JP2004501083A - プロテインキナーゼを阻害するためのピラゾール - Google Patents
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Abstract
Description
発明の分野
本発明は、CDK1、CDK2、CDK4、およびCDK6などのサイクリン依存性キナーゼ(CDK);VEGF;ならびにCHK1などのプロテインキナーゼの活性を仲介および/または阻害するアミノ−ピラゾール化合物、そのような化合物および組成物を含む薬学的組成物、ならびにそのような化合物の有効な量を投与することによる、癌ならびに好ましくない脈管形成および/または細胞増殖に関連する他の疾患状態の治療法に向けられる。
【0002】
発明の背景
制御されていない細胞増殖は癌のしるしである。様々な刺激に応答しての細胞増殖は、それによって細胞が増殖および分裂する過程である、細胞分裂周期の脱調節によって現れる。腫瘍細胞は一般的に、細胞分裂周期の全般にわたって直接または間接的に進行を調節する遺伝子に損傷を有する。
【0003】
プロテインキナーゼはタンパク質の特定のチロシン、セリン、またはスレオニン残基の水酸基のリン酸化を触媒する酵素ファミリーである。一般的には、そのようなリン酸化はタンパク質の機能を劇的に混乱させるため、プロテインキナーゼは、代謝、細胞増殖、細胞分化、および細胞生存を含む様々な細胞過程の調節において重要である。プロテインキナーゼの活性が必要であると判明している多くの異なる細胞機能のうち、いくつかの過程は一定の疾患状態に対する治療的介入のための興味深い標的である。二つの例として細胞周期制御および脈管形成が挙げられ、プロテインキナーゼが重要な役割を果たしている。これらの過程は固形腫瘍の増殖ならびに他の疾患にとって必須である。
【0004】
CDKは、G1期の静止期(有糸分裂と新しい細胞分裂サイクルのためのDNA複製開始との間)からS期(活発なDNA合成期)への進行、またはG2期から活発な有糸分裂および細胞分裂が起こるM期への進行などの、細胞周期における異なる期への移行の調節において重要な役割を果たす、酵素クラスを構成する。例えば、Science、第274巻、1643〜1677ページ(1996);およびAnn. Rev. Cell Div. Biol.、第13巻、261〜291ページ(1997)に掲載されている論文を参照されたい。CDK複合体は調節サイクリンサブユニット(例えば、サイクリンA、B1、B2、D1、D2、D3、およびE)と触媒キナーゼサブユニット(例えば、cdc2(CDK1)、CDK2、CDK4、CDK5、およびCDK6)との結合によって形成される。名前が示すとおり、CDKはそれらの標的基質をリン酸化するためにサイクリンサブユニットへの絶対的依存を示し、異なるキナーゼ/サイクリンの対は細胞周期の特定の部分を通じて進行を調節するよう機能する。
【0005】
Dサイクリンは細胞外増殖シグナルに感受性で、細胞周期のG1期にマイトジェンに応答して活性化される。CDK4/サイクリンDは網膜芽腫タンパク質(Rb)をリン酸化し、それによってこのタンパク質を不活化することにより、細胞周期進行において重要な役割を果たす。低リン酸化Rbは転写制御因子ファミリーに結合するが、CDK4/サイクリンDによるRbの過リン酸化によってこれらの転写因子が放出され、その産物がS期進行を担う遺伝子を活性化する。CDK4/サイクリンDによるRbのリン酸化および不活化によって、細胞がG1期の制限点を通過できるようになり、この制限点で細胞外増殖または阻害シグナルに対する感受性が失われて、細胞は細胞分裂に入る。G1後期に、RbはCDK2/サイクリンEによってもリン酸化および不活化され、最近、CDK2/サイクリンEがRbリン酸化とは無関係の類似の経路によりS期への進行も調節しうるという証拠が得られている(ルカス(Lukas)ら、Genes and Dev.、第11巻、1479〜1492ページ(1997)参照)。
【0006】
CDK4/サイクリンDおよびCDK2/サイクリンEの作用によって達成されるG1期からS期への進行は、正と負両方の様々な増殖調節機構に供される。マイトジェンなどの増殖刺激は、サイクリンD1の合成増大、およびしたがって機能的CDK4の増加を引き起こす。これに対して、細胞増殖は内因性阻害タンパク質の誘導により、DNA損傷または負の増殖刺激に応答して「抑制」されうる。これらの天然のタンパク質阻害剤には、p21WAF1/CIPI、p27KIPI、およびp16INK4ファミリーが含まれ、後者はCDK4をもっぱら阻害する(ハーパー(Harper)、Cancer Surv.、第29巻、91〜107ページ(1997)参照)。この制御システムにおける異常、特にCDK4およびCDK2の機能に影響する異常は、家族性黒色腫、食道癌、および膵臓癌などの悪性腫瘍に特徴的な高度増殖状態への細胞の進行に関係している(例えば、ホール(Hall)ら、Adv. Cancer Res.、第68巻、67〜108ページ(1996);およびカム(Kamb)ら、Science、第264巻、436〜440ページ(1994)参照)。サイクリンD1の過剰発現は食道癌、乳癌、および扁平上皮癌につながる(例えば、デルサル(DelSal)ら、Critical Rev. Oncogenesis、第71巻、127〜142ページ(1996)参照)。p16ファミリーのCDK4特異的阻害剤をコードする遺伝子は、家族性黒色腫、神経膠腫、白血病、肉腫、膵臓癌、非小細胞肺癌、および頭頸部癌において欠失および突然変異を有することが多い(ノボリ(Nobori)ら、Nature、第368巻、753〜75ページ(1994)参照)。サイクリンEの増幅および/または過剰発現も様々な固形腫瘍で観察されており、サイクリンEレベルの上昇は予後不良と相関づけられている。加えて、CDK2/サイクリンEの基質および阻害剤の両方としてはたらくCDK阻害剤p27の細胞レベルは、乳癌、大腸癌、および前立腺癌で異常に低く、p27の発現レベルは疾患の病期に逆相関している(ローダ(Loda)ら、Nature Medicine、第3巻、231〜234ページ(1997)参照)。最近、シェール(Sherr)ら、Genes Dev.、第13巻、1501〜1512ページ(1999)で概説されているとおり、CDK4/サイクリンDがp27を抑制する可能性があるとの証拠が得られている。p21タンパク質もp53腫瘍抑制シグナルをCDKに伝達するようである。したがって、すべてのヒト癌の約50%におけるp53の突然変異は、間接的にCDK活性の脱調節をもたらすと考えられる。
【0007】
現れつつあるデータより、抗増殖治療薬として、CDK、特にCDK4およびCDK2を阻害する化合物を使用することの有効性が強力に確認される。特定の生物分子がこの目的のために推奨されている。例えば、ション(Xiong)らの米国特許第5,621,082号は、CDK6の阻害剤をコードする核酸を開示しており;WIPO国際公開公報第99/06540号は、CDKの阻害剤をコードする核酸を開示している。ペプチドおよびペプチド様阻害剤が、欧州特許公開0666270A2号、バンダラ(Bandara)ら、Nature Biotechnology、第15巻、896〜901ページ(1997)、およびチェン(Chen)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A、第96巻、4325〜4329ページ(1999)に記載されている。コーヘン(Cohen)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A、第95巻、14272〜14277ページ(1998)において、ペプチドアパタマーがスクリーニングから同定された。いくつかの小分子がCDK阻害剤として同定されている(最近の総説については、ウェブスター(Webster)、Exp. Opin. Invest. Drugs、第7巻、865〜887ページ(1998)、およびストーバー(Stover)ら、Curr. Opin. in Drug Discov. and Devel.、第2巻、274〜285ページ(1999)参照)。フラボンのフラボピリドールは、他のキナーゼに比べてCDKの阻害に対し、わずかに選択性を示すが、CDK4、CDK2、およびCDK1を等能力で阻害し、IC50は0.1〜0.3μMの範囲である。フラボピリドールは現在、腫瘍化学療法剤として第II相臨床試験中である(セドラセク(Sedlacek)ら、Int. J. Oncol.、第9巻、1143〜1168ページ(1996))。フラボピリドールの類縁体は他の刊行物、例えば、マンスリ(Mansuri)らの米国特許第5,733,920号(WIPO国際公開公報第97/16447号)およびWIPO国際公開公報第97/42949号および第98/17662号でも主題とされている。プリンを基本とする誘導体がショウ(Schow)ら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、第7巻、2697〜2702ページ(1997);グラント(Grant)ら、Proc. Amer. Assoc. Cancer Res.、第39巻、要旨1207(1998);レグラベンド(Legravend)ら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、第8巻、793〜798ページ(1998);グレイ(Gray)ら、Science、第281巻、533〜538ページ(1998);チャン(Chang)ら、Chemistry & Biology、第6巻、361〜375ページ(1999);ならびにWIPO国際公開公報第99/02162号、第99/43675号、および第/99/43676号に記載されている。加えて、下記の刊行物はサイクリン依存性キナーゼおよび増殖因子仲介性キナーゼを阻害する一定のピリミジンを開示している:WIPO国際公開公報第98/33798号;ルエツ(Ruetz)ら、Proc. Amer. Assoc. Cancer Res.、第39巻、要旨3796(1998);およびメイヤー(Meyer)ら、Proc. Amer. Assoc. Cancer Res.、第39巻、要旨3794(1998)。
【0008】
G1における細胞を阻止するベンゼンスルホンアミドが、エーザイ(Eisai Inc.)(ニュージャージー州ティーネック)によって開発中である。例えば、オワ(Owa)ら、J. Med. Chem.、第42巻、3789〜3799(1999)を参照されたい。オキシインドールCDK阻害剤が、グラクソ・ウェルカム(Glaxo−Wellcome)によって開発中で、ルジオ(Luzzio)ら、Proc. Amer. Assoc. Cancer Res.、巻、要旨4102(1999)およびWIPO国際公開公報第99/15500号を参照されたい。パウロン(Paullones)は、米国立がん研究所、シュルツ(Schultz)ら、J. Med. Chem.、第42(15)巻、2909〜2919ページ(1999)との共同研究によって見いだされた。インデノピラゾールがWIPO国際公開公報第99/17769号およびセイツ(Seitz)ら、第218回 ACS Natl. Mtg.要旨MEDI316(1999年8月22〜26日、ニューオーリンズ)によって記載されている。アミノチアゾールがWIPO国際公開公報第99/24416号および第99/21845号に記載されている。イソチアゾール誘導体がWIPO国際公開公報第99/6280号に記載されている。プロテインキナーゼのピラゾール阻害剤がWIPO国際公開公報第96/14843号に記載されている。ピラゾール−4−オン類縁体がWIPO国際公開公報第99/54308号に記載されている。タンパク質チロシンキナーゼp561ckの阻害剤としての5−アミノピラゾールがWIPO国際公開公報第97/40019号に記載されている。
【0009】
CHK1はもう一つのプロテインキナーゼである。CHK1は細胞周期進行におけるチェックポイントとして重要な役割を果たす。チェックポイントはサイクリン依存性キナーゼの生成、活性化およびその後の不活化に影響をおよぼすことにより細胞周期進行を調整する制御システムである。チェックポイントは不適当な時期の細胞周期進行を防止し、細胞が停止している間の細胞の代謝バランスを維持し、場合により、チェックポイントの要求が満たされないときにはアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導することもできる。例えば、オコナー(O’Conner)、Cancer Surveys、第29巻、151〜182ページ(1997);ナース(Nurse)、Cell、第91巻、865〜867ページ(1997);ハートウェル(Hartwell)ら、Science、第266巻、1821〜1828ページ(1994);ハートウェル(Hartwell)ら、Science、第246巻、629〜634ページ(1989)を参照されたい。
【0010】
一連のチェックポイントはゲノムの完全性をモニターし、DNA損傷を感知すると、これらの「DNA損傷チェックポイント」は細胞周期進行をG1およびG2期で阻止し、S期全般で進行を遅延させる。オコナー(O’Conner)、Cancer Surveys、第29巻、151〜182ページ(1997);ハートウェル(Hartwell)ら、Science、第266巻、1821〜1828ページ(1994)。この作用により、ゲノムの複製前にDNA修復過程がその役割を完了することができ、続いてこの遺伝物質の新しい娘細胞への分離が起こる。重要なことに、ヒト癌において最も一般に突然変異している遺伝子、すなわちp53腫瘍サプレッサー遺伝子は、DNA損傷後にG1期において細胞周期を阻止し、かつ/またはアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導する、DNA損傷チェックポイントタンパク質を産生する。ハートウェル(Hartwell)ら、Science、第266巻、1821〜1828ページ(1994)。p53腫瘍サプレッサーは、細胞周期のG2期においてDNA損傷チェックポイントの作用を強化することも明らかにされている。例えば、バンズ(Bunz)ら、Science、第28巻、1497〜1501ページ(1998);ウィンターズ(Winters)ら、Oncogene、第17巻、673〜684ページ(1998);トンプソン(Thompson)、Oncogene、第15巻、3025〜3035ページ(1997)を参照されたい。
【0011】
