JP2004504466A - 難燃性ポリカーボネート組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、下記の式(I)のリン化合物を含有する難燃性ポリカーボネート組成物であって、用いられる前記リン化合物の重量に対して1重量%未満の量のイソプロピルフェニルホスフェートを含有し、優れた難燃性および非常に良好な機械特性、並びに高い熱変形温度を有する難燃性ポリカーボネート組成物に関する。
【化1】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、ハロゲンで任意に置換されたC1〜C8アルキル、あるいはハロゲンおよび/またはアルキルでそれぞれ任意に置換されたC5〜C6シクロアルキル、C6〜C10アリールまたはC7〜C12アラルキルを表し、nは、0または1であり、qは、0、1、2、3または4であり、Nは、0.1〜5であり、R5およびR6は、互いに独立して、C1〜C4アルキルまたはハロゲンを表し、およびYはイソプロピリデンを表す。)
【化1】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、ハロゲンで任意に置換されたC1〜C8アルキル、あるいはハロゲンおよび/またはアルキルでそれぞれ任意に置換されたC5〜C6シクロアルキル、C6〜C10アリールまたはC7〜C12アラルキルを表し、nは、0または1であり、qは、0、1、2、3または4であり、Nは、0.1〜5であり、R5およびR6は、互いに独立して、C1〜C4アルキルまたはハロゲンを表し、およびYはイソプロピリデンを表す。)
Description
【0001】
本発明は、リン化合物を含有する難燃性ポリカーボネート組成物、およびそれから製造される成形品に関する。
【0002】
ポリカーボネート組成物用の難燃剤としてのジホスフェートの使用は公知であり、例えば、欧州特許出願公開第A0363608号明細書、同第A0771851号明細書および同第A0755977号明細書に記載されている。難燃剤としてのジホスフェートの使用に伴う問題は、ポリカーボネートの機械特性の関連した減損である。バランスの良い特性プロフィールを達成するために、大抵は、別の添加物を加えなければならない。
【0003】
特に高い加水分解安定性が要求されるか、またはツールデザインのために特に少量のツールコーティングを形成するものと予想される特定の用途の場合、ビスフェノールA系オリゴホスフェートが難燃剤として使用される。
【0004】
国際公開第99/07792号パンフレットからは、応力クラッキング耐性、ノッチ付き衝撃強度および耐熱性を改良するために、ビスフェノールA系オリゴホスフェートと、共同作用量の1以上の非常に微細な粒状無機材料との更なる組み合わせを含有する難燃性ポリカーボネート−ABS組成物が知られている。
【0005】
独国特許出願公開第A19853105号明細書からは、グラフトポリマーで変性した難燃性ポリカーボネート組成物も公知である。これは、機械特性を改良するために、ビスフェノールA系オリゴホスフェートと、塊重合によって得られる特定のグラフトポリマーを含有する。
【0006】
このポリカーボネート組成物の不利益は、特に、それから製造された成形品が、長時間の熱応力下で機械特性に高い劣化を受けることである。更に、前記成形品は、熱エージング中に黄変する傾向があり、応用技術と審美的な理由のいずれにも望ましくない。
【0007】
本発明の目的は、良好な機械特性と高い耐熱性に加えて、かなり改良された長期特性(熱応力下での特性の維持)を示す難燃性ポリカーボネート組成物を提供することである。
【0008】
少量の(すなわち用いられるリン化合物に対して1重量%未満の)イソプロペニルフェニルホスフェートを有する特定のリン化合物を含有するポリカーボネート組成物が所望の特性プロフィールを示すことは分かっている。
【0009】
市販のビスフェノールA系オリゴホスフェートは、不純物として約10重量%までの量のイソプロピニルフェニルホスフェート(IPP)を含有している。この不純物は、前記オリゴホスフェートの合成時に分解生成物として、特に高温および長い反応容器滞留時間で形成される。加えて、分解生成物は、妥当でない輸送および/または貯蔵の結果として形成されることもある。
【0010】
驚くことに、市販のビスフェノールA系オリゴホスフェートに不純物として含まれているイソプロペニルフェニルホスフェートが、難燃剤としてオリゴホスフェートを含有するポリカーボネートおよび/またはポリエステルカーボネートの特性に望ましくない影響を及ぼすことが分かった。高すぎるIPP含量は、特に、UL94に準拠して測定される後燃焼時間のみならず、耐熱性にも望ましくない影響を及ぼす。高すぎるIPP含量は、特定の用途で生じ得る長期間の熱応力または熱エージング(例えば、60℃で1500時間または80℃で500時間)により、ポリカーボネート組成物の黄変および/または機械特性の低下をも引き起こす。
【0011】
前記不利益は、難燃剤として用いられるオリゴホスフェートのIPP含量が1重量%までに制限されれば、本発明により回避される。このような難燃剤を含有するポリカーボネートまたはポリエステルカーボネートは高い耐熱性、高い後燃焼特性および熱エージング下での低い黄変傾向を示す。
【0012】
従って、本発明は、式(I)のリン化合物を含有するポリカーボネート組成物、特に熱可塑性ポリカーボネート組成物であって、用いられる前記リン化合物の重量に対して1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.2重量%未満のイソプロペニルフェニルホスフェート含量を有するポリカーボネート組成物を提供する。
【化4】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、ハロゲンで任意に置換されたC1〜C8アルキル、あるいはハロゲンおよび/またはアルキルでそれぞれ任意に置換されたC5〜C6シクロアルキル、C6〜C10アリールまたはC7〜C12アラルキルを表し、nは、0または1であり、qは、0、1、2、3または4であり、Nは、0.1〜5、好ましくは0.9〜2.5、特に1〜1.5であり、R5およびR6は、互いに独立して、C1〜C4アルキル、好ましくはメチル、またはハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素を表し、Yは、イソプロピリデンを表す。)
【0013】
前記組成物は、好ましくは、リン化合物(I)またはリン化合物(I)の混合物を0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜18重量%、特に2〜16重量%含有する。以下の成分を含有する組成物が好ましい。
A)芳香族ポリカーボネートおよび/またはポリエステルカーボネート40〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、特に60〜90重量%、
B)グラフトポリマー0.5〜60重量%、好ましくは0.8〜40重量%、特に1〜30重量%、
C)ビニル(コ)ポリマーおよびポリアルキレンテレフタレートから成る群より選択される少なくとも1種の熱可塑性ポリマー0〜45重量%、
D)式(I):
【化5】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Y、Nおよびnは、前記と同様の意味を表す。)
のリン化合物0.5〜20重量%、および
E)フッ素化ポリオレフィン0〜5重量%
(ただし、前記成分の総量は100である。)
【0014】
本発明の前記組成物を製造するのに好適な成分A(ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート)、B(グラフトポリマー)、C(コポリマー)、D(リン化合物)、E(フッ素化ポリオレフィン)を以降にさらに詳細に説明する。
【0015】
成分A
本発明の好適な芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネート、すなわち成分Aは、文献公知であるか、または文献公知の方法で製造できる(芳香族ポリカーボネートの製造については、例えば、シュネル(Schnell)著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ(Chemistry and Physics of polycarbonates)」、インターサーエンス・パブリッシャーズ、1964年、並びに独国特許出願公開第A1495626号明細書、同第A2232877号明細書、同第A2703376号明細書、同第A2714544号明細書、同第A3000610号明細書、同第A3832396号明細書を参照し、そして芳香族ポリエステルカーボネートの製造については、例えば、独国特許出願公開第A3077934号明細書を参照のこと。)
【0016】
芳香族ポリカーボネートの製造は、例えば相界面法に従い、任意に連鎖停止剤(例えば、モノフェノール)や3官能以上の官能性を有する枝分かれ剤(例えば、トリフェノールまたはテトラフェノール)を用いて、ジフェノールと炭酸ハライド、好ましくはホスゲンを反応させ、および/またはジフェノールと芳香族ジカルボン酸ハライド、好ましくはベンゼンジカルボン酸ジハライドを反応させることによって行われる。
【0017】
芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネートの製造に使用されるジフェノールは、好ましくは式(II)のものである。
【化6】
(式中、Aは、単結合、C1〜C5アルキレン、C2〜C5アルキリデン、C5〜C6シクロアルキリデン、−O−、−SO−、−CO−、−S−、−SO2−、C6〜C12アリーレン(これらには複素原子を任意に含有する別の芳香環が縮合されていてもよい。)、または式(III)もしくは(IV):
【化7】
の基を表し、Bはそれぞれ、C1〜C12アルキル、好ましくはメチル、ハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素を表し、xはそれぞれ0、1または2であり、pは0または1であり、およびR7およびR8は、各X1について独立して選択されてよく、互いに独立して、水素またはC1〜C6アルキル、好ましくは水素、メチルまたはエチルを表し、X1は炭素であり、そして少なくとも1個の原子X1、R7およびR8が同時にアルキルであれば、mは、4〜7までの整数、好ましくは4または5である。)
【0018】
好ましいジフェノールは、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェノール、ビス−(ヒドロキシフェニル)−C1〜C5アルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−C5〜C6シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−エーテル、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホキシド、ビス−(ヒドロキシフェニル)−ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホンおよびα,α−ビス−(ヒドロキシフェニル)−ジイソプロピルベンゼン、並びにこれらの核臭素化および/または核塩素化誘導体である。
【0019】
特に好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒソロキシジフェニルスルホン、並びにそれらの2臭素化および4臭素化または塩素化誘導体、例えば、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンまたは2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンである。
【0020】
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。
【0021】
ジフェノールは、独立してまたは任意の混合物として使用されてよく、しかも文献公知であるか、または文献公知の方法で製造できる。
【0022】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートの製造に好適な連鎖停止剤は、例えば、フェノール、p−クロロフェノール、p−tert−ブチルフェノールまたは2,4,6−トリブロモフェノールのみならず、長鎖アルキルフェノールであって、例えば、独国特許出願公開第A2842005号明細書に記載の4−(1,3−テトラメチルブチル)−フェノール、あるいはアルキル置換基中の炭素数が8〜20個のモノアルキルフェノールおよび/またはジアルキルフェノールであり、例えば、3,5−ジ−tert−ブチルフェノール、p−イソ−オクチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチルヘプチル)−フェノールおよび4−(3,5−ジメチルヘプチル)−フェノールなどが挙げられる。用いられる連鎖停止剤の量は、一般に、それぞれに使用されるジフェノールの合計モル数に対して0.5モル%〜10モル%の間である。
