JP6081745B2 - 扁平形非水二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、信頼性および生産性に優れた扁平形非水二次電池に関するものである。
一般にコイン形電池やボタン形電池と称される扁平形の非水二次電池では、正極と負極とがセパレータを介して対向して構成された電極群と、非水電解液とを、外装ケースと封口ケースと絶縁ガスケットとで形成された空間内に収容した構造を有している。
前記のような扁平形非水二次電池では、正極および負極に、集電体の片面または両面に正極合剤層や負極剤層を形成し、かつ集電体の一部を、正極合剤層や負極剤層を形成せずに露出させ、これを集電タブとして利用し、各正極および各負極の集電タブを、それぞれ纏めて溶接などし、これらの纏めた集電タブを、端子を兼ねる外装ケースや封口ケースの内面との電気的接続に利用しているものがある(例えば、特許文献1)。
また、近年では、扁平形非水二次電池の適用範囲が広がるにつれて、例えば小型化などの要請がある。しかし、扁平形非水二次電池では、小型のものなどのように電池の形状によっては、電池内が非常に狭いことから、電極群に係る纏めた正負極の集電タブと、外装ケースや封口ケースの内面との溶接が困難となり、電池の生産性が損なわれる場合がある。
そこで、纏めて溶接した複数の集電タブを、電極群の外面側に折り返して接着し、これを正極ケースや負極ケースの内面と接触させて電気的に接続することで、集電タブの長さをある程度確保しつつ、小型の電池ケースの適用を可能にした技術の提案もある(特許文献2)。
特開2003−142161号公報 特開2011−141997号公報
特許文献2に記載の技術であれば、小型の扁平形非水二次電池であっても良好に生産でき、また、正極ケースや負極ケースの内面と電極群の外面とによって纏めて溶接した集電タブの一部を挟持できるため、例えば、電池が振動を受けるなどにしても、纏めて溶接した集電タブの端部と、対極側の電池ケースなどの部材との接触などを抑制できることから、電池の信頼性を高めることもできる。
ところが、特許文献2に記載の技術では、正極ケースと負極ケースとの嵌合がし難いといった問題もあり、特に平面視での径に対して厚みが小さい薄型の扁平形非水二次電池においては、この問題が生産性にも影響する。かかる点において、特許文献2に記載の技術も、未だ改善の余地を残している。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性および生産性に優れた扁平形非水二次電池を提供することにある。
正極端子を兼ねる正極ケースと負極端子を兼ねる負極ケースとが、絶縁ガスケットを介してカシメ封口されて形成された空間内に、正極と負極とがセパレータを介して交互に、かつ前記正極ケースおよび前記負極ケースの扁平面に略平行に積層されており、正極および負極の合計枚数が3枚以上である電極群、並びに非水電解液を有する扁平形非水二次電池であって、下記(1)または(2)の態様を有することを特徴とするものである。
(1)前記負極は、本体部と、平面視で、前記本体部から突出した、前記本体部よりも幅の狭い集電タブ部とを有しており、前記負極の本体部には、集電体の片面または両面に負極活物質を含む負極剤層が形成されており、前記負極の集電タブ部では、集電体に負極剤層が形成されておらず、前記電極群は、前記負極を少なくとも2枚有しており、かつ前記電極群における負極ケース側の最外部の電極が負極であり、前記各負極の集電タブ部が纏められ、互いに溶接されて一体化しており、前記一体化した負極の集電タブ部が、前記電極群における負極ケース側の最外部の負極上に折り返されており、前記一体化した負極の集電タブ部の端部が、平面視で、前記電極群の外周よりも内側であって、かつ電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの前記電極群の直径長さの2/3までに位置していて、前記電極群の外面と前記負極ケースの内面とによって挟持されている。
(2)前記正極は、本体部と、平面視で、前記本体部から突出した、前記本体部よりも幅の狭い集電タブ部とを有しており、前記正極の本体部には、集電体の片面または両面に正極活物質を含む正極合剤層が形成されており、前記正極の集電タブ部では、集電体に正極合剤層が形成されておらず、前記電極群は、前記正極を少なくとも2枚有しており、かつ前記電極群における正極ケース側の最外部の電極が正極であり、前記各正極の集電タブ部が纏められ、互いに溶接されて一体化しており、前記一体化した正極の集電タブ部が、前記電極群における正極ケース側の最外部の正極上に折り返されており、前記一体化した正極の集電タブ部の端部が、平面視で、前記電極群の外周よりも内側であって、かつ電極群における正極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの前記電極群の直径長さの2/3までに位置していて、前記電極群の外面と前記正極ケースの内面とによって挟持されている。
なお、電池業界においては、高さより径の方が大きい扁平形電池をコイン形電池と呼んだり、ボタン形電池と呼んだりしているが、そのコイン形電池とボタン形電池との間に明確な差はなく、本発明の扁平形非水二次電池には、コイン形電池、ボタン形電池のいずれもが含まれる。
本発明によれば、信頼性および生産性に優れた扁平形非水二次電池を提供することができる。
本発明の扁平形非水二次電池の一例を模式的に表す縦断面図である。 図1の扁平形非水二次電池の要部断面拡大図である。 本発明の扁平形非水二次電池に係る負極の一例を模式的に表す平面図である。 本発明の扁平形非水二次電池に係る正極の一例を模式的に表す平面図である。 本発明の扁平形非水二次電池に係る電極群の一例を模式的に表す平面図である。 本発明の扁平形非水二次電池の他の例を模式的に表す縦断面図である。 図6の扁平形非水二次電池の要部断面拡大図である。 本発明の扁平形非水二次電池に係るセパレータの一例を模式的に表す平面図である。
図1および図2に、本発明の扁平形非水二次電池の一例を模式的に示す。図1は、扁平形非水二次電池の縦断面図であり、図2は、図1の要部断面拡大図である。
図1および図2に示すように、扁平形非水二次電池1は、複数の正極5および複数の負極6を、セパレータ7を介して、それらの平面が電池の扁平面に略平行(平行を含む)となるように積層した積層型の電極群と、非水電解液(図示しない)とが、正極端子を兼ねる正極ケース2(図1では外装ケース)、負極端子を兼ねる負極ケース3(図1では封口ケース)および絶縁ガスケット4により形成される空間(密閉空間)内に収容されている。負極ケース3は、正極ケース2の開口部に絶縁ガスケット4を介して嵌合しており、正極ケース2の開口端部が内方に締め付けられ、これにより絶縁ガスケット4が負極ケース3に当接することで、正極ケース2の開口部が封口されて電池内部が密閉構造となっている。正極ケース2および負極ケース3は、ステンレス鋼などの金属製であり、絶縁ガスケット4は、ポリプロピレンなどの絶縁性を有する樹脂製である。
なお、図1および図2の電池では、前記の通り、正極端子を兼ねる正極ケース2が外装ケースであり、負極端子を兼ねる負極ケース3が封口ケースであるが、本発明の電池においては、例えば電極群の構成に応じて、外装ケースが負極端子を兼ねる負極ケースであり、封口ケースが正極端子を兼ねる正極ケースであってもよい。
また、図3に負極6の平面図を模式的に示しているが、負極6は、本体部600と、平面視で、本体部600から突出した、本体部600よりも幅(図3中上下方向の長さ)の狭い集電タブ部601とを有している。集電タブ部601の幅は、例えば本体部600の幅の5〜60%とすることができる。
