JP5570832B2 - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子 - Google Patents
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Description
顔料を用いた着色感光性組成物としては、例えば、特許文献1に記載のフタロシアニン系顔料を含有するカラーフィルタ用青色着色組成物が知られている。
これらの問題に対して、ジピロメテン系化合物を含む染料とフタロシアニン染料とを併用することで、保存安定性に優れ、耐光性の高いカラーフィルタを形成しうる着色硬化性組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、染料と顔料とを組み合わせた着色硬化性組成物も知られている(例えば、特許文献3参照。)
また、本発明は、耐熱性に優れるカラーフィルタと該カラーフィルタの製造方法、及び該カラーフィルタを備えた固体撮像素子を提供することを課題とする。
<1>
下記一般式(4)で表される化合物より選択される化合物、重合性化合物、下記一般式(8)で表される光重合開始剤、及び有機溶剤を少なくとも含む着色硬化性組成物。
[一般式(4)中、R 1 は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。L 1 は、−N(R 2 )C(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R 2 )−、−C(=O)O−、下記一般式(5)で表される基、下記一般式(6)で表される基、又は下記一般式(7)で表される基を表す。L 1 中のR 2 は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。L 2 は、2価の連結基を表す。m及びnは各々独立に、0又は1を表す。Dyeは、一般式(1)で表される化合物から任意の水素原子が1つ外れた色素残基、一般式(2)で表される化合物のR 1 〜R 14 のいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基、又は、一般式(3)で表される化合物のR 2 〜R 5 、R 7 〜R 9 、X 5 、Y 1 〜Y 2 のいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基を表す。]
シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO2−Rc、−O−SO2−Rc、−SO2−NRaRb、−NRa−SO2−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO2−Rb、−SO2−NRa−CO−Rb、−SO2−NRa−SO2−Rc、−Si(Ra)l(ORb)m、及びヘテロ環基。ここで、Ar、Ar’はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を示し、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、Rcは置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、l、mはそれぞれ0〜3の整数を示し、l+m=3を満たす。
前記一般式(8)のR1aが−SArを有するアルキル基である<1>に記載の着色硬化性組成物。
<3>
前記一般式(8)のR2aがアルカノイル基である<1>又は<2>に記載の着色硬化性組成物。
<4>
前記一般式(8)のR1’が一般式(9)または一般式(10)で表される置換基である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
<5>
前記一般式(8)のR1’が式(11)で表される置換基である<4>に記載の着色硬化性組成物。
<6>
前記一般式(4)のL 1 は、−C(=O)O−又は−C(=O)N(R 2 )−で表される置換基である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
<7>
前記一般式(4)で表される化合物の重量平均分子量が5000〜30000の範囲である<1>〜<6>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
<8>
更に、フタロシアニン系顔料及び分散剤を含有する<1>〜<7>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
<9>
支持体上に、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、マスクを介して該着色硬化性組成物層を露光した後、現像して着色パターンを形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
<10>
現像後の着色パターンに、紫外光を照射する紫外線照射工程を更に有する<9>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<11>
<9>又は<10>に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
<12>
<11>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
また、本発明によれば、耐熱性に優れるカラーフィルタと該カラーフィルタの製造方法、及び該カラーフィルタを備えた固体撮像素子を提供することができる。
まず、本発明の着色硬化性組成物について説明する。
本発明の着色硬化性組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、下記重合性化合物、一般式(8)で表される光重合開始剤、及び有機溶剤を少なくとも含む。
本発明の着色硬化性組成物は、上記構成とすること、特に、(D4)の群(一般式(4)で表される化合物)より選択される化合物である特定のピロメテン構造を有する金属錯体と、一般式(8)で表される光重合開始剤であるオキシム誘導体とを含む構成とすることにより、色相の劣化等が極めて少ない耐熱性に優れる着色硬化膜を形成しうる組成物となる。
本発明の耐熱性向上のメカニズムとしては定かではないが、上記特定の成分の構成とすることにより、着色硬化膜の硬化性が向上し、染料の熱運動が制限されることで着色硬化性組成物により形成された着色硬化膜は耐熱性に優れたものとなるためと推察している。
以下、本発明の着色硬化性組成物の各成分について説明する。
<(D1)群>
(D1)群の化合物は、下記一般式(1)で表される化合物(ジピロメテン系金属錯体化合物)である。
即ち、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、また、シクロアルキルオキシ基であれば、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、また、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基であれば、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
(D2)群の化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である。
一般式(2)中のR8〜R13で表される置換基は、一般式(1)で表される化合物のR1〜R6で表される置換基と同義であり、その好ましい態様も同様である。一般式(2)で表される化合物のR8〜R13で表される置換基が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)中のR14は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R14の好ましい範囲は、前記R7の好ましい範囲と同様である。R14が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
(D3)群の化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である。
一般式(3)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前述した一般式(1)中のMaの金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
前記RとRaのアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、更に、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
aは0、1、又は2を表す。
即ち、R2〜R5、R7、及びMaは、それぞれ、一般式(I)で表される化合物の好ましい態様であり、X3はNR(Rは水素原子、アルキル基)、又は酸素原子であり、X4はNRa(Raは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基)、又は酸素原子であり、Y1はNRc又はCRR’であり、Y2は窒素原子、又はCR’’でありを表し、Rc、R、R’、R’’は、前記X3におけるRと同義である。X5は酸素原子を介して結合する基であり、R8及びR9は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、R8とY1とが互いに結合して5員又は6員環を形成し、R9とY2とが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
即ち、R2〜R5、R7、Maはそれぞれ、一般式(1)で表される化合物、X3及びX4は、酸素原子であり、Y1はNHであり、Y2は窒素原子であり、X5は酸素原子を介して結合する基であり、R8及びR9は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、R8とY1とが互いに結合して5員又は6員環を形成し、R9とY2とが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
本発明における色素の融点は、溶解性の観点から、高すぎない方がよい。
本発明における一般式(1)〜(3)で表される化合物の合成方法について、具体的には、特開2008−292970号の段落〔0131〕〜〔0157〕に記載の方法を適用することができる。
