(7)で表されるキノフタロン色素の両方を含むことが好ましい。
本開示の着色組成物は、式(6)で表されるキノフタロン色素及び式(7)で表されるキノフタロン色素の両方を含むと、耐湿性により優れる傾向を示す。また、本開示の着色組成物は、式(6)で表されるキノフタロン色素及び式(7)で表されるキノフタロン色素の両方を含むと、色素濃度が高い場合(例えば、30質量%以上)であっても、低温(例えば、10℃以下)での保管安定性により優れる傾向を示すとともに、熱堅牢性、光堅牢性、及び耐溶剤性により優れる膜の形成を実現できる傾向を示す。
本開示における式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)は、例えば、特開2010-250291号公報に記載の例示化合物(1)の合成方法に準じて合成できる。
特定キノフタロン色素の具体的な合成方法は、後述する実施例にて詳細に説明する。
本開示の着色組成物は、特定キノフタロン色素を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本開示の着色組成物における特定キノフタロン色素の含有率(所謂、濃度)は、特に制限されないが、例えば、着色組成物の全質量に対して、0.1質量%~99.9質量%であることが好ましく、1質量%~99質量%であることがより好ましく、10質量%~95質量%であることが更に好ましく、20質量%~90質量%であることが更により好ましく、30質量%~90質量%であることが特に好ましい。
本開示の着色組成物における特定キノフタロン色素の含有率(所謂、濃度)は、本開示の着色組成物が2種以上の特定キノフタロン色素を含む場合には、合計含有率(所謂、総濃度)を意味する。
〔溶剤〕
本開示の着色組成物は、溶剤を含む。
溶剤は、着色組成物に含まれる各成分の溶解性、着色組成物の塗布性、安全性等を満足するものであれば、基本的には、特に制限されない。
溶剤としては、例えば、水及び有機溶剤が挙げられる。
溶剤は、有機溶剤であることが好ましい。
溶剤としては、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、及び芳香族炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
エステル化合物の具体例としては、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキルエステル類(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、及びオキシ酢酸ブチル(具体例:メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、及びエトキシ酢酸エチル)、3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸メチル、及び2-オキソブタン酸エチルが挙げられる。
エーテル化合物の具体例としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートが挙げられる。
ケトン化合物の具体例としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、及び3-ヘプタノンが挙げられる。
芳香族炭化水素化合物の具体例としては、トルエン及びキシレンが挙げられる。
溶剤としては、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の着色組成物は、溶剤を、1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本開示の着色組成物における溶剤の含有率は、特に制限されないが、例えば、着色組成物中の全固形分濃度が、0.1質量%~99.9質量%になる量であることが好ましく、1質量%~99質量%になる量であることがより好ましく、10質量%~95質量%になる量であることが更に好ましく、30質量%~90質量%になる量であることが特に好ましい。
本開示の着色組成物は、溶剤として水を含まないか、又は、水の含有率が溶剤の全質量に対して0質量%を超えて99質量%以下の範囲であることが好ましく、溶剤として水を含まないか、又は、水の含有率が溶剤の全質量に対して0質量%を超えて10質量%以下の範囲であることがより好ましく、溶剤として水を含まないか、又は、水の含有率が溶剤の全質量に対して0質量%を超えて5質量%以下の範囲であることが更に好ましく、溶剤として水を含まないか、又は、水の含有率が溶剤の全質量に対して0質量%を超えて1質量%以下の範囲であることが更により好ましく、水を含まないことが特に好ましい。
本開示において、「水を含まない」とは、水の含有率が、溶剤の全質量に対して0質量%であるか、又は、水を実質的に含まないことを意味する。また、「水を実質的に含まない」とは、不可避的に混入した水の存在は許容するが、意図して添加された水の存在は許容しないことを意味する。
〔バインダー樹脂〕
本開示の着色組成物は、さらに、バインダー樹脂を含むことができる。
バインダー樹脂は、例えば、着色組成物により形成した膜の質及び膜面状の改善に寄与し得る。このため、本開示の着色組成物がバインダー樹脂を含むことは、本開示の着色組成物をカラーフィルタの作製用途に用いる場合に、非常に有効である。
本開示の着色組成物をカラーフィルタの作製用途に用いる場合、カラーフィルタのパターニングがフォトリソ工程で行われることが多いことから、バインダー樹脂は、アルカリ可溶性(所謂、アルカリ現像性)を有する樹脂(即ち、アルカリ可溶性樹脂)であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、特に制限はなく、例えば、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体等を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えば、カルボキシル基、リン酸基、及びスルホン酸基)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂は、有機溶剤に可溶で、かつ、弱アルカリ水溶液により現像可能であることがより好ましい。
線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。
このようなポリマーについては、例えば、特開昭59-44615号、特公昭54-34327号、特公昭58-12577号、特公昭54-25957号、特開昭59-53836号、特開昭59-71048号、及び特開平7-140654号公報に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、(メタ)アクリル酸と、この(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、及びビニル化合物が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、トリルアクリレート、ナフチルアクリレート、及びシクロヘキシルアクリレートが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の水素原子、及び、アリール(メタ)アクリレートのアリール基の水素原子は、いずれも置換基で置換されていてもよい。
ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N-ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1~5のアルキル基を表し、Rは炭素数6~10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1~8のアルキル基又は炭素数6~12のアラルキル基を表す。〕等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。各単量体は、任意の量で混合して用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂の好ましい態様としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、及び、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる多元共重合体が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂については、例えば、特開2014-055275号公報の段落[0105]~[0114]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による製造方法を適用することができる。ラジカル重合法によりアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類、ラジカル開始剤の量、溶剤の種類等の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めることもできる。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、例えば、1,000~2,000,000であることが好ましく、3,000~1,000,000であることがより好ましく、5,000~3000,000であることが更に好ましく、5,000~50,000であることが特に好ましい。
本開示の着色組成物は、バインダー樹脂を含む場合、バインダー樹脂を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本開示の着色組成物がバインダー樹脂を含む場合、着色組成物におけるバインダー樹脂の含有率は、特に制限されないが、例えば、着色組成物の全固形分に対して、1質量%~70質量%であることが好ましく、1質量%~60質量%であることがより好ましく、1質量%~50質量%であることが更に好ましい。
〔重合性化合物〕
本開示の着色組成物は、さらに、重合性化合物を含むことができる。
本開示の着色組成物は、重合性化合物を含むと、エネルギー付与等により硬化する硬化性の着色組成物として用いることができる。
重合性化合物は、例えば、感光性(即ち、光硬化性)及び硬化膜の強度に寄与し得る。
重合性化合物としては、例えば、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物(以下、単に「エチレン性不飽和化合物」ともいう。)が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物としては、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。
本開示において、「2官能以上のエチレン性不飽和化合物」とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、特に制限はなく、例えば、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメナノールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、及び1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能のエチレン性不飽和化合物の市販品としては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔商品名:NKエステル A-DCP、新中村化学工業(株)製〕、トリシクロデカンジメナノールジメタクリレート〔商品名:NKエステル DCP、新中村化学工業(株)製〕、1,9-ノナンジオールジアクリレート〔商品名:NKエステル A-NOD-N、新中村化学工業(株)製〕、及び1,6-ヘキサンジオールジアクリレート〔商品名:NKエステル A-HD-N、新中村化学工業(株)製〕が挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、特に制限はなく、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、及びグリセリントリ(メタ)アクリレート骨格の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
ここで、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念であり、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート化合物のカプロラクトン変性化合物〔日本化薬(株)製のKAYARAD(登録商標) DPCA-20、新中村化学工業(株)製のA-9300-1CL等〕、(メタ)アクリレート化合物のアルキレンオキサイド変性化合物〔日本化薬(株)製のKAYARAD(登録商標) RP-1040、新中村化学工業(株)製のATM-35E、A-9300、ダイセル・オルネクス社のEBECRYL(登録商標) 135等〕、及びエトキシル化グリセリントリアクリレート〔新中村化学工業(株)製のNKエステル A-GLY-9E等〕も挙げられる。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート化合物〔好ましくは、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物〕も挙げられる。
3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、8UX-015A〔大成ファインケミカル(株)製〕、NKエステル UA-32P〔新中村化学工業(株)製〕、及びNKエステル UA-1100H〔新中村化学工業(株)製〕が挙げられる。
本開示の着色組成物をカラーフィルタの作製用途に用いる場合、エチレン性不飽和化合物は、例えば、現像性向上の観点から、酸基を有することが好ましい。
酸基としては、リン酸基、スルホン酸基、カルボキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、酸基としては、カルボキシ基が好ましい。
酸基を有するエチレン性不飽和化合物については、例えば、特開2004-239942号公報の段落[0025]~[0030]に記載がある。これらの記載は、参照により本明細書に取り込まれる。
重合性化合物の種類、使用量等の詳細は、着色組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定することができる。
例えば、感度の観点では、重合性化合物は、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上のものが好ましい。
例えば、膜強度の観点では、重合性化合物は、3官能以上のものが好ましい。
例えば、着色組成物における各成分(例えば、特定キノフタロン色素、重合開始剤、及びバインダー樹脂)との相溶性、分散性等を考慮し、重合性化合物を選択することも有効である。
重合性化合物の分子量は、100~3,000であることが好ましく、250~2,600であることがより好ましく、280~2,200であることが更に好ましく、300~2,200であることが特に好ましい。
