JP3073169B2 - 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JP3073169B2
JP3073169B2 JP3532297A JP3532297A JP3073169B2 JP 3073169 B2 JP3073169 B2 JP 3073169B2 JP 3532297 A JP3532297 A JP 3532297A JP 3532297 A JP3532297 A JP 3532297A JP 3073169 B2 JP3073169 B2 JP 3073169B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
resin
parts
phosphate
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3532297A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10237291A (ja
Inventor
リー・キュ・チェル
ヤン・サム・ジュー
ジャン・ボク・ナム
Original Assignee
第一毛織株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 第一毛織株式会社 filed Critical 第一毛織株式会社
Priority to JP3532297A priority Critical patent/JP3073169B2/ja
Publication of JPH10237291A publication Critical patent/JPH10237291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3073169B2 publication Critical patent/JP3073169B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性を有する熱可
塑性樹脂組成物に関するものである。より具体的に本発
明は、ハロゲンを含まない熱可塑性ポリカーボネート樹
脂とコア−シェル(core-shell)構造を有するABS(acrylo
nile/butadiene/stryrene)樹脂とからなる基礎樹脂、 ホ
スフェート組成物、 およびパーフルオロアルカン重合体
とからなる難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その樹脂
組成物の各々の用途により無機物添加剤、熱安定剤、酸
化防止剤、染料、および/または顔料が必要な量で加え
られる。
【0003】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂成形体は、透明
性、耐衝撃性及び耐熱性が優れ、電気電子製品及び自動
車の部品などに多用されている。しかし、ポリカーボネ
ート樹脂成形体は加工性が良くないため、他の樹脂と混
合して用いられている。例えば、ポリカーボネート樹脂
とスチレン系樹脂の混合物は、高いノッチ(notch) 衝撃
強度を有し、加工性を向上させた樹脂混合物である。
【0004】さらに、、家庭用品やコンピュータのハウ
ジング材に使用されるポリカーボネート樹脂組成物に要
求される他の必須的な要件は、その樹脂が難燃性を有す
べき点である。
【0005】樹脂組成物に難燃性を与える技術は今まで
多くの研究が進められており、そのうち、ポリカーボネ
ート樹脂にハロゲン化合物とアンチモン化合物を溶融混
合して樹脂組成物に難燃性を与える方法が用いられてい
る。
【0006】米国特許第4 、983、658号及び4 、883、835号
には、ポリカーボネート樹脂にハロゲン化合物とリン酸
エステル系化合物を難燃剤として用いたし、ポリテトラ
フルオロエチレンの流液をグラフトABS 樹脂と混合して
難燃性を与えた樹脂組成物を開示している。しかし、こ
うしたハロゲン化合物は火事の時に難燃の機能は充分に
発揮されるが、樹脂の加工中に分解ガスが生じて金型に
腐食を起こすのみならず、ブロモ(bromo)化合物である
ブロモ化ジフォニルエーテルを用いる場合にはジオキシ
ンや、またはジフランのような人体に致命的な害を与え
られる有毒ガスが生ずる可能性が高い。
【0007】また、米国特許第4 、692、488号では、ハロ