【0023】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートの平均(重量平均)分子量Mwは、10,000〜200,000、好ましくは20,000〜80,000であり、これらは超遠心分離または光散乱法などにより測定される。
【0024】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートは、自体公知の方法で、特に好ましくは、用いられるジフェノールの総量に対して0.05〜2.0モル%の3官能以上の化合物(例えば、フェノール性基を3個以上有するもの)を組み込むことによって枝分かれされてよい。
【0025】
ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートが好適である。本発明で使用されるコポリカーボネート(成分A)を製造するために、ヒドロキシ−アリーロキシ末端基を有するポリ(ジオルガノシロキサン)を、用いられるジフェノールの総量に対して1〜25重量%、好ましくは2.5〜25重量%使用してもよい。前記ポリ(ジオルガノシロキサン)は、例えば、米国特許第3419634号明細書から公知であるか、または文献公知の方法により調製され得る。ポリ(ジオルガノシロキサン)を含むコポリカーボネートの製造は、例えば、独国特許出願公開第3334782号明細書に記載されている。
【0026】
好ましくいポリカーボネートは、ビスフェノールAホモポリカーボネート以外に、前述の好ましいまたは特に好ましいものとして記載した他のジフェノール、特に2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンをジフェノールの合計モル数に対して15モル%まで含むビスフェノールAのコポリカーボネートである。
【0027】
芳香族ポリエステルカーボネートの製造のための芳香族ジカルボン酸ジハライドは、好ましくは、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸の二酸ジクロライドである。
【0028】
特に好ましいものは、イソフタル酸およびテレフタル酸の二酸ジクロライドの比1:20〜20:1の混合物である。
【0029】
ポリエステルカーボネートの製造では、炭酸ハライド、好ましくはホスゲンを更に、2官能の酸誘導体として同時使用する。
【0030】
芳香族ポリエステルカーボネートの製造に好適な連鎖停止剤としては、前述のモノフェノール以外に、そのクロロ炭酸エステルやモノカルボン酸の酸クロライド(これらはC1〜C22アルキル基またはハロゲン原子で任意に置換されていてよい。)のみならず、脂肪族C2〜C22モノカルボン酸クロライドも包含する。
【0031】
連鎖停止剤の量は、好ましくは、フェノール系連鎖停止剤の場合は、ジフェノールの各モル数に対して、そしてモノカルボン酸クロライド系連鎖停止剤の場合は、ジカルボン酸ジクロライドの各モル数に対して、それぞれ0.1〜10モル%である。
【0032】
芳香族ポリエステルカーボネートは、組み込まれた芳香族ヒドロキシカルボン酸を含有していてもよい。
【0033】
芳香族ポリエステルカーボネートは、直鎖であっても、自体公知の方法で枝分かれされていてもよく、このことは、関連する参考文献である独国特許出願公開第A2940024号明細書および同第A3007934号明細書に記載されている。
【0034】
枝分かれ剤として、例えば、トリメシン酸トリクロライド、シアヌール酸トリクロライド、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラクロライド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラクロライドまたはピロメリット酸テトラクロライドなどの3官能以上のカルボン酸クロライドを、(用いられるジカルボン酸ジクロライドに対して)0.01〜1.0モル%の量で使用しても、あるいはフロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,4−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−シクロヘキシル]−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)−フェノール、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,6−ビス−(2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンジル)−4−メチル−フェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−プロパン、テトラ−(4−[4−ヒドロキシフェニル−イソ−プロピル]−フェノキシ)−メタン、1,4−ビス[4,4’−ジヒドロキシトリフェニル)−メチル]−ベンゼンなどの3官能以上のフェノールを、用いられるジフェノールに対して0.01〜1.0モル%の量で使用してもよい。フェノール系枝分かれ剤は、ジフェノールと合わせて添加されてもよく、他方、酸クライド系枝分かれ剤は、酸ジクロライドと合わせて添加されてもよい。
【0035】
カーボネート構造単位の割合は、熱可塑性芳香族ポリエステルカーボネート中での所望により変化してよい。カーボネート基の割合は、エステル基およびカーボネート基の合計に対して、好ましくは100モル%まで、特に80モル%まで、特に好ましくは50モル%までである。芳香族ポリエステルカーボネートのエステルフラクションとカーボネートフラクションの両者は、重縮合物中にブロック形態で含まれていても、または統計的に分布されていてもよい。
【0036】
芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートの相対溶液粘度(ηrel.)は、塩化メチレン100mL中ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート0.5gの溶液において25℃で測定され、1.18〜1.4、好ましくは1.2〜1.3である。
【0037】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートは、単独でまたは互いの任意の混合物で使用され得る。
【0038】
成分B
本発明で使用され得るグラフトポリマーBは、例えば、ゴム−弾性を有するグラフトポリマーを包含する。これは、一般には、クロロプレン、ブタジエン−1,3、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、およびアルコール成分中に炭素原子1〜18個を有する(メタ)アクリル酸エステル等のモノマーのうち少なくとも2種から生成されるもの、すなわち「メトーデン・デル・オルガニッシェン・ヘミー(Methoden der Organischen Chemie)(ホウベン−ヴェイル(Houben−Weyl)著)、第14/1巻、ゲオルグ・ティエメ−フェルラーク、シュトゥットガルト1961年、393〜406頁、およびシー・ビー・バックノール(C.B.Bucknall)著「タフンド・プラスティクス(Toughened Plastics)」、アプル・サイエンス・パブリッシャーズ(Appl. Science Publishers)、ロンドン1977年に記載されているようなポリマーである。好ましいポリマーCは、部分架橋されており、そしてそのゲル含量は20重量%を超え、好ましくは40重量%を超え、特に60重量%を超える。
【0039】
特に、成分Bは、
B.1 少なくとも1種のビニルモノマー5〜95重量%、好ましくは30〜90重量%の、
B.2 ガラス転移温度10℃未満、好ましくは0℃未満、特に好ましくは−20℃未満の1種以上のグラフトベース95〜5重量%、好ましくは70〜10重量%への
グラフトポリマーを1種以上含有する。
【0040】
グラフトベースB.2の平均粒径(d50値)は、一般には0.05〜5μm、好ましくは0.10〜0.6μm、特に好ましくは0.1〜0.5μm、最も好ましくは0.20〜0.40μmである。
【0041】
モノマーB.1は、好ましくは、
B.1.1 ビニル芳香族化合物および/または核置換ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン)および/またはメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステル50〜99重量部と、
B.1.2 ビニルシアニド(アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル)および/または(メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレートなどの)(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステルおよび/または不飽和カルボン酸の(無水物およびイミドなどの)誘導体(例えば、無水マレイン酸およびN−フェニルマレイミド)1〜50重量部と
の混合物である。
【0042】
好ましいモノマーB.1.1は、モノマー:スチレン、α−メチルスチレンおよびメチルメタクリレートのうち少なくとも1種から選択され、そして好ましいモノマーB.1.2は、モノマー:アクリロニトリル、無水マレイン酸およびメチルメタクリレートのうち少なくとも1種から選択される。
【0043】
特に好ましいモノマーは、スチレン(B.1.1)およびアクリロニトリル(B.1.2)である。
【0044】
グラフトポリマーBに好適なグラフトベースB.2は、例えば、ジエンゴム、EP(D)Mゴム、すなわちエチレン/プロピレンおよび任意にジエンをベースとするもの、並びにアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、クロロプレンおよびエチレン/酢酸ビニルゴムである。
【0045】
好ましいグラフトベースB.2は、成分B.2のガラス転移温度が10℃未満、好ましくは0℃未満、特に好ましくは−10℃未満であれば、(例えば、ブタジエンをベースとする)ジエンゴムまたはジエンゴムの混合物、あるいはジエンゴムのコポリマーまたはジエンゴムと(B.1.1およびB.1.2に記載の)別の共重合性モノマーとのコポリマーである。
【0046】
純粋なポリブタジエンゴムが特に好ましい。
【0047】
特に好ましいポリマーBは、例えば独国特許出願公開第A2035390号明細書または同第A2248242号明細書またはウルマン(Ulmann)著、エンジクロペディ・デル・テクニッシェン・ヘミー(Enzyklopadie der Technischen Chemie)、第19巻(1980年)、280頁以降に記載されているようなABSポリマー(エマルション、塊および懸濁ABS)を包含する。グラフトベースB.2のゲル含量は、好ましくは少なくとも30重量%、特に少なくとも40重量%である(トルエン中での測定)。
【0048】
グラフトコポリマーBは、遊離基重合、例えば、エマルション重合、懸濁重合、溶液重合または塊重合により、好ましくはエマルション重合または塊重合により製造される。
【0049】
特に好適なグラフトゴムは、米国特許第A4937285号明細書に記載の、有機ヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドまたはt−ブチルヒドロペルオキシドから成る開始剤系およびアスコルビン酸を含むレドックス開始剤により製造されるABSポリマーである。
【0050】
グラフト反応ではグラフトモノマーが、公知のように必ずしもグラフトベースに完全にグラフト化されないため、本発明では、グラフトポリマーBは、グラフトベースの存在下でのグラフトモノマーの(共)重合により得られかつ精製段階において含まれている生成物を包含するとも考えられる。
【0051】
ポリマーBのB.2の好適なアクリレートゴムは、好ましくは、他の重合性エチレン性不飽和モノマーをB.2に対して40重量%まで任意に含むアクリル酸アルキルエステルのポリマーである。好ましい重合性アクリル酸エステルは、C1〜C8アルキルエステル(例えば、メチル、エチル、ブチル、n−オクチルおよび2−エチルヘキシルエステル)、ハロゲン化アルキルエステル、好ましくはクロロエチルアクリレートなどのハロゲン−C1〜C8−アルキルエステル、そして前記モノマーの混合物を包含する。
【0052】
