JP2011158654A - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子 - Google Patents

着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性に優れる着色硬化膜を形成しうる着色硬化性組成物の提供。
【解決手段】特定のピロメテン構造を有する金属錯体、重合性化合物、式(8)の光重合開始剤及び有機溶剤を含む着色硬化性組成物。

式(8)中、R1’:芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基。Rla:特定の置換基を有するアルキル。R2a:アルカノイル、アルケノイル、アリーロイル等。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに該カラーフィルタを備えた固体撮像素子に関する。
液晶表示素子(LCD等)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタを作製する方法として、顔料分散法が広く知られている。
顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感光性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法である。これは、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細のカラーフィルタを作製するのに好適な方法とされている。顔料分散法によりカラーフィルタを作製する場合、ガラス基板上に感光性組成物をスピンコーターやロールコーター等により塗布して塗膜を形成し、該塗膜をパターン露光・現像することによって着色画素が形成され、この操作を各色毎に繰り返し行なうことでカラーフィルタが得られる。
顔料を用いた着色感光性組成物としては、例えば、特許文献1に記載のフタロシアニン系顔料を含有するカラーフィルタ用青色着色組成物が知られている。
顔料を用いたカラーフィルタを設けて液晶表示素子や固体撮像素子等の表示素子を作製する場合、コントラスト向上の点から、より微小な粒子サイズの顔料が求められるようになっている。これは、顔料による光の散乱、複屈折等で偏光軸が回転してしまうとの要因によるものである。顔料の微細化が不充分であると、顔料により光が散乱、吸収され、光透過率が低下し、コントラストが低くなり、更にはパターン露光時の硬化感度が低下してしまう。
特に、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては、近年、更なる高精細化が望まれているため、従来より行なわれている顔料分散系では、解像度を更に向上させることが困難な状況にある。つまり、顔料の粗大粒子の影響で色ムラが発生する等の問題がある。そのため、顔料分散系は、固体撮像素子のような画素サイズが1.5〜3.0μm角となるような微細パターンが要求される用途には適さなかった。
このような状況に対応して、従来から顔料に代えて染料を使用する技術が提案されている。しかしながら、染料は、一般に顔料に比べて耐熱性、耐光性に劣ることが知られており、カラーフィルタの性能の点で問題となることがあった。また、染料は感光性組成物に対する溶解性が低く、液状調製物や塗布膜の状態では経時での安定性が低く、染料が析出してしまうといった問題も有していた。
これらの問題に対して、ジピロメテン系化合物を含む染料とフタロシアニン染料とを併用することで、保存安定性に優れ、耐光性の高いカラーフィルタを形成しうる着色硬化性組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、染料と顔料とを組み合わせた着色硬化性組成物も知られている(例えば、特許文献3参照。)
特開2001−33616号公報 特開2008−292970号公報 米国特許出願公開第2008/0171271号明細書
上記特許文献1〜3には、染料を用いた着色硬化性組成物については、保存安定性に優れ、かつ、耐光性の高いカラーフィルタを形成しうるとして開示されているものの、カラーフィルタの高精細化等の性能向上のために求められている耐熱性の点では必ずしも充分ではないのが現状であった。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、耐熱性に優れる着色硬化膜を形成しうる着色硬化性組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、耐熱性に優れるカラーフィルタと該カラーフィルタの製造方法、及び該カラーフィルタを備えた固体撮像素子を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1>
下記(D1)〜(D4)の群より選択される化合物、重合性化合物、下記一般式(8)で表される光重合開始剤、及び有機溶剤を少なくとも含む着色硬化性組成物。
<(D1)群>
[上記一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、Xは、Maに結合可能な基を表す。なお、XとXとは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。]
<(D2)群>
[上記一般式(2)中、R〜R、及びR〜R13は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R、及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表す。]
<(D3)群>
[上記一般式(3)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Xは、NRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Yは、NRc(Rcは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、又は炭素原子を表し、Yは、窒素原子、又は炭素原子を表し、R及びRは各々独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。RとYは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、RとYが互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。XはMaと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。]
<(D4)群>
[一般式(4)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。Lは、−N(R)C(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−、下記一般式(5)で表される基、下記一般式(6)で表される基、又は下記一般式(7)で表される基を表す。Lは、2価の連結基を表す。m及びnは各々独立に、0又は1を表す。Dyeは、一般式(1)で表される化合物から任意の水素原子が1つ外れた色素残基、一般式(2)で表される化合物のR〜R14のいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基、又は、一般式(3)で表される化合物のR〜R、R〜R、X、Y〜Yのいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基を表す。]
[Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Rは、水素原子、又は置換基を表す。kは、0〜4の整数を表す。一般式(5)〜一般式(7)中、*は、一般式(4)における−C(R)−の炭素原子と結合する位置を表し、**は、一般式(4)におけるL又はDye(n=0の場合)と結合する位置を表す。]
[一般式(8)中、R1’は、芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基を表す。Rlaは、下記(A)群から選択される少なくとも1つの置換基を有するアルキル基である。R2aは、アルカノイル基、アルケノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基、ヘテロアリールチオカルボニル基、−CO−CO−Rd(Rdは置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を表す。)を表す。nは1〜6の整数を示す。]
<(A)群>
シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO−Rc、−O−SO−Rc、−SO−NRaRb、−NRa−SO−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO−Rb、−SO−NRa−CO−Rb、−SO−NRa−SO−Rc、−Si(Ra)l(ORb)m、及びヘテロ環基。ここで、Ar、Ar’はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を示し、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、Rcは置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、l、mはそれぞれ0〜3の整数を示し、l+m=3を満たす。
<2>
前記一般式(8)のR1aが−SArを有するアルキル基である<1>に記載の着色硬化性組成物。
<3>
前記一般式(8)のR2aがアルカノイル基である<1>又は<2>に記載の着色硬化性組成物。
<4>
前記一般式(8)のR1’が一般式(9)または一般式(10)で表される置換基である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
[R11はアルキル基、芳香環、又はヘテロ環を示し、R12は置換基を有していてもよい、アルキル基を示す。]
<5>
前記一般式(8)のR1’が式(11)で表される置換基である<4>に記載の着色硬化性組成物。

<6>
更に、フタロシアニン系顔料及び分散剤を含有する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
<7>
支持体上に、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、マスクを介して該着色硬化性組成物層を露光した後、現像して着色パターンを形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
<8>
現像後の着色パターンに、紫外光を照射する紫外線照射工程を更に有する<7>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<9>
<7>又は<8>に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
<10>
<9>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
本発明によれば、耐熱性に優れる着色硬化膜を形成しうる着色硬化性組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、耐熱性に優れるカラーフィルタと該カラーフィルタの製造方法、及び該カラーフィルタを備えた固体撮像素子を提供することができる。
≪着色硬化性組成物≫
まず、本発明の着色硬化性組成物について説明する。
本発明の着色硬化性組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、下記重合性化合物、一般式(8)で表される光重合開始剤、及び有機溶剤を少なくとも含む。
本発明の着色硬化性組成物は、上記構成とすること、特に、(D1)〜(D4)の群より選択される化合物である特定のピロメテン構造を有する金属錯体と、一般式(8)で表される光重合開始剤であるオキシム誘導体とを含む構成とすることにより、色相の劣化等が極めて少ない耐熱性に優れる着色硬化膜を形成しうる組成物となる。
本発明の耐熱性向上のメカニズムとしては定かではないが、上記特定の成分の構成とすることにより、着色硬化膜の硬化性が向上し、染料の熱運動が制限されることで着色硬化性組成物により形成された着色硬化膜は耐熱性に優れたものとなるためと推察している。
以下、本発明の着色硬化性組成物の各成分について説明する。
本発明の着色硬化性組成物は、着色剤として下記(D1)〜(D4)の群より選択される化合物の少なくとも1つを含有する。
((D1)〜(D4)の群より選択される化合物)
<(D1)群>
(D1)群の化合物は、下記一般式(1)で表される化合物(ジピロメテン系金属錯体化合物)である。
上記一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、Xは、Maに結合可能な基を表す。なお、XとXとは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
上記一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
一般式(1)においてR〜Rで表される置換基は、以下に示されるような1価の基(以下、列記した一価の基の群を「置換基R」と総称する場合がある。)が挙げられる。
即ち、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、また、シクロアルキルオキシ基であれば、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、また、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基であれば、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、
アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基)を表す。
上述した1価の基が更に置換可能な基である場合には、上述した各基のいずれかによって更に置換されていてもよい。なお、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)において、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。なお、形成される環としては、飽和環、又は不飽和環がある。この5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、Xは、Maに結合可能な基を表す。なお、XとXとは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
一般式(1)中のMaは、金属原子又は金属化合物を表し、前述した特定錯体を構成する金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(1)におけるXは、Maに結合可能な基であればいずれであってもよく、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)等、更に「金属キレート」[1]坂口武一・上野景平著(1995年 南江堂)、同[2](1996年)、同[3](1997年)等、に記載の化合物に由来する基が挙げられる。
一般式(1)に置けるXは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、例えば、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、燐酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
一般式(1)におけるXとXとは、互いに結合してMaと共に5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、飽和環であっても不飽和環であってもよい。また、5員、6員、及び7員の環は、炭素原子及び水素原子のみで構成されていてもよい、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を少なくとも1個有するヘテロ環であってもよい。
<(D2)群>
(D2)群の化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である。
上記一般式(2)中、R〜R、及びR〜R13は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R、及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表す。
一般式(2)中のR〜Rは、一般式(1)中のR〜Rと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(2)中のR〜R13で表される置換基は、一般式(1)で表される化合物のR〜Rで表される置換基と同義であり、その好ましい態様も同様である。一般式(2)で表される化合物のR〜R13で表される置換基が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)中のRは、一般式(1)中のRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(2)中のR14は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R14の好ましい範囲は、前記Rの好ましい範囲と同様である。R14が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、一般式(1)中のMaの金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(2)中のRとR、RとR10、R11とR12、R12とR13とが互いに結合して5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環を形成していてもよい。形成される飽和環、又は不飽和環としては、RとR、RとR、RとR、及びRとRで形成される飽和環、又は不飽和環と同義であり、好ましい例も同様である。
<(D3)群>
(D3)群の化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である。
上記一般式(3)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Xは、NRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Yは、NRc(Rcは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、又は炭素原子を表し、Yは、窒素原子、又は炭素原子を表し、R及びRは各々独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。RとYは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、RとYが互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。XはMaと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。
一般式(3)中のR〜R、及びRは、一般式(1)中のR〜R、及びRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(3)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前述した一般式(1)中のMaの金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(3)中、R及びRは、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは1〜18のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルキルアミノ基で、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、t−ブチルアミノ基、t−オクチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基)、アリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリールアミノ基で、例えば、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−エチル−N−フェニルアミノ基)、又はヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環アミノ基で、例えば、2−アミノピロール基、3−アミノピラゾール基、2−アミノピリジン基、3−アミノピリジン基)を表す。
一般式(3)中、R及びRで表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(3)中、Xは、NR、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Xは、NRa、酸素原子、又は硫黄原子を表し、RとRaはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは2〜18のアシル基で、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−エチルヘキシル基、ベンゾイル基、シクロヘキサノイル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基)を表す。
前記RとRaのアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、更に、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(3)中、Yは、NRc又はCRR’を表し、Yは、窒素原子、又はCR’’を表し、Rc、R、R’、R’’は、前記XにおけるRと同義である。
一般式(3)中、RとYとが互いに結合して、R、Y、及び炭素原子と共に5員環(例えば、シクロペンタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン)、6員環(例えば、シクロヘキサン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ペンタメチレンスルフィド、ジチアン、ベンゼン、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、キノリン、キナゾリン)、又は7員環(例えば、シクロヘプタン、ヘキサメチレンイミン)を形成してもよい。
一般式(3)中、RとYとが互いに結合して、R、Y、及び炭素原子と共に5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、前記のRとY及び炭素原子で形成される環中の1個の結合が二重結合に変化した環が挙げられる。
一般式(3)中、RとY、及びRとYが結合して形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な環である場合には、前記置換基Rのいずれかで説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(3)中、XはMaと結合可能な基を表し、前記一般式(1)におけるXと同様な基が挙げられる。
aは0、1、又は2を表す。
一般式(3)で表される化合物の好ましい態様を以下に示す。
即ち、R〜R、R、及びMaは、それぞれ、一般式(I)で表される化合物の好ましい態様であり、XはNR(Rは水素原子、アルキル基)、又は酸素原子であり、XはNRa(Raは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基)、又は酸素原子であり、YはNRc又はCRR’であり、Yは窒素原子、又はCR’’でありを表し、Rc、R、R’、R’’は、前記XにおけるRと同義である。Xは酸素原子を介して結合する基であり、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、RとYとが互いに結合して5員又は6員環を形成し、RとYとが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
一般式(3)で表される化合物のより好ましい態様を以下に示す。
即ち、R〜R、R、Maはそれぞれ、一般式(1)で表される化合物、X及びXは、酸素原子であり、YはNHであり、Yは窒素原子であり、Xは酸素原子を介して結合する基であり、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、RとYとが互いに結合して5員又は6員環を形成し、RとYとが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
以下に、本発明における一般式(1)〜(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。









































