JP2004363313A - 位置ずれ計測方法および装置、並びに位置ずれ計測用レチクル - Google Patents

位置ずれ計測方法および装置、並びに位置ずれ計測用レチクル Download PDF

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Abstract

【課題】基板上の計測点の数に拘わらず高速に位置ずれを計測可能な位置ずれ計測方法および装置、並びに位置ずれ計測用レチクルを提供する。
【解決手段】ピッチp1の第1繰り返しパターン21を用いて1回目の露光を行い、ピッチp1の第2繰り返しパターン22を用いて2回目の露光を行うことにより、第1繰り返しパターンと第2繰り返しパターンとの重なり部分に応じた形状をなす計測用の第3繰り返しパターンを基板に形成する工程と、第3繰り返しパターンの回折画像を取り込む工程と、取り込んだ回折画像の輝度情報に基づいて第3繰り返しパターンの線幅を算出する工程と、線幅に基づいて1回目の露光と2回目の露光との相対的な位置ずれ量を算出する工程とを備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置による1回目の露光と2回目の露光との位置ずれを計測する位置ずれ計測方法および装置、並びに位置ずれ計測用レチクルに関し、特に、露光装置の投影光学系の歪み誤差や露光装置のアライメント誤差などの高精度な計測に好適な位置ずれ計測方法および装置、並びに位置ずれ計測用レチクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子などの製造工程で使用される露光装置の性能を評価するため、露光装置の投影光学系の歪み誤差や露光装置のアライメント誤差などの計測が行われている。これらの計測では、露光装置による1回目の露光と2回目の露光が行われた後で、基板上に形成された専用パターン(大きさは数μm程度)の位置ずれ計測が行われ、その結果に基づいて投影光学系の歪み誤差やアライメント誤差などが最終的に算出される。
【0003】
また、従来の位置ずれ計測は、基板上の数μm程度の専用パターンを一視野とする高倍率の計測光学系を用いて、この計測光学系の直下に専用パターンを位置決めし、焦点合わせ動作を行った後、撮像または光学的ビームスキャンなどによりパターン画像を取り込み、パターン画像から抽出した波形データを解析することにより行われる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−151514号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術では、基板上の各計測点ごとに、専用パターンの位置決め動作および焦点合わせ動作とパターン画像の取り込み動作とを行わなければならず、1点の計測に数10秒程度の長い時間が掛かってしまう。このため、多数点の計測においては、無視できない膨大な計測時間を必要とした。
【0006】
本発明の目的は、基板上の計測点の数に拘わらず高速に位置ずれを計測可能な位置ずれ計測方法および装置、並びに位置ずれ計測用レチクルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の位置ずれ計測方法は、複数の線状パターンが所定ピッチで配置された第1繰り返しパターンを用いて、基板に対して1回目の露光を行い、複数の線状パターンが前記所定ピッチで配置された第2繰り返しパターンを用いて、前記基板上の前記第1繰り返しパターンを露光した位置に重なるように2回目の露光を行うことにより、前記第1繰り返しパターンと前記第2繰り返しパターンとの重なり部分に応じた形状をなす計測用の第3繰り返しパターンを、前記基板に形成するパターン形成工程と、前記第3繰り返しパターンの回折画像を取り込む画像取込工程と、前記回折画像の輝度情報に基づいて、前記第3繰り返しパターンの線幅を算出する第1算出工程と、前記線幅に基づいて、前記1回目の露光と前記2回目の露光との位置ずれ量を算出する第2算出工程とを備えたものである。
【0008】
請求項2に記載の位置ずれ計測方法は、複数の線状パターンが第1ピッチで配置された第1繰り返しパターンと複数の線状パターンが第2ピッチで配置された第2繰り返しパターンとを用いて、基板に対して1回目の露光を行い、複数の線状パターンが前記第1ピッチで配置された第3繰り返しパターンと複数の線状パターンが前記第2ピッチで配置された第4繰り返しパターンとを用いて、前記基板上の前記第1繰り返しパターンを露光した位置に前記第3繰り返しパターンが重なるように、かつ、前記基板上の前記第2繰り返しパターンを露光した位置に前記第4繰り返しパターンが重なるように、2回目の露光を行うことにより、前記第1繰り返しパターンと前記第3繰り返しパターンとの重なり部分に応じた形状をなすと共に所定方向の計測に関わる第5繰り返しパターン、および、前記第2繰り返しパターンと前記第4繰り返しパターンとの重なり部分に応じた形状をなすと共に前記所定方向とは逆方向の計測に関わる第6繰り返しパターンを、前記基板に形成するパターン形成工程と、前記第5繰り返しパターンおよび前記第6繰り返しパターンの回折画像を取り込む画像取込工程と、前記回折画像の輝度情報に基づいて、前記第5繰り返しパターンの線幅と前記第6繰り返しパターンの線幅との少なくとも一方を算出する第1算出工程と、前記第1算出工程による算出結果に基づいて、前記1回目の露光と前記2回目の露光との位置ずれ量および位置ずれ方向を算出する第2算出工程とを備えたものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の位置ずれ計測方法において、前記パターン形成工程で用いられる前記第1繰り返しパターンおよび前記第3繰り返しパターンの前記第1ピッチと、前記第2繰り返しパターンおよび前記第4繰り返しパターンの前記第2ピッチとは、互いに異なり、前記画像取込工程では、前記第1ピッチに応じて設定された条件で前記第5繰り返しパターンの回折画像を選択的に取り込み、前記第2ピッチに応じて設定された条件で前記第6繰り返しパターンの回折画像を選択的に取り込むものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の位置ずれ計測方法において、前記パターン形成工程で用いられる前記第1繰り返しパターンおよび前記第3繰り返しパターンは、線幅が互いに異なり、前記パターン形成工程で用いられる前記第2繰り返しパターンおよび前記第4繰り返しパターンは、線幅が互いに異なり、前記パターン形成工程の前記1回目の露光で用いられる前記第1繰り返しパターンおよび前記第2繰り返しパターンからなるパターン群の繰り返し方向のエッジ間隔と、前記2回目の露光で用いられる前記第3繰り返しパターンおよび前記第4繰り返しパターンからなるパターン群の繰り返し方向のエッジ間隔とは、互いに等しいものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の位置ずれ計測方法において、前記パターン形成工程の前記1回目の露光で用いられる前記第1繰り返しパターンおよび前記第2繰り返しパターンは、線幅が互いに等しく、前記パターン形成工程の前記2回目の露光で用いられる前記第3繰り返しパターンおよび前記第4繰り返しパターンは、線幅が互いに等しいものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の位置ずれ計測方法において、前記回折画像の輝度情報と前記線幅との関係を繰り返しピッチごとに予め記憶する記憶工程を備え、前記第1算出工程では、前記関係を参照することにより前記線幅の算出を行うものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の位置ずれ計測方法において、前記パターン形成工程では、前記1回目の露光および前記2回目の露光を行う露光装置の投影光学系の少なくとも周辺部を介して前記1回目の露光を行った後、前記投影光学系の中心部を介して前記2回目の露光を行い、前記第2算出工程による算出結果に基づいて、前記投影光学系の歪み誤差を算出する第3算出工程をさらに備えたものである。
【0013】
請求項8に記載の発明は、求項1から請求項6の何れか1項に記載の位置ずれ計測方法において、前記パターン計測工程では、前記1回目の露光に際してアライメント用のマークを前記基板に形成し、前記1回目の露光後に前記マークを参照して前記基板を移動させて、前記2回目の露光を行い、前記第2算出工程による算出結果に基づいて、前記1回目の露光および前記2回目の露光を行う露光装置のアライメント誤差を算出する第3算出工程さらにを備えたものである。
【0014】