負極6の本体部600は、集電体(図1中62)の片面または両面に、負極活物質などを含有する負極剤層61が形成されている。そして、負極6の集電タブ部601は、集電体62表面に負極剤層が形成されておらず、集電体62が露出している。
図1および図2に示す電池では、電極群の上下両端が負極6B、6Bとなっており、これらの負極6B、6Bは、集電体62の片面(電池内側の面)にのみ、負極剤層61を有している。一方、電極群の上下両端以外に配置されている負極6Aは、集電体62の両面に負極剤層61、61を有している。なお、電極群の最外部側に配置される負極も、集電体の両面に負極剤層を有していてもよい。
また、図4に正極5の平面図を模式的に示しているが、正極5は、本体部500と、平面視で、本体部500から突出した、本体部500よりも幅(図4中上下方向の長さ)の狭い集電タブ部501とを有している。集電タブ部501の幅は、例えば本体部500の幅の5〜60%とすることができる。
正極5の本体部500は、集電体(図1中52)の両面に、正極活物質などを含有する正極合剤層51が形成されている。そして、正極5の集電タブ部501は、集電体52表面に正極合剤層が形成されておらず、集電体52が露出している。なお、図1および図2に示す電池では、電極群における最外部側の電極がいずれも負極であるために、全ての正極5の本体部500においては、集電体52の両面に正極合剤層51が形成されているが、例えば、電極群における最外部側の電極のうちの一方(より具体的には、正極端子を兼ねる外装ケース側または封口ケース側の電極)または両方を正極とすることもでき、その場合、電極群における最外部側の正極は、その本体部における集電体の片面(電池内側の面)にのみ正極合剤層を有していてもよく、両面に正極合剤層を有していてもよい。
また、図1に示す電池では、電極群を構成する全ての正極5の集電タブ部が纏められており、これらは互いに溶接されて一体化し、その端部が平面視で電極群の外側(図中左側)へ向くように折り曲げられている。そして、前記纏められ溶接されて一体化した正極の集電タブ部501aが、正極ケース2の内面に溶接されている。
一方、図1および図2に示す電池では、電極群を構成する全ての負極6の集電タブ部601は、纏められ互いに溶接されて一体化しており、かつ電極群における負極ケース3側の最外部の負極6B上に折り返されており、電極群の外面(図1および図2中上面)と負極ケースの内面とによって挟持されている。そして、一体化した負極の集電タブ部601aの端部Xが、電池の平面視(図1および図2中上側の電極群の面を、図中下側へ向かって見た場合)で、電極群の外周よりも内側であって、かつ電極群における負極ケース3側の最外部の負極6Bの有する本体部600と集電タブ部601との境界部を基点としたときの、この電極群の直径長さの2/3までに位置している。
図5に、図1および図2に示す扁平形非水二次電池の有する電極群の一例を模式的に表す平面図を示している。図5は、図1および図2に示す扁平形非水二次電池が有している電極群を、図中上側の面から見た平面図であり、最外面を負極6B(その集電体62の露出面)が構成している。負極6Bの周囲に位置しているものは、この負極6Bの下に位置するセパレータ7の外周部である。また、このセパレータ7の更に下に位置する正極の集電タブ部501が、図中左側に位置しており、この集電タブ部501は、その先端部が電極群の下方(図中奥行き方向)へ向かっている。
図5に示す電極群において、纏められ溶接されることで一体化した負極の集電タブ部601aは、電極群の外面側の負極6B上に折り返されている。図中、一体化した負極の集電タブ部601aの図中右側の端部が、この一体化した負極の集電タブ部601aを折り返した(折り曲げた)部分である。そして、この一体化した負極の集電タブ部601aの端部Xは、電極群の外周よりも内側であって、かつ電極群における負極ケース側の最外部の負極6Bの有する本体部600と集電タブ部601との境界部を基点としたときの、この電極群の直径長さの2/3までに位置している。
本明細書でいう「一体化した負極の集電タブ部の端部が、電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの、この電極群の直径長さの2/3までに位置している」とは、図5を用いて説明すると、電極群における負極ケース側の最外部の負極(図示している負極6B)の有する本体部と集電タブ部との境界部(図中縦の点線の部分)を基点としたとき、この基点から、一体化した負極の集電タブ部601aの端部Xまでの直線距離(図中aの長さ)が、この基点からの電極群の直径(図中横の点線の部分)の長さ(図中bの長さ)の2/3以下、という意味である。
なお、一体化した負極の集電タブ部の端部の位置の決定に関わる前記の「電極群の直径」は、電極群の有する正極および負極の本体部、並びに後述するセパレータの主体部(張り出し部を有するセパレータの場合)のみ考慮し、これらの電極の有する集電タブ部やセパレータの張り出し部の存在は考慮せずに決定する。また、後述するように、本発明の扁平形非水二次電池に使用する正極や負極は、図3〜図5に示すように、その平面形状(本体部の平面形状)が必ずしも円形ではなく、それに応じてセパレータの平面形状も円形でない場合があるが、このような形状の正極や負極、セパレータを用いた電極群の場合には、電極群の平面視で、各正極や各負極の集電タブ部を除く部分について、電極群の外周を形成する線上の2点間のうち、直線距離が最も長くなる部分の中点を電極群の平面視における中心とし、前記の基点を始点として前記中心を通り電極群の外周に達する線を前記の直径と看做して、一体化した負極の集電タブ部の端部の位置を見積もる。
このように、一体化した負極の集電タブ部が電極群の負極ケース側の最外部の負極上に折り返され、前記一体化した負極の集電タブ部の端部が、平面視で、電極群の外周よりも内側であって、かつ電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの、電極群の直径長さの2/3までに位置していて、前記電極群の外面と前記負極ケースの内面とによって挟持されている場合には、特に薄型の扁平形非水二次電池であっても、生産性を高く維持しつつ、その信頼性も高めることができる。
すなわち、一体化した負極の集電タブ部が電極群の負極ケース側の最外部の負極上に折り返され、この一体化した負極の集電タブ部の端部が、電極群の外周よりも内側に位置していて、電極群の外面と負極ケースの内面とによって挟持されていることで、電池が振動を受けるなどしても、内部での一体化した負極の集電タブ部の位置ずれが生じ難いことから、例えば、負極の集電タブ部と正極ケースなどの正極部材との接触を良好に抑制し得るため、扁平形非水二次電池の信頼性が向上する。
ところが、一体化した負極の集電タブ部は、その弾力によって電極群の外面に沿わずに浮き上がりやすいが、折り返されて、電極群の負極ケース側の最外部の負極上に位置する部分が長すぎると、この浮き上がり部分も長くなることで、電池の組み立て時において、電極群を装填して正極ケースと負極ケースとを嵌合する際の作業性が低下し、不良品の発生割合が多くなったり、不良品の発生を抑えるための操作が必要になったりして、電池の生産性が低下する虞がある。
そこで、本発明の扁平形非水二次電池では、一体化した負極の集電タブ部の端部が、電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの、電極群の直径長さの2/3までに位置するようにして、前記の浮き上がり部分を短くすることで、前記のような電池製造時の作業性低下を抑制し、その生産性を高めている。