本発明における上記一般式(1)〜(3)で表される化合物(色素)のモル吸光係数は、膜厚の観点から、できるだけ高いほうが好ましい。また、最大吸収波長λmaxは、色純度向上の観点から、520nm〜580nmが好ましく、530nm〜570nmが更に好ましい。なお、最大吸収波長、及びモル吸光係数は、分光光度計UV−2400PC(島津製作所社製)により測定されるものである。
本発明における色素の融点は、溶解性の観点から、高すぎない方がよい。
本発明における色素は、米国特許第4,774,339号、同−5,433,896号、特開2001−240761号、同2002−155052号、特許第3614586号、Aust.J.Chem,1965,11,1835−1845、J.H.Boger et al,Heteroatom Chemistry,Vol.1,No.5,389(1990)等に記載の方法で合成することができる。
本発明における一般式(1)〜(3)で表される化合物の合成方法について、具体的には、特開2008−292970号の段落〔0131〕〜〔0157〕に記載の方法を適用することができる。
<(D4)群>
(D4)群の化合物は、下記一般式(4)で表される化合物(以下、「色素多量体」ともいう。)である。
[一般式(4)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。Lは、−N(R)C(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−、下記一般式(5)で表される基、下記一般式(6)で表される基、又は下記一般式(7)で表される基を表す。Lは、2価の連結基を表す。m及びnは各々独立に、0又は1を表す。Dyeは、一般式(1)で表される化合物から任意の水素原子が1つ外れた色素残基、一般式(2)で表される化合物のR〜R14のいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基、又は、一般式(3)で表される化合物のR11〜R17、X、Y〜Yのいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基を表す。]
前記一般式(4)で表される化合物は、一般式(1)で表される化合物から任意の水素原子が1つ外れた色素残基、一般式(2)で表される化合物のR〜R14のいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基、又は、一般式(3)で表される化合物のR〜R、R〜R、X、Y〜Yのいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基、のいずれかを表すDye(ジピロメテン系金属錯体化合物の色素残基)に、−(L−(L−C(R)=CHで表される重合性基が導入された化合物(以下、「色素単量体」ともいう。)を重合して得られた化合物(色素多量体)である。なお、m及びnのいずれもが0の場合、上記ジピロメテン系金属錯体化合物に、直接−C(R)=CH基が導入された化合物を重合して得られた化合物である。
前記一般式(1)で表される化合物(ジピロメテン系金属錯体化合物)において、上記重合性基が導入される部位は、特に制限はないが、合成適合性の点で、R1〜R7のいずれか1つに上記重合性基が導入されることが好ましく、R1、R3、R4及びR6のいずれか1つに上記重合性基が導入されることがより好ましく、R1及びR6のいずれか1つに上記重合性基が導入されることが更に好ましい。
前記一般式(2)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物において、上記重合性基が導入される部位は、特に制限はないが、合成適合性の点で、R1〜R14のいずれか1つに上記重合性基が導入されることが好ましく、R1、R3、R4、R6、R8、R10、R11及びR13のいずれか1つに上記重合性基が導入されることがより好ましく、R1、R6、R8及びR13のいずれか1つに上記重合性基が導入されることが更に好ましい。
前記一般式(3)で表されるジピロメテン系金属錯体化合物において、上記重合性基が導入される部位は、R〜R、R〜R、X、Y〜Yのいずれか1つである。これら置換基の中でも、合成適合性の点で、、R〜R、R、R及びXのいずれか1つに上記重合性基が導入されることが好ましく、R、R、R及びRのいずれか1つに上記重合性基が導入されることがより好ましく、R及びRのいずれか1つに上記重合性基が導入されることが更に好ましい。
前記一般式(4)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。Rがアルキル基又はアリール基の場合、無置換でも置換されていてもよい。
上記Rがアルキル基の場合、好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは炭素数1〜6の置換もしくは無置換の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が好適である。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記Rがアリール基の場合、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは6〜14、さらに好ましくは炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基が好適である。アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記Rが置換アルキル基及び置換アリール基の場合の置換基は、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基で、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数6〜12のアリール基で、例えば、フェニル、ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−1−イル)、シリル基(好ましくは炭素数3〜24、より好ましくは炭素数3〜12のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ヘキシルジメチルシリル)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、ドデシルオキシ、シクロアルキルオキシ基で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜12のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ)、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ(例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ))、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜24、より好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ、ヘキサデシルスルホニルオキシ、シクロヘキシルスルホニルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数6〜12のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイル、シクロヘキサノイル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜12、更に好ましくは炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜24、より好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−オクチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル)、アミノ基(好ましくは炭素数24以下、より好ましくは炭素数12以下のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、テトラデシルアミノ、2−エチルへキシルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数6〜12のアニリノ基で、例えば、アニリノ、N−メチルアニリノ)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜12のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラデカンアミド、ピバロイルアミド、シクロヘキサンアミド)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のウレイド基で、例えば、ウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは炭素数20以下の、より好ましくは炭素数12以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド,N−フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜24、より好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、シクロヘキサンスルホンアミド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ、3−ピラゾリルアゾ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオ、1−フェニルテトラゾリルチオ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル)、
アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数6〜12のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、オクチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは炭素数6〜12のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは炭素数24以下、より好ましくは炭素数16以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N−エチル−N−フェニルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜12のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ)が挙げられる。
上記の置換基の中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、イミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、スルファモイル基が好ましく、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、スルファモイル基がより好ましく、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基が更に好ましく、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボン酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基が特に好ましい。
上記の特に好ましい置換基の中でも、スルホン酸基、カルボン酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルコキシカルボニル基がより好ましく、スルホン酸基、カルボン酸基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基が更に好ましく、スルホン酸基、カルボン酸基、アルコキシ基が特に好ましい。
前記Rとしては、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、水素原子、アルキル基が特に好ましい。
前記Rの置換アルキル基及び置換アリール基の置換基が、更に置換可能な基である場合には、前記で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(4)中、Lは、−N(R)C(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−、下記の一般式(5)で表される基、一般式(6)で表される基、又は一般式(7)で表される基を表す。ここで、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
上記Rのアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基は、前記Rの置換アルキル基及び置換アリール基の置換基で説明したアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基が例として挙げられ、好ましい態様も同様である。
上記Rのアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基は、前記Rで説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
以下に、前記一般式(4)中、Lで表される下記の一般式(5)で表される基、一般式(6)で表される基、及び一般式(7)で表される基について説明する。
ここで、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、Rは、水素原子、又は置換基を表し、kは、0〜4の整数を表す。*は、前記一般式(4)における−C(R)−の炭素原子と結合する位置を表し、**は、前記一般式(4)におけるL又はDye(n=0の場合)と結合する位置を表す。
上記一般式(6)〜(7)中のRは、前記一般式(4)で説明したRと同義であり、好ましい態様も同様である。
上記Rは、水素原子又は置換基を表し、Rで表される置換基としては、前記Rの置換アルキル基及び置換アリール基で説明した置換基が例として挙げられ、好ましい態様も同様である。kは0、1、2、3、4を表す。kが2、3、4の場合、Rは同じでもよく、異なっていてもよい。
上記Rの置換基が、更に置換可能な基である場合には、前記Rで説明した置換基で、置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
上記Lとしては、合成上の観点から、−N(R)C(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−が好ましく、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−がより好ましく、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−が更に好ましい。
次に、前記一般式(4)中、Lについて説明する。
上記Lは、L又は−C(R)−の炭素原子(m=0の場合)と、Dyeとを連結する2価の連結基を表す。
上記Lは、好ましくは、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、−O−、−C(=O)−、−OC(=O)−、OC(=O)O−、−OSO−、−OC(=O)N(R50)−、−N(R50)−、−N(R50)C(=O)−、−N(R50)C(=O)O−、−N(R50)C(=O)N(R51)−、−N(R50)SO−、−N(R50)SON(R51)−、−S−、−S−S−、−SO−、−SO−、−SON(R50)−、−SOO−等が挙げられる。また、上記の2価の連結基が、複数個結合して、新たに2価の連結基を形成していてもよい。
上記のR50及びR51は各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R50及びR51のアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基は、前記Rの置換基で説明したアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基が例として挙げられ、好ましい態様も同様である。R50及びR51のアルキル基、アリール基、及びヘテロ環基は、前記Rの置換基で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
前記Lが、アルキレン基、アラルキレン基、又はアリーレン基である場合、無置換でもよく置換されていてもよく、置換されている場合には、前記Rの置換基で説明した置換基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
前記Lがアルキレン基、アラルキレン基、又はアリーレン基である場合、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜18のアラルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数6〜16のアラルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜12のアラルキレン基が更に好ましい。
前記LとLとの組み合わせとしては、Lが−N(R)C(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−で、Lが炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜18のアラルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数2〜18のアルキルチオエーテル、炭素数2〜18のアルキルカルボンアミド基、炭素数2〜18のアルキルアミノカルボニル基の態様が好ましい。より好ましくは、Lが−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−で、Lが炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数6〜16のアラルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、炭素数2〜12のアルキルチオエーテル、炭素数2〜12のアルキルカルボンアミド基、炭素数2〜12のアルキルアミノカルボニル基の態様であり、更に好ましくは、Lが−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−で、Lが炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜12のアラルキレン基、炭素数2〜6のアルキルチオエーテル、炭素数2〜6のアルキルカルボンアミド基、炭素数2〜6のアルキルアミノカルボニル基の態様である。
下記に、前記色素単量体中において−(L−(L−C(R)=CHで表される重合性基の例を挙げる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。