本開示の着色組成物は、重合性化合物を含む場合、重合性化合物を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本開示の着色組成物が重合性化合物を含む場合、着色組成物における重合性化合物の含有率は、特に制限されないが、例えば、着色組成物の全固形分に対して、1質量%~99質量%であることが好ましく、1質量%~90質量%であることがより好ましく、1質量%~70質量%であることが更に好ましく、10質量%~70質量%であることが更により好ましく、20質量%~70質量%であることが特に好ましい。
〔重合開始剤〕
本開示の着色組成物は、上記重合性化合物を含む場合、さらに、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤及び熱重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であってもよく、カチオン重合開始剤であってもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル-s-トリアジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の活性ハロゲン化合物が挙げられる。また、光ラジカル重合開始剤としては、例えば、3-アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン-ベンゼン-鉄錯体及びその塩、並びに、オキシム系化合物が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、活性ハロゲン化合物が好ましく、トリアジン系化合物であることがより好ましい。
活性ハロゲン化合物であるハロメチルオキサジアゾール化合物の具体例としては、特公昭57-6096号公報に記載の2-ハロメチル-5-ビニル-1,3,4-オキサジアゾール化合物、並びに、2-トリクロロメチル-5-スチリル-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-(p-シアノスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール、及び2-トリクロロメチル-5-(p-メトキシスチリル)-1,3,4-オキサジアゾールが挙げられる。
活性ハロゲン化合物であるハロメチル-s-トリアジン化合物の具体例としては、特公昭59-1281号公報に記載のビニル-ハロメチル-s-トリアジン化合物、特開昭53-133428号公報に記載の2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス-ハロメチル-s-トリアジン化合物、及び4-(p-アミノフェニル)-2,6-ジ-ハロメチル-s-トリアジン化合物が挙げられる。
その他の具体例としては、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-p-メトキシスチリル-s-トリアジン、2,6-ビス(トリクロロメチル)-4-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,6-ビス(トリクロロメチル)-4-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(1-p-ジメチルアミノフェニル-1,3-ブタジエニル)-s-トリアジン、2-トリクロロメチル-4-アミノ-6-p-メトキシスチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-ブトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-〔4-(2-メトキシエチル)ナフト-1-イル〕-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-〔4-(2-エトキシエチル)ナフト-1-イル〕-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-〔4-(2-ブトキシエチル)ナフト-1-イル〕-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(2-メトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(6-メトキシ-5-メチルナフト-2-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(6-メトキシナフト-2-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(5-メトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4,7-ジメトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(6-エトキシ-ナフト-2-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4,5-ジメトキシナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔o-メチル-p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔p-N,N-ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔o-メチル-p-N,N-ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(p-N-クロロエチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(p-N-エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔p-N,N-ジ(フェニル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(p-N-クロロエチルカルボニルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔p-N-(p-メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔m-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔m-ブロモ-p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔m-クロロ-p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔m-フルオロ-p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔o-ブロモ-p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔o-クロロ-p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔o-フルオロ-p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔o-ブロモ-p-N,N-ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔o-クロロ-p-N,N-ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔o-フルオロ-p-N,N-ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔m-ブロモ-p-N,N-ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔m-クロロ-p-N,N-ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-〔m-フルオロ-p-N,N-ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(m-ブロモ-p-N-エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(m-クロロ-p-N-エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(m-フルオロ-p-N-エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(o-ブロモ-p-N-エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(o-クロロ-p-N-エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(o-フルオロ-p-N-エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(m-ブロモ-p-N-クロロエチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(m-クロロ-p-N-クロロエチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(m-フルオロ-p-N-クロロエチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(o-ブロモ-p-N-クロロエチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-(o-クロロ-p-N-クロロエチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、及び4-(o-フルオロ-p-N-クロロエチルアミノフェニル)-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジンが挙げられる。
また、その他の具体例としては、4,4-ビス(ジエチルアミノ)-ベンゾフェノン、2-(o-ベンゾイルオキシム)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-4-モルホリノブチロフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-(o-クロルフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾリル二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾリル二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾリル二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾリル二量体、2-(p-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾリル二量体、2-(2,4-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾリル二量体、2-(p-メチルメルカプトフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾリル二量体、及びベンゾインイソプロピルエーテルが挙げられる。
また、光重合開始剤としては、例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号明細書及び第2,367,670号明細書に記載のα-カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル化合物、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα-炭化水素で置換されたアリールアシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に記載のトリアリルイミダゾールダイマー/P-アミノフェニルケトン、並びに、特公昭51-48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチル-s-トリアジン系化合物が挙げられる。
光重合開始剤の市販品の例としては、みどり化学(株)のTAZシリーズ(例えば、TAZ-107、TAZ-110、TAZ-104、TAZ-109、TAZ-140、TAZ-204、TAZ-113、TAZ-123、及びTAZ-104)、及びPANCHIM社のTシリーズ(例えば、T-OMS、T-BMP、T-R、及びT-B)が挙げられる。
また、光重合開始剤の市販品の例としては、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)〔商品名:Irgacure OXE01、BASF社製〕、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(o-アセチルオキシム)〔商品名:Irgacure OXE02、BASF社製〕、Irgacure OXE03〔BASF社製〕、Irgacure OXE04〔BASF社製〕、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン〔商品名:Irgacure 379EG、BASF社製〕、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン〔商品名:Irgacure 907、BASF社製〕、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン〔商品名:Irgacure 127、BASF社製〕、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1〔商品名:Irgacure 369、BASF社製〕、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン〔商品名:Darocur 1173、BASF社製〕、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔商品名:Irgacure 184、BASF社製〕、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン〔商品名:Irgacure 651、BASF社製〕、Irgacure 784〔BASF社製〕、Irgacure 500〔BASF社製〕、Irgacure 1000〔BASF社製〕、Irgacure 149〔BASF社製〕、Irgacure 819〔BASF社製〕、Irgacure 261〔BASF社製〕、Lunar 6〔DKSHジャパン(株)製〕、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-3-シクロペンチルプロパン-1,2-ジオン-2-(o-ベンゾイルオキシム)〔商品名:TR-PBG-305、常州強力電子新材料(株)製〕、1,2-プロパンジオン,3-シクロヘキシル-1-[9-エチル-6-(2-フラニルカルボニル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,2-(o-アセチルオキシム)〔商品名:TR-PBG-326、常州強力電子新材料(株)製〕、及び3-シクロヘキシル-1-(6-(2-(ベンゾイルオキシイミノ)ヘキサノイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-プロパン-1,2-ジオン-2-(o-ベンゾイルオキシム)〔商品名:TR-PBG-391、常州強力電子新材料(株)製〕が挙げられる。
