JP2004362973A - 端子金具 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子保持力を高める。
【解決手段】端子金具10は、樹脂製のハウジング30内に装着可能に形成されている。端子金具10の底板部14には、ハウジング30内の係止部34に弾性的に係止されて端子金具10を抜け止め状態となす金属ランス11が切り起こし形成されている。この金属ランス11は、平板状の基部11Aと、この基部11Aの先端部にあって厚み方向へ張り出すことにより、抜け方向へ引っ張り操作したときに係止部34に対する掛り代を増大させる拡張部11Bとを備える。したがって、端子金具10は、拡張部11Bが存する分だけ端子保持力が高められる。
【選択図】 図3
【解決手段】端子金具10は、樹脂製のハウジング30内に装着可能に形成されている。端子金具10の底板部14には、ハウジング30内の係止部34に弾性的に係止されて端子金具10を抜け止め状態となす金属ランス11が切り起こし形成されている。この金属ランス11は、平板状の基部11Aと、この基部11Aの先端部にあって厚み方向へ張り出すことにより、抜け方向へ引っ張り操作したときに係止部34に対する掛り代を増大させる拡張部11Bとを備える。したがって、端子金具10は、拡張部11Bが存する分だけ端子保持力が高められる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ランスを備えた端子金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、雌側端子金具は、導電性金属板を曲げ加工することによって成形され、箱形をなす嵌合部と、この嵌合部の後端に連なる電線接続部とを備えて構成されている。嵌合部には相手の雄側端子金具のタブが挿入されて双方の接続が取られるようになっており、電線接続部には電線が圧着により接続されるようになっている。嵌合部の底板部の前端縁には、後方への折り返しにより弾性接触片が形成されている。そして、嵌合部の底板部には、その一部を外側に切り起こすことにより斜めに突出する金属ランスが形成されている。
この端子金具が樹脂製のコネクタハウジングのキャビティ内に挿入されると、金属ランスは、キャビティの内壁に弾性的に係止されて端子金具を抜け止め状態となすようにしている。この種の端子金具は、以下の特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−305054公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記端子金具をキャビティ内に挿入した状態で電線が後方へ引っ張られたりすると、金属ランスの先端部は、対向するキャビティの内壁を削ってそこに食い込むようになる。しかるにこの金属ランスの先端部は、基端部側と同一幅をもった単なる平板状とされているだけなので、キャビティの内壁に対して適度な端子保持力で係止されるとしても、さらに強力な端子保持力で係止されることが望まれる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子保持力を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、樹脂製のハウジング内に装着可能に形成されるとともに、前記ハウジング内の係止部に弾性的に係止されて抜け止め状態となす金属ランスが切り起こし形成された端子金具であって、前記金属ランスは、平板状の基部と、この基部の先端部にあって厚み方向または/および幅方向へ張り出すことにより、抜け方向へ引っ張り操作したときに前記係止部に対する掛り代を増大させる拡張部とを備える構成としたところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
樹脂製のハウジング内に端子金具は装着されると、端子金具に形成された金属ランスがハウジング内の係止部に弾性的に係止されて端子金具を抜け止め保持する。この状態で端子金具を抜け方向に引っ張ると、金属ランスの基部の先端部にて厚み方向または/および幅方向へ張り出す拡張部が、係止部の壁面に食い込んでそこに強固に固定される。すなわち、本発明の端子金具は、金属ランスに拡張部が形成されている分だけ従来よりも端子保持力が高められる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図3によって説明する。本実施形態の端子金具10は、雌側端子金具であって、バルブソケット用の合成樹脂製のハウジング30に装着されるようになっている。ハウジング30は、図3に示すように、端子装着部31を備え、その内側には、端子金具10を挿入可能なキャビティ32が設けられている。キャビティ32の内面には、後述する金属ランス11が進入可能なランス進入溝33が前後に長く形成されており、ランス進入溝33の前端には金属ランス11を係止可能な係止部34がキャビティ32内に突出して形成され、その前側には金属ランス11が嵌まり込み可能な係止孔35が貫通して形成されている。
【0008】