(色素単量体の具体例)
以下に、前記色素単量体の具体例と合成方法の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記例示化合物a−9を、下記の合成スキームに従って、下記の処方により合成した。


<化合物1の合成法>
2−アミノピロール化合物(化合物A)4.11gをアセトニトリル中、室温下で攪拌し、2−クロロプロピオニルクロライドを1.33g滴下し、室温下で30分攪拌した。析出した結晶をろ別しアセトニトリル5mlで洗浄し、化合物1(2.22g)を得た。
化合物1:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.45−1.58(28H、m)、1.83−1.85(3H、d)、4.57−4.6(1H、q)、5.89(1H、s)、6.35(1H、s)、7.28−7.38(5H、m)、10.78−10.82(1H、br)、11.47−11.51(1H、br)。
<化合物2の合成法>
化合物1(5g)と、3−メルカプト−1−プロパノール1.2gをジメチルアセトアミド15mlに溶解させ、室温下で攪拌し、DBU1.82gを滴下し、室温下で一時間攪拌した。その後、200mlの塩酸水溶液中に反応液を注ぎ、酢酸エチル50mlで抽出し、有機層を硫酸マグネシウム5gで脱水したあと、ろ過後、ろ液を濃縮乾固した。残渣をアセトニトリルで分散洗浄し、固体をろ取し、アセトニトリル5mlで洗浄し、化合物2(3.51g)を得た。
化合物2:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.45−1.29(28H、m)、1.55−1.61(3H、d)、1.84−1.92(2H、m)、2.76−2.82(2H、t)、3.56−3.71(1H、q)、3.73−3.8(2H、q)、5.89(1H、s)、6.33(1H、s)、7.27−7.38(5H、m)、10.78−10.82(1H、br)、11.36−11.42(1H、br)。
<化合物3の合成>
化合物2(30g)、ニトロベンゼン0.1gをジメチルアセトアミド30mlに溶解させ、メタクリル酸クロライド14.1gを滴下し室温下で4時間攪拌した。1.2Lの水に反応液を加え炭酸水素ナトリウム30gで中和し、酢酸エチル500mlで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム30gで脱水し、ろ過後、ろ液を濃縮乾固した。残渣をアセトニトリル100mlで分散洗浄し、固体をろ取し、アセトニトリル30mlで洗浄し、化合物3(24.6g)を得た。
化合物3:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.47−1.27(28H、m)、1.57−1.59(3H、d)、1.9−1.93(3H、s)、1.93−2.06(2H、m)、2.66−2.76(2H、m)、3.55−3.71(1H、q)、4.2−4.25(2H、t)、5.52(1H、s)、5.89(1H、s)、6.08(1H、s)、6.33(1H、s)、7.27−7.38(5H、m)、10.78−10.82(1H、br)、11.38−11.42(1H、br)。
<化合物4の合成>
ジメチルホルムアミド50mlを0℃で攪拌しながら、オキシ塩化リン5.5mlを滴下し、10分攪拌後、化合物1(15g)を添加し室温で2.5時間攪拌した。1.5Lの水中に反応液を注ぎ水酸化ナトリウム7.2gで中和後、メタノール150mlを注ぎ2時間攪拌した。結晶を一度ろ過し、メタノール150mlで再度分散洗浄を行い、化合物4(8g)を得た。
化合物4:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.45−1.57(28H、m)、1.81−1.83(3H、d)、4.44−4.5(1H、q)、5.88(1H、s)、7.28−7.37(5H、m)、9.06(1H、s)、10.78−10.82(1H、br)、11.47−11.51(1H、br)。
<化合物5の合成>
化合物4(19.6g)、チオリンゴ酸8.34gをジメチルアセトアミド150mlに加え室温下で攪拌し、DBU28gを滴下し、2時間室温下で攪拌した。1.5Lの水中に反応液を注ぎ、得られた結晶をろ別し、減圧乾燥後、化合物5(17.5g)得た。
化合物5:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.45−1.59(28H、m)、1.81−1.83(3H、d)、1.84−1.87(2H、d)、2.93−2.97(1H、t)、4.56−4.61(1H、q)、5.91(1H、s)、7.28−7.37(5H、m)、9.06(1H、s)、10.92−10.96(1H、br)、11.12−11.19(1H、br)。
<化合物6の合成>
化合物5(12.9g)と無水酢酸50mlを室温下で攪拌し、トリフルオロ酢酸11.4gを滴下した。その後、化合物3(12.5g)を添加し、室温下で4時間攪拌した。水1L、炭酸水素ナトリウム60g、酢酸エチルを室温下で攪拌し、そこへ反応液を徐々に注ぎ中和を行った。その後、有機層を塩酸水で再度酸性に戻し、飽和食塩水で洗い、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにて精製し、減圧濃縮することで化合物6(8.7g)を得た。
化合物6:H−NMR、400MHz、δ(DMSO−d)ppm:0.92−4.09(76H、m)、5.24−5.28(2H、br)、5.6(1H、s)、5.98(1H、s)、6.57(1H、s)、7.28−7.45(10H、m)、10.62−10.86(2H、br)、12.02−12.15(1H、m)。
<例示化合物a−9の合成>
化合物6(17.6g)とメタノール200mlを室温下で攪拌し、酢酸亜鉛二水和物3.25gを加え2.5時間攪拌した。その後、水200mlを反応液に加え、析出した結晶をろ過し、乾燥させ例示化合物a−9(16.3g)を得た。
例示化合物a−9:H−NMR、400MHz、δ(DMSO−d)ppm:0.88−4.41(76H、m)、5.72−5.8(2H、br)、5.82(1H、s)、6.04(1H、s)、6.88(1H、s)、7.28−7.58(10H、m)、10.41−10.49(2H、br)。
更に、前記色素単量体の具体例を示す。