一体化した負極の集電タブ部の端部は、電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの、電極群の直径長さの2/3までに位置していればよいが、平面視で、電極群における正極、負極およびセパレータの全てが重なり合う箇所(奥行き方向にこれらの全てが重なり合っている箇所)の最外部よりも内側の位置するようにすることが好ましい。電極群に使用する正極、負極およびセパレータは、通常、それぞれの平面視での面積が異なっており、一般には、正極のサイズが、負極やセパレータのサイズよりも小さいため、電極群を平面視で見た場合の外周の近傍には、奥行き方向に正極が位置していない箇所もある。よって、一体化した負極の集電タブ部の端部が、正極、負極およびセパレータの全てが重なり合う箇所に位置している場合には、電極群の外面と負極ケースの内面とで、この一体化した負極の集電タブ部をより良好に挟持して、その位置ずれをより良好に抑制することができるようになる。
一体化した負極の集電タブ部のうち、電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持される部分の具体的な長さは、電池の形状やサイズによって変動するが、例えば、10mm以下であることが好ましく、また、1.5mm以上であることが好ましい。
また、一体化した負極の集電タブ部の一部が、電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持されることで、各負極と負極端子を兼ねる負極ケースとが電気的に接続される。
なお、図1には、電極群の最外部側の2枚の電極のいずれもが負極である場合を示しているが、前記の通り、本発明の電池においては、電極群の最外部側のいずれか一方または両方が正極であってもよい。
この場合、少なくとも電極群における正極ケース側の最外部の電極を正極とし、前記各正極の集電タブ部を纏められ、互いに溶接して一体化し、前記一体化した正極の集電タブ部を、電極群における正極ケース側の最外部の正極上に折り返す。そして、前記一体化した正極の集電タブ部の端部が、平面視で、電極群の外周よりも内側であって、かつ電極群における正極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの電極群の直径長さの2/3までに位置するようにして、電極群の外面と正極ケースの内面とによって挟持されるようにする。これによっても、一体化した負極の集電タブ部を、前記のようにして電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持するようにした場合と同様に、電池の生産性および信頼性を良好にすることができる。
なお、本明細書でいう「一体化した正極の集電タブ部の端部が、電極群における負極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの、この電極群の直径長さの2/3までに位置している」とは、一体化負極の集電タブ部の端部に関して先に説明した場合と同様に、電極群における正極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたとき、この基点から、一体化した正極の集電タブ部の端部までの直線距離が、この基点からの電極群の直径の長さの2/3以下、という意味である。また、一体化した正極の集電タブ部の端部の位置の決定に関わる前記の「電極群の直径」は、一体化した負極の集電タブ部の端部の位置に関わる「電極群の直径」について、先に説明した手法で決定される。
一体化した正極の集電タブ部が電極群の正極ケース側の最外部の正極上に折り返され、その一体化した正極の集電タブ部の端部が、電極群の外周よりも内側に位置していて、電極群の外面と負極ケースの内面とによって挟持されていることで、電池が振動を受けるなどしても、内部での一体化した正極の集電タブ部の位置ずれが生じ難いことから、例えば、正極の集電タブ部と負極ケースなどの負極部材との接触を良好に抑制し得るため、扁平形非水二次電池の信頼性が向上する。
また、一体化した正極の集電タブ部の端部が、電極群における正極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの、電極群の直径長さの2/3までに位置するようにすることで、一体化した正極の集電タブ部のうち、電極群の外面に沿わずに浮き上がる部分を短くできるため、電極群を装填して正極ケースと負極ケースとを嵌合する際の作業性低下を抑制して、その生産性を高めることができる。
一体化した正極の集電タブ部の端部は、電極群における正極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの、電極群の直径長さの2/3までに位置していればよいが、一体化した負極の集電タブ部の端部の場合と同様の理由から、平面視で、電極群における正極、負極およびセパレータの全てが重なり合う箇所(奥行き方向にこれらの全てが重なり合っている箇所)の最外部よりも内側の位置するようにすることが好ましい。これにより、電極群の外面と正極ケースの内面とで、この一体化した正極の集電タブ部をより良好に挟持して、その位置ずれをより良好に抑制することができるようになる。
一体化した正極の集電タブ部のうち、電極群の外面と正極ケースの内面とで挟持される部分の具体的な長さは、電池の形状やサイズによって変動するが、例えば、10mm以下であることが好ましく、また、1.5mm以上であることが好ましい。
また、一体化した正極の集電タブ部の一部が、電極群の外面と正極ケースの内面とで挟持されることで、各正極と正極端子を兼ねる正極ケースとが電気的に接続される。
図1に示すように、電極群の最外部側の2枚の電極がいずれも負極の場合、正極ケース(図1および図2では外装ケース)と、電極群(その最外部の負極)との間には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミドなどで形成されたテープなどからなる絶縁シール(図1中、8)を配置すればよい。
また、例えば、電極群の最外部側の2枚の電極がいずれも正極の場合、電極群に係る負極と、負極ケース(外装ケースまたは封口ケース)との電気的接続は、例えば、電極群を構成する全ての負極の集電タブ部を纏め互いに溶接して一体化し、それを図1および図2に示すように、電極群の外面側の負極上に折り返すことなく、その端部などを負極ケースの内面に溶接するなどして行うことができる。
電極群の最外部側の2枚の電極がいずれも正極の場合、負極ケースと電極群(その最外部の正極)との間には、例えば、PETやポリイミドなどで形成されたテープなどからなる絶縁シールを配置すればよい。
本発明の電池では、電極群の最外部側の2枚の電極のうち、一方を負極とし、他方を正極とすることもできる。この場合、電極群に係る各負極の集電タブ部については、電極群の最外部の2枚の電極がいずれも負極の場合について先に説明した構成と同様の構成とし、かつ電極群に係る各正極の集電タブ部については、電極群の最外部の2枚の電極がいずれも正極の場合について先に説明した構成と同様の構成とすることができる。
図1および図2に示すように、一体化した負極の集電タブ部を、電極群の最外部の負極上に折り返す場合、この一体化した負極の集電タブ部に、正極ケース側に向けてある程度弛みを持たせてもよい。この場合には、個々の負極の集電タブ部をある程度長くすることが可能になるため、特に小型や薄型の扁平形非水二次電池の場合には、各負極の集電タブ部を一体化する際の溶接の作業性が向上する。ただし、この場合、一体化した負極の集電タブ部が正極ケースと接触しないようにするために、前記の弛ませる部分の長さは、その端部が正極ケースに到達しない程度の長さ(例えば、電極群の厚み未満)とすることが好ましい。