なお、上記「Irgacure」、「Darocur」、及び「Lunar」は、いずれも登録商標である。
本開示の着色組成物は、光重合開始剤を含む場合、光重合開始剤を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本開示の着色組成物が光重合開始剤を含む場合、着色組成物における光重合開始剤の含有率は、特に制限されないが、例えば、上記重合性化合物の固形分に対して、0.01質量%~50質量%であることが好ましく、1質量%~30質量%であることがより好ましく、1質量%~20質量%であることが更に好ましい。
〔その他の成分〕
本開示の着色組成物は、本開示の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、上記以外の成分(所謂、その他の成分)を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)以外の色素(例えば、顔料)が挙げられる。
また、その他の成分としては、例えば、界面活性剤、重合禁止剤、酸化防止剤、充填剤、密着促進剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤が挙げられる。
顔料としては、特に制限はなく、公知の顔料を用いることができる。
顔料は、無機顔料であってもよく、有機顔料であってもよい。
顔料は、高透過率であることが好ましい。
無機顔料としては、例えば、金属酸化物、金属錯塩等の金属化合物が挙げられる。
無機顔料としては、具体的には、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、金属(例えば、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、及びアンチモン)の酸化物、上記金属の複合酸化物等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー11、24、31、53、83、93、99、108、109、110、138、139、147、150、151、154、155、167、180、185、及び199
C.I.ピグメントオレンジ36、38、43、及び71
C.I.ピグメントレッド81、105、122、149、150、155、171、175、176、177、209、220、224、242、254、255、264、及び270
C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、及び39
C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:3、15:6、16、22、60、及び66
C.I.ピグメントグリーン7、36、37、及び58
C.I.ピグメントブラウン25及び28
C.I.ピグメントブラック1
本開示の着色組成物が顔料を含む場合、所望により、顔料分散剤を併用してもよい。
顔料分散剤としては、例えば、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミン及びその塩、ポリカルボン酸及びその塩、高分子量不飽和エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、並びにナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、界面活性剤〔例えば、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、及びアルカノールアミン〕、及び顔料誘導体が挙げられる。
なお、高分子分散剤は、その構造から、例えば、直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、及びブロック型高分子に分類することができる。
上記各種添加剤の具体例としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の各種界面活性剤;p-メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ベンゾキノン、ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、tert-ブチルカテコール、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩等の重合禁止剤;2,2-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6-ジ-t-ブチルフェノール等の酸化防止剤;ガラス、アルミナ等の充填剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;及び2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤が挙げられる。
本開示の着色組成物が上記その他の成分を含む場合、着色組成物における上記その他の成分の含有率は、本開示の効果を損なわない範囲において、目的に応じて、適宜設定できる。
例えば、本開示の着色組成物が界面活性剤を含む場合、着色組成物における界面活性剤の含有率は、着色組成物の全固形分に対して、0.001質量%~5質量%とすることができる。
例えば、本開示の着色組成物が重合禁止剤を含む場合、着色組成物における重合禁止剤の含有率は、着色組成物の全固形分に対して、0.0001質量%~5質量%とすることができる。
-着色組成物の用途-
本開示の着色組成物は、例えば、液晶表示装置(LCD)、並びに、固体撮像素子〔例えば、CCD(charge-coupled device)及びCMOS(complementary metal oxide semiconductor)〕に用いられるカラーフィルタ等の着色画素を形成する用途に好適である。また、本開示の着色組成物は、例えば、印刷用インク、インクジェット用インク、及び塗料を作製する用途に好適である。
-着色組成物の製造方法-
本開示の着色組成物の製造方法は、特に制限されない。
以下、本開示の着色組成物の好適な製造方法の一例について説明する。但し、既述の本開示の着色組成物と共通する事項、例えば、本開示の着色組成物の各成分及び量については、説明を省略する。
本開示の着色組成物の製造方法は、例えば、式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)と、既述の溶剤と、を混合することを含む。
本開示の着色組成物の製造に際しては、例えば、着色組成物に含まれる各成分を一括して混合してもよく、溶剤を撹拌しながら、その溶剤中に、特定キノフタロン色素等を添加し、混合してもよい。
混合手段としては、特に制限はなく、公知の混合手段を適用することができる。
混合手段の具体例としては、撹拌機を用いる機械的撹拌、撹拌棒を用いる手撹拌等の混合手段が挙げられる。