架橋のために、1種以上の重合性二重結合を有するモノマーを共重合してもよい。架橋性モノマーの好ましい例は、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレートなどの、炭素原子を3〜8個有する不飽和モノカルボン酸と、炭素原子を3〜12個有する不飽和1価アルコールまたはOH基を2〜4個および炭素原子を2〜20個有する不飽和ポリオールとのエステル;トリビニルシアヌレートおよびトリアリルシアヌレートなどの多重不飽和複素環式化合物;ジビニルベンゼンおよびトリビニルベンゼンなどの多官能ビニル化合物;およびトリアリルホスフェートおよびジアリルフタレートである。
【0053】
好ましい架橋性モノマーは、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、および少なくとも3個のエチレン性不飽和基を含有する複素環式化合物である。
【0054】
特に好ましい架橋性モノマーは、環状モノマー・トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリロヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリルベンゼンである。架橋性モノマーの量は、グラフトベースB.2に対して好ましくは0.02〜5重量%、特に0.05〜2重量%である。
【0055】
少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有する環式架橋性モノマーの場合、グラフトベースB.2を1重量%未満の量に制限することが有利である。
【0056】
アクリル酸エステルに加えて、グラフトベースB.2の製造のために任意に供給され得る好ましい「他の」重合性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ビニル−C1−C6−アルキルエーテル、メチルメタクリレートおよびブタジエンが包含される。グラフトベースB.2として好ましいアクリレートゴムは、少なくとも60重量%のゲル含量を有するエマルションポリマーである。
【0057】
B.2に関して更に好適なグラフトベースは、例えば、独国特許出願公開第A3704657号明細書、同第A3704655号明細書、同第A3631540号明細書および同第A3631539号明細書に記載されているような、グラフト活性部位を有するシリコーンゴムを包含する。
【0058】
グラフトベースB.2のゲル含量は、25℃において好適な溶媒中で求められる(エム・ホフマン(M. Hoffmann)、エイチ・クレマー(H. Kromer)、アール・クーン(R. Kuhn)著、ポリマーアナリティーク(Polymeranalytik)IアンドII、ゲオルグ・ティエメ・フェルラーク、シュトゥットガルト1977年)。
【0059】
平均粒径d50は、含まれる粒子のうち50重量%がそれを超え、および残りの50重量%がそれ未満の直径であり、これは超遠心分離測定により求められる(ダブリュー・ショルタン(W. Sholtan)、エイチ・ランゲ(H. Lange)著、コロイド・ツァイシュリフト・ウンドツァイシュリフト・フューア・ポリメレ(Kolloid, Z. und Z. Polymere)250(1972年)、782〜1796頁)。
【0060】
成分C
成分Cは、1種以上の熱可塑性ビニル(コ)ポリマーC.1および/またはポリアルキレンテレフタレートC.2を包含する。
【0061】
ビニル(コ)ポリマーC.1として好適なのは、ビニル芳香族化合物、ビニルシアニド(不飽和ニトリル)、(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステル、不飽和カルボン酸、並びに不飽和カルボン酸の(無水物およびイミドなどの)誘導体から成る群のうち少なくとも1種のモノマーから生成されるポリマーである。特に好適なものは、
C.1.1 例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンなどの、ビニル芳香族化合物および/または核置換ビニル芳香族化合物、および/またはメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステル50〜99重量%、好ましくは60〜80重量%と
C.1.2 アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどのビニルシアニド(不飽和ニトリル)および/または(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステル(例えば、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート)および/または不飽和カルボン酸(マレイン酸など)および/または不飽和カルボン酸の(無水物およびイミドなどの)誘導体(例えば、無水マレイン酸およびN−フェニルマレイミド)1〜50重量%、好ましくは20〜40重量%と
の(コ)ポリマーである。
【0062】
(コ)ポリマーC.1は、樹脂様で、熱可塑性であり、しかもゴムを含まない。
【0063】
スチレン(C.1.1)とアクリロニトリル(C.1.2)から形成されるコポリマーが特に好ましい。
【0064】
C.1の(コ)ポリマーは公知であり、しかも遊離基重合、特にエマルション重合、懸濁重合、溶液重合または塊重合により製造され得る。(コ)ポリマーの分子量Mw(光散乱または沈降法により求められる重量平均分子量)は、好ましくは15,000〜200,000の間である。
【0065】
成分C.2のポリアルキレンテレフタレートは、ジメチルエステルまたは無水物のような芳香族ジカルボン酸またはその反応性誘導体と脂肪族、脂環式またはアラリファティックジオールとの反応生成物、および前記反応生成物の混合物である。
【0066】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸基をジカルボン酸成分に対して少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、およびエチレングリコール基および/またはブタンジオール−1,4基をジオール成分に対して少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%含有する。
【0067】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸エステルに加えて、炭素数8〜14の他の芳香族または脂環式ジカルボン酸の基、または炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸の基20モル%まで、好ましくは10モル%までを含有していてよく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸およびシクロヘキサン二酢酸の基のなどが挙げられる。
【0068】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、エチレングリコール基および/またはブタンジオール−1,4基以外に、炭素数3〜12の他の脂肪族ジオールまたは炭素数6〜21の脂環式ジオールを20モル%まで、好ましくは10モル%まで含有していてよく、例えば、プロパンジオール−1,3、2−エチルプロパンジオール−1,3、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、シクロヘキサンジメタノール−1,4、3−エチルペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3、2−エチルヘキサンジオール−1,3、2,2−ジエチルプロパンジオール−1,3、ヘキサンジオール−2,5、1,4−ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロブタン、2,2−ビス−(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパンが挙げられる(独国特許出願公開第A2407674号明細書、同第A2407776号明細書、同第A2715932号明細書)。
【0069】
ポリアルキレンテレフタレートは、例えば、独国特許出願公開第A1900270号明細書および米国特許第3692744号明細書に記載のように、比較的少量の3価または4価アルコールまたは4塩基性カルボン酸を組み込む事によって枝分かれされてよい。好ましい枝分かれ剤の例としては、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールを包含する。
【0070】
特に好ましいのは、テレフタル酸およびその反応性誘導体(例えば、そのジアルキルエステル)とエチレングリコールおよび/またはブタンジオール−1,4のみから製造されたポリアルキレンテレフタレート、および前記ポリアルキレンテレフタレートの混合物である。
【0071】
ポリアルキレンテレフタレートの混合物は、ポリエチレンテレフタレートを1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、およびポリブチレンテレフタレートを50〜99重量%、好ましくは70〜99重量%含有する。
【0072】
好ましく使用されるポリアルキレンテレフタレートの固有粘度は、一般に、0.4〜1.5dL/g、好ましくは0.5〜1.2dL/gであり、これはフェノール/o−ジクロロベンゼン(重量部比1:1)中、25℃においてウベローデ粘度計で測定される。
【0073】
ポリアルキレンテレフタレートは、自体公知の方法により製造され得る(例えば、クンシュトストッフ−ハンドブッフ(Kunststoff−Handbuch)、第VIII巻、695頁以降、カール−ハンサー−フェルラーク、ミュンヘン1973年を参照のこと)。
【0074】
成分D
本発明の組成物は、難燃剤として式(I)のリン化合物を含有する。
【化8】
(式中の基は、前記と同じ意味を表す。)
【0075】
本発明の好適なリン化合物(成分D)は一般に公知である(例えば、ウルマンズ・エンジクロペディ・デル・テクニッシェン・ヘミー、第18巻、301頁以降、1979年;ホウベン−ヴェイル著、メトーデン・デル・オルガニッシェン・ヘミー、第12/1巻、43頁;バイルシュタイン(Beilstein)、第6巻、177頁)。
【0076】
好ましい置換基R1〜R4は、メチル、ブチル、オクチル、クロロエチル、2−クロロプロピル、2,3−ジブロモプロピル、フェニル、クレジル、クミル、ナフチル、クロロフェニル、ブロモフェニル、ペンタクロロフェニルおよびペンタブロモフェニルを包含する。メチル、エチル、ブチル、フェニルおよびナフチルが特に好ましい。
【0077】
芳香族基R1、R2、R3およびR4は、ハロゲンンおよび/またはC1〜C4アルキルで置換されていてよい。特に好ましいアリール基は、クレジル、フェニル、キシレニル、プロピルフェニルまたはブチルフェニル、並びにそれらの臭素化および塩素化誘導体である。
【0078】
R5およびR6は、互いに独立して、好ましくはメチルまたは臭素を表す。
【0079】
Yはイソプロピリデンを表す。
【0080】
式(I)中のnは、互いに独立して、0または1であってよく、好ましくは1に等しい。
【0081】
qは、0、1、2、3または4であってよく、好ましくは0、1または2である。
【0082】
Nは、0.1〜5までの数をとり、好ましくは0.9〜2.5、特に1〜1.5であり得る。
【0083】
本発明の成分Dとして、種々のホスフェートの混合物も使用され得る。この場合、Nは平均値である。この混合物は、IPPとは異なるモノリン化合物も含有し、好ましくはトリフェニルホスフェートおよびトリクレジルホスフェートなどが挙げられる。
【0084】
平均N値は、ホスフェート混合物の組成(分子量分布)を好適な方法(ガスクロマトグラフィー(GC)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC))によって確定した後、それから平均N値を計算することによって求められる。
【0085】
本発明で用いられるリン化合物の本質的な特徴は、イソプロペニルフェニルホスフェート(IPP)を1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に0.2重量%未満の量で含むことである。イソプロペニルフェニルホスフェート(IPP)は、式(I)のオリゴホスフェートの合成における分解生成物として、特定の条件(高温、長い反応容器滞留時間)下で形成される。本発明で用いられるリン化合物の製造では、文献公知の前述の方法に従って、好適な反応条件(例えば、比較的低い温度、反応容器内での短い滞留時間、好適な触媒)を維持することにより、IPP含量が前記値を超えないことを確保するように注意しなければならない。あるいは、用いられるリン化合物のイソプロペニルフェニルホスフェート含量は、前記リン化合物を難燃剤として使用する前に、適当な精製および/または分離方法(例えば、クロマトグラフィーまたは好適な溶媒による抽出)によって1重量%未満の値まで低下させなければならない。
