JP2004362983A - 非水電解質電池 - Google Patents

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和男 宇田川
Munehito Hayami
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Abstract

【課題】負極板を薄肉化しても破断が防止され、かつ前記負極板が万一破断されても電気的な導通を維持することが可能で、高容量化と重負荷放電特性の向上を達成した非水電解質電池を提供する。
【解決手段】シート状正極板6およびリチウム金属またはリチウム合金からなるシート状負極板4をセパレータ5を介して捲回し、プレス加工を施した扁平状電極群3と、リチウム塩を含む非水電解質とを具備し、前記負極板は、0.16mm以下の厚さを有し、かつ捲回方向にリチウム金属と合金化しない金属の線材7が形成されている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質電池に関し、特に電極群の構造を改良した非水電解質電池に係わる。
【0002】
【従来の技術】
二酸化マンガンを活物質とする正極、リチウム金属またはリチウム合金を活物質とする負極を備えた非水電解液電池は、高エネルギー密度を有することから、既に多くの電子機器の電源として実用化されている。この非水電解液電池は、カメラ等の電子機器に用いられているが、その電子機器の多様化が進む中で、その非水電解液電池として重負荷放電での高容量化が望まれている。
【0003】
このようなことから、前記非水電解液電池の重負荷放電特性向上を目的として二酸化マンガンへの導電剤の混合、低粘度の電解液や高導電率の電解液の使用、さらに正極板、負極板の薄肉化が検討されている。中でも、正極板および負極板の薄肉化(特に金属リチウムまたはリチウム合金からなる負極板の薄肉化)は重負荷放電特性向上に最も効果的である。
【0004】
また、角型形状の外装部材を有する非水電解液電池において、体積エネルギー密度(容量)をより向上するために正極板および負極板をセパレータを介在して構成された電極群を円筒形から扁平状にすることが検討されている。このような扁平状の電極群は、正極板および負極板をセパレータを介在して捲回し、この円筒状物にプレス加工を施すことにより作製されている。
【0005】
しかしながら、薄肉化された負極板および正極板をセパレータを介在して捲回した円筒状物にプレス加工を施すと、その円筒状物の折り目に相当するR形状部分において正極板および負極板に極端なストレスが加わるために特に薄肉化された負極板が破断して放電時においてその負極板を有効に電池反応させることが困難になる問題があった。したがって、従来の非水電解液電池では高容量化を図りつつ、重負荷放電特性を向上させることが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シート状負極板とシート状正極板をセパレータを介在して捲回し、プレス加工した電極群を備え、前記負極板を薄肉化しても破断が防止され、かつ前記負極板が万一破断されても電気的な導通を確保することが可能で、高容量化と重負荷放電特性の向上を達成した非水電解質電池を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解質電池は、シート状正極板およびリチウム金属またはリチウム合金からなるシート状負極板をセパレータを介して捲回し、プレス加工を施した扁平状電極群と、リチウム塩を含む非水電解質とを具備し、
前記負極板は、0.16mm以下の厚さを有し、かつリチウム金属と合金化しない金属の線材が捲回方向に形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非水電解質電池を詳細に説明する。
【0009】
この非水電解質電池は、シート状正極板およびリチウム金属またはリチウム合金からなるシート状負極板をセパレータを介して捲回し、プレス加工を施した扁平状電極群と、リチウム塩を含む非水電解質とを外装部材に収納、密閉した構造を有する。
【0010】
次に、前記正極板、セパレータ、負極板、非水電解質および外装部材を説明する。
【0011】
1)シート状正極板
このシート状正極板は、集電体に正極層を担持した構造を有する。
【0012】
前記集電体としては、例えばアルミニウム、ニッケルまたはステンレスからなるエキスパンドメタル、同金属からなる箔、メッシュ等を挙げることができる。
【0013】