ヒト癌におけるp53腫瘍サプレッサー経路の中心的性質を考慮して、p53欠損癌における脆弱性を活用する治療的介入が積極的に探索されている。一つの明らかになりつつある脆弱性は、p53欠損癌細胞におけるG2チェックポイントの操作にある。癌細胞は、G1チェックポイントの制御を欠いているため、DNA損傷物質であるG2チェックポイントの癌死滅効果から細胞を防護する、最後に残っているバリアの排除に対して特に脆弱である。G2チェックポイントは酵母からヒトまで保存されている制御系によって調節される。この保存された系において重要であるのは、DNA損傷知覚複合体からシグナルを変換して、有糸分裂への進行を促進するサイクリンB/Cdc2キナーゼの活性化を阻害する、キナーゼCHK1である。例えば、ペン(Peng)ら、Science、第277巻、1501〜1505ページ(1997);サンチェス(Sanchez)ら、Science、第277巻、1497〜1501ページ(1997)を参照されたい。CHK1の不活化によって、抗癌剤により加えられたDNA損傷または内因性のDNA損傷によって誘導されたG2停止が排除され、同時にその結果生じるチェックポイント欠損細胞の優先的死滅が起こることが明らかにされている。例えば、ナース(Nurse)、Cell、第91巻、865〜867ページ(1997);ウェイナート(Weinert)、Science、第277巻、1450〜1451ページ(1997);ウォルワース(Walworth)ら、Nature、第363巻、368〜371ページ(1993);およびアルコデイリー(Al−Khodairy)ら、Molec. Biol. Cell、第5巻、147〜160ページ(1994)を参照されたい。
【0012】
癌細胞においてチェックポイント制御を選択的に操作することで、癌化学療法および放射線療法において広範に利用することができ、さらに、癌細胞破壊のための選択的基準として利用するためのヒト癌の「ゲノムの不安定性」の一般的特徴を示すこともできる。いくつかの因子によって、CHK1はDNA損傷チェックポイント制御における重要な標的となる。S期の進行調節においてCHK1と協力することが最近判明したキナーゼCDS1/CHK2(ゼン(Zeng)ら、Nature、第395巻、507〜510ページ(1998);マツオカ(Matsuoka)、Science、第282巻、1893〜1897ページ(1998)参照)などの、この機能的に関連するキナーゼの阻害剤を解明することで、癌治療のための有用で新しい治療法が提供されると考えられる。
【0013】
もう一つのキナーゼ群はチロシンキナーゼである。チロシンキナーゼは受容体型(細胞外、膜貫通および細胞内ドメインを有する)または非受容体型(完全に細胞内)でありうる。非受容体タンパク質チロシンキナーゼの少なくとも一つ、すなわちLCKは、T細胞において細胞表面タンパク質(Cd4)と架橋抗Cd4抗体との相互作用からのシグナルの変換を仲介すると考えられる。非受容体チロシンキナーゼのより詳細な考察は、参照として本明細書に組み入れられる、ボーレン(Bolen)、Oncogene、第8巻、2025〜2031ページ(1993)に記載されている。
【0014】
細胞周期制御におけるその役割に加えて、プロテインキナーゼは、既存の血管から新しい毛細血管が形成される機構である、脈管形成においても重要な役割を果たしている。必要があれば、血管系は、組織および臓器の適当な機能を維持するために、新しい毛細管網を形成する能力を有する。しかし、成人では、脈管形成はかなり限定されており、創傷治癒および月経中の子宮内膜の血管新生の過程においてのみ起こる。メレンミーズ J.(Merenmies, J.)、パラダ L.F.(Parada, L.F.)、ヘンケマイヤー M.(Henkemeyer, M.)、Cell Growth & Differentiation、第8巻、3〜10ページ(1997)参照。一方、好ましくない脈管形成は、網膜症、乾癬、慢性関節リウマチ、加齢黄斑変性症、および癌(固形腫瘍)などのいくつかの疾患の特徴である。フォークマン(Folkman)、Nature Med.、第1巻、27〜31ページ(1995)。脈管形成過程に関与することが知られているプロテインキナーゼには、増殖因子受容体チロシンキナーゼファミリーの3つのメンバーが含まれる:VEGF−R2(血管内皮増殖因子受容体2、KDR(キナーゼ挿入ドメイン受容体)およびFLK−1としても知られている);FGF−R(繊維芽細胞増殖因子受容体);およびTEK(Tie−2としても知られている)。
【0015】
内皮細胞上でのみ発現されるVEGF−R2は、強力な脈管形成増殖因子VEGFに結合し、その細胞内キナーゼ活性の活性化により、その後のシグナル変換を仲介する。したがって、シグナル変換を仲介することができないVEGF−R2の突然変異体で示されているとおり、VEGF−R2のキナーゼ活性を直接阻害することで、外因性VEGF存在下でも脈管形成の低下をまねくことが予想される(ストローン(Strawn)ら、Cancer Research、第56巻、3540〜3545ページ(1996)参照)。ミラウアー(Millauer)ら、Cancer Research、第56巻、1615〜1620ページ(1996)。さらに、VEGF−R2は、VEGFの脈管形成活性を仲介する以外に、成人では機能を持たないようである。したがって、VEGF−R2のキナーゼ活性の選択的阻害剤は、ほとんど毒性を示さないことが予想される。
【0016】
同様に、FGF−Rは脈管形成増殖因子aFGFおよびbFGFに結合し、その後の細胞内シグナル変換を仲介する。最近、bFGFなどの増殖因子は、一定のサイズに到達している固形腫瘍の脈管形成誘導において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。ヨシジ(Yoshiji)ら、Cancer Research、第57巻、3924〜3928ページ(1997)。しかし、VEGF−R2とは異なり、FGF−Rは体中のいくつかの異なる細胞型で発現され、成人の他の正常な生理的過程において重要な役割を果たすこともあれば、果たしていないこともある。それにも関わらず、FGF−Rのキナーゼ活性の小分子阻害剤をマウスに全身投与すると、明らかな毒性を示すことなく、bFGFが誘導する脈管形成を阻害することが報告されている。モハマド(Mohammad)ら、EMBO Journal、第17巻、5996〜5904ページ(1998)。
【0017】
TEK(Tie−2としても知られている)は内皮細胞上でのみ発現されるもう一つの受容体チロシンキナーゼで、脈管形成において重要な役割を果たすことが明らかにされている。因子アンジオポエチン−1の結合により、TEKのキナーゼドメインの自己リン酸化が起こり、かつ内皮細胞と内皮周辺支持細胞との相互作用を仲介すると思われるシグナル変換過程が起こり、それにより新しく形成された血管の成熟が促進される。一方、因子アンジオポエチン−2は、アンジオポエチン−1のTEKに対する作用に拮抗すると思われ、脈管形成を破壊する。メゾンピエール(Maisonpierre)ら、Science、第277巻、55〜60ページ(1997)。
【0018】
前述の開発の結果、VEGF−R2、FGF−R、および/またはTEKのキナーゼ活性を阻害する化合物の使用により、脈管形成を治療することが提唱されている。例えば、WIPO国際公開公報第97/34876号はVEGF−R2の阻害剤である一定のシノリン誘導体を開示しており、癌、糖尿病、乾癬、慢性関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性腎症、粥腫、動脈再狭窄、自己免疫疾患、急性炎症、ならびに網膜の血管増殖を伴う眼疾患などの、異常な脈管形成および/または血管透過性増大に関連する疾患状態の治療に用いることができる。
【0019】
前述のプロテインキナーゼに加えて、多くの他のプロテインキナーゼが治療標的であると考えられており、下記の文献に概説されているとおり、多くの刊行物がキナーゼ活性の阻害剤を開示している:マクマホン(McMahon)ら、「薬物の発見および開発における、現行の見解(Current Opinion in Drug Discovery & Development)」、第1巻、131〜146ページ(1998);ストローンら、Exp. Opin. Invest. Drugs、第7巻、553〜573ページ(1998)。
【0020】
しかし、容易に合成することができ、CHK1、VEGF、およびCDKまたはCDK/サイクリン複合体などの一つまたは複数のプロテインキナーゼの強力な阻害剤である、他の小分子化合物がさらに必要とされている。CDK4はほとんどの細胞で細胞分裂の一般的活性化物質としてはたらきうるため、また、CDK4/サイクリンDおよびCDK2/サイクリンEの複合体は、細胞周期のG1期初期を支配するため、一つまたは複数の種類の腫瘍を治療するために、CDK4および/またはCDK2の有効かつ特異的阻害剤が必要とされている。
【0021】
発明の概要
したがって、本発明の一つの目的は、VEGF、CHK1ならびに/またはCDK2、CDK4、および/もしくはCDK6などのCDK、またはそれらのサイクリン複合体などの、一つまたは複数のプロテインキナーゼの活性を阻害する化合物および薬物組成物を得ることである。そのような化合物および組成物は、哺乳類キナーゼ/サイクリンキナーゼ、昆虫キナーゼ、および真菌キナーゼを阻害するために用いることができる。
【0022】
さらなる目的は、CDK4もしくはCDK4/D型サイクリン複合体および/またはCDK2もしくはCDK2/E型サイクリン複合体の阻害などのキナーゼ阻害により、癌の適応を治療する有効な方法を提供することである。もう一つの目的は、癌細胞の増殖期への移行を阻止するのに有効な、下記の化合物を含む薬学的組成物を得ることである。
【化29】
本発明のこれらの、および他の目的ならびに利点は、下記の詳細な説明に鑑みて明らかになると考えられるが、以下に記載する本発明の細胞周期制御剤の使用によって達成される。
【0023】
一つの一般的局面に従い、本発明は式Iの化合物に向けられる:
式中:
R1は置換または無置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、
R2は置換または無置換ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり、かつ
R3は水素、ハロゲン、(フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素)または置換もしくは無置換C1−8アルキルであるか、または
R2およびR3が共に置換または無置換5員環アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルを形成している。
【0024】
本発明は、式Iの化合物の薬学的に許容される塩にも向けられる。本発明はさらに、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグに向けられる。加えて、本発明は式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、およびそのような代謝産物の薬学的に許容される塩に向けられる。
【0025】
もう一つの一般的局面において、本発明はそれぞれが以下を含む、薬学的組成物に向けられる:
(a)式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、およびそのような代謝産物の薬学的に許容される塩から選択される、細胞周期制御剤;ならびに
(b)薬学的に許容される担体。
【0026】
本発明のもう一つの一般的局面に従い、CDK4および/またはCDK2の阻害によって仲介されるもののような、プロテインキナーゼ阻害によって仲介される疾患または障害を治療するための細胞周期制御剤として、式Iの化合物を用いる方法であって、それを必要とする患者に、式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または式Iの化合物のそのような代謝産物の薬学的に許容される塩を投与することによる方法がさらに提供される。
【0027】
本発明は、悪性腫瘍を治療する方法であって、式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または式Iの化合物のそのような代謝産物の薬学的に許容される塩の、有効量を投与する段階を含む方法をさらに提供する。
【0028】
本発明は、癌を治療する方法であって、式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または式Iの化合物のそのような代謝産物の薬学的に許容される塩の、有効量を投与する段階を含む方法をさらに提供する。
【0029】
本発明は、好ましくない脈管形成および/または細胞増殖に関連する疾患状態を治療する方法であって、式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または式Iの化合物のそのような代謝産物の薬学的に許容される塩の、有効量を投与する段階を含む方法をさらに提供する。
【0030】
本発明は、真菌感染を治療する方法であって、式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または式Iの化合物のそのような代謝産物の薬学的に許容される塩の、有効量を投与する段階を含む方法をさらに提供する。
【0031】
本発明は、プロテインキナーゼ複合体のキナーゼ活性を調節および/または阻害する方法であって、式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または式Iの化合物のそのような代謝産物の薬学的に許容される塩を、それを必要とする患者に投与することによる方法をさらに提供する。
【0032】
本発明に従い、投与によって増殖、分化および/またはアポトーシスを制御するための、式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または化合物のそのような代謝産物の薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物の治療的使用も提供される。
【0033】
本発明に従い、癌、ならびに好ましくない脈管形成および/または細胞増殖に関連する、糖尿病性網膜症、新生血管緑内障、慢性関節リウマチ、および乾癬などの他の疾患状態などの、キナーゼ活性によって仲介される疾患を治療する際の、式Iの化合物、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または化合物のそのような代謝産物の薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物の治療的使用も提供される。
【0034】
本発明の他の局面、利点、および特徴は、下記の詳細な説明から明らかになると考えられる。
【0035】
発明の詳細な説明および好ましい態様
前述の式Iの本発明の化合物は、プロテインキナーゼ、例えば、CHK1、VEGF、および細胞周期のG0またはG1期において活性であるもの(例えば、CDK2、CDK4、および/またはCDK6複合体)などのCDK/サイクリン複合体の活性を仲介および/または阻害するのに有用である。本発明の化合物は、哺乳類キナーゼ/サイクリン複合体、昆虫キナーゼ、または真菌キナーゼ複合体の阻害剤として有用である。より詳細には、化合物は増殖、分化、および/またはアポトーシスを制御するために有用な細胞周期制御剤として有用であり、したがって癌またはプロテインキナーゼによって仲介される細胞増殖に関連する他の疾患の治療を提供する。