<例示化合物a−1>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.2−2.1(78H、m)、3.7−3.8(1H、q)、4.15−4.28(2H、t)、5.52(1H、s)、5.85(2H、br)、6.08(1H、s)、6.25(1H、s)、7−7.32(10H、m)、11.49(2H、s)。
<例示化合物a−2>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.2−2.4(75H、m)、3.7−3.8(1H、q)、3.87−3.91(1H、m)、4.15−4.28(2H、t)、5.52(1H、d)、5.8(2H、m)、6.03(1H、d)、6.4(1H、s)、7.02−7.42(10H、m)、10.77(2H、s)。
<例示化合物a−3>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−2.33(74H、m)、3.2−3.4(1H、q)、3.58−3.64(2H、d)、5.81(1H、s)、6.11(2H、br)、6.2(1H、s)、7.03−7.39(10H、m)、10.66(2H、br)。
<例示化合物a−4>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.19−2.29(71H、m)、3.12−3.34(1H、q)、3.62−3.64(2H、d)、3.88−3.9(1H、m)、5.66−5.69(1H、d)、6.11(2H、s)、6.35−6.38(1H、d)、7.03−7.39(10H、m)、10.01(2H、br)。
<例示化合物a−5>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.2−4.7(78H、m)、5.57(1H、s)、5.85(2H、br)、6.1(1H、s)、6.25(1H、s)、7−7.41(10H、m)、11.32(2H、s)。
<例示化合物a−6>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.2−4.7(75H、m)、4.78−4.81(1H、m)、5.21(1H、m)、5.79(1H、m)、5.8(2H、br)、6.41(1H、s)、7−7.39(10H、m)、11.76(2H、s)。
<例示化合物a−7>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.12(73H、m)、5.73(1H、s)、6.19(2H、br)、6.33(1H、s)、7.03−7.39(10H、m)、10.51−10.55(2H、br)。
<例示化合物a−8>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.59(71H、m)、5.43(1H、d)、6.19(2H、br)、6.59(1H、d)、7.03−7.35(10H、m)、10.6−10.64(2H、br)。
<例示化合物a−10>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.63(74H、m)、5.67−5.71(2H、br)、5.74−5.76(1H、m)、6.11(1H、s)、6.37−6.39(1H、m)、7.27−7.53(10H、m)、10.9−10.95(2H、br)。
<例示化合物a−11>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.09(70H、m)、5.81(1H、s)、6.06(2H、br)、6.25(1H、s)、6.51(1H、s)、7.23−7.42(10H、m)、10.31−10.65(2H、br)。
<例示化合物a−12>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.19−4.35(68H、m)、4.92−4.94(1H、m)、5.66−5.69(1H、m)、6.02−6.04(2H、br)、6.39−6.41(1H、m)、7.28−7.37(10H、m)、10.43−10.49(2H、br)。
<例示化合物a−13>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.22−4.78(76H、m)、5.84(1H、s)、6.26(2H、br)、6.27(1H、s)、6.47(1H、s)、7.24−7.44(10H、m)、10.32−10.37(2H、br)。
<例示化合物a−14>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.2−4.98(74H、m)、5.02−5.05(1H、m)、5.81−5.84(1H、m)、6.02−6.04(2H、br)、6.79−6.81(1H、br)、7.28−7.45(10H、m)、10.78−10.81(2H、br)。
<例示化合物a−15>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−3.19(68H、m)、5.81(1H、s)、6.15−6.17(2H、br)、6.24(1H、s)、6.54(1H、s)、7.03−7.39(10H、m)、10.46−48(2H、br)。
<例示化合物a−16>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.19−2.29(56H、m)、3.88−3.9(1H、m)、5.69−5.71(1H、m)、6.24(2H、br)、6.35−6.38(1H、m)、6.69(1H、s)、7.25−7.47(10H、m)、10.82−7.85(2H、br)。
<例示化合物a−17>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.2−4.7(78H、m)、5.57(1H、s)、5.85(2H、br)、6.1(1H、s)、6.25(1H、s)、7−7.41(10H、m)、11.32(2H、s)。
<例示化合物a−18>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.45(72H、m)、4.93−4.95(1H、m)、5.21−5.22(1H、m)、5.69−5.71(1H、m)、5.83−5.85(2H、br)、6.89(1H、s)、7.24−7.41(10H、m)、10.76−10.79(2H、s)。
<例示化合物a−19>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.56(67H、m)、5.98(1H、s)、6.03−6.05(2H、br)、6.34(1H、s)、6.47(1H、s)、7.03−7.39(10H、m)、10.66(2H、br)。
<例示化合物a−20>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.59(65H、m)、5.71−5.73(1H、m)、6.22−6.24(2H、br)、6.45−6.47(1H、m)、6.67(1H、s)、7.23−7.51(10H、m)、10.73−10.76(2H、br)。
<例示化合物a−21>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.2−4.73(72H、m)、5.59(1H、s)、5.75−5.77(2H、br)、6.08(1H、s)、6.22(1H、s)、7.21−7.46(10H、m)、11.32−11.36(2H、br)。
<例示化合物a−22>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.45(73H、m)、5.03−5.06(1H、m)、5.55−5.57(1H、m)、5.84−5.86(2H、br)、5.96−5.99(1H、m)、6.79(1H、s)、7.24−7.49(10H、m)、11.04−11.07(2H、br)。
<例示化合物a−23>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.56(66H、m)、6.21(1H、s)、6.23−6.25(2H、br)、6.69(1H、s)、6.77(1H、s)、7.02−7.46(10H、m)、10.31−35(2H、br)。
<例示化合物a−24>
H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.21−4.96(64H、m)、5.75−5.77(1H、m)、6.21−6.24(2H、br)、6.45−6.47(1H、m)、6.5(1H、s)、7.23−7.5(10H、m)、10.7−10.74(2H、br)。
下記例示化合物J−1を、下記の合成スキームに従って、下記の処方により合成した。
<化合物7の合成>
イソブロピルメチルケトン206.4gをメタノール1L中で攪拌し、臭化水素酸(47〜49%水溶液)を7ml添加後、臭素を30〜34℃条件で3時間かけて滴下した。その後、30分、30℃で攪拌した。炭酸水素ナトリウム124gを水1.3Lに溶かした水溶液で中和後、塩化ナトリウム400gをお水1.3Lに溶かした水溶液を加え、層分離した液体状の反応生成物を分取した。
別途、フタルイミドカリウム222gをジメチルアセトアミド(DMAc)800ml中で攪拌しておき、水冷化にて先ほど分取した反応生成物を滴下し、4時間室温条件で撹拌した。その後、水冷化にて水720mlを加え析出した結晶をろ別した。得られた結晶をトルエン1.5Lに懸濁させ、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮し化合物7(100g)を得た。
化合物7:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:1.21−1.23(6H、d)、2.74−2.79(1H、m)、4.56(2H、s)、7.72−7.74(2H、d)、7.85−7.87(2H、d)。
<化合物8の合成>
特開2008−292970号公報の段落0134に記載の方法にて合成した。
<化合物9の合成>
化合物8(293g)、化合物7(231g)をメタノール1.4L中、窒素雰囲気下で攪拌し、水酸化ナトリウム(88g)を水400mlに溶かし、室温にて滴下した。その後、八時間還流した。その後、室温まで放冷し、析出した結晶をろ取し、メタノール100mlで洗浄し、化合物9(299g)を得た。
化合物9:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.88−0.95(18H、s)、1.00−1.03(3H、d)、1.17−1.19(6H、d)、1.20−1.66(7H、m)、3.38−3.43(1H、m)、5.19−5.24(2H、br)、5.95(1H、br)、6.00(1H,s)、7.39−7.45(1H、br)。
<化合物10の合成>
化合物9(80g)をDMAc250ml中、室温下で攪拌し、2−クロロプロピオニルクロライドを29.2g滴下し、室温下で3時間攪拌した。酢酸エチル500ml、水1L中に反応液を注ぎ、飽和重曹水、水、飽和食塩水各500mlで水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮後、化合物10(89.4g)を得た。
化合物10:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.9(18H、s)、0.96−1.01(3H、d)、1.20−1.23(2H、d)、1.26−1.38(1H、q)、1.53−1.68(6H、m)、1.8−1.82(3H、d)、3.44−3.53(1H、m)4.5−4.57(1H、q)、6.03(1H、br)、6.27(1H、s)、10.4−10.45(1H、br)、11.31−11.42(1H、br)。
<化合物11の合成>
化合物10(372.3g)と、3−メルカプト−1−プロパノール79.8gをN−メチルピロリドン(NMP)1Lに溶解させ、室温下で攪拌し、DBU133.4gを滴下し、室温下で2時間攪拌した。その後、酢酸エチル1.5L、水1.5Lへ反応液を注ぎ、その後1規定塩酸、飽和重曹水、水、飽和食塩水各1Lで水洗し、有機層を硫酸マグネシウム50gで脱水し、ろ過後、ろ液を濃縮乾固した。残渣をアセトニトリル300mlで分散洗浄し、固体をろ取し、アセトニトリル30mlで洗浄し、化合物11(317g)を得た。
化合物11:H−NMR、400MHz、δ(CDCl3)ppm:0.9(18H、s)、1.02−1.03(3H、d)、1.21−1.22(6H、d)、1.23−1.41(5H、m)、1.56−1.57(3H、d)、1.6−1.63(2H、br)、1.79−1.89(2H、m)、2.72−2.78(2H、t)、3.43−3.47(1H、m)、3.51−3.55(1H、q)、3.78−3.73(2H、q)、6.0(1H、s)、6.23(1H、s)、10.51−10.55(1H、br)、11.21−11.29(1H、br)。
<化合物12の合成>
化合物11(30g)、ニトロベンゼン0.1mlをジメチルアセトアミド250mlに溶解させ、メタクリル酸クロライド14.1gを滴下し室温下で2時間攪拌した。酢酸エチル1.5L、水1.5Lに反応液を加え有機相に抽出後、1規定塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水、水、各400mlで2度ずつ水洗した。有機層を硫酸マグネシウム30gで脱水し、ろ過後、ろ液を濃縮乾固し、化合物12(27.9g)を得た。
化合物12:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.9(18H、s)、1.02−1.03(3H、d)、1.21−1.22(6H、d)、1.23−1.41(5H、m)、1.56−1.57(3H、d)、1.6−1.63(2H、br)、1.9(3H、s)1.93−2.02(2H、m)、2.6−2.73(2H、t)、3.42−3.5(1H、m)、3.51−3.56(1H、q)、4.06−4.12(1H、q)、4.14−4.23(2H、t)、5.5(1H、s)、6.11−6.15(2H、m)、6.23(1H、s)、10.42−10.48(1H、br)、11.28−11.32(1H、br)。
<化合物13の合成>
化合物9(263.6g)をDMAc800ml中、室温下で攪拌し、5−クロロ吉草酸クロライド(108.5g)を氷冷下で2時間かけて滴下した後、室温下で3時間攪拌した。水18L中に反応液を注ぎ、析出した結晶をろ別し、得られた結晶をアセトニトリル1Lにて分散洗浄し、化合物13(313g)を得た。
化合物13:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.9(18H、s)、0.96−1.01(3H、d)、1.20−1.75(17H、m)、1.76−2.00(2H、m)、2.41−2.53(2H、m)、3.4−3.58(1H、m)、3.54−3.60(2H、m)、6.0(1H、br)、6.22(1H、s)、10.55(2H、br)。
<化合物14の合成>
N−メチルホルムアニリド(66.2g)、アセトニトリル330mlを0℃で攪拌しながら、オキシ塩化リン(75g)を5℃以下に保ちながら滴下し、1時間攪拌後、化合物13(202g)を添加し室温で3時間攪拌した後、40℃で1時間攪拌した。2Lの水中に反応液を注ぎ析出した結晶をろ過し、水500ml、メタノール500mlでかけ洗いし、化合物14(181g)を得た。
化合物14:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.9(18H、s)、0.96−1.21(3H、d)、1.22−1.76(17H、m)、1.78−2.22(2H、m)、2.45−2.55(2H、m)、3.4−3.58(1H、m)、3.54−3.60(2H、m)、6.3(1H、br)、9.88(1H、s)、11.09(1H、br)、11.47(1H、br)。
<化合物15の合成>
化合物14(300g)、チオリンゴ酸(129g)をジメチルアセトアミド3Lに加え室温下で攪拌し、DBU(434g)30℃以下を保ちながら30分かけて滴下した。その後、60℃で5時間攪拌し、水酸化ナトリウム103gを水600mlに溶解させ、10分かけ反応液に滴下し、その後室温まで冷却し、析出した結晶をろ過し、酢酸エチル1L、5℃に冷却したメタノール200mlそれぞれで掛け洗いした。酢酸エチル1Lと水1Lに得られた結晶を分散させ、濃塩酸220mlを加え有機相に溶解させた後、水1Lで2回、飽和食塩水1Lで1回水洗し、硫酸マグネシウム80gにて乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、化合物15(255g)を得た。
化合物15:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.9(18H、s)、0.96−1.21(3H、d)、1.22−1.76(17H、m)、1.78−2.22(2H、m)、2.45−2.65(4H、m)、3.35−3.61(2H、m)、3.54−3.60(2H、m)、6.3(1H、br)、9.92(1H、s)、11.11(1H、br)、11.81(1H、br)。
<化合物16の合成>
化合物12(8.27g)、化合物13(8.92g)と無水酢酸45mlを室温下で攪拌し、氷冷下でトリフルオロ酢酸5.39mlを滴下し、室温下で3時間攪拌した。水400ml、炭酸水素ナトリウム60g、ピリジン3滴加えた水溶液を室温下で攪拌し、そこへ反応液を滴下し中和し、室温にて3時間攪拌した。析出した結晶をろ別し、水で掛け洗いし、送風乾燥機にて化合物16(16g)を得た。
化合物16:H−NMR、400MHz、δ(CDCl)ppm:0.92(36H、s)、0.96−2.0(44H、m)、2.04(3H、s)、2.62−2.83(3H、m)、2.97−3.56(7H、m)、4.14−4.27(1H、m)、5.0(1H、br)、6.05(3H、br)、7.52−7.56(1H、br)、10.25−10.89(1H、br)、11.34−11.56(1H、br)。
<例示化合物J−1の合成>
化合物16(12.6g)とメタノール150ml、テトラヒドロフラン75mlを室温下で攪拌し、酢酸亜鉛二水和物(2.2g)を加え2時間攪拌した。その後、水500mlを反応液に加え、析出した結晶をろ過し、送風乾燥させ例示化合物J−1(13g)を得た。
例示化合物J−1:H−NMR、400MHz、δ(DMSO−d)ppm:0.97(36H、s)、0.99−2.05(47H、m)、2.07−3.05(8H、m)、4.04−4.4(3H、m)、5.53(1H、br)、6.05−6.12(3H、br)、8.8(1H、s)、10.97−11.18(1H、br)、11.91−12.01(1H、br)。

















前記(D4)群から選択される化合物は、前記色素単量体の少なくとも1つを重合成分として重合して製造されるが、前記色素単量体とは構造の異なる他のエチレン性不飽和結合単量体を含む共重合体であってもよい。このとき、該共重合体は、前記色素単量体を、1種のみ含んでもよく、2種以上含んでよく、また、前記他のエチレン性不飽和結合単量体を、1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。
前記他のエチレン性不飽和結合単量体としては、少なくとも末端部にエチレン性不飽和結合を有する化合物であって、前記色素単量体とは構造の異なる単量体であれば、特に制限されない。
本発明における一般式(4)で表される化合物である色素多量体を着色硬化性組成物に適用する場合、着色パターン形成性を向上させる観点から、他のエチレン性不飽和結合単量体は、末端エチレン性不飽和結合に加え、さらに、アルカリ可溶性基を有する単量体であることが好ましい。
アルカリ可溶性基を有する前記他のエチレン性不飽和結合単量体の例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
本発明における色素多量体は、上述のようなアルカリ可溶性基を有するビニルモノマーに由来する繰り返し単位を含むことが好ましい。このような繰り返し単位を含むことにより、本発明における色素多量体を着色硬化性組成物に適用した場合において、未露光部の現像除去性に優れる。
本発明における色素多量体において、アルカリ可溶性基を有するビニルモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、好ましくは50mgKOH/g以上であり、特に好ましくは50mgKOH/g〜200mgKOH/gである。すなわち、現像液中での析出物の生成抑制という点では、アルカリ可溶性基を有するビニルモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は50mgKOH/g以上であることが好ましい。本発明における色素多量体と顔料とを共に用いて着色硬化性組成物を構成する場合、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、アルカリ可溶性基を有するビニルモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は50mgKOH/g〜200mgKOH/gであることが好ましい。
本発明における色素単量体との共重合で使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」と記載することがある。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
以下に、本発明に用いうる前記他のエチレン性不飽和結合単量体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。