請求項9に記載の位置ずれ計測装置は、1回目の露光および2回目の露光により基板に形成され、所定ピッチの2つの露光用繰り返しパターンの重なり部分に応じた形状をなす計測用繰り返しパターンの回折画像を取り込む画像取込手段と、前記回折画像の輝度情報に基づいて、前記計測用繰り返しパターンの線幅を算出する第1算出手段と、前記線幅に基づいて、前記1回目の露光と前記2回目の露光との相対的な位置ずれ量を算出する第2算出手段とを備えたものである。
【0015】
請求項10に記載の位置ずれ計測装置は、1回目の露光および2回目の露光により基板に形成され、第1ピッチの2つの露光用繰り返しパターンの重なり部分に応じた形状をなすと共に所定方向の計測に関わる第1計測用繰り返しパターン、および、第2ピッチの2つの露光用繰り返しパターンの重なり部分に応じた形状をなすと共に前記所定方向とは逆方向の計測に関わる第2計測用繰り返しパターンの回折画像を取り込む画像取込手段と、前記回折画像の輝度情報に基づいて、前記第1計測用繰り返しパターンの線幅と前記第2計測用繰り返しパターンの線幅との少なくとも一方を算出する第1算出手段と、前記第1算出手段による算出結果に基づいて、前記1回目の露光と前記2回目の露光との相対的な位置ずれ量および位置ずれ方向を算出する第2算出手段とを備えたものである。
【0016】
請求項11に記載の位置ずれ計測用レチクルは、複数の線状パターンが第1ピッチで配置された第1繰り返しパターンと、複数の線状パターンが第2ピッチで配置された第2繰り返しパターンとを含む1回目の露光用の第1パターン群と、複数の線状パターンが前記第1ピッチで配置された第3繰り返しパターンと、複数の線状パターンが前記第2ピッチで配置された第4繰り返しパターンとを含む2回目の露光用の第2パターン群とを備え、前記第1繰り返しパターンの複数の線状パターンと前記第3繰り返しパターンの複数の線状パターンとは、線幅が互いに異なり、前記第2繰り返しパターンの複数の線状パターンと前記第4繰り返しパターンの複数の線状パターンとは、線幅が互いに異なり、前記第1パターン群における線状パターンの繰り返し方向のエッジ間隔と、前記第2パターン群における線状パターンの繰り返し方向のエッジ間隔とは、互いに等しいものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、請求項1〜請求項7,請求項9〜請求項11に対応する。ここでは、半導体素子などの製造工程で使用される露光装置の投影光学系の歪み誤差の計測に好適な位置ずれ計測方法を例に説明する。
【0018】
第1実施形態の位置ずれ計測方法で使用される位置ずれ計測装置10は、図1に示すように、基板11を保持するステージ12と、ステージ12上の基板11に照明光L1を照射する照明光学系13と、照明光L1が照射された基板11からの回折光L2を受光する受光光学系(14〜16)と、画像処理部17とで構成されている。
【0019】
位置ずれ計測装置10は、露光装置の性能を評価するため、露光装置による1回目の露光と2回目の露光が行われた後で、概略、基板11上に形成された繰り返しパターン(後述)の線幅変化に基づいて位置ずれ計測を行い、その結果に基づいて投影光学系の歪み誤差を最終的に算出する。
位置ずれ計測装置10の詳細を説明する前に、図2,図3の位置ずれ計測用レチクル20の説明、位置ずれ計測用レチクル20と露光装置(不図示)とを用いた1回目の露光(図4参照)と2回目の露光(図5参照)の説明、これらの露光により基板11上に形成される繰り返しパターン31,32(図6〜図8)の説明を行う。適宜、1回目の露光と2回目の露光とを総じて「2重露光」という。
【0020】
図2に示すように、位置ずれ計測用レチクル20には、1回目の露光用のパターン群(21,22)が周辺部の4箇所に設けられ、2回目の露光用のパターン群(23,24)が中心部の1箇所に設けられる。パターン群(21,22)およびパターン群(23,24)は、遮光部であり、繰り返し方向が互いに平行である。
位置ずれ計測用レチクル20は、2重露光の際、露光装置のレチクルステージに載置され、その中心部(2回目の露光用のパターン群(23,24)の箇所)が投影光学系の光軸上となるように位置決めされる。このため、パターン群(23,24)の像は、投影光学系の中心部を介して基板11上に投影される。以下の説明では、基板11上に投影されたパターン群(23,24)の像を「パターン群(23C,24C)」という(図4参照)。
【0021】
これに対し、位置ずれ計測用レチクル20の周辺部のパターン群(21,22)は、何れも、2重露光の際、投影光学系の光軸から外れた箇所に位置している。このため、パターン群(21,22)の像は、投影光学系の周辺部を介して基板11上に投影される。以下の説明では、基板11上に投影されたパターン群(21,22)の像を「パターン群(21C,22C)」という(図4参照)。
【0022】
投影光学系に歪み誤差が残存している場合、基板11上に投影されたパターン群(23C,24C)とパターン群(21C,22C)との相対的な位置関係は、理想的な関係から外れたものとなる。理想的な関係とは、位置ずれ計測用レチクル20上でのパターン群(23,24)とパターン群(21,22)との位置関係であり、設計値に相当する。
【0023】
例えば図2に示すように、パターン群(23,24)とパターン群(21,22)との位置関係が、各々のエッジの中心点E1,E2どうしの間隔D1,D2により表される場合、投影光学系に歪み誤差が残存していると、図4に示す基板11上でのパターン群(23C,24C)のエッジの中心点E3とパターン群(21C,22C)のエッジの中心点E4との間隔D3,D4は、図2の間隔D1,D2とは異なることになる。また、一般的には、図4に示す基板11上の各パターン群(21C,22C)ごとに、パターン群(23C,24C)との間隔D3,D4が異なる値を示す。
【0024】
ちなみに、第1実施形態の位置ずれ計測装置10(図1)は、基板11上でのパターン群(21C,22C)とパターン群(23C,24C)の繰り返し方向の間隔D3(図4)と、位置ずれ計測用レチクル20でのパターン群(21,22)とパターン群(23,24)の繰り返し方向の間隔D1(図2)との差を「位置ずれ量Δ」として計測するものである。
【0025】
このような位置ずれ量Δを計測するために、第1実施形態では、位置ずれ計測用レチクル20と露光装置とを用いた2重露光が行われ、図4に示す基板11の各パターン群(21C,22C)の上にパターン群(23C,24C)が重ねて投影される(図5参照,詳細は後述)。この場合にも、パターン群(23C,24C)の投影は、投影光学系の中心部を介して行われる。
【0026】
また、第1実施形態では、図5の右上に例示した通り、位置ずれ量Δが0のときに、基板11のパターン群(21C,22C)とパターン群(23C,24C)との左右エッジどうしを一致させるため、位置ずれ計測用レチクル20(図2)における周辺部のパターン群(21,22)の繰り返し方向のエッジ間隔G2と、中心部のパターン群(23,24)の繰り返し方向のエッジ間隔G1とを等しく構成した。
【0027】
このようにエッジ間隔G1,G2を等しくするという構成は、基板11上でのパターン群(23C,24C)とパターン群(21C,22C)との位置ずれ方向を計測するために必要な条件の1つである。位置ずれ方向の計測に必要な他の条件については後述する。
既に説明したように、基板11上のパターン群(23C,24C)は、投影光学系の中心部を介して投影されるものであり、投影光学系の歪み誤差の影響を受けないと考えられる。このため、第1実施形態では、パターン群(23C,24C)の位置を基準としたパターン群(21C,22C)の位置に応じて、位置ずれ方向を定義する。例えば、図5の左上と右下の状態では右方向の位置ずれ、図5の左下の状態では左方向の位置ずれとなる。
【0028】
なお、基板11上での所望の計測点(位置ずれを計測したい箇所)の配置に応じて、図2の位置ずれ計測用レチクル20の周辺部におけるパターン群(21,22)の配置が決定される。図2の実線枠25は1回目の露光範囲に相当し、点線枠26は2回目の露光範囲に相当する。図4,図5の実線枠25Sは、1回目の露光によるショット領域に相当する。図5の点線枠26Sは、2回目の露光によるショット領域に相当する。
【0029】
図2,図3を参照し、位置ずれ計測用レチクル20の周辺部のパターン群(21,22)および中心部のパターン群(23,24)の具体的な構成を説明する。図3には、パターン群(21,22)とパターン群(23,24)の左右エッジを揃えて並べた状態が示されている。
パターン群(21,22)は、2種類の繰り返しパターン21,22からなる。同様に、パターン群(23,24)も、2種類の繰り返しパターン23,24からなる。これらの繰り返しパターン21〜24は、L/Sパターンである。
【0030】