【0036】
本明細書において用いられる場合、「アルキル」という用語は、1個から12個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖アルキルを含む。任意の適当なアルキルはR1として用いることができる。典型的なアルキルには、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどが含まれる。アルキルは置換されていても、無置換でもよい。適当な置換アルキルには、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロメチル、3−フルオロプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルなどが含まれる。「低級アルキル」という用語は、1個から8個の炭素原子を有するアルキル(例えば、C1−8アルキル)を示す。任意の適当なアルキルをR3として用いることができる。
【0037】
本明細書において用いられる場合、「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を含む。実例にはメトキシ、エトキシ、プロポキシなどが含まれる。
【0038】
本明細書において用いられる場合、「ハロゲン」という用語は、塩素、フッ素、ヨウ素、または臭素を含む。「ハロ」という用語は、クロロ、フルオロ、ヨード、またはブロモを意味する。
【0039】
本明細書において用いられる場合、「カルボキシアミド」という用語は、−(C=O)−NH2基を含む。アミド基(NH2)は置換されていても、無置換でもよい。
【0040】
「シクロアルキル」という用語は、二環式および三環式シクロアルキル構造を含む、3個から12個の炭素原子を有する飽和炭素環を含む。適当なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれる。
【0041】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、炭素原子、好ましくは4個または5個の環炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、かつ不飽和を持たない、単環式の基を含む。典型的なヘテロシクロアルキルには、ピロリジニル、ピペリジニル、チアジニル、およびモルホリニルが含まれる。
【0042】
本明細書において用いられる場合、「アリール」(Ar)および「ヘテロアリール」という用語は、単環式および多環式不飽和芳香環構造を含み、「アリール」は炭素環のものを意味し、「ヘテロアリール」は複素環のものを意味する。芳香環構造の例には、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、ピリジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1−H−テトラゾル−5−イル、インドリル、キノリニル、ベンゾチオフェニル(チアナフテニル)、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリニル、アクリジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニルなどが含まれる。いかなる適当な縮合または非縮合、単環式または多環式のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルもR1として用いることができる。任意の適当な縮合または非縮合、単環式または多環式のヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルもR2として用いることができる。任意の適当な5員環のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルをR2およびR3から形成することができる。
【0043】
R1、R2、およびR3基は無置換でも、任意の適当な置換基で置換されていてもよい。適当な置換基の例は、下記の典型的な化合物中に見いだされるもの、ならびに以下である:ハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ、またはフルオロ);C1−6アルキル;C1−6アルケニル;C1−6アルキニル;ヒドロキシル;C1−6アルコキシル;アミノ;ニトロ;チオール;チオエーテル;イミン;シアノ;アミド;ホスホナト;ホスフィン;カルボキシル;チオカルボニル;スルホニル;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;酸素(=O);ハロアルキル(例えばトリフルオロメチル);単環式または縮合もしくは非縮合多環式であってもよいシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル)、あるいは単環式または縮合もしくは非縮合の多環式であってもよいヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはチアジニル);シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル、単環式または縮合もしくは非縮合の多環式アリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、またはベンゾフラニル);アミノ(一級、二級、または三級);ニトロ;チオール;チオエーテル;O−低級アルキル;O−アリール、S−アリール、アリール;アリール−低級アルキル;CO2CH3;CONH2;OCH2CONH2;NH2;SO2NH2;OCHF2;CF3;OCF3など。そのような部分は縮合環構造または架橋、例えばOCH2−Oで選択的に置換されていてもよい。これらの置換基はそのような基から選択される置換基で、選択的にさらに置換されていてもよい。
【0044】
好ましい態様において、R1は置換または無置換フェニルである。好ましい置換基には、水酸基およびアルコキシ基、ならびにSO2NH2および選択的に置換されたカルボキサミドなどの電子吸引基が含まれる。
【0045】
好ましい態様において、R2は置換または無置換ヘテロアリール基である。特に好ましいR2基は、ピリジン、チオフェン、ベンゾチオフェン、インドール、またはベンズイミダゾールなどの、実施例の化合物中に見いだされる。R2基の特に好ましい置換基には、塩素、臭素、フッ素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アルキル、S−アルキル、O−アリール、アルコキシ基、−S−アリール、およびシクロアルキル基、ならびに下記の典型的な化合物中の置換基が含まれる。
【0046】
一つの好ましい態様において、R3は水素である。もう一つの好ましい態様において、R2およびR3は5員環炭素環を形成する。
【0047】
好ましい態様において、R1およびR2は下記の基から独立に選択される:
R1:
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
および
【化35】
R2:
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
および
【化42】
式中:
Arはアリールであり;
R5は水素、R7、OR7、NR7R7、チオアルキル、またはチオアリールであり;かつ
R6は水素またはR7であり;かつ
R7は置換または無置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。
【0048】
本発明の好ましい化合物には以下が含まれる:
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【化64】
【化65】
および
【化66】
【0049】
式Iの化合物は互変異性の現象を示すこともあるが、本明細書中の式の図は可能な互変位型の一つだけを特に示していることが理解される。したがって、式は図示された化合物の任意の互変異型を表すことが意図され、式の図によって示された特定の互変異型に単純に限定されないことが理解されるべきである。
【0050】
本発明の化合物のいくつかは、単一の立体異性体(すなわち、本質的に他の立体異性体を含まない)、ラセミ体、ならびに/または鏡像異性体および/もしくはジアステレオマーの混合物として存在しうることも理解される。そのような単一の立体異性体、ラセミ体、およびそれらの混合物はすべて、本発明の範囲内であることが意図される。好ましくは、光学的に活性な本発明の化合物は光学的に純粋な形で用いる。
【0051】
当業者には一般に理解されているとおり、一つのキラル中心(すなわち、一つの不斉炭素原子)を有する光学的に純粋な化合物は、基本的に二つの可能な鏡像異性体の一つからなるものであり(すなわち、鏡像異性体として純粋であり)、かつ複数のキラル中心を有する光学的に純粋な化合物は、ジアステレオマーおよび鏡像異性体のいずれとしても純粋なものである。好ましくは、本発明の化合物は、光学的に少なくとも90%純粋な形、すなわち単一の異性体を少なくとも90%含む形(80%の鏡像体過剰(「e.e.」)またはジアステレオマー過剰(「d.e.」))で用い、より好ましくは少なくとも95%(90%e.e.またはd.e.)、さらにより好ましくは少なくとも97.5%(95%e.e.またはd.e.)、および最も好ましくは少なくとも99%(98%e.e.またはd.e.)で用いる。
【0052】
加えて、式は同定された構造の溶媒和ならびに非溶媒和型を含むことが意図される。例えば、式Iは示された構造の化合物を、水和および非水和型の両方で含む。溶媒和化合物の他の例は、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミンとの組み合わせの構造を含む。
【0053】
本発明の化合物は、式Iの化合物ならびにそのような化合物の薬学的に許容される塩、そのような化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、そのような化合物の薬学的に活性な代謝産物、およびそのような代謝産物の薬学的に許容される塩を含む。
【0054】
「薬学的に許容される塩」は、特定の化合物の遊離酸および塩基の生物学的有効性を保持し、かつ生物学的にまたはそれ以外で有害ではない塩を意味することが意図される。本発明の化合物は、十分に酸性、十分に塩基性、または両方の官能基を有していてもよく、したがって、任意のいくつかの無機または有機塩基、ならびに無機および有機酸と反応して、薬学的に許容される塩を生成することができる。典型的な薬学的に許容される塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、およびマンデル酸塩を含む塩などの、本発明の化合物と鉱酸もしくは有機酸または無機塩基との反応によって調製される塩が含まれる。
【0055】
本明細書において用いられる場合、「薬学的に許容されるプロドラッグ」という用語は、生理的条件下、または加溶媒分解によって特定の化合物またはそのような化合物の薬学的に許容される塩に変換されうる、薬学的に許容される化合物を意味する。本明細書において用いられる場合、「薬学的に許容される活性代謝産物」という用語は、特定の化合物またはその塩の体内での代謝により産生される薬理学的に活性な産物を意味する。化合物のプロドラッグおよび活性代謝産物は、当技術分野において公知の日常的技術を用いて同定することができる。例えば、ベルトリーニ G.(Bertolini, G.)ら、J. Med. Chem.、第40巻、2011〜2016ページ(1997);シャン D.(Shan, D.)ら、J. Pharm. Sci.第86巻(7)、765〜767ページ;バグシャウエ K.(Bagshawe K.)、Drug Dev. Res.、第34巻、220〜230ページ(1995);ボーダー N.(Bordor, N.)、Advances in Drug Res.、第13巻、224〜331ページ(1984);バンガード H.(Bundgaard, H.)編、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」、Elsevier Press、ニューヨーク州ニューヨーク(1985);ラーセン I.K.(Larsen, I. K.)、「第5章−プロドラッグの設計および応用(Design and Application of Prodrugs)」、「薬物の設計および開発(Drug Design and Development)」、クロッグスガード−ラーセン(Krogsgaard−Larssen)ら編、Harwood Academic Publications、スイス(1991)を参照されたい。式Iの化合物のプロドラッグ、代謝産物、および代謝産物の薬学的塩の活性は、本明細書に記載されているような試験を用いて調べることができる。
【0056】
本発明の化合物が塩基である場合、所望の薬学的に許容される塩は、当技術分野において利用可能な任意の適当な方法、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、または酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピロビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸などのピラノシジル酸、クエン酸もしくは酒石酸などのアルファ−ヒドロキシ酸、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸塩もしくはケイヒ酸などの芳香族酸、p−トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸などのスルホン酸などの有機酸を用いた、遊離塩基の処理によって調製することができる。
【0057】
本発明の化合物が酸である場合、所望の薬学的に許容される塩は、任意の適当な方法、例えば、アミン(一級、二級または三級)、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ土類金属水酸化物などの無機または有機塩基を用いた、遊離酸の処理によって調製することができる。適当な塩の実例には、グリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸、アンモニア、一級、二級および三級アミン、ならびにピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなどの環状アミン由来の有機塩と、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウム由来の無機塩とが含まれる。
【0058】
固体物質の場合には、当業者であれば、本発明の化合物および塩は異なる結晶または多形の形で存在してもよく、これらはすべて本発明および明記された式の範囲内であることが意図される。