【0086】
成分E
フッ素化ポリオレフィンは、更なる成分として添加され得る。
【0087】
フッ素化ポリオレフィンEは、高分子量化合物であり、しかも−30℃を超え、一般には100℃を超えるガラス転移温度を有し、フッ素含量は、好ましくは65〜76重量%、特に70〜76重量%であり、そして平均粒径d50は、0.05〜1,000μm、好ましくは0.08〜20μmである。一般に、フッ素化ポリオレフィンEの密度は1.2〜2.3g/cm3である。好ましいフッ素化オレフィンEとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマーおよびエチレン/テトラフルオロエチレンコポリマーを包含する。フッ素化ポリオレフィンは公知である(シルトクネヒト(Shildknecht)著「ビニル・アンド・リレイテッド・ポリマーズ(Vinyl and Related Polymers)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド、ニューヨーク、1962年、484〜494頁;ウォール(Wall)著「フルオロポリマーズ(Fluoropolymers)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド、ニューヨーク、第13巻、1970年、623〜654頁;「モダーン・プラスティクス・エンサイクロペディア(Modern Plastics Encyclopedia)」、1970〜1971年、第47巻、第10A、1970年10月、マグロー−ヒル・インコーポレイテッド、ニューヨーク、134頁および774頁;「モダーン・プラスティクス。エンサイクロペディア」、1975〜1976年、1975年10月、第52巻、第10A、マグロー−ヒル・インコーポレイテッド、ニューヨーク、27頁、28頁および472頁、並びに米国特許第3671487号明細書、同第3723373号明細書および同第3838092号明細書を参照のこと)。
【0088】
ポリオレフィンEは、自体公知の方法、例えば、米国特許第2393967号明細書に記載されているような、遊離基形成触媒(例えば、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムオエルオキシジスルフェート)を用い、圧力7〜71kg/cm2および0〜200℃の温度、好ましくは20〜100℃の温度におけるテトラフルオロエチレンの水性媒体中での重合により製造され得る。用いられる形態に依存して、前記材料の密度は1.2〜2.3g/cm3の間であってよく、そして平均粒径は0.5〜1,000μmの間であってよい。
【0089】
本発明の好ましいフッ素化ポリオレフィンEは、平均粒径0.05〜20μm、好ましくは0.08〜10μmおよび密度1.2〜1.9g/cm3を有するテトラフルオロエチレンポリマーを包含し、テトラフルオロエチレンポリマーEのエマルションとグラフトポリマーBのエマルションとの凝集混合物の形態で好ましく使用される。好適なテトラフルオロエチレンポリマーエマルションは、市販の生成物であって、例えば、デュポン(DuPont)からテフロン( 登録商標 )30Nとして入手可能である。
【0090】
粉末の形態で使用され得る好適なフッ素化ポリオレフィンEは、平均粒径100〜1,000μmおよび密度2.0g/cm3〜2.3g/cm3を有するテトラフルオロエチレンポリマーを包含し、デュポンからテフロンとして、そしてダイネオン・ゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング(Dyneon GmbH、ブルクキルキルヘン、独国)から商品名Hostaflon( 登録商標 )PTFEとして入手可能である。
【0091】
本発明の組成物は、潤滑剤および離型剤(例えば、ペンエリスリトールテトラステアレート)、核形成剤、帯電防止剤、安定化剤、フィラーおよび強化剤並びに染料および顔料などの通常使用される添加物のうち少なくとも1種を含有していてよい。
【0092】
本発明のポリカーボネート組成物は、平均粒径200nm未満の非常に微細な粒状無機化合物を0〜50重量%更に含有していてよい。このような非常に微細な粒状無機化合物は、例えば、米国特許第5849827号明細書に記載されている。
【0093】
フィラーおよび/または強化剤を含有する組成物は、フィラーおよび/または強化剤を、フィラー含有組成物および/または強化組成物に対して60重量%まで、好ましくは10〜40重量%含有していてよい。好ましい強化剤は、ガラス繊維である。好ましいフィラーは、強化作用も発揮できるものであり、ガラス球体、マイカ、珪酸塩、石英、タルク、二酸化チタンおよび珪灰石が挙げられる。
【0094】
本発明の組成物は、更に任意に共同作用する難燃剤を、組成物全体に対して35重量%まで含有していてよい。例として挙げられる更なる難燃剤としては、デカブロモビスフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールなどの有機ハロゲン化物;臭化アンモニウムなどの無機ハロゲン化物;メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂などの窒素化合物;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの無機水酸化物;酸化アンチモン、メタホウ酸バリウム、ヒドロキソアンチモネート、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、メタホウ酸バリウム、タルク、珪酸塩、二酸化珪素および酸化錫などの無機化合物;並びにシロキサン化合物を包含する。IPP、オリゴマー性ホスフェート化合物またはこれらの混合物以外のモノホスフェート化合物を、難燃剤として更に使用してもよい。このようなホスフェート化合物は、欧州特許出願公開第A0363608号明細書、同第A0345522号明細書および独国特許出願公開第A19721628号明細書に記載されている。
【0095】
成分A〜Eおよび任意に別の公知の添加物(例えば、安定化剤、染料、顔料、潤滑剤および離型剤、核形成剤、並びに帯電防止剤、フィラーおよび強化剤)を含有するを含有する本発明の組成物は、関連する組成を自体公知の方法で混合し、それを内部ニーダー、押出機および二軸スクリュー装置などの汎用の装置内で200℃〜300℃までの温度で溶融混合(melt compounding)および溶融押出しすることにより製造される。前記成分Eは、好ましくは前述の凝集混合物の形態で使用される。
【0096】
個々の組成の混合は、公知の方法で、連続して、そして更には同時に、特に約20℃(室温)以上の温度で行われてよい。
【0097】
この優れた難燃性、特に短い後燃焼時間と、その良好な機械特性および高い耐熱性のために、本発明の熱可塑性組成物は、あらゆるタイプの成形品、特に(前記組成物が長期間の熱応力に付されたときに)機械特性に関する厳しい要件を満足しなければならない成形品の製造に適している。
【0098】
本発明の組成物は、あらゆるタイプの成形品を製造するのに使用され得る。特に、成形品は、射出成形により製造され得る。製造され得る成形品の例としては、例えば、ジューサー(juice presses)、コーヒーメーカー、ミキサーなどの家庭用器具やモニター、プリンター、コピー機などの事務用機器のためのあらゆるタイプのハウジング部品、または建築分野におけるカバープレート、並びに自動車産業における部品が包含される。前記組成物は、良好な電気特性を有するので、電気工学分野でも使用できる。
【0099】
更に、本発明の組成物は、例えば、以下の成形品および/または成形部品を製造するのに使用され得る。
軌道誘導型乗物のための解体可能な内装部品、ホイールキャップ(wheelcaps)、小さな変圧器を含む電気装置用のハウジング、情報伝達および伝送用装置のためのハウジング、医療目的のためのハウジングおよび衣類、通信装置およびそのためのハウジング、子供用のおもちゃの乗物、平面的な壁部材、安全装置用のハウジング、リアスポイラー、断熱輸送容器、小動物の飼育または世話のための装置、サニタリー用および浴室備品用の成形品、排気口のための被覆格子、庭の納屋および備品小屋のための成形部品、および園芸備品用のハウジング。
【0100】
別の加工応用は、予め製造されたシートまたはフィルムからの熱形成による成形品の製造である。
【0101】
本発明を、以降の実施例により、更に詳細に説明する。
【0102】
実施例
成分A
相対溶液粘度が1.255であるビスフェノールAをベースとするポリカーボネート。相対溶液粘度は、塩化メチレン中、25℃において0.5g/100mLの濃度で測定したもの。
【0103】
成分B
エマルション重合により製造された、スチレンとアクリロニトリルの比73:27のコポリマー40重量%の、粒状の架橋ポリブタジエンゴム(平均粒径d50=0.34μm)60重量%へのグラフトポリマー。
【0104】
成分C
スチレン/アクリロニトリル比72:28および固有粘度(ジメチルホルムアミド中20℃で測定されたもの)0.55dL/gのスチレン/アクリロニトリルコポリマー。
【0105】
成分D
【化9】
D1 N=1.1;IPP含量:0.1重量%
D2 N=1.1;IPP含量:9.0重量%
【0106】
平均N値を求めるために、モノマー性ホスフェートとオリゴマー性ホスフェートの割合を先ず最初にHPLC測定により求める。
カラム種: LiChrosorpRP−8
グラジエントを付けた溶離剤:アセトニトリル/水50:50〜100:0
濃度: 5mg/mL
【0107】
次いで、数値化された重量平均値を、個々の成分のフラクション(モノホスフェートおよびオリゴホスフェート)から公知の方法で算出する。
【0108】
オリゴホスフェートのIPP含量も、前記HPLC測定法により求めた。
【0109】
成分E
成分BのSANグラフトポリマー水中エマルションとテトラフルオロエチレンポリマーの水中エマルションとの凝集混合物の形態のテトラフルオロエチレンポリマー。前記混合物中のグラフトポリマーBとテトラフルオロエチレンポリマーEとの重量比は90重量%対10重量%である。テトラフルオロエチレンポリマーエマルションは、固形分60重量%であり、そして平均粒径が0.05〜0.5μmの間である。SANグラフトポリマーエマルションは、固形分34重量%であり、そして平均ラテックス粒径0.34μmである。
【0110】
成分Eを調製するために、テトラフルオロエチレンポリマー(デュポン製テフロン( 登録商標 )30N)のエマルションを、SANグラフトポリマーBのエマルションと混合して、ポリマー固形分に対して1.8重量%のフェノール性酸化防止剤を用いて安定化する。この混合物を85〜95℃において、MgSO4(エプソム塩)の水溶液と酢酸を用いてpH4〜5で凝集し、電解質が無くなるまで濾過および洗浄した後、凝集によって水をほぼ遊離させ、最後に100℃で乾燥させて粉末を形成する。その後、この粉末は、前述の装置内で別の成分と混合されてもよい。
【0111】
本発明の組成物の調製および試験
前記成分と汎用の加工補助物質との混合は、3リットル容量の内部ニーダーで行う。Arburg270E型射出成形機において260℃で成形品を製造する。
【0112】
VicatB耐熱性の決定は、DIN53 460に準拠して、寸法80×10×4mmのロッド上で行う。
【0113】
ノッチ付きバー衝撃強度akの決定は、ISO180/1Aに準拠して行う。
【0114】
難燃性は、UL94Vに準拠して求める。
【0115】
黄変傾向を求めるために、(260℃で製造した)寸法60×40×2mmの試験片(test bodies)を循環空気キャビネット内に100℃で24時間貯蔵し、次いで目視評価する。
【0116】
【表1】
【表2】
+=熱エージング後、変化なし。
−=熱エージング後、かなり黄変した。
*PETS−ペンタエリスリトールテトラステアレート
【0117】
上記表から、IPP含量0.1重量%を有する本発明の組成物2は、IPP含量9重量%の比較例1の組成物よりもかなり高いノッチ付きバー衝撃強度(ak)、改良された耐熱性(VicatB)、より短い後燃焼時間(UL−94)のみならず、熱エージング中の低い黄変傾向を示すことが分かる。
本発明は、リン化合物を含有する難燃性ポリカーボネート組成物、およびそれから製造される成形品に関する。
【0002】
ポリカーボネート組成物用の難燃剤としてのジホスフェートの使用は公知であり、例えば、欧州特許出願公開第A0363608号明細書、同第A0771851号明細書および同第A0755977号明細書に記載されている。難燃剤としてのジホスフェートの使用に伴う問題は、ポリカーボネートの機械特性の関連した減損である。バランスの良い特性プロフィールを達成するために、大抵は、別の添加物を加えなければならない。
【0003】