(色素多量体の具体例)
以下に、本発明における色素多量体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表中、単量体aの番号は、既述の色素単量体の具体例に対応し、単量体bの番号は、既述のエチレン性不飽和結合単量体の具体例に対応する。








以下に、上記の色素多量体の具体例のいくつかについて、合成方法の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<例示化合物P2の合成>
単量体a−1(3.45g)、単量体b−2(1.55g)、n−ドデカンチオール420mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)478mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)478mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P2(4.11g)を得た。
<例示化合物P54の合成>
単量体a−9(4.5g)、単量体b−1(0.5g)、n−ドデカンチオール210mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)239mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)239mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P54(3.21g)を得た。
<例示化合物P63の合成>
単量体a−11(4.75g)、単量体b−1(0.25g)、n−ドデカンチオール147mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)167mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)167mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P63(3.61g)を得た。
<例示化合物P67の合成>
単量体a−12(4.5g)、単量体b−2(0.5g)、n−ドデカンチオール191mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)218mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)218mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P67(2.75g)を得た。
<例示化合物P74の合成>
単量体a−21(4.5g)、単量体b−1(0.5g)、n−ドデカンチオール212mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)242mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)242mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P74(3.78g)を得た。
<例示化合物P153の合成>
単量体a−9(4.5g)、単量体b−11(0.25g)、単量体b−2(0.25g)、n−ドデカンチオール157mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)28.3mlに溶解させ、窒素下、85℃で攪拌し、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)178mgを添加した。その後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)178mgを二時間おきに二度追加添加し、90℃に昇温し、更に二時間攪拌した。反応終了後、アセトニトリル400ml中に反応液を滴下し、得られた結晶をろ過し、例示化合物P153(4.39g)を得た。
<例示化合物P−176の合成>
例示化合物J−1(11.7g)とメタクリル酸(1.58g)、ドデカンチオール(0.56g)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)75.0gに溶解させ、85℃で攪拌しながら、例示化合物J−1(23.3g)とメタクリル酸(3.16g)、ドデカンチオール(1.11g)、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(3.8g)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)150gに溶解させた溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始から4時間後、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(1.14g)を追加し、85℃でさらに2時間攪拌を続けた。反応溶液に、PGMEA811ml、メタノール1081mlを加え、アセトニトリル4326mlを攪拌しながら、反応液を滴下した。析出した結晶をろ過し、得られた結晶を減圧乾燥し、例示化合物P−176を12.6g得た。
上記例示化合物のなかでも、アルカリ現像性の観点からは、例示化合物P51〜P100、例示化合物P151〜P175等が好ましく、例示化合物P51〜P90、例示化合物P151〜P175等がより好ましい。
本発明における色素多量体の分子量は、重量平均分子量(Mw)で5000〜30000の範囲、数平均分子量(Mn)で3000〜20000の範囲であることが好ましい。より好ましくは、重量平均分子量(Mw)で5000〜25000の範囲、数平均分子量(Mn)で3000〜17000の範囲である。特に好ましくは、重量平均分子量(Mw)で5000〜20000の範囲、数平均分子量(Mn)で3000〜15000の範囲である。
本発明における色素多量体を着色硬化性組成物に適用し、カラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、特定重合体の重量平均分子量(Mw)は20000以下であることが好ましい。
本発明における(D1)〜(D4)の群より選択される化合物の着色硬化性組成物中における含有量は、着色硬化性組成物の全固形分成分に対して、10質量%〜70質量%が好ましく、10質量%〜50質量%がより好ましく、15質量%〜30質量%が最も好ましい。
(フタロシアニン系顔料)
本発明の着色硬化性組成物は、耐熱性及び着色力との点で、フタロシアニン系顔料を更に含有することが好ましく、また、後述の分散剤と共に用いることがより好ましい。
本発明に用いるフタロシアニン系顔料としては、フタロシアニン骨格を有する顔料であれば特に制限されるものではない。また、フタロシアニン系顔料に含まれる中心金属としては、フタロシアニン骨格を構成できる金属であればよく、特に限定されない。その中でも、中心金属としては、マグネシウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムが好ましく用いられる。
本発明におけるフタロシアニン系顔料として、具体的には、C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントブルー15:1,C.I.ピグメントブルー15:2,C.I.ピグメントブルー15:3,C.I.ピグメントブルー15:4,C.I.ピグメントブルー15:5,C.I.ピグメントブルー15:6,C.I.ピグメントブルー16,C.I.ピグメントブルー17:1,C.I.ピグメントブルー75,C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントグリーン7,C.I.ピグメントグリーン36,C.I.ピグメントグリーン37、クロロアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニンオキシド、亜鉛フタロシアニンが挙げられる。中でも、耐熱性と着色力との点から、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー15:1,C.I.ピグメントブルー15:2が好ましく、特に、C.I.ピグメントブルー15:6が好ましい。
本発明におけるフタロシアニン系顔料の着色硬化性組成物中における含有量は、着色硬化性組成物の全固形分成分に対して、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましく、35質量%〜50質量%が最も好ましい。
また、上記(D1)〜(D4)の群から選択される化合物とフタロシアニン系顔料との含有比は、フタロシアニン系顔料:(D1)〜(D4)群から選択される化合物=100:5〜100:100が好ましく、100:15〜100:75がより好ましく、100:25〜100:50が更に好ましい。
また、フタロシアニン系顔料と分散剤との含有比は、フタロシアニン系顔料:分散剤=100:1〜100:80が好ましく、100:5〜100:70がより好ましく、100:10〜100:60が更に好ましい。
(重合性化合物)
本発明の着色硬化性組成物は、重合性化合物の少なくとも1つを含有する。
重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を挙げることができる。具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物、並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態のいずれであってもよい。
モノマー及びその(共)重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの(共)重合体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの(共)重合体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲンやトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等が挙げられる。
また、メタクリル酸エステルとして、例えば、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等が挙げられる。
更に、イタコン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が、また、クロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が、イソクロトン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が、また、マレイン酸エステルとして、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載の、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で表される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R’)OH …(A)
〔一般式(A)中、R及びR’は、それぞれ独立に、H又はCHを表す。〕
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色硬化性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、着色硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。さらに、3官能以上のものでエチレンオキサイド鎖長の異なる重合性化合物を併用することが、着色硬化組成物の現像性を調節することができ、優れたパターン形成能が得られるという点で好ましい(例えば実施例で用いた2種の重合性化合物)。また、着色硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料)、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
着色硬化性組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量(2種以上の場合は総含有量)としては、特に限定はなく、本発明の効果をより効果的に得る観点から、0.5質量%〜80質量%が好ましく、1.0質量%〜75質量%がより好ましく、2.0質量%〜60質量%が特に好ましい。
(一般式(8)で表される光重合開始剤)
本発明の着色硬化性組成物は、下記一般式(8)で表される光重合開始剤(以下、「オキシム誘導体」ともいう。)の少なくとも1つを含有して構成される。
[一般式(8)中、R1’は、芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基を表す。Rlaは、下記(A)群から選択される少なくとも1つの置換基を有するアルキル基である。R2aは、アルカノイル基、アルケノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基、ヘテロアリールチオカルボニル基、−CO−CO−Rd(Rdは置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を表す。)を表す。nは1〜6の整数を示す。]
<(A)群>
シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO−Rc、−O−SO−Rc、−SO−NRaRb、−NRa−SO−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO−Rb、−SO−NRa−CO−Rb、−SO−NRa−SO−Rc、−Si(Ra)(ORb)、及びヘテロ環基。
ここで、Ar、Ar’はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を示し、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、Rcは置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、l、mはそれぞれ0〜3の整数を示し、l+m=3を満たす。
一般式(8)中、R1’は、芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基を表す。
本発明における芳香環としては、単環でも縮環構造でもよい。具体的にはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環などが挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環が特に好ましい。
本発明におけるヘテロ芳香環としては単環でも縮環構造でもよい。具体的にはフラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、インドール環、アクリジン環などが挙げられ、中でも、ピロール環、チオフェン環、インドール環、アクリジン環が好ましく、ピロール環、チオフェン環、アクリジン環がより好ましく、特にチオフェン環、インドール環、アクリジン環が好ましい。
これら芳香環またはヘテロ芳香環にさらに後述の「置換基」として記載した基を有してもよい。これらの置換基の中でも、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環、ヘテロ環カルボニル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルカノイル基、アリーロイル基がより好ましく、アルコキシ基、水酸基、アルカノイル基、アリーロイル基が特に好ましい。また、これらの置換基が該芳香環またはヘテロ芳香環上の炭素原子と結合し、縮環構造となっていてもよい。
1’の「芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基」としては、前述の芳香環および/またはヘテロ芳香環自身か、あるいは、前述の芳香環および/またはヘテロ芳香環と、後述の「置換基」の項の(B)群から選択される1種の部分構造との任意の組み合わせである。
芳香環またはヘテロ芳香環は前述に記載したとおりである。
1’としての「芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基」が、前述の芳香環および/またはヘテロ芳香環と、後述の「置換基」の項の(B)群から選択される1種の部分構造との任意の組み合わせである場合、(B)群から選択される1種の部分構造としては、カルボニル基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスフィンオキシド基が好ましく、より好ましくはカルボニル基、スルホニル基、ホスフィンオキシド基であり、さらに好ましくはカルボニル基、ホスフィンオキシド基である。
1’は、n価の基であり、R1’の構造の任意の位置からオキシム誘導体を含む基をn個置換する。nは1〜6であるが、1〜5が好ましく、1〜3が更に好ましい。
例えば、n=1の場合、R1’としては置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいベンゾイル基が好ましく、さらに無置換のフェニル基またはベンゾイル基であるか、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基で置換された、フェニル基またはベンゾイル基が好ましい。
n=2以上の場合は、n=1の場合に挙げた構造が任意の位置で2価になった構造が挙げられる。
上記の中でも、R1’は一般式(9)または一般式(10)で表される置換基であることが好ましい態様である。
上記一般式(9)、一般式(10)中、R11は置換基を有していてもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ環を示し、R12は置換基を有していてもよい、アルキル基を示す。
前記アルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状いずれであっても良く、また、環状の場合は、単環、多環どちらでもよい。
これらの中でも、直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜15が更に好ましく、炭素数1〜12が特に好ましい。分岐状のアルキル基は、置換基を有する直鎖状として説明する。
また、環状のアルキル基としては、炭素数3〜20が好ましく、炭素数4〜17がより好ましく、炭素数5〜15が更に好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。
本発明におけるアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
また、これらのアルキル基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよい。さらなる置換基としては、前記のアルキル基自身を含め、後述の「置換基」して記載した基全てが含まれる。該置換基の中でもハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、芳香環基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、芳香環基がより好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基が特に好ましい。
前記芳香環、又はヘテロ環としては、前記R1’が表す芳香環、又はヘテロ芳香環と同義である。