周辺部のパターン群(21,22)を構成する一方(左側)の繰り返しパターン21は、図3(a)に示すように、4本のラインパターン21Aからなる。これらのラインパターン21Aは、同一形状(線幅w1)であり、その短手方向に沿って一定のピッチp1で配列されている。
同様に、周辺部のパターン群(21,22)を構成する他方(右側)の繰り返しパターン22は、4本のラインパターン22Aからなる。これらのラインパターン22Aは、上記のラインパターン21Aと同一形状(線幅w1)であり、その短手方向に沿って上記ピッチp1とは異なる一定のピッチp2で配列されている。
【0031】
また、中心部のパターン群(23,24)を構成する一方(左側)の繰り返しパターン23は、図3(b)に示すように、4本のラインパターン23Aからなる。これらのラインパターン23Aは、同一形状(線幅w2)であり、その短手方向に沿って図3(a)の繰り返しパターン21と同じ一定のピッチp1で配列されている。線幅w2は、上記の繰り返しパターン21,22の線幅w1よりも太い。
【0032】
同様に、中心部のパターン群(23,24)を構成する他方(右側)の繰り返しパターン24は、4本のラインパターン24Aからなる。これらのラインパターン24Aは、上記のラインパターン23Aと同一形状(線幅w2)であり、その短手方向に沿って図3(a)の繰り返しパターン22と同じ一定のピッチp2で配列されている。
【0033】
このように、周辺部のパターン群(21,22)を構成する2種類の繰り返しパターン21,22は、線幅w1が互いに等しく、ピッチp1,p2が互いに異なっている。中心部のパターン群(23,24)を構成する2種類の繰り返しパターン23,24は、線幅w2が互いに等しく、ピッチp1,p2が互いに異なっている。
さらに、周辺部のパターン群(21,22)の左側に位置する繰り返しパターン21と中心部のパターン群(23,24)の左側に位置する繰り返しパターン23は、ピッチp1が等しく、線幅w1,w2が異なる。周辺部のパターン群(21,22)の右側の繰り返しパターン22と中心部のパターン群(23,24)の右側の繰り返しパターン24は、ピッチp2が等しく、線幅w1,w2が異なる。
【0034】
また、ピッチp1の繰り返しパターン21,23のうち線幅が狭い方(繰り返しパターン21)は、その線幅w1がピッチp1の1/4程度である。ピッチp2の繰り返しパターン22,24のうち線幅が狭い方(繰り返しパターン22)は、その線幅w1がピッチp2の1/4程度である。つまり、繰り返しパターン21〜24の線幅w1とピッチp1,p2は、位置ずれ計測に適切な感度(詳細は後述)を有するように最適化されている。
【0035】
さらに、ピッチp1の繰り返しパターン21,23のうち線幅が太い方(繰り返しパターン23)は、その線幅w2がピッチp1の1/2程度である。ピッチp2の繰り返しパターン22,24のうち線幅が太い方(繰り返しパターン24)は、その線幅w2がピッチp2の1/2程度である。つまり、繰り返しパターン21〜24の線幅w2とピッチp1,p2は、位置ずれ計測に適切なレンジ(詳細は後述)を有するように最適化されている。
【0036】
第1実施形態では、例えば、線幅w1を100nm、線幅w2を200nm、ピッチp1を450nm、ピッチp2を400nmとした。
また、周辺部のパターン群(21,22)と中心部のパターン群(23,24)とは、前述のように、繰り返し方向のエッジ間隔G1,G2が互いに等しい。このため、基板11のパターン群(21C,22C)とパターン群(23C,24C)との左右エッジどうしを、図5の右上のような位置ずれ量Δ=0のときに一致させ、図5の右下,左上,左下のような位置ずれ量Δ≠0のときに等量だけシフトさせることができる。
【0037】
さて次に、上記構成の位置ずれ計測用レチクル20と露光装置とを用いた2重露光について説明する。
2重露光の際、露光装置のレチクルステージには位置ずれ計測用レチクル20が載置され、ウエハステージには未露光の基板11が載置される。基板11の全面(例えば300mmφ)の最上層は、レジスト層である。このレジスト層は、光の照射されなかった部分が現像後にパターンとして残るような特性を有している。レチクルステージ上の位置ずれ計測用レチクル20は、その中心部(パターン群(23,24)の箇所)が投影光学系の光軸上に位置決めされる。
【0038】
そして1回目の露光時、位置ずれ計測用レチクル20の実線枠25(図2)の範囲内に含まれる全ての繰り返しパターン21〜24(遮光部)が、一括で、図4に示す基板11上のショット領域(25S)内に投影される。ショット領域(25S)内に投影された繰り返しパターン21C〜24Cは、何れも、光の照射されない部分である。
【0039】
このとき、位置ずれ計測用レチクル20の周辺部の繰り返しパターン21,22は、投影光学系の周辺部を介して、基板11上のショット領域(25S)内の各計測点に投影される(繰り返しパターン21C,22C参照)。中心部の繰り返しパターン23,24は、投影光学系の中心部を介して、基板11上のショット領域(25S)の中心部に投影される(繰り返しパターン23C,24C参照)。
【0040】
1回目の露光が終了すると、露光装置では、ウエハステージを駆動して基板11を移動させる。そして、図4に示す基板11上のショット領域(25S)内の各計測点(繰り返しパターン21C,22Cの投影位置)を順に投影光学系の直下に位置決めし、2回目の露光を行う。ウエハステージの駆動量および基板11の移動量は、位置ずれ計測用レチクル20上での設計値の位置差(例えば図2に示す間隔D1,D2)を考慮して設定される。
【0041】
また、2回目の露光時、位置ずれ計測用レチクル20は、停止状態のままであり、その周辺部(繰り返しパターン21,22)が周知のブラインド機能により遮蔽され、中心部の点線枠26(図2)の範囲に絞り込まれる。そして、点線枠26の範囲内に含まれる繰り返しパターン23,24(遮光部)が、投影光学系の中心部を介して、図5に示す基板11上の各計測点のショット領域(26S)内に投影される。基板11上に投影された繰り返しパターン23C,24Cは、光の照射されない部分である。
【0042】
上記の2重露光の結果、基板11上の各計測点のショット領域(26S)内では、1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cの上に、2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cが重ねて投影されたことになる。
ここで、1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cは、投影光学系の周辺部を介して投影されるため、投影光学系の歪み誤差の影響を受ける。これに対し、2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cは、投影光学系の中心部を介して投影されるため、投影光学系の歪み誤差の影響を受けない。
【0043】
したがって、投影光学系に歪み誤差が残存している場合には、図5の左上と左下と右下の状態のように、基板11上の各計測点ごとに、1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cが、2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cに対して位置ずれを起こす(位置ずれ量Δ≠0)。つまり左右エッジどうしが不一致となる。
【0044】
また、1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cと2回目の露光による繰り返しパターン群23C,24Cは、何れも、光の照射されない部分である。さらに、基板11上のレジスト層は、光の照射されなかった部分が現像後にパターンとして残るような特性を有している。
【0045】
このため、上記の2重露光と現像処理とが終了した後、基板11上のレジスト層には、2回とも光の照射されなかった部分(つまり1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cと2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cとの重なり部分)が、最終的に繰り返しパターンとして残ることになる。
最終的な繰り返しパターンの形状は、上記の重なり部分の形状と一致する。また、重なり部分の形状は、1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cと2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cとの位置ずれ量Δおよび位置ずれ方向により決まる。
【0046】
