JP2004359595A

JP2004359595A - 液状咽喉保護組成物

Info

Publication number: JP2004359595A
Application number: JP2003159142A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Segawa; 裕之瀬川; Miyuki Fukuda; みゆき福田; Megumi Nakahara; めぐ実中原
Original assignee: Earth Chemical Co Ltd
Current assignee: Earth Corp
Priority date: 2003-06-04
Filing date: 2003-06-04
Publication date: 2004-12-24

Abstract

【課題】使用時にグリセリンによる保湿感が得られ、しかも冷涼感に優れた液状咽喉保護組成物、また前記組成物での使用に適した冷涼感増強組成物を提供すること。
【解決手段】グリセリンとエリスリトールを含有するか、これらとさらにキシリトール及びラクチトールの少なくとも１種を含有したことを特徴とする液状咽喉保護組成物。
【選択図】なし

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷涼感、保湿感に優れた液状咽喉保護組成物、前記組成物での使用に適した冷涼感増強組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、咽喉の不快感を解消するものとして、のど飴、うがい液等が広く知られている。また最近では、咽喉のストレスや負担を解消、軽減する目的で、のど粘液と同様のチキソトロピー性を有するのど保護組成物が検討されている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２０００−８００４０号公報（第１−９頁）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来のものは、保湿感を付与するためにグリセリンを含むことが多いことから、使用時に甘さが残り爽やかさに欠けるという問題があった。
そこで本発明は、前記のごとき問題を解消し、使用時にグリセリンによる保湿感が得られ、しかも冷涼感に優れた液状咽喉保護組成物、また前記組成物での使用に適した冷涼感増強組成物を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、グリセリンとエリスリトールを併用することで、咽喉に保湿感を与え、さらに冷涼感にも優れること、さらにエリスリトールとキシリトール及びラクチトールの少なくとも１種とを併用することで、特に咽喉での冷涼感を増強することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成により達成されるものである。
（１）グリセリンとエリスリトールを含有したことを特徴とする液状咽喉保護組成物。
（２）キシリトール及びラクチトールの少なくとも１種を含有したことを特徴とする（１）記載の液状咽喉保護組成物。
（３）エリスリトールとキシリトール及びラクチトールの少なくとも１種とを有効成分としたことを特徴とする冷涼感増強組成物。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明の液状咽喉保護組成物は、グリセリン３〜３０重量％、好ましくは５〜２０重量％と、エリスリトール３〜３０重量％、好ましくは５〜１５重量％を含有したものである。なおグリセリンは濃グリセリンであってもよい。
【０００７】
さらにキシリトール及びラクチトールの少なくとも１種を５〜１５重量％含有することが、保湿感、冷涼感をより優れたものにできるので好ましい。
【０００８】
これらの含有割合は、重量比でグリセリン１：エリスリトール１〜３：キシリトール及びラクチトールの少なくとも１種を１〜３とするのがよい。
【０００９】
本発明の液状咽喉保護組成物を咽喉へ適切に到達させるためには、適度な粘性をもつように粘度を調整することがよく、キサンタンガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、グアーガム、ペクチン、これらの混合物等のガム類を用いて、２０℃条件下において２センチポイズ以上、好ましくは５〜１００センチポイズとするのがよい。さらに緩衝剤によって、ＰＨを３〜９とすると使用感がよい。
【００１０】
本発明の液状咽喉保護組成物は、液状担体に前記の成分と共に香料類等の所期の成分を含有させて、ボトル、ポンプ、チューブ、スプレー、エアゾール等の各種タイプの吐出容器に収納して用いればよい。
【００１１】
前記のごとき容器において、図１のようなチューブタイプに収納して用いる場合には、液状咽喉保護組成物の粘度を２０℃条件下において２〜５０センチポイズに調整するとよい。
【００１２】
図１は、チューブタイプの一例を前方斜め上方から見た斜視図を示し、矢印で指示した箇所を押して内容物を吐出させる。
図１のようなチューブタイプにおいては、球状弁を有する逆流防止用弁を設けたもの（特開２０００−２８９７５６号参照）がよく、またチューブ材質としては、液状咽喉保護組成物の安定性の確保につながる高いバリアー性を持ち、復元力の大きい材質のものがよい。例えば、アルミ層を持つもの、エバール層を持つもの、これらを組合せて持つものが好適であり、チューブの密閉性を保つためアルミ層が２０μｍ以上であることが好ましい。また、復元力向上のため、チューブ原反層厚３００μｍ以上であることが好ましい。さらにチューブシール時の疑似接着を防ぐため、最内層と最外層にポリエチレンをコートするのが好ましい。そして、球状弁がエアーバックを防ぎ、液状咽喉保護組成物の酸化を防止し、最後まで安定して吐出することができる。
【００１３】
前記のごときチューブタイプでは、吐出口径を０．１〜１．５ｍｍに設定し、１プッシュで約０．３〜０．５ｇが吐出するように調整することで、適切な粘度を有する液状咽喉保護組成物を咽喉に適量到達させることができる。
【００１４】
本発明の液状咽喉保護組成物を調製するための各種成分としては、精製水、イオン水等の水；エタノール、ブルシン、ゲラニオール、香料等の各種変性剤で変性されたエタノールベースの変性アルコール、これらの混合物等のアルコール；（＋）−カテキン、（−）−カテキン、（＋）−ガロカテキン、（＋）−エピガロカテキン、（＋）−ガロカテキンガレート、（＋）−エピガロカテキンガレート、（−）−ガロカテキンガレート、テアフラビンモノガレートＡ、テアフラビンモノガレートＢ、テアフラビンジガレート及び遊離型テアフラビン等のポリフェノール類；Ｌ−テアニン、茶タンニン、カフェイン等の茶抽出物；リンゴ、オレンジ、キブドウ等の果汁、これらのジュース類；煎茶、紅茶、ウーロン茶等の茶；コーヒー、ココア、ワイン、ビール等の飲料類；ウバイ、カミツレ、ドクダミ、ショウキョウ、チョウジ、タイソウ、ゴミン、ケイヒ、ビワ葉、ラカンカ、カリン、チンピ、キキョウ、キョウニン、キンカン、ニンジン、ガラナ、カンゾウ、これらの抽出物、エキス、チンキ等；ビタミンＡ、ビタミンＢ１、ビタミンＢ２、ビタミンＢ６（又は塩酸ピリドキシン）、ビタミンＢ１２、ビタミンＣ（又はＬ−アスコルビン酸）、ビタミンＤ、ビタミンＥ、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸等のビタミン類；カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、マンガン、イオウ等のミネラル類；α−ピネン、メントール、ペパーミント油、ミント油、シナモンオイル、グローブオイル、オイゲノール、チモール、アネトール、メントン、レモンオイル、バニリン、シネオール、ユーカリオイル等の香料又は精油；サッカリン、サッカリンナトリウム、ソルビトール、ステビア、グリチルリチン酸ジカリウム、はちみつ、ブドウ糖、果糖、液糖、スクラロース等の甘味料；クエン酸、リンゴ酸等の酸味料；青色１号、黄色４号、赤色１０２号等の着色剤；パラベン類、安息香酸ナトリウム等の保存料；クエン酸ナトリウム、リン酸２水素１ナトリウム、リン酸１水素２ナトリウム、グルコン酸、グルコン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム等の緩衝剤；エチレンジアミン二酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、フィチン酸塩等のキレート化剤；ムタステイン、リゾチーム等の酵素；銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム等のクロロフィリン類、アクアインプール等が挙げられる。
【００１５】
本発明の冷涼感増強組成物は、エリスリトールとキシリトール及びラクチトールの少なくとも１種とを有効成分としたものであり、重量比でエリスリトール１に対してキシリトール及びラクチトールの少なくとも１種を０．３〜３となるように組合せたものである。前記組成物は、本発明の液状咽喉保護組成物での使用に適しており、３〜３０重量％、好ましくは５〜１５重量％含有させれば所期の効果を奏することができる。
【００１６】
本発明の液状咽喉保護組成物、冷涼感増強組成物は、口腔内に適用しうる飲料、食品、トローチ、洗口液、歯磨等に用いることができる。
【００１７】
【実施例】
以下に実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【００１８】
試験例１
表１に記載した供試サンプルを調製し、スポイトを用いて各サンプル０．５ｇを咽喉に直接当たるように滴下して使用感を評価した。評価は被験者５名で行い、以下の基準に従い評価しその平均値を求めた。
冷涼感；弱い（１）⇔強い（５）、保湿感；弱い（１）⇔強い（５）、甘味感；弱い（１）⇔強い（５）
【００１９】
【表１】