他方、一体化した正極の集電タブ部を、電極群の最外部の正極上に折り返す場合、この一体化した正極の集電タブ部に、負極ケース側に向けてある程度弛みを持たせてもよい。この場合には、個々の正極の集電タブ部をある程度長くすることが可能になるため、特に小型や薄型の扁平形非水二次電池の場合には、各正極の集電タブ部を一体化する際の溶接の作業性が向上する。ただし、この場合にも、一体化した正極の集電タブ部が負極ケースと接触しないようにするために、前記の弛ませる部分の長さは、その端部が負極ケースに到達しない程度の長さ(例えば、電極群の厚み未満)とすることが好ましい。
各負極の集電タブ部を纏めて一体化し、電極群の最外部の負極上に折り返す場合には、各負極の集電タブ部を、一体化する前に電極群の最外部の負極上に、強制的に折り目を付けつつ折り返して纏め、その後に互いに溶接して一体化することができる。各負極の集電タブ部を一体化してから電極群の最外部の負極上に折り返すと、折り返した際に、より外側に位置する集電タブ部の長さが足りなくなり、それにより折り返した負極の集電タブ部の戻り(電極群の外面に沿わずに浮き上がる現象)がより生じやすくなる。これに対し、各集電タブ部を折り返してから溶接して一体化すると、こうした戻りを抑えることができるため、より好ましい。
また、各正極の集電タブ部を纏めて一体化し、電極群の最外部の正極上に折り返す場合にも、各正極の集電タブ部を、一体化する前に電極群の最外部の正極上に、強制的に折り目を付けつつ折り返して纏め、その後に互いに溶接して一体化することができる。この場合にも、溶接後の一体化した正極の集電タブ部の戻り(浮き上がり)をより良好に抑制することができることから、より好ましい。
本発明の電池では、正極の両面に配置された2枚のセパレータについて、それらの周縁部の少なくとも一部において、互いに溶着して接合部を形成することができる。
図6および図7に、本発明の扁平形非水二次電池の他の例を模式的に示す。図6および図7に示す電池は、正極5の両面に配置された2枚のセパレータ7、7の周縁部に接合部を形成して構成した電極群を有するものであり、図6は、電池の正極ケース2、負極ケース3および絶縁ガスケット4部分の断面を表す縦断面図であり、図7は図6の要部を拡大し、更に電極群の部分を断面にしたものである。
また、図8に、周縁部の一部に接合部を形成したセパレータの平面図を模式的に示す。なお、図8では、セパレータ7とともに、正極、負極およびセパレータが積層された積層型の電極群とした場合を想定して、セパレータ7の下に配置される正極5を点線で示し、それらの更に下側に配置される負極に係る集電タブ部601を一点鎖線で示し、電極群に係る各構成要素の位置ずれを抑えるための結束テープ9を二点鎖線で示している。また、図8に示す正極5は、電極群において、その両側(両面)が負極と対向するものであり、図8では図示していないが、電極群とした場合、セパレータ7の上側(図中手前方向)には、少なくとも負極が配置される。
図8に示すセパレータ7は、正極5(図中点線で表示)を介してその下側(図中奥行き方向)に配置される他のセパレータと、その周縁部において互いに溶着した接合部7c(図中、格子模様で表示)を有している。すなわち、セパレータ7と、その下側に配置されたセパレータとは、周縁部で互いに溶着されて袋状となっており、その内部に正極5を収容している。
なお、図8に示すセパレータ7は、正極5の本体部5a全面を覆う主体部7a(すなわち、正極5の本体部5aよりも平面視での面積が大きな主体部7a)と、主体部7aから突出し、正極5の集電タブ部5bの、本体部5aとの境界部を少なくとも含む部分を覆う張り出し部7bとを有している。そして、セパレータ7の主体部7aの周縁部の少なくとも一部に、正極5の両面に配置された2枚のセパレータ(セパレータ7と、正極5の下側に配置されたセパレータ)同士を互いに溶着した接合部7cを設けている。
非水二次電池のセパレータには、高温下で熱収縮しやすい熱可塑性樹脂製の微多孔膜が使用されることが一般的であるが、このように、正極の両面に配置された2枚のセパレータにおいて、その周縁部を互いに溶着して接合部を形成することで、例えば、電池内が高温となっても、セパレータの熱収縮が抑制されるため、より安全性の高い電池を構成することができる。
なお、図8に示すように、主体部と張り出し部とを有するセパレータを使用する場合、正極の両面に配置された2枚のセパレータを接合するための接合部は、セパレータの主体部の周縁部に設ければよいが、セパレータの張り出し部の周縁部(セパレータの張り出し部の周縁部のうち、主体部からの突出方向に沿う部分)にも接合部を設けてもよい。
接合部は、2枚のセパレータの周縁部同士を直接溶着して形成してもよいが、2枚のセパレータの間に熱可塑性樹脂で構成される層を介在させ、この層を介して2枚のセパレータを溶着することにより形成してもよい。ただし、後者の場合、セパレータ間に介在させる層を構成する熱可塑性樹脂の種類と、セパレータを構成する熱可塑性樹脂の種類によっては、接合部の強度が小さくなる場合があるため、セパレータ間に介在させる層は、セパレータを構成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂で構成されたものを使用することが好ましい。すなわち、セパレータ同士を直接溶着したり、セパレータを構成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂で構成される層を介してセパレータ同士を溶着したりした場合には、接合部の強度がセパレータ自身の強度とほぼ同等となるため、例えば、電池の使用時に振動などによって生じる虞のある接合部での剥離が良好に抑制でき、更に信頼性の高い電池とすることができる。
なお、図8に示すように主体部と張り出し部とを有するセパレータを使用する場合、セパレータの主体部に係る周縁部は、全てが接合部となっていてもよいが、例えば、図8に示すように、周縁部の一部を、セパレータ同士を溶着せずに非溶着部7d、7dとして残してもよい。2枚のセパレータを溶着して袋状とした後に、その中に正極を収容したり、1枚のセパレータの上に正極を配置し、その正極の上に更にセパレータを配置して、セパレータの周縁部を溶着して袋状としたセパレータの中に正極を収容したりした場合、セパレータ内に空気が残留することがある。しかし、このような正極を用いて電池を製造する場合、外装ケースと封口ケースとをかしめる際に、前記の残留空気が、非溶着部7d、7dを通じてセパレータ外へ良好に排出されるため、セパレータ内の残留空気による問題(発電時の反応が不均一になって容量が低下するなどの問題)の発生を防止できる。
セパレータの周縁部に非溶着部を設ける場合、電池の生産性の低下を抑える観点から、その個数は1〜5個程度とすることが好ましい。また、セパレータの周縁部に非溶着部を設ける場合、セパレータの主体部に係る非溶着部の外縁の長さが、セパレータの主体部に係る外縁の全長さ(張り出し部を除く外縁の全長さ)の15〜60%程度することが好ましい。すなわち、セパレータの主体部においては、その外縁の全長さのうちの40%以上(好ましくは70%以上)が接合部であることが好ましく、これにより、セパレータ同士の接合強度を良好に確保することができる。
2枚のセパレータの周縁部に接合部を形成するとともに、これらのセパレータの間に正極を収容するには、2枚のセパレータ同士を直接溶着して接合部を形成する場合では、例えば、1枚のセパレータ上に正極を重ね、更にその上にセパレータを重ねた後、これらのセパレータの周縁部を溶着する方法が採用できる。また、2枚のセパレータを重ね、これらの周縁部を溶着してセパレータ同士を接合し、その後、これらのセパレータ間に正極を挿入する方法を採用することもできる。