次に、図6〜図8を用いて、最終的な繰り返しパターンの線幅と位置ずれ量Δおよび位置ずれ方向との関係を説明する。
図6〜図8の(a)は2重露光後の繰り返しパターン21C,22Cと繰り返しパターン23C,24Cとの重なり状態を示す上面図であり、重なり部分にハッチングを付してある。図6〜図8の(b)は1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cの断面図であり、(c)は2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cの断面図であり、(d)は最終的な繰り返しパターン31,32の断面図である。また、図6には位置ずれ量Δが0の状態、図7には左方向への位置ずれ状態、図8には右方向への位置ずれ状態を例示した。
【0047】
なお、位置ずれ量Δは、1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cと2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cとの左右エッジどうしのずれ量に相当する。また、2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cの位置を基準とし、1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cの位置に応じて、位置ずれ方向を定義している。
【0048】
以下の説明では、適宜、1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cを総じて「第1パターン群(21C,22C)」、2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cを総じて「第2パターン群(23C,24C)」、最終的な繰り返しパターン31,32を総じて「最終パターン群(31,32)」という。
【0049】
図6に示すように、位置ずれ量Δが0のとき、第1パターン群(21C,22C)と第2パターン群(23C,24C)との左右エッジどうしは一致する。このため、左側の繰り返しパターン21Cと繰り返しパターン23Cとの重なり部分(つまり最終的な繰り返しパターン31)は、細い方の繰り返しパターン21Cと同じ線幅w3(=w1)となる。また、右側の繰り返しパターン22Cと繰り返しパターン24Cとの重なり部分(つまり最終的な繰り返しパターン32)は、細い方の繰り返しパターン22Cと同じ線幅w4(=w1)となる。
【0050】
このように、位置ずれ量Δが0のときの最終パターン群(31,32)は、線幅w3,w4が等しく(w3=w4=w1)、ピッチp1,p2が異なる2種類の繰り返しパターン31,32からなる。位置ずれ量Δが0となるのは、投影光学系に歪み誤差がない場合である。
また、図7に示すように、左方向への位置ずれが生じたとき、第1パターン群(21C,22C)の左右エッジは第2パターン群(23C,24C)の左右エッジから左側に外れることになる。このため、左側の繰り返しパターン21C,23Cの重なり部分(つまり最終的な繰り返しパターン31)は、細い方の繰り返しパターン21Cよりも狭い線幅w3(<w1)となる。また、右側の繰り返しパターン22C,24Cの重なり部分(つまり最終的な繰り返しパターン32)は、細い方の繰り返しパターン22Cと同じ線幅w4(=w1)となる。
【0051】
このように、左方向への位置ずれが生じたとき(Δ≠0)の最終パターン群(31,32)は、線幅w3,w4が左側で狭く(w3<w4=w1)、ピッチp1,p2が異なる2種類の繰り返しパターン31,32からなる。左方向への位置ずれが生じるのは、投影光学系に左方向への歪み誤差が残存している場合である。また、図8に示すように、右方向への位置ずれが生じたとき、第1パターン群(21C,22C)の左右エッジは第2パターン群(23C,24C)の左右エッジから右側に外れることになる。このため、左側の繰り返しパターン21C,23Cの重なり部分(つまり最終的な繰り返しパターン31)は、細い方の繰り返しパターン21Cと同じ線幅w3(=w1)となる。また、右側の繰り返しパターン22C,24Cの重なり部分(つまり最終的な繰り返しパターン32)は、細い方の繰り返しパターン22Cよりも狭い線幅w4(<w1)となる。
【0052】
このように、右方向への位置ずれが生じたとき(Δ≠0)の最終パターン群(31,32)は、線幅w3,w4が右側で狭く(w3=w1>w4)、ピッチp1,p2が異なる2種類の繰り返しパターン31,32からなる。右方向への位置ずれが生じるのは、投影光学系に右方向への歪み誤差が残存している場合である。さらに、最終パターン群(31,32)のうち、左側の繰り返しパターン31は、左方向への位置ずれが生じたとき(図7)、その位置ずれ量Δの分だけ線幅w3が狭くなることが分かる。位置ずれ量Δが0のとき(図6)の線幅w1を用いると、左側の繰り返しパターン31の線幅w3は、次式(1)により表される。
【0053】
w3=w1−Δ …(1)
線幅w3の変化の範囲は次の条件式(2)の通りであり、左方向への位置ずれ量Δが次の条件式(3)を満足する範囲で、位置ずれ量Δが線幅w3の変化として現れることになる。
0≦w3≦w1 …(2)
0≦ Δ ≦w1 …(3)
なお、左方向への位置ずれが生じても、右側の繰り返しパターン32の線幅w4は変化しない。左方向への位置ずれ計測に関わるのは、左側の繰り返しパターン31のみである。以下の説明では、左側の繰り返しパターン31を「左シフト計測用パターン31」という。
【0054】
また同様に、最終パターン群(31,32)のうち、右側の繰り返しパターン32は、右方向への位置ずれが生じたとき(図8)、その位置ずれ量Δの分だけ線幅w4が狭くなることが分かる。位置ずれ量Δが0のとき(図6)の線幅w1を用いると、右側の繰り返しパターン32の線幅w4は、次式(4)により表される。
【0055】
w4=w1−Δ …(4)
線幅w4の変化の範囲は次の条件式(5)の通りであり、右方向への位置ずれ量Δが次の条件式(6)を満足する範囲で、位置ずれ量Δが線幅w4の変化として現れることになる。
0≦w4≦w1 …(5)
0≦ Δ ≦w1 …(6)
なお、右方向への位置ずれが生じても、左側の繰り返しパターン31の線幅w3は変化しない。右方向(上記の左方向とは逆方向)への位置ずれ計測に関わるのは、右側の繰り返しパターン32のみである。以下の説明では、右側の繰り返しパターン32を「右シフト計測用パターン32」という。
【0056】
第1実施形態では、位置ずれ計測用レチクル20(図2)において、パターン群(21,22)とパターン群(23,24)とのエッジ間隔G1,G2を等しくし、左側の繰り返しパターン21,23のピッチp1を等しくすると共に線幅w1,w2を異ならせ、右側の繰り返しパターン22,24のピッチp2を等しくすると共に線幅w1,w2を異ならせたことにより、上記のような左シフト計測用パターン31と右シフト計測用パターン32を基板11上のレジスト層に形成することができ、位置ずれ方向の弁別が可能となった。
【0057】
図1の位置ずれ計測装置10による位置ずれ計測は、基板11上のレジスト層に形成された左シフト計測用パターン31の線幅w3の変化と、右シフト計測用パターン32の線幅w4の変化に基づいて行われる。線幅w3,w4と位置ずれ量Δおよび位置ずれ方向との関係は、図9に示すようになる。
例えば、線幅w3,w4が等しい場合(図6)には、位置ずれ量Δが0であると分かる。また、線幅w3の方が線幅w4よりも小さい場合(図7)には、左方向への位置ずれが起きていると分かるため、上記の式(1)に基づいて位置ずれ量Δを算出することができる。同様に、線幅w4の方が線幅w3よりも小さい場合(図8)には、右方向への位置ずれが起きていると分かるため、上記の式(4)に基づいて位置ずれ量Δを算出することができる。
【0058】
また、図1の位置ずれ計測装置10による位置ずれ計測のレンジは、左シフト計測用パターン31の線幅w3が変化し得る条件式(3)の範囲と、右シフト計測用パターン32の線幅w4が変化し得る条件式(6)の範囲を合計した図9の範囲Rであり、位置ずれ計測用レチクル20(図2,図3)の繰り返しパターン23,24の線幅w2に相当する。この位置ずれ計測のレンジ(図9の範囲R)内で、位置ずれ量Δは、線幅w3,w4の変化に置き換えることができる。
【0059】
次に、図1の位置ずれ計測装置10の詳細と、これを用いて行われる線幅w3,線幅w4の測定および位置ずれ計測について説明する。
上記2重露光と現像処理とが終了した基板11は、位置ずれ計測装置10のステージ12上に載置される。基板11上のレジスト層には、各計測点ごとに、左シフト計測用パターン31と右シフト計測用パターン32とが近接して形成されている。左シフト計測用パターン31の線幅w3と右シフト計測用パターン32の線幅w4とは、投影光学系の歪み誤差に応じたものとなっている。計測点の数は任意である。