【0059】
本発明の薬学的組成物は、式Iの化合物の代わりに、またはそれに加えて、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、式Iの化合物のプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物またはそのような代謝産物の薬学的に許容される塩を活性成分として含むこともできる。そのような化合物、塩、プロドラッグ、および代謝産物は、本明細書において総称して「細胞周期制御剤」と呼ばれることもある。
【0060】
本発明の細胞周期制御剤は、哺乳類、特にヒトにおいて、内在組織の好ましくない増殖によって特徴付けられる、増殖性障害を治療するための医薬品として有用である。式Iの化合物は、過度の細胞増殖に関連する障害、例えば、癌、乾癬、白血球の好ましくない増殖を含む免疫障害、ならびに再狭窄および他の平滑筋障害を有する被験者を治療するために用いることができる。さらに、そのような化合物は有糸分裂後組織および/または細胞の脱分化を防止するために用いることもできる。
【0061】
本発明の薬学的組成物または調製物は、薬学的に許容される担体、および少なくとも一つの細胞周期制御剤の有効量を含む。治療または阻害の効果を得るために投与される細胞周期制御剤の特定の用量は、例えば、投与される特定の物質、投与経路、治療される状態、および治療される被験者または宿主を含む、状況を取り巻く特定の環境に従い、当技術分野において公知の様式で決定される。細胞周期制御剤の典型的な1日の総用量は、一回または複数回で投与してもよいが、体重1kgあたり約0.01mgから約50mgの用量を含む。
【0062】
本発明の細胞周期制御剤は、経口、直腸内、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、または鼻腔内などの、様々な適当な経路のいずれによって投与してもよい。細胞周期制御剤は、好ましくは、投与前に所望の経路に適した組成物に調剤される。
【0063】
本発明の薬学的組成物または調製物は、細胞周期制御剤の有効量、およびこの物質のための希釈剤または賦形剤などの薬学的に許容される担体とを含む。担体が希釈剤としてはたらく場合、これは一つまたは複数の活性成分のための媒体、賦形剤、または媒質としてはたらく固体、半固体、または液体材料でありうる。本発明の組成物は、一つまたは複数の活性成分を担体と混合する、もしくは活性成分を担体で希釈する、または活性成分をカプセル、サシェ、紙容器などの形でありうる担体中に封入もしくはカプセル化することによって製造することができる。一つまたは複数の細胞周期制御剤および任意の他の活性成分以外の、典型的な成分には、アビセル(微結晶性セルロース)、デンプン、乳糖、硫酸カルシウム二水和物、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、落花生油、オリーブ油、モノステアリン酸グリセリン、トゥイーン80(ポリソルベート80)、1,3−ブタンジオール、カカオ脂、蜜ろう、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、塩化ナトリウム、および水が含まれる。
【0064】
組成物は、所望の投与様式に適した任意の様々な形状で調製することができる。例えば、薬学的組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒質中で)、軟膏(例えば、10%重量までの細胞周期制御剤を含む)、軟ゲルおよび硬ゲルカプセル剤、坐剤、滅菌注射用溶液、滅菌包装粉末などの形に調製することができる。
【0065】
同様に、担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの当技術分野において公知の遅延型または持効性材料を、単独またはろう、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸メチルなどと共に含むこともできる。
【0066】
様々な薬学的剤形を用いることができる。したがって、固体担体を用いる場合、調製物は錠剤化するか、粉末もしくはペレットの形で硬ゼラチンカプセルに入れるか、またはトローチもしくはロゼンジの形とすることもできる。固体担体の量は変動しうるが、一般には約25mgから約1gまでと考えられる。液体担体を用いる場合、調製物はシロップ、乳剤、軟ゼラチンカプセル、アンプルもしくはバイアル中の滅菌注射用溶液もしくは懸濁液、または非水性懸濁液の形でありうる。
【0067】
安定な水溶性剤形を得るために、本発明の物質の薬学的に許容される塩を、コハク酸またはクエン酸の0.3M溶液などの、有機酸または無機酸の水溶液に溶解する。溶解性の塩の形が利用不可能な場合、物質を適当な共溶媒または複数の共溶媒の組み合わせに溶解してもよい。適当な共溶媒の例には、全体積の0〜60%の範囲の濃度での、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリソルベート80、グリセリンなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、式Iの化合物はDMSOに溶解し、水で希釈することができる。組成物は、水または等張食塩もしくはデキストロース溶液などの適当な水性媒体中で、活性成分の塩の溶液の形であってもよい。
【0068】
本発明の組成物は、薬学的組成物を調製するための一般に公知の様式で、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、湿式粉砕、乳化、カプセル化、捕捉または凍結乾燥などの通常の技術を用いて製造することができる。
【0069】
薬学的組成物は、活性化合物を薬学的に用いることができる調製物へ加工するのを容易にする、賦形剤および補助剤から選択することができる、一つまたは複数の生理的に許容される担体を用いる通常の様式で調剤することができる。
【0070】
適当な調剤は、選択された投与経路に応じて異なる。注射のためには、本発明の物質は水溶液、好ましくはハンクス液、リンガー液、または生理食塩緩衝液などの生理的に適合する緩衝液に調剤することができる。経粘膜投与のためには、透過すべき障壁に適した浸透剤を製剤中で用いる。そのような浸透剤は当技術分野において公知である。
【0071】
経口投与のためには、化合物は、活性化合物を当技術分野において公知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に調剤することができる。そのような担体は、本発明の化合物を、治療される患者による経口摂取のための錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして調剤することを可能にする。経口使用のための薬学的調製物は、固体賦形剤を活性成分(物質)との混合物で用い、得られた混合物を選択的に粉砕し、かつ、錠剤または糖衣錠の中心を得るために、望まれる場合には適当な補助剤を加えた後に顆粒混合物を加工することによって得ることができる。適当な賦形剤には次のものが含まれる:乳糖、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類などの充填剤;およびセルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、ゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはポリビニルピロリドン(PVP)。望まれる場合には、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩などの崩壊剤を加えてもよい。
【0072】
糖衣錠の中心は適当なコーティングと共に提供される。この目的のために、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適当な有機溶媒もしくは溶媒混合物を選択的に含んでいてもよい、濃縮糖溶液を用いることができる。識別のため、または活性物質の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料または色素を錠剤または糖衣錠コーティングに加えることもできる。
【0073】
経口で用いることができる薬学的調製物には、ゼラチン製のプッシュフィット(push−fit)カプセルと同様、ゼラチンならびにグリセロールおよびソルビトールなどの可塑剤製の密封軟カプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは、活性成分を、乳糖などの充填剤、澱粉などの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ならびに選択的に安定化剤との混合物で含むことができる。軟カプセル中では、活性物質は、脂肪油、流動パラフィン、または液状ポリエチレングリコールなどの適当な液体に溶解または懸濁されていてもよい。加えて、安定化剤も加えることができる。経口投与のためのすべての製剤は、そのような投与に適した剤形であるべきである。口腔内投与のためには、組成物は通常の様式で調剤された錠剤またはロゼンジの形を取ることもできる。
【0074】
鼻腔内または吸入による投与のために、本発明に従って用いるための化合物は、適当な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当な気体を用いて、加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾル噴霧の形で都合よく送達される。加圧エアロゾルの場合、投与量単位は測定した量を送達するための弁を用いることによって定量することができる。吸入器または注入器などで用いるためのゼラチンのカプセルまたはカートリッジは、化合物および乳糖またはデンプンなどの適当な粉末基剤の混合粉末を含んで調剤することができる。
【0075】
化合物は、注射、例えば、ボーラス注射または連続注入による非経口投与のために調剤することもできる。注射用製剤は、保存剤を加えた単位用量剤形、例えばアンプルで、または複数用量容器で提供することができる。組成物は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液または乳濁液などの形をとることもでき、また懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤を含むこともできる。
【0076】
非経口投与のための薬学的製剤には、水溶性の活性化合物の水溶液が含まれる。加えて、適当な油性注射懸濁剤として、活性化合物の懸濁液も調製することができる。適当な親油性溶媒または媒体には、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性注射懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁剤の粘性を高める物質を含むことができる。選択的に、懸濁剤は適当な安定化剤または化合物の溶解性を高めて高濃度溶液の調製を可能にする物質も含むことができる。
【0077】
眼への投与のために、式Iの化合物は、化合物を角膜ならびに、例えば、前房、後房、硝子体、房水、硝子体液、角膜、虹彩/毛様体、水晶体、脈絡膜/網膜および強膜を含む、眼の内部領域に浸透させるのに十分な時間、眼球表面に接触し続けさせるような、薬学的に許容される眼用媒体中で送達される。薬学的に許容される眼用媒体は、軟膏、植物油、またはカプセル化材料でありうる。本発明の化合物は、硝子体液および房水中に直接注射することもできる。
【0078】
または、活性成分は適当な媒体、例えば、使用前に発熱原を含まない滅菌水と、構成するための粉末の形であってもよい。化合物は、坐剤または保持浣腸などの直腸組成物、例えば、カカオ脂または他のグリセリドなどの通常の坐剤基剤を含む組成物に調剤することもできる。
【0079】
前述の製剤に加えて、化合物はデポー調製物として調剤することもできる。そのような長期作用製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与してもよい。したがって、例えば、化合物は適当な重合体もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中の乳濁液として)またはイオン交換樹脂と共に、または難溶性誘導体、例えば、難溶性の塩として調剤することもできる。
【0080】
疎水性化合物のための薬学的担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機重合体、および水相を含む共溶媒系である。共溶媒系はVPD共溶媒系であってもよい。VPDは、3%w/vベンジルアルコール、8%w/v非極性界面活性剤ポリソルベート80、および65%w/vポリエチレングリコール300の、無水エタノールで体積を合わせた溶液である。VPD共溶媒系(VPD:5W)は、5%デキストロース水溶液で1:1に希釈したVPDを含む。この共溶媒系は、疎水性化合物をよく溶解し、それ自体は全身投与した場合に低毒性である。もちろん、共溶媒系の比率は、その溶解性および毒性を破壊することなく、大幅に変動しうる。さらに、共溶媒成分の同一性も変動しうる:例えば、他の低毒性で非極性の界面活性剤をポリソルベート80の代わりに用いることができ;ポリエチレングリコールの比率の大きさが変動してもよく;他の生物適合性重合体、例えば、ポリビニルピロリドンをポリエチレングリコールの代わりに用いることができ;他の糖類または多糖をデキストロースの代わりに用いることができる。
【0081】
または、疎水性の薬学的化合物の他の送達系を用いることもできる。リポソームおよび乳濁液は、疎水性薬物の送達媒体または担体の公知の例である。ジメチルスルホキシドなどの一定の有機溶媒も用いることができるが、通常は毒性がより高いという犠牲が伴う。加えて、化合物は、治療物質を含む固体疎水性重合体の半透過性マトリックスなどの、持続放出系を用いて送達することもできる。様々な持続放出材料が確立されており、当業者には公知である。持続放出性カプセルは、その化学的性質に応じて、化合物を数週間から100日以上にわたって放出する。治療薬の化学的性質および生物学的安定性に応じて、タンパク質安定化のための他の戦略を用いることもできる。
【0082】
薬学的組成物は、適当な固相もしくはゲル相担体または賦形剤を含むこともできる。そのような担体または賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどの重合体が含まれる。
【0083】
本発明の化合物のいくつかは、薬学的に適合性の対イオンとの塩として提供されてもよい。薬学的に適合性の塩は、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などを含む多くの酸と形成されうる。塩は、水性または他のプロトン性溶媒中で、対応する遊離塩基型よりも溶解性が高い傾向にある。
【0084】