特に高い加水分解安定性が要求されるか、またはツールデザインのために特に少量のツールコーティングを形成するものと予想される特定の用途の場合、ビスフェノールA系オリゴホスフェートが難燃剤として使用される。
【0004】
国際公開第99/07792号パンフレットからは、応力クラッキング耐性、ノッチ付き衝撃強度および耐熱性を改良するために、ビスフェノールA系オリゴホスフェートと、共同作用量の1以上の非常に微細な粒状無機材料との更なる組み合わせを含有する難燃性ポリカーボネート−ABS組成物が知られている。
【0005】
独国特許出願公開第A19853105号明細書からは、グラフトポリマーで変性した難燃性ポリカーボネート組成物も公知である。これは、機械特性を改良するために、ビスフェノールA系オリゴホスフェートと、塊重合によって得られる特定のグラフトポリマーを含有する。
【0006】
このポリカーボネート組成物の不利益は、特に、それから製造された成形品が、長時間の熱応力下で機械特性に高い劣化を受けることである。更に、前記成形品は、熱エージング中に黄変する傾向があり、応用技術と審美的な理由のいずれにも望ましくない。
【0007】
本発明の目的は、良好な機械特性と高い耐熱性に加えて、かなり改良された長期特性(熱応力下での特性の維持)を示す難燃性ポリカーボネート組成物を提供することである。
【0008】
少量の(すなわち用いられるリン化合物に対して1重量%未満の)イソプロペニルフェニルホスフェートを有する特定のリン化合物を含有するポリカーボネート組成物が所望の特性プロフィールを示すことは分かっている。
【0009】
市販のビスフェノールA系オリゴホスフェートは、不純物として約10重量%までの量のイソプロピニルフェニルホスフェート(IPP)を含有している。この不純物は、前記オリゴホスフェートの合成時に分解生成物として、特に高温および長い反応容器滞留時間で形成される。加えて、分解生成物は、妥当でない輸送および/または貯蔵の結果として形成されることもある。
【0010】
驚くことに、市販のビスフェノールA系オリゴホスフェートに不純物として含まれているイソプロペニルフェニルホスフェートが、難燃剤としてオリゴホスフェートを含有するポリカーボネートおよび/またはポリエステルカーボネートの特性に望ましくない影響を及ぼすことが分かった。高すぎるIPP含量は、特に、UL94に準拠して測定される後燃焼時間のみならず、耐熱性にも望ましくない影響を及ぼす。高すぎるIPP含量は、特定の用途で生じ得る長期間の熱応力または熱エージング(例えば、60℃で1500時間または80℃で500時間)により、ポリカーボネート組成物の黄変および/または機械特性の低下をも引き起こす。
【0011】
前記不利益は、難燃剤として用いられるオリゴホスフェートのIPP含量が1重量%までに制限されれば、本発明により回避される。このような難燃剤を含有するポリカーボネートまたはポリエステルカーボネートは高い耐熱性、高い後燃焼特性および熱エージング下での低い黄変傾向を示す。
【0012】
従って、本発明は、式(I)のリン化合物を含有するポリカーボネート組成物、特に熱可塑性ポリカーボネート組成物であって、用いられる前記リン化合物の重量に対して1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.2重量%未満のイソプロペニルフェニルホスフェート含量を有するポリカーボネート組成物を提供する。
【化4】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、ハロゲンで任意に置換されたC1〜C8アルキル、あるいはハロゲンおよび/またはアルキルでそれぞれ任意に置換されたC5〜C6シクロアルキル、C6〜C10アリールまたはC7〜C12アラルキルを表し、nは、0または1であり、qは、0、1、2、3または4であり、Nは、0.1〜5、好ましくは0.9〜2.5、特に1〜1.5であり、R5およびR6は、互いに独立して、C1〜C4アルキル、好ましくはメチル、またはハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素を表し、Yは、イソプロピリデンを表す。)
【0013】
前記組成物は、好ましくは、リン化合物(I)またはリン化合物(I)の混合物を0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜18重量%、特に2〜16重量%含有する。以下の成分を含有する組成物が好ましい。
A)芳香族ポリカーボネートおよび/またはポリエステルカーボネート40〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、特に60〜90重量%、
B)グラフトポリマー0.5〜60重量%、好ましくは0.8〜40重量%、特に1〜30重量%、
C)ビニル(コ)ポリマーおよびポリアルキレンテレフタレートから成る群より選択される少なくとも1種の熱可塑性ポリマー0〜45重量%、
D)式(I):
【化5】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Y、Nおよびnは、前記と同様の意味を表す。)
のリン化合物0.5〜20重量%、および
E)フッ素化ポリオレフィン0〜5重量%
(ただし、前記成分の総量は100である。)
【0014】
本発明の前記組成物を製造するのに好適な成分A(ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート)、B(グラフトポリマー)、C(コポリマー)、D(リン化合物)、E(フッ素化ポリオレフィン)を以降にさらに詳細に説明する。
【0015】
成分A
本発明の好適な芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネート、すなわち成分Aは、文献公知であるか、または文献公知の方法で製造できる(芳香族ポリカーボネートの製造については、例えば、シュネル(Schnell)著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ(Chemistry and Physics of polycarbonates)」、インターサーエンス・パブリッシャーズ、1964年、並びに独国特許出願公開第A1495626号明細書、同第A2232877号明細書、同第A2703376号明細書、同第A2714544号明細書、同第A3000610号明細書、同第A3832396号明細書を参照し、そして芳香族ポリエステルカーボネートの製造については、例えば、独国特許出願公開第A3077934号明細書を参照のこと。)
【0016】
芳香族ポリカーボネートの製造は、例えば相界面法に従い、任意に連鎖停止剤(例えば、モノフェノール)や3官能以上の官能性を有する枝分かれ剤(例えば、トリフェノールまたはテトラフェノール)を用いて、ジフェノールと炭酸ハライド、好ましくはホスゲンを反応させ、および/またはジフェノールと芳香族ジカルボン酸ハライド、好ましくはベンゼンジカルボン酸ジハライドを反応させることによって行われる。
【0017】
芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネートの製造に使用されるジフェノールは、好ましくは式(II)のものである。
【化6】
(式中、Aは、単結合、C1〜C5アルキレン、C2〜C5アルキリデン、C5〜C6シクロアルキリデン、−O−、−SO−、−CO−、−S−、−SO2−、C6〜C12アリーレン(これらには複素原子を任意に含有する別の芳香環が縮合されていてもよい。)、または式(III)もしくは(IV):
【化7】
の基を表し、Bはそれぞれ、C1〜C12アルキル、好ましくはメチル、ハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素を表し、xはそれぞれ0、1または2であり、pは0または1であり、およびR7およびR8は、各X1について独立して選択されてよく、互いに独立して、水素またはC1〜C6アルキル、好ましくは水素、メチルまたはエチルを表し、X1は炭素であり、そして少なくとも1個の原子X1、R7およびR8が同時にアルキルであれば、mは、4〜7までの整数、好ましくは4または5である。)
【0018】
好ましいジフェノールは、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェノール、ビス−(ヒドロキシフェニル)−C1〜C5アルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−C5〜C6シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−エーテル、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホキシド、ビス−(ヒドロキシフェニル)−ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホンおよびα,α−ビス−(ヒドロキシフェニル)−ジイソプロピルベンゼン、並びにこれらの核臭素化および/または核塩素化誘導体である。
【0019】
特に好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒソロキシジフェニルスルホン、並びにそれらの2臭素化および4臭素化または塩素化誘導体、例えば、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンまたは2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンである。
【0020】
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。
【0021】
ジフェノールは、独立してまたは任意の混合物として使用されてよく、しかも文献公知であるか、または文献公知の方法で製造できる。
【0022】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートの製造に好適な連鎖停止剤は、例えば、フェノール、p−クロロフェノール、p−tert−ブチルフェノールまたは2,4,6−トリブロモフェノールのみならず、長鎖アルキルフェノールであって、例えば、独国特許出願公開第A2842005号明細書に記載の4−(1,3−テトラメチルブチル)−フェノール、あるいはアルキル置換基中の炭素数が8〜20個のモノアルキルフェノールおよび/またはジアルキルフェノールであり、例えば、3,5−ジ−tert−ブチルフェノール、p−イソ−オクチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチルヘプチル)−フェノールおよび4−(3,5−ジメチルヘプチル)−フェノールなどが挙げられる。用いられる連鎖停止剤の量は、一般に、それぞれに使用されるジフェノールの合計モル数に対して0.5モル%〜10モル%の間である。
【0023】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートの平均(重量平均)分子量Mwは、10,000〜200,000、好ましくは20,000〜80,000であり、これらは超遠心分離または光散乱法などにより測定される。
【0024】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートは、自体公知の方法で、特に好ましくは、用いられるジフェノールの総量に対して0.05〜2.0モル%の3官能以上の化合物(例えば、フェノール性基を3個以上有するもの)を組み込むことによって枝分かれされてよい。
【0025】
ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートが好適である。本発明で使用されるコポリカーボネート(成分A)を製造するために、ヒドロキシ−アリーロキシ末端基を有するポリ(ジオルガノシロキサン)を、用いられるジフェノールの総量に対して1〜25重量%、好ましくは2.5〜25重量%使用してもよい。前記ポリ(ジオルガノシロキサン)は、例えば、米国特許第3419634号明細書から公知であるか、または文献公知の方法により調製され得る。ポリ(ジオルガノシロキサン)を含むコポリカーボネートの製造は、例えば、独国特許出願公開第3334782号明細書に記載されている。
【0026】
好ましくいポリカーボネートは、ビスフェノールAホモポリカーボネート以外に、前述の好ましいまたは特に好ましいものとして記載した他のジフェノール、特に2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンをジフェノールの合計モル数に対して15モル%まで含むビスフェノールAのコポリカーボネートである。
【0027】