芳香環としては、単環でも縮環構造でもよい。具体的にはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環などが挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環が特に好ましい。
ヘテロ芳香環としては、単環でも縮環構造でもよい。具体的にはフラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、オキサゾール環、イミダゾール環、インドール環、アクリジン環などが挙げられ、中でも、ピロール環、チオフェン環、インドール環、アクリジン環が好ましく、ピロール環、チオフェン環、アクリジン環がより好ましく、特にチオフェン環、インドール環、アクリジン環が好ましい。
これら芳香環またはヘテロ芳香環にさらに後述の「置換基」として記載した基を有してもよい。これらの置換基の中でも、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環、ヘテロ環カルボニル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基、アルカノイル基、アリーロイル基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。
該アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
上記の中でも、特に、R1’が式(11)で表される置換基であることが更に好ましい。
laは、下記の(A)群から選択される少なくとも1つの置換基を有する、アルキル基である。
(A)群
シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO−Rc、−O−SO−Rc、−SO−NRaRb、−NRa−SO−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO−Rb、−SO−NRa−CO−Rb、−SO−NRa−SO−Rc、−Si(Ra)(ORb)、及びヘテロ環基。
ここで、Ar、Ar’はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を表し、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、Rcは置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、l、mはそれぞれ0〜3の整数を示し、l+m=3を満たす。
Ar、Ar’、Ra、Rb、Rcの芳香環またはヘテロ芳香環は、それぞれ独立に、R1’のものと同義であり、好ましい例も同様である。
また、R1aのAr、Ar’、Ra、Rb、Rcの芳香環またはヘテロ芳香環が有する置換基としては、それぞれ独立に、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環基、ヘテロ環カルボニル基が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環基、ヘテロ環カルボニル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環基、ヘテロ環カルボニル基がより好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルカノイル基、アリーロイル基、ヘテロ環カルボニル基が特に好ましい。
Ra、Rb、及びRcで表されるアルキル基としては、それぞれ独立に、後述の本発明のアルキル基を表す。
本発明におけるアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状いずれであっても良く、また、環状の場合は、単環、多環どちらでもよく、これらは一部不飽和を含んでいてもよい。
これらの中でも、直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜30が好ましく、炭素数1〜20がより好ましく、炭素数1〜15が更に好ましく、炭素数1〜12が特に好ましい。分岐状のアルキル基は、置換基を有する直鎖状として説明する。
また、環状のアルキル基としては、炭素数3〜20が好ましく、炭素数4〜17がより好ましく、炭素数5〜15が更に好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。
本発明におけるアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
また、これらアルキル基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよい。さらなる置換基としては、前記のアルキル基自身を含め、後述の「置換基」して記載した基全てが含まれる。該置換基の中でもハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、水酸基、芳香環基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、芳香環基がより好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基が特に好ましい。
また、環状のアルキル基の場合は、環を構成する炭素−炭素結合の任意の位置に、後述の(B)群から選択される部分構造が挿入されていてもよい。
本発明におけるアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状いずれであってもよい。また、これらアルケニル基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよい。さらなる置換基としては、後述の「置換基」として記載した基全てが含まれる。
また、環状のアルケニル基の場合は、環を構成する炭素−炭素結合の任意の位置に、後述の(B)群から選択される部分構造が挿入されていてもよい。
アルケニル基として、具体的に、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、3−ブテン−1−イル基、シクロペンタン−2−エン−1−イル基、シクロヘキサン−2−エン−1−イル基、シクロヘキサン−1−エン−1−イル基などが挙げられ、中でもビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、3−ブテン−1−イル基、シクロペンタン−2−エン−1−イル基、シクロヘキサン−2−エン−1−イル基が好ましく、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基、3−ブテン−1−イル基がより好ましく、ビニル基、アリル基、1−メチルビニル基が特に好ましい。
本発明におけるアルキニル基はエチニル基であるが、エチニル基の水素原子に代わり、置換基を有していてもよい。置換基としては、後述の「置換基」として記載した基全てが含まれ、中でもエチニル基、2−メチルエチニル基、2−エチルエチニル基、2−フェニルエチニル基が好ましく、エチニル基、2−メチルエチニル基、2−エチルエチニル基がより好ましく、エチニル基、2−メチルエチニル基が特に好ましい。
本発明におけるヘテロ環は、環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよい。ただし、ヘテロ芳香環(=ヘテロアリール)とは区別される。
ヘテロ環としては、テトラヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、オキソカニル基、ジオキサニル基、テトラヒドロチオフェニル基、ヂチアニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、テトラヒドロピリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピペリジニル基等を挙げることができる。また、これらヘテロ環基の任意の位置にさらに置換基を有していてもよい。さらなる置換基としては、後述の「置換基」として記載した基全てが含まれる。
<置換基について>
本発明における「置換基」としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子)、水酸基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、アルキル基(直鎖状、分岐状、環状を含む)、アルケニル基(直鎖状、分岐状、環状を含む)、アルキニル基、芳香環、ヘテロ芳香環、ヘテロ環、ホルミル基であるか、下記(B)群から選択される1種の部分構造と、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環、芳香環、ヘテロ芳香環とから選択される1種の部分構造との任意の組み合わせである。
(B)群:エーテル基、アミノ基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基〔−O−CO−N(R)−〕、ウレア基〔−N(R)−CO−N(R)−〕、スルフィニル基〔−SO−〕、スルホニル基〔−SO−〕、スルホン酸エステル基〔−SO−O−〕、スルホンアミド基〔−SO−N(R)−〕、イミド基〔−CO−N(R)−CO−〕、スルホニルアミド基〔−SO−N(R)−CO−〕、ジスルホニルイミド基〔−SO−N(R)−SO−〕、下記構造のホスフィンオキシド基。
上記(B)群中の窒素原子に置換しているRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香環基、ヘテロ芳香環基またはヘテロ環基のいずれかである。中でも、水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香環基、ヘテロ芳香環基及びヘテロ環基が好ましく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香環基、ヘテロ芳香環基及びヘテロ環基がより好ましい。
前記Rで表されるアルキル基としては、本発明のアルキル基であり、中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
前記Rで表されるアルケニル基としては、本発明のアルケニル基であり、中でも、ビニル基、アリル基、2−エチルビニル基が好ましく、ビニル基、アリル基がより好ましい。
前記Rで表される芳香環基としては、本発明の芳香環基であり、中でも、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アンスリル基が好ましく、フェニル基、トリル基、ナフチル基がより好ましい。
前記Rで表されるヘテロ芳香環基としては、本発明のヘテロ芳香環基であり、中でも、フリル基、チエニル基、ピロリル基、インドリル基が好ましく、チエニル基、ピロリル基、インドリル基がより好ましい。
前記Rで表されるヘテロ環基としては、本発明のヘテロ環基であり、中でも、テトラヒドロフリル基、モルホリル基が好ましく、モルホリル基がより好ましい。
一般式(8)で表されるnは1〜6の整数を表し、1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。
「アリール」は上述の「芳香環」と同義である。「ヘテロアリール」は上述の「ヘテロ芳香環」と同義である。
前記Rdは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アリール基がより好ましい。
一般式(8)で表されるR1aとしては、シアノ基、アルケニル基、―SAr、―COOH、―CONRaRb、―NRa―CO―Rb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO−NRaRb、−NRa−SO−Ra、−CO−NRa−SO−Rb、−SO−NRa−CO−Rb、−Si(Ra)l(ORb)m、ヘテロ環基から選択される少なくとも1つの置換基を有するアルキル基であることが好ましく、シアノ基、アルケニル基、―SAr、―COOH、―CONRaRb、―NRa―CO―Rb、−SO−Rc、−SO−NRaRb、−NRa−SO−Ra、−CO−NRa−SO−Rb、−SO−NRa−CO−Rb、ヘテロ環基から選択される少なくとも1つの置換基を有するアルキル基であることがより好ましい。
1aとして更に好ましくは、アルケニル基または−SArが少なくとも1つ置換したアルキル基である。R1aとして最も好ましくは、−SArが少なくとも1つ置換したアルキル基である。
1aが−SArを少なくとも1つ置換したアルキル基である場合、該Ar上に水素原子以外の置換基を少なくとも1つ有することが好ましい。
一般式(8)で表されるR2aは、アルカノイル基、アルケノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基、ヘテロアリールチオカルボニル基、−CO−CO−Rd(Rdは、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、ヘテロ芳香環を示す。)を表す。
2aとしては、アルカノイル基、アリーロイル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロアリールチオカルボニル基が好ましく、アルカノイル基、アリーロイル基がより好ましい。
2aで表されるアルカノイル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜15がより好ましく、炭素数1〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アミノ基がより好ましい。
具体例としては、アセチル基、エチルカルボニル基、ジメチルアミノメチルカルボニル基が好ましい。
2aで表されるアリーロイル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数6〜25が好ましく、炭素数6〜17がより好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アリールオキシ基がより好ましい。
具体例としては、ベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基が好ましく、ベンゾイル基がより好ましい。
2aで表されるアルコキシカルボニル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数2〜20が好ましく、炭素数2〜15がより好ましく、炭素数2〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基が好ましく、ハロゲンがより好ましい。
具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基がより好ましい。
2aで表されるアリーロキシカルボニル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数6〜20が好ましく、炭素数6〜15がより好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基がより好ましい。
具体例としては、フェニルオキシカルボニル基、ナフタレンオキシカルボニル基が好ましく、フェニルオキシカルボニル基がより好ましい。
2aで表されるヘテロ環オキシカルボニル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数5〜20が好ましく、炭素数5〜15がより好ましく、炭素数5〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、アルキル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基がより好ましい。
具体例としては、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル基、2−モルホリノオキシカルボニル基が好ましく、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル基がより好ましい。
2aで表されるヘテロアリールオキシカルボニル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数5〜20が好ましく、炭素数5〜15がより好ましく、炭素数5〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基がより好ましい。
具体例としては、4−ピリジンオキシカルボニル基、2−チオフェンオキシカルボニル基が好ましく、2−チオフェンオキシカルボニル基がより好ましい。
2aで表されるアルキルチオカルボニル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜15がより好ましく、炭素数1〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルキル基がより好ましい。
具体例としては、メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基が好ましく、メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基がより好ましい。
2aで表されるアリールチオカルボニル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数6〜20が好ましく、炭素数6〜15がより好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルキル基がより好ましい。
具体例としては、フェニルチオカルボニル基、4−メチルフェニルチオカルボニル基が好ましく、フェニルチオカルボニル基がより好ましい。
2aで表されるヘテロ環チオカルボニル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数5〜20が好ましく、炭素数5〜15がより好ましく、炭素数5〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルキル基がより好ましい。
具体例としては、テトラヒドロフラン2−チオカルボニル基、2−モルホリノチオカルボニル基が好ましく、テトラヒドロフラン2−チオカルボニル基がより好ましい。
2aで表されるヘテロアリールチオカルボニル基としては、更に無置換でも置換基を有していてもよく、炭素数5〜20が好ましく、炭素数5〜15がより好ましく、炭素数5〜12が特に好ましい。置換基としては、前記「置換基」が挙げられ、ハロゲン、アルコキシ基、水酸基、アルキル基が好ましく、ハロゲン、アルコキシ基、アルキル基がより好ましい。
具体例としては、チオフェン−2−チオカルボニル基、フラン−2−チオカルボニル基が好ましく、チオフェン−2−チオカルボニル基がより好ましい。
2aで表される−CO−CO−RdとしてRdは、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、ヘテロ芳香環を表す。
前記Rdで表されるアルキル基としては、前記本発明におけるアルキル基と同様であり、好ましい例も同様である。
前記Rdで表される芳香環及びヘテロ芳香環は、それぞれ独立に、前記R1’における芳香環及びヘテロ芳香環と同様であり、好ましい例も同様である。
なお、本発明におけるオキシム誘導体は化合物構造上、下記(A)、(B)の異性体が存在し、異性体の混合物として存在する場合もある。
以下に、一般式(8)で表されるオキシム誘導体の具体例を示すが、上述の通り、異性体の混合物として存在する場合もあり、本発明はこれらに限定されるものではない。

