JP2004362642A - ディスクカートリッジ - Google Patents

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Koji Kishida
広史 岸田
Kenji Usui
健治 臼井
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Abstract

【課題】シャッタのスムーズな摺動を得ることができるディスクカートリッジを提供することにある。
【解決手段】ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓が対向する位置に形成されたケース本体と、前記ケース本体の前側端縁の対向する位置にそれぞれ設けられたレール状突起にその溝部が係合してそれぞれ独立して前側端縁に沿って摺動可能に設けられたスライダと、該スライダに固着されて前記窓を開閉する断面略L字形状の開閉板と、前記スライダを一方向に付勢する弾性部材とを備えたディスクカートリッジにおいて、前記スライダは前記開閉板を皿ねじで螺着するためのねじ穴が前記スライダの頂部の前記溝部側に寄った位置に設けられると共に、前記ねじ穴に対応する前記スライダの前記溝部を有する面の反対面の箇所に窪み部が形成されていることを特徴とするディスクカートリッジ。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円盤形状をしたディスク状記録媒体を回転自在に収納する両面読み書き可能なタイプのディスクカートリッジに関し、さらに詳しくは、金属製開閉板を皿ねじでスライダに螺着する際に皿ねじの侵入方向に直交する方向にスライダのねじ穴を広げる力が作用し、スライダの長手方向に直交する方向のねじ穴に対応する箇所が膨出するのを防止してシャッタのスムーズな開閉を約束する構造からなるスライダを有するディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光ディスク、光磁気ディスク等の円盤形状をしたディスク状記録媒体を機器装置にローディングするために、ディスク状記録媒体を回転自在に収納するディスクカートリッジが使用されている。そして、ディスクカートリッジは、未使用時にゴミ等の異物がヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓から侵入するのを防止する意味ために、ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓がシャッタで閉じられた状態を維持するように構成され、たとえば、捩りコイルばね(弾性部材)を用いて常にシャッタを閉止する方向に付勢している。そして、ディスクカートリッジをディスクドライブ装置に装着したときに、ディスクドライブ装置のシャッタ駆動ピンでシャッタを弾性部材の付勢力に抗して摺動させてヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓を開き、ディスクへの読み書きを行なうようになっている。
【0003】
そして、ディスクカートリッジには、片面のみ読み書き可能なタイプと両面読み書き可能なタイプがあり、また、両面読み書き可能なタイプのディスクカートリッジとして、大別すると、▲1▼ケース本体の両面の対向する位置に形成されたヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓を閉じる位置を中立位置として左右両方向へスライド自在に取付けられた断面略コの字状の一つのシャッタからなるタイプ(たとえば、特許文献1参照)と、▲2▼ケース本体の両面の対向する位置に形成されたヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓をそれぞれ独立して一方向へスライド自在に取付けられた断面略L字状の二つのシャッタからなるタイプとがある。また、シャッタには、金属製やプラスチック製の開閉板のみからなるものと、金属製やプラスチック製の開閉板をプラスチック製スライダに固着したものとが存在する。
【0004】
図2〜4に示すシャッタ開閉構造を有するディスクカートリッジは、上記した▲2▼のタイプのディスクカートリッジであって、開閉板とスライダとからなるシャッタを備えたディスクカートリッジである。このディスクカートリッジ1のケース本体2は上下一対のハーフシェル10からなり、上下ハーフシェル10は雄と雌の嵌合部が異なる以外は基本的にはほぼ同じ形状であり、上ハーフシェル10を例に挙げて説明する。
【0005】