【0060】
位置ずれ計測装置10のステージ12は、不図示のチルト機構により、基板11の表面に平行(紙面に垂直)な軸12Aを中心として所定の角度範囲内でチルト可能である。このステージ12では、不図示のウエハ搬送装置によって搬送されてきた基板11を上面に載置し、真空吸着によって固定保持する。また、位置ずれ計測装置10による位置ずれ計測が終了した基板11は、ウエハ搬送機構によってステージ12から回収される。
【0061】
ここで、ステージ12のチルト軸12Aに平行な方向を「X方向」とする。また、ステージ12(基板11)が水平に保たれた状態での法線(基準法線)に平行な方向を「Z方向」とする。さらに、X方向およびZ方向に垂直な方向を「Y方向」とする。
【0062】
照明光学系13は、ステージ12の斜め上方に配置されている。つまり、照明光学系13の光軸O1は、基準法線(Z方向)に対して所定の角度だけ傾けられている。また、照明光学系13は、光軸O1がステージ12のチルト軸(X方向)に対して直交するように配置されている。さらに、照明光学系13は、後側焦点位置が基板11と略一致するように配置され、基板11側に対してテレセントリックな光学系となっている。
【0063】
受光光学系(14〜16)は、凹面反射鏡14と結像レンズ15と撮像素子16とで構成された偏心光学系である。凹面反射鏡14は、ステージ12の上方に配置される。つまり、凹面反射鏡14のステージ12側の光軸O2がZ方向に平行となるように配置されている。また、凹面反射鏡14は、前側焦点位置が基板11と略一致するように配置されている。このため、受光光学系(14〜16)は、基板11側に対してテレセントリックな光学系となっている。
【0064】
結像レンズ15は、凹面反射鏡14の後側焦点位置と略一致するように、受光光学系(14〜16)の瞳位置の近傍に配置されている。撮像素子16は、複数の画素が2次元配列されたCCDイメージセンサであり、その撮像面を結像レンズ15の後側焦点位置に略一致させた状態で配置されている。このため、受光光学系(14〜16)は、撮像素子16側に対してもテレセントリックな光学系となっている。なお、撮像素子16の撮像面は、基板11の表面に共役である。
【0065】
上記構成の照明光学系13から射出される照明光L1(波長λ)は、ほぼ平行な光であり、ステージ12上の基板11の全面に斜め方向から照射される。基板11の全面には、図5に示すようなショット領域(25S)が1つ以上形成されている。照明光学系13の基板11側がテレセントリック系であるため、照明光L1の入射角θiは、基板11の全面にわたって一様となる。
【0066】
基板11のショット領域(25S)内の各計測点に形成された左シフト計測用パターン31と右シフト計測用パターン32には、その繰り返し方向に平行な状態で照明光L1が入射する。そして、各計測点に形成された左シフト計測用パターン31と右シフト計測用パターン32から、様々な方向に回折光が発生する。
図1に示した回折光L2は、受光光学系(14〜16)の光軸O2の方向に発生した一部の回折光(例えば左シフト計測用パターン31の1次回折光)である。ステージ12のチルト角度θtの設定を変更することにより、ピッチp1の左シフト計測用パターン31から発生した回折光(例えば1次回折光)、またはピッチp2の右シフト計測用パターン32から発生した回折光(例えば1次回折光)を、選択的に受光光学系(14〜16)に導くことができる。
【0067】
そして、基板11から受光光学系(14〜16)に導かれた回折光L2は、凹面反射鏡14と結像レンズ15の作用により集光され、撮像素子16の撮像面に到達する。本実施形態では、撮像素子16の撮像面に基板11の全面の回折像が形成されるように、凹面反射鏡14と結像レンズ15による光学倍率が設定されている。撮像素子16の1画素に対応する基板11上での領域(撮像分解能)は、1mm以下である。
【0068】
撮像素子16は、撮像面に形成された回折像(基板11の全面の回折像)を一括で撮像して、画像信号を出力する。画像処理部17は、撮像素子16からの画像信号に基づいて、基板11の全面に対応する回折画像を一括で取り込む。この回折画像は、基板11のレジスト層に形成された左シフト計測用パターン31または右シフト計測用パターン32に関するものである。
【0069】
画像処理部17に取り込まれる回折画像の選択は、ステージ12のチルト機構を用いて行われる。つまり、チルト機構によって基板11をチルトさせることで、ピッチp1,p2の異なる左シフト計測用パターン31または右シフト計測用パターン32の回折画像を選択的に取り込むことができる。
また、ステージ12のチルト機構による装置条件(チルト角度θt)の設定は、予め作成されたレシピに基づいて行えばよい。レシピは、不図示のメモリに予め記憶されている。
【0070】
ここで、ステージ12のチルト角度θtに関するレシピについて説明する。一般に、チルト角度θtは、周知の回折条件式(次式(7))を用い、計測対象となる繰り返しパターンの繰り返しピッチpの設計値から計算で求められ、この計算結果がレシピに登録されている。
sin(θi−θt) − sin(θd+θt)= mλ/p ……(7)
式(7)は、ステージ12のチルト角度θtと、繰り返しパターンの繰り返しピッチpと、照明光L1の波長λおよび入射角θiと、回折光L2の回折角θdおよび回折次数m(=0,1,…)との関係を表した式である。チルト角度θtの基準は、水平面である。入射角θi,回折角θd(受光角度)の基準は、基板11の基準法線(Z方向)である。
【0071】
そして、予め作成・登録されたレシピを参照し、計測対象の繰り返しパターンの繰り返しピッチp(左シフト計測用パターン31のピッチp1または右シフト計測用パターン32のピッチp2)に対応する各々のチルト角度θtに基づいて、ステージ12のチルト機構により装置条件を設定することで、同一基板11上のピッチp1,p2が異なる繰り返しパターンの回折画像を選択的に順に取り込むことができる。
【0072】
このようにして、基板11の各計測点に形成された左シフト計測用パターン31または右シフト計測用パターン32の回折画像を選択的に取り込むと、画像処理部17では、まず、位置ずれ計測装置10に固有な感度の不均一性(例えば照明光学系13の明るさムラなど)を補正する。
そして、補正後の回折画像の輝度情報に基づいて、左シフト計測用パターン31の線幅w3と右シフト計測用パターン32の線幅w4とを算出し、この算出結果に基づいて、露光装置での1回目の露光による繰り返しパターン21C,22Cと2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cとの位置ずれ計測を行う。つまり、位置ずれ量Δおよび位置ずれ方向を算出する。
【0073】
ここで、左シフト計測用パターン31に関する補正後の回折画像(以下の説明では単に「回折画像」という)を例に、回折画像の輝度情報と、左シフト計測用パターン31の線幅w3,ピッチp1との関係について説明する。この関係は、右シフト計測用パターン32にも共通である。
基板11の各計測点のうち、位置ずれ量Δ≠0の箇所(図5の左下および図7参照)では、左シフト計測用パターン31の線幅w3が、位置ずれ量Δ=0のときの線幅w1(図5の右上および図6参照)と比べて細くなっている(繰り返し方向とピッチp1は不変)。
【0074】
また、線幅w3が細くなり、線幅w3とピッチp1との比率(Duty比)が変化すると、左シフト計測用パターン31での回折効率が変化する。回折効率とは、入射光強度に対する回折光強度の比率のことである。回折光強度は、所定の回折条件を満たす回折光(例えば1次回折光)の強度である。
Duty比(=線幅w3/ピッチp1)の変化に対する回折効率の変化の様子をシミュレーションした結果の一例を図10に示す。図10は、横軸がDuty比(%)、縦軸が回折効率(任意)を表している。図10のシミュレーションは、繰り返しピッチが約500nmで断面形状が矩形のレジストパターン(左シフト計測用パターン31)を例に行ったものである。
【0075】
図10から分かるように、Duty比が30%以下の範囲αと40%〜80%の範囲βとの各々で、Duty比の変化(つまり左シフト計測用パターン31の線幅w3の変化)と回折効率の変化とは、ほぼ直線に近い関係となっている。
既に説明したように、第1実施形態では、左シフト計測用パターン31の形成に関わる2種類の繰り返しパターン21,23のうち線幅が狭い方(繰り返しパターン21)の線幅w1がピッチp1の1/4程度である。
【0076】