ゲン非含有ポリカーボネート、スチレンと( メタ) クリ
ロニトリルとのハロゲン非含有共重合体、ハロゲン非含
有リン化合物、テトラフルオロエチレン重合体、及びAB
S グラフト重合体から成された組成物を開示している。
【0008】前記の米国特許でポリカーボネート/ABS樹
脂組成物に難燃性を与えるためのリン化合物とパーフロ
オロアウルカン重合体は、燃焼の時、滴下(dripping)を
防止する役割をする。
【0009】この樹脂組成物は、難燃性は充分に有する
が、成形時の表面にクラック(crack) が生じるジューシ
ング(juicing) 現象が発生し、これにより樹脂組成物の
物性が低下する。
【0010】米国特許第5,204,394 号は、芳香族ポリカ
ーボネート、スチレン含有共重合体および/ またはスチ
レン含有グラフト共重合体にジューシング(juicing)現
象を防止するためホスフェートオリゴマーまたはホスフ
ェートオリゴマー混合物を難燃剤として用いる樹脂組成
物を開示している。前記の米国特許で用いられたリン化
合物としては、トリアリールホスフェートおよびホスフ
ェートオリゴマーがある。トリアリールホスフェートを
ポリカーボネート樹脂に用いる場合には、加工中に応力
を多く受けられるところから、気化された難燃剤が、層
を形成してジューシング(juicing) 現象を発生させる可
能性が高い。また、トリアリールホスフェートの使用は
ポリカーボネート樹脂の耐熱性を低下させる問題点があ
る。ホスフェートオリゴマーをポリカーボネート樹脂に
用いる場合には、ジューシング(juicing)現象が生じな
いが成形品の外観が良好ではない。またトリアリールホ
スフェートを用いる場合より同一含量を適用すると難燃
性が低下する短所がある。
【0011】前述した米国特許では、基礎樹脂としてポ
リカーボネート樹脂とSAN(styrene/acrylonitrile)共重
合体樹脂を用いる、これにg-ABS(graft-acrylonitrile/
butadiene/styrene)樹脂を溶融混合した樹脂を用いる。
しかし、これら基礎樹脂は加工条件によってグラフトさ
れたゴム粒子がSAN 相(SAN phase) に凝集される現象が
生ずることを見出した。即ち、樹脂の加工条件によって
g-ABS 樹脂は、常用親和性の一層良いグラフトされない
SAN 樹脂に主に凝集される可能性が極めて高く、SAN 樹
脂は、ポリカーボネート樹脂と常用性を有しないため加
工中に相分離が発生する。従って、グラフトされたゴム
粒子が樹脂全体に均一に分布されず、親和力のさらに良
いSAN 樹脂に集中的に集まる現象が生ずる。このように
グラフトされたゴム粒子が、SAN 相に集まる現象は樹脂
の物性偏差を酷く生じさせる原因となる。特に、このよ
うな現象は押出時の充分な混練がなされたポリカーボネ
ート系の樹脂組成物を射出させる場合、射出による熱履
歴を受けて混合された樹脂の親和力の差により起因する
ものと判断される。
【0012】前記のような問題点を解決するため、本発
明者らは、大韓民国の特許出願第95-4542 号( 米国特許
出願第08/449,521号) で、熱可塑性ポリカーボネート樹
脂とスチレン含有グラフト共重合体樹脂とからなる基礎
樹脂にホスフェート組成物とパーフルオロアルカン重合
体とからなる熱可塑性樹脂組成物を開示している。
【0013】前記の特許出願の第95ー4542 号の樹脂組成
物は、基礎樹脂を構成するスチレンー含有グラフト共重
合体樹脂を変形させることで、ジューシング(juicing)
現象が発生しなく、加工条件によって物性の偏差を発生
させないし、加工性と融合線(Weld Line) 強度が優れた
難燃性の樹脂組成物に関するものである。
【0014】前記の特許出願の第95ー4542 号に引き続
き、本発明者は、前記スチレン含有グラフト共重合体樹
脂の代わりに、即ち、ブタジエンゴムにメタクリル酸メ
チル、ブチルアクリルレイト、およびスチレンをグラフ
トさせた共重合体樹脂を用いてホスフェート組成物とパ
ーフルオロアルカン重合体を適用させることでグラフト
されたゴム粒子が凝集ず、ゴム粒子が均一に分布する樹
脂組成物について大韓民国の特許出願第95-24618号を出
願した。
【0015】前記の特許出願と同一な目的を有する本発
明の樹脂組成物は、前記のグラフト共重合体樹脂の代わ
りにコア−シェル(core-shell)構造を有するABS 樹脂を
用いることでグラフトされたゴム粒子が凝集されなく、