(D4)群の化合物は、下記一般式(4)で表される化合物(以下、「色素多量体」ともいう。)である。
前記一般式(3)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物において、上記重合性基が導入される部位は、R2〜R5、R7〜R9、X5、Y1〜Y2のいずれか1つである。これら置換基の中でも、合成適合性の点で、、R2〜R5、R8、R9及びX5のいずれか1つに上記重合性基が導入されることが好ましく、R8、R3、R4及びR9のいずれか1つに上記重合性基が導入されることがより好ましく、R8及びR9のいずれか1つに上記重合性基が導入されることが更に好ましい。
上記R1がアリール基の場合、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは6〜14、さらに好ましくは炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基が好適である。アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記R2のアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基は、前記R1で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記R3の置換基が、更に置換可能な基である場合には、前記R1で説明した置換基で、置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記L2は、L1又は−C(R1)−の炭素原子(m=0の場合)と、Dyeとを連結する2価の連結基を表す。
上記L2は、好ましくは、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−O−、−C(=O)−、−OC(=O)−、OC(=O)O−、−OSO2−、−OC(=O)N(R50)−、−N(R50)−、−N(R50)C(=O)−、−N(R50)C(=O)O−、−N(R50)C(=O)N(R51)−、−N(R50)SO2−、−N(R50)SO2N(R51)−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO2−、−SO2N(R50)−、−SO2O−等が挙げられる。また、上記の2価の連結基が、複数個結合して、新たに2価の連結基を形成していてもよい。
前記L2がアルキレン基、アラルキレン基、又はアリーレン基である場合、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜18のアラルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数6〜16のアラルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜12のアラルキレン基が更に好ましい。
以下に、前記色素単量体の具体例と合成方法の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
2−アミノピロール化合物(化合物A)4.11gをアセトニトリル中、室温下で攪拌し、2−クロロプロピオニルクロライドを1.33g滴下し、室温下で30分攪拌した。析出した結晶をろ別しアセトニトリル5mlで洗浄し、化合物1(2.22g)を得た。
化合物1:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.45−1.58(28H、m)、1.83−1.85(3H、d)、4.57−4.6(1H、q)、5.89(1H、s)、6.35(1H、s)、7.28−7.38(5H、m)、10.78−10.82(1H、br)、11.47−11.51(1H、br)。
化合物1(5g)と、3−メルカプト−1−プロパノール1.2gをジメチルアセトアミド15mlに溶解させ、室温下で攪拌し、DBU1.82gを滴下し、室温下で一時間攪拌した。その後、200mlの塩酸水溶液中に反応液を注ぎ、酢酸エチル50mlで抽出し、有機層を硫酸マグネシウム5gで脱水したあと、ろ過後、ろ液を濃縮乾固した。残渣をアセトニトリルで分散洗浄し、固体をろ取し、アセトニトリル5mlで洗浄し、化合物2(3.51g)を得た。
化合物2:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.45−1.29(28H、m)、1.55−1.61(3H、d)、1.84−1.92(2H、m)、2.76−2.82(2H、t)、3.56−3.71(1H、q)、3.73−3.8(2H、q)、5.89(1H、s)、6.33(1H、s)、7.27−7.38(5H、m)、10.78−10.82(1H、br)、11.36−11.42(1H、br)。
化合物2(30g)、ニトロベンゼン0.1gをジメチルアセトアミド30mlに溶解させ、メタクリル酸クロライド14.1gを滴下し室温下で4時間攪拌した。1.2Lの水に反応液を加え炭酸水素ナトリウム30gで中和し、酢酸エチル500mlで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム30gで脱水し、ろ過後、ろ液を濃縮乾固した。残渣をアセトニトリル100mlで分散洗浄し、固体をろ取し、アセトニトリル30mlで洗浄し、化合物3(24.6g)を得た。
化合物3:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.47−1.27(28H、m)、1.57−1.59(3H、d)、1.9−1.93(3H、s)、1.93−2.06(2H、m)、2.66−2.76(2H、m)、3.55−3.71(1H、q)、4.2−4.25(2H、t)、5.52(1H、s)、5.89(1H、s)、6.08(1H、s)、6.33(1H、s)、7.27−7.38(5H、m)、10.78−10.82(1H、br)、11.38−11.42(1H、br)。
ジメチルホルムアミド50mlを0℃で攪拌しながら、オキシ塩化リン5.5mlを滴下し、10分攪拌後、化合物1(15g)を添加し室温で2.5時間攪拌した。1.5Lの水中に反応液を注ぎ水酸化ナトリウム7.2gで中和後、メタノール150mlを注ぎ2時間攪拌した。結晶を一度ろ過し、メタノール150mlで再度分散洗浄を行い、化合物4(8g)を得た。
化合物4:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.45−1.57(28H、m)、1.81−1.83(3H、d)、4.44−4.5(1H、q)、5.88(1H、s)、7.28−7.37(5H、m)、9.06(1H、s)、10.78−10.82(1H、br)、11.47−11.51(1H、br)。
化合物4(19.6g)、チオリンゴ酸8.34gをジメチルアセトアミド150mlに加え室温下で攪拌し、DBU28gを滴下し、2時間室温下で攪拌した。1.5Lの水中に反応液を注ぎ、得られた結晶をろ別し、減圧乾燥後、化合物5(17.5g)得た。
化合物5:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.45−1.59(28H、m)、1.81−1.83(3H、d)、1.84−1.87(2H、d)、2.93−2.97(1H、t)、4.56−4.61(1H、q)、5.91(1H、s)、7.28−7.37(5H、m)、9.06(1H、s)、10.92−10.96(1H、br)、11.12−11.19(1H、br)。
化合物5(12.9g)と無水酢酸50mlを室温下で攪拌し、トリフルオロ酢酸11.4gを滴下した。その後、化合物3(12.5g)を添加し、室温下で4時間攪拌した。水1L、炭酸水素ナトリウム60g、酢酸エチルを室温下で攪拌し、そこへ反応液を徐々に注ぎ中和を行った。その後、有機層を塩酸水で再度酸性に戻し、飽和食塩水で洗い、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにて精製し、減圧濃縮することで化合物6(8.7g)を得た。
化合物6:1H−NMR、400MHz、δ(DMSO−d6)ppm:0.92−4.09(76H、m)、5.24−5.28(2H、br)、5.6(1H、s)、5.98(1H、s)、6.57(1H、s)、7.28−7.45(10H、m)、10.62−10.86(2H、br)、12.02−12.15(1H、m)。
化合物6(17.6g)とメタノール200mlを室温下で攪拌し、酢酸亜鉛二水和物3.25gを加え2.5時間攪拌した。その後、水200mlを反応液に加え、析出した結晶をろ過し、乾燥させ例示化合物a−9(16.3g)を得た。
例示化合物a−9:1H−NMR、400MHz、δ(DMSO−d6)ppm:0.88−4.41(76H、m)、5.72−5.8(2H、br)、5.82(1H、s)、6.04(1H、s)、6.88(1H、s)、7.28−7.58(10H、m)、10.41−10.49(2H、br)。
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.2−2.1(78H、m)、3.7−3.8(1H、q)、4.15−4.28(2H、t)、5.52(1H、s)、5.85(2H、br)、6.08(1H、s)、6.25(1H、s)、7−7.32(10H、m)、11.49(2H、s)。
<例示化合物a−2>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.2−2.4(75H、m)、3.7−3.8(1H、q)、3.87−3.91(1H、m)、4.15−4.28(2H、t)、5.52(1H、d)、5.8(2H、m)、6.03(1H、d)、6.4(1H、s)、7.02−7.42(10H、m)、10.77(2H、s)。
<例示化合物a−3>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−2.33(74H、m)、3.2−3.4(1H、q)、3.58−3.64(2H、d)、5.81(1H、s)、6.11(2H、br)、6.2(1H、s)、7.03−7.39(10H、m)、10.66(2H、br)。
<例示化合物a−4>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.19−2.29(71H、m)、3.12−3.34(1H、q)、3.62−3.64(2H、d)、3.88−3.9(1H、m)、5.66−5.69(1H、d)、6.11(2H、s)、6.35−6.38(1H、d)、7.03−7.39(10H、m)、10.01(2H、br)。