本発明の薬学的組成物は、細胞周期制御剤および、選択的に、細胞周期制御剤と適合性で、かつ治療される適応症に適した公知の抗増殖剤などの、一つまたは複数の他の活性成分を含む。
【0085】
化合物は抗脈管形成剤として、ならびにプロテインキナーゼの活性を調節および/または阻害するための薬剤として有用であり、したがって、癌またはプロテインキナーゼによって仲介される細胞増殖に関連する他の疾患の治療を提供する。
【0086】
本発明の物質の治療上有効量を、プロテインキナーゼの調節または制御によって仲介される疾患を治療するために用いることができる。「有効量」とは、物質がそのような治療を必要とする哺乳類に投与される場合、一つまたは複数のプロテインキナーゼの活性によって仲介される疾患の治療を行うのに十分な物質の量を意味することが意図される。したがって、例えば、式Iの化合物、その塩、活性代謝産物、またはプロドラッグの治療上有効量は、一つまたは複数のプロテインキナーゼの活性を、その活性によって仲介される疾患状態が軽減または緩和されるように、調節、制御または阻害するのに十分な量である。
【0087】
そのような量に対応すると考えられる所与の物質の量は、特定の化合物、疾患状態およびその重症度、治療を必要とする哺乳類の同一性(例えば体重)などの因子に応じて変動すると考えられるが、それにも関わらず、当業者により日常的に決定することができる。「治療」とは、一つまたは複数のプロテインキナーゼの活性によって、少なくとも部分的に影響を受けている、ヒトなどの哺乳類における疾患状態の、少なくとも軽減を意味することが意図され、以下を含む:特に哺乳類が疾患状態の素因を有することが判明しているが、その疾患状態を有すると診断されていない場合に、その哺乳類において疾患状態が起こるのを予防する段階;疾患状態を調節および/もしくは阻害する段階;ならびに/または疾患状態を緩和する段階。
【0088】
本発明の物質は、本明細書に記載の反応経路および合成方式を用い、当技術分野において利用可能な技術を用い、かつ容易に入手可能な出発物質を用いて調製することができる。本発明の好ましい化合物の調製は、下記の実施例に詳細に記載されているが、当業者であれば記載されている化学反応は、本発明のいくつかの他のプロテインキナーゼ阻害剤を調製するために容易に適応させうることを理解すると考えられる。例えば、本発明の例示されていない化合物の合成は、当業者には明らかな改変によって、例えば、妨害基を適当に保護することにより、他の当技術分野において公知の適当な試薬に変更することにより、または反応条件の日常的改変を行うことにより、首尾よく実施することができる。または、本明細書に開示されているか、または当技術分野において公知の他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適用可能性を有することが理解されると考えられる。
【0089】
本発明の物質を調製する際に用いるための典型的な反応経路および合成方式を以下に示す。
【0090】
「保護基」とは、一つまたは複数の固有の官能基を時期尚早の反応から保護する基を意味する。適当な保護基は、化合物を構築するために用いられる官能基および特定の化学反応を考慮して、当業者であれば日常的に選択することができる。適当な保護基の例は、例えば、グリーン(Greene)およびウッツ(Wutz)、「有機合成における保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」、第2版、John Wiley and Sons、ニューヨーク州ニューヨーク(1991)に記載されている。tert−ブトキシカルボニル(BOC)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリメチルシリル(TMS)などにおける本発明の実施において有用な典型的保護基。
【0091】
実施例
下記の実施例において、特に記載のない限り、温度はすべて摂氏温度で示し、割合%は重量によるものである。試薬はアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)またはランカスター・シンセシス(Lancaster Synthesis Ltd.)などの商業的供給会社から購入し、特に記載のない限り、それ以上の精製をせずに用いた。テトラヒドロフラン(THF)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)はアルドリッチ(Aldrich)から確かな密封瓶入りを購入し、受け取ったままで用いた。溶媒はすべて、当業者には容易に明らかとなる標準法を用いて精製した。
【0092】
下記の反応は一般には、窒素、アルゴンまたは乾燥チューブ付きの陽圧下、室温(特に記載のない限り)、無水溶媒中で実施し、反応フラスコにはシリンジから基質および試薬を導入するためのゴム膜を取りつけた。ガラス器具は乾燥器乾燥および/または熱乾燥した。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、裏がガラスのAnaltechシリカゲル60F254プレート(0.25mm)で行い、適当な溶媒比(v/v)で溶出し、場合に即して示している。反応はTLC、NMRまたはHPLCで分析し、出発物質の消費により判断して停止した。
【0093】
TLCプレートの可視化は、UVランプ、ヨウ素、またはp−アニスアルデヒド噴霧試薬もしくはリンモリブデン酸試薬(Aldrich Chemical、20%重量エタノール溶液)および加熱しての活性化により行った。後処理は一般的には、反応物の体積を反応溶媒または抽出溶媒で二倍にし、次いで、特に記載のない限り抽出体積の25%体積で、記載の水性溶液を用いて洗浄することにより実施した。生成物溶液は無水Na2SO4で乾燥後、ろ過し、溶媒をロータリーエバポレーターで減圧下に蒸発させ、溶媒を減圧除去したものとして記した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(スティル(Still)ら、J. Org. Chem.、43、2923(1978))は、特に記載のない限り、Merck EMフラッシュシリカゲル(47〜61μm)を、シリカゲル:粗生成物の比約20:1〜50:1で用いて行った。水素化分解は実施例中に示された圧または大気圧で行った。
【0094】
1H−NMRスペクトルはBrukerの機器を300MHzで操作して記録し、13C−NMRは75MHzで操作して記録した。NMRスペクトル(ppmで報告)はCDCl3溶液で、標準としてクロロホルム(7.25ppmおよび77.00ppm)もしくはCD3OD(3.4および4.8ppmならびに49.3ppm)、またはしかるべき場合には内部標準のテトラメチルシラン(0.00ppm)を用いて記録した。他のNMR溶媒も必要に応じて用いた。ピークの多重度を報告する場合には、下記の略語を用いる:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(幅広)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)。カップリング定数を示す場合は、ヘルツ(Hz)で報告する。
【0095】
赤外(IR)スペクトルは、Perkin−Elmer FT−IR分光器で、ニートオイル、KBr錠、またはCDCl3溶液として記録し、波数(cm−1)で報告する。質量分析スペクトルは、LSIMSまたはエレクトロスプレーを用いて記録した。融点(mp)はすべて未補正である。
【0096】
特に記載のない限り、出発物質は市販されているか、または当技術分野において公知の一般的技術を用いて得ることができる。
【0097】
典型的化合物
実施例1(a):フェニル−(5−チオフェン−2−イル−1H−ピラゾル−3−イル)−アミン(化合物A)
【化67】
2−アセチルチオフェン(0.93mL、8.6mmol)およびイソチオシアン酸フェニル(1.03mL、8.6mmol)を無水DMF(6mL)中、0℃で撹拌した。水素化ナトリウム(380mg、9.5mmol、鉱油中60%)を加え、反応混合物を室温で1.5時間(すべてのガス発生が止まるまで)撹拌した。ヨードメタン(590μL、9.4mmol)を加え、反応混合物を1時間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣をエーテル(60mL)に溶解し、H2O(30mL)および食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濃縮して黄色オイルを得た。
【0098】
この粗N,S−アセタールをエタノール(15mL)に溶解した。ヒドラジン水和物(625μL、12.9mmol)を加え、反応混合物を16時間撹拌還流させた。次いでこれを減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(50%EtOH/Hex)で精製した。CHCl3/ヘキサン2:1からの沈殿物をろ取して、720mg(収率35%)の化合物Aを白色固体で得た。
関連する方法については、参照として本明細書に組み入れられる、ビシュワカルマ(Vishwakarma)ら、Indian J. Chem、第24B巻、472〜476ページ(1985)を参照されたい。
【0099】
実施例1(b):(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−フェニル−アミン(化合物B)
【化68】
実施例1(a)の方法と同様に、3−アセチルベンゾ[b]チオフェンおよびイソチオシアン酸フェニルから35%の収率で調製した。
【0100】
実施例1(c):フェニル−(5−ピリジン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−アミン(化合物C)
【化69】
実施例1(a)の方法と同様に、3−アセチルピリジンおよびイソチオシアン酸フェニルから46%の収率で調製した。
【0101】
実施例1(d):(1,8−ジヒドロ−インデノ[2,1−c]ピラゾル−3−イル)−フェニル−アミン(化合物D)
【化70】
実施例1(a)の方法と同様に、新しく蒸留した2−インダノンおよびイソチオシアン酸フェニルから26%の収率で調製した。
【0102】
実施例1(e):[5−(4−ブロモ−チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミン(化合物E)
【化71】
実施例1(a)の方法と同様に、4−アセチル−3−ブロモ−チオフェンおよびイソチオシアン酸フェニルから43%の収率で調製した。
【0103】
4−アセチル−3−ブロモ−チオフェン
【化72】
3,4−ジブロモ−チオフェン(1.5mL、13.6mmol)を無水エーテル(30mL)中、−78℃、アルゴン雰囲気下で撹拌した。n−ブチルリチウム(6.0mL、2.5Mヘキサン溶液、14.9mmol)を滴加した。反応混合物を20分間撹拌し、エーテル(2mL)中のN−メトキシ−N−メチル−アセトアミド(1.66mL、16.3mmol)を加えた。反応混合物を−78℃で30分間、次いで室温まで加温しながら30分間撹拌した。有機層を1N HCl、H2O、飽和NaHCO3、および食塩水(各15mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(20%から30%EtAc/ヘキサン)により精製して1.69g(61%)の4−アセチル−3−ブロモ−チオフェンを淡黄色オイルで得た。
【0104】
実施例1(f):フェニル−[5−(4−トランス−スチリル−チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イル]−アミン(化合物F)
【化73】
実施例1(a)の方法と同様に、3−アセチル−4−トランス−スチリル−チオフェンおよびイソチオシアン酸フェニルから51%の収率で調製した。
【0105】
3−アセチル−4−(トランス−スチリル)−チオフェン
【化74】
4−アセチル−3−ブロモ−チオフェンの調製法と同様に、3−ブロモ−4−(トランス−スチリル)−チオフェン(ムンロ(Munro)ら、J. Chem. Soc. Perkin. Trans.、第1巻、1718〜1723ページ(1980)を参照されたく、この開示は参照として本明細書に組み入れられる)から51%の収率で調製した。
【0106】
実施例1(g):[5−(4−シクロヘキサ−1−エニル−チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミン(化合物G)
【化75】
実施例1(a)の方法と同様に、3−アセチル−4−シクロヘキサ−1−エニル−チオフェンおよびイソチオシアン酸フェニルから28%の収率で調製した。
【0107】
3−アセチル−4−シクロヘキサ−1−エニル−チオフェン
【化76】
4−アセチル−3−ブロモ−チオフェンの調製法と同様に、3−ブロモ−4−シクロヘキサ−1−エニル−チオフェン(参照として本明細書に組み入れられる、マクドウェル(MacDowell);ジェフリーズ(Jeffries)J. Org. Chem.、1970、35、871〜875を参照)から31%の収率で調製した。
【0108】
実施例1(h):[5−(4−シクロヘキシル−チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミン(化合物H)
【化77】
[5−(4−シクロヘキサ−1−エニル−チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニルアミン(50mg、0.156mmol)の水素添加を、メタノール(5mL)および酢酸(0.5mL)中、10%パラジウム/活性炭(約20mg)を用い、水素風船下で実施した。16時間撹拌後、反応混合物をセライトろ過した。ろ液をエーテル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(2×25mL)および食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して29mg(58%)の[5−(4−シクロヘキシル−チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニルアミンを白色固体で得た。
【0109】
実施例1(i):フェニル−[5−(4−フェニルスルファニル−チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−アミン(化合物I)
【化78】
実施例1(a)の方法と同様に、3−アセチル−4−フェニルスルファニル−チオフェンおよびイソチオシアン酸フェニルから35%の収率で調製した。
【0110】
3−ブロモ−4−フェニルスルファニル−チオフェン
【化79】