衝撃強度が良好であることが明らかになった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
カーボネートとコア−シェル(core-shell)構造を有する
ABS 樹脂とからなる基礎樹脂にホスフェート組成物とパ
ーフルオロアルカン重合体を用いることで、ジューシン
グ現象が生じなく加工性が良好であり、加工の過程中に
物性偏差が生じない難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物
を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、ポリカーボネートと
コア−シェル構造を有するABS 樹脂とからなる基礎樹脂
にホスフェート組成物とパーフルオロアルカン重合体を
用いることで、樹脂の粒子が均一に分布された難燃性の
熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0018】本発明のさらに他の目的は、成形品の厚さ
と関係なく、衝撃強度が優れた難燃性の熱可塑性樹脂組
成物を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、(A)(1)ハロゲンを含まない熱可塑性ポリカーボ
ネート樹脂80〜96重量% ;および(2) ブタジエンゴム45
〜60重量% にスチレン45〜25重量% とアクリロニトリル
10〜15重量% をグラフトさせたもので、コア−シェル構
造を有し、そのグラフト率が40% 以上であるABS 樹脂4
〜20重量% とからなる100 重量部の基礎樹脂に(B) 下記
化1の式の構造を有する5 〜20重量部のホスフェート組
成物と(C)0.1〜2.0 重量部のパーフルオロアルカン重合
体を混合させた樹脂組成物である。
【0020】
【化1】
【0021】本発明の難燃性を有する熱可塑性樹脂組成
物は(A) ポリカーボネートとコア−シェル構造を有する
ABS 樹脂とからなる基礎樹脂、(B) ホスフェート組成物
および(C) パーフルオロアルカン重合体から成される。
これら各成分に対した説明は次のようである。
【0022】(A) 基礎樹脂 基礎樹脂は、ポリカーボネートとコア−シェル構造を有
するABS 樹脂のブレンド(bland) である。より詳細に
は、基礎樹脂は、ポリカーボネート樹脂80〜96重量%
と、コア−シェル構造を有するABS 樹脂は4 〜20重量%
とからなる。
【0023】ポリカーボネート樹脂は、置換基の種類に
よって芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネー
ト及び芳香族/ 脂肪族ポリカーボネートがあり、これら
は単独で、または混合物(bland) 形態として用いられ
る。芳香族ポリカーボネートが好ましく、その中でも、
その構造単位がビスフェノールA(2,2 ′- ビス(4- ヒド
ロキシフェニルA)プロパン) であるポリカーボネートが
さらに好ましい。
【0024】スチレン含有グラフト共重合体は、そのグ
ラフトシェル(shell) の構造によるヘミスフェア(hemis
phere)構造とコア−シェル(core shell)構造と分けられ
る。
【0025】本発明は、スチレン含有グラフト重合体の
代表的な例であるABS に対し、研究されたもので、ヘミ
スフェア構造とコア−シェル構造を有するABS 樹脂を各
々実験した結果、コア−シェルを有するABS 樹脂を基礎
樹脂の一部として用いる時、ゴム粒子が均一に分布さ
れ、衝撃強度が優れ、ジューシング現象、難燃性等の他
の物性においても優れていることを発見するに至った。
【0026】スチレンー含有グラフト重合体において、
ヘミスフェア構造とコア−シェル構造を有するグラフト
共重合体の製造は、この分野に通常の知識を有する者に
より容易に実施させられる。コア−シェル構造を有する
ABS 樹脂は、通常の重合方法により製造させられるが、
本発明にもっとも適合に利用されられる方法として乳化
重合方法がある。
【0027】前記のポリカーボネート樹脂に混合され用
いられるコア−シェル構造を有するABS 樹脂は、ブタジ
エンゴム45〜60重量% とスチレン25〜45重量% とアクリ
ロニトリル10〜15重量% をグラフト重合させたもので、
そのグラフト率が40% 以上であり、アセトンに溶解され
た時溶解されないゲルの含量が70重量% 以上であるのが