【００２０】
試験の結果は表２に記載したとおり、実施例１〜４は冷涼感、保湿感に優れ、適度の甘味感を呈するものであった。とくにエリスリトールとキシリトール又はラクチトールを併用した実施例３、４は、甘味感が適度に抑えられ液状咽喉保護組成物として優れたものであることが確認された。
【００２１】
【表２】

【００２２】
試験例２
本発明の液状咽喉保護組成物として以下の成分からなるものを調製し、図１に記載のチューブ（球状弁を有する逆流防止用弁付き）に２０ｇを収納した試験サンプルを作成した。そして被験者１９名（２０〜４０才代の男性１３名、女性６名）に試験サンプルを配布し、咽喉に向けて１プッシュ（約０．３〜０．５ｇが吐出）する用法で全量を１週間で使用してもらい、冷涼感、保湿感（しっとり感）を評価した。なお香料は冷涼感のないものを用いた。また粘度は２０センチポイズ／２０℃とした。
（成分）（重量％）
グリセリン１０．００
エリスリトール５．００
ラクチトール４．００
エタノール２．００
キサンタンガム０．２０
Ｌ−メントール０．０２
グルコン酸０．１０
グルコン酸ナトリム０．０５
香料０．２０
精製水適量
合計１００．００
【００２３】
試験の結果は表３に記載したとおり、本発明の液状咽喉保護組成物は冷涼感、保湿感（しっとり感）に優れるものであった。
【００２４】
【表３】