n−ブチルリチウム(5.0mL、2.5Mヘキサン溶液、12.5mmol)を無水エーテル(12mL)中、−78℃、アルゴン雰囲気下で撹拌した。エーテル(1mL)中の3,4−ジブロモ−チオフェン(1.25mL、11.3mmol)を滴加し、反応混合物を25分間撹拌した。エーテル(15mL)中の二硫化フェニル(2.73g、12.5mmol)をゆっくり加え、反応混合物を−78℃で1時間、次いで0℃で2時間撹拌した。反応を飽和NH4Cl溶液(15mL)で停止させ、有機層を抽出し、食塩水(15mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させて、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(1%〜10%エーテル/ヘキサン)により精製して2.57g(84%)の3−ブロモ−4−フェニルスルファニル−チオフェンを透明なオイルで得た。
【0111】
4−アセチル−3−フェニルスルファニル−チオフェン
【化80】
4−アセチル−3−ブロモ−チオフェンの調製法と同様に、3−ブロモ−4−フェニルスルファニル−チオフェンから66%の収率で調製した。
【0112】
[5−(N−BOC−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミン
【化81】
ビス(トリメチルシリル)アミドリチウム(2.71mL、1.0M/THF、2.71mmol)を無水THF(15mL)中、−78℃、アルゴン雰囲気下で撹拌した。THF(10mL)中のN−BOC−3−アセチル−インドール(参照として本明細書に組み入れられる、ダンヘイザーR.L.(Danheiser, R.L.);ブリスボイスR.G.(Brisbois, R.G.);コワルクジークJ.J(Kowalczyk, J.J);ミラーR.F.(Miller, R.F.)J. Amer. Chem. Soc.、第112巻、3093〜3100ページ(1990)を参照)(586mg、2.26mmol)をゆっくり滴加し、反応混合物を30分間撹拌した。イソチオシアン酸フェニル(325μL、2.71mmol)を加え、反応混合物を室温まで加温しながら1時間撹拌した。橙色の溶液を飽和NH4Cl溶液(30mL)に注ぎ、エーテル(2×30mL)で抽出した。有機層を食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮した。
【0113】
この粗チオアミドをエタノール(20mL)に溶解した。ヒドラジン水和物(180μL、2.1mmol)およびHOAc(5滴)を加え、反応混合物を還流させながら2時間撹拌した後、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(30%〜50%EtOAc/ヘキサン)により精製して499mg(59%)の[5−(N−BOC−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミンを淡黄色の泡で得た。
【0114】
実施例1(j):[5−(1H−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミン(化合物J)
【化82】
[5−(N−BOC−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミン(332mg、0.89mmol)を50%TFA/CH2Cl2(8mL)中、室温で1時間撹拌し、この時点で材料は沈殿し、固体の塊となった。溶媒を減圧除去し、固体をEtOAc(50mL)に溶解し、飽和NaHCO3(25mL)および食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(50%〜70%EtOAc/ヘキサン)により精製して182mg(75%)の[5−(1H−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミンを白色固体で得た。
【0115】
実施例2(a):(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−ピラゾル−3−イル)−4−(メトキシ−フェニル)−アミン(化合物K)
【化83】
実施例1(a)の方法に従い、3−アセチルベンゾチオフェンおよびイソチオシアン酸4−メトキシ−フェニルから47%の収率で調製した。
【0116】
実施例2(b):4−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−フェノール(化合物L)
【化84】
[5−(3−ベンゾ[b]チオフェニル)−1H−ピラゾル−3−イル]−4−メトキシ−フェニルアミン(400mg、1.25mmol)を無水CH2Cl2(10mL)中、−78℃で撹拌した。三臭化ホウ素(2.59mL、1.0M CH2Cl2溶液、2.59mmol)を加え、反応混合物を室温まで加温しながら16時間撹拌した。反応を0.1N HCl(10mL)で停止させ、15分間撹拌した。次いで、飽和NaHCO3で中和し、CHCl3(50mL)で抽出した。有機層を食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(60%EtAc/ヘキサン)により精製して121mg(32%)の4−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−フェノールを白色固体で得た。
【0117】
実施例2(c):(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−3−(メトキシ−フェニル)−アミン(化合物M)
【化85】
実施例1(a)の方法と同様に、3−アセチルベンゾ[b]チオフェンおよびイソチオシアン酸3−メトキシ−フェニルから40%の収率で調製した。
【0118】
実施例2(d):3−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−フェノール(化合物N)
【化86】
4−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−ピラゾル−3−イルアミノ)−フェノール[実施例2(b)]の方法と同様に、(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−3−(メトキシ−フェニル)−アミンから26%の収率で調製した。
【0119】
実施例2(e):4−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド(化合物O)
【化87】
3−アセチルベンゾ[b]チオフェン(400mg、2.3mmol)および4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミド(740mg、2.3mmol)を無水DMF(12mL)中、0℃で撹拌した。水素化ナトリウム(190mg、鉱油中60%、4.75mmol)を加え、反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、この時点ですべてのガス発生は止まっていた。反応混合物を0.1N HCl(30mL)に注ぎ、エーテル(2×35mL)で抽出した。有機層を食塩水(35mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮して黄色固体を得た。
【0120】
この粗チオアミドをエタノール(20mL)に溶解した。ヒドラジン水和物(100δL、2.1mmol)およびHOAc(5滴)を加え、反応混合物を還流させながら2時間撹拌した。次いで、これを減圧濃縮し、残渣をエーテル(40mL)に取った。黄色固体をろ取し、次いでメタノールから再結晶させて265mg(32%)の4−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−ベンゼンスルホンアミドを白色固体で得た。
【0121】
4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミド
【化88】
4−イソチオシアナト−ベンゼンスルホンアミド(750mg、3.5mmol)および塩化tert−ブチルジメチルシリル(528mg、3.5mmol)を無水THF(20mL)中、0℃で撹拌した。水素化ナトリウム(210mg、鉱油中60%、5.25mmol)を加え、反応混合物を1時間撹拌した後、H2O(50mL)に注ぎ、エーテル(2×50mL)で抽出した。有機層を食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して920mg(80%)の4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミドを白色固体で得た。
【0122】
実施例3(a):4−[5−(7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(化合物P)
【化89】
4−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド[実施例2(e)]の方法と同様に、3−アセチル−7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェンおよび4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミドから41%の収率で調製した。
【0123】
3−アセチル−7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン
【化90】
7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン(参照として本明細書に組み入れられる、アミン(Amin)ら、J. Chem Soc. Perkin Trans.、第2巻、1489〜1492ページ(1982)を参照)(2.49g、11.7mmol)をベンゼン(25mL)中、無水酢酸(3.31mL、35.1mmol)と共に、アルゴン雰囲気下で撹拌した。ベンゼン(15mL)中の塩化スズIV(4.1mL、35.1mmol)をゆっくり加え、反応混合物をアルゴン雰囲気下で還流させながら2時間撹拌した。赤色溶液を放冷し、氷水(60mL)に注いだ。エーテル(100mL)を加え、有機層を分離し、水(50mL)、飽和NaHCO3(50mL)、食塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させて、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10% EtOAc/ヘキサン)により精製して1.92g(64%)の3−アセチル−7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェンを白色固体で得た。
さらに、490mg(16%)の高極性2−アセチル−7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェンを単離した。
【0124】
実施例3(b):4−{5−[7−(3−メトキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(化合物Q)
【化91】
4−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド[実施例2(e)]の方法と同様に、3−アセチル−7−(3−メトキシ)−ベンジル−ベンゾ[b]チオフェンおよび4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミドから41%の収率で調製した。
【0125】
3−アセチル−7−(3−メトキシ)−フェニル−ベンゾ[b]チオフェン
【化92】
アルゴンでパージしたフラスコ内で、3−アセチル−7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン(880mg、3.45mmol)、3−メトキシ−フェニルボロン酸(578mg、3.8mmol)、および炭酸ナトリウム(403mg、3.8mmol)を、ベンゼン(20mL)、メタノール(4mL)、およびH2O(1mL)中で撹拌した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(300mg、0.26mmol)を加え、反応混合物をアルゴン雰囲気下で還流させながら9時間撹拌した。冷却した反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、H2O(50mL)および食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させて、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(10%から20% EtOAc/ヘキサン)により精製して726mg(75%)の3−アセチル−7−(3−メトキシ)−フェニル−ベンゾ[b]チオフェンを淡黄色固体で得た。
【0126】
実施例3(c):4−{5−[7−(3−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(化合物R)
【化93】
4−{5−[7−(3−メトキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(130mg、0.27mmol)および塩化ピリジニウム(1.3g)を密封容器内で合わせ、180℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、飽和NaHCO3溶液で反応を停止させて固体の塊をくずし、EtOAc(60mL)で抽出した。有機層を食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して86mg(68%)の4−{5−[7−(3−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミドを白色固体で得た。
【0127】
実施例3(d):4−{5−[7−(4−メトキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(化合物S)
【化94】
ビス(トリメチルシリル)アミドリチウム(2.48mL、THF中1.0M、2.48mmol)を無水THF(10mL)中、−78℃、アルゴン雰囲気下で撹拌した。THF(8mL)中の3−アセチル−7−(4−メトキシ)−フェニル−ベンゾ[b]チオフェン(636mg、2.25mmol)をゆっくり加え、反応混合物を30分間撹拌した。この間に、別のフラスコで、4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミド(775mg、2.36mmol)をTHF(10mL)中、−78℃で撹拌し、ビス(トリメチルシリル)アミドリチウム(2.58mL、2.58mmol)を滴加した。これを10分間撹拌した後、カニューレからケトンを含むフラスコに加え、反応混合物を室温まで加温しながら1.5時間撹拌した。得られた橙色の材料を0.1N HCl(40mL)に注ぎ、エーテル(2×30mL)で抽出した。有機層を食塩水(25mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮して、黄色の泡を得た。