混合温度及び混合時間は、着色組成物に含まれる各成分を十分に混合することができれば、特に制限されず、適宜設定することができる。
[カラーフィルタ]
本開示のカラーフィルタは、式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)を含むカラーフィルタである。
本開示のカラーフィルタは、特定キノフタロン色素を含むため、耐湿性に優れる。
また、本開示のカラーフィルタは、特定キノフタロン色素を高濃度で(例えば、30質量%以上)含む場合であっても、熱堅牢性、光堅牢性、及び耐溶剤性に優れる。
-カラーフィルタの製造方法-
本開示のカラーフィルタの製造方法は、既述の本開示の着色組成物を用いること以外は、特に制限されず、公知の製造方法を適用することができる。
以下、本開示のカラーフィルタの好適な製造方法の一例について説明する。但し、既述の本開示の着色組成物と共通する事項、例えば、本開示の着色組成物の各成分及び量については、説明を省略する。
本開示のカラーフィルタの製造方法は、例えば、本開示の着色組成物を支持体上に塗布して着色層を形成する工程Aと、形成した着色層をパターン露光する工程Bと、パターン露光した着色層を現像してパターンを形成する工程Cと、を含むことが好ましい。
本開示のカラーフィルタの製造方法は、必要に応じて、着色層を乾燥(所謂、プリベーク;以下、同じ。)する工程、及び、現像されたパターンを加熱処理(所謂、ポストベーク;以下、同じ。)する工程を含んでいてもよい。
支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたもの、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板(例えば、シリコン基板)、並びに、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)が挙げられる。
支持体上には、必要に応じて、上部の層との密着性の改良、物質の拡散防止、又は基板表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
支持体上に、本開示の着色組成物を塗布する方法としては、特に制限はなく、例えば、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スプレー塗布、スピン塗布、スリット・アンド・スピン塗布、ダイコート塗布等の方法が挙げられる。
プリベークの手段としては、特に制限はなく、例えば、ホットプレート、及びコンベクションオーブン(所謂、熱風循環式乾燥機)が挙げられる。
プリベーク温度は、特に制限されないが、例えば、150℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましく、110℃以下であることが更に好ましい。プリベーク温度の下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。
プリベーク時間は、特に制限されないが、例えば、10秒間~300秒間であることが好ましく、30秒間~200秒間であることがより好ましく、60秒間~180秒間であることが更に好ましい。
本開示において、「パターン露光」とは、パターン状に露光する態様、即ち、露光部と非露光部とが存在する態様の露光を指す。パターン露光は、マスクを介した露光でもよく、レーザー等を用いたデジタル露光でもよい。
パターン露光の光源としては、着色層を硬化し得る波長域の光(例えば、365nm又は405nm)を照射できるものであれば、適宜選定して用いることができる。
光源としては、例えば、各種レーザー、発光ダイオード(LED)、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、及びメタルハライドランプが挙げられる。
露光量は、5mJ/cm~200mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm~200mJ/cmであることがより好ましい。
現像液としては、着色層の現像除去しようとする部分(例えば、ネガ型の場合は未硬化部)を溶解する一方、フィルタをなす部分(例えば、ネガ型の場合は硬化部)を溶解しない組成であれば、特に制限はなく、公知の現像液の中から、適宜選択して用いることができる。
現像液としては、アルカリ性水溶液を用いることが好ましい。
アルカリ性水溶液の調製に用いられるアルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、及びコリン(2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が挙げられる。
アルカリ性水溶液の25℃におけるpHは、8~13であることが好ましく、9~12であることがより好ましく、10~12であることが更に好ましい。
アルカリ性水溶液におけるアルカリ性化合物の含有率は、アルカリ性水溶液の全質量に対して、0.1質量%~5質量%であることが好ましく、0.1質量%~3質量%であることがより好ましい。
現像液は、水に対して混和性を有する有機溶剤を含んでいてもよい。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε-カプロラクトン、γ-ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε-カプロラクタム、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
有機溶剤の濃度は、0.1質量%~30質量%であることが好ましい。
現像液は、公知の界面活性剤を含んでもよい。
界面活性剤の濃度は、0.01質量%~10質量%であることが好ましい。
現像液の液温は、20℃~40℃であることが好ましい。
現像の方式としては、例えば、パドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、ディップ現像等の方式が挙げられる。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の硬化処理である。
ポストベークの手段としては、特に制限はなく、例えば、ホットプレート、及びコンベクションオーブン(所謂、熱風循環式乾燥機)が挙げられる。
ポストベーク温度は、特に制限されないが、例えば、100℃~240℃であることが好ましく、150~240℃であることがより好ましい。
ポストベーク時間は、特に制限されないが、例えば、10分間~30分間であることが好ましく、10分間~20分間であることがより好ましい。
[特定キノフタロン色素]
本開示のキノフタロン色素は、上記式(1)で表されるキノフタロン色素(即ち、特定キノフタロン色素)である。
本開示のキノフタロン色素は、耐湿性に優れる。
本開示の特定キノフタロン色素は、本開示の着色組成物における特定キノフタロン色素と同義であり、好ましい態様も同様であるため、ここでは説明を省略する。
以下、本開示の着色組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びにキノフタロン色素を実施例により更に具体的に説明する。但し、本開示の着色組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びにキノフタロン色素は、その主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[色素の合成]
<化合物5>
下記の手順に従って、特定キノフタロン色素である化合物5を合成した。
原料Aを出発原料とする反応のスキームを以下に示す。

(原料Aの調製)