この場合、左シフト計測用パターン31の線幅w3の変化の範囲は、上記の条件式(2)に「w1=p1×0.25」を代入することにより、次の条件式(8)を満足することが分かる。また、左シフト計測用パターン31のDuty比(=w3/p1)の変化の範囲は、次の条件式(9)を満足することになる。
0≦w3≦p1×0.25 …(8)
0≦(w3/p1)≦0.25 …(9)
条件式(9)の範囲は、図10の範囲αの中に含まれている。このため、Duty比の変化(つまり左シフト計測用パターン31の線幅w3の変化)に起因する回折効率の変化は、ほぼ直線的であることが分かる。また、図10から分かるように、Duty比が小さく(つまり線幅w3が細く)なるほど、左シフト計測用パターン31での回折効率が低下する。
【0077】
さらに、左シフト計測用パターン31への入射光強度を一定とすると、左シフト計測用パターン31から発生する所定の回折条件を満たす回折光L2(例えば1次回折光)の強度は、回折効率に比例する。このため、Duty比の変化(つまり線幅w3の変化)に起因する回折光強度の変化も、ほぼ直線的となる。そして、Duty比が小さく(つまり線幅w3が細く)なるほど、左シフト計測用パターン31からの回折光強度が減少する。
【0078】
また、位置ずれ計測装置10の受光光学系(14〜16)の基板11側がテレセントリック系であるため、左シフト計測用パターン31から発生する回折光L2の進行方向は、基板11の全面にわたって一様となる。したがって、撮像素子16に入射する回折光L2の強度は、左シフト計測用パターン31のDuty比ごと(つまり線幅w3ごと)に一様となる。
【0079】
さらに、撮像素子16から出力される画像信号に基づいて画像処理部17が選択的に取り込んだ左シフト計測用パターン31の回折画像には、前述の補正処理が施される。その結果、補正後の回折画像の輝度情報には、左シフト計測用パターン31のDuty比(つまり線幅w3)に関する情報のみが反映され、Duty比の変化(つまり線幅w3の変化)に起因する回折画像の輝度の変化も、ほぼ直線的となる(図10)。
【0080】
図10のシミュレーション結果のうち、上記の条件式(9)を満足する部分の直線の傾き(線幅w3の変化と回折画像の輝度の変化との相関係数)は、第1実施形態の位置ずれ計測方法における位置ずれ計測の感度を表す。
この左シフト計測用パターン31の回折画像(補正後)では、基板11の全面の各計測点ごとに、左シフト計測用パターン31の線幅w3の変化が、局所的な輝度変化として現れる。また、各計測点での線幅w3の変化は“線幅が細くなる変化”であり、この線幅変化に起因して回折効率が低下するため、回折画像における輝度変化は“輝度が低下する変化”となる。
【0081】
画像処理部17では、左シフト計測用パターン31(ピッチp1)の回折画像の輝度情報と線幅w3との関係(図10)、および、右シフト計測用パターン32(ピッチp2)の回折画像の輝度情報と線幅w4との関係を、それぞれ、メモりに予め記憶している。そして、各々の関係(例えば図10)を参照することにより、回折画像の輝度情報から線幅w3,w4を算出し、位置ずれ量Δ,位置ずれ方向を算出する。
【0082】
線幅w3,w4の算出および位置ずれ量Δ,位置ずれ方向の算出について具体的に説明する。
画像処理部17は、ステージ12のチルト角度θtが“ピッチp1に対応する角度”に設定されたとき、左シフト計測用パターン31の回折画像を選択的に取り込む。また、チルト角度θtが“ピッチp2に対応する角度”に設定されたとき、右シフト計測用パターン32の回折画像を選択的に取り込む。
【0083】
そして、2つの回折画像(補正後)の輝度情報のうち、同じ計測点に対応する部分の輝度どうしを比較する。つまり、ある計測点Kに形成された左シフト計測用パターン31と右シフト計測用パターン32の輝度どうしを比較する。この比較は、基板11の全面の各計測点ごとに行う。
【0084】
計測点Kでの比較について説明すると、輝度どうしを直接比較するのではなく、左シフト計測用パターン31の回折画像の計測点Kでの輝度から図10のシミュレーション結果を参照して線幅w3を算出し、右シフト計測用パターン32の回折画像の計測点Kでの輝度から同様のシミュレーション結果を参照して線幅w4を算出し、得られた線幅w3,w4を用いて比較が行われる。
【0085】
比較の結果、線幅w3,w4が等しい場合(図5の右上および図6)には、計測点Kでの位置ずれ量Δが0であると分かる。
また、線幅w3の方が線幅w4よりも小さい場合(図5の左下および図7)には、計測点Kでの位置ずれ方向が「左方向」であると分かる。この場合、上記の式(1)に基づいて、計測点Kでの位置ずれ量Δを算出する。
【0086】
さらに、線幅w4の方が線幅w3よりも小さい場合(図5の左上と右下および図8)には、計測点Kでの位置ずれ方向が「右方向」であると分かる。この場合、上記の式(4)に基づいて、計測点Kでの位置ずれ量Δを算出する。
このようにして、基板11の各計測点ごとに位置ずれ量Δと位置ずれ方向を算出すると、画像処理部17は、その算出結果に基づいて投影光学系の歪み誤差を各計測点ごとに算出し、ショット領域(25S)内での歪み量マップを作成する。そして、計測処理を終了する。歪み量マップによれば投影光学系のシフト誤差・倍率誤差・回転誤差などを知ることができる。
【0087】
第1実施形態の位置ずれ計測方法によれば、基板11の全面に形成された左シフト計測用パターン31の回折画像を一括視野で取り込むと共に、右シフト計測用パターン32の回折画像を一括視野で取り込み、2つの回折画像の各計測点の輝度情報から算出した線幅w3,w4を比較することにより、位置ずれ計測を行うため、基板11上の計測点の数に拘わらず高速に計測可能となる。基板11の全面におけるショット領域(25S)ごとの計測を画像処理能力の範囲内で数秒以内に実行可能となる。
【0088】
また、第1実施形態の位置ずれ計測方法によれば、例えば図10のシミュレーション結果を参照して各計測点の線幅w3,w4を算出するため、線幅w3,w4の変化と回折画像の輝度変化との感度を“数階調/1nm”以上に設定することにより、1nm以下の高い計測精度で線幅w3,w4を算出できる。したがって、基板11上の各計測点の位置ずれ計測も1nm以下の高い精度で行うことができる。
【0089】
さらに、第1実施形態の位置ずれ計測方法によれば、基板11の複数のショット領域(25S)に対して2重露光を行い、各ショット領域(25S)の各計測点ごとに同様の位置ずれ計測を行い、その計測結果を同じショット座標の計測点どうしで平均化することにより、基板11に起因する誤差を低減し、計測精度を向上させることも容易である。
【0090】
また、第1実施形態の位置ずれ計測方法によれば、基板11上のショット領域(25S)内の非常に多数の計測点での位置ずれ計測を高速かつ高精度に行えるため、投影光学系の歪み誤差の計測に好適であり、露光装置の検査工程の効率化を図ることができる。
また、第1実施形態の位置ずれ計測方法によれば、1回目の露光用の繰り返しパターン21,22の線幅w1が等しく、2回目の露光用の繰り返しパターン23,24の線幅w2が等しいため、位置ずれ方向に拘わらず同じ感度とレンジで計測することができる。
【0091】
さらに、第1実施形態の位置ずれ計測方法によれば、左シフト計測用パターン31の形成に関わる繰り返しパターン21,23のうち線幅が狭い方(21)の線幅w1をピッチp1の1/4程度とし、右シフト計測用パターン32の形成に関わる繰り返しパターン22,24のうち線幅が狭い方(22)の線幅w1をピッチp1の1/4程度としため、高感度な位置ずれ計測が可能となる。
【0092】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、請求項1〜請求項6,請求項8〜請求項11に対応する。ここでは、露光装置のアライメント誤差の計測に好適な位置ずれ計測方法を例に説明する。
第2実施形態では、概略、図11に示す位置ずれ計測用レチクル40と露光装置とを用いて2重露光が行われ、この2重露光によって基板11上に形成された繰り返しパターンの線幅変化に基づいて位置ずれ計測が行われ、その結果に基づいて露光装置のアライメント誤差が最終的に算出される。
【0093】
図11の位置ずれ計測用レチクル40には、1回目の露光用の繰り返しパターン21,22と、2回目の露光用の繰り返しパターン23,24とが、1回目の露光範囲25内の5箇所にセットで設けられている。各々の箇所で、繰り返しパターン21,22と繰り返しパターン23,24と相対位置関係は同一である。また、露光範囲25内には、露光位置合わせ用のアライメントマーク41,42も設けられている。
【0094】