一方、端子金具10は、導電性の金属板をプレスにより所要形状に切断後、折り曲げ加工して成形されるものである。この端子金具10は、前後に細長い形状をなし、その後部には、図3に示すように、電線40の芯線41をかしめ付けるワイヤバレル12と、電線40の被覆に嵌着されたゴム栓50をかしめ付けるインシュレーションバレル13とが前後に並んで設けられている。
そして、端子金具10の前部には、図1及び図2に示すように、前後に延出された平板状をなす底板部14が設けられている。底板部14の後端寄りの両側端からは左右一対の側壁部15が立ち上げられ、この側壁部15から前方へは左右一対の弾性片15Aが片持ち状に延出されている。各弾性片15Aの先端部は、平面視して山形状に内側へ湾曲されており、この間に図示しないバルブの接点部が差し込まれて弾性的に挟持され、双方の電気的接続が取られるようになっている。
【0009】
そして、底板部14の下面中央には、撓み可能な金属ランス11が片持ち状に切り起こし形成されている。この金属ランス11は、底板部14に前後に細長いコ字状の切り込み14Aが入れられ、その切り込み14Aの内側に形成される板片を斜め下後方へ曲げ起こして成形されるようになっている。また、底板部14の下面のうち金属ランス11の先端部を挟んだ左右両側には、左右一対のランス保護部16が切り起こし形成されている。各ランス保護部16は、底板部14から側壁部15に亘る切り込み16Aの内側に形成された板片を斜め下側方へ曲げ起こして成形されるようになっている。これらランス保護部16があることで金属ランス11と底板部14との間に電線等の異物が入り込まないようになっている。
【0010】
さて、金属ランス11は、図4に示すように、前端から後端にかけてほぼ一定の幅寸法で延出される平板状の基部11Aと、この基部11Aの先端部中央において叩き出しにより下方へ張り出し形成された拡張部11Bとから構成されている。具体的に拡張部11Bは、基部11Aの先端部中央を厚み方向に張り出して弓形状に湾曲して形成されており、基部11の長さ方向の先端部のみに凹み形成されている。
【0011】
上記構成よりなる端子金具10は、まずワイヤバレル12及びインシュレーションバレル13に電線40及びゴム栓50をかしめ付けた状態としてハウジング30の後端からキャビティ32内に挿入される。端子金具10がキャビティ32内を奥方へ押し込まれると、金属ランス11は、キャビティ32のランス進入溝33内を進入し、係止部34に当接するに伴い上方へ撓み変形されて係止部34に乗り上がる。端子金具10が正規の挿入位置に至ると、金属ランス11が下方へ復元変形しつつ係止孔35内に嵌まり込んで係止部34に係止される。これにより、端子金具10は、ハウジング30に対して後方へ抜け止めされた状態となる。この状態で端子金具10に固着された電線40が後方へ引っ張られたりすると、金属ランス11の先端部が対向する係止部34の壁面を削ってそこに食い込み固定される。
【0012】
したがって本実施形態によれば、金属ランス11の先端部に厚み方向に張り出す拡張部11Bが形成されているため、この拡張部11Bが存する分だけ係止部34との掛り代が大となり、係止部34に対して強固に食い込み固定されるようになる。また、拡張部11Bが厚みを増大する方向に張り出し形成されることにより、金属ランス11の先端部と底板部14との間の離間距離が小さく設定されるようになる。その結果、この離間距離に相当する隙間に電線等の異物が進入し難くなり、このような異物の引っ掛りに起因して金属ランス11が塑性変形する事態を回避できる。
【0013】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図5ないし図7によって説明する。第2実施形態では、金属ランス11に形成された拡張部11Cが幅方向に張り出し形成されている。すなわち、第2実施形態の金属ランス11は、図7に示すように、前端から後端にかけてほぼ一定の幅寸法で延出される平板状の基部11Aと、この基部11Aの先端部にあって幅方向の両側に張り出して形成される拡張部11Cとからなり、全体として略T字状をなして形成されている。この金属ランス11は、図5に示すように、底板部に略T字状の切り込み14Cが入れられ、その切り込み14Cの内側に形成される板片を斜め下後方へ曲げ起こして成形されるようになっている。
【0014】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同じように、金属ランス11に拡張部11Cが形成されている分だけ端子保持力が高められる。しかも、第2実施形態の拡張部11Cは金属ランス11を切り込みにより形成する際に同時に形成されてその後の叩き出し工程が不要とされているから、製造が一層容易である。
【0015】
<第3実施形態>
図8ないし図10は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態の金属ランス11には、基部11Aの先端部中央において叩き出しにより上方へ弓形状に張り出してなる拡張部11Eが備えられている。第3実施形態は、拡張部11Eの切り起こしの向きが第1実施形態の場合と上下逆になっている点を除けば、第1実施形態とほぼ同様である。
【0016】
<参考技術>