好ましい。特に、本発明の樹脂組成物の基礎樹脂には粒
子の凝集現象を防止するために、別途に重合されたSAN
共重合体樹脂を添加しないのを特徴とする。
【0028】ポリカーボネート樹脂は、本発明の基礎樹
脂の全体に対して80〜96重量% と用いられるし、コア−
シェル構造を有するABS 樹脂は基礎樹脂の全体に対して
4 〜20重量% と用いる。ポリカーボネート樹脂が80重量
% 以下になると難燃性が低下され、96重量% 以上になる
とスチレンー含有グラフト共重合体樹脂はポリカーボネ
ート樹脂に対して充分な衝撃補強の効果を現せない。
【0029】(B) ホスフェート組成物 本発明で用いられるホスフェート組成物は、化1の構造
を有する:
【0030】
【化1】
【0031】本発明で用いる前記の化1のホスフェート
組成物のnの平均値0.3 ないし0.8の範囲内である。即
ち、このホスフェート組成物は通常的にnが0 ないし5
までの値を有する混合物の形態として存する、この時そ
の平均値が0.3 ないし0.8 である場合の化合物が本発明
で用いられる。前記の一般式(I) でnが0 の時にホスフ
ェート組成物は単分子形トリアリールホスフェートであ
り、nが1,2,3,4 または5 の時、オリゴマー形トリアリ
ールホスフェートとなる。
【0032】単分子形トリアリールホスフェートの例と
しては、トリフェニルホスフェート、トリ(2、6ージメチ
ルフェニル) ホスフェート、トリ(4ーメチルフェニル)
ホスフェート、トリクレシルホスフェート、ジフェニル
2 ーエチルクレシルホスフェート、ジフェニルクレシル
ホスフェート、トリ( イソプロピルフェニル) ホスフェ
ート、トリジャイレニールホスフェート、ジャイレニー
ルフェニルホスフェートなどがある。nが0 である場
合、前記の単分子形のトリアリールホスフェートは200
℃以上の高温でよく揮発される性質を有するので、射出
のような加工過程中に揮発された難燃剤が積層されジュ
ーシング現象を発生させる欠点を有する。また、オリゴ
マーの平均nの値が1.2 以上である場合にはジューシン
グ現象は著しく減少するが、難燃性が低下され、樹脂の
内でグラフトされたゴム粒子の均一な分布に悪い影響を
及ぼしてしまい機械的物性、特に衝撃強度が低下され
る。従って、前記の一般式(I) のnの平均値が0.3 ない
し0.8 であるホスフェートを用いるのが難燃剤のみなら
ず物理的特性も向上させられる。nの平均値が0.3 ない
し0.8 であるホスフェート組成物は30〜60重量% の単分
子形のトリアリールホスフェートと40〜70重量% のオリ
ゴマー形トリアリールホスフェートに成される。また、
nの平均値が0.3 ないし0.8 である合成されたトリアリ
ールホスフェートオリゴマーも本発明に用いられる。
【0033】このトリアリールホスフェートオリゴマー
は、ベンゼンにフェーノル、レゾルシノール及びジクロ
ロマグネシウムを添加させた溶液に加熱し、この溶液に
トリクロロホスフィンオキサイドを滴下しさせ製造す
る。ホスフェート組成物は本発明の基礎樹脂100 重量%
に対して5 ないし20重量部の範囲で用いるのが好まし
い。
【0034】(C) パーフルオロアルカン重合体 パーフルオロアルカン重合体は従来の利用可能な樹脂と
してポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレンフッ化ビニリデンの共重合
体、テトラフルオロエチレンとフルオロアルキルビニー
ルエーテルの共重合体、及びテトラフルオロエチレンと
ヘキサフルオロプロピレンの共重合体がある。これらは
相互いに独立に用いられるし、相異なる2つ以上を混合
した混合物が用いられる。パーフルオロアルカン重合体
は燃焼の時、滴下防止(antidripping)のため、樹脂と共
に混合させ押出させる時樹脂内に繊維状の網(fibrilarn
etwork) を形成し、燃焼の時樹脂の流れ粘度を低下させ
収縮率を増加させ、樹脂の滴下現象を防ぐ。難燃性樹脂
組成物に均一に分散され混合されようにするためには粉
末状態のパーフルオロアルカン重合体を用いるのが好ま
しい。本発明に好ましく用いられるパーフルオロアルカ
ン重合体はポリテトラフルオロエチレンがある。粒子の
大きさが20〜500 μであるポリテトラフルオロエチレン
が混合するのに適合である。パーフルオロアルカン重合
体の使用量は基礎樹脂100 重量部に対して0.1 〜2.0 の
重量部である。本発明の熱可塑性樹脂組成物はポリカー