前記上ハーフシェル10はその中央から前側端縁へ向かってディスクドライブ(図示せず)へのディスクカートリッジの装填方向に延在するヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓13を備えると共に内面にディスクの収納空間を区画する周壁11と側端縁部に沿って延在する側壁12が形成され、前側端縁の前記側壁12は前記ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓13を挟んで一方(図3〜5上の右側)が他の側壁12よりケース本体2の厚み方向に低い側壁12’に構成されると共に前記側壁12’の前記ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓13から最も離れた位置にハーフシェル係合凹部14が形成され、さらに前側端縁の前記側壁12、12’より前側端縁側内面に前側端縁に平行にレール状の凸状突起15が一体的に形成されている。なお、前記側壁12’を前記側壁12よりケース本体2の厚み方向に低く形成しているのは、後述する弾性部材40の腕部42の移動の妨げとなるのを防止し、ケース本体1の厚みを薄く構成するためである。
【0006】
そして、前記上ハーフシェル10に設けた前記凸状突起15にその溝部21で摺動可能にスライダ20が係合している。スライダ20は本体部20aと該本体部20aの長手方向の閉方向側に延設部20bとからなり、前記本体部20aの頂部で前記ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓13を開閉する略L字形状の金属製開閉板30が前記ハーフシェル10の前側端縁を跨いで固着されてシャッタとして機能するように構成されている。前記スライダ20は前記本体部20aの長手方向の閉方向側に偏った位置に前記シャッタを開閉するためのシャッタ駆動ピン(図示せず)と係合する受穴24と、前記本体部20aの頂部の長手方向の両端部の前記溝部21側に寄った位置に前記金属製開閉板30を皿ねじ50で螺着するためのねじ穴23(図4上は2箇所)と前記本体部20aの長手方向の略中央部に前記金属製開閉板30を位置決めするための位置決め用突起22(図2、4上は1箇所)と、前記本体部20aの長手方向の開方向側の内面にスライダ係合孔25と該スライダ係合孔25を含む凹部26(図3上は正面視三角形状の凹部)とを備えている。
【0007】
前記金属製開閉板30は前記スライダ20の前記受穴24に対応する位置に前記シャッタ駆動ピン(図示せず)を前記受穴24内に導くための切欠開口33と前記スライダ本体部20aの前記ねじ穴23および前記位置決め突起22に対応する位置に皿ねじ50を挿通する挿通穴32および前記位置決め突起22と係合する位置決め穴31とを備えている。
【0008】
また、弾性部材40は、弾性線状部材が巻かれたコイル部41と、このコイル部41から延びる2本の腕部42と、該2本の腕部42の先端部に同じ側に略直角に屈折された端部係合部43を有する、いわゆる捩りコイルばねであって、該捩りコイルばね40の一方の端部係合部43が前記スライダ係合孔25と係合し、他方の端部係合部43が前記上ハーフシェル係合孔14と係合し、常に前記スライダ20を閉方向側に付勢するようになっている。また、前記スライダ20に設けた前記凹部25(図3上は正面視三角形状の凹部)は、前記捩りコイルばね40の一方の端部係合部43と繋がっている前記弾性部材(捩りコイルばね)40の腕部42が前記ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓13を開閉する際に移動する軌跡に対応した大きさ(面積)の凹部となっている。
【0009】
上記のように構成された図3に示す前記上ハーフシェル10は、図示はしないが、前記上ハーフシェル10の前記周壁11内にディスク状記録媒体が収納され、その後に下ハーフシェル10を内面同士が対向するようにねじ等の接合手段で接合することにより、図2に示す両面読み書き可能なタイプのディスクカートリッジ1となる。
【0010】
しかしながら、上記のように構成した図2に示すようなディスクカートリッジ1は、スライダ20に金属製開閉板30を皿ねじ50で螺着すると皿ねじ50の侵入方向に直交する方向にスライダのねじ穴23を広げる力が作用する。そして、図5に示すように皿ねじ50でスライダ20に金属製開閉板30を螺着すると、前記スライダ本体部20aに設けた前記ねじ穴23が前記スライダ20に設けた前記溝部21側に寄った位置に形成されている(これは、金属製開閉板30の図5の符号Sで示す幅を可能な限り幅広とするためである)ために、ねじ穴23に対応する箇所のスライダ20の厚み方向の肉厚が異なり、肉厚の薄い側(スライダ20の溝部21側)にねじ穴23を広げる力が集中して皿ねじ50の最大直径部の位置に対応する箇所が前記スライダ20の前記溝部21側に膨出(図5上、符号Bで示す箇所)し、ハーフシェル10を押圧するために、スライダのスムーズな摺動が阻害されるという問題があった。