位置ずれ計測用レチクル40と露光装置とを用いた2重露光では、1回目の露光時、露光範囲25内に含まれる全ての繰り返しパターン21〜24とアライメントマーク41,42(遮光部)が、一括で、基板11上のショット領域に投影される。そして2回目の露光前に現像処理が施される。その結果、図12に示すショット領域(25S)内には、繰り返しパターン21H〜24Hとアライメントマーク41H,42Hとが形成される。ただし図12では、繰り返しパターン23H,24Hの図示を省略した。
【0095】
1回目の露光が終了すると、露光装置では、ウエハステージを駆動して基板11を移動させる。このとき、アライメントマーク41H,42Hの位置に基づいて基板11の微小な位置ずれをモニタし、モニタ結果の位置ずれ量(dx,dy)と位置ずれ計測用レチクル40上での設計値の位置差(Dx,Dy)とを合算し、合算結果のステージ位置補正量(dx+Dx,dy+Dy)に基づいて、基板11を移動させる。
【0096】
このような露光位置合わせ動作が終了すると、露光装置では、2回目の露光を行う。2回目の露光時、位置ずれ計測用レチクル40の繰り返しパターン21,22とアライメントマーク41,42が遮蔽され、5箇所の繰り返しパターン23,24が一括で図13のショット領域(25S)に投影される。基板11上に投影された繰り返しパターン23C,24Cは、光の照射されない部分である。
【0097】
そして現像処理が施されると、基板11上のショット領域(25S)内では、2回とも光の照射されなかった部分(つまり1回目の露光による繰り返しパターン21H,22Hと2回目の露光による繰り返しパターン23C,24Cとの重なり部分)が、最終的な繰り返しパターン(図6〜図8の左シフト計測用パターン31,右シフト計測用パターン32)として残ることになる。
【0098】
第2実施形態において、最終的な繰り返しパターン(31,32)の線幅w3,w4の変化は、1回目の露光後で2回目の露光前に行われる位置合わせ補正(アライメント)の残留誤差に起因する。
したがって、図1の位置ずれ計測装置10を用い、基板11の全面に形成された左シフト計測用パターン31の回折画像を一括視野で取り込むと共に、右シフト計測用パターン32の回折画像を一括視野で取り込み、2つの回折画像の各計測点の輝度情報から算出した線幅w3,w4を比較することにより、基板11上の計測点の数に拘わらず高速に位置ずれ計測を行うことができる。さらに、位置ずれ計測により各計測点ごとに算出された位置ずれ量Δと位置ずれ方向に基づいて、露光装置のアライメント誤差を算出することができる。
【0099】
また、第2実施形態の位置ずれ計測方法によれば、基板11上のショット領域(25S)内の非常に多数の計測点での位置ずれ計測を高速かつ高精度に行えるため、露光装置のアライメント誤差の計測に好適であり、露光装置の検査工程の効率化を図ることができる。
【0100】
さらに、第2実施形態の位置ずれ計測方法によれば、図11の位置ずれ計測用レチクル40の中心部に設けられた1つのパターン群(23,24)を用いて、第1実施形態と同様の2回目の露光を行うことにより、露光装置の投影光学系の歪み誤差を計測することもできる。
(変形例)
なお、上記した実施形態では、図2(または図11)に示すように、繰り返し方向が互いに平行な繰り返しパターン21〜24を用いて2重露光を行い、1軸で位置ずれ計測を行ったが、本発明は2軸で位置ずれ計測を行う場合にも適用可能である。
【0101】
この場合、位置ずれ計測用レチクルには、図2(または図11)の繰り返しパターン21〜24を90度回転させて得られる繰り返しパターンも混在させることが必要であり、位置ずれ計測装置のステージには、基板11の法線方向を中心軸とする回転機構を設けることが必要となる。
そして、2種類の繰り返し方向が混在する位置ずれ計測用レチクルを用いて2重露光を行う。基板11の各計測点には、4種類の繰り返しパターン(左シフト計測用,右シフト計測用,上シフト計測用,下シフト計測用)が形成される。このため、ステージの回転機構により基板11の方位を90度だけ設定変更し、各々の方位でステージのチルト角度θtを繰り返しパターンのピッチp1,p2に応じて設定変更することにより、4種類の回折画像を選択的に取り込むことができる。さらに、各々の方位ごとに同様の画像処理を施すことにより、2軸で位置ずれ計測を行うことができる。
【0102】
また、上記した実施形態では、左シフト計測用パターン31の形成に関わる繰り返しパターン21,23のうち線幅が狭い方(21)の線幅w1と、右シフト計測用パターン32の形成に関わる繰り返しパターン22,24のうち線幅が狭い方(22)の線幅w1をピッチp1の1/4程度としたが、本発明はこれに限定されない。
【0103】
例えば図10のシミュレーション結果から分かるように、線幅w1は、ピッチp1の30%以下(範囲α内)の任意の値、または、ピッチp1の40%〜80%(範囲β内)の任意の値に設定しても構わない。これは、ピッチp1が約500nmの場合、線幅w1を100nm〜150nmの任意の値、または、200nm〜400nmの任意の値に設定することに相当する。
【0104】
また、1回目の露光用の繰り返しパターン21,22の線幅は、互いに異なっても構わない。同様に、2回目の露光用の繰り返しパターン23,24の線幅も、互いに異なっても構わない。1回目の露光用に比べて2回目の露光用の線幅を細くしても構わない。左シフト計測用パターン31のピッチp1と右シフト計測用パターン32のピッチp2との差は、50nmに限らず、100nm程度でもよい。さらに、ピッチp1,p2は、同じでも構わない。
【0105】
さらに、基板11上に形成するレジスト層としては、光の照射された部分が現像後にパターンとして残るような特性のものを用いてもよい。この場合、位置ずれ計測用レチクル20,40の繰り返しパターン21〜24(およびアライメントマーク41,42)は、光透過部となる。
また、上記した実施形態では、線幅w3,w4を算出した後に位置ずれ方向を算出したが、本発明はこれに限定されない。例えば、2つの回折画像の各計測点の輝度の低下に基づいて位置ずれ方向を算出し、輝度が低下している方の回折画像の輝度情報から線幅w3または線幅w4を算出してもよい。
【0106】
さらに、上記した実施形態では、位置ずれ計測装置10に固有な感度の不均一性(例えば照明光学系13の明るさムラなど)を補正した後の回折画像に基づいて線幅w3,w4の変化を計測したが、本発明はこれに限定されない。例えば、基板11上のレジスト層の厚さむらなどに起因する広い範囲での輝度変化や、基板11の反りなどに起因する広い範囲での輝度変化が現れた場合には、それらを補正した後の回折画像に基づいて線幅w3,w4の変化を計測することが好ましい。
【0107】
また、上記した実施形態では、基板11の全面の回折画像を一括視野で取り込むことにより各計測点での位置ずれ計測を行ったが、本発明はこれに限定されない。基板11の中の部分領域を指定して、その回折画像を一括視野で取り込むことにより、部分領域内の各計測点での位置ずれ計測を行っても構わない。
さらに、上記した実施形態では、ステージ12のチルト機構によって装置条件(チルト角度θt)を設定変更したが、本発明はこれに限定されない。ステージ12のチルト機構に代えて、照明光学系13と受光光学系(14〜16)にチルト機構を設け、同様に装置条件(チルト角度θt)を設定変更してもよい。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板上の計測点の数に拘わらず高速に位置ずれを計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】位置ずれ計測装置10の全体構成を示す概略図である。
【図2】位置ずれ計測用レチクル20の構成を示す概略図である。
【図3】1回目の露光用のパターン群(21,22)と2回目の露光用のパターン群(23,24)の構成を示す図である。
【図4】位置ずれ計測用レチクル20による1回目の露光後のショット領域(25S)を説明する図である。
【図5】位置ずれ計測用レチクル20による1回目の露光後のショット領域(25S)と2回目の露光後のショット領域(26S)を説明する図である。
【図6】位置ずれ量Δ=0における最終的な繰り返しパターン31,32の線幅w3,w4を説明する図である。
【図7】位置ずれ量Δ≠0(左方向)における最終的な繰り返しパターン31,32の線幅w3,w4を説明する図である。
【図8】位置ずれ量Δ≠0(右方向)における最終的な繰り返しパターン31,32の線幅w3,w4を説明する図である。
【図9】線幅w3,w4と位置ずれ量Δおよび位置ずれ方向との関係を説明する図である。
【図10】Duty比の変化に対する回折効率の変化の様子をシミュレーションした結果である。
【図11】位置ずれ計測用レチクル40の構成を示す概略図である。
【図12】位置ずれ計測用レチクル40による1回目の露光後のショット領域(25S)を説明する図である。