芳香族ポリエステルカーボネートの製造のための芳香族ジカルボン酸ジハライドは、好ましくは、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸の二酸ジクロライドである。
【0028】
特に好ましいものは、イソフタル酸およびテレフタル酸の二酸ジクロライドの比1:20〜20:1の混合物である。
【0029】
ポリエステルカーボネートの製造では、炭酸ハライド、好ましくはホスゲンを更に、2官能の酸誘導体として同時使用する。
【0030】
芳香族ポリエステルカーボネートの製造に好適な連鎖停止剤としては、前述のモノフェノール以外に、そのクロロ炭酸エステルやモノカルボン酸の酸クロライド(これらはC1〜C22アルキル基またはハロゲン原子で任意に置換されていてよい。)のみならず、脂肪族C2〜C22モノカルボン酸クロライドも包含する。
【0031】
連鎖停止剤の量は、好ましくは、フェノール系連鎖停止剤の場合は、ジフェノールの各モル数に対して、そしてモノカルボン酸クロライド系連鎖停止剤の場合は、ジカルボン酸ジクロライドの各モル数に対して、それぞれ0.1〜10モル%である。
【0032】
芳香族ポリエステルカーボネートは、組み込まれた芳香族ヒドロキシカルボン酸を含有していてもよい。
【0033】
芳香族ポリエステルカーボネートは、直鎖であっても、自体公知の方法で枝分かれされていてもよく、このことは、関連する参考文献である独国特許出願公開第A2940024号明細書および同第A3007934号明細書に記載されている。
【0034】
枝分かれ剤として、例えば、トリメシン酸トリクロライド、シアヌール酸トリクロライド、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラクロライド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラクロライドまたはピロメリット酸テトラクロライドなどの3官能以上のカルボン酸クロライドを、(用いられるジカルボン酸ジクロライドに対して)0.01〜1.0モル%の量で使用しても、あるいはフロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,4−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)−シクロヘキシル]−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)−フェノール、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,6−ビス−(2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンジル)−4−メチル−フェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−プロパン、テトラ−(4−[4−ヒドロキシフェニル−イソ−プロピル]−フェノキシ)−メタン、1,4−ビス[4,4’−ジヒドロキシトリフェニル)−メチル]−ベンゼンなどの3官能以上のフェノールを、用いられるジフェノールに対して0.01〜1.0モル%の量で使用してもよい。フェノール系枝分かれ剤は、ジフェノールと合わせて添加されてもよく、他方、酸クライド系枝分かれ剤は、酸ジクロライドと合わせて添加されてもよい。
【0035】
カーボネート構造単位の割合は、熱可塑性芳香族ポリエステルカーボネート中での所望により変化してよい。カーボネート基の割合は、エステル基およびカーボネート基の合計に対して、好ましくは100モル%まで、特に80モル%まで、特に好ましくは50モル%までである。芳香族ポリエステルカーボネートのエステルフラクションとカーボネートフラクションの両者は、重縮合物中にブロック形態で含まれていても、または統計的に分布されていてもよい。
【0036】
芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートの相対溶液粘度(ηrel.)は、塩化メチレン100mL中ポリカーボネートまたはポリエステルカーボネート0.5gの溶液において25℃で測定され、1.18〜1.4、好ましくは1.2〜1.3である。
【0037】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートは、単独でまたは互いの任意の混合物で使用され得る。
【0038】
成分B
本発明で使用され得るグラフトポリマーBは、例えば、ゴム−弾性を有するグラフトポリマーを包含する。これは、一般には、クロロプレン、ブタジエン−1,3、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、およびアルコール成分中に炭素原子1〜18個を有する(メタ)アクリル酸エステル等のモノマーのうち少なくとも2種から生成されるもの、すなわち「メトーデン・デル・オルガニッシェン・ヘミー(Methoden der Organischen Chemie)(ホウベン−ヴェイル(Houben−Weyl)著)、第14/1巻、ゲオルグ・ティエメ−フェルラーク、シュトゥットガルト1961年、393〜406頁、およびシー・ビー・バックノール(C.B.Bucknall)著「タフンド・プラスティクス(Toughened Plastics)」、アプル・サイエンス・パブリッシャーズ(Appl. Science Publishers)、ロンドン1977年に記載されているようなポリマーである。好ましいポリマーCは、部分架橋されており、そしてそのゲル含量は20重量%を超え、好ましくは40重量%を超え、特に60重量%を超える。
【0039】
特に、成分Bは、
B.1 少なくとも1種のビニルモノマー5〜95重量%、好ましくは30〜90重量%の、
B.2 ガラス転移温度10℃未満、好ましくは0℃未満、特に好ましくは−20℃未満の1種以上のグラフトベース95〜5重量%、好ましくは70〜10重量%への
グラフトポリマーを1種以上含有する。
【0040】
グラフトベースB.2の平均粒径(d50値)は、一般には0.05〜5μm、好ましくは0.10〜0.6μm、特に好ましくは0.1〜0.5μm、最も好ましくは0.20〜0.40μmである。
【0041】
モノマーB.1は、好ましくは、
B.1.1 ビニル芳香族化合物および/または核置換ビニル芳香族化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン)および/またはメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステル50〜99重量部と、
B.1.2 ビニルシアニド(アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル)および/または(メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレートなどの)(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステルおよび/または不飽和カルボン酸の(無水物およびイミドなどの)誘導体(例えば、無水マレイン酸およびN−フェニルマレイミド)1〜50重量部と
の混合物である。
【0042】
好ましいモノマーB.1.1は、モノマー:スチレン、α−メチルスチレンおよびメチルメタクリレートのうち少なくとも1種から選択され、そして好ましいモノマーB.1.2は、モノマー:アクリロニトリル、無水マレイン酸およびメチルメタクリレートのうち少なくとも1種から選択される。
【0043】
特に好ましいモノマーは、スチレン(B.1.1)およびアクリロニトリル(B.1.2)である。
【0044】
グラフトポリマーBに好適なグラフトベースB.2は、例えば、ジエンゴム、EP(D)Mゴム、すなわちエチレン/プロピレンおよび任意にジエンをベースとするもの、並びにアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、クロロプレンおよびエチレン/酢酸ビニルゴムである。
【0045】
好ましいグラフトベースB.2は、成分B.2のガラス転移温度が10℃未満、好ましくは0℃未満、特に好ましくは−10℃未満であれば、(例えば、ブタジエンをベースとする)ジエンゴムまたはジエンゴムの混合物、あるいはジエンゴムのコポリマーまたはジエンゴムと(B.1.1およびB.1.2に記載の)別の共重合性モノマーとのコポリマーである。
【0046】
純粋なポリブタジエンゴムが特に好ましい。
【0047】
特に好ましいポリマーBは、例えば独国特許出願公開第A2035390号明細書または同第A2248242号明細書またはウルマン(Ulmann)著、エンジクロペディ・デル・テクニッシェン・ヘミー(Enzyklopadie der Technischen Chemie)、第19巻(1980年)、280頁以降に記載されているようなABSポリマー(エマルション、塊および懸濁ABS)を包含する。グラフトベースB.2のゲル含量は、好ましくは少なくとも30重量%、特に少なくとも40重量%である(トルエン中での測定)。
【0048】
グラフトコポリマーBは、遊離基重合、例えば、エマルション重合、懸濁重合、溶液重合または塊重合により、好ましくはエマルション重合または塊重合により製造される。
【0049】
特に好適なグラフトゴムは、米国特許第A4937285号明細書に記載の、有機ヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドまたはt−ブチルヒドロペルオキシドから成る開始剤系およびアスコルビン酸を含むレドックス開始剤により製造されるABSポリマーである。
【0050】
グラフト反応ではグラフトモノマーが、公知のように必ずしもグラフトベースに完全にグラフト化されないため、本発明では、グラフトポリマーBは、グラフトベースの存在下でのグラフトモノマーの(共)重合により得られかつ精製段階において含まれている生成物を包含するとも考えられる。
【0051】
ポリマーBのB.2の好適なアクリレートゴムは、好ましくは、他の重合性エチレン性不飽和モノマーをB.2に対して40重量%まで任意に含むアクリル酸アルキルエステルのポリマーである。好ましい重合性アクリル酸エステルは、C1〜C8アルキルエステル(例えば、メチル、エチル、ブチル、n−オクチルおよび2−エチルヘキシルエステル)、ハロゲン化アルキルエステル、好ましくはクロロエチルアクリレートなどのハロゲン−C1〜C8−アルキルエステル、そして前記モノマーの混合物を包含する。
【0052】
架橋のために、1種以上の重合性二重結合を有するモノマーを共重合してもよい。架橋性モノマーの好ましい例は、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレートなどの、炭素原子を3〜8個有する不飽和モノカルボン酸と、炭素原子を3〜12個有する不飽和1価アルコールまたはOH基を2〜4個および炭素原子を2〜20個有する不飽和ポリオールとのエステル;トリビニルシアヌレートおよびトリアリルシアヌレートなどの多重不飽和複素環式化合物;ジビニルベンゼンおよびトリビニルベンゼンなどの多官能ビニル化合物;およびトリアリルホスフェートおよびジアリルフタレートである。
【0053】
好ましい架橋性モノマーは、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、および少なくとも3個のエチレン性不飽和基を含有する複素環式化合物である。
【0054】
特に好ましい架橋性モノマーは、環状モノマー・トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリロヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリルベンゼンである。架橋性モノマーの量は、グラフトベースB.2に対して好ましくは0.02〜5重量%、特に0.05〜2重量%である。
【0055】
少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有する環式架橋性モノマーの場合、グラフトベースB.2を1重量%未満の量に制限することが有利である。
【0056】
アクリル酸エステルに加えて、グラフトベースB.2の製造のために任意に供給され得る好ましい「他の」重合性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ビニル−C1−C6−アルキルエーテル、メチルメタクリレートおよびブタジエンが包含される。グラフトベースB.2として好ましいアクリレートゴムは、少なくとも60重量%のゲル含量を有するエマルションポリマーである。
【0057】
B.2に関して更に好適なグラフトベースは、例えば、独国特許出願公開第A3704657号明細書、同第A3704655号明細書、同第A3631540号明細書および同第A3631539号明細書に記載されているような、グラフト活性部位を有するシリコーンゴムを包含する。