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.2−4.7(78H、m)、5.57(1H、s)、5.85(2H、br)、6.1(1H、s)、6.25(1H、s)、7−7.41(10H、m)、11.32(2H、s)。
<例示化合物a−6>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.2−4.7(75H、m)、4.78−4.81(1H、m)、5.21(1H、m)、5.79(1H、m)、5.8(2H、br)、6.41(1H、s)、7−7.39(10H、m)、11.76(2H、s)。
<例示化合物a−7>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.12(73H、m)、5.73(1H、s)、6.19(2H、br)、6.33(1H、s)、7.03−7.39(10H、m)、10.51−10.55(2H、br)。
<例示化合物a−8>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.59(71H、m)、5.43(1H、d)、6.19(2H、br)、6.59(1H、d)、7.03−7.35(10H、m)、10.6−10.64(2H、br)。
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.63(74H、m)、5.67−5.71(2H、br)、5.74−5.76(1H、m)、6.11(1H、s)、6.37−6.39(1H、m)、7.27−7.53(10H、m)、10.9−10.95(2H、br)。
<例示化合物a−11>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.09(70H、m)、5.81(1H、s)、6.06(2H、br)、6.25(1H、s)、6.51(1H、s)、7.23−7.42(10H、m)、10.31−10.65(2H、br)。
<例示化合物a−12>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.19−4.35(68H、m)、4.92−4.94(1H、m)、5.66−5.69(1H、m)、6.02−6.04(2H、br)、6.39−6.41(1H、m)、7.28−7.37(10H、m)、10.43−10.49(2H、br)。
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.22−4.78(76H、m)、5.84(1H、s)、6.26(2H、br)、6.27(1H、s)、6.47(1H、s)、7.24−7.44(10H、m)、10.32−10.37(2H、br)。
<例示化合物a−14>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.2−4.98(74H、m)、5.02−5.05(1H、m)、5.81−5.84(1H、m)、6.02−6.04(2H、br)、6.79−6.81(1H、br)、7.28−7.45(10H、m)、10.78−10.81(2H、br)。
<例示化合物a−15>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−3.19(68H、m)、5.81(1H、s)、6.15−6.17(2H、br)、6.24(1H、s)、6.54(1H、s)、7.03−7.39(10H、m)、10.46−48(2H、br)。
<例示化合物a−16>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.19−2.29(56H、m)、3.88−3.9(1H、m)、5.69−5.71(1H、m)、6.24(2H、br)、6.35−6.38(1H、m)、6.69(1H、s)、7.25−7.47(10H、m)、10.82−7.85(2H、br)。
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.2−4.7(78H、m)、5.57(1H、s)、5.85(2H、br)、6.1(1H、s)、6.25(1H、s)、7−7.41(10H、m)、11.32(2H、s)。
<例示化合物a−18>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.45(72H、m)、4.93−4.95(1H、m)、5.21−5.22(1H、m)、5.69−5.71(1H、m)、5.83−5.85(2H、br)、6.89(1H、s)、7.24−7.41(10H、m)、10.76−10.79(2H、s)。
<例示化合物a−19>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.56(67H、m)、5.98(1H、s)、6.03−6.05(2H、br)、6.34(1H、s)、6.47(1H、s)、7.03−7.39(10H、m)、10.66(2H、br)。
<例示化合物a−20>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.59(65H、m)、5.71−5.73(1H、m)、6.22−6.24(2H、br)、6.45−6.47(1H、m)、6.67(1H、s)、7.23−7.51(10H、m)、10.73−10.76(2H、br)。
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.2−4.73(72H、m)、5.59(1H、s)、5.75−5.77(2H、br)、6.08(1H、s)、6.22(1H、s)、7.21−7.46(10H、m)、11.32−11.36(2H、br)。
<例示化合物a−22>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.45(73H、m)、5.03−5.06(1H、m)、5.55−5.57(1H、m)、5.84−5.86(2H、br)、5.96−5.99(1H、m)、6.79(1H、s)、7.24−7.49(10H、m)、11.04−11.07(2H、br)。
<例示化合物a−23>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.56(66H、m)、6.21(1H、s)、6.23−6.25(2H、br)、6.69(1H、s)、6.77(1H、s)、7.02−7.46(10H、m)、10.31−35(2H、br)。
<例示化合物a−24>
1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.21−4.96(64H、m)、5.75−5.77(1H、m)、6.21−6.24(2H、br)、6.45−6.47(1H、m)、6.5(1H、s)、7.23−7.5(10H、m)、10.7−10.74(2H、br)。
イソブロピルメチルケトン206.4gをメタノール1L中で攪拌し、臭化水素酸(47〜49%水溶液)を7ml添加後、臭素を30〜34℃条件で3時間かけて滴下した。その後、30分、30℃で攪拌した。炭酸水素ナトリウム124gを水1.3Lに溶かした水溶液で中和後、塩化ナトリウム400gをお水1.3Lに溶かした水溶液を加え、層分離した液体状の反応生成物を分取した。
別途、フタルイミドカリウム222gをジメチルアセトアミド(DMAc)800ml中で攪拌しておき、水冷化にて先ほど分取した反応生成物を滴下し、4時間室温条件で撹拌した。その後、水冷化にて水720mlを加え析出した結晶をろ別した。得られた結晶をトルエン1.5Lに懸濁させ、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮し化合物7(100g)を得た。
化合物7:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:1.21−1.23(6H、d)、2.74−2.79(1H、m)、4.56(2H、s)、7.72−7.74(2H、d)、7.85−7.87(2H、d)。
特開2008−292970号公報の段落0134に記載の方法にて合成した。
<化合物9の合成>
化合物8(293g)、化合物7(231g)をメタノール1.4L中、窒素雰囲気下で攪拌し、水酸化ナトリウム(88g)を水400mlに溶かし、室温にて滴下した。その後、八時間還流した。その後、室温まで放冷し、析出した結晶をろ取し、メタノール100mlで洗浄し、化合物9(299g)を得た。
化合物9:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.88−0.95(18H、s)、1.00−1.03(3H、d)、1.17−1.19(6H、d)、1.20−1.66(7H、m)、3.38−3.43(1H、m)、5.19−5.24(2H、br)、5.95(1H、br)、6.00(1H,s)、7.39−7.45(1H、br)。
化合物9(80g)をDMAc250ml中、室温下で攪拌し、2−クロロプロピオニルクロライドを29.2g滴下し、室温下で3時間攪拌した。酢酸エチル500ml、水1L中に反応液を注ぎ、飽和重曹水、水、飽和食塩水各500mlで水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮後、化合物10(89.4g)を得た。
化合物10:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.9(18H、s)、0.96−1.01(3H、d)、1.20−1.23(2H、d)、1.26−1.38(1H、q)、1.53−1.68(6H、m)、1.8−1.82(3H、d)、3.44−3.53(1H、m)4.5−4.57(1H、q)、6.03(1H、br)、6.27(1H、s)、10.4−10.45(1H、br)、11.31−11.42(1H、br)。
化合物10(372.3g)と、3−メルカプト−1−プロパノール79.8gをN−メチルピロリドン(NMP)1Lに溶解させ、室温下で攪拌し、DBU133.4gを滴下し、室温下で2時間攪拌した。その後、酢酸エチル1.5L、水1.5Lへ反応液を注ぎ、その後1規定塩酸、飽和重曹水、水、飽和食塩水各1Lで水洗し、有機層を硫酸マグネシウム50gで脱水し、ろ過後、ろ液を濃縮乾固した。残渣をアセトニトリル300mlで分散洗浄し、固体をろ取し、アセトニトリル30mlで洗浄し、化合物11(317g)を得た。