原料Aは、特開2010-250291号公報に記載の方法に準じて、イソプロピルアニリンの代わりにアニリンを用いることで調製した。
(中間体Bの合成)
500mLの三ツ口フラスコに、原料A 20g(0.060モル)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)200mL、臭化テトラエチルアンモニウム15.1g、4-ヒドロキシ-1,1,2,2-テトラメチルピペリジン-N-オキシド50mg、及びメタクリル酸グリシジル9.4g(0.066モル)を加え、60℃で8時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却した後、冷却した反応液を水1,000mLに滴下し、一晩静置した。次いで、析出した結晶を濾別し、水で十分に洗浄した。得られた粗結晶を、アセトニトリル450mLを用いて再結晶した後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、異性体を含む中間体Bを14.3g得た(収率:50%)。
MS(m/z)=476([M+1]
(化合物5の合成)
500mLの三ツ口フラスコに、中間体B 10.1g(0.021モル)、テトラヒドロフラン(THF)100mL、ピリジン3.5mL、及び4-ヒドロキシ-1,1,2,2-テトラメチルピペリジン-N-オキシド50mgを加え、4℃に冷却した。次いで、撹拌しながら無水メタクリル酸3.3g(0.021モル)を滴下し、1時間後、室温まで放冷し、8時間反応させた。得られた反応液を水200mLに滴下し、一晩静置した。次いで、析出した結晶を濾別し、水で十分に洗浄した。得られた結晶をメタノールで分散洗浄し、異性体を含む化合物5を5.5g得た(収率48%)。
MS(m/z)=544([M+1]
<化合物6>
下記の手順に従って、特定キノフタロン色素である化合物6を合成した。
原料Aを出発原料とする反応のスキームを以下に示す。

(原料Aの調製)
既述の方法により、原料Aを調製した。
(中間体Cの合成)
500mLの三ツ口フラスコに、原料A 20g(0.060モル)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)200mL、臭化テトラエチルアンモニウム2.5g、4-ヒドロキシ-1,1,2,2-テトラメチルピペリジン-N-オキシド50mg、及びメタクリル酸グリシジル9.4g(0.066モル)を加え、130℃で6時間反応させた。得られた反応液を室温まで冷却した後、冷却した反応液を水1,000mLに滴下し、一晩静置した。次いで、析出した結晶を濾別し、水で十分に洗浄した。得られた粗結晶を、アセトニトリル450mLを用いて再結晶した後、カラムクロマトグラフィーにより精製し、異性体を含む中間体Cを5.7g得た(収率20%)。
MS(m/z)=476([M+1]
(化合物6の合成)
300mLの三ツ口フラスコに、中間体C 5.0g(0.011モル)、テトラヒドロフラン(THF)50mL、ピリジン1.7mL、及び4-ヒドロキシ-1,1,2,2-テトラメチルピペリジン-N-オキシド30mgを加え、4℃に冷却した。次いで、撹拌しながら無水メタクリル酸1.7g(0.011モル)を滴下し、1時間後、室温まで放冷し、8時間反応させた。得られた反応液を水200mLに滴下し、一晩静置した。次いで、析出した結晶を濾別し、水で十分に洗浄し、得られた結晶を、メタノールで分散洗浄し、異性体を含む化合物6を3.2g得た(収率56%)。
MS(m/z)=544([M+1]
<化合物1~4>
化合物1~4の合成は、既述の化合物5の合成方法に準じて行った。
化合物1~4は、いずれも特定キノフタロン色素である。
化合物1~4のマススペクトル(MS)における質量電荷比(所謂、m/z)を以下に示す。なお、本開示では、マススペクトルにおける質量電荷比を「MS(m/z)」と表記する。本開示における質量電荷比の測定には、質量分析装置を用いた。
MS(m/z)
化合物1:544([M+1]
化合物2:520([M+1]
化合物3:608([M+1]
化合物4:616([M+1]
化合物1~6の構造を以下に示す。

<比較化合物1~10>
比較化合物1~10の合成は、既述の化合物5の合成方法に準じて行った。
比較化合物1~10のマススペクトル(MS)における質量電荷比(所謂、m/z)を以下に示す。
MS(m/z)
比較化合物1:576([M+1]
比較化合物2:401([M+1]
比較化合物3:494([M+1]
比較化合物4:520([M+1]
比較化合物5:732([M+1]
比較化合物6:446([M+1]
比較化合物7:476([M+1]
比較化合物8:586([M+1]
比較化合物9:598([M+1]
比較化合物10:582([M+1]
比較化合物1~10の構造を以下に示す。
<比較化合物11>
比較化合物11には、C.I.Solvent Yellow 162を用いた。
<比較化合物12>
比較化合物12には、C.I.Solvent Yellow 82を用いた。
[化合物1~6の極大吸収波長]
化合物1~6の吸収スペクトルを以下の手順に従って測定し、極大吸収波長(λmax)を求めた。
溶剤として酢酸エチルを用い、酢酸エチル中の濃度が1×10-6mol/L(リットル;以下、同じ)になるように、化合物を溶解させた溶液を調製した。調製した各溶液を1cmセルに入れ、測定装置として、分光光度計〔製品名:UV3600、(株)島津製作所製〕を用い、吸収スペクトルを測定し、得られた吸収スペクトルから極大吸収波長を求めた。 上記方法により求めた化合物1~6の極大吸収波長を以下に示す。また、上記方法により測定した化合物5の吸収スペクトルを図1に示す。
極大吸収波長(λmax)
化合物1:448nm
化合物2:446nm
化合物3:445nm
化合物4:443nm
化合物5:446nm
化合物6:446nm
[評価用試料の調製及び作製]
化合物1~6及び比較化合物1~12を用いて、下記に示す評価用試料の調製及び作製を行った。
(1)レジスト溶液Aの調製
下記の成分を混合し、下塗り層を形成するためのネガ型のレジスト溶液Aを調製した。
-レジスト溶液Aの組成-
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)〔溶剤〕・・・5.20質量部
・シクロヘキサノン〔溶剤〕・・・52.6質量部
・(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル)共重合体(モル比:60/20/20、重量平均分子量:23,000)〔バインダー樹脂〕のシクロヘキサノン溶液(固形分:41質量%)・・・30.5質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔重合性化合物〕・・・10.2質量部
・p-メトキシフェノール〔重合禁止剤〕・・・0.006質量部
・フッ素系界面活性剤・・・0.80質量部
〔商品名:F-475、DIC(株)製〕
・光重合開始剤・・・0.58質量部
〔商品名:TAZ-107、みどり化学(株)製〕
(2)下塗り層付きガラス基板の作製
ガラス基板(商品名:コーニング1737、厚さ:0.7mm、コーニング社製)を、濃度0.5質量%の水酸化ナトリウム水溶液で超音波洗浄した後、水洗した。次いで、水洗後のガラス基板に対し、200℃で20分間脱水ベークを行った。次いで、上記(1)にて調製したレジスト溶液Aを、ガラス基板上に、膜厚が2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布した後、220℃で1時間加熱乾燥させて、硬化膜(所謂、下塗り層)を形成し、下塗り層付きガラス基板を作製した。
(3)レジスト溶液Bの調製