一方、2枚のセパレータ同士の間にセパレータの構成樹脂と同種の樹脂で構成された層を介在させ、これらを溶着して接合部を形成する場合では、例えば、1枚のセパレータ上の接合部となることが予定される箇所に前記層となるフィルムを置き、かつこのセパレータ上に正極を配置し、更にその上にセパレータを重ねた後、これらのセパレータの周縁部を溶着する方法が採用できる。また、1枚のセパレータ上の接合部となることが予定されている箇所に前記層となるフィルムを置き、このセパレータとフィルムとを予め溶着しておき、その後、このセパレータに正極、セパレータの順に重ねて周縁部を溶着する方法や、2枚のセパレータの間に前記層となるフィルムを介在させて溶着して接合部を形成した後に、これらのセパレータ間に正極を挿入する方法を採用することもできる。
セパレータの周縁部の溶着は、例えば、加熱プレスにより行うことができる。この場合、加熱温度は、セパレータを構成する熱可塑性樹脂の融点よりも高い温度であればよいが、例えば、融点より10〜50℃高い温度で行うことが好ましい。また、加熱プレスの時間については、良好に接合部が形成できれば特に制限はないが、通常は、1〜10秒程度とする。
なお、本発明の電池に使用するセパレータの平面形状は、例えば、前記のようにセパレータの周縁部の少なくとも一部に接合部(正極の両面に配置された2枚のセパレータに係る周縁部の少なくとも一部を、互いに溶着することにより形成する接合部)を形成する場合には、図8に示す形状であることが好ましいが、前記接合部を形成しない場合でも、図8に示す形状とすることが好ましい。
本発明の電池では、電極群の形成にあたり、少なくとも両側が負極と対向している正極の両面にはセパレータを配置するが、電極群の最外部側に配置される正極、すなわち片側(片面)のみが負極と対向している正極については、その両面にセパレータを配置してもよく(更に、これらの2枚のセパレータに接合部を形成してもよい)、負極と対向する面にのみセパレータを配置しても構わない。更に、電極群に係る最外部側の電極をいずれも正極とし、これらの正極の両面にセパレータを配置しない場合には、負極端子を兼ねる電池ケースと電極群の最外部の正極との間には、前記の通り、PETやポリイミドなどで形成されたテープなどからなる絶縁シールなどの絶縁体を配置する。
なお、これまで、図1から図8を用いて、本発明の扁平形非水二次電池を説明してきたが、図1から図8は、本発明の説明を容易にするために作成されたものであって、底に示されている各部材の形状、サイズについては、必ずしも正確ではない。
本発明の電池に係る正極の正極合剤層は、正極活物質、導電助剤、バインダなどを含有する層である。
本発明の電池に係る正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−y、LiCo1−y、LiNi1−y、LiMnNiCo1−y−z、LiMn、LiMn2−yなどのリチウム遷移金属複合酸化物などが挙げられる(ただし、前記の各リチウム遷移金属複合酸化物において、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、AlおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、0≦x≦1.1、0<y<1.0、2.0≦z≦2.2である。)。これらの正極活物質は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。
また、正極の導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、鱗片状黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、繊維状炭素などが挙げられる。更に、正極のバインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンラバーなどが挙げられる。
正極は、例えば、正極活物質と導電助剤とバインダとを混合して得られる正極合剤を水または有機溶剤に分散させて正極合剤含有ペーストを調製し(この場合、バインダは予め水または溶剤に溶解または分散させておき、それを正極活物質などと混合して正極合剤含有ペーストを調製してもよい)、その正極合剤含有ペーストを金属箔、エキスパンドメタル、平織り金網などからなる集電体の片面または両面に塗布し、乾燥した後、加圧成形することによって正極合剤層を形成して作製される。ただし、正極の作製方法は、前記例示の方法のみに限られることなく、他の方法によってもよい。
正極の組成としては、例えば、正極を構成する正極合剤100質量%中、正極活物質を75〜90質量%、導電助剤を5〜20質量%、バインダを3〜15質量%とすることが好ましい。また、正極合剤層の厚みは、例えば、30〜200μmであることが好ましい。
正極の集電体の素材としては、アルミニウムやアルミニウム合金が好ましい。なお、正極の総厚みを小さくし、電池内における正極および負極の積層数を増やすことで正極合剤層と負極剤層との対向面積を大きくして、電池の負荷特性を高める観点からは、集電体には金属箔を使用することが好ましい。また、集電体の厚みは、例えば、8〜20μmであることが好ましい。
本発明の電池に係る負極としては、活物質に、リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料、チタン酸リチウムなどを有する負極が挙げられる。
負極活物質に用い得るリチウム合金としては、例えば、リチウム−アルミニウム、リチウム−ガリウムなどのリチウムと可逆的に合金化するリチウム合金が挙げられ、リチウム含有量が、例えば1〜15原子%であることが好ましい。また、負極活物質に用い得る炭素材料としては、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、低結晶性カーボン、コークス、無煙炭などが挙げられる。
負極活物質に用い得るチタン酸リチウムとしては、一般式LiTiで表され、xとyがそれぞれ、0.8≦x≦1.4、1.6≦y≦2.2の化学量論数を持つチタン酸リチウムが好ましく、特にx=1.33、y=1.67の化学量論数を持つチタン酸リチウムが好ましい。前記一般式LiTiで表されるチタン酸リチウムは、例えば、酸化チタンとリチウム化合物とを760〜1100℃で熱処理することによって得ることができる。前記酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型のいずれも使用可能であり、リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、酸化リチウムなどが用いられる。
負極は、負極活物質がリチウムやリチウム合金の場合は、リチウムやリチウム合金を金属網などの集電体に圧着することで、集電体の表面にリチウムやリチウム合金などからなる負極剤層を形成して得ることができる。他方、負極活物質として炭素材料やチタン酸リチウムを用いる場合は、例えば、負極活物質としての炭素材料やチタン酸リチウムとバインダ、更には必要に応じて導電助剤を混合して得られる負極合剤を水または有機溶剤に分散させて負極合剤含有ペーストを調製し(この場合、バインダは予め水または溶剤に溶解または分散させておき、それを負極活物質などと混合して負極合剤含有ペーストを調製してもよい)、その負極合剤含有ペーストを金属箔、エキスパンドメタル、平織り金網などからなる集電体に塗布し、乾燥した後、加圧成形することによって負極剤層(負極合剤層)を形成して負極を作製することができる。ただし、負極の作製方法は、前記例示の方法のみに限られることなく、他の方法によってもよい。
なお、負極に係るバインダおよび導電助剤としては、正極に用い得るものとして先に例示した各種バインダおよび導電助剤を用いることができる。