化合物11:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.9(18H、s)、1.02−1.03(3H、d)、1.21−1.22(6H、d)、1.23−1.41(5H、m)、1.56−1.57(3H、d)、1.6−1.63(2H、br)、1.79−1.89(2H、m)、2.72−2.78(2H、t)、3.43−3.47(1H、m)、3.51−3.55(1H、q)、3.78−3.73(2H、q)、6.0(1H、s)、6.23(1H、s)、10.51−10.55(1H、br)、11.21−11.29(1H、br)。
化合物11(30g)、ニトロベンゼン0.1mlをジメチルアセトアミド250mlに溶解させ、メタクリル酸クロライド14.1gを滴下し室温下で2時間攪拌した。酢酸エチル1.5L、水1.5Lに反応液を加え有機相に抽出後、1規定塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水、水、各400mlで2度ずつ水洗した。有機層を硫酸マグネシウム30gで脱水し、ろ過後、ろ液を濃縮乾固し、化合物12(27.9g)を得た。
化合物12:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.9(18H、s)、1.02−1.03(3H、d)、1.21−1.22(6H、d)、1.23−1.41(5H、m)、1.56−1.57(3H、d)、1.6−1.63(2H、br)、1.9(3H、s)1.93−2.02(2H、m)、2.6−2.73(2H、t)、3.42−3.5(1H、m)、3.51−3.56(1H、q)、4.06−4.12(1H、q)、4.14−4.23(2H、t)、5.5(1H、s)、6.11−6.15(2H、m)、6.23(1H、s)、10.42−10.48(1H、br)、11.28−11.32(1H、br)。
化合物9(263.6g)をDMAc800ml中、室温下で攪拌し、5−クロロ吉草酸クロライド(108.5g)を氷冷下で2時間かけて滴下した後、室温下で3時間攪拌した。水18L中に反応液を注ぎ、析出した結晶をろ別し、得られた結晶をアセトニトリル1Lにて分散洗浄し、化合物13(313g)を得た。
化合物13:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.9(18H、s)、0.96−1.01(3H、d)、1.20−1.75(17H、m)、1.76−2.00(2H、m)、2.41−2.53(2H、m)、3.4−3.58(1H、m)、3.54−3.60(2H、m)、6.0(1H、br)、6.22(1H、s)、10.55(2H、br)。
N−メチルホルムアニリド(66.2g)、アセトニトリル330mlを0℃で攪拌しながら、オキシ塩化リン(75g)を5℃以下に保ちながら滴下し、1時間攪拌後、化合物13(202g)を添加し室温で3時間攪拌した後、40℃で1時間攪拌した。2Lの水中に反応液を注ぎ析出した結晶をろ過し、水500ml、メタノール500mlでかけ洗いし、化合物14(181g)を得た。
化合物14:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.9(18H、s)、0.96−1.21(3H、d)、1.22−1.76(17H、m)、1.78−2.22(2H、m)、2.45−2.55(2H、m)、3.4−3.58(1H、m)、3.54−3.60(2H、m)、6.3(1H、br)、9.88(1H、s)、11.09(1H、br)、11.47(1H、br)。
化合物14(300g)、チオリンゴ酸(129g)をジメチルアセトアミド3Lに加え室温下で攪拌し、DBU(434g)30℃以下を保ちながら30分かけて滴下した。その後、60℃で5時間攪拌し、水酸化ナトリウム103gを水600mlに溶解させ、10分かけ反応液に滴下し、その後室温まで冷却し、析出した結晶をろ過し、酢酸エチル1L、5℃に冷却したメタノール200mlそれぞれで掛け洗いした。酢酸エチル1Lと水1Lに得られた結晶を分散させ、濃塩酸220mlを加え有機相に溶解させた後、水1Lで2回、飽和食塩水1Lで1回水洗し、硫酸マグネシウム80gにて乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、化合物15(255g)を得た。
化合物15:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.9(18H、s)、0.96−1.21(3H、d)、1.22−1.76(17H、m)、1.78−2.22(2H、m)、2.45−2.65(4H、m)、3.35−3.61(2H、m)、3.54−3.60(2H、m)、6.3(1H、br)、9.92(1H、s)、11.11(1H、br)、11.81(1H、br)。
化合物12(8.27g)、化合物13(8.92g)と無水酢酸45mlを室温下で攪拌し、氷冷下でトリフルオロ酢酸5.39mlを滴下し、室温下で3時間攪拌した。水400ml、炭酸水素ナトリウム60g、ピリジン3滴加えた水溶液を室温下で攪拌し、そこへ反応液を滴下し中和し、室温にて3時間攪拌した。析出した結晶をろ別し、水で掛け洗いし、送風乾燥機にて化合物16(16g)を得た。
化合物16:1H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.92(36H、s)、0.96−2.0(44H、m)、2.04(3H、s)、2.62−2.83(3H、m)、2.97−3.56(7H、m)、4.14−4.27(1H、m)、5.0(1H、br)、6.05(3H、br)、7.52−7.56(1H、br)、10.25−10.89(1H、br)、11.34−11.56(1H、br)。
化合物16(12.6g)とメタノール150ml、テトラヒドロフラン75mlを室温下で攪拌し、酢酸亜鉛二水和物(2.2g)を加え2時間攪拌した。その後、水500mlを反応液に加え、析出した結晶をろ過し、送風乾燥させ例示化合物J−1(13g)を得た。
例示化合物J−1:1H−NMR、400MHz、δ(DMSO−d6)ppm:0.97(36H、s)、0.99−2.05(47H、m)、2.07−3.05(8H、m)、4.04−4.4(3H、m)、5.53(1H、br)、6.05−6.12(3H、br)、8.8(1H、s)、10.97−11.18(1H、br)、11.91−12.01(1H、br)。
本発明における一般式(4)で表される化合物である色素多量体を着色硬化性組成物に適用する場合、着色パターン形成性を向上させる観点から、他のエチレン性不飽和結合単量体は、末端エチレン性不飽和結合に加え、さらに、アルカリ可溶性基を有する単量体であることが好ましい。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
以下に、本発明における色素多量体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表中、単量体aの番号は、既述の色素単量体の具体例に対応し、単量体bの番号は、既述のエチレン性不飽和結合単量体の具体例に対応する。
単量体a−1(3.45g)、単量体b−2(1.55g)、n−ドデカンチオール420mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)478mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)478mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P2(4.11g)を得た。
単量体a−9(4.5g)、単量体b−1(0.5g)、n−ドデカンチオール210mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)239mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)239mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P54(3.21g)を得た。
単量体a−11(4.75g)、単量体b−1(0.25g)、n−ドデカンチオール147mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)167mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)167mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P63(3.61g)を得た。
単量体a−12(4.5g)、単量体b−2(0.5g)、n−ドデカンチオール191mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)218mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)218mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P67(2.75g)を得た。
単量体a−21(4.5g)、単量体b−1(0.5g)、n−ドデカンチオール212mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)242mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)242mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P74(3.78g)を得た。
単量体a−9(4.5g)、単量体b−11(0.25g)、単量体b−2(0.25g)、n−ドデカンチオール157mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)178mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)178mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P153(4.39g)を得た。