【００２５】
製剤例
以下に本発明の液状咽喉保護組成物の製剤例を示すが、発明の実施に障害がない限りこれらに限定されるものではない。
【００２６】
製剤例１；２０センチポイズ／２０℃
（成分）（重量％）
グリセリン１０．００
エリスリトール５．００
ラクチトール４．００
キシリトール３．００
エタノール２．００
キサンタンガム０．２０
Ｌ−メントール０．０２
グルコン酸０．１０
グルコン酸ナトリム０．０５
ミント系香料０．２０
精製水適量
合計１００．００
【００２７】
製剤例２；２５センチポイズ／２０℃
（成分）（重量％）
グリセリン１５．００
エリスリトール５．００
ラクチトール５．００
エタノール２．００
キサンタンガム０．１５
カテキン０．５０
グリチルリチン酸ジカリウム０．０１５
Ｌ−メントール０．０２
グルコン酸０．１５
グルコン酸ナトリム０．０４
ミント系香料０．３０
精製水適量
合計１００．００
【００２８】
製剤例３；２０センチポイズ／２０℃
（成分）（重量％）
グリセリン１０．００
エリスリトール５．００
キシリトール５．００
エタノール１．８０
キサンタンガム０．１５
Ｌ−メントール０．０１５
カテキン０．４０
グリチルリチン酸ジカリウム０．１０
アスコルビン酸０．１３
グルコン酸０．２０
グルコン酸ナトリム０．０５
ミント系香料０．２５
精製水適量
合計１００．００
【００２９】
製剤例４；２０センチポイズ／２０℃
（成分）（重量％）
グリセリン１０．００
エリスリトール５．００
ラクチトール５．００
エタノール１．８０
キサンタンガム０．１５
Ｌ−メントール０．０１５
カテキン０．４０
グリチルリチン酸ジカリウム０．１０
アスコルビン酸０．１３
グルコン酸０．２０
グルコン酸ナトリム０．０５
ミント系香料０．２５
精製水適量
合計１００．００
【００３０】
製剤例５；２５センチポイズ／２０℃
（成分）（重量％）
グリセリン１５．００
エリスリトール５．００
キシリトール５．００
エタノール２．００
キサンタンガム０．１５
Ｌ−メントール０．０２
カテキン０．５０
グリチルリチン酸ジカリウム０．１０
サイクロデキストリン０．２０
テアニン０．０５
グルコン酸０．１５
グルコン酸ナトリム０．０４
ミント系香料０．３０
精製水適量
合計１００．００
【００３１】
製剤例６；２５センチポイズ／２０℃
（成分）（重量％）
グリセリン１５．００
エリスリトール５．００
ラクチトール５．００
キシリトール０．５０
エタノール１．５０
キサンタンガム０．１５
Ｌ−メントール０．０３
カテキン０．２０
グリチルリチン酸ジカリウム０．０５
サイクロデキストリン０．１０
テアニン０．０１
アスコルビン酸０．２５
グルコン酸０．２５
グルコン酸ナトリム０．０４
ミント系香料０．３０
鉄クロロフィリンナトリウム０．０００１
精製水適量
合計１００．００
【００３２】
製剤例７；３０センチポイズ／２０℃
（成分）（重量％）
グリセリン２２．００
エリスリトール５．００
ラクチトール４．００
キシリトール４．００
エタノール１．８０
キサンタンガム０．１０
Ｌ−メントール０．０１５
カテキン０．４０
グリチルリチン酸ジカリウム０．１０
ポリフェノール０．１０
カリンエキス０．０１
ショウキョウエキス０．０１
キキョウエキス０．０１
ニンジンエキス０．０１
アスコルビン酸０．２４
グルコン酸０．２０
グルコン酸ナトリム０．０５
ミント系香料０．２５
精製水適量
合計１００．００
【００３３】
製剤例８；２５センチポイズ／２０℃
（成分）（重量％）
グリセリン１５．００
エリスリトール５．００
ラクチトール５．００
キシリトール２．００
エタノール１．５０
キサンタンガム０．２０
Ｌ−メントール０．０３
カテキン０．２０
ガラナエキス０．１０
ビタミンＢ６０．０５
グリチルリチン酸ジカリウム０．０５
ポリフェノール０．１０
アスコルビン酸０．２５
グルコン酸０．２０
グルコン酸ナトリム０．１０
ミント系香料０．１５
精製水適量
合計１００．００
【００３４】
【発明の効果】
本発明によって、使用時に保湿感が得られ、しかも冷涼感に優れた液状咽喉保護組成物、前記組成物での使用に適した冷涼感増強組成物を提供することができる。本発明の液状咽喉保護組成物は、適度の甘味を呈することから嗜好的にも満足できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、チューブタイプの一例を前方斜め上方から見た斜視図を示す。

Claims

グリセリンとエリスリトールを含有したことを特徴とする液状咽喉保護組成物。
キシリトール及びラクチトールの少なくとも１種を含有したことを特徴とする請求項１記載の液状咽喉保護組成物。
エリスリトールとキシリトール及びラクチトールの少なくとも１種とを有効成分としたことを特徴とする冷涼感増強組成物。