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−251752号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題を解決するためになしたものであって、その目的とするところは、金属製開閉板を皿ねじでスライダに螺着する際に皿ねじの侵入方向に直交する方向にスライダのねじ穴を広げる力が作用してもスライダの長手方向に直交する方向の溝部側のねじ穴に対応する箇所が膨出するのを防止してシャッタのスムーズな開閉を約束する構造からなるスライダを有するディスクカートリッジを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ディスク状記録媒体を回転自在に収納すると共にヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓が対向する位置に形成された上下一対のハーフシェルからなるケース本体と、前記上下一対のハーフシェルのそれぞれの前側端縁内面に設けられたレール状の凸状突起にその溝部で係合して前記ケース本体の前側端縁に沿ってそれぞれ独立して摺動可能に設けられたスライダと、該スライダにそれぞれ独立して固着されて前記ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓を開閉する断面が略L字形状の金属製開閉板と、前記スライダをそれぞれ一方向に付勢する弾性部材とを備え、前記スライダは前記金属製開閉板が皿ねじで固着される本体部と、該本体部の長手方向の閉方向側に延設部とを有し、前記本体部の長手方向の閉方向側に偏った位置にシャッタを開閉するためのシャッタ駆動ピンと係合する受穴と、前記本体部の頂部の長手方向の両端部に前記金属製開閉板を皿ねじで螺着するためのねじ穴を備え、前記金属製開閉板は前記スライダの前記受穴に対応する位置に前記シャッタ駆動ピンを前記受穴内に導くための切欠開口と前記スライダの前記ねじ穴に対応する位置に皿ねじを挿通する挿通穴を備えているディスクカートリッジにおいて、前記スライダの前記ねじ穴は前記スライダの厚み方向において前記スライダの前記溝部側に寄った位置に設けられると共に、皿ねじで前記スライダに前記金属製開閉板を螺着した際の皿ねじの最大直径部の位置に対応する前記スライダの前記溝部を有する面の反対面の箇所に少なくとも窪み部が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に説明する。
本発明のディスクカートリッジは、従来技術の項で説明したディスクカートリッジ1と基本的に同じ構成からなるものであって、用いる符号の意味も同じである。図1は本発明にかかるディスクカートリッジに用いるスライダの斜視図であって、スライダ20’はねじ穴23に対応する溝部21を有する面の反対面のねじ穴23に対応する箇所に窪み部27、27’を設け、前記ねじ穴23に対応する箇所のスライダ20の厚み方向の肉厚を前記溝部21を有する面側とその反対面側で略同じ厚さに形成したものであって、これ以外は従来の技術の項で説明したスライダ20と同じである。なお、図1において、前記窪み部27は皿ねじ50が螺着される前記ねじ穴23に対応する箇所全体を、前記窪み部27’は皿ねじ50の最大直径部の位置に対応する箇所のみを前記溝部21を有する面側とその反対面側で同じ厚さに形成したものである。このように構成したスライダ20’を用いた本発明のディスクカートリッジは、スライダ20’に金属製開閉板30を皿ねじ50で螺着した際に皿ねじ50の侵入方向に直交する方向に前記スライダ20’の前記ねじ穴23を広げる力が均一に作用するために、図5の符号Bで示すように前記スライダ20’の前記ねじ穴23に対応する前記溝部21側の箇所が膨出するのを防止することができ、シャッタのスムーズな開閉を約束することができる。
【0015】
なお、図1においては、前記窪み部27、27’を前記ねじ穴23に対応する前記溝部21を有する面側とその反対面側との肉厚を同じ厚さとなるように形成したが、前記ねじ穴23に対応する前記溝部21を有する面側の肉厚よりも前記溝部21の反対面側の肉厚を薄肉に形成してもよいものである。この場合は、前記溝部21の反対面側が膨出することになるが、前記窪み部27、27’の中で窪みの範囲内で膨出することになるために、何等支障はない。