下記の成分を混合し、ネガ型のレジスト溶液Bを調製した。レジスト溶液Bは、着色組成物に相当する。
-レジスト溶液Bの組成-
・シクロヘキサノン〔溶剤〕・・・80.0質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔重合性化合物〕・・・12.0質量部
・p-メトキシフェノール〔重合禁止剤〕・・・0.005質量部
・フッ素系界面活性剤・・・0.69質量部
〔商品名:F-475、DIC(株)製〕
・光重合開始剤・・・1.7質量部
〔商品名:TAZ-107、みどり化学(株)製〕
・化合物1~6及び例示化合物1~12のいずれか1つの化合物・・・6.3質量部
(4)着色パターン付き基板の作製
上記(3)にて調製したレジスト溶液B(即ち、着色組成物)を、上記(2)にて作製した下塗り層付きガラス基板の下塗り層の上に、膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布した後、100℃で120秒間プリベークし、着色層を形成した。次いで、形成した着色層に対し、露光装置を用い、365nmの波長の光を、線幅2μmのマスクを介して、200mJ/cmの露光量で照射した。次いで、着色層に対し、液温25℃の現像液〔商品名:CD-2000、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製〕を用いて、40秒間現像を行った。次いで、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥し、着色パターンを得た。次いで、200℃で15分間ポストベークを行い、着色パターンを硬化させた。
以上により、着色パターン(詳細には、黄色単色のカラーフィルタ)付き基板を作製した。
[評価]
1.耐湿性
上記(4)にて作製したカラーフィルタ付き基板の着色パターンの波長400nm~700nmにおける透過率を、雰囲気温度85℃及び85%RHの環境下に50時間静置する耐湿試験前後で測定した。透過率は、分光光度計〔製品名:UV3600、(株)島津製作所製〕を用いて測定した。
波長400nm~700nmにおける透過率のうち、最も透過率変化が大きい波長における、耐湿試験前後の透過率の変化値(以下、「ΔT%max値」ともいう。)を耐湿性の評価の指標とした。ΔT%max値は、以下の式により算出した。
ΔT%max値(%)=|耐湿試験前の透過率-耐湿試験後の透過率|
評価基準を以下に示す。「A」及び「B」であれば合格とした。結果を表1に示す。
-評価基準-
A:ΔT%max値<0.6%
B:0.6%≦ΔT%max値<1.2%
C:1.2%≦ΔT%max値<3.6%
D:3.6%≦ΔT%max値<6.0%
E:6.0%≦ΔT%max値
2.低温での保存安定性
上記(3)にて調製したレジスト溶液B(即ち、着色組成物)を雰囲気温度10℃の環境下で15日間保存した。保存後のレジスト溶液Bを目視にて観察し、析出物の有無及び程度を確認した。析出物が確認されたものについては、状況に応じて、振盪した後、再度、目視にて観察した。
評価基準を以下に示す。なお、下記の評価基準における「低温」とは、10℃を意味する。「A」及び「B」であれば合格とした。結果を表1に示す。
-評価基準-
A:析出物が確認されなかった。
B:析出物が僅かに確認されたが、低温状態のままで振盪すると消失した。
C:析出物が僅かに確認され、30℃に加温して振盪すると消失した(但し、Bに該当する場合を除く。)。
D:析出物が僅かに確認され、30℃に加温して振盪しても消失しなかった。
E:析出物が多量に確認され、30℃に加温して振盪しても消失しなかった。
3.熱堅牢性
上記(4)にて作製したカラーフィルタ付き基板を、基板面で接するように、200℃のホットプレートに載置して40分間加熱した。加熱前後における色差(ΔEab値)を、色度計〔製品名:MCPD-1000、大塚電子(株)製〕を用いて測定し、熱堅牢性の評価の指標とした。ΔEab値が小さいほど、熱堅牢性に優れていることを示す。
評価基準を以下に示す。「A」、「B」及び「C」であれば合格とした。結果を表1に示す。
-評価基準-
A:ΔEab値<3.5
B:3.5≦ΔEab値<4.5
C:4.5≦ΔEab値<6.0
D:6.0≦ΔEab値<10.0
E:10.0≦ΔEab値
4.光堅牢性
上記(4)にて作製したカラーフィルタ付き基板の着色パターンに対し、キセノンランプの光を10万luxで15時間照射(200万lux・hrに相当)した。照射前後における色差(ΔEab値)を、色度計〔製品名:MCPD-1000、大塚電子(株)製〕を用いて測定し、光堅牢性の評価の指標とした。ΔEab値が小さいほど、光堅牢性に優れていることを示す。
評価基準を以下に示す。「A」であれば合格とした。結果を表1に示す。
-評価基準-
A:ΔEab値<4.0
B:4.0≦ΔEab値<10.0
C:10.0≦ΔEab値
5.耐溶剤性
上記(4)において得たポストベーク後の着色パターンの分光を測定した(分光A)。次いで、この着色パターン上に、上記(1)にて調製したレジスト溶液Aを、膜厚が1μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークした後、液温23℃の現像液〔商品名:CD-2000、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製〕を用いて、120秒間現像を行い、再度分光を測定した(分光B)。分光Aと分光Bとの差に基づき、色素残存率値(%)を算出し、耐溶剤性の評価の指標とした。色素残存率値が100%に近いほど、耐溶剤性に優れていることを示す。
評価基準を以下に示す。「AA」、「A」、「B」及び「C」であれば合格とした。結果を表1に示す。
-評価基準-
AA:95%≦色素残存率値
A:92%≦色素残存率値<95%
B:89%≦色素残存率値<92%
C:86%≦色素残存率値<89%
D:80%≦色素残存率値<86%
E:色素残存率値<80%

表1に示すように、特定キノフタロン色素を含む実施例1~7は、耐湿性に優れる結果を示した。また、特定キノフタロン色素を含む実施例1~7は、色素濃度が高いにもかかわらず、低温での保存安定性に優れる結果を示した。また、特定キノフタロン色素を含む実施例1~7は、色素濃度が高いにもかかわらず、熱堅牢性、光堅牢性、及び耐溶剤性にも優れる結果を示した。
一方、特定キノフタロン色素を含まない比較例1~12は、実施例と比較して、耐湿性に劣る結果を示した。

Claims (8)

  1. 下記式(6)で表されるキノフタロン色素及び下記式(7)で表されるキノフタロン色素から選ばれる少なくとも1種と、溶剤と、を含む着色組成物。

  2. さらに、バインダー樹脂を含む請求項1に記載の着色組成物。
  3. さらに、重合性化合物を含む請求項1又は請求項2に記載の着色組成物。
  4. さらに、重合開始剤を含む請求項に記載の着色組成物。
  5. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の着色組成物の製造方法であり、
    前記式(6)で表されるキノフタロン色素及び前記式(7)で表されるキノフタロン色素から選ばれる少なくとも1種と、前記溶剤と、を混合することを含む着色組成物の製造方法。
  6. 下記式(6)で表されるキノフタロン色素及び下記式(7)で表されるキノフタロン色素から選ばれる少なくとも1種を含むカラーフィルタ。

  7. 下記式(6)で表されるキノフタロン色素

  8. 下記式(7)で表されるキノフタロン色素

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