【0058】
グラフトベースB.2のゲル含量は、25℃において好適な溶媒中で求められる(エム・ホフマン(M. Hoffmann)、エイチ・クレマー(H. Kromer)、アール・クーン(R. Kuhn)著、ポリマーアナリティーク(Polymeranalytik)IアンドII、ゲオルグ・ティエメ・フェルラーク、シュトゥットガルト1977年)。
【0059】
平均粒径d50は、含まれる粒子のうち50重量%がそれを超え、および残りの50重量%がそれ未満の直径であり、これは超遠心分離測定により求められる(ダブリュー・ショルタン(W. Sholtan)、エイチ・ランゲ(H. Lange)著、コロイド・ツァイシュリフト・ウンドツァイシュリフト・フューア・ポリメレ(Kolloid, Z. und Z. Polymere)250(1972年)、782〜1796頁)。
【0060】
成分C
成分Cは、1種以上の熱可塑性ビニル(コ)ポリマーC.1および/またはポリアルキレンテレフタレートC.2を包含する。
【0061】
ビニル(コ)ポリマーC.1として好適なのは、ビニル芳香族化合物、ビニルシアニド(不飽和ニトリル)、(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステル、不飽和カルボン酸、並びに不飽和カルボン酸の(無水物およびイミドなどの)誘導体から成る群のうち少なくとも1種のモノマーから生成されるポリマーである。特に好適なものは、
C.1.1 例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンなどの、ビニル芳香族化合物および/または核置換ビニル芳香族化合物、および/またはメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステル50〜99重量%、好ましくは60〜80重量%と
C.1.2 アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどのビニルシアニド(不飽和ニトリル)および/または(メタ)アクリル酸−(C1〜C8)−アルキルエステル(例えば、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート)および/または不飽和カルボン酸(マレイン酸など)および/または不飽和カルボン酸の(無水物およびイミドなどの)誘導体(例えば、無水マレイン酸およびN−フェニルマレイミド)1〜50重量%、好ましくは20〜40重量%と
の(コ)ポリマーである。
【0062】
(コ)ポリマーC.1は、樹脂様で、熱可塑性であり、しかもゴムを含まない。
【0063】
スチレン(C.1.1)とアクリロニトリル(C.1.2)から形成されるコポリマーが特に好ましい。
【0064】
C.1の(コ)ポリマーは公知であり、しかも遊離基重合、特にエマルション重合、懸濁重合、溶液重合または塊重合により製造され得る。(コ)ポリマーの分子量Mw(光散乱または沈降法により求められる重量平均分子量)は、好ましくは15,000〜200,000の間である。
【0065】
成分C.2のポリアルキレンテレフタレートは、ジメチルエステルまたは無水物のような芳香族ジカルボン酸またはその反応性誘導体と脂肪族、脂環式またはアラリファティックジオールとの反応生成物、および前記反応生成物の混合物である。
【0066】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸基をジカルボン酸成分に対して少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、およびエチレングリコール基および/またはブタンジオール−1,4基をジオール成分に対して少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%含有する。
【0067】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸エステルに加えて、炭素数8〜14の他の芳香族または脂環式ジカルボン酸の基、または炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸の基20モル%まで、好ましくは10モル%までを含有していてよく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸およびシクロヘキサン二酢酸の基のなどが挙げられる。
【0068】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、エチレングリコール基および/またはブタンジオール−1,4基以外に、炭素数3〜12の他の脂肪族ジオールまたは炭素数6〜21の脂環式ジオールを20モル%まで、好ましくは10モル%まで含有していてよく、例えば、プロパンジオール−1,3、2−エチルプロパンジオール−1,3、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、シクロヘキサンジメタノール−1,4、3−エチルペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3、2−エチルヘキサンジオール−1,3、2,2−ジエチルプロパンジオール−1,3、ヘキサンジオール−2,5、1,4−ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロブタン、2,2−ビス−(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパンが挙げられる(独国特許出願公開第A2407674号明細書、同第A2407776号明細書、同第A2715932号明細書)。
【0069】
ポリアルキレンテレフタレートは、例えば、独国特許出願公開第A1900270号明細書および米国特許第3692744号明細書に記載のように、比較的少量の3価または4価アルコールまたは4塩基性カルボン酸を組み込む事によって枝分かれされてよい。好ましい枝分かれ剤の例としては、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロールエタンおよびトリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールを包含する。
【0070】
特に好ましいのは、テレフタル酸およびその反応性誘導体(例えば、そのジアルキルエステル)とエチレングリコールおよび/またはブタンジオール−1,4のみから製造されたポリアルキレンテレフタレート、および前記ポリアルキレンテレフタレートの混合物である。
【0071】
ポリアルキレンテレフタレートの混合物は、ポリエチレンテレフタレートを1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、およびポリブチレンテレフタレートを50〜99重量%、好ましくは70〜99重量%含有する。
【0072】
好ましく使用されるポリアルキレンテレフタレートの固有粘度は、一般に、0.4〜1.5dL/g、好ましくは0.5〜1.2dL/gであり、これはフェノール/o−ジクロロベンゼン(重量部比1:1)中、25℃においてウベローデ粘度計で測定される。
【0073】
ポリアルキレンテレフタレートは、自体公知の方法により製造され得る(例えば、クンシュトストッフ−ハンドブッフ(Kunststoff−Handbuch)、第VIII巻、695頁以降、カール−ハンサー−フェルラーク、ミュンヘン1973年を参照のこと)。
【0074】
成分D
本発明の組成物は、難燃剤として式(I)のリン化合物を含有する。
【化8】
(式中の基は、前記と同じ意味を表す。)
【0075】
本発明の好適なリン化合物(成分D)は一般に公知である(例えば、ウルマンズ・エンジクロペディ・デル・テクニッシェン・ヘミー、第18巻、301頁以降、1979年;ホウベン−ヴェイル著、メトーデン・デル・オルガニッシェン・ヘミー、第12/1巻、43頁;バイルシュタイン(Beilstein)、第6巻、177頁)。
【0076】
好ましい置換基R1〜R4は、メチル、ブチル、オクチル、クロロエチル、2−クロロプロピル、2,3−ジブロモプロピル、フェニル、クレジル、クミル、ナフチル、クロロフェニル、ブロモフェニル、ペンタクロロフェニルおよびペンタブロモフェニルを包含する。メチル、エチル、ブチル、フェニルおよびナフチルが特に好ましい。
【0077】
芳香族基R1、R2、R3およびR4は、ハロゲンンおよび/またはC1〜C4アルキルで置換されていてよい。特に好ましいアリール基は、クレジル、フェニル、キシレニル、プロピルフェニルまたはブチルフェニル、並びにそれらの臭素化および塩素化誘導体である。
【0078】
R5およびR6は、互いに独立して、好ましくはメチルまたは臭素を表す。
【0079】
Yはイソプロピリデンを表す。
【0080】
式(I)中のnは、互いに独立して、0または1であってよく、好ましくは1に等しい。
【0081】
qは、0、1、2、3または4であってよく、好ましくは0、1または2である。
【0082】
Nは、0.1〜5までの数をとり、好ましくは0.9〜2.5、特に1〜1.5であり得る。
【0083】
本発明の成分Dとして、種々のホスフェートの混合物も使用され得る。この場合、Nは平均値である。この混合物は、IPPとは異なるモノリン化合物も含有し、好ましくはトリフェニルホスフェートおよびトリクレジルホスフェートなどが挙げられる。
【0084】
平均N値は、ホスフェート混合物の組成(分子量分布)を好適な方法(ガスクロマトグラフィー(GC)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC))によって確定した後、それから平均N値を計算することによって求められる。
【0085】
本発明で用いられるリン化合物の本質的な特徴は、イソプロペニルフェニルホスフェート(IPP)を1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に0.2重量%未満の量で含むことである。イソプロペニルフェニルホスフェート(IPP)は、式(I)のオリゴホスフェートの合成における分解生成物として、特定の条件(高温、長い反応容器滞留時間)下で形成される。本発明で用いられるリン化合物の製造では、文献公知の前述の方法に従って、好適な反応条件(例えば、比較的低い温度、反応容器内での短い滞留時間、好適な触媒)を維持することにより、IPP含量が前記値を超えないことを確保するように注意しなければならない。あるいは、用いられるリン化合物のイソプロペニルフェニルホスフェート含量は、前記リン化合物を難燃剤として使用する前に、適当な精製および/または分離方法(例えば、クロマトグラフィーまたは好適な溶媒による抽出)によって1重量%未満の値まで低下させなければならない。
【0086】
成分E
フッ素化ポリオレフィンは、更なる成分として添加され得る。
【0087】
フッ素化ポリオレフィンEは、高分子量化合物であり、しかも−30℃を超え、一般には100℃を超えるガラス転移温度を有し、フッ素含量は、好ましくは65〜76重量%、特に70〜76重量%であり、そして平均粒径d50は、0.05〜1,000μm、好ましくは0.08〜20μmである。一般に、フッ素化ポリオレフィンEの密度は1.2〜2.3g/cm3である。好ましいフッ素化オレフィンEとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマーおよびエチレン/テトラフルオロエチレンコポリマーを包含する。フッ素化ポリオレフィンは公知である(シルトクネヒト(Shildknecht)著「ビニル・アンド・リレイテッド・ポリマーズ(Vinyl and Related Polymers)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド、ニューヨーク、1962年、484〜494頁;ウォール(Wall)著「フルオロポリマーズ(Fluoropolymers)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド、ニューヨーク、第13巻、1970年、623〜654頁;「モダーン・プラスティクス・エンサイクロペディア(Modern Plastics Encyclopedia)」、1970〜1971年、第47巻、第10A、1970年10月、マグロー−ヒル・インコーポレイテッド、ニューヨーク、134頁および774頁;「モダーン・プラスティクス。エンサイクロペディア」、1975〜1976年、1975年10月、第52巻、第10A、マグロー−ヒル・インコーポレイテッド、ニューヨーク、27頁、28頁および472頁、並びに米国特許第3671487号明細書、同第3723373号明細書および同第3838092号明細書を参照のこと)。
【0088】