例示化合物J−1(11.7g)とメタクリル酸(1.58g)、ドデカンチオール(0.56g)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)75.0gに溶解させ、85℃で攪拌しながら、例示化合物J−1(23.3g)とメタクリル酸(3.16g)、ドデカンチオール(1.11g)、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(3.8g)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)150gに溶解させた溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始から4時間後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(1.14g)を追加し、85℃でさらに2時間攪拌を続けた。反応溶液に、PGMEA811ml、メタノール1081mlを加え、アセトニトリル4326mlを攪拌しながら、反応液を滴下した。析出した結晶をろ過し、得られた結晶を減圧乾燥し、例示化合物P−176を12.6g得た。
本発明における色素多量体を着色硬化性組成物に適用し、カラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、特定重合体の重量平均分子量(Mw)は20000以下であることが好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、耐熱性及び着色力との点で、フタロシアニン系顔料を更に含有することが好ましく、また、後述の分散剤と共に用いることがより好ましい。
本発明に用いるフタロシアニン系顔料としては、フタロシアニン骨格を有する顔料であれば特に制限されるものではない。また、フタロシアニン系顔料に含まれる中心金属としては、フタロシアニン骨格を構成できる金属であればよく、特に限定されない。その中でも、中心金属としては、マグネシウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムが好ましく用いられる。
本発明におけるフタロシアニン系顔料として、具体的には、C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントブルー15:1,C.I.ピグメントブルー15:2,C.I.ピグメントブルー15:3,C.I.ピグメントブルー15:4,C.I.ピグメントブルー15:5,C.I.ピグメントブルー15:6,C.I.ピグメントブルー16,C.I.ピグメントブルー17:1,C.I.ピグメントブルー75,C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントグリーン7,C.I.ピグメントグリーン36,C.I.ピグメントグリーン37、クロロアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニンオキシド、亜鉛フタロシアニンが挙げられる。中でも、耐熱性と着色力との点から、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー15:1,C.I.ピグメントブルー15:2が好ましく、特に、C.I.ピグメントブルー15:6が好ましい。
また、上記(D1)〜(D4)の群から選択される化合物とフタロシアニン系顔料との含有比は、フタロシアニン系顔料:(D1)〜(D4)群から選択される化合物=100:5〜100:100が好ましく、100:15〜100:75がより好ましく、100:25〜100:50が更に好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は、重合性化合物の少なくとも1つを含有する。
重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を挙げることができる。具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物、並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態のいずれであってもよい。
また、メタクリル酸エステルとして、例えば、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH …(A)
〔一般式(A)中、R及びR’は、それぞれ独立に、H又はCH3を表す。〕
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(8)で表される光重合開始剤(以下、「オキシム誘導体」ともいう。)の少なくとも1つを含有して構成される。
シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO2−Rc、−O−SO2−Rc、−SO2−NRaRb、−NRa−SO2−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO2−Rb、−SO2−NRa−CO−Rb、−SO2−NRa−SO2−Rc、−Si(Ra)l(ORb)m、及びヘテロ環基。
ここで、Ar、Ar’はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を示し、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、Rcは置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、l、mはそれぞれ0〜3の整数を示し、l+m=3を満たす。
本発明における芳香環としては、単環でも縮環構造でもよい。具体的にはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環などが挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環が特に好ましい。
本発明におけるヘテロ芳香環としては単環でも縮環構造でもよい。具体的にはフラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、インドール環、アクリジン環などが挙げられ、中でも、ピロール環、チオフェン環、インドール環、アクリジン環が好ましく、ピロール環、チオフェン環、アクリジン環がより好ましく、特にチオフェン環、インドール環、アクリジン環が好ましい。
これら芳香環またはヘテロ芳香環にさらに後述の「置換基」として記載した基を有してもよい。これらの置換基の中でも、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環、ヘテロ環カルボニル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルカノイル基、アリーロイル基がより好ましく、アルコキシ基、水酸基、アルカノイル基、アリーロイル基が特に好ましい。また、これらの置換基が該芳香環またはヘテロ芳香環上の炭素原子と結合し、縮環構造となっていてもよい。
芳香環またはヘテロ芳香環は前述に記載したとおりである。
R1’としての「芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基」が、前述の芳香環および/またはヘテロ芳香環と、後述の「置換基」の項の(B)群から選択される1種の部分構造との任意の組み合わせである場合、(B)群から選択される1種の部分構造としては、カルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィンオキシド基が好ましく、より好ましくはカルボニル基、スルホニル基、ホスフィンオキシド基であり、さらに好ましくはカルボニル基、ホスフィンオキシド基である。
例えば、n=1の場合、R1’としては置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいベンゾイル基が好ましく、さらに無置換のフェニル基またはベンゾイル基であるか、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基で置換された、フェニル基またはベンゾイル基が好ましい。
n=2以上の場合は、n=1の場合に挙げた構造が任意の位置で2価になった構造が挙げられる。
これらの中でも、直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜15が更に好ましく、炭素数1〜12が特に好ましい。分岐状のアルキル基は、置換基を有する直鎖状として説明する。
また、環状のアルキル基としては、炭素数3〜20が好ましく、炭素数4〜17がより好ましく、炭素数5〜15が更に好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。
芳香環としては、単環でも縮環構造でもよい。具体的にはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環などが挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環が特に好ましい。
ヘテロ芳香環としては、単環でも縮環構造でもよい。具体的にはフラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、インドール環、アクリジン環などが挙げられ、中でも、ピロール環、チオフェン環、インドール環、アクリジン環が好ましく、ピロール環、チオフェン環、アクリジン環がより好ましく、特にチオフェン環、インドール環、アクリジン環が好ましい。
これら芳香環またはヘテロ芳香環にさらに後述の「置換基」として記載した基を有してもよい。これらの置換基の中でも、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環、ヘテロ環カルボニル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基、アルカノイル基、アリーロイル基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。
該アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO2−Rc、−O−SO2−Rc、−SO2−NRaRb、−NRa−SO2−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO2−Rb、−SO2−NRa−CO−Rb、−SO2−NRa−SO2−Rc、−Si(Ra)l(ORb)m、及びヘテロ環基。