負極活物質に炭素材料を用いる場合の負極の組成としては、例えば、負極を構成する負極合剤100質量%中、炭素材料を80〜95質量%、バインダを3〜15質量%とすることが好ましく、また、導電助剤を併用する場合には、導電助剤を5〜20質量%とすることが好ましい。他方、負極活物質にチタン酸リチウムを用いる場合の負極の組成としては、例えば、負極を構成する負極合剤100質量%中、チタン酸リチウムを75〜90質量%、バインダを3〜15質量%とすることが好ましく、また、導電助剤を併用する場合には、導電助剤を5〜20質量%とすることが好ましい。
負極における負極剤層(負極合剤層を含む)の厚みは、例えば、40〜200μmであることが好ましい。
負極の集電体の素材としては、銅や銅合金が好ましい。なお、負極の総厚みを小さくし、電池内における正極および負極の積層数を増やすことで正極合剤層と負極剤層との対向面積を大きくして、電池の負荷特性を高める観点からは、集電体には金属箔を使用することが好ましい。また、集電体の厚みは、例えば、5〜30μmであることが好ましい。
セパレータには、熱可塑性樹脂製の微多孔膜で構成されたものを使用する。セパレータを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィンが好ましく、セパレータ同士を溶着したり、セパレータ間にセパレータの構成樹脂と同種の樹脂を配置して溶着したりする観点からは、その融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、100〜180℃のポリオレフィンがより好ましい。
セパレータを構成する熱可塑性樹脂製の微多孔膜の形態としては、必要な電池特性が得られるだけのイオン伝導度を有していればどのような形態でもよいが、従来から知られている乾式または湿式延伸法などにより形成された孔を多数有するイオン透過性の微多孔膜(電池のセパレータとして汎用されている微多孔フィルム)が好ましい。
セパレータの厚みは、例えば、5〜25μmであることが好ましく、また、空孔率は、例えば、30〜70%であることが好ましい。
前記の正極、負極およびセパレータは、図1や図2、図6、図7に示すように積層して積層型の電極群として使用するが、その際、各正極の集電タブ部が、電極群の平面視で同一方向を向くように配置され、かつ各負極の集電タブ部が、電極群の平面視で同一方向を向くように配置されていることが好ましい。これにより、正極および負極の集電がより容易となる。
更に、各正極の集電タブ部と、各負極の集電タブ部とは、電極群の平面視で互いに接触しないように配置されていればよいが、これらの接触をより良好に抑制し、かつ電池の生産をより良好にする観点からは、図8に示しているように、各正極の集電タブ部501と各負極の集電タブ部601とは、電極群の平面視で互いに対向する位置に配されていることがより好ましい。
また、正極、負極およびセパレータを積層して構成した電極群は、図8に示すように、その外周を、耐薬品性を有するポリプロピレンなどで構成された結束テープ9で結束して、各構成要素(セパレータに包まれた正極、および負極)の位置ずれを抑制することが好ましい。
電極群に係る正極および負極は、少なくとも合計枚数が3枚であるが、それ以上(4枚、5枚、6枚、7枚、8枚など)とすることも可能である。ただし、正極および負極の積層数をあまり多くすると、扁平状電池としてのメリットが小さくなる虞があることから、通常は、13枚以下とすることが好ましい。
電池に係る非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;1,2−ジメトキシエタン、ジグライム(ジエチレングリコールメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシメタン、テトラヒドロフランなどのエーテル;などの有機溶媒に、電解質(リチウム塩)を0.3〜2.0mol/L程度の濃度に溶解させることによって調製した電解液を用いることができる。前記の有機溶媒は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。
前記電解質としては、例えば、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiClO、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSOなどのリチウム塩が挙げられる。
本発明の扁平形非水二次電池の平面形状には特に制限は無く、従来から知られている扁平形電池の主流である円形の他、角形(四角形)などの多角形状でもよい。なお、本明細書でいう電池の平面形状としての角形などの多角形には、その角が切り落とされた形状や、角を曲線にした形状も包含される。また、正極および負極の本体部の平面形状は、電池の平面形状に応じた形状とすればよく、略円形としたり、長方形や正方形などの四角形などの多角形とすることもできるが、例えば、略円形とする場合には、対極の集電タブ部が配置される箇所に相当する部分は、対極の集電タブ部との接触を防止するために、図3および図4に示すように切り落とした形状としておくことが好ましい。
本発明の扁平形非水二次電池は、従来から知られている扁平形非水二次電池と同様の用途に適用することができる。
なお、本発明の扁平形非水二次電池は、例えば、電池の直径d(電池の平面視形状が円でない場合には、その平面視面積から、平面視形状が円であると仮定した場合に求められる直径)(mm)に対する電池の厚みt(mm)の比t/dが0.03〜0.3といった通常よりも薄型の電池に適しており、こうした信頼性が損なわれやすい薄型形状としても、高い信頼性を確保できる。また、本発明の電池は、そのサイズについては特に制限はないが、例えば、絶縁ガスケットの開口面積が100mm以下といった非常に小さなサイズとする場合にも好ましく適用できる。ただし、絶縁ガスケットの開口面積があまり小さな電池は、それ自体生産が困難となる傾向にあるため、本発明の電池に係る絶縁ガスケットの開口面積は、例えば、20mm以上であることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質としてLiCoOを、導電助剤としてカーボンブラックを、バインダとしてPVDFを、それぞれ用いて正極を作製した。まず、LiCoO:93質量部とカーボンブラック:3質量部とを混合し、得られた混合物とPVDF:4質量部を予めN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させておいたバインダ溶液とを混合して正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合剤含有ペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面にアプリケータにより塗布した。なお、正極合剤含有ペーストの塗布に際しては、塗布部と未塗布部とが5cmおきに連続するように、かつ表面で塗布部とした箇所は、裏面でも塗布部となるようにした。続いて、塗布した正極合剤含有ペーストを乾燥して正極合剤層を形成し、その後、ロールプレスし、所定の大きさに切断して、帯状の正極を得た。なお、この正極は、幅を40mmとし、正極合剤層形成部の厚みを140μmとなるようにした。
前記の帯状の正極を、正極合剤層形成部が本体部(円弧の部分の直径15.1mm)とし、正極合剤層未形成部が集電タブ部(幅3.5mm)となるように、図3に示す形状に打ち抜いて、電池用正極を得た。
<電池用正極とセパレータとの一体化>
前記の電池用正極の両面に、図8に示す形状のPE製微多孔膜セパレータ(厚み16μm)を配置し、図8に示す箇所を加熱プレス(温度170℃、プレス時間2秒)により溶着し、2枚のセパレータに係る主体部の周縁部の一部および張り出し部の周縁部の一部に接合部を形成して、電池用正極とセパレータとを一体化した。なお、2枚のセパレータに係る接合部の幅は、主体部、張り出し部とも0.3mmとし、張り出し部の周縁部における主体部からの突出方向の長さは0.5mmとした。また、2枚のセパレータの主体部の外縁のうち、90%の長さ部分を接合部とした。