【0128】
この粗チオアミドをエタノール(20mL)に溶解した。ヒドラジン水和物(100μL、2.1mmol)およびHOAc(5滴)を加え、反応混合物を還流させながら2時間撹拌した。次いで、これを減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(60%THF/ヘキサン)により精製した。MeOHから沈殿させ、ろ取して386mg(36%)の4−{5−[7−(4−メトキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミドを白色固体で得た。
【0129】
実施例3(e):4−{5−[7−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(化合物T)
【化95】
4−{5−[7−(3−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド[実施例3(c)]のための方法と同様に、4−{5−[7−(4−メトキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミドから63%の収率で調製した。
【0130】
実施例3(f):{5−[3−(5−ブロモ)−ベンゾ[b]チオフェニル]−1H−ピラゾル−3−イル}−フェニルアミン−4−スルホンアミド(化合物U)
【化96】
4−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド[実施例2(e)]のための方法と同様に、3−アセチル−5−ブロモ−ベンゾチオフェンおよび4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミドから26%の収率で調製した。
【0131】
3−アセチル−5−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン
【化97】
3−アセチル−7−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェンの調製法と同様に、5−ブロモベンゾ[b]チオフェン(参照として本明細書に組み入れられる、プレP.A.(Ple, P.A.);マーネットL.J.(Marnett, L.J.)J. Heterocycl. Chem.、第25巻、1271〜1272ページ(1988)を参照)から70%の収率で調製した。
【0132】
実施例3(g):4−[5−(6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(化合物V)
【化98】
4−{5−[7−(4−メトキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド[実施例3(d)]のための方法と同様に、3−アセチル−6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェンおよび4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミドから34%の収率で調製した。
【0133】
6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸メトキシ−メチルアミド
【化99】
6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(参照として本明細書に組み入れられる、タイタスR.L.(Titus, R.L.);タイタスC.F. J. Heterocycl. Chem.、1973、10、679〜681を参照)(1.2g、5.77mmol)を無水CH2Cl2(50mL)中、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(620mg、6.35mmol)と共に撹拌した。HOBT(1.54g、8.08mmol)、EDC(1.54g、8.08mmol)、およびDIEA(2.16mL、12.11mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をCHCl3(50mL)で希釈し、H2O、1N HCl、H2O、飽和NaHCO3、および食塩水(各25mL)で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(30%から50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、952mg(66%)の6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸メトキシ−メチルアミドを透明なオイルで得た。
【0134】
3−アセチル−6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン
【化100】
6−メトキシベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸メトキシメチルアミド(800mg、3.19mmol)を無水THF(20mL)中、アルゴン雰囲気下、−78℃、アルゴン雰囲気下で撹拌した。メチルリチウム(5.0mL、ヘキサン中1.5M、2.35mmol)を滴加し、反応混合物を−78℃で1時間、次いで−20℃まで温度を上げながら1時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(40mL)に注ぎ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機層を食塩水(各25mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、234mg(36%)の3−アセチル−6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェンを橙色固体で得た。
【0135】
実施例3(h):4−[5−(6−ヒドロキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(化合物W)
【化101】
4−{5−[7−(3−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル]−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド[実施例3(c)]のための方法と同様に、4−[5−(6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミドから29%の収率で調製した。
【0136】
実施例3(i):4−[5−(1H−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド(化合物X)
【化102】
[5−(1H−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニル−アミン[実施例1(J)]の調製法と同様に、4−[5−(N−BOC−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミドから88%の収率で調製した。
【0137】
4−[5−(N−BOC−インドル−3−イル)−1H−ピラゾル−3−イルアミノ]−ベンゼンスルホンアミド
【化103】
3−アセチル−N−BOC−インドール(参照として本明細書に組み入れられる、マクドウェル;ジェフリーズ J. Org. Chem.、1970、35、871〜875を参照)、および[5−{3−[7−(4−メトキシ)−フェニル]−ベンゾチオフェニル}−1H−ピラゾル−3−イル]−フェニルアミン−4−スルホンアミド[実施例3(d)]のための方法と同様に4−イソチオシアナト−N−(TBDMS)−ベンゼンスルホンアミドから、66%の収率で調製した。
【0138】
生化学および生物学的評価:
前述の典型的化合物を、その活性に関して下記のとおり試験することができる。プロテインキナーゼ阻害剤の、増殖因子によって誘導される細胞増殖を阻止する能力は、受容体自己リン酸化を阻止するその能力と直接相関している。化合物のプロテインキナーゼ阻害活性を測定するために、下記の構築物を考案した。
【0139】
サイクリン依存性キナーゼ活性を、[32P]ATPまたは[33P]ATPからの放射性リン酸塩のタンパク質基質への、酵素により触媒された時間依存性の取り込みを定量することにより測定した。特に記載のない限り、アッセイは96穴プレートで、一反応あたり10mM HEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸])(pH7.4)、10mM MgCl2、25μMアデノシン三リン酸(ATP)、1mg/mLオバルブミン、5μg/mLロイペプチン、1mMジチオスレイトール、10mMベータ−グリセロリン酸、0.1mMバナジン酸ナトリウム、1mMフッ化ナトリウム、2.5mMエチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’N’−四酢酸(EGTA)、2%(v/v)ジメチルスルホキシド、および0.03〜0.4μCi[32/33P]ATP存在下、合計量50μLで実施した。反応は酵素により開始し、30℃でインキュベートし、20分後にエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を250mMまで加えることによって停止した。次いで、リン酸化基質をニトロセルロースまたはホスホセルロース膜上に96穴ろ過マニホールドを用いて捕捉し、取り込まれていない放射能を0.85%リン酸で繰り返し洗浄することにより除去した。乾燥させた膜をホスホイメージャー(phosphorimager)に曝露することによって放射能を定量した。
【0140】
見かけのKi値を、異なる濃度の阻害剤化合物存在下で酵素活性をアッセイし、酵素非存在下で測定したバックグラウンド放射能を減じることによって測定した。阻害データを、カレイダグラフ(Kaleidagraph)(Synergy Software)を用いて競合的阻害のための式にあてはめるか、またはキネティック(KineTic)ソフトウェア(BioKin, Ltd.)を用いて競合的強結合阻害のための式にあてはめた。
【0141】
CDK4 /サイクリン D 網膜芽細胞腫キナーゼ活性の阻害:
ヒトCDK4およびサイクリンD3の複合体、またはヒトCDK4および遺伝子操作によって短縮された(1〜264)サイクリンD3の複合体を、対応するバキュロウイルス発現ベクターに同時感染している昆虫細胞から、伝統的な生化学クロマトグラフィー法を用いて精製した(例えば、メイジャー(Meijer)およびキム(Kim)、「サイクリン依存性キナーゼの化学的阻害(Chemical Inhibitors of Cyclin−Dependent Kinases)」、Methods in Enzymoloy、第283巻、113〜128ページ(1997)参照)。酵素複合体(5nMまたは50nM)を、0.3μg〜0.5μgの精製組換え網膜芽細胞腫タンパク質断片(Rb)を基質としてアッセイした。操作されたRb断片(天然網膜芽細胞腫タンパク質の386〜928残基;62.3kDa)は、天然の106kDaのタンパク質中に見いだされるリン酸化部位の大部分、ならびに精製を容易にするためのヒスチジン6残基のタグを含んでいる。リン酸化Rb基質を微細ろ過によりニトロセルロース膜上に捕捉し、前述のとおりホスホイメージャーを用いて定量した。強力な結合阻害剤の測定のためには、酵素複合体濃度を5nMに下げ、アッセイ時間を60分間に延長したが、その間、生成物形成の時間依存性は直線的であった。
【0142】
CDK2 /サイクリン A 網膜芽細胞腫キナーゼ活性の阻害:
CDK2を公表されている方法(ローゼンブラット(Rosenblatt)ら、「ヒトサイクリン依存性キナーゼ2の精製および結晶化(Purification and Crystallization of Human Cyclin−dependent Linase 2)」、J. Mol. Biol.、第230巻、1317〜1319ページ(1993))を用いて、バキュロウイルス発現ベクターを感染させた昆虫細胞から精製した。サイクリンAは全長組換えサイクリンAを発現する大腸菌細胞から精製し、短縮したサイクリンA構築物を限定的タンパク質分解により生成し、以前に記載されているとおりに精製した(ジェフリー(Jeffrey)ら、「サイクリンA−CDK2複合体の構造によって明らかにされるCDK活性化の機構(Mechanism of CDK activation revealed by the structure of a cyclin A−CDK2 complex)」、Nature、第376巻、313〜320ページ(1995年7月27日)。CDK2およびタンパク質分解されたサイクリンAの複合体を調製し、ゲルろ過によって精製した。このアッセイ法の基質はCDK4アッセイ法に用いたものと同じRb基質断片で、CDK2/サイクリンAおよびCDK4/サイクリンD3のアッセイ法は、CDK2を150nMまたは5nMとした以外は、基本的に同じであった。Ki値を前述のとおりに測定した。
【0143】
VEGFその他などの増殖因子による細胞増殖の刺激は、それらの各受容体のチロシンキナーゼの自己リン酸化誘導に依存している。したがって、これらの増殖因子により誘導される細胞増殖を阻止するプロテインキナーゼ阻害剤の能力は、受容体自己リン酸化を阻止する能力に直接相関している。化合物のプロテインキナーゼ阻害活性を測定するために、以下の構築物を用いた。
【0144】
アッセイのための VEGF−R2 構築物
この構築物は試験化合物のチロシンキナーゼ活性を阻害する能力を調べるものである。ヒト血管内皮増殖因子受容体2(VEGF−R2)の、キナーゼ挿入ドメインの68残基の50の中心残基を欠く、細胞質ゾルドメインの構築物(VEGF−R2Δ50)を、バキュロウイルス/昆虫細胞系において発現させた。この構築物はマクティーグ(McTigue)ら、Structure、第7巻、319〜330ページ(1999)および1999年9月7日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/390,326号に記載されている。全長VEGF−R2の1356残基のうち、VEGF−R2Δ50は野生型VEGF−R2に比べて、806〜939残基および990〜1171残基を含み、またキナーゼ挿入ドメイン内に一つの点突然変異(E990V)を含む。精製構築物の自己リン酸化は、酵素を4μMの濃度で、5%グリセロールおよび5mM DTTを含む100mM Hepes(pH7.5)中、3mM ATPおよび40mM MgCl2存在下、4℃で2時間インキュベートすることにより実施した。自己リン酸化後、この構築物は野生型の自己リン酸化されたキナーゼドメイン構築物と基本的に等しい触媒活性を有することが明らかにされた。パラスト(Parast)ら、Biochemistry、第37巻、16788〜16801ページ(1998)参照。