前記正極層は、二酸化マンガンから選ばれる活物質、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)から選ばれる結着剤、およびアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛から選ばれる導電剤を含有する。
【0014】
前記シート状正極板は、0.1〜0.45mmの厚さを有することが好ましい。
【0015】
2)セパレータ
このセパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体からなる微多孔性膜またはこれら材料の繊維を有する織布、不織布により作られる。
【0016】
3)シート状負極板
このシート状負極板は、リチウム金属またはリチウム合金から作られ、0.16mm以下の厚さを有するとともに、リチウム金属と合金化しない金属の線材が捲回方向(前記電極群を作製する際の捲回方向)に形成された構造を有する。
【0017】
前記リチウム合金としては、例えば0.05〜1重量%のAlを含むLi−Al合金、0.05〜1重量%のSnを含むLi−Sn合金等を用いることができる。
【0018】
前記負極板の厚さが0.16mmを超えると、非水電解質電池の重負荷放電特性を向上することが困難になる。なお、前記負極板の厚さの下限は0.10mmにすることが好ましい。
【0019】
前記線材を負極板に形成する際、その負極板がリチウム金属またはリチウム合金のような比較的柔らかい金属から作られているため、前記負極板に例えば圧着により形成することが可能である。
【0020】
前記線材に用いられる材料としては、リチウムと合金化しない金属、合金であればいかなるものでもよく、例えばニッケル、銅、鉄およびクロムから選ばれる少なくとも1つの元素を含む金属、合金を挙げることができる。これらの金属、合金のうちで、特にニッケル、ステンレスが好ましい。
【0021】
前記線材は、例えば断面が円形、楕円形、矩形等の形状を有する。この線材の厚さ(断面が円形の場合は直径)は、0.05mm以上、前記負極板の厚さ以下であることが好ましい。前記線材の厚さを0.05mm未満にすると、前記負極板に対する補強効果、さらに万一破断したときの導通を確保する効果を発揮させることが困難になる。一方、前記線材の厚さが前記負極板の厚さを超えるとこの負極板と対向するセパレータを損傷して内部短絡を生じる虞がある。より好ましい前記線材の厚さは、0.05mm、前記負極板の厚さの0.8倍以下である。
【0022】
前記線材が楕円形または矩形である場合には、その幅は0.05〜5mmであることが好ましい。前記線材の幅を0.05mm未満にすると、前記薄板に対する補強作用、さらに万一破断したときの導通維持作用を発揮させることが困難になる。一方、前記線材の幅が5mmを超えると、負極板を覆う面積が大きくなって、電池反応を阻害する虞がある。
【0023】
前記負極板への前記線材の形成位置(配置位置)は、その負極板の捲回方向であれば特に限定されないが、その負極板の捲回方向に沿う端部であることが好ましい。
【0024】
4)非水電解質
この非水電解質としては、例えばリチウム塩を非水溶媒に溶解した非水電解液を挙げることができる。
【0025】
前記リチウム塩としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO)、四フッ化硼酸リチウム(LiBF)、六フッ化燐酸リチウム(LiPF)、六フッ化砒素酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、LiN(CFSO等を用いることができる。
【0026】
前記非水溶媒としては、例えばγ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル等を用いることができ、2種類以上混合して使用してもよい。
【0027】
前記非水溶媒中の前記電解質の濃度は、0.5モル/L以上にすることが好ましい。
【0028】
前記非水電解質は、前述した溶液の形態に限らず、電解液を含浸させた高分子ゲル電解質、または溶媒を含まない全固体型高分子固体電解質でもよい。
【0029】
前記高分子ゲル電解質として用いる高分子材料としては、特に限定するものではないが、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
【0030】
5)外装部材
この外装部材としては、例えば(a)金属からなる有底矩形筒状の外装缶の上端開口部に正負極端子が互いに電気的に絶縁して取り付けられた封口体を絶縁ガスケットを介してかしめ付けした構造のもの、(b)金属からなる有底矩形筒状の外装缶の上端開口部に正負極端子が互いに電気的に絶縁して取り付けられた封口体を面一に挿入し、それら筒状缶と封口体とをレーザ溶接した構造のもの、(c)皿状の缶に皿状の封口体を絶縁ガスケットを介してかしめ付けしたコイン形、小判形のもの、を挙げることができる。