<負極の作製>
負極活物質として黒鉛を、バインダとしてPVDFを、それぞれ用いて負極を作製した。前記黒鉛:94質量部とPVDF:6質量部と予めNMPに溶解させておいたバインダ溶液とを混合して、負極合剤含有ペーストを調製した。得られた負極合剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の片面または両面にアプリケータにより塗布した。なお、負極合剤含有ペーストの塗布に際しては、塗布部と未塗布部とが5cmおきに連続するように、かつ集電体の両面に塗布したものでは、表面で塗布部とした箇所は、裏面でも塗布部となるようにした。続いて、塗布した負極合剤含有ペーストを乾燥して負極合剤層を形成し、その後、ロールプレスし、所定の大きさに切断して、帯状の負極を得た。なお、この負極は、幅を40mmとし、負極合剤層形成部の厚みを、集電体の両面に形成したものでは190μm、集電体の片面に形成したものでは100μmとなるようにした。
前記の帯状の負極を、負極合剤層形成部が本体部(円弧の部分の直径16.3mm)とし、負極合剤層未形成部が集電タブ部となるように、図4に示す形状に打ち抜いて、集電体の片面に負極合剤層を有する電池用負極と、集電体の両面に負極合剤層を有する電池用負極とを得た。なお、集電体の片面の負極合剤層を有する電池用負極の一部については、前記の帯状の負極の集電体の露出面に、厚みが100μmのPETフィルムを貼り付けた後に打ち抜いた。
<電池の組み立て>
前記のセパレータと一体化した電池用正極3枚と、集電体の両面に負極合剤層を形成した電池用負極2枚と、集電体の片面に負極合剤層を形成した電池用負極2枚(このうち1枚は、集電体の露出面にPETフィルムを貼り付けたもの)とを用い、集電体の片面に負極合剤層を形成した電池用負極が最外部の電極になるように、電池用正極と電池用負極とを交互に重ねた。そして、各電池用正極の集電タブ部を纏めて溶接して一体化した。また、各電池用負極の集電タブ部を、最外部の電池用負極のうちの一方の上に、強制的に各集電タブ部に折り目を付けつつ折り返した後に、これらを纏めて溶接して電極群を得た。
外装ケース内に前記の電極群を、PETフィルムが外装ケース(正極ケース)内面と対向するように入れ、一体化した各電池用正極の集電タブ部を外装ケース内面に溶接した。 また、封口ケース(負極ケース)に絶縁ガスケットを装着し、非水電解液(LiPFをエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比1:2の混合溶媒に、1.2mol/lの濃度で溶解した溶液)90mgを入れた後、電極群を収容した外装ケースを被せ、周囲をかしめて、直径20mm、厚み1.6mmで、図6および図7に示すものと同様の構造の扁平形非水二次電池を得た。
なお、前記の扁平形非水二次電池は、電流値6mAでの放電で、放電容量が30mAhとなるように設計したものである(後記の実施例2および比較例1、2も同様である)。また、この扁平形非水二次電池に係る一体化した負極の集電タブ部の端部は、平面視で、電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの前記電極群の直径長さの1/5の箇所に位置するようにして(すなわち、図5におけるaの長さとbの長さとの比a/bが0.2となるようにして)、一体化した負極の集電タブ部が、電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持されるようにした。一体化した負極の集電タブ部のうち、電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持した部分の長さは、2.6mmである。
実施例2
一体化した負極の集電タブ部の端部を、平面視で、電極群における正極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの前記電極群の直径長さの2/25の箇所に位置するようにして(すなわち、図5におけるaの長さとbの長さとの比a/bが0.08となるようにして)、一体化した負極の集電タブ部が、電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持されるようにした以外は、実施例1と同様にして扁平形非水二次電池を作製した。一体化した負極の集電タブ部のうち、電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持した部分の長さは、1.0mmである。
比較例1
一体化した負極の集電タブ部の端部を、平面視で、電極群における正極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの前記電極群の直径の他端に位置するようにして(すなわち、図5におけるaの長さとbの長さとの比a/bが1となるようにして)、一体化した負極の集電タブ部が、電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持されるようにした以外は、実施例1と同様にして扁平形非水二次電池を作製した。一体化した負極の集電タブ部のうち、電極群の外面と負極ケースの内面とで挟持した部分の長さは、12.8mmである。
比較例2
一体化した負極の集電タブ部を、電極群の最外部の負極上に折り返さずに正極ケース側へ垂らして、電極群の外面と負極ケースとの内面とで挟持されないようにした以外は、実施例1と同様にして扁平形非水二次電池を作製した。
実施例1および比較例1、2の扁平形非水二次電池各100個を製造した際の不良品の発生状況を調査したところ、不良品の発生数が、実施例1および実施例2の電池ではそれぞれ0個であったのに対し、比較例1の電池では2個、比較例2の電池では100個であり、実施例1の電池は、比較例1の電池に比べて生産性が優れていることが判明した。
また、実施例1、2および比較例1の扁平形非水二次電池各25個について、以下の振動試験を行った。
振動試験に際しては、まず、電池を歪ませることなく振動が確実に伝わるように、電池を振動装置のプラットフォームにしっかりと固定し、例えば電池の平面軸方向をXとした場合のX、Y、Zの3方向のそれぞれに、以下の振動を各12サイクル付加した。電池に付加する振動は、7Hzから200Hzの対数掃引のサインカーブ波形とし、7Hzに戻るまでを15分間とする(すなわち、7Hzから振動を開始して200Hzまで振動を増加させ、その後振動を7Hzまで減じる操作の総時間を15分間とする)一連の操作を1サイクルとした。よって、電池のX,Y、Zの各方向に付加する振動は、それぞれ3時間であり、総振動時間は9時間である。また、前記振動の1サイクルにおける対数掃引速度は、以下の通りとした。7Hzから18Hzに達するまで、ピーク加速度を1gnに維持し、その後、振動を0.8mm(合計偏位1.6mm)に保ち、ピーク加速度が8gnとなるまで振動を増加させ、更に、振動が200Hzに上がるまで、8gnのピーク加速度を維持する。
以上の振動試験を実施したした後の短絡の発生状況を調査したところ、短絡の発生数が、実施例1の電池では0個、実施例2の電池では1個、比較例1の電池では0個であり、実施例1、2の電池(特に実施例1の電池)は、生産性が良好でありつつ、非常に高い信頼性を備えていることが判明した。
1 扁平形非水二次電池
2 正極ケース
3 負極ケース
4 絶縁ガスケット
5 正極
500 正極の本体部
501 正極の集電タブ部
6、6A、6B 負極
600 負極の本体部
601 負極の集電タブ部
7 セパレータ
7c 接合部
8 絶縁材