本発明におけるオキシム誘導体を光重合開始剤として用いる場合、種々の増感剤と組み合わせることにより、さらに感度、硬化速度などの光重合特性を向上促進することができる。そのような増感剤としては、特開2000−80068号公報[0112]〜[0118]に記載されている化合物が挙げられる。
本発明におけるオキシム誘導体は、特に限定されず公知の合成方法により合成することができる。この合成方法に好適な条件は、特開2000−80068号公報〔0067〕に記載されている条件を採用することができる。
本発明における一般式(8)で表される光重合開始剤の含有量としては、本発明の組成物の固形分中の濃度として好ましくは0.5〜35質量%、より好ましくは1〜25質量%、更に好ましくは2〜20質量%である。
前記一般式(8)で表される光重合開始剤の濃度が0.5質量%以上であると感度及び硬化速度等の光重合特性が低すぎる場合がなくなり、また、濃度が35質量%以下であると光が深部まで透過せず逆に感度が低下したり、光重合部分の強度や現像液耐性が低下する場合が無くなり好ましい。
本発明においては、一般式(8)で表される光重合開始剤を2種以上用いてもよい。
本発明の組成物には前記一般式(8)の化合物以外の公知の光重合開始剤を混合してもよい。
前記公知の光重合開始剤としては、後述する重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
前記公知の光重合開始剤として使用され得る光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物およびハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物;3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体;ベンゾフェノン化合物;アセトフェノン化合物およびその誘導体;シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、一般式(8)以外のオキシム化合物、アシルホスフィン(オキシド)系化合物等が挙げられる。
ハロメチルオキサジアゾール化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール化合物、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール化合物、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール化合物、等が挙げられる。
ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物および4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物、等が挙げられる。
具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
その他、みどり化学社製のTAZシリーズ(例えば、TAZ−107、TAZ−110、TAZ−104、TAZ−109、TAZ−140、TAZ−204、TAZ−113、TAZ−123)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバ・ジャパン(株)製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア500、イルガキュア1000、イルガキュア149、イルガキュア261)、ダロキュアシリーズ(例えばダロキュア1173)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。
前記アシルホスフィン(オキシド)系化合物としては、特に限定されないが、チバ・ジャパン(株)製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPO、等が挙げられる。
2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル、等も有用に用いられる。
オキシム化合物からなるオキシム系光重合開始剤としては、例えば、特開2000−80068号公報、国際公開WO−02/100903A1、特開2001−233842号公報などに記載されているオキシム系開始剤が知られている。
前記オキシム化合物としては、例えば、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロプル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
これら光重合開始剤は、前記一般式(8)に単独で添加しても2種以上混合して使用してもよい。
前記公知の光重合開始剤を用いる場合、その含有量としては、前記一般式(8)の含有量の範囲内で用いることが好ましい。
(有機溶剤)
本発明の着色硬化性組成物は、有機溶剤の少なくとも1つを含有する。
有機溶剤は、並存する各成分の溶解性や着色硬化性組成物としたときの塗布性を満足できるものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、バインダー(例えば、重合性化合物等)の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキルエステル類(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(具体的には、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等が挙げられる。))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(具体的には、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(具体的には、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(具体的には、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等が挙げられる。)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。
また、エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、前述の各成分の溶解性、及びアルカリ可溶性バインダーを含む場合はその溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
有機溶剤の着色硬化性組成物中における含有量としては、その溶解性、塗布面状の改良などの観点から、着色硬化性組成物中の全固形分量に対して10質量%〜90質量%になる量が好ましく、15質量%〜90質量%になる量がより好ましい。
<分散剤>
本発明の着色硬化性組成物は、分散剤を含有することが好ましい。
分散剤としては、公知の顔料分散剤や界面活性剤が用いられる。
前記分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール(株)製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(以上、共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(以上、裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上、森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(以上、サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(以上、旭電化(株)製)、及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物が分散剤を含有する場合、該分散剤の着色硬化性組成物中における含有量は、顔料に対して、1質量%〜80質量%が好ましく、5質量%〜70質量%がより好ましく、10質量%〜60質量%が最も好ましい。
<顔料誘導体>
本発明の着色硬化性組成物は、顔料誘導体を含有することができる。
本発明における顔料誘導体とは、後述するように、有機顔料の側鎖に酸性基、塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。
本発明においては、前記分散剤と親和性のある部位を有する顔料誘導体を顔料の表面に吸着させ、これを前記分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として着色組成物中に分散させることができ、また、その再凝集をも防止することができる。つまり、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、前記分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
前記分散剤が酸基を有している場合には、顔料誘導体として塩基性基を有する塩基性顔料誘導体を用いることにより、さらに顔料の分散性が向上し、微細な顔料を効果的に分散することができる。そして、塩基性顔料誘導体を含有する着色組成物を用いることで、さらに色濃度ムラが小さく色特性に優れたカラーフィルタを形成することができる。
本発明における顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。母体骨格となる有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。また、母体骨格としては、一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。
本発明における顔料誘導体としては、特開平11−49974号公報、同平11−189732号公報、同平10−245501号公報、同2006−265528号公報、同平8−295810号公報、同平11−199796号公報、同2005−234478号公報、同2003−240938号公報、同2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明の着色組成物中に顔料誘導体を使用する場合、その使用量としては、顔料に対し1質量%〜80質量%の範囲にあることが好ましく、3質量%〜65質量%の範囲にあることがより好ましく、5質量%〜50質量%の範囲にあることが特に好ましい。含有量がこの範囲内であると、粘度を低く抑えながら、顔料の分散を良好に行えると共に、分散後の分散安定性を向上させることができる。そして、この着色組成物をカラーフィルタの製造に適用することで、透過率が高く、優れた色特性を有し、高いコントラストのカラーフィルタを得ることができる。
−界面活性剤−
本発明の着色感光性組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤の各種界面活性剤を使用できる。
特に、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に、流動性)をより向上させ、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
すなわち、フッ素系界面活性剤を含有する着色感光性組成物においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F479、同F482、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、CW−1(ゼネカ社製)等が挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業社製))、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社製)、W001(裕商社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
更に、アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーン株式会社製「トーレシリコーンDC3PA」、「同SH7PA」,「同DC11PA」,「同SH21PA」,「同SH28PA」、「同SH29PA」、「同SH30PA」、「同SH8400」、東芝シリコーン株式会社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−444(4)(5)(6)(7)6」、「TSF−44 60」、「TSF−4452」、シリコーン株式会社製「KP341」、ビッグケミー社製「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は2種類以上を組み合わせても良い。
本発明において、分散剤の着色硬化性組成物中における含有量は、(D1)〜(D4)の群より選択される化合物に対して、1質量%〜80質量%が好ましく、5質量%〜70質量%がより好ましく、10質量%〜60質量%が最も好ましい。
本発明の着色硬化性組成物は上記の必須の成分を用いて構成されるが、上記の中でも、染料と光重合開始剤の組み合わせが、染料としては(D1)〜(D4)の群より選択される化合物であり、光重合開始剤として一般式(8)で表される光重合開始剤のR1’が一般式(9)又は(10)である組合せが好ましく、染料としては(D1)〜(D4)の群より選択される化合物であり、光重合開始剤として一般式(8)で表される光重合開始剤のR1’が(10)である組合せがより好ましく、染料としては(D1)〜(D4)の群より選択される化合物であり、光重合開始剤として一般式(8)で表される光重合開始剤のR1’が(11)である組合せが更に好ましい。
(その他の成分)
本発明の着色硬化性組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、アルカリ可溶性バインダー、架橋剤などの他の成分を含んでいてもよい。
−アルカリ可溶性バインダー−
アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。
アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
−架橋剤−
本発明の着色硬化性組成物に補足的に架橋剤を用い、着色硬化性組成物を硬化させてなる着色硬化膜の硬度をより高めることもできる。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落〔0134〕〜〔0147〕の記載を参照することができる。
−その他の添加物−
着色硬化性組成物においては、該着色硬化性組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。また、特開2004−295116号公報の段落〔0081〕に記載の熱重合開始剤を含有することができる。
重合禁止剤の添加量は、全組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
着色硬化性組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば、充填剤、上記以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加物としては、特開2004−295116号公報の段落〔0155〕〜〔0156〕に記載のものを挙げることができる。
本発明の着色硬化性組成物においては、特開2004−295116号公報の段落〔0078〕に記載の増感剤や光安定剤を含有することができる。
また、非露光領域のアルカリ溶解性を促進し、着色硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なってもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、前述の必須成分と、必要に応じて、任意成分とを混合することで調製される。
なお、着色剤としての(D1)〜(D4)の群より選択される化合物の分散性向上のため、予め、前記着色剤を分散した着色剤分散液を調製しておき、この着色剤分散液を用いて、本発明の着色硬化性組成物を調製してもよい。
本発明の着色硬化性組成物は、保存安定性に優れ、更に、耐熱性に優れた着色硬化膜を形成することができるため、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタなどの着色画素形成用として、また、印刷インキ、インクジェットインキ、及び塗料などの作製用途として好適に用いることができる。特に、CCD、及びCMOS等の固体撮像素子用の着色画素形成用として好適に用いることができる。
≪カラーフィルタ及びその製造方法≫
本発明のカラーフィルタとその製造方法について詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既述の本発明の着色硬化性組成物が用いられる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に、既述の本発明の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程(以下、塗布工程と称する。)と、マスクを介して該着色硬化性組成物層を露光した後、現像して着色パターンを形成する工程(以下、露光・現像工程と称する。)を有する。好ましくは、現像後の前記パターンに、紫外光を照射する工程(以下、紫外線照射工程と称する。)を有することである。
以下、塗布工程、露光・現像工程、及び、紫外線照射工程について説明する。
−塗布工程−
塗布工程では、支持体上に、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により着色硬化性組成物を塗布する。塗布された膜には、プリベークが行われ、着色硬化性組成物層が形成される。
形成された着色硬化性組成物層の厚みとしては、0.1μm〜3μmの範囲が好ましく、特に固体撮像素子用のカラーフィルタの薄層化や色再現性の観点から、0.2μm〜1μmの範囲がより好ましく、0.3μm〜0.7μmの範囲がより好ましい。
支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)基板などが挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
−露光・現像工程−
続いて、支持体上に形成された着色硬化性組成物層には、マスクを介した露光が行われる。
この露光に適用し得る光若しくは放射線としては、g線、h線、i線等の紫外線が好ましい。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、及びステッパー方式のいずれの方式で露光を行なってもよいが、特に、ステッパー方式(縮小投影露光機を用いた縮小投影露光方式)で露光を行なうのが好ましい。ステッパー方式は、露光量を段階的に変動しながら露光を行なうことによってパターンを形成するものであり、ステッパー露光を行なった際に特にパターンの矩形性を良好にすることができる。
また、ステッパー露光に用いる露光装置としては、例えば、i線ステッパー(商品名:FPA−3000i5+、キャノン(株)製)等を用いることができる。
また、露光時の露光量としては、特に制限はないが、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましい。
続いて、露光後の着色硬化性組成物層に対し、現像を行う。
現像は、現像液を用いて行なうことができる。現像液としては、着色硬化性組成物層の未硬化部(未露光部)を溶解する一方、硬化部(露光部)を溶解しない組成よりなるものであればいずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。有機溶剤としては、着色硬化性組成物を調製する際に使用される前述の有機溶剤が挙げられる。アルカリ性の水溶液としては、例えば、アルカリ性化合物を、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等が挙げられる。
なお、アルカリ性水溶液を現像液として使用した場合、一般に現像後に水で洗浄が行われる。
上述のように、塗布工程、露光・現像工程を経ることで着色パターンを形成することができる。
−紫外線照射工程−
続いて、得られた着色パターンには、紫外光を照射して更に硬化した着色硬化膜を形成する工程を有することも好ましい。
この紫外線としては、上記露光工程における紫外線を用いることができる。紫外線照射は、上記露光工程と同様の方法で行うことができる。
紫外線の照射量として、特に制限はないが、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましい。
得られた着色パターンには、更に、加熱処理を行なってもよい。形成された着色パターンを加熱(いわゆる、ポストベーク)することにより、更に硬化させることができる。
加熱処理は、例えば、ホットプレート、各種ヒーター、オーブンなどのパターンの加熱が行なえる方法により行なうことができる。
加熱処理の温度としては、硬化を効率よく行なう点で、160℃〜260℃が好ましく、180℃〜220℃がより好ましい。加熱処理の時間は、加熱温度で異なるが、一般に3分間〜10分間行なうことが好ましい。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、塗布工程、露光・現像工程、及び紫外線照射工程、必要に応じて加熱工程を、所望の色数に合わせて繰り返すことにより、所望数の色相の着色パターン(画素)を有するカラーフィルタを得ることができる。
本発明に係る着色硬化性組成物を洗浄除去する場合、例えば、塗布装置吐出部のノズル、配管部の目詰まりや塗布機内への着色硬化性組成物や顔料の付着・沈降・乾燥による汚染等が問題となる。そこで、着色硬化性組成物によってもたらされた汚染を効率よく洗浄するためには、前掲の本組成物に関する溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も本発明に係る着色硬化性組成物の洗浄除去として好適に用いることができる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートおよびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、汚染物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には前掲の本組成物に関する界面活性剤を添加しても良い。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の着色硬化性組成物を用いていることから、耐熱性に優れたものとなる。
そのため、本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、中でも、着色パターンが微少サイズで薄膜に形成され、しかも良好な矩形の断面プロファイルが要求される固体撮像素子の用途、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等の用途に好適である。
≪固体撮像素子≫
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えたものである。本発明のカラーフィルタは、高い耐熱性を有するものであり、このカラーフィルタを備えた固体撮像素子は優れた色再現性を得ることが可能となる。
固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタを備え、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、次のような構成が挙げられる。
即ち、支持体上に、CCDイメージセンサー(固体撮像素子)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明のカラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。尚、特に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1−3、10−12、19−21、25−27、比較例1、2、7、8)
−1.着色硬化性組成物の調製−
下記の各成分を混合して分散、溶解し、着色硬化性組成物を得た。
<着色硬化性組成物1(フタロシアニン系顔料又はフタロシアニン系染料を含まない組成物)>
・PGMEA(溶剤) 42.691部
・重合性化合物1(下記構造の化合物1) 2.220部
・重合性化合物2(下記構造の化合物2) 2.220部
・光重合開始剤(下記構造の化合物) 0.360部
・染料(表1に記載の下記構造の化合物) 1.200部
・界面活性剤(商品名:F−781、DIC(株)製のPGMEA1.0%溶液)
1.250部
・p−メトキシフェノール1.0%PGMEA溶液 0.060部
(実施例4−6、13−15、比較例3、4、9、10)
−着色硬化性組成物の調製−
下記の各成分を混合して分散、溶解し、着色硬化性組成物を得た。
<着色硬化性組成物2(フタロシアニン系染料CB−34を含む組成物)>
・PGMEA(溶剤) 42.691部
・重合性化合物1(下記構造の化合物1) 0.960部
・重合性化合物2(下記構造の化合物2) 0.960部
・光重合開始剤(下記構造の化合物) 0.360部
・染料(下記構造の化合物) 1.200部
・CB−34(フタロシアニン系染料、下記構造) 2.520部
・界面活性剤(商品名:F−781、DIC(株)製のPGMEA1.0%溶液)
1.250部
・p−メトキシフェノール1.0%PGMEA溶液 0.060部
(実施例7−9、16−18、22−24、28−30、比較例5、6、11、12)
−着色硬化性組成物の調製−
下記の各成分を混合して分散、溶解し、着色硬化性組成物を得た。
<着色硬化性組成物3(フタロシアニン系顔料PB15:6を含む組成物)>
・PGMEA(溶剤) 21.090部
・重合性化合物1(下記構造の化合物1) 0.582部
・重合性化合物2(下記構造の化合物2) 0.582部
・光重合開始剤(下記構造の化合物) 0.360部
・染料 (下記構造の化合物) 1.200部
・Pigment Blue−15:6分散液 24.8766部
(固形分濃度13.17%、顔料濃度10.13%)
・界面活性剤(商品名:F−781、DIC(株)製のPGMEA1.0%溶液)
1.250部
・p−メトキシフェノール1.0%PGMEA溶液 0.060部
以下に、実施例に使用した重合性化合物、開始剤、染料、顔料等の構造を示す。