【0031】
次に、本発明係る非水電解質電池、例えば角型非水電解液電池を図1および図2を参照して具体的に説明する。
【0032】
図1に示すアルミニウムのような金属から作られる有底矩形筒状の外装缶1は、底部内面に絶縁フィルム2が配置されている。扁平状電極群3は、前記外装缶1内に収納されている。この電極群3は、リチウム金属またはリチウム合金からなるシート状負極板4とセパレータ5とシート状正極6とを渦巻状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製される。このシート状負極板4は、0.16mm以下の厚さを有し、かつ図2に示すように捲回方向に沿う端部にリチウム金属と合金化しない金属(例えばニッケル)の線材7が形成され、さらに捲回方向と直交する端部に負極リード8が取り付けられている。前記シート状正極6は、捲回方向と直交する端部に正極リード9が取り付けられている。非水電解液は、外装缶1内に収容されている。
【0033】
前記中心付近にリード取出穴10を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ11は、前記外装缶1内の前記電極群3上に配置されている。正極端子および負極端子(いずれも図示せず)が互いに電気的に絶縁して上部に形成された封口体12は、前記外装缶1の上端開口部に絶縁ガスケット13を介してかしめ固定されている。前記シート状負極板4の負極リード8は、前記リード取出穴10を通して前記封口体12の底部に例えば溶接され、図示しない導通路を通して前記負極端子に接続されている。前記シート状負極板4の負極リード8は、前記リード取出穴10を通して前記封口体12の底部に例えば溶接され、図示しない導通路を通して前記負極端子に接続されている。前記シート状正極板6の正極リード9は、前記リード取出穴10を通して前記封口体12の底部に例えば溶接され、図示しない導通路を通して前記正極端子に接続されている。
【0034】
以上説明した本発明に係る非水電解質電池は、シート状正極板およびリチウム金属またはリチウム合金からなるシート状負極板をセパレータを介して捲回し、プレス加工を施した扁平状電極群と、リチウム塩を含む非水電解質とを具備し、前記負極板として0.16mm以下の厚さを有し、かつ捲回方向にリチウム金属と合金化しない金属の線材を形成した構成を有する。
【0035】
このような構成によれば、負極板の厚さを0.16mm以下にすることによって、電極群においてシート状負極板とシート状正極板との対向面積を増大できるため、重負荷放電特性を向上できる。
【0036】
また、電極群としてシート状正極板およびリチウム金属またはリチウム合金からなるシート状負極板をセパレータを介して捲回し、プレス加工を施した扁平状のものを用いることによって、体積エネルギー密度の増大、つまり高容量化を図ることができる。ただし、0.16mm以下に薄肉化された負極板および正極板をセパレータを介在して捲回し、プレス加工して扁平状電極群を得る際、折り目に相当するR形状部分において正極板および負極板に極端なストレスが加わるために薄肉化された負極板が破断される虞がある。
【0037】
このようなことから、前記薄肉化された負極板にニッケルのようなリチウム金属と合金化しない金属の線材をその負極板の捲回方向に形成することによって、薄肉化された負極板を補強できるため、前記捲回、プレス加工時での極端なストレスに伴う負極板の破損を防止することができる。また、万が一、負極板の破損が生じてもリチウムと合金化しない金属の線材、つまり電池として機能している期間に亘って十分な機械的強度を有する導電性の線材によって破断された負極板間の導通を確保できるため、負極板を有効に電池反応させることが可能になる。
【0038】
したがって、本発明によれば高容量化と重負荷放電特性の向上を達成した非水電解質電池を提供できる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0040】
(実施例1)
<正極の作製>
二酸化マンガン90重量部と導電剤である黒鉛粉末5重量部と結着剤であるポリテトラフルオロエチレンの水性ディスパージョン5重量部(固形分換算)とを混練して正極合剤を調製した。この正極合剤を集電体であるステンレス製のエキスパンドメタルに塗着した後、乾燥、圧延、裁断、さらに乾燥して厚さ0.45mmのシート状正極板を作製した。この正極板の幅方向に沿う一端部にステンレス製の正極リードを取り付けた。
【0041】
<負極の作製>