【図13】位置ずれ計測用レチクル40による1回目の露光後のショット領域(25S)と2回目の露光後のショット領域(26S)を説明する図である。
【符号の説明】
10 位置ずれ計測装置
11 基板
12 ステージ
13 照明光学系
14 凹面反射鏡
15 結像レンズ
16 撮像素子
17 画像処理部
20,40 位置ずれ計測用マスク
21,22,23,24 繰り返しパターン
31 左シフト計測用パターン
32 右シフト計測用パターン
41,42 アライメントマーク

Claims (11)

  1. 複数の線状パターンが所定ピッチで配置された第1繰り返しパターンを用いて、基板に対して1回目の露光を行い、複数の線状パターンが前記所定ピッチで配置された第2繰り返しパターンを用いて、前記基板上の前記第1繰り返しパターンを露光した位置に重なるように2回目の露光を行うことにより、前記第1繰り返しパターンと前記第2繰り返しパターンとの重なり部分に応じた形状をなす計測用の第3繰り返しパターンを、前記基板に形成するパターン形成工程と、
    前記第3繰り返しパターンの回折画像を取り込む画像取込工程と、
    前記回折画像の輝度情報に基づいて、前記第3繰り返しパターンの線幅を算出する第1算出工程と、
    前記線幅に基づいて、前記1回目の露光と前記2回目の露光との位置ずれ量を算出する第2算出工程とを備えた
    ことを特徴とする位置ずれ計測方法。
  2. 複数の線状パターンが第1ピッチで配置された第1繰り返しパターンと複数の線状パターンが第2ピッチで配置された第2繰り返しパターンとを用いて、基板に対して1回目の露光を行い、複数の線状パターンが前記第1ピッチで配置された第3繰り返しパターンと複数の線状パターンが前記第2ピッチで配置された第4繰り返しパターンとを用いて、前記基板上の前記第1繰り返しパターンを露光した位置に前記第3繰り返しパターンが重なるように、かつ、前記基板上の前記第2繰り返しパターンを露光した位置に前記第4繰り返しパターンが重なるように、2回目の露光を行うことにより、前記第1繰り返しパターンと前記第3繰り返しパターンとの重なり部分に応じた形状をなすと共に所定方向の計測に関わる第5繰り返しパターン、および、前記第2繰り返しパターンと前記第4繰り返しパターンとの重なり部分に応じた形状をなすと共に前記所定方向とは逆方向の計測に関わる第6繰り返しパターンを、前記基板に形成するパターン形成工程と、
    前記第5繰り返しパターンおよび前記第6繰り返しパターンの回折画像を取り込む画像取込工程と、
    前記回折画像の輝度情報に基づいて、前記第5繰り返しパターンの線幅と前記第6繰り返しパターンの線幅との少なくとも一方を算出する第1算出工程と、
    前記第1算出工程による算出結果に基づいて、前記1回目の露光と前記2回目の露光との位置ずれ量および位置ずれ方向を算出する第2算出工程とを備えた
    ことを特徴とする位置ずれ計測方法。
  3. 請求項2に記載の位置ずれ計測方法において、
    前記パターン形成工程で用いられる前記第1繰り返しパターンおよび前記第3繰り返しパターンの前記第1ピッチと、前記第2繰り返しパターンおよび前記第4繰り返しパターンの前記第2ピッチとは、互いに異なり、
    前記画像取込工程では、前記第1ピッチに応じて設定された条件で前記第5繰り返しパターンの回折画像を選択的に取り込み、前記第2ピッチに応じて設定された条件で前記第6繰り返しパターンの回折画像を選択的に取り込む
    ことを特徴とする位置ずれ計測方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の位置ずれ計測方法において、
    前記パターン形成工程で用いられる前記第1繰り返しパターンおよび前記第3繰り返しパターンは、線幅が互いに異なり、
    前記パターン形成工程で用いられる前記第2繰り返しパターンおよび前記第4繰り返しパターンは、線幅が互いに異なり、
    前記パターン形成工程の前記1回目の露光で用いられる前記第1繰り返しパターンおよび前記第2繰り返しパターンからなるパターン群の繰り返し方向のエッジ間隔と、前記2回目の露光で用いられる前記第3繰り返しパターンおよび前記第4繰り返しパターンからなるパターン群の繰り返し方向のエッジ間隔とは、互いに等しい
    ことを特徴とする位置ずれ計測方法。
  5. 請求項2から請求項4の何れか1項に記載の位置ずれ計測方法において、
    前記パターン形成工程の前記1回目の露光で用いられる前記第1繰り返しパターンおよび前記第2繰り返しパターンは、線幅が互いに等しく、
    前記パターン形成工程の前記2回目の露光で用いられる前記第3繰り返しパターンおよび前記第4繰り返しパターンは、線幅が互いに等しい
    ことを特徴とする位置ずれ計測方法。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の位置ずれ計測方法において、
    前記回折画像の輝度情報と前記線幅との関係を繰り返しピッチごとに予め記憶する記憶工程を備え、
    前記第1算出工程では、前記関係を参照することにより前記線幅の算出を行う
    ことを特徴とする位置ずれ計測方法。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の位置ずれ計測方法において、
    前記パターン形成工程では、前記1回目の露光および前記2回目の露光を行う露光装置の投影光学系の少なくとも周辺部を介して前記1回目の露光を行った後、前記投影光学系の中心部を介して前記2回目の露光を行い、
    前記第2算出工程による算出結果に基づいて、前記投影光学系の歪み誤差を算出する第3算出工程をさらに備えた
    ことを特徴とする位置ずれ計測方法。
  8. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の位置ずれ計測方法において、
    前記パターン計測工程では、前記1回目の露光に際してアライメント用のマークを前記基板に形成し、前記1回目の露光後に前記マークを参照して前記基板を移動させて、前記2回目の露光を行い、
    前記第2算出工程による算出結果に基づいて、前記1回目の露光および前記2回目の露光を行う露光装置のアライメント誤差を算出する第3算出工程さらにを備えた
    ことを特徴とする位置ずれ計測方法。
  9. 1回目の露光および2回目の露光により基板に形成され、所定ピッチの2つの露光用繰り返しパターンの重なり部分に応じた形状をなす計測用繰り返しパターンの回折画像を取り込む画像取込手段と、
    前記回折画像の輝度情報に基づいて、前記計測用繰り返しパターンの線幅を算出する第1算出手段と、
    前記線幅に基づいて、前記1回目の露光と前記2回目の露光との相対的な位置ずれ量を算出する第2算出手段とを備えた
    ことを特徴とする位置ずれ計測装置。
  10. 1回目の露光および2回目の露光により基板に形成され、第1ピッチの2つの露光用繰り返しパターンの重なり部分に応じた形状をなすと共に所定方向の計測に関わる第1計測用繰り返しパターン、および、第2ピッチの2つの露光用繰り返しパターンの重なり部分に応じた形状をなすと共に前記所定方向とは逆方向の計測に関わる第2計測用繰り返しパターンの回折画像を取り込む画像取込手段と、
    前記回折画像の輝度情報に基づいて、前記第1計測用繰り返しパターンの線幅と前記第2計測用繰り返しパターンの線幅との少なくとも一方を算出する第1算出手段と、
    前記第1算出手段による算出結果に基づいて、前記1回目の露光と前記2回目の露光との相対的な位置ずれ量および位置ずれ方向を算出する第2算出手段とを備えた
    ことを特徴とする位置ずれ計測装置。
  11. 複数の線状パターンが第1ピッチで配置された第1繰り返しパターンと、複数の線状パターンが第2ピッチで配置された第2繰り返しパターンとを含む1回目の露光用の第1パターン群と、
    複数の線状パターンが前記第1ピッチで配置された第3繰り返しパターンと、複数の線状パターンが前記第2ピッチで配置された第4繰り返しパターンとを含む2回目の露光用の第2パターン群とを備え、
    前記第1繰り返しパターンの複数の線状パターンと前記第3繰り返しパターンの複数の線状パターンとは、線幅が互いに異なり、
    前記第2繰り返しパターンの複数の線状パターンと前記第4繰り返しパターンの複数の線状パターンとは、線幅が互いに異なり、
    前記第1パターン群における線状パターンの繰り返し方向のエッジ間隔と、前記第2パターン群における線状パターンの繰り返し方向のエッジ間隔とは、互いに等しい
    ことを特徴とする位置ずれ計測用レチクル。
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