【0016】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明は、ディスク状記録媒体を回転自在に収納すると共にヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓が対向する位置に形成された上下一対のハーフシェルからなるケース本体と、前記上下一対のハーフシェルのそれぞれの前側端縁内面に設けられたレール状の凸状突起にその溝部で係合して前記ケース本体の前側端縁に沿ってそれぞれ独立して摺動可能に設けられたスライダと、該スライダにそれぞれ独立して固着されて前記ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓を開閉する断面が略L字形状の金属製開閉板と、前記スライダをそれぞれ一方向に付勢する弾性部材とを備え、前記スライダは前記金属製開閉板が皿ねじで固着される本体部と、該本体部の長手方向の閉方向側に延設部とを有し、前記本体部の長手方向の閉方向側に偏った位置にシャッタを開閉するためのシャッタ駆動ピンと係合する受穴と、前記本体部の頂部の長手方向の両端部に前記金属製開閉板を皿ねじで螺着するためのねじ穴を備え、前記金属製開閉板は前記スライダの前記受穴に対応する位置に前記シャッタ駆動ピンを前記受穴内に導くための切欠開口と前記スライダの前記ねじ穴に対応する位置に皿ねじを挿通する挿通穴を備えているディスクカートリッジにおいて、前記スライダの前記ねじ穴は前記スライダの厚み方向において前記スライダの前記溝部側に寄った位置に設けられると共に、皿ねじで前記スライダに前記金属製開閉板を螺着した際の皿ねじの最大直径部の位置に対応する前記スライダの前記溝部を有する面の反対面の箇所に少なくとも窪み部が形成されている構成とすることにより、金属製開閉板を皿ねじでスライダに螺着する際に皿ねじの侵入方向に直交する方向にスライダのねじ穴を広げる力が作用してもスライダの長手方向に直交する方向の溝部側のねじ穴に対応する箇所が膨出するのを防止してシャッタのスムーズな開閉を約束することができるスライダを有するディスクカートリッジとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるディスクカートリッジの要部斜視図である。
【図2】従来のディスクカートリッジの一実施形態を示す斜視図である。
【図3】従来のシャッタの開閉構造を説明するハーフシェルの前端縁側の内面図である。
【図4】図3の分解斜視図である。
【図5】従来のスライダに開閉板を螺着した際の問題点を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
1 ディスクカートリッジ
2 ケース本体
10 ハーフシェル
11 周壁
12、12’ 側壁
13 ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓
14 ハーフシェル係合凹部
15 凸状突起
20 スライダ
20a スライダ本体部
20b スライダ延設部
21 溝部
22 位置決め突起
23 ねじ穴
24 受穴
25 スライダ係合孔
26 凹部
27、27’ 窪み部
30 シャッタ
31 位置決め穴
32 挿通穴
33 切欠開口
40 弾性部材(捩りコイルばね)
41 コイル部
42 腕部
43 端部係合部
50 皿ねじ

Claims (1)

  1. ディスク状記録媒体を回転自在に収納すると共にヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓が対向する位置に形成された上下一対のハーフシェルからなるケース本体と、前記上下一対のハーフシェルのそれぞれの前側端縁内面に設けられたレール状の凸状突起にその溝部で係合して前記ケース本体の前側端縁に沿ってそれぞれ独立して摺動可能に設けられたスライダと、該スライダにそれぞれ独立して固着されて前記ヘッドアクセス窓及び駆動軸挿入窓を開閉する断面が略L字形状の金属製開閉板と、前記スライダをそれぞれ一方向に付勢する弾性部材とを備え、前記スライダは前記金属製開閉板が皿ねじで固着される本体部と、該本体部の長手方向の閉方向側に延設部とを有し、前記本体部の長手方向の閉方向側に偏った位置にシャッタを開閉するためのシャッタ駆動ピンと係合する受穴と、前記本体部の頂部の長手方向の両端部に前記金属製開閉板を皿ねじで螺着するためのねじ穴を備え、前記金属製開閉板は前記スライダの前記受穴に対応する位置に前記シャッタ駆動ピンを前記受穴内に導くための切欠開口と前記スライダの前記ねじ穴に対応する位置に皿ねじを挿通する挿通穴を備えているディスクカートリッジにおいて、前記スライダの前記ねじ穴は前記スライダの厚み方向において前記スライダの前記溝部側に寄った位置に設けられると共に、皿ねじで前記スライダに前記金属製開閉板を螺着した際の皿ねじの最大直径部の位置に対応する前記スライダの前記溝部を有する面の反対面の箇所に少なくとも窪み部が形成されていることを特徴とするディスクカートリッジ。
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