厚さ0.16mmのLi−Al合金(Al量:0.1重量%)の箔を前記正極板の活物質の放電容量と同等になる寸法に裁断してシート状負極板を作製した。つづいて、ニッケルめっき鋼板からなる負極リードの一端に前記負極板の厚さと同じ直径をもつNi製線材をその負極リードの長手方向に対して直角になるように溶着させたL形部材を用意した。このL形部材を前記負極板に前記Ni製線材がその負極板の長手方向(後述する電極群を作製する際の捲回方向)に沿う端部に位置するとともに、前記負極リードが負極板の幅方向に沿う端部に位置するように載置し、さらにこれら線材およびリードを前記負極板に圧着ことにより前述した図2に示す構造の負極板とした。
【0042】
<電池の組立>
前記シート状正極板およびシート状負極板をポリプロピレン製マイクロポーラスフィルムからなるセパレータを介して渦巻き状に捲回して円筒状とし、さらにプレス加工して扁平状の電極群を作製した。この電極群を底部に絶縁紙を配した有底矩形筒状のアルミニウム製外装缶に挿入した。つづいて、正極端子および負極端子(いずれも図示せず)が互いに電気的に絶縁して上部に形成された封口体の底部に前記電極群の正極板の正極リード、負極板の負極リードをそれぞれ抵抗溶接した状態で非水電解液を所定量注入した。その後、前記封口体を前記外装缶の上端開口部に絶縁ガスケットを介してかしめ付けすることによって、幅7.0mm、長さ30.0mm、高さ34.0mmで、前述した図1に示す角型非水電解液電池を組み立てた。なお、前記非水電解液としてはエチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンが1:1の体積比率で混合した非水溶媒にトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)を0.5モル/Lの濃度で溶解した組成のものを用いた。
【0043】
(実施例2)
厚さ0.30mmの正極板および厚さ0.10mmのLi−Al合金製の負極板を用いた以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0044】
(実施例3)
厚さ0.30mmの正極板および厚さ0.10mmのLi−Al合金製の負極板を用い、この負極板にSUS304製の線材を圧着した以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0045】
(実施例4)
厚さ0.30mmの正極板および厚さ0.10mmのLi−Al合金製の負極板を用い、この負極板にSUS444製の線材を圧着した以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0046】
(実施例5)
厚さ0.30mmの正極板および厚さ0.10mmのLi−Al合金製の負極板を用い、この負極板にその負極板厚さの0.5倍の直径(0.05mm)を持つNi製の線材を圧着した以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0047】
(実施例6)
厚さ0.30mmの正極板および厚さ0.10mmのLi−Al合金製の負極板を用い、この負極板にその負極板厚さの0.7倍の直径(0.07mm)を持つNi製の線材を圧着した以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0048】
(比較例1)
線材が圧着されていない負極板を用いた以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0049】
(比較例2)
厚さ0.30mmの正極板および線材が圧着されていない厚さ0.10mmのLi−Al合金製の負極板を用いた以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0050】
(比較例3)
厚さ0.30mmの正極板および厚さ0.10mmのLi−Al合金製の負極板を用い、この負極板にその負極板厚さと同じ直径を持つAl製の線材を圧着した以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0051】
(比較例4)
厚さ0.55mmの正極板および厚さ0.20mmのLi−Al合金製の負極板を用いた以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0052】
(比較例5)
厚さ0.55mmの正極板および線材が圧着されていない厚さ0.20mmのLi−Al合金製の負極板を用いた以外、実施例1と同様な角型非水電解液電池を組み立てた。
【0053】
(参照例1)
<正極の作製>