ボネート樹脂とコア−シェル構造を有するABS 樹脂とか
らなる基礎樹脂にホスフェート組成物とパーフルオロア
ルカン重合体を混合させ、この混合物に必要な無機物添
加剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、及び/
または染料を加え、通常の混合機で混合させ製造する。
この混合物を再び押出機を通してペレット状態の樹脂組
成物を製造する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は各々の
用途によって無機物添加剤、熱安定剤、酸化防止剤、光
安定剤、顔料、及び/または染料が加えられる。加える
無機物添加剤としては、石綿、ガラス繊維、タルク及び
セラミックスがあり、これらは基礎樹脂100 重量部に対
して0 〜30重量部の範囲内で用いられる。本発明の熱可
塑性樹脂組成物は従来のハロゲン化合物を難燃剤として
用いた場合の問題点である有毒ガスの発生を防げられる
し、従来のトリアリールホスフェートのみを難燃剤とし
て用いた場合の問題点であるジューシング現象のような
表面状態の不良問題と耐熱性の低下が防げられるし、従
来のトリアリールホスフェートを除いたアリールホスフ
ェートオリゴマーのみを難燃剤として用いた場合の問題
点である加工性の低下による加工中の表面変色問題を著
しく改選できるし、透過形電子顕微鏡の写真で見ている
とおりグラフトされたゴム粒子が樹脂全体に均一に分布
され均一な物性が提供できる樹脂組成物である。
【0035】本発明は下記の実施例によって一層理解で
き、下記の実施例は本発明の例示目的のためのものであ
り、添付された特許請求の範囲によって限られる保護範
囲を制限しようとすることではない。
【0036】
【実施例】下記の実施例1 〜2 及び比較実施例1 〜6 で
用いた各々の成分の製造および仕様は、次の通りであ
る。
【0037】(A) 基礎樹脂 (a1 ) ポリカーボネート樹脂:日本TEIJIN社のL-1225L
Grade を用いた。
【0038】(a2 ) コア−シェル構造を有するABS 樹脂 単量体全体に対してブタジエン含量が50重量% がなるよ
うブタジエンゴムラテックスを投入させ、ここにスチレ
ン12重量部、アクリロニトリル4 重量部及び脱イオン水
150 重量部を混合させ、添加剤としてロジョン石鹸(Ros
in Soap)1 重量部、テトラソジウムピロホスフェート0.
2 重量部、グルコース0.4 重量部、硫酸鉄0.006 重量
部、クメンヒドロパーオキシド0.25重量部、およびメル
カプタン系連鎖移動剤0.2 重量部を混合させ、反応機の
内部温度を75℃に上昇させた。その温度で1 時間の間維
持させた後、スチレン26重量部、アクリロニトリル8 重
量部、パーオキシド0.25重量部、およびメルカプタン系
連鎖移動剤0.2 重量部を混合させた混合液を3 時間の間
滴下させ反応を終了させた。こうして製造されたABS樹
脂は、コア−シェル構造を有し、この重合体ラテックス
に1%硫酸溶液を加えさせ、凝固および乾燥させ粉末状態
に製造した。
【0039】(a3 ) ヘミスフェア構造を有するABS 樹脂 固形分のブタジエンゴムラテックス50重量部、スチレン
36重量部、アクリロニトリル14重量部、及び脱イオン水
150 重量部の混合物に必要な添加剤であるオレイン酸カ
リウム1.0 重量部、クメンヒドロパーオキシド0.4 重量
部、メルカプタン系連鎖移動剤0.3 重量部を加えさせ、
5時間の間75℃に維持して反応を完了し、グラフトABS
ラテックスを製造した。この結果の樹脂組成物に0.3 重
量部の硫酸を加え、凝固させてヘミスフェア構造を有す
るABS 樹脂を粉末状態に製造した。
【0040】(a4 )SAN共重合体樹脂 スチレン70重量部、アクリロニトリル30重量部、及び脱
イオン水120 重量部の混合物に必要な添加剤であるアゾ
ビスイソブチロニトリル(azobisisobutylonitrile)0.2
重量部とトリカリシウムホスフェート0.5 重量部を添加
させ懸濁重合させSAN 共重合体樹脂を製造した。この共
重合体を水洗、脱水および乾燥させ粉末状態のSAN 共重
合体樹脂を得った。
【0041】(B) ホスフェート組成物 トリフェニルホスフェート( n=0):日本(Daihachi)社の
トリフェニルホスフェート(TPP) を用いた。
【0042】アリールホスフェートオリゴマー( n=1.