図11は、本発明と直接には関係ないが、キャビティ30から端子金具10を抜け止めする別の手段として、ハウジング30側に樹脂ランス70を設けた例を示している。この樹脂ランス70は、キャビティ30の内壁と一体に形成されて前方へ片持ち状に延出されており、キャビティ30の内壁と連なる根元部を支点として先端側の自由端が上下動可能とされている。樹脂ランス70の上面には、端子金具10の被係止部(図示せず)に係止可能な突部71が設けられている。これにより、樹脂ランス70は、端子金具10の挿入過程で下方へ撓み変形され、端子金具10が正規の挿入位置に至ると上方へ復元変形して端子金具10の被係止部に突部71を係止させて端子金具10を抜け止め状態となすようにしている。
【0017】
さて、この樹脂ランス70の先端部には、上面から前面にかけて開口する切り欠き凹部72が形成されている。この切り欠き凹部72は、左右の両側壁73と底壁74とにより包囲されて上方及び前方の2方に開放されており、その内側には樹脂ランス70による端子金具10の係止を解除する解除冶具(図示せず)が差し込み可能とされている。
ここで、端子金具10の係止を解除するには、まず解除冶具の先端部を樹脂ランス70の切り欠き凹部72に差し入れ、その状態で解除冶具をこじって樹脂ランス70を下方へ撓み変形させる。すると、樹脂ランス70の突部71が端子金具の被係止部より離間されるから、その間に端子金具10を後方へ引き抜くようにすればよい。このように樹脂ランス70に切り欠き凹部71があることで端子金具10の係止の解除操作を容易に行える。
【0018】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0019】
(1)上記実施形態では、バルブソケットに使用される端子金具を示したが、本発明によれば、その他の用途に使用される端子金具にも適用することができる。例えば、通常のコネクタのハウジングに装着して使用される端子金具にも適用することができる。
(2)拡張部は、基部の先端部にあって厚み方向および幅方向の双方に張り出すものであっても構わない。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた態様であっても構わない。
(3)第1または第3実施形態における拡張部は、基部の先端部ばかりでなく、基部の長さ方向の全域に亘って設けられていても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の端子金具の平面図
【図2】同じく側面図
【図3】同じくキャビティ内に正規に挿入された状態を示す側面図
【図4】同じく拡張部を示す拡大斜視図
【図5】第2実施形態の端子金具の平面図
【図6】同じく側面図
【図7】同じく拡張部を示す拡大斜視図
【図8】第3実施形態の端子金具の平面図
【図9】同じく側面図
【図10】同じく拡張部を示す拡大斜視図
【図11】参考例として挙げた樹脂ランスの拡大斜視図
【符号の説明】
10…端子金具
11…金属ランス
11A…基部
11B,11C,11E…拡張部
30…ハウジング
32…キャビティ
34…係止部
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ランスを備えた端子金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、雌側端子金具は、導電性金属板を曲げ加工することによって成形され、箱形をなす嵌合部と、この嵌合部の後端に連なる電線接続部とを備えて構成されている。嵌合部には相手の雄側端子金具のタブが挿入されて双方の接続が取られるようになっており、電線接続部には電線が圧着により接続されるようになっている。嵌合部の底板部の前端縁には、後方への折り返しにより弾性接触片が形成されている。そして、嵌合部の底板部には、その一部を外側に切り起こすことにより斜めに突出する金属ランスが形成されている。
この端子金具が樹脂製のコネクタハウジングのキャビティ内に挿入されると、金属ランスは、キャビティの内壁に弾性的に係止されて端子金具を抜け止め状態となすようにしている。この種の端子金具は、以下の特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−305054公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記端子金具をキャビティ内に挿入した状態で電線が後方へ引っ張られたりすると、金属ランスの先端部は、対向するキャビティの内壁を削ってそこに食い込むようになる。しかるにこの金属ランスの先端部は、基端部側と同一幅をもった単なる平板状とされているだけなので、キャビティの内壁に対して適度な端子保持力で係止されるとしても、さらに強力な端子保持力で係止されることが望まれる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子保持力を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、樹脂製のハウジング内に装着可能に形成されるとともに、前記ハウジング内の係止部に弾性的に係止されて抜け止め状態となす金属ランスが切り起こし形成された端子金具であって、前記金属ランスは、平板状の基部と、この基部の先端部にあって厚み方向または/および幅方向へ張り出すことにより、抜け方向へ引っ張り操作したときに前記係止部に対する掛り代を増大させる拡張部とを備える構成としたところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