[評価]
−単色のカラーフィルタの作製と耐熱性の評価−
上記で得られた着色硬化性組成物を、ガラス基板の上に乾燥後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークした後、500mJ/cmで露光し、着色硬化性組成物の耐熱性評価用として単色のカラーフィルタを得た。
得られた耐熱性評価用の単色のカラーフィルタを、ホットプレートを用いて240℃で3分間加熱した。加熱前後での単色のカラーフィルタの色差(ΔE*ab値)を色度計MCPD−1000(大塚電子(株)製)を用いて測定し、耐熱性の指標とした。なお、ΔE*ab値の小さいほうが、耐熱性が良好であり、判断基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
〜判定基準〜
◎: ΔE*ab値<2
○: 2≦ΔE*ab値<5
△: 5≦ΔE*ab値<10
×: 10≦ΔE*ab値

(実施例19)
<カラーフィルタの作製>
−下塗り層付きシリコンウエハ基板の作製−
6inchシリコンウエハをオーブン中で200℃のもと30分加熱処理した。次いで、このシリコンウエハ上に、下記に示す各成分を混合して溶解したレジスト液を、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付きシリコンウエハ基板を得た。
<レジスト液>
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 19.200部
・乳酸エチル(EL) 36.670部
・バインダー:(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(モル比=60:20:20)41%EL溶液 30.510部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.200部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) 0.006部
・フッ素系界面活性剤(F−781、DIC(株)製) 0.830部
・光重合開始剤TAZ−107(みどり化学社製) 0.586部
−カラーフィルタの形成−
得られた下塗り層付きシリコンウエハ基板の下塗り層上に、実施例4〜9、13〜18で調製した着色硬化性組成物を、各々の塗布膜の乾燥膜厚が0.6μmになるように塗布し、光硬化性の塗布膜(着色硬化性組成物層)を形成した。そして、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長の光を、パターンが1.4μm四方のアイランドパターンマスクを通して、100mJ/cm〜2500mJ/cmの範囲で露光量を100mJ/cmずつ変化させて照射した。
その後、塗布膜が形成されているシリコンウエハ基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型;(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハ基板に青色着色パターンを形成した。
青色着色パターンが形成されたシリコンウエハ基板を真空チャック方式で、前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハ基板を回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後、スプレー乾燥し、カラーフィルタを得た。
形成された青色着色パターンは、いずれも正方形で、断面が矩形状の良好なプロファイルを示しており、撮像素子用に好適なカラーフィルタであることが分かった。

Claims (10)

  1. 下記(D1)〜(D4)の群より選択される化合物、重合性化合物、下記一般式(8)で表される光重合開始剤、及び有機溶剤を少なくとも含む着色硬化性組成物。
    <(D1)群>

    [上記一般式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、Xは、Maに結合可能な基を表す。なお、XとXとは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。]
    <(D2)群>

    [上記一般式(2)中、R〜R、及びR〜R13は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R、及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表す。]
    <(D3)群>

    [上記一般式(3)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Xは、NRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Yは、NRc(Rcは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)又は炭素原子を表し、Yは、窒素原子、又は炭素原子を表し、R及びRは各々独立にアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。RとYは、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、RとYが互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。XはMaと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。]
    <(D4)群>

    [一般式(4)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を表す。Lは、−N(R)C(=O)−、−OC(=O)−、−C(=O)N(R)−、−C(=O)O−、下記一般式(5)で表される基、下記一般式(6)で表される基、又は下記一般式(7)で表される基を表す。Lは、2価の連結基を表す。m及びnは各々独立に、0又は1を表す。Dyeは、前記一般式(1)で表される化合物から任意の水素原子が1つ外れた色素残基、前記一般式(2)で表される化合物のR〜R14のいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基、又は、前記一般式(3)で表される化合物のR〜R、R〜R、X、Y〜Yのいずれか1つの置換基の水素原子が1つ外れた色素残基を表す。]

    [Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Rは、水素原子、又は置換基を表す。kは、0〜4の整数を表す。一般式(5)〜一般式(7)中、*は、一般式(4)における−C(R)−の炭素原子と結合する位置を表し、**は、一般式(4)におけるL又はDye(n=0の場合)と結合する位置を表す。]

    [一般式(8)中、R1’は、芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基を表す。Rlaは、下記(A)群から選択される少なくとも1つの置換基を有するアルキル基である。R2aは、アルカノイル基、アルケノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基、ヘテロアリールチオカルボニル基、−CO−CO−Rd(Rdは置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を表す。)を表す。nは1〜6の整数を示す。]

    <(A)群>
    シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO−Rc、−O−SO−Rc、−SO−NRaRb、−NRa−SO−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO−Rb、−SO−NRa−CO−Rb、−SO−NRa−SO−Rc、−Si(Ra)l(ORb)m、及びヘテロ環基。ここで、Ar、Ar’はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい芳香環またはヘテロ芳香環を示し、Ra、Rbはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、Rcは置換基を有してもよい、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、l、mはそれぞれ0〜3の整数を示し、l+m=3を満たす。
  2. 前記一般式(8)のR1aが−SArを有するアルキル基である請求項1に記載の着色硬化性組成物。
  3. 前記一般式(8)のR2aがアルカノイル基である請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
  4. 前記一般式(8)のR1’が一般式(9)または一般式(10)で表される置換基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。

    [R11はアルキル基、芳香環、又はヘテロ環を示し、R12はアルキル基を示す。]
  5. 前記一般式(8)のR1’が式(11)で表される置換基である請求項4に記載の着色硬化性組成物。

  6. 更に、フタロシアニン系顔料及び分散剤を含有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
  7. 支持体上に、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、マスクを介して該着色硬化性組成物層を露光した後、現像して着色パターンを形成する工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
  8. 現像後の着色パターンに、紫外光を照射する紫外線照射工程を更に有する請求項7に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
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