4) : 日本(Daihachi)社のCR-733Sを用いた。
【0043】合成されたアリールホスフェートオリゴマ
ー(n=0.6) : フェノル114.7 g、レゾルシノール220
g、及びジクロロマグネシウム0.2 gをベンゼン100ml
に混合して70℃に加熱した後、この温度で2時間にかけ
てトリクロロフォスフィンオキサイド82.8gを滴下させ
た。
【0044】反応終了後、120 ℃の温度で3時間の間、
攪袢して塩化水素ガスがこれ以上発生しない時まで保た
せ、溶剤と不純物を取り除いて実温で液体状態に存し、
凝固点がー10 ℃以下であり、前記の化1にてnの値が0.
6 であるアリールホスフェートオリゴマーを製造した。
【0045】(C) パーフルオロアルカン重合体 アメリカのデュポン(Dupont)社のテフロン7AJ を用い
た。
【0046】(実施例1 〜2 及び比較例1 〜6 )実施例
1 〜2 及び比較実施例1 〜6 で用いた各成分の造成は
1 の通りである。実施例1 〜2 では、ヘミスフェア構造
を有するABS またはSAN 共重合体を用いなかったし、比
較実施例1 〜2 ではヘミスフェア構造を有するABS のみ
が用いたし、比較実施例3 〜6 ではヘミスフェア構造を
有するABS およびSAN 共重合体すべてを用いた。
【0047】前記の実施例1 〜2 及び比較実施例1 〜6
では各成分を混合し、押出しペレット状態の樹脂組成物
を製造した。各々に製造されたペレット状態の樹脂組成
物を表1に示した射出温度下で射出して試験片を製造し
た。
【0048】
【表1】
【0049】前記の実施例1 〜2 および比較実施例1 〜
6 により製造された樹脂組成物の試験片に対して難燃
性、耐熱性および衝撃強度を測定し、ジューシング現象
とグラフトされたゴム粒子の凝集の否かを観察した。グ
ラフトされたゴム粒子の凝集の否かは前記の実施例1 〜
2 および比較実施例1 〜4 による試片をTEM(Transmissi
on Electron Microscope) で撮影して観察した。このTE
M 写真は5000倍率の写真である。実施例1 〜2 による試
片のTEM 写真はグラフトされたゴム粒子の凝集されない
で均一に分布する。しかし、比較実施例1 〜4 による試
片のTEM 写真はグラフトされたゴム粒子が射出温度の条
件によりいつも均一に分布していないことを示す。比較
実施例3 および4 ではグラフトされたゴム粒子がSAN 相
に凝集される現象が発生する。ところで、比較実施例1
ではグラフトされたゴム粒子が凝集されないで均一な分
布を示す。 比較実施例2 ではゴム粒子がどの程度凝集さ
れる現象を示す。これは樹脂組成物の射出作業温度によ
り異なることと推測される。比較実施例5 および6 に対
したTEM 写真は添付されていなかったが、比較実施例1
および2 と似かよった結果を現わした。即ち、比較実施
例5 では凝集現象が現わしていないが、比較実施例6 で
は射出作業条件や試料の厚さにより凝集現象が現わし
た。例え、比較実施例6 で成形品の厚さが1/4"である場
合には凝集現象が発生したが、1/8"である場合には凝集
現象が発生しなかった。これに対した結果は表2に示し
た。
【0050】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1 による樹脂組成物の
透過形電子顕微鏡(TEM;Transmission Electron Microsc
ope)の写真である。
【図2】図2は、本発明の実施例2 による樹脂組成物の
透過形電子顕微鏡の写真である。
【図3】図3は、本発明の比較実施例1 による樹脂組成
物の透過形電子顕微鏡の写真である。
【図4】図4は本発明の比較実施例2 による樹脂組成物
の透過形電子顕微鏡の写真である。
【図5】図5は本発明の比較実施例3 による樹脂組成物
の透過形電子顕微鏡の写真である。
【図6】図6は本発明の比較実施例4 による樹脂組成物
の透過形電子顕微鏡の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 593168156 290 Gongdan−dong, K umi−shi,Kyungbuk, Korea (72)発明者 ヤン・サム・ジュー タィハンミンゴク キュングキ・ド ス ーウォン ジャンガン・ク ジュングジ ャ・ドン(無番地) ドングシン・アパ ートメント109−70 (72)発明者 ジャン・ボク・ナム タィハンミンゴク キュングキ・ド ク ーンポ クエムジュン・ドン 743−7 (56)参考文献 特開 平8−253666(JP,A) 特開 平7−26131(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(1)ハロゲンを含まない熱可塑性ポリ
    カーボネート樹脂80〜96重量% ;および(2) ブタジエン
    ゴム45〜60重量% にスチレン45〜25重量% とアクリロニ
    トリル10〜15重量% をグラフトさせたものでコア−シェ
    ル構造を有し、そのグラフト率が40% 以上のコア−シェ
    ル構造を有するABS 樹脂4 〜20重量% ;からなる100 の
    重量部の基礎樹脂; (B) 前記の基礎樹脂100 重量部に対して、単分子形トリ
    アリールホスフェート30〜60重量% およびオリゴマー形
    トリアリールホスフェート70〜40重量% からなり、下記
    の化1の一般式を有する5 〜20重量部のホスフェート組
    成物; 【化1】 (C) 前記の基礎樹脂100 重量部に対して、0.1 〜2.0 重
    量部のパーフルオロアルカン重合体; から構成されることを特徴とする難燃性を有する熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)(1)ハロゲンを含まない熱可塑性ポリ
    カーボネート樹脂80〜96重量% ;および(2) ブタジエン
    ゴム45〜60重量% にスチレン45〜25重量% とアクリロニ
    トリル10〜15重量% をグラフトさせたものでコア−シェ
    ル構造を有し、そのグラフト率が40% 以上のコア−シェ
    ル構造を有するABS 樹脂4 〜20重量%;からなる100 の
    重量部の基礎樹脂; (B) 前記の基礎樹脂100 重量部に対して、単分子形トリ
    アリールホスフェート30〜60重量% およびオリゴマー形
    トリアリールホスフェート70〜40重量% からなり、下記
    の化1の一般式を有する5 〜20重量部のホスフェート組