また、R1aのAr、Ar’、Ra、Rb、Rcの芳香環またはヘテロ芳香環が有する置換基としては、それぞれ独立に、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環基、ヘテロ環カルボニル基が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環基、ヘテロ環カルボニル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環基、ヘテロ環カルボニル基がより好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環カルボニル基が特に好ましい。
これらの中でも、直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜15が更に好ましく、炭素数1〜12が特に好ましい。分岐状のアルキル基は、置換基を有する直鎖状として説明する。
また、環状のアルキル基としては、炭素数3〜20が好ましく、炭素数4〜17がより好ましく、炭素数5〜15が更に好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。
また、環状のアルケニル基の場合は、環を構成する炭素−炭素結合の任意の位置に、後述の(B)群から選択される部分構造が挿入されていてもよい。
アルケニル基として、具体的に、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、3−ブテン−1−イル基、シクロペンタン−2−エン−1−イル基、シクロヘキサン−2−エン−1−イル基、シクロヘキサン−1−エン−1−イル基などが挙げられ、中でもビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、3−ブテン−1−イル基、シクロペンタン−2−エン−1−イル基、シクロヘキサン−2−エン−1−イル基が好ましく、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、3−ブテン−1−イル基がより好ましく、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基が特に好ましい。
ヘテロ環としては、テトラヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、オキソカニル基、ジオキサニル基、テトラヒドロチオフェニル基、ヂチアニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、テトラヒドロピリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピペリジニル基等を挙げることができる。また、これらヘテロ環基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよい。さらなる置換基としては、後述の「置換基」として記載した基全てが含まれる。
本発明における「置換基」としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子)、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、アルキル基(直鎖状、分岐状、環状を含む)、アルケニル基(直鎖状、分岐状、環状を含む)、アルキニル基、芳香環、ヘテロ芳香環、ヘテロ環、ホルミル基であるか、下記(B)群から選択される1種の部分構造と、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環、芳香環、ヘテロ芳香環とから選択される1種の部分構造との任意の組み合わせである。
(B)群:エーテル基、アミノ基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基〔−O−CO−N(R)−〕、ウレア基〔−N(R)−CO−N(R)−〕、スルフィニル基〔−SO−〕、スルホニル基〔−SO2−〕、スルホン酸エステル基〔−SO2−O−〕、スルホンアミド基〔−SO2−N(R)−〕、イミド基〔−CO−N(R)−CO−〕、スルホニルアミド基〔−SO2−N(R)−CO−〕、ジスルホニルイミド基〔−SO2−N(R)−SO2−〕、下記構造のホスフィンオキシド基。
前記Rdは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アリール基がより好ましい。
R1aとして更に好ましくは、アルケニル基または−SArが少なくとも1つ置換したアルキル基である。R1aとして最も好ましくは、−SArが少なくとも1つ置換したアルキル基である。
R1aが−SArを少なくとも1つ置換したアルキル基である場合、該Ar上に水素原子以外の置換基を少なくとも1つ有することが好ましい。
具体例としては、アセチル基、エチルカルボニル基、ジメチルアミノメチルカルボニル基が好ましい。
具体例としては、ベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基が好ましく、ベンゾイル基がより好ましい。
具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基がより好ましい。
具体例としては、フェニルオキシカルボニル基、ナフタレンオキシカルボニル基が好ましく、フェニルオキシカルボニル基がより好ましい。
具体例としては、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル基、2−モルホリノオキシカルボニル基が好ましく、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル基がより好ましい。
具体例としては、4−ピリジンオキシカルボニル基、2−チオフェンオキシカルボニル基が好ましく、2−チオフェンオキシカルボニル基がより好ましい。
具体例としては、メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基が好ましく、メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基がより好ましい。
具体例としては、フェニルチオカルボニル基、4−メチルフェニルチオカルボニル基が好ましく、フェニルチオカルボニル基がより好ましい。
具体例としては、テトラヒドロフラン2−チオカルボニル基、2−モルホリノチオカルボニル基が好ましく、テトラヒドロフラン2−チオカルボニル基がより好ましい。
具体例としては、チオフェン−2−チオカルボニル基、フラン−2−チオカルボニル基が好ましく、チオフェン−2−チオカルボニル基がより好ましい。
前記Rdで表されるアルキル基としては、前記本発明におけるアルキル基と同様であり、好ましい例も同様である。
前記Rdで表される芳香環及びヘテロ芳香環は、それぞれ独立に、前記R1’における芳香環及びヘテロ芳香環と同様であり、好ましい例も同様である。
前記一般式(8)で表される光重合開始剤の濃度が0.5質量%以上であると感度及び硬化速度等の光重合特性が低すぎる場合がなくなり、また、濃度が35質量%以下であると光が深部まで透過せず逆に感度が低下したり、光重合部分の強度や現像液耐性が低下する場合が無くなり好ましい。
本発明においては、一般式(8)で表される光重合開始剤を2種以上用いてもよい。
前記公知の光重合開始剤としては、後述する重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
前記アシルホスフィン(オキシド)系化合物としては、特に限定されないが、チバ・ジャパン(株)製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPO、等が挙げられる。
前記オキシム化合物としては、例えば、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロプル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の着色硬化性組成物は、有機溶剤の少なくとも1つを含有する。
有機溶剤は、並存する各成分の溶解性や着色硬化性組成物としたときの塗布性を満足できるものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、バインダー(例えば、重合性化合物等)の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物は、分散剤を含有することが好ましい。
分散剤としては、公知の顔料分散剤や界面活性剤が用いられる。
前記分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール(株)製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(以上、共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(以上、裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上、森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(以上、サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(以上、旭電化(株)製)、及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物は、顔料誘導体を含有することができる。
本発明における顔料誘導体とは、後述するように、有機顔料の側鎖に酸性基、塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。
本発明においては、前記分散剤と親和性のある部位を有する顔料誘導体を顔料の表面に吸着させ、これを前記分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として着色組成物中に分散させることができ、また、その再凝集をも防止することができる。つまり、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、前記分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
−界面活性剤−
本発明の着色感光性組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤の各種界面活性剤を使用できる。