Claims (10)

  1. 正極端子を兼ねる正極ケースと負極端子を兼ねる負極ケースとが、絶縁ガスケットを介してカシメ封口されて形成された空間内に、正極と負極とがセパレータを介して交互に、かつ前記正極ケースおよび前記負極ケースの扁平面に略平行に積層されており、正極および負極の合計枚数が3枚以上である電極群、並びに非水電解液を有する扁平形非水二次電池であって、
    前記負極は、本体部と、平面視で、前記本体部から突出した、前記本体部よりも幅の狭い集電タブ部とを有しており、前記負極の本体部には、集電体の片面または両面に負極活物質を含む負極剤層が形成されており、前記負極の集電タブ部では、集電体に負極剤層が形成されておらず、
    前記負極の集電体は、銅または銅合金製で、厚みが5〜30μmであり、
    前記電極群は、前記負極を少なくとも2枚有しており、かつ前記電極群における負極ケース側の最外部の電極が負極であり、前記各負極の集電タブ部が纏められ、互いに溶接されて一体化しており、前記一体化した負極の集電タブ部が、前記電極群における負極ケース側の最外部の負極上に折り返されており、
    前記一体化した負極の集電タブ部の端部が、平面視で、前記電極群の外周よりも内側であって、かつ電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの前記電極群の直径長さの1/5までに位置していて、前記電極群の外面と前記負極ケースの内面とによって挟持されており、
    前記一体化した負極の集電タブ部のうち、前記電極群の外面と前記負極ケースの内面とで挟持されている部分の長さが1.5〜10mmであることを特徴とする扁平形非水二次電池。
  2. 正極端子を兼ねる正極ケースと負極端子を兼ねる負極ケースとが、絶縁ガスケットを介してカシメ封口されて形成された空間内に、正極と負極とがセパレータを介して交互に、かつ前記正極ケースおよび前記負極ケースの扁平面に略平行に積層されており、正極および負極の合計枚数が3枚以上である電極群、並びに非水電解液を有する扁平形非水二次電池であって、
    前記正極は、本体部と、平面視で、前記本体部から突出した、前記本体部よりも幅の狭い集電タブ部とを有しており、前記正極の本体部には、集電体の片面または両面に正極活物質を含む正極合剤層が形成されており、前記正極の集電タブ部では、集電体に正極合剤層が形成されておらず、
    前記正極の集電体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製で、厚みが8〜20μmであり、
    前記電極群は、前記正極を少なくとも2枚有しており、かつ前記電極群における正極ケース側の最外部の電極が正極であり、前記各正極の集電タブ部が纏められ、互いに溶接されて一体化しており、前記一体化した正極の集電タブ部が、前記電極群における正極ケース側の最外部の正極上に折り返されており、
    前記一体化した正極の集電タブ部の端部が、平面視で、前記電極群の外周よりも内側であって、かつ電極群における正極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点としたときの前記電極群の直径長さの1/5までに位置していて、前記電極群の外面と前記正極ケースの内面とによって挟持されており、
    前記一体化した正極の集電タブ部のうち、前記電極群の外面と前記正極ケースの内面とで挟持されている部分の長さが1.5〜10mmであることを特徴とする扁平形非水二次電池。
  3. 負極の集電体が、銅または銅合金製で、厚みが5〜30μmであり、
    負極の各集電タブ部が纏められて互いに溶接されて一体化していて、電極群における負極ケース側の外面上に折り返されており、前記一体化した負極の集電タブ部の端部が、平面視で、前記電極群の外周よりも内側であって、かつ前記電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点とする前記電極群の直径長さの1/5までに位置していて、前記電極群の外面と負極ケースの内面とによって挟持されており、かつ前記一体化した負極の集電タブ部のうち、前記電極群の外面と前記負極ケースの内面とで挟持されている部分の長さが1.5〜10mmであり、
    正極の集電体が、アルミニウムまたはアルミニウム合金製で、厚みが8〜20μmであり、
    正極の各集電タブ部が纏められて互いに溶接されて一体化していて、電極群における正極ケース側の外面上に折り返されており、前記一体化した正極の集電タブ部の端部が、平面視で、前記電極群の外周よりも内側であって、かつ前記電極群における正極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点とする前記電極群の直径長さの1/5までに位置していて、前記電極群の外面と正極ケースの内面とによって挟持されており、かつ前記一体化した正極の集電タブ部のうち、前記電極群の外面と前記正極ケースの内面とで挟持されている部分の長さが1.5〜10mmである請求項1または2に記載の扁平形非水二次電池。
  4. 負極の各集電タブ部が纏められて互いに溶接されて一体化していて、電極群における負極ケース側の外面上に折り返されており、前記一体化した負極の集電タブ部の端部が、平面視で、前記電極群における前記正極、前記負極および前記セパレータの全てが重なり合う箇所に相当する位置の最外部よりも内側であって、かつ前記電極群における負極ケース側の最外部の負極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点とする前記電極群の直径長さの1/5までに位置していて、前記電極群の外面と負極ケースの内面とによって挟持されている請求項1または3に記載の扁平形非水二次電池。
  5. 正極の各集電タブ部が纏められて互いに溶接されて一体化していて、電極群における正極ケース側の外面上に折り返されており、前記一体化した正極の集電タブ部の端部が、平面視で、前記電極群における前記正極、前記負極および前記セパレータの全てが重なり合う箇所に相当する位置の最外部よりも内側であって、かつ前記電極群における正極ケース側の最外部の正極の有する本体部と集電タブ部との境界部を基点とする前記電極群の直径長さの1/5までに位置していて、前記電極群の外面と正極ケースの内面とによって挟持されている請求項2または3に記載の扁平形非水二次電池。
  6. 正極および負極の合計枚数が13枚以下である請求項1〜5のいずれかに記載の扁平形非水二次電池。
  7. 少なくとも両側が負極と対向している正極の両面には、熱可塑性樹脂製の微多孔膜からなるセパレータが配置されており、
    前記正極の両面に配置された2枚のセパレータは、前記正極の本体部全面を覆う主体部と、前記主体部から突出し、前記正極の集電タブ部の、少なくとも本体部との境界部を含む部分を覆う張り出し部とを有しており、かつ前記2枚のセパレータは、その主体部の周縁部の少なくとも一部において、互いに溶着された接合部を有している請求項1〜6のいずれかに記載の扁平形非水二次電池。
  8. 正極の両面に配置された2枚のセパレータにおける接合部が、前記2枚のセパレータ同士が直接溶着されて形成されている請求項7に記載の扁平形非水二次電池。
  9. 正極の両面に配置された2枚のセパレータにおける接合部が、可塑性樹脂構成された層を介して溶着されて形成されている請求項7に記載の扁平形非水二次電池。
  10. セパレータを構成する熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンである請求項7〜9のいずれかに記載の扁平形非水二次電池。
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