    成物; 【化1】 (C) 前記の基礎樹脂100 重量部に対して、0.1 〜2.0 重
    量部のパーフルオロアルカン重合体; (D) 無機物添加剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、
    顔料およびこれらの混合物より成る群から選択された添
    加剤; から構成されることを特徴とする難燃性を有する熱可塑
    性樹脂組成物。
JP3532297A 1997-02-19 1997-02-19 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3073169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3532297A JP3073169B2 (ja) 1997-02-19 1997-02-19 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3532297A JP3073169B2 (ja) 1997-02-19 1997-02-19 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10237291A JPH10237291A (ja) 1998-09-08
JP3073169B2 true JP3073169B2 (ja) 2000-08-07

Family

ID=12438588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3532297A Expired - Lifetime JP3073169B2 (ja) 1997-02-19 1997-02-19 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3073169B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1026205B1 (en) * 1998-08-28 2006-07-19 Teijin Chemicals, Ltd. Polycarbonate resin composition and molded article
DE10036057A1 (de) * 2000-07-25 2002-02-07 Bayer Ag Flammwidrige Polycarbonat-Zusammensetzungen
JP2002220528A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10237291A (ja) 1998-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3784660B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP4685878B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP4274636B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP3991032B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP4264413B2 (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
KR0150766B1 (ko) 난연성을 갖는 열가소성 수지 조성물
JPH0873726A (ja) 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物
JP2005532466A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
JP2001040204A (ja) 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物
KR100462530B1 (ko) 내약품성이 우수한 난연성 열가소성 수지조성물
JP3073169B2 (ja) 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物
JP2756426B2 (ja) 難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物
JP3936806B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2000038501A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
EP1207182B1 (en) Flame retardant thermoplastic resin composition
KR0144382B1 (ko) 난연성을 갖는 열가소성 수지 조성물
KR100433573B1 (ko) 난연성 열가소성 수지조성물
KR100442938B1 (ko) 난연성 폴리카보네이트계 열가소성 수지 조성물
KR0144386B1 (ko) 난연성을 갖는 열가소성 수지 조성물
JP2008502768A (ja) 難燃性熱可塑性樹脂組成物
KR0171250B1 (ko) 난연성을 갖는 열가소성 폴리카보네이트계 수지 조성물
KR0147731B1 (ko) 난연성을 갖는 열가소성 수지 조성물
KR100407855B1 (ko) 난연성을갖는열가소성수지조성물
KR100375820B1 (ko) 난연성 열가소성 수지조성물

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090602

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100602

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110602

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120602

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130602

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term