樹脂製のハウジング内に端子金具は装着されると、端子金具に形成された金属ランスがハウジング内の係止部に弾性的に係止されて端子金具を抜け止め保持する。この状態で端子金具を抜け方向に引っ張ると、金属ランスの基部の先端部にて厚み方向または/および幅方向へ張り出す拡張部が、係止部の壁面に食い込んでそこに強固に固定される。すなわち、本発明の端子金具は、金属ランスに拡張部が形成されている分だけ従来よりも端子保持力が高められる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図3によって説明する。本実施形態の端子金具10は、雌側端子金具であって、バルブソケット用の合成樹脂製のハウジング30に装着されるようになっている。ハウジング30は、図3に示すように、端子装着部31を備え、その内側には、端子金具10を挿入可能なキャビティ32が設けられている。キャビティ32の内面には、後述する金属ランス11が進入可能なランス進入溝33が前後に長く形成されており、ランス進入溝33の前端には金属ランス11を係止可能な係止部34がキャビティ32内に突出して形成され、その前側には金属ランス11が嵌まり込み可能な係止孔35が貫通して形成されている。
【0008】
一方、端子金具10は、導電性の金属板をプレスにより所要形状に切断後、折り曲げ加工して成形されるものである。この端子金具10は、前後に細長い形状をなし、その後部には、図3に示すように、電線40の芯線41をかしめ付けるワイヤバレル12と、電線40の被覆に嵌着されたゴム栓50をかしめ付けるインシュレーションバレル13とが前後に並んで設けられている。
そして、端子金具10の前部には、図1及び図2に示すように、前後に延出された平板状をなす底板部14が設けられている。底板部14の後端寄りの両側端からは左右一対の側壁部15が立ち上げられ、この側壁部15から前方へは左右一対の弾性片15Aが片持ち状に延出されている。各弾性片15Aの先端部は、平面視して山形状に内側へ湾曲されており、この間に図示しないバルブの接点部が差し込まれて弾性的に挟持され、双方の電気的接続が取られるようになっている。
【0009】
そして、底板部14の下面中央には、撓み可能な金属ランス11が片持ち状に切り起こし形成されている。この金属ランス11は、底板部14に前後に細長いコ字状の切り込み14Aが入れられ、その切り込み14Aの内側に形成される板片を斜め下後方へ曲げ起こして成形されるようになっている。また、底板部14の下面のうち金属ランス11の先端部を挟んだ左右両側には、左右一対のランス保護部16が切り起こし形成されている。各ランス保護部16は、底板部14から側壁部15に亘る切り込み16Aの内側に形成された板片を斜め下側方へ曲げ起こして成形されるようになっている。これらランス保護部16があることで金属ランス11と底板部14との間に電線等の異物が入り込まないようになっている。
【0010】
さて、金属ランス11は、図4に示すように、前端から後端にかけてほぼ一定の幅寸法で延出される平板状の基部11Aと、この基部11Aの先端部中央において叩き出しにより下方へ張り出し形成された拡張部11Bとから構成されている。具体的に拡張部11Bは、基部11Aの先端部中央を厚み方向に張り出して弓形状に湾曲して形成されており、基部11の長さ方向の先端部のみに凹み形成されている。
【0011】
上記構成よりなる端子金具10は、まずワイヤバレル12及びインシュレーションバレル13に電線40及びゴム栓50をかしめ付けた状態としてハウジング30の後端からキャビティ32内に挿入される。端子金具10がキャビティ32内を奥方へ押し込まれると、金属ランス11は、キャビティ32のランス進入溝33内を進入し、係止部34に当接するに伴い上方へ撓み変形されて係止部34に乗り上がる。端子金具10が正規の挿入位置に至ると、金属ランス11が下方へ復元変形しつつ係止孔35内に嵌まり込んで係止部34に係止される。これにより、端子金具10は、ハウジング30に対して後方へ抜け止めされた状態となる。この状態で端子金具10に固着された電線40が後方へ引っ張られたりすると、金属ランス11の先端部が対向する係止部34の壁面を削ってそこに食い込み固定される。
【0012】
したがって本実施形態によれば、金属ランス11の先端部に厚み方向に張り出す拡張部11Bが形成されているため、この拡張部11Bが存する分だけ係止部34との掛り代が大となり、係止部34に対して強固に食い込み固定されるようになる。また、拡張部11Bが厚みを増大する方向に張り出し形成されることにより、金属ランス11の先端部と底板部14との間の離間距離が小さく設定されるようになる。その結果、この離間距離に相当する隙間に電線等の異物が進入し難くなり、このような異物の引っ掛りに起因して金属ランス11が塑性変形する事態を回避できる。