二酸化マンガン90重量部と導電剤である黒鉛粉末5重量部と結着剤であるポリテトラフルオロエチレンの水性ディスパージョン5重量部(固形分換算)とを混練して正極合剤を調製した。この正極合剤を集電体であるステンレス製のエキスパンドメタルに塗着した後、乾燥、圧延、裁断、さらに乾燥して厚さ0.45mmのシート状正極板を作製した。この正極板の幅方向に沿う一端部にステンレス製の正極リードを取り付けた。
【0054】
<負極の作製>
厚さ0.16mmのLi−Al合金(Al量:0.1重量%)の箔を前記正極板の活物質の放電容量と同等になる寸法に裁断してシート状負極板を作製した。つづいて、ニッケルめっき鋼板からなる負極リードの一端に前記負極板の厚さと同じ直径をもつNi製線材をその負極リードの長手方向に対して直角になるように溶着させたL形部材を用意した。このL形部材を前記負極板に前記Ni製線材がその負極板の長手方向(後述する電極群を作製する際の捲回方向)に沿う端部に位置するとともに、前記負極リードが負極板の幅方向に沿う端部に位置するように載置し、さらにこれら線材およびリードを前記負極板に圧着することにより前述した図2に示す構造の負極板とした。
【0055】
<電池の組立>
前記シート状正極板およびシート状負極板をポリプロピレン製マイクロポーラスフィルムからなるセパレータを介してその負極板が最外周に位置するように渦巻き状に捲回して円筒状の電極群を作製した。この電極群の底部に絶縁紙を配し、前記負極リードをこの絶縁紙の裏面側に回り込むように折り曲げた。つづいて、この電極群を前記絶縁紙とともに負極端子を兼ねる有底円筒状のアルミニウム製外装缶に前記負極リードが先頭になるように挿入した後、前記負極リードと前記外装缶の底部内面とを抵抗溶接した。このように円筒状電極群を有底円筒状の外装缶に収納した後、非水電解液を前記外装缶内に所定量注入した。ひきつづき、正極端子を兼ねる封口体の底部に前記電極群の正極板の正極リードを抵抗溶接した後、前記封口体を前記外装缶の上端開口部に絶縁ガスケットを介してかしめ付けすることによって、直径17.0mm、高さ34.5mmを有する円筒型非水電解液電池を組み立てた。なお、前記非水電解液としてはエチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンが1:1の体積比率で混合した非水溶媒にトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)を0.5モル/Lの濃度で溶解した組成のものを用いた。
【0056】
得られた実施例1〜6、比較例1〜5及び参照例1の電池について、以下に説明する方法により連続放電特性および重負荷放電特性を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0057】
1)連続放電特性
前記各電池10個について、温度20℃の雰囲気で100Ωの連続放電を行ない、終止電圧2.0Vまでの電気容量を測定し、比較例1の電気容量を100とした時の相対値(%)[10個当たりの平均相対値]として連続放電特性を評価した。
【0058】
2)重負荷放電特性
前記各電池10個について、温度20℃の雰囲気で1200mAの間欠放電(1200mAの定電流を3秒間流し、7秒間休止する放電)を行ない、終止電圧1.5Vまでの電気容量を測定し、比較例1の電気容量を100とした時の相対値(%)[10個当たりの平均相対値]として重負荷放電特性を評価した。
【0059】
また、製造工程において不具合を生じた電池、および連続放電特性の評価試験を実施した電池10個を分解し、内部短絡やシート状負極板の破損に伴う放電に関与していない負極板の存在を確認し、これら不具合を生じていた割合を調べた。その結果を下記表1に併記する。
【0060】
【表1】
Figure 2004362983
【0061】
前記表1から明らかなように、Ni製線材が捲回方向に圧着された負極板を有する実施例1の電池では、線材が圧着されていない負極板を有する比較例1の電池に比べて連続放電特性および重負荷放電特性が向上することがわかる。これは、実施例1においては線材を負極板の捲回方向に圧着されているため放電に伴って消費される負極板をその捲回方向に圧着したNi製線材により電気的な導通を確保できるため、比較例1の電池に比べてより効率的に負極板を電池反応に関与させることができることに起因する。
【0062】
厚さをより薄肉化した負極板を有する比較例2の電池では、比較例1の電池に比べて連続放電特性および重負荷放電特性が低下する。これは、比較例2において負極板をより薄肉化したために、負極板の強度が低下して扁平状電極群を作製する際の捲回、プレス加工の工程で負極板が破断されて、連続放電特性および重負荷放電特性が低下したものと考えられる。事実、対象となる電池を分解して調査したところ、放電に関与しなかった負極板が存在していた不具合からも明らかになった。