【0145】
アッセイのための CHK1 構築物
C末端にHisタグを有する全長ヒトCHK1(FL−CHK1)を、バキュロウイルス/昆虫細胞系を用いて発現させた。これは476アミノ酸のヒトCHK1のC末端に6個のヒスチジン残基(6×Hisタグ)を含む。タンパク質は通常のクロマトグラフィー法によって精製した。
【0146】
VEGF−R2 アッセイ法
連結分光光度( FLVK−P )アッセイ法
リン酸基転移を伴うATPからADPの生成を、ホスホエノールピルビン酸(PEP)ならびにピルビン酸キナーゼ(PK)および乳酸脱水素酵素(LDH)を有する系を用いるNADHの酸化と連結させた。NADHの酸化を、Beckman DU650分光光度計を用い、340nm(e340=6.22cm−1mM−1)の吸光度の低下を追跡することによってモニターした。リン酸化VEGF−R2Δ50(下記の表ではFLVK−Pと示している)のアッセイ条件は次のとおりであった:200mM Hepes(pH7.5)中、1mM PEP;250μM NADH;1mLあたり50単位のLDH;1mLあたり20単位のPK;5mM DTT;5.1mMポリ(E4Y1);1mM ATP;および25mM MgCl2。非リン酸化VEGF−R2Δ50(表ではFLVKと示している)のアッセイ条件は次のとおりであった:200mM Hepes(pH7.5)中、1mM PEP;250μM NADH;1mLあたり50単位のLDH;1mLあたり20単位のPK;5mM DTT;20mMポリ(E4Y1);3mM ATP;ならびに60mM MgCl2および2mM MnCl2。アッセイは5nMから40nMの酵素で開始した。Ki値を様々な濃度の試験化合物存在下、酵素活性を測定することによって求めた。データはエンザイムキネティックおよびカレイダグラフソフトウェアを用いて解析した。
【0147】
ELISA アッセイ法
ホスホガストリンの生成をビオチン化ガストリンペプチド(1〜17)を基質に用いてモニターした。ビオチン化ホスホガストリンをストレプトアビジンでコーティングした96穴マイクロタイタープレートを用いて固定化した後、セイヨウワサビペルオキシダーゼに結合した抗ホスホチロシン抗体を用いて検出した。セイヨウワサビペルオキシダーゼの活性を2,2’−アジノ−ジ−[3−エチルベンザチアゾリンスルホネート(6)]2アンモニウム塩(ABTS)を用いてモニターした。典型的アッセイ溶液には以下が含まれていた:200mM Hepes(pH7.5)中、2μMビオチン化ガストリンペプチド;5mM DTT;20μM ATP;26mM MgCl2;および2mM MnCl2。アッセイは0.8nMのリン酸化VEGF−R2Δ50で開始した。セイヨウワサビペルオキシダーゼ活性は10mMのABTSを用いてアッセイした。セイヨウワサビペルオキシダーゼ反応を酸(H2SO4)の添加により停止し、その後405nmの吸光度を読み取った。Ki値を様々な濃度の試験化合物存在下、酵素活性を測定することによって求めた。データはエンザイムキネティックおよびカレイダグラフソフトウェアを用いて解析した。
【0148】
CHK1 アッセイ法
合成基質ペプチドSyntide−2(PLARTLSVAGLPGKK)へのリン酸基転移を伴うATPからADPの生成を、ホスホエノールピルビン酸(PEP)を用いたピルビン酸キナーゼ(PK)および乳酸脱水素酵素(LDH)の作用によるNADHの酸化と連結させた。NADHの酸化を、HP8452分光光度計を用い、340nm(∈340=6.22cm−1mM−1)の吸光度の低下を追跡することによってモニターした。典型的反応溶液には以下のものが含まれていた:50mM TRIS(pH7.5)中、4mM PEP;0.15mM NADH;1mLあたり28単位のLDH;1mLあたり16単位のPK;3mM DTT;0.125mM Syntide−2;0.15mM ATP;25mM MgCl2;および400mM NaCl。アッセイは10nMのFL−CHK1で開始した。Ki値を様々な濃度の試験化合物存在下、初期酵素活性を測定することによって求めた。データはエンザイムキネティックおよびカレイダグラフソフトウェアを用いて解析した。
【0149】
前述の特定の実施例を含む、化合物に対して行ったアッセイの結果を下記の表1に示している。特定の項目で特に記載のない限り、用いた単位およびアッセイは表の該当する欄に示したとおりである。
【0150】
【表1】CDKのKi
【0151】
細胞増殖の阻害:細胞毒性の評価:
細胞増殖の阻害を、生存細胞の臭化3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−2,5−[2H]−ジフェニルテトラゾリウム(MTT)をホルマザンに還元する能力に基づく、テトラゾリウム塩アッセイ法(モスマン(Mossman)、Journal of Immunological Methods、第65巻、55〜58ページ(1983))を用いて測定した。次いで、水不溶性の紫色のホルマザン生成物を分光光度分析によって検出した。HCT116細胞系統を96穴プレートで培養した。細胞をマッコイの5A培地中135μl/穴の量で適当な培地中に播種した。プレートを4時間インキュベートした後、阻害剤化合物を加えた。異なる濃度の阻害剤化合物を0.5%(v/v)ジメチルスルホキシド(15μL/穴)に加え、細胞を37℃(5%CO2)で4日から6日間(細胞型に応じて)インキュベートした。インキュベーション終了時に、MTTを最終濃度0.2mg/mLとなるまで加え、細胞を37℃でさらに4時間インキュベートした。プレートを遠心沈降し、培地を除去した後、ホルマザン(ジメチルスルホキシドに可溶化)の吸光度を540nmで測定した。増殖の50%阻害を引き起こす阻害剤化合物の濃度を、阻害剤濃度と阻害割合%の片対数プロットの直線部分から求めた。すべての結果を0.5%(v/v)ジメチルスルホキシドだけで処理した対照細胞と比較した。
【0152】
【表2】
【0153】
上記の実施例は、式Iによる化合物、および様々なキナーゼ複合体に対するそれらの活性レベルを求めるために、容易に実施できるアッセイ法を例示している。選択された標的に対し、望ましいレベルの活性を有する阻害剤を選択するために、そのようなアッセイ法、または当技術分野において公知の他の適当なアッセイ法を用いうることは明らかであると考えられる。
【0154】
前述の典型的化合物は、下記の一般的実施例に従い、薬学的組成物に調剤することができる。
【0155】
実施例 1 :非経口組成物
注射による投与に適した非経口薬学的組成物を調製するために、式Iの化合物の水溶性塩100mgをDMSOに溶解し、次いで0.9%滅菌食塩水10mLと混合する。混合物を注射による投与に適した単位剤形に取り込む。
【0156】
実施例 2 :経口組成物
経口送達のための薬学的組成物を調製するために、式Iの化合物100mgを乳糖750mgと混合する。混合物を、経口投与に適した、硬ゼラチンカプセルなどの経口単位剤形に取り込む。
【0157】
本発明を特定の好ましい態様に関して示してきたが、当業者であれば、通常の実験および本発明の実施を通じて変更および改変が可能であることを認識すると考えられる。したがって、本発明は前述の記載によって限定されることが意図されるものではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらと同等のものによって規定されることが意図される。
Claims (12)
- R1が無置換または置換フェニルであり、R2が置換または無置換ヘテロアリールであり、かつR3が水素である、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、または薬学的に活性な代謝産物もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩。
- R1が無置換フェニルまたは電子吸引基で置換されたフェニルであり、R2がヘテロ原子として少なくとも一つの硫黄または窒素を有する、置換または無置換ヘテロアリールであり、かつR3が水素である、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、または薬学的に活性な代謝産物もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩。
- R1が電子吸引基で置換されたフェニルであり、R2がヘテロ原子として少なくとも一つの硫黄を有する、置換または無置換ヘテロアリールであり、かつR3が水素である、請求項1に記載の、化合物、薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、または薬学的に活性な代謝産物もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩。
- 以下を含む薬学的組成物:
(a)細胞周期制御剤が式Iの化合物:
R1は置換または無置換アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル基であり;
R2は置換または無置換ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり;かつ
R3は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素または置換もしくは無置換C1−8アルキルであるか;あるいは
R2およびR3が共に置換5員環アリール、ヘテロアリール、またはシクロアルキル環を形成する);または
式Iの化合物の薬学的に許容される塩;または式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ;または式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物;または該代謝産物の薬学的に許容される塩である、CDK4またはCDK4/サイクリン複合体を阻害するのに有効な量の細胞周期制御剤、ならびに
(b)薬学的に許容される担体。 - CDK4またはCDK4/サイクリン複合体の阻害によって仲介される疾患または障害を治療する方法であって、そのような治療を必要とする被験者に、以下からなる群より選択される細胞周期制御剤を投与する段階を含む方法:式Iに従う化合物:
(式中:
R1は置換または無置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
R2は置換または無置換ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり;かつ
R3は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素または置換もしくは無置換C1−8アルキルであるか;または
R2およびR3が共に置換または無置換5員環アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル環を形成する);
式Iの化合物の薬学的に許容される塩;
式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ;
式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物;および
該代謝産物の薬学的に許容される塩。 - 以下を含む薬学的組成物:
(a)治療上有効量の、請求項1に記載の化合物、薬学的に許容されるプロドラッグ、薬学的に活性な代謝産物、または薬学的に許容される塩;および
(b)そのための薬学的に許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤。 - プロテインキナーゼ活性によって仲介される哺乳類の疾患状態を治療する方法であって、それを必要とする哺乳類に、以下の式Iに従う治療上有効量の化合物を投与する段階を含む方法:
R1は置換または無置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
R2は置換または無置換ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり;かつ
R3は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素または置換もしくは無置換C1−8アルキルであるか;または
R2およびR3が共に置換または無置換の5員環アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル環を形成する);
または式Iの化合物の薬学的に許容される塩;または式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ;または式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物;または該代謝産物の薬学的に許容される塩。 - 哺乳類の疾患状態が腫瘍の成長、細胞増殖、または脈管形成に関連する、請求項9に記載の方法。
- プロテインキナーゼ受容体の活性を調節または阻害する方法であって、キナーゼ受容体を以下の式Iに従う有効量の化合物と接触させる段階を含む方法:
R1は置換または無置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;
R2は置換または無置換ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルであり;かつ
R3は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素または置換もしくは無置換C1−8アルキルであるか;または
R2およびR3が共に置換または無置換の5員環アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル環を形成する);
または式Iの化合物の薬学的に許容される塩;または式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ;または式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物;または該代謝産物の薬学的に許容される塩。 - 以下を含む薬学的組成物:
(a)CDKまたはCDK/サイクリン複合体を阻害するのに有効な量の、以下より選択される細胞周期制御剤:
(i)請求項1に記載の式Iの化合物;
(ii)式Iの化合物の薬学的に許容される塩;および
(iii)式Iの化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、式Iの化合物の薬学的に活性な代謝産物、または該代謝産物の薬学的に許容される塩;ならびに
(b)薬学的に許容される担体。
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