ポリオレフィンEは、自体公知の方法、例えば、米国特許第2393967号明細書に記載されているような、遊離基形成触媒(例えば、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムオエルオキシジスルフェート)を用い、圧力7〜71kg/cm2および0〜200℃の温度、好ましくは20〜100℃の温度におけるテトラフルオロエチレンの水性媒体中での重合により製造され得る。用いられる形態に依存して、前記材料の密度は1.2〜2.3g/cm3の間であってよく、そして平均粒径は0.5〜1,000μmの間であってよい。
【0089】
本発明の好ましいフッ素化ポリオレフィンEは、平均粒径0.05〜20μm、好ましくは0.08〜10μmおよび密度1.2〜1.9g/cm3を有するテトラフルオロエチレンポリマーを包含し、テトラフルオロエチレンポリマーEのエマルションとグラフトポリマーBのエマルションとの凝集混合物の形態で好ましく使用される。好適なテトラフルオロエチレンポリマーエマルションは、市販の生成物であって、例えば、デュポン(DuPont)からテフロン( 登録商標 )30Nとして入手可能である。
【0090】
粉末の形態で使用され得る好適なフッ素化ポリオレフィンEは、平均粒径100〜1,000μmおよび密度2.0g/cm3〜2.3g/cm3を有するテトラフルオロエチレンポリマーを包含し、デュポンからテフロンとして、そしてダイネオン・ゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング(Dyneon GmbH、ブルクキルキルヘン、独国)から商品名Hostaflon( 登録商標 )PTFEとして入手可能である。
【0091】
本発明の組成物は、潤滑剤および離型剤(例えば、ペンエリスリトールテトラステアレート)、核形成剤、帯電防止剤、安定化剤、フィラーおよび強化剤並びに染料および顔料などの通常使用される添加物のうち少なくとも1種を含有していてよい。
【0092】
本発明のポリカーボネート組成物は、平均粒径200nm未満の非常に微細な粒状無機化合物を0〜50重量%更に含有していてよい。このような非常に微細な粒状無機化合物は、例えば、米国特許第5849827号明細書に記載されている。
【0093】
フィラーおよび/または強化剤を含有する組成物は、フィラーおよび/または強化剤を、フィラー含有組成物および/または強化組成物に対して60重量%まで、好ましくは10〜40重量%含有していてよい。好ましい強化剤は、ガラス繊維である。好ましいフィラーは、強化作用も発揮できるものであり、ガラス球体、マイカ、珪酸塩、石英、タルク、二酸化チタンおよび珪灰石が挙げられる。
【0094】
本発明の組成物は、更に任意に共同作用する難燃剤を、組成物全体に対して35重量%まで含有していてよい。例として挙げられる更なる難燃剤としては、デカブロモビスフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールなどの有機ハロゲン化物;臭化アンモニウムなどの無機ハロゲン化物;メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂などの窒素化合物;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの無機水酸化物;酸化アンチモン、メタホウ酸バリウム、ヒドロキソアンチモネート、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、メタホウ酸バリウム、タルク、珪酸塩、二酸化珪素および酸化錫などの無機化合物;並びにシロキサン化合物を包含する。IPP、オリゴマー性ホスフェート化合物またはこれらの混合物以外のモノホスフェート化合物を、難燃剤として更に使用してもよい。このようなホスフェート化合物は、欧州特許出願公開第A0363608号明細書、同第A0345522号明細書および独国特許出願公開第A19721628号明細書に記載されている。
【0095】
成分A〜Eおよび任意に別の公知の添加物(例えば、安定化剤、染料、顔料、潤滑剤および離型剤、核形成剤、並びに帯電防止剤、フィラーおよび強化剤)を含有するを含有する本発明の組成物は、関連する組成を自体公知の方法で混合し、それを内部ニーダー、押出機および二軸スクリュー装置などの汎用の装置内で200℃〜300℃までの温度で溶融混合(melt compounding)および溶融押出しすることにより製造される。前記成分Eは、好ましくは前述の凝集混合物の形態で使用される。
【0096】
個々の組成の混合は、公知の方法で、連続して、そして更には同時に、特に約20℃(室温)以上の温度で行われてよい。
【0097】
この優れた難燃性、特に短い後燃焼時間と、その良好な機械特性および高い耐熱性のために、本発明の熱可塑性組成物は、あらゆるタイプの成形品、特に(前記組成物が長期間の熱応力に付されたときに)機械特性に関する厳しい要件を満足しなければならない成形品の製造に適している。
【0098】
本発明の組成物は、あらゆるタイプの成形品を製造するのに使用され得る。特に、成形品は、射出成形により製造され得る。製造され得る成形品の例としては、例えば、ジューサー(juice presses)、コーヒーメーカー、ミキサーなどの家庭用器具やモニター、プリンター、コピー機などの事務用機器のためのあらゆるタイプのハウジング部品、または建築分野におけるカバープレート、並びに自動車産業における部品が包含される。前記組成物は、良好な電気特性を有するので、電気工学分野でも使用できる。
【0099】
更に、本発明の組成物は、例えば、以下の成形品および/または成形部品を製造するのに使用され得る。
軌道誘導型乗物のための解体可能な内装部品、ホイールキャップ(wheelcaps)、小さな変圧器を含む電気装置用のハウジング、情報伝達および伝送用装置のためのハウジング、医療目的のためのハウジングおよび衣類、通信装置およびそのためのハウジング、子供用のおもちゃの乗物、平面的な壁部材、安全装置用のハウジング、リアスポイラー、断熱輸送容器、小動物の飼育または世話のための装置、サニタリー用および浴室備品用の成形品、排気口のための被覆格子、庭の納屋および備品小屋のための成形部品、および園芸備品用のハウジング。
【0100】
別の加工応用は、予め製造されたシートまたはフィルムからの熱形成による成形品の製造である。
【0101】
本発明を、以降の実施例により、更に詳細に説明する。
【0102】
実施例
成分A
相対溶液粘度が1.255であるビスフェノールAをベースとするポリカーボネート。相対溶液粘度は、塩化メチレン中、25℃において0.5g/100mLの濃度で測定したもの。
【0103】
成分B
エマルション重合により製造された、スチレンとアクリロニトリルの比73:27のコポリマー40重量%の、粒状の架橋ポリブタジエンゴム(平均粒径d50=0.34μm)60重量%へのグラフトポリマー。
【0104】
成分C
スチレン/アクリロニトリル比72:28および固有粘度(ジメチルホルムアミド中20℃で測定されたもの)0.55dL/gのスチレン/アクリロニトリルコポリマー。
【0105】
成分D
【化9】
D1 N=1.1;IPP含量:0.1重量%
D2 N=1.1;IPP含量:9.0重量%
【0106】
平均N値を求めるために、モノマー性ホスフェートとオリゴマー性ホスフェートの割合を先ず最初にHPLC測定により求める。
カラム種: LiChrosorpRP−8
グラジエントを付けた溶離剤:アセトニトリル/水50:50〜100:0
濃度: 5mg/mL
【0107】
次いで、数値化された重量平均値を、個々の成分のフラクション(モノホスフェートおよびオリゴホスフェート)から公知の方法で算出する。
【0108】
オリゴホスフェートのIPP含量も、前記HPLC測定法により求めた。
【0109】
成分E
成分BのSANグラフトポリマー水中エマルションとテトラフルオロエチレンポリマーの水中エマルションとの凝集混合物の形態のテトラフルオロエチレンポリマー。前記混合物中のグラフトポリマーBとテトラフルオロエチレンポリマーEとの重量比は90重量%対10重量%である。テトラフルオロエチレンポリマーエマルションは、固形分60重量%であり、そして平均粒径が0.05〜0.5μmの間である。SANグラフトポリマーエマルションは、固形分34重量%であり、そして平均ラテックス粒径0.34μmである。
【0110】
成分Eを調製するために、テトラフルオロエチレンポリマー(デュポン製テフロン( 登録商標 )30N)のエマルションを、SANグラフトポリマーBのエマルションと混合して、ポリマー固形分に対して1.8重量%のフェノール性酸化防止剤を用いて安定化する。この混合物を85〜95℃において、MgSO4(エプソム塩)の水溶液と酢酸を用いてpH4〜5で凝集し、電解質が無くなるまで濾過および洗浄した後、凝集によって水をほぼ遊離させ、最後に100℃で乾燥させて粉末を形成する。その後、この粉末は、前述の装置内で別の成分と混合されてもよい。
【0111】
本発明の組成物の調製および試験
前記成分と汎用の加工補助物質との混合は、3リットル容量の内部ニーダーで行う。Arburg270E型射出成形機において260℃で成形品を製造する。
【0112】
VicatB耐熱性の決定は、DIN53 460に準拠して、寸法80×10×4mmのロッド上で行う。
【0113】
ノッチ付きバー衝撃強度akの決定は、ISO180/1Aに準拠して行う。
【0114】
難燃性は、UL94Vに準拠して求める。
【0115】
黄変傾向を求めるために、(260℃で製造した)寸法60×40×2mmの試験片(test bodies)を循環空気キャビネット内に100℃で24時間貯蔵し、次いで目視評価する。
【0116】
【表1】
【表2】
+=熱エージング後、変化なし。
−=熱エージング後、かなり黄変した。
*PETS−ペンタエリスリトールテトラステアレート
【0117】
上記表から、IPP含量0.1重量%を有する本発明の組成物2は、IPP含量9重量%の比較例1の組成物よりもかなり高いノッチ付きバー衝撃強度(ak)、改良された耐熱性(VicatB)、より短い後燃焼時間(UL−94)のみならず、熱エージング中の低い黄変傾向を示すことが分かる。
Claims (14)
- 式(I):
のリン化合物を含有するポリカーボネート組成物であって、用いられる該リン化合物の重量に対して約1重量%未満のイソプロピニルフェニルホスフェート含量を有するポリカーボネート組成物。 - イソプロピニルフェニルホスフェート含量が、用いられる前記リン化合物の重量に対して0.5重量%未満である請求項1記載の組成物。
- イソプロピニルフェニルホスフェート含量が、用いられる前記リン化合物の重量に対して0.2重量%未満である請求項1記載の組成物。
- リン化合物(I)またはリン化合物(I)の混合物を0.5〜20重量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- グラフトポリマーを0.5〜60重量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 成分B)として、
B.1 少なくとも1種のビニルモノマー5〜95重量%の、
B.2 ガラス転移温度10℃未満の1種以上のグラフトベース95〜5重量%への
グラフトポリマー1種以上を含有する請求項1〜6記載の組成物。 - ビニルモノマーB.1が、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンおよび(メタ)アクリル酸C1〜C8アルキルエステルから成る群のうち少なくとも1種のモノマーB.1.1、およびビニルシアニド、(メタ)アクリル酸C1〜C8アルキルエステルおよび不飽和カルボン酸の誘導体から成る群のうち少なくとも1種のモノマーB.1.2から選択され、およびB.2が、ジエンゴム、EP(D)Mゴムおよびアクリレートゴムから成る群より選択される請求項7記載の組成物。
- ビニルモノマーB.1が、スチレンおよびアクリロニトリルであり、およびB.2が、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートまたはそれらの混合物から選択されるコモノマーを(前記ゴムに対して)30重量%まで含有し得るポリブタジエンである請求項7記載の組成物。
- 安定化剤、顔料、離型剤、流動補助剤および/または帯電防止剤、フィラーおよび強化剤から成る群のうち少なくとも1種の添加物を含有する請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の組成物から得られる成形物品。
- リン化合物がイソプロペニルフェニルホスフェートを、用いられる該リン化合物の重量に対して0.5重量%未満の量で含有する請求項12記載の使用。
- リン化合物がイソプロペニルフェニルホスフェートを、用いられる該リン化合物の重量に対して0.2重量%未満の量で含有する請求項12記載の使用。
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