【0063】
一方、Ni、SUS304、SUS444のようなステンレス鋼からなる線材が捲回方向に圧着され、厚さをより薄肉化された負極板を有する実施例2〜4の電池では、線材が圧着されていない負極板を有する比較例1の電池に比べて連続放電特性がほぼ同等であったが、重負荷放電特性に関して大幅な向上が認められた。これは、負極を薄肉化することにより正極板と負極板の対向面積が増大したためである。また、扁平状電極群を作製する際の捲回、プレス加工の工程で負極板が破断されても、負極板の捲回方向に圧着したNi製などの線材により電気的な導通を確保でき、さらに前記線材により負極板を繋ぎ止める効果もあり、負極板表面で不均一な反応が生じた場合でも前記線材により負極板に対して電気的な導通を確保できたことに起因する。
【0064】
線材としてAlを用いた比較例3の電では、その線材が負極板の構成金属であるLiと合金化して脆弱になり、放電時に線材による負極板の繋ぎとめ効果が低下し、結果として比較例2と同等の放電特性になるに留まった。これは、対象となる電池を分解して調査したところ、放電に関与しなかった負極板が存在していた不具合からも明らかになった。
【0065】
比較例4、5の電池では、いずれも連続放電特性が比較例1と同等であったが、負極板が0.16mmを超える厚さを有し、正極板と負極板の対向面積が減少したために重負荷放電特性の低下が認められた。また、負極板を厚くした関係で、扁平状電極群を作製する際の捲回、プレス加工の工程で負極板に大きなストレスが加わっても破断しなかった。このため、Ni製の線材を負極板の捲回方向に圧着した比較例4ではその線材による効果が認められなかった。
【0066】
さらに、本発明における実施例1〜6の角型の電池は重負荷放電特性および体積エネルギー密度がいずれも参照例1の円筒型の電池に比べて増大することがわかる。
【0067】
このように本発明のように負極板を薄肉化し、その負極板の捲回方向に所定の金属からなる線材を圧着することによって、この負極板および正極板をセパレータを挟んで捲回し、プレス加工することにより扁平状電極群を作製する際、負極板の破断を防ぎ、かつ万が一破断しても前記線材で負極板の電気的導通を確保できる。また、前記線材は負極板を繋ぎ止める効果もあり、負極板表面で不均一な反応が生じた場合でも前記線材により負極板に対して電気的な導通を確保できる。その結果、体積エネルギー密度の向上化、つまり高容量化を図りつつ、重負荷放電特性が向上された非水電解液電池を得ることができる。
【0068】
なお、前記実施例では線材としてNi,SUS304,SUS444の材料を用いたが、銅、鉄、クロム等のリチウムと合金化しない金属、合金であれば前述した実施例と同様な効果を発揮できる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、シート状負極板とシート状正極板をセパレータを介在して捲回し、プレス加工した電極群を備え、前記負極板を薄肉化しても破断が防止され、かつ前記負極板が万一破断されても電気的な導通を維持することが可能で、高容量化と重負荷放電特性の向上を達成した非水電解質電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質電池、例えば角型非水電解質電池を示す概略断面図。
【図2】図1の角型非水電解質電池に組みこまれる負極板を示す展開図。
【符号の説明】
1…有底矩形筒状の外装缶、3…扁平状電極群、4…シート状負極板、5…セパレータ、6…シート状正極、7…線材、12…封口体、13…絶縁ガスケット。

Claims (3)

  1. シート状正極板およびリチウム金属またはリチウム合金からなるシート状負極板をセパレータを介して捲回し、プレス加工を施した扁平状電極群と、リチウム塩を含む非水電解質とを具備し、
    前記負極板は、0.16mm以下の厚さを有し、かつ捲回方向にリチウム金属と合金化しない金属の線材が形成されていることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記線材は、0.05mm以上、前記負極板の厚さ以下の厚さを有することを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。
  3. 前記線材は、ニッケル、銅、鉄およびクロムから選ばれる少なくとも1つの元素を含む金属材料から作られることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質電池。
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