【0013】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図5ないし図7によって説明する。第2実施形態では、金属ランス11に形成された拡張部11Cが幅方向に張り出し形成されている。すなわち、第2実施形態の金属ランス11は、図7に示すように、前端から後端にかけてほぼ一定の幅寸法で延出される平板状の基部11Aと、この基部11Aの先端部にあって幅方向の両側に張り出して形成される拡張部11Cとからなり、全体として略T字状をなして形成されている。この金属ランス11は、図5に示すように、底板部に略T字状の切り込み14Cが入れられ、その切り込み14Cの内側に形成される板片を斜め下後方へ曲げ起こして成形されるようになっている。
【0014】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同じように、金属ランス11に拡張部11Cが形成されている分だけ端子保持力が高められる。しかも、第2実施形態の拡張部11Cは金属ランス11を切り込みにより形成する際に同時に形成されてその後の叩き出し工程が不要とされているから、製造が一層容易である。
【0015】
<第3実施形態>
図8ないし図10は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態の金属ランス11には、基部11Aの先端部中央において叩き出しにより上方へ弓形状に張り出してなる拡張部11Eが備えられている。第3実施形態は、拡張部11Eの切り起こしの向きが第1実施形態の場合と上下逆になっている点を除けば、第1実施形態とほぼ同様である。
【0016】
<参考技術>
図11は、本発明と直接には関係ないが、キャビティ30から端子金具10を抜け止めする別の手段として、ハウジング30側に樹脂ランス70を設けた例を示している。この樹脂ランス70は、キャビティ30の内壁と一体に形成されて前方へ片持ち状に延出されており、キャビティ30の内壁と連なる根元部を支点として先端側の自由端が上下動可能とされている。樹脂ランス70の上面には、端子金具10の被係止部(図示せず)に係止可能な突部71が設けられている。これにより、樹脂ランス70は、端子金具10の挿入過程で下方へ撓み変形され、端子金具10が正規の挿入位置に至ると上方へ復元変形して端子金具10の被係止部に突部71を係止させて端子金具10を抜け止め状態となすようにしている。
【0017】
さて、この樹脂ランス70の先端部には、上面から前面にかけて開口する切り欠き凹部72が形成されている。この切り欠き凹部72は、左右の両側壁73と底壁74とにより包囲されて上方及び前方の2方に開放されており、その内側には樹脂ランス70による端子金具10の係止を解除する解除冶具(図示せず)が差し込み可能とされている。
ここで、端子金具10の係止を解除するには、まず解除冶具の先端部を樹脂ランス70の切り欠き凹部72に差し入れ、その状態で解除冶具をこじって樹脂ランス70を下方へ撓み変形させる。すると、樹脂ランス70の突部71が端子金具の被係止部より離間されるから、その間に端子金具10を後方へ引き抜くようにすればよい。このように樹脂ランス70に切り欠き凹部71があることで端子金具10の係止の解除操作を容易に行える。
【0018】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0019】
(1)上記実施形態では、バルブソケットに使用される端子金具を示したが、本発明によれば、その他の用途に使用される端子金具にも適用することができる。例えば、通常のコネクタのハウジングに装着して使用される端子金具にも適用することができる。
(2)拡張部は、基部の先端部にあって厚み方向および幅方向の双方に張り出すものであっても構わない。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせた態様であっても構わない。
(3)第1または第3実施形態における拡張部は、基部の先端部ばかりでなく、基部の長さ方向の全域に亘って設けられていても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の端子金具の平面図
【図2】同じく側面図
【図3】同じくキャビティ内に正規に挿入された状態を示す側面図
【図4】同じく拡張部を示す拡大斜視図
【図5】第2実施形態の端子金具の平面図
【図6】同じく側面図
【図7】同じく拡張部を示す拡大斜視図
【図8】第3実施形態の端子金具の平面図
【図9】同じく側面図
【図10】同じく拡張部を示す拡大斜視図
【図11】参考例として挙げた樹脂ランスの拡大斜視図
【符号の説明】
10…端子金具
11…金属ランス
11A…基部
11B,11C,11E…拡張部
30…ハウジング
32…キャビティ
34…係止部
Claims (1)
- 樹脂製のハウジング内に装着可能に形成されるとともに、前記ハウジング内の係止部に弾性的に係止されて抜け止め状態となす金属ランスが切り起こし形成された端子金具であって、
前記金属ランスは、平板状の基部と、この基部の先端部にあって厚み方向または/および幅方向へ張り出すことにより、抜け方向へ引っ張り操作したときに前記係止部に対する掛り代を増大させる拡張部とを備えることを特徴とする端子金具。
Priority Applications (3)
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