特に、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に、流動性)をより向上させ、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
すなわち、フッ素系界面活性剤を含有する着色感光性組成物においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
更に、アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーン株式会社製「トーレシリコーンDC3PA」、「同SH7PA」,「同DC11PA」,「同SH21PA」,「同SH28PA」、「同SH29PA」、「同SH30PA」、「同SH8400」、東芝シリコーン株式会社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−444(4)(5)(6)(7)6」、「TSF−44 60」、「TSF−4452」、シリコーン株式会社製「KP341」、ビッグケミー社製「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は2種類以上を組み合わせても良い。
本発明の着色硬化性組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、アルカリ可溶性バインダー、架橋剤などの他の成分を含んでいてもよい。
アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。
本発明の着色硬化性組成物に補足的に架橋剤を用い、着色硬化性組成物を硬化させてなる着色硬化膜の硬度をより高めることもできる。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落〔0134〕〜〔0147〕の記載を参照することができる。
着色硬化性組成物においては、該着色硬化性組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。また、特開2004−295116号公報の段落〔0081〕に記載の熱重合開始剤を含有することができる。
重合禁止剤の添加量は、全組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
本発明の着色硬化性組成物においては、特開2004−295116号公報の段落〔0078〕に記載の増感剤や光安定剤を含有することができる。
なお、着色剤としての(D1)〜(D4)の群より選択される化合物の分散性向上のため、予め、前記着色剤を分散した着色剤分散液を調製しておき、この着色剤分散液を用いて、本発明の着色硬化性組成物を調製してもよい。
本発明のカラーフィルタとその製造方法について詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既述の本発明の着色硬化性組成物が用いられる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に、既述の本発明の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程(以下、塗布工程と称する。)と、マスクを介して該着色硬化性組成物層を露光した後、現像して着色パターンを形成する工程(以下、露光・現像工程と称する。)を有する。好ましくは、現像後の前記パターンに、紫外光を照射する工程(以下、紫外線照射工程と称する。)を有することである。
以下、塗布工程、露光・現像工程、及び、紫外線照射工程について説明する。
塗布工程では、支持体上に、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により着色硬化性組成物を塗布する。塗布された膜には、プリベークが行われ、着色硬化性組成物層が形成される。
形成された着色硬化性組成物層の厚みとしては、0.1μm〜3μmの範囲が好ましく、特に固体撮像素子用のカラーフィルタの薄層化や色再現性の観点から、0.2μm〜1μmの範囲がより好ましく、0.3μm〜0.7μmの範囲がより好ましい。
続いて、支持体上に形成された着色硬化性組成物層には、マスクを介した露光が行われる。
この露光に適用し得る光若しくは放射線としては、g線、h線、i線等の紫外線が好ましい。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、及びステッパー方式のいずれの方式で露光を行なってもよいが、特に、ステッパー方式(縮小投影露光機を用いた縮小投影露光方式)で露光を行なうのが好ましい。ステッパー方式は、露光量を段階的に変動しながら露光を行なうことによってパターンを形成するものであり、ステッパー露光を行なった際に特にパターンの矩形性を良好にすることができる。
また、ステッパー露光に用いる露光装置としては、例えば、i線ステッパー(商品名:FPA−3000i5+、キャノン(株)製)等を用いることができる。
現像は、現像液を用いて行なうことができる。現像液としては、着色硬化性組成物層の未硬化部(未露光部)を溶解する一方、硬化部(露光部)を溶解しない組成よりなるものであればいずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。有機溶剤としては、着色硬化性組成物を調製する際に使用される前述の有機溶剤が挙げられる。アルカリ性の水溶液としては、例えば、アルカリ性化合物を、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等が挙げられる。
なお、アルカリ性水溶液を現像液として使用した場合、一般に現像後に水で洗浄が行われる。
続いて、得られた着色パターンには、紫外光を照射して更に硬化した着色硬化膜を形成する工程を有することも好ましい。
この紫外線としては、上記露光工程における紫外線を用いることができる。紫外線照射は、上記露光工程と同様の方法で行うことができる。
紫外線の照射量として、特に制限はないが、50mJ/cm2〜1000mJ/cm2が好ましい。
本発明に係る着色硬化性組成物を洗浄除去する場合、例えば、塗布装置吐出部のノズル、配管部の目詰まりや塗布機内への着色硬化性組成物や顔料の付着・沈降・乾燥による汚染等が問題となる。そこで、着色硬化性組成物によってもたらされた汚染を効率よく洗浄するためには、前掲の本組成物に関する溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も本発明に係る着色硬化性組成物の洗浄除去として好適に用いることができる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートおよびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、汚染物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には前掲の本組成物に関する界面活性剤を添加しても良い。
そのため、本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、中でも、着色パターンが微少サイズで薄膜に形成され、しかも良好な矩形の断面プロファイルが要求される固体撮像素子の用途、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等の用途に好適である。
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えたものである。本発明のカラーフィルタは、高い耐熱性を有するものであり、このカラーフィルタを備えた固体撮像素子は優れた色再現性を得ることが可能となる。
即ち、支持体上に、CCDイメージセンサー(固体撮像素子)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明のカラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
−1.着色硬化性組成物の調製−
下記の各成分を混合して分散、溶解し、着色硬化性組成物を得た。
・PGMEA(溶剤) 42.691部
・重合性化合物1(下記構造の化合物1) 2.220部
・重合性化合物2(下記構造の化合物2) 2.220部
・光重合開始剤(下記構造の化合物) 0.360部
・染料(表1に記載の下記構造の化合物) 1.200部
・界面活性剤(商品名:F−781、DIC(株)製のPGMEA1.0%溶液)
1.250部
・p−メトキシフェノール1.0%PGMEA溶液 0.060部
−着色硬化性組成物の調製−
下記の各成分を混合して分散、溶解し、着色硬化性組成物を得た。
<着色硬化性組成物2(フタロシアニン系染料CB−34を含む組成物)>
・PGMEA(溶剤) 42.691部
・重合性化合物1(下記構造の化合物1) 0.960部
・重合性化合物2(下記構造の化合物2) 0.960部
・光重合開始剤(下記構造の化合物) 0.360部
・染料(下記構造の化合物) 1.200部
・CB−34(フタロシアニン系染料、下記構造) 2.520部
・界面活性剤(商品名:F−781、DIC(株)製のPGMEA1.0%溶液)
1.250部
・p−メトキシフェノール1.0%PGMEA溶液 0.060部
−着色硬化性組成物の調製−
下記の各成分を混合して分散、溶解し、着色硬化性組成物を得た。
・PGMEA(溶剤) 21.090部
・重合性化合物1(下記構造の化合物1) 0.582部
・重合性化合物2(下記構造の化合物2) 0.582部
・光重合開始剤(下記構造の化合物) 0.360部
・染料 (下記構造の化合物) 1.200部
・Pigment Blue−15:6分散液 24.8766部
(固形分濃度13.17%、顔料濃度10.13%)
・界面活性剤(商品名:F−781、DIC(株)製のPGMEA1.0%溶液)
1.250部
・p−メトキシフェノール1.0%PGMEA溶液 0.060部
−単色のカラーフィルタの作製と耐熱性の評価−
上記で得られた着色硬化性組成物を、ガラス基板の上に乾燥後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークした後、500mJ/cm2で露光し、着色硬化性組成物の耐熱性評価用として単色のカラーフィルタを得た。
得られた耐熱性評価用の単色のカラーフィルタを、ホットプレートを用いて240℃で3分間加熱した。加熱前後での単色のカラーフィルタの色差(ΔE*ab値)を色度計MCPD−1000(大塚電子(株)製)を用いて測定し、耐熱性の指標とした。なお、ΔE*ab値の小さいほうが、耐熱性が良好であり、判断基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
〜判定基準〜
◎: ΔE*ab値<2
○: 2≦ΔE*ab値<5
△: 5≦ΔE*ab値<10
×: 10≦ΔE*ab値
<カラーフィルタの作製>
−下塗り層付きシリコンウエハ基板の作製−
6inchシリコンウエハをオーブン中で200℃のもと30分加熱処理した。次いで、このシリコンウエハ上に、下記に示す各成分を混合して溶解したレジスト液を、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付きシリコンウエハ基板を得た。
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 19.200部
・乳酸エチル(EL) 36.670部
・バインダー:(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(モル比=60:20:20)41%EL溶液 30.510部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.200部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.006部
・フッ素系界面活性剤(F−781、DIC(株)製) 0.830部
・光重合開始剤TAZ−107(みどり化学社製) 0.586部
得られた下塗り層付きシリコンウエハ基板の下塗り層上に、参考例4〜9、実施例13〜18で調製した着色硬化性組成物を、各々の塗布膜の乾燥膜厚が0.6μmになるように塗布し、光硬化性の塗布膜(着色硬化性組成物層)を形成した。そして、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長の光を、パターンが1.4μm四方のアイランドパターンマスクを通して、100mJ/cm2〜2500mJ/cm2の範囲で露光量を100mJ/cm2ずつ変化させて照射した。
その後、塗布膜が形成されているシリコンウエハ基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型;(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハ基板に青色着色パターンを形成した。
形成された青色着色パターンは、いずれも正方形で、断面が矩形状の良好なプロファイルを示しており、撮像素子用に好適なカラーフィルタであることが分かった。
Claims (12)
- 下記一般式(4)で表される化合物より選択される化合物、重合性化合物、下記一般式(8)で表される光重合開始剤、及び有機溶剤を少なくとも含む着色硬化性組成物。
[一般式(4)中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。L1は、−N(R2)C(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R2)−、−C(=O)O−、下記一般式(5)で表される基、下記一般式(6)で表される基、又は下記一般式(7)で表される基を表す。L 1 中のR 2 は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。L2は、2価の連結基を表す。m及びnは各々独立に、0又は1を表す。Dyeは、下記一般式(1)で表される化合物から任意の水素原子が1つ外れた色素残基、下記一般式(2)で表される化合物のR1〜R14のいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基、又は、下記一般式(3)で表される化合物のR2〜R5、R7〜R9、X5、Y1〜Y2のいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基を表す。]
[上記一般式(1)中、R1〜R6は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R7は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、X2は、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、X1は、Maに結合可能な基を表す。なお、X1とX2とは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。]
[上記一般式(2)中、R1〜R6、及びR8〜R13は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R7、及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表す。]
[上記一般式(3)中、R2〜R5は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R7は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、X3は、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、X4は、NRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Y1は、NRc(Rcは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)又は炭素原子を表し、Y2は、窒素原子、又は炭素原子を表し、R8及びR9は各々独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。R8とY1は、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、R9とY2が互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。X5はMaと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。]
[R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R3は、水素原子、又は置換基を表す。kは、0〜4の整数を表す。一般式(5)〜一般式(7)中、*は、一般式(4)における−C(R1)−の炭素原子と結合する位置を表し、**は、一般式(4)におけるL2又はDye(n=0の場合)と結合する位置を表す。]
[一般式(8)中、R1’は、芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基を表す。Rlaは、下記(A)群から選択される少なくとも1つの置換基を有するアルキル基である。R2aは、アルカノイル基、アルケノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基、ヘテロアリールチオカルボニル基、−CO−CO−Rd(Rdは置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を表す。)を表す。nは1〜6の整数を示す。]
<(A)群>
シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO2−Rc、−O−SO2−Rc、−SO2−NRaRb、−NRa−SO2−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO2−Rb、−SO2−NRa−CO−Rb、−SO2−NRa−SO2−Rc、−Si(Ra)l(ORb)m、及びヘテロ環基。ここで、Ar、Ar’はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を示し、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、Rcは置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、l、mはそれぞれ0〜3の整数を示し、l+m=3を満たす。 - 前記一般式(8)のR1aが−SArを有するアルキル基である請求項1に記載の着色硬化性組成物。
- 前記一般式(8)のR2aがアルカノイル基である請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
- 前記一般式(8)のR1’が一般式(9)または一般式(10)で表される置換基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
[R11はアルキル基、芳香環、又はヘテロ環を示し、R12はアルキル基を示す。] - 前記一般式(8)のR1’が式(11)で表される置換基である請求項4に記載の着色硬化性組成物。
- 前記一般式(4)のL 1 は、−C(=O)O−又は−C(=O)N(R 2 )−で表される置換基である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- 前記一般式(4)で表される化合物の重量平均分子量が5000〜30000の範囲である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- 更に、フタロシアニン系顔料及び分散剤を含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
- 支持体上に、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、マスクを介して該着色硬化性組成物層を露光した後、現像して着色パターンを形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
- 現像後の着色パターンに、紫外光を照射する紫外線照射工程を更に有する請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項9又は請求項10に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
- 請求項11に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
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